ヘルマ「夜間先生、よろしくお願いします!」 サーニャ「……」 (114)

 
芳佳「……あのぉ、本当に私があらすじを…?」チラ

美緒「そうだ宮藤、早くしろ。 既に始まっているぞ?」

ヘルマ「妹先生―! 頑張ってくださーい!」


芳佳「うぅ……どうしよう、全然自信ない…」

シャーリー「代わるよ、宮藤?」ポン

芳佳「シャーリーさん!?」

シャーリー「ふふん、あたしに任せな!」


~シャーリーのあらすじ~

あたしはシャーロット・E・イェーガー、リベリオン空軍大尉だ! ちなみに速さじゃ誰にも負けない!
ヘルマとジェットストライカーが501へ試用テストに来た3日目、なんやかんやであたしが面倒を見ることになったんだ。
それで一応テストは一通り終わったんだけど、なんか今回のジェットも様子がおかしい…。
壊れてる訳じゃなさそうなんだけど……なんっか違和感があるんだよなぁー…。
……うーん…、何であそこでああなっちまったんだろ? ……機体強度をもっと――…いや、でもそれだと重量がなぁ……――



シャーリー「……ん~~…」

芳佳「…あ、あのぉシャーリーさん? あらすじを…」

美緒「おいシャーリー、途中で考え込むな」

ヘルマ「大尉殿! 頑張るであります!!」ムフー



ミーナ「……はぁ。 例によって、記録はここに置いておくわ」

【ヘルマちゃんの501生活】~初日編~
ヘルマ「大先生!よろしくお願いします!」美緒「うむ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409987503/)

【ヘルマちゃんの501生活】~2日目編~
ヘルマ「妹先生!よろしくお願いします!」 芳佳「ぅぇえ!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410609466/)

【ヘルマちゃんの501生活】~3日目編~
ヘルマ「先生代行、よろしくお願いします!」 シャーリー「お?なんだなんだ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1413125722/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420200416

早速間違えたであります

リベリオン空軍大尉 → リベリオン陸軍大尉

 
―ヘルマ滞在3日目の夜―


執務室


ミーナ「…それでシャーリーさん、相談ってなにかしら?」

シャーリー「はい。 ジェットストライカーの事なんですけど、ヘルマを戦闘に参加させちゃダメですかね?」

ミーナ「ヘルマさんを? ……なんの為に?」

シャーリー「今日1日ジェットのテストを見ていてちょっと気になることがあるんです。 だから実際にあれを履いてどんな戦い方をしてるのか確認できないかなと…」

ミーナ「気になること?」

シャーリー「はい。 あたしの感じた限りですとあの噴流式のシステムは多分、従来の運用スタイルでは活きない気がします」

ミーナ「……具体的にどういうことかしら?」

 
シャーリー「えーっとですね、装備やスペックを見るにあの機体は多分できるだけ高加速で最高速を目指すっていうか……今までのレシプロと同じ考えで構想してると思うんですよ」

ミーナ「なるほど、それで?」

シャーリー「でもそれだとやっぱり機体やウィッチへの急な負荷が強いから、それで今日みたいに力を出し切る前に安全装置が作動しちゃったんじゃないんですかね?」

ミーナ「…確かにジェットストライカー開発の切っ掛けは、従来のウィッチでも追いつけない速度を持ったネウロイの台頭を危惧してのものだったらしいわ。 そう考えると加速と機動性能の向上は不可欠に思えるわね」

シャーリー「でもそいつは難しいですよ? 少なくともあの噴流式じゃあたしは無理だと思います。 最高速は革新的ですけど(正直欲しいし…)」

ミーナ「……で、そのアンチテーゼを確かめるために実戦闘を見たい…という事でいいのかしら?」

シャーリー「ええ、まぁ…。 というかそこに関してはあたしの勝手な考えですし、別にいいんですけど――」ポリポリ

シャーリー「逆にあのストライカーを活躍させる使い方があるんじゃないかって思うんですよね」

ミーナ「!」

 
シャーリー「あたしが履いていいなら自分で試したいくらいなんですけどね、あはは。 …流石にダメですよね~?」ポリポリ

ミーナ「…それがわかっているなら、貴女の相談に私がどう答えるかもわかっているでしょ? シャーリーさん」

シャーリー「ぅ……」

ミーナ「私達が預かっているのはあくまでもテスト用の実験機です。 こっちで勝手に履くことも、勝手に実戦使用することも許されません」

シャーリー「そ、そうですよねぇ…(やっぱりあたしが履いたってのは黙っておこう)」アハハ

シャーリー「――ん? でもちょっと待ってください中佐! この前バルクホルンが履いた時は…」

ミーナ「あれだって元々は命令違反だったじゃない。 誰が始末書書いたと思っているのかしら?」ウフフ

シャーリー「ぅ……きょ、恐縮でぇーす…」

 
ミーナ「……まぁ、積極的に戦闘へは出せないけど――」ガサ

ミーナ「哨戒任務への随行なら、丁度いい話が来てるわよ?」ペラ

シャーリー「ん、なんですかこれ?」

ミーナ「カールスラント技術省……というか新兵器技術開発の連合本部から、追加の注文書よ」

シャーリー「注文書…?」ヨミヨミ

ミーナ「要約すると“夜間飛行時のデータも欲しい”ってことみたい。 うちにはサーニャさんもいるから、これ幸いにって所かしらね?」

シャーリー「へぇー…、自分たちの都合で簡単に言ってくれますねぇ」ペラ

 
ミーナ「組織の上なんてそんなものよ、憶えておくといいわ」

シャーリー「は、はあ…。 …それで、これ受けるんですか?」

ミーナ「さっきウルスラさんに連絡を取ってね。 貴女のおかげで、彼女が最終テストに来るまでの数日間は時間が余ったから――」

ミーナ「ヘルマさんの為にもいいんじゃないかって事で、許可は貰ったわ」

シャーリー「お! じゃあ…?」

ミーナ「うふふ、あとは本人次第ね!」ニコ

 
―翌朝―


食堂


ヘルマ「や、夜間任務でありますかっ!?」ガタッ

ペリーヌ「ちょっとヘルマさん! まだ動かないでくださいな!」

ヘルマ「あぁあっ、も申し訳ありません…!」ワタワタ

ペリーヌ「もう! これだけ健康で立派な長髪をなさっているのですから、しっかりと手入れくらいなさい?」

ヘルマ「りょ、了解であります!」

シャーリー「……おーい、ヘルマー?」

 
ヘルマ「あ、はいっ! 失礼しました、大尉殿!」

シャーリー「で、どうする? ヘルマがやる気なら今晩から夜間哨戒に行ってもらうけど」

ヘルマ「アイマムッ! ご命令とあらば!!」ビシ

ペリーヌ「ちょっ、ヘルマさん!!」

ヘルマ「ぁう!? もも、申し訳ありません!」

ペリーヌ「あと少しですから、じっとしていなさい」クシクシ

シャーリー「あっはは! オッケー、じゃ中佐に言っとくよ」

 

――パタパタパタ


芳佳「みなさーん! 朝ごはんお待たせしましたー!」

リーネ「…ペリーヌさん、まだヘルマさんの寝癖直らないんですか?」

ペリーヌ「この子がじっとしていないからですわ! ……ほら、終わりました」サラ

ヘルマ「ぅぅ…お、お手数おかけしました…//」

ペリーヌ「いいえ、わたくしが進んでやったことですもの。 次からは気を付けなさい?」

ヘルマ「了解しましたっ!」

シャーリー「ペリーヌ、次あたしのもやってくれよ?」

ペリーヌ「シャーリーさんはご自分でなんとかなさってください」

 
シャーリー「ちぇー。 つれないな」

ペリーヌ「…というより、綺麗にされてるじゃありませんか。 必要ないでしょう?」マッタク

シャーリー「いいじゃ~ん、やってくれよぉ? 上官命令」

ペリーヌ「そんな命令なんて聞けませんわ」ツン

ヘルマ「!!」ピク

ヘルマ「…恐れながらクロステルマン中尉殿! 上官命令無視は軍紀違反でありますっ!!」

ペリーヌ「お黙りなさい!」ピシャリ

ヘルマ「あぅ!?」


芳佳「ヘルマちゃん、今日も元気だね?」ニコニコ

リーネ「あのーみなさん……ご飯、食べないんですか?」

 

執務室


ミーナ「話はシャーリーさんから聞いたと思うけど、貴女と実験機には今晩から夜間哨戒に同行してもらいます」

ヘルマ「イエスボスッ!!」シャキッ

ミーナ「(ボス…?)……そういうことだから、お願いね? 2人とも」

サーニャ「…はい……」ウトウト

エイラ「えー」

ミーナ「エイラさん?」ニコ

エイラ「…わかったよー」ショウガネーナー

 
ミーナ「ヘルマさん? サン・トロンの幽霊騒動の一件でも一緒だったし、貴女は夜間の飛行が初めてでは無いけど――」

ミーナ「“ナイトウィッチ”という名がある通り、本格的な夜間任務には相応の経験と技術が必要になるわ」

サーニャ「……」

ミーナ「本音を言うと、貴女が希望しなければ私はこの話断るつもりだったの。 哨戒任務と言えど、それ程に危険かつ重要な任務であることをまず自覚して頂戴?」

ヘルマ「っ…は、はいぃ!!」ドキィ


~~~~~~~~~~~~~~

※昨日の就寝前

エーリカ『ミーナはねぇ、言ってみれば私達のボスかな?』

ヘルマ『ボス…でありますか…?』

エーリカ『そうだよ~? ベルギガでは優しかったけど、こっちじゃ怒らせるとヘソ取られちゃうから…ヘルマも気を付けなよぉ~?』ニシシ

ヘルマ『ひ、ひぃ…っ!!』ブルブル

~~~~~~~~~~~~~~


ヘルマ(お…おヘソは死守しなければ…!!)ゴクリ

エイラ(ヘルマのせいで、なんかコッチまで緊張するな…)

 
ミーナ「(なにかしら? いつも以上に恐縮してるわね…?)えーと、そういうことだから…夜間飛行中はうちのナイトウィッチであるサーニャさんの指示に従ってもらうわ」

ヘルマ「アイボスッ!!!」

ミーナ(……ボスってなんなのかしら)


サーニャ「…~」ウトウト

ヘルマ「リトヴャク中尉!!」クル

サーニャ「ッ! ……ふぁ…!?」ビク

ヘルマ「夜間先生、よろしくお願いします!!!」ペコー

サーニャ「…ぇ? ……ぁ、はぃ…(びっくりした)」

エイラ「……オイ、ワタシもいるからなー?」ジト

 
宿舎廊下


芳佳「~♪」スタスタ

芳佳「~…! あ、ヘルマちゃんだ!」

芳佳(サーニャちゃん達と歩いてる。 多分これから夜に備えて寝に行くんだ…)


エイラ「――ン? ミヤフジがこっち見てるぞ?」

サーニャ「…!」ピタ

ヘルマ「! 妹先生!?」ステテ

エイラ「え? …なに言ってんだアイツ?」

サーニャ(妹…?)

 
芳佳「ヘルマちゃん、やっぱり夜間哨戒行くんだ?」

ヘルマ「はいっ!」シュピ


エイラーニャ((…あれ、普通に会話してる!?))


芳佳「これからサーニャちゃん達の部屋に行くの?」

ヘルマ「はい! 夜間任務のための重要な準備をするであります!」ムフー

芳佳「そっかぁ、確かに重要だよね。 私も苦労したよ~(寝付けなくて)」

ヘルマ「や、やはり妹先生も苦労したでありますか!?」

 
芳佳「うん。 前日の夜からって考えると〈睡眠が〉ずーっとだったから、むしろ疲れちゃったかな?」エヘヘ

ヘルマ「えっ…!!?」ビク

芳佳「それでも夜は、飛んでて辛く〈眠く〉なってきちゃうんだから難しいよねぇ?」

ヘルマ(……な、なんてことです! 妹先生ですら丸一日かけて備えて、それでも万全に至らないとは…!?)ガビーン

芳佳「? ヘルマちゃん?」

ヘルマ「(私は今夜までしか時間がない、…集中して取り掛からねば大変なことに!?)…ぁ…あわわ…っ!」ガクガク

芳佳「??」

 
――――
――



エイラーニャ部屋


ヘルマ「――ええっ!? 寝るだけでありますか!?」ガーン

サーニャ「…はい」

エイラ「哨戒は夜だからな、それに合わせて日中は寝るんだぞ?」

ヘルマ「し、しかし自分は今朝起きたばかりであります!」

エイラ「ザンネンだったなー」

 
ヘルマ「夜間任務の重要な準備って…こういうことだったのですかー!?」

エイラ「オマエ、なにすると思ってたんだよ…?」

ヘルマ「しかしその…ナイトウィッチとしての心構えですとか、必要な知識や訓練を…!」

サーニャ「……」

エイラ「…あのなー、そんなの今からやったって意味ないだろ? なんか反って馬鹿にした発言だぞそれー?」ジト

ヘルマ「うぁっ…い、いいえ自分はそんなつもりでは…~!!」オロオロ

サーニャ「エイラ、ヘルマさんは自分が足を引っ張らない様にって一生懸命なだけよ?」

エイラ「わ、わかってるってサーニャ。 ゴメン」

 
ヘルマ「ぅぅ…も、申し訳ありません…でした。 もうしわけ…ぇ…」ウル

サーニャ「…気にしないでね、ヘルマさん? ぇと……夜の環境に合わせた身体や習慣は、すぐには作れないから――」スス

サーニャ「今日と明日でその……少しずつやっていきましょう? 芳佳ちゃんもそうしたから」

ヘルマ「…ちゅ、中尉どのぉ…ありがとうございます(なんとお優しい…)」ジーン

エイラ「……ワタシも中尉だぞー?」

サーニャ「せめて体調だけはちゃんとしてないと、本当に危ないから…頑張って寝ましょう?」

ヘルマ「~~アイマムッ! 全力で眠ります!!」ビシィ

サーニャ「ぅ、うん…。 静かに寝ようね?」

エイラ(サーニャがなんか、お姉さんみたいだぞ? ……こういうのもあるのカ!!)ムフフ

 
サーニャ「……それから、ヘルマさんの寝るベッドですけど」

ヘルマ「はい!」

サーニャ「ここには2段ベッドが1台しかないから、えーっと……どうしようかエイラ?」チラ

エイラ「ン? …そうだなー、普通に考えてどっちかで2人一緒に――」


エイラ「…オォッ!!!」キュピーン

サーニャ「どうしたの?」

ヘルマ「?」

 
エイラ「あ、いや! ナンデモナイゾ!?」アタフタ

エイラ「ソ、ソウダナー! オホンッ……ここは先輩のワタシ達がゆずってやるべきだと思うナ!」キリッ

ヘルマ「ど、どういうことでありますか!?」

エイラ「ツマリダナー…ウヘヘ、オマエがワタシのベッドを使う代わりにワタシがサーニャと一緒に――」ジュルリ

ヘルマ「それはいけませんっ!!」

エイラ「…ってオイ、なんでだよ!? 遠慮すんな!」

サーニャ「エイラ、“就寝は正しく自分の床につくべき”よ?」

エイラ「エ゛!? さ、サーニャ…?」

 
ヘルマ「その通りであります!!」シュピ

サーニャ「それから、“制服のまま寝るとシワになる”からきちんと着替えてから寝るように気を付けましょう?」

ヘルマ「その通りでありまぁすっ!!!」シュピィッ

エイラ「グヌヌ……(サーニャがすっかり修せ――…洗脳されてる!)」

サーニャ「だから私とエイラは自分のベッドで寝ないとダメよ?」

ヘルマ「アイマムッ!」

エイラ「…だ、だったらヘルマも自分の部屋で寝るのか!?」

ヘルマ「ノーマムッ!!」

エイラ(ノーマム…!?)ガビーン

 
サーニャ「ヘルマさんは夜間訓練の為に私達が預かってるから……ここで一緒に寝ないとダメだわ」

ヘルマ「ボス殿のご命令であります故、なにとぞよろしくお願いいたしますっ!」ペコー

エイラ「…………ェ? じゃあさ…コイツは、ワタシかサーニャのベッドで寝るって事か?」

サーニャ「…そうね」

エイラ「………」

サーニャ「? ……エイラ、嫌なら私が引き受けるから――」

エイラ「ンナ!? それだけはダメダー!!!」ムリダナー!

サーニャ「ぇ…!?」

 
エイラ「……ヘルマ」ム

ヘルマ「はいっ、ユーティライネン中尉殿!」ビシ

エイラ「ワタシと一緒に寝るぞ、イイナ? 命令だかんな?」ジト

ヘルマ「はっ、光栄であります!!」

エイラ「ン、そんじゃこっち来い」

ヘルマ「イエスマム!」テテテ

サーニャ「…いいの、エイラ?」

エイラ「任せとけ、誰にもサーニャの邪魔はさせないさ」

サーニャ「……別に邪魔ではないけど、ただ…」チラ


ヘルマ(歴戦の大先輩と床を同じくするなんて……緊張します!!)フンフン


サーニャ「……(大丈夫かな、ヘルマさん)」

 
――――
――



エイラ「…zz……~むにゃ…」

ヘルマ「…………」


エイラ「……zz」

ヘルマ「……」



ヘルマ(…全然眠れませんっ!!)ガーン

 
 

 
ヘルマ(困りました……やはり伝説の501基地で床に就いているなんて、意識してしまうとつい興奮してしまいます!)ムフー

ヘルマ(これまでは毎日気絶するほど疲れていたので問題なしでしたが、今日はまだ数時間前に起きてご飯食べただけですし…)

エイラ「…ン~……ゃめェ…それ以上は……ムリダン……zz…」

ヘルマ(おまけにユーティライネン中尉が耳元でずーっと寝言を囁いていますし…!)ゴクリ

エイラ「~わぁ……わらひには…ゃ………さーにゃ…ンが……~zz」ムニャムニャ

ヘルマ(なんの夢を見ているでありますか!?)

 
エイラ「むにゃ……ん…zz…」

ヘルマ「っ……(このままでは夕方になってしまいますっ、私も早く眠らなくては!)」


ヘルマ「……」

ヘルマ「…………」モゾ

ヘルマ「………………(っ~~~!)」モゾモゾ


『……ヘルマさん…』ヒソ

ヘルマ「!?」キョロ

サーニャ「…やっぱり眠れませんか?」ヒョコ

 
ヘルマ「! リトヴャクちゅ――」

サーニャ「静かにっ…!」

ヘルマ「――!?」ピクッ

サーニャ「…エイラ寝てるから、迷惑かけちゃ駄目」

ヘルマ「ぁ…も、もうしわけ――」

サーニャ「っ…!」シー

ヘルマ「ッ!! ……~」コクコク

サーニャ「…だから、こっちに来てください」


――――
――

 
ヘルマ「…し、失礼します……」モソモソ

サーニャ「はい…」

ヘルマ「……」

サーニャ「…寝付けませんか?」ヒソ

ヘルマ「は、はぃ……そのぉ…、なんだか緊張してしまって…//」

サーニャ「……」

ヘルマ「……申し訳ありません…//」

 
サーニャ「……」

サーニャ「…ラン…ララ…」ポソ

ヘルマ「?」

サーニャ「ラン……ララ…ラン…~♪」

ヘルマ「…!(ぅ、唄…!?)」

サーニャ「…ラー…~♪」

ヘルマ「……」

サーニャ「…~♪」

ヘルマ「……」


ヘルマ「…………」ウト…


ヘルマ「……………zz~」スヤァ

 
―夜―


ハンガー


ミーナ「それじゃあ悪いけどよろしくね? 2人とも」

サーニャ「はい…」

エイラ「リョウカーイ」

シャーリー「どうだヘルマ、いけそう?」

ヘルマ「はい! クロステルマン中尉殿に紅茶も沢山ご馳走になりまして、カフェインもバッチリ摂取しました!!」ビシ

 
シャーリー「…あー、マリーなんとかってあれか。 美味かった?」

ヘルマ「っ……!」ギクッ

シャーリー「……」

ヘルマ「…た、大変勉強になりましたっ!」

エイラ「オマエ……いいやつだなぁ」ムリスンナー

ミーナ「あら、あれおいしいじゃない?」

ヘルマ「ッ!?(流石はボスであります…!!)」

 
シャーリー「ま、まぁとりあえずコンディションは大丈夫そうだな?」アハハ

ヘルマ「イエスマム! 全く眠くありません!」

シャーリー「ん、オッケー! 頑張って来い、明日はあたしも付き合うよ」

ヘルマ「アイマムッ!」ビシ

エイラ(エ? そうなのか!?)

ミーナ「はい、それじゃあそろそろいいかしら? 出発して頂戴」

サーニャ「了解。 …エイラ、ヘルマさん……行きましょう?」

エイラ「あ、うん」

ヘルマ「はっ! ヘルマ・レンナルツ、これより夜間哨戒任務へ出撃するであります!!」

 

アドリア海 上空


――ゴォォオォ


サーニャ「……」ブゥゥン

エイラ「……」ブゥゥン


ゴォオォォ


サーニャ「! ……そろそろ提示報告」

エイラ「…なあサーニャ?」

サーニャ「なにエイラ? なにか異常あった?」

エイラ「い、いや……異常はないけど…」

 
サーニャ「? 報告するけど、大丈夫?」

エイラ「う、うん…それは問題ないんだけどさ――」チラ

サーニャ「…ヘルマさん、定時連絡時刻です。 えっと…さっき教えた感じで報告してください」


ゴォオォオオ

ヘルマ「アイマムッ! 異常なしでよろしでありますか!?」ゴォォオ


サーニャ「はい、お願いします」

エイラ(う、うるせぇ…! ジェットストライカーってこんなに飛行音デカいのか!? 夜間だと余計に気になるゾ…)

ヘルマ「コントロール、コントロール。 こちらレンナルツ哨戒機の定時連絡であります! 現在警邏空域に異常はありません。 “静かな夜”であります、どうぞ!」ゴォォオ

エイラ(ウソダー!!)

 
『こちら基地管制、了解しました。 こちらのレーダーも観測反応ありません、引き続きよろしくお願いします』ガザ

ヘルマ「了解であります! みなさん、眠くなってもがんばりましょうっ!」

『りょ、了解』

『…クスクス…』

『アハハ…――』ガザザ


サーニャ「ふふ…」クス

エイラ「マッタク、こんなに賑やかな夜間哨戒は初めてだな」

サーニャ「うん、なんだか楽しい…」

エイラ「エー…(ワタシは2人っきりで静かに飛びたいんだけどなぁ)」

 
ヘルマ「むむ~! 有視界前方、側方、異常なしっ!」キョロキョロ

サーニャ「…ヘルマさん、元気いっぱいですね?」ブゥゥン

ヘルマ「はい! 睡眠とカフェインで絶好調でありますから!」

エイラ「ツンツンメガネの紅茶かー。 …そういえばワタシも、慣れないうちはコーヒーとか飲んでみたりしたことあるぞ?」

ヘルマ「さすがは先輩方! 恐縮至極であります!」

エイラ「ン~、でも…。 ワタシはあまりオススメしないな」

サーニャ「……そうね」

ヘルマ「え? なぜでありますか?」

 
エイラ「だってさ? ワタシはコーヒーでも後悔したのに、よりにもよって紅茶なん――」

サーニャ「…エイラ、やめましょう? 下手に意識しない方が持つかもしれないわ」

ヘルマ「?」

エイラ「……それもそーだな」

ヘルマ「???」


――――
――

 

 

ヘルマ「っ~~……ぅ~…!」ゴォォ

ヘルマ(き、緊急事態です!! まさかこんな事になるとは…!)


サーニャ「…ヘルマさん?」ブゥゥン

ヘルマ「ぁぅぅ…//」モジモジ

エイラ「オーイ、ヘルマ! 聞いてんのか?」

ヘルマ「ふぇっ!? ぁ、あぁぜ前方異常ありませんどうぞ~っ!?」アタフタ

エイラ「……ダイジョブかオマエ? 夜間飛行中にボーっとすんなって、…少佐だったら怒鳴られてるぞー?」

ヘルマ「も、申し訳ありません…っ!//」モジ

 
サーニャ「…エイラ、ヘルマさんもしかして?」

エイラ「ンー、やっぱムリダッタナ」

サーニャ「……」

ヘルマ「ぁぅ…~//」

エイラ「帰投までまだ結構あるし、どーするサーニャ? やっぱアレしかないか?」

サーニャ「……エイラ、先行して」

エイラ「あ、うん。 ワカッタ(やっぱりか)」

エイラ「…後ろは見ないから、終わったら追い抜いてくれよ?」ブゥゥン

サーニャ「うん…」

 
エイラ「(マッタク、ショウガネールーキーだな)おーい、ヘルマー! 先行ってるぞー?」

ヘルマ「! ふぁ、はいぃ! ……ぇ?」

エイラ「ナニゴトも経験だかんな、ちゃんと出しちゃえよー?」ニヤニヤ


ブゥゥウン――


ヘルマ「……??」

サーニャ「ヘルマさん…」ブゥゥン

ヘルマ「は、はいリトヴャク中尉殿!?」

サーニャ「……その、もしかして………トイレに行きたいんじゃないですか?」

ヘルマ「ッ!!!///」ギクゥッ

 
サーニャ「……」

ヘルマ「ぅぁ……ぁの、それは~そのぉ…//」アワアワ


サーニャ「……」ジ

ヘルマ「ぅ…!」

サーニャ「……」ジー


ヘルマ「…………はぃ…。 ぉ…オシッコ……が…////」カァァ

サーニャ「…長距離哨戒の直前は飲みすぎを控えるか、出ないと思ってもトイレに行かないと駄目です」

ヘルマ「……も…申し訳ありません…////」

サーニャ「ぃぇ、私も注意不足だったので…ごめんなさい」

 
ヘルマ「……」

サーニャ「……」

ヘルマ「ぅ…//」モジ

サーニャ「…ここで出しちゃいましょう」

ヘルマ「ぇっ!?」


サーニャ「ここでオシッコ、出してください」ジー


ヘルマ「――~!!?!?//////」

 

エイラ「……」ブゥゥン

エイラ「ヘルマのやつ、よりによって紅茶を飲むなんてなー(ていうかある意味ペリーヌのせいだよな)」


エイラ「…………」


エイラ「面白ソーだから聞いてみるか〈インカムで盗聴〉」スッ


ガザッ


『だ、大丈夫でありますっ! 自分は我慢できますからぁ~!!』ガザッ

『……我慢して集中が乱れるような状況は、駄目なんです。 すごく危ないから…』

『そんなぁー!?』


エイラ「……」

 
『ままま、待ってください中尉殿!? そんな空でなんて…後生ですから~っ!!!』

『ほら、ズボン下ろしてください』


エイラ「……」


『あぁぅあ~!! ユーティライネン中尉もすぐ向こうにおられるのにぃ~!!///』スル


エイラ「……」


『ひぇっっ!? さ、さむいっ!! スースーするであります!?////』


エイラ「……」


『……ぁぁ…こんな、…こんな醜態をぉ……~//』

『そのまま、全部出しきってください』


エイラ「……」



『…ぁっ………~ぁふ…//』



エイラ(オワッタか…)
 

 
エイラ「……」


エイラ「…………」


エイラ「………………」


――ブゥゥン


サーニャ「…ただいま」

エイラ「うん」

ヘルマ「お、お待たせしました…//」ゴォォ

エイラ「……」

ヘルマ「ぅぅ……//」

エイラ「…オマエ、実はちょっと気持ちヨカッタんだろ?」ムフフ

ヘルマ「ッ~~~~!!!////」ドキィ

 

―翌早朝―


ハンガー




ヘルマ「」ドヨーン




シャーリー「ふわぁ~――」スタスタ

シャーリー「~んむ……。 …んぁ? ヘルマじゃん、帰って来てたのか」

 
ヘルマ「……」

シャーリー「おーい、ヘルマ~?」スタタ

ヘルマ「……イェーガー大尉…」

シャーリー「おはよ。 どうしたんだ、こんなとこで丸くなって? サーニャ達はもう戻ったのか?」

ヘルマ「…大尉殿、私……やってしまいました…」

シャーリー「え?」

ヘルマ「ぅ…、っ…ぁぐ……」グス

シャーリー「!?」

ヘルマ「~~っ…ぇぐ……ぅぅ」

シャーリー「……なにがあったか話してくれ、ヘルマ」キッ

 
――――
――



シャーリー「だっはははは!! マジかよ!?」ゲラゲラ

ヘルマ「わ゛、わら゛うにゃんであんまり゛です大尉゛~っ!!!///」グス

シャーリー「ぐっふふ――…わるいわるい、ごめんなヘルマ」ポンポン

ヘルマ「んぐぅ~~~////」

シャーリー「…でもさ、あんな自慢げにしてたのに飲み過ぎでとか…――っ~、ぐっはは」クスクス

ヘルマ「こ、後輩の失敗がそんなにおかしいでありますかぁー!!?//」

 
シャーリー「~ひぃー……。 いやいや、そんなことないよ」アーハライテ

ヘルマ「私は本当にショックだったんですよぉ!? 死ぬほど恥ずかしかったのにっ!!!///」

シャーリー「あはは! まあでも、そんな事で安心したよ。 泣き出した時はいったい何があったかと思ったし」

ヘルマ「そんなことではありませんっ!!」ムー

シャーリー「そう気にすんなって」ポン

ヘルマ「あぅ…!?」

シャーリー「準備不足とはいえ生理現象なんだしさ? そういう場合はしょうがないよ」ナデナデ

 
ヘルマ「……し、しかし//」

シャーリー「あたしもサーニャの指導は的確だったと思うよ? 先生代行が言うんだから間違いなし!」ニッ

ヘルマ「ぅ~……アイマム…//」


シャーリー「よしよし」ナデナデ

ヘルマ「~…」



シャーリー「…あ、そういえばさ?」ピタ

ヘルマ「? はい」

シャーリー「空で用足すと開放的で気持ちいいって聞いたことあるんだけど――」

ヘルマ「!!」ギク

シャーリー「…実際どうだった?」

ヘルマ「むむ、蒸し返さないでくださいー!!!////」

 

―その夜―


ヘルマ「今夜こそは間違いなく万全でありますっ! トイレにも行きました!!」

サーニャ「はい」

シャーリー「夜間哨戒なんていつぶりだろ? なんかちょっとわくわくするなぁ」

ミーナ「それじゃあ、くれぐれも気を付けて行って来て頂戴」

シャーリー「りょうかーい」

エイラ「なぁ~、なんでワタシは行けないんだよぉ~…」

ミーナ「坂本少佐やバルクホルン大尉が不在な今、シャーリーさんまで夜間に回ってしまったら流石に人手不足なの」

エイラ「ダカラサー! なんでワタシじゃなくてシャーリーが行くんだよー!?」

 
ミーナ「彼女はヘルマさんの監督役代理だし、なにより本人の希望よ?」

エイラ「ワタシだって希望してるぞー!? 毎日!!」

ミーナ「シャーリーさん“は”ちゃんと夜間随行の申請書を提出してるわ」

エイラ「ヴェ…!?」

ミーナ「…それともなぁに? エイラさんも今から書いてくる?」ニコ


エイラ「~ッ……」


エイラ「…………か、カクゾ!!」

ミーナ「あらあら」ウフフ

 
エイラ「だから待ってろよ!? 直ぐ持ってくるからナ! それまで行くなよー!?」ダッ

ヘルマ「っ! ユーティライネン中尉―! 基地内を走るのは軍紀違反でありまぁーすっ!!」

エイラ「ウルセー!」タッタッタッタ


サーニャ「……エイラ…」

シャーリー「必至だなぁ。 …ちょっと悪いことしたかも」

ヘルマ「?」

ミーナ「はい、貴女達はもう行きなさい」

シャーリー「え?」

ヘルマ「中尉殿を待たないのでありますか?」

サーニャ「……」

 
ミーナ「さっきも言ったでしょ? 今501から3人も夜間哨戒に出られたら支障が出るの」

ミーナ「エイラさんにも偶には手続きを踏むことの重大さを感じてもらわないとね? ここでは平気かもしれないけど、そんなのはここだけだけよ?」

サーニャ「…わかりました」

シャーリー「まあ、そうですよね(これ多分あたし達にも言ってるんだろうな)」アハハ…

ヘルマ(むぅー!! 流石は各国のトップエース達を指揮するボス! 冷静かつ大胆な修正でありますっ!)ムフー

ミーナ「うふふ。 そういうことだから、貴女達は今のうちに出発しちゃいなさい? エイラさんが戻ってきたら私が相手をするわ」ニコニコ


ヘルマ(……し、しかしなにか恐いであります。 笑っているのに恐いであります…!)

 
ヘルマ(…ユーティライネン中尉殿、もしかしたらおヘソを取られてしまうかもしれません。 うぅぅ…それはあまりに――)

ヘルマ「ぁ…あのぉ…」オズオズ

ミーナ「なぁに? また御手洗い?」

ヘルマ「その……ど、どうか中尉殿のおヘソだけは…ご勘弁をぉ…」

ミーナ「ぇ…??」


――――
――

 

ガシャン


シャーリー「んー、とりあえずこれだけでいいか」

サーニャ「……」

シャーリー「サーニャ、エイラはいつもこんな感じ?」クイ

サーニャ「…いえ、エイラはもっと軽装備です。 普段と同じで」

シャーリー「へぇー、マジか。 じゃあたしも…こっちは置いてこ、重たいし」ドスン


――ガジャゴォンッ


シャーリー「!」


ヘルマ「ぃ…よいしょ!」ジャキーン

シャーリー「うおっ、でた! 50ミリ!!」

 
ヘルマ「お待たせしました! 準備完了でありますっ!」

シャーリー「おいおい、まさか昨日も同じ装備で長時間飛行してたのか!?」

ヘルマ「肯定であります!」

シャーリー「……まあ、テストもしたし一応許容搭載量なのは知ってるけど…。 よく一晩持ったな~!?」

シャーリー(つうかこれ背負って夜空の放尿してたってことだよな…。 すげぇシュール)

ヘルマ「はい! 厳しいのは飛び始めだけで、航空距離は充分でした! 安全装置も作動しないであります!」ピシ

シャーリー「……(おかしい、そんな訳ねぇ。 哨戒で速度が低いからか…?)」ムム

 
シャーリー「(ていうか――)…離陸時は辛いの?」

ヘルマ「ぁ、いやっそれは! 自分が未熟だからでありますので…!」アセ

シャーリー「……」

サーニャ「…? シャーリーさん?」

シャーリー「ヘルマ、ちょっとあたしの言う通りに飛んでみてくれないか?」

ヘルマ「へ…?」

シャーリー「サーニャも、悪いんだけど哨戒空域に入るまであたしらに合わせて飛んでもらっても良いかな?」

サーニャ「ぇ…ぁ、はい。 …わかりました」

 
――――
――



シャーリー「いいかヘルマ? 出来るだけゆっくり、時間をかけて加速するんだ!」

ヘルマ「アイマム! …しかし大尉、それではジェットの性能が――」

シャーリー「大丈夫! あたしの考えが正しければ、多分こっちの方が上手くいく」

ヘルマ「は、はい(??)」

シャーリー「あたしは後ろに付いて指示出すから、先に出てくれ」

サーニャ「……では、私は2人に合わせて先行します」ガシャン

シャーリー「おう、頼んだサーニャ!」

サーニャ「はい」ブゥゥン

 
シャーリー「……うし! ヘルマ出てくれ、ゆっくりな。 スロットル操作に気をつけろ?」

ヘルマ「イエスマム! ヘルマ・レンナルツ、ジェットツヴァイゆっくり発進であります!」


ゴォ…ボボォ…ボボボ――



シャーリー「オッケー! 少しずつ出力上げて、ギリギリいっぱい滑走距離とって!!」

ヘルマ『あ、アイマム!…っ』ガザ

シャーリー「上昇角浅くっ! …踏ん張れヘルマ! もっとゆっくりだ!!」

ヘルマ『うぐぐ…~っ!!』

 

アドリア海 上空


ヘルマ「むぐぐぅ…、まさかジェットの出力を抑えながら飛ぶなんて! お、思ったよりずっと難しいでありますっ」ボボボ

ヘルマ(いつもはここまで加速の勢いがあった感じはしなかったのに! やっぱり抑えているからそう思えるのでしょうか…!?)

シャーリー『ヘルマ、スピードを殺して調整しようとするなっ! 減速じゃなくて少しずつ加速するんだ!』ガザ

ヘルマ「あ、アイマム!(シャーリー大尉殿がいつになく厳しい!)」


――ブゥゥウン


シャーリー「スロットルは今どうしてる?」ブゥゥン

ヘルマ「あ、ぇぇと……まだ全然あげていません!」ボボボ

 
シャーリー「だよな、やっぱり。 …こりゃ相当大味だ、こいつが悲鳴あげるわけだよ」

ヘルマ「えっ?」

シャーリー「ヘルマ、あたしも手伝う。 ちょっとキツイけど頑張れ」ギュ

ヘルマ「あああのっ! なにを!?///」

シャーリー「いいか? 抑えるのはスピードじゃなくて出力。 エネルギーを無駄使いしないのがコツなんだ」

ヘルマ「…は、はい(背中にあたってるであります大尉殿ぉ~!)」

シャーリー「エンジンと喧嘩すんな。 出たスピードは生かしてやらなきゃ」

 
ヘルマ「し、しかしお言葉ですが大尉殿はゆっくり飛べと…!」

シャーリー「あはは! まあそうなんだけどさ」ゴメンゴメン

シャーリー「大事なのは、なんの為にそう飛ぶのかってこと! それを考えれば、どう飛べばいいかもわかるだろ?」

ヘルマ「何故ゆっくり飛ぶか、考える…?」


(美緒『――言われた事のみを守って良しとする者は所詮半人前だ』)


ヘルマ「あぅっ!?」ガガーン

シャーリー「ゆっくり飛べっていうのはこいつの能力〈スピード〉を出すための布石さ」

ヘルマ「(な、ならば私も自分で考えて意見を…)…ぅぅ。 ですが大尉、ジェットは強いネウロイと戦うための加速と最高速を――」

シャーリー「違うよ。 理想はそうだけろうけど、二種装備にあんなもの用意したってこいつに格闘戦は向かない」

ヘルマ「えっ…?」

>>73
シャーリー大尉 → イェーガー大尉


>>74
ヘルマ「…は、はい(背中にあたってるであります大尉殿ぉ~!)」 → ヘルマ「…は、はい(カノン砲がお邪魔になっていないでしょうか…)」


にそれぞれ訂正

 
シャーリー「ヘルマ、あたしらは現場の人間だ。 エンジニアには悪いけど、自分の感覚も大事にしないといつか危なくなるぞ?」

ヘルマ「な!? わ、私は自らの意見を申し上げているであります!! そんな…」

シャーリー「…素直なやつだな~、まったく」アハハ

ヘルマ「!?//」ム

シャーリー「だからさ、お前の“相棒”にも耳を傾けてみな?」

ヘルマ「……私の、あいぼう…?」

シャーリー「ああ。 そろそろ、元気出てきたってさ!」

 
ヘルマ「??」

シャーリー「…夜はちょっと寒いけど、いい風になってきてるだろ?」

ヘルマ「ぁ…!(いつの間にかスピードが!?)」

ヘルマ「ど、どうしてっ!? まだ全然スロットルは……魔法力もほとんど消耗していないのに!」

シャーリー「フフン……よっしゃ、ノッテきた! ヘルマ、力まないでゆっくり出力あげて!!」

ヘルマ「あぁ、アイマム…!」フィィン


コォォ――




――ォオォオオウンッ



ヘルマ「ッ!!?」グンッ

シャーリー(そら、いけぇ!)ニッ

 

ビュゴォォオオオッ


ヘルマ「なぁ~~っ!!? な、なななんでありますかこの加速は!?」ゴォォオ

シャーリー「あっはははは!! すっげー伸びるなこいつ!? これがジェットかぁ~!」

ヘルマ(な、なんというかこの感覚……すごい!!)ドキドキ

シャーリー「どーだヘルマ、あんま苦しくないだろ?」

ヘルマ「い、いったい何をしたでありますかっ!?」

シャーリー「あたしはいつも通りだよ、こいつと一緒のつもりで飛んだだけ! あたしのマーリンは退屈そうだけどな」ブゥゥン

 
ヘルマ「一緒に飛ぶ…?」

シャーリー「ほら、しっかり相棒を感じてやれ!」

ヘルマ「し、しかしそんな……機械を相手に!?」

シャーリー「自分の感覚を信じろ、ヘルマ!」

ヘルマ「~~!!」グヌヌー

シャーリー(でたらめにピーキーなこいつを“上手く起こせた”お前なら、出来ないことは無いはず…!)

 
ヘルマ「~……も、もう少し…上げても――」

シャーリー「うん」

ヘルマ「…いい、のでしょうか…?」チラ

シャーリー「応えるのはあたしじゃなくて、こいつだろ?」

シャーリー「自信もってけ!」

ヘルマ「! …イエスマム!」フィィイン


ゴォオオアアア――


ヘルマ「ッ…!」

シャーリー「おお!?(マジかよ! 一応あたしも背負ってんのに、これって…!)」ゾク

 
ヘルマ(……違う、まだ…。 もう少しだけ…!)フィィイン


グォォオオン


シャーリー「!!?」

ヘルマ(…………こ、このぐらい!? …まだっ、少し待って)」

ヘルマ「~~…」

ヘルマ「…っ(次です!!)」フィィイン


ギュゥウウウン――


ヘルマ「ぐ…!(お、恐ろしく難しいですが…なんとか自分の――ストライカーの感覚に合わせられます!)

シャーリー(すげぇ!! 予想通りヘルマの感覚は鋭いけど、いきなりこいつを履きこなすなんて……信じられないスロットル操作のセンスだ!)

 
シャーリー(ヤバい、これ安全装置が作動するまでかなり出せそうだぞ…!? ひょっとしたら――)


ガザザッ


サーニャ『シャーリーさん、ヘルマさん』

シャーリー「ん?」

サーニャ『あの…そろそろ止まってください』

シャーリー「おっとヤバい。 ごめんサーニャ!」

ヘルマ「集中……集中…、もう少し……」ブツブツ

シャーリー「ヘルマ―、哨戒任務だー! 止まれ~!!」


――――
――

 
ヘルマ「さすが!! さすがはバルクホルン大尉殿と同隊同階級を誇るイェーガー大尉であります!!」キラキラ

シャーリー「あはは…(あたしの評価はバルクホルンありきなのか)」

ヘルマ「あのように飛べた事など今までで初めてでありますっ!! ハルプの先輩方にだってきっといません!」ムフー

サーニャ「うふふ。 よかったね、ヘルマさん?」ブゥゥン

ヘルマ「はいっ! …イェーガー大尉! 改めてテストデータをとり直してみてはいかがでしょうか!?」

シャーリー「オッケー、中佐に聞いておくよ。 あれなら最高速はいい数字が出るかもな?」

ヘルマ「うぅ~~っ、さすがはマッハに到達された唯一のウィッチでありますっ! ご指導を賜れて感激至極です! すごいすごい!!」

サーニャ(あの生真面目なヘルマさんが浮かれてる……!?)

 
シャーリー「いや、まあ……アレは公式記録じゃないし…」ポリポリ

シャーリー「ていうか、なんでヘルマがそんなこと知ってんだ?」

ヘルマ「少し前に先輩方から聞きました。 噂になっていたであります!」

シャーリー「うわ、どこから漏れたんだ…?(ちゃんと出した記録じゃなくて事故みたいなもんだから恥ずかしいなぁ)」

サーニャ「確か…去年の夏ですよね? ブリタニア基地にいた頃の…」

シャーリー「そうそう。 ルッキーニが適当に組んだ幻のチューニングな」

ヘルマ「ルッキーニ少尉が!?」

シャーリー「ああ。 あたしのストライカー倒しちゃったもんだから内緒で直したんだ。 で、そのままあたしが出撃したのさ」

 
ヘルマ「つ、つまり少尉殿は壊してしまったんですよね…? 直せたのでありますか!?」

シャーリー「一応な。 知ってたら流石に飛べないけど」アハハ

ヘルマ「それって軍規違反ではありませんかっ!?」

シャーリー「そーか? ウィッチがストライカー弄るのなんて当たり前だと思うし、あたしもメンテから修理まで自分で全部やってるけど?」

ヘルマ「そ、それは――」


サーニャ「ぁ…!」フィィンッ


サーニャ「皆さん、飛行体を捕捉しました!」

ヘルマ「!?」

 
シャーリー「ネウロイか?」

サーニャ「……はい。 距離約5000、こちらへ西進中からちょうど反転迂回を始めたみたいです」

シャーリー「気づかれた…!? 偵察タイプだとしたら、この辺の空域から逃がすとやっかいだな」

サーニャ「まだ気づかれてないと思います、距離もありますし。 でも偵察型の高速ネウロイなのは間違いありません」

ヘルマ「どうしてわかるのでありますか!?」ガーン

シャーリー「サーニャには相手が視えてるんだよ」

ヘルマ「えっ? しかし魔導針探査はたしか短波感知による位置情報しか…」

シャーリー「経験で視てるってことさ。中佐達を覗けばうちで一番頑張ってる屋台骨だし。 …な?」チラ

サーニャ「ぇと……//」

ヘルマ(か、かっこいいであります!!)ムフー

 
サーニャ「ぁ、あの……それよりも、その…ネウロイを…//」

シャーリー「ん、そうだな! サーニャ、敵の速度は? 追いつけそうか?」

サーニャ「…はい、今なら。 でも気づかれて、全力で逃げられたらこの距離からは難しいです」

シャーリー(……あたしが全速で特攻するか? でも今は日中とは全く状況が違うし、あたしの装備じゃ火力不足で逃がすかも。 発見されて逃げられたら最悪藪蛇になっちまう)ムム

サーニャ「シャーリーさん…」

シャーリー「……(夜間はサーニャが長機のつもりでいたけど、あたしに指揮を仰いでるみたいだな? …どうするか)」

ヘルマ「イェーガー大尉! 我々でやっつけましょう!」キリリッ

シャーリー「! (そうか! ヘルマの50ミリ…!)

 
シャーリー「うし、わかった。 全員全速で追いかけて50ミリの射程圏内まで接近しよう! サーニャのフリーガーハマーで牽制して追いやった所を一撃必殺だ」

シャーリー「あたしはヘルマの補助に付く。 サーニャ、あたしら多分追いつけない速度まで出すと思うから、ネウロイと合わせて位置の把握よろしく」ブゥゥン

サーニャ「…はい」

シャーリー「よぉっしヘルマ! さっきの感じでかっ飛ばすぞ!? 指揮はあたし、進路はサーニャに従ってな?」ギュ

ヘルマ「アイマムッ!!」フィィン

シャーリー「いくぞ!」


ゴォォオォア――
 

 
――――
――



――ビュゥゥウゥンッ


シャーリー「いいぞヘルマ! これならいける!」

ヘルマ「ですが大尉殿、視界が暗くて未だネウロイを視認できません!」

シャーリー「…サーニャ! 敵との距離はどうなってる!?」

サーニャ『ネウロイは少しスピードを落としていて、そのおかげでかなり距離は縮んでます。 もう少しでヘルマさんの武器が届くと思います』ガザ

シャーリー「まだ気づかれてないな、うし! ヘルマ、もう一段階加速できるか?」

ヘルマ「アイマム、いけるでありますっ!」

サーニャ『進路は右に2度修正してください。 ……これ以上の速度は付いていけませんが、フリーガーハマーは届くので準備しておきます』

 
シャーリー「了解、こっちの狙撃タイミングも頼むよ?」

ヘルマ「ジェット・ツヴァイ、ハイスロットル!!」ゴォア


ギィィイイイイインッッーーーー


シャーリー(うぉぉっ…! 夜にこのスピードはちょっと怖えな)

ヘルマ「!! …大尉! ネウロイ視認しましたっ!!」






ネウロイ「……」ビュゥン






シャーリー「(こいつ目もいいんだな!?)んっ……ん、多分あれだな? ヘルマ、砲身しっかり正面に構えて身体で照準合わせろ!」

ヘルマ「アイマムッ!!」グッ

 
シャーリー「サーニャ!」

サーニャ『…はいっ』


バシュ


――ュゥウウウッ






ネウロイ「…!」

 
 

 
シャーリー「ヘルマッ! 今だ!」

ヘルマ「発射っ!!」ガチ


ガオォオンッッ


ヘルマ「あぐ……っ!!!?」

シャーリー「っ゛…!?」





ヒュンッ


ドゴァアアアン


ネウロイ「~――!」ビュゥン
 

 
サーニャ『フリーガーハマーの爆破はあたりましたけど、浅いです。 …気づかれました』ガザザ

シャーリー「くっ…! サーニャ、修正角教えてくれ!」

サーニャ「……下方3度、左に1度です」

ヘルマ「りょ、了解であります!」グ

シャーリー「ヘルマ、思ったより精度が悪い! 連射だ!」

ヘルマ「っ…アイマム、連射!」ガチン ガチ


ガオォオンッッ

ガオァアンッ



ミキッ…

シャーリー「!?」ピク

 

ヒュン… ヒュゥッ



ネウロイ「……」ビュゥン






ヘルマ「うぐぐ……あ、当たりませんっ!?」

シャーリー(おいおい! このストライカー、50ミリ砲の反動を受け切れてないじゃんか!? しかも今の音……安全装置は動いてないみたいだけど、続けて撃ったら多分破損する…!!)

 

ネウロイ「~~ーッッ!!」ギューーン






サーニャ『ね、ネウロイ…加速しました!』

ヘルマ「うあぅ!?」

シャーリー「…ちっくしょ!!(失敗か! あたしのミスだ!!)」チッ

シャーリー「(――…こうなったら)ヘルマ、お前に賭けてもいいか?」ブゥゥン

ヘルマ「えっ?」ゴォォオ

シャーリー「装備を破棄してくれ」

ヘルマ「えぇっ!?」

 
シャーリー「いいか? 全速力で、マッハで敵を追っかけるんだ」

サーニャ『シャーリーさん、なにを…?』

ヘルマ「ま、ままマッハでありますか!!?」

シャーリー「あたしがこっから固有魔法でヘルマを加速させる、そいつのパワーならいける筈だ」

ヘルマ「っ…!」ゴクリ

シャーリー「武器は全部投棄しろ、あの程度の装甲ならシールドで突っ込めば撃墜できる」

ヘルマ「カミカゼアタックでありますか!!?」ガガーン

 
シャーリー「時間が無い。 無理ならあたしが駄目元で追いかけるけど、どうする!?」


ヘルマ「~~…ゃ、やるであります!!」


シャーリー「!」

ヘルマ「私と、このジェットツヴァイにしか果たせないのであれば…やってみせますっ!」キリ

シャーリー「……はは。 ルッキーニといいお前といい、頼りになるよなぁまったく」グイ

シャーリー「おぉーし! やるぞヘルマー!」

ヘルマ「アイマムッ!! 全装備投棄!」ポイポイ

 
シャーリー「だぁぁあああ!!」ガシッ

シャーリー「…いっっけぇえええ!!!」フィィィイン


ヘルマ「いくでありまぁああす!!!」ゴォォオ



ビシュウンッ――




ギューーーーーーーン

 

 

ゴゴォオォオオオ


ヘルマ「…中尉殿、進路指示をよろしくお願いします!」

サーニャ『は、はい。 ぇっと…右へ8度修正、硬度はそのままを保ってください』

ヘルマ「アイマム!」ゴォォオ


サーニャ『…………ネウロイの後方につきました。 あとは追いつければ…』

シャーリー『ヘルマ! 音の壁を突き抜けちまえ!!』ガザ

 
ヘルマ「っ…!(これがうわさに聞く大気圧縮の造波抵抗!? …なんて重い!)」


(美緒『有言実行の精神を示せ、曹長)
(シャーリー『自分の感覚を信じろ』)


ヘルマ「むぐぅ……せ、せんせぃ…っ」


ヘルマ「……やぁああああっ!!!」フィィイン



ギィッッ――――




――ッシュバァアン



ヘルマ「あぐぅ~~!?」ギュ


ヘルマ「~…………?」パチ

ヘルマ「!!! こ、これは…!? まさかこれが、マッハの世界!?」
 

 
ィィイイィイイインッ


ヘルマ「……すごい…で、あります…!!」ポケー






シャーリー「…やったか? ヘルマのやつ」

サーニャ「ヘルマさん、応答してください! そのままだと――」ブゥゥン


――ブワァアアア


サーニャ「きゃっ!?」グラ

シャーリー「っ…!? すっげぇ衝撃! やった、あいつ超音速を出しやがった!!」

サーニャ「で、でもシャーリーさん! ヘルマさん、軌道が少しずれて……このままだとネウロイに衝突はしません」

 
サーニャ「…ヘルマさん! 突撃角がずれてます、下方へ2度修正してください!」


ガザッ


ヘルマ『ひえぇ!? い、今でありますか!? まま待ってくださいっ、上手く挙動が――』

サーニャ「もうすぐネウロイに追いちゃいます…!」

シャーリー「大丈夫。 超音速さえ出ればあのサイズのネウロイは、…ニアミスで十分さ」ニヤ

サーニャ「ぇ?」
 

 

ヘルマ「ぅぅ……もう、これ以上無理に舵は…っ」ゴォォオ


ゴガァァアア゛アァア゛ア


ヘルマ(この子が……ジェットの耐久がもう…!!)

ヘルマ「(しかしこのままではカミカゼアタックが外れてしまう!) や、やるしかっ…!!」ググ


ヘルマ「ん~ん~~~~ッ!!」グググ



ピーピーピーーーー



ヘルマ「ああああっ!! やっぱり安全装置がぁー!!?」ガーン
 

 
ネウロイ「……―!」ビュゥウン




ヘルマ「――わぁあああぁあ! あ、あたってぇーー!!!」パァアッ



ヒュゥウウゥッッッ――



ネウロイ「?」ビュゥウン




ネウロイ「……」


――ッシュブァアン


ネウロイ「!?」ベキャ


ネウロイ「」


バギィイイィン


パラパラ……
 

 

―翌早朝―


基地 ミーティング室


ミーナ「…まさか実験機を随行させた時に限ってネウロイが出るなんて」

バルクホルン「……」

美緒「むぅ…」

シャーリー「ま、でもそのヘルマ本人が“ソニックブーム”で撃破しましたけど」

ミーナ「先日シャーリーさんの監督下で行ったテストで報告された以上の成果ね? これが貴女の言うジェットの使い方かしら?」

シャーリー「んー…はい、そんなとこです」

 
バルクホルン「……リベリアン、貴様には後ほど言いたい事が山ほどある。 今のうちにさっさと安眠してろ」

美緒「おい、バルクホルン」

シャーリー「お? 珍しいな、いつもならその場で問答無用に叱るお前が」

バルクホルン「私と少佐はロマーニャ国境での共同作戦後不休で帰路につき、たった今戻ったばかりだ。 基地のためにもまずは報告を済ませ、休む」

バルクホルン「…お前への叱責は長くなるからな」ギロ

美緒「よせバルクホルン、シャーリーの判断には中佐や…私も納得している。 それにシャーリーを推薦したのは私だ」

シャーリー「いいですよ少佐。 バルクホルンの考えもきっと正しいし、自分の為にも聞いておきます」

 
バルクホルン「…ふんっ、ではこちらの報告は済んだので先に失礼させてもらう。 正午までには起床し任務に復帰する」スタスタ


ガチャ パタン


美緒「……徒に喧嘩はするなよシャーリー?」

シャーリー「なるべく」アハハ

ミーナ「努力して頂戴」ジト

シャーリー「…りょうかーい」

 

エーゲル部屋


ガチャ

バルクホルン「……はぁ(まったく、クリスの手術の件もあって今回の出張は本当に疲れた…)」パタン

バルクホルン「…それによくもまあ、あんな無茶な作戦が成功したものだ。 殆ど少佐がいてくれたおかげだな…」ヨロヨロ

バルクホルン「……」チラ


エーリカ「…zz」スースー


バルクホルン「…しまった(今私が寝てしまったらハルトマンを起こせん…。 どうせこいつは定刻通りには目覚めないだろうし)」ガク

バルクホルン(こいつを今起こすのは無謀が過ぎるだろうし、流石に気の毒だ。 だが起床時刻まで私が起きていられる自信がない。 眠い)

 
バルクホルン「…………仕方ない。 私も定刻通りに起きよう、1~2時間しか寝れないが…」ヌギヌギ

バルクホルン「はぁ…」バサ

バルクホルン「……」モソモソ

バルクホルン「……?」

バルクホルン(…なんだ? なんだかベッドの中が暖かい気がするが……まあいいか。 心地よくて丁度いい、さっさと眠ろう)


バルクホルン「~…zz」スヤァ


モゾ…


ヘルマ「~~……むにゃむにゃ…zz」



【ヘルマちゃんの501生活】~4日、5日目編~

   完であります!

どんどん冗長になる…

あといっかいくらい続くかも

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