少年「僕暫く大会でやれないからそれまで頼んだよ!」
爺「任せんしゃい」
少年「デイリー任務だけでいいからさ!」
爺「デリ?よくわからんがじいちゃんがやっといてやるから安心しなさい」
少年「わかった、じゃあね!」ダッ
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婆「あなた、ゲームのやり方なんてわかるの?」
爺「わからんが可愛い孫の頼みじゃ、断る訳にはいかんよ」
爺「それに戦争物のゲームらしいからわしでも少しはわかるはずじゃ」
婆「だといいんですけど」
爺「さて、まずは何からやればいいんじゃろうか」
婆「あんまり変な所をいじってパソコンを壊さないでくださいね」
爺「わかっとるわい」
爺「何事も経験じゃ、やってくうちに覚えるじゃろ。どれ、まずは出撃じゃ」
爺「ふむ、どこに行けばいいのか……お、サブ島沖海域という所で止まっておるの」
爺「ここをクリアすばきっと孫も喜ぶはずじゃ」
婆「本当に大丈夫なんですか?」
爺「大丈夫じゃよ、この前だってポケモンのレベル上げをやって孫に褒められたんじゃ。今回は更に褒めてもらうぞい」
爺「孫の喜ぶ姿が目に浮かぶわい、ふぉっふぉっふぉ」
婆「はいはい」ズズズ
爺「さあ出撃じゃ!」カチ
榛名LV96
大和LV67
羽黒LV73
妙高LV3
赤城LV70
加賀LV65
爺「大和に榛名、懐かしいのう。まるで昔に戻ったみたいじゃわい」
榛名『きゃあ!』中破
大和『くっ!』中破
加賀『!』小破
爺「むむむ、敵は強いのう」
A勝利!
爺「おお、勝ったのか!」
爺「勝ったぞ婆さん!」
婆「はいはい」ズズズ
爺「この調子でどんどんいくぞい」カチ
ドカーン!
加賀『あなたが無事ならいいの……』轟沈
爺「ん?沈んでしまったぞ」
爺「ああ、瀕死になったのか。後でポケモンセンターに連れて行くか」
爺「まだ他にもいるし大丈夫じゃろ」
大和『また……逝くのね……』轟沈
爺「頑張れ!それでも大和か!」
赤城『雷撃処分……してください……』轟沈
榛名『きゃあ!』大破
旗艦が大破しました、母港へ帰還します
爺「なぬ!?榛名が大破してはいけないのか!?」
婆「あなた五月蝿いですよ。そんなに騒がないでください」
爺「おお、すまんすまん」
爺「しかし結局敵のボスまでいけんかったのう」
爺「まあ何度でも挑戦すればいい」
爺「さて、ポケモンセンターに行くか。ここでは……入渠、これか」
爺「さて、回復と……む?傷ついたのは榛名以外いないのう」
爺「何故じゃ?最近のゲームはよくわからんのう」カチカチ
爺「なんじゃと!?回復に14時間もかかるのか!?」
爺「仕方ない、榛名の回復が終わるまで他の事をやろう」
爺「そういえばデリなんとかをやってくれと頼まれたな」
爺「婆さん、デリなんとかって何かわかるか?」
婆「デリ?うーん、もしかしてデリートの事じゃないですかね?」
爺「そうか、英語はよくわからん。とりあえず辞書を引くか」ペラペラ
爺「デリート……デリート……あったぞい。なになに?消去する事……」
爺「よくわからんのう」パタン
爺「消す……消す……」
爺「あ、工廠に行ってなかったわい」カチカチ
爺「なになに?……解体、これじゃ!」
爺「婆さん!わかったぞ!」
婆「それはよかったですねぇ」ズズズ
爺「早速解体じゃ!ええと、羽黒でいいか」
カーンカーンカーン
爺「これで完了じゃ」
婆「あなた、あんまりやり過ぎてはいけませんよ」
爺「そうじゃな、今日はこの位にしておくか」
―大会―
少年「ふぅ、疲れた」
友1「よ、お疲れ」
友2「キツイなぁ、どうだった?」
少年「まあなんとか一回戦は勝ったよ」
友1「それにしても今回の大会日帰りじゃないから艦これできねえ」
友2「ホントだぜ。あーあ、任務もったいねー」
少年「僕は大丈夫さ」
友1「え?」
少年「行く前におじいちゃんにデイリー任務だけでもやっといてって頼んだからね」
友2「うわーずっりー!」
友1「なんだそれ!羨ましすぎるだろ!」
少年「はっはっは、きっと今頃レベリングもしてくれてるはずさ」
少年「先にケッコンカッコカリするのは僕だよ」
友2「くっそー!帰ったら速攻レベリングだ!」
友1「徹夜でしてやるぜ!」
少年「無駄無駄ぁ!はっはっは」
続きは明日
―数日後―
少年「ただいまー」
婆「お帰りなさい。どうだった?」
少年「そこそこ頑張ったけどダメだったよ」
少年「それよりおじいちゃんは?」
婆「ああ、奥の部屋でゲームをやっているよ」
少年「わかった」ダダダダ
婆「あ、まずは手を洗いなさい!」
少年「はーい!」ダダダダ
少年「(おじいちゃんちゃんとやってくれたみたいだ。心配だったけどよかったぁ)」
少年「さてさておじいちゃんは……やってるやってる」
爺「」カチカチ
少年「(後ろからこっそり近づいちゃえ)」ソロー
爺「」カチカチ
少年「(どこの海域を攻略してるのかな?)」チラッ
榛名『これが運命なら……受け入れます……』
少年「ほおおおおおおおおああああああああああああ!」
爺「なんじゃあああああああああああああ!」ビクッ
少年「何やってるのおおおおおおおおおおおお!?!?!?」
爺「おお少年、お帰り」
少年「お帰りじゃないでしょおおおおおおおおがああああああああ!」
爺「どうしたそんなに驚いて」
少年「嫁の榛名が轟沈したんだよ!そりゃあ驚くでしょ!」
爺「大丈夫、ポケモンセンターに行けば治るはずじゃ」
少年「無理に決まってんだろおおおおおおおお!」ゴロゴロ
爺「落ち着きんしゃい」
少年「ちょっとどいて!」
爺「お、おう」
少年「あれ?あれ?僕の艦隊の主力がほとんどいない!」カチカチ
爺「何故か表示されないのじゃよ」
少年「46㎝三連装砲を装備した大和は!?」
爺「沈んだ」
少年「烈風改を2つ積んだ加賀さんは!?」
爺「沈んだ」
少年「村田隊を引き連れた赤城は!?」
爺「沈んだ」
少年「うわあああああああああああああああ」ゴロゴロ
少年「おじいちゃんの馬鹿!」
爺「え?」
少年「轟沈した艦娘はもう戻って来ないんだよ!」
爺「なに!?」
少年「また手に入れたってレベル1からやり直しだ!もう少しでケッコンカッコカリできたのに……」
少年「おじいちゃんなんて大っ嫌い!近代化改修の餌にされちゃえ!」ダッ!
爺「少年!待ってくれえええええええええ!」
爺「あ……」ペタン
爺「わしは何て事をしてしまったんじゃ……」
婆「あなた……」
爺「孫に嫌われてしまった……」
婆「あなた、きっと一時的な怒りですよ。その内元に戻りますよ」
爺「……」
―夏―
爺「少年や、一緒に夏祭りに行かんか?」
少年「(無視)」
爺「さ、おじいちゃんが何でも好きなもの買ってあげるから」
少年「」スクッ
爺「!」
少年「おじいちゃんとなんて行きたくない!」ダッ
爺「少年……」
―秋―
母「こら少年!いつまでおじいちゃんの事嫌ってるの!」
少年「」ムスッ
母「たかだかゲームで!おじいちゃんが可哀想でしょ!」
爺「いいんじゃよ、わしが悪いんじゃ」
母「でも……」
少年「……」
母「あら、おじいちゃん眼鏡かけるようになったのね」
爺「最近目が悪くなってのう」
少年「……」
―冬―
爺「ほれ少年、クリスマスプレゼントじゃ!」
少年「いらない!」
爺「!」
少年「僕の榛名を沈めたおじいちゃんなんて嫌いだ!ケッコンカッコカリ楽しみにしてたのに!」
爺「少年……」
―10年後―
青年「そういえばあれからほとんどおじいちゃんと口を聞かないまま遠くの学校へ進学したな」
青年「おじいちゃんの葬式にも結局出なかったし、この家に帰るのも10年振りか」
青年「今思えばたかがゲームだったのになに意地張ってたんだろ」
母「青年、おばあちゃんが呼んでたわよ。なんでも渡したい物があるって」
青年「わかった。なんだろ」
青年「おーいおばあちゃん、きたよー」
シーン
青年「居ないのかな。まあ上がってよ」
青年「暇だな……久しぶりに艦これでもやってみるか」
青年「あれ以来やってないもんなぁ。懐かしいわ」カチカチ
榛名『貴方が提督なのね!よろしくお願いします!』
青年「あれ?確か榛名は轟沈したはずじゃ……」カチカチ
青年「!」
青年「うそだろ?榛名だけじゃない、金剛姉妹に大和武蔵。
、ビスマルクに大鳳、一航戦やニ航戦まで揃ってるじゃないか!?」カチカチ
青年「しかも全員レベル99だ……一体どうして……」
婆「少年や」
青年「!」
青年「おばあちゃん……」
婆「久しぶりだね」
青年「……うん」
婆「今日来てもらったのはこれを渡したかったんだよ」スッ
青年「何これ、ボロボロのノートじゃん」ペラ
青年「!?」
青年「これは……各キャラのデータに建造レシピ、開発レシピやレベリングのやり方まで書いてある」
青年「一体誰の……」
青年「お、おじいちゃんの名前が!?」
婆「あの人はね、あれ以来ずっと後悔してたの」
婆「愛する孫を傷つけてしまった。何も知らないわしのせいだって」
婆「それから頑張ってこのゲームについて調べて毎日やってたわ」
婆「いつかあの子に返してあげるんだって意気込んで」
婆「結局、返す前に貴方は遠くに行ってしまってその間にあの人は亡くなってしまったけれど……」
青年「おじいちゃん……」
婆「でもこうして渡せてよかったわ。これであの人も成仏できるはず」
婆「じゃあ私はこれで」スッ
青年「」ペラ
青年「はは……汚い字……」ペラ
青年「無駄に沢山付箋なんか貼っちゃって……」ペラ
青年「何やってんだよ……」ペラ
青年「ん?最後のページに何か書いてある」
――――ケッコンカッコカリは少年の為に
青年「……」
青年「おじいちゃんの馬鹿……」ポロポロ
青年「そんなのどうだっていいのに……」ポロポロ
青年「悪いのは僕の方なのに……ルールを教えてなかった僕が悪いのに……」ポロポロ
青年「意地張ってごめんね……」ポロポロ
青年「ずっと無視してごめんね……」ポロポロ
青年「……」グスッ
青年「……」カチカチ
青年「あった、書類一式」カチカチ
青年「榛名、待たせてごめんね」
パアア
榛名『榛名、感激です!』
艦娘と強い絆を結びました
青年「おじいちゃん……見てる……?」
青年「僕、榛名とケッコンカッコカリしたよ」
青年「全部おじいちゃんのお陰だよ」
青年「ありがとう……おじいちゃん……」
艦
終わり。轟沈したら笑って誤魔化せ
このSSまとめへのコメント
やめてくれぇ...
泣きそうになったわ
サービス終了してないのか(困惑)