女「ふとした時に、無い筈のモノを見てしまったことはないかい?」 (27)

女「壁の模様を人の顔のように見たり。ぼーっと歩いているとき、黒い人影を見たり、木や草むらを怪物のように見たり」

男「あります。それって確かあれですよね、人の恐怖心が視覚に補正をかけてしまうっていう・・・」

女「少し近いが、それは違う。確かに存在しているのだよ、見えているそれらは」

女「私たちの暮らすこの世界の裏側に、極薄い膜一枚を隔ててもうひとつの世界が存在する」

男「もうひとつの世界?」

女「そう、その裏側の世界はこの世界に非常に近いところに存在している。

女「だから迷い込んでしまうのだよ。ふとした時に」

男「そうか、恐怖した時・・・」

女「その通り。正確には無心になった時だが。恐怖や怒りは魂を狂わせる。狂った魂は肉体を離れ、肉体は無心の境地へと至る」

女「無心の境地へ至った肉体は時と空間の流れに沿い、やがて零点へとたどり着く」

女「そこが裏側の世界だ」

男「裏側の世界にはなにがあるんですか?ただの化け物の世界?」

女「それも知ろうと考えだされたのが、禅だ」

女「古代中国の人々は裏側の世界を仏の世界であると考えた。我々の住むこの世界が偽りであり、裏側の世界こそが真実の世界であると」

男「訳が分からなくなってきました。要は無心になる、禅を極めることで極楽浄土へ行けますよ。ってことですか。じゃあ裏側の世界は天国?」

女「実際にはそうではない。苦しい現実から目を背けるために、近くにあった不思議なモノを神格化したのだ。生きる理由をつくったのだな」

男「じゃあ結局裏側の世界って・・・」

女「分からないのさ。誰にも」

女「・・・行ってみるかい?」

書き溜め終了
反応見て続ける

男「そんなことできるんですか?まさか禅を極めろっていうんじゃ・・・」

女「面白いことを言うな。君は何百年生きるつもりだい?」

男「そんな、もったいぶらずに教えて下さいよ」

女「睡眠だよ。人間が無の境地へ至る一番簡単な方法さ」

男「寝ているときはいつも裏側の世界に行っていると?」

女「そうではない。例えば不思議な夢を見たことはないかい?」

女「延々落ち続ける夢とか。空とも地とも言えないところで歩き回る夢とか」

男「あります!落ち続ける夢。それに、歯車?が沢山あって地面はなく、水中にいるような、とにかく変なところを歩き回る夢」

正直言っていい?
続き考えてない
今日帰り道でぼーっと自転車こいでたら植木が猫みたいな怪物に見えて
ちょっと思いついただけなんだ

だれか続き書いてくれるとウレスィ

はよ続き書けよ

>>19ウレスィこと言ってくれるじゃん

>>18

男「それが裏側の世界・・・?」

女「少し違うな。夢というのは精神に大きく左右されるものでな、それは裏側の世界を精神というフィルターを通して見たものだ」

女「裏側の世界を男くんの色眼鏡で見た景色ということだな」

男「それじゃあ、どうやって夢から裏側の世界へ?」

女「それが夢である事を自覚する必要がある。そうすればフィルターを取っ払って本来の姿を見ることが出来るのさ」

男「それって・・・」

女「そう。明晰夢さ」

男「夢であると意識してしまったら無心では無くなるんじゃないですか?」

女「そのとおり、だからこいつを使う」

男「ア、アルコール?」

女「そう、興奮状態にしておくことで強制的に無心にするんだ。お酒を飲んで記憶がないって奴、いるだろう?あれはアルコールの興奮作用で魂が肉体を離れ無心状態になるからなのさ」

男「そんな・・・危険じゃないんですか?」

女「当然さ、一歩間違えれば二度と起きてこれない。しかも中途半端に成功してしまったら地獄だ。裏側の世界で永遠に彷徨い続けることになる。延々に、じゃあないぜ。永遠に、だ」

ほしゅ

ほしゅ

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