男「アニメの世界に入ったのか!?俺は!?」 (472)

学校

男(朝日が眩しい教室の窓辺。そして、その周りで談笑に花を咲かせる美少女たち。)

主人公「ふぁぁ……眠い」

幼馴染「もう、だらしないアクビしてぇ」

幼馴染「また、夜更かししてたんでしょう」

主人公「しょうがないだろ?撮り貯めしてたアニメを消化してたんだから」

ツンデレ「うわ、きっもち悪い……そんなんだからアンタはモテないのよ!」

主人公「うるせー、モテなくて結構だ」

男(羨ましいだろ?)

男(校内1位2位を争うレベルの美貌を備えた女の子たちがこの2-C組に集結しているのだ。)


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シャイ「そ、そんな……。主人公さんはも、モテてると思います」

主人公「ん?何か言ったか?」

男(しかし、残念なことに、ここから俺がいくら彼女たちに猛烈アタックをかましても彼女たちは決して振り向かないであろう。)

男(見ての通り、彼女たちの心は既にある一人の男に奪われてしまっているからだ。)

男(なにそれ?どこのハーレムアニメ?)

男(そう、ここはハーレムアニメの世界なのである。)

男(そして、俺はこの世界の人間ではない。)

不良「」イライラ

男(寝不足なのは彼だけではなかった。)

男(この見るからに人をおつまみ感覚でパシリ扱いして、暴君の如く弱者を苦しめそうな容姿をしたこの男。)

男(ハーレムアニメに相応しくない要素てんこ盛りの彼も俺と同じで”現実”からやってきたのである。)

不良「……るっせぇ」

男(彼の堪忍袋の緒は釣り糸よりも細く、なにより脆い。)

後輩「せんぱ~い☆おっはようございま~す!!!!!!!!」ガラガラ ドン!!!!!!!

不良「」ブチッ

不良「あぁああ!!!!!!!朝からピーピー喧しいんだよ!!!!!!!!!!!」

不良「コ○スぞ!!!!!!!!!!!!」

後輩「」

シャイ「え……えっと」ウルウル

不良「あぁ?」

シャイ「ごめんなさい」シクシク

主人公「おい!そんな言い方ないだろ!」

不良「おぉ、やるか?」イライラ


チャラ男「お~やってるねぇ」

男「大丈夫かアイツ」

チャラ男「いいんじゃない?ほら、何かいい感じにチンピラキャラになってるし」

男「そうだなぁ。いや、良くない気がするんだが」

後輩「」

チャラ男「君、大丈夫?」

後輩「え?あ、はい」

チャラ男「ごめんねぇ。驚かせちゃって」

チャラ男「アイツ、悪いやつじゃないんだよ。うん、ただ眠かっただけなんだ」

後輩「はぁ」

チャラ男「ところでさ、君って一年生だよね?」

後輩「はい、そうです」

チャラ男「やっぱり、前から気になってたんだぁ!」

チャラ男「君、めちゃタイプなんだけど」

男(主人公がチンピラと奮闘する中、隙を見てヒロインの一人を口説こうとするハーレムアニメの悪の権化のようなこの男。)

男(もちろん、こちら側の人間である)

不良「お前、いけすかねぇんだよ」

主人公「俺だって、アンタみたいな不良は嫌いだ。できれば関わりたくないんだが」

不良「だったら、決着つけようや。ぼっこぼこにしてやるからよ」

ツンデレ「アンタねぇ!自分が気に入らないからって」

主人公「いいよ。それで、お前の気が済むのならな」

主人公「だけど、その代わり……クラスのみんなを怖がらせるような真似は」

イケメン「はいはい。二人ともそこまで」

不良「んだよ。邪魔すんな!!」

イケメン「まぁまぁ」

イケメン「ごめんね。何か迷惑かけちゃって」

イケメン「ちょっと、声のボリュームを落としてもらいたかっただけなんだよ」

イケメン「コイツ、頼み事とかするの苦手だからさっ」ハハハ

シャイ「……」グスン

イケメン「怖がらせちゃったね。だけど、もう大丈夫だよ?」ニコッ

男(……主人公の見せ場を奪い去るムードクラッシャーなこの男も”現実”から来た人間である)

男(そして、何故、こんなことになったのかと言うと)

魔女「おっはよー!」

男(……何もかもコイツの責任だ。物語のヒロインの一人であるこの女が珍妙な魔法を行使して我々を召喚したのだ。)

男「おはよう」

魔女「お、やってるねぇ!」

男(彼女の一族には古くから伝わる究極の召喚魔術というものがあった。)

男(たったの一度きりしか使えないその魔術は、術者の願いを叶えるために精霊を召喚するというものだ。)

男(本来ならば彼女の願いを叶える最良の精霊が召喚されるはずであったのだが)

男(彼女はヘマをした。召喚に必要な詠唱を一文すっとばし、最良でも精霊でもなんでもない我々を召喚してしまったのである。)

男(ちなみに、その願いとは)

魔女「どう?他の子から主人公くんを切り離してくれた?」

男(主人公を独り占めしたいというなんともワガママなもの……)

男「いや、そんなことするわけないじゃないか」

魔女「えー!なんでー!契約違反でしょ!」

男「何がだよ!」

魔女「一年間、私のために全身全霊を捧げるって契約でしょう!?」

男「昨日、散々言っただろう?俺達はそんな契約してないし、お前のミスでこっちに引っ張られただけなんだ」

魔女「えーっ!でも、手伝ってくれてもいいじゃない!」

男「まぁ、俺は気楽に高校生活を楽しませてもらうよ」

魔女「そんなぁ……だけど、他の人は私のために頑張ってるよ?」

後輩「せんぱ~い☆何か、変な人が執拗に絡んでくるんですけどー!!!!」

チャラ男「いいじゃん!もうちょっと話そうよ!センパイより楽しいぜ?俺」

シャイ「……」グッスン

イケメン「……ほら、もう二人共仲直りしてるから、ね?」

不良「ちっ」

主人公「ふんっ」

男「……いや、アイツら別にお前のためにしてるわけじゃないと思うが」

魔女「そうなの?」

魔女「そうは見えないけど」

チャラ男「あー!待ってよー!ホントに俺、退屈させないからー」

後輩「しつこい!!」

男(わぁ……デフォルメ化使いこなしてる)

――


昼休み

不良「もう、帰っていいか」

イケメン「まぁまぁ、そう言わずに」

不良「面倒くせぇんだよ。なんで、また高校生しなきゃらなねぇんだ」

イケメン「仕方ないよ。学校へ行く代わりにアパートの部屋を借りれたわけだし」

不良「そんだけの金があるなら、あの野郎を金で釣ればいいだろうが」

チャラ男「うまくいかないから俺らを呼んだんでしょー?」

イケメン「彼女が求めてるのは彼の心だよ。お金でなんとかなる問題ではないと思う」

不良「けっ、なにが心だ。お前も何かアニメのヤツみたいな事いうな」

男「別に好き勝手やればいいと思うぜ?俺達は謂わば被害者なわけだしな」

男「いきなり、こんなとこに呼ばれて恋愛を手伝えだの、そんな義理はねーよって話だ」

男「むしろ、俺達のためにアイツが何かすべきだと思うがな」

イケメン「だから、こうして学校へ通えるようにしてくれたじゃないか。住む場所だって」

男「それは当たり前のことだろ。それに、学校へ通えるようにしたことに関してはいらないおせっかいだしな」

チャラ男「俺はもう一回高校生になれて嬉しいぜー?可愛い子だっていっぱい、いるし」

チャラ男「おまけに、その可愛い子たちはみんなアニメのキャラだぜ?これは願ってもないチャンスだと思わない?」

不良「キモいんだよ、お前。そんなもんで現抜かすのは根暗だけなんだよ」

イケメン「俺達がここに来たのが彼女のミスにしても、やっぱり、俺は手伝ってあげたいな」

男「なんで?」

イケメン「だって、可哀想だろ?たった一度しか使えない魔法を失敗してしまったなんて」


チャラ男「言っておくけど、俺はあの子を手伝うつもりだぜ?」

チャラ男「ヒロインたちとラブラブ出来て、あの子は主人公とラブラブできて、、完璧じゃん!」

不良「なら、勝手にしろよ。気持ち悪い」ガタッ

イケメン「何処へ行くつもり?」

不良「帰る」

イケメン「君はどうするんだ?」

男「え、俺?」

男「ま、まぁ、どう足掻いても1年はここに居なきゃならないんだし……」

男「手伝ってやっても……いいかな?」

イケメン「……そうか。ありがとう」ニコッ

男(おぉ……アニメの絵でこれじゃぁ”現実”でも相当なイケメンだなコイツ)

アパート

男「というわけで、ちょっとした会議を」

魔女「いえーいえーい!!」パフパフ

男(どっから持ってきたそのパーティーグッズは)

魔女「みんな!私のためにがんばってくれる気になったんだね!お姉さん、感動だよ」グスン

チャラ男(普通に歳上なんだけどなぁ……)

イケメン「正直、俺はここの世界についてあまり詳しくないんだ。だから、まずはざっとその説明をして欲しいかな」

チャラ男「おっけー!まかせろ!大人気アニメ○○??はみなさん知っての通り」

男「いや、知らない知らない」

チャラ男「ヤレヤレ系主人公くんが数多の女の子に惚れられイチャイチャしたりするラブコメディだ!」


チャラ男「物語は高校一年生から始まる。ファンの間では前半戦なんて言われてますね」クイッ

男「おーい、眼鏡してたかお前」

チャラ男「前半戦は主人公とヒロインたちとの出会いが中心でどういった経緯で主人公にヒロインたちが魅了されていくかが描かれています!」

チャラ男「そうですね!先生!」

魔女「うむ、そのとおりじゃ」

イケメン「……君、ホントはこっち世界の人なんじゃないの?」

チャラ男「そして!!ファンの間でも絶大な人気を誇るのが後半戦!!高校2年編だぁ!

チャラ男「簡単に言えば主人公は一体、誰と結ばれるのかー!っていう話です」

チャラ男「そして、俺達が来たのはその後半戦の一話目だ」

チャラ男「メインヒロインの魔女ちゃんが一度きりしか使えない究極の召喚魔法を使うんだけど、失敗して気持ち悪いモンスターを呼び寄せちゃって」

チャラ男「学校中は大騒ぎって話だったんだけど」

イケメン「モンスターでなく、何故か我々が呼ばれてしまったというわけだね」

男「まぁ、一人、気性の荒いモンスターは混じってたがな」」

男「それにしても、意外とアニメに詳しいんだなぁお前」

チャラ男「まぁね~。こういうのを知っておくだけでちょっとオタクな女の子はチョロいのなんのって」

男「あぁ、なるほど……」

魔女「それで、結末は!?誰と結ばれるの!」

チャラ男「誰ともくっつかないよ?」

魔女「がぁああん!!」

男「人が石になるの初めて見たな……」

イケメン「どうして、誰とも結ばれなかったのかな?」

チャラ男「まぁ、選べなかったんだろうね~。みんな可愛いし」

チャラ男「だから、結局、俺はみんなが好きだー!で終わっちゃったわけ」

チャラ男「ファンの間でも賛否両論はある」

イケメン「つまり、このまま何もしないでいると」

イケメン「魔女ちゃんにとって最悪の結末を迎えると……」

魔女「はぁ……なんか、主人公くんらしい選択だよ……」

男「ある意味で召喚は成功かもな」

イケメン「どういうこと?」

男「いや、だって今後、物語がどう進むかわかるだろ?コイツがいれば」

チャラ男「……そう、俺には未来が見えるのだ」

男「その、いちいちウザいリアクションやめてくれ」

チャラ男「えー!なんでー!これ、おもしろいじゃーん!」

男「あぁ!もう!デフォルメ化すんな!」

魔女「未来がわかる……」

男「そうそう、だから、他のヒロインがいい感じになりそうな展開を回避できるかもしれないってことさ」

イケメン「先回りするんだね」


男「で、どうするか」

チャラ男「あぁ、確かクールちゃんのお話がちょっと続いたような」

男「だれだ?」

チャラ男「教室の一番前の席の無口な子」

チャラ男「あの子が主人公に本格的に惚れるのは後半戦からなんだよ」

イケメン「それを阻止すればいいのか」

男「で、どうやって惚れたんだ?」

チャラ男「えーと……確か、放課後、教室で二人きりになって」

チャラ男「あれ、なんだっけな」

男「おいおい、しっかりしてくれ」

チャラ男「いやぁ、なんかクールちゃんの過去の話とか色々あって」

チャラ男「……わすれちった」

男「要するに放課後、二人きりにしなければいいんだろ?」

チャラ男「うむ」

男「よかったな。これで恋敵を一人減らせるぜ」

魔女「う、うん」

男「なんだよ。嬉しくないのか」

魔女「何か、クールちゃんに悪いことしてるようで」

チャラ男「そう?惚れるきっかけを無かったことにするだけじゃん」

魔女「そ、そうだよね!うん!」

男「お前さ、遅かれ早かれ他の女のキモチを踏みにじることになるのを忘れるなよ?」

魔女「や、やっぱり……そうなるよね」

男「ま、結局は主人公が選ぶことだけどな」

魔女「うん」

チャラ男「御膳立てはしてあげるから~。あとはガンバ!!」

チャラ男「ついでに、他の子に俺の魅力をたっぷり伝えておいてね!!もう、めちゃアゲといてね!」

イケメン「……」

男「どうした?」

イケメン「いやぁ、不良のことなんだけど」

男「放っておけよ。アイツのやりたいようにやらさればいいじゃん?」

イケメン「いや、そこが……問題なんだけど」

男「?」

イケメン「ここは現実の世界ではないもう一つの世界……」

イケメン「ここで、何しようとも1年経てば元の世界に戻れる……」

チャラ男「あっははは……犯罪の限りを尽くしても一年経てば無罪ってことか」

男「……いやぁ、笑えないなぁ」

男「何かしでかしそうだなぁ……」

魔女「えええ!!それはまずいよ!!ちょっと部屋見てくるね!!」

男「いや!女一人で行くのはもっとやべーよ!」

――


男「アパートの部屋は俺の隣の隣だ」

チャラ男「絶対、ヤバイって……」

イケメン「入るよ!!!不良!」ガチャッ



不良「あ?」

イケメン「な、なにしてるのかなって」

不良「……飯作ってんだよ」

男(すまん!不良!)

不良「つうか、何しにきた!!そもそも、勝手に上がりこむとはなんだよ!テメェ!!!!!」

チャラ男「いやぁ!これは防犯上のなんとやら」

不良「そうか、俺が何かやらかしてんじゃねぇかって思ったわけか」

イケメン「……すまない」

不良「いや、別にいいけどよ」

魔女「不良君!」

不良「なんだよ」

魔女「学校、明日も来るよね?」

不良「いかねーよ。馬鹿か」

男「お前もいい加減、諦めろよ。コイツの好きにさせてやれよ」

魔女「学校、楽しいよ!保証する!」

不良「行かねーって!!」

魔女「……私の責任だから」

魔女「こうなったのも……だから、せめて!楽しい思い出くらいは!」

不良「どうして、こうもお前の頭ん中はお花畑なのかねー」

不良「余計なお世話なんだよ!!楽しい思い出だ!?んなもんいらねーよ!!」

魔女「だけど……」

イケメン「不良……」

不良「部屋を借りてくれたのは……ありがてーがよ」

不良「……もう、いいだろ。帰ってくれ」

バタンッ

チャラ男「あちゃー、めちゃ怒ってたねぇ」

イケメン「……悪いヤツじゃないと思うんだ」

男「こっちに召喚されたのが相当、気に食わないらしいな」

魔女「……」

不良(こんなことしてる場合じゃねーんだよ……)

不良(こんなことしてる場合じゃ……)

不良「くそ!!!!!!!!!!!」

不良「学校……んなもんどーでもいいんだよ……」

不良「俺には……」

不良「くそ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

――


深夜

不良の部屋

魔女「こんばんわー」

不良「zzz」

魔女「こんばんわぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

不良「わぁああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」ガバッ

不良「……んだよ」

魔女「あの……ちゃんと、謝ろうと思って」

不良「いいよ、そんなもん。お前が謝っても……しょうがねぇよ」

魔女「ですけど、迷惑かけたみたいだし」

不良「……一年も拘束されるんだ。迷惑にも程がある」

魔女「……そうですよね。自由にしたいですよね」

不良「そんなんじゃねーよ!馬鹿が」

不良「俺には金がいるんだよ」

不良「一年も……稼げないなんて」

魔女「……」

不良「俺にはよ、高校生の弟がいるんだよ」

不良「俺と違ってめちゃくちゃ頭いいんだぜ?昔からそーういうやつだった」

不良「……大学だってすんげぇいいところ行けそうなんだぜ」

魔女「すごい!自慢の弟さんですね!」

不良「……だが、アイツは進学する気は無いって言ったんだ俺に」

魔女「どうしてですか!?」

不良「……金だよ」

不良「幼いころに親父を亡くしてな。母親と俺と弟の三人暮らしだった。」

不良「おふくろの収入だけを頼りに今まで生きてきたんだ。」

不良「だけど、今は違うんだぜ!?俺が仕事に就いて稼ぎも増えた!」

不良「それに、奨学金だって借りれるんだ。金ならなんとかなる!」

不良「そう言ってるんだが、アイツは聞く耳もたねぇんだよ」

不良「俺とお袋に働かせて自分だけ大学なんて行けないってな」

魔女「……」

不良「だから、もっと働いて、アイツに安心しろ!って言ってやりてーんだよ俺は!!」

不良「アイツは……弟は!ホントは大学へ行きたいんだからよ!!」

魔女「あの……」

不良「……だから、もう放っておいてくれ」

魔女「えっと……昨日、言い忘れてたんですけど」

不良「……なに」

魔女「こっちの世界で1年過ごしても不良さんの世界に戻ったときには」

不良「……なんだよ」

魔女「ほんの一瞬の出来事というか……実際、一秒も経ってないと言いますか」

不良「それって……つまり」

魔女「はい!不良さんが気にしていることは大丈夫だと思います!!!!!!」

不良「……お前」

不良「先に言えよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

隣の部屋

チャラ男「はっ!!!!!!!!!俺、失踪扱いなんじゃ!!!!!!!つか、デートの約束!!!!!!!!」

更に隣の部屋

男「ああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

男「会社どうなるんだよ!!!!!!!!!この歳になって露頭に迷っちまうのか俺は!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

――



教室

後輩「せんぱ~い☆おはようございま~す!」キラキラ

主人公「朝から、教室くるんじゃねーよ」

後輩「いいじゃないですか~☆せんぱ~い!」キラキラ

チャラ男「うらやまちぃ!僕もセンパイ☆って呼んでもらいた~い!」

チャラ男「で、無視と」

男「どーでもいいけど、さっきからキラキラしたのが全部こっちに飛んでくるんだがよ……」

イケメン「それにしても、ホントの人気だね。主人公って」

チャラ男「おぉ、イケメンの心に火がついたか!?」

イケメン「いや、ついてないけどさ」

不良「うっす」ガラッ

男「おいおい、どういう風の吹き回しだ?」(このセリフ……二次の俺の今なら絶対様になってるよコレ)

不良「あぁ?」

男「いや……お、おはよ」

不良「まぁ、色々あってな」

不良「俺もこの世界をのんびり楽しむとするわ」

イケメン「そっか」

後輩「もぉ~センパイ☆ってばぁ!!もっと構ってくださいよぉ」キラキラ

不良「テメェ、ちょっとどいてくれ」

後輩「はぁあ?」

不良「あぁ?」

後輩「」ガクブル

主人公「なんだよ。また喧嘩か?」

不良「いや、そーじゃねぇ」

男「おいおい、来て早々なにやらかす気だ?」

不良「昨日は悪かった」

不良「俺も余裕がなくて気が立っててよ……すまん」

主人公「そっか」

主人公「いいよ。許す」

後輩「はぁあ!?センパイ、こんなの許しちゃうんですかぁ!?」

主人公「あぁ」


後輩「なんでー!?」ガビーン

チャラ男「意外と素直なやつじゃん」

イケメン「やっぱり、根はいいやつなんだよ。アイツ」

男「そうだな」

不良「はぁ……」ガタン

イケメン「おつかれ」

不良「あのチビ、うぜーんだよ」

イケメン「まぁまぁ」

男「さて、クールの件だけど」

イケメン「具体的に何をすればいいんだろうね」

男「チャラ男にもっと詳しい情報を」

男「ってアレ?いない?」(そして、お決まりの点線シルエット!)


クール「」ペラッ

チャラ男「君、読書好きなの?」

クール「……」

チャラ男「俺は文字読むの苦手なんだよね~。あ、でも漫画とか読むよ」

クール「そう」

チャラ男「何か読みやすい本とかない?君、詳しそうだし」


男「……もう、アイツ一人に任せたらいいんじゃねえか?」

イケメン「あはは……かもね」

チャラ男「」トボトボ

イケメン「戻ってきた」

チャラ男「話にならん!!!!!!!」

チャラ男「アイツ耳ついてんのかよ!!!!!!!!!!!!!」

男「落ち着けよ」

チャラ男「あぁああ!!!相手が俺じゃなくて主人公だったらホイホイ股開くんだろうな!」

男「だから、落ち着けって」

チャラ男「落ち着いてられるかよ!!!!!!」ドッカーン

男「お前、ホントに使いこなしてるよなこういうの」(噴火してるぞー)

イケメン「別に口説かなくても、主人公と二人きりにさえしなければいいんだしさ」

チャラ男「俺は納得いかないねー」

チャラ男「面白く無いじゃん」

不良「阿呆が」

チャラ男「せっかく、アニメの世界に来たんだぜ?ヒロインの1人や2人、攻略したいだろー?」

男「まぁ……確かに?」(所謂、二次元美少女とお近づきになれるのは良い。めちゃ良いじゃん)

男「けど、無理無理。主人公の存在が大きすぎるって」

チャラ男「だから、アイツに惚れてないクールちゃんを狙ってんだろー」

男「なるほど、頭いいなお前」

不良「シカト決め込む女の何がいいんだか」

チャラ男「誰だっていいんだよーだ」

チャラ男「要は、ヒロインをゲットしたっていう地位がほしいんだよ、おれっち」

男「最低だな、お前」

イケメン「俺もそういうの嫌だな」

チャラ男「まぁまぁ、見てなさいよー」

チャラ男「俺の生き様を!!!」ザッパーン

イケメン(火山の次は波……)

ちょっとひとくぎりします

――


授業中

男「」キョロキョロ

チャラ男「zZZ」グー

男(うわぁ……鼻ちょうちんだ)

男(しっかし、教室で授業を受けるなんて久しぶりだなぁ)

男(黒板に、机に椅子、何もかも懐かしい)

不良「」カキカキ

男(ほぉ、真面目にノートとってやがる。不良っつっても見掛け倒しかよ)

男「」ニヤニヤ

不良「……」イライラ

不良(アニメだか、なんだか知らねぇが……そういうのすっげぇわかりやすいんだよ!)

不良「おい、お前。後で覚えてろよ」

男「」

男(主、主人公は何してんだろうなぁ)

主人公「ZZZ」グー

男(まぁ、そーだよなぁ)

幼馴染「こら、起きんか」テイ

主人公「ってーな……勘弁してくれぇ」

男(あぁ……はいはい)

男(そういえば、ツンデレって席、どこなんだろ)

男「」クルッ

イケメン「どうした?」

男「ツンデレの席ってどこ?」

イケメン「……」

男「そっか、わかんねーか」

男「あんな、奇抜な髪色してんのになんで見当たらねーんだろうな」

イケメン「……君の前の席だよ」

男「えっ」

男「」クルッ

ツンデレ「……奇抜な髪色で悪かったわね」

男(あぁ……灯台下暗しってやつか)

男「……」

ツンデレ「何か用事でもあるワケ?」

男「……いや、別に」

ツンデレ「ふんっ。後ろでコソコソうわさ話しないでくれる?気持ち悪い」

男「あ、はい」

ツンデレ「ふんっ」クル

男「」

男(何か、いい感じじゃないかコレ?)

男(いや、わからんけど何かラブコメっぽかった気がする)

男「これって、脈あり?」クルッ

イケメン「いや……ないと思うんだけど」

――

休み時間

チャラ男「ふぁ~、やっぱり、こっちの授業もダリィなぁ」

男「意外と普通に授業してるよな」

チャラ男「せっかくだしさぁ、授業中も面白くしたいよねー」

イケメン「どういうこと?」

チャラ男「何かアニメっぽいこと」

男「意味がわからん」

チャラ男「何かないかねー。これじゃぁ、普通の高校生と変わりないじゃ~ん」

不良「普通で問題あんのかよ。大体、てめえは」

後輩「せんぱ~い☆」ガラガラトー゙ン!!!!!!

不良「……」

後輩「センパイ☆と私の幸福の10分が始まりましたよー☆」

後輩「センパ~イ!!!!!!」

不良「……あの、クソアマ」

イケメン「まぁまぁまぁ」ガシッ

不良「いちいち、うるせーんだよ!!!!!!あのキンキンした声がよ!!」

男「あれだ!仕方ねーってコレ、アニメだし!」ガシッ

不良「あのドアの開け方だって気に入らねぇ。上級生の教室にありゃねぇだろ!!」

後輩「何してるんでんすかー?プロレスの練習?」キョトン

不良「おう、テメェ練習相手になれや」

後輩「きゃー☆こわ~い!センパ~イ助けてぇ」

主人公「知らん!」

チャラ男「すげーなぁ。ホントいい感じだよ。完全にチンピラとしてキャラ確立してんじゃん」

不良「」ドス

チャラ男「ごっふぁ!!!!!!!」

イケメン「じ、地面にめり込んでる……頭が……」

男「死んでないよな!?大丈夫だよな!?」

――

放課後

不良「んじゃ、帰るわ」

チャラ男「おいおい、待てよぉ」

不良「んだよ」

チャラ男「クールちゃん作戦どーすんだよぉ」

不良「俺は興味ねぇって」

イケメン「そっか、気が向いたら手伝ってくれ」

不良「気が向いたらな」スタスタ

男「学校へ来たから、てっきり手伝ってくれるもんかと思ってたんだが」

チャラ男「よくわかんねー、ヤツだよなー」

男「で、お前も教室に残るのか?」

魔女「え?私?」

イケメン「魔女ちゃんは主人公と居たほうがいいんじゃない?」

魔女「そう?」

男「アイツはお前に任せるから」

男「教室に近づかないようにな、頼むわ」

魔女「うん、わかったよ!」

教室

クール「」ペラッ


男「家で読めよ……なんで、教室に残って読書すんだよ」

チャラ男「教室にいないと二人きりになれないじゃん?」

男「あぁ……そっちの都合ね」

イケメン「で、俺達はどうする?」

チャラ男「へっへーん。退屈するだろうと思ってトランプ持ってきた」

男「ほぉ、昔よくやったな。大富豪とか」

チャラ男「ジュースかけたりとかねー!」

男「で、何賭けるよ」

チャラ男「ビリがクールちゃんとお話、とかどうよ」

男「うひょー!そういう罰ゲームも懐かしいな!!」

チャラ男「でしょでしょー!?あれって凄い盛り上がるよなー!」

男「女子に”キモい……”とか言われたりしてなぁ!」

チャラ男「話かけるんだけど、話題を全く考えてなかったり!」

男 チャラ男「ぎゃーっはっはっはっは」

イケメン「何か、気乗りしないな……」

チャラ男「んだよー。こういうのも青春だろー」

男「ノリが悪いなぁ」

イケメン「悪ノリは良くないよ」

チャラ男「ま、いいから参加しろって」

ギャー ワー

クール「……」

男「おい!そんなルールしらねーよ!!!!!」

チャラ男「はぁ!?大富豪やったことある!?ちみ」

男「それ、ローカルルールだろ!!」

チャラ男「違うし!!だったらお前のさっきの飛ばすヤツだって意味不明だろ!」

男「いやいや、公式だから!!」

チャラ男「はぁあああ!?」

イケメン「まぁまぁ」

クール「」スタスタ


男 チャラ男「え?」

イケメン「な、なにかな」

クール「……もう少し、静かにしてくれないかしら」

イケメン「ごめん」

男「読書なら家ですればいいだろ?」

イケメン「男!」

男「わざわざ、教室に残ってすることでも無い気がするんだがなー」

男「図書室だってあるのに」

クール「……そうですね」

イケメン「それは、俺達がとやかく言うことではないよ」

男「そうか」

チャラ男(あれ、何かっぽいシーンを見た気が)

イケメン「場所だったら、俺達だってここでする必要はないんだし」

チャラ男「いや、俺達はク」

男「ま、確かにそーだな」

イケメン「トランプなら別の場所でしよう」

クール「……」

イケメン「邪魔して悪かったね」

クール「……いえ」

――

廊下

全員「」

チャラ男「どーすんの!?教室から出ちゃったよ!?」

男「あんな事、言われたら出て行くしかねーだろ」

男「なぁ、イケメン」

イケメン「すまない……」

男「どういうつもりだよ。俺はアイツを追い出すつもりで言ったのによ」

イケメン「君のやりたい事はわかってたけど……あの子がちょっと可哀想で」

男「お前さぁ、良い奴なのはわかるけど。もうちょっと合理的に動けねぇか?」

イケメン「……すまない」

男「ま、うるさくしてしまった俺が言うのも何だけどな」





チャラ男「で、どーする?見張る?」

イケメン「……」

男「主人公の方へいこうぜ」

男「何か、居づらいわここ」

チャラ男「そ、そう?」

イケメン「うん、そうしよう」

チャラ男(やな雰囲気だなぁ)

――

あぁ、お察しの通り書き溜めしてないのでご了承ください!

――


主人公「え?甘いモノが食べたい?」

魔女「うん!だからさ、どっかよってかない?」

魔女(みんな頑張ってくれてるんだもん!私だって頑張らなくっちゃ!!)

主人公「う~ん」

魔女「ほら!駅前のお店!あそこのパフェ凄く美味しそうなんだよ!」

主人公「まぁ、別にいいけどさ」

魔女(やったー!)

ツンデレ「ふ~ん。パフェ食べに行くんだ」

魔女「げげっ」

ツンデレ「げげってナニよ!」

ツンデレ「私もいこうかなぁ」

魔女(えー……)

主人公「お、来るか?」

魔女(えー!!!)

幼馴染「じゃぁ、私もいこうかなー!」

魔女「なんでこーなるの!!」

主人公「いいじゃん。みんなで行ったほうが楽しいし」

魔女「そ、そーだけど」

喫茶店

魔女「」

ツンデレ「あら、美味しいじゃない。ここのパフェ」

魔女「そ、そーだねぇ」

主人公「たまにはこーいうのも悪くないなぁ」

幼馴染「食べ過ぎ注意よ。これで、晩御飯食べれませーんとか言ったら許さないんだから」

主人公「へいへい」

ツンデレ「まだ、幼馴染に晩御飯作ってもらってるの?」

主人公「弁当もな」

ツンデレ「ふ、ふーん。そろそろ、自炊できるようになったら?」

主人公「やだよ。面倒くせぇし」

幼馴染「ほんっとしょうがないんだから」

魔女「」

魔女「わ、私が作ってあげよーか?」

幼馴染「なっ!」

ツンデレ「アンタ、料理できるの?」

魔女「え?まぁ、そこそこ」(料理なんてしたことないよー!!)

幼馴染「べつにいいわよー。ほら、コイツに作ってやってんのはついでなんだし」

幼馴染「一人分増えたところで手間は変わらないのよっ」

主人公「だそうだ」

魔女「そ、そう」

主人公「」

主人公「けど、魔女の作った料理、ちょっと食ってみたいかなぁ、なんて」

魔女「ホント!」

魔女「それじゃ!こんd」プルルルル

魔女(なー!!!こんなときに電話!?きーっ)

――


チャラ男「あ、もしもし。オレオレー」

魔女『なんですかー……チャラ男さん』

チャラ男「今さぁ、どこにいんのー?」

魔女『駅前の喫茶店です』

チャラ男「主人公と一緒」

魔女『はい』

チャラ男「おぉ!やるじゃん!放課後デートってやつ?」

魔女『いえ……2人きりではないんですよ』

チャラ男「あぁ、そっか!だけど、いいじゃん!一歩前に進んだってことでね!がんばー!」

魔女『はい!頑張ります!って何で電話かけてきたんですか?』

チャラ男「えっと、色々あって作戦変更。今からそっちいくねー」

魔女『えー!!困りますー!』

チャラ男「なんで?」

魔女『だってせっかく、主人公くんと喫茶店に来てるのにー』

チャラ男「俺らが雰囲気盛り上げるじゃん!ほら、他のヒロインから切り離してあげるって」

魔女『え!ホントですか!助かりますぅ!』

チャラ男「は~い!そんじゃぁ」

チャラ男「いざ!駅前へ!!」

男「ちょっと待て」

チャラ男「え~なに~?」

男「アイツ、上手くやってるんだろ?俺ら必要なくないか?」

イケメン「確かに」

チャラ男「いいじゃんか!他のヒロインもいるんだよ?合コンじゃんこれ!」

イケメン「だけど、主人公たちとあんまり話したことないしさ。いきなり、押しかけるのは気まずいんじゃない?」

チャラ男「こまけぇことは気にすんなだよ!」

男「ま、これを機に仲良くなれたらそれでいいか」

チャラ男「そうそう!」

――


ツンデレ「お友達?」

魔女「え?あ、はい!同じクラスの」

ツンデレ「ふ~ん、誰?」

魔女「チャラ男さんたちです!今からこっちに来るって」

ツンデレ「うげぇ……嫌よ。あんなチャラチャラした男」

魔女「そ、そんなことないですよー!とっても良い人です」

幼馴染「ていうか、知り合いだったんだ」

魔女「はい!」

主人公「俺、あんま喋ったことないんだけど……」

魔女「とってもフレンドリーな方たちなんで!大丈夫ですよ!」

主人公「そっか」

ツンデレ「たち……って他にも来るの!?」

魔女「はい!男さんとか」

ツンデレ「却下」

魔女「ええええ!」

――


チャラ男「~♪」

男「これって、もうほとんど合コンだよな!だよな!?」

イケメン「どうかな……」

チャラ男「いやぁ、楽しみだねぇ」

男「はじめから、クールの方じゃなくて主人公を止めてればよかったんだなぁ」

男「あぁ言う何考えてんのかわかんねーのは苦手だし」

イケメン「そういえば、結局、主人公はなんで教室に残ってたの?」

チャラ男「あぁ、それは忘れ物して教室に取りに戻るんだよ。確か」

男「忘れ物ねー」

男「……いや、それまずくないか?」

――


主人公「なっ!ない!」

魔女「なにがですか?」

主人公「俺のケータイ!」

幼馴染「もう、なにやってんのよ!教室に忘れたんじゃないの?」

主人公「多分、いや絶対そうだー……」ガーン

主人公「わりぃ、ちょっと取りに行ってくるわ」

魔女「えー!!わ、私も」

主人公「いや、いいよ。すぐ戻るから」

魔女「え、でも」

主人公「んじゃ!行ってくる!」タッタッタ

魔女「あ……」

魔女(どうしよ……チャラ男さんたちケータイ持ってないし)

魔女(連絡手段が……)

魔女「……」

幼馴染「だ、大丈夫?」

魔女「お構いなく……」

――


男「おいおいおい!魔女に連絡いれろよ!引き止めておけって!」

チャラ男「公衆電話ボックスさっきのとこしかないって!」

チャラ男「あ!駅前なら2箇所くらいあるよ!」

男「それ、店に入った方がはええじゃねーか!!」

イケメン「戻ろう!」

男「間に合うのかよ」

イケメン「わからないけど……とにかく、戻るしかないよ!」

廊下

不良「あぁあ、ノート忘れちまった」

不良(せっかく、高校生活をやりなせるんだ……ちっとは賢くならねぇと)

不良「柄にもねぇことしてんなぁ俺ァ」ガラッ

教室

クール「……?」クルッ

不良「ん?居残り勉強か?」

クール「……違います」

不良「んじゃぁ、何してんだよ」

クール「……読書」

不良(読書か……つーことはコイツ頭いいやつなのか?)

不良「」スタスタ

クール「……」

クール「」ペラッ

オ アッタアッタ

不良「おい、お前。頭いいか?」

クール「……?」

不良「ちと、教えてもらいたいとこあんだが、いいか?」

クール「……え??」

タッタッタ

男「い、息がぁ……」ゼェゼェ

チャラ男「ちょ、ちょっと休憩しない?いや、マジで」

イケメン「もうすぐなんだから!がんばれ!!」

廊下

主人公「」


男「おい!教室の前!!アイツだ!」

チャラ男「っしゃー!!やろう!ひっ捕らえてやる!!」

主人公「……え?」

ドガシャーン

主人公「いったたた……なんだよお前ら」

チャラ男「すまん、つい本能で飛び込んじゃった」

主人公「ウシかよ!」

男「よーし、んじゃ教室入るか」

主人公「ちょっと待った」

男「え?」

主人公「俺も忘れ物してさ、戻ってきたんだけど……」

主人公「ほら、アレ見てみろよ」

全員「?」

クール「……そう。そこに代入するの」

不良「あぁ、そういうことか。んじゃぁ、これは公式?ってやつか」

クール「……」コクリッ

クール「覚えておかないとダメ」

不良「んだよ……忘れたら終わりじゃねーか」

クール「大丈夫……初めはノートを見ながら解けば……」

不良「おう、そうするわ」カキカキ



主人公「……入り辛くないか?」

イケメン「……確かに」

男「何してんだよ……アイツ」

チャラ男「ライバルが一人増えちまったな」フッ

後輩「あー☆センパイはっけ~ん!」ピョーン

主人公「おわっ!!」

ガラガラドン!!!!!!!!


不良「あ?」

後輩「探しましたよーセンパイ☆」スリスリ

主人公「どいてくれ……重いから……マジで」

主人公「お前らも見てないで助けろ!」

男「いや、いいんじゃない?」

主人公「何が!!!!!」

不良「お前ら、何してんだよ」

男「お前が何してんだよ!!!!!!!!!!!」

不良「なにって勉強だよ」

男「はぁあ!?」

不良「せっかくだから真面目に勉強してんだよ!悪いか!!」

イケメン「ううん。凄くいいと思う」

チャラ男「保険体育のか?」

不良「」ドス

チャラ男「ハグァ」

男「天井に!!天井に刺さってる!!大丈夫か!?生きてるよな!?」

イケメン「君が手伝えない理由って」

不良「まぁ、そういうことだな」

不良「昔は馬鹿やってたけど、今はちげぇ」

不良「また……一年だけだがこうして高校へ通えるチャンスができたんだ」

不良「ちょっと、がんばってみようかと思ってよ」ヘヘッ

イケメン「そうか、うん!俺も応援するよ」ニコッ

主人公「携帯、やっぱりここだったか」

後輩「センパ~イ☆今からどうします?2人で放課後デートしません!?きゃーっ」キラキラ

不良「勉強の邪魔だ。とっと、けぇれ」

後輩「ふん!ばーか!ばーか!」

不良「てめぇも天井にぶら下げてやろうか?あぁ?」

後輩「」ガクブル

――

帰り道

主人公「アイツ、真面目なんだな」

男「確かになぁ、授業中も真剣にノートとってるだぜ?」

チャラ男「短気だけどねー」

後輩「そーですよ!あれは猛獣とかそっちの類のヤツです!」

主人公「なんか、誤解してたよ俺。アイツの事、ただの嫌なヤツだと思ってたけど」

後輩「せんぱぁい!?」ガーン

主人公「ちょっと、見方が変わったな」

イケメン「うん、それは良いことだね」

後輩「騙されてるだけですよー!猛獣に知識が備わる何てとんでもねーですよ!」

男「お前、絶対チクってやるからな」

後輩「やめでぇえええ!!!!!」ドタバタ

男(うわぁ、可愛いし面白いなぁ。すげーアニメっぽい)

男(いや、アニメか)

チャラ男「すんごい鼻の下伸びてるよ」

男「げっ!マジ!?」

チャラ男「”お前、絶対チクってやるからな”の後からそりゃもうすんげー」

男「」

チャラ男「おぉ!男が真っ白に!」

主人公「あぁああ!!!!!!!」

主人公「喫茶店!!忘れてた!!!!!!!!!!!」




喫茶店

ツンデレ「遅いわね」

魔女「……うん」

幼馴染「アイツ……忘れてんじゃないでしょうね」イライラ

ツンデレ「いや、絶対そうよ」イライラ

――




教室

不良「お、もうこんな時間かよ。んじゃ帰るか」

クール「」コクリ

不良「わりぃな。付きあわせちまって。今度、なんかお奢るからよ!」

クール「い、いえ……そんな」

不良「まぁ、気ぃ使うなって」

クール「」コクリ

不良「ん、お前帰らんのか?」

クール「え……帰ります」

不良「あぁ、戸締まりとかしないといけねぇな」

――

チャラ男の部屋

チャラ男「なんだったかなぁ……クールちゃんが教室で読書してた理由って」

チャラ男「なんか、あった気がするんだけど……」

――




『ただ、友達が欲しかった……それだけでした』

『教室がクラスメイトととの唯一の繋がりの場で……』

『私の席、私の居場所……ここに居れば……いつか、誰かが私と友達になってくれる』

『言葉を交わすのは苦手だけれど……いつか、私に気付いてくれるって』

『一人でもいい……誰かきっと』




不良「わりいな。職員室の場所もわかんなくてよ」

クール「……いえ」

クール(あなたは……)

クール(……私と友達になってくれますか?)

クール「あの」

不良「あ?」

クール「い、いえ」

帰り道

不良「そんじゃな、気をつけて帰れよ」

クール「……はい」

不良「」スタスタ

クール「……」

不良「あ、そうだ」クルッ

不良「また、わかんねーとこあったら聞いていいか?」

クール「えっ」

不良「いや、面倒だとか、うざかったら全然良いんだ」

クール「私でよけ、よければ!」

不良「そうか、そんじゃ!また頼むわ!」

クール「」コクリッ

また、後ほど書きます

明日、更新します

――


男(人生の主役とは一体誰なのか。……紛れも無く自分である。)

男(大きな舞台の端で細々と生きていると感じる人間がどこにる。)

男(誰もが山と谷を乗り越え、苦悩を感じ、幸福の瞬間を得てきたはずだ。)

男(そして、その都度思うのである。人生において脇役に徹するなど不可能であると)

友「よーっ!今日も天気いいなぁ!」

男(ここに己が人生を脇役に徹する男がいる。不可能を可能にした唯一の男である。)

主人公「……」

友「どした?」

ツンデレ「昨日、私達をほったらかしにしたから叱ってやったのよ」

男(主人公を除く唯一の男のレギュラーキャラである彼はまさに当て馬、噛ませ犬というような言葉に相応しい学園生活を送っている)

男(もちろん、彼に彼女ができることはなかった……)

友「なんだよソレー!俺も誘えよー!」

男「何が楽しくて生きてるんだろう」

イケメン「……酷いことを言うんだね」

チャラ男「友は主人公とヒロインたちをいい感じにしてくれる存在なんだぞ!」

チャラ男「そんなこと言うもんじゃないよー!」

男「いや、そういうのがね」

男「やることなす事、全部が主人公の踏み台見たいになるんだろー?」

チャラ男「いいじゃねーか!面白いんじゃん!!」

男「そりゃぁ、見てる分にはいいけどさー」

不良「あほらし」

チャラ男「んだよー!お前ら絶対、文化祭とかズル休みするタイプのくせに!」

男「それは別の問題だ!」

イケメン「不良、それ、予習?」

不良「まぁな。バイトも何もしてねーし。暇だろ?」

イケメン「確かに、やることはないね」

不良「余裕があればこうしてれたんだろうな……」

イケメン「……」

不良「おっと、こんな時間か」ガタッ

チャラ男「なに?トイレ?」

不良「俺の膀胱はタイマー式じゃねぇっての」

男「扉の前に立ってどうする?立ちションか?」

不良「テメェら……マジでコ○スぞ」

後輩「センパ~イ☆おっは」ゴッ ガガッ

後輩「あれ……開かない。お~い!」ドンドンドン

不良「」

後輩「センパ~イ☆あっけてくださ~い♪」ドンドン

不良「」ペラッ

男「扉、抑えながら教科書読んでるよ」

チャラ男「後輩ちゃんをいじめるなよ~」

不良「コイツの金属音みてぇな声、きれぇなんだよ」

後輩「」ガラッ

後輩「よっこら」

男「窓から入ってきたぞ」

不良「……」

不良「帰れ!くそアマ!!!!!!!!」

後輩「やだぷー☆私とセンパイの時間を邪魔しないでくださ~い」

不良「……だったら、もうちょっと静かにしろ」

後輩「はいは~い」

主人公「お前、毎回くるな」

後輩「だって~☆寂しいんだも~ん」キラン

主人公「あ、そう?」

後輩「きゃぁ~ん、もう!センパイ☆ったらぁ!!!」

不良「テメェ!!さっそく喧しいんじゃ!!!!!!」

後輩「はぁ?アナタのその喚き声の方がよっぽどですよー?」ププー

不良「一回、シメるわコイツ」

後輩「」ガクブル

チャラ男「すと~っぷ」ガシッ

男「死ぬって多分!!」ガシッ

不良「はぁ?死んでくれたらそりゃもう万々歳だろ」

イケメン「まぁまぁ!ほら、むこうも静かになったし」

後輩「」ガクブル

友「あっはは、後輩のやつカチコチになってるよ」

主人公「注意聞かないから」

ギャー ワー

クール「……」ペラッ

クール(……楽しそう)



シャイ「主人公くん……わ、私も行きたかったな。その、喫茶店」

男(唐突なやつだな……)

主人公「なら、行くか?いつでもいいぜ?」

友「俺も行く!」

チャラ男「俺も行く」

後輩「ちょ、ちょっとー!こっちは無視ですかー!」

イケメン(さらっと主人公サイドに行っちゃうチャラ男……すごいな)


男「はぁ、朝から賑やかだなぁ」ガタン

男「こういうところはアニメらしくてすげーわ」

イケメン「みんな、なんだかんだ言って楽しそうだもんね」

ツンデレ「」スタスタ

男(お、ツンデレが戻ってきた。昨日、何かいい感じだったし……今日もちょっと話かけてみるか!?)

男「あ、あのさ」

ツンデレ「なに?」

男「今日も!髪、すげー色してんな!」

イケメン(……褒めてるつもりなのか?)

ツンデレ「……何、文句あるわけ?」

男「え」

ツンデレ「昨日といい今日といい何なの?」

男「えーっと……あれー」

ツンデレ「そんなに、私の髪色が気に食わないなら、席替えでもすれば?」

男「……」

ツンデレ「なんとか言いなさいよ」

ツンデレ「ホントに気持ち悪い!サイテー!」フン

男「なぁ、イケメン……これって」クルッ

イケメン「脈なしだよ」

男「だよなぁ……」



チャラ男「へーパフェかぁ。聞いてる感じチョーウマそー」

主人公「魔女が教えてくれたんだぜ」

魔女「ふっふっふ。甘いものはお任せくださいな」

シャイ「わ、私も甘いもの……好きだよ」

チャラ男「よ~しっ、んじゃ俺っちがシャイちゃんのために良いお店探しちゃおー」

シャイ「え……」

後輩「チャラ男センパイ、私のことタイプとか言ってたくせにー」

チャラ男「おぉ!後輩ちゃん!それはボクチンに対する嫉妬!?」

後輩「違います。軽蔑してるんです。」


クール(あの人達……)

『……もう少し、静かにしてくれないかしら』

『読書なら家ですればいいだろ?』

クール(友達に……なれるかもって)

クール(思ってた……けど)

クール(……)


幼馴染「正に女の敵ね」

チャラ男「そう?なろうと思えば王子様にだってなれるんだぜ?俺」

後輩「うわぁ……」

主人公「こっちも鳥肌立つわ」


不良(喫茶店か……)

『わりぃな。付きあわせちまって。今度、なんかお奢るからよ!』

不良(礼はきっちりしねぇとな)

後輩「きゃー!あの獣がこっちの話を盗み聞きしてるー!」

不良「」ブチッ

不良(大体なんで、わかんだよ)

不良「おい、くそチビ」

後輩「だれがチビだ!ごら~!」

不良「その、喫茶店、どこにあんだよ。」

後輩「はへ~?」

不良「……」イライラ

不良「場所だよ。どこにあんだよ」

後輩「しらな~い。だって、私行ってないも~ん」

後輩「だからぁ☆センパイ、私も連れてってくださいよぉ」

主人公「おう」

不良「お前、知ってんのか?」

主人公「あぁ、知ってる。教えてやるよ」

不良「そりゃ、助かる」

後輩「はぁああ?コイツ連れてくんすかー!?」

不良「……」イライラ

不良「いや、場所だけでいいから」

主人公「いいじゃん。お前もこいよ」

不良「おう、んじゃそうする」

後輩「ガーン!!!!!!!!!」

不良「」ニヤッ

後輩「がるるるるっる!!!!!!!!!!!!!」



男「アイツ、一番溶け込んでねぇか?」

イケメン「あっはは、そうだね」

ツンデレ(しまった!!私も放課後の約束しておくべきだった!!!!!!!)

ツンデレ「」ガーン

男(おぉ……青い火の玉だ)

――


先生「というわけで、オリエンテーションの班。決めておくように」

男「なんか、俺の時もやった記憶あるわ。オリエンテーション」クルッ

イケメン「バーベキューかぁ。楽しみだね」

魔女「」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

イケメン(絶対、成功させろという怨念のような眼差しが……)

ツンデレ(オリエンテーション……これはチャンス!)

シャイ(がんばろう……)

幼馴染(まずは……班決めか)

主人公「めんどくせー」

ゴゴゴゴゴ

イケメン(熱い……教室がものすごく熱い……)

ちょっと休憩

――


授業中

男(班決めか……女子と男子4:4、アイツのためには俺たちの内、3人が主人公と同じ班になるのが良いんだよな)

男(まぁ、不良は乗り気じゃないみたいだし、俺とチャラ男とイケメンで決定か)

男(いや、待てよ……友が割り込んでくる可能性もあるわけだ)

男(んじゃぁ、結局、2人……)

男(まぁ、チャラ男とイケメンでいいか)

男(主人公の班、面白そうだけど)

イケメン「男」

男「どした?」クルッ

イケメン「アイツの班に入りたいか?」

男「えっ、俺は別に」

男「チャラ男とイケメンならいい仕事しそうだなと考えてたんだが」

イケメン「俺はどの班でもいいんだ。君は興味あるのか?」

男「いや、ヒロイン口説くとか無理無理」

イケメン「気になってる子がいるなら、応援するけど」

男「別に」

男「まぁ、確かにみんな可愛いけどさ。高嶺の花っつうか。何か恐れ多いわ」

イケメン「そうか」

休み時間

ツンデレ「主人公」

主人公「ん?」

ツンデレ「どうせ、アンタは余りでしょ?わ、私が組んであげても//いいわよ?」

主人公「そうか?」

魔女「あ!私も私も!!!」

主人公「これで、2人か」

魔女(よし!)

シャイ「わわ、私もよかったら……いいかな?」

主人公「あぁ。いいぜっ」

男(おぉ……男より先に女子のメンツが揃うか。さすがだな)

主人公「あっそうだ。お前もどうだ?」

男(なっ!主人公、直々のお誘いだと!?確かに、昨日ちょっと話したし)

男「い、いやぁ俺」

主人公「不良」

男「」

不良「あ?何の話だ?」

不良「あぁ。オリエンテーションか」

不良「俺は別にいいぜ。もともと、どの班でも良かったしよ」

クール「!!」

主人公「よし、なら決定だな」

主人公「んじゃぁ、後は男子2人と女子1人か」

友「おいおい頼むぜぇ?俺を忘れんなよ~」

クール「」スタスタ

クール「」

主人公「ん?」

クール「わ、私も……」

主人公「え、あぁ、うん!別にいいけどさ」

チャラ男「これで、メンバー全員決まったな」キリッ

主人公「いや、入ってたか?お前」

男「なーっ!!!不良が入るのは予想外だったー!!!!!!!!!」

男「ま、いいか」

魔女「」ゴゴゴゴ

イケメン(……魔女ちゃんは良く思ってないみたいだけど)

男「しかし、クールが進んで入ったのは意外だな。これも主人公の力なのか」

イケメン「不良が入ったからとか?」

男「いや、敢えて不良を入れることでクールを班に……という考えも」

イケメン「そこまで考えるかな……」

幼馴染「……」

幼馴染(トイレ行ってた間に班が決まってる……なんて……)

後輩「せ、せせせせセンパ~イ☆」ガラガラッドシャーン

イケメン「のわっ!!」

男「あー!!イケメンが扉の下敷きにー!!!!!!!!!」

後輩「どうなってるんですかー!オリエンテーションは1年と2年合同じゃないんですかー!?」

主人公「しらねーよ!」

放課後

幼馴染「で……私の班は」

男「あ、ども」

イケメン「よろしく」

ポニテ「よっろしくね~!」

幼馴染「余り物の4人班と……」

男(やっぱり、主人公と同じ班になれなくて落ち込んでるんだろうな)

男(よし、こういう時は気の利いた言葉を)

男「余り物同士!仲良くやろうぜ!」

幼馴染「なんで、こーなるのー」シクシク

男「な、泣くなよ!!な!?」

ポニテ「あっははは。よかったね!なんとか班組めて」

イケメン(そうじゃないでしょ)

ポニテ「これから、仲良くしようね!」

男(エラくキャラ立ってるけど、この子もヒロインなのか?)

――


喫茶店

チャラ男「かんぱ~い♪」

ツンデレ「なにこれ……」

チャラ男「親睦会だよ!親睦会!」

友「オリエンテーションの前に仲良くなっとこうぜ~ってな!」

不良「……」

クール「……」

主人公「ま、悪くはないよな」

チャラ男 友「」エヘ エヘヘヘ

魔女(うわぁ……仲良くって……絶対に女の子とあわよくば、なんて思ってるよぉ)

シャイ「え、えっと」

チャラ男「んじゃぁ、何する!?王様ゲームとか?」

ツンデレ「しないわよ!」

チャラ男「俺、何歳に見える?」フッ

ツンデレ「同い年でしょ!!」

魔女「ちょっと、チャラ男さん。いいんですかコレ?」コソコソ

チャラ男「なにがー?」

魔女「みんなと仲良くなっちゃたら、主人公くんと他の人がいい感じになるかもしれないじゃないですかー」コソコソ

チャラ男「心配しすぎだってぇ」

魔女「これじゃぁ、クールちゃんを引き離した意味がなくなっちゃいますよぉ……」コソコソ

チャラ男「そうかぁ?あ、ねぇねぇシャイちゃん!」

シャイ「はひ!」

魔女(ダメだ……この人)

不良「騒がしい連中だな」

クール「……」

不良「わりいな!今度、ちゃんとおごるからよ!」

クール「い、いえ!」

不良「で、さっそくなんだが」ペラッ

主人公「この状況で勉強とは」

不良「わかんねーこと多すぎてやべーんだよ」

ツンデレ「アンタも少しは勉強したらー?」

主人公「そのうちなー」

ツンデレ「もう2年生なんだから、ノートくらい自分でなんとかしなさいよ」

主人公「んだよ。幼馴染みてーなこと言うなよー」

魔女「の、ノートだったら!私が見せてあげるよ!」

ツンデレ「甘やかしすぎ」

魔女「だ、だよねー……」

チャラ男「でさー!そこで、俺がズバババーンって」

シャイ「は、はぁ……」

ツンデレ「けど、意外よねー。アンタが幼馴染と違う班になるなんて」

主人公「ま、たまにはこういうのも良いだろう」

友「幼馴染はそうは思ってねーかもな!」アハハ

主人公「どういう意味だよ」

続きは明日……

――


オリエンテーション当日

バス

不良「ふわぁ……」

チャラ男「トランプしようぜ!な!な!」

不良「やらねーよ。狭いし」


男「……なんか、もう、普通に学生生活おくってるだけだよなコレ」

イケメン「チャラ男が展開忘れたとか言うからね」

男「まぁ、班も違うし。やることもねーんだけどなぁ」

魔女「」ヒョコ

魔女「ちょ、ちょっとー!がんばってくださいよー」

男「何をだよ。がんばらなきゃならないのはお前だろー?」

魔女「それはそうですけど……」

魔女「けどー!オリエンテーションですよ!?バーベキューですよー!?」

魔女「絶対、何かありますって!」

男「あ、そう?」

魔女「あ、そう、じゃなくてー!」

シャイ「どうしたの?」

魔女「いや……なんでもないよ」


主人公「大丈夫か、お前」

友「だ、ダイジョブ……ちょっと、酔っただけだ」


ツンデレ「……」

クール「」

ツンデレ(気まずい……)


幼馴染「(はぁ……せっかくのオリエンテーションなのに)

幼馴染(どうして、私はこんな班なのよ)

ポニテ「ねぇ見たー!?今のバイク!超かっこよかったよねー!」

幼馴染「そうねー」

男「チャラ男と不良って何だかんだ言ってすげー溶けこんでるよな」

イケメン「この一年をどう使うか、明確な目的を見つけんだね」

男「確かに、不良は勉強で、チャラ男はヒロインを落とす、だっけ?」

イケメン「そう」

イケメン「不良は1年という時間を、チャラ男はアニメというこの世界を」

イケメン「上手く活用しようって考えたんだよ」

イケメン「……どれも、俺達のいた”現実”では得られないもの」

男「俺も”ここ”でしかできないことを探さねーとな」

男「魔女のドジのせいでこんな所に来ちまったけどさ」

男「けど、よくよく考えたらラッキーなのかなって」

イケメン「ラッキー?」

男「そう、なんつーかな。長い休暇をもらったっていう感じがするんだよ」

男「嫌な上司も面倒くさいことも何もない世界でゆっくりできるっていうか」

男「なんだろうなぁ。うまく言えねーわ」

イケメン「そう」

男「お前はどうなんだよ?」

男「”ここ”の見方も随分変わったんじゃねーか?」

イケメン「俺は……」


イケメン「初めてここがどんな世界なのか教えられた時から今まで……」



イケメン「何も変わっていないよ」



イケメン「――ここは」


イケメン「――地獄だよ」

男「……え?」

イケメン「いや、なんでもない!」

イケメン「みつかるといいね。”ここ”でしか出来ないこと」ニコッ

男「あ、あぁ」

ポニテ「お菓子たべる?」

イケメン「もらうよ」

ポニテ「これ、すごく、美味しいんだよ?新発売なんだってー」

幼馴染「確かに、美味しいわね」

ポニテ「なーっ!勝手にたべるなー!!」

幼馴染「いいじゃない。こうなったらやけ食いよ!」

男(さっき、イケメンのやつ)

男(今は、何も聞かないでおこう……。触れられたくないこともあるだろう)

男(俺はアニメのキャラなら、何か気の利いた事でも言ってやれるのかもしれない)

男(助けになってやれるかもしれない)

男(けど、俺はそんな善人でもない)

男「あ!俺にもくれよ~」

男「おぉ!うまい!」

ポニテ「でしょでしょ~?」

男「つか、お前食い過ぎると後で、肉食えなくなるぞ?」

ポニテ「なっ!しまったぁ!」

イケメン「あっはっは」

男「単純なやつだな」アハハハ

先生「もうすぐ、着くぞー。準備しとけー」

ハーイ

チャラ男「きたー!」

不良「テメェが隣じゃ、一睡もできねぇっての!」

男(あぁ、いいな。こういうの)

友「っしゃー!!!食うぞ!焼くぞー!!」

主人公「切り替えはえーな!!」

男(何か、みんなすげー楽しそうで)

ツンデレ「ったく、騒がしいわね」

クール「」

ツンデレ「アンタは静かすぎるわよ!」

男(きらきらしてて)

ポニテ「なー!もうついたのー!?お腹にたまったお菓子を消化しなくちゃー!!」

男(なにこれ?どこのアニメ?)

男(男(そう、ここはハーレムアニメの世界なのである。)



第一部完

最後の文でミスるという

明日には一旦html化しようと思います

第二部

居酒屋

チャラ男「かんぱ~い♪」

男(先に断っておくが、我々は未成年ではない)

不良「」スパー

男(つまり、この世界における我々は、言うなれば、制服コスプレ集団なのである)

男(もちろん、今は制服ではないが)

イケメン「よかったね。年齢確認とか無くて」

男「魔女のヤツを連れてこなくて正解だったな。アイツがいたら一発アウト、はい、さようならだ」

イケメン「あっはは……最後まで行く気まんまんだったけどね」

男「そういえば、バーベキューどうだったんだよ。お前ら」

不良「話すことなんてねーよ」

チャラ男「俺はシャイちゃんとツンデレちゃんにアタックしまくったぜ!」

男「ほぉ、で、どうだったんだ?」

チャラ男「撃沈した……」

男(うわ……負のオーラすげぇ)

チャラ男「大体、俺らケータイも持ってないんだぜー?不利すぎるって」

チャラ男「こういうのって、初めは連絡先聞くことから始めるじゃん?」

チャラ男「それができないなら、どうしろっていうんだよー」

不良「お前はケータイの有無以前にウザいんだよ」

チャラ男「あー、はいはい。自分はクールちゃんとラブラブだもんねー。上から目線おっつ」

不良「ラブラブじゃねーよ」

男「そうか?一緒に勉強してたじゃん」

不良「勉強から色恋沙汰になるわけねーだろうよ。テレビの見過ぎだっつうの」

男(いや……ここアニメの世界だし。そもそも、沙汰ってなんだよ。揉め事になること前提かよ。)

イケメン「じゃぁ、その気はないんだ?」

不良「当たり前ェだろ。アイツはアレだ、頭の良い職場の後輩って感じだ」

男「後輩に勉強教えてもらうってどうなの……」

不良「んだよ!俺の事ァどうでもいいだろ!」

チャラ男「そっちはどうだったの?」

男「割りと楽しかったぞ」

イケメン「うん、そうだね」

男(大半が幼馴染の惚気話と愚痴で占めていたが……)

男(イケメンの頬が愛想笑いのしすぎで痙攣を起こしかけていたのが凄く印象的でした。)

イケメン「けど、あのポニーテルの子は面白かったね」

男(さり気なく幼馴染面白くない宣言。間違ってはいない。)

チャラ男「あぁ、あの子ね」

男「何?知ってんの?」

チャラ男「だって、あの子も一応ヒロインだし」

チャラ男「たまぁに出てくるサブヒロイン」

男「なるほど~。いい感じのキャラだったしな」

チャラ男「あの子、お馬鹿キャラですげー面白いんだー」

不良「馬鹿同士仲良くなれそうだな」

チャラ男「お前がな!!」

不良「勉強はできねーけど。頭のネジは緩んでねーよ」

チャラ男「俺だって緩んでねーよ!!」












――


学校

男「……」

イケメン「……」

不良「……」

チャラ男「……」

魔女「おっはよ~!」

魔女「?」

魔女「どうしたの?」

男(飲み過ぎた……まさか、頭のネジの緩み具合の話から火が着くとは)

魔女「わかった!飲み過ぎたんでしょ!もうっ、だから、私も行くって言ったのに~」

男「いや……お前が来てどうなんの」

イケメン「うっ……意地の張り合いなんてするものじゃないね」

男「……お前はこういうのには乗らないと思ってたが」

イケメン「さすがに、馬鹿呼ばわりされるとね……」

主人公「なんだ?何があった?」

友「さぁ?」

主人公「徹夜で遊んでたのか?」

友「そんな感じじゃねーか?それにしては、すげー顔色悪いが」

魔女「あ!主人公くん!おっはよー!」

主人公「うっす」

後輩「センパ~イ☆おっはようございまーす!!」ガラガラドン!!!!!!!!!

主人公「よぉ」

後輩「ってアレ?」

不良「……」

後輩「し、死んでる……」

後輩「っしゃー!!!!!!!!邪魔な猛獣がついにくたばりやがったぜー!!」

後輩「さっすがセンパイ☆私のために討伐してくれたんですね!!」

主人公「いや、何もしてないけど」


男「……いいのか?お前、ヒデェ言われようだぞ」

不良「……後でコ○スから別にいいわ」

後輩「へっ!ばーか!!ばーか!!ざまぁ見やがれ」

不良「……」

主人公「おいおい、やめとけよ。ガチで疲れてるみたいだしさ」

後輩「センパイ☆ってこんな猛獣にも情けをかけてあげるなんて優しいんですね♪」

主人公「いや、お前のためを思ってだな」

後輩「きゃー!!!センパイ☆が私のために!?もう私!死んでも悔いないですー!」

不良「……おぉ、そうか。死んでもいいのか」ガシッ

後輩「ぎゃー!!浮いてる!!浮いてる!!!」

主人公「言わんこっちゃない……」

不良「……あぁ、気分悪い。んじゃな」ポイ

後輩「ぎゃふん!」

後輩「あ!てめー!」

不良「」ガラガラ

後輩「人を野良猫見たいに扱うなー!!あと、ドア閉めるな!!!」

主人公「大変だな」

不良「……お互い様だ」

クール「……」

不良「……どうした?」

クール「大丈夫、かしら?」

不良「あぁ……ただの二日酔」

不良「……ちょっと寝不足なだけだ。昨日、はしゃぎすぎてよ」

クール「はしゃぐ?」

不良「とりあえず、大丈夫ってこった」

クール「そう」

チャラ男「あの野郎……やっぱり、ラブラブじゃねーか」

チャラ男「うっ……」

男「頼むから、ここで吐くなよ」

今日はここまでです

――


放課後

男「え、デート?」

魔女「うん♪色々あって今度の日曜日、主人公くんとデートすることになったの!」

男「へー」

イケメン「デートかぁ。ストーリーとしてはあるの?」

チャラ男「あるよ」

魔女「どうですか!?いい感じになりますか?」

チャラ男「最終的には後輩ちゃんと幼馴染ちゃんとツンデレちゃんとポニテちゃんも一緒にデートすることになるよ」

男(それもうデートって言えないんじゃ)

魔女「えー!!何でですか!!約束したのは私だけですよ!?」

チャラ男「いや、デート先で偶然会うんだよ。それで、どんどん増えていくっていう」

男「あぁ、そういうゲームしたことあるわ。ダンジョンとか町で仲間を集めてく」

魔女「パーティー組む気ないよー!」

イケメン「デート先を変えればいんじゃ無い?ちょっと遠くにするとかさ」

魔女「もう、ショッピングモールって決めちゃいました……。そもそも、私の買い物に付き合ってもらう感じなので」

不良「」カキカキ

クール「」

不良「どうした?」

クール「……私も、ショッピングモール、行く予定で」

男「お前もかよ!!」

クール「……」

男「なんだよ。何かイベントでもあんのか?」

魔女「まぁ、おでかけと言えばショッピングモールですから♪」

男「知り合いと会いそうなのわかってるんなら、なおさら場所変えるべきだったろ」

男「水族館とかさぁ、遊園地とか。色々あるわけだし」

魔女「えー///だって、それ本格的なデートになるじゃないですか//」

男(それが本望じゃないのか)

不良「あぁ、うるせぇ。テメェらが行って出会わないように仕向ければいいだろうが」

チャラ男「おー!面白そう!よくあるやつじゃん!デートの尾行♪」

イケメン「それが一番いい案かもね」

男「日曜っつても、俺らはすることねーしな」

男「いいんじゃないか?それで」

魔女「はぁ……結局、二人きりにはなれないんですね」

イケメン「大丈夫。他の子達とばったり会わなくしたら俺達の尾行は辞めるから」

チャラ男「そうそう。だから、安心しなっ」

男(ほぉ、何だかんだ言ってみんなコイツのこと思ってやってるんだな)

チャラ男「俺もそのままツンデレちゃんたちとデートにシフトしちゃうし」

男(前言撤回)

クール「あなたは?」

不良「行かねーよ」

不良「行く理由もねーしな」

クール「……そう」

クール「わ、私は……行くのだけれど」

不良「一緒に行きたいのか?俺と」

男「察しが早いな。つうか、そういうのって、わかってても言わないもんだけどな」

不良「なんでだよ」

チャラ男「そりゃぁ、何コイツ?勘違いしてんの?きも~いってなるからに決まってるじゃん」

不良「っせーな。悪いな俺の勘違いだったか」

クール「いえ、……一緒に行きましょう」

魔女「/////////////////////」ポーッ

男「煙が!!煙がすごい!」

魔女「クールちゃん!一緒にがんばろっ!」キラン

クール「……え」

不良「前から、ちゃんと礼をしねーっとって思ってたからよ。ちょうどいい機会だ」

不良「つか、お前、そもそも一人で行くつもりだったのか?」

クール「」コクリ

不良「変わってるな。お前くらいの歳の子って群れるのが好きだと思ってたからよ」

男(群れるって、もうちょっとマシな言い方あったろ)

チャラ男「まぁまぁ、この子はそういう子だから。いいじゃん、これからも、不良が付いて行ってやれば?」

男(お前はアニメで知ってるかも知れんが向こうからしたら、そういう子だからって何勝手に決め付けてんの?って感じだぞそれ)

不良「一人が好きな子なら逆に大きなお世話だろ」

クール「……別にいいけど」

不良「そうか?なら、いつでも誘ってくれよ。気楽にな」

クール「」コクリ

イケメン「それじゃぁ、勉強の邪魔したら悪いから俺達は帰ろうか」

男「うい」

チャラ男「じゃぁね!不良!晩御飯よろしくね!」

不良「自分で作れ」

魔女「~♪」

魔女(何だかんだ行って楽しみだなぁ。デート♪)


アパート

イケメンの部屋

イケメン「クールちゃんと不良っていい感じだね」

男「不良があぁいう性格だからな。本音をバンバン言ってくれる方がやりやすいんだろ」

チャラ男「そうだねー。相手は自分を出すのが苦手な子だから、余計にね」

男「それにしても、デートかぁ」

男「いい青春おくってんじゃねーか」

チャラ男「そういうアニメだからな!」

イケメン「成功するといいね」

男「成功させんだよ」

男(アニメの雰囲気に乗せられてる感じもするが)

男(こういうのも悪くはないよな)

きょうはここまでです


日曜日 朝

アパート

チャラ男の部屋

男「うーっす。入るぞー」ガチャッ

魔女「おはようございます♪」

男「早いな。もう来てたのか」

チャラ男「もうちょい、寝かせてくれよぉ」

男「絶対、昼間で寝るつもりだろ。お前」

男「イケメンは?」

魔女「不良くんを起こしにいきましたよっ」

男「そっか」

魔女「それより、見てください!どうですか、この服?」キラーン

男「あぁ、いいんじゃない?女の子らしくて」

魔女「へへーん」

不良「よぉ」

イケメン「おはよう」

男「うっす」

チャラ男「不良、がんばれよー!今日のデート」

不良「デートじゃねーよ」

イケメン「俺達は先にショッピングモールに行けばいいんだよね?」

男「あぁ、先回りして他のヒロインを誘導するんだ」

チャラ男「向こうについたらどうする?」

男「バラバラになったほうがいいだろう。3人位いるんだろ?ヒロインの子」

チャラ男「うん」

男「俺達は連絡手段ないから、情報交換出来る場所をつくろう」

魔女「屋内にある噴水とかどうですか?ちょうどモールの真ん中にあるんですけど」

男「おぉ、いいじゃん。んじゃそこで」

魔女「あの、私はどうすればいいですか?」

チャラ男「普通にデートを楽しめばおっけー。つうか、魔女ちゃんに連絡のしようもないしね」

魔女「はい、わかりました!」

男「んじゃ、行きますか」

チャラ男「まって!まだ、髪の毛セットしてない」

男「遅いんだよ。お前」

イケメン「あの子とは何時に集合予定なの?」

不良「お前らに合わせたんだ。場所もよくわからないし」

イケメン「そっか」

チャラ男「おぉ!つうことはクールちゃんの私服見れるのか!」

男「お前はさっさと準備しろ」

魔女「私は一旦、家に戻ります」

男「おぉ」

ショッピングモール

クール「」

不良「よぉ!待ったか?」

クール「いえ」

男「へぇ、普段はそういうの着てるんだ」

クール「……そういうわけでは」

チャラ男「可愛い!めちゃタイプだー!」

男「お前、タイプ多いな」

不良「んじゃ、俺らは先に行くわ」

男「おう」

不良「」スタスタ

クール「」サッサ

イケメン「歩幅が全然、合ってないから小走りになってる」

チャラ男「ありゃ、お兄さんか下手すりゃ親父と娘だな」

不良「聞こえてんぞ」

チャラ男「」

男「さて、どうするか」

チャラ男「ちょっとブラブラしようぜ」

イケメン「時間的にもまだ、ヒロイン達は来てない気もするし、いいんじゃない?」

男「そうだな」

――


主人公「よっ!」

魔女「お、おまたせっ」

主人公「さて、どこから見てまわる?」

魔女「えっと、洋服かな?」

主人公「よし、じゃぁ行くか」

魔女「うん///」

――


主人公「にしても、俺で良かったのか?」

主人公「服とか全然、わかんないぜ?俺」

魔女「男の子の意見も聞きたかったしっ」

主人公「ほぅ、ということは誰か狙ってるやつがいるってことか」

魔女「それは//」

主人公「チャラ男、とか?」

魔女「えっ、ちがうよー」アハハ

主人公「そっか。何か仲良さそうだと思って」

魔女「そうかな?」

魔女「あ、見てみて!この帽子!」

主人公「でかいな」

魔女「似合う?」フフッ

主人公「う~ん」

魔女「微妙かな?」

主人公「でかい」

魔女「えーっ、それだけー?」

――


チャラ男(まだ、来てないのかな~)


男(俺は一体、誰と出くわすんだろう。つうか、出くわした所でどうすればいいのやら)




不良「でっかい本屋だな」

クール「」コクリ

不良「本を買いに来たなら、別にここじゃなくてもよかったんじゃねーか?」

クール「ここで本を買って、下にある喫茶店で読むの」

クール「それに、このお店は大きいから、色々な出会いがある」

不良「そうか」

不良「俺も何か買ってみようかな」

クール「読みやすいの……紹介してもいいわ」

不良「お、そいつはありがたい」

クール「参考書……とかは買わないの?」

不良「いや、別に」

クール「大学、目指しているんでしょう?」

不良「……」

不良「いや、そういうわけじゃねぇんだ」

クール「……そう」

不良「なんだろうな。……あの時、こうしていられたかもしれない」

不良「そういう可能性を味わいたかったつうか、試してみたいっつうか」

クール「?」

不良「あぁ、わかんねーよな」

不良「なんでもねぇ。忘れてくれ」

雑貨屋

主人公「色々あるなぁ」

魔女「みてみて!このマグカップ!可愛い!」

主人公「クマ?犬?」

魔女「えー、どう見てもクマさんだよ」

主人公「犬にも見えるだろう」

魔女「えー!どこがー!?」

魔女「色違いがふたつ……」

魔女「ねぇ、一緒に買わない?記念に」

主人公「ん?なんの記念?」

魔女「え、えっと//」

主人公「いいよっ」

主人公「俺さ、お気に入りのマグカップとか持ってなくて」

主人公「こういうの、欲しかったんだよ」

魔女「ホント!?それじゃ、買おう!」

幼馴染(ここで、お茶を飲んで……)

幼馴染(隣の雑貨屋でペアルックの何かを買って)

幼馴染(あぁ!ありきたりすぎるかなー)

幼馴染(はぁ……デートプラン考えるの難しいなぁ)

幼馴染(まだ、誘えてもないのに……)

男「よっ」

幼馴染「えっ」

男「偶然だな!こんなところで会うなんて」

幼馴染「……」

幼馴染「」ダッダッダッダ

男「なっ!!」

幼馴染(まずい!まずいまずいまずい!!!!)ダッダッッダ

幼馴染(デートの下調べです!なんて言えるわけ無いじゃん!!)

幼馴染(あー!ていうか、なんで逃げてるの!!私!!)

幼馴染「」ハァハァ

男「おい!なんで逃げる!」

幼馴染(な!!なんで追ってくるの!?なに!?)

幼馴染「」ダッダッダダ

幼馴染(こうなったら、なんとしても逃げ切ってやるんだから!!!)

男(おいおい……あんまり、動きまわらないでくれ。お前が動くと魔女と鉢合わせになりやすくなるんだよっ)

幼馴染「ついて来ないでよ!」

男「まぁまぁ!!とりあえず、止まってくれ!」

幼馴染「いや!」

男「頼むって!!」

男「」ゼェゼェ

幼馴染「」ハァハァ

男(あぁ……全力疾走なんて何年ぶりだよ……ったく)

幼馴染「で、何のよう?」

男「いや、これといって用は」

幼馴染「じゃぁ!なんで追っかけて来たのよ!」

男「お前が逃げるからだろ!」

幼馴染「はぁ……」

男「疲れたし、そこの喫茶店でも入ろうぜ」

男「奢るからさ」

幼馴染「いや」

男(……頼むから座ろうぜ)

男「オリエンテーション、同じ班だったじゃねぇか。ちょっと話そうや」

幼馴染「覚えてない」

男「あぁあ、そうかよ」

男(主人公以外は眼中にないか。そりゃそうか、コイツからしたら俺なんて生徒Aくらいの認識だもんな)

チャラ男(うわぁ、すっげー走ってる。なにしてんだろ)

チャラ男(って!男かよ!!)

チャラ男(ヒロインを見つけたか?それにしても張り切ってるねぇ)

チャラ男「俺もがんばろっと」

ツンデレ「何を頑張るのかしら?」

チャラ男「うぉ!ツンデレちゃん!」

ツンデレ「偶然ね」

チャラ男「ねぇねぇ!今、一人?」

ツンデレ「えぇ。一人で買い物に来たの」

チャラ男「寂しいやつだな~。よぉし俺がデートの相手になってやろう」

ツンデレ「殴るわよ……」

チャラ男「だって、オリエンテーション以来、全然、構ってくれないじゃ~ん」

ツンデレ「あの時も構ったつもり無いけど!」

チャラ男「そうだった?」

ツンデレ「そうだった!」

チャラ男「それで、何買いに来たの?」

ツンデレ「……」

チャラ男「下着?」

ツンデレ「ちがう!!!!!!」

ツンデレ「雑貨屋とか色々見たくて。ここ多いからそういうお店」

チャラ男「なるほど、休日の暇つぶしと言うわけか」

ツンデレ「むかつく言い方だけど、まぁ、そんなところね」

ツンデレ「面白いわよ?お店を見てまわるだけでも」

チャラ男「よし!俺も見て回ろう!君と一緒に」

ツンデレ「なんでよ!ていうか、アンタは何しきたのよ」

チャラ男「えーっと」

チャラ男「暇つぶし」

ツンデレ「一緒かい……」

イケメン「」スタスタ

ポニテ「お~い!」

イケメン「ん?」

ポニテ「イケメン君!どうも~」

イケメン「やぁ」

後輩「どうも!どうも~!」

イケメン「2人、友達だったんだ」

ポニテ「中学の後輩でね!」

後輩「中学のセンパイでね!」

イケメン「あっはは。そう」

イケメン「今日は買い物?」

ポニテ「そんな感じだよっ。イケメン君は?」

イケメン「俺は、」ウーン

後輩「わかりましたよ!!ナンパ!ですね!!」

イケメン「……違うかな」

イケメン「ちょっと、ブラブラしたくて、かな」

休憩

喫茶店

不良「小洒落た店だな」

クール「」コクリッ

クール「落ち着いていてとっても過ごしやすい」

クール「コーヒーも美味しくて」

不良「静かなところが好きなのか?」

クール「」コクリッ

不良「そうか」

クール「」

不良「」

不良「いや、何か話せよ」

クール「……何を話したら良いのやら」

不良「なるほど、自分から話しするのは苦手なわけか」

クール「……苦手」

不良「まぁ、気にすんな。うるせーやつよりはマシだ」

クール「」コクリッ

喫茶店

男(とりあえず、なんとか連れてきたけど……どうするか)

幼馴染「あぁあ、何してんだろ」

男(俺もだよ、全く)

男「オリエンテーション楽しかったなぁ」

幼馴染「べつにー」

男「そうか?俺は楽しかったぞ」

幼馴染「あっそう」

男(この野郎。何歳歳上だと思ってんだ)

男「で、今日は何しに?」

幼馴染「……関係ないでしょ」

男「そうか。主人公以外とは話もしたくないか」

幼馴染「ちょっ!!どういう意味よソレ!」

男「いや、べつに」

幼馴染「はぁあ!?私とアイツはただの幼馴染ってだけで!!」

男「ほぉ」

幼馴染「ムカー!!」

幼馴染「何!?こんなところにわざわざ連れてきてからかいにきたワケ?」

男「そういうわけじゃねーけど」

男「俺は普通に話したかっただけだよ」

幼馴染「……」



不良「アイツ……何してんだ」

クール「喧嘩?」

不良「いや、戯れてるだけだろ。気にすんな」

クール「……」

不良「騒がしかったら俺が一喝」

クール「だ、大丈夫」

不良「そうか?」

後輩「センパイ、アレは嘘ですね。絶対、ナンパですよ」コソコソ

ポニテ「ナンパなんてしなくてもモテそうだけどねー」

イケメン「あっはは……」(全部聞こえてるんだけど)

後輩「ま、私には主人公センパイ☆がいますからっ。ナンパしてもダメですよー?」キラキラ

イケメン「いや、話しかけてきたのはそっちだからね」

ポニテ「私はフリーですよ?」

イケメン「そうなんだ」

ポニテ「って!ツッコミいれてよー!」

イケメン「ボケなの?今の」

ポニテ「ボケですよ!大ボケ!って何か自分で悪口言ってるみたい!!なにこれ!!」

後輩「あぁ!!センパイ☆と偶然会ったりしないかなぁ!」

ポニテ「あるかもよ!噂をすれば影が立つーっていうでしょ♪」

イケメン「影がさす、ね」

ポニテ「もう、細かいことは気にしないのー!」バシバシ

イケメン「あっはは……」

主人公「そろそろ、昼飯でも食う?」

魔女「うん♪そうだね」

魔女「あ、私!いいお店知ってるんだー!」

主人公「お、そいつは期待せざるを得ないな!」


喫茶店

カランカラン

魔女「ここの喫茶店のランチがとっても美味しいんだよー!」

主人公「へー、そうなんだ」


男 幼馴染「あ」

不良(おい……この状況)

主人公「ん?」

魔女「あ……」

幼馴染「……」

主人公「幼馴染、お前……」

幼馴染(何よ……アイツ。魔女とデート?嘘!?)

幼馴染(な、なんとかしなくちゃ)

幼馴染「あら、偶然!」

男(しまった……ここで、出くわすとは)

主人公「男とデート?」

幼馴染「……え?」

主人公「知らなかったぜ。お前らがそういう仲だったなんてなっ」

幼馴染「……ちが」

主人公「わりーな。邪魔したな」

魔女「え、ちょっと」

幼馴染「……」

幼馴染「……」

幼馴染(何よ……そんなワケないじゃない)

幼馴染(アイツ……全然、私の気持ち)

幼馴染(……バカ)

男「な、なんか悪かったな」

幼馴染「うるさいわね」ウルッ

男「……泣いてるのか?」

幼馴染「うるさい!!!!!!!!!」

不良「ちっ、あの野郎」

クール「待って……」グイッ

幼馴染「全部、アンタのせいよ!!!!」

幼馴染「こんなはずじゃなかったのに……」シクシク

幼馴染「アンタのせいで!!!!!!!」

幼馴染「台無しよ……」シクシク

男「お前……」

幼馴染「何が……デート?よ」シクシク

幼馴染「そんなわけないのに……」

幼馴染「今日、何しに来たか、教えてあげっよか?」

男「……え」

幼馴染「アイツをね、デートに誘おうと思って……」

幼馴染「それでね、その下調べをね……しに来たの」

幼馴染「笑えるでしょ?……まだ、誘えてもいないのに……アイツは他の子とデートしてるのに」

幼馴染「……」ウルウル

幼馴染「……帰る」ガタッ

幼馴染「」スタスタ

男「お、おい」ガタッ

不良「やめとけよ」

男「……お前、いたのか」

不良「あぁ」

主人公「」スタスタ

魔女「ね、ねぇ」

主人公「悪いな。急に出て行って」

魔女「ううん……」

主人公「ちょっと、びっくりしてな。アイツが他の男と2人で遊んでるとこ、見たことなくてさ」

主人公「なんだろうな。嫉妬とかじゃなくてさ。ていうか彼女とかそんなんじゃないし」

主人公「……ホント、なんだろうな」

魔女「……」

噴水

男「……」

不良「お前は悪くないと思うぜ」

男「……そうか」

クール「」オドオド

不良「大丈夫か」

クール「……えっと。こういうのは初めてで」

クール「何て声をかけてあげればいいのか」

不良「いや、こういう時は何も言わないでおくのが一番いい」

男(俺は……そういう、つもりじゃなかった)

男(……俺は)

――


夕方

コンビニ前

不良「ほい、コーヒーとタバコ」

男「……悪いな」

不良「にしても、災難だったな」

男「あぁ……」

イケメン「大体の話はわかったよ。問題は主人公が出て行った後のことを魔女ちゃんに言うべきか否か」

チャラ男「……」

男「言わないでおこう。アイツのためにもさ」

チャラ男「胸糞悪いな……ここはこんな世界じゃないのに」

男「……」

イケメン「俺達は、全てが”何とかなる”と錯覚していた……」

イケメン「そうでない世界から来た人間なのにね……」


男「俺達がいたから……アイツはあんな想いをしなくちゃならなかったのか」

チャラ男「だって、アニメだと。そんな、悲しい話ないし……」

イケメン「そうならないような物語にしたんだよ」

イケメン「誰も悲しまないような物語に」

男「やはり、手伝うべきではなかったか……」

男「もっと、考えるべきだったよ」

『遅かれ早かれ他の女のキモチを踏みにじることになる』

男(俺は誤解していた……アイツらのことチープに考えてた……アイツらだって同じ人間なのによ)

男「……どうするか」

イケメン「……さぁね」

イケメン「魔女ちゃんの想いを取るか。他の子の想いを取るか」

チャラ男「やっぱ、二択になっちゃうか」

不良「嫌な選択だな」

――

休憩いれます

すみません。ちょっと更新遅れます

アパート

男の部屋

男「……」

男(俺は一体どうすればいい……)

男(幼馴染と主人公の関係を悪化させるのは本来の目的に沿う)

男(だから、昨日のアレはある種の正解でもある……)

男(だが……胸糞悪い)

男「はぁ……」

男「現状維持がいいのかねぇ」

男「魔女的には……だけど」

チャラ男「そうなんだろうけどさ……」

不良「手伝うかどうか、もう一度考え直したいんなら」

不良「まず、やらなきゃいけねーことがあるんじゃねーか?」

男「やらなきゃいけないことって……」

イケメン「関係のリセット、でしょ」

イケメン「まさか、幼馴染と主人公の関係をそのままにしておいて」

イケメン「自分は足を洗う、なんて考えてないよね?」

男「……んなわけねーだろ。責任は感じてる」

男「大体、お前のその言い方、まるで、自分は関係無いみたいな」

イケメン「俺は考える必要がないし」

イケメン「魔女ちゃんを手伝うって決めてるからさ」

男「そうか……」

不良「オメェはどうすんだ?」

男「俺は……」

男「……」

男「考え直す……手伝うのかどうか」

男「だから、幼馴染と主人公の関係を元に戻したい」

イケメン「そう……」

イケメン「そっか、なら、手伝ってあげよう」ニコッ

男「いいのか?また、振り出しに戻るんだぞ?」

イケメン「仕方ないよ。今回はね」

イケメン「それに、俺達は同じ”世界”の人間。仲間みたいなもんだし」

男「優しいんだな……」

イケメン「そうでもないよ」

チャラ男「でも、どうやって、関係を戻すの?」



学校

教室

男「……」

男(やっぱり、雰囲気悪いな……)

幼馴染「……」

主人公「……」

『知らなかったぜ。お前らがそういう仲だったなんてなっ』

幼馴染(そんな勘違いするって……)

幼馴染(……ありえないわよ、コイツ)

魔女「」アセアセ

イケメン「」チラッ

イケメン「で、決心はついた?」

男「お前の案は悪くないが、こういう解決の仕方しかないのか?」

イケメン「さぁねっ。ただ、俺ならそうするって話だよ」

男「……そうかよ」

イケメン「嫌なやつだと思うか?」

男「別に。それなりの対価を払うのは当然だと思ってるからな」

廊下

不良「……んだよ」

チャラ男「いやぁ、教室にいるのが嫌でさぁ」

不良「俺を誘う必要あんのかよ」

チャラ男「あのさぁ、俺、気乗りしないんだよね。イケメンの作戦」

不良「ふつーに誤解を解けば良い話だっていいたいのか?」

チャラ男「そうそう、ちゃんと、話せばわかるだろって思うんだよ」

不良「鈍いなお前」

チャラ男「んだよー。お前はイケメン側かよ」

不良「俺もアイツのいうことはいけ好かねーが筋は通ってると思ってるからよ」

チャラ男「?」

不良「あの女が何故、その場で誤解を解かなかったのか。わかるか?」

チャラ男「アニメだから?展開的に」

不良「ま、確かに物語としては面白いかもしれねーがな。俺はそういうのに詳しくないから」

不良「アニメがどうとかそういうの抜きにして聞けよ」

チャラ男「ん?」

不良「むかついたんだよ。言葉が出ないほど呆れるくらいにな」

不良「好きな野郎から開口一番に、あんな勘違いされたんだ」

不良「言い換えればそういう風にしか今まで見られてなかったってこった」

不良「長い付き合いで、自分のことはわかってくれてるって思ってた相手だから尚更ムカつくだろ」

チャラ男「……」

不良「単純に誤解を解いたくらいじゃ、あの女の気が晴れるはずねぇ」

チャラ男「そう……だな」

不良「だったら、野郎に振り向かせるしかねーだろ」

チャラ男「もっともな意見だよ……」

チャラ男「主人公から、きてくれなくちゃ意味ないよな」

不良「……面倒なこった」

教室

男「はぁ……」

ツンデレ「ねぇ」

男「なに」

ツンデレ「あの2人」

幼馴染「……」

主人公「……」

ツンデレ「何かあったの?」

男「さぁな」

ツンデレ「私、見たんだ。日曜日にショッピングモールで幼馴染を」

男(あぁ……見てたのか。コイツ)

男「そう。で?俺に聞いてどうする?」

ツンデレ「いや、アンタも溜息ついてたじゃん」

ツンデレ「なんか、かんけーあるのかなって」

男「別に、なんもねぇよ」

男(こういう時だけ、絡んでくるとは。いい用に使われてるな俺も)

チャラ男 不良「」ガラガラ

不良「」チラッ

イケメン「……そろそろ」

男「あぁ、わかってる」

男「」スーハー

男(あぁ……所詮はガキだ。いけるって……)

男「」ガタッ

チャラ男(嫌だな……)

男「」スタスタ



男「よぉ!」

幼馴染「な、なによ」




男「昨日は楽しかったな!」




主人公「!?」

魔女「え?」

ツンデレ「なっ……」





幼馴染「は、はぁ!?何の話?」

男「おいおいおい、昨日のデートだよ」

男「忘れたのかー?」

幼馴染「知らない!!」

幼馴染(どういうつもりよ……アンタ!!!!!!)

男「今日もさ、放課後、遊ぼうぜー?」

幼馴染「嫌よ!!大体、デートなんてしてないじゃない!!」

男「そうか?お前も見てたよな?」

主人公「……あぁ」

男「ほら」

幼馴染「あ、あれは……アンタが無理やり誘って」

男「無理矢理なんて人聞きの悪い」

男「まぁ、いいじゃん。何なら、今からどっか行く?」

男「授業なんてサボってさ」ガシッ

幼馴染「ちょっ!馬鹿じゃないの!?」

主人公「離せよ。嫌がってるだろ」

男「嫌がってるのか?」

幼馴染「アンタね……」

主人公「いいから!離せ」

男「ちっ、んだよ」

男「ノリ悪ぃな」

主人公「お前、昨日も無理やりって」

男「コイツが勝手に言ってるだけだって」

主人公「ふざけるな!」

主人公「最低だな……お前」

男「……」

男「ちっ、彼氏気取りかよ」スタスタ

主人公「どこ行くんだよ」

男「さぁなー。フラれちまったから気晴らしに遊んでくる」

男(面白いほどにベタベタな展開。清々しいほどの当て馬っぷり……)

男「」チラッ

男「合格か?」

イケメン「うん」

男「そっか」スタスタ

ツンデレ「……アイツ」

――


屋上

男「まさか、ここにくるとはな」

カチッ カチッ

男(こういう、惨めな演出はいらねーって)

不良「」カチッ

男「お前」

不良「お前、灰皿ねーだろ。ほれ」

男(携帯灰皿まで持ってきてんのかお前……律儀だな)

男「悪い」スー

不良「……それで、どうすんだよ。お前」

男「まぁ、いい感じに嫌われ者になったな」

不良「いいのかよ。それで」

男「さぁ」





男「なーんか、色々考えるのが面倒くさくなった」

男「どうせ、1年で戻れるんだし。どーでもいいかなってな」

不良「面倒で無いことなんてなんもねーだろ」カチッ

不良「何するにしても面倒事はつきもんだ」ハー

不良「違うかぁ?」

男「ごもっとも」

不良「1年もありゃぁ、汚名返上もできんだろ」

男「アイツらと仲良くなってどうする?」

不良「しらねー」

男「だよな」


男「つか、お前、授業」

不良「あ?んなこたぁいいんだよ」

不良「これでもよ。お前の事、ダチだって思ってんだぜ?」

不良「ダチが気晴らしに一服してんならそれに付き合っていいだろう」

男「らしくねーな」

不良「同じ境遇の人間なんだ。日を重ねりゃぁ親近感もわくさ」

男「だな」

不良「……イケメンのやつ」

男「?」

不良「アイツの考え……わかるんだが」

不良「なんかひん曲がってるって思わねーか?」

『――ここは』

『――地獄だよ』

男「アイツも色々あるんだろ」

不良「今回のやり方だってそうだ」

男「そういう考えしかできない奴もいる。それに、俺はアイツの作戦のおかげで救われた」

不良「ま、他に案を出せなかった俺は何もいえねーか」


教室

幼馴染「あ、あの」

主人公「なに?」

幼馴染「その……ありがと」

主人公「いや、あれはねーだろ?」

主人公「誰だって止めに入るさ」

主人公「今度、何かあったらちゃんと相談しろよ?」

幼馴染「え」

主人公「幼馴染なんだからよっ」

幼馴染「うん」


チャラ男「こっちはなんとかなったみたいだね」

イケメン「そうだな」

魔女「……」

魔女(男さん……)

魔女(きっと、幼馴染ちゃんの誤解を晴らすために)

魔女(私のせいだ)

イケメン「」

イケメン「魔女ちゃん」

魔女「え?あ、はい」

イケメン「気落ちすることはないよ」

イケメン「俺達の問題は俺達で何とかするからさ。魔女ちゃんは自分のことを頑張るんだ」ニコッ

魔女「は、はい」

チャラ男「なんとかなるもんなの?」

イケメン「なんとかするさ」

――


屋上

男「もう、1限終わる頃か」

男「今日は帰ろうかな。とりあえず」

不良「ノートなら俺が見せてやる」

男「いや、勉強しないし」

不良「んだよ」

廊下

男「」スタスタ

ツンデレ「やっぱり、屋上」

男「え?」

ツンデレ「わかりやすすぎ」

男「何が?」

ツンデレ「全部よ」

ツンデレ「聞いてた感じ、幼馴染との誤解を解いてやろうって魂胆だったんでしょ?」

男(エスパーかよ!っていうお馴染みのツッコミをいれたいところだが)

男(……表情が険しいな)

男「なにがー?んなことより、俺とあそぼーぜー」

ツンデレ「だから、わかりやすすぎんのよ!その演技!」

ツンデレ「朝のあの一変の仕方。誰だってわかるわよ」

男「けど、主人公と幼馴染は気付いてなかったぜ?」

ツンデレ「それは、あの子達がそれどころじゃなかったからよ」

ツンデレ「それに、私はあのキモい溜息からアンタが関係してるって睨んでたし」

男(キモい溜息ってなんだよ。その言葉に溜息がでるわ)

男「はいはい、そうっすか」

男「貴重な休み時間を割いてお出迎えしてくれるのはありがたいんすけど」

男「帰るんで、そろそろ」

ツンデレ「嫌い」

男「え?」

ツンデレ「あぁいうやり方、すっごい嫌い」

男「そう」

男(この期に及んで、惨めな噛ませ犬に説教垂れるとはどこまで出来てるんですかね。この世界は)

ツンデレ「自己犠牲っていうのかしら?よくわからないけど」

ツンデレ「見ているこっちの身にもなりなさいよ」

男「こんな、生徒Aのことなんてどーでもいいだろ?んなことより、お前はやることあるんじゃねーか?」

男「部外者にどうこう説教垂れる前にお前は自分の役割に徹していろよ」

ツンデレ「」

男「あっ……」

男(大人げない……何、余計なこと言ってんだよ、俺は!)

男「いや、今のは……なんつうか」

ツンデレ「黙れ」

男「……」

ツンデレ「これでも、心配してやってんのよ」

男(どこのアニメに生徒Aを気遣うヒロインがいる?)

男(コイツの行動がさっぱりわからん)

男(だが、心配してくれているというのはありがたいことだ)

男「そっか……。ありがとな、心配してくれて」

ツンデレ「ふ、ふん!わ、私はただ、あぁいう雰囲気が嫌なだけで」

男「俺も嫌いだよ。やっぱり、青春はキラキラしてないとな」

ツンデレ「は?キラキラ?」

男「いや、なんでもない」(つか、ムカつくから、は?はやめてくれ)

男「んじゃ、俺は帰るわ」

ツンデレ「なんでよ」

男「居づらいじゃん」

ツンデレ「はぁ……居辛くなるんならあぁいうことするんじゃないわよ」

男(まぁ、普通はそうだな。だけど、俺には此処へ通わないって選択肢もあるから)

男「じゃぁな!」

ツンデレ「明日から来ないとか馬鹿なこと考えるんじゃないわよ?」

男「はいはい」

男(悪い気はしないよな。こういうのって)



男(面倒なことは多々ある。)


男(だが、敢えてそこに飛び込んで行くこともアリなのかもしれない)


男(魔女の件をどうするかはまだ、決められないけれど)




男(――この物語から)




男(――あの教室から逃げ出すのはまだ早いかもしれない)

第二部完


ここまで読んでくれてありがとうございます
第三部も近々投下できたらなって思ってます!

毎度レスありがとうございます
誰か描いてくれるかなーって思ってたんですが
まぁ、普通は描かないですよねwwwwww
ちょっと、自分のイメージを描いてみたんでよかったらどうぞ

http://i.imgur.com/cMEDYiA.jpg

次回の更新はもうちょいお待ちいただければと思います

第三部

――


休日

イケメンの部屋

男(あっちの世界での休日は正に癒やしそのものであったのに対してここでの休日のと言うものは……)

チャラ男「喫茶店行く?」

男「この間、行ったろ」

チャラ男「じゃ、その隣の店」

男「そこも、行った」

チャラ男「ショッピングモールは?」

男「あそこはもう何回も何回も行った」

チャラ男「えー!じゃー!どうすんの!暇すぎでしょ!!!」

男(めちゃくちゃ、暇なのである)

イケメン「散歩でもしてきたら?」

男「しすぎて、この辺りは大概覚えたわ!」

チャラ男「ねー、どうすんの?このままじゃ、夏休みとか干からびて死んじゃうぜ?」

男「そいうえば、もうすぐ夏休みかぁ」

イケメン「水着とか買ってきなよ」

男「それ、いいな!俺ら持ってねーし」

チャラ男「よしそれじゃ、行くか!」

チャラ男「魔女ちゃんに電話してくる」スタスタ

男「つか、着る機会なんてあんのか」

イケメン「電車ですぐのところに海岸があるんでしょ?」

男「ほう、意外と近いんだな」

男「そうじゃなくて、予定だよ。計画!」

チャラ男「主人公誘っちゃえば楽勝よ!」

チャラ男「あ……」

男「いや、気にすんな」

繁華街

不良「で、俺を誘った意味よ」

クール「」

不良「んで、何でコイツも」

魔女「いいじゃないですかー!いいじゃないですかー!エヘヘヘ」キラキラ

男(どうして、女って生き物は他人の恋愛にお節介をやきたがるのか)

チャラ男「それじゃぁ、ちょっとブラブラしますか!」

男「時間的に飯でいいんじゃねーか?」

イケメン「そうだね」

チャラ男「ちょっと早くない?」

男「混むんだよ。こういうところは」

カフェテラス

魔女「美味しい!!」

クール「」モグモグ

男「定食屋が良かったな」ボソッ

不良「わざわざ、昼休みの時間をずらしたのにな」

魔女「美味しいねー」

クール「」コクリッ

不良「ま、別にいいけどよ」

チャラ男「それで~、魔女ちゃんは最近どう?なの?」

チャラ男「主人公とさっ」

男「そういやぁ、最近、その手の話を聞いてないな」

イケメン「確かに、最近は手伝うこともないよね」

魔女「えっと、ですね」

魔女「今はちょっと、お手伝」

主人公「何してんだ?」

男「」

イケメン「」

チャラ男「」

不良「はぁ……」

クール「」モグモグ

チャラ男「もしかて……今日は妹ちゃんとのショッピング回だったか!!」

男「しっかしりしてくれよ!こちとら、魔女以上に気まずいんだよ!!!」

妹「お兄様のお知り合いですか?」

主人公「あぁ、クラスメイト」

妹「」ジー

男「……」

主人公「……」

魔女「こ、こんなところで会うなんて偶然だね!」

主人公「そうだな」

魔女「あ、妹ちゃん。久しぶりです」

妹「覚えてませんね」プイッ

魔女「あはは……」

主人公「買い物?」

魔女「はい!水着を買いに来たんです!」

クール「!!」

クール「」ゴホッ

クール「き、聞いてない」

男「いや、俺らが買うの」

主人公「水着かぁ」

主人公「俺も買ってこうかな」

イケメン「それなら、一緒にどう?」

主人公「え……」

男「まてまて、さすがにそれは」

イケメン「いいじゃないか。これを機会に仲直りすれば」

男「俺は全然、平気だけど、アイツが」

主人公「いいのか?何か邪魔にならないか?」

イケメン「いや、そっちのほうが楽しいしね」ニコッ

主人公「そっか、お前はどうする?」

妹「仕方ありませんね」プイッ

妹「男の方もいるので許してあげます」

不良「……なんだコイツ」

チャラ男「魔女ちゃんはどんな水着買うの~?」

魔女「え、私は買わないですよ?」

チャラ男「なんで!!」

魔女「男の子がいっぱいいるのに買えないですよー」

チャラ男「なるほど、当日まで楽しみをとっておけと」

魔女「恥ずかしいからです!!」

不良「お前は買うのかぁ?」

クール「買わない!」

不良「そ、そうか」

主人公「……」

男「……」



魔女「あぁ、こういうのいい感じだよ!」

クール「」

不良「いや、だからコイツ買わないって」

チャラ男「ほぉ、これいいんじゃない?」

クール「……」

チャラ男「冒険!しようぜ!」

不良「てめぇ、そのビキニでシメてやろうか?」

チャラ男「すんません!」

男「色々あるなぁ」

妹「」プイッ

男(お兄ちゃんのこと、大好きなんだろうなぁ。チャラ男曰く、アニメに出てくる妹キャラはお兄ちゃん大好きっ子であると相場が決まっていらしい)

男(デートの邪魔されて拗ねてるんだな)

男「悪いな。デートの邪魔したみたいで」

妹「で、!?でででデートではありませんからっ////」

男「みりゃぁ、わかるって」

妹「ぐぬぬ」

妹「……あなた、エスパーですか?」

男「エスパーだよ」

妹「!!!」


不良「あぁ、俺なんでもいいんだけど」

クール「これ」

不良「んじゃ、それで」

魔女「いやいや~♪不良くんはこっちでしょう!」

きょうはここまでです。

今日は更新できそうにないです……

妹「……まさか」

男「え?」

妹「本当にいるとは……」

男(あれ……マジで信じた感じ?)

妹「な、なんでもお見通しというわけですか」

男(いや、まぁ、魔法使いがいるような世界なんだし超能力者がいてもおかしくはないか)

男「そういうことだな」

妹「ひっ!」

男「また、お前の心を読んでやろうか」

妹「や、やめてください!お願いします!」

男(素直におもしろい)

妹「……」

男「あぁ!なるほど、お前そんなことを」

妹「わわ!!何がですか!?」

男「ほぉ、そんなことが」

妹「いやぁあ!!」

妹「わ、わかりましたから!!あなたはすごいです!!」

男(ちょっと、いじめすぎたな)

男「ていうのは冗」

妹「エスパーさん……」

男「え?」

妹「あなたのその超能力で教えてほしいことがあるのですが」

男「いや、だから」

グイッ

男「なんだよ……耳打ちして」

妹「実はですね」コソコソ

妹「以前、お兄様はとっても暗い日があったのです」


妹「幼馴染ちゃんともあまり口をきかなくて……普段はとっても仲が良いのですよ?」

男(お前……)

妹「ですが、次の日、学校帰りにはお兄様はいつも通りのお兄様に戻っていました」

妹「それが、とても不自然に感じて……」

妹「あの時、お兄様は……何に悩んでいたのでしょう?そして、一日で元に戻った理由とは一体、なんなのですか?」

男(コイツ……わかってて、わざと言ってんのか?)

妹「エスパーさんならわかりますか?」

男「……そうだな」

男「ていうか、それを知ってどうする?」

妹「気になります。妹として」

男「一日で普段通りになったんなら、その悩みもその程度だったんだろ?」

妹「私はわかるんですよ。アレはそうとうへこんでました」

妹「それが、ですよ?一日でころっと」

男「解決したのなら、いいだろう?」

妹「そうでしょうか?」

男「誰しも聞かれたくないこともあるだろう。それが身内でも」

妹「……」

男「あぁ。わかった」

男「お前、そのたった一日でも、自分を頼ってくれなかったのが嫌だったんだろ」

妹「……心を読むのはやめてください」

男「いや、力は使ってない」

妹「……」

妹「お兄様はいつでも私を頼ってくれたのに。あの時は」

男「物事の全てが、誰かに相談することで解決するなら、誰も思い悩むことなんてないだろ?」

男「そりゃぁ、言えないことだってあるだろう」

妹「うぅ……」

男「まぁ、何にせよ、解決したんだから、な?」

妹「は、はい……」

男(なんか、気の毒だな……)

男「おぉ!見ろよ。この水着、ちょー可愛いじゃん」

妹「変態ですね」

男「普通の水着だろ!」

きょうはここまでです。

主人公(アイツ……今度は妹を)

主人公「くっ……」

チャラ男「」チラッ

チャラ男「ほぉ、敢えてこういうタイプでいこうかなぁ」

主人公「え?」

チャラ男「どう?似合う?」

主人公「それ、ビキニじゃねーか」

チャラ男「敢えて、胸を隠すスタイル♪」

主人公「いや、意味がわからん!」

チャラ男「でもって、女の子は」

クール「?」

チャラ男「敢えて、胸を曝け出すスタ」

魔女「ふん!」

チャラ男「デッファ!!!!!」

不良(おっかねー魔法だ……)

――


男「そっか。なら、幼馴染って家族も同然って感じなんだな」

妹「はい♪」

男(両親、ともに海外事業で向こうに住んでるって……おいおい、大胆だな)

男「両親と一緒に暮らすつもりはなかったのか?」

妹「お兄様がこっちに居たいって言ってたので、私も残りました」

男「けど、寂しいだろ?そんな歳で両親と離れ離れになるなんてさ」

妹「いえ!私は子どもではありませんから!」

男(……向こうはすげー寂しい決断だったと思うぜ?)

男(そりゃぁ、連れて行くつもりだったはずだしな)

妹「それに、たまの休日に帰ってきたり電話したりしてきてくれるので♪」

男「そうか。偉いなー」

妹「子どもみたいに扱わないでください」

男「そっちからも連絡いれてやれよっ」

妹「頻繁に電話するとお仕事の邪魔になっちゃいますよぉ?」

男「たまには、だよ。そりゃぁ、向こうのタイミングで連絡いれるほうがいいかも知れないが」

男「子どもから、電話してくるってさ、すげー嬉しいんだぜ?」

妹「……子どもいるんですか?」

男「いないわ!」

男(出張中の先輩は大概、そうなんだよ)

男「職場の飲み会じゃぁ、妻子持ちの上司は、我が子の自慢話が多くてさっ」

男「そりゃぁ、自慢はもういい!ってなるけど。いつか、俺も家族もったとき、そういう風に幸せそうに自慢すんのかなとかさ?」

男「考えたりしてな」アッハハハ

妹「飲み会?」

男「い、いや、知人の話……」

魔女「クールちゃん、今度一緒に買いにいこうね?」

クール「えぇ」

魔女「ええ!嫌なの!?」

クール「水着とか……」

チャラ男「スク水設定なんだよ」コソコソ

不良「だからなんだよ」

チャラ男「まぁまぁ、欲しくないのなら無理しなくても」

魔女「でもでもぉ」

魔女「水着は夏のマストアイテムだよ!」

クール「学校のが」

チャラ男「あぁああ!っと!魔女ちゃん!?思い切ってハイレグなんて」

魔女「着ない!」

チャラ男「ひっふぁ!!」

不良「……そこまで、スクール水着がみたいか?」

チャラ男「……アンタにはわからんだろうよ。……海岸とスク水のギャップの良さがな」

チャラ男「おしゃれな水着に囲まれたスク水……少し戸惑いながらも堂々と着こなすクールちゃん!!!」

不良「お、こういうのどうだ?」

クール「ですが、私」

不良「水着くらいもっとけよ。スク水で海水浴なんて笑われちまうぜ?」

クール「そうなんですか?」

不良「少なくとも俺は笑っちまう」

クール「買います」

チャラ男「裏切り者!!」

不良「さすがにその絵面は惨めすぎんだろうが!」

魔女「クールちゃん!今度私と買いにこう!」

クール「今、買います」

魔女「なんで!?」

短めですが今日はここまでです!

主人公「妹っ」

妹「お兄様?水着は買ったんですか?」

主人公「コイツとはあんまり関わるんじゃない」

男「……」

妹「はい?何故です?」

主人公「いいから!」


魔女(男さんと主人公くんが……)

魔女(止めに入らないと!)

イケメン「その辺にしときなよ」

男「お前……」

イケメン「いい機会じゃないか。ちゃんと、話ししたら?」

主人公「話すことなんてない」

イケメン「こっちにはあるんだよ。なっ?」

男「お、おう……」


妹「お兄様とあの人、何かあったんですか?」

イケメン「う~ん、ちょっとした喧嘩をね」

妹「そうなのですか……」

魔女「大丈夫だよ!妹ちゃん!すぐ仲直りっ!だから」

妹「」プイッ

魔女「あ……」



主人公「話って何?」

男「えーっと、だな……」

男「幼馴染の件だが……悪かった」

主人公「はぁ……」

主人公「どうして、俺に謝る?」

男「そりゃぁ……」

主人公「俺じゃなくて、アイツに謝るべきじゃない?」

男(全く、その通りなんだが……)

主人公「お前さ、アイツの事好きなの?」

男「……」

主人公「本当に好きなら、あぁいうやり方は良くないんじゃない?」

男「本当に好きならな」

主人公「……」

男「見てたろ?アレが惚れてるように見えたか?」

主人公「……見えなかった」

男「そういうことだ」

男「……けど、反省はしてる。悪いことをしたと思ってる」

男「だから、幼馴染にもちゃんと謝るつもりだ」

主人公「よくわかんねーよ……」

主人公「お前、結局、何がしたかったんだよ」

男(言えない……言えるわけがない……)

男(確かに、コイツからしたら、さっぱりだよな。関係を掻き回してトンズラするただの厄介もんってだけだし)

男(そんなヤツが今になって律儀に謝るなんて)

男「……そうだな」

男「アイツとただ仲良くなりたかったてだけじゃダメか?」

主人公「……」

男(そういうわけでもないんだが……今は、嘘に嘘を重ねるしかねぇ)

主人公「それって、好きってことじゃ」

男「いや、違うんだ!」

男「あぁ、なんつーかな。友達になれたら、すげー面白そうなヤツだなって」

男「オリエンテーションの時にさ、俺、同じ班だったから。そん時に思ったんだよ」

男「まぁ、実際、失敗したんだけど」

主人公「……」

主人公(嘘だな……デートがどうとか、フラれたとか言ってたじゃねーか)

主人公(……だけど)

主人公「不器用なヤツだな。お前」

男「え?」

主人公「俺は、許すとか許さないとかいう立場じゃない」

主人公(アイツに悪いことをしたという認識があるくらいには……)

主人公(真剣なんだな……コイツ)

主人公「だからさ」

主人公「顔、上げろよ」

男「……」

主人公「幼馴染は、ホント良いヤツだ」

主人公「お前が、ちゃんと謝ればきっと許してくれる」

男「そうだな……」

主人公「あと、自分に嘘つくのは良くないな」

男「え?」

主人公「今度は、上手くやれよ?」

男(……何が?)

――


帰り道

主人公(やっぱり、こういうことだってあるよな)

主人公(幼馴染……何だかんだ言って可愛いし)

主人公(って!俺は一体何考えてんだ!!)

主人公「はぁ」

妹「お兄様?」

主人公「ん?」

妹「どうかしましたか?」

主人公「なんでもない」フフッ

魔女「よかったー仲直りしてくれて」

主人公「そもそも、喧嘩なんてしてないから。な?」

男「ま、まぁ」(いや、俺は何も言えねー)

チャラ男「んなことより、せっかく、水着買ったんだしさぁ!海水浴の予定建てようぜ!」

男「んなことよりって」

主人公「そうだなー。夏休みになる前には考えておかないとな」

魔女「わぁ♪今から、楽しみですね!」

妹「あなたも来るんですか?」

魔女「ええ!行くよ!絶対、行くもん!」

不良「あぁ、車だせりゃぁ、バーベキューでもできるんだがな」

主人公「レンタルできるぜ?あそこ」

チャラ男「おぉ、いいね~。ドライバーだけ、お酒禁止~とかいう罰ゲームがなくなるわけか」

魔女「も、もう!チャラ男さんたら~」

魔女「み、せ、い、ね、ん。でしょ~?私達」ゴゴゴゴゴ

チャラ男「そ、そうだったねー!あっはははは」アセアセ

男「冷や汗が尋常じゃねぇぞ」

主人公「……」


主人公(――なんだか、新鮮だ。何でだろう?)



チャラ男「水着が楽しみだー!!スク水!!クールちゃんのスク水祭り!」

不良「で、スク水祭りすんの?」

クール「絶対にしない」


主人公(海水浴は去年もしたじゃないか――)


チャラ男「ええええええええええ!!おい!不良!いい加減にしろ!クールちゃんを惑わすな!」

不良「惑わしてねーよ」

チャラ男「クールちゃん、俺がスク水の魅力について君にとことん」

魔女「」スッ

チャラ男「ぶぎゃぁ!!」

魔女「クールちゃんは後日、私と水着を買いに行きます」


主人公「」フフッ

主人公(――そうか)

主人公(こんなにも、男の友達とワイワイするのって――)

主人公(――初めて、なんだよな)

チャラ男「主人公、ニヤニヤしてる。絶対、スク水のクールちゃん想像してるって!」

主人公「してねーよ!」

魔女「え……」

主人公「してないから!!」

アッハハハハハハ

――




妹「もしもし?お母様?」

妹「ううん、なんでもないのですが」

妹「えへへ、たまにはこっちから連絡してみようと思いまして」

妹「そう、仕事、上手くいってるのですね」

妹「はい♪お兄様も元気ですよ?私が知らない内にお友達がたくさんになってまして」

妹「あの……お母様?」

妹「私から電話するのって嬉しい……ですか?」

妹「い、いえ!!ただ、聞いてみたくて」

妹「はい!また、お話したいです!」

妹「」ガチャッ

妹「」フフッ

ちょっと、休憩します

――


学校 

教室

チャラ男「日程を決める前に、人数確認を」

男「結局、何人になるんだ?」

主人公「とりあえず、現状は」

魔女「はい!私、イキマ~ス!」

イケメン「とりあえず、この間のメンバーだと」

男 不良 チャラ男 イケメン 主人公
クール 魔女 

イケメン「ざっと、7人だね」

男「あれ、妹は?こねーの?」

主人公「高校生同士の中に自分が入るのはアレだから、だってさ」

男「気使わなくていいのにな」

主人公「そういう子だから」

チャラ男「しかし、圧倒的に女子が足りん……」

チャラ男「」チラッ

主人公「いや、俺を見ても……」


不良「どう考えてもアイツは来るだろ」ペラッ

イケメン「誰?」

男「あぁ……」

ダッダッダッッダッダ

ガラガラ ドン!!!!!!!

後輩「センパ~イ☆センパイセンパイセンパ~イ☆」

主人公「おはよ」

後輩「なんですかー?何話してるんすかー?」

主人公「今度、みんなで海へ」

後輩「わぁ~♪行きます!行きます!私も行きたいで~す!!!!!!!!!」

不良「……」

チャラ男「後輩ちゃん、不良も来るけどいいの?」

後輩「は?」ギロッ

後輩「いいわけないじゃないですかー?くるんじゃねーですよ」

不良「はぁ……」

後輩「なんすか!!何なんですか!その溜息!むっかつく!!」

男「いつものように怒鳴らねーのな」

不良「いや……ガキ相手に見っともないって思ってきてな」

不良「コイツみたいな底抜けの馬鹿には何しても無駄だわ」

後輩「ちっ、どこまでセンパイと私の甘い恋路を邪魔すれば気が済むんですか!!」

後輩「邪魔!邪魔!邪魔~!ふーんだ!」

不良「あぁ、そうかよー。そりゃ良かったなぁ」

後輩「ばーか!!ばーか!」

クール「」スタスタ

クール「」

後輩「な、なんですか」

クール「この人は……馬鹿じゃないです」

後輩「はい?」

クール「馬鹿じゃないです」

不良「え?」

不良「おいおい、わざわざ拗らせるような事を」

後輩「あなた、不良センパイの何ですか?彼女ですか?馬鹿ですかー?」

クール「友達です」

後輩「ほぉ?不良センパイって女の子のお友達、いらしたんですねー?」

不良「悪いかよ。つうか、お前ら喧嘩すんなよ」

クール「喧嘩ではありません。私は注意してるんです」

後輩「ふん!」

不良「とりあえず、馬鹿でも何でもいいからよ」

クール「馬鹿ではありません。そうでしょう?」

後輩「馬鹿じゃん!!馬鹿ですよ!」

不良「っるせーんだよ!!!馬鹿だとかんなもん関係ねーだよ!とりあえず、静かにしろや!!!!」

後輩「」ガクブル

クール「……」シュン

チャラ男「いや、クールちゃん悪くないでしょ。お前を庇っての事なのに」

不良「んなもん両成敗だ。喧嘩吹っかけてるみてーなもんだろ」

クール「……ご、ごめんなさい」

不良「まぁ、庇ってくれたのはありがてーがな」

後輩「センパイ……あの人コワイです」

主人公「お前も懲りないな」

後輩「センパイ、なでなでしてください」

主人公「」ナデナデ

チャラ男「よお~し!お兄さんもナデナデしちゃうぞー!」

後輩「がるるる!」

チャラ男「……」

イケメン「とりあえず、これで8人だね」

ツンデレ「あら、楽しそうな話してるじゃない」

男「よっ」

ツンデレ「おはよう」

主人公「お前も来るか?」

ツンデレ「いいわよ?やっぱり、夏と言えば海よねー」

魔女「ツンデレちゃん、水着買ったー?」

ツンデレ「まだ、だけど?」

魔女「今度、買いに行かない?」

ツンデレ「いいわよ」

チャラ男「この際、ツンデレちゃんでいいや」

ツンデレ「あ?」

チャラ男「スク水でお願いしたいのだが」

ツンデレ「嫌よ!」

チャラ男「いや、主人公がそういう趣味でな。どうよ?」コソコソ

ツンデレ「なっ/////」

主人公「ちょっと待て!!勝手なこというな!」

ツンデレ「さいてー!!」ドス

主人公「ごふ……」


幼馴染(海かぁ……私も行きたいけど)

幼馴染(アイツが行くんじゃなぁ……)

幼馴染「はぁ……」

シャイ「どうしたの?」

幼馴染「ううん、なんでもないっ」

――


授業中

ツンデレ「ねぇ」クルッ

男「なに?」

ツンデレ「あなたも行くんでしょう?海水浴」

男「おう、行くぜ?」

ツンデレ「ふ~ん。とうことは、仲直りしたんだ。主人公と」

男「まぁ、なんとかな」

男「……幼馴染とはまだ、だけど」

ツンデレ「……そう。ねぇ、この際だから聞かせてよ。何で、あんなことになったの?」

男「そりゃ、言えねー」

ツンデレ「そう……」

男(コイツ……あの時といい、自ら俺に絡んでくるとは)

男(まさか、俺に気があるのか!?)

男(確かに、こういうお年ごろの子は歳上を好むと聞くが)

ツンデレ「早くあの子とも仲直りしなさいよ?」

男「あ、あぁ//」

ツンデレ「なによ?なんで、そわそわしてるのよ?」

男「い、いや別に」

――


廊下

チャラ男「いやぁ、やっぱり、ツンデレちゃんも来てくれるかー!嬉しいなー!」

男(悪いなぁ、チャラ男。残念だが、ツンデレちゃんは)

チャラ男「あの子さぁ、可愛いし、良いキャラしてるからなー」

男「ほぉ」

チャラ男「ヒロイン同士のいざこざなんて大体、ツンデレちゃんがなんとかするからねー」

男「……ん?」

チャラ男「面倒見がいいって言うか、大人なんだよなぁ、うんうん」

男「は?」

男(あぁ……そういうお節介焼く感じの子ね)

男(昔、いたわー。何かと喧嘩の仲立ちするやつ)

男(気を遣ってるんだか何だか知らねーが、やたらと相談に乗ったり、早く仲直りしなよーとか言う女の子……)

男「」チーン

チャラ男「おい、真っ白だぞ。今、そういうのじゃなくね?」

今日はここまでです

――




教室

幼馴染(また、海水浴の話……)

幼馴染「はぁ」

シャイ「」モジモジ

シャイ「なんだか、楽しそうだよね」

幼馴染「そうねー」

シャイ「何の話してるのかなぁ」モジモジ

幼馴染「さぁ」ジトー

友「んじゃ、俺は肉担当で~!」

ポニテ「じゃぁ、私はお菓子担当で~♪」

男「肉担当って、一人に任せちゃ結構、きつくないか?」

友「そうかー」

友「んじゃ、お前もな」

主人公「あいよ」

不良「とりあえず、荷物になりそうなのは野郎が持ってきゃぁいいだろ」

チャラ男「魔女ちゃん、パラソルとかある?」

魔女「ありますよー」

イケメン「それじゃ、当日までにとりにいくよ」

魔女「え……家まで、ですか?」

イケメン「もちろん」

魔女「そ、それはちょっと……」

イケメン「何か問題でもあるの?」

魔女「ま、まぁ……」

男「ほぉ」

魔女「……あはは」

男「お前、何かわかるか?」

チャラ男「う~ん。そうだなぁ」

魔女「チャラ男さん!やめてぇ!」

ボッ

チャラ男「あち!!あち!あちゃちゃちゃちゃ!!!!」

男(絶対に、喰らいたくないな……例えアニメといえど)

ツンデレ「で、この日で確定でいいのよね?」

男「あぁ、そうだ。その確認も」

男「いいよな?これで」

主人公「あぁ」

後輩「おい、クソヤロウ」

不良「あぁ?」

後輩「海で沈めてやるから覚悟しときやがれですよ!」

不良「やれるもんならやってみろ」

後輩「くっくっく」

後輩(こっちには水着というスーパーパワフルな武器があるんですよー?)

後輩(ちょーっとセクシーに決めてやれば、この脳なし猿なんて鼻の下伸ばしてイチコロよ……)

後輩「へっへっへ。絶対に沈めてやる」

主人公「やめといたほうがいいぜ?何企んでんのかは知らないが」

後輩「だめですぅ♪私は誰にも邪魔されずにセンパイ☆と夏の一時を過ごしたいんですからーっ」

不良「邪魔するつもりなんてねーっての」

後輩「嘘つけ!ぼけー!」

ツンデレ(今、誘ったら絶対に行かないって言うわよね……)

ツンデレ(そうなったら、後から行きたいなんて言い難いだろうし……)

ツンデレ「はぁ」チラッ


幼馴染「……」

シャイ「それでねー」


ツンデレ「なんとかなさいよ」

男「わかってるって、海水浴までには何とかするからさ」

男「結果的に、俺が関わることでアイツらの繋がりを阻害してるんじゃ……失敗だったか?」ボソッ

イケメン「あれは、その場しのぎでしかないからね」

イケメン「失敗か成功なんてこれから見えてくるもんじゃないかな?」

イケメン「それも、君しだいだよ」

男「そうか……」



魔女「……あぁ、どうしようかなぁ」

チャラ男「だから、家行くって」

魔女「それは……」

チャラ男「なんか、あったけ?魔女ちゃん家って」

チャラ男「えーっと」

魔女「か、考えないでください!」

ボッ

チャラ男「いぎゃぁああああああああ」



後輩「もういっぺん言ってみやがれー!」

不良「だから、コイツも絶対ウザイって思ってるかんな。それ」

後輩「せ、せせセンパイ?」

主人公「え……えっと」

後輩「即答してくださいよー」ウルウル

クール「」フッ

後輩「何、わらっとんじゃー!!!!!!!」

今日はここまでです

キャラ増やしすぎましたね

http://i.imgur.com/I4T1Y5K.jpg

落書き程度ですが
ツンデレ

――


昼休み

主人公「お前も来るよな?」

幼馴染「え?」

幼馴染「いやいやいや!ええ?」

主人公「来ないのか?」

幼馴染(だって……アイツが)

幼馴染「……アイツ、来るんでしょ?」

主人公「心配するな。俺がいるじゃねーか」

幼馴染「そ、そう……」

幼馴染(守ってくれるんだ……)

幼馴染「じゃ、じゃぁ」

幼馴染「いこうかな//」モジモジ

男(うわー、チョロいなぁ……)

男「助かった」

主人公「今のままじゃ、何をしても拗れそうだったし」

主人公「俺が声掛けるのが一番いいと思ったんだ」

主人公「アイツは家族みたいなもんだし」フフッ

男「海水浴も極力、距離は置くようにする」

主人公「何言ってんだよ。仲直りには打って付けだろ?」

男(いや、拗れそうって言ったじゃないか)

主人公「俺さ、当日になってしまえば、何とかなるって思ってるんだよ」



『俺達は、全てが”何とかなる”と錯覚していた……』



『そうでない世界から来た人間なのにね……』


男(俺達はそれが通用しないんだよ……主人公)

男「そうだな!案外、簡単に仲直りできるかも」


――


キーンコーンカーンコーン

ツンデレ「ねぇ、どっか寄って行かない?」

幼馴染「うん!」

主人公「いいぜー」



不良「んじゃ、帰るか」

男「おう」

クール「!?」

クール「」スタスタ

クール「わからないところは?ないの?」

不良「今回の範囲は一人でなんとかいけそうなんだ。とりあえず、自力でやってみるわ」

クール「そう」ショボン

不良「湿気た面すんなよ」

クール「いえ」

不良「んじゃ、どっか行くか?」

クール「」コクリッ

男「帰らないのか?」

不良「あぁ、先帰っててくれや」

チャラ男「デートかよぉ」

不良「いや、ちげーし。来たいなら来ればいい」

チャラ男「面倒だからパスー」

男「デートつうか、拗ねた娘を宥める親父って感じだな。ありゃ」

不良「しょうがねーだろ」

クール「すねてませんが?」

男「いや、拗ねてる」

クール「むっ……」

不良「あれ?お前、主人公と一緒に帰らないのか?」

魔女「え、えっと……ちょっと用事がありまして」

チャラ男「学校で?」

魔女「ま、まぁ」

男「あれか?かーちゃんからの呼び出しか?」

魔女「まぁ……」



――

帰り道

イケメン「理事長と何かあったのかな?」

男(あれか?……この間、屋上でタバコ吸っちまったのがマズかったか?)

男(いやぁ……すまん。魔女)

チャラ男「俺ら何もしてないよなー?」

男「してない」

チャラ男「わかった!居酒屋いったの!あれ、生徒に見られたとか?」

男「ねーよ。わざわざ、くそ遠い居酒屋探したのに」

イケメン「でも、理事長は俺達が成人済ってこと知ってるし」

イケメン「そもそも、俺達には極力、制約を課さないって言ってたじゃないか」

男「んじゃぁ、ただの家族の問題ってことか」



「見つけたぞ……異世界の者よ!!!」

ちょっと休憩

男「誰だ……コイツ」

イケメン「それより、異世界の者って」

「私が来たからにはこれ以上の好き勝手はさせないぞ!」

男「チャラ男、説明してくれ」

チャラ男「あの子は魔女ちゃんのお姉ちゃんだよ」

姉「主に従えぬなら、契約が切れるまで拘束してやる!」

男「で、何で今になって出てきたんだ?つうか、拘束するとか物騒なこと言ってんぞ」

チャラ男「あの子は後半戦では第一話目から登場したんだ」

チャラ男「魔女ちゃんの失敗によって召喚された下手物をあの子が退治するんだよ」

姉「今更、命乞いか?」

男「なるほど……俺達のせいでお役御免となったわけか」

チャラ男「ちなみに、主人公とは面識があったんだけど、魔女ちゃんのお姉ちゃんってわかるのがその一話なんだ」

イケメン「その情報はどうでもいいんだけどさ……その話の通りだと」

イケメン「お姉さんは俺たちを退治するつもりなんじゃ」

姉「話を聞けー!!!!!!!!!!!」

男「ちょっと、君」

姉「なんだ!」

男「俺ら、別に悪さしてるわけじゃないんだしさ」

男「そうカッカするなよ。な?」

姉「では、何故、主の元を離れる!?貴様らは究極の召喚魔術によって呼び寄せられたのだろう!!」

姉「私も使いたかったのに……」ボソッ

姉「主の願いを叶えずに何をしているのだ!!!!!!」

チャラ男「いやぁ、それがね?魔女ちゃんがその魔法失敗しちゃってさぁ」

チャラ男「俺ら何の契約もしてないままここに来ちゃったんだよ」

姉「なら、尚更放っては置けない!!」

姉「精霊を野放しになんかできるか!!」

男「いや、精霊じゃねーし」

イケメン「あの……妹さん呼んでもらえます?」

姉「とにかく!!!貴様らは拘束する!そして、我が屋敷の地下に幽閉してやる!!!!!!!!!!!!!!」

イケメン「逃げよう」

チャラ男「どこに!?」

男「学校だよ!魔女のところに行かねーと!とんでもねーことされちまう!!!」

タッタッタッタ

姉「ふん!この私から逃れられるとでも思っているのか!?」

ドーン ドーン

チャラ男「やべーって!何かすんごい魔法使ってる!」

男「おい!このアニメってそういうアニメじゃねーだろ!」

姉「ちっ!手こずらせる!」

ドーン

チャラ男「んわぁあああああああ!かすった!!今、かすった!」

男「前だけ見て走れ!!死ぬぞ!」

チャラ男「えええええ!死ぬの!?」

男「あんなもんまともに喰らったらそりゃ死ぬだろ!!!!」

姉「逃げ足の早い奴らだな!!」

姉「ならば!この奥義を受けてみよ!!!」

イケメン「奥義とか言ってるけど……」

男「マジか……」



姉「あっ」ガッ

姉「」ドサー


男「は?」

イケメン「躓いて転んだみたいだね……」

男(あぁ、コイツもドジなのか……)

チャラ男「どうする?」

男「ほっとけよ……さっさといこうぜ」

姉「うぅ……」

男「いや、待てよ」

姉「いたたた……」

男「」スタスタ

姉「き、貴様……敵だというのに手をかしてくれるのか」

男「」

姉「……どうやら、私は貴様らのこと……誤解していたようだな」フッ

男「」グイッ

姉「いだだだだだ!!!!!!!」

姉「か、かためるな!!!!!」

男「うっせー。立てよ、おら」

姉「はい……」

男「お前、次、意味わかんねーことしたら」

男「この最強の精霊三銃士が成敗するからな」

姉「なっ!!」

男「屍も残らねーくらい綺麗さっぱりにしてやるよ」

姉「ひぃ!!!!!!!!!」

男「よし、コイツ連れてくぞ」

イケメン「いいの?そんなこと言っちゃって」

男「いいんだよ。危ない目に遭わせておいて何が誤解していただ。死んだら元も子もねーっての」

チャラ男「うわぁ……男、マジギレしてる」

男「当たり前だろうが!!!!!!」

姉「……ひぃ」

今日はここまでです
やっと出せました。魔女の姉

http://i.imgur.com/OOODbRa.jpg

――


魔女「えぇ……」

理事長「ごめんね!何か、バレちゃったみたいで」

魔女「お姉ちゃん、何て言ってたの?」

理事長「精霊を野放しにするわけには行かないからひっ捕らえてやるって」

魔女「な!!!!!!!!」

魔女「どうして、止めてくれなかったの!!」

理事長「止めようとしたんだけど……飛んで行っちゃって」

理事長「あの子、思い立ったらすぐ行動するタイプでしょう?」

理事長「彼らは大丈夫かしら」

魔女「大丈夫じゃないよ!!」

コンコン

理事長「どうぞ」

男「どうも」

魔女「男さん!!」

理事長「あらっ!無事だったのね」

男「危うく、死ぬところでしたよ……ほら、歩け!」

姉「……」

理事長「あのお姉ちゃんから、逃れるとは!すごい!」

チャラ男「いや……俺ら何もしてないっす」

イケメン「理事長、彼女に俺達の事、説明してあげてください」

男「コイツ、俺らの言うことには聞く耳持たないんですよ」

――


姉「貴様!!よくも騙したな!最強の精霊ではないじゃないか!」

男「んなことより、先に言うことあんだろうが」

姉「黙れ!!貴様に謝罪などするか!」

魔女「お姉ちゃん!謝って!」

姉「ふん」

理事長「謝りなさい」

姉「私は……皆の安全のためを思って」

姉「大体、このような事になったのも!ちゃんと説明してくれなかったからではないか!」

理事長「説明も聞かずに飛んで行ったのはアナタよ?」

姉「……」

姉「そもそも、妹が失敗なんてしなければ」

魔女「うっ……」

姉「それに、一度しか使えない魔術を勝手に使用するなんて!」

男「今はその話はいいだろ」

姉「部外者は黙っていろ!」

男「いい加減、怒るぞ」

姉「ふん!貴様が怒ったところで何だというのだ?私に敵うとでも思っているのか?」

姉「笑わせるな!」

男「……」

イケメン「男、抑えて」

男「おい」グイッ

姉「ふっ、女に暴力を振るうつもりか?」

男「お前、マジでなめんじゃねーぞ」

男「部外者だ?テメェの妹のせいでこんなところに来ちまったんだろうがよ」

男「テメェの勝手な思い込みで危ない目に遭わされて」

男「……謝罪の一つもできねーのか?」

姉「……」

男「母親のせいだの、妹のせいだの今はんなこと、どうでもいいんだよ」

男「テメェが仕出かしたことについて、きちんと謝れってんだよ」

姉「ふっ……」

男「まだ、笑うか……って」

姉「き、貴様…言うじゃないか」ウルウル

姉「」グッスン

男(マジかよ……なに、泣いてんだよ)

男(いやいやいや、何?こんな脆い子なの?)

男(さっきまでの威勢はどうしたんだよ。予想外すぎる)

男「」アセアセ

男「」クルッ

チャラ男 イケメン「」

男(無視すんじゃねーよ!)

男(ちょっと、説教してやったくらいで泣くなんて困るわ!!マジで!!)

男「お、おい」

姉「わ、私はじぇ、じぇったいに謝らんからな」ウルウル

男「泣いたら許されると思ってんのか?」(なんで、小学生を叱る教師にみたいになってんだよ)

姉「な、泣いてなどいない!馬鹿め!」シクシク

男(嘘だろ?この期に及んで泣いてないって言い張るのか?ボロ泣きじゃねーか)

男(困ったな……これじゃぁ、収拾がつかねぇ)

理事長「魔女ちゃん」

魔女「はい」

理事長「とりあえず、お姉ちゃん、連れて帰って」

理事長「彼、すごく困ってるみたいだから」

魔女「はーい」

魔女「ほら、お姉ちゃん」グイグイ

姉「ふ、ふん!」

バタン

理事長「はぁ……負けず嫌いというか、なんていうか」

理事長「ごめんなさいね?」

男「いえいえ!理事長には色々してもらってるし……謝ることなんてないですよ」

理事長「今は、お姉ちゃんの代わりに謝ります。あの子からは、後日、ちゃんと、謝らせますので」

男「は、はい」



――


男「な?やばくないか?」

不良「相当ヤバイ女だな」

イケメン「思っていたよりもずっと女の子だったね……」

チャラ男「まぁ、確かに強がりな子だけど、泣いちゃうとは」

男「俺が悪りーのかよ」

チャラ男「べっつにー」

男「泣くとは思ってなかったんだよ。マジで」

男(何なんだ。アイツは……)

魔女の家

姉「やはり、アイツだけは放っておけん」

魔女「まだ、言ってるのー?お母さんも謝りに行きなさいって言ってたでしょー?」

姉「あ、謝りには行く……少し、やりすぎたと思っているからな」

姉「しかし!妹よ。見ただろう?あの男の凶暴性を!」

姉「私が何とかせねば……」ウンウン

魔女(お願いだから、不良くんには喧嘩を売らないようにね……)

姉「妹よ」

魔女「なに?」

姉「なにか、持って言ったほうが良いのか?」

魔女「え」

姉「い、一応だな。けじめをつけるためにもちゃんと謝罪するつもりでいるんだ」

魔女「えーっと。麦酒とか喜ぶんじゃない?」

姉「え?歳上?」

魔女「そうだよ」

姉「歳まで欺いておったのか!!!!!!!!!!」

魔女「いやいや」(まぁ、制服着てたからねー)

魔女「こっちに召喚された時に、外見も私達に合わせて若返ったみたい」

姉「妹よ」

魔女「今度は何?」

姉「謝りに行く服装は」

魔女「なんでもいいんじゃない?」

姉「ふむ」

次回 海水浴編です
いつもレスありがとうございます!

――


ショッピングモール

魔女「~♪」

ツンデレ「結構な人数になったわね~」

幼馴染「この子が来たのが意外って感じ」

クール「」キョトン

魔女「えへへ~。海水浴は勝負どころだもんね!クールちゃん♪」

魔女「私がすっごく可愛い水着を選んであげる!」

クール「……え」

幼馴染「へ~。誰か好きな人がいるんだぁ」

クール「?」

魔女「幼馴染ちゃんも応援してあげてよっ」

幼馴染「応援って、誰が好きなの~?」コノコノー

幼馴染(主人公じゃありませんように……主人公じゃありませんように……主人公じゃありませんように……)

クール「それは……」

シャイ「海水浴に来るんですよね////」

魔女「不良くんだよ」コソコソ

幼馴染「え!?ホント!?」

ツンデレ「ちょっと!私にも教えてよ」

コソコソ


ツンデレ シャイ「えええ!!」

クール「えっと、いや」アセアセ

ツンデレ「確かに……オリエンテーションの時、ずっと一緒にいた気が」

シャイ「あの人、怖くないんですか?」

クール「怖くない」

幼馴染「怒りっぽい感じがするんだけど」

クール「良い人です」

魔女「だよねー!不良くんって実はすごい優しい人なんだよー」

魔女「怒るとコワイけど」

ツンデレ「ないない。あぁいうタイプは苦手よ」

魔女「チャラ男さんならいいんですかー?」

魔女(ふっふっふっふ……)

ツンデレ「なっ!何がいいのよー!」

シャイ「オ、オリエンテーションで仲良かったですよね!」

ツンデレ「どこがよ!」

ツンデレ「アイツが執拗に絡んでくるから」

幼馴染「それ、狙われてるんじゃない?」

ツンデレ「いや……アイツは女の子なら誰でも見境なしに飛びつくから」

魔女「そうだね……」

魔女「あ、イケメンさんは?カッコイイよ」

ツンデレ「あの子は目が笑ってないから何か怖いのよね~」

幼馴染「そう?聞き上手だし。モテそうって思ったけど」

ツンデレ「ほう」

シャイ「とても優しい方ですよね」

クール「ふ、不良も優しい」

全員「」

魔女「うんうん♪不良くんもとても優しい人だもんね」

クール「」ウンウン

幼馴染「主人公も……優しい、わよ?」

全員「」

ツンデレ「い、意外とね」コホン

魔女「だよね~!」

――


魔女「わぁ!可愛い!これにしようかな~」

魔女「あぁ、でも!こっちにしようかな~」フフフフ

クール シャイ「」

ツンデレ「そこの、おチビさんたち。いいの見つけた?」

クール「チビではありません」

シャイ「ち、チビじゃないですぅ!」

ツンデレ(あ、つい……)

幼馴染「うわぁ、大胆ね~」

ツンデレ「そう?」

幼馴染「私は恥ずかしくて着れないなぁ」

ツンデレ(いいわよね……その胸じゃ、何着ても釘付けよ)

ツンデレ「」ゴゴゴゴゴ

魔女「ねぇねぇ、このリボン超かわいいよー!」

ツンデレ「あ?」

魔女「ひっ」



――


帰り道

ツンデレ「当日のことは全部、男の子に任せてるけど大丈夫かしら」

魔女「心配ないですよ~。男さんたちはきっちりしてますから」

幼馴染「前から、気になってたんだけど。アイツらと仲いいわよね。魔女って」

幼馴染「どういう繋がりなの?」

ツンデレ「確かに、それは気になるわね~」

ツンデレ「だって、去年はチャラ男たちっていなかったわよね」

魔女「え……えっと、それは」

魔女「あ、あー!始業式にチャラ男さんに凄く絡まれて~、かな?」

魔女「うんうん!それでね!仲良くなったの!」

ツンデレ「アイツ……ホントに誰でもお構いなしね」

――


ポニテ「うっみだー!」

後輩「いえ~い!!泳ぐよ~!スイカ割りするよ~!」

後輩「そんでもって、あの獣を沈めてやる」

主人公「お前ら、先に着替えてこいよ」

イケメン「俺達は日除け用のテントとか張っておくから」

魔女「は~い!行こ!」

クール「」コクリッ

不良「おい、バーベキューのセット借りに行くぞ」

友「おうよ」

チャラ男「んじゃ!俺は泳いで」

男「お前も手伝え」

魔女「おまたせ~♪」

キラキラ

男(うぉ……すげぇ、キラキラしてるぜ!)

男(……物理的に)

魔女「どうですかー?似合ってます?」

男「おう!ばっちり、決まってるぜ」

魔女「そ、そうですか!」

男「がんばれよっ」

チャラ男「うひょー!幼馴染ちゃん、スタイルめっちゃいいじゃん!」

幼馴染「なっ……そ、そう?」

主人公「うん」

幼馴染「///」

今日はここまです

後輩「ふん♪」

不良「あれ、炭忘れてねーか?」

友「あぁ、ホントだ」

不良「取りに行くか」

後輩「ふんふん♪」

不良「つか、軍手もねーな」

友「え、いるの?」

不良「当たり前だろ」

後輩「っておい!無視するんじゃねーですよ!!!」

不良「んだよ。さっさと遊んでこい」

後輩「どう?ふん♪」

不良「あ?」

後輩「セクシーでしょ?でしょ?」

後輩(ほらほら、脳みそチンパンジーのセンパイはこれで鼻血ぶーですよー)

不良「誘ってんのか?」

友「ぶっふぉ」

後輩「あ、あほですか!?んなわけ、ねーですよ!!!!!!!!!!!」

不良「んじゃ、なんだよ」イライラ

後輩「デリカシーの欠片もない、とんだ変態野郎ですね……」トボトボ

不良「っるせーな」

クール「」スタスタ

不良「おう、似合ってんじゃん」

クール「」フフッ

後輩「はぁああ!?」

後輩「私だって似合ってるじゃないですかー」

不良「そうだな」

後輩「そうだな!じゃねーですよ!!馬鹿ですか!?」

不良「おい、なんとかしてくれ」

主人公「泳ぎに行こう」

後輩「は~い!センパイ☆」

不良「けっ」

チャラ男「」ニヤニヤ

不良「今度はなんだよ」ガサガサ

チャラ男「モテモテですなー」

不良「あぁ、そりゃありがたいな」

チャラ男「後輩ちゃんとクールちゃん、ぶっちゃけ、狙ってんじゃないのー?」

不良「そう見えるか?」

チャラ男「見える」

男「見える見える」

不良「そりゃ、誤解だな。別に興味ねーし」

男「そんなに、硬派気取らかなくてもいいじゃねーか」

チャラ男「欲望に素直に行こうぜ」

不良「あんまり、茶化すと切れるぞ」

チャラ男「茶化してないよなー?」ニヤニヤ

男「ないない~」ニヤニヤ

不良「」ブチッ

魔女「あれ~?チャラ男さんたちは?」

不良「そこに埋まってる」

魔女「え……」

男 チャラ男「」ピクピク

――


不良「センパ~イ☆いきますよ~!それっ」

主人公「ほらよ!」

幼馴染「ちょっと!どこに向かって投げてるのよ」

主人公「わりぃ!お~い!ボールとってくれ」

男「あいよ~」

ポニテ「男くん!スマッシュ!スマッシュ!」

男「しねーよ」

キャッキャ

男「うわぁ……めっちゃ青春してる」

イケメン「行ってきなよ」

男「あそこまでキャピキャピできる自信ねーって」

チャラ男「おい、友~。お前は何で混ざらないんだー?」

友「え……だって」

不良「お、やっと火ついた。おい、野菜と肉」

友「は、は~い……」

チャラ男(なるほど……)

男「まぁ、俺らは何となくわかるけど」

ツンデレ「」スー

男「コイツは何してんだ」

ツンデレ「なにって見てわからない?日光浴よ」

男(マセガキだな)

シャイ「え、えい!」ボーン

チャラ男「グラサン超いいね~」

ツンデレ「ありがと」

ドス

ツンデレ「……」

シャイ「ご、ごめんなさ~い!!」

男(ベタな展開だなぁ……)

ツンデレ「いったたた……」

シャイ「あ、あの、ごめんなさい」ウルウル

ツンデレ「気にしてないから」ニコッ

チャラ男「ぶっはっはっは!!だっせぇ!!」

ツンデレ「」ムカッ

男「笑ってやんなよ。こういうのは死ぬほど恥ずかしんだからな」

男「な?」

イケメン「そうだね」

ツンデレ「アンタら……」

――


不良「ほれ」

魔女「ありがとー!」

友「肉うめぇ!!超うめぇ!」

男(うまい肉と可愛い女の子、後、酒があれば完璧なんだがな)

男(クーラボックスの中はジュースだけ。いやぁ、寂しい)

不良「」グビグビ

男(訂正、お酒も少々入ってるようです。え?なんで?)

男「お前、何でナチュラルに麦酒飲んでんだよ!」

不良「悪いかよ」

男「いや、悪くねーけど!我慢しろよ!こっちは高校生ってことになってんのに」

男「どーなだんよ。魔女」

魔女「ば、バレないようにね」

男(……嘘だろ)

随分ハイテンションな不良だな

>>327
訂正、後輩です
見返して笑ってしまった

ポニテ「はい、あ~ん」

主人公「やらないって」

ポニテ「そう?んじゃ、はい、あ~ん」

イケメン「使い回しみたいに……やめて」

後輩「不良センパイは泳がないんですか?」

不良「疲れるからいいわ」

後輩「えー、泳ぎましょうよー☆」

後輩(海に引きずり込めばこっちんのもんですよ!)

ツンデレ「ねぇ、あの子って不良のこと好きなの?」コソコソ

男(近い近い……ホントに理性が死ぬからやめなさい)

男「どうだろうな。どっちかっていうと嫌いなんじゃないか?」

男「つか、後輩って主人公のこと好きなんだろ」

ツンデレ「確かに主人公にべた惚れって感じだけど。今日は何か、不良に積極的だと思わない?」コソコソ

男(……んなことよりも、お前が俺に積極的だと思う。)

男「そうだなー。言われてみれば確かに」

ツンデレ「よしっ」ボソッ

男(何、小さくガッツポーズしてんの?すげー可愛いんすけど)

男(ライバルが一人減ったから歓喜のあまり行動にでちゃったわけか。またそれが可愛いな、おい)

男「あぁ……酔いつぶれて何もかも忘れたい……」

――


魔女「よ~し!泳ぐよ~!」グウイッ

クール「え」

不良「行ってこいよ」

クール「」コクリッ

友「っしゃぁああああ!!!!!!!!」タッタッタッタ

チャラ男「うっひょ~」


男「そんじゃ、高校生も海に還ったところで」

カンパーイ

不良「あぁ、疲れた」

イケメン「お疲れ様」

不良「人数多いからな。やっと食える」


幼馴染「ひゃっ!冷たい!」

主人公「へっへっへ!」

幼馴染「や、やってくれるじゃないの!」

チャラ男「それそれ~」

ツンデレ「沈めるわよ」

チャラ男「できるもんなら~?やってみなってね!」

ツンデレ「」

チャラ男「がばばごぼごぼぶっふあぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

チャラ男(嘘だろ!?全力出してんのに頭が上がらねぇ!!!!!!!!)

クール シャイ「」プカプカ

シャイ「太陽が気持ちいね」

クール「」コクリッ

ポニテ「ばたふら~い」

魔女「ポニテちゃんって泳ぐの上手だね!!」

ツンデレ「はぁ、疲れた。飲み物買ってくるわ」

チャラ男「」ゼェゼェ

チャラ男(アニメで良く観る戯れも命がけなんだな……)

「ねぇ、そこのカワイコちゃん!俺達とあそばね~!」

「うっひょー、すげぇ可愛いじゃん」

ツンデレ「……」


男「おぉ!見てみろよ!あれ!アニメでよくあるシーン!」

不良「ほぅ、そんなのあるんだな」

イケメン「いや、助けないの?」


チャラ男「待な!」

「あ?誰?お前?」

「んだよー邪魔すんなよ」


男「お!!チャラ男が割って入った!あれ、普通は主人公の役なのに」

不良「そうなのか」


ツンデレ「チャラ男……」

チャラ男「甘いんだよ。ナンパの仕方が!」

「え?」

ツンデレ「……は?」

チャラ男「こういう時はだな、まず、警戒心ってもんを解かなくちゃいかん」

チャラ男「それに、さっきのだと普段のナンパと変わんねーじゃん?」

チャラ男「例えば、ボールを片手に」

チャラ男「あのぉ、今、ビーチバレーやってるんですけど良かったらどうですか?人数いると楽しいんで」

チャラ男「とか、言うとだな」

「なるほど……」

「確かに、ビーチバレーは……海水浴場というロケーションを十分に活かしている」


男「阿呆か……アイツは」

不良「……」


「アンタすげぇ!」

チャラ男「まぁ、頑張れ」

ツンデレ「おい」

「ていうか、兄ちゃん、この子とどういう関係?」

チャラ男「彼氏!」

チャラ男「しかも、さっきナンパで引っ掛けた!!」

ツンデレ「……おい」

「すげー!!!!!!!!」

「マジかよ!!もう彼女にしたってのかよ!」

チャラ男「さって、俺も飲み物~」

ツンデレ「」フン

ドゴォ

チャラ男「脇腹……」プルプル


後輩「」プカプカ

後輩「なんで……なんで、来ない」

後輩「……こうなったら」

後輩「あの手を使うしか……ないですね」ブクブク

ポニテ「あははは!なにが?」

後輩「センパイ」

不良「あ?」

後輩「私に泳ぎ方教えてくださいよぉ」ウルン

不良「パス」

後輩「えー!なんでですかー?」(クソぼけセンパイ~)

男「俺が教えてやろうか?」

後輩「不良センパイ~」

男(おい、無視かよ)

イケメン「教えてあげなよ?それに、まだ、不良は海、入ってないし」

不良「はぁ……よし、行くか」

男「お、乗り気になったか」

不良「海に来て海に入らんのもアレだしな」

不良「んじゃ、行くぞ」

後輩「わ~い!」

後輩(へっ)

不良「ま、とりあえず平泳ぎでも何でもいいから泳いでみろよ」

後輩「えー?ホントに下手ですよー?」(バタフライ以外なら何でも泳げるわボケセンパイ!)

不良「いいから、どの程度かわかんねーからよ」

後輩「は~い♪」バシャバシャ

不良「あんま遠くまで行くなよ」

後輩「わかってま~す」(このへんでいいかな?溺れたフリをして……)

後輩(助けに来た不良センパイを沈める!!!正に不意打ち!!!!!!!!!!!)

後輩(半ば土左衛門になりかけたボケ不良センパイを私が華麗に助けて)

後輩(頭上がらなくてしてやりますよ!!!)

後輩「このへんで」ヘッヘッヘ

後輩「あっ!」

後輩「ごばばぶっは!!ごぼぼぼ」

後輩「たすけてごぼぼぼ」

不良「なっ!!!マジかよ!!!」

不良「」スイスイ

不良「お、おい!!」

後輩(きたー!)

後輩「っしゃ!!おらぁ!!!!!!」

不良「は!?」バシャン

不良(何してんだ!?このクソ野郎は!!)

後輩「ばーか!ばーか!溺れろや~いですよ!」

不良「」ブチッ

不良「」ガシッ

後輩「あれ?」

不良「おら、捕まれ」

後輩「はー?いやです!沈んでください」

不良「いいからつかまれってんだよ!!!!!!!!!」

後輩「」ガクブル


不良「」スタスタ

後輩(ちっ、失敗に終わったー!!コイツ、思ってた以上にバカ力ですね!!!!!!)

不良「おい、ちょっと来いや」

後輩「え……」


男「おー、アイツら何処行くんだ」

チャラ男「熱いね~」

ツンデレ「何か、不良、すごい怖い顔してるけど……」

――


不良「お前、何で俺が怒ってるかわかるか?」

後輩「え、えっと……沈めようとしたからです」

不良「ちげーよ。お前が溺れたフリしたからだよ!!!」

後輩「ひっ」

不良「他人に余計な心配かけんじゃねーよ!!!!!!!!」

後輩「……」ヒッグヒッグ

不良「テメェが俺のこと嫌いなのはわかるけどよ」

不良「……マジで、心配させんなよ。心臓飛び出すかと思ったわ」

後輩「え……」

不良「反省したか?」

後輩「はい……」

不良「んじゃ、戻るぞ」

不良「言っとくけどよ、次はねーからな!!」

後輩「はい……」

イケメン「あ、戻ってきた」

不良「」スタスタ

後輩「」ヒッグヒッグ

男「なにやらかしたんだよ……」

後輩「」ヒッグヒッグ

イケメン「じゅ、ジュース飲む?」

後輩「うっ、いらない……」

男「おぉ!アイスあるぞー!」

後輩「いらない……」ヒッグ

チャラ男「何したの?」

不良「説教」

チャラ男「あぁ……」

男「つうか、ヒロインにガチで説教する奴がいるかー?」

チャラ男「魔女のお姉ちゃん泣かした奴が何を言うか」

男「……」

主人公「あぁ、疲れたぜ~」

男「お、ジュースとってきてやるよ」

主人公「ありがとう」

友「めちゃくちゃ泳いだなぁ!」

男「ほれ」

友「サンキュー!」

主人公「みんな、海入らないの?」

男「あぁ、俺は……」(幼馴染がいるとな)

主人公「行こうぜ!」

男「いや、だから」

主人公「アイツのことは任せとけって!」

男「お、おう」

男(何か、誤解されてる気がするんだが……仲直りしたいだけだからね!)

ポニテ「イケメンく~んもさぁ!泳ごうよ~」

イケメン「う~ん、どうしよっかな」

魔女「泳ぎましょうよ!」

――


男(久しぶりに羽目外して騒ぐか!!!!!!!!!!!)

クール シャイ「」プカプカ

男「おい!浮き輪姉妹!」

クール シャイ「え」

男「俺がエンジンになって引っ張ってやるよ!」バシャバシャ

クール「ひっ……」

シャイ「きゃー!!」

ポニテ「それぇ!」バシャ

イケメン「」

魔女「それそれ~」バシャ

イケメン「い、いや、二対一はさ……ね?」

ポニテ「ほらほら!!」ザッパーン

イケメン「ホント、目がしみる」

――


主人公「じゃ~ん!水鉄砲」

幼馴染「いつのまに」

主人公「それ!」

男「ぎゃ!!!!!!目が!!!!!!!!」

クール シャイ「!!!」クルッ

バシャーン

クール「……ごほっ」

シャイ「男さん、ひっくり返すなんて酷いですぅ」

男「え?いや、俺じゃなくて」

男「誰だ?水引っ掛けたやつは」

主人公「はい」

幼馴染「え?え?ちょっと」

男「あっはっはは!!!なるほど、あの水鉄砲か!よ~し!仕返s」

男「……」(幼馴染か……)

幼馴染「……な、なに?」

男「お、お~し!仕返しするぞー!」

シャイ「お、おう!」

クール「」

幼馴染「ちょ、ちょっと!三人なんてズルいじゃない!!!」

男「かかれー!」

シャイ「」ワー

クール「」ワー

男(うわぁ、何してんだろ……こんなところ、同僚に見られたくねー)

主人公「」ブクブク

男「仕向けたのお前か」

主人公「がんばれよ」ブクブク

男「お、おい」

――


男「はぁ」ドサッ

男「あぁ、砂浜あったけ~」

幼馴染「」スタスタ

幼馴染「」ストン

男(おぉ!なんで隣に座る!?)



幼馴染「アンタ……私の事好きなんでしょ?」

男「え!?」

幼馴染「え?じゃないわよ。デートかなんとか言っておいて……何よ今更」

幼馴染「……悪いけど、私は好きな人がいるから!!」

男「そ、そう」

幼馴染「まぁ、ムカつくこともされたけど……何とかなったから……」

幼馴染「友達には……なってあげようかな」

男(え……マジで?こんなので仲直り?)

男「あ、ありがとう」

男(主人公の力ってすげーんだな)

イケメン(まぁ、幼馴染は主人公との関係さえ改善されればそれで良し、だからね)

イケメン(あとは、単純に気まずさを解消すれば良かったってこと)

イケメン(チャラ男のように女の子に目がないような子、不良のように見た目が怖い人)

イケメン(そんな、彼らでも馴染めてるのなら、君だって主人公たちの輪に溶け込むことは可能なのさ)

イケメン(ちょっと、悪役まわったくらいで、君が孤立することなんてないよ)

イケメン「よかったね。仲直りできて」フッ

イケメン「」スタスタ

ポニテ「隙ありスマッシュ!!!!」

ドーン

イケメン「」バタッ

不良「」

後輩「……」

チャラ男 ツンデレ「気まずい……」

不良「いつまで、泣いてんだよ」

後輩「な、泣いてなんかねーですよ!」

不良「んじゃ、遊んでこいよ」

後輩「ふ、ふん!」

クール「」スタスタ

チャラ男「おかえり~」

チャラ男「なんか飲む?」

クール「」コクリッ

クール「幼馴染さんに、浮き輪をひっくり返されました」

不良「ほぉ、そりゃぁ、災難だったな」

クール「海水を飲んでしまって喉が痛い……」

クール「一緒に泳ぎましょう」

不良「唐突だな」

クール「少し、休憩したら泳ぎましょう」

不良「はいよ」

――


アパート

姉「……よしっ」

ピンポーン

姉「私だ!!開けろ!」

シーン

姉「あれ……」

ピンポーン

姉「私だ!謝罪にきた!!!!」

シーン

姉「???」

姉「いないのか?」

姉「……」ショボン

男「……」

幼馴染「……」

幼馴染(コイツ……あんなことしたのも、私の事が好きだったからなのよね)

幼馴染「……」

男「……」

男「よし、戻るか」

幼馴染「え」

男「アイス食べたくなってきた」

男(……そーでもねーけど)

男「お前も食う?」

幼馴染「うん」

今日はここまでです
幼馴染はナイスバディっていう設定です

今日は更新できませんでした
長いお話ですが引き続きお付き合いいただけると嬉しいです

――


帰り道

友「今度は、ツーリングで海岸線を走りてぇな!」

主人公「免許あんのか?」

友「ねーけど!」

イケメン「二輪は危ないよ」

男「あぁ、疲れた……体力ねーよ、もう」

シャイ「きょ、今日は楽しかったです……素敵な思い出になりました」

チャラ男「うんうん!もっといっぱい思い出つくろうね!」

シャイ「はいっ」

チャラ男「2人でね!」

シャイ「え」

ツンデレ「コイツは無視でいいわよ」


――




アパート前

チャラ男「とうちゃ~く」

チャラ男「二次会行く?」

男「寝かせろ」

姉「来た!」

男「お前っ、何してんだ?」

姉「遅い!!昼前からずっと待っていたんだぞ!!」

イケメン「昼前からって……」

男「マジかよ……あぁ、とりあえず、鍵開けるから」

不良「誰だコイツ」

男「魔女ちゃんの姉貴」

男の部屋

男「悪いな……随分と待たせて」(つか、一旦帰れよ)

男「で、何しに来たの?」

姉「謝罪しに来たのだ」

姉「先日は、どうもすみませんでした!」ペコリッ

男「はい、どうも」

姉「これ、つまらぬものですが」

男「おぉ!麦酒じゃん!ありがとう!」

姉「ふっ♪」

男「ちゃんと、謝りに来て偉いなぁ」

姉「ふふっ」

男「絶対、こねーと思ってたからな」

姉「な、なに!私はそんな無礼者ではないぞ!」

男(いや、十分に無礼してくれたからなお前)

男「まぁ、とにかく。ちゃんと、謝ってくれたんだし。この間の件は許すことにしよう」

姉「うむ」

男「んじゃ、夜も遅いから。おくってくわ」

姉「待て」

男「あ?」

姉「まだ、話が残っている」

男「何?」(疲れてるんで手短にな)

姉「貴様らの契約についてだが……」

男「あぁ、またその話か」

姉「私なりに貴様らのこの状況を調べてみたのだ」

男「で、なんか良いことわかったのか?」

姉「率直に聞くが……」

姉「貴様……この世界で何をしようと企んでいるのだ?」

男「はぁ?何もねーよ。この間、言っただろ?俺達はただ」

姉「精霊は目的無くしてここに留まることはできないのだ!」

姉「妹が読み飛ばした詠唱は……」

姉「恐らく……」

『願望の鎖 汝の身を打つ 汝は我のために されど 我は汝のためにあらず』

今日はここまでです

――


深夜

男の部屋

男「……」


男『よくわからんが、中途半端な契約になってるってことでいいのか?』

姉『契約そのものが破棄され、支払うべき報酬のみが残ったと私は考えてる』

男『その報酬が……この世界で俺たちが望むものってわけか』


男(目的なんて何もねーよ……)

男(そもそも、一年間どう過ごすか考えてたくらいだし……)

男(アイツの言っている通りでないのか……)

男(それとも……)

男「明日、みんなと相談すりゃいいか」



『面倒くせぇんだよ。なんで、また高校生しなきゃらなねぇんだ』

『――ここは』

『――地獄だよ』

男「いや……」

男(イケメンと不良は、ここに来た時には目的なんてなかったはず……)

男(俺を含めて元の世界へ戻ることがアイツらの望みだったんだ)

男(……本当は目的があるんじゃないか?)

男(この話をするべきか……否か)

男「……」

――


次の日

喫茶店

姉「それで、目的はわかったのか?それよりも、何故、一人で来たのだ」

男「いや、アイツらにはまだ、話してねーんだよ」

姉「何故だ?」

男「昨日、色々と考えたんだがな」

男「アイツら……ちゃんと目的があるが敢えて口にしないのかもしれないと思って」

姉「ふむ……しかし、それだと質が悪い」

姉「言えないようなことを”ここ”でしでかそうということになる」

男「安易に聞けるようなことじゃねーだろ?」

男「それに、お前の読みが正しいとすれば」

男「俺達は本来、目的があってここへきたが、その目的を忘れてしまったか、あるいは目的に自身が気づいていないという可能性もある」

姉「ほう……」

姉「前者はここへは召喚される過程で記憶がとんだと考える事も出来るな」

姉「思い出せそうか?」

男「しらねーよ。そもそも、俺は最初から目的なんてないって考えてるからな」

姉「しかし、目的を達成すれば貴様らは元の世界へ戻ることができるんだぞ?」

男「仮に目的を教えたとして、お前はその手伝いをしてくれるってことか?」

姉「内容にもよるが、私はそのつもりでいる」

姉「だから、貴様も3人から何とかして聞き出してくれないか」

男「ねーと思うがな」

男「あ、一人わかるかも」

姉「なに!」

男「チャラ男、アイツはここで彼女作ることが目的だって言ってたぜ?」

姉「ふむ……」

姉「危険だ。拘束しよう」

男「いや、まてまて!恋愛のどこが危険なんだよ」

姉「不純異性行為は取り締まるべきだ!!」

男「なら、テメェの妹も隔離しとけよ」

姉「……」

姉「わ、わかったならまずはチャラ男とやらに手を貸すとしよう」

交遊ですね

チャラ男の部屋

チャラ男「夏休み……」

チャラ男(秋には体育祭と文化祭)





チャラ男「はぁ……」










チャラ男「――もうすぐ」













第三部  完



風呂敷を畳めるか心配(´;ω;`)

第四部

チャラ男の部屋

チャラ男「なるほどねー」

男「まぁ、お前的には一年間居座りたいだろうが」

チャラ男「いや、手伝ってくれるならそれにこしたこたぁないぜ!」

姉「決まりだな」

チャラ男「よ~し、じゃぁ、本格的に攻略するヒロインを選ばなくちゃな」

男「決まってなかったのか?」

チャラ男「だって、みんな可愛いじゃん。選べねーって」

姉「はぁ……し、仕方ない。私で良ければ」

チャラ男「え?いいの!?」

男「マジか!?」

姉「妹の尻ぬぐいをしてやるのも……姉の仕事だ」



姉「わ、私が付き合ってやる////」

姉「擬似的に」

チャラ男「よっしゃぁああああ!!!!!!!!!!!!」

チャラ男「これから、よろしく!!」

男「……」

姉「……」

男「元の世界に戻れてねーじゃん」

チャラ男「あれ?」

姉「なっ!!!何故だ!!!!!!」

チャラ男「う~ん……」

チャラ男「本心でないから?」

姉「本気で貴様の事、好きになるわけないだろ!!!!!!!!!たわけが!!!!!!」

チャラ男「……」

男「そりゃ、目的達成とはいえねーな」

チャラ男「えぇ……」

男「とりあえず、コイツは諦めてさ。少しでも脈アリなやつを探さないか?」

姉「うむ」

チャラ男「んじゃ、まずはツンデレちゃん!」

男「いや、脈なしだろ。お前のこと、どちらかと言えば嫌ってそうだし」

チャラ男「じゃぁ!幼馴染ちゃん」

男「……アイツは主人公以外目がない」

チャラ男「……じゃぁ、誰がいいんだよ」

――


喫茶店

ツンデレ「で……何?」

チャラ男「いやぁ!えーっと」

チャラ男「魔女の姉って相当な馬鹿なんじゃねーの?なんでこうなるの?」コソコソ

男(私に任せておけ!なんて言うから任せたはいいが……)

男「そりゃぁ……相当な馬鹿だからだろ」

ツンデレ「帰っていいかしら」

男「ちょ!ちょっと待ってくれ!」

チャラ男「あのさぁ!ツンデレちゃんってさ!好きな人とかいるのー?」

ツンデレ「はぁ?」

チャラ男「恋バナしようぜー?恋バナ」

ツンデレ「何故、アナタ達とそんな話しなくちゃならないの?」

男「いや、夏休み……暇でさ」

チャラ男「そうそう!それにツンデレちゃんって休日はいつも暇してるんでしょ?」

ツンデレ「あ?」

ツンデレ「そんなに毎日暇じゃないわよ!」ドスッ

チャラ男「ほげっ!!」

男「あぁあ……」

ツンデレ「今日はたまたまよ!」

男「あぁ、そうなの?とりあえず、今日暇なら俺達とお話でも」

ツンデレ「暇だからってアナタ達と恋バナする理由にはならないわよ」

チャラ男「まぁまぁ。ね?」

ツンデレ「……しょうがないわね」

――


男(恋バナと称された主人公かっこいいトークを聞かされて数十分……)

男(俺のほうが帰りたくなってきた……)

ツンデレ「それでよ。それで」

男「つまり、結局のところお前は主人公が好きってことでいいのか?」

男(聞くまでもないが、そろそろ話を切り替えてほしい)

ツンデレ「は、はぁ!?そ、そんなわけないじゃない////」

チャラ男「へー。じゃぁ、今は好きな人いないんだー」

男(改めて惚気話を聞かされたチャラ男の目はすでに光を失っている)

男「おぉ!ってことはお前チャンスじゃねーか?」

チャラ男「マジ?」

男「いけるっていける!!絶対、イケる!!」

チャラ男「うおー、俺本気出そうかなー」

男(依然としてチャラ男の目に光は戻っていない)

ツンデレ「は?馬鹿なんじゃないの?」

ツンデレ「コイツと付き合う?ありえないわよ」

ツンデレ「こんなチャラチャラした人」

チャラ男「ですよねー……」アハハ

男「そんな言い方ねーだろ」

男「仮にも、自分のことを好きって思ってくれてる人に向かって」

ツンデレ「いるのよねー。容姿だけで好きって決めて擦り寄ってくる人」

ツンデレ「そういう人、私は嫌いよ」

男(あぁ、モテモテ設定だったけ?確か)

男「コイツはそうじゃないかもしれないだろ」

ツンデレ「……」

ツンデレ「じゃぁ、私のどこが好きなの?」

チャラ男「……それは」

チャラ男「ネコ好きなところかな」

男「は?」

ツンデレ「な、なんで……私がネコ好きってこと知ってるの?///////////」

男「は?」

チャラ男「ネコ好きは見ればわかる!」

チャラ男「携帯ストラップ!鞄についてるぬいぐるみ!!全て猫だ!」

男「あ、ホントだ」

ツンデレ「ぐぬぬ……」

チャラ男「ちなみに、パンツの柄も」

ツンデレ「」ドスッ

チャラ男「ごぉ!!!!!!!」

男(そうか……アニメの知識を用いればヒロインの好みに自分を合わせることだってできるわけか)

ツンデレ「こほん、それで?それが好きになった理由?」

チャラ男「そうだ!俺も猫好きだからな!」

ツンデレ「じゃぁ、猫ちゃんと付き合えば?」

男「確かに」

チャラ男「いや、おかしくね!?それ!」

ツンデレ「はぁ……ばかばかしい」

ツンデレ「帰るわっ」ガタッ

男「おいおい、どうすんの?デートの約束くらいはしてけよ。携帯もないんだし」

チャラ男「……」

チャラ男「好きな理由ならまだ、あるよ」

ツンデレ「なによ?」クルッ

チャラ男「……」

チャラ男「……」

男「おい、どうした。あるんだろ?」

チャラ男「誰よりも友達想いで自分のことは二の次に考えることができるところ……」

チャラ男「大好きな人がいても……友達との関係を壊したくないから手を引いてしまうくらいに……」

チャラ男「プライド高いくせに、そういうところで自分を犠牲にしてしまう臆病なところ、かな」

チャラ男「俺はそういうツンデレちゃんが好きだよ」

『あぁいうやり方、すっごい嫌い』

『自己犠牲っていうのかしら?よくわからないけど』

男(なるほど……)

男(ホントは自己嫌悪だったんじゃねーか?お前)

ツンデレ「/////////////////////」カーッ

チャラ男「よしきた!」

男「いけるんじゃねーか?顔真っ赤だぞ?」

ツンデレ「馬鹿////////////!!!!!!!!!!!」ドス

チャラ男「ぐっふぇ!!」

ツンデレ「馬鹿なんじゃないの?たかが数ヶ月でわ、私の何がわかるっていうのよ//」

ツンデレ「」フンッ

ツンデレ(アイツ以外に……私の事、ちゃんと見ていてくれてる人がいたなんて)

ツンデレ「はぁ……けど、ちょっとアナタのこと、見直したかな」

男「おー!よかったじゃないか!」

チャラ男「……やったー!」

男(……え?)

男(……なんだよ。その一瞬の曇は……)

男(現実ではわからないような心情の変化……)

男(けど、わかっちまうんだよ……)

チャラ男「いえ~い」

ツンデレ「はしゃぐな!」

男(ここはアニメの世界だから……)

きょうはここまでです

――


帰り道

チャラ男「デ~ト♪デ~ト♪」

男「……」

男「……ホントは、嫌なんじゃないか?」

チャラ男「……え?」

男「一瞬、顔が曇ってるように見えたからさ」

チャラ男「あぁ……」

チャラ男「なんかさ、ズルしてるみたいでさ」

チャラ男「……あの子は、本当の自分を好きになってくれる人を探してた」

チャラ男「それを見つけるには……長い時間ときっかけが必要なわけで」

チャラ男「あの子も言ってたろ?たかが数ヶ月で何がわかるんだって」

チャラ男「実際、そうなんだよ。俺は……あの子の魅力なんて外見以外に何もわかんない」

男「お前……」

チャラ男「えっへへ……ただ、アニメから言葉を借りただけなんだよ」

男「もしかしてさ……お前、ホントは」

チャラ男「あー、今は聞かないでほしいな」

チャラ男「元の世界に戻るまでにはちゃんと話すからさ!」

男「そうか……わかった」

――


姉「どうだった?」

男「無事にデートの約束した」

姉「おぉ!そうか!!」

チャラ男「よっしゃぁ!がんばるぜー!」

男(俺は……もしかして、コイツの邪魔をしてるんじゃないのか?)

姉「うむ、デートも私にまかせて」

男「それはいいだろ。後はコイツに任せようぜ」

姉「いいのか?」

チャラ男「おいおい、俺を誰だと思ってんだぁ?いけるに決まってるでしょー?」


――

アパート前



カチッ

男「」スー

男(アイツ……本当の目的はきっと他にあるんだ)

男「何で、言えねーんだよ……」ハー

不良「よぉ」カチッ

男「おう」

不良「最近、調子どうよ」

男「夏休みって暇だなーってな。そういや、今日何処行ってたんだ?」

不良「クールとショッピングモール」

男「好かれてるなぁ。お前」

不良「話せる相手が他にいねーんだよ。アイツ」

不良「友達作れって言ってんのによ。まぁ、そう簡単にはいかないんだろうがな」

男「……お前さ、元の世界に戻りたいか?」

不良「あ?」

男「いや、なんか、すげー馴染んでるから」

不良「そうだなぁ。ずっと居たいとは思わない」

不良「元の世界でもすることがあるからな。待ってる奴もいるし」

男「そうか」

不良「だが、もう一度、高校生活をおくれることには感謝してる」

男「あっはは、初めはアレだけ嫌がってたのにか?」

不良「色々あんだよ。……嫌だといいながらも、ずっと憧れてたんだろうな」

男「……そうか」

イケメン「お~い、ご飯できたよ」

男「あぁ、わりぃ!」

不良「うっす」

イケメン「おかえり」

不良「つうか、俺がいないからってイケメンに飯作らせてたのか」

男「いや、チャラ男が頼んでたから、俺もついでに」

不良「自炊しろ」

男「あっちじゃ俺は毎日、コンビニ弁当だったぜ?」

不良「うげ……」

男「んだよー」

――


学校

魔女「みんなぁ!ひっさしぶり~!」

幼馴染「おはよう」

主人公「よう」


男「結局、魔女ってどうなの?主人公と」

イケメン「何度か会ってたみたいだよ?俺も手伝ったし」

ツンデレ「」ガラッ

チャラ男「ツンデレちゃ~ん!おはよー!」

ツンデレ「お、おはよう」

魔女「あれ、なんかツンデレちゃんの雰囲気がおかしい」

幼馴染「チャラ男となんかあったんじゃない?」


男「おぉ、デートはどうだった?」

ツンデレ「別に」

男「チャラ男は最高だったって言ってたぜ?」

ツンデレ「そうねー。アイツは馬鹿みたいにはしゃいでたから」


後輩「」ガラガラドン!!!!!!!!!!!

男(うわ……きた)

後輩「センパ~イ☆お久しぶりですにゃー!」

主人公「よう、元気してたか?」

後輩「そりゃもう!!」

後輩「」チラッ

不良「」

後輩「」チラチラッ

不良「……んだよ」

後輩「べ、べつに何にもねーですよ!勘違い野郎は死刑です!!ボケセンパイ!」

不良「あぁ、そう」


チャラ男「ありゃ、完全に意識してるよ」

男「モテるなぁ、不良は」

イケメン「そうだね」

後輩「わ、わわわ私は海の件忘れてませんからねー!!女の子泣かすなんて最低のゲス野郎ですよー!」

不良「お前が悪い」

後輩「た、た確かにちょっとおふざけが過ぎましたけど」モジモジ

後輩「でもでもでもー!」

不良「……マジで、うぜぇ」

クール「」スタスタ

クール「夏休みの課題、わからないところは教えてあげましょう」

不良「全部、解いた。つうか、お前に見てもらったじゃねーか」

クール「」フッ

後輩「なっ……」


――


チャラ男「体育祭かぁ!俺、絶対リレーでたいぜ!」

ツンデレ「あ、あぁ!アンタ短距離得意だったわねー。いーんじゃない?」

男(なんだこれ)

チャラ男「でようぜ!」

ツンデレ「ちょうど、四人なんだし。仲いいそこの四人組で出るといいわ」

男「あ?」

不良「別にいいけど」

イケメン「断る理由もないしね」

男「俺、足速くねーぞ」

チャラ男「いいじゃん!いいじゃん!記念にだよ!」

男「お前、何企んでんだよ」

チャラ男「頼むって」

男「はぁ……」

魔女「体育祭楽しみだね~!」

主人公「面倒くせぇよ」

シャイ「わ、私は楽しみだな」

チャラ男「棒倒しとかすげーワクワクするじゃん!!」

主人公「あれ、絶対危ないから」

男「棒倒しかぁ」

不良「んだよ」

男「こりゃ、うちのクラス勝利間違いなしだな」

主人公「だなっ!」

不良「何、期待してんだ」

今日はここまでです

――


放課後

先生「そうか……。まだ、決めてないか。まぁ、早く決めておかないと」

先生「色々と段取りもあるだろう?」

「……はい」

「体育祭の後にはすぐにでも……」

先生「わかった。それまでに、ちゃんと、ご両親と話し合って決めなさい」

「はい……」

教室

ツンデレ「付き合ってないから!」

魔女「またまた~♪」

幼馴染「だぁって2人でお出かけしたんでしょう?」

ツンデレ「あれは……アイツが……勝手に」

ツンデレ(一瞬の気の迷いでデートの誘いに乗った自分を殴りたい……)

ツンデレ「そもそも、デートじゃないから」

魔女「えぇ~。じゃぁ、なに?」

ツンデレ「それは……」

ツンデレ「……」

主人公「黙ってちゃ、デートしてたことになるぜ~」

ツンデレ「うるさい!」ドスッ

主人公「どっふ……」

廊下

ツンデレ(ありえない!ありえない!何よ~!むかつく~)スタスタ

チャラ男「」トボトボ

ツンデレ「あっ」

ツンデレ「ちょっと」

チャラ男「あぁ!ツンデレちゃ~ん!」

ツンデレ「アンタのせいでこっちは死ぬほど嫌な思いしてんだからね!」

チャラ男「あっはは……ごめん」

ツンデレ「あ、謝らなくていいけど」

チャラ男「うん……」

ツンデレ「あぁもう!!どうしたのよ!しゃきっとしなさいよ!男の子でしょ!」

「」スタスタ

「……」

(体育祭……ここで、告白しなくちゃ……)

(ただ、伝えればいい……)

(ううん……ホントはずっとこのままがいいのかもしれない)

(ずっと傍にいてられるから……)



(……だけど)



(近いようで……遠い関係は……私にはもう)





(――苦痛でしかない)

次の日

教室

男「リレーの練習、どうすんの?」

男「一応、しておかないか?体育の授業だけじゃキツイぜ?」

チャラ男「あぁ、いいんじゃない?やらなくても」

男「は?」

チャラ男「カッコつけたいだけだからさ!勝ち負けなんて気にしな~い」

不良「あほか」

イケメン「……そうか」



ツンデレ「はぁ……」

ツンデレ「勝ってくれないと困るわよ。リレーは最終種目、体育祭の花形よ?」

チャラ男「い、いやぁそれは」

ツンデレ「……」

ツンデレ「馬鹿な真似するんじゃないわよ」

チャラ男「うん」

イケメン「……」



アパート前

男「」ボーッ

イケメン「ちょっといいかな」

男「なんだよっ」

イケメン「最近のチャラ男おかしくないか?」

男「俺もそう思う」

イケメン「君が何かしたんだろう?」

イケメン「――魔女の姉と一緒に」

男「え?」

イケメン「あの子と二人で出かけてたじゃないか」

男「……見てたのか」

イケメン「まぁ、アパートから出るところを」

イケメン「話してくれよ。あの子から何を聞いた?

イケメン「チャラ男に何をさせようとしてるんだ?」

男「アイツを元の世界に戻してやる。そういう話だ」

イケメン「っ!!帰れるのか!?」

男「多分……」

イケメン「何故!!俺に黙っていた!?早く教えてくれ!!!!!!!!」

男「お、落ち着けよ……」

イケメン「お前……どういうつもりだ!俺は……一刻も早くここから抜け出したいと思っている」

イケメン「お前も知ってるだろ!!!!!!!」

イケメン「なら、何故、教えてくれなかった!?答えろよ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

男「ちょっ!!わかったから。全部話すから……落ち着いてくれ」

――


イケメン「……目的?望み?」

イケメン「ふざけるなよ……そんなもの無い」

男「……俺達には言えない目的を隠してるんじゃないか?」

イケメン「隠してなんかないさ……本当に無いんだ」

男「そうか……よかった。俺と同じで」

イケメン「よかった?」

男「嘘を吐いているか、本当に目的が無いのか。前者なら、最悪だ。言えないような目的をここでしでかそうとしてるんだからな」

イケメン「……なるほど」

イケメン「あっはは……言えなかった理由はそれか」

イケメン「安心してくれ。俺は嘘なんて吐いちゃいない」

イケメン「目的なんてない。望みもない。あるとするなら、それは元の世界へ戻りたいという願いだけだ……」

男「……」

男(踏み込んでいいのか……踏み込むべきなのか……)

男「お前、ここが心底嫌いなんだろ?」

イケメン「あぁ」

男「何か関係しているのかも」

イケメン「……俺の目的と?」

イケメン(……そうか)

イケメン(ここは地獄だ。なら、目的は……あるじゃないか)

イケメン「あっはは……わかったよ。俺の目的」

男「え?」

イケメン「契約が切れるまで……苦しめってことだ」スタスタ

男「お、おい」

イケメン「……それしか、考えられないよ」

――


教室

ポニテ「イケメンくんはさぁ!走るの得意なの~?」

イケメン「いや、そうでもないよ」

ポニテ「勝負勝負!」

イケメン「えっ」

ポニテ「廊下ダッシュ一本勝負!!」

イケメン「あ、危ないから……」


男「……」


チャラ男「体育祭の打ち上げはさぁ!いつもの喫茶店、貸し切りにして」

ツンデレ「もう、打ち上げの話!?」

主人公「貸し切りかぁ!いいなぁソレ!」

シャイ「甘いものいっぱい食べれますね」

チャラ男「おう!!俺に任せとけ~」

ツンデレ「いや、だから、先に競技に出る人を決めないと!!」

友「あぁいう夫は大変だな

ツンデレ「は、はぁ!?///」バシッ

友「ぶっふぁ!!!!!」

男「いい仕事したな。お前」

――


ツンデレ「はぁ……職員室行ってみたけどダメだった。教えられないって」

チャラ男「直接、話しても?」

ツンデレ「始業式以降、色々と話してるけど。そういう話はしてくれないわね」

チャラ男「そうか……」

ツンデレ「まだ、ダメってわけじゃないじゃない」

チャラ男「体育祭……」

ツンデレ「そうね~。私も色々手伝って上げるから頑張りなさい」

チャラ男「……ありがとう。本当に感謝してる」

ツンデレ「は、はぁ?////別に何もしてないし、そ、そういうのは最後に言ってちょうだい///」

チャラ男「多分、最後はないからさ」エヘヘ

ツンデレ「どういう意味?」

チャラ男「いや、なんでもない」

――


男(……どうして、あんなこと言ったんだ?何故、ここが苦痛なんだ?)

男(……わからない)

男(チャラ男、だって何かおかしい)

男(時折、表情を曇らせるし、突然リレーに出ようなんて言って)

男(そのくせ、練習はしないでいいって……)

男「あぁ!わっかんねー!!!どいつもコイツも!!」

男(いや、アイツらに限った話しじゃねーよ……俺だって何でここにいるのかわからない)

男(あの日から、1年経てば全て終わる。だから、考えなくてもいい)

男(だが、そうなったら……一生、わからずじまいだ)

男(ここにいる理由があるなら……ただの偶然じゃなく必然だとするなら……)

男(それを知りたくないという奴がどこにいる?)

体育祭

当日

チャラ男「きたきた~♪この感じ懐かしいなぁ!!」

男「自分が出る種目が近づくに連れて緊張で吐きそうになる感じな……」

クール「おはようございます」

チャラ男「きゃ~!体操服クールちゃんキュート!」

クール「はい?」

不良「なんだ、それ」

クール「鉢巻」

不良「あぁ、つけるのって強制?」

友「あったりめぇだろ!コイツを頭にギュッと撒くことで緊張を緩和させんだよ!」

不良「俺が結んでやろうか」

友「やめてください。ごめんなさい」

不良「いや、おまえじゃなくて」

クール「……あれ、あれ」

不良「不器用すぎんだろ……。ほら、後ろむけ」

不良(そういやぁ、弟の運動会の時も……)

不良「」フッ

後輩「何笑ってやがるんですか?変態ですかー?うわぁー、鉢巻締め付けて興奮する人ですかー?」

不良「お前も、結び方へったくそだな。後ろ向け」

後輩「は、はぁ?ま、まぁ、しょうがないですね。ほら、早く結んでくださだっだああっっっだああいっだああああああ!!!」

後輩「痛い痛い!!頭がぁ!!!」


ツンデレ「ほら、クラスごとのスタンドに別れて」

チャラ男「おっはよ~」

ツンデレ「……おはよ」

主人公「今日はいい天気だな。いや、あつすぎるくらいだ」

主人公「というわけで、俺はそこ日陰で寝てるわ」スタスタ

主人公「ふぁあ……あだだっだあっだあっだあ」

幼馴染「ちゃんと、応援しなきゃ、ダメでしょ?ね?」ニコッ

主人公「は、はい……」

棒倒し

不良「こいよ、おら」

「……え」

友「こいやぁあああああああ!!!!!!!!」

ドドドドドドドド

友「か、完敗……」



スタンド

男「不良んとこ、誰も寄り付かねぇな」

クール「さすが」

姉「お~い」

男「あれ、来てたのか」

姉「チャラ男がどうなってるのか気になってな」

姉「調子はいかがかな?」

チャラ男「絶叫調よ!今日中に決めてやるぜ~」

男(確かに、ツンデレとチャラ男、二人でいる時間多くなったし、体育祭というイベントは)

男(告白にはもってこいじゃないか。それに、リレーのアンカーもコイツ)

姉「そうか、それは良かった。……なら、今日で最後というわけか」

男「……えっ?」

男(そうだよな……告白が成功するということは目的が果たされて元の世界に戻れるということ)

男(つまり、コイツは二度とツンデレや、他のヒロイン、主人公と会えなくなる……)

男「寂しくなるな」

チャラ男「なぁに!!これ、携帯の番号。」

男「えっ」

チャラ男「向こうでもさ、仲良くしようや」

男「ふっ……そうだな!」


(体育祭……)トボトボ

(ついに来てしまいました……)

(みんなの心が一つになって大盛り上がりを見せるリレー)

(それが終われば告白しよう……)

(もし、奇跡が起きて主人公くんと結ばれることができたら。私は此処を離れない)

(でも、そんなのはありえないよね……振り向いてくれるわけないよね)

(……ひとり暮らしなんてする勇気もないし。振られちゃったら……尚更、勇気なんて)

チャラ男「お~いっ」

シャイ「は、はい?」

チャラ男「シャイちゃん、遅刻だよ~?」

シャイ「え、えっと……それは」

チャラ男「今、棒倒しやってるところ。ほら」


友「不良!!!!!!!!いけぇええ!!」

不良「ちっ、命令すんな」


チャラ男「うちのクラスすげー強いでしょ!」

シャイ「は、はい」

魔女「わわわわ!!」

ツンデレ「なによ」

魔女「ちゃ、チャラ男さんとシャイちゃんが!!二人で仲良くお話を」

ツンデレ「あっそー」

魔女「えぇ!放っておいていいのー?」

ツンデレ「いいんじゃなーい?」


玉入れ

クール「」ホイ ホイ


男「アイツ、何一つ入ってねーぞ……」

イケメン「そもそも、ボールが届いてない……」

不良「……見てられん」

後輩「センパ~イ☆見ていてくださいね~!!」ブン ブン

主人公「おう、がんばれ~」

男「お前も、クールちゃん応援してやれよ。」

不良「おう。応援しってぞー」

クール「」コクリ

後輩「ちっ」

後輩「うわー手がすべったー」ブン!!!!!!!!!!!!

ドスッ

不良「がっ!!!」

不良「野郎!!!!!!!!マジでコ○ス!!!畜生が!!!!!」

男「わぁ!!待て!!競技中だから!!!」グイッ


ツンデレ「このままじゃ、負けちゃうわよ。うちの団」

チャラ男「この後、リレーで1位を取れば逆転できるね」

チャラ男「つまり、俺次第ってわけだ」

ツンデレ「……あの子、どうだった?」

チャラ男「……寂しそうだった。ずっと」

ツンデレ「……そう」

ツンデレ「ねぇ、アナタはこれからどうするつもりなの?体育祭のことは話してくれなかったじゃない」




チャラ男「……あのさ」




チャラ男「先に謝っておくよ」








チャラ男「俺、この体育祭、台無しにするから……」


夏休み

ツンデレ『はぁ?頼みたいこと?』

チャラ男『そう……ツンデレちゃんにしか頼めないことなんだよ!誰よりも友達想いなツンデレちゃんにしか』

――


ツンデレ『いいけど、そんなんで転校しない理由になる?』

チャラ男『いやさぁ!いっぱい、想い出つくればひとり暮らしでもがんばろうかなってなるでしょ!友達と離れたくないみたいな!』

ツンデレ『主人公、アイツが原因ならアイツと仲良くさせてあげるべきなんじゃない?』

チャラ男『それは無理なんだよ』

ツンデレ『はぁ!?恋愛なんてどう転ぶかわからないでしょう?』

チャラ男『無理なんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!』

ツンデレ『な、何よ……』

チャラ男『主人公は……』

――


チャラ男『協力してくれてありがとう』

ツンデレ『さて、それじゃ、ちょっと遅くなったけどデートしましょうか』

チャラ男『えっ』

ツンデレ『何?誘ったのはアナタよ?まさか、こんな話で終わらせる気だったのかしら?』

チャラ男『ツンデレちゃん……』

チャラ男『よ~し!それじゃぁ!どこいく~?』

ツンデレ『アナタが決めなさいっ』

ツンデレ(友達思いはお互い様でしょっ。バカ)

体育祭

リレー

ツンデレ(あの時、)

『仮に、それでも、あの子が転校する意志を曲げなかったら?どうするつもり?もう、どうしようもないんじゃない?』

『う~ん。その時は、最終手段だな!』

ツンデレ(教えてくれなかった最終手段って……)

ツンデレ(嫌な予感がする……)


男「おいおい、これで1位とれたら優勝じゃん」

イケメン「そうだね」

主人公「お~い!お前ら!応援してるぜ!!」

魔女「がんばれ~!!」

友「頼むぜぇ!!」

男「ひぃ~!緊張するなぁ」

チャラ男「あぁ……」

パーン

ワーワー

イケメン「」タッッタッタッッタッタッタ

イケメン「不良!!!」

不良「おう!!」タッタッタッタッタ

不良(今んとこトップか……)

不良(任せたぜ。男!チャラ男!)

不良「ほれ!!」

男「」タッタッタッタッタ

男(あぁああ!!緊張するなー!!!)

男(ここで、上手くアイツに繋げてやらねーと!!)

男(いいムードで告白できるようにな!!!チャラ男!!!!)

シャイ(頑張れ……頑張れ……)

ツンデレ「トップよ!!!!いけー!!」

ポニテ「男君!ふぁいと~!」

男(見えた!!!)

チャラ男「」

男「受け取れ!!!!!」

チャラ男「」スッ

男「えっ!?」

男(何してんだ?ミスった?いや……技とか!?)

カランカラン

ツンデレ「バトンミス!?」

魔女「そ、そんな……」


男「お前!!」

チャラ男「ごめんごめん!!」タッタッタ

男「何してんだよ!!!!!走れ!!!」

チャラ男「はいよ~!」タッタッタッタッタ

男(なに、ヘラヘラ走ってんだよ!!!!!!!!)

チャラ男「」タッタッッタッタ

男(何してんだよ……お前)

男「チャラ男!!!!!!!!!」

チャラ男「……」タッタッタッタ


ゴール!!!!!!!


ツンデレ「ダントツの……最下位」

シャイ「そんな……」

主人公「てめぇ!!!!!!!ふざけんなよ!!」

チャラ男「ごめん!ごめん!ちょっと手がすべってさぁ」

チャラ男(お前なら、誰よりも先に俺を殴りに来てくれる)

チャラ男(正義感の強いお前なら)

主人公「」ドス

チャラ男「」バタッ

主人公「わざとだろ!!あの走り方だって!!!一生懸命じゃねー!!わかるんだよ!!それくらい!!!」

チャラ男(最悪のムード。これじゃぁ、告白なんてできない)

ツンデレ「待って!!」グイ

主人公「コイツは!!!許せねぇ!!許せねぇよ!!!!!!!!!!!」

チャラ男(少しでも時間稼ぎになるなら……)

チャラ男(これでいいじゃないか……)

シャイ「……」

チャラ男(思いを伝えるまでは転校なんて……できないだろ?)

チャラ男(それまでに……もっと、いいもん見つけろよ)

チャラ男「」ウルウル

チャラ男(恋愛なんてどうでもいいじゃねーか。ここにはそれよりも面白いことがあるんじゃんか……)

ツンデレ「チャラ男……」

チャラ男(バカだなぁ……アニメのキャラに本気で同情した結果が……)

チャラ男(これとはなぁ)

――


喫茶店

打ち上げ

カンパーイ

魔女「いえ~い!優勝はできなかったけど!!楽しかったね~」

魔女「ね~……」

主人公「……」

ツンデレ「……」



チャラ男「……ごめん」

不良「何があったんだよ。お前」

男「いいから、話してみろ」

チャラ男「……」

イケメン「チャラ男……」

チャラ男「俺さぁ……恋愛って重いもんじゃないって思ってるんだよね」

チャラ男「付き合ったり別れたりいっぱいしてさぁ。そん中で色々経験して、色々な人と触れ合って」

チャラ男「それで、なんかすんげー気が合うな~って人がいたら、その人と結婚、みたいな?」アハハ

チャラ男「だから、見てて辛いんだよ。シャイちゃんの恋愛って」

チャラ男「勝手に運命の人だって決めつけて勝手にその人意外はありえないって決めつけて」

チャラ男「一人の人間に幸不幸を左右するなんて……そんなの」

チャラ男「……何も面白く無いじゃん」

男「……」

チャラ男「まぁ、ここまではさぁ。アニメ見てて思った不満くらいだったわけよ」

チャラ男「哀れな子だなぁっていうね」アハハ

チャラ男「だけど……ここがそのアニメの世界だってわかって」

チャラ男「その哀れな子もいるんだってわかっちまうとさ」ウルウル

チャラ男「教えてあげたくなるんじゃん……もっと楽しいこと、面白いことはいっぱいあるんだよって」ウルウル

チャラ男「キモいよな……オタクみてーだな。俺……あはは」

男「んなことねーよ」

男「架空の子にそこまで同乗するなら病気だろうなそりゃぁ」

男「だけど、実際に目の前にその子がいて……感情が膨らむのはキモいことでもなんでもねー当たり前のことだろ」

不良「つうか、先に言ってくれよ。そういうことは」

チャラ男「だって、それだと魔女ちゃんの邪魔してるみたいになりそうじゃん?」

チャラ男「契約切られて返されたらやべーなって思って」

チャラ男「実際は……そんな契約、なかったらしいんだけどね」

イケメン「まぁ、とにかく、みんなに謝りなよ?」

チャラ男「うん」

カランカラン

チャラ男(ちゃんと……謝ろう。転校もなんとかなりそうだし)

シャイ「私、転校することになったんです」

ザワザワ

チャラ男「なっ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

シャイ「……両親の都合でどうしても」

シャイ「ひとり暮らしも考えましたが……。ちょっと怖くて」エヘヘ

チャラ男「な、何言ってんだよ!!!!」

シャイ「えへへ……」

チャラ男「ひとり暮らしが怖い?そんなことないって!!」

チャラ男「あぁ、ほら!俺も一人暮らしだしさ!!一緒に住む?」

チャラ男「じゃなくて!色々と手伝うからさ……」

チャラ男「……寂しいこというなよ」ウルウル

シャイ「チャラ男さん……」

シャイ「……えへへ。ツンデレさんから聞いちゃいました。アナタのこと」

チャラ男「」シクシク

シャイ「今はとても幸せで、寂しくなんてないんですよ?」

チャラ男「じゃぁ、なんで……」

シャイ「ふふっ。思い返せばチャラ男さんはいつも私に笑顔で話しかけてくれましたね」

シャイ「とても、臆病で口下手な私……それでも、ずっと笑顔で」

シャイ「最後の後押しはアナタです。チャラ男さん」ニコッ

チャラ男「そんな……」

シャイ「」ギュッ

シャイ「私をずっと気にかけてくれる人がいた……」

シャイ「だから、その人を安心させてあげるためにも私は勇気を出さなくてはいけない」

シャイ「新しい場所で、新しい出会いを受け入れる勇気をね」ニコッ

チャラ男「ここでなら、もっと楽しいことだって!!いっぱい!!」

シャイ「ダメですよ……それは逃げているだけです……」

シャイ「ホントに怖かったのは……ここを離れることだったんですね」ウルウル

シャイ(だから、告白を理由に踏ん切りをつけようと……)

チャラ男「……」シクシク

シャイ「大丈夫ですよ。新しい場所でもきっと素敵なお友達を作ります」ウルウル

シャイ「だから、泣かないでください……」

シャイ「こんなにも悲しんでくれる人がいて……私だって……がまん……してるんですから」シクシク

男「なぁ……チャラ男のことだけど」

主人公「理由はわかんねーけど……あんなに泣かれたんじゃな」フフッ

男「そうか……確かにあの泣き顔みたら」フフッ


チャラ男「うぅ……俺は……俺は」ギュッ

シャイ「……はい」ニコッ

――

――


チャラ男「はぁ。何やってたんだろうな。俺」

チャラ男「号泣じゃん」アハハ

男「なんか、かっこよかったぞ。」

チャラ男「やめてくれよー」

男「そろそろ、か」

チャラ男「あぁ」

男「んじゃぁ、俺はここで」

男「連絡するからよろしくな!」

チャラ男「あぁ!悪いな!打ち上げの最中なのに」

男「いいってことよっ」

河川敷

チャラ男「……」

チャラ男「ふぅ」

チャラ男「目的の叶った日の日没に消える……か」

チャラ男「楽しかったぞー!!!」

チャラ男「なんてなー」

ツンデレ「ちょ、ちょっと!!!!!!!!」ハァハァ

チャラ男「え?ツンデレちゃん!?」

ツンデレ「異世界の人間なんて聞いてないわよ!!」ゼェゼェ

チャラ男「え?」

チャラ男(男か……最後にとんでもないことしてくれるなぁ)

――


ツンデレ「日没……もうすぐね」

チャラ男「うん」

ツンデレ「アナタの望んだ結末にはならなかったわね……」

ツンデレ「いえ……私があの子に全部言っちゃったから」

チャラ男「気にしてないよ。むしろ、良かったと思ってるから」

ツンデレ「そう……」

ツンデレ「……」

ツンデレ「ねぇ、あの子こと、好きだったの?」

チャラ男「そうなのかなぁ」

ツンデレ「って。そうなんでしょ」フン

チャラ男「けど、俺、チャラチャラしてるじゃん?見ての通り、いろんな人好きになるんだよね~」

ツンデレ「あっそう」

チャラ男「だからさぁ」

チャラ男「ツンデレちゃんのことも好きだよ」

ツンデレ「なっ/////////////////この期に及んでなに?からかうのはよして!」

チャラ男「本気」

チャラ男「ツンデレちゃんとずっと一緒にいれたらさ。すげー面白いんだろうなぁって思うんだ」

ツンデレ「……いれるわけないじゃない。アナタ帰っちゃうんだから」

チャラ男「今度はツンデレちゃん会うためにここに来よう!俺の目的決まった~!」

ツンデレ「はぁ?なにそれ///」

ツンデレ「そんなこと、できるわけないじゃない……」

ツンデレ「ていうか、こっち向きなさいよ」

チャラ男「無理だよ……だって、泣いてんだもん」

ツンデレ「……ばか」

ツンデレ「ねぇ?待っててあげようか?」

チャラ男「やめてくれ。そしたら、気が気でならなくなるだろう」

ツンデレ「ふふっ」

――


ツンデレ「……」

ツンデレ「待つなって言われもね……」

ツンデレ「好きなんて言われたら……待っちゃうわよ」ウルウル

ツンデレ「ホントっ、バカなんだから」



喫茶店

不良「行っちまったか」

男「とっくに日は暮れてるからなぁ」

男「あ、そうだ。チャラ男の携帯の番号。戻ったら連絡よこせってよ」

不良「はぁ!?」

不良「ふっ……アイツらしいな。まぁ、飲みに行くくらいなら付き合ってやるぜ」

今日はここまでです

チャラ男、帰還です

――


帰り道

オツカレー

主人公「寂しくなるなっ」

シャイ「そうですね……けれど、また、会えますよね」

主人公「あぁ。また、会えるさ!」

魔女「連絡ちょうだいねー!待ってるから!」

シャイ「はい!」

シャイ「……えっと、チャラ男さんはぁ」キョロキョロ

男「あぁ、なんか帰っちまった。恥ずかしい!って言ってな」アハハ

シャイ「そうですか……」

シャイ「また、学校できちんとお話したいです」ニコッ

男「そ、そうだな」

不良「……」


ツンデレ「……」

男「アイツ、ちゃんと帰れたのか?」

ツンデレ「えぇ……。ちゃんと、帰ったわ」

男「そうか」

ツンデレ「アナタ達には聞きたいことが山ほどあるのだけれど……」

男「……こうなっちまったら出来るだけ話すよ」


イケメン「チャラ男の事、教えるべきじゃなかった。魔女ちゃんのことも考えればね」

不良「たしかに、そうだが。そうもいかねーだろ」

イケメン「勝手なことをしてくれたな。……男」


更新もうちょっと待ってください

――


アパート前

男「また、待ってたのか?」

姉「宴の邪魔になると思ってな」

男「まぁ、それもそうだな」

姉「」ムッ

男「んだよ」

姉「こほん、その様子ではチャラ男は無事に目的を果たしたのだな」

男「まぁな。果たせたのかどうかはわからないが、アイツなりに満足して帰ったと思う」

姉「貴様は、これから、どうするつもりだ?」

男「どうだろうな。未だに自分の目的が何なのかわかんねーし」

――


ツンデレ「……」

ツンデレ「究極の召喚魔術……」

ツンデレ「……魔女」

ツンデレ「ふざけんじゃないわよ!!!!!!!!!!!!」


――


不良「んじゃ、俺はこれで」

クール「」コクリッ

クール「あの」

不良「どうした?」

クール「チャラ男さん……学校、来ますよね?」

不良「……」

不良「あのなぁ……俺らはよ――」


魔女「イケメンさん!今日もお手伝いありがとうございました!」

イケメン「感謝されることでもないよ」

イケメン(断る権利なんて俺にはないから……)

イケメン「ほら!主人公、行っちゃうよ」

魔女「は、はい!!」タッタッタ

イケメン「――ありがとう、か」

イケメン「くそっ……」

イケメン「やめろよ……くそが!!!!!!!!!!」

――

アパート前

姉「ふむ……では、今まで通り、学生生活をおくると」

男「まぁ、そうなるな」

不良「それでいいんだよっ」

男「不良っ」

不良「ほら、飯作るからあがれ」

男「おう」

姉「わ、私もいいか?」

不良「あ?」

イケメン「まぁ、いいんじゃない?」

男「イケメン」

イケメン「ただいま」ニコッ

不良「ひぃ、冷えてきたな。おら、行くぞ」

男「もう、そんな時期か」

姉「」クシュン

男「つか、お前。今日は何時から待ってったんだ?」

姉「体育祭終わり直ぐに決まっているだろ」

男「馬鹿野郎」

イケメン「風邪引くよ?」

男(寒い季節は苦手だな……)

不良「おい、なにしてんだよ。ぼーっとして」スタスタ

男「え?いや、べつに」

イケメン「あっはは、風引いたのは男の方かな?」スタスタ

姉「貧弱なやつだな」

――


男(体育祭から数日後、シャイちゃんは転校した。)

男(最後までチャラ男を気にかけていたが、大勢の前で泣いたのが恥ずかしくて学校へ行きたくないだの適当な事を言って何とか凌いだのだが……)

男(事情を知るツンデレの表情はあの日から曇ったままだった。)

先生「はい、というわけで文化祭の出し物だけど。ちゃんと考えておくように」

男「おぉ、文化祭かぁ」

不良「出し物ってなんだ?演劇でもすんのか?」

主人公「メイド喫茶だろう」

幼馴染「はぁ?嫌よ」

男(この世界は最終回に向けて着々と動き出している。)

友「お化け屋敷がいい!!絶対だ!!!!」

ツンデレ「なんでもいいんじゃな~い?」

男(現実の世界。不条理を抱える世界から来た俺達はハッピーエンドを迎えることができるのだろうか)

男「なんてなっ」

ツンデレ「何が?」

男「い、いや、なんでもない!」


とりあえず
おわりです

後半はもう少し時間をかけて練りたいので
このスレでのお話はとりあえず、これにて完結したいと思います。
長らくお付き合いいただきありがとうございました。
次スレはわかりやすいタイトルにしますので、その時はまたよろしくお願いします。

一旦、HTML化しようと思います

まだ、HTML化されていないようなので、
こちらに続編のURLを貼らせていただきます。

男「こうして俺はアニメの世界を去った」
男「こうして俺はアニメの世界を去った」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1435653122/)

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