ヘルマ「先生!よろしくお願いします!!」バルクホルン「よし、私に続け!」 (66)

 
ヘルマ「遂に最後でありますっ! バルクホルン大尉殿、あらすじを是非に!!」ムフー

バルクホルン「…と、言われてもな。 私は留守にしていたから無理だ」

ヘルマ「そうでした!! …では大先生っ!!」バッ

美緒「右に同じだ」

ヘルマ「あぅっ!? で、では……妹せんせーい!!」

芳佳「えぇ!? えーっと、私もちょっと……ごめんねヘルマちゃん?」

ヘルマ「そんな!? ぇ…えっとそれでは…」キョロキョロ


エイラ「サーニャは寝てるから起こすなよ?」ジト

シャーリー「おーし! んじゃ、またあたしが――」

バルクホルン「お前は駄目だ」

シャーリー「…なんでだよ?」ムカ


ヘルマ「あうあうぁ~~!?」ワタワタ



『全員、口を閉じなさい!』



ヘルマ「――! 中佐殿!?」

ミーナ「要約以前に、知らない人は改めて記録を見直しなさい。 いいわね?」

ヘルマ「あ、アイボスッ!!」ビシ


ミーナ「はい、じゃあここに置いておきますから。 速やかに解散しましょう」

【ヘルマちゃんの501生活】~初日編~
ヘルマ「大先生!よろしくお願いします!」美緒「うむ」 - SSまとめ速報
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【ヘルマちゃんの501生活】~2日目編~
ヘルマ「妹先生!よろしくお願いします!」 芳佳「ぅぇえ!?」 - SSまとめ速報
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【ヘルマちゃんの501生活】~3日目編~
ヘルマ「先生代行、よろしくお願いします!」 シャーリー「お?なんだなんだ?」 - SSまとめ速報
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【ヘルマちゃんの501生活】~4日、5日目編~
ヘルマ「夜間先生、よろしくお願いします!」 サーニャ「……」 - SSまとめ速報
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―朝―


第501JFW ロマーニャ基地

エーゲル部屋


チュンチュン…


ヘルマ「……んっ、~~…」モゾ

ヘルマ「………ふぁ…?」パチ


ヘルマ「……」


ヘルマ「ムニャ……~ム………(なんだか体内時計が狂ったようであります…)」ムクリ

 
ヘルマ「…~ぃまは…なんじでしょうか……?(今日からまた通常スケジュールで起きなければ――)」ゴソゴソリ


フニッ


ヘルマ「…? 私のめざましは、こんなにやわらかくは~…?」サワサワ

『んっ…………ん~…』

ヘルマ「……?」


バルクホルン「zz…」

ヘルマ「……」


バルクホルン「……zz」

ヘルマ「…………」ニギニギ

バルクホルン「…んん…ッ……」ピク

ヘルマ「――――!?!!!???」

 

『うわぅあぁああぁああ!!!』


バルクホルン「ッッ…!!? な、なんだ!? 敵襲か…!??」ガバ


バルクホルン「――! ヘルマ…? なぜ私のベッドに??」

ヘルマ「ぁ……あわ…あわわ…~っ!/////(た、大尉殿が私と一緒のベットに~~……はっ…裸で!!?)」ワナワナ

バルクホルン「……そういえば私が部屋を貸したんだったな。 しかし夜間研修中はサーニャ達の部屋で休んでいると聞いたぞ?」

ヘルマ「ゆ、ゆゆっ……夢ゆぅ~っ…!?!??///」

バルクホルン「は? …まさか寝ぼけているのか曹長?」ズイ

ヘルマ「ッッ!!!?////」


ヘルマ「……ぁぅ~」ドサ


ヘルマ「」チーン

バルクホルン「……おい大丈夫か?」

 
――――
――



バルクホルン「…そうか、昨晩の一件で哨戒研修は打ち切りになったのか」スル

ヘルマ「……は、はぃ…ですから……そのぉ~…」

バルクホルン「私のベッドを占有していたことは気にするな。 ひと肌に暖かくなっていて寧ろ寝付きやすかった」

ヘルマ「なっ!? なななん~!!?///(ょ、喜んではいけませんヘルマ・レンナルツ! これはきっと、大尉殿の御心遣いの方便です!!)」

ヘルマ(――そもそも何故喜ぶのです!? 自分の体温が憧れの大尉殿の肌に伝わってとかっ、そんな極めて特殊な趣向など私には……うわぁぅああ~~!!)モンモンモン

バルクホルン「……ところでヘルマ?」

ヘルマ「へっ!? あぁあ、はいぃ! な、なんでありますか!?」ドキッ

 
バルクホルン「上官と話をする際の態度としては適切だが、…すまないが今は向こうを向いてくれると助かる。 他人に注視されながら着替えるのは流石に落ち着かん…」

ヘルマ「!!! し、失礼しましたっっ!!////」ゴンッ

バルクホルン「…いや、別にテーブルに顔面を打ち付けなくてもいいぞ? 横を向いてくれれば」

ヘルマ「~~!(ぅぅ、思わぬ事態に慌てすぎです私…!)」ヒリヒリ

ヘルマ(…しかしよく考えれば、なんて素晴らしい朝なのでしょうか! 電話越しのおやすみコールで舞い上がっていた自分にはその……まだ早すぎますっ!!)

ヘルマ(大尉殿の寝顔も裸も――事故とはいえ…お、おっぱいまでこの手に…!!)ス

ヘルマ「……」ジー



ヘルマ「…………」


ヘルマ「…~//」クンクン



エーリカ「なにやってんのヘルマ…」

ヘルマ「はぅっ!!?///」ドキィ

 
バルクホルン「ハルトマン!? 何故お前が起きている!?」

エーリカ「なんだよぅトゥルーデ~、いっつも起きろ起きろってうるさいくせに?」

バルクホルン「そんなのは当たり前だ! 私が毎朝苦労しても起きないお前が何故今目覚めているのか不思議なんだ!」

エーリカ「トゥルーデと違ってヘルマの声はキンキン響くんだよ。 もぉ~、相部屋なんだから気を付けてよね?」

ヘルマ「も、申し訳ありません…!」

バルクホルン「なにを言うかハルトマン、いい薬じゃないか。 今後機会があれば私ではなくお前が一緒に寝てやれ。 そしてそれに備えて掃除の習慣を身につけろ」

 
エーリカ「えー、私じゃヘルマは“悦ばない”と思うけどなぁ~?」ニヤニヤ

ヘルマ「中尉!?//」

バルクホルン「喜ぶ喜ばないの問題ではない、ヘルマだって一人で休みたいのは当然だ。 お前は起こしてもらう立場としてだな――」

エーリカ「うわぁ…始まった。 朝から勘弁してよ~、ちゃんと起きたのに」グデー

バルクホルン「それが当たり前だろ!!」

ヘルマ「――じ、自分は独りより…大尉殿さえよければその……ご一緒が…///」モニョモニョ


バンッ


エイラ「ウルセーゾッ! サーニャが起きちゃうだろ!!」プンスカ

ミーナ「…貴女達、早起きはいいけどまだ起床時前よ?」ニコ

 
―起床時後―

食堂


エーリカ「あーあ、トゥルーデが声大きいから怒られちゃった」

バルクホルン「誰がそうさせているんだ、まったく」

ヘルマ「…お、おへそを取られないでよかったであります…」キュー

バルクホルン「へそ? なんだそれは?」

エーリカ「わ、ヘルマあれ本気にしてたんだ!?」

ヘルマ「えっ…?」

 
バルクホルン「……なにか吹き込んだのか、ハルトマン?」ジト

エーリカ「いや、あはは…。 ちょっとした冗談のつもりだったんだけど」

ヘルマ「へ?? それはつまり…」

バルクホルン「ミーナはへそなんか取らないから安心しろ」

ヘルマ「本当でありますかっ!?」ガタッ

バルクホルン「当たり前だ。 エーリカも後輩をからかうな、こいつは誰かと違って素直で真面目なんだぞ?」

エーリカ「トゥルーデ頑固だもんね~」

バルクホルン「お前のことだっ!」


『おーおー、昼間まで寝るとか言ってた割には元気じゃん』


バルクホルン「!」

 
ヘルマ「あっ、イェーガー大尉!」

シャーリー「よ、ヘルマ! おっはよ」スタスタ

ヘルマ「おはようございます! 昨晩はご迷惑をおかけして申し訳ありませんでしたっ!!」ペコー

シャーリー「あはは、いいって! 助けてもらったのはあたしの方だし」

ヘルマ「いえっ!! 大変素晴らしい指揮でありました!」

シャーリー「相変わらず硬いなぁ。 ほらリラックス、リラックス」ナデナデ

ヘルマ「ぁうあ!? は、はい…!//」

バルクホルン「……手を放せ、リベリアン」

 
シャーリー「なんだよ、挨拶のスキンシップだろ?」

バルクホルン「気安いぞ」ジロ

シャーリー「あたしはヘルマの先生代行だし。 なあ?」

ヘルマ「えっと……た、確かにその通りです!」ビシ

シャーリー「ほらな?」

バルクホルン「それも私と少佐が戻るまでだ、お前はもう必要ない!」

シャーリー「…マジで入れ込んでるっぽいなこりゃ。 宮藤はいいのか?」

バルクホルン「なんの話だ」

エーリカ「一応言っておくけど、この中でトゥルーデと一番付き合い長いのは私だよー?」

バルクホルン「だからなんの話だ!?」

 
ギャーギャー




ヘルマ「……よし、今日も一日頑張りるであります!(少し眠いですが)」ムン


――チョンチョン


ヘルマ「? ――…わぁっ! ルッキーニ少尉!?」ビク

ルッキーニ「……シャーリーはあたしのだかんね…?」ジロー

ヘルマ「は、はぃ…」

 
ハンガー


バルクホルン「と言う訳で、折角だから私もこの目で改修試作機の具合を見させてもらおう! 航空指導は私が行う、いいな!」

ヘルマ「アイマムッ!」

シャーリー「アイマ~ム」

ルッキーニ「うじゅー」

バルクホルン「……」




バルクホルン「…おい、ふざけるな」

シャーリー「なんだ? 急に怒り出したぞ? ……気をつけろヘルマ、こいつ多分生理前だ」

ルッキーニ「ヘルマふざけてないじゃん?」

バルクホルン「ちっがぁーーう!!! お前達だ!!!」

 
シャーリー「何がでありますか~? 早くジェット飛ばそうぜ?」

バルクホルン「リベリアン! 貴様の役目は昨日で終わったと言ったはずだ!? お前はこの場に必要ないっ!」

シャーリー「引き継ぎだよ、引き継ぎ」

ルッキーニ「あーたーしーもっ」

ヘルマ「…い、いえ。 少尉殿は先生では――」

ルッキーニ「ん゛~っ!」カッ

ヘルマ「ひっ…!?」ビク

ルッキーニ「…シャーリーはあたしの」ジロー

ヘルマ「…は、はぃぃ……」

 
バルクホルン「…ならばさっさとそいつを連れて何処へなり行け、ルッキーニ」

ルッキーニ「だって? いこ、シャーリー?」

シャーリー「まあ待てよ。 折角ジェットが面白い感じになってきたんだから、有るうちにもうちょっと見ておきたいんだよ」

ルッキーニ「え~~! やだ~!!」グイグイ

シャーリー「なんだよ、あたしは履かないんだからいいだろ?」

ルッキーニ「やーー!」


バルクホルン「…もういい、あいつらは無視だ」

ヘルマ「はあ…?」

バルクホルン「気を引き締めろ曹長! 気持ちを改めるぞ!」

ヘルマ「あぁ、アイマムッ!」ビッ

 
バルクホルン「よし! …この5日間の内容に関しては、報告書を読ませてもらった」

ヘルマ「……」ドキドキ

バルクホルン「正直、まだまだジェットストライカーには問題が多い様だな」

ヘルマ「は、はい…」ギクッ

バルクホルン「だが以前私が履いた時にあった致命的な箇所はいくらか改善されている。 魔法力の無限吸収も、エンジン暴走による自壊も起きない。 ようやく落ちない代物になった訳だ」

ヘルマ「ぅ…」

バルクホルン「勘違いをするな曹長、私はジェットの力には大いに期待している。 この戦闘脚技術が確立すれば、我々人類の戦況が劇的に変わるのは間違いない」

バルクホルン「…その第一歩としてお前がジェットでの撃墜第1号を、そして昨晩に夜間第1号も記録した。 これは素晴らしい結果だ曹長、私はカールスラント軍人として貴様を誇らしく思う!」

ヘルマ「!? …きき、恐縮至極でありますっ!!///」

 
バルクホルン「ついてはその力、その腕をこのバルクホルンに見せてみろ!」

ヘルマ「了解でありますっ!」ビシッ

バルクホルン「手始めに私が適時指示を送るから、曹長はそれに従い飛べ! いいな?」

ヘルマ「イエスマム!! 先生、よろしくお願いします!」ペコー

バルクホルン「よし、では発進準備だ! 私に続け!!」ダッ


――――
――

 
ヘルマ「……」ゴォォオォ

ヘルマ(…うん。 無理をさせたばっかりだけど、大丈夫そう!)


ガザッ


バルクホルン『ヘルマ、準備はいいな?』ガザ

ヘルマ「はいっ! 何時でも出られるであります!」

バルクホルン『ならば発進せよ! 離陸後は最高速まで最短加速、始め!!』

ヘルマ「アイマムッ! ヘルマ・レンナルツ、ジェットツヴァイ発進でありますっ!!」フィィイン


ガシャッ

ゴォォオァアアア


ヘルマ(スピードを殺さないで、少しずつ加速……。 喧嘩をしないで、スピードを活かす…)


ビュゥウゥゥン――




シャーリー「…へぇー! ヘルマのやつ、昨日より断然上手いじゃないか!? 才能ってすげぇなー」

ルッキーニ「うじゅ~…」

 
基地上空


バルクホルン「……」

バルクホルン(立ち上がりははっきり言って遅いな、滑走距離も長い。魔法力を節約する意味ではいいが、術式の埋めていない場所や緊急時の出撃にどれほどリスクを孕むかが問題になりそうだ)

ヘルマ『離陸完了! これより高速飛行を開始するであります!』ガザッ

バルクホルン「よし、改修機の実力を見せてみろ」

ヘルマ『アイマムッ!』

バルクホルン「……」


バルクホルン「…………」


バルクホルン「ふむ…」

 
バルクホルン「リベリアン、応答しろ」

シャーリー『おぉ? なんだー先生殿?』ザザ

バルクホルン「うるさい茶化すな。 ……ヘルマの速度はいくつまで出ている?」

シャーリー『なんであたしに聞くんだよ?』

バルクホルン「どうせ測っているんだろ? それを見に来ている筈だからなお前は」

シャーリー『…もうすぐ600だ』

バルクホルン「遅いな…? 私の時の加速はこんなものではなかったが」

シャーリー『それだと負荷が強くて、800程度で消耗も耐久も限界いっちまうんだよ。 身に覚えあるだろ?』

バルクホルン「……アレなら安全にそれ以上が出るのか?」

 
シャーリー『ビックリするぞ? ジェットとヘルマはこっからがすげぇから!』

バルクホルン「ほぉ…」

シャーリー『…ほらきたぁ! グングン上がってきてる! 760…800……あっはは、まだ行くぞ!』

バルクホルン「…!?(速度の伸び方がさっきとまるで違う!)」

シャーリー『…っしゃあ! 900!』

バルクホルン「馬鹿な…フル装備だぞ!? スペック数値内とはいえ、50ミリに30ミリ砲2門と弾帯まで身に付けているんだ! それで900だと…!?」

シャーリー『こりゃ報告し直さなくちゃなぁ、先生?』

バルクホルン「……」

 
ヘルマ『バルクホルン大尉ー! こ、これ以上は抵抗が重くて…速度が出ませんーっ!!』ガザザ

バルクホルン「ぁ…ああ、わかった。 ヘルマ曹長、身体の具合及びストライカーに異常はないか?」

ヘルマ『はい! 好調であります!』

バルクホルン「そ、そうか……では次は旋回率を上げてみろ」

ヘルマ『イエスマム!』


バルクホルン「…………」

シャーリー『…やっぱ旋回はどうしても大きくなっちまうけど、加減速の調整はバッチリみたいだな? ジェットのテンションは保ってるから速度復帰も早ぇー」

バルクホルン(ベルギガで見た時から航空技術は中々だとは思っていたが…)

 
バルクホルン「…ヘルマ、その機体で何かマニューバは出来るか?」

ヘルマ『アイマム!』

バルクホルン「無理をして落ちるなよ?」


シャーリー『……』

バルクホルン「……」


シャーリー『…お~! あの機体で接近戦やってたってんだから、流石に器用だなぁ』

バルクホルン「……言う程簡単ではない筈だぞ、なんて奴だ…」

 
――――
――



ハンガー


バルクホルン「――なるほど、前回と比べて間違いなく進歩したな。 しかし50ミリの命中精度が更にひどくなっている」

シャーリー「つうか使い方の問題だよ」

ルッキーニ「zz……」ムニャムニャ

バルクホルン「…悔しいがお前の見立て通り、現状でのジェットストライカーは運用方法も含めて革新的な逸物だったという事か」フン

シャーリー「ただもうちょっと扱い易くならないとなぁ…。 ヘルマだからあれだけ飛べてるけど、センシティブすぎるんだよ」ポリポリ

バルクホルン「……シャーリー。 貴様、履いたな?」

シャーリー「…なんのこと?」

バルクホルン「……まさか無断で弄ったりしていないだろうな?」

シャーリー「なんのこと?」

 
バルクホルン「…ミーナに報告するからな」

シャーリー「だぁー! 悪かったって!? ちょっと中覗いただけだっつうの!」


――ステテテッ


ヘルマ「ただいま戻りました!!」ビシッ

バルクホルン「ご苦労だった曹長、後はウルスラ中尉の最終テストに委ねる」

ヘルマ「イエスマム! ご指導ありがとうございましたーっ!!」

バルクホルン「いや、結局私は何もしなかったがな。 お前の技量には感心したぞ?」

ヘルマ「!!?///」

 
バルクホルン「奢らずこの調子で今後も励むといい」

ヘルマ「ここ、光栄至極でありますっ!!///」シャキッ

シャーリー「…へぇ~、珍しく優しいじゃん?」ニヤ

バルクホルン「ぅ、うるさい!//」

ヘルマ(あの、あのバルクホルン大尉に認められてしまいました…!! ウィッチをやっていて本当に良かったであります! ///)

ヘルマ「~お父さんお母さん……ヘルマは、遂にやりましたっ…//」ジィーーン…

シャーリー「ぉ、おぉ……(ヘルマも相当だなこりゃ…)」

バルクホルン「…と、とにかくだな!」ゴホン

 
バルクホルン「良い点も悪い点も多く洗い出すことが出来た。 少し早いかもしれんが、今回のテストは非常に有意義なものになった筈だ」

シャーリー「うんうん、そうだな」

ヘルマ「はいっ!」

バルクホルン「ウルスラ中尉もきっと満足するに違いない」

ウルスラ「はい」

バルクホルン「……ん?」チラ

ウルスラ「皆さんのお陰で大変貴重なデータが取れました、有難うございます」

バルクホルン「のわっ! ウルスラ!?」

ウルスラ「中尉!?」

シャーリー「いつの間に…!」

 
ルッキーニ「zz~…っ…。 ~にゃ…?」

ミーナ「あらあら、おはようルッキーニさん…?」ニコ

ルッキーニ「ぎにゃっ!?」ビクッ

美緒「ハルトマンが起きているかと思えばルッキーニが寝ている始末か。 もう今更かもしれんが客人に示しがつかんな」

エーリカ「少佐ー、それ酷くない?」

芳佳「あ、あはは…」

エイラ「昼間寝ていいのはサーニャとワタシの2人だけってことだな」

ペリーヌ「エイラさんはナイトウィッチではなくてサーニャさんの追っかけでしょう?」

リーネ「ペリーヌさんもあんまり人のこと言えないような…」

サーニャ「……(ねむい)」

 
ヘルマ「み、皆さんお揃いでどうされたでありますか…?」

ミーナ「ウルスラさんが最終テストの為に到着したから、その案内よ」

美緒「ついでに我々全員、見物させてもらおうと思ってな!」

芳佳「ヘルマちゃん、もうすっごいよーってサーニャちゃんに聞いたから皆で見に来たんです!」

サーニャ「…うん、すごかった」

エイラ「哨戒明けだけどわざわざ起きてやったんだぞー?」

ペリーヌ「貴女は違うでしょ? それはシャーリーさんとヘルマさん御本人の台詞ですわ」

ヘルマ「な、ななっ…!?(皆さんの見てる前でテストを受けるのですか!? 緊張してしまいますっ!)」

 
バルクホルン「続けざまになるが、早速最終テストをやるのか?」

ウルスラ「はい。 夕方には撤収しなければいけませんし、ストライカーの状態を確認してから直ぐに始めたいと思います」

シャーリー「忙しいんだな?」

ウルスラ「必要な項目数値は既に皆さんの協力によって得られましたので、私の目で直接確認できればすべて終了です」

バルクホルン「……つまり私のしたことは余計だったという事か」ムム

ヘルマ「!? そんなことありません大尉殿!!」

シャーリー「わりぃな、あたしが残り全部やっちゃったかさ?」

バルクホルン「フン……まあ仕方ない」

美緒「そう拗ねるなバルクホルン、お前も教官としての腕は十分あると私は思うぞ! はっはっは!」

バルクホルン「しょ、少佐も、勘違いはやめてくれ//」

 
ウルスラ「…それでは、私はツヴァイのメンテナンスを行いますので」

シャーリー「あ! ちょっと待ってくれないか!? あたしも見ていいかな?」

バルクホルン「駄目だ! アレは我がカールスラント軍の技術財産だ、お前はおとなしくしていろ!」

ウルスラ「……いえ、構いませんよ。 イェーガー大尉」

シャーリー「マジで!? よっしゃ!」

バルクホルン「な!? おいウルスラ!?」

ミーナ「いいじゃないトゥルーデ、どうせ連合の資金と引き換えにいつかは公開技術になるんだから」

 
――――
――



ウルスラ「……」カチャカチャ

シャーリー「…なぁ、この派手なカラーってなんか意図があるのか?」

ウルスラ「はい。 いくつか理由はありますが、実験機体ですのであえて視認性はよくしています」

シャーリー「へぇー、なるほど」

ウルスラ「開きました」ガパン


ウルスラ「……! これは…!」

シャーリー「ん…!? ハルトマン、これまだ触んない方がいいぞ?」

ウルスラ「…そのようですね」

 
ヘルマ「――どうでありますか、中尉殿?」テテテ

美緒「何か問題か?」スタスタ

ウルスラ「…オーバーヒートしています。 おそらく排熱処理が間に合わず、熱がユニット内部に蓄積されてしまったのでしょう」

シャーリー「ずっとトップスピードに近い状態だったからなぁ、もう少し長く飛んでたらヤバかったかも」

ウルスラ「設計段階の計算では問題ない筈だったのですが…、追加の補修フレームが蓄熱材になってしまったのかもしれません」

美緒「…? しかし安全装置は鳴らないな?」

ウルスラ「はい、それも…。 壊れてしまっているみたいですね」

ヘルマ「えぇっ!?」

シャーリー「マジか」

 
ウルスラ「この熱で反応しないという事は、間違いなく故障しています。 精密測定機器なのでどうしても衝撃への耐久に弱いんです」

シャーリー「……多分50ミリ砲のせいだな、今日も結構撃っちまったし。 あたしの想像してた以上に負荷が掛かってたんだなぁ」

バルクホルン「…危うく事故になる可能性もあったという事か」

ヘルマ「~~!」ドキドキ

美緒「ウルスラ中尉、最終テストはどうする?」

ウルスラ「…残念ですが、現状では安全面を担保できないので中止せざるを得ません」

美緒「そうか…」

芳佳「――えっ、飛行テストやらなくなっちゃったんですか!?」ステテ

他一同「…?」ゾロゾロ

 
バルクホルン「……すまないウルスラ、また壊して返す形になってしまった」

ウルスラ「いいえ、大丈夫ですよ。 必要な情報は十分にとれましたし、問題ありません」

芳佳「えーっと、それじゃあ…ヘルマちゃん達はもう帰っちゃうんですか?」

ヘルマ「えっ! そうなんですか中尉!?」

ウルスラ「あ、いえ…切り上げても構いませんが、予定通り夕方まで時間を使っても平気です」

美緒「そうか。 うむ……(ならば――)」

芳佳「あっ! それじゃ皆でお別れ会を――」

美緒「――よしっ!! 残りの時間で訓練だ!!!」

芳佳「…! ええぇ!? ちょ、ちょっと待ってください坂本さぁーん!」ガーン

 
ヘルマ「アイマム!! 大先生!」

芳佳「ヘルマちゃんまでぇ…!?」ガガーン

美緒「ヘルマの資質と根性は確かに光るものが有るが、まだまだ基礎体力が足りん! 最後に私が鍛えてやる!」

ヘルマ「よろしくお願いします!!」ペコー

シャーリー「あはは、これで素直に返事できるってすげぇなー」アハハ

ルッキーニ「ヘルマがんばれ~」

美緒「…なにを言っている、勿論全員参加だ」

シャーリー「え゛っ」

ルッキーニ「んぇーーー!?」

芳佳「えぇぇー!!」

 
バルクホルン「うん、さすが少佐だ。 いいだろう」

エーリカ「げ~、全然よくないよ…」

ウルスラ「頑張ってください、姉さま」

エーリカ「…もー、他人事だと思ってー」

ミーナ「うふふ、サーニャさんは哨戒任務に響かない程度にしていいからね?」

サーニャ「…はい」

エイラ「中佐ーワタシもいいだろー?」

ペリーヌ「調子がいいですわね…。 ま、少佐のご指導を受けるのはわたくしだけで十分ですから結構ですけど!」

リーネ「ぅぅ…、今日は訓練お休みだった筈じゃ…」

 
美緒「なんだお前達、訓練が嫌なのか!?」

ヘルマ「いけません皆さん!! 上官命令でありますっ!! さあ訓練しましょう!」キビッ

美緒「うむ、よく言った曹長!! いい気合いだ!」バシィ

ヘルマ「恐縮であります!」ムフー

ペリーヌ「ぐぬぬぬ~…!」

美緒「そういう訳だ、全員ハンガー出口へ走れっ!! 整列だ!」

バルクホルン「了解。 行くぞヘルマ、私を抜いてみろ!」ダッ

ヘルマ「了解でありまぁすっ!!」テテッ

シャーリー「……仕方ねぇ、こうなりゃ一番はあたしだっ!」

ルッキーニ「あーん、待ってよシャーリー!」

芳佳「そ、そんなぁ~!?」

 
基地 野外


ヘルマ「…ぜぇ……っはぁ…、…ぅ」ゼハー

リーネ「ヘルマちゃん…」

芳佳「…だ、大丈夫?」

エイラ「死ぬなよヘルマー?」

ヘルマ「……ぁ、あいまむ…」ヘト

サーニャ「夜間哨戒の後、あまり寝てないんだよね…?」

シャーリー「んで飛行訓練して直ぐの、これだからなぁー」

 
バルクホルン「しかしこれで最後だ、頑張れヘルマ」

ヘルマ「ぁぁ……あいまむ…、がんばり…まひゅ…っ…」

エーリカ「あ~疲れた、ミーナだけズルいよぉ~…」

ルッキーニ「お腹すいたー」


『よぉーし! ここまでダッシュしたら終わりだー!! 2着から順にペナルティがあるからなー!? 気合を入れろぉー!』


エイラ「…あんなコト言ってるぞ」ウェー

ヘルマ「ぜぇ……ぜぇ…」

バルクホルン「ペナルティか…。 悪いなヘルマ、1着は私がとらせてもらう」

シャーリー「かけっこならあたしが1位だっての」

 
エーリカ「筋トレとかやらされるのかな? めんどくさいなー、これだけ本気でやるか」

ルッキーニ「お腹空いた~ー」

ヘルマ「ぜはっ……はぁ…っ…(こ、このままでは私が最下位に…!!)」


『いくぞーー!? よぉーーーいっ……走れぇーー!!!』


ヘルマ「ふんぁあああっ!!!」ダダッ

バルクホルン「!」

シャーリー「!?」





美緒「ほぅ、ヘルマが先頭に飛び出したか」

ミーナ「……大丈夫かしら」

ウルスラ「ここは見通しがいいので短距離走に見えて実際には更に距離がありますから、ペース配分が肝心ですね」

美緒「む、いい読みだな中尉」

 
――――
――



ヘルマ「~へふ……はふ…ふぇ……っ…」ヨロヨロ


――タッタッタッ


シャーリー「悪いなヘルマ、おさき~!」タッタッ

バルクホルン「くっ、逃がさんぞシャーリー! ……ヘルマ、後少しだ。 気張れ?」タタッ

ヘルマ「みゃ……みゃってくださぃ…たいぃ~…」

バルクホルン「…ゴールで待つ」タッタッ

ヘルマ「ぅぁぁ……大尉どのぉ~…」

 

――タッタッタ


エーリカ「ヘルマ―?」タッタッ

ルッキーニ「がんばれー?」タタッ

ヘルマ「ひぃ……っはぁ…」


――タッタッタ


エイラ「サーニャ、大丈夫か?」タッタッ

サーニャ「ぅん……はぁっ…。 ヘルマちゃん、頑張って…」テッテッテッ

ヘルマ「へひ……へひぃ…」

 

――タッタッ


ペリーヌ「ぐ……少佐ぁ~、今行きますわ…」タッタッ

リーネ「はぁ……はぁっ…」トタトタ

芳佳「へ、ヘルマちゃん……っ…大丈夫…?」タタッ

ヘルマ「…っ……ぃ、ぃもうとしぇんせぃ…~(自分は…も、もうダメでありま…――)」ガク

芳佳「ちょ…!! ヘルマちゃん!?」


ドシャァッ


ヘルマ「」チーン

 
―夕方―


ウルスラ「それでは、私達はこれで失礼します。 有難うございました」

ミーナ「ええ、ご苦労様」

エーリカ「じゃーねウルスラ!」

ウルスラ「はい、姉さまもお元気で」

シャーリー「…つうか、ヘルマはこのままでいいのか?」チラ


ヘルマ「zz……りょぃか…でぁりま~……」スヤァ


美緒「疲れきっているんだ、寝かせてやれ」

シャーリー「いや、体力奪った張本人じゃないですか…」

 
芳佳「でもお別れの挨拶はしましょうよ!?」

リーネ「うん…」

美緒「うむ、…そうだな。 では私から」

ヘルマ「…んむゃ……zz」

美緒「6日間よく果たした、レンナルツ曹長。 達者でな」ポム

ヘルマ「zz……ん…」モゾ

芳佳「ヘルマちゃんまたね? 私、ヘルマちゃんに負けない様にもっと頑張るからね」

リーネ「さようならヘルマさん、元気でね?」

ペリーヌ「…聞こえていないでしょうけど、髪の手入れは怠ってはいけませんわよ?」

ヘルマ「~…zz」

 
シャーリー「じゃあなヘルマ、楽しかったぞ?」ナデナデ

ルッキーニ「ばいばーい! シャーリーはあたしのだかんね?」

ヘルマ「むにゃむ……へへ…zz」

エイラ「ニヤニヤ笑ってるぞ、どんな夢見てんだコイツ…?」

サーニャ「ヘルマさん、私も……楽しかったわ。 ありがとう」

エイラ「…ジャーナ、輸送機の中でオネショすんなよー?」

ヘルマ「zz…」

 
ミーナ「お疲れなさいヘルマさん、よかったらまたいらっしゃいね?」

エーリカ「私達はまた会うかもよ? またね、ヘルマ」

バルクホルン「お前はそれまでに、もう後輩に叱られないよう生活態度を改めるんだな」

エーリカ「はいはーい」

バルクホルン「はいは1回だ! まったく」

ヘルマ「んん…zz」モゾ

バルクホルン「…それじゃあ私はこのままこいつを輸送機に乗せてくる」

ウルスラ「すみません、お願いします」

 
――――
――



バルクホルン「……せっと」トサ

ヘルマ「むぐむ…ん……たいぃ…zz」ムニャムニャ

バルクホルン「ご苦労だったなヘルマ。 お前とジェット、次の世代の活躍に私は期待させてもらうぞ?」

ヘルマ「……~ぁいま…むん…」

バルクホルン「…おやすみ、曹長」ナデリ


ヘルマ「zz…」

 
カールスラント空軍
131先行実験隊第3中隊〈ハルプ〉基地


ヘルマ「――…ん」

先輩ウィッチA「あ、起きた! 中尉―、ヘルマ起きましたよ?」

先輩ウィッチB「お! やっとか!」

ヘルマ「……ぁれ…ここは…」グシグシ

先輩ウィッチB「よーヘルマ、いい夢みれたか?」

ヘルマ「…先輩? …ぇ?」


ヘルマ「……?」ポケー


ヘルマ「――!! …ここはハルプですか!??」ガバッ

 
先輩ウィッチB「何言ってんだお前は? ここ以外のどこにいたつもりなんだよ?」

ヘルマ「え…!? だって私は501に…、あれっ!?」

先輩ウィッチB「501~? 何寝ぼけてんだよ、お前は隊長の扱きに倒れて今まで寝てたんでしょうが」

ヘルマ「???」


先輩ウィッチA「ちょ、ちょっと中尉! なに言ってるんですか? ヘルマはジェットの実地テストで――」

先輩ウィッチB「しーっ、黙ってろって!」ガバッ

先輩ウィッチA「……またそうやって後輩をからかうんですか?」

先輩ウィッチB「この数日間退屈だったんだから、ちょっとくらいいだろ別に」ヒソヒソ

 
ヘルマ「ぇぇ…?? ……いや、違います! 私、確かに大先生や妹先生……それに憧れのバルクホルン大尉にご指導いただいて――」

先輩ウィッチB「はいはい、この前は確かガランド少々から鉄十字章たくさん貰ったんだっけ? 会った事もないのに」ニヤニヤ

ヘルマ「あ、あぁアレは夢でしたけど!! 今度のは本当です!!///」

先輩ウィッチB「ど~かな~?」アハハハ


ヘルマ「…先輩方は、きっとまた自分を騙しているでありますっ!!」

先輩ウィッチA「おおー、流石に鋭い」

先輩ウィッチB「おい馬鹿、ばらすなって!」

 
ヘルマ「むぅっ!? やっぱりそうでしたか、ひどいでありますっ!!」ムムー!

先輩ウィッチB「さーて、任務任務っと」スタスタ

ヘルマ「あー! 逃げないでください!」

先輩ウィッチA「…でもヘルマ、本当に訓練で倒れた事憶えてないの? 私と中尉でここまで運ぶの大変だったのに」

ヘルマ「えっ」

先輩ウィッチA「もう少し休んだ方がいいんじゃない? 私から隊長に言っておく?」

ヘルマ「……ぇ、もしかして……本当に夢…!?」




先輩ウィッチA「……」

ヘルマ「ぅ…」




先輩ウィッチA「ふふ、嘘だよ♪」ニコ

ヘルマ「!!?」ガーーン

先輩ウィッチA「おかえりヘルマ」ポンポン

ヘルマ「む~ーー!! 少尉殿までぇ―!!///」プンスカ



【ヘルマちゃんの501生活】~最終日編~

   完であります!
 

おしまいであります

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