まゆ「Pさんに無視され続けてはや2日」 (79)
まゆ「もうまゆに笑いかけてはくれないんですね……」
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まゆ「幸子ちゃんの次のロケ場所を探しに行くんだーって……有給とって入山届けもださずに山に行って……滑落して……」
まゆ「大変だったんですよぉ?Pさんの身体を見つけるのは」
まゆ「Pさんはまゆのモノなんですから……勝手に傷付けちゃダメじゃないですかぁ」
まゆ「顔の半分も無くすなんて流石のまゆでも怒りますよぉ」
まゆ「Pさんはいつも考えるより先に行動してましたからねぇ……そのせいでいたずらも多かったですけど……」
まゆ「そんなPさんに感謝してましたし……愛してたんですよぉ」
まゆ「……」
まゆ「死んでしまったら感謝することなんてどうしようもなく無駄じゃないですか……」
まゆ「あと一度、あと一度だけPさんの顔が見れるというならまゆは何でもしますよぉ」
まゆ「何万年でも待ちますし……どんな苦行でも耐えてみせます……」
まゆ「まあ……無駄なんですけどね……」
まゆ「Pさんはもう起き上がりませんし……顔も一昨日より崩れてきました……どうしましょう……」
まゆ「そうだ……作り直せばいいんです」
まゆ「針金で骨組みを作って、蝋を固めて顔を作って……Pさんの髪の毛で眉毛とかを作って……」
まゆ「ふふ……まゆがPさんの顔を新しくしてあげますからねぇ」
まゆ「だから……」
まゆ「またまゆに笑いかけてくださいよ……」
はれん
Wax and wire
って曲
聞いたら書きたくなった
前の続きの蛇足
それそれ、ありがとう
なんかもやもやするから続き書く
注意
ハッピーエンドはありえない
超不定期
プロットも終わりも考えてない
ちひろ「Pさんが行方不明になってからはや一週間」
ちひろ「未だ見つかる気配がありません」
ちひろ「山に行ったことはわかったら捜索を依頼したけど何の成果もなし……」
ちひろ「事務所では怪現象が多発するせいで皆怖がってよらなくなるし……」
ちひろ「一体どうしたら……」
ガチャ
凛「……おはようございます、ちひろさん」
ちひろ「おはよう凛ちゃん……久しぶりね」
凛「プロデューサーは……」
ちひろ「まだ見つからないわ……本当にどこに行っちゃったのかしら」
凛「あのプロデューサーのことだから……これもきっと壮大なイタズラかなんかだよ」
ちひろ「ふふ……そうね……事務所の怪現象ももしかしたらあの人が」バン!「ひっ!」
凛「……まるでプロデューサーが死んでるようなこと言わないで……」
ちひろ「ご、ごめんなさい……」
凛「……仕事行ってくる、スケジュールの確認お願い……」
ちひろ「……後先考えないで、イタズラばっかりして、寂しがり屋で……ほんと子供みたいな人だったけど、皆から慕われてたのよねあの人……」
ちひろ「今はまだPさんが残した資料のおかげで何とかなってるけど、いつ仕事が追い付かなくなるかわからない……」
ちひろ「早く帰ってきてくださいPさん……」
ちひろ「数日前から起きてた怪現象……今は落ち着いてるけど……最悪事務所を移すことも考えた方がいいわね」
ちひろ「あと、小梅ちゃんとまゆちゃん」
ちひろ「小梅ちゃんはロケから帰って来たって連絡は来てるし、あと数日は休みだからいいんだけど……せめて一度見てもらえたら何かわかったかもしれないのに……」
ちひろ「まゆちゃんはしばらく休みますって言ったきり連絡なし……」
ちひろ「人一倍Pさんこと慕ってからショックなんだろうけど……心配だわ」
李衣菜「お、おはよう……ございます」
ちひろ「おはよう李衣菜ちゃん、今日は来てくれる人が多くてうれ……あら?ヘッドホンはどうしたの?」
李衣菜「そ、その……ですね、ヘッドホン付けてるとま、またあの声が聞こえてきそうな気がして……」
李衣菜「は、はは、こ、こんなの全然ロックじゃないってわかってるんですけど……」
李衣菜「あんな、あんな声!もう聞きたくないんです!あんな痛そうで、苦しそうで、辛そうで、寂しそうな……」
李衣菜「……あの声がPさんの声に聞こえて、ごめんなさいちひろさん、私……私……もう」
ちひろ「李衣菜ちゃん!」
李衣菜「う……う゛う……グス……ち゛ひろざん……ごめんなざい……ごめんなざい……」
ちひろ「落ち着いて李衣菜ちゃん!謝らなくていいのよ、あなたは何も悪くないの」
ちひろ「Pさんもきっと……きっと見つかるから……ね?」
李衣菜「うう゛……はい……」
ちひろ「今日はもう休んでいいから、家に居帰ってゆっくりしてなさい……」
ーーーーーーーーーー
李衣菜「うう……グス……」
李衣菜(この前事務所でロックを聴いてたときに聞こえたあの叫び声……まるで何かの断末魔のようで……何故かそれがPさんの声に聞こえた)
李衣菜「そんな訳ないもん……Pさんはいつもおちゃらけてて……あんな声出せるわけ無いもん……」
李衣菜「きっと音楽プレーヤーか、ヘッドホンが壊れてただけだよ……なのに……」
李衣菜(あの声が……ずっと耳から離れない)
李衣菜「うう……早く、早く消えてよぉ……」
「あら、こんにちは李衣菜さん♪」
李衣菜「え、あ……こんにちは……まゆさん」
呼び方に違和感あるから訂正
まゆさん→まゆちゃん
まゆ「今日のお仕事はどうしたんですかぁ?」
李衣菜(スン……甘い匂い……香水かな?)
李衣菜「今日は休んでいいってちひろさんが、まゆちゃんは今お休み中だっけ?」
まゆ「はい♪お仕事よりも大切なことがあるので」
李衣菜「え……あ、あぁと、その…凄い荷物だね!何買ってきたの?」
まゆ「うふ……ロウソクと針金ですよぉ」
李衣菜「そんなに沢山!?」
まゆ「はい、足りなくなっちゃったので♪」
李衣菜「一体何に……」
まゆ「崩れてきちゃうんですよ」
李衣菜「へ?」
まゆ「直しても直しても直しても直しても直してもすぐ崩れてきちゃうんですよ、酷いですよねぇまゆはこんなに頑張ってるのに、あっちを直したらこっちがこっちを直したらこっちがすぐにぼろぼろと崩れてきちゃうんです、仕方ないからこうやって崩れたとこを固めてるんです、酷いです、酷いでよねぇこんなに頑張ってるのに全然笑いかけてくれないんです、きっとまゆが完璧に直せてないから怒ってるんですよ、だからもっと頑張るしかないんですもっともっともっと………ところで李衣菜ちゃん」
李衣菜「ひっ……は、はい!」
まゆ「ヘッドホン……どうして着けてないんですかぁ?」
李衣菜「そ、そそその!つ、着けるとまたPさんの叫び声が聞こえる気がして……」
まゆ「Pさんの声が聞こえるなら着けるべきじゃないですかぁ?ズルい……ずるいですよ李衣菜さんPさんったらまゆには全然、全然話しかけてくれないんですよ?まゆはPさんのことこんなに想ってるのにこんなに尽くしてるのに……」
李衣菜「や……やだ……」
まゆ「それなのにヘッドホンを着けるだけでPさんの声が聞こえるなんて素晴らしいです羨ましいです、なんでPさんはまゆに声をかけてくれないんですかねぇ?まゆがヘッドホンを着けてないから?じゃあヘッドホン着けたらまゆにもPさんの声が聞こえるんでしょうか?それとも李衣菜さんだけなんでしょうか?」
李衣菜「こ……来ないで……」
まゆ「だったらPさんは薄情な人ですねぇ、まゆの方がコイツよりも何倍も何十倍も何万倍もPさんのこと想ってるのになのにコイツにしか声をかけないなんて本当に薄情な人です……それともそのヘッドホンが特別なんですか?李衣菜さんのそのヘッドホンを着ければまゆにも声が聞こえるんですか?だったらまゆに下さいなそのヘッドホン♪もう着けないんでしょう……」
まゆ「くださいよ」
李衣菜「う、うわあぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!!!」
まゆ「行っちゃいました……」
まゆ「仕方ありませんねぇ、また今度貰いに行きますか」
まゆ「うふふ……待っててくださいねぇPさん、今直してあげますから」
まゆ「そしたらまゆにも声を聞かせてくださいね♪」
ーーーーーーーーーー
李衣菜「ハァ…ハァ…ハァ…うぅぅぅぅ……」
李衣菜「Pさんが……Pさんが勝手に居なくなるから……まゆちゃんがおかしくなっちゃった……」
李衣菜「もうやだ……もうやだよぉ……」
李衣菜「誰かぁ……Pさん……なつきちぃ……助けてよぉ……うぅぅぅぅ」
ーーーーーーーーーー
凛「はぁ……」
凛(早く見つかんないかなプロデューサー……)
凛(私の着替えを覗いたのは許せないけど、あの花が盛られたハナコ、結構可愛いなって思ってたんだよ?ハナコは嫌がってたけどさ……)
凛(ほんと皆から怒られてばっかで、迷惑ばっかかけて……)
凛(お詫び済んでない人が沢山いるんだから早く帰ってきなよバカプロデューサー……)
小梅「でね……う、うん……えへへ……」
凛(あれは……小梅ちゃん……誰かと話してる、誰もいないのに?)
凛(……ちょっと様子を見よう)
小梅「け、けど……ごめんね……け、結局……や、役に立てなかった……」
小梅「え……えへへ……うん……ありがとう」
凛(ずいぶんと楽しそうだけど……よく言ってるあの子となのかな)
小梅「けど……こ、これから……どうする……の?」
小梅「え……わ、私……そんなこと……できない」
小梅「うん……ち、ちょっとだけ……寂しいけど……こうやって……お話出来るから……大丈夫……だよ?」
凛(小梅ちゃんって本当に霊感あるのかな?なら事務所の怪現象もなんとかして欲しいけど……)
小梅「うん……えへへ……わ、私……頑張るね……プロデューサーさん」
凛(え……)
ーーーーーーーーーー
ちひろ「小梅ちゃんがPさんと喋ってた?」
凛「うん……ねえちひろさん、プロデューサー……やっぱり死んじゃったのかな」
ちひろ「……今日の朝、捜索隊の人から連絡があったの」
凛「!な、なんて……」
ちひろ「人が滑落した跡を見つけたけど死体は見つからなかったって」
凛「じゃあ……まだプロデューサーは」
ちひろ「生きてる可能性は」
まゆ「その話ほんとですかぁ?」
ちひろ「え!ま、まゆちゃん……ええ本当よ、今日の朝捜索隊の人から直接電話が……」
凛(うっ……凄いお香の匂い、けどそれだけじゃない……なにか腐ったような……)
まゆ「そっちじゃなくて、その前の話ですよぉ、小梅ちゃんがPさんと話してたっていう」
ちひろ「ええっとそれは……どうなの凛ちゃん?」
凛「……私の聞き間違いじゃなければほんとだよ」
まゆ「うふ……うふふ……そうですかぁ、ありがとうございます、小梅ちゃんがあればPさんと話せるんですね」
ちひろ「まゆ……ちゃん?」
まゆ「あ、これ李衣菜さんに返しといてください、何も聞こえませんでしたって」ガチャン
ちひろ「な、なんで李衣菜ちゃんのヘッドホンをまゆちゃんが?」
まゆ「……どうでもいいじゃないですかそんなこと、まゆもうしばらくお仕事休みますね、さようなら」
ちひろ「まって、まちなさいまゆちゃん!ああもう!凛ちゃん今すぐ李衣菜ちゃんに電話して!」
凛「え……あっはい!」
ちひろ(まゆちゃんは李衣菜ちゃんにヘッドホンを返してって言ってたから李衣菜ちゃんはきっと無事なはず……)
ちひろ(けどまゆちゃんのあの様子……見るからにおかしかった……)
ちひろ(李衣菜ちゃんはヘッドホンだけですんだけど……小梅ちゃんだと下手したら……)
プルルル プルルル ピッ ツ-ツ-ツ-
ちひろ(一回出てすぐ切った!?なんで!?まさか毛まゆちゃんが……いや流石にそれはありえない、いくらなんでも早すぎる)
ピロン♪
ちひろ(メール?小梅ちゃんからだわ!)
ーーーーーーーー
from小梅
ごめんなさい、いま電車の中なので電話出れないです。
何か急な連絡ですか?
ーーーーーーーー
ちひろ(よかった……ひとまずは安全みたい……)
ちひろ「どこに向かってるのっと」ポチポチ
ーーーーーーーー
from 小梅
○○町です
ーーーーーーーー
ちひろ(○○町って……たしかPさんが行方不明になった山の近くの町だったはず……なんでそんなところに?)
ミス
毛まゆちゃんが→もうまゆちゃんが
『』内メール内容
ちひろ『なんで○○町に?』
小梅『プロデューサーさんを探してるんです』
ちひろ『捜索隊でも見付けられないのにどうやって?あと危ないから山には入っちゃ駄目よ』
小梅『山の中じゃないです。町の方にある気がするって言ってました』
ちひろ『言ってた?誰が?』
小梅『プロデューサーさんが』
ちひろ『今Pさんは小梅ちゃんと居るの?』
小梅『はい』
ちひろ『Pさんはもう死んでしまってるの?』
小梅『はい』
ちひろ『Pさんの仕事場のパソコンの暗証番号は?』
小梅『××××××だそうです』
ちひろ『本当にそこに居るのね。小梅ちゃん1人じゃ心配だから今から車でそっちに行くわ。○○町の駅で待っててくれる?』
小梅『わかりました』
ちひろ(信じたく無い……けど、Pさん……なんで勝手に……)
凛「ちひろさん、李衣菜と連絡取れました。今夏樹さんと一緒に居るって……ちひろさん?大丈夫ですか?」
ちひろ「大丈夫、大丈夫だから……」
ちひろ(そう、今はPさんのこと悲しんでる場合じゃない……少しでも早く小梅ちゃんのとこに行かなきゃ……)
ちひろ「ごめん凛ちゃん、ちょっと小梅ちゃん迎えに行ってくるわ」
凛「……はい、行ってらっしゃい」
ちひろ「行ってきます」
ちひろ(……一応、あの人も呼んでおこう)
ピッ
ちひろ「あ、もしもし早苗さんですか?」
ーーーー移動中・車内ーーー
ちひろ「……」
早苗「……」
ちひろ(早苗さんには全部話した、まゆちゃんの様子がおかしかったことも、小梅ちゃんがPさんの身体を見つけそうな事も、Pさんが死んでしまってるであろうことも……)
早苗「……そっか、やっぱりP君死んじゃってたかあ」
ちひろ「やっぱりって……」
早苗「ん……覚悟は……してたのよ、山で遭難してこんだけ見つからないとなると生きてる事の方が少ないから、それに……シャワー室で見たおばけP君そっくりだったしね……」
ちひろ「……早苗さんは大人ですね」
早苗「そうでも無いわよ、あたしだって悲しいし泣きたいもの、けど今はそんな暇ないのよね……」
ちひろ「まゆちゃん……ですか?」
早苗「うん、本当に何しでかすかわからないからあの子。まったく、ぜーんぶP君のせいだ、絶対にシめる、小梅ちゃんにたのんで」
ちひろ「小梅ちゃんって幽霊に触れるのかしら……と、つきましたよ」
ーーー○○町・駅前ーーー
早苗「小梅ちゃんはこの駅で待ってる筈なのよね……」
ちひろ「はい……だけど」
早苗「見当たらない……か、あたしちょっと駅の中見てくるわ」
ちひろ「わかりました、私もう一度電話をかけてみますね、さっきは気付かなかっだけかもしれませんし……」
早苗「わかったわ、じゃちょっと行ってくるね」
ちひろ「はい……」
ピッ プルルル プルルル プルルル…………
ちひろ(やっぱり出ない……なんで?)
ちひろ(先に行っちゃったとか?いや、小梅ちゃんは言ったことはちゃんと守ってくれる子だし……一体どこに)
早苗「ちひろさん!!」
ちひろ「はい!え、どうしました早苗さん!」
早苗「車出して!早く!」
ちひろ「え、え?なんで?」
早苗「まゆちゃんの方があたし達より早く来てたの!この町に!」
ちひろ「な、なんでまゆちゃんがこの町に来るんですか!?小梅ちゃんがここに来るってわかってたってことですか!?」
早苗「違う!そうじゃないのよ!ちくしょう!考えが甘かったわ……」
ちひろ「え、どういう事ですか……」
早苗「なんで山で行方不明になってるはずのP君の身体が町の中にあるのよ……」
ちひろ「……まさか」
早苗「彼女が運んだのよ……どうやったか知らないけど」
ちひろ「まゆちゃんのあの体で、どうやって崖から落ちたPさんを運ぶんですか!人に見つからずに!」
早苗「わからないわよ!けどそうとしか考えられないじゃない!とにかく早く小梅ちゃんのとこに行かなきゃ……」
ちひろ「どこですか……」
早苗「え?」
ちひろ「小梅ちゃんの場所……どこですか」
早苗「あ……」
ーーー○○町・某建物内ーーー
小梅「う……あ、あれ……ここ……どこ?」
小梅(うぅ……凄く甘い匂い……気持ち悪い……)
小梅「プロデューサーさん……?」
小梅(いない……い、一緒に居るって……言ってたのに……)
小梅(えーと……駅に着いて……ちひろさん……待ってたら……まゆさんが……)
「もう起きたんですかぁ?」
小梅「ま……まゆさん……?」
まゆ「うふ……まゆですよぉ♪小梅ちゃんにはいくつか聞きたいことがあるから来てもらいました♪」
小梅「え、えと……なんで……しょうか」
まゆ「まず一つ、小梅ちゃんは幽霊が見えるってホントですかぁ?」
小梅「は、はい……」
まゆ「うふ……二つ目、小梅ちゃんがPさんと話してたってホントですか?」
小梅「うん……」
まゆ「Pさんは今もそこに?」
小梅「い、今は……どこかに……行っちゃった……」
まゆ「そうですか…………まゆってPさんに避けられてるんですかねぇ?他の子の所には行ったくせにまゆの所には一度も来てくれないんですよぉ?」
小梅「えと……こ、今度……聞いてみる……」
まゆ「うふ……うふふ、大丈夫ですよぉ小梅ちゃんが聞かなくても」
まゆ「まゆが自分で聞きますから」
小梅「……まゆさんにも……れ、霊感……あったの?」
まゆ「残念ですけどまゆには無いんです……あったらもっと早くPさんに会えたのに……話せたのに……世の中不公平ですね」
小梅「……?じゃ、じゃあ……どうやって……聞くの?」
まゆ「そのために小梅ちゃんがあるんじゃないですか」
小梅「わ、私……?通訳……すればいいの?」
まゆ「違いますよぉ、それだとまゆはPさんの声が聞こえません」
まゆ「世の中ほんとに不公平ですねよね、まゆがいくらPさんに触れて欲しくてもてもPさんは動いてくれない」
まゆ「まゆはこんなにもPさんの声が聞きたいのにPさんは声をかけてくれない」
まゆ「まゆがどんなにPさんの笑顔が見たくてもPさんは微笑んでくれない」
まゆ「まゆはこんなにも、こんなにもPさんのために頑張ったのに……なのに!」
まゆ「かな子さんだけ触れもらえて!李衣菜さんだけ声をかけてもらって!早苗さんだけ微笑んでもらって!ずるいじゃないですかずるいじゃないですか!」
まゆ「なんでPさんはまゆに触れてくれないんですか!なんで声をかけてくれないんですか!なんで笑いかけてくれないんですか!」
まゆ「なんで小梅ちゃんはPさんと一緒に居られるんですか……」
まゆ「その手があればPさんと触れ合えるんですか?その耳があればPさんの声が聞こえるんですか?その目があればPさんが見えるんですか?その喉があればまゆの声はPさんにとどくんですか?」
まゆ「もう小梅ちゃんはたくさんPさんと話せたんでしょう?Pさんと触れ合えたんでしょう?Pさんの声が聞こえたんでしょう?」
まゆ「ならいいじゃないですか、まゆはまだ一度も一度もPさんと話せてないんです、触れ合えてないんです、Pさんの声が聞けてないんです……だから」
全部まゆにくださいよ
小梅「……え?…わかった……、まゆさんは……どうやって……プロデューサーさんを……運んだの?」
まゆ「……お金ならたくさんありましたからね、口の硬い人に手伝ってもらったんですよぉ」
小梅「……だって……うん、あそこに……あるのが……プロデューサーさんの……身体……なの?」
まゆ「ん?……そうですよぉ、足りない所は蝋で直して、臭いがしてきたらお香を炊いて、あそこまでキレイにしておくの大変だったんですから」
まゆ「もういいですか?いいなら小梅ちゃんを使わせてもらいますね」
小梅「……プ、プロデューサーさんが……」
まゆ「Pさんがどうしたんですか?」
小梅「は、話が……あるって」
パキッ
小梅「」
まゆ「冗談はやめてください、小梅ちゃん無しにどうやってPさんがまゆと話してくれるんですか」 パキ
小梅「……」 パキバキッ
まゆ「……黙らないでくださいよ、ただの時間稼ぎですか?」 バキッ
まゆ「これ以上まゆとPさんの時間を取らないでくださいよねぇ」 バキッ
まゆ「……さっきからパキパキうるさいですねぇ、この音、小梅ちゃんがだし……て……」
P「」バキバキバキッ
まゆ「…………うふ…………うふふ、おはようございますPさん♪ひどいじゃないですかこんなに長い間まゆのこと無視するなんて」
まゆ「けど……これでやっとお話できますね♪」
ーーーーーーーーーー
私と早苗さんはなんとかまゆちゃんの場所を見つける事が出来た
正直見つける事が出来たのは奇跡に近いと思う、もしあの時早苗さんがお香の匂いに気付かなければ見つける事はできなかったはずだ
ある空家の一室、そこで私たちが見つけたのは大量の蝋燭、針金、それを加工するためであろうガスコンロやペンチ、鼻が曲がるかと思われるくらいに炊かれたお香、気絶した小梅ちゃん、そして
蝋で固められた身体のあちこちがひび割れ、かろうじて残っている生身も腐れ落ちようとしていたPさんの身体と、何にも支えられずに立ったままのそれと延々と会話を続けるまゆちゃんの姿だった
彼女達を連れ帰ろうとした時にまゆちゃんは激しく抵抗した
彼は起きてくれた、まゆのために動いてくれた、彼との時間を奪わないで、と
確かにまゆちゃんが手を加えたのであろうPさんの死体はまるで動いたかのように関節部分が砕けていた
私たちが来るまでにこの部屋では何があったのだろう
小梅ちゃんが眠り続けてはや3日、未だ真実を知る事は出来ていない
終わり
途中から自分でも何書きたいかわかんなくなって、迷走しまくった結果がこれだよ
凄い蛇足だったけど読んでくれた人ありがとう
次はもっとうまくまとめたい
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