晴「……なーんてな」
晴「さすがになんか恥ずかしいからやめとくか」
晴「こんなことやってるの誰かに見られるだけで――」
梨沙「じー」
飛鳥「じー」
晴「」
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梨沙「何してたの?」
飛鳥「鏡の前でなにやらポーズを取って決め台詞のようなものを口にしていたようだけど」
晴「ぐっ……べ、べつになんでもねーよ」
梨沙「えー? でも気になるしー」
飛鳥「ライブでのパフォーマンスに関することなら、ボク達にも関係あるかもしれないしね」
晴「う、うう……」
梨沙「ねえ、なにしてたの」
飛鳥「人差し指と中指を伸ばして」
梨沙「一度自分の顔の前まで持ってきて」
飛鳥「勢いよく正面に指を突き出して」
梨沙「相手への敬意をこめて」
飛鳥「ガッチャ!と言っていたけど」
晴「って、お前ら知ってんじゃねーか!」
飛鳥「なるほど。最近遊戯王GXをすべて見終えたのか」
梨沙「そういえば晴って十代と名字同じよね。字が違うけど」
飛鳥「それで主人公の決め台詞を真似したくなったというわけだね」
晴「子どもっぽくて悪かったな」ムス
飛鳥「別にそんなことは言っていないだろう」
梨沙「そうよ。どうせ飛鳥だって『光差す道となれ!』とか真似したことあるだろうし、同じよ」
飛鳥「待て。なぜ唐突にボクをやり玉にあげた」
梨沙「でもしたことあるんでしょ?」
飛鳥「あるけど」
梨沙「きっぱり言い切ったわね」
飛鳥「物語の登場人物に憧れるなんて、よくあることだからね。それを少し外に出してしまうくらいは、思春期特有の症状の範囲内さ」
梨沙「そういう開き直ってるところは飛鳥らしいわよね」
晴「(あれ? さりげなくオレも一緒くたに中二病にされてないか?)」
梨沙「ま、ガッチャは思わず口にしたくなるフレーズよね。わかるわ」
飛鳥「劇中でもどんどん他のキャラクターに伝染していたしね」
晴「だ、だよな。しょうがないよな」
飛鳥「ところで、ガッチャは別に十代の造語ではないということは知っているかい」
梨沙「そうなの?」
飛鳥「元の言葉は『gotcha』。ある英文を略した形らしい」
晴「ある英文って?」
飛鳥「ああ!」
P「ふう。デスクワークも一段落だな」
まゆ「Pさん」
P「まゆ、どうかしたのか」
まゆ「ガッチャ、です」
P「?」
飛鳥「『I got you』の略らしい」
飛鳥「十代の使っている意味は、『やったぜ』とかそういう類のものだろうけど、直訳すると『あなたを捕まえた』になるね」
晴「へえ」
梨沙「ちゃんと意味あったのね」
飛鳥「まあ、スタッフはともかく十代自身がそれを意識していたかどうかはわからないけれど」
晴「ところでさ、さっきの『光差す道となれ』だけど」
晴「GXの次のやつの主人公のセリフだよな」
梨沙「あ、5D'sも見たことあるんだ」
晴「一番初めに見た遊戯王だな。昔だからうろ覚えだけど」
晴「記憶に残ってるのはゼアルかな。今のやつも見てるぜ」
梨沙「いきなり主役の2人が合体した時はびっくりしたわ」
晴「だよな」
まゆ「まゆとPさんでオーバーレイネットワークを構築します」
P「なんだそりゃ」
まゆ「………」
まゆ「まゆとPさんを超融合」
P「なんか直球になった」
飛鳥「最初のは?」
晴「GXの前に見た。来年映画やるんだってな」
飛鳥「そうだね。リアルタイムで見ていた人には特に朗報だろう」
梨沙「この3人は全員違うでしょうけど」
晴「何年前だっけか」
飛鳥「10年以上前だね。ボクもその頃の記憶はおぼろげだ」
心「おはよーございまーす☆今日も一日スウィーティーに頑張ろうね♪」
晴「お、初代リアルタイムで見てそうな人が来た」
心「?」
心「遊戯王? 見てた見てた☆」
心「毎週漫画とアニメを楽しみにしてたなぁ♪」
梨沙「さすがちゃおよりもジャンプが似合いそうな女」
心「楽しかったなあ☆学校の昼休みは男友達と一緒にアニメの真似をしたりしてぇ~」
飛鳥「物理的マインドクラッシュとか?」
心「あれ、なんで知ってるの?」
飛鳥「ホントにやってたんだ……テキトーに言っただけなのに」
晴「つか字面からしてヤバそうだぞ」
梨沙「多分男子よりずっと腕っぷしが強かったんでしょうね」
心「やだぁ♪はぁとはお箸より重いものが持てないんだぞ☆」
晴「ならマイクも持てねーだろってツッコミは野暮なのか?」
梨沙「なんか、アニメの話してたらカードもやりたくなってきたわね」
晴「オレ、デッキ持ってるぜ」
飛鳥「ボクも」
心「じゃじゃーん、はぁとも☆」
晴「全員持ってるってすげーな」
梨沙「とりあえず適当に対戦しよっか」
晴「よし。オレはE・HEROネオスで攻撃!」
梨沙「甘いぞ結城! トラップカード、聖なるバリアミラーフォースを発動!」
晴「オレはE・HEROフレイム・ウイングマンでダイレクトアタック!」
心「甘いぞ結城☆ 速攻魔法、月の書を発動☆」
晴「オレはフィールド魔法、スカイスクレイパーを」
飛鳥「甘いぞ遊戯――」
晴「って、お前らそれ言いたいだけだろっ!」
晴「というか飛鳥! 最後完全に遊戯って言ってたぞ!」
飛鳥「思わず口ずさみたくなるフレーズだから仕方ない」
梨沙「晴の名字が似てるから悪い」
心「すごいぞーかっこいいぞー☆」
晴「………」
晴「E・HEROをM・HEROに替える時が来たか……」
3人「あっ」
おしまい
おまけ
凛「ふぅん、アンタが私のプロデューサー?」
P「なんかさらに偉そうな感じになったな」
凛「さすが社長」
おまけ②
幸子「ぷ、プロデューサー? ね、ねぇ、ボク達今どこにいるんですか?」
P「地球の中」
幸子「そんなことはわかってますよ! もっと具体的に!」
P「上空3000メートルのヘリの中」
P「これから幸子はスカイダイビングに挑戦するんだ」
幸子「む、むむむ無理ですよ!」
P「オゾンより下なら問題ない」
幸子「問題ありまくりですよっ!」
おまけ③
飛鳥「ボクをスカウト?」
P「うん。ぜひお願いしたくて」
P「君ならきっと、素晴らしいアイドルになれるはずだから」
飛鳥「なるほど」
飛鳥「だがボクはレアだよ。報酬は高くつく」
飛鳥「というのがボクとPの馴れ初めで」
梨沙「絶対嘘」
おまけ④
蘭子「ゆくぞアスカラル!」
蘭子「私とアナタでオーバーレイネットワークを構築!」
飛鳥「真の絆で結ばれし2人の心が重なった時、語り継ぐべき奇跡が現れる!」
飛鳥・蘭子「エクシーズ・チェンジ! ダークイルミネイト!」
蘭子「って感じでどうかな?」ワクワク
飛鳥「さすがに丸パクリはまずいだろう」
飛鳥「あとアスカラルってなに」
蘭子「(無言の指さし)」
飛鳥「ボクか……」
おまけ⑤
晴「みんな! 今日はたくさんの声援ありがとうな!」
晴「ガッチャ! 楽しいライブだったぜ!」シュッ
梨沙「(結局やるんだ……)」
今度こそおしまい
思いつきのネタだけで書いたよくわからない短編でした
お付き合いいただきありがとうございます
最近ランニングデュエルを見直して爆笑しました
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