のび太「絶望的な世界。僕に何が出来るんだろう」
この21世紀はギガゾンビに支配されている。あの時、ギガゾンビはタイムパトロールに逮捕されたかに思えていた。
だが、タイムパトロールが22世紀に向かう途中で時空乱流が起きた。タイムパトロールが混乱する隙を突いて道具を
持って逃げ出したのだ。流れ着いたのが21世紀。そこで上手くギガゾンビは潜伏した。ギガゾンビは亜空間破壊装置
の改造をし亜空間分断装置を開発した。僕らが気付く頃には遅く装置は作動していた。僕らのいる21世紀を
パラレルワールドに変えられたのだ。タイムパトロールに頼れなくなった僕等は自力でギガゾンビに立ち向かった。
結果は惨敗。ドラえもんは壊され、邪魔者のいなくなり、この世界でギガゾンビは頂点を手に入れた。
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おかしいところはあると思うけど許してね!
ギガゾンビがこの世界の中心人物となり自分のいいように世界を動かした。
ドラえもんのいない僕等は赤子の様な者だったのか、捜しだしどうのこうのと言う事はなかった。
ギガゾンビが世界を手に入れて8年。
僕は普通に生活をしていた。支配体制は苛烈で苦しかったが、大人しくしていれば反逆罪で逮捕されたり処刑はされなかった。
静香ちゃんも、僕と似たようなものだった。
ジャイアンは抵抗軍に加わったようだ。ギガゾンビの政府軍と戦っていた。毎日、抵抗軍の捕虜達が公開処刑をされている。逆らえばこうなるぞ、と。
スネ夫は会社の若社長で上手くやっていた。スネ夫は、ギガゾンビが世界を支配したとき最初にギガゾンビを支援し始めた。しかし、これは裏切り行為だとは
思ってない。スネ夫の会社はかなり大きいのだ。聞けば知らない人はいないほどの会社だ。当然、ギガゾンビはスネ夫に圧力をかけるだろう。圧力をかけられ
て従うようではギガゾンビからの信頼は得られない。なので、進んで支援し始めた。信頼度さえ上げておけばいつかは隙が生まれる。その隙を突こう、これが
スネ夫の考えだ。
朝起きた。またどこかで銃声が聞こえる。抵抗軍と政府軍が争っているのだろう。
憲兵「この区域から先へ進むな!」
憲兵達が紛争区域となった所を封鎖している。インターホンが鳴った。
静香「のび太さーん」
静香ちゃんだ。インターホンや電話には無条件で怯えるようになってしまった。
のび太「静香ちゃん、ちょっと待ってて!」
サプリメントを口に含み、家から出る。
のび太「行こうか」
静香「ええ」
男性は12~18時まで肉体労働に回らなければならない。女性は食糧生産だ。他にも重税など厳しい支配が続く。
静香「のび太さん、武さんは無事かしら」
のび太「ジャイアンなら大丈夫さ。簡単に死んだりするような奴じゃない」
静香「そうね」
ふとジャイアンが抵抗軍に加わる前に言った言葉が思い出される。
ジャイアン「お前ら、ドラえもんがいなくなったからって、簡単に諦めんのかよ!勝手にしろ!」
僕だって諦めたわけじゃない。ドラえもんには自動修復機能がついている。だが、完全に治るにはどの位かかることやら。
ギガゾンビを倒す事で未来が繋がる。それは確かだ。ギガゾンビは科学の発展を許さない。自分の下へ来ることを恐れるのだ。
事実、機械の開発が出来る会社はギガゾンビの許可がおりたもののみ。
射撃なら誰にも負けない。でも未来の武器で守られているギガゾンビなら武器も無力化できるのだろう。
大学へ入る。すっかりがらんとしている。静香ちゃんとは違う学部なのでここで分かれた。
僕は非力だ。なにもすることは出来ない。せめてここで勉強しどこかの会社に入るだけだ。
~数時間後~
12時か・・・。きついな。僕は身体中が筋肉痛なんだ。ずっとこんな調子だ。
作業場へ行く。何を作るつもりなのかわからない。巨大な壁を建設している。僕は壁の出来た部分にセメントを塗り固める。
これを6時間ずっと繰り返す。肉体だけでなく精神的にもきつい。
・・・終わった。憲兵達が撤収している。僕も家に帰ろう。
家の前まで来た。入ろうかなと思っていると近くで声がした。
???「おい!のび太!悪いがかくまってくれ!」
ジャイアンだ!久しぶりに会ったジャイアンは疲れているように見える。
のび太「ジャイアン、久しぶりじゃないか!大丈夫だった?」
ジャイアン「な訳ないだろ」
苦笑いだ。多くの友人と離れ離れになった自分としてはジャイアンとの再会はとても嬉しい。
のび太「まあ上がってよ」
ジャイアン「悪いな・・・」
暫らくは取りとめもないことを話した。0時になった所でジャイアンが帰ると言った。
のび太「泊まって行かないの?」
ジャイアン「お前を巻き込む訳にはいかない。今日のはどうしようもなくてお前に守ってもらった。お前と会うのは今日これっきりだな」
ジャイアン「・・・もしも、もしもお前が戦う事を望んだならこれを、やるよ」
消音装置のついた拳銃とライフルを取り出す。
のび太「これを!?」
ジャイアン「射撃得意だからな。それにお前は人を殺せないだろ?これは全部麻酔銃だ。しかも特別製で撃たれると丸一日寝込む」
ジャイアンに手を貸すこともない僕にここまで。
のび太「・・・ジャイアン、ありがとう」
翌朝、テレビを点ける。
アナ「政府に多大な被害をもたらし危険行為を繰り返す抵抗軍の兵士を捕まえました」
のび太「!?」
そこに映っていたのはジャイアンだった。
ジャイアンは抵抗軍の中でも屈指の猛者だ。きっと抵抗軍の仲間が助けに行くだろう。
でも、僕には何かできる事はないのか?
麻酔銃が目に入る。昨日貰った物。奇しくも今日使う事になるのか。
大きなボストンバックに銃を入れた。
狙撃なら、ビルとか高い建物がいいな。処刑場へ向かう。
処刑場近くに着くと背の高い建物を探す。すぐに見つかる。建物の屋上を目指した。建物のなかは全体的に人気が少なく簡単に進入できた。
兵士A「ここに奴らは来る」
兵士B「分かってる」
兵士C「ここから狙撃するんだろ」
兵士D「特に問題はないはずだ」
!!もういるのか。数は4人。でも、戦うしかない!麻酔銃をとりだす。
兵士A「ん?」
拳銃を撃つ。煩い音が出ると思ったが消音装置のおかげで音は小さくなっていた。兵士Aが寝る。
兵士B「寝ている。これは・・・麻酔銃か!」
まずい!慌ててもう一発発射する。兵士Bが寝る。
兵士C「俺が行く、お前は待っていろ!」
急いで下の階に下りる。兵士Cが降りてきた。今だ、麻酔銃を撃つ。
兵士C「ぐあっ」
残りは1人か。兵士Dは屋上で入り口に銃を向け気張っている。拳銃からマガジンを抜き投げた。
兵士D「いるんだな!?そこ・・・」
言い終わる前に飛び出し発砲する。終わった。
アナ「それでは処刑をはじめたいと思います」
処刑人が出てきた。
アナ「それでは、処刑をはじめ・・・」
抵抗軍「進めー!」
政府軍「来たな!」
僕は処刑人に向けて銃を撃った。若干狙いがずれたけど問題なく当たった。
無線「どうしたんだ!?ちゃんと見張っているのか!?」
のび太「我々では敵の位置が特定できない。狙撃可能な位置に来た者を狙撃する」
無線「くそっ、役たたずめ」
危なかった。ばれるかと思った。その後も狙撃を続けた。肉体労働で鍛えられたとはいえライフルは重い。命中精度も落ちたような気がする。
抵抗軍が有利だ。ここに応援が来ない内に早く帰らないと。
家に帰った。ドラえもんを見る。ドラえもんを治せる者は残念ながらいない。今の科学ではとうてい治せないだろう。
さっきは目立つような行動を取ってしまった。ああいうのは避けるべきかも知れない。
大学は今日はもう行く気になれない。
そういえば、パパもママも死んでしまったんだよな。強制労働でパパは体調を崩してしまった。長い間休暇が必要と知られたとき、使えない者は死ねという
考えで殺された。ママも似たようなものだった。これまでやった事ないキツイ仕事をあの歳でいきなりやらされたらそうなる。
冷蔵庫を開ける。あれ、もう食べ物が無いや。買出しに行こうっと。近くのスーパーに行った。
買った物は惣菜やら、おにぎりやらもう作ってある物ばかりだな。
スネ夫「ん!?やっぱりのび太か!」
のび太「スネ夫じゃないか!?」
2日続けて友人に会えるとは。しかし、スネ夫の会社は遠い筈だ。何故ここにいるんだろう。
スネ夫「取引先から帰る途中でお前を見つけたんだよ」
そういう事か。
スネ夫「まあ何だ・・・。近くの高級レストランで身の上話でもしようじゃないか」
高級レストランとわざと言うあたりがスネ夫らしいな。
のび太「ありがとう」
レストラン
スネ夫「とりあえず、のび太はお冷だけな」
のび太「・・・」
スネ夫「冗談だよ」
相変わらずだな。だがスネ夫は「しかし・・・」と急に深刻になる。
スネ夫「ドラえもん、まだ治るのに時間かかりそうか?」
のび太「うん、残念だけどね」
のび太「僕は考えてみたんだ。ここは時空分断装置で切り離されパラレルワールドになった。でも、僕らの知ってる22世紀が無くなる訳じゃないと思うんだ」
スネ夫「そりゃまた、ドラえもんは壊れた。ギガゾンビが科学の進歩を邪魔をしてる。22世紀が来る訳ないじゃないか」
のび太「ドラえもんは壊れた、でも確かにこの世界に存在する」
スネ夫「!?なるほど・・・。うっかりしてたよ。希望はない訳じゃないのか」
のび太「ギガゾンビを倒せれば、22世紀の世界は来る」
スネ夫「なんだか希望が見えるな。僕はギガゾンビの仲間に見えるような行為をしてるからね。のび太は起こってないようだな」
のび太「当たり前だよ。ギガゾンビと対峙できる機会を窺ってるんだろ?」
スネ夫「そうなんだ、でもギガゾンビは用心深い。話がある時ツチダマを寄越すだけで自分が姿を見せることはない。僕は貿易会社をやってる。そこで、密売
人から武器を仕入れて抵抗軍に流してる。やってる事は矛盾してるだろうけどね」
スネ夫「ジャイアンを助けたのは、もしかしてのび太か?」
のび太「何で分かったの?」
スネ夫「勘だけど。ジャイアンを助けてありがとな」
のび太「いいって」
スネ夫「実は僕は直接ギガゾンビと会う約束を取り付けた。明日会うんだ」
のび太「そんなことは早く言ってくれよ」
スネ夫「いや、駄目だ。のび太の考えが変わってないか知りたかったからね」
のび太「それは当然だよ」
スネ夫「杞憂だったね。とりあえず、抵抗軍に場所を教えて奇襲なんて事にはしたくないんだ。逃がしたら僕は殺されてギガゾンビと会うことも難しくなる。
だから、会う機会を重ねて信用を上げる事にした」
のび太「がんばってね」
スネ夫「ああ、任しとけ」
今日はここで書くの止めます。
あれから数日が経った。
僕は何の進展もないまま日々を過ごしていた。どこからか銃声や爆音が聞こえる。抵抗軍と政府軍が争っているのだろう。
政府軍の検問所を破壊するつもりのようだ。検問所は道路にあり、検査され異常の無い者しか通れない。これがあると抵抗軍は政府軍の基地に進めないのだろう。
奇しくも、その先には強制労働者の造っている建物がある。
抵抗軍「進め、行けるぞ!」
装甲車二台と数十人の兵士が配置されているだけだ。かなり政府軍は苦戦している。これなら抵抗軍は勝てるんじゃないか。
???「情けないな。それでもギガゾンビ様に仕える兵士か?」
声の主はツチダマだった。
抵抗軍兵士A「つっ、ツチダマだ!」
抵抗軍兵士B「気をつけろ!距離を取りながら攻撃するんだ!」
ツチダマは形状記憶セラミックで出来ている。そのため壊されても再生する。抵抗軍はそれを知っている。これまで何度となく苦しめられてきているのだ。
ツチダマ「はああああ」
ツチダマは衝撃波を放つ。一瞬の内に大量の死体が出来る。
抵抗軍兵士A「重装備兵出て来い!」
ロケットランチャーなど高火力で武装した兵士が出てくる。
抵抗軍兵士A「撃てえ!」
兵士が銃を撃つ。攻撃があたりツチダマは砕け散る。
抵抗軍「今だ!押し返せ!」
ツチダマは再生はするがすぐに再生する訳ではなく数分の時間を要する。その隙に抵抗軍は攻撃をするのだろう。
殺し殺される戦いが永遠に続く。
抵抗軍は検問所まで到達すると爆薬を設置する。
政府軍「ここはもう駄目だ!退け!」
もう無理と悟ったのだろう。政府軍は撤退した。
抵抗軍「爆破します!」
大きな爆音と共に検問所は粉砕される。
抵抗軍「使える武器は拾え。全て終わったらアジトへ行こう」
ツチダマ「そうはさせるか!」
抵抗軍兵士A「ツチダマが復活した。重装備兵!前に出ろ!」
重装備兵が兵器を構える隙を与えずツチダマは衝撃波を放つ。重装備兵が全滅する。
抵抗軍兵士A「仕方ない。今の戦力で戦うぞ!」
・・・その後、抵抗軍はツチダマに全滅させられた。
政府軍の指揮官達を入れ替えたとテレビで発表された。テレビでは詳しく発表される事はなかった。
だが、その日から抵抗軍の敗北が続いていった。一体敵の指揮官は何者だろう。
静香「のび太さーん」
のび太「ああ静香ちゃん、今行くよ」
もうすぐ12時近くだ。一緒に労働場まで行く。途中までなら一緒だ。
のび太「ジャイアンとスネ夫に会ったよ」
静香「そう・・・、2人は元気だった?」
のび太「かなり危なっかしいけどね」
今日で建物は完成する予定だ。僕はもっぱら巨大な壁にセメントを塗り固めるだけの作業だ。建物本体を見た事がない。でも、壁が巨大だから建物も巨大だと
いう事は分かる。
男「今日でここの作業とはお別れだな。次の作業は希望制らしい。なるべく楽なのがいいなぁ。次の作業は何があるっけ?」
のび太「分からないよ、別に僕はどっちでもいい」
暢気だな、と思ってしまう。世界が悪党に乗っ取られているのにこうも簡単に現状を認識し生きれるのか。
何故か、今日は憲兵だけでなく政府軍まで見張りに着いている。
夕方
憲兵「ご苦労!今日で建設作業は終了だ。次の作業は希望制を行う。詳しいことは追って通告する!」
さて、帰るか。
家に着いた。瞬間電話が鳴る。誰だろう。
のび太「もしもし?」
スネ夫「のび太か!?ギガゾンビは今巨大要塞にいる!抵抗軍に場所を伝えた。抵抗軍は奇襲をするつもりだ」
のび太「巨大要塞!?それは何?」
スネ夫「のび太達が強制労働させられた所だ。壁の中は要塞なんだ」
なるほど。だから政府軍がいたのか。あんなに巨大な所を攻めるんだ。多分大規模な戦いになるんだろう。
せめて、僕に出来る事をしよう。麻酔銃をバッグに詰め巨大要塞へ向かった。
僕が着く頃には戦闘は始まっていた。数万人規模の抵抗軍が要塞を囲っている。なんとヘリコプターも飛んでいる。ヘリコプターは要塞の内側に抵抗軍を
送り込んでいるようだ。ヘリを使わない抵抗軍はワイヤーと杭を使って登っている。50mもある壁を登るなんて並大抵の精神じゃない。
それよりもどうやって中に入ろう。すると、ビルが目に入った。アレから航空中のヘリに頑張れば飛び移れる。ビルの中へ入り、屋上に着く。
ヘリに飛び移るのは怖いな・・・。でも、怖気付いてはいけない。抵抗軍は僕を知らないから僕を敵と思われるかもしれない。
丁度、ヘリが通りかかる。アレに乗ろう。深呼吸をする。助走つけてヘリに向かって飛ぶ。ギリギリで届いたようだ、スキッドに手をかけている。
そのまま、ヘリと共に要塞の中に入った。
要塞の中は武器庫や監視塔などの建物がある。
抵抗軍たちはそこら辺にある建物を弾除けにし、攻撃している。要塞の外は抵抗軍が多いが、中は断然政府軍のほうが多い。抵抗軍は不利のようだった。
ヘリが着陸する前に武器庫に飛び乗った。そしてうつ伏せになり、ライフルを構えた。監視等の兵士が邪魔だ。兵士を目掛けて発砲する。どうやら当たった
ようだ。兵士は倒れ込む。他に、厄介な敵はどこだ・・・。あの大きい要塞の屋上、そこには狙撃手がいる。数えてみるか・・・。40人位の狙撃者がいた。
ライフルで狙いを定め的確に撃っていく。敵も違和感を感じ始めているのだろう。敵は戦車や装甲車を用意してきた。駄目だ。
アレは麻酔銃ではどうにもならない。
ジャイアン「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
ジャイアンがいた。大きい機関銃を戦車に向けて撃っている。狙いは戦車のタイヤだ。パンクさせるつもりのようだ。さすがジャイアンだ。
撃ち続けていると、後ろから呻き声が聞こえる。何だ?後ろを振り向くと、抵抗軍の後ろに政府軍がいる。政府軍から挟み撃ちにされている。
一体どうやって?巨大な壁の上を見て理解した。政府軍が外側にも配置されているのだ。そして、外側にいる抵抗軍を倒しながら壁をのぼったようだ。
このままでは全滅してしまう。
武器庫から降りた。その後通行に邪魔な敵を撃ちながら遠回りをして、要塞の入り口にやってきた。
中は兵士が4人いるだけだ。入りながら2人撃つ。その後転がって机の陰に隠れる。
政府軍兵士「敵か!?外はどうなってるんだ!?」
敵が動揺しているのが分かる。これならいける。とびだすと2人まとめて打ち倒す。そのまま上の階を目指した。多分ギガゾンビは最上層にいる。
最上層の1階下の階にまで来た。この先にいるはずだ。気配を消して登る。
ギガゾンビ「出来たばかりの建物を狙ったのだな。奴らめ」
スネ夫「はい、その通りですね。ですが、抵抗軍は指揮官殿に任せておけば大丈夫です」
ギガゾンビ「ああ、あいつはとても上手くやっているからな」
スネ夫「しかし、ツチダマ様はどこにいるのですか?」
ギガゾンビ「わしのさっきまで住んでおった場所の警備をやらせておる」
スネ夫「そうですか」
スネ夫は上手くやっているな。さて、どうやって倒せばいいんだろう。
???「お前、何をやってる!?」
!?
ギガゾンビ「誰だ!そこに誰かおるのか!?」
出木杉「閣下、侵入者です。素早く逃げられてしまいました」
助かった。出木杉だったのだ。
ギガゾンビ「何故お主はここにおるのだ。指揮にあたっていろ」
出木杉「侵入者がいる事を知らせようとした次第です」
ギガゾンビ「そのような事は下っ端にでもやらせればよかろう」
出木杉「はい、失礼しました」
出木杉は政府軍の指揮官なのか。たしかに政府軍が強くなった事は頷ける。でも、敵ならなんで僕をばらさずにいてくれるんだ。あ、出木杉がこっちに向かって来た。
出木杉「のび太君、ついて来てくれる?」
のび太「分かったよ」
休憩所の様な所に来た。
出木杉「さて、ここなら大丈夫だ」
のび太「出木杉、一体どうしてギガゾンビの下につくんだ?」
と聞きつつ、出木杉は日本が誕生する前の時代に行ってない事に気付く。
のび太「じゃなくて、独裁者の下につくんだ?あいつは人に酷い事をしてる奴じゃないか!?」
出木杉「政府がどんなに酷くてもそれが権力だから、従うしかない」
のび太「抵抗軍の指令官か何かになればいいじゃないか!?」
出木杉「それじゃあ、駄目なんだ。これまで歴史上革命が上手くいった事がない。例え革命が上手くいってもその後の統治がうまくいかず破綻してきた事も
ある。確立でいえば、武君達がやっている事は不確実な事なんだ。でも、僕がギガゾンビの右腕として活躍し、政治の権利が少し、ほんの少し与えら
れればこれまでより社会を良く出来る。トリアージで考えるとこれが確実なんだ。スネ夫君は倒すことを目的にしてるようだけど。僕は僕に出来る事
をやる、それだけなんだ」
出木杉の考えも分かる。
でも、僕はギガゾンビを倒さなくてはならない。僕たちの夢、22世紀を、守るためにも。
のび太「僕は、それでも、それでもギガゾンビを倒す。不確実だろうと」
決意を固めた。
出木杉「のび太君。・・・分かったよ。頑張ってよ。僕は応援してる」
大きいスイッチのようなものを取り出す。
出木杉「これは、コントロールルームが占拠された時の非常用のスイッチ。パスワードでコントロールをロックする事が出来る。他に、コントロールルーム
と同じ事が出来る機能が付いてる。このスイッチでやれる事は限られるけどね。外を・・・見てくれ」
窓を覗く。抵抗軍はかなり不利だ。もう追い詰められている。ジャイアンが先陣を切って戦っているのが見える。
出木杉「僕は侵入者に襲われた事にするよ。いつか会える日があるなら、また会おう」
僕は駆け出した。
出木杉・・・、また会おう。
あれから、抵抗軍は決死の特攻で何とか脱出出来た様だ。
僕もどさくさに紛れ込んで何とか脱出していた。かなり手間取ってしまったがしょうがない。
麻酔銃もほとんど弾を使い切ってしまった。
ある日
ジャイアン「のび太!おーい!のび太!」
のび太「ジャイアンか。どうした?」
ジャイアン「政府軍の基地に行く。ついてこい」
のび太「僕も戦うのか・・・。よし、分かったよ」
ジャイアン「いや、戦う訳じゃない」
のび太「え?それは一体・・・」
ジャイアン「ヘヘヘ」
~政府軍基地~
政府軍兵士A「抵抗軍が来たぞ!」
政府軍兵士B「全員構えろ!」
政府軍の兵士達が一斉に銃口を向ける。が、異変に気付いたようだ。
抵抗軍は武装をしていないのだ。
抵抗軍は全員基地の内部に入ると座り込んだ。
政府軍「貴様等、一体何をするつもりなんだ!」
ジャイアン「俺等は気付いたんだ!俺達はお前らとは戦いたい訳じゃない!」
政府軍「何を言う!?我々に散々攻撃をしておいて!」
ジャイアン「そうだ!俺達はお前らの仲間を大勢殺した!」
政府軍「貴様っ!」
ジャイアン「だが、それはあくまでギガゾンビを倒すためだった!お前等だって思わないか!?あの独裁者を、本当に慕っているのか!?本当に仕えたくて
従ってる訳じゃないよな!あんな非情な奴を!」
政府軍「ええい!黙れ黙れ!」
かなり政府軍は動揺している。そう、ジャイアンの言うとおり抵抗軍は政府軍を殺してきた。だが、あくまでギガゾンビの行く手を阻むから。
それに政府軍だって人間だ。たまたま、ギガゾンビに選ばれて無理やり従っていただけ。そしてそれが仕事だと思えるようになっただけ。
ギガゾンビを慕っているからではない。それに、ギガゾンビに対し悪感情をもっているものもいる。
ジャイアンはいくらギガゾンビでも全世界を相手にすれば勝てないだろう、そう考えたのだ。そして、政府軍に説得を試みた。
~政府軍基地~
政府軍兵士A「抵抗軍が来たぞ!」
政府軍兵士B「全員構えろ!」
政府軍の兵士達が一斉に銃口を向ける。が、異変に気付いたようだ。
抵抗軍は武装をしていないのだ。
抵抗軍は全員基地の内部に入ると座り込んだ。
政府軍「貴様等、一体何をするつもりなんだ!」
ジャイアン「俺等は気付いたんだ!俺達はお前らとは戦いたい訳じゃない!」
政府軍「何を言う!?我々に散々攻撃をしておいて!」
ジャイアン「そうだ!俺達はお前らの仲間を大勢殺した!」
政府軍「貴様っ!」
ジャイアン「だが、それはあくまでギガゾンビを倒すためだった!お前等だって思わないか!?あの独裁者を、本当に慕っているのか!?本当に仕えたくて
従ってる訳じゃないよな!あんな非情な奴を!」
政府軍「ええい!黙れ黙れ!」
かなり政府軍は動揺している。そう、ジャイアンの言うとおり抵抗軍は政府軍を殺してきた。だが、あくまでギガゾンビの行く手を阻むから。
それに政府軍だって人間だ。たまたま、ギガゾンビに選ばれて無理やり従っていただけ。そしてそれが仕事だと思えるようになっただけ。
ギガゾンビを慕っているからではない。それに、ギガゾンビに対し悪感情をもっているものもいる。
ジャイアンはいくらギガゾンビでも全世界を相手にすれば勝てないだろう、そう考えたのだ。そして、政府軍に説得を試みた。
ジャイアン「俺達と、ギガゾンビを倒さないか?俺達なら出来るはずだ」
抵抗軍が武装をしていない事でそれが本気だと悟った抵抗軍は明らかに動揺していた。
政府軍「一体俺達は・・・。何の為に・・・」
ジャイアン「自分の信じて来た事の為に戦ってきたんだろ!?だが、お前達の戦いは無駄じゃない!今度は自分の考えを変えて倒すべきはギガゾンビだと信じ
る事だけだ!それが嫌ならここにいる俺達を全員殺せ!俺達は逃げない!ずっとここにいる!お前達の考えを聞くまでな!」
政府軍「・・・」
政府軍からは戦意を感じない。それから、暫くして声が上がった。
政府軍「分かった・・・。俺達で・・・、独裁者ギガゾンビを倒そう」
抵抗軍達から歓声が上がる。
ジャイアン「じゃあ、他の奴らも説得してくれないか!?ギガゾンビは強い。だが俺達が力を合わせせれば勝てる!!」
政府軍「任せるんだ!」
???「簡単な奴らだ、お前等意志の弱い者などいらない。死んでくれ」
政府軍「ツ・・・ツチダマ様!?」
衝撃波が放たれる。今の一撃で政府軍が大勢死んだ。
抵抗軍「しまった!!・・・俺達は武装をしていない!皆逃げるんだ」
政府軍「俺達は撃ちながら逃げるんだ」
ツチダマ「逃がすか!」
門の前に飛び込んでくる。
抵抗軍「うわぁぁ、駄目だ殺されるぞ!」
ギガゾンビ「全くままならぬな」
スネ夫と出木杉をつれている。
ギガゾンビ「わし自らが出向いてやった。その殺されようを見させてもらおうか。ツチダマ、やれ」
ツチダマ「分かりました」
言い終わらぬかのうちに衝撃波が放たれる。血飛沫があちこちで上がる。
ジャイアン「くそっ、どうすればいいんだ!!」
のび太「・・・!!」
スネ夫が銃を構えていた。確かに、今ならできるかも知れない。
スネ夫が銃を撃ったようだ。しかしギガゾンビは寸での所で気付いたようで防がれた。
ギガゾンビ「お主、裏切りおったな」
スネ夫「あ・・・あ・・・」
出木杉「閣下、おまちくだ・・・」
手を掲げるとスネ夫に電気が走る。
スネ夫「あああああぁぁぁっぁ!!」
のび太「そ・・・そんな・・・」
スネ夫が崩れ落ちていく・・・。
出木杉「殺すことはなかったのではないですか?牢屋にいれればいいのでは」
ギガゾンビ「ふん、そんな事せんでもよいわ。わしを殺そうとしたなら死ねばよい」
出木杉「・・・」
ジャイアン「バカやろう!何突っ立ってんだ!」
ツチダマが僕に狙いを定めていたようだ。避けようとするが間に合わない。
ジャイアン「ちきしょぉ!」
ジャイアンが飛び込んでくる。ぶつかり、僕は後ろに倒れこんだ。顔に何かかかる。拭って手を見てみる。血だ。・・・まさか。
のび太「あああああああああああ」
ジャイアンの上半身があった。
ツチダマ「後は、お前1人だ」
気がつくと、抵抗軍も政府軍も皆死んでいた。
駄目だ、スネ夫もジャイアンも死んでいる。僕ももう、死んだほうがいいか。
自然体になる。・・・いつでも攻撃しろ。
すると、ツチダマが爆発した。出木杉が口の大きい拳銃のような物を持っている。
出木杉「のび太君、君は2人の分も生きるんだ!!そして、ギガゾンビを倒せ!」
ギガゾンビ「させるか」
出木杉が銃をギガゾンビに撃つ。だが弾かれた。
出木杉「仕方ない」
出木杉が後ろから羽交い絞めにする。
出木杉「のび太君、今のままでは勝てない!一旦退くんだ!」
声に押され僕は走って基地から逃げ出した。
・・・ドラえもん、どうして目を覚まさないの?今日、友達を3人も失っちゃったよ。
僕の友達が、いなくなっていくよ。
のび太「・・・・・・ドラえも~ん!!!!!」
あれから5年経った。今では抵抗軍の殆どがいなくなり、ギガゾンビの支配が普通になってきていた。
のび太「静香、僕は行って来るよ」
静香「ええ、あなた、頑張って」
部屋の奥に目が行った。青い、馴染みのある形をした僕の友達。傷はもう少しで治りそうだ。
大きなボストンバックを持ち官邸へ向かう。
官邸の前に着いた。やはり緊張する。深呼吸をする。
大きなバスが官邸に突進している。まさか・・・。
バスは官邸の門を破りそのまま中へ入った。
残党軍「行くぞー!」
僕は運が良い。殆ど壊滅した抵抗軍の残党が特攻する日とギガゾンビを倒す日が丁度同じなのだから。
突っ走りながら、両手の麻酔銃を撃つ。この為に鍛えておいた。ぶれずに正確な射撃を行う。
ギガゾンビの兵器は磁石と電気だけと分かった。いくら未来の兵器といえどこれ位なら対抗するのは簡単だ。
政府軍と残党軍が撃ち合っている。その隙に官邸の建物の周りに爆薬を設置していく。
そのまま勢い良く官邸に入る。ギガゾンビは殺す。だけど他の人は殺したくない。政府軍を麻酔銃で眠らせると、面倒だけど外に運び出した。
奥の部屋に行った。
のび太「ギガゾンビ、決着を着けにきた」
ギガゾンビ「ほほう」
のび太「僕の事を覚えている?」
ギガゾンビ「全く、小物には興味などない」
のび太「ドラゾンビ・・・」
ギガゾンビ「思い出したぞ!あの未来のロボットの子分か!仇を取りに来たのか!だが、お前では私を倒せない」
のび太「そうでもないさ」
爆薬のスイッチを押す。大きな振動を起きる。
ギガゾンビ「お主何をした!」
全ての爆薬のスイッチを押す。天井の崩れそうな音がする。あと少しで崩れるだろう。
ギガゾンビ「危険だ。一旦逃げるか!!」
素早く羽交い絞めにする。
ギガゾンビ「何をする気だ!?」
のび太「一緒に死のう」
ギガゾンビの未来の兵器でも大きな天井を支える程の力はない。
手榴弾の安全ピンを抜く。
ギガゾンビ「や・・・や・・・止めろおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!」
大きな爆発が起きたようだ。天井が崩れていく。
今、この戦いに幕を下ろすんだ。
・・・あれ?僕はこれまで何をやってたんだ?
静香「あら、ドラちゃん。起きたの?」
静香ちゃん?大分大きくなってる。どの位の時間が経ったんだ?あ・・・そういえばギガゾンビはどうなったんだ。
ドラえもん「静香ちゃん、僕が意識を取り戻すまで何が起きてたの?」
静香「それは長くなるからまた後で。テレビでも見たら分かるかもしれないわ」
静香ちゃんがテレビを点ける。
アナ「大変な事になりました。ギガゾンビ様がお亡くなりになりました」
静香「えっ、のび太さん・・・やってくれたのね・・・」
アナ「官邸から発見された死体は2体でした。もう1体が事件の主犯と見られる、野比のび太のようです」
どういう事なんだ!?のび太君は死んでいるのか?ギガゾンビと相打ちにでもなったのか!?僕の意識のないうちに一体何が!?
ドラえもん「静香ちゃん・・・これは・・・」
静香「そういう事だったの・・・」
何か考えた後こちらを向いた。
静香「来てくれないかしら」
ドラえもん「うん、いいよ」
つれてこれらたのは何の事はないのび太君の部屋だった。
静香「これまで、ギガゾンビのせいで科学は発展しなかったんだけど。のび太さんが頑張ったから・・・。きっと・・・!
ドラちゃん、机の引き出し、開けてくれないかしら・・・」
ドラえもん「うん、いいよ」
引き出しを開けると見慣れたタイムマシンがあった。
ふと、のび太君の机の上に目が行った。日記のようだ。「子供が出来た。名前はノビスケ」そう書かれていた。
終わり
このSSまとめへのコメント
いい話だけど終わり方が唐突過ぎる