【ごちうさ あんこSS】あんこ、逃避行の果てに…… (61)

※これは ご注文はうさぎですか? のあんこを徹底的にいたb……可愛がるSSです。

※下ネタ・暴力発言行為がある場合がございます。

※心がぴょんぴょんしなくても当方は一切責任を負いません。

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ある男の手記より

×月○日
棚に置いておいた物や積んでおいた本が崩れていた。
地震でもあったのだろうか?
そういえば長期の旅行から戻ってから既にこんな事が数回あったような……

●月△日
机に置いておいたパンが消え、未開封の菓子袋が破けていた。
ネズミでもいるのだろうか?
とりあえずネズミ捕りをしかけてみる。

●月□日
天井裏から時折ゴトゴトと音がした。
どうやら間違いないようだ。
とりあえず今日はさらに罠をしかけかかっていたら明日にでも始末してやる。


―――そして―――

男「………」

 男は困惑していた。

 仕掛けた罠に獲物はかかっていた。

 だがそれはネズミなどではなかった。

あんこ「・・・」

 ウサギであった。

 いつの間に?どこから忍び込んだのか?

 しかもソレは一羽ではなかった。

ティッピー「・・・」

仔ウサギズ「・・・」

 ツガイと思われるウサギ、そしてそのガキどもと思われる両親にそっくりなチビウサギが五羽ほどいた。

 罠にかかった手に乗るほどの小さな黒いウサギの周りでジタバタしていたので、とりあえず全て捕獲でき今は使っていない大きめのアクリルケースへと収容した。

男「さて……どうしてやろうか?」

 しかし男は少々困惑していた。

 ネズミなら捻り潰して終わりだがウサギとなると若干の罪悪感がわいてくる。

 「なぜだろうか?」と少々自問自答してみたが0.5秒で止めた。

 ネズミでなくともコイツらが侵入者であり部屋を荒らした事には変わりはないのだ。

男「……ん?」

 そこで男は気付いた。

 罠にかかっていた小さな黒いウサギがこちらをジッと見つめていることに。

男「そういえばコイツは頭に王冠なんてかぶってるが何処かから逃げてきたのか?」

 気になりそいつをムンズと摘み上げ身体や王冠を確認する。

男「ん………あんこ?」

 王冠に小さくそう彫られていた。

男「コイツの名前か?」

 やはり何処かのペットが逃げだしたか捨てられたかなのだろうか……などと男が考え出した時であった

あんこ「ボクたちをどうする気だ?」

男「!!??」

 男は我が耳を疑った。

 なんとウサギが喋ったのである。

あんこ「どうしてこんな事をするの?」

あんこ「ボクたちが何をしたっていうの?」

男「………」

 どうやら幻聴ではないらしい。

 確かにこのウサギ……あんこから声が聞こえる。

あんこ「~~~!!」

 茫然としている男を余所にあんこは男に対しプンプンと効果音が聞こえてきそうな勢いで抗議を続けていた。

あんこ「ボクとティッピーは駆け落ちしてココで愛の巣を育むことにしたんだぞ!誰にも邪魔はさせないぞ!」

男「あ……駆け落ち?」

 男がケース内に収監されている他のウサギたちへと目をやる。

 白くでかい毛玉のウサギ……こいつがティッピーであろうか?

 そしてそのティッピーの周りに居る両親そっくりだが、更に小さな手の平サイズな仔ウサギども。

あんこ「ティッピーとボクは愛の逃避行の果てにココへ辿り着きお互いの愛をさらに確かめあったんだ」

あんこ「今じゃティッピーはママになりボクも立派なパパになったんだ。お前みたいなキモオタニート野郎と違ってボクは―――」

 その瞬間……男は自分の中の何かが切れる音を初めて聞いた気がした。

 そして―――

 ドガッ!!

 気付けば男はあんこを壁に向け全力投球していた。

 普通のウサギならばまず即死であろう………そんな一投入魂であった。

 ―――しかし

あんこ「ボクは暴力には屈しないぞ」(キリ

 あんこは起き上がった………というか無傷であった。

男「!!」

ティッピー『あんこ。頑張ってそんなゲス野郎に負けないで』

あんこ「ココはボクたちのやっと見つけたお家なんだ。負けるもんか」

男「(イライライラ)」

――ティッピーの声援がボクに力をくれる。
――ボクは負けないぞ。
千夜とココアはボクたちの関係を祝福してくれたのにチノだけは何故か反対した。
しかもあろうことかボクがティッピーと愛の交尾をしてるのを見た時は荒い男口調みたいな汚い言葉まで使いだしティッピーをボクからもぎ取る始末だったのだ。
そしてその日以来チノはボクとティッピーを会わせようとしなくなった。

――メスの嫉妬は怖いね

――それでもボクは諦めなかった。
何故かその後ボクは千夜に怒られチノのもとへ一緒に謝りに行ったが、その際に二人が話をしている隙にボクはティッピーとラビットハウスから逃げ出すことに成功したのだ。
それからボクたちは何度も愛を確かめあった。
気付いたら見知らぬ街にきちゃってたけど、ボクたちならやっていけると言う自負があった。

――そしてその後ボクたちは運良く一軒の家に入り込むことに成功した。
巣を確保するのはオスの努め。
ボクは人間がいないのを確認し屋根裏へと忍び込むことに成功したのだ。

――ここに今住んでいる人間が間抜けでよかった。
ボクたちがココを拠点にしてしばらくしてからティッピーはめでたく出産をしてくれた。
みんなボクとティッピーに似て愛くるしい天使たちだった。

――この仔たちを連れて帰ればきっと何故か怒っていたチノや千夜も許してくれるハズだ。
ボクは明るい未来に思いをはせながら、ココでの生活を耐え忍ぶことにしたのだった。

まだ生きてたのかこいつ

あんこ「そういう訳なんだ。ボクたちの愛と可愛らしさに免じてボクたちの世話をするんだ」

男「(ビキビキビキ)」

あんこ「そうすれば特別にボクたちをもふもふする権利をあげるよ?」

あんこ「あっ。でも1日5分だけだよ?ボクたちはとてもとてもデリケートなんだからね?」

 喋るウサギ……然るべき所へ持ち込めばちょっとした金になるのでは?

 最初はそんな事も頭をよぎったが今の男の頭からはそんな考えは綺麗さっぱり消え失せていた。

 視線をティッピーと呼ばれるツガイのメスウサギ、そして仔ウサギたちへ向ける。

 仔ウサギどもは現在の状況がわかっていないのか、楽しげに遊んでいたが、それがまた男を苛立たせた。

 ただじゃれ合うだけでなくこのガキどもは少し動けばプリプリと糞を漏らしていた。

あんこ「どうだい?ボクの仔たちは?ボクとティッピーそっくりで愛らしいでしょ?」

ティッピー『ほら見て。こんなに私たちの天使ちゃんは可愛いでしょ?だからここに住むことを許して』

あんこ「ティッピーもああ言ってるんだ。許してくれるよね?」

>>7
嫌ならみるなよ害悪

回線使い分けて自分を擁護か無様な奴

>>10
きも

>>10
これでいいか?
荒らしはやめろ

こんなSSをありがたがってる奴にきもいなんていわれたくないね
恥を知れカス共

反論できなくなって可哀想

構っている奴も荒らしと同じだけどなw

 こいつらをただ駆除するだけなら簡単だろう。

 だが……男の中に一つの予感がよぎっていた。

 これは最高の玩具ではないのか?――と。

男「いいだろう」

 男はその直感に従うことにした。

 そしてケースを抱えあんこについてこいと促す。

 しかし直後に思わず顔を背けたくなるような悪臭が男を襲う。

男「……汚いな」

 よく見ればケース内はすでにガキどもの糞尿にまみれている状態であったのだった。

 男は湧き上がる殺意を抑えつつ部屋を移動する。

 そしてその後を頭の上に♪が見えそうなくらい上機嫌なあんこがついてくるのであった。

男「この部屋を使うといい」

 あんこたちの連れてこられた部屋は狭くガランとした部屋であった。

 室内に有る物はといえば筋トレ用の器具が数点と木刀や杖が何本か転がっているだけである。

男「まあ少々汗臭い部屋かもしれないが屋根裏よりはマシだろ?」

あんこ「うん。小汚い部屋でボクには全然相応しくないけど我慢してあげるよ」

男「ビキ」

あんこ「それじゃあ早くごはんを用意してくれないかな?ボクもティッピーも仔供たちもお腹がペコペコなんだ」

男「……ああ。少し待ってろ」

 男はティッピーと仔ウサギたちも部屋へと放してから、そう言いその場を後にした。

あんこ「ティッピー・・・やっと落ち着いて子育てが出来る場所を手に入れたね」

ティッピー「ええ。さすがよあんこ」

あんこ「あとはこの仔たちをボクみたいな立派なウサギへ育てれば、きっとチノもボクたちを認めてくれるはずさ」

ティッピー「ごめんなさいね。ワタシの飼い主が分からず屋なせいで」

あんこ「ううん。ティッピーのせいじゃないよ」

 あんこはティッピーにじゃれ付き、やっと得た我が家にはしゃぐ仔供たちを微笑ましく眺めた。

 その後は男の用意した食事を皆で仲良く頬張り、汚れた身体も綺麗にしてもらった。

 きっと男も自分たちの世話が出来て幸せに違いない。

 そしてその日は愛する家族と一緒に寝床の中で身を寄せ合いながら、穏やかな表情を浮かべて眠りにつくのであった。

―――――――

チノ「……おじいちゃん」

ココア「おかえりチノちゃん」

ココア「ティッピーは今日も帰ってこなかったよ」

ココア「それにあんこも帰ってこないって千夜ちゃんが……」

チノ「そうですか」

ココア「ねえチノちゃん」

チノ「すみませんが今日はこのまま休ませてもらいます。リゼさん。すみませんが後はよろしくお願いします」

リゼ「あ、あぁ……」

―――――――

 男に世話になり始め数日がたった。

 今までの薄暗くじめっとしかび臭かった天井裏と違いココは実に快適であった。

 食事もこそこそとこそ泥みたいな事をせずとも男が毎食しっかり用意してくれる。

 代わりにボクたちは男の目の保養、更にはもふもふまでさせてあげている………実に見事な持ちつ持たれつな関係である。

仔ウサギズ「~♪~♪~♪」 

 そして今も目の前で戯れる仔供たちをあんことティッピーは座布団の上から微笑ましく眺め続けていた。

男「………」

仔ウサギA(あんこをそのままミニサイズ化)「(ぷりぷり)」

仔ウサギB(ティッピーをそのままミニサイズ化)「(ちょぱー)」

 ウサギだから、まして仔ウサギだからというのもあるのかもしれない。

 だが、このガキどもは一応トイレを用意してやったのにまるでそこを利用としない。 

 あたりかまわずに排泄行為を行っている。

 仮にも言葉が通じるのだからあんこの奴にちゃんと仕付ける様には言った。

 ………だが

あんこ「仔供は自由にノビノビとさせてあげるべきだよ?今まで不自由させちゃったから尚更ね」

あんこ「それにボクを見なよ?ボクも千夜からは特別なにも言われたことは無いけどこんなにも立派に成長したんだ」(キリ

あんこ「あの仔たちはボクとティッピーの愛の結晶なんだから、きっとボクやティッピー同様に成長してくれるに決まってるさ」

 そう何処からくるのか分からない自信満々な返答をするだけであった。

 ……千夜……どうやらこのあんこの元飼い主らしいが……なるほど。

 ……ティッピー……あんこのツガイのメスウサギだが、こちらはあんこや仔ウサギに比べ大人しく躾もされているようだったが……

男「おっとスマンね」

 男が足元に纏わり着いていた仔ウサギC(ティッピーをミニサイズ化、体毛色は黒一色)を誤って軽く蹴飛ばしてしまう。

 その仔ウサギはその球状の体型のためボールのようにコロコロと転がってゆく。

 そして他の仔ウサギたちはそれを見るや目を輝かせ一斉にその仔ウサギボールで遊び始めるのだが
 
ティッピー「・・・」

 ティッピーもまたあんこ同様にその光景を見守るだけであった。

 一般的なウサギの子育てというものはどうか知らないが、このティッピーは積極的には行わないのであろうか?

男「………」

 そしてこの数日間あんこ一家を観察していて気付いたことがいくつかあった。
 
まず一つ、親バカだ。
どこからくるのか知らないが自分の仔供は天使たちだと信じて疑わず、また優秀な自分にそっくりだと自負しているようだ。

そしてもう一つ、こいつらは基本的に互いへの関心というものが希薄なような気がする。
とにかく自分を…欲望を…本能を最優先に動いてる気がしてならない。
もっともこれは人間のガキにも言える話ではあるが………。

そしてこれはやはり気になり聞いたことだが「何故あんこは喋れるのか?」
これは気づいたら喋れるようになっていたらしい。
とんだオカルトである。

 あんこ一家が住み着き更に数日がたった。

 あんこは勿論仔ウサギどもも日に日に増長していっている気がする。

 そして事件は起きた―――。

あんこ「やったねティッピー」

男「………」

 その日あんこがやたらとはしゃいでおり、何事かと見てみればなんとティッピーが出産をしたのだ………。

 どうやら重複妊娠というものであんことティッピーの周囲をちょろちょろしているチビどもとは時間差で産まれてきたらしい。

男「………」

あんこ「何をもたもたしている?早くこの仔たちのための寝床とかを用意するんだ」

ティッピー『ふふ。あなた、きっと彼はこの感動的な瞬間に打ち震えてるのよ』

あんこ「そうだね。こんなに可愛い仔たちだものね」

 俺はあんこと新たに産まれた4羽の赤ウサギどもへと視線を落とす。

 あんこは無邪気にはしゃいだままだ。

 このウサギについては少し調べた。

 どうやら甘兎庵とかいう甘味処の看板ウサギというのは本当らしい。

 しかし………

男「紹介文とはえらい違いだな」

 オスは交尾をすると自信を得て態度がそれまでに比べでかくなったりするそうだが……これもそのせいなのだろうか?

 真偽は分からない。

 ―――だが

男「そろそろ頃合か」

あんこ「おい。ボクの言うことが聞けないの?もうもふもふさせてあげないよ?」

男「ああ分かった」(ビキビキ

 その日の晩

 あんこもティッピーも仔ウサギたちもぐっすりとよく眠っているようだ。

男「さて……始めるか」

 今あんこたちは俺の与えた環境で自分で言うのも何だが実に快適な生活を送っている。

 そして今日までこいつらの世話をしてやってるにも関わらずあんこはまるで自分が主人のような態度でいた。

 そろそろ立場というものを分からせてやる必要があるだろう。

 俺はあんこたちに気付かれないように準備を進めた。

男「さて。明日の朝が楽しみだ」

 俺はこれからを考え緩む口元を押さえながら静かに部屋を出てドアを閉めるのであった。

めっちゃ続き気になる
支援

第一世代
仔ウサギA あんこをそのままミニサイズ化
仔ウサギB ティッピーをそのままミニサイズ化
仔ウサギC ティッピーをミニサイズ化、体毛色は黒一色
仔ウサギD あんこをミニサイズ化、体毛色はあんこと白黒が逆配色
仔ウサギE ティッピーをミニサイズ化、白基調で黒斑あり

 翌朝、あんこたちの部屋が騒がしい。

 どうやら愛すべき我が仔たちがいない事に気付いたようだ。

男「どうした?一体何を騒いでいるんだ?」

あんこ「おい。ボクたちの仔をどうしたんだ?」

男「ガキども?それならそこにいるじゃないか」

 男があんこの背後を指差す。

 そこには前日まではなかった部屋を半分に仕切る柵が設置されていた。

 そしてその向こう側には騒ぎで目覚めたのか起きて早々に餌を頬張りだす仔ウサギ、未だすやすやと寝息を立てる仔ウサギたちがいた。

あんこ「残りの仔たちはどうした?」

男「残り?」

 どうやら先日新たに産まれた4羽の事を言ってるらしい。

男「安心しろ。あいつらは俺が責任を持って育ててやる事にした」

あんこ「なんだと?お前みたいな粗雑な奴に仔育て出来る訳が無いだろ。今すぐボクたちに返すんだ」

ティッピー『どうしたの?あなた。』

あんこ「あ、ティッピー実は・・・」

待ってた

 あんこの奴がティッピーに対し状況を説明している様だが、俺はそんなあんこを無視し準備を進める事にした。

 どの道あんこの都合など俺には関係ないのだ。

男「ほれガキども餌だ」

 まだ眠っていた仔ウサギも叩き起こしてから既に空になりかけていた皿へと餌を盛ってやるとガキどもは一斉にがっつき始めた。

男「くくく。ちゃんと食えよ?」

あんこ「おい。早くこの柵を取ってボクたちも仔供たちと一緒にごはんを食べさせてくれないか?」

男「ん?」

 話が済んだのかあんこの奴が俺に何やら催促をしている。

 暢気なものである。

男「ああ。悪いな。ほらよ。」

 そう言うと俺は餌を数個あんこたちのいる側へとポイっと放り投げてやった。

あんこ「!?」

男「どうした食えよ?」

あんこ「どういうつもり?」

男「ん?どういうつもりも何もお前とティッピーの分だ」

あんこ「・・・」

男「なんだまだ自分の立場が分かってないのか?」

男「お前は自分たちがお客様か何かと、この俺がお前たちの召使いか何かと勘違いしてないか?」

男「ここ数日は自由にさせてやったが……それもお仕舞いだ。」

あんこ「何を言ってるんだい?毎日こんなに愛らしいボクたちを鑑賞しておいて・・・もふもふしておきながら・・・なんて酷い奴なんだ」

 そう言いながらあんこの奴はプンプンとスタンピングをしながら抗議を始めたが、どこからその自信はわいてくるのか?

 甘兎庵での扱いはどうだったか知らんが……俺はそんな愛で方をする気など毛頭無いのだ。

男「とりあえず折角くれてやった餌を食わなくていいのか?」

男「ぼさっとしてる全部食われてしまうぞ?」

 お怒りのあんこを余所に背後ではティッピーが放った餌の最後の一個を食べようとしている所であった。

あんこ「え?」

 あんこは慌てて振り返り何かを言おうとしたが、残念ながら既にその最後の一個はティッピーの口の中へと収まってしまった。

あんこ「・・・」

男「………」

 あんこの奴がこっちへ何か言いたげに視線を向けてくる。

 どうやら餌をもっと寄越せと言うのだろう。

あんこ「・・・」

男「ふん。仕方の無い奴だ。特別だぞ?」

あんこ「やっと分かってくれたのかい?」

男「ほらよ」

 そう言うと男は足元に転がっていた仔ウサギの糞を何個か摘みあんこの前に差し出してやる。

男「どうした?遠慮せずに食えよ?」

あんこ「ふざけてるのかい?」

男「大真面目さ。ウサギは食糞をするんだろ?そしてそれはお前の言う可愛い天使ちゃんたちがひりだした物だ」

おつ

 男の足元であんこはなにやら喚き続けていた。

男「いい加減に自分の立場を理解しろ。糞ウサギが」

あんこ「へ!?」

あんこ「―――!!」

 男はあんこの頭を掴み、そのままあんこの顔を先ほど放った糞へと押し付けた。

男「どうだ?美味いか?」

あんこ「―――」

 あんこは顔に糞を塗りたくられながら何かを訴えているが、何を言っているのかは分からない。

あんこ「な、なんでこんなことするのさ?」

男「あ?」

あんこ「ボクが何をしたっていうの?ボクたちは毎日キミの目を保養させてあげてたじゃないか?」

あんこ「なんて恩知らずなんだ」

男「何言ってるんだ?この害獣が」

男「本来なら殺されても文句言えない立場だってまだわからないのか?」

男「甘兎庵じゃどう扱われてたか知らんが、ココじゃお前らはネズミと同レベル……いや、それ以下の存在だ」

男「それにだ。立派なパパとして甘兎庵へ帰る?子育てが出来てるようにはとても見えないな」

あんこ「そんな事は無いゾ。ボクはこの仔たちも立派な看板うさぎになれるようにとっても可愛いらしく育ててるじゃないか!!」

 男は柵の反対側に居る仔ウサギたちへ視線を移す。

 そこにはあんこの事など気にする様子も無く、悠々と無邪気に遊ぶ仔ウサギたちがいた。

 相変わらずトイレなどは覚えておらずそこらじゅうに糞尿を垂れ流していた。

男「アレがか?」

あんこ「そうだよ。ねぇティッピーもそう思うだろ?」

ティッピー『そうよ。あんこの言うとおりよ』

男「………いいだろう」

あんこ「やっと分かってくれたかい?」

ティッピー『良かったわね。アナタ』

男「一時とはいえ、そんな大事なウサギ様たちを預かってる身だ。甘兎庵へ帰す際に恥ずかしくないように俺がキッチリ教育してやろう」

あんこ「へ?」

 そしてこれがあんこ一家の試練の始まりであった。


男「簡単に壊れてくれるなよ?」(ニタァ

――――

 ガシャーン!!

千夜「!!」

 突如部屋の窓が割られ千夜はその音に飛び起きる。

千夜「い、一体なんなの?」

 明かりを点け、恐る恐る窓へと近づくが外に人の気配はない。

 ガラスの飛び散った床へと視線を這わすと、そこには見覚えの無い新聞が一部転がっていた。

千夜「……新聞?」

 時計を見ると時刻は深夜の2時を回ったところであった。

 とりあえず新聞を拾い上げてみる。

千夜「……鉄板が入ってる」

 なんて性質の悪い悪戯だろう。

 苛立ちを感じながら新聞紙を丸めて捨てようとした時である。

――あんこパパ。子育てに奮闘するも大苦戦中!!――

千夜「……え?」

 その新聞の見出しには……彼女にとって馴染みの深い名前がデカデカと書かれていたのであった。

 その新聞を読んだ千夜は驚愕した。

 そこにはこれまでのあんこ……そしてティッピーの経緯が書かれていたのである。

 そして続きを知りたければ下記のURLへアクセスする様にとの指示と動画視聴のために必要なパスワードが記載されているのであった。

 千夜は大急ぎでそこへとアクセスをした。

――あんこの子育て大作戦!!――

 そこはそんなフザケタHPであり、お試し視聴の動画が一つある。

千夜「これは……」

 千夜は恐る恐るその動画を再生する。

千夜「―――」

 そこにはあんことティッピー……そして2羽にそっくりな仔うさぎたちが映し出されるのであった―――。 

男「なんだ?このガキどもは未だにトイレも覚えられないのか?」

あんこ「―――」

男「ガキの粗相は親が片付けをする。当然だよな?」

あんこ「痛いよ。汚いよ。やめてよぉ」

男「ああ?可愛い天使ちゃんたちのしっことうんうんだろ?何が汚いんだ?ああ?」

 愉快そうに笑いながら男は床を汚す仔ウサギたちの糞尿を、あんこのことをまるで雑巾のよう扱いながら拭いてゆく。

男「おお臭い!臭い!」

あんこ「ううう」

あんこ「あぷっ!?」

男「臭いからしっかり水洗いしておかないとな?」

あんこ「あっあっうっ」

 男はバケツに張られた冷水にあんこを何度も沈めては掻き雑ぜる行為を繰り返すのであった。

 そんなことが数分続きあんこはようやくバケツ内から解放され、柵越しに事態を見守っていたティッピーの隣へとべしゃりと投げ捨てられる。

男「くくく。風邪をひく前に身体は拭いておけよ?」

あんこ「酷いよ」

男「またあとで来るが……また同じ目に遭いたくなければしっかりとガキを教育しておけよ?あんこパパ♪」

男「ああ。あとこれはお前とティッピーの餌だ」

 そう言うと男は一握り分のチモシーをあんことティッピーの前にばら撒く。

 そして再度柵の向こう、仔ウサギたちのゾーンへと行くと

男「これはお前らのだ」

 そう言い大量のチモシーの盛られた皿を置いてやるのであった。

恐怖新聞かな?

千夜「な、なんなのこれ?」

 千夜は再生し終わった動画を前に言葉を失ってしまっていた。

 だが考える間もなく画面が変わってゆく。

――あんこパパ。子育てに疲れ仔ウサギの一羽を……――

千夜「え?」

 そんな新たな再生動画の項目が現れた。

 千夜は恐怖を感じながらもそれをクリックする。

 ………しかし

――視聴代価寿命1年――

 そんな気味の悪い確認文が出てきたのである。

千夜「寿命1年……一体なんなの?」

 まさか再生したら自分の寿命が削られてしまうのか?

 そんなオカルトありえるわけがない。

千夜「馬鹿馬鹿しいわ。で、出来るものならやってみなさいよ」

 千夜は恐怖に震えながらも、あんこを助ける手がかりを得るため、そしてあんこの安否を確認するために支払うを選択するのであった。

あんこ「どうしてボクの言う事を聞いてくれないの?」

 あんこは仔ウサギゾーンで好き勝手にはしゃぎまわる我が仔たちへの教育に四苦八苦していた。

あんこ「なんでちゃんとトイレでしーしーしてくれないの?」

 あんこは必死に仔ウサギたちを教育しようとするが仔ウサギたちはあんこの言う事などまるで聞こうとしなかった。

 室内を縦横無尽に駆け回り、男が用意したトイレで遊び、排泄行為はいたるところで行うのであった。

あんこ「このままじゃまたボクが酷い目にあうじゃないか!!」

 あんこは仔ウサギの1羽を抑えつけた。

あんこ「お願いだから。あいつが見に来る時だけでもいいからボクみたくお行儀よくしてね?」

 ―――カプッ―――

 あんこのお尻に軽い痛みが走る。

仔ウサギD「・・・」

 見れば仔ウサギの1羽があんこへと噛みついていたのだった。

あんこ「なんのつもり?」

 噛みついたあんこ似の仔ウサギは更にあんこへとガジガジと噛み付いてゆく。

仔ウサギE「―――」

 力を加えられ抑えつけられていたティッピー似の仔ウサギがもがく。

 そしてそれを見て噛みつく仔ウサギはさらに力を加えるのであった。

 まるで「兄弟を虐めるな」と言わんばかりに。

――なんでボクの言うことを聞いてくれないの?
このボクがこんなに頑張ってるのに。
こんなの酷すぎるよ。

―――ドガッ!!

――ボクは甘兎庵の看板うさぎなんだぞ。
千夜もシャロもチノもココアもリゼもみんなボクにメロメロなんだ。
ティッピーもボクのお嫁さんになれたことを何よりの幸せと感じてくれている。
そんな世界に愛され選ばれたうさぎがボクなんだぞ。

―――ガジガジ

――それなのになんなんだこれは?
そんなボクの仔供のくせにボクへの敬意の欠片も無いなんて。
ボクは怒ったぞ!!
みんなお前が悪いんだ。


男「あーあ酷いなー」

 男はあんこの下で痙攣する仔ウサギを拾い上げる。

仔ウサギD「・・・」

 その仔ウサギは体中を齧られており、その中でも首回りが致命傷となったのか既に虫の息であった。

男「こいつは俺が預かるぞ?」

あんこ「・・・え?」

 それまでどこかボーっとしたような、いつも以上にうつろな瞳でいたあんこがはっと我に返るとなにやら驚いていた。

あんこ「・・・なんてことをしてくれたんだ。ボクの可愛い仔供になんてことを。この鬼畜!外道!」

男「………お前がやったんだぞ?」

あんこ「嘘をつくな!ボクが自分の仔供にそんなことをする訳ないだろ?」

 あんこは本当に覚えていないのかプンプンと怒りながらなにやら喚き続けるが、男はいい加減うんざりしてか……あんこの顔めがけつま先を思い切り叩き込んだ。

 振り子の様の振りぬかれた爪先はあんこの顔へとめり込むと、そのままあんこを勢いよく壁まで吹き飛ばすのであった。

あんこ「あぎゅ」

 あんこがプルプルと震える。

 そしてそのたびに口から滴る血が床を汚し、そして血とともに砕け散った前歯も床へと落ちるのであった。

男「少しは反省しすんだな」

 その言葉を最後に男は部屋を後にするのであった。

 ザーっとモニター内の映像が途切れ砂嵐へと変わり、やがて真っ暗になった。

千夜「……あんこ」

――防げない仔ウサギたちの安寧――

千夜「え?」

 千夜が俯いてる間にモニターには新たな項目が表示されていた。

 そして

――視聴対価寿命1年――

 再度視聴をするのに必要な対価を要求されるのであった。

 それに対し千夜は恐怖しながらも再び同意してしまうのであった………。

■業務連絡■

今後のあんこ&千夜の行動は安価で決めたほうがいいですかね?
一応今回もちゃんとあんこ無事帰還、千夜ちゃんハッピーエンドは考えてはあります。
辿り着けるかは安価次第ですガー

とりあえず今日一日くらい意見募集します。

安価なしでええよ

安価なしで千夜だけ無事ならいいよ

安価不要

男「本当にダメダメなパパだなぁ?」

あんこ「酷いよ。ボクは一生懸命やってるのに・・・なんでこんな・・・千夜ならボクにこんなことしたり・・・」

 ブチュッ

 あんこの抗議が終わる前に男は足の下に居た仔ウサギを踏み潰す。

 床に血が水溜りを作り、潰れたカエルのようになったウサギからは目玉や口から臓物が吐き出されていた。

あんこ「ああああああ」

男「こいつはお前がちゃ~んと教育しなかったから死んだんだ」

男「ひっどいパパだなあ?」

 プルプルと震えるあんことは対照的に男はゲラゲラと非常に愉快そうに笑っていた。

仔ウサギズ「モキュモキュモキュ」

 しかしその間、仔ウサギたちは周囲の喧騒など気にする様子もなく、男の用意したエサを一心不乱に食していた。

ティッピー『ひどいわ。あんこが何をしたっていうの?私たちの可愛い子供たちを返して』

あんこ「ティッピー。ボクは負けない」

男「お前さぁ。何が悪かったから全く分かってないみたいだなあ?」

 仔ウサギたちは未だにトイレも覚えない、兄妹間での交尾もやめない。

 そんな有様であった。

 教育はあんこに一任した。

 そして結果が出なければ罰を与える。

 今殺されたあんこ似の仔ウサギはよりにもよって男へ射精したのである。

 許せるはずがない。

男「これは俺がじきじきに調教してやる必要がありそうだなあ?」

あんこ「や、やめろ。汚い手でボクの仔に触るな」

ティッピー『ケダモノ。鬼畜。私のあんこから離れて。』

男「安心しろ。あそこのガキどもには手を出さないさ」

男「俺が調教するのは……あんこ。お前だ」

あんこ「・・・へ?」

 あんこは一瞬男が何を言っているのか理解出来ないようであった。

 しかしすぐにその身をもって知ることとなる。

 教育の意味を。

男「安心しろ。俺はお前を見捨てたりしない」

 男はあんこを吊り下げ、その顔を竹製の定規で繰り返しビンタする。

あんこ「あぅあぅ」

 男がスナップを利かせるたびにあんこの口や鼻から血が床へとピッピッと飛び散る。

男「お前が立派なパパになれるまでお前を教育してやろう。ありがたく思えよ?」

男「さぁあんこ見てみろ。あそこでパパの事など気にする様子もなくはしゃいでる仔供たちを」

 男が定規で示した先にいる仔ウサギたちはあんこの事など微塵にも気にする様子もなく、いつもの様に好き勝手に暮らしていた。

男「ほら。また床に小便を垂れた」

 バキッ!!

あんこ「!!」

 あんこの顔面に今まで以上の激痛が走る。

 男は定規ではなくトンカチであんこの頬を叩きつけたのである。

男「ああ。あっちのお前似のガキはティッピー似のガキ相手に交尾しようとうしてる」

あんこ「うぎゃあああああああああああああああああ」

 今度は男は裁縫針をあんこの可愛らしいペニスへとスルスルと突き入れてゆく。

男「おいおい。お前がそのザマでどうするんだ?」

 足元を見れば盛大に失禁&脱糞をしていたあんこ。

 男は凶悪な形状をしたディルドであんこの肛門に栓をする。

あんこ「―――」

男「気を失うな。授業はまだまだだ」

 そういうと男は仔ウサギたちの糞尿の掃除をした際の汚水入りバケツへとあんこを放り込むのであった。

あんこ「(千夜・・・なんで・・・ボクを助けてくれないの?)」

 その後も男の教育は続いた。

 そしてあんこは変わった。

あんこ「ボクの言う事を聞け。お前たちのせいでボクはこんな目にあっているんだ」

 そこにはかつての可愛らしい姿のあんこはいなかった。

 顔はデコボコに歪み、耳も片方は千切れ落ち、体の体毛もいたる所が斑状態となってしまっていた。

 そんなお世辞にも可愛いとはいえぬみすぼらしい姿なのに対して頭部の王冠の輝きは全く色褪せておらず、それがかえってあんこの惨めさを際立たせていたのである。

 そんな化け物ウサギとなってしまったあんこが今では立派に仔ウサギたちに躾をしていた。

あんこ「なんでこんな事も覚えられないの?」

 床で粗相をする仔ウサギの一羽にあんこは体当たりをし、その上で何度もスタンプングをする。

あんこ「勝手に交尾しちゃダメだ。」

 交尾を開始しようとした一羽のペニスを食いちぎるあんこ。

 男はその仔ウサギがのた打ち回る様を見ながらあんこの成長に感動していた。

男「だがまだまだ教育の必要があるな」

 あんこが変わった事により仔ウサギたちの楽園は終わりを告げようとしていた。

ティッピー『あんこ。素敵よ。一緒に甘兎庵へ帰りましょうね』

今日はもう終わりかな?

千夜「ひどい。ひどすぎるわ」

 千夜はこれが人間のすることなのか?

 あんなに優しく天使のようなあんこにあんな残酷な仕打ちをし、あんな恐ろしいことをさせるなんて本当に人間なのか?

 千夜はただただ涙を流すだけであった。

 動画はそこで途切れ次回の更新が明晩午前2時であることのみを告げるのであった。

男「本当になんなのかね、お前は」

 男は足元のあんこ見て困惑していた。

 ここ数日あんこにかまってやれる時間がなく放置をしていたが、その間にあんこは見事に以前のあんこに戻っていたのである。

あんこ「はぁっはぁっ。ティッピーいくよ?いくよ?」

ティッピー『素敵よ。あんこ。私もももう……』

男「………」

 男の存在に気づく様子もなくあんこはビクンと大きく痙攣をした。

男「気がすんだか?」

あんこ「!!」

あんこ「いつの間に。ボクたちの愛の営みを覗き見るなんてなんて無粋なヤツなんだ!!」

ティッピー『あんこ。ダメよ。彼はきっと私たちの行為で興奮しちゃってるわ』

あんこ「そうだねティッピー。やい。童貞。ボクたちはこれからまた愛し合うんだからさっさと出ていk」

 あんこが何かを言い終わる前に

 男はとりあえずカッターであんこのチ○ポを切断した。

男「勝手に子作りすんじゃねーよ」

 どうやらあんこの餡子脳はこの平和だった数日で教育前の状態へと戻ってしまったようだ。

 ……全く世話のかかるパパだ……

 そう思いながら男は満面の笑みを浮かべながらあんこを拾い上げるのであった。

 そう……男はいつしか教育の喜びに目覚めていたのであった。

 


男「ほら。あんこ、ティッピー。今日はご馳走だ」

 そう言うと男は2羽の前に焼いた何かの肉を置いてやる。

あんこ「やっとボクの偉大さを理解したみたいだね」

ティッピー『さすがよあんこ。』

男「……そうだな。これはお前が自分で勝ち取ったモノだ。遠慮せずに食え」

あんこ「言われなくたって食べてあげるさ。ありがたく思うんだよ?」

 あんことティッピーは目の前の肉料理を美味そう頬張りあっという間に平らげてしまった。

あんこ「ふぅ~。でもまだ足りないな。もっと持ってくるんだ」

あんこ「ティッピーもお腹に大事なボクの仔がいるんだからね。もっと栄養が必要なんだよ?」

男「そうか」

 次の瞬間

あんこ「!!」

 あんこの腹部へ強烈な男の蹴りが叩き込まれる。

 あんこは壁へと叩きつけられ身悶えをするが、男はお構いなしにあんこを乱暴につかむと予め用意しておいた箱へと放り込むのであった。

あんこ「うーん酷いじゃないか」

あんこ「ん?」

あんこ「ひい」

 落ち着きを取り戻したあんこの目の前にはモゾモゾと蠢くおぞましいナニかがいた。

あんこ「な、なんだこの妖怪は。オイ人間。早くボクをここから出すんだ」

男「んん?酷い事を言うなぁ。そいつはお前の言う可愛い天使ちゃんじゃないか」

あんこ「なんだって?冗談はよせ」

男「冗談じゃないさ。それにお前がもっとお肉を頂戴と言うからくれてやったんだ。存分に食えよ」

男「ああ。ティッピーの分もちゃんと残しておいてやれよ?」

 男がヘラヘラと笑いながらあんこを見下す。

あんこ「う、うそだ」

 だが、四肢を切断され頭部以外の毛を全て刈り取られたソレはよくよく見ればあんこそっくりな顔であった。

男「手足一本につき寿命1年」

男「恨むならお前の活躍を心待ちにしたファンを恨め」

男「まあこれが今度あげる動画内容になるからそのファンはきっと驚くだろうけどな」

 そう千夜が再生に払った対価は以前に男が没収した仔ウサギたちが支払っていたのである。

 あの後も何度も対価を払った千夜により仔ウサギたちは既にゴミ箱行きとなってしまっていたのである。

男「あんこの現状を知らせるために我が身を犠牲にするとはなんて親想いな仔たちなんだろうなあ?」

あんこ「うげえええええええ」

男「コラコラ。吐くなんていけない子だ」

 男はあんこの頭を掴むと虫の息である仔ウサギの腹部へと顔を押付ける。

男「ほら。食うんだ。食えよ」

あんこ「あああああああ」

 その後、男はあんこが仔を食い尽くすまで決してその手を離すことはなかったのであった。

男「ほら。ガキどもおトイレはココだいい加減覚えろ」

 床へ大の字にされ手足を釘で打ちつけられたあんこ。

 男は室内の仔ウサギたちへあんこの顔でシーシーをするように教育していた。

男「今日からあんこパパの水分補給はお前らのおしっこにかかる事になるんだ。パパを死なせたくなければしっかり覚えろ」

 だが仔ウサギたちは全く聞こうとしなかった。

 そもそもあんこを父親と認識してるのかすら怪しい。

 一時期はあんこの我が身可愛さの教育で大人しくなっていたが今では再び全羽好き勝手に動いている。

男「やれやれ」

男「あんこ。これはお手本が必要だなぁ」

男「お前が身を持って手本を見せるか?それともお前が我が子を使って行うか………好きなほうを選べ」

あんこ「うわああああ。なんでボクがボクがボクがあああああ」

 あんこは再び仔ウサギを、我が仔を平然と虐待する。

男「本当に分かりやすいケダモノだ」

男「ん?ティッピーが産気づいてるな」

 だが、あんこは気づいてない。

男「くくく」


―翌朝―


あんこ「なんだお前らは。ボクとティッピーの愛の巣へ勝手に入ってくるなあ」

 予想通りだ。

 あんこは我が仔だとすら気づいていない。

ティッピー『カッコイイわ。あなた』

あんこ「ボクは甘兎庵の看板うさぎ様なんだ。偉いんだ。ボクは帰るんだ。」

男「壊れたか?」

男「まあ少しすれば元に戻るだろう……さて次は……」

千夜「酷い。誰かあんこを……あんこを助けて……」

 絶望に沈む千夜。

 だがその時であった。

 モニターにまたいつものように対価要求が出てきた。

 だが対価を知って以来、千夜はそれを払うことを躊躇い続けていた。

 しかし……その日のそれはいつもと違った。

千夜「なにこれ?」

――千夜。ついにあんこの所在を突き止め救助に成功する――

 見出し内容が異なり、また画面の様子もいつもと違った―――そして。

――対価:寿命80年――

千夜「……80……年?

 今までに無い対価である。

 だが、これであんこを救うことが出来るのかもしれない。

 どの道このままではあんこは毎日地獄の日々を味わうことになるのだ………ならば………。

 そして千夜はその対価を払う決意をするのであった。

男「ほらほら。もっとがんばれ」

あんこ「・・・」(カクカクカク

ティッピー「・・・」

 あれから随分な月日がたった。

 本当に色々なことがあった。

 あんこへの教育の結果、あれだけいたあんこの仔供たちも今では第一世代のあんことティッピー似がそれぞれ一羽ずつしか残っていない。

あんこ「・・・」(ビクン

 このままではいけない。

 そう思った俺は特別にあんこに仔作りを許可した。

 最初こそ嬉々として腰を振っていたあんこであったが不眠不休で仔作りをさせた結果4日め辺りから交尾を拒否しだした。

 だが俺はあんこのために心を鬼にし、あんこに投薬をしてまで腰を振らせ続けた。

 結果一週間目に突入した現在ではあんこは悟りの境地に達したように腰を振り続けていた。

男「しかし……最近全く喋らなくなったなぁ」

あんこ「・・・」(カクカクカク

 男は気づいていなかった。

 あんこを構うあまりに背後に迫る影に。

 そして―――

??「えい」(バチバチバチ

男「ぐあ」

 男の首に強烈な衝撃が走り、目の前が一気に暗転する。

??「あんこ。ティッピー。もう大丈夫よ」

??「まさか本当にいるなんて。それに本当に書かれたとおりになるなんて」

 そこにはリゼから借りた強力なスタンガンを構えた千夜が立っていた。

 あの対価を払った後に教えられた場所・時間・取るべき行動を取った結果、千夜はついにあんこたちを助け出すことに成功したのであった。

千夜「さあ早く逃げるわよ」

 自分の目の前で泡を吹いて倒れている男がいつ目覚めるかも分からないため、千夜は急いであんことティッピーを抱きかかえる。

千夜「あら?アナタたたちは……」

 駆け出そうとする千夜の足元を二羽のチビウサギが駆け回っている。

千夜「そうね。あなた達も一緒に行きましょう。きっとココアちゃんとチノちゃんも喜ぶわ」

 こうしてあんこの悪夢は幕を閉じたのであった。

 そしてその後あんこたちが男と出会うことは二度と無かったのである。

――エピローグ――

 あれから数ヶ月がたった。

 その後ティッピーも無事にラビットハウスへと帰ることが出来た。

 そして千夜とココアはもうこんなことが無いようにとあんことティッピーの仲を正式に認めるようにとチノを説得し、結果チノはその申し出を了承した。

チノ「今のティッピーにはこれでいいんですよね?」

チノ「ねえ……おじいちゃん」

ティッピー「・・・」

 既に成長している二羽はそれぞれ一羽ずつ引き取ることにし、新たにティッピーに宿っている仔たちは産まれてからということになった。

千夜「楽しみだね。あんこ」

あんこ「・・・」

 そしてあんこはあれ以来一度も口を開かない。

 千夜はやっぱりあのフザケタあんこはあの男の加工だったのだと確信した。

 当然だ。あんこがあんな事を言ったりするはずが無い。

千夜「あんこはとっても素敵な紳士ですものね♪」

あんこ「・・・」

 そして今日は念願のティッピーが出産した仔ウサギたちを受け取る日である。

千夜「まったく大事な日なのにあんこったら何処へ行っちゃったのかしら?」

 パパであるあんこが今朝からいないのである。

 仕方なく千夜一人でラビットハウスへ向かうことになったのである。

千夜「そういえば結局あの80年とかいう対価はなんだったのかしら?」

 今思えばあの時の告知だけ今までと色々と異なっていた気がするが、きっと気のせいだろう。

千夜「さあ。急がなくちゃ」

 千夜がそう思いながら駆け出そうとした瞬間であった。

―――ヒュルルルル

千夜「へ?」

―――ズブリ

―――ドチャッ


ココア「千夜ちゃん遅いねー」

チノ「そうですね」

ティッピー「・・・」

 ラビットハウスではいつまでたっても来ない千夜とあんこを待ちながらココアとチノの平和な時間が流れ続けるのであった。

これにて完結です。
ありがとうございました。
一週間後にまたお会いしましょう。

ご感想・ご意見・苦情おまちしています。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年01月13日 (水) 07:26:47   ID: fjXe6H3F

最高!気分いいね!

2 :  SS好きの774さん   2016年03月05日 (土) 11:24:17   ID: Rqr_0CT8

ちやどうなったの?

3 :  SS好きの774さん   2016年03月17日 (木) 19:56:36   ID: JvQ_XS9D

ちやは天から落ちてきたあんこと仲良く天へ召されました。

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