「かれこれ、10年振りだね。久しぶり。」(127)

【現代】
�・墓地 △△家ノ墓�・

「なかなか、来れなくてごめん。」

「元気にしてた?って変なこと聞いてごめん。」

「はは。謝ってばっかだね。」

広く青い空を見上げた。その空はすべてを包み込んでくれる。


『あの日から止まったまま…か。』

そう呟いて墓へと視線を落とした。

【10年前】

�・男の部屋�・

バタバタハタ ガチャッ!

幼馴染姉「男ー!!ランニング登校するんでしょ!起きなさーい!」ユサユサ

男「んー。んー。無理。」ゴロゴロ

幼馴染姉「あんた!あたし達をインターハイに連れてくって約束したじゃないの!」バシバシ

男「んだとしても、まだ5時30分だぞ?早すぎたろ…ったく。」ムクリ

幼馴染姉「あんたが、言ったんでしょ!今日から高3の4月!あと、3ヵ月位しかないから、毎朝走って行くって!」

男「記憶にない。寝る。」ゴロン 

幼馴染姉「へぇ。あ、そう。なら、これを使うしかないわね。」水タップリバケツ

男「おはよう!姉!今日は良い天気だね!清々しいね!はははっ!」ガバッ

幼馴染姉「寝惚けたこと言ってないで、早く準備する!着替える!」

男「分かったから。とりあえず俺の部屋から出ような?な?」

幼馴染姉「よし!じゃあ先に降りてるからねー!二度寝したら天空×字拳だからねー!」

男「おう。かかっこいや。」

幼馴染姉「チェストー!!!!」バッ!

男「起きてる!起きてるから!」ヒョイ!

幼馴染姉「ちっ。まぁ、いいわ。とりあえず早くリビングに来なさいよー!」タッタッタッ

男「ったく、何がしたいんだ。あいつは」

�・リビング�・
男「おはよーございますー。」

幼馴染妹「あ、男。おはよぅ。」ニコ

男「おはよー。お前は姉と違っておしとやかで静かでいいな」ナデナデ

幼馴染妹「あぅ。そ、そんなことないよ。恥ずかしいからやめてよー」テレテレ

幼馴染姉「どうせ、あたしはガサツで女らしくないわよ。」

男「なんだ。やっと気付いたのか?」ニヤニヤ

幼馴染妹「そ、そんなことないよ!おねぇは、いつも明るくてか、可愛いよ!」

幼馴染姉「くぅー!あんたはいつも素直で可愛いねぇー!男、あんたも少しは見習いなさいよねー」

男「はいはい。俺はどうせ可愛いくねぇですよー。」

幼馴染母「ふわぁ。あんたたち、毎日毎日、朝早くからうるさいのよ。」

男「あ、おばさん。おはようございます。」

幼馴染母「あん?なんだって??」ズイッ

男「い、いえ。御姉様。本日も大変お美しい限りです。」 

幼馴染母「分かってればいいのよ。分かってれば。」ニコニコ

幼馴染姉「母さん、おはよー。」
幼馴染妹「お母さん、おはよぅ。」

幼馴染母「おはよーさん、あたしの天使達ー!」ギュウー!

幼馴染姉「か、母さん、苦しいってば!」
幼馴染妹「そうだよぅ。苦しいってばぁ!」

幼馴染母「んもう。姉も妹もいけずぅ。」

男「さてと。制服は鞄に入れたし。行くか?」

幼馴染姉「6時30分か。そうね。ここから走って30分位だし朝練の時間まで余裕持って着きそうだし。」 

幼馴染妹「じゃあ、男。今日から頑張って行こうねっ」ニコ

男「うっし。行くか!じゃあ、御姉様、行ってきます!」

姉・妹「行ってきまーすっ」

幼馴染母「ふぉいほ。ひぃおふへぇふぅほほぉー(はいよ。気を付けるのよー)」モグモグ

男(俺には双子の幼馴染みがいる。
学校で有名な美人姉妹。そんでもって、居候させて貰ってる。

俺の両親が高校に入学したと同時に海外へ転勤。元々、家族ぐるみで仲の良い幼馴染家に白羽の矢が立った。

両親の転勤年数は約3年。その間、今の家を借家に出して、その収入を生活費に当てて居候させて貰うことになった。


生まれた日も病院も一緒だった俺達三人は三つ子同然としてお互いの両親に育ててもらってたから。通常なら考えられない事も許されたのだろう。)

�・通学路�・

幼馴染姉「ほらー!男ー!ペース落ちてるよー!」

幼馴染妹「男ー!ファイト!だよぉー!」

男「はぁはぁ…!お前らはチャリだろうが!はぁはぁ!もうちょっとスピード落としてくれよー!」

幼馴染姉「あははは!まだ、寝惚けてるのかなー?男ならこんな速度余裕でしょー!?」

幼馴染妹「マラソン大会でぶっちぎりの一位だったもんね。男なら大丈夫!だよ?」

男「朝から…はぁはぁ!こんなペース…はぁはぁ!きついっつの!はぁはぁ!」

幼馴染姉「あたし達をインターハイに連れてくんでしょー?!弱音はかない!」

幼馴染妹「そうだよぉ。私、すっごいすっごい楽しみにしてるんだからね!」

男「ちくしょう!はぁはぁ!そんなん言われたら…うおーーー!!!!」

幼馴染姉「ちょっと!いきなりペース上げすぎ!」

幼馴染妹「あわわ。自転車でも追い付けないよぉ。」

男「うるぁぁーーーー!!!!」

�・学校 体育館前�・

男「はぁ!はぁ!ぜぇ!ぜぇ!」

幼馴染姉「あんなにペース上げるから!ったく。ほら、スポドリ。」

男「わ、わりぃ。」ゴクゴク

幼馴染妹「朝練の前からこんなにバテて大丈夫なの?無理しちゃ、だめっ。だよ?」アセフキフキ

男「おー。悪いな。大丈夫だ。やってやる。」

部長「よー。男。朝からイチャコラしてんじゃねぇよ。」ゲシッ

男「おぅふ。腹に蹴りを入れるな。こちとら朝から走って来てんのじゃい。」

部長「ヤル気満々だねー。あ、幼馴染姉妹おはよーさん。」

幼馴染姉「おっす。部長!」

幼馴染妹「おはよぅございます。部長さん。」

部長「朝から美人姉妹マネージャーに会えてぼかぁ、幸せだぁ!」

男「おい。腐れ部長。朝から胡散臭いこと言ってんなよ。」

幼馴染姉「胡散臭い?!あんた、失礼ねー!本当に!」

幼馴染妹「そ、そんな、美人だなんて…」アタフタ

男「少なくとも妹は分かる。妹はな。」

幼馴染姉「あんた、何が言いたいわけ?」ギロ

男「さて、友よ。朝練の準備しような!うん!そうしよ!」ダッ

幼馴染姉「くぉらぁー!男ぉー!」

幼馴染妹「お、おねぇ、落ち着いてぇー!そっちは男子更衣室だよぉー!」ギュッ



部長「朝から、リア充過ぎんだろシネよ男。」

�・男子更衣室�・

部長「にしても、お前気合い入ってんなー。しねよ。」

男「あ?何がだよ?てめぇがしね。」

部長「去年の夏のインターハイをかけた県大会決勝、悔しかったんだろ?爆発しちまえ。」

男「んなことねぇよ。ただ、元部長や先輩方に申し訳ないだけだ。貴様、微塵切りにしてくれようか。」

部長「まっ。確かにな…あと、数秒あればな。ははは、こいつ頭腐ったか?」

男「元部長は自分よりって言って、俺と部長と友はレギュラーに選んでくれたからな。だから、俺ら三人が揃ってあの負け方は…な。その腐った脳みそを引きずり出してやろうか?へっぽこ丸。」

男・部長「…」

男・部長「んだとこらー!!!」

友「はいはーい。君達、朝から喧嘩は止めようね?」

とりあえずここまで。

誰も見てないだろうけど。

再開します。

男「おう。友おはよーさん。」

部長「友、おはよう。」

友「はは。とりあえず二人とも胸ぐらから手を離そうね?」

男「ちっ。救われたな。部長」

部長「はん。お前の方だろ?」

男・部長「…」

男・部長「やっぱり、今ぶっころす!」

友「いい加減にしようねっと!」チョップ

男・部長「おぅふ!」

友「今日から3年だよ?最後の1年だよ?少しは成長しようよ。君達。」ニコニコ

男(やべぇ。これはアカン奴や。)
部長(マジで切れる5秒前だ。)

男・部長「すんませんした。」

友「全くもう。次は許さないから…ね?」ボキッ

男「あ。モップ…」

友「あーあ。駄目じゃないか男。モップ折ったら。」

男「え?え?」

友「部長も、何か言ってくれるかな?」

部長「はひ!?ははは。そ、そうだぞ!男!備品は大事にしなきゃだぞ!」アセアセ

男「!!す、すんませんした。」

友「分かればいいよ。うん。そしたら、練習始めようか?」

男・部長「う、うっす!」

�・体育館�・


キュッキュッ ダムダム

男「二年!足を止めるな!疲れても足を止めるな!」

二年「うっす!」

部長「明後日から一年生も見学や仮入部に来るんだ!気合い入れてけよ!」

二年「おっす!」

幼馴染姉「ファイトー!」

幼馴染妹「怪我だけはしないで下さいねー!」

二年「うーーーーーーーっす!!」ニヘラ

友「ははは。二年生達余裕みたいだね?もっとメニュー増やしちゃうよ?」ニコニコ

二年「うぁぁぁ!!!無理っすーーーー!!!」

3年達「ぶはははははっ!」

�・昇降口�・

男「疲れたー。さすがに早朝から飛ばしすぎたわ。」

幼馴染姉「あんたって、本当に後先考えないわよね。」

幼馴染妹「でもでも、今日は始業式だけだから、よかったよね?」

友「うん。これで、授業があったら男はずっと寝てるだろうね」クスクス

部長「いや、男は常に寝てるじゃねぇか。」

男「たまに、起きてるわ。たまに。」

部長「そんなんで、よく赤点とらねぇよなぁー。」

男「まぁ、俺には心強い家庭教師がいるからな。」

幼馴染姉「んもう!わかってるじゃないのー!」

男「姉じゃねぇよ。妹だ。」

幼馴染妹「ふぇ?!でもでも、いつも、私じゃなくておねぇが…」アタフタ

幼馴染姉「ありがとうー!我が愛しの妹よー!ただ、ちょーっと無理があるね。ちょーっとね!」

男「何がちょっとだ。俺と対して成績変わらん癖に。」

幼馴染姉「あ、あんたはー!!」

幼馴染妹「お、おねぇ!新しいクラス張り出されてるよ!」

幼馴染姉「あ、本当だ!馬鹿の相手してないで自分のクラスの確認しなきゃね。」

部長「相変わらず上手い誘導だ」

友「妹さんもきっと、こんなことが日常茶飯事だからなれてるんだろうね。」

【3年b組】

男「まさか、全員同じクラスとはなー。」

幼馴染姉「あら、何か不満なのかしらー?」

男「不満とかそんなんねぇけどさ。」

幼馴染妹「私は嬉しいよっ。おねぇと男と最後の1年が一緒だなんてっ。」ニコニコ

友「そうだね、最後の1年だ。文化祭も体育祭も一緒だね。楽しめそうだよ」

部長「ま。とりあえず、目下の目標は決まってるがな。」

男「だな。」
友「うん。」


男・部長・友「夏のインターハイ。」

幼馴染姉「実際どう?インターハイ行けそうなの?」

部長「そうだな。去年とメンバーは変わった。変わってないのはcの俺、sfの男、pgの友の三人。他の三年も二年も良い感じに仕上がってきた。ただ、一つ足りない。外から決められるシューターが足りないんだ。」


友「そうだね。明日に期待かな?新入生にスラムダンクの三井みたいな子が来たら嬉しいよね。」

男「ま、そんな奇跡は無理だろうなー。とにかく、体育館に行こうかね。」

男(俺、友、部長は学校のバスケ部に所属してる。姉と妹はマネージャーとして、所属してくれている。

去年の夏のインターハイ予選県大会。

先輩方は三人の実力とそれまでの努力を買ってくれて、元部長も含めてその当時の三年生を外してレギュラーに俺達を入れてくれた。

強豪校ではないけど、何とかみんなで決勝まで一丸となって進めた。

けど、決勝の相手は常勝、vip高校。終始、追いかける展開となった。あと少しまで追い付いたのだが、試合終了直前に俺は逆転を狙って苦手な外からの3pを打った。その最後のシュートは、入らなかった。

まぁ、悔やんでも仕方ない訳で。今年は去年のインターハイで出来なかったことを成し遂げたい。)

�・夜 幼馴染家 男の部屋�・

幼馴染姉「男ー!ご飯だよー!」

バン!

幼馴染妹「あれ?部屋にいない?」

幼馴染姉「ったく、あいつはどこ行ったんかねー。」ハァ

幼馴染妹「あ、おねぇ。ボールがなくなってるよ。」

幼馴染姉「となれば。」
幼馴染妹「あそこしかないねっ。」

�・幼馴染家裏 公園�・


ダムダム ダムダム シュッ

ガンッ!

男「はぁっ、はぁっ。やっぱ無理か。俺はなかに切り込んで決めるタイプだからなー。」

幼馴染姉「男ー。遅くまでお疲れ様!」スポドリポイッ

幼馴染妹「男、暖かくなってきたけど、夜はまだ冷えるからちゃんと汗拭かなきゃダメっ。だよ?」タッタッタッ フキフキ

男「おーさんきゅー。」ゴクゴク

幼馴染姉「気合い入ってますなー。そんなにあたし達をインターハイに連れていきたいのかな?」ニヤニヤ

男「それもあるけど、それだけじゃねぇよ。去年、俺が無理に外から狙って負けたからな。」

幼馴染妹「そ、そんなことないよぉ!男が勝ちたくて勝ちたくて狙ったんだからっ!」

男「ありがとな、妹。でもな…」

幼馴染姉「ったく、らしくないわねっ!あんだが、勝ちたくて狙ったのはみーーーーーんな分かってるの!だから、苦手な外からを無理に打ったことを責めてないでしょ!?あたしは、あんたのそーゆー無謀なチャレンジ嫌いじゃないんだから!」バンッ!

男「っつう!思いっきり背中はたくな!
でも。さんきゅ。助かるわ。」ニッ

幼馴染姉「それでこそ、あんたよ!無茶やろうが、何だろうがあたしはあんたを支えるからね!」ニコ

男「ありがと。うっし!したら、あと30本外からのシュート練習してから帰るか!」

幼馴染姉「あいよ。んじゃあたし達は先に帰ってるからさっさと終わらせなさいよ!」

男「おう!」

シュッ ガンッ!

男「ちっ!ここは決まっとけよっ!」

幼馴染姉「逆に外れた方があんたらしいわ」ケラケラ
幼馴染姉「ほら、いくよ。妹っ!」テクテクテク

幼馴染妹「あ、うん。男?風邪引いたらダメっ。だよ?怪我もダメっ。だよ?」
幼馴染妹「あ、おねぇ!待ってよぅ!」タッタッタッ

書き溜め消化してしまいましま。

書き溜め行ってきます。

<翌日 4月5日>

�・幼馴染家 男の部屋�・

コンコン

幼馴染妹「男ぉー?入るよぉー?」

ガチャッ

幼馴染妹「あ、男?まだ寝てるの?起きなきゃダメっ。だよ?」トントン

男「んー?…ぐー…ぐー…」

幼馴染妹「あぅ。男ー、起きてよぉー。起きないとランニング登校できないよぉー。」ユサユサ

男「ぐー…ぐー…」

幼馴染妹「はぅー。。。男ってばー!起ーきーてっー!」ユサユサ

男「んーーー。んっ?妹?」

幼馴染妹「あっ。男っ!起きたの?」パァ

男「あと、5分…」

幼馴染妹「はわわっ。だ、ダメっ。だよ?起きないとダぁメぇーーー!」ユサユサユサユサ

男「んー。妹がちゅうしてくれたら、起きる。」

幼馴染妹「ふぇぇぇぇ!?そ、そ、そ、そんなのダメだよぉぉぉ!」カァッ

男「なら、おやすみ。」

幼馴染妹「はぅっ。どうしようっ…」オロオロ

幼馴染姉「妹ー?男起きたー?」

幼馴染妹「あぅ。おねぇー。ダメっ。起きないよぉ。」グスグス

幼馴染姉「ったく。相変わらず朝は弱いんだからっ。妹離れてなさい。」

幼馴染妹「ふぇ?おねぇ何をするの?」

幼馴染姉「必殺…天空×字拳っ!!」

バッ!

幼馴染妹「ふぇぇぇぇ!?」

ドンッ!

男「ぬぉーーーーーーー!??!」ガバッ!

幼馴染姉「おはよう、男っ!素敵な朝ね!」

男「て、てめぇ、げほっ!な、何しやがるっ!ごほっごほっ!逆に二度寝するとこだったわ!」

幼馴染妹「おねぇー!やりすぎだよぉー!」

幼馴染姉「妹、あんたは優しすぎるのよ。男にはこれぐらいが調度いいのよ!」

男「姉、てめぇー!」

幼馴染姉「うひゃー!妹、逃げるわよ!」ギュッ

幼馴染妹「ふぇぇ!?わ、わわわ。引っ張らないでよおねぇーーー!」ダダダダダッ

男「いってぇー。つぅか、逃げても同じ家にいるじゃねぇか。アホかあいつは。」

男「はぁ。取り合えず着替えるか。」

すみません。今日のところは終わります。

中途半端ですみません。
読んでいただいてる方ありがとうございます。
明日も書きますので読んでいただければ幸いです。

では、おやすみなさい。

《幼馴染家 リビング》

幼馴染母「よぉー。男ー。おはようさん。」

男「おはよーございます。おば……御姉様。今日は早いんですね?」

幼馴染母「ん。今日は仕事が早くから入っててねぇ。ほら、男の分のメシ出来たからさっさと食っちゃいな。」

男「ありがとうございます。その前に親父さんに挨拶させてください。」

幼馴染母「いつもありがとね。旦那も喜んでるよ」

チーンッ

男(おはようございます。親父さん。今日は新入生が来ます。今年のインターハイへの出場のためにも良い後輩が入ってくるように見守って下さい。)

男「すみません。お待たせしました。」

幼馴染母「むしろ、ありがとうね。そら、さっさと食っちまいな。」

男「はい。いただきますっ。」ガツガツ ムシャムシャ

男「あ、そう言えば姉と妹はどうしたんですか?」

幼馴染母「あー。何か今日のために準備があるとか言ってたねぇー。男の準備が終わったら呼んでくれってさ。」

男「準備?何のですかね?」

幼馴染母「さぁねぇ。あたしゃそこまでは把握しとらんよ。」

男「そうですか。なら、二人に直接聞いてみます。うっし。ご馳走様でした。」

幼馴染母「はいよ。御粗末様。」

男「鞄に制服を入れてあるし、ジャージだし。取り合えず大丈夫かな?」

男「さて、二人を迎えに行きますか。」

�・幼馴染家 姉妹の部屋�・

幼馴染妹「おねぇ、これで全部かな?」

幼馴染姉「10種類×30枚。うん!バッチリだね!」

幼馴染妹「いっぱい、いっぱい新入生入ってくれるかなぁ?」ニコニコ

幼馴染姉「そうねぇ。去年、県大会決勝まで行ってるし、少しは期待できると思うんだよね!」ニッ

幼馴染妹「そうだよねぇ。楽しみだよぉ」ニコニコ

コンコン

男「おーい。準備出来たかー?」

幼馴染姉「はいはーい。出来たから先に外で待っててー!」

幼馴染妹「ごめんねぇ、男。すぐ行くからねぇー」

男「あいよー。んじゃ外で待ってるわ。」

《通学路》

男「はっはっはっ。」タッタッタッ

幼馴染妹「今日は無理しないで良いペースだねっ。」 

男「まぁな、昨日はアホなことしたからなっ。」タッタッタッ

幼馴染姉「でも、何でランニングなの?あんた、体力面は特に問題ないじゃない。」

幼馴染妹「あう。確かにそうだよねっ。足腰が弱いわけでもないし。」

男「んにゃ。技術をつけるのは体力があってこそなんだ。それに、ランニング登校すれば、アップがてらにもなるしな。」タッタッタッ

幼馴染姉「そかそかー。それなら、体育館に入ったら直ぐにボール使って練習出来るって訳ね。」

男「そゆこと。うっし、学校見えてきた!ちっと飛ばすぞ!」ダッダッダッダッ!

幼馴染妹「あわわ!ペース急にあげないでよぉー!」

幼馴染姉「よし!あたし達も負けないわよ!行くよ!妹!」シャーッ

幼馴染妹「ふぇ?!おねぇまでぇー?!ま、待ってよー!」コキコキ

�・体育館内�・

ダムダム キュッキュッ

ガンッ ドンマイドンマイー!

ファイトー!


二年a「男先輩、ちょっといいですか?」

男「ん?どうした?」

二年a「俺、噂を聞いたんです。去年の全中優勝校のシューターがうちの高校に入学したらしいんです。」 

男「まじかっ!?去年の全中のシューターってかなり有名じゃねぇか!ん?でもあいつはvip高校付属中学じゃなかったか?」

二年a「はい。そうなんです。vip高校に、上がらずにうちに来たみたいなんです。」

男「なんでまた?vip高校に行けば1年時は無理だろうけど。2年からはあの実力ならレギュラーいや、スタメンも安泰だろ?」

友「そうだね。でも去年の県大会決勝で、火が着いたみたいだよ。」

男「うぉっ!友いつのまに!って、お前、何か知ってるんか?」

友「うん。去年、無名校のうちが常勝vip高校を寸前まで苦しめたでしょ?それを見て、『強くてニューゲームじゃつまんねぇッス!やっぱり下克上ッス!』だって。」

男「向上心があるの踏んでいいのか?まぁ、だとしても助かるな。部長も欲しがってたシューターだ。」

二年a「そ、それより何で友先輩はそんなに詳しいんですか?知り合いなんですか?」

友「あはは。そうか、君や他の二年には話してなかったね。僕もvip附属中学出身なんだよ。」

二年達「え、えぇぇぇぇぇーーーーー!!!!!!!!?????」

幼馴染姉「あんたたちー!今は驚いてないで練習しなさーい!」

幼馴染妹「男と友さんも足止めたらダメっ。だよー?」

男「あいよ。ほら散れ散れ」シッシッ

友(さっきの理由も一つだけど噂の新入生も僕も君が原動力なんだよ。本人はがむしゃらだから気付いてないだろうけどね。)クスッ

�・入学式後 体育館前�・

幼馴染姉「お願いしまーす!男子バスケット部へ見学だけでもお願いしまーす!」

幼馴染妹「マネージャーも募集中ですぅ!お願いしますぅ!」

モブ一年a「うはwwwwwwバスケット部マネージャーかわいすぎるwwwwww」

モブ一年b「ふっ。俺の第三の目がこの人が運命だと疼くっ……!!!」






?「男バス見つけたッス!ヤバイッス!俺、興奮ッス!」

�・体育館内�・

男「うはー。結構入部希望者いんのな。」

部長「そうだろうな。まがいなりにも、去年は県大会決勝まで進んだからな。」

友「そうだね。それに、噂の新入生も来てるね。」ニコニコ

幼馴染姉「男ー!今日のところはこれくらいみたい!もう、外にはいないよー!」

幼馴染妹「うんっ。初日でチラシも半分なくなったんだよぅ!」

男「チラシ?そんなもん作ったっけか?」

部長「いや、俺は記憶にはないな。」

幼馴染姉「だろうねー!あんたらはそう言った気の回しできないもんねっ!」

幼馴染妹「おねぇと二人で一杯作ったんだよぉ。」ニコニコ

友「そうなんだ。二人ともありがとうね。ちゃんと一番の注目株も、し引き連れてくれたみたいだしね。すごく嬉しいよっ。」ニコッ

幼馴染姉「注目株?そういうの今年の新入生にいたの?」

幼馴染妹「あぅ。中学校のバスケはあんまり詳しくないからわかんなかったよぉ。」

部長「まぁ。わからなくても仕方ないさ。気にするな!美人姉妹!」

男「二人にその気はなくてもこの中にはバッチリいるからな。」

友「うん。よく、見た顔だよ。今年のバスケ部は変わりそうだね。」ニコッ

ウンチャラチュウガク ナンチャラデス!

ヤベー、マジマネージャーカワイスギー

部長(ふぅこれで20人。次で最後か。)

舎弟「vip附属中学出身!舎弟ッス!ポジションはsg(シューティングガード)ッス!宜しくお願いするッス!」

部長「これで今日は全員だな!

俺はこのバスケ部のキャプテンの部長だ!正直練習はキツいぞ!何人残れるか楽しみなくらいだ!

それでも着いてこれるなら着いてこい!以上だ!」

友「今日は仮入部だからね。練習したい人だけ残ってくれて良いからね。あ、申し遅れたけど、副部長の友です。よろしくねっ。」ニコッ


キャャーーー!友君カッコイイーーーー!!最高ーーーーー! 

男(相変わらず減らないな。この、ファンクラブ。下手すりゃ増えてんぞ。)

舎弟「あの、すみませんッス!男先輩ッスよね!」

男「ん?お前は…全中優勝校の舎弟だったな?どうした?」


舎弟「突然すみませんッス!でも、この熱い気持ちを!男先輩に!ぶつけたいッス!」

申し訳ございません。

今日はここまでです。上司に連れてかれるみたいです。

明日こそは一生懸命進めます。

早く終わったので投下します。

舎弟「男先輩!去年の県大会決勝で、先輩のプレーを見たときから決めてたッス!」

男「うぉっ。な、なんだよ?俺、何か変なことしたか?」

舎弟「失礼を承知でお願いするッス!俺と一対一をしてほしいッス!」

男「あん?俺と、舎弟が?」

友「あはは。それは面白そうだね。いいんじゃないかな?今日は練習よりも歓迎会的な遊びがメインだしね?」

部長「やっちまえ、男。いくら全中mvpとは言えうちも舐められる訳にはいかんからな!」

男「んだよ。なんで、お前らはそんな乗り気なんだよ」ハァッ

グッグッ

友「舎弟、よかったね。男もその挑戦乗ってくれるみたいだよ。」

舎弟「マジッスか!アザッス!!」  

男「馬鹿。てめぇの挑戦に乗る訳じゃねぇよ。てめぇが即戦力かどうかを判断すんだよ。

部長と友が。」

部長「お前も少しは判断しようとしろよ。馬鹿が。」

男「もちろん見る。部長が欲しがってたシューターだろ?ただ、ここは真面目に行かねぇとなー。消えろ、海坊主。」

部長「む。どうした?そんなに熱くならんでもいいぞ?これは歓迎会の様なものだからな。はは、そんなに死にたいか、このアンポンタン」

男「まぁな。けど、あいつは全中mvpだろ?俺が簡単に、無様に負けたら部活に入らなくなるかもしれねぇだろ?一応、来週の金曜までは仮入部期間だからな。自ら死にに来るとは良い覚悟だ。ハゲ。」


男・部長「…」

男・部長「あんだと?!やんのかこらー?!」

幼馴染姉「あんたたちー!何やってんの!?新入生びっくりしてるでしょ!」チョップ

幼馴染妹「そ、そうだよぉ。新入生入らなくなったらどうするのぉー!」アタフタ

友「それにしても舎弟、久し振りだね。」

舎弟「あ。友先輩お久しぶりッス!いやー!先輩がvip高校に進学しなかったときはビックリしたッスよ!」

友「ふふ、そうだね。でも、君もうちの高校に来た。『強くてニューゲーム』が、つまらないからだけで来たわけじゃないんだよね?」

舎弟「うっす!去年の県大会決勝で、男先輩の生半端じゃないプレーを見せつけられて惹かれたッス。いくら離されようと必死に食らいついていく姿。目に焼き付いて離れないッス。」 

友「そうだね。彼のスタイルはゲームメイクや、守備の要じゃない、かといってオールラウンダーでもないからね。常に彼はゴールを狙い続ける。生粋スコアラーだからね。」

舎弟「第3クォーターから途中出場してきたとき、初めは何だあの独りよがりのプレーは!って思ってたッス。

けど、初め24点差だった試合を一気にあと、1ゴールまで迫ったあの爆発的な攻撃にこの人とバスケしたい!って思ったッス。」

友「うん。自分が決めるのが無理と判断するまでパスも出さないからね。彼、ある意味超我が儘だからね。」クスッ

舎弟「でも、相手からは逆にそれが脅威ッスから。それに、友先輩や他の方が下を向いてしまった残り30秒の時、男先輩の一声が皆さんの顔を上げたッスよね!」


男『諦めんなこらぁ!!!諦めるなら俺にボールよこしてから諦めやがれ!!!ぜってぇに決めてやるから!!!』

友「うん。結果は負けてしまったけど。あの一言は今までプレーをしてきて初めて試合中に鳥肌が立った。やっぱり彼なら何とかしてくれるって改めて思ったからね。」

舎弟「じゃあ、やっぱり友先輩も男先輩とプレーをしたくて?」


男「おーい。友、舎弟ー!こっちは準備出来たぞー」 

友「そうだよ。彼とならvip高校に勝つのも夢じゃないと思ったからね。じゃ、頑張るんだよ。」

舎弟「うっす!やってやるッス!!」

舎弟「男先輩お待たせしたッス!!」

ガヤガヤ ワイワイ

男「おうおう。なんかやたら注目浴びちまったな。取り合えず5ゴール先取でいいか?」

舎弟「自分は、それで良いッス!」

男「へぇ。よほど自信があるんだ。」

舎弟「自信なんてないッス!本当はハンデほしいッス!先輩は7ゴール先取にしてほしいッス!」

男「俺、辛いじゃねぇか。まぁ、いいけど。んじゃ、始めっか。」

パシッ

舎弟「そんなに離れて守備していいんすか?」ボソ

男「あん?ってしまった!開始場所あやまった!」

グッ ダンッ 

舎弟「遅いッス!」

ダッ シュッ

スパッ(3pシュート) 

男0舎弟1

部長「ふむ。綺麗なフォームだ。」

幼馴染姉「あんた、それ言いたかっただけでしょ」ハァッ

友「うん。台詞は確かにパクリだけど、舎弟のフォームは確かに綺麗だよ。」

幼馴染妹「あわわ!お、男は負けないよね?」

友「うん。今のは確かに綺麗なフォーム。けど、男が打たせた感もあるけどね。」


舎弟「次は男先輩の攻めッス!」

パシッ

男「たいしたもんだ。綺麗に決めるんだなー。」

ダム ダム ダム

舎弟「そうでもないッス!それにシュートだけじゃないッス!そんな、スローテンポなら」

スカッ

舎弟「えっ?」

ダッダッダッダッ ダンッ シュッ(レイアップ)

スパッ

男「おう。焦るな焦るな。まだ、始まったばかりだぞ。」

男1舎弟1

舎弟「な、な、な、な。」
舎弟(なんっっっって!滑らかで早いドリブルッスか!迂闊にカットに行けば簡単に抜かれるッス!こうなったら、スッポン作戦ッス!)

男「おい、次はお前の攻めだろ。」

舎弟「う、うっす!」

ダムダムダムダム

男「おっと!次は決めさせないっ!」

舎弟(さすがに今度は簡単に打たせてくれないッスか。一本目はやっぱりサービスだったッスか!!なら!)

ダッダッダッダッ

舎弟「俺、この角度が一番得意なんッス!」

男(打ってくる!ボールの打点はさっき見させてもらった!)

男「うるぁっ!」

ダンッ!

舎弟「はっ!」

タッ シュッ(3pシュート)

男「なっ!さっきより打点が高い?!」

スパッ

男1舎弟2

舎弟「うっし!」



幼馴染姉「あんたー!なにやってんのよー!」

友「今のは男が一杯食わされたね。」

部長「そうだな。一本目をわざと低く打ち、二本目を高く打った。」

友「舎弟も、一本目を打たせてもらったから悔しかったんだろうね。」

部長「生意気だな。だが、それ位プライドがある方が伸びるがな!」

男「にゃろう。生意気しやがるな。」

幼馴染姉『あんたー!なにやってんのよー!』

男「やっべ。怒られちまった。おい、舎弟。これから全力でくるんだろ?」

舎弟「うっす!出来れば負けたくないッスから!例え先輩でもッス!」

男「確認しとくが、アップはちゃんとしたか?」

舎弟「いつもよりは足りない位ッス!でも、この一対一位は大丈夫ッス!」

男「ふーん。ま、必死に着いてこいよ?」

ダッ

舎弟(さっきより格段にはやくなったッス!行くッス!スッポン作戦ッス!)

男「寄せるのおせーよ。」

ダッ グンッ

舎弟(なっ!ドリブルが低いッス!?それに、加速が異常ッス!)

男「よっ!」

ダンッ シュッ (レイアップ)

スパッ

男2舎弟2

舎弟(完全に抜かれたッス!しかも、フェイクやテクニックじゃないッス!圧倒的な脚力と加速だけでッス!)

男「さてと。次はお前の番だな。ほれ、ボール。」

舎弟「う、うっす!」
舎弟(洒落にならないッス!あんなバネ止められる気がしないッス!でも、俺はあと三本決めれば勝ちッス!)

ダム ダム ダム

男「ぼんやりすんな!」

ガッ

舎弟「うわぁッス!」

ポーン ポーン

男「うっし。攻守の交代な。」

舎弟「な、な、な!!」
舎弟(今のディフェンスはなんすか!守備が巧いとかじゃないッス!!完全に運動能力だけッス!去年の決勝で見てたッスけど、当てにならないッス!なんすか!このチート先輩!)



幼馴染姉「よーしっ!それでこそあんたよー!」

友「あはは。舎弟はあっけに取られてるね。観客席でみるのも、ベンチから見るのも資料としては当てにならないからね彼の動きは。」

部長「ふんっ。あれ位俺にだって!」フンゴー

幼馴染妹「や、やめたほうがいいよぉ。だって、前真似して部長さん足つったじゃないですかぁ!」

部長「ぬお?!覚えてたのか?!忘れてよー!妹ちゃーん!」アウアウ

友「男も本気出すってことは、やっぱり舎弟には期待できそうだね。」

幼馴染姉「そうねぇ。試合以外であんな動きは見せないからねぇ。」

部長「まぁ、伊達に全中mvpじゃないと言うわけだな。」

幼馴染妹「やっぱり、レギュラー入りですか?」

部長「まだワカラン。だが、次の一本で決める。男もそのつもりだろうからな。」

男「さてっと。さっさとハンデ埋めさせてもらうぞ。」

舎弟「うっす!埋めさせないッス!」

男「やっぱ生意気な、お前。でもおもしれぇよ。」

ダムダムダムダム

舎弟「今度は絶対に抜かれないッス!!」

キュッキュッ

舎弟(一番初めは気を抜いていたッス!二回目はチートバネを理解してなかったッス!でも、今度は大丈夫ッス!抜かれないこと!常にくっついて行くことだけ考えるッス!)

《5分経過》

モブ一年a「うはっwwwwwwあの人たち5分近くあーやってドリブルで争ってるwwwwww」

モブ一年b「くっ!!!!俺の第3の目があいつらから目を離すなと疼きやがる!!!!」



二年a(くっそ!流石に巧い!でも、俺だって負けない!負けたくない!)

ダッダッダッダッ

友(うん。舎弟の効果は即戦力だけじゃないみたいだ。)ニコッ

友「舎弟、ディフェンスもいいね。よく粘ってる。これなら、レギュラーでもいいんじゃないかな?」

部長「そうだな。だが、男はまだ、試してるな。いつでも抜ける状況だろ?」

幼馴染姉「試してるんじゃないと思うなーあたしは。」

幼馴染妹「ふぇ?おねぇは二人と考えが違うのっ?」

幼馴染姉「うんっ。だって見てみなよ男の顔。凄い楽しそうだよ。」

男「おう!どうしたっ!そんなんじゃねぇだろ!?」ハァッハァッ

舎弟「うっす!ぜ、絶対に負けないッス!抜かれないッス!」ゼェゼェ

男「楽しいなぁー!だが、もう終わりだっ!」

ダッ グンッ!

舎弟「その低空ドリブルはさっきも見たッス!次は抜かれな……っ!」

ドンッ!

男「舎弟!」

舎弟「いってぇぇぇぇぇッス!足、足、つったッス!」

男「だから、聞いたろ?アップはちゃんとしたか?ってな?」

部長「おい、舎弟。大丈夫か?」

友「足、つっただけみたいだから大丈夫かな?」

舎弟「だ、大丈夫ッス!あぅち!」

男「何が大丈夫だ。ガッツリ張ってるじゃねぇか。」グイグイ

友「ははは。取り合えず今日はこれでおしまいだね。」

舎弟「悔しいッス!でも、今日は諦めるッス!」

男「おう。入部したらいつでも相手してやんよ。お前、生意気だけどおもしれぇわ」ニッ

舎弟「はいッス!三年間おなしゃす!」

部長「お前バカだろ?俺ら3年は半年で引退だ。」

舎弟「はっ!忘れてたッスーーーー!!!!」

「「「「ぶわはははは!!!」」」」

二年a(俺は!負けない!舎弟よりも巧くなってやる!)

《2ヶ月後 夜 男の部屋》

トントン

ガチャッ

幼馴染姉「入るよー!」

男「いや、すでに入ってるじゃねぇか。」

幼馴染姉「まぁまぁ、堅いことはいいじゃないの!それより、どう?」

男「どうって、何が?」

幼馴染姉「来週から地区予選始まるでしょ?仕上がりを聞いてるの!わかりなさいよ、ばか!」

男「わかるかい!んまぁ、そうだな。取り合えず俺、友、部長は順調。

後は二年aの伸びが早いな。元々背も高かったし、それに部長と一対一をやるようになってからフィジカルも強くなってきた。下手すりゃ三年でも喰われかねないだろうな。

あと、舎弟な。あいつ、練習後の俺との一対一だけじゃ飽きたらず友にも戦略やゲームメイクの仕方を聞きにいってるからな。あいつは恐らくスタメンに食い込むだろうな。」

幼馴染姉「ふむふむ、正直マネージャーだから見てたから知ってるわ!」ケラケラ

男「じゃあ、何しに来たんだよ」ハァッ

幼馴染姉「んー。取り合えずさ、男ベッドに横になってよ。」

男「あん?何するつもりだよ?」

幼馴染姉「いいからいいから!気持ちよくさせて、あ・げ・るっ!」

男「ちょっと、おば…御姉様呼んでくる。」

幼馴染姉「いや、ちょっと!冗談だから!」

男「じゃあ何だよ?何がしたいんだお前は。」

幼馴染姉「あ、あのさ。だからさ。そのぅー。うーっ!」カァーッ

男「はっきり言わねぇとわかんねぇぞ?」

幼馴染姉「だ、だから、マッサージしてあげるって言ってんの!」カァーッ

男「言ってねぇよ!始めて聞いたわ!」

幼馴染姉「ほ、ほら!さっさと横になりなさい!」

男「別に大丈夫だって。そこまで疲れてねぇよ。」

幼馴染姉「そんなことない!あたしが言うんだから間違いない!あんた最近、加速が弱くなった!ジャンプも低くなってきた!完全に疲れが溜まってるの!」

男「お前、どんだけ見てくれてんだよ。怖いわ。」

幼馴染姉「うるさい!あんた、あたし達をインターハイに連れてく約束したじゃない!こんなとこで、怪我したらダメなの!」

男「あーもう。わかったわかった。」ゴロン

男「宜しく頼むわ。」

幼馴染姉「ったく!始めから素直に聞いておきなさいよねー!」マタガリ

グッグッグッグッ

男「うへぇ。相変わらず…んっ。上手いな。マッサージ…んっ。」

幼馴染姉「まぁね!中学の頃からあんたをマッサージしてるんだからね!あたしが知らない、男が気持ちよくなるツボはないよ!」

グッグッグッググ

一気に投下しました。書き溜めなくなったので、また明日投下します。一応、質問等があればうけます。

ないとは思いますがwwwwww

よかった。

では投下します。

幼馴染姉「こんなに身体固いじゃないの。無理ばっかして。」

グイグイグイ

男「しゃーねぇべや。んぅ。お前と約束したからな…かっ…そこ…そこ…いいっ!」

幼馴染姉「だからって!無理して怪我し
男「無理でも無茶でもなんでもする。お前との約束だ。絶対に負けない。死んでもお前をインターハイに連れてく。」

幼馴染姉「あ、あんたっ!何をそんな恥ずかしいことを!」カァー

男「うつ伏せだからだろ。顔見えないから言えるんだ。」

幼馴染姉「それに!あたしが約束したのは、あたし『達』をインターハイに連れてくでしょうが!」

男「あー。うん。そうだった。つぅか、お前さ昔俺と二人で違う約束したの覚えてる?」

幼馴染姉「昔?約束?」

男「ん。覚えてないならいいや。てか、マッサージ終了ならどいてくれ。」

幼馴染姉「あ、うん。ごめんごめんっ!って、約束って何よ!」

男「んー!大分楽になったわ。ありがとな。」ニッ

幼馴染姉「へへっ!どーいたしまして!あんた、がむしゃらで真っ直ぐに目標に向かうのはいいけど怪我や体調管理気を付けなさいよねっ!って、だから約束って何よ!何なのよ!」 

男「はいはい、夜も遅いからお部屋に戻りまちょーねー。」グイグイ

幼馴染姉「やっ、押さないでったら!約束のこと教えてよ!」

男「その内分かるよ。だから、今は忘れた罰としてソワソワしてなさい。」
 
ガチャッ

ポンッ

幼馴染姉「うきゃ!も、もしかして、お、怒ってるの?」ソワソワ

男「ん?怒ってねぇよ。それに対してはソワソワせんでよろし。」 

ナデナデ

男「ゆっくり、休めよ?おやすみ」

バタンッ

幼馴染姉「ぅー!なんなのよー!」

幼馴染妹「おねぇ?どうしたのぉ?」

幼馴染姉「あ、妹。まだ起きてたの?」

幼馴染妹「うん。ちょっとお手洗いっ。おねぇは男の所?」

幼馴染姉「あー。うん。最近、動き鈍くなってきたからマッサージしてきたのよ。」

幼馴染妹「やっぱりおねぇはすごいねぇ。男のこと、直ぐに気付くんだねっ。」ニコッ

幼馴染姉「んまぁ、幼馴染みだしねー。」

幼馴染妹「それだけじゃないと思うけどなっ。」ボソッ

幼馴染姉「え?妹何か言った?」

幼馴染妹「んーん。何でもないよっ。早く部屋戻ろうっ」ニコッ

《夜 幼馴染姉妹の部屋》

幼馴染姉(約束…約束…思い出せないなー。何か約束したっけ?)
幼馴染姉「うー。うー。」

幼馴染妹「おねぇ?どうしたの?」 

幼馴染姉「あ、妹。起こしちゃった?」

幼馴染妹「うぅん。まだ、起きてたから大丈夫だよっ。」

幼馴染姉「なんか、ごめんね。あとさ、妹。もし分かったらでいいんだけど。」

幼馴染妹「うん。なに?男のこと?」

幼馴染姉「あぅ。何で分かるのさ?」

幼馴染妹「だって、おねぇが悩むとき大体そうだもんっ。」

幼馴染姉「他のことでも悩むわよ!って、まぁ…その…ね。男とあたし『達』が約束したのはインターハイに関わる約束は『連れていく』だけだよね?」

幼馴染妹「うんっ。そうだよっ。去年、男が悔しそうに声を震わせて約束してたんだよねっ。私はその場にいなかったけどっ。」

幼馴染姉「そうだよねー。それ以外に昔した約束でインターハイに関わっててあたし『達』がした約束ってある?」

幼馴染妹「んぅー?それ以外にはないんじゃないかなぁ?それがどうしたの?」

幼馴染姉「そうだよねぇ。じゃあ何なんだろ…昔した約束って。」

幼馴染妹「その約束、本当に私『達』二人とした約束なの?男はそう言ってたの?」

幼馴染姉「んー。あたしとだけの約束らしいんだよね。そんな約束何てしたことない気がするんだよねぇ。」 

幼馴染妹「あ。」

幼馴染姉「え?!何か知ってるの!?」

幼馴染妹「知ってるけど知らないのぉ。」

幼馴染姉「えぇー!教えて!ねっ!お願い!明日から朝御飯あたしが作るから!」

幼馴染妹「え?本当におねぇは覚えてないのっ?」

幼馴染姉「うんっ!これっぽっちも!全く!」

幼馴染妹(はぅ。男が可哀想だよぉ。)

幼馴染妹「これはダメっ!おねぇがしっかりと思い出してくださいっ。」

幼馴染姉「えぇぇぇぇ!神様仏様妹様ー!」

幼馴染妹「これは教えられないのですっ。それに約束忘れたらダメっ。だよ?私は先に寝るねっ。おやすみ、おねぇ。」クークー

幼馴染姉「あぅー!そんなぁー!」

幼馴染姉「何よー。酷いよー。もういき!寝るっ!おやすみっ!」

《夢の中》

(久しぶりに夢を見た。あの頃の懐かしい思い出。あんな話ししたあとだからかな。)

『男くーん!』

『あぅ。おねぇーまってよぉー!置いて行かないでー!』

『ん?あ、姉ちゃんに妹ちゃん。どうしたの?』

『ねぇ!この本知ってる!?スラムダンク!』

『あ、うん。知ってるよ!僕、それを読んでバスケ始めたんだ!』

『おねぇ、はぁはぁっおいてかないではぁはぁっ』

『あのね!私バスケのこともっと知りたいの!教えてくれる!?』

『うん!いいよ!』


(私はいつも置いて行かれないか不安だった。だって私はおねぇみたいに運動が得意じゃなかったから)


『あ、男君とおねぇがバスケしてるぅ。はぅ、また置いていかれたー。おねぇ私も混ぜ…』


『ねぇ、姉ちゃん。好きな人いるの?』

『んー?そんなのいないよ!今はバスケだよ!』

(そんな会話が聞こえた。私はどうしたらいいか分からなくて思わず隠れちゃった。多分、この頃は私も男が好きだったんだと思う。)


『じゃぁ、僕のお嫁さんになってよ。』

『えー。じゃあ男君がスラムダンク見たいに格好よくインターハイ連れていってくれたらね!』

『わかった!絶対に僕が姉ちゃんをインターハイに連れてくよ!』


(私は…あの時からずっと逃げることになった。)

《地区予選一週間前 昼休 教室》

幼馴染姉「男ー!起きなさーい!昼休みよ!」

男「んぁ?もう、授業…終わった?」ボケー

幼馴染妹「うん。あ、涎すごいよ?はいっ。ティッシュ。」

男「おぅ。悪いな。」ゴシゴシ

部長「おぅ。3年寝太郎。今日はレギュラー発表すっからな。」

友「一応、このメンバーで行くみたい。顧問から発表があるはずだけど、何かあるかな?」

モブ女a「あ、男バス今日はレギュラー発表の日なの?!」

部長「おうよ!今年こそはインターハイだ!」

モブ女b「そうなんだっ。友君!男君!応援に行くからねっ!地区予選から!」

友「うん。いつもありがとう」ニコッ

男「ん。さんきゅー」ニッ

モブ女c「うん!もう、チアガールだってしちゃうんだから!」

モブ女a「今年も友君の格好いいところ見せてねー!」

部長「」

幼馴染姉「相変わらず大人気ですねー!旦那!」

男「元々は友のファンだろ?てか、最後も格好いい所見せてほしいのは友みたいだしな。」

友「何にせよ。去年よりも注目されてるみたいだし。無様な姿は見せられないね。」

部長「」

男「だな。取り合えず、地区予選、地区大会は飛ばして行くかっ。」

モブ女c「あ、男君!あの、私は男君応援してるからね!」カァーッ

タッタッタッタ

幼馴染姉(ん?)
幼馴染姉「ほらぁ!あんたのファンだってよ!ひゅーひゅー!」

男「茶化すなよ。俺はそういうの友と違って慣れてないんだ。」

幼馴染姉(ん?何だろ?)
幼馴染姉「いいじゃーん!あんな可愛い子中々いないよー!?」

男「俺はいいの。いい加減にしとけよー?」

幼馴染姉「はーい!」テヘペロ



幼馴染姉(何でこんなイライラしてんの?)




部長「」

《放課後 体育館》

顧問「では、レギュラーを発表していく。呼ばれたものはユニフォームを取りに来るように。」

舎弟「入部届け提出した時以来始めて見たッス。」

二年a「あの人、基本的にはバスケ知らないから仕方ないよ。」

<深夜高校レギュラー表>

背番号4 部長  c
背番号5 友 pg
背番号6 三年a sg
背番号7 男  sf
背番号8 三年b pf
背番号9 三年c c
背番号10 三年d sf
背番号11 三年e pg
背番号12 三年f sf
背番号13 三年g pg
背番号14 二年a pf
背番号15 舎弟  sg


顧問「以上だ!ユニフォームを受け取った者は深夜高校の誇りを持って挑むように!ユニフォームが無いものは悔しい気持ちを糧にし、応援で大声を出し憂さ晴らしをするように!では、練習開始!」


二年a「う…うそ?俺が…レギュラー?」

舎弟「やったッス!ユニフォーム貰えたッス!」

友「うん。君達二人には期待してるよ。ユニフォームをもらえなかった三年達とも話をさせて貰ったからね。」

モブ三年1「悔しいが、舎弟の3pはやはりうちの武器になる。それに二年aはフィジカルが強くなったしリバウンドも上手くなった。」

モブ三年2「それに、インターハイ目指すなら最強のメンバーで望まなくては無理だろうからな。」

モブ三年3「俺たちの分まで精一杯プレーしてくれ!下手なプレーしやがったら思いっきりブーイングしてやるからな!」

二年a「は、はい!頑張ります!精一杯プレーします!」

舎弟「うっす!やってやるッス!インターハイ掴みとるッス!」

男「おう。お前ら浮かれてる場合じゃねえぞ。ついに、来週だ。」

部長「うむ。地区予選だって険しくて辛い道程だ。ユニフォーム貰ったからといって油断するなよ!」

幼馴染姉「今年は去年県大会で決勝行った分、他校からのプレッシャーは辛いからね!油断大敵だよ!」

幼馴染妹「きっとフィジカルで強引に来るチームもいるはずだよっ。でも、無理に対抗して怪我だけはしちゃダメっ。だよ?」

友(去年はゲームメイクだけに満足していた。得点は男に頼りすぎてた。今年は自分でも狙う。)

部長(ゴール下で相手に好き勝手させん!何があってもだ!俺がゴール下を守り抜いて見せる!)

男(去年は好き勝手暴れてた。だが、今年は部長や友や舎弟、二年a、他の三年もいる。俺が無理に狙わなくても大丈夫だ。絶対に負けない!)

部長「おうし!集まれー!!レギュラーを中心に実戦形式の練習をしていくぞ!!」

「「「「おぉぉぉぉーーーーーっっっっっす!!!!!」」」


男(それから俺達は順調に地区予選を突破した。怪我人が出ることなく。順調すぎて恐いくらいにだ。大会も同様だ。ただ、相手のレベルが上がっているから何もかもが順調とは言えなかった。

スタメンpfの三年bが準決勝試合終了直前に相手チームの悪質なファールで怪我による退場。全治一週間の怪我を負った。嫌な空気が流れるなかだが、地区大会決勝を俺達の都合で伸ばすわけにも行かない。

俺達は一人すくない状態で地区大会決勝を迎える。)

《地区大会決勝 前夜 男の部屋》

男(明日は頭から二年aが出るだろうな。スタメンはあいつ始めてか…大丈夫か?…いや。あいつを信じよう。あいつなら大丈夫だ。一年の頃から人一倍頑張るから気にはしていたが、舎弟が入ってから更に努力し始めたからな。)

トントン

男「ん?姉か?入っていいぞー。」

ガチャッ

幼馴染妹「ごめんねっ。おねぇじゃないんだっ。」ヒョコ

男「妹?珍しいな。俺を起こす以外で一人で部屋に来るなんて。」

幼馴染妹「んと。おねぇの事でちょっと相談があるのっ。」

男「姉の事で?どうした?何かあったか?」

幼馴染妹(おねぇは今、お風呂に入ったばっかりだから、チャンスだよねっ。)
幼馴染妹「あのね、男。おねぇと男の約束のことなんだけどっ。」

男「ん?いや、え?ちょっと待て!何でそれを妹が知ってるんだよ?」

幼馴染妹「んーと。ごめんねっ!あの時にちょっと立ち聞きしてたのっ。」アセアセ

男「まぁ、仕方ないな。お前なら口固いし構わないよ。んで、それがどうした?」

幼馴染妹「んとね。先に言わせて。私ね…その…えっと…」

男「ん?どうした?」

幼馴染妹「えっと、そ…その。あの…私ね、ずっと男の事が好き『だった』の。」

男「ん。え?いや、その。」

幼馴染妹「大丈夫っ!私の場合は過去形だからっ。今はもう、好きじゃないのっ。あ、えっと、その嫌いとかじゃなくてねっ!?」アセアセ

男「お、おう。そんな焦るな。落ち着いて話して大丈夫だ。」

幼馴染妹「あ、ありがとぅ。それでね。話は長くなるけど最後まで聞いてね?

男の事はおにぃとしては好きなの。私達三人は生まれた日も一緒でずっと、付き合ってるでしょ?だから、男は私にはおにぃなんだっ。

でも、おにぃとおねぇは違うの。小さな頃から一緒でも二人の距離は違うの。いつも、私は置いてかれてるの。」

男「いや、そうじゃな
幼馴染妹「最後まで聞いてっ!!!」

男「っ!?すまん…」

幼馴染妹「あ……ご、ごめん!大きな声を出して…」

男「いや、俺が悪かった。最後まで聞かずに、割り込んで。続けてほしい。」

幼馴染妹「ありがとぉ。お言葉に甘えて続けるね?それで、えっと。

別に二人が意図して置いていかれたなんて、思ってないよ?ただ、私が行けなかったの。おねぇと違って私は運動が得意じゃなかったから、運動が嫌いだから仕方ないって。言い聞かせてたの。でも、本当は違うの。

そんな言い訳を盾にして逃げてたの。でもおねぇは違った。今思えば双子なんだから始めはおねぇだって苦手なはずだったの。でも、おねぇは好きな人、うぅん。相手が男だから頑張ってきたの。

自分に恋愛感情があるなんて、気付かないで。」

幼馴染妹「でも、この前男が『二人だけの約束』をおねぇに話してからかな?おねぇはやっと気付き始めたの。

今まではおにぃとおねぇと私の『三人の約束』しか意識してなかったから。多分頭のどっかで、記憶が残ってるんじゃないかな?だから、今になって自分の気持ちに気付き始めたの。

おねぇは確かに今は忘れてるかもしれない。けど絶対に思い出すからっ!だから、おにぃはおねぇを諦めないでっ!」ポロ

男「妹…お前。」スッ

幼馴染妹「だめっ!お願いっ!優しくしないでっ!」ポロポロ

男「すまん…」

幼馴染妹「私、可笑しいねっ。男の事は去年きっぱり諦めたのに…

男はおねぇも私も優しくしてくれた。

でも、弱音を吐けたのはいつもおねぇだけだったの。私気付いてたの。ごめんっ。私の話はこれでおしまいっ。

私との約束、絶対忘れたらダメっ。だよ?じゃ、おやすみっ!」

ダッ ガチャッ バタンッ

男「妹…ありがとう。」

《夢の中》

『悔しいっ!勝てなかった!勝てると思ったのに!』

『男君!大丈夫!次は勝てるよ!だから、一緒に頑張ろう!』


(いつも、遠くから見てた。)


『くそっ!一年だからってレギュラーに選ばれないなんて!』

『なーに、言ってんの?男!まだ、中学だよ?成長期を加味したら選ばれないっての!悔しがってる暇ぁたら、二年になったらギャフンといわせちゃいなっ!』


(私には手が届かない場所だと思って遠くから見てた。)


『中学最期の試合で、全中まであと少しだったのに!あの、友ってヤツのゲームメイクにやられた!個人技なら負けないのにっ!くそっ!』

『だから、負けたんでしょ?あんたは自分に過信しすぎたの。確かにあんたの個人技は全国トップクラス。それに、皆を引っ張っていけるだけのメンタルもある。

だけど、いや、だからなの。チームの皆があんたを頼りにしすぎたのっ!高校に行ったら切磋琢磨出来る友達をチームメイトを作ればいいじゃないっ!』


(あの場所にいる、おねぇが羨ましかった。たまに、妬んでた。何で私じゃないんだろうって。)

『俺だ。俺のせいで負けた。何で俺はあそこで焦ったんだ。同点で延長戦にすればよかったんだ!』

『あんたバカ?なに言ってんの?あんたのせいで負けた?バカじゃないの?みんなで頑張ったから!あの常勝のvip高校にあと一歩まで追い詰めたんでしょ?』

『だからだろ!俺が焦らなければ!ここで、終わるはずなかったんだ!』

バチンッ!

『えぇい!男でしょ!くよくよしないっ!例え誰が何と言おうと私はあんたの、その無謀なチャレンジは嫌いじゃないの!』

『っつ。ありがとな。姉。目が覚めたわ』

『少しはいい顔になったじゃない。あと、1つ約束しなさい!あたし達を必ずインターハイに連れてって!絶対!』

『……あ、ああ。分かった。約束する。絶対にだ。この悔しさを、あいつらにぶつける。来年こそは必ずっ!』


(望んでるだけで私は動かなかった。ううん。動けなかった。だから、私じゃダメだったの。)



(でも、今はおねぇとおにぃの幸せを祈ってる。)

《地区大会 決勝 当日 早朝》

友「おはよう。妹さん。本当によかったの?」

幼馴染妹「うんっ。たまには二人きりにしてあげたいなって。おねぇに早く自分の気持ちに気付いてほしくて。ちょっとお節介してみたのっ。」

友「優しくて強いね。妹さんは…でも、凄く脆いね。無理しなくていいんだよ?」

幼馴染妹「いいのっ。昨日沢山泣いたから…もう…ぐすっ…だい…じょう…ぐすっ…だからぁ…」

友「もう一度言うよ。無理しないでいいんだよ。それに、僕は妹さんが泣いてるの受け止めることしか出来ないから。」ギュッ

幼馴染妹「友…さ…んぅ…うぇぇぇぇん!辛いよぉぉぉぉ!苦しいよぉぉぉぉ!」

友「今は泣いていいよ。かなり早く出たから。大丈夫だよ。」ナデナデ

幼馴染妹「うぁぁぁぁっ!諦めたくなかった!大好きだったぁぁ!!」

友「うん。うん。」ナデナデ

幼馴染妹「自分が嫌いなのぉぉぉ!何も出来なくてぇぇぇぇ!そんな自分が嫌いでぇぇぇぇ!早く、早く前に進みたいよぉぉぉ!」

友「自分を嫌わないで?僕はずっと優しくて強い妹さんを見てきた。僕でよければ妹さんが前に進むのを支えたい。ううん、支えさせてくれ。」

幼馴染妹「無理だよぉ…ぐすっ…友さんに…ぐすっ…迷惑かけちゃうからっ…ぐすっ…」

友「迷惑なんておもってないよ。もし、そう妹さんが思えなくても僕はそれが嬉しいから。ゆっくり考えて欲しい。」

幼馴染妹「友…さん……ぐすっ…」

《地区大会 決勝 当日 朝》

バタンッ!

幼馴染姉「男ー!?起きてるのー!?」

男「ん?姉か。おはよーさん。」

幼馴染姉(凄い、いい顔してる?けど、どこか不安げな顔。)
幼馴染姉「お、おはよう。珍しいじゃない。自分から起きるなんて。」

男「まぁな。地区大会決勝だからな。気が昂ってるんだろうな。それに、何か今日は嫌な予感がするんだ。」

幼馴染姉「嫌な予感?止めなさいよそういうの!あたし達をインターハイに連れてくんでしょ!?」

男「そう…だな。すまん。弱音吐いたわ。」

幼馴染姉「良いってことよ!じゃ、下に行きましょう!」


《同日 リビング》

幼馴染母「おはよーさん。男、姉。」

男「あ、おはようございます。おばさ…御姉様。あれ?妹は?」

幼馴染母「あー妹ならかなり早く出たわよ。男の友達に連れられてね」ウヒヒ

男「ん?そうなんですか?珍しいですね。」

幼馴染姉「何かあったのかな?」

幼馴染母「何かあったも何もかなりの美形だったわよー!あたしも惚れそうな位!」

男「友か。よかった部長じゃなくて。」

幼馴染姉「絶対に友ね。まぁ、友なら安心ね。」





=========================

部長「ふぇっくし!!!ん?誰だ噂してんのは?美女か?!美女なのかーーーー!!!!くぅ!!!!みなぎってきたぜぇぇぇぇ!!!!」

=========================



《地区大会決勝への道》

テクテク

幼馴染姉「んぅー!!!今日はいい天気だねっ!こんないい天気には良いことがありそうだよっ!!」

男「だなっ。そうだ、まだ県大会も決まってない情況だけどよ。前言った約束。思い出したか?」

テクテク

幼馴染姉「ぜんっぜん!思い出せないのっ!でも、何か引っ掛かってて、でも出てこなくて…」

ピタッ

男「なら、改めて約束させて貰うわ。」

幼馴染姉「え?な、何よ?」
幼馴染姉(いつもと、雰囲気が違う?あれ?あたし、何でこんなドキドキしてるの?)

男「小学生の時にさ、約束したことなんだ。」

幼馴染姉(あ、もしかして…)

男「俺がインターハイにお前を姉を連れていけたらさ。」

幼馴染姉(何だ。このドキドキはこのことだったんだ。あたしは)

男「俺と付き合って欲しい。本当は嫁さんにしたいって言ったけど、まだ、無理だから。付き合って欲しい。もう、忘れないでくれ。」

幼馴染姉(ずっと、気付かなかった。ううん。気付けなかった。言い訳だけど。近すぎたから。)

男「俺はずっと大好きだ。今までもこれからも。」

========================
?「ぐーぐー。」ブーン
?「はっ!やっべ!危なっ…!間に合わない!」

パァァァァァッ!!!!
========================

幼馴染姉(私も好き。大好き。がむしゃらな男が。)

幼馴染姉「私…私…!!!男が!!!」

パァァァァァッ!!!!

男「危ないっ!姉っ!!!!!」

ドンッ!!!!!

ちょっと休憩します。

ラスト投下します。
今日で完結です。

=========================

「な、なんだと!?男と姉ちゃんが!?」

「今、お母さんから連絡あったから、間違いないの!ど、どうしよう!!」

「妹さん、君だけでも行くんだ!」

「友先輩も部長さんも行ってください!この情況じゃ妹先輩一人だと危ないですっ!」

「でも、試合が…!」

「地区大会決勝なら、俺たちが何とかするッス!!だからお願いッス!」

「俺達もいるんだ!お前ら三人抜きでもやってやる!」

「ありがとう…!みんな!妹さん、部長行こう!」


==========================


「お母さん!おねぇと男は!?」

「妹!今、手術中よ。」

「命には、命には別状ないんですか!?」

「…正直…絶望的だそうよ…」

「なんで!なんで!あの二人が!」

ウィーン

「保護者の方ですか?男さんの方のご家族は?」

「男の家族は海外に行ってます。状況を話して今、こっちに最短で戻る方法を探してもらっています。姉と男はどうなるのですか!?」

「このまま行けば、お二人とも難しいでしょう。」

「そんなっ…!おねぇと男を救ってください!!御願いします!」

「1つだけ方法があります。ただ、これにはかなりの決断が必要です。男さんのご家族の方も後同席頂きたいのですが」

「直ぐに電話を繋ぎますから!それでもいいですか!?」

「状況が状況ですので、御願いします。」


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「そん…な…その方法しかないんですか!?」

『せめて、私達が着いてからでは!?』

「急を要します。本当に申し訳ございません。私達の力が至らないばかりに。ただ、このようなケースは奇跡に近いのです。」

「おねぇ…おにぃ…」

「妹さん…」ギュッ

「くそ!!!どうにもならないのかよ!!!」


<わかりました。それでお願いします。一人でも助かるなら…>


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【現代】

《墓地 ○○家ノ墓前》

「ずっと、来れなかった。現実が怖かったんだ。君がいなくなった事実を認めたくなかった。」

「こんな思いするなら…こんな辛い思いするなら…!!君の場所に行きたかった!」ポロポロ

「ずっと、ずっと、ずっと、逃げてたかった。でも、この前知ってしまったの。」







幼馴染姉「あたしの中にあんたがいるって……!!!」

【十年前】

《大学付属病院 icu前》

男母『わかりました。それでお願いします。一人でも助かるなら。』

幼馴染母「男母!あんたっ!何言ってるかわかってるの!!」

男母『わかってる!わかってるわよ!でも、姉ちゃんも妹ちゃんも私にとって娘なの!なら、私の子供が二人も危篤なの!助かるには一人が犠牲になっても仕方ないの!』 

幼馴染妹「おばさん…!!!でも!!!」

男父『すまん。母はもう無理だ。変わりに私が話そう。私達が悩んだ時間は確かに短い。だが、私達が判断を遅くしたら二人とも助からないんだ。わかってくれ、妹ちゃん。母も言ったが君も、姉ちゃんも大事な家族なんだ。』

幼馴染妹「そんな…そんなぁっ!!男…男…おにぃっ!!」

友「妹さん。」ギュッ

幼馴染妹「いやぁぁ!!会えなくなるなんて…嫌だ…嫌だよぉぉぉぉ!!」

男父『先生、御願いします!娘を姉ちゃんを救ってあげてください!』

医者「わかりました。男さんは脳死判定とさせていただきます。但し、適合したとは言え、奇跡に近い情況です。最善を尽くさせて頂きますが。」

男父『判ってます。先生、それでも、全力で御願いします!』

医者「わかりました。今すぐ移植の準備だ!」

看護師「はいっ!」

【現代】

幼馴染姉「あたしの心臓はあんたのだったなんてね。妹の日記をたまたま見つけて読んじゃってさ、びっくりして思わず、ここまで来ちゃったよ。」ポロポロ

幼馴染姉「住所しか知らなかったし、始めて来たのに迷うことなくこれた。まるであんたが呼んでるかのようにね。」ポロポロ

幼馴染姉「最後さ、あんたが私を抱え込んだとき言ったよね?」

『お前だけは生き残ってくれ。』

幼馴染姉「何であんなこと言えたのかな?何でっ…何でっ…!!一緒に生き残ろうって…言ってくれなかったのっ!!」ポロポロ

幼馴染姉「あんたが居なくなってから、何事にも手が着かなくてさ。ううん。あんたのせいじゃないの。あたしが、弱すぎるだけなの。現にあんたのいる場所に来るのにも丸10年かかっちゃったからさ。」

幼馴染姉「妹の日記読んだときに妹に見つかってさ。大泣きされたよ。でも、『おねぇは前に進めてない!あの時から止まったままだよ!』だって。」

幼馴染姉「ねぇ。あたし、どうしたらいいかな?」ギュッ

幼馴染姉「あたしの心臓でしょ?教えてよ…答えてよ…!お願い!もう一度教えて…怒って…!」

幼馴染姉「笑いながら教えてよっ!男!あたし、どうしたらいいのっ!!」ポロポロ

幼馴染姉「辛いよ!お願い!あたしをあんたの所へ連れてってよ!!」

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気のせいなのかな。

その時、あたしを暖かい風が包んでくれた。懐かしい暖かさ。

男に抱き締められたのはあの事故の時、車がぶつかる直前の一回しかないのに

それを思い出した・・。

それと同時に聞こえた気がした。

男の声が・・。

・もう泣くな。俺がずっと一緒にいるから。・

・それでも辛いなら俺のとこに来ればいい。・

・足掻いても足掻いても辛かったら。・

・ただ、俺が大好きな愛しつづけた姉はそんな弱い奴じゃないと信じてる。・ 

・だから、一緒に進もう。・

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気のせいなのかな。

その時、あたしを暖かい風が包んでくれた。懐かしい暖かさ。

男に抱き締められたのはあの事故の時、車がぶつかる直前の一回しかないのに

それを思い出したーー。

それと同時に聞こえた気がした。

男の声がーー。

ーもう泣くな。俺がずっと一緒にいるから。ー

ーそれでも辛いなら俺のとこに来ればいい。ー

ー足掻いても足掻いても辛かったら。ー

ーただ、俺が大好きな愛しつづけた姉はそんな弱い奴じゃないと信じてる。ー

ーだから、一緒に進もう。ー

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幼馴染姉「お…と…こ…?」

幼馴染姉「許して、くれる…の?弱くて逃げ続けたあたしを?」

幼馴染姉「それでもまた、一緒に進んでくれるって言えるの…?」ポロポロ

ードクンッー

幼馴染姉「ありがとう…ありがとう…!」

幼馴染姉「あんたに助けてもらったこの命で…進んでみる。」

ードクンッー

幼馴染姉「あんたに負けないように…がむしゃらに生きてくよっ!」 

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最後に心臓が強く動いた気がした。

暖かい風があたしを包んでくれた。

男が笑ってくれてる気がした。

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《fin》

以上です。よんでいただいた方ありがとうございました。

ss初めてなのでうまくまとめられず最後はスイーツ()臭くなってすみません。

もっと精進して参ります。

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