のび太「もう朝か……」(23)

これは、『もしも』ドラえもんがのび太の所にこなかったら……そんなお話

ママ「のびちゃーん!学校に遅れるわよー!」

のび太「ふああ…もう朝か…宿題が終わらなくて徹夜したんだよなぁ…」

のび太「って学校に遅れちゃうよ!」

ママ「早く着替えて、学校にいってらっしゃい!」

のび太「ご飯を食べる時間もないとは…トホホォ…」

学校

先生「野比!また遅刻かね」

のび太「す、すみません!」

先生「廊下に立ってなさい!」

クスクス アハハ

クラスメイト1「おい、またのび太遅刻だぜ」

やすお「どーせまた寝坊だろ」

はるお「宿題もやってなかったりして」

スネ夫「ホンット、のび太って情けないよなぁー…」

ジャイアン「一発、ぶんなぐってやりたいぜ!」

しずか「のび太さん…」

廊下

のび太「先生め…廊下に立たせることないじゃないか…」

のび太「くやしいなぁ…」

放課後

のび太「ハァ……」

しずか「どうしたの?のび太さん」

のび太「いや、どうして僕はこうも駄目なんだろうって…」

しずか「なぜ、自分を駄目だと思うの?」

のび太「なぜって…今日も遅刻したし、宿題は忘れるし…運動もできないし…」

しずか「いいじゃない、別に」

しずか「勉強や運動で人の価値が決まるものではないわ」

しずか「のび太さんは優しいもの」

しずか「それこそが、人の価値ではないかしら」

のび太「しずかちゃん…ありがとう」

しずか「途中まで…一緒に帰りましょ」

帰り道

しずか「そういえば、のび太さん最近元気がないわね」

のび太「うん…毎日遅刻とかの罰として追加の宿題がでるから…」

しずか「夜更かしして勉強してるのね?」

のび太「うん…」

しずか「そう…」

しずか「そうだ、今日一緒にお勉強しましょ!」

のび太「え、いいの!?」

しずか「答えは写しちゃ駄目よ」

のび太「し…しないよそんなこと!」

しずか「じゃあ、あたしこっちだから…」

のび太「うん、あとでね!」

のび太「しずかちゃんと勉強かぁ…」

のび太「たっだいまぁー!」

ママ「のびちゃん、ここに座りなさい!」

のび太「?」

ママ「これは何ですか!」

のび太「!0点の答案!」

ママ「そうです!」

のび太「見つかっちゃったのかぁ …」

クドクドクドクドクドクドクド…

ママ「もう0点はとらないように!」

のび太「はぁい…」

のび太「あ、しずかちゃんの家に行かなきゃ!」

のび太「もう約束の時間に一時間も遅れてる!」

のび太「急がなきゃ!」

しずか宅

ピンポーン

しずか「はーい」

ガチャ

しずか「あら、のび太さん。待ってたわ」

のび太「し…しずかちゃん…遅れてごめん」

しずか「いいわよ。さあ、あがって」

のび太「お邪魔しまーす」

しずか部屋

のび太「まず、ここの問題だけど…」

しずか「そこはね、…が…だから…になるのよ」

のび太「うーん?」

のび太「じゃあ、次の問題は?」

しずか「それはさっきのやり方を応用すればできるはずよ」

のび太「えーっと…?」

のび太(嫌いな勉強でも、しずかちゃんとやれば楽しくなる)

のび太(いつまでもこうして、二人でいたいや…)

ガチャ

しずママ「お茶がはいりましたよ」

のび太「ああ、ありがとうございます(邪魔がはいったか…)」

しずか「休憩して、お菓子でも食べましょ」

のび太「カントリーマアムかあ」

のび太「いただっきまーす」

モグモグ

のび太(なんというか…食べ方も上品だなあ…)

しずママ「のびたさん、しずかの顔になにかついてますか?」

のび太(まだいる)

しずか「もう、ママ早く出てってよ」

しずママ「はいはい」

バタン

しずか「ごめんなさいね、のび太さん」

のび太「いやいや、いいよ」

こうして、しずかちゃんとの勉強の時間は楽しく過ぎていった

翌日 学校

のび太「ふあぁー…」

のび太「今日は珍しく早く起きれたけど…」

のび太「眠いなあ…」

クラスメイト「今日も出木杉休みかよ」

スネ夫「勉強のし過ぎで頭痛いんじゃない?」

ジャイアン「かもな」

アハハハハ

ガラッ

先生「えー、今日は宿題の提出日だったな」

先生「出席番号順に前に持ってきなさい」

のび太「先生」

先生「なに、野比はまた宿題を忘れたのかね」

のび太「いや、先生」

先生「反省して、廊下に立ってなさい」

のび太「いや、持っt」

先生「立ってなさい!!」

しずか「先生!」

先生「なんだね、源君」

しずか「のび太さんは宿題をしてきています」

先生「いや、そんなことあるわけ…」

のび太「はい、先生」ノートサシダス

先生「ホンマや」

先生「いや、すまない事を言った」

のび太「いいですよ…忘れ物が多いですから、僕」

しずか「危なかったわね、のび太さん」

のび太「しずかちゃん、ありがとう」

放課後

ジャイアン「よーし!野球するぞ!」

ジャイアン「いつも通り、空き地に集合だ!」

ジャイアン「のび太、お前の来いよ!」

のび太(うへー…またか)

のび宅

のび太 「ただいまー」

ママ「おかえり、のびちゃん」

ママ「おやつがあるわよ」

のび太「どら焼きかあ…」

ママ「あ、ニュースみなきゃ…

ピッ

テレビ『次のニュースです』

テレビ『東京都……町で小学四年生の少年が飛び降り自殺をしました』

テレビ『警察の調べによると少年は成績優秀、悩みがあったとは思えない』

テレビ『何か、自殺しなければならない理由があったのではないか…とのことです』

のび太「これ…僕の住んでる町じゃないか」

のび太「しかも、僕と同学年なんて…」

ママ「のびちゃん、あなたは自殺なんてしないでね」

のび太「わかってるよ」

のび太「あ、野球しに行かないと」

のび太「ママ、野球道具は?」

ママ「物置」

のび太「なぜそんなところへ片付けるんだ…」

空き地

ジャイアン「おせーぞのび太!」

のび太「物置の結構奥にあったから少し遅れちゃった…」

スネ夫「遅れてきといて活躍しなかったら」

ジャイアン「そのときは覚悟しておけ…!」

のび太「ひぃー…」


カキーン

ジャイアン「のび太ぁー!いったぞぉー!」

のび太「た、高すぎて届かないよ」

ガシャーン

スネ夫「あ」

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