男「ここはどこだ…!?」織田信長「何者じゃ」 (24)

男「ううっ、学校の裏山を歩いていたら妙な穴に落ちてしまった・・・」

男「いったいここはどこだ?日本家屋の中のようだが」


織田信長「何者じゃ?」


男「へっ!?侍!?」

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信長「ほう。小僧、お主妙な格好をしておるな」

男(この顔、肖像画にそっくりだ!!)

男(この人はまさか!)

男「お、織田信長・・・?」

信長「・・・小僧、何故その名前を知っておる?」

男(し、しまった!何かマズイ事を言ったか!?)

信長「なんじゃ。また時間渡航者か」

男「えっ?」

信長「儂の顔を見て“織田信長”と呼ぶのはだいたい未来人だからな」

信長「小僧、お主何世紀から来た?」

男「えっ!?えっと、21世紀です・・・」

信長「21世紀か。ではiPhoneのソーラー充電器を持っておらぬか?」

男「ええっ!?」

男「そ、ソーラー充電・・・ですか?」

信長「む。ソーラー充電器を知らぬのか?さてはお主、21世紀初頭から来たな?」

男「は、はい・・・」

信長「21世紀の半ばくらいまでには携帯用のソーラー充電器は当たり前に普及するはずなんじゃが、
かなり初期の方の人物のようじゃの」

男「ええと、まぁ」

男(俺はどうやら織田信長の時代にタイムスリップしてしまったようだが・・・)

男(織田信長が、織田信長が!!)

男「織田信長が時間渡航者なれしてるー!?」

バシュン!!

男「うわぁ!?何の音だ!?」


女「ううっ、ここは・・・?私は遺跡を発掘していたはずなのに・・・っ」


男「ひ、人!?」

信長「お主は何者じゃ?」

女「その顔は・・・まさか織田信長!?」

信長「なんじゃ。また未来人か」

女「また!?」

信長「お主は何世紀から来た?日本人のようじゃが」

女「・・・24世紀よ。その通り、日本人よ」

信長「おお、24世紀か。こちらも戦国時代じゃがそちらよりは安全じゃ。ゆっくりしてまいれ」

女「私はどうやらタイムスリップしてしまったみたいね」


男(手馴れてる・・・)

女「私はこれからどうしたらいいの・・・?」

男「そ、そうだ!俺もどうやったら帰れるんですか!?」

信長「うむ。それなんじゃがな」


バシュンッ!!


サイボーグ「くっ、ここはどこだ?俺は戦場にいたはず・・・!?」


信長「今日は千客万来じゃな」

信長「お主は何世紀から来た?」

サイボーグ「お前は誰だ!?」

信長「織田信長と言えばわかるか?」

サイボーグ「織田信長!?あの!?」

信長「知っておるか。で、何世紀の人間じゃ?」

サイボーグ「何世紀というのは西暦でか?宇宙世紀でか?」

信長「おお、宇宙世紀の者か!」


男(あれ?過去にタイムスリップしてきたはずなのに、続々と未来人がやって来る・・・)

サイボーグ「くそっ!まさかタイムスリップってやつか?物語の中だけの存在だと思ってたのに!!」

女「本当よ・・・」

男「まったくです」

信長「この城がどうやら時空の特異点とか呼ばれる状態になっておるようじゃ」

信長「さて、それよりもお主らが知りたいであろう事を教えてやろう」

信長「元の時代への帰り方じゃ」

男「か、帰れるんですか!?」

信長「うむ。帰る方法はある」

男「やった!帰るんだ!!」

女「・・・。」

信長「まぁ、少し説明が長くなりそうじゃし。飯でも食いながらにするか」

信長「おーい、飯じゃ!4人分・・・サイボーグの者よ。お主は飯が食えるのか?」

サイボーグ「食事の経口摂取なんて久しぶりだぜ。ありがたい!」

信長「4人分じゃー!エビフリャーを持って参れー!」

男(エビフリャー!)

サル顔の従者「はいお待ちどうさま。エビフリャーですよ」

信長「うむ」

男(今の人絶対豊臣秀吉だぁああ!!)

信長「これは儂からの奢りじゃ。食うがよい」

3人「い、いただきます!」

サイボーグ「これがエビフリャーか!初めて見るぜ」

女「これがかつて織田信長が愛したというエビフリャーの実物・・・!」

男(絶対違うと思うけど!!でも実際に織田信長から出された以上否定出来ない!!)

信長「さて、お主らももう知っている通り、この国には多くの未来人が来ておる」

信長「このエビフリャーも未来人から教わった物で、今では儂の大好物じゃ」

男(確かに美味い。プロの料理人でも来たのだろうか?)

信長「そして、未来人がもたらした発明品の一つが『時空転送装置』じゃ」

サイボーグ「可能なのか!?時間移動!!」

信長「未来への一方通行じゃがな」

信長「故に、お主らが過去であるこの時代に来られた理由、方法は一切不明じゃが」

信長「お主らの時代に帰る事自体は可能である」

男「帰れるんだ!それじゃあ、お願いします!」

信長「おっと。そう簡単に帰すわけにはいかん」

男「えっ!?」

信長「時空転送装置の起動には莫大なエネルギーと費用がかかる」

信長「今日だけで3人も未来人が来た事からもわかると思うが、全員をタダで返してやれるほどの余裕は無い」

男「そんな・・・」

信長「であるからして。お主らには自分の時空転送分の費用を賄って貰わねばならない」

女「仕事をするって事?」

信長「いかにも。お主らの未来人としての知識や、今持っている物品を金に替えても良い」

信長「ともかく、一定の額を稼いだ者のみに時空転送装置の使用を許す!」

サイボーグ「なるほど、それでいくら稼げばいい?」

女「そもそも、この時代の通貨は何が使われているの?」

信長「うむ。それなんじゃがな。どの時代から来た者のでもわかりやすい基準を示すために」

信長「儂は時間渡航者が来た時には、このエビフリャーを食べさせておるのじゃ」

男「どういうことでしょうか?」

信長「このエビフリャーじゃ!」

信長「エビフリャー100万本分!!」

信長「エビフリャー100万本の金子を儂に納めた者のみが、未来へと帰れる!!」

男「エビフリャーが通貨の基準だったー!」

信長「故にお主たちはこれより、エビフリャー100万本分の仕事をしてもらう!!」

サイボーグ「このエビフリャー」

女「100万本分・・・!」

男(日本円でいくらくらいになるんだ!?)

第一話・終わり

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