モバP「菜々さんを、ウサミン星に?」 (101)
未央「うん…ちょうど、みんなのオフも重なってるし、どうせみんな一斉に帰星するならちょうどいいかなって」
卯月「ちひろさんも言ってたじゃないですか!ミッポンくらいならって!」
モバP「…しかしだな…」
凛「やっぱり、何か問題があるの?」
モバP「いや、行くだけなら問題はない…ただ、さ…菜々さんがウサミン星に帰りたいと思うだろうか、と思ってな」
凛「…」
未央「…」
モバP「確かにウサミン星人の名でアイドルやってはいるけど、本心じゃやっぱり…」
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卯月「でも…そんなの悲しいじゃないですか!せっかくウサミン星人として生まれて、王族の血まで継いでるのに…」
卯月「私たちの生まれたところは人参だって美味しいです!街も自然もとっても綺麗です!!それにみんなとっても優しいし、ウサミン星はとってもいいところです!!」
卯月「それなのに…地球に送られて、そんな制度のためだけに…故郷を恨まなきゃならないなんて…うぅ…うぁあ…」
モバP「…よしよし…ほら、落ち着け、卯月」
卯月「…うっ…グスッ…ごめんなさい…」
凛「…」
モバP「よしよし…」
未央「…ねぇ、しまむー、プロデューサー…菜々ちゃんは、ウサミン星の事を恨んでなんかないよ」
凛「…未央」
卯月「…未央、ちゃん?」
モバP「…なんで、そう思う?」
未央「…だってさ、プロデューサーがスカウトした時、メイド喫茶でウサミン星人名乗ってたんでしょ?だからプロデューサーもスカウトできた…そうだよね」
モバP「うん、そうだな」
未央「別に、電波系キャラならさ、わざわざウサミン星人名乗らなくてもいいと思うんだ、誰々の生まれ変わりだーとかでも…」
未央「なんだったら菜々ちゃん、可愛いんだから普通にメイドやっててもいいのに…」
未央「でも…それなのにわざわざウサミン星人を名乗ってメイドやってたんだよ?電波系キャラなんて装ってさ…」
未央「だから…私は、恨んでなんかいないと思うんだ」
凛「…私もそう思う」
凛「私たち、菜々さんに出身地聞いたよね?その時の菜々さんのウサミアンジョーク覚えてる?」
卯月「うん…ウサ山だ、って」
未央「プッ…」
モバP「ふっ…くく…」
凛「あはは、そうそう…菜々さんが答えたウサミアンジョークだよ…プロデューサー、とっさにこんな答え考えつく?」
モバP「くふっ…ははっ…は…はぁ…ふぅ…無理だろうな」
凛「…こんな凄いウサミアンジョークさ、私たちじゃ作れないよ…相当なウサミン星の教養と愛がないと…」
凛「…だから…」
モバP「…そうか、そうだよな、菜々さんが、何かを恨むなんて考えられないな」
卯月「そう、だよね…ねぇプロデューサーさん、菜々ちゃんに聞いてみましょうよ!それでよければ、菜々ちゃんを、故郷へ…!」
モバP「…そうだな…よっし、じゃあちひろさんともちゃんと相談しなきゃな!…言い出しっぺはお前達なんだぞ、もちろん協力してくれるだろ?」
卯月「当然です!」
凛「しないわけがないよ」
未央「姉を故郷に送り届けるのは妹の役目!」
モバP「よっしゃ、明日から忙しくなるぞ!ウサミ~ン…」
モバP、卯月、凛、未央「ラヴィッ!!」
翌日
事務所
菜々「…」
心「…」
菜々「………」ダラダラ
心「………」
菜々「あ、あはは…は、話ってなんでしょうね」
心「…はぁとが知るわけないだろぉ~☆」
菜々「そ、そうですよね!あはは…」
卯月「お、遅れてごめんなさい!!」バタン
菜々「!?」ビクッ
心「もう、結構待ったぞ☆」
卯月「ハァ…ハァ…す、すみません!急用で…」
卯月「ふぅ…」ピコ
菜々「!!」
心「耳出てるよー☆」
卯月「え?あ、ほんとだ…ん…ん…ふぅ」
卯月「ふぅ~…あ、そうでした、待たしておいて悪いんですけどプロデューサーさん達が来るまで待っててください!あ、お茶淹れてきますね!」
菜々「あ、どうも…」
心「…はぁ」
心「…」
菜々「…」ドキドキ
心「………」
菜々(沈黙が辛い…)
卯月「お待たせしました!」
卯月「はい、どうぞ!」トン
心「ありが…なにこれ」
卯月「えっ?…あ、あの…シュガー地方では糖茶飲むって聞いたので、こっちにあるもので作ってみたんですけど…」
心「あ、砂糖茶かー、はぁとこっちで飲めるとは思ってなかったよぉ☆感激☆」
卯月「あ…!ありがとうございます!えっと、うまく作れたかどうかわかりませんけど、どうぞ召し上がってください!!」
心「ありがとぉ☆」
菜々「…」ポカーン
卯月「あああああ!!ごめんなさい!菜々ちゃんの分!!今淹れてきますね!!」ドタバタ
心「…なにこの白いの」
菜々「…さ、さぁ?」
心「…半分こしよぉ☆」ススッ
菜々「…え?あ、はい…」
菜々「…」
菜々「…」グイ
菜々「ウブェッ!?ゲホッ…ゴヘッ…うぇ…」
心「!?」
卯月「あぁ!?菜々ちゃんは飲んじゃダメだよ!!」
菜々「ゲホッ…うぇ…な、なに…」
卯月「シュガー地方の人だから飲めるもので私達が飲めるものじゃないんだから…」サスサス
心「!?」
卯月「はい…菜々ちゃん、キャロッティー飲んで…」
菜々「げふっ…えふっ…う…」ゴクゴク
卯月「もう…」
菜々「美味しい…」
卯月「でしょう!?未央ちゃんの実家が送ってくれたんです!!」
心「…」
卯月「あ、そうだ、心さん、お味の方は…」
心「…」
心「…」
心「…」グイッ
菜々「…」
心「…う…ぶ…」
心「…と、とっても美味しいよぉ☆」
卯月「うわぁ!良かった~…」
心「でもちょっとトイレ行ってくるね☆お前ら覚えとけよぉ~☆」タタタ バタン
卯月「あ、ちょっと!大丈夫です…か…」
菜々「…美味しい…」ズズ
モバP「遅れてすみません!」バタン
菜々「…」ビクッ
卯月「あ、遅いですよプロデューサーさん!」
モバP「いや、申し訳ない…探すのに手間取っちゃって…」
モバP「…あれ?心さんは?」
卯月「心さんは、今ちょっと…」
心「ここにいるよぉ~☆」
卯月「あの、大丈夫ですか?」
心「大丈夫ー☆」
モバP「ふぅ…良かった、2人ともいるな」
モバP「…あ、そうだ、これお茶請けにでも」
卯月「わ、これミンミン堂のウッサケーキ!?」
菜々「…」
モバP「はは…菜々さんたちのだぞ」
卯月「はーい…じゃあお茶のおかわり持ってきます」
心「…ぅ…」
菜々「…」
卯月「…どうぞ」
菜々「どうも…」
心「ねぇ、これどうやって作ったの~☆」
卯月「ああ、えっとですねー…カルピスとコーラにウサクリ粉とラビッ糖を…」
心「…もう、いいよ」
卯月「?…そうですか?」
心「…」
菜々「…」ズズ
心「…美味しい☆?」ボソ
菜々「んぶっ…す、すみません…」
モバP「…ふぅ…よし…」
モバP「では、菜々さん、率直に聞きます…ウサミン星の事を、どう思ってますか?」
菜々「…えっ?」
心「…」
菜々「ど、どうっていうと…その…」
モバP「やっぱり…恨んでたり、しますか?」
菜々「そ、そんな事はないですよ!?」
モバP「…!!」
卯月「…!!」
菜々「…あ、え、えーと…と、とってもいいところ…だ、なって…」
モバP「…菜々さん」
菜々「は、はい」
モバP「帰りましょう、ウサミン星」
菜々「!?」
菜々「え、えっと…でも…その…」
心「…はぁとコーヒーか紅茶飲みたいなぁ☆」
卯月「紅茶なら耳匙3杯ちゃんと入れましたけど…」
心「…」
モバP「ああ…突然すぎましたね」
モバP「…事務所のみんなの里帰りに合わせて、せめてミッポンだけでも観光という形でどうでしょうか、ということなんですけど…」
菜々「あの…な、菜々は、地球人で…」
モバP「名義上はそうなってますけど、大丈夫です、ウサミン星出身なら、記録は残ってるはずなので」
菜々「きっ…きろ…く」
モバP「それとも…やっぱり何か…?」
菜々「い、いえ…そ…その…ど、どうしよっ…かな~…」
心「…」
モバP「あ、もちろん心さんも一緒ですよ!安心してください!」
心「ちょ…」
モバP「いいですよね!?」
卯月「ね!?」
菜々「あ、はい」
卯月「…良かった~!」
モバP「いや…本当に、良かった…」
モバP「それじゃあ、早速まゆを呼んでくるんで、ちょっと待っててください!よっしゃあ!!」ガチャ バタン
卯月「うふふ…私も楽しみになってきました!!…あ、そうだ、待ってる間に…はい、パンフレット!」
菜々「…ど…どうも」
卯月「本当に、ミッポンだけで申し訳ないけど…でも、ミッポンもいいところだから、少しでも懐かしさを感じてっていうか…とにかく、楽しんでいって!」
菜々「あ、はい…」
幸子「そうですよ!期間は短いけど、楽しんでいってください!!」
卯月「あ、幸子ちゃん!!もしかして…?」
幸子「もちろん話は聞いてます!というか、事務所の人全員に話は行き渡りました!当然ボク達全員協力しますよ!」
卯月「うぅ…ありがとう、幸子ちゃん…菜々ちゃん、事務所の皆、菜々ちゃんの味方だからね!!」
菜々「…はは」
幸子「で、パスはとれたんですか?」
卯月「ううん、これから、今プロデューサーさんがまゆちゃんを呼びに行ってるよ」
幸子「そうだったんですか…とれるといいですね…」
卯月「うん…」
菜々「…」
卯月「あ、だ、大丈夫!菜々ちゃん!ミッポン、行けるからね!?」
菜々「あ、はい…」
幸子「ぼ、ボクが協力するんですから!とれて当然ですよ!」
卯月「そうそう!当然当然!」
幸子「…あ、そ、そうだ!パンフレットもありますし、先に見て回る場所を決めましょう!」
卯月「そ、そうだね、そうしよっか!菜々ちゃん!ほら、開いて開いて!!」
卯月「うーん…そうだね~…どこ行きたい?」
菜々「えっ?」
卯月「広いから、全部は行けないし…こことかどうかな?」
菜々(…読めない…)
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