くろいろモザイク―金色をあんこ色に染めてやれ―【きんモザ×ごちうさ】 (10)

世界の破壊者あんこ
世界を旅し、その瞳には何を映す?

・心が金色になることも、心がぴょんぴょんする事が無くても責任は取りません。

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その日、烏丸さくらはペットのアリスと戯れながら平和な時間を満喫していた。


烏丸「アリスちゃんもふもふ~♪」(ゴロゴロ)

アリス「♪」


そう……その瞬間までは……

ガシャーン!!


烏丸「きゃっ!?」


突如鳴り響いたけたたましい音。

室内に散らばる砕け散ったガラス戸の破片。

そしてその中心でわずかにモゾモゾと動く黒い塊。


烏丸「な、何事……?」


アリスを抱えながら恐る恐る、ゆっくりと近づいてゆく。


烏丸「え……うさぎ……さん?」


散らばったガラスの破片の中心。

そこには頭に王冠を乗せた小さな一羽の黒いうさぎがちょこんと座り込んでいた。

「カアーッ」

事態が飲み込めず呆然としている烏丸さくらは外から一際大きく響いたカラスの鳴き声ではっとした。


烏丸「とりあえずアナタ、大丈夫?」

あんこ「・・・」

烏丸「アリスは危ないからココで大人しくしててね?」


そう言いながら烏丸さくらが腕の中のアリスを地面に降ろした瞬間―――


あんこ「・・・」(ダッ)

烏丸「へ?」

アリス「!!」

烏丸「えっ?えっ?」


それまでぬいぐるみの様に大人しかった黒いうさぎは信じられぬスピードでアリスへと襲いかかる。

アリスは反射的に逃げ出し、烏丸さくらが事態を飲み込めずオロオロしている間に二羽は瞬く間に部屋から廊下へと飛び出していってしまった。


烏丸「っは。ちょっと貴方たち待ちなさいー!!」


慌てて二羽の後を追う烏丸さくら。

そして部屋を出た彼女の目に飛び込んできたものは―――

あんこ「・・・」(パンパン)

アリス「・・・」

烏丸「―――!!」

烏丸「アリスちゃん!!」


慌ててアリスの許へと駆け寄りマウンティングを行う黒いうさぎを引き剥がそうと手を伸ばす。

しかし……その瞬間……


あんこ「・・・」(ビクンッ)


烏丸さくらの手が黒いうさぎへ届く寸前に、その黒いうさぎは一度大きく、飛び跳ねるような痙攣をしてみせたのであった………。


あんこ「・・・」(パタン)

アリス「・・・」(タタッ)

烏丸「………」


烏丸さくらはその場から離れるアリスを追いかけようとした黒いうさぎを咄嗟に掴みあげることに成功した。


烏丸「……………」

あんこ「・・・」(フンスフンス)

アリス「・・・」(ダット)

烏丸「ア、アリス……ちゃん」

あんこ「・・・」(ポテッ)


烏丸さくらはすぐさま逃げ出したアリスを追いかける。

そして烏丸さくらの手から離れ落ちた黒いうさぎも、すぐに身体を起こし、その後を追いかけてゆく。


烏丸「あ、貴方は行かないでー」


彼女の悲痛な叫びを余所に黒いうさぎは彼女の足元をスルリと駆け抜けていくのであった。

烏丸「アリスちゃんはケージに避難しててね?」

あんこ「・・・」(パクパクパク)

烏丸「……この子はどうしましょう?」


烏丸さくらは頬に手を当てながら、真横で栗羊羹を齧る黒いうさぎを見て軽く溜め息をつく。

あの後、執拗にアリスを追い回していた黒いうさぎはテーブルの上にあった栗羊羹に気付くと、今度はそれに飛びかかり以降は一心不乱に貪り続けているのであった。


烏丸「この冠って……きっと誰かのペットなのよね?」

あんこ「・・・」(パクパクパク)

烏丸「一体どうしようかしら?」


依然として栗羊羹を齧り続ける黒いうさぎを抱き上げようとした瞬間――


あんこ「・・・」(ピキーン)

烏丸「えっ?ちょっとうさぎさん!?」

烏丸「きゃっ」

あんこ「・・・」(タタタァ)


それまで大人しくしていたのが嘘の様に、その黒いうさぎは突然駆け出す。

そしてそのまま床に散らばるガラス片を器用に避けながら、その黒いうさぎは最初に自分が部屋へと入り込んだガラス戸跡から外へと飛び出していった。


烏丸「ちょ……ちょっと待って」


烏丸さくらはその後を追おうとするも床に散らばるガラス片のせいでなかなか前へ進めない。

その後ガラス片を踏まないように気を付けながら、やっと戸に辿り着き外を見るも、そこにあのうさぎの姿はもうなかった………。


――つづく――

カレン「今日はみんなで遊ぶデス♪」


キラン
ヒュルルル

バキバキバキ!!


カレン「―――!?」(ビクッ


突如大空からカレンのすぐ近くの草垣へ何かが降下してきた。


カレン「な、なんデスカ?」


反射的に音のした方向へ振り向くカレン。

そして次の瞬間、彼女の視界は突如暗闇に覆われる。


カレン「―――」

カレン「な、なんなんデスカー!?」


若干パニックになりながらも自身の顔面にへばりついた物体を必死に引き剥がす。

そして彼女の視界に飛び込んできたモノは――


カレン「……うさぎ……デスカ?」

あんこ「・・・」


カレンの手の中には可愛らしい小さな一羽の黒いうさぎがいた。


カレン「………」

あんこ「・・・」

カレン「かわいいデス」

カレン「みんなにも見せてあげまショー♪」

~その頃のご注文はうさぎですか?~

チノ「あの千夜さん」

千夜「何かしら?チノちゃん」

チノ「ティッピーは戻ってきましたけど、あんこだけ帰ってこないのに探しに行かなくていいんですか?」

千夜「ええ。きっとあんこならそのうち自分で帰ってくるわよ」

チノ「でも……もしカラスにさらわれでもしてたら……」

千夜「大丈夫よ。あんこですもの」


―つづく―

このSSまとめへのコメント

1 :  京成AE100形さくら   2017年11月15日 (水) 22:33:04   ID: 4j_01_pG

確か千夜と烏丸の声って同じ方がやってましたね。

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