千早「ちひゃー!?」 (28)

完全に筆者が書きたかっただけの誰得な物語。
一日、と言う事もあってかなり短めの作品になっております。
それでは本編第二部の前に番外編、第二作目——↓

例え、捨てられたと思い込んでいても貴女を想う彼の気持ちは裏切らない。
彼の事を想う貴女の気持ちも、また……

と、言う堅苦しいお話は一旦遠くにすっとばしちゃいましょ!

ちひゃー!?これが私の小っちゃいバージョン!?
ああ、可愛い可愛い。 こんなマスコットみたいな子が私な訳が無い。

堅苦しいお話の箸休めに、ほのぼのしませんか?

突然千早の前に現れたちひゃー

そのあまりの可愛さに目が無くなったようにデレデレになる千早。

そんな二人?が過ごした一日のお話。

※可愛い物には目が無い千早と、そんな千早の前に偶然現れたちひゃーの物語です。
※ちひゃー以外のぷちどるは居ません。アイドルマスターの世界に偶然ちひゃーだけが来た、と言った形です
※前作に引き続き、喋り方等は怪しくなっています。申し訳ありません


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「はぁ……」

何の変化も無い、平凡な日常。

私が誰もいない765プロ事務所の応接室のソファーで横になりながらのんびりしていた時の事。


私以外、誰も居ない筈の応接室で
ボスン、と言う音が響きその音がした方にある机の上を横になったまま見ると——

「それ」はいた……

「あ、あれ……?」

幻覚?いや、でもここに……

「それ」は私の方をじっと見つめていた。

何……だろう? 動物? でも、見た事無いし……

しかし、一つ これだけは言える。

「可愛い……!」

いかにも「ぺたん」と言った感じで座り込んでいる、愛くるしい外見。
そして、そのつぶらな瞳。

たまらない……ぎゅーってしたい……

私は、ソファーから起き上がり「それ」の方を向いて

「あなた、名前は?」

答える訳が無い、と思いながら問いかけてみると

「ゴソゴソ」

リュックのような物の中から小さな紙切れを取り出し、私の方に開いて見せた。

「えっと……ちひゃーって言うの?」

「コクコク ビシィ」

ちひゃーは頷き、私の方を指さした。

「どうしたの? あ、ちょっと待ってね」

私はさっき「ちひゃー」と書かれた紙を見て、文字なら書けるのかもしれないと思い小さな紙切れを机の上に置い

た。

「テクテク ゴソゴソ」

ちひゃーは紙の上に乗り、リュックのような物から小さなペンにも見える何かを取り出し字を書きだした。

やっぱり、可愛い。
動作から何から、全てがすごく可愛い。

「くっ! くっ! ブンブン」

私の事を呼んでいるのだろうか?
紙の方を見ながら手を振っていた。

「おねーちゃんはちひゃー……?」

正直、何の事なのかが全く理解できずに混乱しかけていた。
お姉ちゃん……つまり、私の事? 私が、ちひゃー?

「私がちひゃー って事でいいの?」

「くっ!」

肯定、にも思えるような反応。私がちひゃーってどういう事……?
でも、たしかにちひゃーの事を良く見るとなんとなく私に似ているような気がする。

そしてちひゃーは再び紙に何かを書き始めた。
次は何を書いているの……?

私はちょっとだけ不安になった。

「ブンブン」

再びちひゃーが手を振っているのを見て、私は紙に何が書かれているのか覗き込む。すると——

「おねーちゃんをちっちゃくしたのがちひゃー」

私を小さくしたのがちひゃー……?
こ、こんなに可愛いのが私なの?
あ、ありえない……絶対ありえない……

そんな事を一人で考え込みながら頭を振っていると

「ぐぅ〜」

お腹の鳴るような音。

「もしかして、ちひゃーお腹空いてる?」

私は気を利かせるようにして問いかけてみると

「くっ……」

少し恥ずかしそうにして下を向いているちひゃー。

私は偶然近くにあったクッキーを手に取り、ちひゃーに見せるようにして

「クッキー、食べる?」

「くっ!」

ちひゃーは私の声に反応するようにして、机の端、私の近くまで歩いてくる。
こ、この流れで私の膝の上に乗ってくれたりしないかな……?

「ち、ちひゃー 私の膝の上……おいで?」

「くっ!」

両手を上げ、私の膝の上に乗せてもらうのを待っているように見えるが……本当に大丈夫かな……?

一旦クッキーを置き、ちひゃーを抱き上げ膝の上に座らせた。

可愛い、可愛すぎる。 これが私だなんて信じられない。

「くっ! くっ! ぺしぺし」

ちひゃーが私の脚を叩き、クッキーを欲しがっているので早くあげる事に。

「ほら、あーんして?」
「くぁ〜」

細かく砕いたクッキーをちひゃーの口に入れてあげる。
そのままクッキーを渡しても恐らく大きすぎるので、私が大きさを調節しつつ食べさせているのだが……

なんだろう、私は夢でも見ているのだろうか?
可愛い。 天使みたいだ。

「モグモグ」
「美味しい?」
「くっ!」

「もっと食べたいの?」
「くぁ〜 ぺしぺし」

口の中にあるクッキーを食べ終えると、ちひゃーは
「次のクッキーはまだか!」 と言わんばかりに私の脚を叩き、催促する。
そして、それを一つのタイミングとして次々と細かくしたクッキーをちひゃーの口に入れてあげる。

それを繰り返し、クッキーが無くなった頃。

「クフー ぼふっ」
「!」

ちひゃーは満足し、眠くなったのか私のお腹にダイブしてそのまま顔をうずめていた。

「ちひゃー、眠いの?」
「くぅ〜 zzz」

既にちひゃーは半分寝ている状態だったので、私はそのままちひゃーを抱きかかえて横になる事に……

ああ、なんだか本当に夢みたい。
こんなに可愛い子を抱きかかえながら寝れるなんて……

そんな事を考えていたら私まで眠く……なって……

「おい、千早」
「ん……」

「千早、起きろ」
「プロデューサー……?」

気が付いたら寝てしまっていたらしい。

「ぬいぐるみを抱きながら寝てたのか? 珍しい」
「あっ……!」

ちひゃーはじっと動かずに私にしがみついている。プロデューサーに怯えているのだろうか?

「ち、ちがっ……! ちょっと外に出ててください。 すぐ行きますから……」
「早めにしてくれよ、もう夜だ」

随分長い間寝てしまっていたらしい……寝る前はお昼寝頃だったのに外は暗くなっていた。
全く私とした事が一体何をやっているんだか……

「ちひゃー、もう大丈夫だから」
「ぺしぺし」

顔をうずめたままちひゃーは私の事をぺしぺし叩いてきた。

「どうしたの?」
「くぁ〜」

ちひゃーは大きなあくびをして、まだ眠そうにこちらを見ている。

「寝足りないの? でも、家に帰るまで我慢して」
「くぅ……」

でも、どうやってプロデューサーの目を誤魔化そう……?
ちひゃーが入れるような大きさの鞄も無いし……

あっ、ちょっと無理やりかもしれないけどこれなら……?

「ちひゃー、絶対にプロデューサーの前では動かないでね」
「くっ」

こ、これで乗り切れるかな……?

「ごめんなさい、お待たせしました」
「あ、ああ……ところで、頭の上のソレはなんだ?」

そう。
頭の上にちひゃーを乗せてそういう「モノ」だと言い張る作戦。

「プロデューサー、知らないんですか? こうやって頭の上に乗せるぬいぐるみなんですよ?」
「あ、ああ…聞いた事無いけど結構似合ってるぞ?」

絶対プロデューサーはそんな事思ってない。
だって……あからさまに顔が引き攣っているのだから。

「そ、そうですか? ありがとうございます」
「ぺし」
「い、今動かなかったか!?」

か、軽く私の頭を叩いたわね……動かないでって言ったのに

「気のせいですよ、ぬいぐるみが動く訳ないじゃないですか」
「そ、そうだよな……はは……」

何気無く時計を見ると、既に6時を過ぎていた。

「こんな時間だったんですか!? すいません、失礼します」
「あまりにも気持ちよさそうに寝てたから起こせなくてさ……また、明日」

プロデューサーの優しさもありがたいのだけれど、こんなに寝てしまうとは……

「ぺしぺし」

ちひゃーが時々、私の頭を叩く。

「どうしたの? 今、帰ってる途中だからまだじっとしてて」

結局、私は家に着くまでの間ずっとちひゃーを頭の上に乗せていた。
すれ違う人達の目は少し冷たく感じたけど……仕方ないよね

「もう動いて大丈夫だよ、ちひゃー」
「くっ! しゅたっ」

帰宅後、私が座るのと同時にちひゃーが私の頭の上から飛び降りる

今思ったけど……連れて来て良かったのかな?
とりあえず、意思疎通を図るべく適当な白紙を一枚床に広げ、そこにちひゃーを座らせた。

「そこに色々書いていいからね 思った事とか」
「くっ! ゴソゴソ」

ちひゃーは早速ペンのような物を取り出し、何かを書きだした。
今度は私に何を伝えようとしているのか……楽しみで仕方がない。

「ブンブン」
「どうしたの?」

紙に書かれた小さな文字を一文字ずつ読んでいくと——

「えっと……おねぼうさん?」
「くっ! ビシィ」

私の方を指さしている。

あ、ああ……私とちひゃーは確かにお寝坊さんだ。
家でもなく、事務所の応接室で寝てしまっていたと言う点もある。
逆に、よくプロデューサー以外の人が来なかったなぁ……むしろ誰かが来てたら絶望的だった。

「確かに、寝過ぎちゃったね」
「くっ……」

ちひゃー自身もちょっと反省したようにして下を向く。

「私が油断し過ぎたせいだから。 ちひゃーは気にしないで」
「ゴソゴソ」

また何か書いてるのかな?
とりあえず、もう二度と応接室で昼寝はしないようにしよう……

「ブンブン」
「えっと……」

「おねーちゃんもきにしないで……って励ましてくれてるの?」
「くっ!」

「……うん、ありがと。 ちひゃー」
「♪」

のんびり、ほのぼのとした時間が続き、夜が更けていった。

「そろそろ寝ようか」
「くぅ〜」

ちひゃーが座りながら眠そうに目を擦る中、私は布団に入り込んだ。

そして、布団の中から手を伸ばし

「おいで、ちひゃー」
「♪」

抱きながら寝ようと思って——いたのに。

「がっ!?」
「くっ!」

ちひゃーが顔の上に乗って来た。

「く、くるし……」
「ぺしぺし」

これ、ちょっと危なくないかな……
ちひゃーが私の口や鼻を塞ぐ形で顔に乗っているので息が……

すごくもさもさで気持ちの良い毛が仇になり息が詰まる。

「あ……あぁ……ど、どい……」
「くっ? ぺしぺし」

意識が朦朧としてきた。
こ、こんな所でちひゃーにぺしぺしされながら窒息死するの……?

いや——こんな事で終わってたまるかッ!

「ぶはっ!」
「ゴロンゴロン ぼふっ」

私は勢い良く起き上がり、ちひゃーを無理やり顔から降ろした。
ちひゃーは私の顔から首、胸、そしてお腹を伝うようにして布団の上に転がり落ちていく。

「だ、大丈夫?」
「く……くぅ……」

目が回ったのかふらふらと私の元へ歩いてきて——

「ぼふっ」

そのまま倒れ込んだ。

「あ、あれ? ちひゃー?」
「zzzzzzz」

そのまま眠ってしまった。

「……ふふっ」

その愛くるしい姿を見て自然と笑いが込み上げてくる。

「おやすみ、ちひゃー」

そのまま寝てしまったちひゃーを抱き抱え、私も寝る事に。

これからのちひゃーとの生活はどうなっていくのか……?
初日でこれだけ色々な事があったのに更に何かが起きる事になるだろうし……

ちょっとだけ湧き上がる不安。
でも、その裏には楽しみも沢山ある。

これからちひゃーをどうやって日常生活の中で連れ歩くかも問題になってくるが、どうにかなるだろう。

ちひゃーが何を考え、何をしたいのかもまだ良くわからない。
しかし、それは一緒に生活を送る中でわかってくる事を信じて今は置いておく事にしよう。

明日も、明後日も、その次の日も。
この可愛い「ちひゃー」と一緒に頑張ろう!

番外編は以上となります。

完全に妄想の垂れ流しとなってしまい、申し訳ない限りではありますが
たまにはこういうほのぼのとしたお話も良いかな? と思い投稿させていただいた次第です。

では、次の投稿は本編の第二部目となりますので宜しければまたお会いしましょう!
失礼致しました。

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