美緒「……」
美緒「………しまった、眼帯の下がかゆい…」ピラ
美緒「……ん…~」ポリポリ
美緒「……む、なに? もう始まっているのか!?//」
美緒「っ…、ゴホン!// ……えー、では私から粗筋を話そう。 退屈になるだろうから手短にいくぞ?」
~もっさんのあらすじ~
私はストライクウィッチーズの坂本だ。
先日ミーナの頼みで、諸任務で基地に来ていたヘルマ・レンナルツ曹長の面倒をみることになった。
もう3日目になろうという時だが、なかなかに頑張っているとおもうぞ、うむ。 はっはっはっ!!
美緒「以上」
ヘルマ「さすが大先生! 簡潔至極であります!!」ムフー
ミーナ「……あっちの2人は気にしないで。 記録はここに置いておくから、はい」
【ヘルマちゃんの501生活】~初日編~
ヘルマ「大先生!よろしくお願いします!」美緒「うむ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409987503/)
【ヘルマちゃんの501生活】~2日目編~
ヘルマ「妹先生!よろしくお願いします!」 芳佳「ぅぇえ!?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410609466/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413125722
―朝・第501JFW ロマーニャ基地―
エーゲル部屋
ヘルマ「……zz」
ヘルマ「………zz…んむ……ぁ…」モゾ
ヘルマ「…ゃ………ちがぃま……このシミは……ごはんを…こぼし……zz」ムニャムニャ
ヘルマ「…ちが……ぁ…ゃめ………~」
ヘルマ「~……。 ……?」パチ
チュンチュン――
ヘルマ「…朝……で、ありますか…」ムク
ヘルマ「ん~……」グシグシ
ヘルマ「なんだか、恐ろしい夢を見たような…」
ヘルマ「~~(じかんは――)」チラ
ヘルマ「!!?」
ヘルマ「なっ…!? ちち、遅刻ぅっっ!!!」
基地 野外
美緒「よし、戻るか」
芳佳「はい!」
美緒「今日も1日しっかり過ごすぞ、宮藤!」
芳佳「はいっ、坂本さん!」
『せ、せせっせんせぇーー!!』タッタッタッ
美緒「…ん? レンナルツ曹長か」
芳佳「……なんだか慌ててますね?」
『あぅっ!?』ドシャ
芳佳「あぁ! 転んじゃいましたよ!?」
美緒「砂地だからな、寝起きにあんな走りでは足を取られよう」
ヘルマ「ぅ……ぺっぺっ! 砂が口にっ…」
芳佳「大丈夫、ヘルマちゃん!?」ステテ
美緒「…怪我はないか?」スタスタ
ヘルマ「は、はい……申し訳ありません」
芳佳「そんなに慌ててどうしたの?」
美緒「うむ。 早起きは感心だが、無理のないようにな」
ヘルマ「いえ! は、早起きだなんて滅相もありません!!」シャキッ
芳佳「わっ!?」
美緒「ほう。 まさか昨日に続いて、今朝も訓練に参加するつもりだったのか?」
ヘルマ「はいっ!! 遅れて申し訳ありませんでしたー!!!」
芳佳「……うわぁすごい、向こうの方まで響いてる…」
美緒「そうか、なるほどな。 この朝練は宮藤以外は義務ではない――」
芳佳「えぇ! 私は義務なんですか!?」
美緒「故に曹長の欠席に責はない……が!」
美緒「お前は軍人として、己に課した行動予定を守れなかった。 そうだな?」
ヘルマ「い、イエスマム!!」ビシ
芳佳「え? …坂本さん、それはちょっとかわいそうですよ」
美緒「お前は口を出すな、宮藤」
美緒「……時間の厳守、軍人の基本だ。 だが他人に決められた事、言われた事のみを守って良しとする者は所詮半人前だ、わかるか曹長!」
ヘルマ「わかるであります!」
美緒「そうだな、お前は己の遅刻を認め謝罪した。 確かに自覚はあった」
美緒「…だが口だけで行動に示せない奴は尚悪い、三流だ!!」
ヘルマ「ぁぁ、アイマムッ…!」
美緒「……まだ時間はあるな? よし、お望みの通りの朝練だ曹長。 修正してやる」
芳佳「えぇ!? 坂本さん、私もうできません!」ガーン
美緒「お前は朝食の支度があるだろうが、先に戻れ」
芳佳「あ、はい(よかったー)」チラ
ヘルマ「っ……(大先生のご指導はやはり身が引き締まります!)」ドキドキ
芳佳「……あの、坂本さん? ヘルマちゃんのこと、あまり厳しくし過ぎないようにお願いします」
美緒「ん? はっはっは!」
芳佳「?」
美緒「…心配するな。 別に苛めている訳じゃない」ヒソヒソ
芳佳「は、はぁ…でも」
美緒「よぉーし! ではこの砂浜をダッシュだ!! 何本走るか言ってみろ!」
ヘルマ「…!」ゴクリ
美緒「有言実行の精神を今度こそ示せよ、曹長?」
ヘルマ「イエスマム!」
美緒「無茶をしろとは言っていないからな? 別に1本でも私は構わん。 …が、これは“訓練”だ」ニヤ
ヘルマ「!!?」
美緒「……さあ、何本走りたい? 言ってみろ曹長」
ヘルマ「ぅ……」
芳佳「ヘルマちゃん、10本くらいに――」
ヘルマ「ご、50本やるでありますっ!!!」
芳佳「えぇええ!?」ガーン
美緒「ほぅ…」
ヘルマ「……」
美緒「…………」ジッ
ヘルマ「…ひゃ、ひゃっぽ――」
芳佳「わぁぁあ!!! 50! 50本です!! 坂本さん、ヘルマちゃん今50本やるって言いましたよ!?」ワタワタ
美緒「……そうか、わかった。 50だな?」
芳佳「はぁ~。 もう、坂本さんったら…」ヘナヘナ
美緒「では、スタートはここからだとして――」
美緒「レンナルツ曹長、1本辺りどこまで走るんだ?」
ヘルマ「!!」
芳佳「!?」
美緒「…決めていいぞ?」ジー
ヘルマ「ぁ…。 ……も、…も…」ワナワナ
芳佳「ま、まってヘルマちゃ――」
ヘルマ「勿論、端までであります!!!」
芳佳「ああぁ!! ダメだってぇ~~!!」
美緒「言ったな?」
芳佳「わーわー!! 違います! 違うんです坂本さん!」
美緒「宮藤、お前はさっさと朝食当番に行け」
芳佳「ヘルマちゃん死んじゃいますよぉ!?」
美緒「…だ、そうだが。 どうする曹長?」
ヘルマ「アイマム!! 軍人として、己に課した命は守ります!」
美緒「承知した。 口だけでは三流だからな?」
ヘルマ「ヘルマ・レンナルツ! カールスラント軍人の名誉にかけて、必ずや果たしてみせます!!」
美緒「よぉし!! ならば走れぇぇえ!!!」
ヘルマ「了解でありまぁーすっ!!」ダッ
芳佳「うそぉー!!?」ガビーン
ヘルマ「」チーン
芳佳「……すごい、本当に50本走っちゃった!?」
美緒「甘えを捨て、己に勝つ。 この年からこういう体験を重ねられるこいつは、間違いなく一人前のウィッチになれる」
芳佳「でも坂本さん…」
美緒「宮藤、よく覚えておけ。 本当に己を強く出来るのは己自身だ。 私のしてやれる事など、精々“それ”が出来るよう指導してやるぐらいだ」
芳佳「……」
美緒「というか、お前もいつまでもここにいるな。 当番をサボっていては曹長への示しがつかんだろうが」
芳佳「あ、そうだった!? 急がなきゃ!!」ダッ
タッタッタッ――
美緒「……ふむ」
ヘルマ「」
美緒「……」ヨイショ
美緒「…それ」バシャシャー
ヘルマ「!!? …ガブッ…! ゴボボ!?」
美緒「起きろ、曹長」
ヘルマ「~~ッ、…ケホ! コホッ! ……はぃ」ヨロ
美緒「立てるか? 手を貸そう」
ヘルマ「も、申し訳ありません…」プルプル
美緒「ゆっくりだ、両手を使え」グイ
ヘルマ「……あふぅ…」スク
美緒「うむ、有言実行! よくやったな」
ヘルマ「! こ、光栄であります!!」
美緒「お前は私の教えた中でもなかなか優秀だぞ? わっはっは!」
ヘルマ「~~!!!///(だ、大先生に褒められました!)」ジーン
美緒「…これなら私も安心だ」ウム
ヘルマ「ぃ、いえ! まだまだ自分は…!! 大先生の御叱咤を頂きたいであります!」ピシ
美緒「(むぅ、かわいい奴め)……そうか、そうだな。 お前はまだまだひよっこだ。 あれしきの扱きで足が震えているぞ?」フフ
ヘルマ「アイマム!」プルプル
※一応>>17を訂正↓
――――
――
―
ヘルマ「」チーン
芳佳「……すごい、本当に50本走っちゃった!?」
美緒「甘えを捨て、己に勝つ。 この年からこういう体験を重ねられるこいつは、間違いなく一人前のウィッチになれる」
芳佳「でも坂本さん…」
美緒「宮藤、よく覚えておけ。 本当に己を強く出来るのは己自身だ。 私のしてやれる事など、精々“それ”が出来るよう指導してやるぐらいだ」
芳佳「……」
美緒「というか、お前もいつまでもここにいるな。 当番をサボっていては曹長への示しがつかんだろうが」
芳佳「あ、そうだった!? 急がなきゃ!!」ダッ
タッタッタッ――
美緒「だが曹長、すまんが私が見てやれるのは今日限りだ」
ヘルマ「!!?」ガーン
ヘルマ「……な、なぜでありますか大先生…!? じ、自分が不甲斐ないから…愛想が尽きて…」ウルウル
美緒「おい、泣くな。 違うぞ」
ヘルマ「で、ではなぜ…」
美緒「出張だ、昨日ミーナに言い渡されてな」
ヘルマ「…ぁ、上昇テストの後に呼ばれていた…?」
美緒「そうだ。 ヴェネツィアとの国境に急出現したネウロイの掃討作戦に私の魔眼が必要とのことでな、504と共同で行う」
ヘルマ「す、すごい!! さすが大先生!!//」ムフー
美緒「あそこは未だトラヤヌス作戦からのリハビリ中だからな、私の他に追加で戦力を貸せと言われたらしい。 まぁ、喚いたのは地中海本部のお偉い共だが」
ヘルマ「むむむ、偉いおじさま閣下方は怖いであります!」
美緒「…はっはっは! そうか、怖いか!」
ヘルマ「だ、大先生は平気でありますか!?」
美緒「ふっ、尻で椅子を磨くのに忙しい連中などネウロイに比べればなんてことはない」
ヘルマ「ではネウロイはその……こ、恐いのでありますか…?」
美緒「…なに?」
ヘルマ「!? ぃ、ぃいえ! 失礼しましたっ!」ビシ
美緒「………怖いさ、奴らはいつも私の大切なものを奪いに来る」ボソ
ヘルマ「……!!」
美緒「……話を戻すぞ?」チラ
ヘルマ「あ、あうあう…!? はいぃ!」ワタワタ
美緒「…それでだ。 私の他に協力できるウィッチ、しかも隊長クラスを貸せと言うから中佐も困ったそうだ。 私も外れて、残る大尉以上はミーナとシャーリーだけになってしまう」
美緒「我々にも勿論任務があるし、なにぶん急な話だ。 その2人からの出兵はどうしても無理と中佐は言ったらしいが――」
ヘルマ「……」フンフン
美緒「まぁ、ごねられたそうでな。 …我らが隊長殿が頭痛を押して悩んだ結果、バルクホルンと私の協力で手を打ったということだ」
ヘルマ「え!? バルクホルン大尉でありますか!? ……しかし大尉殿は今本国で極秘の任務中では?」
美緒「(極秘任務? 家族の手術の立ち合いの筈だが)…既に連絡は行っている筈だ。 あいつは作戦決行の直前に合流予定になる」
美緒「私は打ち合わせも兼ねて先に504に合流する(醇子とも会っておきたいしな)」
ヘルマ「…そ、それで私のご指導はこれ限りになると」
美緒「そうだ。 帰りはバルクホルンと一緒に戻るだろうから、曹長のいるうちに戻ったとしても、その時は本来の指導役であるバルクホルンが務めるだろう。 私はここで終いだ」
ヘルマ「…………」
美緒「…どうした?」
ヘルマ「……」
美緒「…?」
ヘルマ「……ぇぐ…っ」グス
美緒「おいおい、どうしてそうなる?」
ヘルマ「ぅぅ……っ…も、もうしわけ……あぅ…」
美緒「今生の別れか? はっはっは! 残念だが私は死なんぞぉ!」ワッハッハ
ヘルマ「っ……。 だ、だいせんせ…ぃ…」グシグシ
美緒「…うむ、なんだ? レンナルツ曹長」
ヘルマ「~っ、……!」ピシ
美緒「……」
ヘルマ「…今日まで、ご指導ありがとうございましたぁ!!!」ペコー
美緒「ん、曹長も残りの任務をしっかりやれ。 あまり力になれなくてすまなかったな」
ヘルマ「い、いえそんな!? 滅相もありません!!」
美緒「引き継ぎの監督者は私の推薦で用意した。 ジェットのテスト任務や私生活は、これ以降そいつの指示に従え」
ヘルマ「了解であります!」ビシ
美緒「ユニットに関しての知識も広く、本人もお前やジェットストライカーにかなり興味を持っている。 私に無い物をいろいろと学べるはずだ」
ヘルマ「は、はい!!」
ヘルマ「……あの大先生、その御方はどなたでありますか?」
美緒「うむ、シャーロット・E・イェーガー大尉だ」
食堂
シャーリー「これ、この皿に盛り付けるの?」
リーネ「あ、はい。 あまり描き混ざらないようにお願いします」テキパキ
シャーリー「りょうかーい。 ……ぃよっと、こんな感じか?」ドチャ
ぐしゃー
シャーリー「……」
シャーリー「…ま、まぁ及第点だよな? うん」アハハ…
芳佳「すみませんシャーリーさん、私が遅れたせいで朝食当番やってもらっちゃって」
シャーリー「別にいいよ。 あたしも腹減ってて早く食べたいし、リーネの指示で動いてるだけだからね」
リーネ「本当に助かりました、ありがとうございますシャーリーさん」
シャーリー「あはは! 偶にはこういうちゃんとした料理体験も楽しいな!」
芳佳「はい! お料理は楽しいですよね!」
シャーリー「…でも次は頼むぞー宮藤? やっぱりあたしには、こういうの似合わないみたいだからさ」
芳佳「ご、ごめんなさい…」
シャーリー「あははは! まぁでも、あたしが言えた口じゃないか。 サボりは得意だし」ポリポリ
芳佳「そうなんですか!?」
シャーリー「昔はね、好きなことしかやらない奴だったよ。 …ほら、これ持ってってくれ」スッ
芳佳「あ、はい。 ……へぇ~、シャーリーさんしっかりしてそうなのに…」スタスタ
リーネ「なんだか、なんでも出来るイメージですよね?」
シャーリー「えー? あたしが? …ふふ、そりゃいいな」クスクス
リーネ「ほ、本当ですよ!? ……なんていうか、その…私なんかより…」
シャーリー「はは、嬉しいけどさリーネ? そういう言い方はやめた方がいいよ」
リーネ「ぁ…ごめんなさい」シュン
シャーリー「リーネはあたしより凄いとこ、いっぱいあるだろ? こんなに料理も上手いし」
リーネ「そ、そんな…//」
シャーリー「リーネのおかげであたしらも日々癒されてるんだからなぁ~? うんうん、和む」ナデナデ
リーネ「ぇ、そうなんですか…?」
シャーリー「そう」
芳佳「リーネちゃんは可愛いし優しいからね!」ヒョコ
リーネ「きゃ! 芳佳ちゃん!?」ビクッ
芳佳「これで配膳は終わりかな?」
リーネ「う、うん…」
シャーリー「よーっし! そんじゃ食うぞー! 皆まだ来ないけど先いいよな?」
芳佳「多分そろそろ坂本さんと……無事ならヘルマちゃんが来ると思いますけど」
リーネ「それじゃあ、ふたりの飲み物用意しなきゃ」パタパタ
シャーリー「無事ならって…….なんかあったのか? あのチビっこ」
芳佳「えーっと、それが――」
スタスタスタタッ
ヘルマ「――!! 発見しました!」ザッ
シャーリー「お? なんだなんだ?」
芳佳「ヘルマちゃん!」
ヘルマ「イェーガー大尉!!」ビシッ
シャーリー「…え、あたし?」
ヘルマ「本日から先生代行、よろしくお願いします!!」ペコー
芳佳「えぇ!?」
シャーリー「…? ………あ、もしかして監督役のこと?」
ヘルマ「肯定であります! 大先生から、イェーガー大尉殿に御役目を引き継がれたと伺いましたっ!」
シャーリー「……大先生?」チラ
芳佳「あ、坂本さんのことみたいです」
シャーリー「少佐? …ふ~ん、であたしがその代行かぁ」
リーネ「芳佳ちゃんも先生なんだよね?」クス
芳佳「ぁ…あはは、なんでかね?」
ヘルマ「大尉殿の貴重なお時間を頂くことになり、恐縮至極であります!! このヘルマ・レンナルツ曹長、全身全霊で任務に従事する所存です!!」
シャーリー「んー、まぁ昨日あたしも少佐から話は聞いてたよ。 よろしくな」スッ
ヘルマ「!?」
シャーリー「…? どした? 握手だよ」
ヘルマ「っ……!」フキフキ ゴシゴシ
シャーリー「……」
ヘルマ「…し、失礼します!//」ニギ
シャーリー(お硬い奴だなぁ、誰かと違って可愛げはあるけど)
シャーリー「んで、そのさ? 監督ってなにすればいいのかな? ジェットストライカーのテストに付き合ってればOKなの?」
ヘルマ「テスト任務も、そらから生活面においても、今後は大尉殿の指示に従う様にと命を受けました!」
シャーリー「マジで? …そっかぁ、どうすっかなぁ~」ポリポリ
ヘルマ「あ、あの……もしかしてご迷惑でありましたか…?」
シャーリー「ん? あー違う違う、大丈夫だよ。 そこまでやるって聞いてなかったからさ」
ヘルマ「はあ…」
シャーリー「ん~、てことは日がな付きっ切りでいればいいのか?(ユニット調整出来ねぇや…)」
ヘルマ「ど、どうかよろしくお願いします」ペコペコ
シャーリー「……まいいか、とりあえず今日はそれでいこう! とにかく飯だ、腹が減ってもうヤバい!」グー
芳佳「そうですね。 シャーリーさん、飲み物はミルクでいいですか?」
シャーリー「サンキュー宮藤! ほらヘルマもこっち、隣座れって」ガタ
ヘルマ「は、はい!」ステテ
シャーリー「先ずは楽しく飯でも食って、親睦を深めるぞー!」アハハ
ヘルマ「し、しかし食事中の雑談は行儀がわるいので――」
シャーリー「いいってそんなの」
ヘルマ「ですが、軍人の食事時間というのは規律に――」
シャーリー「あはは、大袈裟だなぁ」ケラケラ
ヘルマ「き、聞いてください!?」ムー
――――
――
―
シャーリー「へぇー、じゃあ近くに川とかあったの? …ハグッ」モグ
ヘルマ「はい! …んもぐもぐ……魚もいっぱいとりぇまひた!」ムシャムシャ
芳佳「……ヘルマちゃんって結構流されやすいよね?」
リーネ「う、うん。 そうだね?」
シャーリー「――ん? イチゴ食べないのか? あたしが貰っちゃうぞ?」ス
ヘルマ「あっ!? ダメです! ダメであります!! これは最後に食べるために取って置いてるのです!」
シャーリー「そっか~、………てい!」ヒョイ
ヘルマ「あーーーっ!!!」ガガーン
シャーリー「あっはは、冗談冗談! ほら、アーンしてみ?」
ヘルマ「ぅぅ……ひどいであります…」
芳佳「…なんだか可愛いね?」
リーネ「うん、ルッキーニちゃんが増えたみたいだね?」
芳佳「あ、それなんか分かる!」
リーネ「……ここにルッキーニちゃんも混ざったら凄いことになりそう」
芳佳「すっごく楽しくなるね!」
ステテテテッ
ルッキーニ「うじゃー! お腹すいたー!!」ステテーン
リーネ「!」
芳佳「わ、すごい! 噂をすればルッキーニちゃん!?」
ルッキーニ「よーしか、リーネ! おはよー、朝ごは――……にゃ?」ピク
シャーリー「ごめんって、な? お詫びにあたしのイチゴもあげるからさ、ほらア~ン!」チョイチョイ
ヘルマ「…………ぁ、あー…んむ」パク
ヘルマ「~…、ぁりがとうございます…//」モグモグ
シャーリー「ん、仲直り♪ …うまかった?」
ヘルマ「は、はい。 とっても//」モグモグ
シャーリー「ぅ、そっか…。 ……なあ、あたしも一個だけ食っていい?」ソー
ヘルマ「ダメです! 大尉殿は今さっき自分の分を譲ると言いました、よってこれは自分が全部食べちゃうであります!」パクパク
シャーリー「あっ、ちくしょ! ずるぞヘルマ!?」
ヘルマ「もぐもぐ…~ずりゅくはりまひぇん!」モゴモゴ
キャイキャイ――
ルッキーニ「…………」
芳佳「……り、リーネちゃん?」チラ
リーネ「う、うん。 これは予想外だったね…」
ルッキーニ「っ…」
芳佳「…ルッキーニちゃん、そのぉ…あ、あのね? 坂本さんが今日出かけちゃうから、シャーリーさんが代わりに――」
ルッキーニ「……むぅ~~~っ!!」ムスー
芳佳「!?」
ルッキーニ「シャーリーはあたしのぉーー!!」ウジャ
>>43 訂正
シャーリー「あっ、ちくしょ! ずるぞヘルマ!?」 → シャーリー「あっ、ちくしょ! ずるいぞヘルマ!?」
宿舎 廊下
ヘルマ「待っていてください中尉~、今日こそは起きていただきます!」ズンズンズン
シャーリー「……無駄だと思うけどなぁ」スタスタ
ルッキーニ「んーー」ギュー
シャーリー「…あのさルッキーニ、流石にちょっと歩きづらいんだけど?」
ルッキーニ「んーシャーリー、あたしにもイチゴ食べさせて」
シャーリー「おいおい、なに拗ねてんのかと思ったら妬きもちかよ?」
ルッキーニ「いーからぁ!//」コレ!
シャーリー「……仕方ないな、甘えんぼめ」ヒョイ
ルッキーニ「あ~~~」アーン
シャーリー「ア~ン、…それ!」ポイ
ルッキーニ「んっ! んん~♪//」モグモグ
シャーリー「うまいか?」
ルッキーニ「おいしー! シャーリーの味がする♪」
シャーリー「…そ、そりゃどうも」
ルッキーニ「もいっこあるから、シャーリーにもあげる!」
シャーリー「お、優しいなぁルッキーニ?」
ルッキーニ「にひひ、あーんして!」
シャーリー「…え、マジで? あたしも?」
ルッキーニ「うん!」
シャーリー「………よし、オッケ…。 それじゃ――」コホン
ルッキーニ「あーーんっ!」
シャーリー「んあ~~~」アーン
ヘルマ「おふたりとも!! なにをしてるでありますか!?」
ルッキーニ「にゃ?」
シャーリー「パクッ …~~どうしたヘルマ?」モグモグ
ヘルマ「基地の廊下で食べ歩きなど、軍人の行いではありません!! ましてやおふたりは尉官というお立場! みんなの手本として――」
シャーリー「……へぇー、バルクホルンみたいなこと言い出したぞ!?」
ルッキーニ「…むー、ヘルマ邪魔しないでよ」ムス
ヘルマ「!?」
ルッキーニ「べーーだっ!」ベー
ヘルマ「なっ…!?」
ルッキーニ「シャーリー♪」ダキ
シャーリー「あーあー、こりゃ重症だ」ヨシヨシ
ヘルマ「少尉! イェーガー大尉はあなたの上官でありますよ!? 失礼な態度は改めてください!」
ルッキーニ「うじゅあ~」ギュー
ヘルマ「…むぅー! 注意をまるで聞いていない……この方はハルトマン中尉以上の問題人であります!!」グヌヌ
シャーリー「いいんだよ、ヘルマ」
ヘルマ「よくありません!」
シャーリー「いや、いいんだってば。 ルッキーニとあたしは基本こうだし、あたしらみたいなミックスチームは多少自由が利く方が上手くいくんだよ」
ヘルマ「し、しかし大尉…!」
ルッキーニ「ヘルマだって軍曹なのにあたしらに命令してるじゃん! たいどを改めよーっ!」
ヘルマ「……!!?」
ルッキーニ「人のふり見て我がふり…直せ~?」チラ
シャーリー「なんで疑問系なんだよ」
ルッキーニ「…あってる?」
ヘルマ「……な、なんというジレンマ…! 上官への態度を戒飭することが規律を破っているなんて…!?」ワナワナ
シャーリー「ヘルマ、騙されてるぞ」オーイ
ヘルマ「ぇ?」
シャーリー「…お前もあんまり虐めないで仲良くしろよ」
ルッキーニ「うじゅ……ごめんなさぁい」
シャーリー「とりあえずハルトマンのところ行くんだろ? さっと終わらせてやる事やっちゃうぞ」
ヘルマ「……」
シャーリー「? …どうしたんだよ?」
ヘルマ「――……!! そうです! ルッキーニ少尉、自身の態度が不適切なあなたにそれを指摘する義はありません!! 騙したでありますねっ!?」ビシィ
ルッキーニ「にゃ~、ヘルマめんどくさい…」
シャーリー「……」
エーゲル部屋
ヘルマ「中尉! 起床であります!」バタンッ
シャーリー「…うひゃあ、相変わらず凄いなこん中」スタスタ
ルッキーニ「うじぁ! お菓子落ちてる!」ヒョイ
シャーリー「絶対食うなよルッキーニ、戻しておけ」
エーリカ「…zz」
ヘルマ「中尉起きてください! 起床であります!」
エーリカ「ん~、…あと40分……」モゾ
ヘルマ「起床であります!!」
エーリカ「……じゃあとはちじゅ――」
ヘルマ「起床であります!!!」クワッ
ルッキーニ「ヘルマうるさーーい!!」
シャーリー「お前もだ」
エーリカ「………~~…私よりサーニャンの方がよく寝てるから、そっちに行ってよぉ…」モゾゾ
ヘルマ「もう騙されません! リトヴャク中尉はナイトウィッチなのでこの時間の就寝は許可されているであります!!」
エーリカ「……でもエイラのベッドで寝てるよ、人のベッドで。 ほら軍規違反ぐんきいはーん、いってらっしゃーい…」ヒラヒラ
ヘルマ「むふふん、甘いですね中尉!! それは私が既に修正済みでありまぁす!!!」ドヤ
シャーリー(うわぁ…マジ?)
エーリカ「………くそぉ~…」モゾモゾ
ヘルマ「くそーではありません! 同じ隊の仲間を売るなんて、見損ないましたよ!?」バサッ
エーリカ「………んー、もうなんでもいいからほっといてぇ…」
シャーリー「ハルトマン、ぶっちゃけもう目覚めてるだろ?」
ヘルマ「当たり前です! 朝ですからっ!!」
シャーリー「いや、まぁ……うん」ポリポリ
エーリカ「……エーリカはまだねむぃ~」バタバタ
シャーリー(子供が増えた…)
ルッキーニ「ん~、あたしもねむくなってきちゃった……」チラ
ルッキーニ「!」
ルッキーニ「…バルクホルンのベッドで寝てみよー!」ステテ
ルッキーニ「うじゅ~、ふかふか」バフッ
ルッキーニ「…………にゃ? …なにこれ?」クンクン
ヘルマ「眠くても起きる、それが規律であります! さぁ!!」
エーリカ「……zz…」グー
ヘルマ「寝ないでくださーいっ!!」プンスカ
シャーリー「すげぇ…バルクホルンで慣れてるからか? エンジンの側で眠るルッキーニといい勝負だ」
ヘルマ「なんですって!? そんな場所で居眠りなんて軍規違反ですよ!?」
シャーリー「………忙しいなぁヘルマ」
ヘルマ「なにを他人事みたいに!? 大尉殿も怠らずに、しっかりと注意をですね――」
ルッキーニ「…しゃーりぃ~」クイクイ
シャーリー「お? どうしたルッキーニ、鼻なんかつまんで?」
ヘルマ「あ、また! 私の話を聞いてください!」
ルッキーニ「バルクホルンのベッド、なんかくちゃい」アッチ
ヘルマ「――!?」ピクッ
シャーリー「は? …臭い?」
ルッキーニ「……なんかオシッコが乾いたにおいがする…」
シャーリー「ぇ…」
ヘルマ「!!? ///(そ、そんな!? 今朝のズボンにそんな嫌悪感は――…! まさか、寝てる間に乾いて…!?)」
ルッキーニ「ばっちぃー」ギュー
シャーリー「おい、ばっちぃまま抱きつくなっての。 洗ってこいよ」
シャーリー「……でも変だな、バルクホルンの奴は2日前からいない筈だろ?」
ヘルマ「~~っ /////」
シャーリー「つーか…プククッ! あいつがオネショとか……ククク…、流石に……あっははは!」ケラケラ
ルッキーニ「ホントだってばぁー! あれ絶対オシッコだよぉ! 誰かオネショしたよ!?」
ヘルマ「ぁ…、ぁの…… ///」
シャーリー「んなわけないだろ。 ハルトマンはあっちで寝てるし、ルッキーニ以外は皆自分の部屋で寝るんだから」
ルッキーニ「あたしじゃないもーーんっ!!」
シャーリー「いや、そうは言ってないって」スタスタ
ヘルマ「!!」
シャーリー「……だいたい、本当にオネショなんか――」ジー
ヘルマ「!? あ、あぁ!! 大尉、待ってください! 後生ですから!!」ダッ
シャーリー「…んん? なんだこのシミ? ……まさか――」
ヘルマ「わぁあぁああ!! テスト! もうテスト任務の時間であります!! 行かなくてはイェーガー大尉、御指導をお願いしますっ!?」グイィィイ
シャーリー「ぐぅえっ!? …な、なんだよヘルマ? ハルトマンはもういいのか?」
ヘルマ「いいです! 諦めます! ですから早く、この場を離れましょう!? お願いします!!!」
ルッキーニ「そだね、くちゃいし」
ヘルマ「く、くく臭くなどありませんっ!!/////」
シャーリー「???」
滑走路
シャーリー「よーし、それじゃスピード測定始めるか」
ルッキーニ「にぇー、またあのストライカー…?」
シャーリー「今度のは大丈夫だろ、少なくとも前みたいなことにはならない筈だよ」
ルッキーニ「うじゅ~~、シャーリーは履かないでね?」
シャーリー「わかってるって」スッ
シャーリー「…準備はいいか、ヘルマ?」
ガザッ
ヘルマ『アイマム! 準備万全であります!』ガザザ
シャーリー「スペックでは900ちょっとまで出るってことだけど、いけるとこまで飛ばしてくれ」
ヘルマ『了解であります!』
シャーリー「測定機範囲の都合もあるから、あんましのんびり加速すんなよー」
ヘルマ『あ、アイマム!』
シャーリー「(頼むからマッハは超えないでくれよ~! 公式レコードになっちまう)……オッケー、始めるぞ?」
ヘルマ「ッ……」ゴクリ
シャーリー『レディ、…ゴー!』
ヘルマ「ジェットツヴァイ、いきますっ!!」フィィイン
ゴァアォオオァア
ビュゴォオオオオンーー
シャーリー「…………やっぱすげぇな…」
ルッキーニ「ん~」
シャーリー「もう600ぐらい出てんじゃないか?」
ルッキーニ「うん。 ……いま700キロ超えたよ」ジー
シャーリー「機動力もとんでもないな、エネルギー量は多分相当あるぞ?(これはウィッチが干涸びる訳だ)」
ルッキーニ「…800キロいっちゃった」
シャーリー「そりゃ行くよ。 まだまだあと100以上伸びるって言うんだから」
ルッキーニ「! …シャーリー、止まっちゃったよ!?」
シャーリー「は? マジで!?」チラ
ルッキーニ「ほら、この辺から上がんない」クイ
シャーリー「あ~れ、おっかしいなぁ。 あたしと変わんないじゃん」
ルッキーニ「バルクホルンのが速かったよね?」
シャーリー「まぁ、あっちは使用者が使い捨てになってたけどな。 ……ヘルマ、ストップ! いっかい止まってくれー」カチ
――――
――
―
ルッキーニ「搭載量テスト~」ウジュー
シャーリー「よーし、まずは想定スペックの重量分で1セット。 問題なければ追加のウェイトユニットを取りに戻ってくる、OK?」
ヘルマ「アイマム!!」ズッシリ
シャーリー「……にしても、ホントにこんだけ重装備して飛ぶってんだからなぁ~」ペラ
シャーリー「――ん!?(…これ、二種装備がなんかおかしくないか…?)」
ルッキーニ「ヘルマはっしーん!」ビシー
ヘルマ「ラジャーであります!!」ゴォォオ
シャーリー「…あ、おい! 勝手に出るなって!」
――――
――
―
ルッキーニ「旋回そくてい~」ウジュー
シャーリー「ここまで期待値以上の結果が出てないなぁ、目玉の最高スピードも悪いし。 …旋回率は特に期待できないかなー」
ヘルマ『大尉! 位置につきました!』ガザッ
シャーリー「オッケー、ちょっと待ってろ? ……コーナー担当、準備はいいか?」
ペリーヌ『何故わたくしがこんな雑用を…』
シャーリー「少佐がいないから暇かなと思って」
ペリーヌ『わたくしを何だとお思いになっていますの!!?』
シャーリー「あははは、ごめんごめん。 献身的に協力してくれたって少佐には言っとくからさ?」
ペリーヌ『……もぅ、今回だけですわ』
シャーリー「…んで――」カチ
シャーリー「おーい、もうひとり~! 始めていいか?」
エイラ『…ワタシがいる意味あんのかコレ、旗持って突っ立ってるだけだろ? ていうかルッキーニがやれよなー』ガザ
シャーリー「そうぼやくなってエイラ」
エイラ『でもなー』
シャーリー「……しかたないな。 サーニャ?」チラ
サーニャ「はい」
シャーリー「よろしく」スッ
サーニャ「…エイラ、見てるから頑張って」ポソ
エイラ『!! ……マカセトケー!!』
シャーリー「ふう、やれやれ。 サーニャ、ペリーヌ達の距離は?」
サーニャ「はい、約1000メートルです(…ねむい……)」フィィイン
ルッキーニ「ねぇねぇ、なにすんのー?」
シャーリー「ハチの字旋回だよ、徐々にターニングポイント〈ペリーヌとエイラ〉を縮めてくんだ」
ルッキーニ「ふーん、アレちゃんと曲がれんの?」
シャーリー「ん~まあなぁ、ジェットには一番の難所になるとは思う」カチ
シャーリー「……お待たせヘルマ、ターン距離1キロからだ。 旋回測定始めるぞ?」
ヘルマ『イエスマム!!』
―夕方―
ハンガー
シャーリー「なんやかんやで全部やれちゃったな。 ヘルマ、お疲れ」
ヘルマ「はぁ…ぜぇ……あ、ありがとうございましたぁ~…」
シャーリー「…けどまぁ、どれもこれも機体想定値に届いてないな」ペラ
ヘルマ「も、申し訳ありません…」
シャーリー「真面目だなー、別にヘルマが謝ることじゃないのに」
ヘルマ「あ、いえ! 申し訳ありませんっ」
シャーリー「あはは、よしよし」ギュ
ヘルマ「はぶぅっ!? //(おお、おっぱいが当たるであります!?)」ムギュ
シャーリー(…んー。 性能を発揮する前に安全装置が作動するってことは、スペック通りに飛ぶと機体かパイロットに相当負荷がかかるってことだよな?)ナデナデ
シャーリー「……期待してたのに、結局前と同じか」ポンポン
ヘルマ「~~///(ぁ~…なんだろう、故郷のお母さんを思い出す…)」
シャーリー(いや、でも待てよ? ……もしかしたらジェットストライカーって――)
ヘルマ「…ぉ……お母さん…~//」トロォ~
シャーリー「…なぁヘルマ、ちょっとジェットの中身見せてもらうよ?」
ヘルマ「はぃ~……。 …――」
ヘルマ「……え?」ピク
――――
――
―
ヘルマ「だ、ダメであります大尉! 無許可でそんなこと…!!」
シャーリー「平気だって、蓋開けるだけだから。 中は弄らないよ」カチャカチャ
ヘルマ「いえ、そういう問題では――」
シャーリー「“お母さん”に任せな~って♪」カチャカチャ
ヘルマ「はぅ!? /////」
ヘルマ「そ、それはその……あの…申し訳ありませんでしたぁ!! ///」ペコー
シャーリー「いいけどさ~、あたしまだ17だぞ~? ……おし、開いた!」ガコ
ヘルマ「いっいぃいえ、あぁ…決してそういう意味ではなく~!! なんと言いますか、えと…母上みたいに柔らかかったので――あっ! いや柔らかいってのは別におっぱいがどうとかではなく~…あわわわ///」アセアセ
シャーリー(へぇー、こんな感じになってんのか! ……魔道エンジンは特注って訳じゃないんだな)ジロジロ
シャーリー「…うわぁ、なんだこれ?(強度を上げてるのか、フレームの補強がゴテゴテで凄いことになってる…。 見えないとこはやっぱテスト機なんだなぁ〜)」サスサス
ヘルマ「――し、しかし大尉のおっぱいが硬いと申しているわけではなくっ…もちろん柔らかかったのですが、えっと……あのあのぁあぁぁあ〜〜!!? ///」
シャーリー(噴流式の原理はわかるけど、これであんなにユニット内の圧が上がるのか? 多分この辺の問題が悪さしてると思うんだけど――)
シャーリー「…う〜〜ん、やっぱ見るだけじゃなんにもわかんないな(ていうか弄りたい)」
シャーリー「……よし! ヘルマー?」
ヘルマ「くぁwせdrftgyふじこlp ///////」プシュー
シャーリー「…………おーい」
――――
――
―
シャーリー「やばい、少し緊張する…」ドキドキ
ヘルマ「イェーガー大尉! どうしても履かれるのですか!?」
シャーリー「やっぱり自分で飛んでみないと分からないからね? 今ならルッキーニは飽きて眠ってるし、実はあたしコレ履いてみたかったんだよ」
ヘルマ「しかし中を覗いただけでなく、勝手に履いて飛んだとなれば大変な問題になるであります!」
シャーリー「平気だろ、あたしは航空指導役で先生代行なんだから。 手本をやるだけだって」ヒラヒラ
ヘルマ「!? …な、なるほど!!」ガーン
シャーリー「ぇ…?」
ヘルマ「流石です大尉殿! 自分が浅はかでした!!」ビシッ
シャーリー(なんだろ、バルクホルンみたいにツッコミがないと違和感あるな…)
シャーリー「…ま、まぁいいか。 それじゃヘルマは速度メーターよろしくな?」
ヘルマ「了解であります!」
シャーリー「よし…、いくぞ!」ダッ
スポッ
ゴォオォオアァア
シャーリー「……すげぇ、なんだこりゃ!?」フィィン ピョコ
ヘルマ「大尉ー! 大丈夫でありますかー!?」
シャーリー「おー! すこしピリピリするけどいけそうだー! こいつはマジで900以上出そうだなー!?」
ヘルマ「わ、私はさっき出ませんでしたぁーっ!!」ガビーン
シャーリー「スピードに乗るのにはコツがあるんだぁー! 見てろー!?」
ヘルマ「!! …アイマームッ!!(イェーガー大尉の御教授であります!)」ピシッ
シャーリー(このジェットストライカーが本当に1000近くまで出るんなら、あとはあたしの固有魔法で音速超え出来るはず!)
シャーリー「……よっしゃあ! シャーロット・E・イェーガー、ジェットストライカー発進るぞっ!!」フィィン
ガシャンッ
ゴォオオォオオ
ヘルマ「大尉ー! ファイトでありまぁーす!」ステテー
基地上空
シャーリー「…うし。 初速は緩やかに、いい感じだ」ゴォオ
シャーリー(ここからスロットルを上げていって――)フィィイン
ボボボォオ――
シャーリー「ッ!!?」グンッ
――ゴァァアァアアッ
シャーリー(ぐっ!? 殺人的な加速だ…!!)
シャーリー「……でもこれなら、また超音速の世界に――」
ゴォオオォオオ
シャーリー(…この感じ、もう800は超えてる。 あと一押し!)
シャーリー「……いっけぇえーー!!!」フィィイイン
ピーーー
シャーリー「!?」
ゴォォォ……ォ…
シャーリー「えっ、……マジ? まさか止まった!?」
ヘルマ『大尉! 時速910キロから速度が落ちてます!』ガザッ
シャーリー「………ちっくしょ〜、ダメだったかぁ」ガク
ハンガー
シャーリー「…そんじゃ、一応これでヘルマの任務は終了かな?」
ヘルマ「アイマム! なんという手際!! 流石であります!」ビシ
シャーリー「あはは、頑張ったのはお前だろ?」
ヘルマ「き、恐縮でありますっ!!」
シャーリー「まぁ、結果は多分技術者達にとって面白くないことになったけど……そこはテスト機だし」
ヘルマ「は、はぃ…」ショボーン
シャーリー「……あのさ、ヘルマはコレ履いてネウロイを撃墜したことあるんだろ?」
ヘルマ「…肯定であります。 自分達“ハルプ”は全員実験機を使用しているので…」
シャーリー「みんなジェットなのか?」
ヘルマ「い、いえ……ジェットストライカーのテストパイロットは私だけではありませんが、先輩方の中には他の開発に関わっている方もいるであります」
シャーリー「…じゃあレシプロとも編隊組んでるってこと?」
ヘルマ「はい」
シャーリー「ふーん、なるほど。 ……そういうことか」
ヘルマ「…?」
シャーリ「…とりあえず、報告して向こう帰るまでヘルマはまだ時間あるよな?」
ヘルマ「え? あ、はい! ウルスラ中尉殿が立ち会って最終テストもするそうですが」
シャーリー「だとしても迎えが来るまで1日か2日はあるってことか…」
ヘルマ「? …あの、大尉殿??」
シャーリー「ん? ああ、ごめん。 あたしは中佐の所に報告しに行くから、ヘルマはあがっていいよ!」
ヘルマ「は、はい…。 では――」ピシッ
ヘルマ「ご指導ありがとうごさいましたぁ!!」ペコー
通信室
ヘルマ「――でありまして、イェーガー大尉殿の見事な采配でなんと残りのテスト項目を全て消化してしまったんです!!」
『…………』
ヘルマ「…でも、なんだか最後の方では難しい表情で考えごとをしていた様子でした。 いったいなんだったのでしょう……バルクホルン大尉殿はなにかお分かりになるでありますか?」
バルクホルン『……ヘルマ曹長』
ヘルマ「はいっ!」
バルクホルン『…貴様は何故あのリベリアンの傘下に入っているのだ?』
ヘルマ「はい! 忙しい大先生の御身に代わって、ご指導していただきました!」
バルクホルン『……』
ヘルマ「やはり、同じ501部隊でバルクホルン大尉殿と同階級に並ぶ方であります! 大変勉強になりました!!」
バルクホルン『……どうしてだミーナ、私は…奴だけは絶対に駄目だと…』ブツブツ
ヘルマ「大尉殿? …申し訳ありません、お電話が遠いのかよく聞き取れませんでした」
バルクホルン『…………曹長。 私が戻るまで、決して毒されるなよ?』
ヘルマ「?」
バルクホルン『敵は侮れん奴だ、くれぐれも油断するな、いいか? 絶対に奴の真似はするな!!』
ヘルマ「(…私ごときが大尉達のように成るには、まだまだ早いということですね!?)……はいっ!! 勿論であります!!」
バルクホルン『そうか、…ならいい』
ヘルマ(大尉達に少しでも近づけるように、明日もイェーガー大尉にご指導をお願いするであります!)ムフー
バルクホルン『…私は明日の午後にヴェネツィア国境まで向かい、少佐と共に共同作戦に参加する。 予定通り行けば次の日には基地に戻れるだろう』
ヘルマ「了解であります! ……しかし大尉殿、極秘の任務の方はよろしいのですか?」
バルクホルン『ああ。 ……無事に、成功した! 術後の経過も順調で言うことなしだっ!』
ヘルマ「おお! おめでとうございます!!」
バルクホルン『ありがとう。 …少し後ろ髪を引かれる思いはあるが、取り敢えずは作戦に集中できそうだ』
ヘルマ「恐縮ながら、健闘をお祈りさせていただきます!!」
バルクホルン『ああ。 …曹長も私が帰るまで居るかわからないが、残りの時間も気を抜くなよ?』
ヘルマ「了解であります!」
バルクホルン『ふふ、ではここでの電話も最後だ。 ミーナやハルトマン達によろしくな』
ヘルマ「はい!」
バルクホルン『……おやすみ、曹長』ポソ
ヘルマ「お、おやすみなさいませっ!!//」
――ブツッ
ヘルマ「……//」カチャン
ヘルマ(…おやすみを言う時のバルクホルン大尉のお声、ちょっとドキドキするであります!)
ヘルマ「…ぁ……いえっ、違います違います!! そういうリビドーとかではなく、私は健全な意味でぇ〜!//」ブンブン
ヘルマ「――!? あぁ! しかしもう大尉と夜の電話ができない! ……ということはもう “おやすみ、曹長” も聞けないでありますか!?」ガーン
ヘルマ「むむむ〜! く、悔しい…! 悔しいであります!!」ジタジタ
ペリーヌ「……ちょっとヘルマさん。 独りで喚いていないで、終わったのならさっさとおどきなさい」
【ヘルマちゃんの501生活】~3日目編~
完であります!
無駄に長くなってしまった
そのうち続くかも
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