コナン「あ~、腹減った……」グゥゥ… (33)
服部「工藤、オレンジデーって知っとるか?」コナン「はぁ?」
服部「工藤、オレンジデーって知っとるか?」コナン「はぁ?」 - SSまとめ速報
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↑の話の後日談です
――日曜日・午前11時・毛利探偵事務所――
コナン(蘭は部活の遠征、おっちゃんは浮気調査で夜まで不在……)
コナン(探偵団のお誘いも、服部や世良が押しかけてくることもねーし)
コナン(のんびりできるのは良いけど、昼飯をどうするか全然考えてなかったぜ……)
コナン(今朝は蘭が珍しく寝坊しちまって、食パン一枚だったからなぁ~。腹が減るのが早ぇし)
コナン(おっちゃんも、オレの昼飯代を置いてくの忘れてるし)
コナン(博士んとこは、灰原が『大事な実験するから来るな』って言ってたよな……)ウーム
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コナン(…………そうだ! 赤井さんの所でごちそうになるって手があった!)
コナン(よし、早速メールして……)ピコピコ
ピッ
…ピロリン♪
コナン(お、返信早っ!!)
コナン(OKか! 良かったぁ~)ホッ
コナン(そんじゃ、戸締まりしてウチへ帰るとするか……)ゴソゴソ
――15分後・工藤邸・玄関――
コナン「こんにちは~」パタン
昴(赤井声)「やぁ、いらっしゃい」
コナン「お邪魔しまーす」
昴(赤井声)「さっきは、ボウヤがメールをくれて助かったよ」
コナン「え?」
昴(赤井声)「一人だとどうしても作り過ぎてしまうから、また隣にお裾分けに行くつもりだったんだが」
昴(赤井声)「茶髪の彼女が『今日は絶対来るな』と、俺の方にも念押ししてきてね」
昴(赤井声)「食材を余らせてしまうのも勿体ないし、どうしたものかと考えあぐねていたんだ」
コナン「そうだったの……」
昴(赤井声)「ボウヤ、何か食べたいものはあるか?」
コナン「ん~……特にリクエストはないんだけど」
昴(赤井声)「じゃあ、オムライスで構わないか?」
コナン「うん!」
コナン「あ……赤井さん。一応、変声機のスイッチ入れといてくれる?」
コナン「誰かが急に訪ねてくるかもしれないし」
昴(赤井声)「あぁ……そうだな」カチ
昴「では、キッチンへ行こうか」
コナン「え?」
昴「ボウヤも作るのを手伝ってくれ」
コナン「……ボクも?」
昴「探偵事務所の彼女から聞いたが、タコライスは随分と良い出来だったそうじゃないか」
コナン「でもアレは、平次兄ちゃんが簡単な作り方を教えてくれたからで……」
昴「大丈夫さ、そんな難しいメニューじゃないんだ」
昴「それに今の内にたくさん練習して、料理のレパートリーを増やしておくも悪くないぞ?」
コナン「う……うん。分かった」
昴「よし。では、手を洗ってきてくれ」
コナン「はーい」パタパタ
――キッチン――
コナン「ねぇ……」
昴「ん?」
コナン「……何でボクにピッタリ合うエプロンが、この家に置いてあるのかな?」
昴「オレンジデーのサプライズでは、わざわざ給食当番用のやつを持参したと聞いてね」
昴「せっかくだし、こっちで用意させてもらったんだ」
昴「青を基調としたシンプルなデザインだから、ボウヤが着ても大丈夫だろう?」フフッ
コナン(……赤井さん、準備良すぎ)ハハ…
昴「では、まず材料を用意しようか」
【オムライス(2人分)】
ご飯:茶碗2杯分
鶏胸肉:150g
玉ネギ:1/4個
ニンジン:1/2本
ピーマン:1個
卵:4個
塩・コショウ:各少々
サラダ油:大さじ2杯
トマトケチャップ:適量
バター:20g
昴「鶏胸肉が無い場合は、もも肉やミンチ肉でもOKだ」
昴「何なら、ハムやベーコン、ソーセージを刻んだもので代用しても良い」
コナン「今日は包丁を使うの?」
昴「あぁ。量は少ないから、すぐに刻めるしな」キラーン
昴「……何なら、切るのはボウヤがやるかい?」
コナン「い、いや、遠慮しとくよ。またケガしちゃいそうだし……」
昴「フードプロセッサーを使うのも良いが、ケガを恐れていては、包丁使いは上達しないぞ?」
コナン「……それは分かってるんだけどさ。ボク、不器用だから……」
昴「それも練習次第だろう。今度、ここで特訓してみるか?」
コナン「う………………」
コナン(服部も、陰でコッソリやってるみてーなことを言ってたしなぁ)
コナン(オレも練習した方が良いんだろうけど……)ムゥ…
昴「フッ……まぁ、この話は後にするか」
昴「ボウヤ。俺が材料を切る間に、フライパンと木べら、ボウルを用意しておいてくれ」
昴「あぁ、それとオムライス用の器も忘れずにな」
コナン「分かった」
トントントントン…ゴソゴソ
~5分経過~
昴「では、調理を始めようか。最初に換気扇のスイッチを入れて……」ポチ
コナン「ガスも点けるよ」
カチ、チチチ…ボッ
昴「まずはフライパンにサラダ油を大さじ1杯入れ、中火で温める」サッ
昴「次に鶏肉を入れ、表面の色が変わるまで炒めて……」ザラザラ…ジュー
昴「ここへ野菜を加えて、更に炒める」ザッザッ
コナン「おぉ~、美味しそうな匂い」クンクン
昴「ボウヤ、やってみるか? そこの椅子を踏み台代わりにすればコンロに届くだろう」
コナン「う、うん」
カタン
コナン「よいしょ……っと」ヒョイ
昴「玉ネギが透き通るまで、しっかり炒めてくれ」
コナン「分かった」ザッザッ…ジュー
~1分経過~
コナン「玉ネギ、だいぶ透けてきたよ」
昴「よし。では、ここへご飯を入れる」ザッ
コナン「う……ちょっと重たくて、混ぜにくいや」
昴「替わろうか」スッ
昴「炒めながら、ご飯と具をしっかり混ぜて……」ザッザッ
昴「ボウヤ、ここへ塩とコショウを振ってくれ。少しで良い」
コナン「はーい」サッサッ
昴「ケチャップを大さじ3杯加え、全体の色が均一になったら……」ジュー…ザッザッ
昴「量が均等になるよう、器に盛りつける」ヨソリヨソリ
コナン「次は卵だね」
昴「あぁ」
コナン「でもオムライスって、ご飯を卵で巻くのが難しいんだよね……」
昴「心配しなくて良い。わざわざ巻かなくても大丈夫だ」
コナン「え? じゃあ上に半熟のオムレツを乗っけて、それに切り込みを入れるやつにするの?」
昴「いや……さすがにそんな高等技術は、俺にも無理だ」
コナン「なら、どうやって……?」
昴「有希子さんから教えてもらったやり方で作る」
コナン「母さ……ゲフンゲフン、いや、有希子さんに?」
昴「実は、探偵団の子供達向けにと思って、俺も卵で巻くタイプのオムライスを練習してたんだが」
昴「どうにも上手くいかなくてな」
昴「変装のチェックに来てくれた有希子さんに、相談してみたんだ。そしたら……」
~回想・2週間前~
有希子『無理に卵で巻かなくても大丈夫よ。もっとお手軽な、良い方法があるんだから』
昴(赤井声)『良い方法?』
有希子『大きめの薄焼き卵を焼いて、それでチキンライスを覆っちゃうの!』ジュー…ポフン
有希子『卵にはケチャップで顔とかお花とか、イラストを描いてあげれば……』ギュー
有希子『ホラ、可愛いでしょ』ウフ♪
昴(赤井声)『なるほど、その手があったか……』
~回想終了~
昴「……というわけでね」
コナン「そ、そうだったんだ」ヒク…
昴「ボウヤ、フライパンを洗ってくれ」
コナン「うん」ジャー…ゴシゴシ
昴「その間に、卵を2個割ってボウルに入れて、解きほぐし」コンコン…パカ、カシャカシャカシャ
昴「塩・コショウを少々振っておく」サッサッ
コナン「洗ったよー」
昴「ありがとう」
昴「水気を拭いて、フライパンを再び火に掛ける。今度は強めの中火だ」サッ
昴「卵は1人分ずつ焼くからな。ボウヤ、自分で食べる分をやってみるか?」
コナン「うん」
昴「サラダ油を大さじ1杯とバターを10g入れて、温める」ジュー…
昴「ここへ卵を流し入れて……と。よし、木べらで大きく混ぜろ」ジュワワー
コナン「はーい」ザッザッ
昴「…………」ソーッ…
カシャ!
昴(フフッ……)
昴「卵が半熟状になったら良いぞ。……そんなもんだろう」
昴「さっき器に盛ったチキンライスの上に、卵を乗せろ」
コナン「よっ……と」ポフン
昴「最後に、ケチャップを好きなだけ掛ければOKだ」
コナン「わ~、美味しそう!」パチパチ
昴「よし、あとは俺の分の卵を焼いて……」ジュー…ポフン
昴「完成だな」
グゥゥゥゥ…
コナン「あ……」(////)
昴「冷めないうちに、食べるとしようか」
コナン「うん!」
――ダイニング――
コナン「いただきまーす」パク
モグモグモグ…ゴクン
昴「どうだ?」
コナン「美味しいよ! 味付けもちょうど良いや」
昴「自分で作ると、美味しさが違うだろう?」
コナン「うん!」パク
昴「……………………」コソ…
ピコピコ
ピッ
『 送 信 完 了 』
昴「……」フッ
コナン「赤井さん、何やってんの?」
昴「あぁ、ウチのボスにちょっとメールを……」ピコピコピコ
コナン「ふーん……?」モグモグ
――1週間後・工藤邸――
コナン(あ~、今週の日曜も平和だ……)
コナン(今日は博士達も赤井さんも留守だから、ここで思いっきり読書できるぜ!)
コナン(さてと。読み返してる途中だったホームズシリーズを……)ウキウキ♪
ガタン! ガチャガチャ…
コナン「ん?」
コナン(な、何だ? 今の物音……玄関の方から聞こえてきたような)
コナン(赤井さんが忘れ物でもしたのか……?)ガチャ…
…バタバタバタバタ
有希子「新ちゃぁ~ん♪」
コナン「げっ!!」
有希子「会いたかったぁ~♪」ギュゥゥ…
コナン「母さん、苦し……っ!」
有希子「あら、ごめんなさい」パッ
コナン「い、一体何しに帰ってきやがった!」
有希子「ウフフフフフ……」
コナン「……!?」ゾワ…
有希子「聞いたわよ~♪ オレンジデーに、蘭ちゃんへ手料理をプレゼントしてあげたんですって?」
コナン「なっ……聞いたって、一体誰から!?」
有希子「そんなの決まってるじゃない。先週も、ここで一緒にお料理の練習してたんでしょ?」
コナン「え゛……」
コナン(……ま、まさか)
有希子「わざわざ写メまで送ってくれたのよ~♪ エプロン姿の新ちゃん♪♪」ホラ
コナン「!!」
コナン(これって、先週オムライス作った時の……ってことは)
コナン(やっぱり赤井さんの仕業か!!)
コナン(あん時、ジェイムズさんじゃなくて、母さんにメールしてたのかよ!)
有希子「こんな可愛い新ちゃんを生で見ないなんて、勿体ないと思って」
有希子「一番早くチケットが取れた飛行機で帰って来ちゃった♪」
コナン「……なんつー無駄遣いを……」
有希子「さぁさぁ、新ちゃん。今日はママと一緒にお昼ご飯作りましょ♪」
コナン「嫌だ」キッパリ
有希子「ええぇ~、そんなぁ!」
有希子「息子と並んでお料理するって、密かな夢だったのにぃ……」クスン
コナン「知るか! オレは読書に没頭したいんだ――――――っ!!」
――同時刻・横浜――
阿笠「思ったより早く用事が済んでしまったのぉ」
灰原「そうね……でも、博士。中華街には行かないわよ」ジロッ
阿笠「あ、やっぱり?」グゥゥゥ…
昴(こちらは特に異常はない、か……)コソ…
昴(あのボウヤは、微笑ましい親子の時間を過ごしている頃かな?)フフッ
――ロス市内のホテル――
カタカタカタカタ…カタ…
優作「フゥ……」
編集「ミスター工藤、手を休めないで! あと200ページもあるんですよ!!」
優作(うぅっ……新一のエプロン姿、私も生で見たかったよ……)シクシクシク
【おわり】
何となく思い浮かんだので書いてみた後日談です
料理SSもジンとウォッカばっかりだと飽きるとの意見を頂いたので
今回はコナンと昴(赤井さん)という変わり種にしてみました
ここまでお読み頂きありがとうございます
しかし事件ものssやコナン×相棒のクロスss第2弾の執筆に行き詰まってしまい
気分転換で書き始めたネタがこんなに続けられるとは思いませんでした(^_^;)
料理がダメなコナンキャラで代表的なのは博士なんですが
(命がけの復活で灰原に「よくこんな腕で自炊してたわね」と言われた)
博士はマジキチの代名詞みたいになってるので、あんまり出したくないんですよね…
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