VAVA「俺たちの愛機は特別チューンで手がかかってるんだぜ」【艦これ×VAKA Ⅲ】 (956)







VAVA「俺が提督だと…?いいだろう。やってやろうじゃないか」【艦これ×VAKA】

VAVA「俺が提督だと…?いいだろう。やってやろうじゃないか」【艦これ×VAKA】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406298610/)




VAVA「唯一 確かなのは……俺が提督だってことだ!」【艦これ×VAKA Ⅱ】

VAVA「唯一 確かなのは……俺が提督だってことだ!」【艦これ×VAKA Ⅱ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416944934/)




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1438989967



横須賀鎮守府



ドック



大淀「提督!皆!!よかった……定時連絡がこなかったからどうしたのかと…」



VAVA「すまん、心配をかけたな。明石、艤装はどうだ」



明石「任せて下さい!数秒で直しますから!」



VAVA「うむ。大淀、予定通り編成を変えろ。作戦は続行だ」



大淀「はい!第二艦隊のメンバーを、第一艦隊に交代します!」



加賀「すごい被害ね」



VAVA「お前ら、後は頼んだぞ」



吹雪「もう出撃ですか!?」



VAVA「疲労もストレスも無いんでな」



五月雨「提督!すぐ…追いつきますからぁ!」



VAVA「待ってるぜ!」



ガシュン!ガシュン!ガシュン!




加賀「提督、何か…楽しそうに見えたけど……」



赤城「加賀さん」



加賀「赤城さん、お疲れ様でした。後は私が」



赤城「ありがとう。しばらく休みます」



満潮「何よ、後戻りしてまで助けにきたなんて……お礼くらい聞いてから出撃すればいいのに…」ぷんぷん!



叢雲「あいつが来なかったら…死んでた。甘く見ていたんだ……私……自分が情けない」



扶桑「山城、ぼーっとしているけど……大丈夫?」



山城「だ…大丈夫です。山城は、いつも通りですから……」



扶桑「そう…」



五月雨「吹雪ちゃん、がんばろうね!」



吹雪「はい!必ず皆で帰ってこよう!!」



ガララー!



間宮「皆!差し入れですよー!」



装甲「おにぎりですよー!!」





ワイワイ…ガヤガヤ…



明石「あ、大淀。休憩中ごめんね、ちょっといい?」ボソ…



大淀「どうしたの?明石」



明石「長門さん知らない?どこにも居ないんだけど…」



大淀「どういうこと?」



明石「真っ先に直した艤装もなくて……ボロボロのを修復したから主砲に欠陥があるかもって、伝えようと思ったんだけど…」



大淀「まさか…単独出撃!?」



明石「…やばいね」



大淀「何故…こんな時に」



明石「戦士の血気ってやつなのかな…どうする…?長門さんが居ないと…士気に影響するんじゃないの…」



大淀「うん…でも、長門さんに限ってそんな向こう見ずなことするかしら…」



明石「どうする…?こういう判断は大淀に任せるよ」



大淀「…皆には黙っておきましょう。これも作戦だって」



明石「そうするしかないよね…あぁ、心配だなぁ…!主砲、なんともなきゃいいけど…」



非戦闘海域



スィー…



長門「…」



長門『すまない……』



長門『みんな…すまない…すまない…すまない…すまない…』





南方(敵を目の前に、尻尾を巻いて逃げるのか?腰抜けめ!!ワァーーーーハッハッハッハッハ!!)妄想





長門『だ…だって…仕方ないじゃないか…!!』



長門『あいつは100万馬力なんだ…私の十倍以上のチカラを持ってるんだ…!戦闘技能なんて…あいつの前には無力なんだ…!!』



長門『勝てるわけが無い……私たちがどれだけ束になったって…提督がヤツに攻撃できたのも…私のように運よく不意を突けただけ…』



長門『沈みたくない……っ!まだやりたいことが沢山あるんだ…沢山……』



長門『ごめんよぉ………!!!』



サァーーーー…




南方要塞



ワーワーー!!!



「テーヘンダ テーヘンダ!」


「デージナッテル デージナッテルサ~!」


「エライコッチャ エライコッチャ!」




南方「シズマレ!!シズマランカ!!!」




「南方様 ガ アノ オ姿 デ イラッシャルトイウコトハ……最戦線 デ 何カアッタンダ!」


「イツモ冷静 デ 優シイ 南方様 ガ 慌テテラッシャル……モウ オワリダァ!!」


「エット…泊地様 ハ ダメダカラ……ココハ 恥ヲ忍ンデ、装甲様 ニ 助ケテモラエバ…」


「馬鹿!知ラナイノカ!!モウ、随分前カラ……何者カニ 城ゴト 消サレテシマッタラシイ」


「ヒェェ…ジャア 空母様トカ…」ゾゾォ~…


「泊地様 ト 装甲様以外 無理ダ!他 ノ 姫様 ハ ココカラジャ遠スギル!!!」


「ソンナァ…!?」


「装甲城 謎 ノ 崩壊事件 ト 一緒ダ……ココモキット…!」


「装甲様 ガ 失踪サレタッテ…アレ、本当ダッタノカヨ…!!新聞 ノ 嘘カト…」



南方「ウルサァアアアアアアアアアイ!!黙ランカーーー!!!」ムガーーー!!



シーーーーーーーン…



南方「イイカ!!ココハ 難攻不落 ノ 大要塞!!装甲 ノ 城トハ ワケガ違ウ!!絶対ニ 落チハセン!!!」



南方「ナンダ!オマエタチハ!!コレハ タダノ 防衛戦 ナンダゾ!?普段 通リノ 自信 ト 余裕 ヲ 取リ戻セ!!!」



シーーーン…………ワーーーワーーーーーーー!!!!



南方「オ…オ前タチ……」



南方「クソォ……ヨクモ…ヨクモ 私 ノ 軍 ヲ メチャメチャ ニ…提督メェ!!!」


「モーダメダーオシマイダー!」コク…


「チョーヤバーイ!」コクリ



ササッ…



ポムンッ…



川内「フフフ…作戦成功なり」



那珂「見た見た?夜戦芸者ちゃん迫真の演技♪」



川内「熱演だったね。これで敵の内部はズタズタ。あとは提督のバ火力に任せれば、ここも落ちる」



那珂「帰る?」



川内「うん。夜戦の二文字は、おおっぴらに戦うことを好まない」



キラ…!



「ン…?誰ダ!!ソコ ニ イルノ ハ!!」



「…」

「…」



「何ダ…駆逐艦カ……コイツ ラ ホント 何考エテルカ ワカンナイナ」



コツコツ…



ポムンッ…



川内「忍法 着ぐるみ 早着替えの術…」



那珂「ありがと、せんd……夜戦仮面ちゃん」



川内「ふむ…だいぶかき乱したつもりだったけど、まだ平静を保っている敵もいるか…」



那珂「どーする?」



川内「いや、長居は無用。十分援護にはなった。行こう」



那珂「りょーかい!」


第四海域



VAVA「…」



「ココカラ先 ハ 通サン!!」


「クラエ!!」




数秒後…



VAVA「ふん」




「ウゥ……南方様…」


「南方様…バンザイ……」




VAVA「敵の数が激減しているが……残った敵はしぶといのが多いな」



VAVA「できれば、あいつらが来る前に全部終わらせたいところだが…」



「イタゾー!!アイツダーーーー!!」


「討チ取レーー!!」


「ウォオオオオ!!」



VAVA「忠誠ってやつか…?立派だな」ウィン…



ドゥン!ドゥン!!



ドガアアアアアアアアアアン!!


非戦闘海域



長門「どうしよう…」



長門「当てもなくただ進んでいるが…燃料がなくなったらまずいし……かと言って内地にいったらすぐに連行されるだろうし…」



長門「そもそも…敵前逃亡は重罪だ……」



長門「私は…恐怖に負けてなんてことを…」



南方(100万馬力!)妄想



長門「うぅ~~~~やっぱりこわい!」



あーーー!艦娘さんだーー!!



長門「へ!?」



ポッポーーー…



長門「輸送船……民間人を避難させているのか…」



「セブーーーン!」



長門「!」



「ビッグセブーーーーーーン!!!がんばってねーー!!!!」ノシ


「まけないでーーーーーーーー!!」


「かっこいーーーー!」



長門「子供たち…」



「お、艦娘だ!初めて見た!!おおーーーーい!」


「ホント!艦娘さーーん!」


「頼もしいなぁ」



長門「私が…守るべき人々……」



長門「…」



○○年前…



TV(デュワ!!)



「がんばれ!そこ!!あ~!?」



「まったく…この子は。ずっとテレビにかじりついて……ほら、目が悪くなってしまうぞ」ひょい…



「んあぁ~~~セブンみてるのぉ…!あ!?やられちゃう!ビッグセブーーン!!」ばたばた!



「あ~~無敵のビッグセブンもこれでおしまいかなぁ…」



「そんなことないもん!ビッグセブンは強いんだもん!!負けないよ!!!」



「はいはい…♪」



TV(デュッ……ダァーーーーッ!!)



「やったぁ!!ビッグセブンが勝ったー!!



「もう…そんなにビッグセブンが好きなの?」



「大好き!ビッグセブンのね、長門が一番かっこよくてつよいんだから!」



「ふふふ!血は争えんというわけだ……」



「ねぇ、お母さん。おっきくなったら、あたしもビッグセブンになれるかなぁ!」



「うん!なれる。きっと…」



ガチャ…



「あ!お父さ~ん♪おかえりなさい!!」



「お帰りなさい……あなた」



長門「…」



長門「私は………ビッグセブンだ!!」



長門「ふん!せいっ!デュワッ!!」ポーズ!



キャーーーー!キャーーーーーーーーーーーーー!!



長門「これから、深海棲艦を退治しにいくところだ!!みんな!応援よろしくたのむぞ!!」



ギューーーン!!



長門「行かねば…!!」



長門「私は…間違っていた…」



長門「私が逃げたら、子供たちは誰が守るんだ…子供たちは何を信じればいいんだ…!?」



長門「何が未来だっ!今、守れなきゃ…未来は無い!!」



南方(100万…ば…り……)妄想



長門「うっさい!100万馬力がなんだ!!私はもう逃げん!!!」



長門「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」




輸送船




リコリス「よし」




「あの…ヘンダーソン嬢。先ほど、艦娘がいましたがあれは…」



リコリス「友人よ。戦地に赴く友人に…挨拶がしたかったの。このことは内緒にしててね」



「はぁ……まぁ、ヘンダーソン嬢の頼みでしたら…」



リコリス「ありがと、新人ちゃん。あとは指定のコースに戻ってゆっくり進んで。じゃあね」



「え?あの…ヘンダーソン嬢……何をしてらっしゃるんですか!」



リコリス「私って、多忙なのよね。だから、こうでもしないと時間が作れなくって」ゴソゴソ…




「水中スクーター!?まさか……ちょっと!!」




リコリス「バァイ♪」ノシ




ひゅ~~~……ザプン!!



「い…行っちゃった……」


南方要塞 正門前



ガシュ…ガシュン……



VAVA「また正面から入ってやるのもいいが、面倒だ」



VAVA「はっ!」ダンッ!




ガッガッガッガッガ………!!




VAVA「この辺でいいか…おら!!」ドゥン!



ドガァアアアアン!!



ビービーーー!



「何ィ!?ドコカラダ!!」



「壁ダ!壁 ヲ 破ッテ キタァ!!」



VAVA「…」キョロキョロ…



「南方様 ノ 使命 ヲ 邪魔スルナー!!」



VAVA「サービスだ。逃げるなら、捨て置く。それ以外は殺す」



「ホザクナ!!人間 モドキ ガ!!!」



「南方様 ノ 為ナラバ 命ナド 惜シクナイ!!」



「沈メェ!!!!!!」





「強イ……ガ、モウイイダロウ…!オ前タチ脱出ダ!!!」



VAVA「結局逃げるのか……最初から素直に逃げてりゃあよかったんだ」



ガシュン!ガシュン!!



VAVA「……どうやらここが司令室らしい」



ドゥン!



ドカァアアアン!



VAVA「南方、出て来い。出てこないと生かしてあるお前の部下たちを一人ずつバラバラにするぞ」



シーーーーーーーーン………ビュン!!スタッ!!!



「デヤァアアアアアア!!」ギラッ…!



VAVA「それで不意を突いたつもりか。邪魔だ」ガシッ…



「ウムッ…!?」



VAVA「ほら」ブン!



ビタタアアアアアアン!!



「ウギャン!……ウ………ァゥ…」ぺたん…



VAVA「伏兵はもうおしまいか?」



ユラリ……スゥ…



南方「…」



VAVA「やっと出てきやがったか……いくぜ!!」


第四海域



五月雨「やっとここまで来ました…加賀さん、さっきは庇ってくれて、本当にありがとうございました。怪我はありませんか…?」



加賀「大丈夫よ。大したことはないわ。行きましょう」



五月雨「はい!」



扶桑「長門さん無しでどこまでこれるか心配だったけど…全員ほぼ無傷でこれてよかった…」



山城「後は、敵の親玉を倒して終わりですね。姉さま」



扶桑「えぇ…提督はご無事かしら」



山城「…そうですね。心配です…ちょっとだけ」



足柄「ふふん♪急に補欠とか言われたけど、対応できちゃうのが私なのよねぇ」



吹雪「流石足柄さん!すごい!かっこいいです!!」



足柄「いやいや~これぐらい普通よ?本気出したらもっとすごいから、どう?本気見たい?見たい?」



南方「ソンナ ニ スゴイ ナラ 見セテ ミロヨ…」



足柄「えぇ、いいわ!おどろいても…しら……な……」ピクッ…



南方「…」



足柄「きゃああ!でた~~~!!」



五月雨「足柄さん!こっち!こっちです!!」



吹雪「急いでー!」



加賀「…」キリキリ…!



扶桑「現れたわね…」シャコン!!



山城「二度も出迎えに来るなんて、気が利くじゃない」ジャキ…



南方「三度目 ハ…決シテ無イ……決シテナァアアアアア!!!」ゴォオオ!!




南方「ゴラァ!!」ドンドンドン!!



ザプーンッ!ドポーーン!!



扶桑「もう簡単にはやらせません…!」



ドドドン!!



南方「ヌンッ!下等 ナ 艦娘 如キ!!」バキンッ!



扶桑「砲撃を腕で弾くなんて…」



山城「頭部を狙い撃ちにできれば…姉さま!」



加賀「山城さん。射線に入らないで」キリリッ…!



山城「加賀さん…!?」



加賀「敵空母がいないなら、派手に攻めます」バシュッ!!



南方「艦載機ナド、残ラズ 撃チ落シテクレル!」ババババババッ!



ヒュンンヒュンヒュン~…




南方「何!?クッ……」ババババッ!



スカカカカ…!



加賀『無駄。あなたの射撃の癖は、全て赤城さんに伝えてもらったわ…』



加賀「流星改…そこで投下して」



ポシュ…バチャン!ボシュウウウウ!!



南方「コンナモノ!コウダ!!」水面撃ち!!



ボカーーーーン!ボカァーーン!バシャアアアン……



加賀「正面から命中するなんて思ってないわ。今よ」



足柄「OK、いくわよ!二人とも!さっきのお返しよ!!魚雷ぜーんぶ同時発射ぁ!!!」



五月雨「敵の未来位置を予測……ここです…!」



吹雪「当たれ!!」



バシュシュシュシュシュシュウウウーーー!!



南方「!?……後ロダト!!グワ……」



ドォオオオオオン!!



加賀「やりました」


バシャア……




南方「誰ガ 誰ヲ ダァ…?」チャプ…




加賀「はっ…!」



ガシッ!



五月雨「え…?あ、あれ!?」



ザパァ!!




南方「迂闊ダナァーーー!!」グイィ!




五月雨「きゃああああああああああ!!」ぶらん…



足柄「あいつ!!水中に逃れていたんだわ!!!」



吹雪「五月雨ちゃん!!」



加賀「しまった…!」キリリ…ッ!



南方「イイノカ?私 ハ 微々タル ダメージ デ 済ムガ、コノ 小娘 ハ ドウダロウナァ!!」ぶんぶん!



五月雨「た…たすけてぇ…!!」



加賀「卑怯な…!それでも、姫を名乗る者なの!!」



南方「卑怯 モ ラッキョウ モ アルモノカ!ココハ 戦場ダ!!!ソウダロウ?」ドドンッ!



扶桑「あぐっ…!!」大破



山城「ね…ねえさ…」大破



南方「ハッハッハッハッハ!後ロ カラ 撃トウト シタンダロウガ、ソウ何度モ 不意打チ ヲ 許ス 私デハナイ。ソラ!!」ドォン!



加賀「あ゛っ!…ぁ………赤城…さん…」大破



バタン……バタバタ……



南方要塞



ドサッ…



南方「ウ…」キュ~…



VAVA「…」



ガシュガシュ…!ムンズ!!



「ア…」パラリ…



VAVA「ダミーか……おちょくりやがる。おい、本物はどこだ?答えれば五体満足で逃がしてやるぜ」ウィン…



「バカ メ……」



VAVA「何?」




「南方様 万歳…」カチ!




ゴゴゴゴゴ………ボォン!!ボボボボォン!!!!



VAVA「自爆か…!チッ……うなっ!?」



ガシィ…!!



「ウゥ~……!」



VAVA「なっ!?は、離せ!!」



「ハナサナイ…!」



ドドドドドド………!!!!



VAVA「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」



カッ!チュドーーーーーーーーン!!!!


第四海域



五月雨「みんなぁ…!あ…あぁ…」



南方「貴様 ラ モダ!」ババババッ!!



足柄「吹雪!」ガバッ…



吹雪「あ…」



足柄「ぐはぁっああああ…!!」大破



吹雪「きゃあ!」中破



五月雨「あ…あ………あぁあああああああああーーーー!!!」ぼろぼろ…



加賀「…」


扶桑「…」


山城「…」


足柄「…」


吹雪「…」



南方「フン……所詮、子供 カ…安心シロ、オ前モ スグ 同ジ場所ヘ 連レテ 行ッテヤル……」コォォ…



五月雨「ひっ…」ゾク…



南方「フフフ…」ニタァ…



五月雨「沈んじゃう……みんな…沈……提督……だ、誰か……」



南方「沈メ!!ミナゾコヘ!!!」




五月雨「たすけてぇーーーーーーーーーーーーー!!!ビッグセブン!!!」



ダァーーーーーーーーーーーーーッ!!



南方「何?ビッグセ……ブンヌッグワァアアアアアアアアアアア バァアアアアアアアアアアアアアアアア!?!?!?!?」メリメリメリ…!!



長門「…っ!!!!」ドロップキック!!



南方「ウゥゥ…」パッ…



フワ…



五月雨「きゃあ!」



サッ!!パシィ…ギュ…



五月雨「長門さん!」



スタッ…!



長門「五月雨、もう大丈夫だ」



五月雨「信じてました…きっと来てくれるって!」



南方「クッククククク……」カクン…



長門「…」キッ…!



南方「嬉シイゾ 戦艦 長門。貴様 ノ 方 カラ 出テクル トハ…探ス手間ガ 省ケタ」ギロ…!



長門「南方棲戦姫!もう勝手な真似はさせん。決着をつける時がきたのだ!」



南方「ソノヨウダ。着イテ来イ、場所 ヲ 変エル」



長門「いいだろう」



五月雨「長門さん…」



長門「五月雨、私は……ヤツを倒す。悪いが、ここで皆と待っていてくれ」



五月雨「長門さん、私も一緒に戦います!私だって、艦娘です!」



長門「駄目だ。皆を置いていくわけにはいかん」



五月雨「でも…!」



だきっ……ぎゅ~~…



南方「……!」



五月雨「あ…」ふわ…



長門「大丈夫…私は必ず勝つ。信じてくれ」



スッ…



五月雨「…わかりました」



長門「ありがとう。五月雨」



南方「ハッ………エェイ!ハヤクシロ!!」



長門「急かすな!空気を読むという言葉を知らんのかお前は!!」



南方「普段ハ 空気 ニ 触レテ スラ イナイカラナ!行クゾ!!」



長門「応っ!」



シュゴォオオオオオオオオオオオオオオオ!!




第四海域 最深部



南方「ウヌゥッ!!」ブンブン!



長門「ふっ!とぅ!!」ヒョイヒョイ!



南方「デカイ図体 シテ 逃ゲ回リオッテ…」



長門「お前に言われたくないわ!そこっ隙あり!どぉりゃあ!!!えぇい!!!!」フック!肘打ち!



南方「…」ニヤ…



長門「くそっ!」



南方「格闘 ハ キカン ト 言ッタ筈ダ」



長門「またドロップキックが決まれば…!」



南方「アンナモノ 少シ 驚イタ ダケデ ダメージ ナド ナイワ!!」ガォォン!



ガシッ!ガシッ!



長門「うぅぅっ…!?」



南方「私 ノ チカラ ヲ 逆ニ 利用シヨウト 頑張ッテ イルヨウダガ、何時マデ モツカナ…?」



長門「しまった…また組んじゃった……!!」



南方「コンナ 細イ腕 ヘシ折ッテクレル!!!」ググ…



ギギギ…





長門「うごぉおおお!?くぬ…!デュアアアア!!」巴投げ!



ポーン!



南方「ワッ!?」



ひゅ~~~………ごつーーーん!!!



南方「グワァアアアアアアアアアアアアア……!!!」ジタバタ…!



長門『あ……投げた先に岩があったのか………』



長門「ふっ…計算通りだ。自重込みの衝撃はかなりのダメージになるはず!」



南方「…」スク…



長門「!……なんてタフネスだ」



南方「流石ダナ。ビッグセブン ト 呼バレル ダケノ 事ハ アル。認メタクナカッタガ…認メヨウ。貴様 ノ 強サヲ」



長門「降参か?」



南方「馬鹿 ヲ 言エ。私ガ ドウシテ 貴様ヲ ココニ 呼ンダノカ、ワカルカ?」



長門「自分の知り尽くしている場所だから、地の利を生かせるとか、そういうことじゃないのか」



南方「違ウ。ココガ……英雄 ノ 沈ンダ 場所 ダカラダ」



長門「英雄…?」



南方「既ニ 貴様ラハ、地上 ノ 人間共 ヲ 救ウ 事ニ 成功シタノダ。カツテ ノ 彼女 ノ ヨウニ……」



長門「???」



南方「モウ、私 モ……私ノ 率イル 軍モ、貴様ラ ノ 攻撃ニヨッテ 疲弊 シテシマッタ」



南方「奇襲 ハ 想定 シテイタガ、想定 サレテイタ モノヲ 遥カニ 上回ル 大打撃」



南方「全テガ 元ニ 戻ルマデ、カナリノ 時間ガ 掛カル……要塞 モ 立テ直サナケレバ ナラナイ…」



長門「要塞…!そうか!!提督がやったんだな!!」



南方「ソウダ。貴様 ノ 提督 ハ、要塞 ノ 崩壊 ニ 巻キ込マレテ……………死ンダ」



長門「!」



南方「アイツ モ ココニ 沈メテ ヤリタカッタガナ……アイツ ハ アル意味 貴様 ヨリモ 厄介 ダッタ」



南方「アンナ形デ 始末スルノハ 不本意ダッタガ……一番 確実 デ 合理的ダッタ。 アノ 要塞 ガ 墓標ナラ、文句 ハ アルマイ」



長門「…」




(VAVA「……やるな、見事な投げだ。あの短い間に、俺を布団に寝かせるとはな…」 )




長門「提督………いいやつだった…誰よりも頼りになって……私よりもかっこよくて…強いやつだった…!!」



南方「今度 ハ 貴様 ノ 番ダ。貴様 ハ ココニ 沈ンデ…英雄トナルノダ!!」






長門「…南方棲戦姫。私は、お前を倒す!!」ガシュアァン!!



南方「勝負ダ。ビッグセブン!!」グォォン!






長門「…」



南方「…」



ドォーーーン!!



バーーーーン!!



ヒュ~~~~~~~~~……




長門「…」















南方「…」










長門「…」





南方「…」




長門「…」


南方「…」




グラ…




長門「う……………ごはっ…」中破




バタン…




南方「ククク……勝負アッタナ」チャキ…




ピシ…ピシピシピシ……




南方「?」






ボムンッ!



南方「ナンダ!コッ…コレハ!?」



ボフッ!!!ドォンッ!!!!



長門「この土壇場で…急所を狙わずに、脚を狙った…」



南方「ウワ……ワ……燃エル!?私 ノ 艤装ガ!」



長門「癖が出てしまったようだな。確実に仕留める為に、あえて四肢を狙う癖が…」



南方「外シタノデハナク、艤装 ノ 誘爆 ヲ 狙ッテ…!ハワァアアーーー!?」



ドォン!ボガァン!!



長門「肉を切らせて骨を絶つ…!」スク…!



南方「マ…マズイ…」中破



長門「覚悟…!!」カチッ…



ドカーーーン!



長門「な…何故…………」大破



南方「!?!?」



長門「こんな時に…暴発………」フラッ…




第四海域



五月雨「皆さん……」



吹雪「ううん…はっ!?」



五月雨「吹雪ちゃん!よかった!意識が戻ったんだね!!」



吹雪「五月雨ちゃん!………あれ、南方なんとかは……」



五月雨「それが…」



ピーーー!ピーーーーー!



五月雨「あ…通信…!」ピッ!



大淀(あ!繋がった!!五月雨ちゃん!!!何があったの?現状の報告をお願い)



五月雨「はい!!」



吹雪「足柄さん…あの時、咄嗟に覆いかぶさってくれたおかげで…」



足柄「…」プスプス…




五月雨「……ということなんです」



大淀(なんてこと…敵もなりふり構わなくなっているわね……)



五月雨「私たちはどうすればいいですか…?」



大淀(もういいわ。皆を連れて、すぐに帰投して)



五月雨「でも、提督と長門さんが…」



大淀(大丈夫。あの二人なら心配ないわ。今は、自分の心配をしなさい)



五月雨「…」



吹雪「まだ…まだだよ。五月雨ちゃん」



五月雨「吹雪ちゃん…」



大淀(…もしもし?どうしたの、返事をしなさい!五月雨ちゃん!もしもし!!)



吹雪「私たちにできることが、まだあるよ…」



五月雨「何か…見つけたんだね。吹雪ちゃん」



吹雪「…」コク…



大淀(これ以上、あなたたちが戦うことは…!!)ブツン…



五月雨「行こう、吹雪ちゃん。この先へ!」



吹雪「ありがとう、五月雨ちゃん」



加賀「待ちなさい…」グググ…





五月雨「加賀さん、意識が……動いては駄目ですよ!体が!!」



吹雪「加賀さん!」



加賀「私も…一緒に行きたいところだけれど……無理みたい。だから……おいで」



ヒュ~…



「かが~~!」



加賀「いい子ね…彩雲。あんな状況になっても、索敵を続けていてくれて……お願い、この子達と一緒に行ってあげて」



「かがは…?」



加賀「私はもう動けない……でも、この子達はまだ…あきらめていない」



「……わかった。いってきます!!」敬礼!



加賀「えらいわ………五月雨さん、吹雪さん。この子が、貴女たちを導いてくれるわ……提督と…長門さんの…チカラになってあげて」



五月雨「加賀さん…」



加賀「帰ったら………お腹一杯ごはんが食べたいわね……お腹が…減りました」



吹雪「…はい!いっぱい食べましょう!!」



加賀「ふふふ……さぁ、行きなさい…!!」



五月雨「はい!」


吹雪「はい!」



シュアアーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!


第四海域 最深部




長門「…」フラフラ…



南方「…ァ」ぽかーん…



南方「!」



南方「フフフ………ハハハハハハハハハ!!!」



チャキッ!



南方「運 ガ 無カッタナ!ビッグセブン!!」ババババンッ!



長門「…ぁ…ぅお…………あ………あ…」ビシ!ビシッ!!



南方「両肩…!両肘……!両手………!次 ハ 両膝 ダ!ソノ次 ハ 両足首!!」



ドス!ビシュ!!バスススス…ッ!!



長門「か…はぁ……」



フラ……



南方「コレデ 決着ダ!!」コォォ……




長門「ぁぁ…あ…」ヨロヨロ…




南方「カァッ!」




ズギューーーーーーーーーーーン!




長門「………ッ!」ブパッ!!



フラ…フラ……スッ…………




長門「…」轟沈




バシャアア!!!ブクブクブク………



南方「貫通シタ 場所ハ エンジン……ヤッタ……」ハァハァ…



南方「ヤッタゾーーーー!勝ッタ!!!今度コソ 英雄 ニ 勝ッタ……勝ッタァ…!!!」



南方「勝ッ…」ピタ…



バシャ…



南方「…」



南方「フゥー……脅カシオッテ………ククク、遅カッタナ。アト1分早ケレバ、ビッグセブン ヲ 援護 デキタ カモナァ」



五月雨「…」



南方「……見逃シテヤル。ビッグセブン ノ 最期 ヲ 伝エテヤルンダナ」



吹雪「…」



南方「ソレトモ、コノママ 二人デ 私ニ 挑ムカ??今 ノ 私 ナラバ、モシカシタラ 貴様ラ デモ 倒セル カモ 知レンゾ?」



ゴォーーーーーーーーーー!!



五月雨「うあああああああああああああ!!!」


吹雪「てやあああああああああああああ!!!」



南方「フン!ビッグセブン ガ 救ッテクレタ 命ヲ 自ラ 捨テニ 来ルトハ……ヤハリ艦娘、愚カナリ!!」



ガチャ!



南方「貴様ラ ナド、半壊状態 ノ 艤装 デモ 釣 ガ クルワ!!」



シャーーーーーーーー!




五月雨「吹雪ちゃん!!」---→




吹雪「こっちは任せてっ!!」←ーーー




南方「ン…?何 ヲ スル ツモリダ?挟ミ撃チ カ……??」




南方「タッタ2人 ノ 駆逐艦。ソレモ 1人 ハ 手負イ…ソンナ 戦力 デ 何ガデキル!!」バババッ!!



五月雨「うぅっ…!」



ブゥーーーン!!



「目をつぶっちゃだめ!敵をよくみて!!」



五月雨「はい!」



「右によけて!!次は先読みして撃ってくるから、加速しないでそのままゆっくり!!」



五月雨「はい!!」



MISS MISS



南方「何…!?ナラ、モウ片方ヲ…!!」チャキ…



「!」キラン…!



ブゥーーーーーーン!!



「ふぶき、そのままの速度を維持して!辛いけど、がんばって!!!」



吹雪「了解!」



南方「沈メ!」ドンドン!!



MISS MISS



南方「バカ ナ!照準器 ガ 狂ッタカ…!!」



五月雨『すごい。さすが加賀さんの妖精さん……この安心感…!』



吹雪「五月雨ちゃん!今だよ!!」ドンドンッ!



南方「コンナ 豆鉄砲!防グ マデモ無イ!!」チュチュンッ!



五月雨「やぁあああああああああ!!」バシュ!!



南方「魚雷一発程度 ナントモ…」



ドォオオオオオン!!



南方「ナイ………イダァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」ズキィ…!



五月雨「や、やった!!」



吹雪「思ったとおり…!」



「お見事!!」



南方『何ヲシタ!?コノ 激痛 ハ…!シマッタ!コノ位置ハ……』



南方「ウグゥゥゥ……」



ジュウウウウ……!



南方「ギャアアアアアアアアアアアア!!!」



吹雪『あの時…』


( 南方「貴様 ラ モダ!」ババババッ!! )



( 足柄「吹雪!」ガバッ… )



(吹雪「あ…」 )





(吹雪『あれは……傷…?弾痕みたいなのが…うっすら左肩に…』





( 足柄「ぐはぁっああああ…!!」大破 )



( 吹雪「きゃあ!」中破 )






吹雪『やっぱり…見間違いじゃなかった』



吹雪『古傷だったんだ…それもあの痛がり方じゃ、ものすごい威力の砲撃を受けた痕なんだ!!!』



吹雪『……足柄さんがあの時庇ってくれなかったら、これを五月雨ちゃんに伝えることも、手伝うこともできなかった…足柄さん……!』



五月雨「吹雪ちゃん!もう一度!!」



吹雪「うん!」



南方「大和ォ…………ウグガァ!!!コノ チビ共 ガァアアアアア!!」シュシュン!!




五月雨「あ!妖精さん!!」



「艦戦か…!」



南方「先程カラ ハエ ノ ヨウニ 飛ビ回ッテ…目障リダ!!!艦爆 ハ コノ姿デハ 使エンガ、艦戦ナラバ アルンダヨ!!」



吹雪「そんな…!?」



南方「無駄 ナ 消耗 ヲ 避ケル 為ニ、空母 相手ニハ 使ワナカッタガ……偵察機 相手ナラ!!」



ババババ!



「うわわ!ね、燃料タンクをやられたぁ~~~!!」



吹雪「妖精さん!」



五月雨「もういいです!離脱を!!!」



「むねん……まってるからね!鎮守府で!!」



ブゥーーーーーーーーン…!



南方「空 ノ 目 ハ モウ無イ!!サァ、サッキ ミタイニ 避ケテミロォ!!」ドドドドン!!



五月雨「くっ…」



吹雪「こんなに攻撃されてもまだ動けるなんて…」



南方「グォ……ッ」ガクン…



南方『カ、体ガ………傾斜シテイル…!?クソォ!!』



南方「ウォオオオオオオオオオオオ!!!」ドンドンドンドンッ!!!



深海



ゴポポ……スゥ~~~…↓↓



長門「…」



長門『私は………沈むのか…』



長門『…くやしいなぁ』



長門『きっとバチがあたったんだな……』



長門『五月雨たちは…無事逃げられたか…それだけが……心残りだ…』



長門『……もう…考える…ことも……苦しくなって…き…た』



長門『これが……死…………か…』




ゴトン……ズゥゥゥゥン……




長門『…て…いとく……わたし…は……』



長門『う……』ガクッ…




『諦めてはいけません』



長門『…あぁ……幻聴が…聴こえる……ついにお迎えが…来たか……』



『貴女が平和を望むなら…』



長門『次に生まれ変わるなら…遊覧船にでもなりたいな。子供たちが喜びそうだ』キラ…!



『チ…チカラを託します…』



長門『いや、いっそのこと船じゃなくて車になろう。幼稚園の送迎バスになれたら幸せだろうなぁ!』キラキラ…!!



『むぅ……!こらーーーーーーー!!勝手に生き生きしないでください!!!』



長門『きゃあ!幻聴が話しかけてきた……!う……また苦しく……あぁ、ついにお迎えが…』



『確かに幻聴ですけど…貴女、本当に戦艦 長門…?』



長門『そ…そうだが』



『私の知っている長門さんは、もっと真面目で寡黙な人でしたが…まぁ、それは置いておいて…』



長門『………??何?なんなの?私は沈んだんじゃないのか?』



『そうです。でも、貴女はまだ沈んではならない。生き返って、戦うのです!!』



長門『無茶言うな!!』



『無茶ではありません。私は、この時の為にここでずっと待っていたのですから…』



長門『待っていた…?』



『はい。南方棲鬼と戦う艦娘が、再び現れることを……』




長門『南方棲鬼と?…………まさか…』



『私のことはどうでもいいです。ただ、貴女には戦ってもらわねばなりません。彼女を、止めて欲しい…』



長門『………わかった。私も、まだ諦める訳にはいかないようだな』



『これを…』



長門『この装備は…!?』



『私の艤装は、持ち去られてしまいましたが…この装備の数々は、彼女には見つけられなかったのです』



長門『おぉ、まるで新品!ちょうど片方壊れていたんだ。この主砲、私に使いこなせるかどうかわからないが……やってみよう!!』キリッ!



『あ…!』



長門『どうした?』



『いえ、うふふ…♪やっぱり、貴女は長門さん。今の勇ましい表情、瓜二つです。とても…懐かしいですね……』



長門『…』



『…さぁ、準備はいいですか?今から貴女を女神のチカラで蘇らせます』



長門『あぁ…やってくれ』



『ありがとうございます。長門さん。これで……もう…思い残すことはありません』



長門『バトンタッチだな』スッ…



『えぇ!平和を繋ぐ……バトンタッチ』スッ…



ポン……



ピカァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!


第四海域 最深部



ドカーーーーーーン!



五月雨「うぅ…えぇ…」大破



吹雪「五月雨ちゃんだけでも…逃げて…ここは私が…」大破



南方「ハァ…ハァ……ゼェ…ゼェ……カ、下等…ヒュー…艦娘ガ……私 ヲ 超エル 事ナド デキハ…ゴホッ!ゲフンッ!!……センノダ!!!」ガクガク…



南方「オエェッ!ゴホゴホ!!……スーーーーハーーーーーーーーーー…」



南方「…」



南方「フゥ…落チ着イタ」



五月雨「う~っ!」カチャ…



南方「……大シタ 根性ダナ」



南方「ココマデ 私ヲ 追イ詰メタ 貴様ラ ダ。私ノ 記憶 ノ 中 ニ、ソノ 勇姿 ヲ 永遠 ニ 刻ンデオイテヤロウ」ガシャン…!



吹雪「わ……わぁ…」



南方「本当 ニ ヨクヤッタヨ……ダガ、勝ッタノハ 私ダ!!」



ピカァーーーーーーーーーーーーーーーッ!!



南方「ウワッ!ナ、ナンダ……海 ガ 眩シイッ!!」ササッ…



五月雨「!?」


吹雪「!?」



ザパァアアアアアアン!!



長門「…」ピカー…!



五月雨「な、長門さん…生きて…長門さーーん!」


吹雪「長門さんが、復活したぁ!!」




長門「怖かったろう……痛かったろう…すまなかった。守りきれなくて…」



五月雨「いいんです!帰ってきてくれたから…!」


吹雪「帰ってきた…ビッグセブン!!ですね!!!」



南方「ビビ…ビッグセブン……ダトォ!?死ンダ ハズデハ…!?」



長門「残念ながらまだ生きてるぞ」ピカピカ!



南方「ウ、嘘ダ!コンナコト!!!有リ得ン!……エンジン ヲ 貫イテ ヤッタハズダ!!生キテイラレルハズガ…」



長門「確かに…私は一度死んだ……だが、帰ってきたのだ!英雄の魂と共に!!」ガシャォン!!



南方「ソノ 主砲 ハ!!!!貴様、何故ソレ ヲ!?!?!?!?」



長門「問答無用!よくも私の可愛い仲間たちを痛めつけてくれたな!これをくらえ!!」カチッ…





コォォ……ガォンッ!!





南方「ウワァッ!?」ヒュッ!スカ…





キィーーーーーーーーーーーーン……ドボォオオオオオオオオオン!!!!





南方「コノ威力…本物 ノ 51cm連装砲…!」ゾゾ~~…




長門「くっ!…ふふ!凄い反動だ…!!」




五月雨「ううぅ~~!?」くわんくわん…


吹雪「す、すごい音…!」じんじん…




長門「すまない!!もう少し耐えてくれ!……重い!が、当てる!!」グィ!




南方「エェイ!ウタセンゾ!!」ガチャリ…!



五月雨「長ット!?殺されたんじゃ」
長門「残念だったな、トリックだよ」


ドンドンドン!



長門「うぬ…!」ビシビシッ!!



南方「ソノ 主砲 ハ 大和型 デ ヤット 扱エル 代物ダ!貴様 ニ 使エルモノカ!!」



長門「もう一発!!」ガォン!!



南方「強力 ナ 主砲 モ 当タラナケレバナ!」ヒュ…



スカッ!



長門「撃ちきった…!?次発装填…!まだか!!」モタモタ…!



南方「ソレハ 私ニ コソ 相応シインダ!寄越セェエエ!!」



ボォーーーーーーーーッ…!!ガシュッ!ガシュッ……!!



五月雨「この音…!」



………ドゥンドゥンッ!!



南方「グオォ!コノ 弾ハ…!?」プスプス…




VAVA「楽しいパーティも……お開きの時が来たようだぜ!」ウィン…!




長門「お…おおおぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー提督っ!!!!」



吹雪「五月雨ちゃん!!勝てるよぉ!!!私たち!!!」


五月雨「うん!!!」



VAVA「長門!俺が時間を稼ぐ。とどめはお前が刺せよ!!」



長門「了解だ!」



南方「ナ…………ナァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!????」



南方「コノ……クソ化物 共 ガァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!ナンデ!?ドウシテェエ?!」ガシャゴンッ!!



南方「死ンデロヨォ!!死ンダノニ 帰ッテクルナ!!!」ドンドンドンドンッ!!!



VAVA「俺があの程度で死ぬものか!」バルルルルルッ!



ドゴンドゴンドゴンドゴンドゴーーーンッ!!



吹雪「すごぉい…機銃で弾を撃ち落としてる…!」



南方「ウガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」ゴォー!



長門「提督、そいつと肉弾戦をしてはいかん!!そいつの馬力は100万だ!!組んだ途端にねじ伏せられてしまう!」



VAVA「俺の心配などいらん!早く装填しろ!!」



長門「う、うむ!!」カチャカチャ!



南方「今度 ハ 帰ッテ コレナイヨウ、コノ手 デ 粉々ニ シテヤル!!」



VAVA「…」スッ…



南方「構エタ…?ハッ!!イイ度胸ダ!!!私 ノ チカラ 思イ知レ!!!」ガシィ!!



VAVA「ぬぅっ!!」ガシィ!!



五月雨「提督!!」



ググググ…!!



南方「弱イ、弱イゾ!提督!!ヤハリ 貴様デモ 私 ヲ 超エルコトハ デキン……」



パカン…



南方「へ!?腕ガ 外レ……」ズル!



ガキィン!



南方「マタ…クッツイテ…ア!?バ、バランス ガ…!!」グラ…



VAVA「お前を超える?簡単だな。隙が一瞬もあれば十分だ」フック!



ビュン!メキメキ…!



南方「ガ…ゴ……ブッギャアアアアアアアアアアアアア!!!」



バシャアアアアア!!



VAVA「長門!まだか!!」



長門「あとちょっと!!!」



南方「フゥッ……フザケンナーーーーー!!!」



VAVA「…!」スサッ…!



南方「コノ 構エハ!?マタ…アノ 爆弾ガ……」



タンッ…



VAVA「おら!!」膝蹴り!



バキィッ!!



南方「ングゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!」



フラリ……バシャア!!



VAVA「どうした。お前は俺とインファイトがしたいのだろう?立って向かって来い!!」



南方「ジ…ジグジョォオオオオオオオオ!!!」ブンブンブンブン!



VAVA「そら……よ!!」ズイッ!



南方「ナンッ!?」



メギョッ…!



VAVA「ショルダーキャノンには、こんな使い方もあるんだよ」ドゥンッ!!



南方「ウゲェアアアアア!?……ウゥ…ウ…」



ヨタヨタ……



南方「フガ……」ピヨピヨ…☆



長門「出来た!!離れろ提督!!」ガギィン!



VAVA「よし撃て!!」ヒュッ…!



コォ……



南方「…ハッ!ヤ、ヤバイ…!!」



長門「ってぇーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!」



ガォオオオン!!



南方「マダダァ!!」グイィン……ドドォン!!



VAVA「やるな…!」ウィン!



ヒュ!……スカッ!



五月雨「あぁ!?」


吹雪「主砲の反動を利用して…!?」



長門「まだあと一発ある!!これでぇええええええええ!!!」



南方『デキル…集中 スレバ 避ケラレル!!培ッテキタ 感覚 ガ…私 ニ ソウ 教エテイル!!』ニヤ…



VAVA「!……待て!まだ撃つな!!」


コォ…!



南方「判ッタゾ!コッチダ!!」ドドォン!!



ヒュッ!



長門「え!?もう止まれない…!ならば…ぬぐぅぅ………間に合えぇえ!!」ググ…



VAVA「ちっ!」カシュッ…!ボチャン!!



ダダッ!



長門『ダメだ!!!間に合わない……提督!?何を…』



VAVA「ふん…!!」



スサッ……ガチィ!!



VAVA「長門!!」グイ!



長門「!」



長門『わかったぞ。提督の考えが…おぉ軽い!!砲口がやつの方に……いける!!!』



南方「ナニィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!無理矢理 調整 シテ……」



南方「ア……」



「う…くっ…傾斜…が……注水を……」



「ハァアアアア!チカラ ガ 溢レテクル……漲ッテ…ハチ切レソウダ!!」



「桁違いのチカラ…………もし、彼女が上陸したら…地上は大変なことになる…」



「戦艦 大和……アナタ ニハ 敬意 ヲ 払ワナケレバ ナラナイ……私 ハ 負ケタ」



「なら、戦いをやめましょう!私たちが争う理由なんてないはずよ!!」



「気 ノ 毒 ダガ、ソレハ デキナイ」



「……なぜ?」



「私 ハ、自分 ノ 為ニ 戦ッテイル 訳ジャナイ。コレガ、私 ノ 使命ダカラ…!!」



「どうしても…考え直してはくれないのね…?」



「……エェ。アナタコソ、人間 ヲ 捨テル 気 ハ ナイノ?」



「そんなこと、ありえない」



「ソウカ…………」



「…………最期に、一つ……頼みを聞いて欲しい」



「コノ 場デ デキル 事ナラ……」



「家族に…別れを告げたい」



「家族…………ドウゾ。通信 デモ ナンデモ スルガイイ」



「ありがとう…」ピッ…



「…」



「私です……さようなら。約束……守れませんでした………ごめんなさい……………はぁああああああ!!!」




ガシィ!!!グググググギィ…



「グゥッ……ナ…何 ヲ …!?エェイ!!」ピタ…!



ドォンドォン!!



「ぐぅあ…!!いいわ…!!!もっと…!そのまま…撃ちなさい!!撃ってみなさい!!!」中破



「ク…苦ジ…ィ……ハナセ!!」



ドドドドドドドォン!!!



「づぁあ……まだ沈まない…!こんな……ものでは…まだぁ!」大破



「グェエ……!ヤ…メロ!!ガァアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」



ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッ!!



「これで…いい…守……れる…」轟沈



ザプゥウウウウウン!!ゴポポポポ……



「カ…ハ………ゴホッ……ゴホ!!ハ…離レナイ…!?外セナイ!?!?」



「た…とえ……海底…に……落ちても…………放さ…ナイ」



「命 ヲ 捨テル……人間 ノ 為ニ……タッタ一ツシカナイ モノ ヲ…捨テルト!!!」



「捨テテイナイ……コレデ…………アノ人ヲ……」フッ…



「ナ……アアァ…!」



「…」



ゴボボボ…ズゥウウウウウウウウウゥン………



「…」



「…」



「…」



「…」



「…」



「…」



「…」



「召集 ニ 応ジズ……ドコデ 何 ヲ シテイルカ ト 思エバ…何ダ?コノ有様ハ」



「…」



「部下 ハ ドウシタ?」



「全員 沈ンダ」



「……ナラバ、私 ガ 外シテ ヤロウ」



「無理ダ」



「ドレ…?フン!!ンギギギギギギギギギギギ!!!!!!!!!」



「無駄ダ」



「ビク トモ シナイ…」



「帰レ……彼女 ノ 肉体 ガ 朽チルマデ……私 ハ ココ ヲ 動ケナイ…」



「マルデ、呪イダナ………去ラバ」



「…」



「ネェ、大和……イツニナッタラ…放シテクレルノ…?」



南方『アレカラ…ズット 一緒 ダッタ』



『それでも、貴女は変わらなかった』



南方『私 ハ 変ワッタ!!私ハ………変ワレタノヨ!!』



『私には……そうは見えない。ごめんなさい。先にいきますね』



南方『待ッテ!!行カナイデ!!!私 ハ ドウスレバ イイノ!?ドウスレバ、変ワッタ コト ニ ナルノ!?!?』



『わかりません。けど、貴女が貴女の思うままに生きてみたらいいんじゃないですか?』



南方『私 ノ 思ウママニ…』



『私は、戦う為に生まれました。でも、私を愛してくれた人は、私に戦うことを求めませんでした』



南方『エ…?』



『けれど、戦わなければ守れないものもある。だから私は戦っていたんです。私も、その人を愛していたから』



南方『愛…?愛ッテナンナノ!?教エテ!!私 ヲ 助ケテ!助ケテヨォオオオオオ……!!』



『貴女が、幸せになれますように……さようなら』



南方『待ッテヨォ!!!大和ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!』




ゴワァアアアアアアアアアアアアアン!!!




南方「ワタシモ…ワタシモ…モウイチド…ヨミガエルノ…カ…」撃沈




ザプゥウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!バシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!



ゴポン…ゴボゴボ……



五月雨「姫が、沈んでいく……」



長門「さらば…最強の敵よ……」



吹雪「終わったんだ…やっと…」



VAVA「……性能がどれだけ優れていても、生かせなければそれまでだ。ヤツは最強でもなんでもない」



長門「あぁ……今回は、それを思い知らされたよ」



VAVA「お前たちもまだまだということだ」



VAVA『ショルダーキャノン……後で拾いに来なくてはな……』




長門「そうだな………ところで、提督よ。右腕を出してみてくれ」



VAVA「こうか?」スッ…



ギュ!グィ~~~~!!



長門「あれ!抜けない…?」



VAVA「やめろ」ぺちん!



長門「ひゃん!」



五月雨「何やってるんですか?変な長門さん」



吹雪「もしかして…戦闘中に頭でも打って…!?」



長門「ち…違う!ちょっと確認したくて…私の見間違いだったようだ。すまん」



VAVA「フッ………帰るぞ!お前ら!!」




了解!!!




VAVA「クハハハハ!」



横須賀鎮守府



ぐるぐる…



大淀「…」そわそわ…



明石「大淀…ちょっと落ち着きなよ」



大淀「うん…あ……」ガタッ…



ガシャアアアン!!



明石「あーあー……もったいない…掃除道具もって来るね」




ドンッ……ドタドタドタドタ……!!




ガチャ!!



あきつ丸「何事でありますか!!」シャキン!



天龍「敵襲か!!」チャキッ!



大淀「あの!これは…!?」わたわた!?



明石「ごめん!提督の酒瓶落しちゃって!!なんでもないから、大丈夫!ほら、サーベルも刀もしまってしまって!」



あきつ丸「…そうでありましたか。では、箒とチリトリでも持ってくるであります」チャ…



天龍「なんだ、脅かしやがって……さわんなよ。ガラスはすげーよく切れるからな」シャコン…



明石「ありがとう」



ガチャ…バタン…




大淀「あ……う~~~ん…」



明石「大淀、いつもはキリッとしてるのに、やっぱりこういうとき弱いよね~」



大淀「ごめん…でも、慣れるほうが良くないと思うのよ…」



明石「それ言えてる」



ピーピー!!ガシッ!!



大淀「はい!こちら司令部………お疲れ様です。気をつけて、帰ってきてくださいね……」



明石「す~~ぐこれだ~♪」ニヤリン



大淀「……バーボン?いいですよ。三本…いえ、二本、上等なのを用意していますから!はい…」



スッ…



明石「祝勝会!!」



大淀「うん!!」ニコッ!


ラウンジ



イムヤ「祝勝会はここでやるんですって!楽しみね!!」



イク「やっぱりてーとくは強いのね!!イクは負けるわけないって信じてたのね!!」



北上「よいしょっと…おら~駆逐艦はどいたどいた~」テーブル



多摩「危ないのにゃ」イス



長良「阿武隈!また会えて嬉しいよ!!まさかこんなに早く来てくれるなんて!」



阿武隈「うん……それにしても、すごい所なんだね…ここ……提督が自ら戦うって…」



長良「司令官は見た目もかっこいいし、とっても強くてやさしい人なのよ!!」



阿武隈「へぇ~……会って…みたいなぁ」



龍驤「隼鷹、提督はどんな酒が好みなん?」



隼鷹「んぁ?なんでも呑むと思うよ。しかしまぁ、二杯目にバーボンっていう自分なりのこだわりがあるんだよねぇ」



龍驤「ほぅほぅ…バーボンとはまた渋いなぁ」



川内「ただいま」



那珂「たっだいまぁ!」



神通「お帰りなさい。夜戦の名に恥じぬ素晴らしい戦果でした。流石姉さん」



川内「当然」ニンニン…



那珂「那珂ちゃんは~?」



神通「言わずもがな。ですよ」ニコリ



初春「ほぅ、あやつ…南方棲鬼とやらを倒す前に、泊地棲鬼とやらも倒しておったのか」



暁「しゅごい…」



満潮「そうよ、あいつの強さときたらちょっとしたものなんだから!」



漣「満潮ちゃん、まるで自分のことのように誇らしげだね」ニヤ



満潮「え?まぁ……師匠……みたいなもんだしね。ちょっぴりだけど…尊敬してるわ」



漣「おぉ~かっこいい呼び方!いいね!!師匠」



満潮「もう!うるさいわね!!あんたなんかご主人さまじゃないの!!」



漣「真似してもいいゾ♪」



霞「…確かに…凄いやつよね…姫倒したの、これで二体目…」



曙「姫が何!?クソ提督なんて絶対認めてやらないんだから!!」



霞「…」



鎮守府近海



長門「ほぉ~~ら!速いぞ~~~」Wかたぐるま



スィ~~!



吹雪「たか~~い!」



吹雪『足柄さん…まだ起きてないのかな……』



五月雨「きゃ~~♪」



長門「はっはっはっはっは!!」にっこにこ!



キャッキャ!



グイ~~~!



加賀「ごめんなさいね。体が言うことをきかなくて」パチャパチャ…



扶桑「い、いいんですよ。加賀さんは何も気にしないでも…ね、山城?」



山城「はい、姉さま。牽引用のワイヤーがあってよかったです」



加賀「ありがとう。所で、提督はちゃんと着いて来ている?」



扶桑「えぇ、最後尾に居ますよ」



加賀「そう…全員、無事生還ね………はぁ…」





足柄「…」



足柄「ん…」パチ…



足柄「私……」



VAVA「気がついたか」ボォー…



足柄「近…………提督!?」



VAVA「お前だけ意識が戻ってなかったんでな」



足柄「そうだったんだ…って、お…お姫様だっこ……私…………重くない?」



VAVA「軽い」



足柄「!?…………そう……じゃあ、甘えちゃおうかな…体ボロボロだし。うふふ♡」ぎゅ…



VAVA「あまりくっつくなよ」



足柄「な、なに…照れてるの?初心ねぇ」モジモジ…



VAVA「低温やけどになるぞ」



足柄「え?」



ヒヤピタ~…



足柄「なにこれ!涼しい!!うわぁ~~~きもちぃ~~~~~」スリスリ…



VAVA「…」


数十分後…



ラウンジ



大淀「提督が鎮守府に帰還しました。これより……祝勝会を始めます!」



わーーわーーー!!



VAVA「乾杯」



かんぱーーーーい!



龍驤「キミ、おめでとさん。さ、まずは一杯」ツィ…



VAVA「うむ」



トクトクトク…グイ!



VAVA「うまい」コトン…



龍驤「おぉ~見事な呑みっぷりやね。もう一杯どや?」



VAVA「もらおう」



龍驤「あい」ツィ



トクトクトク…




暁「司令官、おめでとうです」



VAVA「おう」



暁「これで、姫倒したの二回目だって聞いたわ」



VAVA「二回……?まぁ、二回だな」



暁「その時の話をして欲しいの。お願いします」ペコリ



VAVA「なんだ、そんなことか。いいぞ」



鳥海「あれ…?司令官さん。いつもの単装砲がありませんが…」



龍驤「ん?整備中とかとちゃうん?」



VAVA「あぁ、ちょっとな…戦闘中に外したんだ……やはり…無いと変か……」シュン…



夕張「なんですって!?」ガタッ!



VAVA「脅かすな」



夕張「あんなに美しい単装砲を…海に捨てたの!?わぁ~~~!勿体無い!!私も使ってみたかったのにぃ!!」



VAVA「仕方がないだろう。ああでもしなければ、ヤツには勝てなかった」



暁「やつって…南方棲鬼のことね!司令官!!話して話して!!!」



VAVA「そうだったな。まずは、泊地棲鬼の話でもするか」



暁「…!」どきどき!


深海BAR ダーウィン



泊地「ハーーーークチッ!!」くしゅん!



港湾「ドシタノ?イキナリ 自分 ノ 名前 叫ンデ……新シイ キャラ作リ?」



泊地「違ウ。クシャミ ダ クシャミ。サテハ、VAVA ガ 私 ノ 話デモ シテルニ 違イナイ」ふふん♪



港湾「VAVA……怪我 デモ シテナキャ イイケド……」



泊地「VAVA ノ コトダ。南方 ガ 相手 トハイエ、ソンナ ヘマハ スマイ」



ギィイイイイイ…へろへろ~~……



ヲ級「ドウモ…」ゲソッ…



港湾「マァ、イラッシャイ ヲ級チャン。ドウシタノ……?何カ 元気ガ ナイヨウニ 見エルワ」



ヲ級「マスタ~~!!VAVA ガ コナイヨウ~~~!!!モウ シバラク 顔 モ 見テナイノー!!」びぇ~!



港湾「ア………ソウナンダ。ソレハ 辛イ ワネ。ヲ級チャン。今日 ハ トコトン 付キ合ウカラ、辛イコト ゼーーンブ 話シチャイナサイ」



ヲ級「ヲヲ…!アリガト~~~!マスタ~~~~~~~!!!取リアエズ ビールデ!!」



港湾「カシコマ」プシュ…スカ…



港湾「アラ、ビール 切レテル。ヲ級チャン、チョット 待ッテテネ。タル 持ッテクルカラ」



ヲ級「ハ~イ!」



ススッ……ストン…



ヲ級「ヲー……VAVA…会イ ニ 来テヨゥ……モウ 待チキレナイヨ…」ブツブツ…



泊地「……ナア、少シ イイカ?」ガタッ…



ヲ級「ヲ?……泊地様!イラシテタンデスカ!?」



泊地「大分 前ニモ 居合セタ ハズダガ……イヤ、聞キタイ コト ガ アルンダガ」



ヲ級「ナ…ナンデスカ?」ビクビク…



泊地「オマエ…ソノ……アレダ。VAVA…ト、ドンナ 関係 ナンダ?」



ヲ級「ヲ!?ドウシテ 泊地様 ガ VAVA ノ コト ヲ 知ッテルンデスカ?」



泊地「イイカラ!質問 ニ 答エロ!!」クワッ!



ヲ級「ヲ…」ビクッ…!



泊地「サァ、ドウナンダ!?ドコデ 知リアッタンダ?」ズイッ!



ヲ級「私 ガ 怪我 シテ 動ケナイ 所ヲ VAVA ガ 助ケテ クレテ…ソノ後 仲良ク ナッテ…ワ、私 ト VAVA ハ 将来 ヲ 約束 シアッタ 仲ナンデス!」



泊地「ナ゛ニィ!?将来 ダト!!??ソレハ ドーイウ 意味ダ!!」ダンッ!



ヲ級「ヲヲ…」ビクビク…



泊地「言エ!!適当 ナ コト 言ッテルト オマエ………オワァ!?」




グイィ↑↑





北方「…」がるるるる…!



ヲ級「ホ…ホッポチャン!?」



北方「ヲキューイジメンナー!」がおー!



泊地「ホッポ!?違ウンダ!タダ オ話シ ヲ シテルダケデ…!!ウワァーーッ!?」ぐるぐる!



北方「イジメッ子 ハ ミンナ 嘘ツキ ッテ、テレビ デ 言ッテタ!!」ギラリ…!



ヲ級「ヤメテ!ホッポチャン!!泊地様、怪我シチャウヨ!!!」



北方「イジメッ子 ノ ハクチ、キライ!!」ゴゴゴゴ…!



ブゥンブゥン!!



泊地「ドワァ~~~~~~~~~~~!?」ぐるぐるぐるぐる!!



ガララ…



港湾「オ待チド~♪……!?ホッポ!!何シテルノ!?今スグ 泊地 オ姉サン ヲ 下ロシナサイ!!」



北方「オネーチャン!…………ハァイ…」シュン…



スト…



泊地「オ…オウゥ……目 ガ 渦潮 ノヨウダ……」ヨロヨロ…



ヲ級「大丈夫デスカ!?」



港湾「ホッポ、チョット ソコ ノ 椅子 ニ 座リナサイ」



北方「ハイ」ちょこん…



港湾「ネェ、ホッポ。ナンデ 泊地オ姉サン ヲ 持チ上ゲテ、振リ回シタリ シタノ?教エテ」



北方「ハクチ ガネ、ヲキュー ノ コト イジメテタノ。ダカラ、ホッポ ガ ハクチ ノ コト コラシメタ」



港湾「ソウナノ?」



泊地「スマン……私 ト シタコトガ、取リ乱シタ。ヲ級、許シテクレ…」



ヲ級「ヲ…泊地様、頭 ヲ アゲテクダサイ。私、気ニシテマセンカラ」



港湾「ソウイウ コト ダッタノ……」



港湾『何 ノ 話カハ 大体 予想 ツクケド…』



北方「ネ、ネ、ホッポ、エライ?エライ??」くいくいっ!



港湾「ン~~……半分エライ」



北方「ハンブン!?」ガーン!



港湾「乱暴 ハ ダメッテ、イツモ言ッテルヨネ?」



北方「ウン…」



港湾「タトエ、ソレガ 善イ事 デモ 悪イ事 デモ……誰カ ヲ 傷 ツケタラ、自分 ガ 悪者 ニ ナッチャウノ。ワカッテネ、ホッポ」ナデナデ…



北方「ハイ。ホッポ…イイ子ダモン」



港湾「ウン、ホッポ ハ イイ子!今 全部エラクナッタワ!エライエライ♪」むぎゅ~~!



北方「ホント!?ワーイ♪」ふがふが!



キャッキャ!



泊地「可愛イナァ……」うっとり



ヲ級「流石…手馴レテル」



横須賀鎮守府



ラウンジ



シーーーーーン……



VAVA「……そして、姫に変身した泊地棲姫を倒す決め手になったのが、クイックホームシックという兵装でな」



VAVA「普段、俺が主に使っているフロントランナーと同程度の威力だが」



VAVA「一定距離を進んだあとにブーメランのようにカーブを描き跳ね返ってくるという特性を持っているんだ」



VAVA「もちろん、弾が俺に触れる瞬間にのみ攻撃力を失う仕掛けになっているから、いくら撃とうが俺は安全だ」



VAVA「これらの特性を生かすため、あえて泊地棲姫がギリギリ回避できるように放ち……」



VAVA「攻撃を回避して油断している泊地棲姫の背中に、全弾命中させたというわけだ」



VAVA「その後はもう俺のペース。一気に畳み掛けて、泊地棲姫に勝利した」



VAVA「以上が、泊地棲姫との戦闘についてだな。大分大雑把だったが」



パチパチパチパチーーーー!!



鳳翔「さすがです…」ぱちぱち…



雷「きゃー♪司令官かっこいー!」パチパチ!



VAVA「…」



暁「なるほど!全て計算ずくというわけね?」



VAVA「そうだな」



龍驤「南方なんたらはどないしたん?激戦やったんやろ!?」



長門「南方……」ピク…!



長門『もう二度と戦いたくないな…』ゾゾ~…



VAVA「南方は……泊地ほど苦戦しなかった印象だ。むしろ、南方棲鬼の状態のほうが強かったかもな」



足柄「ねぇ~~戦闘のことはもういいでしょ?祝勝会なんだから、もっとのみましょーよ!!」



VAVA「うむ…」ゴクゴク…



雷「…」じー…ニコニコ



VAVA「雷、今日は何も言わないのか?」



雷「今日は特別な日だもの。大好きなお酒、いっぱい飲んで!」



隼鷹「じゃ!お言葉に甘えて~~!くっは~~~うまい!」ぐびぐび~



龍驤「あんたやない」



千代田「隼鷹、さっきからのみすぎよ」



暁「ねぇ!じゃあ南方棲鬼はどうやって倒したの?聞いてみたいです」ユサユサ!



VAVA「ん…あぁ、簡単だ。フロントランナーでは威力が低く、とどめにはならない。俺がヤツの気をひいて、その隙に長門が狙い撃ちする。この作戦で倒した」ぐらぐら…



黒潮「ほぇ~~」



VAVA「ショルダーキャノンはその時にやむを得ず外したんだ。外した方が速く行動できるうえ、両肩が空くからな」



夕張「やむを得ずって?」



VAVA「ヤツは土壇場で、主砲の反動を利用した高速移動を行った。それも絶妙なタイミングと、的確な方向へな」



那智「ほう…貴様にそこまで言わしめるとは、やはり姫は最期まで油断ならんな。それからどうした?」



VAVA「既に発射体勢に入っていた長門が、砲口をヤツの方へ向けることはもう不可能だった」



長門「あの時は焦ったな」フフン♪



VAVA「俺が砲塔を肩に担ぎ、半ば強引に方角を修正した」



VAVA「修正し終わるとほぼ同時に長門の主砲が発射され、ヤツの胸を貫いた。こんな感じだったな。なぁ長門」



長門「うんうん、そんな感じだった。いや、完璧な作戦だったな。ヤツもあの瞬間は度肝を抜かれていたことだろう」ドヤァ!



北上「じゃあさぁ~~長門がもっとよく狙って撃ってれば、提督は単装砲無くさずに済んだんじゃん?」ニヤ~



VAVA「…」シュン…



長門「そ…そういうことになるかなぁ~……あぁ!?すまん提督!!落ち込まないでくれ!!私が明石に頼んでなんとか作ってもらうから…」



明石「無茶言わないでくださいよ。あんな逸品は私じゃあ到底作れませんよ」



長門「じゃあゆうば…」



夕張「無理です。だからもったいないって言ったんじゃないですか」



長門「あ…う~~…ごめんなさぁい!」ぺこぉ~~



VAVA「気にするな。俺は気にしていないからな」カタカタ…



若葉「…提督、寿司にはソース派だったのか……それも、悪くない」ポッ…///



VAVA「…」



VAVA「そうだろう?いつも同じではつまらんからな。時として奇抜なこともいい気分転換になるものだ」パク…



VAVA「ぐ…」ピクッ…



子日「さっすが提督!尊敬しちゃうなぁ~~!」



鳳翔「うふふ…はい。お水」スッ…



VAVA「す…すまん」パシッ…ゴクゴク…

誤字がありました。まことに申し訳ございません。


× VAVA「俺が 砲塔 を肩に担ぎ、半ば強引に方角を修正した」


○ VAVA「俺が 砲身 を肩に担ぎ、半ば強引に方角を修正した」


シーーン…



VAVA「…ふぅ」コトン…



VAVA「…」チラ…



大淀『あ……何もない右肩を見てる…』



VAVA『ショルダーキャノン…すぐ見つかればいいがな…リコリスに頼めばすぐ見つかりそうな気もするが…』



VAVA「………はぁ」ショボン…




大淀『時々、こんな風に落ち込んじゃうのよね…なんとか助けてあげたいけれど…』



五月雨『提督、落ち込んでる。どうしたら元気にしてあげられるだろう…』



間宮『あら…何かあったのかしら?提督、落ち込んでいるみたい……甘いものでも食べたらリラックスできるかしら…』



扶桑『提督……私が不甲斐無いばかりに…申し訳ありません。あそこで、私が敵を倒していれば、こんなことには…』



霞『そうよね…コイツだって何から何まで完璧なわけじゃないし…ちょっとは協力してあげても…ううん!甘やかしちゃダメね!』



満潮『いっつも大事にしてたものね……あの単装砲。私の主砲じゃあダメだろうし……』



曙『ふん…また独房にこもらなきゃいいけど……単装砲か』



川内『確かにいい品だった…こうなるのも無理はないね』



青葉『さすがに…こんなに落ち込んでる姿は写真にできません……司令官かわいそう…』



黒潮『こないに落ち込んで……よぅし!ウチが元気にさせんと!!』



漣『ご主人さま…』(´;ω;`)



翔鶴『提督…がんばって!私はいつでも提督の味方ですから』



山城『…なんだか、扶桑姉さまを見ているような…はっ!?いけない!いけない!!』



天龍『あー、こいつ相当落ち込んでんなぁ…よく遊びに来るし、酒でも買っといてやるか』



北上『いつものクールもいいけどねぇ、こんな姿もいいね~♪けど、ちょっとやりすぎたかも…ごめん……』



夕張『わかります。わかりますよ提督。その悲しみ……』




ゴーヤ『どうしよう…!?てーとく落ち込んでるでち……』



イムヤ『コレばっかりはどうしようもないわ…でも、今は側に居たほうが安心できるかしら…』



イク『てーとくゲンナリしてるなの…そうだ!イクがてーとくの主砲、見つけてきたら、元気でるかも知れないの!!』



ハチ『大切なものほど、無くした時の悲しみは大きいものです…提督……』



あきつ丸『むむぅ…こういう時、なんと言葉をかければいいのか…経験の乏しい自分には判らないのであります…自分は、なんと情けない部下なのか…』



まるゆ『どうしよぅ~~…』



那珂『提督、落ち込んでるぅ…よ~し!こうなったら、那珂ちゃんの歌と踊りで元気づけてあげれば…!』



神通『やめて那珂ちゃん……提督、いっぱい悲しんで、いっぱい頼ってくださいね…』



長門『やばい、なんとかしないと…ビッグセブンピンチ!』



赤城『しょるだーきゃのん?ふろんとらんなー??さて、知らない子ですね。仕方ありません。私の…エビフライ…あげたら元気になるかしら…』



多摩『提督がお困りにゃ!今こそ恩返しのときにゃ…でも、多摩は潜れないのにゃ…にゃにゃあ……』



鳳翔『今は…ゆっくり休んで下さいね』



鳥海『司令官さん…何もお力になれず……不甲斐無い…です』



千代田『可哀相な提督…こんな時、千歳お姉だったら気の利いたことでも言って、慰めるのかな……』



隼鷹『あーあ……どーすんのさこの空気、仕方ないねぇ。あたしが慰めてあげるよ…』



龍田『まぁ~こんな一面もあるのねぇ』



雷『司令官…助けるわ!!』



吹雪『司令官…吹雪、もっとがんばりますから…』



叢雲『何よ…落ち込んでるのは、あんただけじゃないのに……もう』



長良『どどど…どーしよ…司令官、落ち込んでる……チカラになってあげたいなぁ…』



那智『ふむ…ただ強いというだけでは愛嬌がないものだ。こんな一面も、好きだな…さて、どうしたものか』



初春『あぁもう、ほうっておけん。これも長女の性というやつかのう』



子日『どうしたんだろう?提督、うつむいてる……子日、何か悪いコトしちゃったのかなぁ…!?』



若葉『悲しんで、いるのか…?なら、私も一緒に悲しもう』



初霜『提督の心は…私が守ります!』



加賀『提督…結構デリケートなのね』



龍驤『あかんなー…こりゃ重症やで、せっかく大活躍したんになぁ…よっしゃ、ここはウチが!』



妙高『こんな時だからこそ、私たちはシャキッとしていないと…提督が頼りやすいように』



足柄『いきなりどうしたのよ………せっかく、盛り上げたのに……』



羽黒『わわ…私はどうすれば…あの司令官さんがこんなになっちゃうなんて…』



暁『い、一人前のレディーとしてここは優しく慰めてあげなきゃ!』



電『はわわ~!?意気消沈なのです!』



阿武隈『なんだかわからないけど…何か無くしちゃったのかな…?よっぽど大事なものだったのね…』




装甲『無事、南方を倒せてよかったです。VAVAさん…』



装甲『それにしても南方め!よくもVAVAさんの主砲を!!』



ワイワイ!



VAVA「ん?なんだお前ら!?群がってくるな!酒も食い物も自分で取れる!!」



キャーキャー♪



装甲『いいなぁ…仲良くじゃれあって、楽しそう』



VAVA「装甲、バーボンだ」



装甲「!」



装甲「はい、ロックですね!」



タタター!


0時



大淀「あら…もうこんな時間…提督、そろそろお開きにしましょうか」



VAVA「そうか?」チラ…



VAVA「……そうだな。おい、祝勝会は終わりだ。全員、風呂入って歯を磨いて寝ろ」



は~~い……ゾロゾロ…



ゴーヤ「楽しかったでち。明日からまた仕事かぁ…」



VAVA「明日は全員休暇とする。ゆっくり休め」



ゴーヤ「ほんと!?やったでち!」スキップ~♪



大淀「提督!?明日は本部から…」



VAVA「ヘンダーソン嬢か?」



大淀「え、えぇ…作戦完了後の様子見と、本部からの報酬をお届けに…」



VAVA「客一人くらい俺だけで十分だ。大淀、お前も疲れているだろう。気を張ってばかりいないで休め」



大淀「私は大丈夫です。提督こそ、お休みになるべきかと」



VAVA「俺はいい。これは命令だぞ。明日は全員休暇だ」



大淀「…わかりました。では、お言葉に甘えさせていただきます」ペコ…



どよどよ…!?



VAVA「お前ら、いつまでそこに突っ立ってるつもりだ?早く風呂に入ってこい」



漣「ご主人様…ほんとに明日はお休みでいいの…?」ゴクリ…



VAVA「聞こえていたろう?二度も言わせるな」



ワーーーワーーーーーーヤッターーーー!



VAVA「さっさと行け!」


しばらくして…



執務室



VAVA「…」



トントン…



VAVA「入れ」



ガチャリ…



北上「お邪魔しま~す」



多摩「おこんばんにゃ」



VAVA「よく来た」



イク「お晩なの」



隼鷹「こりゃまたおもしろいメンツだねぇ」



VAVA「お前らも来ると思って、酒を増やして待ってたぜ。色々あるぞ。ビールもよく冷やしておいた」ゴソゴソ…



VAVA『フローズンキャッスルの新たな使い道だな』



隼鷹「お~!ビールビールぅ♪ヒャッハ…むぐ…」



北上「うっさい。今、深夜」パッ…



隼鷹「ごめん…」



多摩「多摩、夜は目がギンギンなのにゃ…!」



イク「多摩ちゃんギンギンなの?イクなんかてーとくと一緒にいるとムラ…」



北上「そーいうのいいから」ぺし



イク「なの…」



北上『なるほど、このメンバーじゃ私はボケちゃ駄目なんだ』



スッ…シュトトトトン…!!



北上「おぉ…こんなに」



VAVA「おら、漫才はその辺にして付き合え。今夜は飲み明かすぞ」



了解…!!!!



わいわい……!



イク「らからねぇ~…ひっく、みんなイクのこと誤解してるの…イク、ほんとはすごく純真無垢でプラトニックな乙女なのね…」ぐすっ…



北上「プラトニックwwwイクが??」グビグビ…



イク「ひどいの!こんなになったのも、がっこーで習ったことが原因なのね~!うえ~~ん!てーとくぅ…」わぁ~!



VAVA「…」ぽんぽん…なでなで…



隼鷹「イクって酔うと泣き上戸になるんだねぇ」



多摩「…」



隼鷹「ん?どしたい。多摩」



多摩「にゃ」ガシッ!ゴッゴッゴッゴ…!



隼鷹「お、いいのみっぷり!!やるねぇ!!!」やんややんや!



多摩「…………にゃ」バシッ!



隼鷹「あ!あたしの………なにすんの!?」



多摩「にゃん…」グビグビグビ…



隼鷹「あーあ…高い酒をそんな風にのんで…あー…」あわわ…



多摩「にゃは……」けぷ…



VAVA「酒豪だな」



隼鷹「もちっと味わってのもうよぉ…」



VAVA「隼鷹、ほら」



隼鷹「…悪いねぇ、上司に注いでもらうなんて…おっととと…んん」くいっ…



隼鷹「くぅ~~…そうそう、これが王道さね。さ、今度はあたしが注いでやるよぉ」



VAVA「うむ……っととと」くいっ…



VAVA「………うまい」



隼鷹「だよねぇ」



北上「ほい、枝豆」



VAVA「ん」ぱくぱく…くいっ…



VAVA「………これだな」



隼鷹「だよねぇ!」



北上「やっぱ皆で飲むとおいしいよねぇ」



多摩「にゃ!ふいんきこそおしゃけの席には必要なのにゃ!」ゆら~り…



VAVA『雰囲気だろ』



北上「おー多摩姉さんがついに虎に!」



多摩「たーまはひゃーくじゅーのおーににゃる~~♪」きゅっきゅ♪



イク「それじゃライオンなのね」



クスクスwww…



VAVA「…」



VAVA『こいつ等といると和む………』





バチッ………………ザー…………ERROR……





VAVA『ん……?なんだ……まさか』



VAVA「…」



VAVA『気のせいか』



イク「ひっく……てーとく、イクがお酌してあげるの!」



VAVA「おう、頼む」




日の出



パァ…



VAVA「朝日か…」



北上「あ~もう朝かぁ……んっしょと!多摩姉さんは私が連れてくから」グイッ…



VAVA『あれだけ飲んで潰れないとは、さすが北上と言ったところか』



多摩「にゃ~…ん」zzz



北上「あ、提督」



VAVA「どうした?」



北上「楽しかったよ。約束、覚えててくれて…ありがとね♪」ニコッ!



VAVA「忘れるものか」



北上「ふふん、今日は休みだし、いっぱい寝坊しちゃうぞ~」



VAVA「酒が入ってるんだ。部屋まで近いとはいえ、気をつけてな」



北上「はい、じゃあねぇ」ノシ



ガチャ…バタン…



VAVA「さて、あとはこいつらだな」



隼鷹「…」く~~~…



イク「…」スヤァ…


VAVA「おい、起きろ隼鷹」



ぺちぺち…



隼鷹「母様……むにゃ…」



VAVA「母様?母親…?」



VAVA「寝ぼけるな。起きろ」



隼鷹「…」く~~…



VAVA「…」



VAVA「イク、起きろ。朝だぞ」



ゆさゆさ…



イク「てーとく………すきぃ………」スヤァ…



VAVA「…」///



VAVA「仕方ねぇな」



グイッ…グイッ……



VAVA「隼鷹…見た目に寄らずかなり軽いな…イクは相変わらずだが」



ガシュンガシュン……ガチャ…



VAVA『艦娘は体重も増減するらしい……人間でもないのに体型の維持が必要だなどと、不便な体だ』



VAVA『………不便な体……か』



VAVA「ん…?」



VAVA『あれは…長良か。休日の朝だというのに熱心なやつだ』



VAVA『誰か、長良と一緒に走っているやつがいるぞ…装甲か?』



VAVA『なにやってるんだあいつは…』



隼鷹の部屋



トサッ…



隼鷹「んにゅ~~…すぅ~~」zzz



VAVA「ま、風呂は起きてからゆっくりはいるんだな」



ガチャ…パタム……



ガシュンガシュン…



イクの部屋



スッ……



イク「…」



VAVA「よし」



イク「提督…」



VAVA「ん、起きたか?イク」



イク「うん…でも、ちょっと寝るの……」



VAVA「そうしろ」



イク「ね……てーとく」クイクイ…



VAVA「どうした、気分でも悪いのか?」



イク「ううん………おめでとうなの。これ、イ…イクからのご褒美♡」



チュッ…



VAVA「…」



イク「おやすみ……なの!」ササッ…ボフ!



数分前



音楽室



モゾモゾ…ゴロン…



ドシャ!



装甲「あいてて…また落ちた……」ぽりぽり…



装甲「ん~…朝かぁ……」のびーーっ……



装甲「今日はお休みだっけ……散歩でもしようかなぁ」



シュルル…キュ……パサッ……チャッ…



装甲「鏡、鏡……ん、完璧。やはり、姫の美しさって罪…」うんうん



ガチャ…テクテク…



装甲「…」ぼぉ~…



装甲『そういえば、今なら脱走とか自由に出来るわね』



装甲「ふふ…」クスッ!



装甲『まさか。VAVAさんがいる以上、ここを離れる理由はない……あの海にも特に未練はないし…しかも、ここはあの城より安全」



装甲『他の姫のことも考えなくていいし、とっても安心できる』



装甲「…」



リコリス(はぁい♪)妄想



装甲「あの時…」



装甲『あいつを相手にでかい口を叩けたのも…傍にVAVAさんがいたから……』



装甲『確証なんてないのに…もしもの時は、VAVAさんが守ってくれるような気がしたから…』


(VAVA「勘違いするな!……後味が悪くなっては俺が困るんで、忠告してるだけだ」 )




装甲「VAVAさん…」うっとり…



タッタッター…



長良「あ、装甲さん。おはようございます!」ペコ!



装甲「あ……ど、どうも…えっと……」あたふた!?



長良「あはは!長良です!!」



装甲「そう!長良さん。おはようございます」ペコペコ!



長良「奇遇ですね、こんな朝早くから」



装甲「そうですね…何か用事でも?」



長良「はい、これから日課のトレーニングをしようかと!」



装甲「トレーニング?」



長良「えぇ、朝日を浴びながら海岸沿いを走るんです!気持ちいいですよ」



装甲「海岸沿いを…いいですねぇ」



長良「よかったら、一緒に走りませんか?健康にもいいし、美容にも効果的ですよ!」



装甲「…じゃあ、せっかくだから……」



長良「決まりですね!ちょうど動きやすそうな格好してるし、このままいっちゃいましょう!」タタター!



装甲「はい!」タタター!


とある船の上



ポッポー!



リコリス「うふふ、カワイイ汽笛…」



「…」ドキドキ…!



リコリス「いい天気ねー絶好の着任日和だわ♪」



「…」カチコチ…



リコリス「?」



リコリス「もしかして、緊張してる?」



「…まぁ、少し」



リコリス「大丈夫。貴女の提督になる人は、とってもいい人よ。少し気難しいってだけで」



「き、気難しい…」



リコリス「大丈夫だってば」



「でも、緊張はしますよ。これから行く場所に、私の初めての…提督になる人が…」



リコリス「ん…貴女、彼について事前に調べてこなかったの?」



「もちろん調べました!着任して半年もせずに、極めて困難といわれる姫タイプの撃沈を二度も…」



リコリス「へぇ、じゃあ、彼が初めて撃沈したのはなんて姫だったかしら?」



「えっと……泊地棲姫ですね」



リコリス「正解。じゃ、次は?」



「……南方棲姫。この姫だけは……忘れるわけがありません」



リコリス「…………お母さん…立派な人だったでしょうね」



「…」



「父と…私の誇りです」



リコリス「……今から行く場所に、貴女の仇を討ち取った人がいる…」



「はい…」



リコリス「何の因果かしらね」



「貴女が推薦してくれたんじゃないですか」



リコリス「でも、あなたが無能ならとても彼には紹介できないわ。大和型の子なんて、他にごまんといるんだから」



「そう言って頂けると…少し晴れがましいですね」



リコリス「……あぁ、やっぱり知らないようだから言っておくけど…彼が指揮する艦隊が、姫を沈めたわけじゃないからね」



「えぇ、わかってます……え?」



リコリス「彼、自分で戦闘しにいっちゃう人だから。理解できた?」



「…」



リコリス「こう…シュパーーって海に出て、ドカーーーンって」シュッシュ!



「…」



リコリス「…」



「えぇえええええええええええええええええ!!に、人間じゃない!?」



リコリス「かもねぇ…」



「そんなっ…嘘ですよね!?」



リコリス「そ、嘘よ♪」




廊下



ガシュン…ガシュン…



VAVA「次は…空母でも増やすか……それとも戦艦か…」



VAVA「…」



VAVA「イク……あの悪戯好きにも困ったものだな」



VAVA「たく……まったく…」ブツブツ…///



ガチャ…バタン……ガシュンガシュン…



執務室



ピーピーピーー!ガチャ……



VAVA「こちら横須賀鎮守府………なんだ、お前か」



VAVA「今日はあいつらの休業日でな」



VAVA「……そうか」



VAVA「上からの褒美?また正規空母か……?」



VAVA「戦艦か……期待しとくぜ」



VAVA「あぁ…わかった」



ガチャ…



VAVA「さて、どう暇を潰すか……」




ガシュンガシュン…



明石の酒保



明石「暇だな~……!提督、お疲れ様です」



VAVA「?……明石、こんなところで何をしている」



明石「何って……私の仕事ですよ。工廠だけが私の仕事場じゃありませんから」



VAVA「それは知っている。何故休日に働いているのか聞いているんだ」



明石「休日……?今日お休みだったんですか!知りませんでした」



VAVA「何?そんなはずないだろう。お前もあの場所にいただろうが」



明石「いえ、私は途中から席を外していたので…」



VAVA「そうだったのか…?」



明石「提督は皆にひっぱりだこで、私なんか居なくなってもわからないですよね」



VAVA「…すまん」



明石「冗談ですよ。肩に何もついていない提督を見ていたら、ふと創作意欲が湧いてきたんです。よいしょっと……はい、これあげます」ゴソゴソ…ズイッ…!



VAVA「なっ……これは!?」





明石「いつ提督にあってもいいように、持ち歩いてたんです。ちょっと重かったけど…どうどう?よく出来てるでしょ!提督の主砲を真似て、徹夜で作りました」



VAVA「俺の為に…」



VAVA『レプリカか…』



明石「似てるのは外見だけ。中身は余ってた46cm三連装砲を改造したものです」



VAVA「ふむ…」ぺたぺた…



明石「三連装から単装にして、砲身を短く切り詰めて、通常弾・徹甲弾・三式弾と三種類きちんと使えるようにしました!」



VAVA「そいつは凄いな……わざわざベルトまで作ったのか」



明石「外見はほぼ完璧です!!でも、ちょっと不安なことがあったり…」



VAVA「そうか?見たところ完成度は高いようだが」



明石「使う側のことを度外視して製作したので…反動とか…えへへ、作ってるときすっごく楽しかったです♡」キラキラ…



VAVA『輝いている…』



明石「見て見て!この後ろに格納できるギミック、再現するのに苦労したんですよ!それから、単装にしたぶん速射性能も向上させました!」



VAVA「ほう、よく出来てるじゃないか!」



VAVA『明石のやつ、喜んでいるな。よし、ここでスキンシップってのをやってみるか』



ぽす……なでなで…



明石「…!」わしゃわしゃ…



VAVA「よくやってくれたな。さすが明石だ」なでなで…



明石「でしょぉ!ね、ね、ここも見てください!!これで、砲身が稼動する速さも格段にあがってて…!」ペラペラペラペラ…



数十分後…



明石「それで……細部にもこだわって…フルスクラッチを……ふわぁ……」うとうと…



VAVA『徹夜していたんだったな……それなのに店番までやろうと…』



VAVA「こいつの素晴らしさは十分伝わった。ありがたくもらっとくぜ」ス…



ガキィン…!



VAVA「うむ。いい感じだ」



明石「はい…よかった。サイズピッタリです」



VAVA「よし、明石。いい仕事にはいい睡眠が必要だな」



ガシッ…ギュ!



明石「わ……な、なにするんですか?」



VAVA「部屋まで送ろう。何、遠慮するな」



ガシュンガシュン…



明石「提督!?あのぉ…!」



VAVA「…」



ガシュンガシュン……



明石「でも…!やっぱり酒保はあけておかないと皆が困りますよ」



VAVA「心配するな。店番なら俺がやる」



明石「えぇ!?」




しばらくして…



横須賀鎮守府



リコリス「着いたわね」



「はい」



リコリス「じゃ、行きましょう。待合室で待っていれば、彼が迎えに来てくれるから」



「えぇ…それにしても大きい基地ですね…」キョロキョロ…



リコリス「ここは対深海棲艦の最前線基地だからね。おっきくなきゃ」



「なるほど…」



リコリス「ふふ♪あんまりキョロキョロしてると、田舎者だと思われるわよ?」



「は、はい。気をつけます!」



リコリス「そうそう。箱入り娘のお嬢様なんだから、堂々としてればいーの」



ピーピーピー!ピッ…



リコリス「はい、こちらリコリス………うん、今着いたとこ。え……勝手に入って来いって?うん…うん……」



リコリス「…わかったわ。ちょっと待っててね」



「?」



リコリス「酒保まで来いって」



「酒保まで?」



リコリス「何かご馳走してくれるのかしらねぇ…?ま、いいわ。行きましょ」



「はい!」



一方その頃…



道場



川内「…」



神通「…」



那珂「…」



川内「これより、いつもの情け無用 乱戦 組手を始める。二人とも体調は?」



神通「…」



那珂「おっけー!」



川内「よろしい」



川内「ちなみに、一番最初に倒れたものは罰として鎮守府500周」



神通「心得た」



那珂「りょーかい」



川内「では……この、夜偵が床に落ちた瞬間。始めとする」ひょい…ぽ~~ん



神通「…」チャキ…



那珂「…」キラッ☆



川内「…」ギラリ…



ひゅんひゅん……



カッ…!



神通「先手必殺ッ!ディアッ!!」クワッ!



チャキン!……ブゥン!



川内「ヌンッ!」ブリッジ回避!



川内「トァーーーーーッ!」ピョーン!ピタッ……!



川内「そらそらそらそらぁッ!!!」シュシュシュシュシュッ!!



神通「飛び道具など……!」スパンッ!キキキキキキンッ!!



川内「見事!」



神通「ハァーーーーッ!!」ダダダダダーッ!!



川内「おぉ!忍術無しに壁を駆け上がってくるとは、流石の剣客!もとい、健脚!!」



神通「ゼァッ!!」タンッ……!



神通『見える……!』《斬》



神通「キェエーーーーーーイ!!」ブゥン!ザザザザザザンッ…!!



ボムン!



神通「しまった…上か!!変わり身…なんとあざやか!!」



川内「フンハァーーーッ!まだ足りないぞ妹よ!ドァラ!!」カカトオトシ!



神通「クヌォ!」十字受け!





那珂「川内ちゃん隙ありぃ!」肩車!



神通「那珂ちゃん!!」



川内「何ッ!?うおぉおおおおおおおおおおおおおおおう!!!」ギューーーン!!



ガシッ…ガシッ……ガキィン!!



那珂「48のアイドル技の一つ!アイドルドライバー!!」



キィーーン!↓↓



神通「決めたか!?」



那珂「川内ちゃん500周ぅ!!」



川内「甘い!軽巡逆自在の術!!」ヒュン…!



那珂「わわぁ!?」ヒュン…!



バァーーーン!!



川内「どうだ!自分の技で固められた気分は!!」



那珂「なんのなんの!那珂ちゃん、返し技はいりま~~す☆」ニコッ!



川内「ぐぅッ…!なんという笑顔…!まさに芸者の鑑…!!」



神通「あれでは…ファンに成らざるを得ない…!!」



那珂「えいや!!」ババッ…グギィ……!



川内「ぐわぁああ!!」



那珂「アイドルスペシャル!!」



神通「アイドルスペシャル!?あの重力を利用した関節技の最高峰を!?」



ズドゥゥン!!



神通「決まった?………いや、さすが姉さん…」



シュ~~~~…



那珂「ほんとだよねぇ…まさか、同じ技で返してくるなんて………あう…」ガク…



川内「ふふふ…掟破りのアイドルスペシャル!」どやっ!



川内「ふん」ぺぃっ!



那珂「うにゃん…!」どしゃ…



川内「さぁ、神通。ここからは一対一だよ!」



神通「……いざ!!」



川内「ドルァアアアアアアアアアアア!!」



神通「ケイリャアアアアアアアアアア!!」





カイィイイイイイン………!!





VAVAの酒保



漣「ふわぁ…」てくてく…



漣「明石さん、リップクリームとクリームパンください」



VAVA「はいよ」ゴソゴソ…



漣「ぬあ~ぁ…よくねたぁ…ホント今日休暇でよかったですよ~ねぇ、明石さん」



VAVA「そうか。ほら、チョコレートおまけしといてやるよ」スッ…



漣「わぁい、ありがとうございます……」パシッ…



漣「?」



VAVA「ここにサインしろ」



漣「ご主人様!?」



VAVA「なんだ?」



漣「オモシロ!こりゃ皆におしえたげなきゃ!」(使命感)



タタター!



VAVA「おい!サイン……まったくあいつは…仕方ねぇやつだな」サラサラ…(購入者:提督)



VAVA「これで問題ないだろ」



廊下



コツコツ…



阿武隈「えっと……さっき行ったのが工廠で、ここをしばらくまっすぐで酒保かぁ」



阿武隈「コレだけ広いと、場所を覚えるのも大変だなぁ」



道場



ガララ…ヒョコ…



阿武隈「へぇ…ここで、格闘術を学ぶのね……ひっ…!?」





川内「…」バ


神通「…」タン


那珂「…」キュ~





阿武隈「うわぁ…」



ソッ……ガララ…シパン…



阿武隈「見なかったことにしよう。川内型と関わると碌な事がない無いって言うし……」



タタター…!

VAVAの酒保


VAVA「…」



「てーとく、ここから好きなカード選んで」



VAVA「そうだな……コレだ」ピッ…



VAVA『妖精用のトランプか…なんて小さなカードだ』



「はい、じゃあそのカードを覚えたら、この残った束全部に混ぜちゃって!」スッ…



VAVA「わかった」パシ……シャッシャッシャ…



「これで、てーとくが選んだカードがどこにあるか、わからなくなりました」



VAVA「そうだな。で、このカードの束はお前に返すのか?」



「ううん、返さないでいいよ。さて、ここからが見物!パパッと一発でてーとくが選んだカード当てちゃうからね!」



VAVA「おもしろい。当ててもらおうじゃないか」



「じゃ、扇子みたいに束を広げて~…」



VAVA「…」バララ……



「ん~~~……あなたが選んだカードは~~……ここにはありません!」ビシッ!



VAVA「何?そんな馬鹿な…さっき確かに……」



「ふふふ~あなたが選んだカードは…ややや!なんと、このカゴの中に!」ゴソゴソ…



VAVA「ほう?なら、見せてみろ。俺がなんのカードを選んだか」



「ズバリ!この…ジョーカーですね!」ババン!



VAVA「ほぅ、当たりだ。うまいもんだな」



「すごいでしょ!楽しかったらほめて!!なでて!!!」ぐりぐり…!



VAVA「あぁ、楽しませてもらった。えらいぞ」なでなで…



「ん~~♪」ゴロゴロ…



???



南方「待て~~!戦艦 長門~~~~~!!」



ドシンッ!ドシンッ!!



長門「わぁーーー!!なんで復活してるんだぁああああああーーーーー!?」



ダダダーーー!!



南方「貴様だけは絶対に逃がさんぞぉ~~~!沈めぇ~~~~~!!」



長門「誰かいないか!!誰か……誰か助けてぇえええ!!」」ぴぇええ!



南方「待て~~~~~~~~~!!」



ズテンッ!ドシャ…



長門「あいてっ…うわぁあああああああああ!?こ、腰がぬけて…!」ぺたん…カサカサ…!



南方「わっはっはっはっは!!おっちょこちょいの二枚目気取りなドジ戦艦め!とうとう捕まえたぞ!!」ジリ…!



むんず!



長門「あぐっ!ひ…ひゃくまん………おたすけ!命と顔と手足だけは!!」



南方「全部ダメだ欲張り!!ふふふ……このままバラバラにしてくれるわ!!!」グググ…!



長門「うぐぅ…!ビッグセブン……命、ここに尽きたり…」



ドゥン!ドゥン!!




南方「ぐわぁああああああ!?まさか、この南方棲戦姫がやられるとは!む……むねん………」ぱたーん…



長門「この砲声は…まさか…!!」



VAVA「………大丈夫か?長門」シュ~…シャコン…



長門「提督!また助けてくれたんだな!!」タタター!





VAVA「当たり前だ。お前の為なら、たとえ雪山だろうが火山だろうが、海の中だろうが砂漠の真ん中だろうが、地底だろうが宇宙だろうが、駆けつけてやるよ」





長門「て…提督…!もぉおおおおん!もぉおおおおおおおおおおおん…!!」ダバ~!!



VAVA「なんて泣き方してやがる……おら、帰るぞ」ダキッ…



長門「う…うん♪」ぎゅ…



ガシュン…ガシュン……



~完~



長門の部屋



長門「うん………う?…………う~~~~~~~~~~ん……」ズキズキ…



長門「はっ!?」ガバ…!




長門「……………………なんだ、夢か」ホッ…




長門「うっ…いた…二日酔いだな……あ、おはようございます。初代ビッグセブン」ペコ…



長門「……あんまり強くないのに…昨夜はのみすぎてしまったな……いたたた……」



長門「あいつらに勧められるままのんだのがまずかった……」



長門「ダメだ…何もする気がおきん……」



長門「いいや、今日は休みだし…一日中寝てよ…いてて………」



長門「…」



長門「提督…」ぽっ…///



ボフッ……パサ…



長門「…………ぐぅ」zzz





横須賀鎮守府



あちら



漣「ねぇ、知ってる?今ね、提督が酒保で店番やってるんだよ」




「なんだと?」


「なんと」


「なんやて?」


「なんでち?」


「なんでありますか?」



たったったー!




こちら




漣「明石さんがお休みしてるから、今日は提督が酒保で働いてるんですよ」




「ほんとかい?」


「ほ…本当……?」


「ほんとかよ?」


「ほんとなの?」




「今、朝ごはん中です。世間話なら後にしてください」


「まったくです」



漣「すいません…」




てってってー!



漣「あちこちでしゃべっちゃった。いひひ♪」ニヤァ…



廊下



コツコツ…



シーーーーーン…



リコリス「休日とはいえ…馬鹿に静かねぇ」



「えぇ…」



『南方棲鬼を倒した人……早く会ってみたい……』



リコリス『↑って顔してるわねぇ…どんな反応するのか、ちょっと楽しみだったりして』



ガヤガヤ…!!



リコリス「なんの騒ぎかしら?」



「あっちのほうから聴こえます」



リコリス「あっちは…酒保があるほうね。行ってみましょう」



「はい」



コツコツ…



VAVAの酒保



ワイワイ!!



リコリス「なにこれは…?」



「わぁ…」



天龍「煎餅と麦茶のパックくれ」



VAVA「ほら」スッ…



隼鷹「おすすめな酒あったらちょーだい」



VAVA「そらよ」バーボン



扶桑「あの…手ぬぐいを二枚…」



VAVA「扶桑は柔らかい物が好みだったな」ファサ…



五月雨「アイロン台が壊れちゃって、新しいのありますか?」



VAVA「後で直しに行ってやるから待ってろ」



装甲「海洋深層水ってありますか…?」



VAVA「ちょうど明石に入荷させておいたものがある」



夕張「あれ…?肩の主砲が…」




VAVA「気にするな。明石が作った代用品だ。夕張はコレだろう?」



夕張「あ…よくわかりましたね?」



VAVA「そろそろ、お前の愛用している機械油が切れる頃だからな」



北上「鉛筆と消しゴムと提督ちょーだい」



VAVA「おら、鉛筆と……」シャシャシャシャ…!!



北上「消しゴムで!?」



VAVA「俺だ」コトン…



オォーーー!



北上「おぉ、こりゃ一本とられたね。これ、もったいなくてつかえないじゃーん♪」ケラケラ



VAVA「お前ら、サイン忘れるなよ」



VAVA『細部は省略してあるがな』



VAVA「おら、次!後ろつかえてるぞ!」



ぞろぞろ…




数分後…



電「司令官さん、チョコおまけしてくれたのです。残り物には福があるのです。嬉しい……あ!?あなたは……」



リコリス「んー?」



電「リ、リコリス・ヘンダーソン嬢さん!!なのです!!!」



どよどよ!?



VAVA『なんだ?あれだけいたのに誰もリコリスに気づいていなかったのか。あの隣のデカいのは…リコリスが連れてきた新人か……?』



リコリス「こんにちわ」ニコッ…



電「こここ……こにゃにゃちわ!!!…あの、握手してください!!」



リコリス『よかった。やっと気づいてくれた』



リコリス「うん、いいわよ」スッ…



電「ひゃぁ…感激なのです……」ぎゅ…



リコリス「うふふ…♪そんなに喜んでもらえるなんて、こっちまで嬉しくなっちゃうわ」



電「あ、ありがとうざいます!あのあの…!よければサイン……描いて頂きたいのですが…お願いします!!」ぺコォッ!



リコリス「頭なんて下げなくていいわ。サインね?私なんかのでよければ、描かせて頂きます」ニパッ…



電「光栄なのです…!」ペコペコ!



VAVA「………電、このマーカー使っていいぞ」



電「司令官さん、ありがとうございます!あとえっと…せ、背中!背中に電へって描いてください!」



リコリス「はい。じゃあ、後ろ向いて~♪」キュポン!



電「…」わくわく…!



リコリス『飛行場…じゃなかった。リコリス・ヘンダーソン……と宛名は、電ちゃんへ……』カキカキ…


たったったー…



電「ありがとうございました!なので~~す」ノシ



リコリス「うふふ…♪」ノシ



VAVA「よう、リコリス」



リコリス「元気そうで何よりね、VAVA。先の作戦での南方棲鬼 討伐、お疲れ様でした」



VAVA「大したことなかったぜ」



リコリス「まぁ、頼もしい」



「あなたが……南方棲鬼を…」



VAVA「…そうだ。厳密に言えば、長門と俺がヤツを沈めた」



「長門さんと…」



リコリス「ふふふ……この人が、あなたの提督よ。これからはこの人の指揮下に入ってもらうわ」



「ヘンダーソン嬢…短い間でしたが、面倒を見てくださって、ありがとうございました」ペコ…



リコリス「そんなにかしこまらないで。また スグ に会えるわ。さぁ、提督に着任の挨拶をして。これで、私の任務も完了よ」



「はい…!」



大和「大和型戦艦、一番艦、大和。推して参ります!」



VAVA「俺はVAVA。ここの提督だ」




横須賀鎮守府 外周



長良「外でめいっぱい体動かすのって、気持ちいいですよね!」



装甲「はひ……そうでしゅね…!!」



装甲『海岸沿い走って…体育館でマット運動して……そんで戻ってもっかいマラソン…』



長良「装甲さん体力ありますねぇ!」



装甲「いえ…あはは…」ぜぇぜぇ…



装甲『地上で…運動するって……こんなに辛いことなのね……体も重いし、暑いし……』



那珂「えっほえっほ…!」とっとっと~



長良「あ、那珂ちゃん!」



那珂「あぁ~長良ちゃん。装甲さんも、こんにちわ~!」



長良「珍しいね、こんなところで会うなんて」たったったー…



那珂「今ねぇ、罰ゲーム中なんだ~あと401週 鎮守府 回んないといけないの」



長良「それは大変だね!よかったらつきあおっか?」



那珂「いいのぉ!?助かる~~1人だとつまらないんだも~ん」



長良「だよねぇ!」



装甲『え…なにそれは……マジで言ってるの!?』



船着場



VAVA「…」



リコリス「送ってくれてありがとう。大和ちゃんのことよろしくね」



VAVA「…」



リコリス「……じゃあ」ノシ



VAVA「待て、リコリス」



リコリス「何?」ピタ…



VAVA「いや……何でもない」



リコリス「そう…困ったときは頼ってね。チカラになれるかもしれないから」



VAVA「うむ」



VAVA『やはり、ショルダーキャノンは自力で探すべきだな』



リコリス「またね」



VAVA「あぁ」



コツコツ……



リコリス『あの単装砲……ウフフ♪明石ちゃん、いい仕事するわね。注意して見ないと、私でも気づかない程に良い出来だった』



リコリス『つまり、明石ちゃんとはうまくいってるってこと。VAVA♡……良い兆候ね………でも、ちょっとジェラシー』にやにや///



コツコツ…



リコリス『単装砲…頼んでくれたら拾ってきてあげたのに。残念』




VAVA「…」



VAVA『あの後姿…何か企んでやがる。リコリス……また、しばらく様子を見る必要があるな』



足柄の部屋



トントン…



ガチャァ…



足柄「だれぇ…?妙高姉さん?那智姉ぇ?羽黒??」ボサボサ~…



吹雪「吹雪です!足柄さん、お休みのところ失礼いたします!」ペコ!



足柄「え…吹雪…?ちょっと待ってなさい!」



吹雪「はい!」



バタン…………ドタドタドタ!ババッ!シュ~~~~ッ!



40秒後…



ガチャ!



足柄「あら?吹雪じゃない。何か用かしら?」シャララン…☆



吹雪「こないだの御礼に参りました!」



足柄「こないだ…?あぁ、南方戦のことね。気にしないで。あの状況では仕方の無いことよ」



吹雪「でも、足柄さんが庇ってくれたおかげで、南方棲戦姫に手傷を負わせることが出来ました」



足柄「あなたって律儀ねぇ」



吹雪「これ、間宮さんに特別に作ってもらった高級小豆のおはぎです。どうぞ、食べてください」



足柄「へぇ~!珍しいわね。じゃあ吹雪、今からお茶入れるから一緒に食べましょう」



吹雪「え!いえ、私は別に……」



足柄「遠慮しないの。ほら、入って入って。アイスティーでいい?まだ暑いし」



吹雪「は、はい!いただきます!」



足柄「ちょうど話し相手が欲しかったのよ。ありがとう、吹雪♪」



夕方



廊下



ガシュン…ガシュン……



VAVA「…」



VAVA『休日も終わりか…もっとも、俺にしてみれば騒がしい一日だったが』



VAVA『こんな騒がしさも悪くない』



VAVA『あの新人…長門に任せてみるか。同じ戦艦同士、気も合うだろう』



VAVA「む……!」



VAVA「そうだ。五月雨……」



(五月雨「アイロン台が壊れちゃって、新しいのありますか?」 )

(VAVA「後で直しに行ってやるから待ってろ」 )



VAVA『行くか。晩飯までまだ間がある。部屋で休んでいるだろう』



ガシュ…!ガシュ…!!




五月雨の部屋



VAVA「五月雨、俺だ」



カタッ…!?トコトコトコ……!



ガチャ…



五月雨「提督、待ってました!」



「ましたー!」(五月雨の頭の上)



VAVA「すまん、遅くなった……お前は、加賀の艦載機妖精か?」



「どーもてーとく。彩雲だよ」



VAVA「彩雲……南方戦では活躍したそうだな」



「ちょっとだけね」



VAVA「加賀の妖精だけに優秀だな。五月雨、壊れたアイロン台ってのはどこだ」



五月雨「はい、これです。でも、アイロン台って直せるものなんですか…?」



VAVA「なんだ、脚が曲がってるだけじゃないか」



五月雨「着替えてるときにつまづいちゃって、それで曲げちゃったんです」



VAVA「ドジだな……どうだ、曲げ直してみたが…気に入らないなら脚のパイプごと作ってきてやる」グイ…



五月雨「いえ、これで大満足です!ありがとうございます」



VAVA「そうか。よし、用も済んだんだ。ちと早いが、食堂に行かないか?」



五月雨「はい!五月雨、お供します!!」



「この子…てーとくのこと…超わかりやし~」ニヤニヤ…



その晩



食堂



わいわい…!



VAVA「…」カラン…



大淀「提督」



VAVA「よう、大淀。今日はよく休めたか?」



大淀「はい、とても充実した一日でした」



VAVA「そうか。明日からはまたよろしく頼むぞ」



大淀「おまかせを……提督、今晩もほどほどにして下さいね」



VAVA「わかっている」コトン…



コツコツ…



VAVA「ん…?」



大和「今晩は、提督。大和です」



VAVA「新入りか、先輩達への挨拶は済んだか?」



大和「あ…いえ、まだ…」



VAVA「まぁ、一々空席を探すのも面倒だ。そこに座れ」



大和「はい、ありがとうございます」



ゴドン…ッ!ストン…



五月雨『うわぁ…ものすごい大盛り……赤城さん以上です…』



大和「提督の指揮下に入ることが出来て、大和、光栄です」



VAVA「ふん、世辞は心得ているようだな」



大和「そんな…滅相も無い!」



VAVA「冗談だ。ほら、飯が冷めるぞ」



大和「はい…!」ぱくぱく…!!



深夜



食堂




そろ~~…ぐぎゅるるる~~~…




長門「うぅぅ…おなかへった……」



長門『寝過ごした……もう誰も居ないか……でも、自室の冷蔵庫には するめ と 缶チューハイ しかないし…』



長門「厨房に…何か………残ってないかな」へろへろ~~…



バシュッ…!ビィーーーーン!!



長門「わひぃっ!?」ぺちゃん!





間宮「誰です…割烹着も着ないで……調理場は清潔でなくてはいけないのですよ……?」スタスタ…





長門「ほほほ…包丁」ガタガタ…!



間宮「あら……?長門さん?あ……ごめんなさい!私ったら、つい手が動いてしまって…何か御用ですか?」グイグイ……すぽん…



長門「あ、ま、間宮さん…!これは、違うんだ。そう!最近、夢遊病気味で……日々の疲れかなぁ、うん。騒がせて悪かった。では、私は自室に戻…」



ぐぎゅるるるるるるるるるるうぅぅぅぅぅぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~~……!!!





長門「…」かぁ~///



間宮「まぁ…」



長門「帰る」グスッ…



ガシッ…!



間宮「待ってください。ちょっと頼みたいことがあるのですが…こんなこと長門さんにしか頼めなくて」



長門「な…何?」



間宮「今、新しい献立の作成に取り組んでいたんですけど、こんな時間でしょう?試食してくれる人が居なくて」



長門「新しい献立…そういえば…くんくん………わ…!いいにおいじゃないか……!」パァ…キラキラ…!



間宮「よかったら試食して頂けませんか?間宮流 具沢山豚汁 と 鳥ときのこの釜飯 です」



パカ……ほわっ……ほかほか~~~~~…



長門「んんん~~♪においだけでどうにかなってしまいそうだ…!試食させてくれ!!今すぐ!!!」



間宮「ありがとうございます。今よそいますから、そこに座って待っててくださいね」



長門「うん!うん!!」ストンッ!


大和の部屋



大和「…」スヤァ…



ほわぁ~~ん…くんくん……



ムクッ…!



大和「なにかしら…どこからか…凄くおいしそうな匂いが…」



ふらふら~…


赤城の部屋



赤城「…」zzz…



ほわ…



ガバ!



赤城「この香りは……」



すんすん…すぅ~~~……はぁ~~~~~……



赤城「なんと見事な…」



赤城「明日は訓練が控えていますが…やむを得ないわね」



赤城「行かねば」


加賀の部屋



シュルル…キュ…



加賀「ん…」



ズキッ…



加賀「んんっ…!」



加賀「痛い……ダメージを体に残すなんて…私もまだ未熟ね……」



加賀「恐るべきは姫の破壊力か…いずれにしても、両腕に故障が残らなくてよかった…」



ほわぁん…



加賀「このにおい……」



加賀「!」



加賀「間宮さんね…こんな時間に、何を作っているのかしら……?」



加賀「気になります」




執務室



VAVA『もう、川内を除き…全員寝た頃だな』



スク…



VAVA『ショルダーキャノンを探してこなければ…』



VAVA『ついでに、マスターとチビに会いに行こう…あの店で飲む酒が一番うまいからな』



ガチャ…パタム……



VAVA『アカシックキャノン(命名)も悪くないが、弾薬が艦娘と同規格な為、弾数が制限されてしまう…』



VAVA『資材は、勝手に増えない』



VAVA『今は充実していても、いつ資材難に遭うかわからんのだ。その為にも、ショルダーキャノンを取り戻すことは重要だ」



VAVA『すぐに見つかればいいんだがな…俺の兵装だ。あの重量で、まさか海流に流されたりはしないだろうが』



VAVA『いずれにしろ……今夜は長くなりそうだ』



ガシュン…ガシュン…



泊地要塞



泊地「ハァ……ホァァ………!!」ポタ…ポタ……



泊地「649997………フフ……流石…私 ノ VAVAダ……南方 ヲ 倒シタカ……!」グイ…!



泊地「当然カ……ナンセ、余力 ヲ 残シテ 私 ニ 勝利シタ 漢ダ…………アンナ 小娘 トハ 格 ガ違ウ…」



泊地「649998…649999……」グイ……グイ…!



泊地「650000!!」グイン……ピタァ!



泊地「フゥ…!………誰カ、手ヌグイヲ……」ヒュッ…スタンッ!!



ガガーーー………テッテッテ!



「オ疲レ様デス。泊地様、手ヌグイ ヲ ドウゾ!」



泊地「ウム……ヤハリ、効クナ。コレハ」フキフキ…



「馬力 ノ 分ダケ 片手倒立 薬指 腕立テ…デスカ。オマケ ニ 重イ 艤装 ヲ 装備 シタママ ヤッテシマウナンテ…恐レイリマス」



泊地「コノ 薬指 トイウノガ マタ 効クノダ。小指 ヨリ モ 非力 ナ 指 ダカラナ」



「ヘェー、小指 ガ 一番 弱イト バカリ……」



泊地「ソウダ、コノ トレーニング ヲ ヒヨッコ 達ノ 肉体訓練 ニ 加エル トイウノ ハ ドウダ?心身トモニ 強クナル」



「ソレハ ヤメタ 方ガ イイカト……若イ 兵士 達ニ ソコマデ ノ 忍耐 ハ アリマセン」



泊地「冗談ダ。ソレグライ 把握 シテイル……シカシ、近頃 ノ 若者 ハ マッタク タルンデイル」



「仰ル 通リデス」



泊地「ロク ニ 働キモ セン ノニ、ヤレ 給料ガー 休ミガー ナドト…文句バカリ 一人前ダ…ケシカラン!!」ぷんすか!



「エェ、マッタク!」



泊地「オマケ ニ 最近デハ、アロウコトカ 人間 ト………カ、駆ケ落チ シテマデ 隊ヲ 抜ケル 者ガ 居ル ソウデハナイカ!!」ぷんぷん!



「忌々シキ 事態 デスヨ!!コレハ!!!」



泊地「ケシカラーーーン!!」おこおこ!!


シュ…!バババッ!!



泊地「ヌ…!」



「失礼イタシマス!泊地様!」



泊地「ゴ苦労ッ!動イタカ!!」



「ハッ!移動 ヲ 開始シタ 標的 V ハ、ルートD ニ 入リマシタ!恐レナガラ、追跡 ノ 途中デ 隊員ガ V ヲ 見失ッテシマイマシタガ…」


「見失ッタ 地点 ヲ 鑑ミルニ、依然 V ノ 目的地 ハ ルートD ノ ゴール ダト 思ワレマス!」



泊地「デカシタゾ!ソレダケ 分カレバ 十分ダ!現場 ノ 隊員 ヲ 全員 撤収サセロ!私 ガ デル!!」



「ハ、泊地様 自ラ ガ…!?」



泊地「後!港湾 ニ 暗号 ヲ トバセ!!内容 ハ、《カウンター ニセキ カクホ サレタシ》以上。復唱!!」



「ハッ!《カウンター ニセキ カクホ サレタシ》以上 デ ヨロシイデスカ!」




「港湾様ヘ…!?シカシ、アノ方ハ モウ……」



泊地「ヨシダ!V ノ ゴール 到着マデ ノ 残リ 時間ハ!?」



「残リ28分デス!」



泊地「了解ダ!留守 ハ 任セタゾ!!」シュバッ!




ガガーー………ギューーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!




「 V トハ 一体…ソレニ…カウンター(反撃)、二隻、確保、トハ…ナンナノ…?」



「ワカラン…シカシ、泊地様 ハ 何時モ 強敵 ト 戦ッテオラレル。我々 ハ ソンナ泊地様 ノ 為ニ、全力 ヲ 尽クス ダケダ」

深海BAR ダーウィン



港湾「…」フキフキ…



「マスター、御代 ココ オイトクカラ」



港湾「オツリ…」



「ツリ ハ イイッテ。次 来タトキニ、マタナンカ 美味イモノ 食ワセテヨ。ジャ…ゴッソーサーン」



港湾「毎度 アリガトウゴザイマス……」



ギィィ……バタン……



港湾「…」フキフキ…



ガララ…



ツ級「マスター、ホッポチャン 寝チャイマシタ」



港湾「オ疲レ様。コレデ シバラク ハ 起キナイワネ。私達 モ チョット 休憩 シマショウ」



ツ級「ハイ」



ガ………シ………ガ………ュ…ン…………



港湾「…!」ピク……



ツ級「?………ドウシマシタ?」



港湾「休憩 ハ、ヤッパリ モウ少シ 後デ トリマショウ。常連サン ガ キテクレタ ミタイ…」ササッ…!カチャカチャ…!!



ツ級「常連…?」



港湾「ウフフ……誰カト 違ッテ 予約 ナンカ シナイ人ヨ。イツモ 気分 デ 来ルンダカラ」



ガシュン…ガシュン……



ツ級「ア……コノ 足音 ハ…!」



ギィィィ…



VAVA「よう、マスターと酒に会…マスターとチビと酒に会いに来たぜ」



ツ級「イラッシャイマセ!VAVAサン!!」



VAVA「元気そうだな、ツ級」



港湾「イラッシャイ。大丈夫、今 ハ オネンネ シテルカラ♪」



VAVA「そうか…何か一杯くれ。マスターの勧めでかまわん。今はそんな気分なんでな」ガララ…ドカ…



港湾「ワカッタワ……ヨイショ…」スス…ポス(予約席)…



VAVA「ん……この席の隣、予約があるのか?」



港湾「ウン」



VAVA「なら、席を移る」スク…ガシュン…ガシュン…



港湾「…」サッ…



VAVA「…」ガララ…ドスン…



港湾「…」スス……ポス…



VAVA「マスター、これは何の遊びだ?」



港湾「ゴメンネ。怖イ人 ニ コウヤッテ 予約スルヨウニ 言ワレタモノダカラ♪」ニコニコ…



VAVA「…わかった。仕事ならば仕方が無いな…早いとこ一杯注いでくれ」



港湾「カシコマ♪」ニコニコ~



ツ級『入リ込ム 隙間ガ無イ……オ互イ 凄ク リラックス シテル……』



しばらくして…



港湾「ソウ……南方 ヲ…………オ疲レ様」



VAVA「厄介なヤツだったが……まぁ、何とかしてやった。ツ級、チーズとサラミをくれ」



ツ級「ハイ、少々オマチクダサイ」



港湾「VAVA。彼女… 生キテイルワ。今 ハ 重傷 デ ロク ニ 動ケナイダロウケド…」



VAVA「だろうな。泊地で確認済みだ。事、頑丈さに至っては俺に勝ち目など無いだろう。深海の姫ってのは、何でできているんだか…」カラン…



港湾「体 ガ 元通リ ニ ナッタラ、報復シテクル カモ知レナイ…」



VAVA「そうなったら、また潰してやるだけよ」コトン…



港湾「ネェ、VAVA ノ 戦イハ……イツ終ワルノ…?」



VAVA「クハハ……そんなものとっくに終わっている」



港湾「…?」



VAVA「マスター。俺のVAVAとしての戦いは既に終わっているんだ。今の俺の戦いは…」





VAVA「提督としての戦いだ。一人の司令官として、艦娘たちの行く末を見てみたいのさ」



港湾「VAVA…」



ツ級「…」カタン…スス…



VAVA「無論、お前達の行く末もな。それらを見終わる頃には、この世界も退屈になっているだろう」



VAVA「その時こそ…俺の全てが終わるんだ。どうだ、名調子だろう?」



港湾「強イノネ、VAVAハ……逃ゲテナイ……私ナンテ…」



VAVA「何か飲めよマスター。ツ級も好きなものを飲んでいいぜ。こういうときの為の酒だ」



ツ級『カッコイイ…』///



港湾「アリガトウ…ジャ、マティーニ ヲ 頂クワネ」



ツ級「アリガトウゴザイマス。私 ハ マリブパイン ヲ 頂キマス」



港湾「ワカッタワ。今 作ルカラ…」カチャリ…トクトク…



ダダダダダーーー!!!キキィィィーーーーーーー……!!スーハー…スーーーハーーー……コツコツ……




港湾「…」カチャカチャ…



ツ級「?」



VAVA「…」



ギィィィィ……コツコツ………



泊地「港湾、マタ 飲ミニ キテヤッタゾ。黒ビール ヲ 貰オウカ」キリッ!



VAVA「よう、泊地」



泊地「オ!VAVAジャナイカ 奇遇ダナァ コンナトコロ デ♪」ガララ…ストン…



VAVA「なんだ、この席を予約していたのはお前だったのか」



泊地「ウム。ソレニシテモ オ前トハ ナニカト 縁ガ アルナ。マサカ、偶然 予約シタ 席ガ 隣 ダッタトハ」ニコニコ!



VAVA「そうだな。偶然ってのはすごいもんだ。驚いたぜ」



泊地「ワッハハハ!違イナイ!!トコロデ VAVA ヨ、無事 南方 ヲ 倒シタソウダナ。コノ私ガ 祝イノ 美酒 ヲ 贈ロウ。オイ港湾、コノ店 ノ 一番良イ バーボン ヲ クレ!!アリッタケダ!!」



港湾「イイケド………ダセルノ?全部ダトコノ値段ヨ」ぱちぱち……(そろばん)



泊地「私 ハ 姫 ダゾ。ソンナコト 一々 気ニ…シナ……………スマンVAVA……5本マデデ…イイカ?」サァー…



ツ級「良イ オ酒 ッテ 本当 ニ 高イ デスヨネ…」



VAVA「気にするな。それより、とっとと飲んじまえ。飲み終わったら出掛けるぞ。今晩……いや、深海に昼も夜もないか…とにかく付き合え」



泊地「エ…!?ソレハ…」///



港湾「…」バキッ…!(そろBAN)



ツ級「ツ!?」



海底



ガシュ!ガシュ!スィーーー!



VAVA「……というわけだ」



泊地「ナルホド、理解シタ。ツマリ、コノ 私 ニ 単装砲 探シヲ 手伝エト 言ウノダナ?」



VAVA「嫌なら帰ってもいいぞ」



泊地「帰ラン。ドウセ 暇ヲ 持余シテ 筋トレ シテイタ 所ダ。手伝オウ」



泊地『艦娘 ヲ 相手 ニ 戦争 スルノハ モウ 飽キタ……モット 刺激的 ナ モノ ガ デキタカラナァ♡』



VAVA「助かる。お前の速力と洞察力。頼りにしてるぜ」



泊地「任セロ。ト、言イタイ所ダガ、落シタ ハ 場所 ハ 覚エテイルノカ?」



VAVA「場所ならば記憶している。間違いは無い」



泊地「フム、手掛カリ ハ 十分 ノ ヨウダナ。サッサト見ツケテ、私 ノ 部屋 デ 飲ミナオソウ ジャナイカ!」



VAVA「…」



泊地『ム……シマッタ!調子 ニ 乗リスギタカ…!?』ガクブル…



VAVA「手短に済んだなら…それも悪くない」



泊地『好機!』



泊地「善 ハ 急ゲ ダ!モット トバソウ!!」ギューーーーーーン!!



VAVA「おう」ガシュン!ガシュン!ガシュン!



限定 第四海域 最深部 海底(南方統治下)



ギューーーーン……ピタ………



泊地「ココ ノ 上ダナ……VAVA 率イル 艦隊 ト、南方 ガ 争ッタ海ハ……」



VAVA「わかるのか?」



泊地「ワカルサ。ココニハ アラユル 感情 ガ 思念 トナッテ 残留 シテイル……勿論、南方 ノ 思念 モナ」



VAVA「オカルトだな……にわかには信じがたいが……」



泊地「互イニ 気 ヲ ツケヨウ……ココハ ヤツノ 領域 ダカラナ…タトエ、大破以上 ノ 傷ヲ 負ッテイルトシテモ 油断 ハ デキン」



VAVA「お前が言うと説得力があるな。確かにヤツの火力は侮れんものがあった」



泊地「面目ナイ……サテ、名誉挽回ダ!!探スゾ!!!」



しばらくして…



泊地「ダメダー!コッチニハ ナイ!!」



VAVA「こちらもだ!………くそっ…」



VAVA『外した位置は確かにここだった……誰かが持ち去ったのか…』



泊地「次 ハ……何処ヲ探ス?何カ 心当タリ ハ アルカ?」



VAVA「いや、無い……」



泊地「ソウカ……ヨシ、南方要塞 モ 探ソウ」



VAVA「要塞はもう崩壊している」



泊地「ソノ事ハ 私モ 知ッテイルサ。アソコ ニハ 地下施設 ガ アルンダ。可能性 ハ 低イガ、南方 ガ 回収シテ、隠レテイル カモ シレン」



VAVA「なるほど…ここで外したショルダーキャノンが見当たらず、ここに沈んだはずの南方の姿もない…確かに辻褄は合うな」



泊地「行コウ」




南方要塞 址



泊地「アノ 要塞 ガ……見事 ナマデノ 廃墟ダナ。確カ ココラ 辺ニ 地下ヘノ 入口 ガ アッタハズナンダガ…瓦礫 ガ 邪魔ダ……」



VAVA「どけ、俺が吹っ飛ばしてやる」



泊地「膝 ノ 爆雷 ダナ」



VAVA「……爆雷じゃない。ナパームだ。詳しく言うと、バンピティブーム。長年愛用している兵装だ」スッ……カパ…



泊地「フーム……VAVA ノ 兵装 トヤラ ニハ、ドレモ 名前 ガ アルノ ダナ。私 モ 主砲 ヤ 副砲 ニ 名前 ヲ ツケヨウ カナ…」



VAVA「いいんじゃないか」バシュ!コロン……



ボムンッ!!ガラガラ…!!



泊地「オォ、イイゾ。入口 ガ 顔 ヲ 出シタ!」



VAVA「それにしても、よくこんな入口を知ってたな」シャコン…



泊地「アイツ ハ 用心深カッタカラナ。コノヨウナ 出入リ口 ガ 非常口 トシテ 沢山 アルンダ」



VAVA「防災意識の高さがアダになったわけか……とにかく道は開けた」



泊地「ウム。急ゴウカ」



ガシュン!ガシュン!!スィーーーー!!



南方要塞 地下



ぺタ…ススス……コンコン………



VAVA「…」ピタァーーー……スッ…



VAVA「…地下は綺麗に残っているな。これなら奥まで進んでも問題ない」



泊地「今ノデ ワカルノカ?」



VAVA「わかる」



泊地「マッタク、VAVA ニハ 驚カサレテ バカリ ダヨ」



VAVA「普段ならこんな面倒なことはしない。俺の行く道には敵や罠があって当然だからな」



泊地「…」



VAVA「かまわず進む。だが、今は俺だけじゃない。慎重にもなる」



泊地「私ハ……足手マトイカ?」



VAVA「頼りにしていると言ったろう。先にいくぜ」



ガシュン…ガシュン……



泊地「ア…アァ」///



中央地下通路



ガシュン…ガシュン……コツコツ…



VAVA「広いな…」



泊地「ム……?見ロ、VAVA。コノ先 ハ 分カレ道ノヨウダゾ」



VAVA「そうだな…俺が右に行く。泊地は左を進め」



泊地「ワカッタ。何カアッタラ空砲ニ発 デ 合図 ト 言ウノハ ドウダ?」



VAVA「よかろう」



地下通路 右



ガシュン…ガシュン……



VAVA「ん…なんだ?ここから灯りが消えている……」キュイィン……



ピッ…



VAVA『が、光が無くても見通す術はいくらでもある』ジー…



ガシュンガシュン……ピタ…



VAVA「この壁は…?どこも綺麗だと思っていたが……どうやらこれが原因で照明が故障したようだな」



VAVA「破片の飛び散り方からすると…向こう側からこちらへ、壁をぶち抜いた跡だ…何か大きな物を引きずったようなあともある」



VAVA「引きずったあとは、奥へと続いているな…つまり、この先に何かがいるというわけだ………」チャキ…



パパンッ!!




地下通路 左



倉庫



泊地「コノ 悪趣味 ナ 品物 ノ 数々……南方 ノ 私物 カ?」



泊地「何カヲ ヲ 隠スニハ 丁度ヨイ 場所ダナ…モシヤ、ココニ…!」



ゴソゴソ…



泊地「オォ!コレハ!!マサシク VAVA ノ!!!」パシィ!!



泊地「腕…?」ブラン…



泊地「…」



泊地「マァイイカ。VAVA ノ モノニ 違イハ アルマイ」シマイシマイ…



ガサガサ…



泊地「ヤヤ!ヤット見ツケタゾ!!単装砲!!!」ババッ!



泊地「…イヤ、ヨク見タラ 砲身 ダケダ……コレダケデハ 使イ物ニ ナラナイカ…一応、トッテオコウ」シマイシマイ…



泊地「ナイナァ…単装砲……」



パパンッ………!



泊地「!」



泊地「見ツケタカ!」



ダッダッダー…!




地下通路 右



泊地「オーイ、ドコダ?VAVAー」



泊地「ナンダコレハ…コレデハ 何モ 見エンデハナイカ」



泊地「仕方ナイ……ハッ…!」クワッ!



ピカーッ!



泊地「コレ、目 ガ 疲レルンンダヨナァ……VAVAー!」



「こっちだ、泊地!」



ピカ…キラ!



泊地「アノ光カ!ドウシター!?」タタター!



VAVA「来たか…見てみろ泊地。コイツ…こんなところまで這ってきたようだ。確認したが、意識はない。虫の息だ」



泊地「…南方」



南方「…」ボロボロ…



泊地「ソレミタコトカ…」



VAVA「どうする?俺はもうコイツに用はない。お前に任せる」



泊地「…ワカッタ。コレハ、我々 ノ 問題ダ カラナ……探シ 物ノ 途中デ スマナイガ、南方 ヲ 運ブノ ヲ 手伝ッテクレ」



VAVA「運ぶ…?何処へだ?」



泊地「私 ノ 要塞へ 連レテ 行ク 訳ニハ イカナイ。ナラ、行ク 場所 ハ 一ツシカナイ」ニヤ…



VAVA「…俺の行きつけは病院じゃねぇんだがな。仕方がない、手伝ってやる」グイ…


しばらくして…



深海BAR ダーウィン



VAVA「…」たかいたかーい!



北方「ヴァヴァヴァ~ン♪」キャッキャ!



VAVA『昼寝した後だと聞いたが、よくもこうはしゃげるもんだ』



コツコツ…ガララ…



港湾「フゥ…オ待タセ。ホッポ、イイ子 ニ シテタ?」



北方「シテタ!」(VAVAの膝上)



泊地「終ワッタヨ。アト ハ、姫 ノ 回復力 ナラバ 一ヶ月 モ スレバ 全快 ダロウ」



VAVA「そうか」



VAVA『結局、俺のショルダーキャノンは見つからなかったな……』



北方「ム…」キッ…ガルル…!



VAVA「どうした?チビ…威嚇か?結構な迫力だな」



泊地「ホッポ…」ビクッ…



港湾「ホッポ。泊地オ姉サン ハネ、アノ 怪我シタ 人 ヲ 助ケルタメニ ココマデ 運ンデ キタノヨ。イジメッ子 ジャナイワ」



北方「…」きょとん?





北方「デモ、怪我シタラ 病院 ニ 行ケバイイノニ、何デ ココニ クルノ?」ガルルルル…!



VAVA「賢いな」



泊地「マイッタ…」



北方「ココ、食ベタリ飲ンダリスルバショ。ハクチ、エーギョーボーガイダ!!」



港湾「ウン。ホッポ ハ 間違ッタコト言ッテナイワ。デモネ?アノ人 ハ、 病院 ニ イケナイホド ビンボー ナノ。ココデ 治シテアゲタ 方 ガ イイノヨ」



北方「ポ!?ソウナノ……カワイソウ」シュン…



港湾「泊地オ姉サン モ ビンボー ダカラ、病院 ニ 行ッテモ 代ワリ ニ 燃料 モ 鋼材 モ 払ッテ アゲラレナイノ…」チラ…



泊地「……ソウナンダ。ゴメンヨ ホッポ…」



北方「ポポポ……」



港湾「ソウダ!ジャア ウチ モ ビンボーダケド、アノ人 ガ 可哀ソウ ダカラ 代ワリニ 払ッテ アゲヨウカ?」



北方「エ…?」



港湾「ホッポ ノ 好キナ オ菓子 モ、買エナク ナッチャウケド……イイヨネ?」



北方「エェ!?」ガーン…!



VAVA「クク…」クスッ…





北方「病院ダメ………ホッポ、オ手伝イスル!ハクチ ノ 時 ミタイニ ガンバル!!アノ人、助ケテ アゲヨ!!」



港湾「エライワ♪オネーチャン モ ソウシタカッタノ。ホッポ、スッゴクイイ子!!」



北方「スッゴク!?ワーーイ!!VAVA、ホッポ、イイ子?」



VAVA「あぁ、イイ子だ」なでなでなでなでなでなで………



北方「ン~~~~……♪」スリスリ…



港湾「ホッポ、泊地オ姉サン モ イイコト シタカラ、ホッポ ガ ナデナデ シテ アゲテ」



北方「ワカッタ!ハクチ、イイ子~♪」ナデナデ…!



泊地「ハハハ…コンナコト、イツブリダロウナァ………アリガトウ、港湾」クシャクシャ…



港湾「平和 ガ 一番」ニコッ!




ガタ……



VAVA「…」ババッ!



泊地「…」サッ!



港湾「…」ギュ…



北方「オネーチャン……?ミンナ ドシタノ?」



VAVA「チビ、少し怪我人の様子を見てくる。ここで、大人しくしていろ」



北方「ワカター!」



泊地「マサカ、モウ 気ガ ツイタノカ…?」



港湾「VAVA…」



VAVA「安心しろ。ここでは何もさせん」ジャキン…!



ガラ…



!?



ツ級「アラ?ドウシマシタ…?皆サン……??」



VAVA「お前か……脅かしやがって」





ガタ…ドタタタターーーッ!ドンドン…ゴシャ!ズデンッ!!!



!?!?!?



南方「ア……ァ……」よちよち…



ツ級「ア!?ダメデスヨ!!マダ、動イテハ……!」スッ…



泊地「ツ級トヤラ!ソイツ カラ 離レロ!!」



港湾「ホッポ、コッチヘ…!」ササッ…



北方「?」



VAVA「…」



南方「アゥ……ウー…」



VAVA『おかしい……これが、あの南方だというのか…?まるで無防備じゃないか』




VAVA「どけ」



ツ級「VAVAサン…ハイ」



VAVA「…」スサ…



南方「…?」



VAVA「チビは…連れて行ったな」



南方「ア……」



ゴリ…



南方「ンー……?」



VAVA「俺の指がただの指でないことは知っているはずだ。このまま三文芝居を続けるというなら、俺にも考えがある」



泊地「…」



ツ級「…」アワワ…!



南方「アエ………ンム…」パク!



VAVA「…」




南方「~♪」チュパチュパ…



泊地「ナッ…!」



ツ級「エ…!?」



VAVA「ちっ…」グイ…パッ……べと~…



南方「ムム……アー…」しょぼん…



VAVA「ダメだ。精神に異常をきたしている。演技ではない」



泊地「バカナ…!姫 ノ 一人 ガ 虚ケ ニ ナッタトイウノカ…!?」



VAVA「事実は受け止めるほかない。とりあえず、ベッドに戻してやったほうがいいぞ」



泊地「ア…アァ、ワカッタ。スマン、手伝ッテクレ」グイ…



ツ級「ハ…ハイ」グイ…



南方「ア…ァ……」




スクッ…



VAVA『自我を失ってまで生きる意味は無い……いっそ、殺してやった方が幸せだったな…』



南方「ウゥ……ン…」キラ…



VAVA「ん………待て。泊地」



泊地「ナンダ?」



VAVA「気づかなかったが、南方が右手に何か握っているようだ。取り上げてみろ。回復の手がかりになるかも知れんぞ」



泊地「右手ニ?……本当ダ」グググ……



南方「ゥー…」ギュ…



VAVA「どうした、早く取り上げろ」



泊地「フンッ…グヌヌヌヌヌヌ……!!ダメダ。強ク 握ッテイテ、トテモ 取リ上ゲ ラレナイ…」



VAVA『泊地に無理なら、今の俺にも無理だな』



VAVA「なら、何を握っているかぐらいならわかるだろう。南方の腕を待ち上げろ。俺が見る」



泊地「ワカッタ」



ツ級「ワカリマシタ」



南方「ァ……」



VAVA「…」グイ…ジー…



VAVA『何か…光る物を握っているな。これは……何かのエンブレムか?いや、まさかこれは…!?』



( 大和「大和型戦艦、一番艦、大和。推して参ります!」 )



VAVA『間違いない…あの新入りが首につけていた物と、まったく同じエンブレムだ。それを何故こいつが…』



夜明け前



横須賀鎮守府



執務室



ガチャ…ガシュン…ガシュン…てくてく…



VAVA『…結局、ショルダーキャノンが見つからないまま帰ってきちまった』



VAVA「まぁ、収穫はあったが」



雪風「しれぇ!」



VAVA『最近ドロップがこなかったからな…嬉しい誤算だ』


VAVA『皮肉なもんだ。どこかで廃人と化した者もいれば、思わぬ拾い物で得する者もいる』



雪風「しれぇ、雪風、おなかへりました!」



VAVA「食わせてやるから、静かにしてろ」



雪風「はい!雪風、静かにしてます!」



VAVA「とは言ったものの、ここに食い物か。つまみのストックも無いしな…どうするか」



VAVA「そうだ、食堂で厨房を借りれば何か作れるな。お前、何が好きだ?」



雪風「しれぇ、雪風は、おまえ じゃなくて、雪風です!」



VAVA「…雪風、好きな食べ物はなんだ?」



雪風「雪風、なんでも食べます!好き嫌いはありません!」



VAVA「…」



VAVA「えらいな。なら、今は何が食べたいんだ?」



雪風「うーんと…オムレツが食べたいです!」



VAVA「いいだろう。15分待ってな。作ってきてやる」スク…



雪風『司令がオムレツを作ってくれます。やった!→そのために15分どこかへいっちゃうらしいです→雪風はここで15分もひとりでお留守番……』ハッ!



雪風『今は夜(暗い+おばけがでる)=こわい』びくびく…



ひしっ…!



VAVA「?」



雪風「雪風、夜にひとりぼっちはこわいです…」ぶるぶる…



VAVA「怖い…か。なら、ついてくるか?」



雪風「はい!雪風、お供します!!」ぱぁ!



VAVA『駆逐艦は幼いという認識だったが…この雪風は北方と同じレベルの幼さだな』



食堂



VAVA「なんだこれは…」



雪風「ひゃあ…」




長門「うまいにゃぁ………むにゃ…」スヤァ…


赤城「…」スー…(ご満悦)


加賀「…」クー…


大和「くかぁ~~~~~~~…」MVP




間宮「あ……提督…!と…あら…?何ちゃんだったかしら…?」



雪風「はじめまして、雪風です!」ペコ!



VAVA「間宮、これはどういうことだ」グポーン…!



雪風「ことですか!」じと~…!



間宮「えっ!?あ!あの…実は…」あせあせ…!



かくかくじかじか…



VAVA「……まず腹をすかした長門がここに来て、放っておけず新しい献立の試作品を振舞った結果…」


VAVA「匂いにつられて、赤城と加賀と…新入りが来たと…?」



間宮「はい…」



VAVA「そいつらも腹が減ったと言うから、同じく振舞ってやった……それでこの有様か」



間宮「ごめんなさい…皆さんが美味しい!って褒めてくれて…調子に乗って普通の献立もだしちゃって…おかわりおかわりおかわり…私、もう嬉しくて…つい……」



VAVA「明日の食事は通常通り、三食 及び 三時のおやつ付で全員に出せるのか?」



間宮「難しい…です…ぁああ…提督ごめんなさい~~!!」ペコペコ!



VAVA「……出す方も悪いが、食う方にも呆れたものだ……まったく、ついてると思ったらスグこれか…」



VAVA「間宮、今すぐ雪風にオムレツを作ってやれ。卵ぐらいならいくらか残ってるだろ」



雪風「わーい!」ぴょんぴょん!




間宮「でも……」



VAVA「それと、今日の朝飯の仕込みは通常より一時間早めろ。厨房の妖精たちには特別手当をあてると言っておけ。装甲もたたき起こすんだ」



間宮「何をなさるおつもりですか…?」



VAVA「俺が魚やら貝やらをとってきてやるよ。三日も持てば食料の供給も間に合うだろう」



間宮「今からですか…!?だって、一時間早めるとなると…あと二時間ほどしかありませんよ!?」



VAVA「他の解決方法があるなら提案してみろ」



間宮「それは…無理です」しゅん…



VAVA「なんてことはない。何度も繰り返しとってくればいいだけだ。とりあえず、朝飯分をとってくる」



間宮「…わかりました。海産物を使ったレシピ、お任せください」



VAVA「おう、海鮮カレー。忘れるなよ」



間宮「野菜は少しありますが……お米が…」



VAVA「ライス無しだと…!?ならばいらん!!」



ダッ!ガシュッガシュッガシュッ……!!



雪風「しれぇー!いってらっしゃーーーい!」ノシ



VAVA『一日中鎮守府と海を往復することになるな……大食らい共め。後でたっぷり説教してやるからな…』


VAVA『探し物は後回しだ…ショルダーキャノン……』



一時間後…



鎮守府正面海域



カパ……バシュッ!



バリリリリッ!!



ぷか~……



VAVA「だいぶたまったな。一旦戻るか……いや、この群れを逃がすのは惜しい…」



ヒュッ!ボチャン…



VAVA「?」



ポポポンッ!



川内「魚を気絶させるくらいなら、火薬少なめの爆雷で十分だよ」



ぷか~…



川内「ふふん、提督、手伝いにきたよ」ニカッ!



VAVA「川内…やはり起きていたか」



川内「えへへ♪事情は間宮さんから聞いたよ。これで、今月の遅刻チャラね」



VAVA「取引というわけか…いいだろう。大淀には言うなよ」



川内「了解!っと!!いやぁ、これもう夜というより早朝って感じだよね~」バサ…ヒュンッ!



VAVA「網か、これでもっと効率が良くなる……お前のか?」



川内「そ。提督も運がいいね。私が偶然網もっててさ」



川内『本当は敵を捕縛するためのヤセンネットだけどね。我ながらナイスアイデアだよ』



音楽室



装甲「ウ~ン…ウ~~ン……」



装甲「………ツ級……ミンナ…………ゴメンヨゥ…」ブツブツ…



タッタッタッタッタ…!トントン!!



装甲「フガ……………ッ!?ン……んー?」ムク…



トントントン!!!



装甲「ふわぁ……鍵はかけてませんよー…?」ごしごし…



ガチャ…!



間宮「ごめんね、こんな朝早くから…」



装甲「いえ……どうしたんですか?そんなにあわてて…んぁーあ…」のび~!



間宮「実は…」



じかじかかくかく…



装甲「なるほど…わかりました。魚を調理場に運べばいいんですね」



間宮「そう!あぁ、ありがとう!これで何とか間にあうかも…!



装甲「それにしても、あきれてしまいますね。人の分まで食べてしまうなんて…いやしんぼです」



間宮「いいえ、悪いのは私よ。私が続けておかわりを出したりしなければ、こんなことにはならなかったもの…」



船着場



ボシューー!!スィー…



VAVA「これだけあれば…」



川内「朝は大丈夫だろうね」



おーーーい!



VAVA「あれは……装甲か」



装甲「お疲れ様でーす!魚、私が持って行きますからーー!!」ノシ



川内「…」



VAVA「おう!…どうした、川内?」



川内「何でもないよ。装甲さん、やっぱ綺麗な肌してるなー……って見てただけ。さ!これ置いたら次いこ」



VAVA「そうだな」




ドッサリ…!!



装甲「わぁ…いっぱい獲りましたね。アンコウなんかもいる!なつかしいなぁ…」



川内「へぇ…北海道じゃあアンコウも美味しいんですか?」



装甲「え?……そ、そりゃあもう!魚はなんでもおいしいですよ!」



川内「羨ましいなー」



VAVA『アンコウか……ヲ級の作った鍋、美味かったな』



装甲「じゃあ、私もう行きますね!間宮さんが待ってるので…失礼しまーす!」がしっ!ぴゅーー!



川内「……提督、行こうか」



VAVA「うむ」



ザッ…



VAVA「ん…?」



多摩「ちょっと待つにゃ!」



VAVA「多摩」



多摩「事情は聞いたにゃ。多摩も手伝うにゃ」



川内「え~?獲ったそばから食べたりしない?」



多摩「少なくとも、夜戦バカと遅刻魔と給料泥棒を併発してるヤツよりは働くにゃ。川内型と違って、球磨型はみんな働き者の良い子揃いなのにゃあ」



川内「」カチン…



川内「ほぅ…今の、挑発かな?」



多摩「勘違いしないで欲しいにゃ。多摩はただ、提督のお手伝いをしたいだけにゃ」



川内「あっそ」ぷい!



VAVA「言い争っている暇は無い。今は猫の手も借りたい時だからな。多摩、ついて来い」



多摩「にゃあ」



VAVA「川内、行くぞ」



川内「了解」


しばらくして…



鎮守府正面海域



川内「ていや!」ザパーン!



多摩「ふにゃ!」シパパパーン!



川内「おぉ、素手で魚を…!」



多摩「にゃあ…姉ちゃんはもっと上手かったにゃ。獲ってたのは海じゃなくて川だったけど……多摩もまだまだなのにゃ」



川内「お姉ちゃんか…どんな人?」



多摩「立派な人にゃ。姉の中の姉とはあの人のことにゃ」



川内「へぇ…そこまで言えるんだ」



多摩「ま、当然にゃ」



川内『神通と那珂ちゃんだって、私のことそんな風に言ってくれるもんね………たぶん!』



VAVA「流石に三人掛かりだと早いな」



川内「もう網もいっぱいだし、また戻ろっか?」



VAVA「そうだな」



多摩「にゃ」



川内『しかし、多摩…あの身のこなし、まさしく獣。侮れない…』



多摩『にゃあ、まだまだ恩返しするにゃ』



VAVA「そろそろ、間宮も朝飯の調理を終えた頃だろう」



多摩「にゃにゃ!やっきざっかな~♪た~のし~みにゃ~♪」クルクル~



VAVA『さて、帰りながら大淀への言い訳でも考えるか……』



横須賀鎮守府



大淀の部屋



大淀「…」スー…



ジリr…!



サッ!ポチ………シーーーン…



大淀「…」むく…



大淀「んんっ……はぁ!今日も元気に、お仕事お仕事!」




廊下



コツコツ…



大淀「夕張ちゃんから工廠設備の近代化を名目に予算申請が…」



大淀「こっちは居住区の増築……まだまだ艦娘は増えるんだから、こっちを優先するべきかしら…」



大淀「う~~~~ん……」ぶつぶつ…



ドタドター!



「は~い!どいたどいたー!」


「けがするよ~!」



大淀「あ!ごめんなさいね」ひょい!



「えっほ!えっほ!」


「ふんせ!ほいせ!」



大淀「何かしら?あの大きな魚は…今日の朝食にでも使うのかしら?」



ドスドスドス!



装甲「すみませ~ん!カジキ通りま~す!!」



大淀「カ……カジキマグロ!?」



大淀「変だわ……こんな朝早くからあんなに…まさか!」キュピン…!


食堂



調理場



間宮「…!」シュトトトトッ…!



加賀「間宮さん。ズワイガニ、全て解体しておいたわ」



間宮「了解です。では、それはグラタンに入れて、カニグラタンにしましょう!次はタコをぶつ切りにしてください!」



加賀「わかりました」ザシュッ!



赤城「間宮さん、フグの下処理終わりました。刺身といきたいところですが、寝かしておく時間も無いので、から揚げなんてどうでしょうか?」



間宮「お見事です!では、フグはから揚げにしてしまいましょう!ついでに、甘エビもから揚げにしてください!!」



赤城「了解しました」



大和「間宮さん!いわしのハンバーグできました!」



間宮「ちょっと待って…」パク…もぐもぐ…



大和「あ!」



間宮「ん……味は良いけれど…これではダメね。小骨の感触が残っていては、大人は良くても子供は決して食べてはくれないわ。もう一度すり潰す所から念入りに!」



大和「は…はい!」ゴリゴリ!



長門「魚の切り身なら料理できるんだが……っとと、猫の手…猫の手……」トン…トトン……



ワーワーーー!



ガラッ……!



大淀「…」(割烹着)



間宮「あ……大淀さん…」



赤城「…」



加賀「…」



大和「…」



大淀「なるほど……この面子と、使われている食材。提督が不在という状況…推理がまとまってきました」



長門「いや…その……す、すまん大淀!実は私が…!!」



大淀「私も手伝います。今は、説教などしている暇はなさそうですからね!」



間宮「ありがとうございます!大淀さん!!」

しばらくして…



執務室



ガチャ…



川内「じゃ、おつかれ~」


多摩「おつかれにゃあ。川内、一緒に朝風呂いくにゃ。お互い生臭いにゃ」



川内「そだね。提督もいったほうがいいよ~~」



バタム…



VAVA『よし。川内と多摩の協力もあってか、1日分は確保できたな。後2日分か……む、確かにボディが生臭いな』



トントン…



VAVA「ん?」



ガチャリ…



叢雲「はいるわよ」



VAVA「叢雲か」



叢雲「あたし、今日1日秘書艦だから。よろしく」



VAVA「今日は叢雲か。うむ、いろいろと頼むぞ」



叢雲「えぇ、じゃあ点呼してパパッと朝食を………くさい」つーん…!



VAVA「?」



叢雲「あんた、生臭いわ…おぇ……ちょっと!点呼やっとくから、あんたお風呂はいってきなさいよ!!すっっっっっごく!くさいわ!!」



VAVA「…」ガーン…



VAVA「そうだな、すまん」スク…



ガシュン…ガシュン……ガチャ…バタム…



叢雲「なんであんなに臭かったのかしら…?」



男湯



シャワワ~~~…



VAVA『臭うのはわかっていた…これから入るつもりだったんだ…』



ゴシゴシ…



VAVA『この複雑な感覚は一体……』



(叢雲「くさいわ!」)



VAVA「…」



VAVA『俺らしくないな。この程度、どうということは無い。俺は提督だ』



VAVA『俺はここのトップなんだ』



キュッ…!ガシュンガシュン…!チャプ……カポーーン…



100秒後…



ザパーン…パシャパシャ……



VAVA「いい湯だったぜ」



鉄底海峡(アイアン ボトム サウンド)



深海



「…」



リコリス「お久しぶり。貴女の方からお呼びくださるなんて、光栄ですわ」



「飛行場…我ガ 何故………貴様 ヲ 呼ビ ツケタカ、ワカルカ…」



リコリス「…私の行動が行き過ぎていると…仰りたいの…?」



「貴様 ガ 行動 ヲ 起コシテカラトイウモノ……続ケ様ニ 三人 ノ 姫ガ…地上 ノ 玩具共 ニ 敗北 ヲ 喫シテイル…」



リコリス「私の知る公式記録では、二人のはずですが?」



「トボケテモ 無駄 ダ……泊地…装甲…南方…コノ三人ダ」



リコリス「ふむ…なら、そんなふうに情報を修正しておきましょ」



「イツマデモ、我ガ 黙ッテイルト思ウナ…飛行場…!」ゴゴゴゴゴ…!!




ズズズズズズズズォォォオオオ……!ザパーーーン!ザブーン!!




リコリス「まぁまぁ、怒らないで下さいな。あんな単なる者達に、貴女が手を下すまでも無いでしょう」



「ソレガ…アルノダ」



リコリス「へぇ…」



「ヴァヴァ……コノ名 ヲ 知ッテオロウ」



リコリス「えぇ」



「コヤツ ノ 名ガ 我ノ 下ヘ 届クタビ……我ハ 怒リ ヲ 募ラセテイル…」



「玩具共 ニ 負ケタ 不甲斐無イ 者達……深海 ノ 姫 ニ 逆ラウ 玩具共…」



「我ガ コヤツ ノ 名ヲ 聴クヨウニ ナッタノハ…飛行場。貴様 ガ 諜報活動 トヤラヲ 始メテカラダ…!!」



リコリス「…」



「コノ 偶然……我ハ 疑ワザル ヲ 得ナイ」



リコリス「つまり、私が裏切り者だと?」



「ソノ 姿ガ…何ヨリ ノ 証拠 デハナイカ?……我 ヲ 前ニ ソノヨウナ 姿デ 現レオッテ……恥ヲ知レィ!飛行場!!」グォンッ!!




ガシィッ!!




飛行場「無礼は……謝ルワ。戦艦棲姫」ピタァ…!



戦艦「…」



飛行場「証明シテ見セレバ イイノデショウ?私 ノ 潔白ヲ」ギラリ…!



戦艦「ソノ眼光……衰エテハイナイヨウダナ。ヨカロウ、今シバラク、時間 ヲ ヤロウ…」スッ…



飛行場「アリガトウ。近イウチニ……吉報ヲ オ届ケシマショウ」



戦艦「忘レルナ……我ハ、イツマデモ 黙ッテハイナイ トイウコトヲ…」



海上



手漕ぎボート



キッコキッコ…



リコリス「あーもー……手ぇ痛いなぁ」クイッ…クイッ……



リコリス「ん~…」



リコリス『困ったわねぇ……紛い物が本気になっちゃって』



リコリス『でも、何もしないわけにはいかないし…」む~ん…



リコリス『かといってやりすぎたら、VAVAんとこの子達をうっかり沈めちゃうかも…』わにわに!



リコリス『どうしましょう。リコリスがけっぷち!』あせあせ…!



リコリス『悩むわ~~~』ポクポクポク…



リコリス「ま、帰ってる内になんか浮かんでくるでしょ♪」チーン!



キ~コキ~コ……




横須賀鎮守府



食堂



朝食後…



黒潮「いやぁ~今日の朝食はなんやごーせーやったなぁ。アワビにウニに食べ放題やった」



雪風「はい!とってもおいしかったです!」



黒潮「にしても雪風。いつの間にか着任しとって、姉ちゃんおどろいたでー?」



雪風「しれぇが呼んでくれました!」



黒潮「そかそかー!雪風はかわええなぁ♪これからはまた一緒やで~!」なでなで!



雪風「黒潮おねぇちゃん!」ぎゅ~♪



黒潮「この調子で陽炎型姉妹揃わんかなぁ。しばらく皆に会ってへんかったさかい、寂しかったでぇ。、イソカゼシチューが恋しくなってきた程や」



雪風「…い……そ…………かじぇ……」ピタ…



(「さぁ、皆。今日の夕食は私が手によりをかけて作ったビーフシチューだ。たんと召し上がれ」)






(「見た目は、まあまあね。貴女が料理なんて、雨でも降らなければいいけれど」)



(「じー……ま、いいんじゃないかしら」)



(雪風「おいしそうです!」)



(「ありがとう。いただくわ」)



(「うれしうれし!ありがとー!」)



(「素敵じゃねぇ♪」)



(「ありがとう。大事ですね」)



(「こいつは粋な計らいだね!」)



(「いいですねぇ…これならいける気がします」)



(「やるじゃない。あれ、そういえば、陽炎姉さんは?」)



(「なんか急に用事が出来たとかで出掛けるとか言ってたよぉ?おぉ、シチュー美味しそうじゃん。記念にイラストに描き残しとこ!」)



(「何?それはいかんな……せっかく皆に食べてもらおうと腕を振るったのに」)



(黒潮「陽炎のことなんかええよ。冷めないうちに……はよ食べよか。いただきまーす」)




いただきまーーーーす!!!!




ぱく!……………バタン!!…バタバタバタバタバタ!!!!!!………シーーーーーーーン……






(「気を失うほど美味だったか。やはり、隠し味のにぼしとジャムが利いたかな」)





雪風「あわ…わわわわ……うっ………」カクン…



黒潮「…雪風?」



雪風「」



黒潮「どないしたん?おーい」



雪風「」



黒潮「ちょっ!雪風しっかり!!白目むいてるで!!」ゆさゆさ!



雪風「…………はっ!?おねぇちゃん!病気です!!アレが恋しいなんて、どっかおかしくなっちゃったんですか!?」ゾ~…



黒潮「うわぁ!?起きた!?!?えっと……うそうそ!嘘やって!!冗談冗談!!!あんなの鼻つまんだって食べれるわけないやん」



雪風「…ほっ。雪風、安心しました!」



執務室



VAVA「…」



叢雲「…」



大淀「まったくあなた達は……淑女として恥ずかしくないんですか?」くどくど…



長門「面目ない…」しゅん…



加賀「…」



赤城「後悔はしてません」



大淀「してください」



大和「…」



大淀「それにしても…あなたまで参加したなんて……提督はあなたに期待していたんですよ」



大和「はい…」



大淀「着任早々、期待を裏切るような真似をしてどうするんです」



大和「ごめんなさい…」



大淀「あなたはまだここにも慣れていませんから、懲罰は軽いものとしましょう。しかし…」



大淀「御三方については、厳しく罰します!」



長門「むぐぅ…」



赤城「ふむ」



加賀「異議あり」



大淀「なんですか」



加賀「貴女の意見よりも……提督の意見が聴きたいわ」



大淀「なっ…」



VAVA「…」



加賀「提督。私達はこの通り反省しています。どうか今回は許してください。お願いします」ペコ…



大淀「どの口がそんなこと…!」



VAVA「素直だな。いいだろう、今回は加賀に免じて許してやる。次からは気をつけろよ」



加賀「ありがとうございます」



赤城「ありがたき幸せ」



長門「提督、お前は本当に理解のある男だ」



大和「あ、ありがとうございます…」



大淀「また……!本当に甘いんだから……」とほほ…



VAVA「いいだろう?こいつらに罰を与えたところで食料は戻って来はしないんだ」



大淀「そうですけどぉ…」



VAVA「許してやれ。大淀が何か失敗してしまった時も、何も言わずに許してやるからよ」スッ…なでなで…



大淀「!?」びくっ!



サラサラ…



大淀「む…」じー…



VAVA「…」じっ…



大淀「わかりました。今回のことは不問、ということで。次からはほっっっとに気をつけてくださいね」///



加賀「ありがとう」



赤城「加賀さん、行きましょうか」



加賀「はい」



VAVA「赤城、加賀」



赤城「はい?」



加賀「なにかしら?」



VAVA「フグのから揚げとカニのグラタン、美味かったぜ。流石だな」



赤城「もちろんです」キリッ!



加賀「一航戦ですから」リンッ!



長門「提督、ソテーはどうだった…?あれは私が…」



VAVA「長門、料理の話もいいが、お前に任せたいことがある」



長門「…なんだ?この長門、どんな任務でもこなして見せよう」スッ…



大和『長門さん、任務の話になるとすごく真面目に…かっこいい』



VAVA『可愛いヤツだ』



叢雲『だまってりゃ、かっこいいのよね。長門さん』



VAVA「しばらくの間、お前に新入りの面倒を見てもらおうと思ってな」



大和「長門さんが…?」



長門「了解した。こんな事件を起こした後だ。見事、汚名を挽回して見せよう!」



大淀「…」


大和「…」


叢雲「…」



長門「どうした?みんな」



VAVA「この期に及んで汚名を挽回か、どう思う?叢雲」



叢雲「悪くないわ」




しばらくして…



長門の部屋



大和『綺麗な部屋。だけど、ちらほらと ぬいぐるみが…長門さん、可愛いもの好きなのね』



長門「遠慮するな。好きなようにくつろいでくれ。今、ラムネあけるからな。さっき買ってきたばかりだからキンキンだぞ♪」



大和「ど…どうも、お構いなく」



大和『本当にこの人が南方棲鬼を…?』



コト…コトン…



長門「これからは、何でも頼ってくれていいぞ。この長門、大和が一人前になるまで全力で支援しよう」



大和「ありがとうございます。長門さん」



長門「うむ。ここへ来て、何かわからない事とかはないか?」



大和「射撃訓練施設の使い方がよくわからなくて…」



長門「あれか、確かに初めてではわからないだろうなぁ」



大和「一度だけ、皆さんの訓練風景を覗いてみたのですが、次々出てくる動く的を撃っていて…あれは、最新設備の一環なのですか?」



長門「いや、あれは我らが提督の手造りだそうだ。我々の錬度向上のためにわざわざ汗を流して造ってくれたくれたらしい」



大和「そんなことまで…」



長門「あぁ、私もここへ来てからというもの、提督には驚かされてばかりだ。特に、先の作戦での事なんだが……」



大和「!」



大和「えぇ!聴かせて下さい!詳しく!!!」



長門「はっはっは!まぁまぁ、そう焦るな」



大和「…はい!」ドキドキ…!



ぺらぺらぺらぺら~…!



長門「…と言うことがあったんだ。人生、何が起きるかわからんものだなぁ……とはいえ、誰も信じてくれなかったんだが」しみじみ…



長門「あ、そういえばまだ提督には話してなかった気がするな」



大和「ほ、ほんとうに……」



長門「?」



長門「あぁ、本当だとも。提督には話していないさ」



大和「そっちじゃなくて!!今の話は本当なんですか!?」



長門「嘘なわけあるまい。ビッグセブンであるこの長門が、つまらん嘘をつくものか」



大和「…」



長門「そうだ、証拠というわけではないが……その時の主砲を見せてやろう。おしいれにしまってあるんだ。すごい迫力だぞ♪」ガララ…



大和「主砲…?」



長門「正規の入手経路で手に入れたわけではないから、私個人の私物として保管してあるんだ。これがまた…重くてな……!」ぐいぐい…!



キラ…!




大和「それは…!」



長門「よいしょっと!はぁはぁ……南方戦の時は無我夢中だったからか、余り重さを感じなかったが…今では構えることも出来んよ。持ち上げるので精一杯だ…!!」



大和「見せてください!!」ガシ!グインッ!



長門「あ、気をつけろ!!とてつもなく重いんだぞ!!」



大和「もしかしたら、この裏に刻印が……あ!」スッ…



長門「おぉ?え…持てるの?………それを扱えるのか!!すごいぞ大和!!!!あれ……」



長門『なんだ…?大和の姿が何処かで見たような……このシルエットは……あ?』



(『私のことはどうでもいいです。ただ、貴女には戦ってもらわねばなりません。彼女を、止めて欲しい…』)



大和「呉鎮守府 所属 戦艦 大和………やっぱり」ぶわっ…!



長門「まさか大和、あの時の光はお前の…!!」



大和「う……うわぁあああ……………お母さん…私の……わた…しの……うっぅぁ…おかぁさん…!!」ぽろぽろ…



ぎゅっ…!



大和「ながとさん…これ、お母さんの…うぅあっ……あぁぁ…」



長門「そうだったのか…大和……」



大和「お母さん…勝ったんだ……おかあさんは…」



長門「大和!お前の母上は、英雄だ。人々を愛し、平和を願っていた最高の艦娘だ!!」



大和「はい…!長門さん!!」


執務室



VAVA「釣りにいってくる。留守番頼んだぞ」



叢雲「は?何?突然……仕事どうすんのよ。ていうか、魚なんていらないでしょ。あんなに沢山あったんだから」



VAVA「それがそうでもない。とにかく今日の仕事は適当でいい。叢雲の好きにしていいぞ。なんなら、後輩でも建造してみたらどうだ」



叢雲「あんたがやればいいじゃない」



VAVA「俺がやるとダブりばかりでるんだよ。建造運がないのかもな」



叢雲「私だってそこまで運よくないわよ」



VAVA「すまん。とにかく任せた」



叢雲「ったく…貸し一つだからね。いい?」



VAVA「いいぜ」



叢雲「いってらっしゃい」



叢雲『くさかったのはもしかして、釣りしてたから?』



戦艦海底地下要塞



戦艦 ノ 間



戦艦「…」スッ…



((超弩級パイプオルガン))



戦艦「………!!!」パパッ!!サッサ!!




デーレーレーーーデーレーレーーーデーレーレーーー……デーーデーー……!!!!




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♪



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♪



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♪




戦艦「…」ピタ…




デーーーーン!!!!!




シーーーーーーーーーーーーーーーーン……




戦艦「マタ、ココデ……頭ガ………」ズキ…



戦艦「アカイ、何カ……同族デモナイ……地上 ノ 玩具デモ……ナイ………クッ…」ズキズキ…



タターーーッ!



「失礼シマス。戦艦様」スサッ!



戦艦「ナンダ」



「申シ上ゲマス。艦娘 ノ 部隊ガ、コノ 地下基地 ノ 入口 ヲ 突キ止メヨウ ト、攻撃 ヲ 仕掛ケテキマシタ。イカガ イタシマショウ」



戦艦「マタカ。ル級 ヲ 召喚セヨ」



「ハッ、仰セノ 通リニ…」



コツッ…



「オォ!?ル級殿!!」




ル級「戦艦様、御待タセ致シマシタ」




戦艦「遅イ」



ル級「申シ訳ゴザイマセン」



戦艦「行ケ」



ル級「ハッ!!」



ヒュ…ッ!



「サスガ…フラッグシップ ノ 称号 ヲ 持ツ 者……」



戦艦「他ニハ」



「ハッ、ゴザイマセン。演奏中 ノ 所、失礼致シマシタ」スッ…タターーーッ!



戦艦「…」




戦艦「何度デモ……何度デモ……」




タンッ!




戦艦「シズメ」




ジャア゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン!!!!




鉄底海峡(アイアン ボトム サウンド)



ル級「敵 ハ 何隻イル?」



「ハイ。総勢12隻 ノ 大艦隊デス。 駆逐 2、軽巡1、雷巡 2、正規空母 4、戦艦3 デス。恐ラク、戦艦様 ヲ 意識シタモノカト…」



ル級「コレガ 大キイ モノカ。戦艦 ハ 私ガヤル。残リ ハ オ前達 ニ 任セタ」ガシッ…ズンズン…



「了解シマシタ!」



ル級「オ前達、欲 ヲ 張ルナヨ!!艦娘 ハ 大破 サセレバ 後 ハ 放ッテオケバ良イ。ソレデモ 尚 歯向カウ者 ガ イレバ、ソイツ ハ 勇者 カ、タダノ 間抜ケ ダ。全力 ヲ 持ッテ 沈メロ!!!」




「「「オォーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」」」




ル級「帰還後 ハ 宴ダ!!!誰 一人 沈ム 事ハ 許サン!!!」




「「「ウォオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」」」




ル級「私 ニ 続ケ!!」




戦闘開始!




バシュン!ドォーーーーーーーンッ…ドドドドド!!!



「ファイヤー!」ドドンッ!!



ヒューン…!



ル級「…」



ドカァン!



「ヒット!まずは敵戦艦ダウンネー!」キラキラ!



シュ~~~…



ル級「ンッン……」ケホケホ…パッパ…サササ…



「ワッツ!?」



ル級「カラダ ガ 光ッテイルノニ、ソノ 程度 ナノカ……」



ボワァ~~~!!



「ワォ!あ、あの金色のオーラは…!?」



ル級「チカラ トハ、コウ使ウノダ」フッ…



「消えた!」



ル級「…」ピト…グッ!!



バキバキバキバキ…!!






「……ハッ!?ノォオオオオオ!!私の主砲がー!?」



ル級「私 ノ 敵 ト ナルニハ……オ前達 ハ 未熟。モット 鍛錬 ヲ 積ンデ、強クナッテ来イ」



「ひ……ひやぁーーーーーーーーーーーーーーー!!みんなー!退却デース!!」



ぴゅ~~~~~~!!



ル級「………呆レタ」



「ヤリマシタナ!ル級殿」



ル級「艦娘 モ ヌルクナッタ モノヨ……悲シイナ」



「ヤハリ、ル級殿 ガ 全力 ヲ ダセル 相手 ハ 現レマセン デシタカ」



ル級「アァ……被害状況 ヲ 報告セヨ」



「全艦 健在。最大 デモ 中破 止マリ デ、大破シタ 者ハ イマセン」



ル級「上出来ダ。傷 ノ 少ナイ 者ハ、中破シタ 者ニ 肩ヲ 貸シテヤレ。撤収ダ」



「「了解!!」」





海のど真ん中の岩の上




VAVA「…」じー…




VAVA「こねぇ」




ドーン……………ザパーーーーーーン…



VAVA「なんだ、向こうの方が騒がしいな。戦闘でもあったのか…?」



ピク…



VAVA「ふん」ピッ!



シュバ!ピチピチ!!



VAVA「小せぇな。リリースだ」ぽいっ…



チャポン…



VAVA「…」



VAVA「遊びで釣りをしてみたが、こうも効率が悪いといかん」



VAVA「もう釣りはやめだ」チャキ…(銛)



VAVA「はっ!」ぴょん!



ザプーーン!!




しばらくして…



船着場



チャプ……ドゴォッ!!ザパァーーーーン!!



ビタァァァァン!!ズズズーーーーン!!



ザパッ!ヒュンッ……



VAVA「はっ!」



スタン!



VAVA「大物だ。これだけあれば、もう食料の確保はいらないかもな。供給が間に合うだろう」



VAVA「しかし…」



VAVA「大き過ぎるか……これでは食堂にも貯蔵庫にも入らない」



VAVA「こんなとき、ショルダーキャノンがあればクイックホームシックで解体できたんだが…」



VAVA「……ショルダーキャノン」シュン…



コツコツ…




龍田「今晩は~提督」



VAVA「龍田か」



龍田「食糧難。間宮さんからこっそり聞きましたよ。お使いご苦労様です。まぁ大きい~~何クジラかしらぁ」



VAVA「そうか。所でどうだ?なかなかうまそうだろ」



龍田「そうですねぇ…でも、こんなに大きいと、どこにも持ち込めないんじゃあないですかぁ?」



VAVA「そうなんだ。今、解体手段について考えていたこと所でな。天龍に頼もうかと思っていた」



龍田「あぁ……天龍ちゃんはこういうの苦手ですからぁ、代わりに私がやってあげますよ。クジラなら何度が斬ったことがありますから~」ニコニコ…



VAVA「できるのか。なら、やってもらおう」



龍田「うふふ~了解しましたぁ。腕がなるわ~~♪」スルッ……チャキ…




ピト……ズブブブブ……!




龍田「いい感触…♡えいっ♪」




ズバッ……グチャ…!!スパパパン!!ガリガリガリ…ゴキッ…プチプチプチ…シャッ……ブシューーーーッ!!




龍田「きゃん☆あはっ…あったかぁ~~い。新鮮なのねぇ……」ペロ…



VAVA「大したものだ」



龍田「大きいビニール袋いっぱい持ってきてありますから、どんどん詰めて冷凍庫にでも持って行ってくださいな~まだまだ時間かかりますよ~~」



VAVA「了解だ。切り取ったそばから順次もって行く」



工廠



叢雲「じゃあ、ダブらなかった人はこっち。ダブった人たちはあっち…」



叢雲「ごめんなさいね。帰りのバスは用意してあるわ。お土産のレトルトカレーはちゃんと持ったわね?」



はーーい……ぞろぞろ…



叢雲「これでよし…資材をたくさんつかっちゃったけど、ウチは余裕があるからこれくらい大丈夫よね…」



叢雲「ま、このラインナップを見れば、誰もが納得するわ。ふふ…今日はついてたみたいね」



叢雲「では、着任の確認をとります。右から順番に、艦種と名前を大きな声で言ってください」




白露「いっちばーーーーん!!駆逐艦 白露 です。よろしくねー!」



文月「駆逐艦 文月 っていうの。よろしくぅ」



利根「重巡洋艦 利根 じゃ。よろしくのう」



日向「戦艦 日向 だ。よろしく」



蒼龍「正規空母 蒼龍 です。よろしくお願いします」



飛龍「同じく、飛龍 です。よろしくね」




叢雲「やったわ!これで砲撃戦も航空戦も戦力がさらに向上したわね!あいつに報告してあげなきゃ!」





その日の夕食…



漣「おいし~~このシチュー!!」



イク「なのね~~♪」



鳥海「これは……なんのお肉でしょうか?ちょっと牛っぽいような、そうでもないような…」



ハチ「たぶん、鯨のお肉ですよ。以前、内地で食べたことがあります」



鳥海「鯨ですか。なるほど、私は初めて食べました。覚えておかなくちゃ。ハチさん、ありがとうございます」



初春「それにしても…なにやら最近、献立が偏りすぎてはおらぬか?健康と美容のためにも、もっとお野菜がたべたいのう…」



暁「うーん……野菜かぁ…………」小声



若葉「暁は野菜が苦手なのだな」



暁「ちょっと響!レディーに向かって何を……あ…」



若葉「ひびき…?私は若葉だ」



暁「あ、あの…ぼそぼそ喋るのが似てたから…似てたから……!」



電「確かに、お野菜は体のために沢山獲ったほうがいいのです。ね、若葉ちゃん!」



若葉「うん?まぁ、そうだな。緑黄色野菜…だったか。たくさん食べると良いらしい」



暁「響…」



雷「暁、すき焼きだって、おいしそうね!たべるでしょ?今、よそってあげるわね」



暁「う…うん」




VAVAのテーブル



VAVA「でかしたぞ叢雲。よくやってくれた」



叢雲「ふん♪褒めたって何もでないわよ」



大淀「言葉遣い」



叢雲「…」



VAVA「大淀、それは気にするなといつもいってるだろう」



叢雲「…」ツーン!



大淀「もう…」



天龍「おい龍田、そんなにくっつくなよ。字が書けないだろ」



龍田「食事のときくらいそんなメモとにらめっこしなくてもいいじゃなぁい…」



天龍「ダメだ。このメモにはな、今まで俺が仕掛けた攻撃を、あいつがどう避けてどう反撃してきたかの記録が全部書き残してあるんだ」



天龍「つまり、これはあいつに勝つための研究なんだよ。あいつに勝つってことは俺が超強くなったって証だからな。俺はあいつに勝ちたい…!」カキカキ…



叢雲「今の話本当!?……天龍さん!そのメモ!一緒に見せて!」



天龍「いいぜ!同志!!」



龍田「…」




白露「提督!こんばんわ!!白露だよ!!覚えてねー!」



VAVA「白露だな。覚えたぞ」



五月雨「お姉ちゃん!」



白露「およ?五月雨ぇ!久しぶりだねー!!」



五月雨「はい!お姉ちゃん、お元気そうで!」



白露「もっちろん!だって、お姉ちゃんは一番だもん。ねぇ?」



五月雨「はい!」



VAVA『ほう…艦娘にはあまり出世欲のようなものは無いと思っていたが…一番か。わかりやすくていい』



翌朝



廊下



蒼龍「提督、いい人だといいなぁ。あの外見じゃあどんな性格か、予想もつかないよ」



飛龍「そうねぇ。あ、蒼龍。私の髪、変になってない?大丈夫?」



蒼龍「うん、大丈夫。変じゃないよ」



飛龍「ありがと。あ、そこが提督の執務室みたいだね」



蒼龍「うぅ~~……初の着任かぁ、緊張するなぁ~」



コンコン…



執務室



飛龍「おはようございます。提督、朝の挨拶に参りました!」



蒼龍「おはようございます!」



那智「む?新入りか。あぁ、おはよう。残念だが、司令官ならここにはいないようだぞ」



飛龍「え?」



蒼龍「こんな朝早くからお出かけですか…」



那智「さて、どこへ行っているのやら。今日は私が秘書艦だというのに」



天龍の部屋前



龍田「あら~提督。天龍ちゃんなら今留守ですよぉ」ニコニコ…



ガチャ…パタン…



VAVA「そうか…」



VAVA『龍田は留守番でもしていたのか…?まぁいい。他をあたるか……』



ガシュンガシュン…



天龍「ん…?龍田、今誰かいたかぁ?……ふわぁ~~~~ぁ…」



龍田「うん。妖精さんが、郵便物間違えてもってきちゃったみた~い」



天龍「またかよ、あいつドジだよな~あぁ、龍田。今日も髪頼むわ…あー、眠い」



龍田「はいは~い♡その前に、まずは顔を洗いましょうねぇ♪」


あきつ丸の部屋



トクトクトク…コト…



あきつ丸「どうぞ、提督殿。お茶であります」



VAVA「うむ」



あきつ丸「大したお構いも出来ず、申し訳ないのであります」ササッ…



VAVA「いや、俺が勝手に来たんだ。気にするな」



あきつ丸「はっ、提督殿に来て頂けて光栄至極であります!」ピシ!



VAVA「そうか」



あきつ丸「して提督殿、何か用件があっての来訪なのでしょうか?気になるのであります」



VAVA「用はない。ただ、休みに来たかっただけだ」



あきつ丸「休み……で、ありますか?」



VAVA「いけないか?」



あきつ丸「いえ、このあきつ丸、提督殿のお役に立てて嬉しいのであります。狭苦しいところですが、どうぞ寛いでいって下さい」



VAVA「…」ズズズ…



VAVA『……食糧問題はほぼ解決したが……ショルダーキャノンは依然見つからないまま…ライドアーマーの開発も滞っている…』



VAVA『さらに、兵装の大半も失ったままと来ている…クソ、まだまだだな。早くベストな状態に戻りたいもんだ』



VAVA「ん…うまいな。これはなんというお茶だ?」



あきつ丸「玄米茶であります。お煎餅とよく合うのでありますよ。さぁ、どうぞ」コトッ…



VAVA「…」バリバリ…ズズズ…



あきつ丸『お煎餅を兜の隙間に差し込む姿が……なんとなく可愛らしいのであります。はっ!?いかん。上官に可愛いなどと…そう!雄雄しいのであります!』



VAVA「うぅむ。煎餅の醤油味と玄米茶の香ばしさが程よくマッチしている…美味い」ほっこり…



あきつ丸「お口に合ってよかったであります。提督殿、ここで一つ、自分と遊びませんか?」



VAVA「いいぞ。いい息抜きになる」



あきつ丸「では、これで遊ぶのであります」ゴソゴソ…でん!



VAVA「なんだこれは?」



あきつ丸「ご存知ないのでありますか?やはり、普通の将棋と比べて知名度は低いのでありますな」



VAVA「これも将棋というやつなのか?」



あきつ丸「これは、軍人将棋というのであります。遊び方は、やりながらの方が覚えやすいのであります」



VAVA「面白そうだな。よし、やってやろうじゃないか」


しばらくして…



パチッ!



あきつ丸「ふぅ………提督殿の司令部を占拠したのであります。これで、自分の勝ちであります」



VAVA「ぬ……ぐ!!!……………参った」



あきつ丸「とても初めてとは思えなかったでありますよ。自分、本気を出してしまったのであります」



VAVA「ルールを覚えてからは勝つつもりでやったが…及ばなかったか。負けたぜ」



あきつ丸「5、6回やっただけでここまで強いのはすごいであります」



VAVA「しかし、勝てなければな」



あきつ丸「おぉ、となればもうひと勝負といくでありますか。次も勝たせて頂くのでありますよ」



VAVA「望むところだ。次こそは勝つ」



あきつ丸「うふふっ♪まるゆ殿では相手にならず、ハチ殿も鳥海殿もいまひとつ。ここまで手強い相手は、大淀殿しかいないと思っていたのであります」



VAVA「勝負だ」



あきつ丸「いざ!」



ボーンボーン…



あきつ丸「む…?これは、昼食を知らせる鐘…は!?しまったのであります!!つい夢中になって……あわわわわわ…!!!今日の点呼も朝食も欠席してしまったのでありますぅ!!」



VAVA「何?もう12時か……」



あきつ丸「提督殿!!まことに申し訳ないのであります!!自分としたことが…うぅ……」ぺコォ~~!!



VAVA「あきつ丸」



あきつ丸「提督殿…?」



VAVA「行くぞ。昼飯だ」



あきつ丸「……はっ!お供するのであります!!」



食堂



青葉「あちゃ~~~こっぴどく叱られてますねぇ」パシャ!



初春「けしからん…と言いたいところじゃが、ああも怒ることはないのにの」パタパタ…



黒潮「まぁ、いつものことやん。大淀さんと司令はんのあーいうやりとりは」



霞「しんじられない。仕事ほっぽリだすなんて最低よ。さ・い・て・い!」



扶桑「ていとく…」



加賀「おかわりです。赤城さんもどう?」



赤城「めんどうですね。加賀さん、おひつごと頂いちゃいましょう」



装甲「で、できるわけありませんよ!そんなこと!!」



隼鷹「とっとと……くぅ~~昼酒も悪くないねぇ」



龍驤「うわ…酒くっさ……隼鷹、そろそろ大概にせんと、ほんと体壊すでぇ!」



大淀「クドクドクドクド…!」(愚痴)



VAVA「…あぁ、俺が悪かった。すまん」



あきつ丸「あの…大淀殿、もとはと言えば自分が…」



大淀「クーーーーーーーーーードクドクドクドクドクドクドクドクドクド…!!」(聴くに耐えない愚痴)



あきつ丸「あうぅ…」



VAVA「クハハ…♪」



大淀「提督…なんでこんなときに笑うんです?」ムスー…



VAVA「気にするな、続けろ」



大淀「…はぁ、次からは気をつけてくださいね。一人一人の意識が大事なんですから」



VAVA「わかったよ」



あきつ丸「了解であります!!」



那智「大淀、もういいか」



大淀「はい」



あきつ丸「那智殿。そうか、今日は秘書艦でありましたな。ご迷惑をおかけして申し訳ない!」



那智「いいさ。私は気にしていない。さぁ、行くぞ。貴様の手を借りたい」



VAVA「なんだ?」



那智「いいから来い。昼食は済んだのだろう」



VAVA「引っ張るな」



那智「なに、掴まえておかねば貴様は直ぐどこかへ行ってしまうようだからな」



VAVA「…」ズルズル…


道場



那智「ふんっ!」正拳突き!



VAVA「…」パシッ…!ブン…!!



那智「流した!?」



VAVA「隙を見せるな、隠せ」ワンハンドスラム



ビターーーン!!



那智「うぐぉ…!」



天龍「よそ見してんじゃねぇぞ!次はオレだ おらぁ!」斬り上げ!



VAVA「はっ!」バックステップ!



天龍「ちっくしょう!当たれ!!当たれ!!!当たれぇーーー!!!!」ブンブンブンッ!



VAVA「なかなか素早くなったが、まだだ」ピョン!



天龍「逃がすか!いくぜ!!新技、ドラゴンカッター!!!」ガシッ!ブブンッ!!



VAVA「!」



ヒュンヒュンヒュンヒュン……!



VAVA「ちっ!」スカッ!



天龍「ドラゴンカッターは二連撃なんだぜ!!」



ヒュンヒュン……チュイン!



VAVA「ほぅ…当てたか」



天龍「や、やったぁ!!初めて攻撃が当たったぁ!!!」ぴょんぴょん♪



VAVA「見事だな。これでは不覚はとれんだろうが、一撃は一撃。お前の勝ちだ」



那智「くそ…先を越されたか。見事だったぞ天龍。さすがだ」ムクッ…



天龍「へ…へへへ!見てろよ!!今にこの天龍様がおまえの両膝を膝を地面につかせてやっからな!!」ぴこぴこ!



VAVA「楽しみにしている。向こうは…まだ続いているようだな」



那智「そのようだ」



天龍「がんばれー!龍田ー!!叢雲ーー!!」




ガキン!!ガィィイイイイイイイイイン!!!



叢雲「ちぃぃい!!」



龍田「もっと速く、フェイントも織り交ぜて、ほらほらぁ~」



叢雲「なんで…!あいつとやりたかったのに龍田さんと…!!」ブンブン!



龍田「あははぁ♪だってぇ…私に勝てないようじゃあ提督には勝てないわよぉ?」カキン!



叢雲『この余裕……あの時の化物を思い出す…ムカつくわ!』



叢雲「槍なら…負けない!!いえぁああああああああああああああああああ!!!!!」ゴォォオ!!!



龍田「あらそ~~~」スッ…(足ひっかけ)



ゴッ…!



叢雲「あ…!?」ふら…



龍田「えいっ☆」こつん



叢雲「きゃ!」べちゃん!パッ………カラン…カラン…



チャキ…ぴと……



叢雲「うっ…」たじ…



龍田「ハイ、終わり……叢雲ちゃん、私が敵なら………今、死んだわねぇ…」にこにこ…



叢雲「ま………参りました」




龍田「才能はある。それは認めるけれど、あとはダメねぇ……ダメ。ダメダメ」



叢雲「くっ…」



龍田「私なら、戦闘中に得物を手放したりしないわ。絶対に」



叢雲「ありがとう…ございました」ぶるぶる…!



龍田「またやろうね。あ、天龍ちゃ~~~ん終わったわよぉ~~!!」



たたた~!



天龍「おーう!風呂はいって間宮さんとこいくぞー!」



龍田「はぁーい♪」



叢雲「…」



ガシュンガシュン…



VAVA「叢雲」スッ…



叢雲「……いいわよ、手なんて借りない。自分で立てるわ」スクッ!



VAVA「惜しかったな」



叢雲「どこがよ?ボロ負けだわ………ねぇ」



VAVA「…?」



叢雲「才能って……何?」



VAVA「いざという時に役に立たんチカラの事だ」



叢雲「ふぅん…あんた、捻くれてるわね」



VAVA「どこがだ?」



その日の夜…



執務室



那智「…」じー…(頬杖)



VAVA「…」パラ…パラ…



VAVA『ショルダーキャノン……リ級あたりが拾ってはいないか?あいつは行動範囲が広いからな。もしかしたら…』



那智「何を読んでいる?」



VAVA「艦娘の運用と育て方……という題の本だ」



那智「勤勉だな」



VAVA「暇だから読んでいただけだ……」



那智「そうか、暇か。なら、一杯どうだ?もう仕事も残っていまい」



VAVA「今は……酒を飲みたい気分じゃない」シュン…



那智「…」



那智「悩みか?」



VAVA「!」



那智「やはりな。なにを悩んでいる?話してみろ。私にできることなら……」



VAVA「悩む……俺が本当に悩んでいるように見えるのか?」ズッ…



那智「あ……なんだ……その、近いぞ。少し落ち着け。気に触ったのなら謝る。冷静に語ろうじゃないか」グググ…!



VAVA「……俺は、冷静だ」スッ…ストン…



ガチャ!!



足柄「那智姉ぇー!部屋に居ないからまさかと思ったけど、やっぱりまだここにいたのね!」



那智「足柄、来たのか」



VAVA「ノックぐらいしてから入れ」



足柄「ごめんごめん、ね、どうせ一杯やるんでしょ?私も混ぜなさいよ!」



足柄『抜け駆けはさせないわ!』ギロッ!



那智『そう飢えた眼をするな妹よ。まるで狼だな』



VAVA「そうだな。飲むか……」



とっとっと…ずいっ!



足柄「一杯目は焼酎でいい?二杯目はバーボンよね!あ、隣失礼するわね」どんケツ!



那智「おわっ…」ぽて!



足柄「おつまみ持ってきたのよ。何食べたい?チーカマ?スルメ?ミックスナッツ?カキピーもあるわよ!奮発してビーフジャーキーも持ってきたんだから!やわらかくて食べやすい高級品よ♪」



VAVA「何でもいい」

悩もうと思っても必ず合理的な結論に至ってしまう自分に腹が立ってそうなVAVAさん

>>1です。誤爆大変申し訳ありません。以下本文。




悩もうと思っても必ず合理的な結論に至ってしまう自分に腹が立ってそうなVAVAさん。(イレハンでは悩みまくりでしたが)


エックスとゼロはやはり別格ですね。


年末にもあまり更新できず申し訳なかったのですが、明日からまた仕事が忙しくなってしまうので、しばらく更新できません。


落ちたら立て直してまた書きます。今まで心配かけてすみませんでした。今年もVAVAファンにとって良い年になりますよう祈ってます。

お待たせしました。

再開します。



それから数週間後…







文月の部屋



文月「…」ウトウト…



VAVA「こうして…シンデレラと王子様は、いつまでも幸せに暮らしましたとさ……めでたしめでたし…」



文月「よかったぁ…………すー…」スヤァ…zzz



VAVA「…」こっそり…



カシュ…カシュ……カチャ…パタム…




廊下



VAVA「……悪い夢でも見なければいいが」



ガシュン…ガシュン…



VAVA『俺の知っている物語とは筋書きが多少違ったな。もっとグロテスクな演出があったはず…』



VAVA『この世界のシンデレラは、違うのかも知れん』



VAVA「ん?」



カチャ…ソソソ……



日向「おやすみ、雪風…」ボソ…



パタン…



日向「かわいいものだ…ん?」



VAVA「お前も寝かしつけか、日向」



日向「ということは、君もか」



VAVA「あぁ、ちょうどこれから一杯やろうと思ったんだが、お前もどうだ?」



日向「そうか…まぁ、たまには酒ぐらいいいか。いこう」



VAVA『日向…まだ着任して日は浅いが、なんとなく波長の合うヤツだ。飲む酒も俺と趣味が合う』



コツコツ…ガシュン…ガシュン…



日向「君が好んで飲んでいるあの銘柄のバーボン。またあれをやりたいな。ストレートがいい」



VAVA「あれは貴重品だ。ビン半分までだぞ」



日向「半分も飲んでいいのか…」




執務室



日向「うまい」



VAVA「そうだろ」クイ…



日向「…」ゴク…



コトン…



VAVA「…」



日向「…」



ピー…ピー……



日向「君、それ通信じゃないのか。内線では?」



VAVA「誰だ、こんな時間に……いや、外部からだ」ピッ…



日向「何…?」



VAVA「…あぁ、お前か。何のようだ?」



日向『随分くだけた話し方だな。相手は誰だ…?』



VAVA「なんだと…?」



ガタ…ッ!



VAVA「お前が持っているんだな!?」



日向「…」



VAVA「どんなつもりか知らないが…いいだろう。やってやろうじゃないか」



ピッ!ブツン…



VAVA「…」




日向「君…?」



VAVA「日向、悪いな。今日はもうお開きだ」



日向「何の通信だったんだ?教えてくれてもいいだろう」



VAVA「それは後日全員に伝える。今は自室へ戻れ」



日向「…」



日向「…了解」スク…



スタスタ……ガチャ…バタン…



VAVA「…」ストン…



VAVA「随分と間が無いな……」



VAVA「猶予は…十日か」


時は、ほんの少し遡る…


とある海岸



ザザーーーン…



ザパァッ!!………フラフラ……グラ…!…バシャァン!!



飛行場「ウ……フィ………ハァハァ……」ゼェゼェ!



よちよちよちよち……ぺちゃん…!



飛行場「ツ…」パァー…



リコリス「つかれたぁ…」ポン!



リコリス「…」ギュッ…!



リコリス「ふぅ…よかった。壊さず持ってこれた……う…ちょっと…や…ばい……かも…」ボォン…



飛行場「ア…!?」ボロボロ…



リコリス「っと、危ない危ない…」キラッ!



リコリス「ちょっと…休まなきゃ……」



リコリス「家帰って…VAVAに連絡して……もう寝るぅ…」スクゥ…



リコリス『いたた…思いのほか手こずった……一週間…いや、十日くらい必要かも…』



てくてくてくてくてくてく……



リコリス「へい、タクシー」ノシ



ブーーー…キキッ…バタン……ブロロロロ…



「お客=サン…何処まで?」



リコリス「海軍の宿舎までお願いしまーす」



「畏まりました…」



ブロロロロー…!


ブロロロロローーー…



「…」



リコリス「あ、コンビ二。運転手さん、そこ停まってくださる?」



「へい」



キキッ…



数分後…



リコリス「おまたせしました」



「いえ…」



バタン…ブロロロローーー…



リコリス「運転手さん、窓開けてくださいな」



「はい」カチ…



ヴーン…↓



リコリス「ありがとう」ペロペロ…



「あ!……すみませんね。車内でアイスを食べるのはちょっと…」



リコリス「あぁ、ごめんなさい…もう食べ終わっちゃったから。次から気をつけます」



「…」




宿舎前



キキッ…



「割増しで6800円です」



リコリス「じゃあ一万円で。おつりはいりません。帰りにアイスでも食べてください♪」



「ドーモ…」



ブロロロロー…



リコリス「…ほっ」



リコリス「今日はバラのお風呂にしましょう」ルンルン~☆



海辺のハイウェイ



ブロロロローー…



「…」



スッ……ベリベリベリ…



川内「ふぅ!」〔夜|戦〕



川内「チッ…この夜戦仮面が収穫無しとは………真っ白しろ助め。隙だらけなようで……まったく隙が無い…」



川内「下手に動いたら逆にやられていた」



ブロロロロローーーーーーーーーーーーン!!!!



翌朝



艦娘宿舎



ぐ~~~…すや~~~~~~~……



ジリ…



ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリィーーーー!!!!



ドタドタドタドターーーーーーーーーーーーーーーー!!



!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?



な、なんやこの鈴ぅ!?



緊急呼び出しのベルでち!!



いそげ!!ラウンジだ!!!



今日はなんの日ぃ~?



何の日でもねぇよ!いくぞっ!!



あらあらぁ~♪敵襲かしらぁ…



ラウンジ



VAVA「…」



ざわ…ざわ……



五月雨「提督、皆さん集まったみたいですけど…」



VAVA「川内がいない」



那珂「ごめんねぇ~川内ちゃん今日は具合悪いらしいんだ。だから、今日は休むって」



神通「ごめんなさい…姉さんの分まで、私たちが働きますから」



VAVA「そうか、まぁいい」



ゾロゾロ…



VAVA「こんな朝早くから、お前たちを呼び出したのは他でもない」



VAVA「本部からの連絡だ」



日向「…内容は?」



VAVA「姫だ」



!?!?!?!?!?!



どよどよ…!



VAVA「これで三度目になる。ここへ姫の討伐指令が下った。それも、作戦開始までの猶予は十日だ」



長門「たったそれだけか…ふむ、急ぎの準備が必要になるな」



大和「そうですね。51cm砲……ついに実戦であれを使える…!」



長門「ん…大和。そう気張りすぎるな。まだ我々が出るかもわからんのだから」キリッ!



大和「すっ…すみません。つい……」



長門『また姫か……ヤだなぁ~…頼む提督!私を選ばないでくれ!!もしくは弱いのこい!!』



大和『さすが長門さん…!』



VAVA「急な指令だが、遂行可能と判断してこの任を受諾したわけだ」



赤城「提督、目標の姫の名はなんでしょうか?」



VAVA「飛行場姫…という姫らしい」



ざわざわざわざわ!!!!



暁「ふえぇ…!ひ、飛行場姫ですって…!?」びくびく…



漣「あ…!急に腹痛が…」



千代田「聞いたことがあるわ……飛行場姫といったら……」



隼鷹「あぁ、千代田。有名な話だね…昼が夜になったっていう…」



満潮「不思議なチカラを使ってくるのは確かね…」



加賀「沈められた艦娘は数知れず………落された拠点も100を悠に越えるらしいです…」



鳳翔「なんて恐ろしい……」



VAVA『やはり、あいつの危険度は装甲の言う通りのようだな』




わっはっはっはっはーーーー!!




VAVA「ん?」




利根「皆の衆!うろたえるでない。確かに恐ろしい相手じゃが、活路は必ずあるはずじゃ」



VAVA「お前は…」



利根「提督よ、着任してしばらく挨拶がすんでおらんかったが……挨拶代わりじゃ!」



利根「此度の戦、この重巡 利根に旗艦をまかせてもらおうかのう!」



VAVA「…」



天龍「おいてめー!新入りの意見なんざ誰もきいちゃいねーぞ!!大人しくしてなぁ!!」ギロ!



VAVA「いいだろう、利根。旗艦はお前に任せる」



天龍「あら……!?」ズルッ…



利根「うむ!ありがたいぞ♪必ずや、期待に応えて見せよう!!」ニカッ!


その日の夜…



執務室



大淀「…」クルクル…(ペン回し)



VAVA「大淀、いい加減に機嫌を直せ」



大淀「すみません。まだ、片付けなきゃいけない書類が残ってるんです。編成とか、妖精さんの配置替えとか。あしからず」ツン



VAVA「…」ムカ…!



VAVA「…」



VAVA「…」シュン…



大淀「…」ツーン



VAVA「……次こそ重要なことは前もってお前に話そう。約束する」



大淀「…」ちら…



VAVA「許してくれ」



大淀「本当に?約束ですよ?」



VAVA「約束だ」




大淀「…提督、ごめんなさい。私ったら、つい意地を張ってしまって……仲直り、してくださいますか…」



VAVA「大淀…」



大淀「提督…」そっ…



ピタ…(大淀の手が、VAVAの手に触れる)



て…く……しれ……か………………ザザーー…………



ザー…ザザザーーーーー………E…R……ガガ……ピー………



(ばば!これもってきた!!)


(わぁ♪いい子いい子!素直になるってすごくむずかしいことなのよ。でもなれたじゃない!とってもえらいわ!司令官すごいすごーい!)


(しれいかーん!また一緒に走りこみしましょーーね!!)


(ううん………おめでとうなの。これ、イ…イクからのご褒美♡)


(鉛筆と消しゴムと提督ちょーだい)







ERROR………ERROR……ERROR…!





(提督…司令官…しれぇ…キミ…提督殿…てーとく…司令官さん…貴様…提督さん………………クソ提督!)





VAVA「…!?」バッ…



大淀「あっ…」



VAVA「すまない、大淀。少し一人にしてくれ」



大淀「え……わ、私、何か……」



VAVA「お前は何も悪くない。考えごとがあるだけだ。頼む。出て行ってくれ」



大淀「…はい、おやすみなさい。ゆっくり、休んでください…ね」



VAVA「あぁ、お前こそな」



パタン…コツコツコツ……



VAVA「い…行ったな……」ぐら…



ドン…ズルルル…



VAVA『ま…た…………見たくも無い夢を……見せ…られるの…か……?』






ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!ERROR!






VAVA「う…ぐぐ…」スッ…



カチッ…(施錠)



VAVA「…」ガクン…


「…」




「武装を解除され……エネルギーも制限され…」



「手足を封じられ……こんな所に閉じ込められ…」






ドォォォォオオン……グラグラ………






「騒がしいな…」





ズズーーーーン…





「最近…イレギュラー共が…増え続けているらしいな…」





ゴゴゴゴゴ…





「そのせいで…罪の無いレプリロイドや…人間が…」



「沢山…死んでいるらしいな…」



「……俺には、関係のない話だが」



コツコツコツコツ……




「いったい誰がこんなことを!!!はっ…隊長!大変です!!拘束していたイレギュラー達を何者かが逃がし…」




シャキィン……ヴーン…




「た、隊長!?何を……ぎゃああああああ!!!」



「うわぁあああああああ!!!」






ズバン!!ズシャーーーーーーーーーー!ズガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!





「ぐぁあああああああああああああああああ!!!」



「隊長…が……イレギュ…ラぁ……」



ヴーン…チャキ…



コツコツコツコツ…





コツコツコツ…



「誰だ…?」



ウィーン…



「VAVAよ」







VAVA「…ふん」






「…」



VAVA「直々に俺を処分しようと…?」



「…」チャッ…



ヴーーン…シャキィ……!



VAVA「!」



シュパン…!!



VAVA「くっ…」バッ!



カラン!!コロン!!!



VAVA「これは…!?」




「チカラを貸せ」ヒュン…!




ヴーン…チャカッ…




シグマ「エックスを倒す」





VAVA「エックスを倒すだと…?」



シグマ「そうだ。ひいては、それが我々の進化につながるだろう」



VAVA「クハハ…」



VAVA「何を言い出すかと思えば…」



VAVA「一応、隊長という立場とその強さに、畏敬の念とやらを示してきたつもりだったが…」



VAVA「俺はお前を買いかぶり過ぎていたようだな」



VAVA「進化につながる?ハッ!あの悩んでばかりの甘ちゃんハンターが、何をしてくれるというのだ!!」



シグマ「悩む?そう。悩むことこそ他のレプリロイドには無い特殊な能力だ」



シグマ「甘さゆえにエックスは悩み、深く考え、通常のレプリロイドが達しえない結論にたどり着くのだ」



シグマ「だがエックスは本来の力にまだ気づいていない」



VAVA「そのエックスの力を引き出すために、自らイレギュラーになるというのか…?」



シグマ「そうだ」



VAVA「俺にもその手伝いをしろと……」



シグマ「だからここに来た」



VAVA「狂ってやがる…!」



シグマ「強制はしない。誰にでも出来ることではない」



シグマ「自ら狂うことの出来るものでなければ」スッ…



コツコツコツコツ……



VAVA「…」



OP ハイウェイ





(西エリア…!ザーーー…交戦中!……救援を……もう…だめだ、ザザー……イレギュラーの数が多すぎるっ!!)





エックス(待ってて下さい!直ぐ、そちらに向かいます!!諦めてはだめだ!!)



ゼロ(エックス!!西エリアは俺に任せろ。お前は、ハイウェイに集結しているイレギュラーを叩け!!)



エックス(ゼロ…!ありがとう!!)



ゼロ(気をつけろ、エックス。シグマ隊長が行方不明、おまけに拘束されていたVAVAは脱走した。何か…タイミングが良すぎやしないか?嫌な予感がする…)



エックス(シグマ隊長が……!?まさか、VAVAがイレギュラー達を…!)



ゼロ(そう考えれば辻褄は合う。が……俺はあいつが、こんな数に物を言わせた戦術を取るとは思えない。何か別の…優れた指揮官がいるはずだ)



エックス(優れた指揮官…)



ゼロ(おっと、お出ましだぜ!推理ゲームはお預けだ。エックス、もう一度言うが、気をつけr…)





ブツン…





VAVA「流石だな………勘だけは認めてやるぜ。ゼロ」







ウィーン…ズンッ!ズンッ!ズンッ!



VAVA「いい音だ…………武装解除もされていない。保存状態もいいときてる。無能な間抜け共もたまには役に立つか」





………ボーン!!ドゴォーーーーーン!!!





VAVA「ふん、あそこか…」



ウォーン……ダンッ↑↑



VAVA『可能性……?戯言だ』




VAVA「悪いが、世界を変えるのは…」






RE BOOT







鎮守府の外れ




VAVA「この俺だっ!」ライドアーマー搭乗(小破)




シーーーーーーン…ザザーーーーン……ザザーーーーーーン……




VAVA「…」



VAVA「?」



VAVA「はっ!?」



VAVA「ここは何処だ?確か、あのまま意識を失ったはず……なっ!?!?」



バチバチ……ビリリ…ッ!



VAVA「ライドアーマーだ!」



VAVA『間違いなく俺の愛機だ……しかし、片腕が無いのはどういうわけだ…?』



VAVA『わけがわからん。いったい、何が起こっているのだ…!』



VAVA「…」カタカタ…



VAVA『わからん…が、裏で何かが動いている…俺の知らない何かが…俺を戦わせようとしているのか…』



VAVA「!………手が」ブルッ…



VAVA『こんな感覚は、今までに無い………恐怖?俺は…何を恐れているんだ』



VAVA「…」



VAVA『誰でもいい……………顔が見たい。艦娘でも、深海棲艦でもいい…顔が……』




長良「ぁ…」ぼーぜん…



VAVA「!」



長良「あの…私、朝のトレーニング中で、ジョギングしてたら…司令官が大きなロボットに乗ってて…」混乱



VAVA「…」



バッ……スタンッ!



VAVA「驚かせて悪かった。新兵器の試乗をしていたんだ。ちょうど今終わった所だ。トレーニング、付き合うぞ」



長良「え…それは嬉しいですけど……置きっぱなしでいいんですか、新兵器…腕、壊れてますけど…」じー…



VAVA「後で取りに来ればいい、いくぞ!」ガシュン!ガシュン!ガシュン!



長良「あっ………はい!!」タタター



朝練後…



シャワー室



シャワワ~~…



VAVA『少しだが、ボディが汚れている』ゴシゴシ…



VAVA『やはり、意識の無い状態で俺は活動していたのか…』ゴシゴシ…



長良「司令官、すみませーん!」(壁越し)



VAVA「どうした?」



長良「ここのシャンプー切れてるみたいで、そっちのシャンプー貸してくれませんかー?」



VAVA「わかった。投げるぞ?いいか?」



長良「どうぞ!」



ひょい!………ぱしっ!



長良「ありがとうございますー!」



VAVA「そのまま置いておいていいぞ。こちらのは後で俺が補充しておく」



長良「はーい!」




シャワワ~~~…キュッ…



VAVA『今回は一晩で目覚めたようだ。カレンダーが進んでいない』



VAVA『不幸中の幸いか……あいつらに情けない姿は見せられんからな』



VAVA『意識が無い間の行動を、誰かに見られちゃあいないか…それだけが気がかりだ』



VAVA「先に上がるぞ」



長良「はい!お疲れ様です!!司令官、いつもありがとうございます!!!」



ガララ……ガシュンガシュン……



フキフキ……ヌリヌリ(金属用ワックス)



VAVA「~♪」ピカピカ!



VAVA「さて」



VAVA「メカニックコンビを呼ぶとするか」



ガシュン…ガシュン……




工廠



ウィーン…(クレーン)



「おらーい!おらーい!!」



ゴンッ…!



「おい!もっと丁寧にあつかえー!!」



「やるきあんのかー!妖精界にたたきかえすぞー!」



「すんませーん!」



「とりあえず、腕の漏電をとめるべー」



「「「「おー」」」」





VAVA「まったく、ここのチビどもは有能だな」



明石「でしょう。ここには腕利きのベテラン妖精が何人もいますから」



夕張「いやーーいいデザインですねー!これまた何時の間にあんなものを用意したんです?」



明石「以前、提督が見せてくれた設計図の新型艤装に似ていますね」



VAVA「あぁ、ライドアーマーといってな。昨日の晩の内に手に入れたらしい」



夕張「誰が?」



VAVA「俺だ」



明石「?」



VAVA「時間はあまりないんだ。始めるぞ」



明石「はい!」



夕張「はい!」





大淀『昨日は変な別れ方しちゃったなぁ……』



ガチャ…



執務室



大淀「提督、おはようございます」



龍驤「ん?おはよう。提督なら、工廠やで」



大淀「そうですか……今日は龍驤さんが秘書を?」



龍驤「せやで。にしても、なんや。浮かない顔しちゃって、どうしたの?」



大淀「いえ、何も」



龍驤「ふーーーーーーーん………………なら、いいんだけどさ。さぁて、今日もがんばろか仕事仕事!」



大淀「はい…」



龍驤『やっぱ嘘やん』



工廠



一日目…



カパッ……プスン…プスン…



VAVA『思ったほど酷くは無い。昔は何台も用意して暴れたもんだが、今はこいつだけだ…大事にしなくてはな』



明石「な、なにこれ!見たこと無い部品で!!見たこと無い構造が!!」キラキラ…!



「なにこれ…直せるかなぁ…」



「てやんでばろっしゃい!直すんだよ!!結局は鉄の塊にちがいねぇ!」(江戸っ子)



VAVA「俺の指示通りに動け。この分なら三日もあればどうにかなるだろう」




二日目…



ウィイイン……ガシッ!!



「わぁ!!かっこいい!!!」



「腕が動くようになったー」



「でも、もう片方の腕は…」



明石「くやしぃ…!ここの施設じゃ、このマニピュレーターの再現は…無理だわ」ガックシ…



「肘から先に 何もつけないのは さびしいから、おっきなドリルでもくっつけない?」



「どりるぅ?えー…ださーーーい!」



夕張「ドリルはちょっと…」



VAVA『良い案だと思ったが…』



三日目…



「プラグおっけー!」



VAVA「よし、全員離れろ。動かすぞ」



ブーーーン……ウィン…………ズンッ…ズンッ…!!



「歩いたーー!!成功だーー」



明石「やったぁ!」



夕張「やりましたね!」



ブツン……




扶桑の部屋



扶桑「提督は今日も工廠にいるのね…」なでなで…



雪風「しれぇ!ですか?」わしゃわしゃ…



扶桑「ええそう……不思議ね。あなたをお膝に乗せていると、なんだか私も幸福になれる気が…」



雪風「なれます!扶桑さん、いい人です!!雪風がいなくても、きっとお幸せになれます!!」



扶桑「ありがとう…」



山城「姉さま、お茶を淹れました。ほら、雪風にはホットミルクいれたわよ」



雪風「いただきます!牛乳だいすきです!!」



山城「あっこら!ちゃんとふーふーして飲みなさい!やけどしたらどうするの!」





ブツン…





山城「え…!急に暗く……あ!!」ゴッ…



バシャーーー!!



扶桑「ありがとう山し………きぃやぁああああああああああああああああああ!!!!」



山城「姉さま!?」



雪風「?」


工廠



「わぁーーー!?まっくら!?」



「停電だなー」



明石「電気が…お、大淀に怒られる」



夕張「歩くだけで鎮守府の電源が落ちるなんて…」



VAVA『やはり問題はエネルギーか…』



VAVA「計画変更だ。動力には、燃料と電力を両方使うハイブリッドエンジンを採用する」



「あいあいさー」



VAVA「明石、エンジンの出力は常時50%以下に設定するんだ」



明石「わかりました。少しでも省エネしないと…」



VAVA「夕張、お前は腕部の兵器開発を頼む」



夕張「了解!とりあえず、直ぐに作れるので鉄球なんてどうでしょう」



VAVA「何でもいい。任せる」



翌日



執務室



VAVA「この忙しいときに…しかし、戦力の増強も大事だな…」



大淀「大規模作戦と新兵器の開発で多忙とはいえ、挨拶くらいはしっかりやっておかないと。皆の協力のおかげで、新規の艦娘をいっぱい迎えられました」



五月雨「型式順にならんでもらってます」



VAVA「右から、名前を言ってみろ」



白雪「白雪です。よろしくお願いします」



VAVA「吹雪の姉妹艦たちか、よろしくな」



初雪「き…」ぼそっ…



VAVA「?」



VAVA「なんだって?」



初雪「つゆき……」



VAVA「つゆき……?………津雪か、いい名前じゃないか」



初雪「ちがう………は・つ・ゆ・き!………です……よろしく……」



VAVA「初雪か。覚えておく」



初雪「ん…」



磯波「あ、あの…磯波と申します。よろしくお願いいたします」



VAVA「うむ」



深雪「深雪だよっ!よろしくな♪」スッ(握手)



VAVA「…」ギュ…



深雪「あははっ!なにこの手、おっきぃなぁ~~!!」ブンブン!




朧「アタシ、綾波型駆逐艦 朧 。誰にも負けない」キリッ



VAVA「お前らは曙と漣の……ほう、そいつは頼もしいな」



朧「たぶん…」ふにゃ



VAVA「…次」



潮「特型駆逐艦…綾波型の 潮 です…」



VAVA「さっきからちらほらと元気がないのがいるな。そんなことで深海棲艦と戦えるのか?」



潮「ごっ…ごめんなさい!がんばりますから…」



初雪「…」



VAVA「まぁいい、新規の駆逐艦は六人。後はなんだ?」



大淀「重巡が二隻、軽空母一隻です」



VAVA「軽空母か、軽空母は好きだ。燃費も良いし、よく働くからな」



大淀「例外もいるようですが」



VAVA「そうだな」



大淀『よかった…いつもの提督だわ…』




その日の夜……



工廠



明石「本当にいいんですか……?私たち、お風呂行っちゃいますよ」



夕張「あんまり無茶してもいい結果は出ないと思うけど…」



VAVA「いい。後は俺一人で出来る。お前たちは早く風呂入って歯磨いて寝ろ」



明石「わかりました。お先に失礼します」



夕張「がんばってね」



VAVA「あぁ」カチャカチャ…



しばらくして……



VAVA「…」グイグイ!



ガララ……



VAVA「?」



龍驤「や」



VAVA「龍驤か、何だ」



龍驤「夜更かしや」



VAVA「寝るのも仕事のうちだぞ」



龍驤「固いことは言いっこなし。ほら、ウチがおにぎり作ってきてあげたから。こっちきて食べてや」



VAVA「夜食か……悪くない」スッ…ピョン!



スタッ…



龍驤「そんなごっつい鎧身に着けて、よくやるなぁ」



VAVA「慣れてるからな」



龍驤「ほい、お茶は冷たいのと熱いのどっちがえぇ?」



VAVA「冷えたのを頼む」



龍驤「あいよー」トクトクトク…


VAVA「…」もぐもぐ…



龍驤「…」じー……



VAVA『間宮に勝るとも劣らず……と言いたい所だが、間宮のほうが上手だな。おぉ?おにぎりの中にから揚げだと……!これは美味い』



龍驤「どや、おいしい?」



VAVA「ん……うむ」もぐもぐもぐもぐ…



龍驤「ならよかった。ねぇキミ、最近どう?」



VAVA「何がだ?」フキフキ…



龍驤「いっつも無茶ばかりして、疲れない?」



VAVA「疲れは無い。が、以前は……これ位が当たり前だったからな。別になんとも思っていない」



龍驤「以前?キミ、海軍に入る前に何かやってたん?傭兵とか?もしかして、特命スパイとか?」



VAVA「…」



龍驤「……キミも苦労してきたんやね」



VAVA「…」



龍驤「皆、いっつもキミの話ばっかりしてるんやで」



VAVA「……俺の?」



龍驤「特に盛り上がる話題が、キミの 正体 についてとか……実際のところどうなん?」



VAVA「どう……と言われてもな。俺は俺だ」スクッ…



VAVA「気分転換に外へ出てくる。お前も早く寝るんだぞ」



龍驤「あ、ちょっとキミぃ!そんなイジワルしないで、教えてくれてもええやーん!皆には内緒にするからー!!」



ガシュンガシュン……


船着場



VAVA「くだらんことを聞きやがって……」



VAVA『何故、俺は…レプリロイドであることをあいつらに隠しているんだ?』



VAVA「……ヲ級たちのように、出会ったその瞬間に言ってしまった方が気楽だった」



VAVA「…」



チカッ…チカッ……パッパッ………



VAVA「うん?…………なんだ?」



チカチカチカッ……



VAVA「光通信?あいつらの宿舎から……誰だ?」



(こんばんわ ていとく みまわり ですか)



VAVA「……一応、返信してやるか」パッパ……!(T字 フラッシュ)



VAVA(そうだ で おまえは だれだ こんな じかんまで よふかしとは いかんぞ)



パッパッパ……



(ごめんなさい わたし しんいりで あすも まだ おしごとが ないらしいんです)



VAVA(しんいり そうか あのときの)



(はい ていとく そっちへ いっても いいですか)



VAVA(なぜだ)



(ていとく いそがしそうで ろくに おはなし できなかったから だめですか)



VAVA「…」



VAVA(わるかった)



(いいえ おきになさらず)



VAVA(まってろ いまいく)



(そんな ていとく に きていただく なんて わるい いいいい いいいい です)



VAVA(そこまで おどろかなくても いいだろう ちょうど きぶん てんかん ちゅうだ)



(ああああ ああああ ああごご ごあいさつ が したかった だけでして)



VAVA(おちつけ)



(ええええ ええええ ええええ えと はい わたしで よければ)



VAVA「…」パッ…



VAVA「なかなかおもしろいヤツだ」




艦娘宿舎 入り口前階段



ガシュンガシュン……



VAVA「あいつか……?」



「あ……こんばんわ、提督。お初にお目にかかります、私…」ピカー…



VAVA「目が、光るのか」



VAVA『ということは、さっきの光通信は目の光を利用していたんだな』



「すっ…すみません。光ってたら、わかりやすいと思って…………気持ち悪いですよね、こんなの」



VAVA「?……その目の何が気持ち悪いんだ?見ろ、俺なんか四六時中これだぞ。変だろう」



「いえ!?変だなんて、滅相もありません!それは戦闘の備えでしょう?」



VAVA「お前の光る目、俺は嫌いじゃない」



「……優しいんですね」



VAVA「いや、それに普通だろう。これくらい」パッパ!



「えぇー!?か、顔が光ってる…!懐中電灯かと思ってました!」



VAVA「自前だ」



「……うふふっ♪提督、おもしろい」



VAVA「俺の名はVAVA。お前は?」



古鷹「古鷹と言います。重巡洋艦のいいところ、たくさん知ってもらえると嬉しいです」





のそ……



「ふるたかぁ~?」ねむねむ…



古鷹「あ、ごめん。やっぱり起こしちゃった?」



「いやぁ?ただ、気になって降りてきただけ……ふあぁぁああ」



VAVA「お前も新入りだな」



「ん?だれ、あんた」



古鷹「ちょっと!提督になんてことを……」



「?」



VAVA「俺はVAVA。お前らの提督だ」



「あ、そうなの……え!?はやく言ってよ……」



加古「古鷹型重巡の2番艦、加古ってんだ、よっろしくぅー!」



VAVA「よろしくな」



加古「じゃ、もう寝るね。あたしぃ」ふらふら~



VAVA「起こして悪かったな。古鷹、加古の足元がおぼつかないようだ。ついていってやれ」



古鷹「はい!提督、おやすみなさい」




翌日



工廠



VAVA『あと四日か……急がねば』カンカン!



VAVA「ん……」



VAVA「おい!誰か、バーナー……いや、あれだ。高速建造材とって俺に渡してくれ」



「はい、どうぞ」



VAVA「うむ、すまんな」パシ!



「どういたしまして。どう?捗ってる??」



VAVA「まぁな」



「そうなんだ」



VAVA「…」ボーボー!



「次はモンキーレンチ?」



VAVA「いや、ラチェットレンチだ」



「はい」スッ…



VAVA「ありがとよ」パシッ…



「すごいわね、コレ。一体どういう兵器なの?」



VAVA「何度言わせるんだ。こいつはライドアーマーといってな……ん?」チラ…



「んー?」きょとん



VAVA「誰だお前」



「やっと気づいた♪私…」にこっ!




瑞鳳「瑞鳳です。軽空母ですが、錬度があがれば、正規空母並の活躍をおみせできます」



VAVA「瑞鳳か、記憶した。俺はVAVA、よろしく頼むぞ」ギュっギュ!!



瑞鳳「こちらこそ!ちなみに、私の特技は兵器開発です。特に専門なのは艦載機!!」



VAVA「ほう、機械いじりが好きか?」



瑞鳳「はい♪微力ながら、私も協力します」



VAVA「助かる」



ガララ……スタスタ…



明石「提督ーおはようございますー!お、瑞鳳ちゃんさっそくやってるねー」



瑞鳳「おはようございます!」



夕張「ん~~~~……大規模作戦まであと四日。明後日までには絶対仕上げたいですね」のび~!



VAVA「無論そのつもりだ」カーーーン!


海軍宿舎 



張り紙(絶対に起こさないでください。死ぬほど疲れています)



リコリスの部屋



リコリス「…」zzz…



リコリス「ん」パチ



ムクッ……



リコリス「あー…よく寝た。よし、治ってる」伸びー!



リコリス「今何日かしら……六日経過。一週間はかかると思ったけど、さすが私」ふふん!



リコリス「さってと!」ぴょん!



リコリス「そろそろ時間も迫ってきたし、バイトでも雇いにいきますか」




ぐぅぉぎゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる~~~~!!!!




リコリス「と……その前にご飯ご飯!」



カチャ!



リコリス「もしもし?ヘンダーソンですが。おはようございます。朝食を届けていただきたいのですが……え?」



リコリス「ウフフ……やだもー♪六日も飲まず食わずなわけありませんよ。ちょっと疲れてしまいまして……えぇ、その間は部屋で自炊していましたの」



リコリス「……そうなんです。やっぱりプロにはかないませんものね。……はい。おいしい朝食、待ってます」



ガチャリ…



リコリス「…」ごろん…ぽすっ



ごろごろごろごろ…



ごろごろごろごろごろごろごろごろ………



リコリス「まだかなー」


横須賀鎮守府



ラウンジ



北上「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー暇」



北上「あと四日も待つなんてさぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~」



北上「暇だなぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」



北上「…」



北上「大井っちがいればなぁ。暇つぶしくらい付き合ってくれるのになぁ」



北上「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー……」



テクテクテクテク!



子日「北上さーーーーーん!」



北上「ちっ……あんだよ、うざいなぁ。あっちいけよ」しっし!



子日「北上さん、今日も髪結んで!」



北上「ったく……初春は?」



子日「忙しいんだって」



北上「あっそ……ほら、こっちこい」ちょいちょい



子日「わーーーい!北上さんありがとーーーー!!」ぎゅー!



北上「くっつくなっつの」グイ!



子日「むぎゅ…」



ちょこん…



北上「動くなよー」



子日「はーい」



シュッシュ……シャララン…



北上「まったく、なんであたしが駆逐艦なんかの面倒みなきゃならないんだ……」ぶつぶつ…



子日「ねぇ、北上さん!」



北上「何?」むすー…



子日「どうして、戦争が起きるの?」



北上「…」



子日「戦争がなかったら、初春おねーちゃんも忙しくならないのに!」



北上「みんな、欲張りだからかな」



子日「えー、子日欲張りじゃないもん!」



北上「はいはい……出来たよ、三つ編み。あと……ほら、これやるから。酒保でお菓子でも買いな」ちゃりん♪



子日「わぁーー!やったぁ!!」



北上「あたしゃ、おまえらより高給だかんね。内緒だぞ」しーっ…



子日「はぁい!北上さま!!ありがとー♪」たたたー…!



北上「なぁにが北上さまだよ。現金なやつ」



北上「…」



北上「あーーあ。暇だ暇だ」



鎮守府内 トレーニングジム



那珂「スパイ映画の拷問みたい」



神通「はっ!……はぁっ!!」



ギチ……!ギシ……!!



神通「決戦はもう間近…!出撃に備えて……全身の筋肉をさらに締めておかないと……!!」



那珂「神通ちゃーん。ちょっとオーバーワークなんじゃない?」ハンモック



神通「何を言ってるの、那珂ちゃん。鍛錬にやり過ぎなどないのよ。オーバーワークなど未熟者の言い訳です」ギッギ…!



那珂「そうかなぁ…」ぶらーん…ぶらーん……



神通「提督が作ったというこの機械……暇つぶし程度のつもりだったけれど…とんでもない。とっても効くぅ…ありがたいっ!」ギュ…ギリッ!!



那珂「機械が自動的に負荷を判断して、自分の限界に挑戦させられ続ける機械……だっけ。えげつない機械ぃ」



神通「ふふふ……!所で……姉さんは?」ギシッ…!



那珂「大規模作戦の前に、調べておきたいことがあるんだって」



神通「さすが姉さん……私も、もっと鍛えねば…!!」



那珂「なんでそうなるの」



戦艦海底地下要塞



珊瑚道 ノ 間



パチン……パチン……



戦艦「…」スッ…プスッ



「…」ドキドキ…



戦艦「赤 ヲ モウ 一本」



「ハイ…」スッ…



戦艦「…」スチャ…



スッ…カチッ……ピタァッ………



「「「オォ~~~……」」」



ル級「…」



戦艦「我ナガラ、良イ モノ ヲ 創リ出ス事ガ デキタ……」



「ナンテ、美シインダロウ…」


「サスガハ、戦艦棲姫様…」


「ステキ…」



戦艦「…」ジロ…(壁)



戦艦「…」じーーーー…



戦艦「シテ……ソコノ 無礼者 ハ オマエ達 ガ 招 キ 入レタノカ?」




!?!?!?




ル級「速イ……モウ、逃ゲタカ」ボソッ…


ル級『素晴ラシイ 逃走 ダ……マルデ 足音 ガ 無イ』




戦艦「ル級。若イ部下 ノ 教育 ノ 為 トハイエ……我 二 不快感 ヲ 与エタコト……許シガタイ」ドドドドドッ……!




ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!




「ワッ…!?イ、イツ侵入者ナンテ…!?」ズデンッ!


「タ…タッテ イラレナイ…!」ぺちゃん…


「ヒィ…!地下要塞ガ……揺レテル」ガクガク…



ル級「申シ訳ゴザイマセン。必ズヤ、無礼ナ賊 ヲ 始末シテ 御覧 二 イレマス。ドウカ……オ許シヲ」ペコォー…!



戦艦「…」



ピタァーーーーーーーーーーーーー……シーーーーーン……



戦艦「必ズ 仕留メロ」クルッ…



コツコツコツ……



ル級「ハッ!聞イタナ、オマエ達。姫様 ハ 我等 二 汚名返上 ノ 機会 ヲ 下サッタ。コレヲ シクジレバ 命 ハ 無イト 思エッ!!」



「「「ハッ!!」」」



ダダァーーーーーーーーーーーーーッ!!!



戦艦海底地下要塞



内部



ドタドタドタドターーー!!



「イタゾーーーー!」


「逃ガスナーーーー!」


「撃テ撃テーーーーー!」



ドンドンドン!!バキューーン!!!



川内「くぅ……不覚ッ!!」



ダダダーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!



「ナンテ 素早イヤツダ!」


「シメタ!アノ先ハ 行キ止マリダーー!!」



川内「何ぃ…!?」



バァーーーーーーン…



川内「かくなるうえは……はっ!!」ボシュン!!



「ワッ!?煙幕ダ!?ゴホゴホッ!!!」




川内『好機!』




「クソォ……ヤツハ!!」


「ド、ドコダ!?」




ル級「ソコダ!」



川内「!?」サッ!



ドォンッ!!



川内「うぐっ…!?」ビスッ…!



川内「ぬかった…!」ドクドク……



ル級「フゥン!!」ブン!



ゴォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!



「オォ!煙幕 ガ 晴レテイク!!流石 ル級殿!!」


「ヤツダ!ヘヘへ 見ロ!!モロ ニ 食ラッタ ミタイダゼ!檻 二 ブチコンデ 体中 ノ 穴 トイウ 穴 ヲ 可愛ガッテヤルゼ」



川内「…」バッ!



ル級「ルッ…!?マサカ……」



チャッ…



川内「死して屍残すまじ」



ル級「全員 ヤツ カラ 離レロ!自爆ダァッ!!」




!?!?!?!?!?




川内「覚えておけ。それが、我等 夜戦 の掟」




カチッ!



ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!




シュゥ~~~~~~~~~~~~~…



ル級「ヌゥッ……無事カ!オマエ達!!」



「ハ、ハイ。ナントカ……」


「ウゥ…イ、イタイ……」


「大丈夫カ…!」



ル級「ヤラレタ……任務終了」



ル級「シッカリシロ。今、ドックへ 連レテ行ッテヤル」ガシ…



ポタリ………ピチョン…



ル級「ン…?」



ル級『換気口……滅多 二 使ワレナイ ハズダガ』



ル級「…」



クルッ…



ル級『アノ爆発 ノ 中 ヲ………』



「ル級…殿?」



ル級「喋ルナ。傷 二 障ル」



ノシノシ……



ル級『イツ見テモ 鮮ヤカナ色ダ……艦娘 ノ 血 ハ』


海上



ブクブク……



川内「ぷはっ!!」ザパァッ!



プカ~~……



川内『マスクが無ければ即死だった…』



川内「にしても、くそ~……まさかあんな攻撃を食らってしまうとは、私も修行しなおさないといかんなぁ…」



川内「それなりの収穫はあったけれども」



川内「ふっ……これで戦艦棲姫を相手にしたとき、有利に事を進められる」



川内「面目は保たれた」



川内「問題はあの白い女だ……どんな能力を持っていて兵力はいかほどなのか…正確な情報がほしい……」



川内「…」



川内「考えていても仕方ない。帰ろ」


それから3日後…



工廠



ウィーーーーン……



ズンズンズン……!!



ガキィンッ!!



VAVA「完成だ」



わーーーーーーーわーーーーーーーーー!!



夕張「やっとおわった……提督、私……ここで寝るから、晩御飯になったら起こして……」ガクッ…



明石「…」ぐ~……zzz



瑞鳳「わ…私も……ねりゅ……」こてん…



VAVA「おい、寝るな。待っ……よくもこんな油臭い場所で眠れるものだ」



「ていとくー……私達もねむいよう…」



VAVA「よくがんばってくれたな。だが、寝るのは風呂に入ってからにしろ。衛生的に良くない」



「はぁーい」


「おつかれー……」


「いっぱいねるぞー……ふわぁ…」



トコトコ……


運動場



VAVA「…」ガチャガチャ!



ズンッ!ガッガッ!!ドシンッ!!!



VAVA「よし、アブソーバーも機能している」



スタスタ…



利根「ほほぅ……提督よ、すごいものじゃのう」



VAVA「よう、利根」



利根「これが我が方の新兵器か……これなら深海棲艦などひとひねりじゃな!」



利根「して、明日の作戦では誰がこれに乗るのじゃ?」わくわく!



VAVA「俺だ」



利根「そうか……」しょぼん…



VAVA「……試しに乗ってみるか?」



利根「うむ!乗るのじゃ!!」


大規模作戦当日



ラウンジ



ざわざわ……!



VAVA「全員そろっているな」



飛龍「…」そわそわ…


蒼龍「…」そわそわ…



VAVA「お前らは……そういえば、空母が二隻……そうか、飛龍と蒼龍だったな。赤城と加賀から話は聞いている」



飛龍「は、はい!今回の作戦では、目立った活躍は出来ませんが、しっかりとここを守ってます!!」



蒼龍「私もです!」



VAVA「頼もしいじゃないか。さて、今回の編成だが、予定通り利根を旗艦とする艦隊を組んだ」



利根「ふふん♪」



大淀「今回は、夜戦による火力を重視しました」



VAVA「金剛型の艦娘がいれば少しは航路が楽になったがらしいが、無いものは無い」



利根「無い物ねだりなど無意味ということじゃな!」



VAVA「そうだ。だからこそ、圧倒的な火力がこの作戦の鍵となる」



イク「夜大好きなのねー♪」



VAVA「編成はこうだ」



旗艦 利根(ライドアーマー搭乗)


二番艦 大和


三番艦 日向


四番艦 妙高


五番艦 VAVA(ASキャノン装備)


六番艦 イク




長門「……ふむこの編成、私が出なくて平気なのか?相手はあの怪物、飛行場姫なのだろう」



日向「私では役不足だと言いたいのか。長門」



長門「いや、そういうわけではないが……大和、頑張るんだぞ」



大和「はい、長門さん!」



長門『よかった…ほんとによかった。あんな化物と戦ったら命がいくつあっても足りないもんね。でも…大和大丈夫かなぁ……心配だ』



山城「あぁ…お姉さま」



扶桑「いいのよ……どうせ、伊勢、日向に比べれば私達なんて……」



黒潮「チョイ待ち。ライドアーマーっちゅう新兵器があるんは聞いてたけど、利根はんに扱えるんかいな」



龍驤「せや。ウチも、あれはキミが乗るんやとばかりおもっとったで」



VAVA「最初はそのつもりだったんだが、俺がライドアーマーに乗ってしまっては、俺自身の火力が無駄になることに気づいてな」



五月雨「火力が無駄に?」



妙高「なるほど、既に高い火力を持つ提督が乗るよりも、他の誰かが乗る方が戦力強化になるということですね」



利根「我輩は旗艦。あれに乗っておれば、我輩が大破して撤退することも早々ないじゃろ」



VAVA「それに加え、お前達には応急修理要員の装備を義務付ける。これによって装備枠は圧迫されるが、安定感はより増すだろう」



イク「て~とくぅ、イクも付けなきゃダメなの?イク、チャッチャッチャ…ドーン!ってやりたいのね!」



VAVA「我慢しろ」



イク「はぁ~い……」



VAVA「全員、戦闘準備は怠るなよ」



了解!!



VAVA「出撃だ!!」


鉄底海峡(アイアン ボトム サウンド)



海上



サンサン……!



飛行場「陽射シガ 強イ ワネェ」ぱたぱた…



「アノ……本当 二 コンナ 守リ 方 デ イインスカ?」



飛行場「何ガ?」



「ダッテ、艦娘 ヲ 迎エ撃ツンデショウ?」



飛行場「エェ、ソウヨ」



「ダッタラ、サーモン諸島海域 トカ サンタクロース諸島海域 二モ 戦力 ヲ 分散スル ベキデショウガ!」



飛行場「フーン。ソノ プラン ナラ、ルンバ沖 二モ 配置 スルベキ デハ ナクッテ?」



「……ア!?ソッカァ!!ケド、ナニモ 素通リ サセルコトハ ナイジャナイスカ!!攻撃 シトキマショウヨ!」



飛行場「フフ……安心ナサイ。コレモ 作戦ヨ。アナタ達 ハ タダ、与エラレタ 仕事 ダケ シテイレバ イイノ」



「ウーン…………侵入 シテキタ 敵二 威嚇射撃 シテ 逃ゲルダケノ 仕事 カァ……手下共 モ 困惑シテマサァ」



飛行場「イイジャナイ。簡単デショ?」ニカッ!



「ハァ……長イコト 傭兵 ヤッテキマシタガ、コンナ 簡単 デ ギャラ ノ 高イ 仕事 ハ 初メテダ」



サーモン諸島海域



海上



VAVA「だいぶ進んだが、妙だな」ブォー…



妙高「ですね。そろそろ敵が出てきてもおかしくない筈ですが」スィー…



日向「まるで敵の気配を感じない」スィー…



大和「逃げてしまったんでしょうか?」スィー…



VAVA「かもな。利根、イク、そっちはどうだ」ピッ!



利根(上々じゃ♪敵も見当たらん。しっかし快適じゃのう、このライドアーマーというものは!!)ズシンズシンッ!



イク(いいな~……)



利根(我輩、海の中を初めて見たぞ!こうも美しいものだったとはのう…)キラキラ!



イク(ねぇ、ガラスも何も無いのにどうして溺れないの~?)



VAVA「操縦席がむき出しになっているように見えるが、実は目に見えないシールドで強固にガードされているのさ。海水はおろか、溶岩とて通しはしない」



日向「何て技術だ…」



妙高「扱いが非常に難しい兵器だと明石さんから伺っていましたが、利根さんは見事に乗りこなしているようですね」



VAVA「あぁ、あれはオートで動いているからな。利根は動く方向を操縦桿で指示しているだけだ」



大和「ということは……あれは誰でも動かせるんですか!?すごい!!」



VAVA「OSを書き換えるのは苦労したんだぜ」



ルンバ沖海域



大和「結局一度も戦わずに次の海域までこれちゃった……」



VAVA『何を企んでいる……まさか、鎮守府から俺を引き離すのが目的か?』ピッ!



VAVA「大淀、そっちに異常は無いか?」



大淀(いいえ?こちらは特に異常ありませんが……あ、ちょっと!)



雷(司令官、作戦が終わったら、雷がすき焼き作ってあげるわ!だから、早く帰ってきてね)



VAVA「すき焼きか、楽しみだな。雷、大淀に鎮守府の警備を強めろと伝えておいてくれ」



雷(わかったわ)



妙高「提督、前方に何か見えます。人影のようですが……」



VAVA「何?すまん、もう切るぞ」プツン…



大和「あれは……艦娘?」



日向「磔にされている……罠か?」



た~すけてぇ~~……



大和「提督、助けを求めています!行きましょう!!」



VAVA「待て。俺が行こう。安全が確認できたら、お前達も来い」



妙高「了解」



VAVA「利根、イク、海上に怪しいものを発見した。周囲を警戒しろ」ピッ!



利根(はわ~~…見てみいイク!!マンタじゃ!マンタがおるぞ!!わはは!おもしろい顔をしとるのぅ♪)



イク(オニイトマキエイなのね~かわいいのね~♪)



VAVA「…」スッ…チャポ……



大和「提督?何を……」



バルルルルルッ!!



妙高「!?」



利根(どわぁ!?何じゃこの音は!敵襲か!!)



イク(この音はてーとくの……提督、ごめんなさいなの。許してなのね……)



VAVA「安心しろ。空砲だ。利根、イク、周囲を警戒するんだ。いいな」



利根(す、すまんのう。つい……わかったぞ警戒じゃな!)



イク(警戒するのね!)



ソー…



VAVA『罠はないようだ』



「ぐすん…やっと誰かきてくれた…た、たすけて…お願いです!」



VAVA「お前は誰だ?」



能代「私…能代っていいます。艦娘として生まれたばかりなんですけど……お昼ごはん食べた後に散歩していたら、いきなり誰かに襲われて……」もじもじ…



VAVA『リコリスだな』



能代「気がついたら、海の真ん中に縛り上げられていたんです……あ、あの、あなたがどこの誰でもいいです!早く助けてください!!」



VAVA「急に取り乱して、どうかしたのか?」



能代「……そうなんです」ボソ……



VAVA「なんだと?」



能代「もれそうなんですぅ!早く助けてーー!!」



VAVA「わかった。今から撃つが、漏らすなよ」スッ…



能代「へ…?撃つって……」



パパパァンッ!



ビシビシ……パラッ!



能代「きゃあ!?」ぴゅー!



ガシッ…



VAVA「よし、漏らさなかったな。案外余裕あるじゃないか」



能代『この鎧の人、かっこいい……』



VAVA「お前ら!安全は確保できた。しばらくここで休む。キャンプを作るぞ」



海上臨時キャンプ



イク「うんしょ!こらしょ!」



スコスコスコスコ……!



日向「ん……イク。何をしているんだ?」



イク「提督の為に、ゴムボートを膨らませてるのね」



日向「ボート?必要か?」



VAVA「休む為にな。俺はお前らと違って水に浮かんでいるわけじゃないからな」ブォー…



イク「鎧から空気をいっぱい出して、ちょびっとだけ宙に浮いてるのね!」



VAVA「そういうことだ」



日向「あのライドアーマーだったか?あれといい……その鎧といい…君は未来人か何かなのか?」



VAVA「安心しろ。未来人ではない」



ジャーーーー……パタン



能代「ふぅ……あぶなかったぁ…」うっとり…



VAVA「不可解だ」



能代「あ、お待たせしちゃいましたか?すみません…」スス…



VAVA「この仮設トイレ、一体どんな仕組みになっているんだ?」



能代「トイレ?さぁ……考えたことも無いです」



利根「ふっふっふ……我輩は知っておるぞ」



VAVA「ほう?」



利根「我輩たちも経験したことがあるじゃろ?ほれ、着任してくるときのアレじゃ」



VAVA「あぁ、何処からか艦娘が呼び出されてくるアレだな」



日向「不思議と姉妹艦も血縁関係にある者が引き合って、呼び出されるらしい」



利根「あの構造が、トイレにも利用されておるのじゃ。用を足した後、海に流すのはとってもばっちぃからのぅ」



イク「海洋汚染絶対反対なのね~!」



利根「ちなみに……送られていったブツは汚水処理施設で綺麗になって川を流れて海に還るそうじゃ」



イク「…」



VAVA「なら、その構造とやらを使って燃料や弾薬を現地で補給できるんじゃないか?」



利根「それがのう、送る分にはこの程度の規模の装置で十分らしいのじゃが、受ける側に大掛かりな装置が必要らしいのじゃ」



VAVA「……物事、そんなにうまくいかないということか」



利根「うむ。それに、こういった おーばーてくのろじー といったものは、ひとえに妖精達の不思議な力のおかげじゃからのう」



VAVA「あのチビたちか……なるほど俺の理解が及ばんわけだ」



利根「恩恵は得られるものの……未だに謎が多いのが現状ということじゃな」



能代「あの、もうこの話やめません……?」カァ…///



大和「皆さーん、食事の用意が出来ましたよ」



妙高「妙高式海鮮カレーです。どうぞ、召し上がれ」



VAVA「カレーは好きだ」



しばらくして……



VAVA「……ということなんだが、どう思う?大淀」



大淀(確かに、おかしいですね……そもそも、その海域周辺は深海棲艦の上位個体が数多く出現することで知られています)



VAVA「ふむ……」



大淀(今回の大規模作戦に限った話ではなく、常に危険地帯として認識されている海域なんです。なのに、そこまで一切の戦闘がなかったなんて…)



VAVA「なんらかの作為を感じるな」



大淀(はい。深海棲艦の知能は、私達の想像を絶するものです。ここは、一旦帰投してはいかがでしょうか)



VAVA「……そうだな。土産もできたことだ。ここは一時、引こう」



大淀(了解しました。提t…………ど……したの……かし……ら………通信……妨g…!!)



ブツン…!


VAVA「…」



大和「提督!た、大変です!!空が!!!」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………ッ!!!




利根「まだ昼だと言うのに……これが、飛行場姫の魔術というやつかの」



日向「空が……歪んでいく」



イク「こ…こわいのね……どんどん真っ暗になっていくの…」びくびく…!



妙高「これは……時間を操ったとでも言うの…?もしくは、太陽の光を遮断したか、それとも…幻?」



能代「あ……阿賀野姉ぇ…矢矧、酒匂……また会えるかな………」がたがた…!




モワンモワンモワンモワン………ズゥウウウウウウウウウウウウウウウウウ…!!!




大和「光が……」



VAVA「逃がしはせん。と言うことか」



VAVA「このままここにいても仕方ねぇ。先に進むぞ」



能代「あの、私……」



妙高「提督、この暗闇の中を能代さんだけで行かせるのは、少し危険ではないかと」



VAVA「大丈夫だ。利根、一旦海面に浮上して来い」ピッ!



利根(了解じゃ)



ズズズズ……ぷか~…



VAVA「ライドアーマーのコクピットは、複座式に改良されている。中は広く造ってあるから快適だろうぜ」



カパッ!



利根「何、複座式とな?提督よ、中に椅子がないぞ」



VAVA「オレンジ色のボタンを押してみな」



利根「おぉ、これか。どれ」ポチッ!



ウィィーーーーーン……



利根「足元が開いた!なるほど、ここに座るのじゃな!」



VAVA「能代、そいつに乗り込め。作戦が終わるまで、お前には同行してもらう」



能代「わかりました。乗るからには、何か仕事があるのでしょうか?」



VAVA「特に無い」



能代「の、乗ってるだけ?」



VAVA「楽でいいだろうが」



深海BAR ダーウィン



港湾の寝室



北方「アーン!」



南方「ア~~~…」



パクッ……モグモグ…



北方「オイシィ?」



南方「ン~~!」ニコ~!



北方「ナンポー カワイイ!」ぎゅ~!



南方「ウー♪」ぎゅぎゅ~!



キャッキャ!



泊地「…」



港湾「全快 トハ イカナイ ケレド、回復 シタ ミタイネ」



泊地「体 ダケ、ナ」



港湾「ウン…」



泊地「マダ 握リ 締メテイルノカ。例 ノ 紋章」



港湾「エェ、余程 大事 ナ モノ ミタイネ」



泊地「南方 復活 ノ 手ガカリ ハ アレシカナイ ト イウノニ……港湾、オマエ ナラバ チカラズク デ 奪エル ノ デハナイカ?」



港湾「イエ……私デハ 無理ヨ。キット」



泊地「ドウカナ。オマエ ノ 怪力ハ アノ 戦艦 ガ 絶賛シタ 程 ダッタカラナ」



港湾「戦艦……腕相撲大会 ノ 時 ネ」



泊地「アァ、懐カシイナ。アノ時 ハ 皆 友好的 ダッタ」



港湾「アノ時、私ヲ 褒メテクレタ 戦艦 ハ モウイナイ。例ノ日 ヲ 境 二 彼女 ハ 変ワッテシマッタ」



泊地「戦艦 ノ 変貌……私ハ 仕方ガ 無イ ト 思ッテイル。シカシ、オマエ ハ 戦艦 二 可愛ガラレテイタカラナ。認メタクナイ 気持チ ハ ワカル」



港湾「…」



泊地「カ、カク言ウ 私モ ヨク 世話ニナッタ モノダゾ?」あせあせ…!



港湾「南方モネ……戦艦 ハ 皆 ノ オ母サン ダッタワ」



泊地「南方 ハ 自分 ヲ 変エタガッテイタ ガ…」ほっ…



南方「ホッ……ポ」



泊地「!?」



港湾「!!」



北方「ポ!今、ホッポ ッテ イッタ!!」



ガタッ!!



泊地「南方!正気 二 戻ッタノカ!?」



南方「?」



鉄底海峡(アイアンボトムサウンド)




飛行場「フフフフフ…………」ゴゴゴゴゴ………!




利根「ついに、ここまで来たのう……能代よ、もし墜ちても怨むでないぞ」



能代「怨みませんよ……ここまで来たら、一蓮托生…!」




大和『なんだろう。あの姫、誰かに似ている気が…すごく、優しい感じがする……』




日向「どうした大和、集中しろ!来るぞ……!」小破



大和「は…はいっ!」ジャキッ!



妙高「途中の奇襲で手傷は負いましたが…いけますっ!」中破



VAVA「飛行場…」ウィン…!



イク「デコイ上等なのねッ!!」中破



飛行場「ヨクゾ、ココマデ 辿リ着イタ」スッ…



ぽわ~~~~ん…



妙高「くっ!……体が軽い?艤装が修復されている!」



日向「痛みが、和らいでいく……」



イク「わっ!?水着がなおってるのねー!」



飛行場「サァ、体力 ト 燃料 ト 弾薬 ヲ 回復シテヤロウ!全力 デ カカッテクルガヨイ!!」



大和「待って!何故、回復してくれるの?」



飛行場「問答無用」



日向「武人というわけか…?」



飛行場「チナミニ、人質 トシテ 捕ラエテイタ 戦艦 武蔵 ハ ヤセテキタノデ 横須賀鎮守府 ニ 解放シテオイタ。確カ、オマエ ノ 妹 ダッタカ……ククク」



大和「武蔵が!?」



能代「人質って私だけじゃなかったんだ…」



飛行場「アトハ 私ヲ 倒ス ダケダナ…………クックックッ…」



VAVA「お喋りはそこまでだ。全員、一斉射撃だ!」



了解!!



飛行場「来イ!艦娘ヨォオオオオオオオオオオオオオ!!!」



深海BAR ダーウィン



港湾の寝室



港湾「偶然…ナノカシラ」



南方「ホッポ……!」ボソ…



北方「マタ イッタ!ナンポー エライ!オボエテクレタ!!」むぎゅ~!



南方「ホッポ~!」ニコニコ!



泊地「……ダメカ」



港湾「気長 二 待チマショウ…」



北方「キメタ!ホッポ、ナンポー ノ オ姉チャン ニナルッ!」



南方「オネ~チャン!」ニパッ!



泊地「ジャア、南方 ガ 統治 シテイタ 海 ヲ 全部 ホッポ ニ 任セヨウ カナ……」



港湾「ウフフ♪ソンナコトシタラ、アノ海 ハ オ菓子 デ 一杯 ニ ナルワネ」



泊地「ソレデモ イイ気ガ シテキタ……流石 ニ 南方 ノ 海域 ト、失踪シタ装甲 ノ 海域 両方 ヲ 治メル ノハ 骨ガ折レル」



港湾「マァ、無責任」



港湾『装甲チャン ノコト ハ 黙ッテオキマショ…』



泊地「シバラク カカル ソウダガ、空母 ガ 装甲 ノ 代ワリニ 来ルラシイ。ソレマデノ 辛抱ダ」



港湾「空母ガ?」



泊地「アァ、大方妹分 ノ 装甲 ノ 事ガ 心配 ナノ ダロウナ」



港湾「ソンナニ 心配スル 必要ハ ナイト 思ウケドネ」



泊地「何ノ 話ダ?」



港湾「ウウン、何デモナイ」



鉄底海峡(アイアンボトムサウンド)



ドカーーン!!



飛行場「グ、グワァアアアアアアアアアアアア!!!」



飛行場「バカナ…!?艦娘ダケジャナク…………歴戦 ノ 提督達 ノ 心 ヲ 幾度 モ 破壊 シテキタ コノ私ガ…!!」



利根「とどめじゃ!!鉄球パンチ!」ポチッ!



能代「パ、パーンチ!」



ゴォン!(右ストレート)



飛行場「ブッ!?」ゴシャァッ!!



飛行場『コ、コレハ チョット痛イ…!』ズキ…




ぴゅ~~~~……バシャアアン!




利根「わっはっは!我が方の勝利じゃ!あっけないのう!」



能代「やりましたね!!」



日向「余裕を見せるだけあって……手ごわい相手だったな」



大和「はい…」



妙高「任務完了ですね。提督」



VAVA「あぁ、イクは無事か?」



イク「無事なのね~」



チャプ……ガシィッ!!



飛行場「…」ニヤッ



VAVA「何ッ!?ぐっ……」



グイ!!ジャプン!!!



イク「提督!!」



妙高「どうしたの!?」



イク「提督が海に引きずり込まれたのね!!」



利根「なんじゃと!?追うぞ!イク!!」



イク「がってんなの!!」



ザプン!!ゴボボ……



水中



イク「…」トーン……トーン…



利根「能代!おぬしも探すのじゃ!!」



能代「はい!まだ、遠くには言ってないはず…!!」




数分後……




イク「だ……だめ……」



利根「イク、どうしたのじゃ」



イク「何も…聴こえないのね……提督の声も……あいつが動く音も」



利根「バカな、まだ近くにいるはずじゃ!」



イク「イクの耳はとってもすごいのね!!自分でも、自信があるのね……でも、何も聴こえない…!きっと、提督はどこか別の場所に連れ去られたのね!!」



利根「まさか……いや、しかし相手は姫…また不思議な術を使ったのか…?」



能代「利根さん、とりあえず浮上しましょう。みんなにこの事を伝えないと!」



利根「……そうじゃな。あの男のことじゃ。そう簡単にやられるはずはない」



イク「提督…」



なぞの空間



ドンドン!!バルルルルルルルルッ!!!



ヒュヒュヒュン……ドガァーーーーーーーーン!!!



VAVA「おらぁっ!」ドンッ!



飛行場「狙イ ガ 正確ナダケニ、予測モシヤスイワ!」スカッ!



VAVA「チッ……ふんっ!」バルルルルル!!



飛行場「急所 ヲ 外シテ 狙ッテ クレテル ノハ、チョット 嬉シカッタリシテ」にへ~



VAVA「お前を殺したら、ショルダーキャノンの場所がわからなくなる。だから外しているに過ぎん!」カコンッ……




ドゴォオオン!!




飛行場「キャッ……!モウ、素直ジャナインダ」



VAVA「真面目にやれ!」ダッダッダッダッ!!



飛行場「ワカッタァ!」左ストレート!



VAVA「っらぁ!」右ストレート!



ガギィイイイイイイイン…………!!!




飛行場「…」



VAVA「…」



ビュン!スタ……!スタン!



飛行場「サッスガァ!!ヤルワネ、VAVA。今ノ一撃ハ、並ミノ 艦娘 ガ 受ケタラ腕 ガ 弾ケ飛ンデイル所ヨ」



VAVA「茶番はもうやめろ。言え!お前の目的を!何故俺にこだわる!!」



飛行場「…」



VAVA「リコリス!!」



飛行場「マダ、ダメ。デモ、経過 ハ 順調ヨ。コノママ、モットモット、強クナッテ。VAVA」



VAVA「強く…だと?」



飛行場「今 ハ ソレダケ。サァ、再開 ト イキマショウ!今 ノ 私 ヲ 倒セナイヨウデハ、次 ノ 敵ハ 倒セハシナイ!!」キッ!



VAVA「あくまで俺の意に反すると言うんだな……いいぜ、ならば望みどおり、潰してやる!!」



飛行場「勝負!!アッハハ!楽シイワネ、VAVAァ♪♪」ギラ…!(赤眼)




VAVA『今までの姫タイプ同様、凄まじいタフネスだ。バルカンはおろか、ナパームさえまともに効いていない……』



VAVA『明石……この主砲は、三種類の弾を使えるんだったな。残り二種類、試してみるか』



シャコン!チャキッ……



VAVA「おらっ!」



ドンッ!



飛行場「あてっ」パキン!



VAVA「ダメか」



飛行場「次ハ 私ノ 番!ユケ、艦載機!!」ピュンピュン!



VAVA「はっ!」バルルルルル!!



ぽとぽとぽと~…



艦載機数0



飛行場「ヒドイ!!全部 落ス ナンテ!!!」



VAVA「これならどうだ!!」シャコッ……



ドンッ!!



飛行場「イタァイ!!キャア!ヤダァ!!髪 ガ 燃エチャウ!!」メラメラ!!



VAVA「!……三式弾が弱点……なのか?」



飛行場「水、水~~!!」ボウゥゥゥ!!



VAVA「自ら水のない場所に誘い込んだのが災いしたな」



飛行場「ムゥ……マダマダァ!!」FH



VAVA「きやがれ!あるだけぶち込んでやる!!」



数分間の死闘後…



フラフラ…



飛行場「モ、モウダメェ……」パタン…



ボワァ……



VAVA「さっさと言うことを聞けば……リコリス!?おい!!どうした!!!」



メラメラ……シュウ…………



VAVA「リ、リコリス……」



VAVA「…」



VAVA『何故、動揺しているのだ……俺は。いつもと同じだ。気に食わん存在を潰しただけだ…』



パァァァァ!!



VAVA「!?」



海上



日向「まだか、利根!!」



利根(今探しておるところじゃ!!そっちはどうじゃ!!上がってくる気配すらないのか!)



日向「あぁ……そうだ…!」



イク(提督…)



大和「…」



妙高「…」



ピカァ…!



日向「何だ…!?」



大和「えっ!」



妙高「新手がっ?」



VAVA「待て、俺だ。ゆっくりだ。砲を下ろせ」



大和「提督!よかった……」スッ…



妙高「大和さん!まだ本物と決まったわけではありません!!」



大和「あ……!」



日向「そういうことだ……君、いくつか質問に答えてもらおうか」



VAVA「よかろう」



日向「君の階級は、もちろん言えるだろうな」



VAVA「中佐だ」



日向「君が二杯目に飲む酒は?」



VAVA「愚問だな。バーボンだ」



日向「これが最後の質問だ。君が一番最初に部下として選んだ艦娘は誰だ?」



VAVA「忘れるわけがない。白露型 駆逐艦 6番艦 五月雨 だ」



日向「正解だ……ふぅ…どうやら本物のようだ」



VAVA「いい質問だったぜ」



日向「ありがとう」



大和「提督!」



妙高「提督、よくぞご無事で……姫は、倒したのですか?」



VAVA「……あぁ。燃え尽きて、消えた」



妙高「そうですか……」



日向「利根、私だ……上がってきたよ。独力でな。そっちも上がって来い……うん、たいした漢だよ」ピッ…



戦艦海底地下要塞



戦艦 ノ 間



戦艦「…!!」バンバン…ッ!



((超弩級パイプオルガン))



デレッデーーーー………デレッデデーーーーーーーー!!!



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♪



「今日 ノ 戦艦様 ノ 演奏、イツモ ト 違ウナ。何カコウ……余裕 ガ 無イ」ボソッ…


「馬鹿、聞コエルゾ……」ボソソ…



ダッダッダッダッダ……!



「戦艦様ーーーーーーーー!!!」



「貴様!姫 ハ 今、演奏中ダ!!」


「控エイ!!」



「ソレ ドコロ デハ アリマセン!!飛行場様 ガ……艦娘共 ニ 敗レマシタ!!!」



戦艦「…」ピタ…



「何ダッテ!?」


「飛行場様 ガ……!?ソレハ 真カ!!!」



「タッタ今、諜報部隊 ヨリ 伝エラレタ 確カナ 情報 デス!」



プッツン……



戦艦「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……ッ!!!



戦艦「飛行場…シクジッタカ…………ル級 ヲ 解放セヨ。ココへ連レテ来イ」



「ハッ!!」



拷問牢獄



ル級「…」ズタボロ…



ガチャ…キィ……



「ル級殿……飲ミ物 ヲ オ持チシマシタ。ドウカ、コレヲ……」



ル級「スマヌ……」



「看守 モ 承知 上 デス。ル級殿 ノ 為 ナラバト…サァ、ドウゾ」スッ…



ル級「オマエ達 ノ 気持チハ アリガタイ ガ、受取レン……コレハ、罰ナノダ。持ッテ 帰ッテクレ」



「シカシ…!」



ル級「私ガ イナガラ、敵 ノ 侵入 ヲ 許シ、自害 マデ 阻止デキナカッタ。当然 ノ 罰 デアロウ」



「何故、貴女ダケ ガ 罰 ヲ 受ケネバ ナラナイ ノ デスカ!?コンナ ニ 酷イ事 ヲ……戦艦様 ハ…変ワッテ シマワレタ」



ル級「言ウナ…」



「カツテ ノ 慈愛 ト 母性 二 溢レタ 姫様 ハ モウ……アノ御方 ハ 暴虐 ノ 悪鬼 ト 化シテシマッタ…」



ル級「言ウナ ト 言ウノダ」



「申シ訳ゴザイマセン…」



ル級「……イズレ、オ帰リニ ナルハズダ。我等 ノ 姫様ガ……今ハ、耐エルノダ」



「ル級殿…」



ル級「……誰カ、クル。オマエ ハ 戻レ」



「ハッ…!」ヒュン…!



タッタッタ…ガチャリ!



「ル級殿、戦艦様 ガ 御呼ビ デス!」



ル級「ソウカ……行コウ」ギュッ…!



ビキビキ……バキンッ!!



「アァッ!?」



ル級「コノ鎖、錆ビテイタ ヨウダ。枷 モ 一緒 二 新品 ト 代エテ オケ」



「ハ、ハイッ!」



コツコツコツコツ……



「末恐ロシイ 御方ダ」



戦艦 ノ 間



ル級「マサカ、飛行場姫 様 ガ 敗北ナサルトハ……」



戦艦「モハヤ、一刻 ノ 猶予 モ 無イ。思イ 上ガッタ 地上 ノ 玩具 共 ニ、鉄槌 ヲ 下ス 時ガ 来タ」



ル級「ハッ、直チニ 艦隊 ヲ 編成シ、地上 ヘノ 進攻 ヲ 開始シマス」



戦艦「ソノ 必要 ハ 無イ」



ル級「…」



戦艦「飛行場 ガ 敗北シタ 相手ダ。貴様等 デハ 役不足。我、自ラガ 出陣 スル」



ル級「戦艦様。此度 ノ 敵 ガ、戦艦様 ガ 直接 手 ヲ 下スニ 相応シイ カ ドウカ。コノ ル級 ニ、見極メサセテ 下サイ」



戦艦「愚カ者ッ!貴様 モカ、ル級!!ソウシテ 飛行場 モ 敗北シタノダ」



ル級「オ言葉デスガ!……確カニ 私 ノ チカラ ハ、飛行場姫 様 ニ 及ビマセヌ」



ル級「シカシ、アノ御方 ニハ 一ツ 欠点 ガ 御座イマス」



戦艦「ホウ……飛行場 ノ 欠点 トナ。申シテミヨ」



ル級「飛行場姫 様 ハ 知略 ニ 長ケタ 御方デス。其レ 故ニ……」



ル級「最後 ノ 詰メ ガ 甘イ」





戦艦「成程、的 ヲ 射テイル」



ル級「戦イトハ、最後 ニ 立ッテイタ 者ガ 勝者デス。例エ、途中 ドレダケ 有利 或ハ 不利 デアッテモ」



ル級「敵 ニ 余裕 ヲ 見セ、手ノ内 ヲ 明カソウト、勝利スレバ 全テ ガ 戦術。勝因 ト ナリマス」



戦艦「飛行場 ハ 油断シテ 敗北 シタト、言イタイ ノ ダナ」



ル級「私 ハ ソウ考エテ オリマス。アレダケノ 航空戦力、攻撃力、防御力、機動力、加エテ 雷撃 ヲ 無効 ニ スル特殊能力 ヲ 持ツ 飛行場姫 様ヲ……」



ル級「打倒出来ル 艦娘ナド、今 ノ 人類 ニ 造レル ワケ ガ アリマセヌ」



戦艦「ナラバ、油断 シテイル 飛行場 ヲ ドウ倒ス?」



ル級「私ナラ 至近距離デ 三式弾 ヲ 撃チ 込ミマス。ソレガ 通ジヌ ノナラ、自爆シテ 飛行場 様 ノ 両眼 ヲ 潰シマス。再生 ハ 可能 デモ、時間稼ギニ ナリマス」



戦艦「フフフ……流石、我 ガ 認メタ 戦艦ダ。ソレデ コソ フラッグシップ ト 言ウモノ」スッ…



ル級「…」スッ…



ガシィッ!!



戦艦「……マタ腕 ヲ 上ゲタ ヨウダナ。飛行場 ト イイ勝負ダ。主トシテ 誇ラシイゾ」



ル級「ハッ……勿体無キ オ言葉」



戦艦「気 ガ 変ワッタ……ル級 ヨ、オマエ ノ 好キニ スルガイイ」



ル級「アリガトウゴザイマス…!デハ、出撃 ノ 準備 ガ 整イ次第 進攻 ヲ 開始シマス」



横須賀鎮守府



ガシュン…ガシュン……



VAVA「…」



ガチャ…



執務室



リコリス「おかえり☆」



VAVA「リコリス…!」



リコリス「死んだかと思った?すごいでしょ。アレ、私の分身。私は、ここで待たせてもらってたわ。メガネちゃん達はラウンジに…」



ポカッ!



リコリス「いた~~い!何するの!?」



VAVA「はん……!本物かどうか確かめただけだ。それより、約束だ。ショルダーキャノンを返してもらおう」



リコリス「わかったわよぅ……はいコレ。手に入れるの苦労したんだから」スッ…



VAVA「結局、俺を利用するためのだしにしたんだ。どんな事情があろうと、感謝はせん」ギュ……ガシャリ…



ガキィン!



VAVA「この感じだ。しっくりときやがる」しみじみ…



数分後…



リコリス「ねぇ~ショルダーキャノンは返したじゃない。だから、許して、ね?」



キュポ…トクトクトク……カラン…



VAVA「…」ぐびぐび…



リコリス「ねぇってば、無視しないで。悪かったわ。この通り!」ペコ~!



VAVA「もういい……帰れ」ぷいっ!



リコリス「仲直りしましょうよ。もう私が敵じゃないってわかったでしょ」



VAVA「俺次第で敵にも味方にもなるんじゃなかったのか?」



リコリス「あれはその……ほら、最初はそういう風に言ってた方がミステリアスな感じがするでしょ?演出よ、演出!」



VAVA「尚更気に食わん。帰れ」ぷぷいっ!



リコリス「VAVA~~~~~!!」ぴぇ~!



ラウンジ



大淀「えー、それでは!恒例の祝勝会を始めたいと思います。今回も提督のご厚意で明日は休日となりました」



ワーーーワーーーーー!!



大淀「明日が休みだからといって、羽目を外し過ぎないように」



ハーーーーーーーーイ!!



大淀「そして、今回の作戦を後方から支えて下さった リコリス・ヘンダーソン嬢が来て下さいました。くれぐれも失礼の無い様にして下さいね」



リコリス「皆さん、お疲れ様でした。今日は存分に楽しませて頂きます」



パチパチパチパチパチ!!




装甲「……ふんっ!誰があんなやつに拍手なんかするもんか」ボソッ…



川内「いや、まったく」



装甲「へ!?」クルッ!



川内「いんや、なんでもないよー……よかったよかった。勝てて」



装甲「は、はい、そうですね」ニコニコ!



大淀「提督、乾杯の音頭を」



VAVA「うむ…………乾杯!お前等、食いすぎて食糧難を起こすなよ!!」



ドッwwwwww!


ワイワイ……!



雷「お粗末様!全部食べてくれたのね!!ありがとーー!」



VAVA「うまかったぞ。雷のすき焼き」フキフキ…



キャー!キャーー!!パシャパシャ!!



リコリス「はいはい、リコリス・ヘンダーソン……と、はいピース!貴女は?……握手??もちろんいいわよ」ぎゅっ!



VAVA「…」スッ…



大淀「提督、どちらへ?」



VAVA「暑くてな。少し涼んでくる」



リコリス「あ、私もご一緒していいかしら?」



VAVA「好きにしろ」



ガシュン……ガシュン…



初雪「え…リコリスさんの…………サイン、欲しかった…のに……」ぐすっ…



リコリス「ああっと……!ごめんね!!すぐ戻ってくるから!!お詫びにこれあげるわ」スポッ…



初雪「カチューシャ…?」



リコリス「私のお古で悪いけど、なかなかいいシロモノよ♪じゃあ、戻ってきたら一番にサインしてあげるからね」なでなで…



初雪「う…うん!ありがとう…ございます」ペコ…



リコリス「どうしたしまして。待ってよ~」タッタッタ…



大淀「…」



隼鷹「おぉい、おーよどぉさぁん!こっちきて一緒に飲もうよ!あっはっは!!」



大淀「いえ、明日は自室で書類整理をするので、お酒は遠慮しておきます。ちょっと、お花を摘みにいってきますね」



隼鷹「ん、休みだってぇのに。真面目だねぇ……おっけー!」



大淀『どうしても……二人の関係が気になる』コソッ…



屋上



VAVA「…」



リコリス「海に月が映ってる。綺麗ね」



VAVA「…」



リコリス「まだ怒ってる?」



VAVA「…」



リコリス「…」



大淀『どういうことなのかしら……?他人というわけでもなければ、恋人と言うには余りに距離が離れてる…』コソッ…


大淀『さっきからヘンダーソン嬢が、何か話しかけてるけど、提督はそれを無視して月を見てるばかり…』


大淀『もしかして、仕事の時だけで、プライベートでは無関係?』


大淀『いや、ただの痴話喧嘩ってことも…』



リコリス「ねぇ、VAVA!」



VAVA「ん…?何だ?」クルッ…



リコリス「聞いてなかったの…」



VAVA「ふっ…」肩ポンポン…なでなで……



リコリス「つ、月を見てたんじゃなくて…単装砲を見てたのね」ズルッ…



VAVA「体の一部だからな」うっとり…



シャコン…



VAVA「やはり、安心感が違う。明石が作ったモノも悪くはないんだが」



ダッダッダッダ…!!



大淀『誰か来る…!』



ガチャ!



装甲「VAVAさん!」



大淀『装甲さん…!?何故ここに装甲さんが…!!』



ヒューーーー!




装甲「性懲りもなく現れて…何を企んでいるのか知らないが、VAVAさんに近づくな。ここから消えうせろ…!」キッ!



リコリス「あらあら、装甲ちゃん♪また会ったわね。すっかり地上に染まっちゃって。姫の威厳はどこへやら」クスクス…



装甲「貴様に言われたくない」



大淀『風が強くなってきた…何を話しているのかしら…?なんだか、穏やかじゃないわ……』



VAVA「ん…」



VAVA「装甲、少し黙っていろ」



装甲「…」



リコリス「成長したのね。えらいじゃない」



大淀『ま、まさか!三人は三角関係では…!!!』



トンッ…!



大淀「あ…」グラッ…



神通「当身」



那珂「ささ、連れてっちゃお~…」コソソ…



大淀「…」



神通「ごめんなさい……大淀さん」ボソッ…



那珂「裏方は大変だよねぇ。川内ちゃんばっかりずるいなぁ」



神通「ぼやかない」



那珂「はぁい…」


装甲「…」ピッ!(首狩り)


装甲「…」ピピッ!(○uck you)


装甲「…」ピピピッ!(○ね)



リコリス「まぁ、下品。どこで覚えたの、そんなこと」



装甲「…」べー!(あっかんべー!)



VAVA「装甲、俺もこいつの事を信頼しきっているわけではない。利害が一致しているに過ぎん。いざというときには、お前を頼りにしている」



装甲「…!」ウンウン!



VAVA「だが、今はその時ではないはずだ。こいつが俺の敵ならば、いずれ尻尾を出す。やるならその時だ」



装甲「…」コクリ!



装甲「…」ヘヘン!(ドヤ顔)



リコリス「変な顔」



装甲「!!」ぷんすか!



リコリス「はぁ、もういいわ。ロマンティックな気分が台無し。さてと、戻りましょうか、VAVA」




3 < ひゅるり~~~るり~~~~♪




「ふふふふ……はっはっはっはっは!密談はもうおしまいかな?」



リコリス「……誰?」キョロキョロ…



ヒュッ……クルクルクルクル…………スタンッ!



装甲「あぁ…!?お、お、お前は!!」




川内「地獄からの使者、夜戦仮面!」




VAVA「夜戦仮面…!」



リコリス「夜戦仮面ですって…?」



川内「久しぶりだな。提督、そして、甘党の姫よ」



装甲「な、何しに来たんだ!」ヒョコ!(VAVAの後ろへ)



VAVA「お前が現れたということは、また何か起こるというのか」



川内「いかにも。話が早くて助かるよ。おや、貴女はリコリス・ヘンダーソン嬢」



リコリス「私を知っているのね……」



川内「あぁ、知っているとも。貴女が深海の姫の一人。飛行場姫ということもな」



リコリス「!?」



リコリス「そう……物知りなのね。でも、知らなくてもいい事を知るのは、ためにならなくってよ…?」ギラリ…(赤眼)



川内「いいのかな?もし私に何かあれば、大事なあの子に危害が及ぶぞ?」



リコリス「なんのことかしら?」



川内「とぼけても無駄だ。可愛い ほっぽちゃん に、何かあっても知らんよ?」



リコリス「どうして、あの子のことまで……!!」



川内「深海について、結構調べたもんでね」


VAVA「…」ジャキッ…



川内「何のつもりだ。提督。私は敵じゃない。むしろ敵なのは、その二人じゃないかな?」



VAVA「今はこいつも俺の部下だ。それに、ガキを盾にするのが気に食わん…!」



装甲「VAVAさん…///」ポッ…



川内「深海に情を?」



VAVA「情ではない。恩だ。あのガキに指一本でも触れてみろ。お前を指一本だけ残して消してやる」



川内「君とこんな会話をするとは思わなかったよ……確かに、子供を盾にするのはよくない。悪かった」



リコリス「VAVA…」



川内「ただ、私も身の安全は確保したいんでね。飛行場姫。覚悟しておいてもらおう」



リコリス「…わかったわ。あなたには何もしない」スン…



川内「ありがとう。信じよう。私の身さえ無事なら、あの子にはなんの危害も加えられない」



リコリス「違えたら、殺すわ」



川内「忍に二言はない。さぁ、本題に入ろうか」


川内「……と言う訳だ。準備が整い次第、戦艦の軍勢が攻めてくる。これがその証拠だ」ピラッ…



VAVA「これは……暗号文か」パシッ



川内「諜報妖精に見せて、解読してもらうといい。敵の作戦の全貌が明らかとなるだろう」



装甲「戦艦が…………」ブルッ…



リコリス『余計なことを…!』



VAVA「ふむ、その話が本当なら、今すぐにでも宴会を中止して戦いに備えねば」



川内「その方がいい。艦娘たちには悪いが、まだ間に合う」



VAVA「リコリス、何故黙っていた」



リコリス「ごめんなさい。知らなかったのよ……」



装甲「嘘だっ!貴様、知ってて黙っていたな!!VAVAさんを戦艦に始末させるために!!!」



装甲「おかしいと思った!艦娘たちを勝利の美酒で酔わせ、その隙に攻め込ませる計算だったんだろう!」



リコリス「違う。そんなことはしないわ。VAVA、私を信じて…」



VAVA「……どうでもいい。敵が来るというのなら、迎え撃つまでよ」



川内「だいたい話はまとまった様だな。では、私はそろそろ帰る」



VAVA「じゃあな」



川内「うむ、提督。また会おう。さらば!!」どろん!


装甲「あ、消えた」



VAVA「いくぞ、もう十分涼んだ」



装甲「はい」



ガシュン…ガシュン……



リコリス「うん…」



装甲「飛行場、ここで頭でも冷やしてろ。貴様に後ろを歩かれるのは嫌だし!」



リコリス「はいはい…ねぇ?」ガシッ…!(胸倉掴み)



でこピタ……



装甲「わ…」ビクッ…



リコリス「艦娘に気づかれたら面倒でしょ。次その名前で私を呼んだら……二度とVAVAの前に立てない姿にしてあげる」ボソッ…



装甲「ひ…」ガタガタ…



リコリス「あと、あんまり調子に乗らないでね。私だってムカつく時はムカつくの」パッ…



装甲「うっ…!」ドサッ!



リコリス「やろうと思えば、装甲ちゃんが地上で人間にうつつを抜かしていると、他の姫に暴露することも出来るのよ?少しは感謝して欲しいわね」



装甲「何をぅ…!貴様だって地上で遊んでるじゃないか!」



リコリス「お生憎様。コレは、諜報活動の一環であり、偵察なの。て・い・さ・つ。VAVA~!」タッタッター!



装甲「はぁはぁ……見てろ、私だっていつかは…」


ラウンジ



那珂「ほらほら!もっと飲んで!!」



大淀「わらひ、もう飲めなぃ…」ヒック!



神通「まぁまぁ、まだいいじゃないですか」



大淀『いったい、なにしてたんだっけ…わたし…ねむい…』



ワイワイ!



初雪「…」じー…



深雪「おぅ!初雪、何ぼーっとしてんだよっ」



初雪「リコリスさん……待ってる」



深雪「あー、初雪はヘンダーソン嬢の大ファンだもんなぁ」



初雪「特別な人。軍人じゃないのに……皆のために働いて…美人で…かっこいい…!!」



深雪「わかるわかる!お、なんだい、これ?」ぽんぽん!



初雪「さわんないで!!……ご、ごめん。リコリスさんが、くれたの…」



深雪「そうだったのかぁ、こっちこそごめんよ」



初雪「ううん」




コツコツ…



初雪「き、きた…!」



リコリス「おまたせ…」



初雪「リコリス…さん?」



リコリス「なんでもないのよ。大丈夫。さ!サイン、書いていいかしら!」ニコッ!



初雪「色紙と…セーラー服に……ダメですか?」



リコリス「ダメなもんですか。ちょちょいのちょいっと!はい、今度は服ね。ちょっとくすぐったいわよ~?」カキカキ…



初雪「…」わくわく!



VAVA「無邪気なものだ…」



能代「提督」



VAVA「能代か」



能代「改めて、お礼に参りました。お酌させて頂きますね」ツィ…



VAVA「いや、酒はいい。それより、大淀はどこだ」



能代「大淀さん?さっき神通さんたちとお酒を飲んでいましたよ。途中で大淀さんが寝ちゃって、神通さんが部屋まで送っていきました」



VAVA「大淀がつぶれるほど酒を……?まぁいい。なら、俺が直接言うまでだ」



能代「はい?」



VAVA「お前ら!!」



ビクッ!?ドヨドヨ…!



VAVA「大声を出してすまない。だが、ことは急を要する」



VAVA「今しがた、新たな連絡が入った。内容だが……」


翌日



医務室



「う~~ん…」



大和「大丈夫?」



「おぉ、来てくれたのか。うん、だいぶ良くなったぞ」



大和「武蔵」



武蔵「大和。まさか、こんなところで再開するとは思わなかった」



大和「本当よ。一体どうしたというの?」



武蔵「よく覚えていない。おやつのカステラを食べていたと思ったら、急に意識が無くなって……」



大和「ふぅん…」



武蔵「この武蔵が……不覚だ。目が覚めたら、目隠しをされていて何も分からなかった」



武蔵「そして、次に目が覚めたとき、目隠しは外され、私は見たことも無い部屋に閉じ込められていた」



武蔵「窓も何もない密室だ。ろくな飯も与えられず…一日ニ食トイレ三回までの生活を強いられた……」



大和「一日ニ食……なんて残酷な」



武蔵「流石の私もまいってしまって……何日目かはわからんが、腹が減った。と、一言つぶやいて気を失ってしまったのだ」



大和「犯人の顔は見た?」



武蔵「いや、それが不思議なんだ。声は聞こえるのに、姿は何処にも見当たらなかった。飯も気付いたら用意されていて……まったく、もうあんな体験はこりごりだよ」



ガシュン…ガシュン……



大和「あ、この足音…」



武蔵「うん?」



ガララ……



VAVA「大和、そろそろ行くぞ」



大和「はい。武蔵、またあとでね」



武蔵「あぁ、私の分まで暴れて来い」



VAVA「妹の具合はどうだ?」



大和「もういいみたいです」



武蔵「提督よ、この武蔵。救ってくれた恩は忘れないぜ。今はこんな状態だが、近い内に大活躍してやる」



VAVA「期待しておこう」


廊下



コツコツ…



リコリス「ハァイ♪」



大和「ヘンダーソン嬢。おはようございます」



リコリス「おはよう。妹さん、大事無くてよかったわねぇ」



大和「はい、これも、提督とヘンダーソン嬢のおかげです」



リコリス「彼は頑張ったかも知れないけど、私は特に何もしてないわ」



VAVA「…」



大和「ヘンダーソン嬢は、いつまでここに滞在されるのですか?」



リコリス「飛行場姫の討伐を見届けたら帰るつもりだったんだけど、こんなことになってしまったしね」


リコリス「この作戦が終わるまで、ここにいるつもりよ。何かお手伝いができるかもしれない。微力ながら、協力させていただくわ」



VAVA「なら、飯炊きでもやってもらおうか。厨房はいつも人手不足らしいからな」



リコリス「いいわねそれ。一度やってみたかったの」



大和「……随分親しげに話していますけど、お二人はどういった仲なのですか?」



VAVA「何も無い。こいつはただのギャラリーだ。放っておけばいい」



リコリス「ですって」がっかり…



大和「ぎゃらりー…?」



五月雨「あっ……提督ーっ!皆待ってますよ!!」



VAVA「うむ」


ラウンジ



ザワザワ……!



VAVA「昨晩説明したが、作戦の内容をもう一度説明しておこう」



五月雨「提督、大淀さんがいません」



VAVA「大淀なら二日酔いで寝込んでいる。頭痛が止まないそうだ」



川内「へぇー、あの堅物がそんなに飲んだんだー」


神通「珍しいこともあるものですね」


那珂「大変だねー」



VAVA「今回は、お前達だけで攻撃を仕掛けるんだ。俺はここで待機している」



北上「てか、本来はそれが普通なんだけどさ」



VAVA「敵は、ピンポイントにここを狙っている。飛行場姫の敵討ちと言った所だな」



長門「私怨で動く軍とは、なんと野蛮な。流石は深海棲艦と言った所か」



VAVA「事前に情報を得た今、俺達は有利な状態にあるとい言える。全員、前方のスクリーンを見ろ」



霞「すくりーん?」



VAVA「明石」



明石「ほいほいっ♪あ、ポチっとな!」ポチッ!



ウィーーーン……↓↓



天龍「おぉーっ!すげぇな!!ガキのときに見たロボットアニメみたいだぜっ!!」キラキラ!



曙「あの馬鹿。いつの間にこんなもん造って……」



イムヤ「すごい解像度……こんなモニター見たこと無いわ」



雪風「扶桑さん!テレビです!天井から出てきました!すごくおっきいです!!」パタパタ!(扶桑に肩車してもらってる)



扶桑「そうね……あぁ……私、また…艦隊に選んでもらえなかった……」



山城「姉さま!切り札は最後まで取っておくものです!姉さまが、こんな戦いに投入されるわけ無いんだから!!」



扶桑「ありがとう…山城。慰めてくれて……」



雪風「扶桑さん!扶桑さんには、必ず幸運の女神が微笑んでくれますっ!ぜったい!!だいじょーぶ!!」ニコニコ!



扶桑「雪風ちゃん…」


パッ…!



暁「なにこれぇ?」



翔鶴「これは…………深海暗号!」



暁「そ、そう!しんかいあんごー!!」



VAVA「よく勉強しているようだな。俺にはサッパリだ。解読の結果を表示しよう」



パッ…!



ドヨドヨ!?!?



VAVA「これが、敵の作戦と、戦力および艦種だそうだ。作戦というには余りに単純だが、完遂できる自信があってのことだろう」



隼鷹「なんだか、提督がやりそうな作戦だねぇ。このチカラ任せな感じなんか特に」



VAVA「ふっ……全員、十分に用心することだ」



VAVA「最悪……ここが戦場になることも十分考えられる」



足柄「OK!どんな相手だろうと叩きのめしてやるんだから!」


那智「あぁ、まさかフラッグシップが現れるとは、腕が鳴るぞ!」ポキポキ!



VAVA「そして、俺達の最終目標は……こいつの撃破だ」ピッ!







VAVA「戦艦棲姫」









ピタッ…………シーーーーーーーーーーーーーーーーーン……





VAVA「見ての通り、こいつに関してだけは、何の情報も無い」



VAVA「能力は元より、外見さえも明らかになっていないようだ」







シーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン……






VAVA「……どうした?」




バタバタバタバタバタバターーーッ!!



VAVA「はっ!?」



VAVA「どうしたんだ!お前ら!!おい、しっかりしろ漣!な……」ダキッ…!



漣「」(気絶)



VAVA「これは…」




加賀「こうなるのも……無理はないわ」ガタガタ…!



VAVA「加賀、お前はなんとも無いのか?」



加賀「無いわけがないでしょう……あなたこそ、どうしてあの名前を聞いて平然としていられるの…?」



VAVA「戦艦棲姫とは、そこまで恐ろしい相手だというのか?」



加賀「ごめんなさい。少し、休ませて……」クラッ…



VAVA「加賀!」ギュッ…!



加賀「…」ガクッ…



VAVA「一体……なんだというのだ」



長門「も……もうダメだぁ……おしまいだ……か、勝てるわけが無い…」ブルブル…!



VAVA「長門!」ガシュンガシュン!!



長門「鉄底海峡の惨劇……知っているだろう?提督……」



VAVA「惨劇…?」



長門「……各国の精鋭を集めた、百万余りの提督達と、それに続いた幾千万の艦娘たちが……ヤツ一人のために、海の藻屑となった!!」



VAVA「…」



長門「飛行場姫とは格が違いすぎる……に、逃げよう……!ここを放棄して……じゃなきゃ、皆…殺されるぞ…!うっ…」ガクッ…




北上「ふーん」



VAVA「……北上」



北上「すんごいじゃん。こんな大きな獲物を相手にするのは初めてだよ」



VAVA「さしずめ……一姫当千とでも?」



北上「アハッ!へーきへーき。敵の名前聞いただけでビビるような北上様じゃあないって。提督、戦艦棲姫の首は、あたしが取ってあげるよ」



VAVA「わかった。旗艦はお前だ。北上」



北上「あんがと。じゃ、あとのメンバーもあたしに決めさせてよ。いいでしょ?」



VAVA「任せる」



北上「あんがと♪うぉおい、起きろー出撃だぞ~~!」ゲシッ!ドカッ!!



北上「あ、そうだ。提督、悪いけどヘンダーソン嬢を呼んできてくんないかな」



VAVA「何故だ?」



北上「ちょっと進攻ルートについて、アドバイスが欲しくてさぁ。そういうの得意なんでしょ?あの人」



VAVA「らしいな。待ってろ。今、厨房にいるはずだ」



ガシュンガシュン…



利根「北上よ」



北上「お、流石は前作戦旗艦。この作戦も、一緒に行こうよ」



利根「無論じゃ。我輩が慄いたとなれば、提督の面目が潰れるからのぅ」



北上「いい心がけだよ。っと!!ほれ、さっさと起きるっ!」ゲシッ!



ムクッ…



翔鶴「いたた……何も蹴ること無いでしょう。少し驚いただけです」サスサス…



北上「どう?あたしと一緒に死ねる?」



翔鶴「喜んで。でも、どうせなら生きて帰りたいですね」



そろり…そろり……



北上「まぁね!」ガシッ!



ゴーヤ「でちぃっ!?」



北上「逃げんなよ。立ってたろ?いい根性してんじゃん」



ゴーヤ「違うでち!あんまり恐ろしくて、立ったまま気絶してたんでち!!離してぇ!!!」ジタバタ!



北上「うるせぇ。皆こんな状態なんだ。早々に目を覚ましたお前が悪いんだよ。観念して志願しな」



ゴーヤ「でちぃ…」



北上「安心しなって。相手が相手だ。生きても死んでも、昇進できるよ。やったじゃん。軍人冥利に尽きるねぇ」ぽん…



ゴーヤ「う…うぅ……こ、こうなったらやってやるでち!!生きて帰って昇進して、故郷の家族を楽させるんでち!!」



北上「よっし!よく言った!で、こっちは?」



利根「重症じゃの。まぁ、仕方ないのじゃが……正直、我輩もいまだ手の震えが止まらぬ」ブルル…



長門「やだぁ…今度こそ殺されちゃうよぅ……田舎帰るぅ!!」わぁ~ん!(大泣き)



北上「今のは寝言ってことにしといてあげるよ。ほら、自分で立ちな。ビッグセブン!」グイッ!



長門「い、いやだぁ…」



北上「……甘ったれんな!南方棲戦姫を倒したんだろ!?あんたが行かなくて誰が行くんだよ!!」



長門「まぐれだよぅ!私が姫に勝てたのは、運が良かっただけなんだ……本来なら、私は今頃……うひぃ……」ガタガタ…!



北上「まぐれだろうが何だろうが、あんたは戦わなくちゃならないんだ。立てよっ!!」バシンッ!!



長門「ひぐっ…!!」



北上「行くよ!」



長門「あぁ゛~~~~~ん!!」ズルズル…



てってって…!



雪風「長門さん!なんで泣いてるんですか?皆さんも急に倒れちゃいました……雪風、怖いです!」



長門「ゆ…雪風……泣いてなんかいないさ!目にゴミが入っただけだ」



北上「雪風、戦艦棲姫が怖くないの?」



雪風「せんかんせーき?ミルクセーキの親戚さんでしょうか!?おいしそうです!!」わくわく!



利根「やれやれじゃのぅ」



北上「まいったね。姫もこいつにゃあ勝てないわ」けらけらw



ゴーヤ「無知は幸せでち…」



翔鶴「まぁまぁ」にこにこ



北上「ちょうどいいや。頭数足んなかったんだ。雪風、あたし達と一緒に出撃するよ」



雪風「しゅつげきですか!了解です!!」敬礼!



長門「ま、待て!そんなことは、この長門が許さん!!」ババッ!(とおせんぼ)



北上「何が」



長門「駆逐艦はダメだ!!こんな危険な戦いに、一緒に連れて行けるものか!!断固反対する!!」キリッ!



北上「急に元気出しちゃって……遅かれ早かれ、勝たなきゃやられるんだから変わんないっしょ」



長門「ダメったらダメだ!!川内を叩き起こして連れて行こう。あいつは強いからな!」ズンズン…!



北上「まぁ、いいけど」



川内「…」


川内『ゲェーッ!それはまずい。艦隊なんかに組み込まれたら、色々と自由が利かなくなる…!』(忍法 眠れる美少女の術)


川内『こうなったら……許せ、天龍!忍法 眠気覚まし!』ぺっ…!



天龍「んが…!?なんだぁ…!冷てぇ!!」ガバッ!



長門「おぉ、起きたのか天龍。ちょうど良かった。手間が省けたよ」ガシッ!



天龍「な、なんだ!?おいっ!!」



北上「この際起きてりゃ誰でも良いよ。早いとこ殴り込みをかけに行こう」



天龍「殴りこみって……まさか、俺が出撃するのか!?まだ心の準備が……って待て!天龍丸刀忘れた!!部屋に取りに行かせてくれ!」



北上「装備なんて出撃前に妖精に持ってきてもらうからいいよ。よーし、出撃しますよー」



ゴーヤ「当たって砕けろでち!」やけくそ



工廠



「艤装準備よーし!」



「艦載機、搭載完了ー!震電改!!お前のチカラを、海のテツクズ共に見せてやれー!」



「まかしときな!敵の飛行機なんざ皆殺しだ!!」



翔鶴「気合十分ね♪皆さん、ありがとう。翔鶴、行って参ります」



「天龍さんに刀を忘れるなよー!」



「†妖刀 天龍丸†装備完了ぅ!…………………………妖刀って………っぷw」



天龍「おい!誰か笑ったな!?かっこいー名前だろーが!!」ぷんぷん!!



長門「…」ガタガタガタガタ…!!



「あの…長門さん。そう震えられると、装着しにくいのですが……」



長門「は……はっはっはっはっは!武者震いさ。おおおおおおおおおめにみてくれ」ガタガタガタガタ…!!!



「…」



ゴーヤ「か、帰りの分の燃料はいらないでち」



「は?」



ゴーヤ「ゴーヤは、伊号潜水艦として、使命を果たすでちぃ!!魚雷抱いて突撃して……戦艦棲姫と刺し違えるんでちぃいっ!!」むがー!!



「落ち着いて!あなたは潜水艦なんだから、戦艦からは撃たれないでしょーが!!」



ゴーヤ「へ…?」



「学校で勉強したでしょう?戦艦の攻撃は潜水艦には無力ですっ!」



ゴーヤ「はっ!?……………そうでち!!この戦い、ゴーヤは無敵でち!!!妖精さん!燃料も魚雷もガンガン積んででち!!」キラキラ…!



北上『戦艦棲姫ほどの相手が、自分の弱点を放っておくわけが無いんだよなぁ……まぁ、やる気になったし、黙っといてやろう』



「北上さん。軽巡のあなたに、これ以上魚雷は積めませんよ。これが限界です」



北上「あぁ、悪い。今装備できるようにするから」



カッ…!



「わ!?」



北上「重雷装巡洋艦。北上様だよ。これでもっと積めるっしょ?」



「す、すごい!はい、これなら倍積めます!!」



利根「ほぅ……そんなチカラを隠していたとはの」



北上「なに、いつでも披露するつもりだったよ。使うほどの状況が無かっただけ」



利根「なるほど」



北上「あんたこそ、不調不調言ってるけど、ホントは違うんじゃないの?」



利根「さぁのう。さて、皆の周の準備ができたようじゃ。旗艦殿に出撃の音頭を譲ろう」



北上「おっす。じゃ、皆。死ぬ気で頑張ろうか」



長門「死……」ぶるっ…!



北上「ま、だいじょぶでしょ。あたしらにゃ、あの提督がついてるんだからさ。何か考えがあって、出撃せず待機してるんだよ」



北上「……出撃ッ!」



「皆さん、ご武運を!工廠妖精一同!!敬礼!!!」



ピッ!!


ラウンジ



「おぉーい!もっとタンカもってこーい!!まだまだぜんぜん足んないぞー!!」



「えっほえっほ!まったくもう!若い子はだらしないんだから!!名前が噛み付いたりするもんでもなし!」



「まったくだね!おーい!空母運ぶぞー!あつまれー!!」



わーわーー!!



ガシュンガシュン…



VAVA「頼もしいな」




VAVA『リコリスめ、厨房を手伝うと言っておきながら……どこに行きやがった』



VAVA「ん?居ない」



雪風「あ!しれぇ!!」



VAVA「雪風、北上たちを知らないか?」



雪風「えっと……あとは任せたよ。って言えばいいんだぞ。わかったか?って!北上さんが言ってました!!」



VAVA「…そうか。雪風、ここも危なくなるかも知れん。自分の部屋に篭もって勉強でもしているんだ」



雪風「雪風、国語だいすきです!」



VAVA「えらいぞ。さぁ、行け」



雪風「はい!」



深海BAR ダーウィン



泊地「ホーラ、ホッポ 高イ高ーイ!」ポーン!



北方「アキタ。ヴァヴァ ノ ガイイ…」ズゥン…



南方「アー…」じー…



泊地「ソンナ…」ガァーン!?



ダダダダダー!!ドン!ギィッ!!



泊地「ナンダ?」



「泊地様!ヤハリココへ!!」



泊地「オマエカ。ドウシタ、何 ガ アッタ?」



「ソレガ……!」カクカクジカジカ…




ガタァッ!!!!



泊地「ナァニィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!?」



泊地「飛行場 ガ VAVA ニ 倒サレタダト!?ソノ 敵討チニ 戦艦 ガ 地上へ!?」



港湾「!?」



「ハッ!!夜戦侍ナル 人物 ガ 泊地様 二 コノ事ヲ 伝エヨト 申シ出テキマシタ!」


「念ノタメ 我々 ガ 調査 シマシタガ、事実 ノ ヨウデス!」



泊地「ナント言ウ コトダ……」




泊地『流石、私 ノ VAVA……デハナイ!アノ 飛行場 ガ 敗レル トハ……マズイゾ、VAVA』



泊地『コノママ 戦艦 マデ 倒シテ シマエバ、深海 ノ チカラ ノ 均衡 ガ 崩壊 シカネン!!』



泊地『モシ ソウナレバ……深海 ノ 覇権 ヲ 握ラント、各地 ノ 姫 ガ VAVA ノ 命 ヲ 狙ウダロウ…!』



泊地『VAVA ヲ 倒ス。ソレ 即チ 戦艦 ヲ 超エル コト ニ 他ナラナイ』



泊地『戦艦 ノ 擁スル 部下、地下要塞、海域 ヲ 手 ニ 入レタ 姫ガ……深海 ノ 新タナ 長 トシテ、君臨 スル 事 ニ ナル』



泊地『私ハ……ドウスレバ イインダ…本来ナラ、戦艦 ニ 加勢 スレバイイ 筈ガ……』



泊地『心ガ……胸 ノ 鼓動 ガ…ソレヲ、拒否 シテイル……』



泊地『VAVA…』



泊地『ドチラ ガ 勝ッテモ 混乱 ハ 避ケラレナイ ノナラ……!!』




泊地「…………ン?夜戦侍。仮面 デハ ナイノカ?」



「ハイ、侍デス。見タ目モ カナリ サムライ デシタ」



泊地「夜戦仮面 ノ 関係者 カ……ヤツ ニハ VAVA ノ 件デ 借リ ガ アル……」



「スベテ泊地様 ノ 仰セノママニ!」





泊地「泊地軍 ヲ 集結サセ、全力 ヲ 持ッテシテ 両軍 ノ 衝突 ヲ 阻止セヨ!カノ 鎮守府 ハ 我々 ノ 獲物。敵討チ ト 言エド、横取リ ハ 許サン!!」





「ハッ!!全軍へ 通達 致シマス!!」



泊地「私 ハ 単独デ 行動スル。後 ノ 指揮 ハ オマエ ニ 一任スル」



「私 ガ……デ、アリマスカ!?」



泊地「結果次第デハ エリート ヘノ 昇進モ 考エテイル。オマエ ノ 働キニ 期待シテイルゾ」



「ハイッ!一生懸命 頑張リマス!!」



泊地「ウム、V ノ 居場所 ハ 勿論 把握シテ イルダロウナ?」



「カノ 鎮守府 カラ ハ 出テイナイ トノ コトデス!」



泊地「良ォシダッ!事 ガ 済ンダラ、褒美 ヲ トラセル ト 隊 ノ 者 ニ 伝エテオケ」



泊地『VAVA……余計 ナ 手出シハ シナイトイウ 約束……今回バカリ ハ 不本意ダガ、破ラセテモラウ。死ヌナヨ……』



「泊地様万歳!」



港湾「泊地、待ッテ!!」



泊地「港湾……オマエ ハ 先 ニ 行ケ」



「ハッ!」



ダダダーーーー!!ガチャ!バタン!!



港湾「戦艦 ト VAVA……ドチラニモ 傷ツイテ 欲シクナイ」



泊地「私 ハ VAVA ヲ 守ル」



港湾「デモ、戦艦 ガ 倒レレバ……!」



泊地「ワカッテイル。私モ 世界 ノ 破滅 ヲ 望ンデイル 訳デハナイ」



北方「何 ノ オハナシ? ヴァヴァ ガ ドウカシタノ?」



港湾「ウウン、何デモナイノ。何モ……」



泊地「心配 スルナ。私 ガ 何トカシテミセル」



南方「アー…?」ぼ~っ…



泊地「オマエ ガ 正気 ナラバ、モット 楽ニ 済ンダモノヲ……均衡 ヲ 保ツノガ オマエ ノ 仕事ジャ ナカッタノカ?」



南方「エヘェ…♪」スリスリ…



泊地「哀レダヨ。南方……明日 ハ 我ガ身カ…………」なでなで…



南方「ンフ~…」



泊地「…港湾、酒 ヲ 冷ヤシテ 待ッテテクレ。予約 モ 二席 忘レルナヨ」



港湾「ウン。気ヲ ツケテ…」


限定海域



バババババババッ………バギューーーン!!



ル級「コウモ 早ク 気付カレルトハ…」サッ…



「ウワァ!?脚 ヲ ヤラレタ!?誰カ 助ケテェ!!」ビシィッ!



「待ッテロ!今行クゾ!!」



ル級「馬鹿者ッ!罠ダ!!」



「エェ!?」



ル級「早ク 岩陰ニ 隠レロ!次ガ クルゾ!!」



「シカシ アイツ ガ…!」



ル級「オイ!オマエ ハ 戦線 カラ 離脱シロ!!ソノママ 海中 ニ 潜ッテ 退避 スルノダ!」



「ハッ…ハイ!」スゥ~…



バシューーーーーーッ!!



ル級「魚雷ダト!?サセルカ!!」ドゥン!



バシャア!!ビシッ…!



ドカァーーーーーン!!



「助カッタ…!」



バシューーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!



ル級「油断スルナ!!装填……クソ!」



「エ……ウ、ウワァアアアアアアアアアアアアアアア!!!戦艦様ァーーーーーーーーー!!!!」



ドカァーーーーーーーーーーン!!!



ゴーヤ「やったでち!初めて敵を撃沈したでち!!」



北上「おうおう、そのままスコア伸ばしちゃって。給料増えるぞー」



ゴーヤ「了解でち!隊長!!」



天龍「ちぇ、俺の魚雷はおとりかよ」



北上「長門、次撃っていいよ」



長門「うむ!」ドォン!!



利根「ふむふむ…妖精の報告によると、もうちょい左じゃな」



長門「ちょい左だな」ドドォン!!



利根「…………直撃!見事じゃ、長門」



長門「当然だ」フフン



翔鶴「隊長、次は何を狙いましょうか?」



北上「旗艦以外なら何でも。あいつはたぶん狙っても当たんないよ」



翔鶴「わかりました。皆、お願いっ!」シュバッ!



ビューーーーン…!



天龍「隊長さんよ、こんな地味な戦い方でいいのかよ。俺らのボスはもっとパァーっと攻めるはずだぜ」



北上「無理無理。あたしらには真似できないって。これがいい。むしろ、こういうのがいい」



天龍「あーつまんね」



北上「お、近づいてきた。みんなーちょっと下がるよー!翔鶴さん、妖精たちに下がるって伝えてね」双眼鏡



了解!!




横須賀鎮守府



医務室



武蔵「…」ペラ……



武蔵「ほぉ、ここでそうくるのか……」



武蔵「この漫画、絵が濃くて最初は馬鹿にしていたが……」



武蔵「読めば読むほど面白いな。次の巻はどうなるんだろう」



ペラ…ペラ…



武蔵「えぇ!子供が読む漫画で殺すなんて言っていいのか…?」



武蔵「眼が本気だな……狂気すら感じる。血気迫る迫力だ」ドキドキ…!



がやがやざわざわ!!



武蔵「外が騒がしいな。作戦が終わったのか?」



ダッダッダッダ……ガララ!!



武蔵「なんだなんだ?」



「武蔵さん!ごめんなさいね、急にベッドがたくさん必要になっちゃって」



武蔵「な…!?まさか、作戦は失敗したのか!!被害は?大和は無事なのか!!」



「ぶじですよ。この通り」



大和「…」スヤァ…



武蔵「…?」



「きれいでしょう」



武蔵「無傷じゃないか。これはどういうことなんだ?」



「実は…驚かないでくださいね。今回の目標は、例の戦艦なんです」



武蔵「例の戦艦……?あっ……!!!!!」



武蔵「…なるほどな。それで、この騒ぎと言うことか」ブルッ…!



武蔵「こうしちゃ、おれん」スクッ…!



「武蔵さん、体がまだ…」



武蔵「なに、少し心の休息が欲しかっただけさ。皆こんな状態なんだろう?まともに動ける者が、提督の助けになってやらねば」



大和「…」スー…



武蔵「妖精さんよ、姉をよろしく頼む」



「は、はい。わかりました」




作戦司令室



カタカタカタカタ…



「鎮守府に接近する影はないか?」



「いまんとこなーし!」



「警戒つづけろー」



「提督製防衛システム、定時チェック」



「自動砲台異常なし、指向性機雷異常なし」



「トゲ異常なし!」



「訓練用砲台、全て実弾に換装済みです。動作も異常なし」



「脱出艇準備完了しました。非戦闘員を避難させます」



「すぐ帰ってこれるって伝えとけ」



「あい」



脱出艇



装甲『いいんだろうか……』



装甲『私が逃げてしまったら……いざと言うときに、誰がVAVAさんを守るんだろう……』



装甲『飛行場は信頼できない……もし戦艦と飛行場に挟撃されでもしたら、例えVAVAさんであっても勝てない』



装甲『その時そこに私がいたら……二回くらいなら、戦艦の攻撃を耐えられるかもしれない。飛行場が制空権を取るのを阻止できるかもしれない』



装甲『私は、残るべき……なのかな』



ブルッ…



装甲『戦艦棲姫…』ガタガタ…



間宮「何してるの装甲ちゃん!さぁ、行きましょう。私たちは足手まといなのよ。今は、いち早く避難することが皆の助けになるの」



装甲「間宮さん」じっ…



間宮「提督が心配なのね……きっと大丈夫。おにぎり、あんなに作っておいたんだもの。さぁ」



装甲「……はい」



装甲『いや、助けになるより…足手まといになるかもしれない。夜戦仮面も現れたんだ。きっとあいつはVAVAさんに加勢してくれる……はず』



「しゅっこーう!」



装甲『VAVAさん……ごめんなさい……死なないで』



限定海域



ビシュンッ!!



「グワァァア!」



ル級「負傷シタ 者ハ 下ガレ!」



ル級『マダ 近ヅテイテ コナイカ』



ヒュ~~~…!



「ル級殿!?危ナイ!!!」



ル級「イイ。自分 ノ 心配 ダケシテイロ。フンッ!」バキンッ!



ル級『素晴ラシイ。空母 モ 戦艦 モ 我ガ軍ニ 欲シイ 程ノ 腕前ダ』



ル級『後続 ノ 軽巡 達ガ 気ニナルナ……マサカ、奴等 ノ 中ニ 旗艦…指揮艦 ガ イルノカ…?』



「ル級殿…コノママ デハ!」



ル級「慌テルナ。敵 ノ 戦術、見事ダガ コレマデダ」



「何カ、対抗策ガ…?」



ル級「ウム。私 ノ 言ウ 通リニ 動ケ」



「ハッ!」



長門「……ややっ!?」



利根「どうした?長門」



長門「敵め、三手に分かれたぞ。攻撃を分散するつもりか?」



翔鶴「どうしましょう。みんなが、どれを攻撃すればいいか連絡してきています」



北上「ちゅ~…」レモネード



利根「飲んどる場合かーーッ!旗艦、指示をせい!!」



北上「あいあい、また後退するよ。天龍、利根、威嚇射撃で敵の動きを鈍らせる。手伝って」ドォンッ!



天龍「どうせなら当ててやるぜ!へへっ!!」パパンッ!



利根「了解じゃ」ドンドンッ!!



北上「ゴーヤ、後退しつつ照準は一番目立ってるあいつにしぼっといて」



ゴーヤ「スナイプならまかせるでち!」



翔鶴「北上さんは、指揮艦に向いているようですね」



長門「あぁ、意外な才能だよ」



北上「照れちゃうねぇ~」



北上『さて……そろそろ敵も本気出してくるかな。魚雷の安全装置、全部ぶっちぎっとこ』



北上「…」ドンドンッ!



北上「ん…?こりゃあ」



長門「まずいな。敵はこちらを無視するつもりらしい」



翔鶴「分かれた敵艦隊はそれぞれ前進。このままでは、こちらは追い越されてしまいます」



北上「困ったね」



翔鶴「私たちが抜かれれば、鎮守府が…!」



ゴーヤ「帰るとこが無くなるでち!?隊長、こっちも分かれて敵を追撃するでち!!」



北上「慌てんなって。相手の目的はソレよ。ってお前はあいつを狙ってりゃいいの!」



ゴーヤ「でちっ!」



利根「しかし、全員で追いかけるのも愚策と言えよう」



北上「引っかかるのは、残り五隻の敵が2:3で分かれず、1:2:2で分かれたこと」



天龍「しかも、その1は一人残ってジッとしてるってわけだ。馬鹿にしてやがる」



天龍「隊長、ここは俺達も別れて各個撃沈しようぜ」



北上「そうしたいけど、残った一隻が怖いんだよねぇ…しゃあない。あいつはあたしとゴーヤがやる。残りは任せたよ」



長門「なっ……相手は戦艦だぞ?やれるのか?」



北上「へーきへーき。最悪夜まで粘れば夜戦になる。夜戦なら軽巡、潜水のが有利っしょ。つべこべ言わず追いかける!はい、散開!」



了解っ!!



北上「来た来た…」



スィー…



ル級「…」



ゴーヤ「く、来るならこいでち!」



ル級「見事。ト、言ッテオコウ」



北上「第一声がリスペクトとは、見かけに寄らず優しいお姉さんみたいだね」



ル級「オ前 ノ 様ナ 艦娘 ガ マダ 残ッテイタ ノダナ。感心ダ」



北上「あ、そ。で、帰って欲しいんだけど。あんたらがここにいると、こっちは都合が悪いんで」しっし!



ル級「笑止。我等ハ 戦ウノミ」



北上「耳ついてんの?黙って帰れよ。殺すぞ」



ル級「…」



北上「…」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!



ゴーヤ「…!」ハラハラ!


横須賀鎮守府



VAVA『間宮たちは無事脱出したか……』



VAVA『装甲が同乗しているなら幾らか安全だな』



ウィーン…



工廠



VAVA「ライドアーマーの整備、済んでいるか?」



「あと10分待ってください!それで仕上げます」



VAVA「頼んだ」



ダッダッダッダ…!



明石「提督!」ハァハァ…!



VAVA「明石、起きたのか」



明石「ごめんなさい、何故か急に体からチカラが抜けてしまって……もう大丈夫です。整備は任せてください!」



VAVA「無理はするなよ」



明石「はいっ!」



ビーーーーーッ!!ビーーーーーーーーーッ!!



「わー!」



「警報だー!」



「慌てるな!おれたちはただ手を動かせばいいんだ!!」


「あいあいさー!」



明石「えっ!なになに!?」



VAVA「!」



VAVA「明石!ライドアーマー、あと5分で出せるようにしておけ!いいな!!」



ガシュンガシュン!!



明石「は、はいー!!」



作戦司令室



「!?」



「自動砲台が、未確認船をロックオンしました!」



「こっちでも捉えました!鎮守府に接近する影があります!!」



「何っ!識別信号は?」



「ありません!」



「ならかまわんっ!!撃て撃て!!!沈めてしまえぇ!!!!」



「了解!自動砲台、火力を集中せよ!!」



「鎮守府内のトラップも全て起動だ!!館内に緊急警報とアナウンス急げ!!!」


鎮守府近海



「…」



ピッ……チュドーーン!!



「機雷カ……」



チュドドドドドドーーーン!!!



「…」



ドォン!!ドォン!!ドォン!!



「…」



ビシィッ!!ドカァーーーーン!!!



モクモク……



「痒イ…」スィー



鎮守府前



「ココカ…」



「ナント 小サナ基地カ。コンナモノニ 泊地達 ハ 今マデ 手 ヲ 焼カサレテイタノカ」



「ナント、不甲斐ナイ……」ハァ…



チャキッ…



「…」



神通「…」座禅



「…」ツカツカ…



神通「無視は困ります」ブゥンッ!



ヒュッ!……ストッ



「モノノフ……ソシテソノ 装束。貴様、闇 ノ 者 ダナ」



神通「問答無用。これ以上行くと言うのなら……」



神通「お命、頂戴致します」



「フッフッフ……一人デ 我ニ 刃向カウトハ……良カロウ。貴様ニ…」





戦艦「コノ 戦艦棲姫 ト 戦ウ 栄誉 ヲ ヤロウ」





神通「…参るッ!!」


工廠



ウィン……グォングォングォン……!!



プシューーーーーーーーーーーーー!!



「全回路、エンジンともに異常なし」



「水中、敵影無し。発進どうぞ!」



「レーダーの情報、機体に送ります」




VAVA「よし、戦況も大体わかった」ピッピ…



VAVA「操作方法をマニュアルに切り替える」



明石「提督!待って!!」タタタッ…!



カンカンカン…(はしご)



「お……へへへ、お前ら!油がないじゃないか。倉庫に取りに行くぞぉ!」



「え?さっきとっかえたばかりでは…」



「お馬鹿!管制室を見てみろ」



「あれ…!さっきまでレーダーがなんとか言ってたやつらがいない?」



「しゃがんでんのよ。気を使ってね」



「気?……あっ、なるほどねぇ~」



「いくぞ。戦士には、戦場から帰る理由が沢山あったほうがいいのさ」



「へぃ!」


ギュッ……チュッ♡



明石「…」パッ…



VAVA「……唇が汚れるぜ」



明石「おまじないです。こうすると、パイロットは必ず帰ってこれるんだって」



VAVA「そいつはすごいな」



明石「でしょう♪」



武蔵「あー……おほん、ごほん」



明石「あ゛……!?」カァァ…///



武蔵「邪魔して悪いが……俺も一緒に出撃をと思ってな……大和の装備を借りたいんだが、出してくれるか?」



明石「は、ひゃぃいいいいい!今だしまーす!!」シャーッ!(滑り降り)



ダダダーーーー…!



武蔵「すまん」



VAVA「いや、いい。体はいいのか?」



武蔵「あぁ、戦えるよ」



VAVA「なら、明石がくるまで作戦会議でもするか」



武蔵「単純なので頼むぜ」



VAVA「おう」



武蔵「……いいぞ。この武蔵にもってこいの作戦だ」



VAVA「危険になったら下がれ。後は俺がやる」



武蔵「頼もしいぜ。提督」



明石「お待たせしました!」



武蔵「この主砲…!?そうか、先を越されてしまったのか……大和め、後で驚かすつもりだったんだな」



VAVA「?」


明石「?」



武蔵『やったな、大和……お帰り、母さん』



ガシィンッ!



武蔵「いけるぜ!この主砲さえあれば!!誰が相手でもな!!!」



VAVA「いい気合だ」ウィン…!



明石「提督、武蔵さん!私信じてますから…!だから…」





VAVA「俺たちの愛機は特別チューンで手がかかってるんだぜ」





明石「俺たちの……もぅ、提督ったら!」



VAVA「負けるものか。それに、ここはホームグラウンドだ。地の利も俺たちにある」



武蔵「おいおい、俺は新米だぞ。どこが食堂かもまだ知らないんだぜ?」



VAVA「そうだったな。なら、この戦いが終わったら、教えてやる。ここの食堂が出す料理は全て最高だ」



武蔵「おぉ!そりゃあ楽しみだ」



VAVA「いくぜ!」



武蔵「了解!」


鎮守府前




神通「でぃりゃああああ!!」ジャキン!




パシィ…!




戦艦「ハン…」ピタァ…



神通「指で白刃を…!」



戦艦「イイ腕ヲ シテイルヨウダナ。ソノ チカラ、玩具共 ノ 為ニ 使ッテ 何ニナル?闇 ノ 者 ヨ、我 ノ 下ニ 跪ク ノダ」



戦艦「サスレバ 我ガ 眷属 トシテ 迎エ、可愛ガッテヤロウ」



神通「断るッ!」



戦艦「我ハ 寛容 也。モウ一度ダケ 聞イテヤル。我 ニ 跪ケ」



神通「断じて、断ぁるッ!!」バキン!サッ!



戦艦「自ラ 剣ヲ 折ッテ 逃レルトハ……ヨイ 覚悟ダ」



神通「確かに私は、闇に生きる者。だが、闇に堕ちたりはしない!!」バッ!



神通「夜戦流 刀身海造(トーシンカイゾー)!」バシュー…チャキィンッ!



戦艦「面白イ 術ダ。海カラ 剣 ヲ 造リダス トハ。ドレ……」スゥ…



神通「!?」



戦艦「フム…チト地味ダガ、便利ダナ」ブゥン…



神通「……流石は姫君。という訳ですか」


神通『一度見ただけで、夜戦流 剣術の秘技をものにするなんて……長期戦はまずい』



戦艦「剣ヲ振ルウナド 何百年ブリカ……来イ」



神通「ぜぇああああああ!!」ヒュン!




キンッ!カキンッ!ガギギギ…………カイーンッ!




戦艦「ムッ…!」




ヒュンヒュンヒュンヒュン……ポチャン!




神通「…」



戦艦「見事。付焼刃 ニハ 負ケンカ」



神通「斬る…!」チャッ…



戦艦「…」



ヒュッ…………バキィイイイイイイイン!!





神通「はっ!?」



戦艦「闇 ノ 者ヨ、面白イ 余興 ダッタ」



神通「何故…?」



戦艦「貴様 ノ 腕 云々 ノ 問題 デハナイ。初メカラ ソノ 程度 ノ 剣デ 我ヲ 斬ルコトハ デキン。折レタノモ 自明ノ理 ト 言エヨウ」



神通「私の腕に関係なく……」



戦艦「モットモ、コノ 世界 ニ 我ヲ 斬ル コトガ デキル 剣ナド、存在シナイガナ」



神通「…」



戦艦「我 ト 対峙 シタ 時、既ニ 貴様ノ 敗北ハ 決マッテイタノダ」



神通『否、刀のせいではない』



戦艦「我ニ 刃向カッタ 報イ。受ケルガヨイ」コォ…!



神通『私がもっと強ければ、この刀で両断できたはず……姉さん。神通はまだ、未熟者のようです』



ガォオオオン!!



神通「!」サッ…



ビシィイイイ!!



戦艦「ウ…!?」




武蔵「随分、硬いな」ガコン…!ジャキッ!!




戦艦「VAVAカ?……違ウ。ヌ?」



戦艦「逃ゲタカ……」



武蔵「余所見とは寂しいじゃないか」




ガォオオオン!




戦艦「フン!」スカッ…



武蔵「二度は通じない…か」シャコ…



戦艦『一時解除ダ』フォン…



戦艦「不意打チ トハイエ、我ニ 砲 ヲ 当テタコト、褒メテヤロウ」



武蔵「姫にお褒めいただくとは光栄だ。だが、あんたの相手は俺だけじゃないぜ」



バシャアアアアアアアア!!



VAVA「…」



ウィイイイイイイイン!!!



ガシィッ!



戦艦「ナンダ?コレハ」



武蔵「掴んだ!やったな。作戦大成功だ」



VAVA「このまま握り潰す」


ギリギリギリ……!



戦艦「…」ジロ…



VAVA「…」



戦艦「貴様 ガ VAVA ダナ。ドンナ 戦イ方デ来ルカト 思エバ」グイィ…



VAVA「!?」



戦艦「フンハァ!」



バガァアアアアアアアン!!!



武蔵「ちぃっ!」ガシャコン!



戦艦「コンナ モノ デ、我 ヲ 倒セルト 思ッテイタノカ」ストッ…



武蔵「くらえっ!」カチッ…



ガォオオオン!!



戦艦「小賢シイ」スカッ…!



武蔵「外れた…!?くそ!装填が……」ガチャガチャ!





戦艦「我ハ、深海 最強。戦艦棲姫 也」




VAVA「だったらどうした!」ガチャ!



グィイイイン!!(鉄球パンチ)



戦艦「愚カナ。マダ 解ラヌ ヨウダナ」スッ…シュッ!(左ジャブ)



バカーーーーーーン!(鉄球真っ二つ)



VAVA「くっ…」



戦艦「脆イ、脆イ、脆イ」シュシュシュッ!!



ドズッ…ブチィッ!!バキバキバキ!!



VAVA「うぉおおおおおおお!?」ガクンッ!



(損傷拡大 操作系統に重大なダメージを受けました 操作不能)



VAVA「チッ……自爆装置、外すんじゃなかったぜ」ダッ…



戦艦「ヤット降リタナ」



VAVA「ハッ!」ピョン!



戦艦「抵抗ナド 無駄ダ。静カニ 死ヌガヨイ」



武蔵「提督!」ガチャ…!



戦艦「黙レ」スッ…



ピカッ……ボワァ!!



武蔵「ごぉわああああああ!?か、体が…!?」メラメラ…!



VAVA「なっ……海に潜れ武蔵ィイイ!!」



武蔵「うぐぅうう……すまない」メラメラメラ…!!



ふらっ……バシャア!ブクブク……!!



戦艦「潜水艦 デハ ナイノダ。早ク 引キ上ゲネバ、溺レ死ヌ」



VAVA「ならば、今すぐ貴様を始末するまでよ!」ドゥン!



戦艦「一度ニ 三発…?我ガ 見タコト ノ 無イ 弾ダト…??」



戦艦『ダガ、アノ 程度 ノ 口径 ナラ 問題 アルマイ』



クィン…!



VAVA「何!?」



VAVA『あれはレーザーだ。あんな風に曲がることなどありえない。確実に直進するはず……ヤツが軌道を歪めたのか?』



バシィンッ!



戦艦「大シタ、威力デハナイナ」シュ~…



VAVA『当たった??軌道を歪められるなら、何故避けない…?』



VAVA『いや、今は迷っている暇は無い』



VAVA「そこだ!」バシュッ!



ボンボンボンボンボンボンボンボンボンボンッ!!!



戦艦「煙幕…オ?」



戦艦『タダ煙ヲ 出ス ダケデハナイ。動ク爆雷 ノ ヨウナモノカ?』



VAVA『空中で放ったバンナウェイボムは、その場で爆発し続ける。爆発のパターンを知っている俺ならば爆風に触れずに前進できるのさ』



VAVA『そして、ケルベロスファントムを叩き込む。至近距離での三発同時着弾ならば、ダメージになる筈だ!』



ガシュンガシュン!!



VAVA「食らいやがれっ!」ドゥン!!



ドシュゥ……ポワ~~ン…



VAVA「手ごたえが無い……馬鹿な!?」



VAVA『この世界の技術水準で可能なのか…』



VAVA「立体映像だと!?」




シュ~~~…グツグツ…



VAVA「!」



VAVA『違う!海面が異常なまでに熱くなっている。この現象は…』



クルッ!



VAVA「そこだろう!」ドゥン!



クィイイ……バシィイイ!!



VAVA『また軌道が!?しかし、当たっているなら問題は無いか』



戦艦「…」



戦艦『……今、コチラ ヲ 見ズニ 撃ッタナ。反応速度 モ 中々ダ……何者ナノダ。コヤツ』



VAVA「蜃気楼だな」



戦艦「ヨクゾ 見破ッタ」



VAVA「はっ!深海最強を名乗る割には、せこい手を使うじゃねぇか」



戦艦「成程少シハデキル。コウデモ ナケレバ、姫達 ガ 負ケタ 説明ガ ツカン」



VAVA『チッ……この余裕。まだ余力を残してやがるのか。武蔵……早く引き上げなければ手遅れになる』



戦艦「…」ペリペリ……ピカーッ!



VAVA『泊地や装甲とは比較にならん再生速度だ。レーザーで焼かれた皮膚の下から、もう新しい皮膚ができている』



VAVA『低火力では意味が無い。高火力、再生する間もなく仕留めなければ、ヤツには勝てん』



VAVA『幸い、ヤツにはコレと言って艤装らしきモノが見当たらない。主な攻撃は格闘か。武蔵へ放った謎の光も気になるが……』



戦艦「ダガ、コレマデダ。海底 ニ 沈メ」グッ…!



プシュン…プシュン……プシュン………



VAVA「馬鹿の一つ覚えか?」シャコン!



戦艦「フフ……総テノ 海ガ 我 ノ 意ノ ママニ 動ク。見ルガイイ。神ニモ 等シイ、深海 ノ 姫 ノ チカラ ヲ」




プシュン!………プシュン!……プシュン!…プシュン!





VAVA「海面が…………まさか!!」ダダッ!!





プシュプシュプシュプシュプシュプシュプシュプシュプシュプシューッ……!!!!





VAVA『蜃気楼……謎の光……こいつが利用していたものは!!』ダダッ…!



戦艦「モウ 遅イ」



パッ…!



戦艦「爆ゼロ」




ボコッ…ボコボコボコ!!!ボワァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!




VAVA「ぐぉおおおおおおおああああああああああああああああああああああ!!」





シュ~~~……



戦艦「…」



VAVA「くぁ…」フラフラ…



VAVA『蒸気だ…ヤツは何らかの方法で海水を急激に温め……今までのトリック、攻撃を…可能にしていたん……だ』



VAVA『光線は…屈折させた光を一気に集めた虫眼鏡のようなもの……蜃気楼も光の屈折で…』



戦艦「…」スッ…



VAVA「ぐ…うっ…」



戦艦「案ズルナ。一撃デ 葬ッテヤル」





だめ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!





戦艦「?」クルッ…



VAVA「!?」



雪風「しれぇ!」バシャバシャ!!



VAVA「馬鹿っ!来るんじゃない!!逃げろ雪風!!」



雪風「しれぇをいじめるのは、雪風が許しません!」バッ!(ガード!)



戦艦「…」スッ…



VAVA「やめろッ!!お前の狙いは俺だろう!!ぐっ……」バチッ…



モクモク…



戦艦「ン……雲カ……」



戦艦『ナラバ、直接 手ヲ 下ス』ツカツカ…



雪風「それ以上近づくと撃ちますっ!ほんとに、撃ちますよ!!」ガチャ!



VAVA「…ぅぬぬ!雪風……」バチバチッ…



雪風「えいっ!」パンッ!



グィイイイン…!



VAVA『また弾の軌道が…!』



戦艦「フフフ…」




ビュウウウウウーーーーッ!!




雪風「ひゃあ!スカートが!?」ササッ!



VAVA「なに!?」




グィ……カクン!ビシィッ!!




戦艦「ウグッ!?」Critical hit!




雪風「自分のおうちに帰ってください!じゃないと、もういっかい撃ちます!」チャキーン!



戦艦「…」ズキズキ…



戦艦『何ガ起キタ。軌道ハ 完璧 ダッタハズ……イヤ、今 ノ 突風デ 偶然 軌道ガ ズレタノカ』



戦艦「小癪ナ」グッ…



シーーーン…



戦艦「何…?」チラッ…



VAVA「ふん……もう一度爆発させようとしたんだろうが、そうはいかねぇよ」カチカチ…



戦艦「…!」



VAVA『気休め程度にしかならんと思ったが…フローズンキャッスルの最大出力が勝ったようだな。海面も徐々に凍り始めてきた』



雪風「海が凍ってます!?なんですかぁ!これ!!」



VAVA『おかげで……エネルギーを使いすぎたが、俺にも意地ってモノがあるぜ。何としても雪風を逃がしてやる…』



雪風「しれぇも凍っちゃいます!!陸に上がりましょう!!うんしょ、こらしょ!!」ぐいぐい!パキパキ…



VAVA「ばっ……違う…そうじゃない!」



戦艦「逃ガスト 思ウカ」ズンズン…!



VAVA「うぉおおおおお!」ドゥン!ドゥン!!バルルルルルルルーーッ!!



グィイイイイイン…!!パシュゥウン!!



戦艦「効カン」



VAVA「何故だ…!何故効かない!!」ズルズル…



戦艦「…」スゥッ…(振りかぶり)



VAVA「まだ、まだだぁッ!!」バルルルルルルッ!!



ゴロゴロ……



雪風「わぁ!?かみなりですっ!しれぇっ!こわいですー!!」スサッ…



VAVA「逃げろよ!俺に近づくんじゃない!!!」



戦艦『イヤ……タダ手刀デ 仕留メテハ、意味ガナイ。コヤツ ノ 処刑 ニハ……コレ ガ 相応シイ』



戦艦「深海ノ姫 ニ 逆ラウコトガ、ドンナ結果ヲ 招クカ」チャプ……



スラー……ギラリ…



戦艦「コレデ、地上ノ 玩具共モ 解ッタデアロウ」ブゥン…!



VAVA「水の刀だと…!」



ゴロゴロゴロゴロ……!



戦艦「優秀 ナ 戦士 ノ 命ト 引キ換エニ……ナ」チャキッ!





カッ!!ピシャーーーーーーーーーーンッ!!!






戦艦「ブルァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?!?」バヂバヂバヂバヂッ!!








ブシュゥッ!!ボムンッ…ブチッ……ボコボコボコボコ……ボワァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!




VAVA「落雷かっ!?くっ……雪風…」ガバッ!



雪風「…」きゅ~…




シュ~~~~~~~…………




VAVA「雪風ッ!!」パッ…



雪風「うにゅ……」ぐるぐる~…



VAVA「…」ぴとっ…………ホッ…



VAVA『よし…心臓は動いている。外傷もない。ショックで気絶しているだけだ』



戦艦「ォ……」ドジュゥウウウウ~~……



VAVA『俺も少しダメージを負ったが…体が氷の膜に覆われていたおかげで助かったぜ。雪風は氷の上に立っていたから、運良く電気が流れなかったのだろう。氷は天然の絶縁体だ』



戦艦「…」ドロォ…



VAVA『皮肉だな…誰も予期できない落雷の直撃によって、自らの体内で水蒸気爆発が起こったのだ』



VAVA『水蒸気爆発にものともしなかったヤツも、体の内側で起こった爆発にはどうにもならんらしい』



VAVA『肉体が原型を留めているだけ化物だが……雪風が気絶していてよかったかも知れん』



VAVA「海は味方にできても……幸運の女神は味方にできなかったようだな」ヨロヨロ…!



戦艦「…」バッ…!!



キィーーーーーーーーーーーーーン……!



VAVA「逃げた…か……へっ、神の存在を信じたくなってきたぜ…」ヨロ…



VAVA『いか…ん……もうエネルギーが…限界だ……』ガクン…



バタン…



限定海域



ドゴォオオオオオオオオン!!



ドギューーーーーン!!



北上『こいつ……めっちゃ強い。やばい、負けるかな。こりゃあ』



ル級『読メン ヤツダ……ダガ、間違イナク コイツハ エース。最高戦力 ノ 一角 ニ 違イナイ…!』



ル級「ヂィアアアア!!」



北上「ふんぬっ…!あ…!?」ヨロッ…



ル級「隙アリダ!」



ちゃぽっ……!



ゴーヤ「足引っ張るのは得意技!」ガシッ…!



ル級「ルッ!?」ガクン…!



ドォン!



北上「ナイス!!」チャッ…!



ル級「チィッ!離サンカ!!」ブン!!



ゴーヤ「でちぃいいいいいいいいいいいい……!?」ピュ~~~~~!!……どぽーん!!



ダッダッダッ…!!



北上『ゴーヤ、あんたが作ってくれたチャンス。無駄にはしない!!』



北上「こぉこだぁあああああああああああああ!!!」



ル級「ルゥォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」



……ゴォッ!!



ガシッ…!



ピタァ…!




泊地「…」




北上「新手か……!?」



ル級「ア…アナタハ…!?」



泊地「……戦イハ、終ワリダ。二人トモ」パッ…



スィー……グィ……ザパァ…↑



泊地「オイ、シッカリシロ」ぺちぺち!



ゴーヤ「おかぁさぁん………もう一度…会いたかったでちぃ…」ぶつぶつ…



泊地「気ヲ シッカリ 持テ。今、楽ニ シテヤル」スッ…



北上「なっ…!まさか……!!」



泊地「勘違イスルナ」パァ…!



ゴーヤ「なんだか……いい気持ちでち……」パチッ…!



泊地「…」ストン…



ゴーヤ「でち…?どこかで見たような…か…お………」サーッ…



ル級「泊地様!」



泊地「久シイナ、ル級ヨ。フラッグシップ 任命 ノ 儀式 以来カ」



ル級「ハッ……シカシ、何故アナタガ コノヨウナトコロニ…!」



泊地「頭ガ高イ」



ル級「ルッ……ハハァッ」ぺコォ…!



ゴーヤ「そうでち!泊地棲鬼でち!!教科書でみたでち!!」ダダーッ!



北上「…………おいおい、勝手に時代劇やってんじゃないよ。お姫様、目的を聞こうか」



泊地「悪イガ、ユックリ 話ヲ シテイル 時間 ハ アマリ 残サレテイナイ。ココニ イナイ以上、戦艦ハ モウ オマエ達 ノ 鎮守府ニ 攻メ込ンデイル ダロウ」



北上「なんだって!?」



ゴーヤ「えぇ!いつの間に抜かれたでち…!?」



泊地「オマエ達 ニ 気付カレズニ 進軍 スル ナド、戦艦 ニハ 造作モ 無イ コトダロウ」



北上「なんてこった…そうか!提督は……これを予想していたんだ」そー……カシュ



ル級「馬鹿ナ!戦艦様 ガ、自ラ 出陣スルワケガ アリマセヌ!!」



泊地「ル級、知ランノカ……成程、敵 ヲ 欺ク ニハ 味方カラ ト 言ウ訳ダナ」



ル級「アリエナイ!!」



泊地「ナラ、自分 ノ 目デ 確カメロ」



ル級「ウッ…」



北上「ゴーヤ、握手」



ゴーヤ「え、何でこんなときに……はいでち」ぎゅ!



北上「へへっ」キラン…!



ゴーヤ「ワイヤー…?」



北上「はい、肩組んで。腰に手を回して~……これ、しっかりもつ」



ゴーヤ「……まさか」



泊地「私ハ、戦艦 ノ 暴走 ヲ 止メル!」ダッ…!



ビィーーーーーーーーーーーーーーーーンッ!!



北上「おぉ~速い速い!さながらジェットスキーだね」



ゴーヤ「きゃあ~~~~!!止めてぇ!!足の裏が擦り切れちゃうでち!!」



泊地「ナンカ重イ……ナッ!?イツノ間ニ!私 ノ 艤装ニ カラビナ ヲ……!!」



北上「あんたの艤装にちょうどいい穴が空いてたもんでねぇー!ちょちょいっとやらせていただきましたぁー!!」



泊地「ヤル…!流石VAVA ノ 部下ダ」ボソッ…



北上「へいへい、ちょっと遅いんじゃないのぉ?」



ゴーヤ「わぁー!?挑発やめるでち!ワイヤーを切られたら、もっとやばいことになるでち!!」



泊地「フッ……イイダロウ!利用サレテヤロウ!!マダマダ 加速 スルゾ!!!」ゴォーッ!!



北上「ひゅーっ!」



ゴーヤ「でちー!?」



戦艦海底地下要塞



「姫 ガ オ戻リニナラレタゾー!!」



戦艦「…」ツカツカ…



「オ帰リナサイマセ。戦艦サ……ナ、ナントイウ オ姿ニ!?」



戦艦「ウルサイ!!」ブン!



「キャアアアア!」ビターンッ!


「オ、オイ!シッカリシロ…!」



戦艦「許サン……VAVA!!」ゴゴゴゴ…!!



ズゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!



「戦艦様!ドウカ、オ静マリヲ…!」



戦艦『VAVA……コノママデハ スマサンゾ…!』



戦艦「グッ……頭ガ…!」ズキッ…!



戦艦『ナンダ…!コノ…痛ミ…ハ』



「ドウシマシタ!?戦艦様!」



戦艦「…」



「戦艦……様?」



戦艦「誰…?ワタシ ノ オルガン ヲ 弾イテイルノハ」キョロキョロ…



戦艦「何デ コノ 曲 ヲ 知ッテイルノ!?ヤメテ、聴キタクナイィ!」



「セ、戦艦様!!御気ヲ 確カニ!!!」



「曲ナンテ 聴コエテナイノニ……!」



「錯乱シテイル!!皆、戦艦様 ヲ 取リ押サエルンダ!!」



戦艦「聴コエルノヨ…!アノ声……アノ笑イ声ガ……近ヅイテクル…!!イヤァアアアアアアアア!!!」



「何 ヲ シテイル!!ウグッ…!早クドックマデ オ連レ スルノダ!!」



戦艦「ア…ァ……」ガクッ…



「戦艦様ァア!!」



戦艦「…」パチッ!



戦艦「フフフフフ……」ニタァ…



戦艦「クヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」



バッ…スタンッ!



「ナ……!」



戦艦「艤装獣ダァ……」



「艤装獣!?」



戦艦「艤装獣 ヲ 解キ放テ!我 ノ 手デ、ヤツラ ヲ 抹殺スルノダ!!」




「シカシ!アレ ハ 戦艦様 自ラガ 封印シタハズデハ…!?」




戦艦「構ワヌ!思イ知ラセテヤルワ……深海 ノ 恐ロシサ ヲ ナァアア!!」




スッ……コツコツ…



ル級「…」



戦艦「オォ、戻ッタカ ル級ヨ。オマエ モ 来イ!!艤装獣 ノ 封印 ヲ 解クゾォ!!ワァーハハハハハハ!!」



ル級「戦艦様、何故 我々 ニ 任セテ 下サラナ カッタノ デスカ?」



戦艦「気ニスルナ!!味方 ヲ 騙シテコソ 敵モ 騙セル ト 言ウモノダ」



ル級「左様デ…」ゴゴ…!



ル級『先程 ノ 暴力 デ、ハッキリシタ。モウ 我慢デキン』



ル級「モハヤ……戦艦様デハナイ」ガシャン!



戦艦「ヌゥ……?ル級、何故 我 ニ 砲 ヲ 向ケル!!」



ル級「我 ガ 主。戦艦棲姫 ノ 名ノ下ニ。貴様 ヲ 沈メル」



戦艦「ナンダト…?」



ドヨドヨドヨドヨ…!?!?



ル級「姫 ノ 名 ヲ 騙ル 者 ヨ。戦艦 ノ 裁キ。 受ケテモラウゾ…!!」ゴゴゴ…!



ピシッ…ミシミシ………ズゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!



「ル級殿!コレハ 一体……」



ル級「スマナイ。オマエ 達 ハ 逃ゲロ。外デ 泊地様 ノ 軍ガ 待ッテイル。合流シテ、泊地様 ノ 要塞ニ 全員亡命シテクレ」



「ソンナ勝手ナ!?」


「シカシ、ル級殿 ガ ソウ 仰ルノナラ…」


「戦艦様 ニ 加勢 スルベキデハナイノカ!コレハ 反逆ダゾ!!」


「シカシ……ル級殿 ガ 反逆ナド スルモノカ!!」


「ド、ドウスレバイインダ!?」



ザワザワ!ガヤガヤ!!



ル級「私ハ…!オマエ 達 ニ 生キテイテ 欲シイ!!オマエ達 モ 薄々 気付イテイタハズダ!!コレハ、戦艦様デハナイ!!」



シーーーーーーーーーン…



戦艦「ル級……」ワナワナ…!



ル級「決着 ハ 私 ガ 着ケル!!……ソレガ、フラッグシップ トシテノ、私 ノ 使命ダ」



「……ル級殿、イツカ、モウ一度 戦艦様ニ」



ル級「アァ、アノ御方ハ 不滅ダ。イツカ、コノ 鉄底海峡ニ 必ズ 戻ッテ来ラレル。ソノ時ハ、モウ一度 皆 デ 仕エヨウ。優シイ 姫様ニ。行ケェ!!」



「…総員退避!!」




ダダダダダーーーーーーーッ!!!




プッツン…!



戦艦「…ックヌゥ!!裏切リオッタナァーーーーー!!!」ゴォッ!!



ル級「サセヌ!!」ガシィッ!!




戦艦「グウゥゥゥゥゥ…!!」ギリギリ…!



ル級「ルウゥゥゥゥゥ…!!」ギリギリ…!



戦艦「ル級ゥ……タダノ 戦艦ダッタ オマエ ヲ、今 マデ カワイガッテ ヤッテキタノニ …!!仇デ 返スカ!!」



ル級「黙レ!」



バッ!!ガィイイン!!ガギィインッ!!ガシガシッ……!!



戦艦「フラッグシップ ノ チカラ!!与エタノハ 誰ダト 思ッテイル!!」



ル級「オマエ ハ 戦艦様デハナイ!!戦艦様ハ、皆 ヲ 我ガ子 ノ ヨウニ 愛シテクレテイタ!!」



戦艦「愛ダトォ?」



ル級「ソウダ!オマエ カラハ 一切 ノ 愛モ……悲シミモ 感ジナイ。アノ御方ハ、オマエ ノ ヨウナ 鬼 デハ 断ジテナカッタ!!」



ル級「……地上トノ 複雑ナ 関係ニ 頭ヲ 悩マシナガラモ、人間 ヤ 艦娘 達トノ 共存ノ道 サエ 捨テテイナカッタノダ!!」



戦艦「世迷言ヲ!オマエ ニ ソンナ事 ヲ 吹キ込ンダ 者 コソ、偽者ダ!!我コソ 戦艦棲姫!唯一無二 ノ 支配者ダ。目ヲ覚マセ ル級!!」



ル級「ヨ…マ…イゴ…ト……ダト」



戦艦「デナケレバ ナンダ?深海 ト 地上 ガ 結バレル 日ナド 未来永劫 訪レハシナイ!!和平ナド 軟弱者 ノ 答エダ!!」



ル級「オノレェエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!」



戦艦「グォ…!?」



ル級「ヤハリ、アノ時 殺シテオクベキダッタ!!〔レレレ ノ 乱〕ノ 混乱ニ紛レ、貴様 ハ 戦艦様 ト 入レ替ワッタノダ!!異変ニ 気付イテイナガラ 私ハ…!」じわっ…!



ル級「ルルルァアアアアアアアアアアアアアアアア!!」ゴォッ!!



戦艦「クッ……図ニ乗ルナ!下等ナ 戦艦風情ガァアアアアアアアアアアアアアア!!」



ドガァアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!



ズズズズズ……!!!

工廠



VAVA「…う」ピコン…キュィーン……



VAVA『エネルギーが回復したようだ………ぐっ、内部のダメージはどうにもならんか…………ん?』



ズズズズズ……!!!



「こわいなー…また地震だ」シュー…



VAVA「……ポニーテールか」



「あっ提督。よかった、気がついてー。鎧がヒビだらけだったから穴埋めしてたの。ちょっと待って、色塗ってるから。速乾性だから直ぐかわくよ」



VAVA「ありがとう…」



「脱がそうと思ったんだけど、鎧が外れないからそのままやっちゃった」



VAVA「武蔵と雪風は……無事か?」



「う~~ん……とりあえず二人とも命はだいじょぶだって」



VAVA「そうか…誰が、武蔵を引き上げたんだ?」



「えっとね…戦艦棲姫が逃げた後、誰も提督たちを助けに行けなくてパニックになってたんだけど……」


「突然、海の向こうから泊地棲姫が現れて、三人を助けてくれたんだ。提督が一番最初に倒したヤツだね」



VAVA「泊地棲姫が…?」



「ものすっっっごく驚いたよ。北上さんとゴーヤさんも一緒にいるもんだから」



VAVA「なんだと…!?」



「北上さんが言うには、泊地っちはプライドが高くて、提督を他の姫に討たれるのが我慢ならなかったんだって」



VAVA「…」



「ゴーヤさんは慌てて帰ってきたけど、北上さんは泊地棲姫と海の上でしばらく話しをしてたよ」



VAVA「泊地棲姫はその後どうした?まさか、ここにいるのか」



「ううん。どっかいっちゃった。北上さんに聞いてみても、提督にしか話せない。って話の内容を教えてくれないんだ。北上さんは今、自室で休んでるよ」



ガラ……てくてく…



北上「ちーす。お疲れ、提督。そろそろ起きると思って、こっちから来たよ」



VAVA「おう。俺もお前から来ると思っていた」



北上「へへ、ちょいと大事な話をするんでね。席外してくれる?」



「はーい!」てってってー…!



北上「大体の話はあの子から聞いたっしょ?この戦い、単純なもんじゃないらしいね。あっち側も大変なんだと」



VAVA「らしいな」



北上「泊地っち、なかなか話がわかるし良い人だよ。ちょっとだけ仲良く慣れた気がする」



VAVA「話の内容は」



北上「あぁ、はいはい。泊地っちが提督に伝えろって言ってきたんだけど」



北上「この戦いは終わった。もうあの海域には近づくな」



VAVA「…」



北上「お前との決闘は、お前の傷が癒えてから改めて執り行う。首を洗って待っているがいい。だってさ……ヒューッ!モテるねぇ提督。あたしも鼻が高いよ」



VAVA「…」



北上「でさ……このまま黙ってるわけ?」



VAVA「いや」



北上「だよねぇ」



VAVA「ヤツは危険だ。ここで確実に倒しておかなければならない」スクッ…



北上「よっし!あたしが選んだ精鋭達は皆帰還してるよ。いつでも出れるように準備してもらってるから」



VAVA「さすがだな。北上…」フラ…



ガシ…



北上「ちょ……大丈夫?」



VAVA「すまない、大丈夫だ」



北上『大丈夫なわけないよ。あの化物と戦って、生きてるだけでも奇跡だって言うのに……』



北上『鎮守府も、守りきってくれたんだから』



VAVA「離せ……大丈夫だと言っただろ。俺が…ヤツを潰す」



北上「……この鎮守府は、提督に頼りすぎたのかも知れないね」



VAVA「俺が好きでやってるんだ。問題ないだろう」



北上「ごめん、もういいよ。ゆっくり休んでて、提督。後は任しときなって」


VAVA「き、北上…」



北上「言ったじゃん。あたしが戦艦棲姫の首をとる」



VAVA「俺から……存在理由を奪うのか?」



北上「…」



VAVA「俺は……戦うことしかできないんだ…………こうすることでしか、お前たちに報いてやれない!」



北上「提督」



VAVA「ここは、俺のたったひとつの居場所なんだ」



北上「ねぇ」



VAVA「やっと見つけたんだ……誰にも奪われたくなぃ…」ぶるっ…!



北上『こういうとこが……可愛いんだよねぇ~~~この人。守ってあげたくなっちゃうじゃん♡』



ガシッ…!ギュ~ッ!!ギチチ……!!!



VAVA「が!?北上……!」



北上「そんなことないよ。戦えることだけが提督の良いところなんじゃない。提督が一緒にいてくれるだけで、みんな嬉しいんだから」



VAVA「!」



北上「一人で悩んじゃダ~メ」



VAVA「俺が……悩む」



北上「提督があたし達を守ってくれるように……あたしが提督を守ってあげる」



VAVA「…」



ERROR



北上「たまには良いもんだよ。守られるのもね。大事にされてるって実感できるし」ニカッ!



VAVA「……あぁ」



パッ……トサッ…



北上「ほら、横になって。布団かけてあげるね。おまけに氷嚢も乗っけたげる♪」テキパキ!



VAVA「…うむ」




ERROR ERROR ERROR ERROR




北上「んひひ……帰って来たら、提督秘蔵のバーボンでももらいましょうかね~?」



VAVA「クッハッハッハッ……バレ…てたか。床下のバーボン。いいぜ、全部やるよ」



北上「うん。ありがとね」パチッ♪




ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR




VAVA「北上。これをもっていけ」スッ…



北上「なにこの板?メモリーカード……かな?」パシ…



VAVA「そうだ。その中に、俺と戦艦棲姫との戦闘が録画されている。ラウンジのモニターで再生することができる……」



北上「そりゃすごいね!攻略の手がかりになるかも知れない!!」



VAVA「そのカードを……スロット1に差し込んで…読み込むんだ。読み込み中に抜き差しするなよ……データが消える恐れがある…」



北上「了解。ラウンジのモニターに繋がってる四角い機械だね。わかるわかる」





ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR ERROR




VAVA「北上……頼んだ」ガク…



北上「任せて。あれ…………提督?そっか、安心したんだね」



北上「おーい、もう戻ってきていいよー」



「はーい!あれ?提督、寝ちゃったの?」くちチャック…



北上「みたいだね。そっとしていてあげて」



「りょうかーい…」



VAVA「…」



北上「提督、おやすみ」



次スレです。続きはこちらからどうぞ。



VAVA「蒼き英雄?ハッ……気に入らんな」【艦これ×VAKA Ⅳ】


VAVA「蒼き英雄?ハッ……気に入らんな」【艦これ×VAKA Ⅳ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1473990346/)


このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月09日 (日) 03:18:16   ID: 6e9_1FwM

3つめも期待してまっせ

2 :  SS好きの774さん   2015年08月12日 (水) 00:29:05   ID: Ret9sK6n

VAVAめちゃくちゃ好きだわ

3 :  SS好きの774さん   2015年08月13日 (木) 02:53:33   ID: N07JLp-z

VAVAのデザインはロックマンの世界には珍しいフルフェイスヘルメットだからライバルとしてよく映える
ショルダーキャノンも渋くてかっこいいよな

4 :  SS好きの774さん   2015年08月15日 (土) 18:11:35   ID: Jyag9sv8

長門かと思ったら、
やっぱり長もんじゃないか!!(歓喜
)

5 :  SS好きの774さん   2015年08月16日 (日) 19:40:15   ID: xz5bigNY

ホントにここまで楽しめる艦これクロスを見たことがない。絶妙な混ぜ比率。頑張ってください。

6 :  SS好きの774さん   2015年09月13日 (日) 16:19:37   ID: c1J3Mrwa

VAVAってチョイスがいいし
内容も王道少年漫画っぽくていいねー

7 :  SS好きの774さん   2015年09月22日 (火) 01:42:28   ID: SQJLtcOC

ついに大和登場か、あの主砲はどっちが運用するのかな?大和と長門の邂逅が楽しみ

8 :  SS好きの774さん   2015年09月26日 (土) 04:31:33   ID: xyfzbOAS

VAVA以外のレプリロイドが登場しないのもまたいい。艦これ側をないがしろにしてないし、VAVAもキャラが立ってていい方向に変わって行ってる。

9 :  SS好きの774さん   2015年11月07日 (土) 17:40:18   ID: nmtgE0XF

なぜイレギュラーは発生してしまうんだろう

10 :  SS好きの774さん   2015年11月14日 (土) 15:01:06   ID: NprHQSw4

ボンボン世代大喜びスレ。

11 :  SS好きの774さん   2015年11月14日 (土) 22:47:26   ID: Kht9XrCp

おっさんにしかわからないニッチなクロスなのにシリーズが軒並み高評価で草w

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom