はっぱ隊「ヤッタ! コロシアイ学園生活に巻き込まれたぞ!」【ダンガンロンパ】 (314)


ここは私立希望ヶ峰学園。超高校級と呼ばれる選ばれた高校生しか
入ることは出来ず、卒業すれば成功を約束されるという特権的な学園。

そこに15人の高校生達が閉じこめられ、コロシアイを強制されていた。


苗木「コ、コロシアイ?!」

舞園「そんなの嫌です! 出してください!」

大和田「ふざけんなゴラァ!」

山田「誰か助けてー!」

モノクマ「アーハッハッハッ! いくら叫ぼうが無駄無駄!」


大和田がモノクマに掴みかかるとなんかピコピコ言い出し、投げたらモノクマが爆発した!


「きゃああああああああ!」

桑田「う、嘘だろ……」

十神「フン、単なる脅しではないようだな」

モノクマ「それでは皆さん、豊かで陰惨な学生生活を……」


ここまではよくあるサスペンス。

――しかし、ここからが少し違ったのだ。


「ヤッタ!」



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★ダンガンロンパと笑う犬シリーズのクロス。
★キャラ崩壊とネタバレあり。


「?!」バッ!


ジャーーーーーーーーンッ!

彼らが振り向いた先には、全裸で葉っぱを股間につけただけの一人の男がポーズをつけて立っている。


江ノ島(?! 背後にいたのに、全く気が付かなかった……!)

朝日奈「きゃあああああああああ!」

腐川「へ、変態よ! 変態だわ!」

舞園「なんでそんな格好してるんですか?!」

モノクマ「は? なにこいつら?」

はっぱ隊隊長「僕が何者かなんてどうでもいいじゃないか!」

セレス「全くよくありませんわ……」

隊長「ヤッタ! こんな体験めったに出来ないぞ!」

江ノ島「なに言ってんの、こいつ?」

隊員「ヤッタ! 仲間と友情を結んで最高の青春が出来る!」

苗木「増えた?!」


入り口から同じように股間を葉っぱで隠した男が現れる。そして次々と仲間達が増えてきた。


隊員「ヤッタ! 脱出したら有名人間違いなし!」

葉隠「ほぇー、確かにな」

石丸「一理ある……のか?」

大和田「なに真に受けてんだよ……」


隊員「ヤッタ! 出した本がミリオン行ったり、映画になるかも!」

桑田「……いいかもしんない」

隊員「ヤッタ! それで主演俳優になって大ブレイクだ!」

セレス「悪くはないかもしれませんね」

隊員「ヤッタ! ハリウッドにデビューして一気にスターダムだぞ!」

朝日奈「うんうん、楽しいかも!」

山田「オタクの僕もスターに?!」

はっぱ隊「ヤッター! ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ!」

不二咲「えーっと……」

はっぱ隊隊長「こんな最高のシチュエーションに巻き込まれるなんて……」

はっぱ隊「うらまやしい~!」

苗木「羨ましい、じゃないかな」ハハ

大神「敵ではないようだが、こやつらは一体……」

隊員「絶対コロシアイなんてするなよ!」

隊員「さいっこうの青春送っちゃおうぜ!」

隊員「気になるあの子にアタックしちゃえ!」

隊員「あ、外に出るよりここの方が安全だから!」

「えっ?!」

はっぱ隊「ヒュルルルルルルルルル」


意味深な言葉を残しつつ、彼等はどこかに去って行った。


山田「なんか最後にめっちゃ重要なこと言いませんでしたか?!」

苗木「ちょ、ちょっと待ってよ! ……行っちゃった」

霧切「なんだったのかしら……」

不二咲「もしかして、励ましてくれたのかな……?」


               ◇     ◇     ◇


苗木(その後、僕達は学校を調査しながら三日ほど普通に過ごしていた。十神君がやたら
    煽ってきたりしたものの、僕達は特に事件も起こさず平和に暮らしていたんだ)

石丸「おはよう、苗木君! いい朝だな!」

舞園「おはようございます」

朝日奈「オッハヨー!」

大神「おはよう」

不二咲「苗木君、おはよう」

苗木「おはよう、みんな」


他のメンツも順に食堂にやって来る。


苗木「今日の朝ごはんは和食かぁ。うん、おいしそう」

朝日奈「私とさくらちゃんで作ったんだよ!」

山田「いっただっきまーす」

モノクマ「呑気に朝飯食ってんじゃねー!」

「モ、モノクマ?!」


モノクマ「オマエラがなかなかコロシアイをしないので僕は理由を考えました」

苗木「コロシアイなんてする訳ないだろ!」

モノクマ「そう! それ! オマエラにはコロシアイをする動機が足りなかったんだ。
      と言う訳で、プレゼントを用意しておきました! みんなで探してね!」

霧切「プレゼント……?」

大和田「苗木、ちょっと行ってこい」

苗木「僕?! ……しょうがないなぁ」

苗木(すぐに、僕は今まで開かなかった視聴覚室が解放されていることに気が付いた)

苗木「僕達の名前が書かれたこのDVDがプレゼントかな?」


すぐさま全員を呼びに行く。


桑田「で、なにがあったんだって?」

苗木「うん、みんなの名前が書かれたDVDがあって……」


ガチャ。


ミル「ハァイ、グッモ~ニン。牛だけにモ~ニン。日曜の朝は如何お過ごし? ミル姉よ」

苗木「」

一同「」


彼等は凍り付いた。


― Milky Video Channel ―


バタン!


(なんかいたー?!)

桑田「おい苗木、なんだよ今の?!」

苗木「し、知らないよ! さっきはいなかったんだって!」

セレス「牛のような人のような奇妙な生き物がいましたが……」

葉隠「桃井か○りみたいな話し方する牛だべ!」

朝日奈「ど、どうする?」

十神「フン、くだらん! 敵なら叩きのめすだけだ!」

葉隠「ちょ、おい……」


ガチャ!


十神「何者だ、貴様!」

ミル「レディに向かって何者だは失礼じゃなぁい? アタシはただの平凡な牛よ」

山田「喋ってる時点で平凡もへったくれもありませんが」

ミル「そう。朝は草を食べて昼は窄乳され、夜は映画を見る。そんなごく普通の牛……」

石丸「い、今時の牛は随分優雅な暮らしをしているのだな……」

大和田「んなワケねーだろ、バカか!」

葉隠「キャトルミューティレーションだべ! 宇宙人に改造されたんだ!」


腐川「まさか、本当に宇宙人が実在してたって訳……?!」

霧切「何でもいいわ。今はモノクマから渡された品物を確認しないと」

苗木「このダンボールの中だよ。……って、あれ?」

舞園「えっと、ニューシネマパラダイスにローマの休日に卒業」

大和田「コマンドーにダイハードに007か」

山田「アニメもありますぞ!」

不二咲「わぁ、ジブリにドラえもんにクレヨンしんちゃんだ」

ミル「退屈な日々を過ごすあなた達のために、ミル姉さんからのちょっとしたプレゼントよ」

石丸「待ちたまえ! 神聖な学び舎で映画を見て遊ぶなどと……」

セレス「これは学習教材ですわ。原語音声字幕なしで見れば英語の勉強になります」

石丸「そうか! なら許可しよう!」

苗木「あれ? モノクマが用意したDVDは?」

ミル「あんなの捨てちゃったわ」

モノクマ「おいコラー! 何してくれてんだよ?!」

ミル「だって当たり前でしょ? DVDっていうのは平凡な日々に色を添えるためにあるの。
    誰かを不幸にする映像なんて……そんなのミル姉さん許せない」

不二咲「一体何が映ってたんですか?」

ミル「あなた達の大切な人が酷い目に遭ってる映像よ。でも安心して。捏造だから」

腐川「ね、捏造なんてどうしてわかるのよ!」


ミル「例えば舞園ちゃんのDVDはメンバーの死体らしき映像が映ってたけど……」

舞園「えっ……?!」

ミル「アタシさっき楽屋から出た時アヤカスに会ったもの。サインくれたわ、いい子ね」サインペラッ

「…………」

ミル「元気な声で挨拶してくれたわ。『おはようございます、うちむr……』ゲフンゲフン!」

苗木「楽屋?」

桑田「それに今なんか言いかけたぞ……」

モノクマ「内村って言ったよね? 今内村って言ったよね?」

ミル「言ってないわ」

モノクマ「嘘つくなよ! 絶対言っ……」

ミル「言ってねえって言ってるだろがァ!!」

一同「」

モノクマ「」ビクッ

ミル「あら、ついキャラが崩れちゃったわ。ごめんなさいねぇ」

大和田(絶対男だ、こいつ……)

不二咲「ふ、ふぇぇ……」

ミル「えー、空気を直すためにも牛が独断と偏見で選んだ映画をお勧めするわ。
    今日のお勧めはコレ! 『ショーシャンクの空に』。名作中の名作よね」

腐川「もっと変なのが来るかと思ったら、意外と渋いチョイスね……」

苗木「まずこの流れに突っ込もうよ……」


ミル「ストーリーを簡単に説明すると、妻を殺したと無実の罪で投獄された銀行家の主人公が、
    逆境にもめげず知恵を駆使して仲間と信頼を築き、最後には大逆転するという映画よ」

ミル「ここでミル姉の一口メ・モ~」

石丸「メモしなければいけないのか?!」

苗木「いや、いいと思うよ……」

ミル「この映画の見どころにね、主人公が刑務所にレコードを流すシーンがあるの。
    モーツァルトなんだけど……モーツァルトってスカトロ大好きなの。知ってた?」

「…………」

ミル「俺の尻を舐めろなんて曲も作っちゃうくらい。……しかも、普通に結構いい曲。ワ~オ☆」

「…………」


全員が一致団結したように微妙な顔をしていた。


ミル「ここはもっとウケる所だと思うの。ノリが悪くて、ミル姉さんちょっとガッカリ」

桑田「はぁ……で? 結局なにが言いたいワケ?」

ミル「この映画、今のあなた達と少し状況が似ていない?」

「!」

ミル「どんなに絶望的な状況でも、知恵と仲間があれば状況は覆せるわ。主人公のアンディも言ってた。
    たとえ刑務所にいても音楽と希望は奪えない。……安易にコロシアイなんてしてはダメよ」

「…………」


ミル「それじゃ最後に、ショーシャンク関係ないけどミル姉が個人的に大好きな映画、
    ロッキー1の試合終了後のモノマネをして終わるわね」

ミル「ロッキーがボクシングチャンピオンのアポロとの試合後、よろよろになりながらも
    恋人であるエイドリアンの名前を叫びまくるシーン。……レディ、アクション」

ミル「エーイドーリアン! エエイドオリアアアン! エェェイドォォォリアアアアアアアン!!!」

「…………」

ミル「……似て、なかったかなぁ。結構自信あったんだけど」


気まずい沈黙の中、ミル姉さんは去って行った。


「…………」

桑田「なんだったんだ?」

苗木「さぁ……」

十神「おい、モノクマ! この間からやたら茶々を入れてくるあいつらは何だ?!」

モノクマ「ボクが聞きたいよ! あんなヤツらこの学校にはいないし、
      突然現れては消えちゃうんだから! 一体なんなの? 幽霊?」

江ノ島「え、ええ? ……幽霊とかマジ勘弁なんだけど」

江ノ島(幽霊なんて倒せないよ……どうしよう……)

葉隠「オ、オカルトは信じねえぞ!」

セレス「ですが、現に皆さんが目撃していますし」

霧切「現実逃避しても仕方ないわ。彼等が何者かはわからないけど、味方なのは確かよ」

不二咲「もしかして……この学校に住んでる妖精さんなんじゃないかなぁ?」


山田「妖精さん! ちーたんの口から妖精さんキタ!」

十神「貴様、まさかこの歳でそんなものを信じているのか?」

大神「だが、突然消えてしまうのだろう? 現実的に考えたら有り得ないが」

朝日奈「だったら別に妖精さんでいいじゃん。今度から妖精さんて呼ぼう!」

大和田「妖精なぁ……」

霧切「そうね。呼称がないと不便だし、とりあえずはそれでいいんじゃないかしら」

石丸「妖精……そんなものが実在したとは……教科書だけではわからないこともあるな……」

苗木(こうして、あの訳のわからないメンバーを僕らは妖精さんとして認識することにしたのだった)


夜。


舞園(ごめんなさい、ミル姉さん。私、やっぱり外の様子が気になるんです……)


苗木と部屋を交換した舞園は、深夜に桑田を呼び出し包丁を向ける。


舞園「死んでくださいっ!」

桑田「おい?!」


キィンッ!

置いてあった模擬刀の鞘で防ぐ桑田。


桑田「お、お前本気なのか?! バカなことはやめろ! 今ならまだ許してやっから!」

舞園「本気ですよ! だからさっさと死んでっ!」


桑田「……テメエ! だったらこっちもその気で行くぞ! オラァ!」


パアン!

舞園の右手を模擬刀で打ち据えて包丁を弾く。


桑田「死ねやぁ!」

舞園「! きゃああああ!」

「そこまでだ!」


キィン!


桑田「なっ?! 誰だお前?!」

ハンサム侍「フッフッフッ、私は人呼んでハンサム侍。名前を名乗らなくても
       みんなそう呼んでくれる。だって私はハンサムだから!」



― ハンサム侍(毛筆) ―


桑田「知らねーよ! 部外者は出てくんな!」

舞園「た、助けてください!」

ハンサム侍「そういう訳にもいかない。婦女子を襲うようなブサイクは
       成敗しないといけない。切り捨てゴメーン!」

桑田「クッ!」


カキーン!


ハンサム侍「本来ならばモノマネをさせる所だが……今回はシンプルに変顔してもらおう!」ザクッ!

桑田「あ、なんだろう……変顔しなきゃいけない気がする……」

桑田「アポゥ……」


パァン。

赤い羽が舞った。


ハンサム侍「さてこのブサイクはどうしてくれようか」

ブサイク長男「そうはさせるか!」

ハンサム侍「う……目に入るだけで眩暈がするブサイクだ」

ブサイク次男「この桑田はなんか親近感を感じるから我等三兄弟がもらいうける」

ブサイク三男「ヒャッハー! もっともっとブサイクにしてやるぜー!」

ハンサム侍「ああ、うん。いいよ別に」


ブサイク三兄弟は桑田を連れて部屋から出て行った。


ハンサム侍「ブサイク憎んで人を憎まず! 人呼んでハンサム侍!」

舞園「あの……」

ハンサム侍「え、なに?! ハンサムな私に惚れてお礼がしたい? いやぁ、嬉しいなぁ! しかし、私は
       グレートハンサム。世界中にファンがいるから一人だけ特別扱いは出来ないのだ。また会おう!」


タッタッタッ。


舞園「助かった……」ヘナヘナヘナ…


もうコロシアイなんてやめよう。舞園は心からそう思った。

……しかし、事件はまだ終わっていなかったのである。


今回はここまで。

最後まで書き溜め済みで後は推敲を残すのみなので、
思い出とか好きなコントとか語りながらまったり楽しんで頂けたら

この安心感である

ギャグ的な意味での鬱クラッシャーなら笑う犬メンバーはボーボボと野原家に並ぶと思う


              ◇     ◇     ◇


マルガリータ桑田「――っつーワケなんだよ!」


翌朝、ブサイク三兄弟によって丸刈りにされた桑田怒りの糾弾が始まったのだ。


マルコメ桑田「俺は襲われた被害者だっつのに切られるわ、上から下まで剃られるわ。責任取れよ!」

腐川「下まで?! ということはアソコの毛もツルツルに……」

朝日奈「や、やめてよ! 気持ち悪い!」

セレス「しかし桑田君も舞園さんを襲おうとしたのではないですか?」

ツルピカーナ桑田「……んなもんしょーがねーだろ! 襲われて頭真っ白だったし!」

石丸「確かに。そもそも舞園君が仕掛けなければ桑田君は襲わなかったのだから、舞園君に非がある」

舞園「わかっています……謝って済む問題ではありませんが……ごめんなさい」

ハゲタロー桑田「そんなんで許せるかってんだ。こっちはハゲになってんだぞ、ハゲに!」

苗木「殺されかけたことより髪の方が大事なんだ……」

大和田「気持ちはわかる。俺もこのヘッドは大事だからな」うんうん

舞園「本当に……ごめんなさい」

朝日奈「ま、舞園ちゃん……」


舞園は立ち上がり、土下座をした。


葉隠「ここまでやってんだからもう許してやったらどうだべ?」

山田「アイドルが土下座までしてるワケですしねぇ」

パゲッタ桑田「土下座なんて簡単に出来るだろ! 全然おさまらねーよ!」


石丸「しかし、彼女は怪我もしている訳だしこれで五分五分ではないか?」

テカテッカ桑田「ふざけ……」

「五分だと?! 貴様今五分だと言ったな!」

十神「誰だ?!」

「ナーハッハッハッハッ! ナーハッハッハッハッハッハッ!」

ナレーション「半分イコール平等と言う先入観だらけの現代社会に
         真の平等を伝授する彼こそが公平戦士『ザ・センターマン』だ!!」

苗木「え、なにこの唐突なナレーション?!」

大和田「どこにいやがる?!」

江ノ島「あそこだよ!」

センターマン「人は五分だ五分だというけれど、本当は七三くらいがちょうどいい。ザ・センターマン参上!!」


― 謝罪 Are you fifty-fifty? ―


食堂の壁の上の方にセンターマンが張り付いている。その服装は、まるで貧ぼっちゃまのように
体の半分だけヒーロースーツをまとい、もう半分は裸だった。しかもモノクマのように、正面から見て
真ん中から区切れているので……つまり、股間部分がかなりギリギリである。


「きゃあああああああああああああ!」

朝日奈「変態だよっ!!」

腐川「変態がいるわ!」

江ノ島「へ、変態!」

大神「我が成敗してくれる!」

霧切「落ち着きなさい。少し服装がキワどいだけよ」

苗木「少しじゃない! かなり際どいよ!」


不二咲「え、ええと……」カアァ

十神「この変態め! とっとと降りてこい!」

センターマン「あ、ちょっと待って。今降りるから」

大和田「おいおい、大丈夫かよ……」

センターマン「あああ! 食い込んでる! 食い込んでるー!」

山田「見えますよ?!」

葉隠「放送コードに引っ掛かっちまうべ?!」

霧切「あなた達、黙って見てないで降ろすの手伝ってあげなさい」

大和田「仕方ねえな……女共に見せるワケにいかねえし……」

葉隠「下支えるぞ」


             ・

             ・

             ・


センターマン「フゥ、やっと降りられた」


地上に降り立つと同時に、まず服からはみでそうになっているアソコをすぐさま直す。


苗木「そもそもどうして登ったんだろう……」

セレス「バカと煙は高い所が好きだと言いますからねぇ」

センターマン「改めてもう一度自己紹介しよう。俺は公平戦士ザ・センターマン!」


両手と両足を広げやや前のめりになる謎のポーズを決めるセンターマン。


「…………」

センターマン「足りなかったか? よし、これはどうだ!」


センターマンは仰向けに倒れ両足を∨字型に持ち上げ、股間から手のひらを見せる。


朝日奈「きゃああああああああ!」

大神「ぬおおおおお?!」

センターマン「ザ・センターマン!」

石丸「こ、公然猥褻だ! 破廉恥だ!」

大和田「オメエの名前はわかったからもうやめろ!」

葉隠「……女子の前でも容赦ねえな」

十神「おい変態! 何者だ、貴様!」

センターマン「そんなことより、そこのお前! さっき五分だと言ったな!」

石丸「僕か? 確かにそう言ったがそれが何だと……」

センターマン「これのどこが五分だと言うんだ!」

石丸「舞園君は土下座までして謝ったのだぞ。もう十分だろう!」

センターマン「フゥ、あのなぁ……桑田は殺されそうになったんだぞ? それが土下座だけ?」

桑田「そ、そーだそーだ! そこの変態の言うとおりだ! 土下座程度で勘弁出来るか!」

石丸「しかし、土下座して謝られたら許すのが日本人だ! そういうものだろう!」

センターマン「まったく……おい、お前! お前は何タマだ!」

山田「タマ?!」

腐川「な、なに反応してんのよ……!」

センターマン「お前は『いしあたま』だ!」

苗木「あ、そういうのなんだ……」

十神「……くだらん」


石丸「確かに僕の頭は瓦を割れるくらい硬いが、それが何か関係あるのか?!」

大和田「ダメだ。バカには通じてないぞ」

センターマン「ハァァ。まったくお前はアレだねぇ」

石丸「アレ? アレとは何だ!」

センターマン「アレだよ、アレ。とにかく、意地でも理解してもらうからな。カモーン!」


ぞろぞろぞろぞろ。


苗木「な、なに?!」

セレス「よくまあこれだけの人数を……」


突然入り口からゾロゾロと入ってきたセンターガールズ。
食堂の机や椅子をどけて大きなスペースを作り、配置についた。


センターマン「レッツゴー!」

センターマン「襲われたー桑田が禿げー♪ 舞園は土下座しただけー♪」

センターマン「ほーんとーうに五分と五分か♪ ほーんとーうに五分と五分かー♪」

センターマン「ほーんとーうに五分と五分かー♪」


チャチャラチャッ♪


苗木「う、うう~ん……」

葉隠「どっかで見たような歌と踊りだべ」

大神「確か、武富……」

霧切「ストップ。それ以上は不味いわ」


大和田「いや、踊れよ。お前何もしてねえだろ」

石丸「いや、まだだ! 桑田君の髪は元々風紀を乱していたのだ! 今くらいでむしろ丁度いい」

センターマン「しぶといやつだな。もういっちょ! レッツゴー!」

センターマン「裏切られー刺されかけー♪ そのうえ恥までかいたー♪」

センターマン「ほーんとーうに五分と五分か♪ ほーんとーうに五分と五分かー♪」

センターマン「ほーんとーうに五分と五分かー♪」


チャチャラチャッ♪


セレス「踊ったら衣装がズレましたわよ」

江ノ島「ヤバイって! 見えるよ!」

朝日奈「やだあ!」

十神「汚いものを見せるな!」

大和田「俺が悪かった……やっぱ踊んなくていいわ……」


さり気なく後ろを向いて衣装を直すセンターマン。


センターマン「という訳で、今回の事件は8:2で舞園が悪い! 土下座じゃ足りねえな!」

石丸「ウーム、確かにそうかもしれない……」

大神「だが、舞園に何をさせる気だ?」

センターマン「桑田一人にヨゴレをさせたんじゃ不公平だ。ってなワケでこんなものを用意した!」バーン!


一時中断。多分夜に再開

なんかまどマギで同じような組み合わせ見たぞ……

同じ作者なんです?

ダンガンロンパ全く知らないけど
面白いです

ぱっぱ隊は知ってるけどそれ以外はあんまり知らないわ

>>27
ダンガンロンパの鬱過ぎるストーリーを大好きな笑う犬メンバーに
クラッシュしてもらいたくてクロスさせました

>>41
違う人です。でも笑う犬関連で調べていたら出てきたので少し参考にさせて頂きました

>>42
ありがとうございます。ダンガンロンパも面白いですよ

>>43
最近の若い人だとはっぱ隊以外はちょっと馴染みないかもしれないですね
とても面白いので、機会があったらDVDを見てみることをお勧めします
あの笑いというかセンスは今でも通用すると思います


江ノ島「なにこれ?」

大神「パイだな」

朝日奈「うん。パイだね」


パイ。


「…………」


パイ。


苗木「え、あのこれって、よくバラエティとかで芸人の顔にぶつけるアレですか?」

センターマン「そうだ! 舞園もそれを喰らうんだ!」

山田「ですが、舞園さやか殿は超高校級のアイドルですぞ? 事務所が許すんでしょうか?」

大和田「さすがにこれはなぁ……」

舞園「……私、やります」

苗木「舞園さん?!」

舞園「センターマンさんの言う通りです。一歩間違えば桑田君は
    死んでたんですから、これでも全然軽い方です。お願いします」

センターマン「よっし! じゃあ行くぞ! アイドルの頭をパイ生地にシュゥゥゥッ!」


ガシッ、ドゴッ!

センターマンは舞園の頭を掴んで机の上のパイ皿に叩きつけた。


「ちょっ?!」

山田「超エキサイティンッ……って、えええええええええ?!」

舞園「…………」


舞園が顔を上げる。そこには顔面が真っ白になった元トップアイドルの姿があった。
長い睫毛にパイの粉が引っ掛かっているのが痛々しい。


苗木「ま、舞園さん……」

舞園「……このパイって、こんな味だったんですね」

センターマン「まだまだ終わらねえぞ! 次はこれだー!」


鼻フック。


「えっ?!」

桑田「……マジで?」

朝日奈「ちょ、ちょっと待ってよ! 女の子にそれはいくらなんでも可哀相だって!」

石丸「舞園君はアイドルだぞ?!」

不二咲「それに痛そう……」

センターマン「パイなんてなぁ! 芸人にとっちゃ挨拶みたいなもんなんだぞ!」

十神「どんな挨拶だ……」

センターマン「芸人ナメんな! 芸人ならこれくらい出来ねえとダメなんだよ!」

苗木「舞園さんは芸人じゃないよ!」

朝日奈「そうだよ、やめて!」

舞園「止めないでください!」

大和田「お、おい……本当にいいのか?」

舞園「……女性の芸人さんだってたくさんいますし、アイドルだけ特別扱いって訳にはいきませんよ」

霧切「舞園さん……本気なのね?」

舞園「はい」

霧切「なら、止めないわ……」


舞園「やりましょう、センターマンさん」

センターマン「よく言ったぁ、舞園! 行くぞっ!」

舞園「ふ、ふがっ」

桑田「えっ?!!」

石丸「クッ! 見てられん!」

苗木「舞園さん……」

大神「……舞園を思うなら見ないでやれ」

舞園「ふがふがふがっ!」

不二咲「ま、舞園さん……」ウルウル

腐川「ふ、ふん……いい気味よ……」

舞園「ふわたふん……ごめんなはい……」ぽろぽろ

桑田「…………」

センターマン「よし、次は……!」

桑田「もういいっ! もうそれでいいって……!」

センターマン「本当にいいんだな?」

桑田「いいよ……なんかめんどくさくなってきたし……」

センターマン「よし! じゃあ撤収~」


ぞろぞろぞろぞろ……


桑田「…………」

舞園「…………あの」

桑田「もう何も言うなよ。……ああっ、もうどうすりゃいいんだこの空気!」

「ならばこの空気、わたくしがなんとか致しましょう!」

「?!」


十神「今度は何だ……」イラ


和服を着た男と共に、やたら大きなセットが裏から現れる。

イヨォ、ポンポン! ドドン!


― 関東土下座組 AS TEARS GO BY ―


組長「わたくし土下座一筋三十六年、関東土下座組組長でございます」

組長「本来は桑田殿が舞園殿を許さなかった場合、代わりに土下座するためにスタンバっておりました」

葉隠「いたんかい!」

大和田「いたのかよ……」

組長「しかぁし! 桑田殿が舞園殿を許してしまったため、出番がなくなってしまいました」

朝日奈「なくなっちゃったんだ……」

腐川「じゃあ、帰りなさいよ……」

組長「なので、この微妙な空気を直すために土下座する次第!」

大和田「出番欲しいからかよ!」

苗木「ま、まあまあ。いいじゃない。やってもらおうよ」

組長「こたびの争い、舞園殿は仲間と夢を想っての暴挙。桑田殿も内心
    それをわかっているが、命を脅かされた身としては安易に許せない」

舞園・桑田「…………」

組長「そのどうしようもない気持ち、どうか! どうかこの組長の土下座で
    勘弁していただきたくお願い申しあげます! どーうーかー!!」



     土        土        土

     下        下        下

     座        座        座



       土 !  下 !  座 !


ドンドンドンドンドンドンドドォォォン!! イヨォッ!


「お、おお!」

組長「どうか、どうかああああ!!」

山田「か、回転していますぞ……!」

大神「こやつ、出来る!」

組長「どお~う~か~!」

葉隠「土下寝まで来たか」

セレス「ただ仰向けに倒れているようにしか見えませんが」

霧切「いえ、違う。あれは土下座の最上種よ」

江ノ島「意味わかんないけど」

桑田「ま……そうだな。暗いのって俺らしくないし、気楽に行くか」

十神「チッ、土下座に免じて今回は勘弁してやる」

大和田「なんでお前が偉そうなんだよ」

朝日奈「はいはい。ケンカはやめね」

霧切「いい土下座でしたよ」

大神「ウム、見事な土下座であった」

組長「ありがとうございます、ありがとうございます」


セレス「ところで、あなた達に聞きたいことが……」

組長「では失礼!」


ダダダダッ!


江ノ島「はぐらかされた……」

腐川「け、結局なんなのよ……!」


              ◇     ◇     ◇


モノクマ「ったくよぉ! 何なんだよあいつら?! とりあえず、未遂だけど事件は起こったから
      予定通り二階は解放するけど、それでも事件が起こらないなら動機パート2行っちゃうかんな!」

モノクマ「計画犯組は動かないだろうけど、今回の動機は感情的なあいつがターゲットだもんねー!」


              ◇     ◇     ◇


かくしてしばらくの間特に事件も起こらず、石丸と大和田がいつの間にか仲良くなって
義兄弟になっていたりした。そんな中、モノクマによって二番目の動機が投下されたのである。


モノクマ「コロシアイしなきゃオマエラの秘密世間にバラすから!」

大和田(な、なんで俺が兄貴を死なせたことを知ってやがる?! もしこれが、チームに
     バレたらチームは崩壊だ……! チームを守るって兄貴との約束も守れねえ!)

大和田(俺はどうすりゃいいんだ?!)

不二咲「あ、あの大和田君。ちょっといい?」

大和田「……あ? なんだよ……」

不二咲「大事な話があるんだ。夜中の1時に男子更衣室に来てくれない?」

大和田(こいつに俺が殺せるワケないしな……)


大和田「……わかった」

不二咲「ありがとう!」パアッ

大和田「…………」


深夜。男子更衣室。


大和田「ハアッ?! お前が、男?!」

不二咲「う、うん……今まで騙しててごめんね……」

大和田「なんでそんな大事な秘密を俺に打ち明けやがった……」

不二咲「大和田君が僕の憧れだったからなんだ。ひ弱で女々しい僕と違って強くて男らしくて……」

大和田「…………」

不二咲「僕、変わりたかったんだ。嘘をついてる弱い自分から変わりたくて」

大和田「お前……なんでそれを俺に言った? 俺に対する皮肉か……?」

不二咲「えっ、僕はただ大和田君に憧れてて、それで……」

大和田「俺が逃げてるから……俺が弱いから……」

不二咲「お、大和田君? 何言ってるの? 大和田君は強いよ?」

大和田「そうだ……俺はつええんだ……俺は強い……」


大和田の顔は真っ青になっている。何故大和田の顔色が悪いのか不二咲にはわからない。


大和田「俺は強い強い強……」

「えー、また引っ越しですかぁ?!」

大和田・不二咲「?!」ビクッ


― 小須田部長 希望ヶ峰編 Show must go on! ―


原田「すみません、小須田さん。もう会長から辞令出ちゃってるんで……」

小須田「っていうかもう現地に来ちゃってるじゃないですか!
     引っ越し終わってるのにまだ荷物捨てるの?!」

原田「だって小須田さん、コロシアイ学園生活に参加するんですよ? 他の学生達が
    不自由な思いしてるのに、小須田さんだけ色々荷物持ち込んだら不公平でしょ?」

小須田「そうだけどさぁ……そもそもコロシアイってなに?! 私そんなのに参加しなきゃいけないの?!」

原田「あなたが地球を救ってテレビに映った時に、調子に乗ってまた世界が
    危なくなったら救います! なんて言うからいけないんですよ!」

小須田「だって、その場のノリってあるじゃなぁい!」

大和田(なんだ、こいつら……)

不二咲(えっと、妖精さんなのかな? どう見ても普通のおじさんとお兄さんだけど……)

原田「じゃ、いつもみたいにいらない物捨てていきますか」ドンッ☆


[いるもの][いらないもの]


原田はマジックで適当に書かれたダンボールをどこからか用意して床に置く。


小須田「って言っても今回はそんなに荷物ないよ? まさかスーツいらないとか言わないよね?」

原田「はい。スーツはいりません!」

小須田「えっ?! なんで?! 今着てるのに?!」

原田「小須田さんは学生に混ざるんですよ? 浮かないようにこれ着ておかないと」


そう言って原田は黒い学ランを手渡す。


小須田「……この歳で学ランはキツイなぁ。というか、浮くよ? これ着てた方が
     絶対浮くよ? それに生徒の中にスーツ着てる子いたよね?!」

原田「はい。しまうからスーツ脱いでくださーい」

小須田「トホホ。都内で働けるって聞いたし、今度こそスーツはいると思ったのになぁ」


仕方なく小須田は学ランに着替える。


大和田「……お、おい。なんだテメエラ、どっから現れやがった?!」

原田「そんなことどうだっていいじゃないですか。今取り込み中なんで、話は後にしてください」

大和田「ハァ?! ふざけてんのか?!」

不二咲「ま、待って大和田君! ちょっと待ってあげようよぉ」

小須田「ごめんね、ごめんね。名刺配るから許してちょうだいな」サッサッ

不二咲「えっと、ヨシダエンタープライズ社長・小須田義一……」

大和田(社長だぁ? なんの変哲もないただのオッサンじゃねえか……)

原田「じゃあ再開しましょうか」

小須田「名刺は持ってていいよね?! 今使ったもんね?!」

原田「そうですね。名刺はよしと」

小須田「お、調子いいなぁ。じゃあ携帯電話も……」

原田「携帯は駄目です。没収します」

小須田「えっ、なんでなんで?! ここ日本だよ?」

原田「生徒さん達もみんな携帯没収されてるのに小須田さんだけ持ってたら不公平なんで」

小須田「でも、確かギャルの子持ってたよね?」

原田「あの子は例外です。ギャル(笑)なんで」


小須田「そんなのってないよぉ~」

不二咲(今何か凄い重要なこと言ってたような……)

大和田「……ちょっと待て。携帯持ってんのか?! 貸せよ! 外に連絡して助けを呼ぶぞ!!」

原田「あ、それ無理だから」

大和田「ハアッ?! なんでだよ?!」

原田「なんか電話会社がそれどころじゃないらしくて。ほら、圏外でしょ?」

大和田「都内で圏外だぁ……?!」

原田「さ、続き続き」


その後も原田による容赦ない仕分けが続く。


小須田「じゃ、じゃあさぁ! 宇宙から持って帰ったこの隕石。学生に見せたらきっと喜んで……」

原田「…………」パシッ


[どうでもいいもの]○ミ ポイッ


小須田「ど、どうでもいいって……命懸けて手に入れたのに……」

原田「僕が今度有効活用しときます」

小須田「コロシアイってことは危ないんだよね? 何か身を守るものを持ってかなくちゃ。
     これとかどうよ? あの伝説の白鯨モービーにすら使ったモリ!」

原田「そんなもの持っていたらみんなが怖がるでしょ? はいこれ」

小須田「これ、フォーク? フォークって、いくらなんでも……」

原田「まあ、何とかなるでしょ。じゃあ最後に、これを捨てておきましょうか」


原田が取り出したのはボール紙をクシャクシャに丸めて『男のプライド』という貼紙がされた物体だった。


小須田「え?! これは捨てたらまずくない?!」


原田「いりません」

小須田「でもほら、仕事にプライドはいるでしょ……?」

原田「ここではそんなもの不要です」

小須田「でもねぇ……」

原田「じゃあ聞きますが、プライドを持ってるせいで人殺しちゃったら
    どうするんですか? 小須田さん、責任取れるんですか?」

小須田「人死なせちゃったら責任取れないねぇ……」

原田「そうです。このコロシアイ学園生活においては、男のプライドだとか
    “男の約束”だとかそういったものは不要なんです。無駄です。いりません!」

大和田「テメエェェ!」


大和田が原田に掴みかかった。


不二咲「大和田君!」

大和田「男の約束が不要だぁ?! ふざけんな! 何も知らねえくせにッ!!」

小須田「やめてください! 暴力だけは、暴力だけはぁ!」

大和田「兄貴と二人で作った命より大事なチームなんだぞ?! それを俺は兄貴に
     託されたんだ!! なのに、チームが崩壊する所を指をくわえて見てろってのか?!」


小須田が必死に大和田の腰にしがみつく。


小須田「お兄さん、私を見てください! しがない普通の……いや、普通以下のサラリーマンです!」

大和田「はなせよっ!」グググ

小須田「放しません! 私はね、いつもしょうもないミスをしては僻地に飛ばされてたんです!
     こんな甲斐性なしだから、妻と娘には愛想は尽かされて捨てられてしまったし、
     そのうえ妻はかつての上司と結婚、愛娘はいつの間にかAVデビューですよ!」

大和田「ハァッ?!」


あまりの悲惨ぶりに思わず大和田の手が緩み、その隙に原田が逃げ出す。


小須田「でもね、こんな情けない私にも原田君は命だけはいらないって言わないんですよ?
     命がいらなくなっちゃったら駄目じゃないですか! 死んだら終わりなんです!」

原田「だ、大体ねぇ! 本当のことを言ってチームが崩壊するって言うなら、
    結局それは自分の実力じゃなかったってことでしょっ?!」

大和田「ああ?!」

小須田「原田君、お願い! 煽らないで!」

不二咲「大和田君、駄目ェ!」


小須田と不二咲が大和田にしがみつき、原田は部屋の端の方に逃げながら叫ぶ。


原田「それともなんですか? あなたのお兄さんは、あなたが人を殺しても平気な、そんな薄情な
    人なんですか? 普通の人間なら、大事な家族が自分のせいで人殺しになったら嫌ですよ!」

大和田「……!!」

原田「結局、男の約束なんて言葉に逃げて自分の実力を知るのが嫌なだけなんじゃないですか?!」

大和田「このぉっ!!」

小須田「待ってください! 確かに、本当のことを言えばあなたの元から去っていく人も
     いるかもしれません! でも、残る人だってきっといるはずです! その人達と、
     また作ればいいじゃないですか! 日本一のチームを!!」

大和田「また作る……」

小須田「私はね、南極やジャングル、エベレスト……果ては宇宙まで行きました。何度も死にかけました!
     でも、生きていれば意外となんとかなるんです! 私はいつも歌を歌って自分を励ますんです!」

小須田「がんーばれー、まけーるなー! 力のかぎりー生ーきてーやれー!ってね……!」

小須田「生きていれば、生きていれば何だって出来るんです! 誰かを殺したり
     自分が死んだりするのだけは駄目です! 駄目なんですよぉ……うっうっ」

大和田「…………」


いつの間にか、大和田は暴れるのをやめ俯いていた。気が付けば小須田と原田もいなくなっている。


不二咲「大和田君!」

大和田「……なんだよ」

不二咲「大和田君、ごめんね……大和田君の秘密ってチームが崩壊するほど重い秘密だったんだねぇ。
     僕、大和田君が本当は悩んでること知らなくて、自分のことばっかり考えて……ごめんなさい」

大和田「お前が……悪いワケじゃ……」

不二咲「小須田さんの言う通りだよ! 確かに、嘘をついてたことで離れちゃう人もいるかもしれない……
     でも僕みたいに、大和田君のことが好きで本当に尊敬してる人だってたくさんいるはずだよ!」

大和田「……お前が好きなのは強くて男らしい俺だろ。本当の俺は……」

不二咲「誰にだって弱さやコンプレックスはあるよ。僕が大和田君のことを好きな気持ちは今も
     変わってない。だから信じて! チームの仲間達を! 僕は大和田君の仲間を信じるよ!」

大和田「会ったこともないくせに、なんでお前が……」

不二咲「大和田君の仲間だもん! きっといい人達ばかりだよ! 大和田君は仲間を信じられないの?」

大和田(こいつは……こいつはなんでこんなに強いんだ……)


大和田の中に再び嫉妬という黒い炎が燃え上がり始める。
……だが、そんな大和田の耳にどこからか小須田の声が聞こえてきた。


がんーばれー、まけーるなー、力のかぎりー生きてやれー……


大和田「力の限り、生きる……」

不二咲「大和田君?」

大和田「……不二咲、聞いてくれねえか……俺はな、お前が思ってるみたいな強くて
     かっこいい人間じゃねえ……むしろ、本当は誰よりも弱くて情けねえダメなヤツなんだよ……」

不二咲「聞くよ。大和田君だって人間だもん。悩みも、弱い所も、一緒に乗り越えて行こうよ」


かくして事件は未然に防がれた。

その影には、一人の冴えないサラリーマンの活躍があったことを忘れてはならない――


ここまで。

一回短い番外編を適当な所で挟みつつ次の投下は水曜か木曜の夜だと思います。

今ふと思ったが、土下寝ってうつ伏せじゃないっけ?仰向けなんだっけ?

>>70
?! うわ! とんでもないミスをば。うつ伏せです。1もうつ伏せのつもりだったのですが
少し前に仰向けが出てきてたからタイプミスをしてしまったようです。申し訳ない

>>52修正
セレス「ただうつ伏せに倒れているようにしか見えませんが」



折角なので、番外編を少しだけ。


― 番外編① キャラ紹介 ―


ミル「どうモ~。みんな大好きミル姉よ。えっとね、ここは原作でいう終わりのコーナー、
    もしくはモノクマ劇場的なものだと思ってね。つまり、メタ視点ってワケ」

ミル「原作知らないけど読んでるとか、面白いという感想を貰ってとても嬉しいわ。それでね、
    シリーズ物の映画を途中から見る時、登場人物の前知識があった方がより楽しめるわよね?」

ミル「という訳で、急遽このコーナーを書き下ろして簡単に人物紹介することにしたの。でもでも、
    ダンガンロンパなんて16人もいるし、いきなり全員紹介しても、正直覚え切れないわよね?
    だから、今の所スポットが当たった子だけかい摘まんで説明するわね」


【超高校級のアイドル】舞園 さやか(まいぞの さやか)


ミル「作中でも言われてたからわかると思うけど、さやかちゃんは超国民的トップアイドルなの。もうね、
    嫉妬する気も起きないくらいすっごいかわいい。しかもかわいいだけじゃなくて凄い努力家」

ミル「アヤカスって言うのはさやかちゃんのアイドルグループのメンバー羽山あやかちゃんのあだ名。
    とっても仲良しみたい。さやかちゃんはメンバーの安否が心配なのと、自分が世間から忘れられる、
    幼い時からずっと追い続けていた夢を失ってしまうという焦燥で早まってしまったの。可哀相」

ミル「ちなみに、アタシは干し草一束でプロデューサーと寝る女だけどさやかちゃんは
    そんなことしないわ。清純派アイドルが枕営業なんてする訳ないでしょ?」


【超高校級の野球選手】桑田 怜恩(くわた れおん)


ミル「桑田君はね、すーっごく運動神経が良いの。特に野球をやらせたらもう天才。例えるなら、
    イチローとダルビッシュ有と王貞治を足して割らなかった感じ。もう投げて投げて打って
    打ちまくってみたいな。本人曰く夜の千本ノックの方が好きみたいだけど。馬並みなのかしら?」

ミル「ただ、練習なしでその実力の上、野球なんてダサい、練習したくない、ミュージシャンになって
    モテモテになりたいなんて空気読まずに連発するから、ちょ~っと周りから顰蹙買ってたみたい」

ハンサム侍「ビックマウスな男は嫌いだな! 私くらいのハンサムなら別だが。ハッハッハッ!」

ミル「…………。桑田君がさやかちゃんに狙われたのはこの辺が理由、ってもっぱらの話よ。単に、深夜に
    女の子の部屋に呼び出された時一番ホイホイ来そうだからって噂もあるけど。真相は闇の中ね」

小須田「悪い子じゃないと思うよ。ほら、若い頃って必要以上に自分を大きく見せたくなるもんだろう。
     大人になって実っていくほど中身が重くなり、稲穂のように頭を垂れていくんだよ」


【超高校級の風紀委員】石丸 清多夏(いしまる きよたか)


ミル「この子はね、とにかく真面目。もうどのくらい真面目かって言うと、お友達に『ねえ、休日とか
    暇な時に何してる?』って聞かれて『暇潰しに勉強してるぞ!』って真顔で答えちゃうタイプ。
    毎朝お年寄りに混じってラジオ体操して、おじいちゃんおばあちゃんに可愛がられてそうよね」

ミル「他の子とちょっと違うのは、元々特殊な才能があった訳じゃなくて、全て努力で手に入れているの。
    全国模試は常に一位なんだって。ワオ、すごーい。……でも、それって特に風紀委員関係ないわよね」

ミル「あ、でもでも風紀委員って言うだけあってね、すごーく規律にうるさいの。でも、ここだけの話……」

センターマン「話せば通じるっていうか、ぶっちゃけチョロい。かーなーりチョロい」

ミル「屁理屈でも何でもとにかく言い負かせば意外とあっさり認めてくれるらしいわ。……超高校級って
    なんなのかしらね? あ、でも友達思いで正義感が熱い所は確かに超高校級……なのかも?」


【超高校級の暴走族】大和田 紋土(おおわだ もんど)


ミル「大和田君は暮威慈畏大亜紋土(クレイジーダイアモンド)って言う大きな暴走族の二代目総長なの。
    見た目もと~っても怖そう。でもね、本当はとっても繊細なのよ。実は小型犬が大好きだし」

ミル「大亜っていうお兄さんがいて、地元じゃダイアモンドブラザーズって呼ばれてる有名人だったの。
    いつも優秀なお兄さんの影に隠れるのが悩みだったみたい。マリオとルイージみたいね」

ミル「初代総長であるお兄さんの引退式に勝負を持ち掛けたけど、大和田君のミスでお兄さんが
    死んじゃったの。でもチームを守れっていう遺言があったのと、本当のことを言ったら
    チームがバラバラになってしまうかもって恐怖で、仲間に嘘をついてしまったのね……」

小須田「ちょっとカッとなりやすい所が欠点だけど、凄く仲間思いで面倒見も良い子だと思うなぁ」


【超高校級のプログラマー】不二咲 千尋(ふじさき ちひろ)


ミル「小さくて大人しくて凄いかわいい子よね。でも! 実は最近流行りの男の娘ってやつなの。
    子供の頃から弱くて、男のくせにって言われ続けたのがコンプレックスになっちゃったのねぇ」

ミル「そこで、なんと女装して女子校に通い始めちゃった訳! 確かに性別をごまかせば
    男のくせにとは言われないけど……トイレとかプールの授業、どうしてたのかミル姉疑問」

ミル「……原作では男子とばっかり仲良くするから魔性の女疑惑も生まれてたわ」

組長「性別をごまかし、全国の男性ファンをガッカリさせたこと、どうか! どうかお許しを~!」土下座!


【超高校級のギャル】江ノ島 盾子(えのしま じゅんこ)


ミル「江ノ島さんは超売れっ子のトップモデル!なんだけど……実は偽物なの。本物の江ノ島盾子の
    双子のお姉さんで戦刃(いくさば)むくろって言うらしいわ。凄くつよーい軍人なんだって」

ミル「ただ、顔もスタイルも素人目に見ても妹に負けてるから、みんなにはフォトショで
    いじってんだって言い張ってるわ。まあ、確かに芸能界じゃフォトショはよくあるけどね」

ミル「とにかく気が利かなくて、妹からは残念な姉……略して残姉(ざんねえ)って呼ばれてるみたいよ」


笑う犬編。


苗木「どうも。主人公なのに紹介すらされなかった【超高校級の幸運】苗木誠です。まあ、仕方ないか。
    みんなと違って僕は成績も運動神経も容姿も何もかも普通で、むしろ背は標準より低い方だし」

苗木「僕は、希望ヶ峰が毎年一人選んでいる抽選枠で入ったんだ。でも、超高校級の幸運なんて
    とんでもない! 普段は全然ツイてないし、影が薄いからクロスSSでは大体埋もれちゃうし」

はっぱ隊「ヤッタ! 序盤に出番がないってことは後半で活躍出来るぞ!」

はっぱ隊「ヤッタ! 普段影が薄いぶん、活躍したら印象に残る!」

苗木「はは、そうだね。何もかも平凡な僕だけど、人より少し前向きなのが取り柄なんだ!」


はっぱ隊:ご存知はっぱ一枚つけただけの集団。とにかくポジティブ。
      黄金のはっぱをつけた幻の七人目、ヒロミGOがいる。


苗木「YATTA!って歌が有名だから最近の人も名前くらいなら知ってるんじゃないかな」

苗木「初期は内村さん演じるどん底に落ちた人の夢をはっぱ隊の隊長が奪っちゃって、
    他の隊員が無神経に励ますというか茶化す感じだったんだけど、回を重ねるごとに
    弱ってる人にエールを送る妖精みたいな存在になって行ったんだ」


ミル姉:元はスナックのママをしていたが、客の原田に引き抜かれ印旛沼スタジオで番組を
     持つことになった。時々ブラックジョークを交えながら、アンニュイに喋る。


苗木「牛のような人のような……大人の女の人だね。中の人が映画好きだから、番組でも
    オススメ映画を色々紹介してたみたいだ。レッドカーペットにも出たことがあるらしいよ」


ハンサム侍:自信家で気取っている超ナルシーでモテモテの侍。悪事を働くブサイク三兄弟を容赦なく
       切り捨ててモノマネをさせ倒すのがお約束だが、ブサイク側が正論を言うこともしばしば。


苗木「内村さんを喜ばせる、というコンセプトで作られたコントみたいだね。切られた人は
    ハンサム侍が指定した人物のモノマネをしてから、赤い羽を散らすのが定番らしいよ」


センターマン:主にお金を半々で折半している場面に登場(何故か毎回高い所にいて降りるのに苦労する)。
        センターガールズという女性たちを引き連れ、当時流行っていた武富士のCMまんまの演出で
        折衷案や説得を替え歌で歌いつつ踊る。とにかく画像をググってあの衣装を見るべし。


苗木「昔流れていた有名なCMの歌とダンスを元にしたコントだね。センターマンの
    あの服装といい演出といい、全てが一度見たら忘れられないと思う……」

【参考CM】http://www.youtube.com/watch?v=Q13V5S5LRk0


関東土下座組:争い事が起きているとどこからか組長が現れ、双方の言い分を聞きつつ和解を求め土下座する。


苗木「これは本当にまんまだと思うよ。どんな修羅場でも組長が土下座したら丸く収まるんだ。
    ……ただ、途中から土下座がどんどん凄くなって奇跡を起こしていくことになるんだけどね」


小須田部長:
 元は営業部長だったが、宴会で社長のモノマネをしたことがきっかけで次々と僻地へ飛ばされる。
しかし、驚異的な適応能力でどんな過酷な環境でも生き延びる上、果ては怖い外人や人外生物とも
仲良くなることが出来る脅威の人物。原田は腹心の部下だが最近ちょっと腹黒く、小須田の娘エミリと
付き合っている。……が、エミリはなんと二人の上司である会長と結婚しているため不倫である。


モノクマ「ぶっちゃけ希望ヶ峰もドン引きするレベルの超天才。一人でエベレスト三往復するとか
      横綱になったりCIAに単独潜入したり泳いでアトランティス見つけるとか……ないわー」

苗木「ミスで左遷されたって言ってたけど、ほとんどは部長の茶目っ気というかユーモアなんだよね……
    キラウエア火山の火口で働いてた時、報告書に冗談でマグマ大使よりって書いちゃったり。
    社長の誕生日に歳の数だけ松明を贈ったのは確かにまずかったけど……」

モノクマ「国連本部に会社の社旗を掲げたり、報告書に社長の似顔絵を書いたのもまずかったね。
      折角優秀なのに、なんか抜けてる所がどっかの残念を彷彿とさせるよ」

苗木「えーっと、今回はこんな所かな。では、また次の投下で会おうね!」



              ◇     ◇     ◇


苗木「ふ、不二咲さんが男?!」

石丸「兄弟がお兄さんを死なせてしまった……」


翌日、不二咲と大和田は自ら秘密を告白した。また、モノクマによる秘密暴露の際に、


ジェノ「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン! ジェノサイダー翔でーす!」

朝日奈「そんな、腐川ちゃんが殺人鬼?!」

セレス「精神に異常がありそうだとは思っていましたが、まさか二重人格でしたとは……」

山田「この学園どうなってんですか?!」


と多少の混乱はあったものの、特に大きな問題は起こらなかった。


モノクマ「この野郎……こうなったら奥の手だ! 内通者カモーン!」


深夜、モノクマは内通者である大神を体育館に呼び出し、誰かを殺すよう命じたのである。


大神「そうか……いよいよその時が来たか……」

モノクマ「人質殺されたくなきゃとっとと殺っちゃってよね!」

大神「…………」


陰欝な気持ちで大神は廊下を歩く。


大神(誰を殺そう……女や弱い者は傷付けたくない。我の次に強いのは大和田だろうが……駄目だ。
    大和田が死ねば残された石丸や不二咲が不憫だ。奴は涙ながらに自らの秘密を告白したしな……)

大神(やはり十神だな。あやつは和を乱す行動が多すぎるし、コロシアイ肯定と
    取れる発言も多い。……内通者の我は人のことを言える立場ではないが)


だが、途中で足を止めた。保健室がいつの間にか出店のようになっており、変な女が座っている。



― マドモアゼル☆ゆみこの12星座占い ―


ゆみこ「テルミーテルミーテルミードゥ! ポップンチェリーでシャラリンチョ! Yes,it's Do!」

ゆみこ「きょんばんは。マドでーす」

大神「我の殺人を止めにきたのか?」

ゆみこ「下着は白と決めていてプロテインを愛飲し、カポエラーにも興味があるおとめ座のあなた」

大神(……無駄だ。心に迷いを持つ者ならこの者達の言葉も意味があるだろう。
    だが我のように固い決意を持つ者には、この者達の言葉など届かぬ)

ゆみこ「明日の運勢は……学級裁判に負けてオシオキされる。えっ?!
     オシオキって処刑のことなの?! ガーン!」

ゆみこ「さようなラモス瑠偉!」ビシッ!


ガタン!

それだけ言うとブラインドが落ちた。ブラインドには『明日もいい日でありますように』と書いてある。


大神「…………」

大神(いい日、か。……我にとっても皆にとっても最悪の一日になりそうだが)


学級裁判という単語だけ少し気になったが、深く考えないことにした。
犯行がバレてリンチを喰らうという意味かもしれないが、それもやむなしだと思う。


ズズッズズズッ……


大神「……?」


大神が廊下を歩いていくと、今度は廊下を塞ぐような大きな役員机のような物が見える。
そして立派な椅子に座ってラーメンを食べる初老の男に出会った。


ひろむ「やあ、こんばんは。少し話でもしないかい?」

大神「…………」



― ひろむちゃん far from Kyoto ―


ひろむ「こんな夜更けに女性と会うなんてね。何か悩みがあるなら聞こうか?
     ……なんて言うとナンパに思われてしまうかもしれないけど」ズズッ

モモコ「あー、ひろむちゃんナンパしてるー! 政治家なのにいけないんだー!」


いつの間にか割烹着を着て岡持ちを持った女?が背後にいてひろむにツッコミを入れる。


ひろむ「いや、そういう不届きな気持ちはないから善意だから」

モモコ「かっこいー」

ひろむ「おう、ありがとう。……で、話をしようか」

大神「……話すことなどない」

ひろむ「そうだよなぁ、人質のことが心配だよなぁ。わかるよ。誰だってそうだよな」ズズッ

モモコ「おもしろーい」

ひろむ「面白くないよ! 今大事な話してるからちょっと邪魔せんといて!
     ……で話を戻すけど、馬鹿なことはするもんじゃない。友達も悲しむぞ?」

大神「わかっている……」

ひろむ「いやいや、わかってない。人を殺したら無条件に出られると思ってんの? とんでもない!」

モモコ「オシオキオシオキ、必殺仕置人♪」

ひろむ「裁判でね、犯人を探すんだよ。それで犯人を当てられたら、犯人は処刑。仮に周りを
     騙し通せても、犯人当てを間違えた他のメンバーはなんと全員処刑! いやぁ、酷い酷い」

モモコ「こわーい」

大神「なっ?! そんなことがっ……?!」


大神は先程ゆみこが言っていた学級裁判という単語を思い出す。


ひろむ「目の前でね、親友が人を殺した犯人だって暴かれて処刑されるのを見せられたら
     たまったもんじゃないよ! それで友達の精神が崩壊でもしたらどうすんの?」

大神「…………」

ひろむ「君の家族だってさ、自分達のせいで君が人を傷付けたなんて知ったらどう思うか。よく考えなって」

大神「やめてくれ……我は……」

ひろむ「そもそも、本当に家族は無事な訳? 黒幕が約束を守る保障あんの?」

大神「……!!」

ひろむ「政治のね、世界だってそうなんだって。テロリストに日本人捕まったら助けてあげたい。
     でも無事に返してもらえるかわからないし、一度そういう前例を作ると何度も同じことが
     起こってしまう。だから我々は心を鬼にする訳で、我々は悪く無いから」

ひろむ「大体こんなことをするような人間がね、ちゃんと約束守んのかな?
     現に今だって裁判っていう一番大事なこと隠してたのに」

モモコ「はい残念、嘘でしたー!」

ひろむ「そうそう、こんな感じ。こういう風に軽いノリで言いそうだよね」ズズッ

大神「…………」

ひろむ「あんた、相手の手の上で踊らされてるだけかもしれないよ?
     後悔先に立たず。それでもやりますか? やりませんか?」

モモコ「今面白いこと言った」

ひろむ「言ってないからね?! 今ものすごくかっこいいとこだったから!」

大神「我は……」


ズズッズズズッ。


ひろむ「うわ、長話したから麺が伸び伸びだよ」

モモコ「ひどーい」


大神「モノクマ!」

モノクマ「は、はーい。呼んだ?」

大神「この男の言っていることは本当か?」

モノクマ「なんのことかなぁ?」ダラダラ

大神「学級裁判とやらだ!」

モノクマ「……黙秘権を行使いたします」

大神「沈黙は事実と受け取る」

大神(なんと言うことだ! 全てこの男の言う通りではないか。殺人を行っても人質が
    戻ってくる保障など何もなく、そのうえいたずらに仲間を傷付けることになるとは……)

大神「こんな大事なことを黙っていたお主のことを信じられん。この話、なかったことにさせてもらう」

モノクマ「え、ええええええ?!」

大神「更に学級裁判とやらのこと、皆に話す」

モノクマ「そんなことをしたらオマエが内通者だってことがバレちゃうぞ!」

大神「構わぬ。元より非難は覚悟の上だ」

モノクマ「あーっ、チクショー!」


そして、どこからともなく「私のお気に入り(My Favorite Things)」が流れる。


ひろむ「そうだ。京都に行こう」


京都の方角(?)を見ながらそう呟くひろむの前を、岡持ちを持ったモモコが通り過ぎた。


モモコ「外に出られないんだけどねー」

ひろむ「台無しだよ!」


              ◇     ◇     ◇


苗木「それ、本当なの?!」

葉隠「オ、オーガが内通者?!」

石丸「学級裁判だと?!」

不二咲「そ、そんな……人を殺しても、最初からただで出す気なんてなかったんだねぇ」

舞園「あ、あぁ……そんなことって……!」

桑田(ちょ、ちょっと待てよ……それって俺もかなりヤバかったんじゃねーか? ……ハゲで済んで良かった)

大和田(もしあの時あいつらが止めなかったら、俺は不二咲だけじゃなく兄弟達まで危険に……!)ガクガク

セレス「この調子だとまだ何か隠しているかもしれませんねぇ」

モノクマ「もう隠し事はありません! 学級裁判と内通者の存在で終わりです!」

十神「……信じられんな」

モノクマ「まあぶっちゃけあるかもしれないよ? でも脱出に関するルールは本当に以上です。誰かを
      殺して学級裁判を勝ち抜いたら脱出出来ます。その後ボクは一切干渉いたしません!」

モノクマ「信じるにしろ信じないにしろ、君達に選択肢はないはずだけどね」

十神「フン」

朝日奈「さくらちゃん!」

大神「……騙していてすまなかった。我はいかなる責めも進んで負おう」

朝日奈「そんな、だってさくらちゃんは人質を取られてたんだよ?!」

苗木「そうだよ! 大神さんは悪くない!」

江ノ島「ハァ?! 大神が誰か殺してても同じこと言えるワケ?」

朝日奈「それは……」


山田「心情的には理解出来ますし気の毒だとは思いますが、大神さくら殿が内通者だというのは……」

朝日奈「もうやめたって言ってるでしょ!」

葉隠「そんなこと言って、オーガがまた裏切らない保障なんてないべ!」

大神「いや、我が疑われるのは当然のこと。不安なら拘束でもなんでもしてほしい」

霧切「そうね。大神さんには悪いけど、彼女の力を不安に思う人がいるなら……」

朝日奈「そんな!」

大神「良いのだ、朝日奈よ。我に全ての非がある」

朝日奈「それじゃさくらちゃんが可哀相だよ!」

「クックックッ、ハッハッハッハッハッ……」

「だ、誰だ?!」


気が付くと、壁にいつの間にか大きなモニターが出来ており、
モニターには宇宙船の内部のような場所と青い顔の男が映っていた。



― デスラー Satan of the universe ―


デスラー「久しぶりだな、ヤマトの諸君」

(え、誰?)

苗木「あの、ここはヤマトじゃなくて希望ヶ峰学園なんですけど……」

山田「デ、デスラー!」

大和田「知ってんのか?」

山田「ほら、宇宙戦艦ヤマトの敵キャラですよ」

桑田「そういやそんなのいたような……」


デスラー「諸君があまりにくだらない争いをしているから、私は嘲笑いに来たのだ」

山田「僕が艦長の沖田十三です」キリッ

葉隠「ほいほーい。じゃあ俺が古代進やるべ!」

大和田「大嘘つくなよ……」

デスラー「全く諸君等は強大な敵を前にしながら、未だに結束すら出来ず……」

デスラー妻「あんた! おでん出来たよ!」


唐突に、果てしなく庶民的なやはり顔の青いおばちゃんがデスラーの後ろから出てきた。


苗木「え?!」

腐川「今度は誰よ……」

山田「む、存じませんな。デスラーに身内キャラなんていましたっけ?」

デスラー「内通者の存在に怯えるあまり、真実を伝えた友を軽んじ……」

デスラー妻「ほら、冷めちゃうから早く食べんと」ベチョッ

デスラー「あっつ、熱っちぃぃぃっ!!」

(うわぁ……)

デスラー「て、敵の真意に気付かずまんまと……」

デスラー妻「ほら、大根」ジュワッ

デスラー「あっつい! 熱いって! まんまと、人を殺そうなどと愚かな……熱っ! 熱いよ!!」

「…………」


無理矢理熱々おでんを口に突っ込まれるデスラー。


デスラー「ほへがほのようないみをもつかも……」

腐川「……なに言ってるかわかんないわよ」

石丸「あの、口に物を入れたまま話すのは下品ですよ……」

デスラー「ッ! ゴホッゲホゴホゲホッゴボッ!」

(むせた……)


プチッ。

映像が消える。


(一体なんだったんだ……)

桑田「……つーかさ、大神が誰か殺そうにもこいつらが止めるだろ。俺も止められたし」

苗木「そもそも、もう一回止めてるんだよね?」

山田「なんだか、大丈夫な気がしてきました……」

葉隠「そだな……」


こうして大神の内通者問題は有耶無耶になったのだった。


― 図書室 ―


十神(フン……俺は諦めんぞ。学級裁判が何だ。愚民共を出し抜けばいいだけの話。
    絶対勝者たる十神がこの程度の障害で負けるなど有り得ん)

十神(ただ、問題があるとすれば……)チラ


視線の先にはあからさまに胡散臭い二人組の外国人が映っている。
彼等が現れるのはこれで何度目だったか。十神は頭が痛くなるのを感じていた。


ダディ「マイサン! 今日モチップヲ貰ウタメニ頑張ルゾ!」

マイサン「イエス! セーノ……」


ダディと息子は体は正面を向いたままお互いの手を握って引っ張り、
ドラゴンボールのフュージョンみたいなポーズをする。そして叫んだ。



「「パタヤビーチにようこそー!」」


ここまで。


組長「木曜までには投下すると言いながら、水曜は深夜に帰り木曜は普通に寝落ち。
    この不手際、どうか! どうかお許しを! どうかああ!」ドドン!

番組違うけどホワイティって奴もいたからなぁ
ホモキャラおかまキャラはネタ作りやすいんじゃなかろうか


>>100グッドタイミング


― 番外編② あのキャラがゲストにやって来た ―


ホワイティ「みんなー! こんばんは! ワタシのこと覚えてる? ……あれ? 知らない? 
    なんだこの変なオカマって……悲しいわぁ。かつては武道館でライブしたこともあるのに」

ホワイティ「まあ仕方ないか。もう十年以上経ってるもんね。じゃあ改めて自己紹介するわね。
    ワタシの名前はホワイティ! アメリカはシカゴ出身のバリバリ日本人よ☆」


ホワイティ:かつてウリナリでウッチャンが演じていた人気キャラクター。オカマで本名は田中実。
       常に花束を手に持っている。外見に関してはググって頂戴な。


ホワイティ「え? 番組が違う? ついでに言うと局も違う? やーね、細かいことは言いっこなしよ。
    中の人が同じなんだからいいでしょ。……ん? コラー、田中実って言うなー!」

ホワイティ「ミル姉はワタシと似てるってよく言われるけど、ワタシはオカマでミル姉は夜の女なんだから
    全然似てないわよね~。地名で例えると新宿三丁目と銀座くらい違うわ。
    まあ、ミル姉が働いていたのは横須賀のスナックだけど」

ホワイティ「……で、今日はなんでやって来たって。それよそれ! ワタシもう楽しみなんだから!」

ホワイティ「>>53で一行で済まされちゃったけど、仲が悪かった石丸君と大和田君が仲良くなったのは
    あるキッカケがあったの。それはね、男の決闘! ズバリ、サウナ対決よ!!」

ホワイティ「だってだって、あれよ? きゅっと体の引き締まった男子高校生が密室で二人、
    肌と肌のぶつかり合い! 肌と肌のぶつかり合いをしてるのよ!!」

ホワイティ「もうそれを見てるだけで、ワタシも……ンンッンーンンッンーンンッンー♪」←腰を横に振りながらダンス


スゥゥゥ……


ホワイティ「あ、待って照明さん! 消さないで! 照明さーん!!」


※ホワイティが過度な下ネタを飛ばしたり腰振りダンスをすると照明が消えていくのがお約束。


ホワイティ「ちょっとだけだったけど、それではみなさんさよーならー! また次の投下(多分火曜)で会いましょうねー!」



― パタヤビーチ in Library ―


十神「……ここはビーチではない。大体お前ら、パタヤビーチがどこにあるか
    知っているのか? タイだぞ。ここは日本だと何度言えば……」


しかし、二人は十神の言葉を無視して行動を始める。


マイサン「ティッティ、ティティッティ、ティッティティッティーティ♪
       ティッティ、ティティッティ、ティッティティッティーティ♪」

マイサン「ティッティティティッティ、ティティティッティティティ♪」ウーマンボ!

十神「…………」


二人は踊りながら妙なポーズを決めたりするが、十神は一切反応しない。


ダディ「ショートコント、ヤリマス。アル姉妹」

ダディ「オ姉チャン、プレゼントチョーダイ」

マイサン「ウン、イイヨ。ハイ、モデルガン」

ダディ「イラナイ」

マイサン「ハイ、手榴弾」

ダディ「イラナイ」

マイサン「ハイ、戦車」

ダディ「イラナイ」

マイサン「ドウシテ受ケ取ッテクレナイノ!」

ダディ「イル訳ネーダロ!」バチン!

マイサン「ハウッ!」



ダディ・マイサン「アイアイアイアイアイ、ヒャクエン!」


チップを貰おうと二人は両手を差し出すが、十神は相変わらず無視する。


十神「…………」

十神(こいつら、俺を警戒しているのかしょっちゅう俺の前に現れる……!
    これでは仮に計画が思いついたとしても、実行出来ないだろうが!)

マイサン「希望ヶ峰名前当テクイズー! コノ人ダーレダ?」

ダディ「フンフ~ン、フンフン」

マイサン「毎朝気合イヲ入レテ髪ヲセット」

ダディ「ウラッウラアッ! オラッ!」シュッシュッ!

マイサン「筋トレヲ欠カサナイ。隠レタ努力家」

ダディ「ハッハッハッ! ハッハッハッハッ!」

マイサン「親友ト仲良ク肩ヲ組ンデルコノ人物ハ?」

十神「フン、簡単過ぎる。大和田だろ」


余裕の表情の十神。小馬鹿にしたような顔で見るが、


マイサン「ブー! 正解ハ……」


ダディ「ン―、決マラナイナー。上向カナイナー」ウーン

マイサン「毎朝、何故カ“ポニーテール”ヲ上向キニセッティングシ」

ダディ「泳グノサイコー! サイコー!」

マイサン「プールデ疲レルマデ、スイミング」

ダディ「サクラチャーン! ドーナツ食ベヨー! ドーナツドーナツ!」

マイサン「ソシテ親友トイツモ一緒ニイルコノ人ハ、朝日奈葵チャンデシタ!」

十神「…………」ピクピク


元々いつも険しい顔の十神だが、今日は極めつけに青筋が浮かんでいる。


マイサン「ダディ、ダディ。アノ人、サッキカラ顔ガ変ワラナイヨ! ムシロ怖イヨ!」

ダディ「ナラ、イツモノ「アレ」ヲヤロウ」

マイサン「イエス! 『ミッチー・サッチー』」

マイサン「アイ ワナビー ラブズ バイユー♪ ププッピドゥ♪」

ダディ「ミッチー」

マイサン「ププッピドゥ♪」

ダディ「サッチー」


よくわからないが、マイサンが何故か音楽に合わせダディの乳首を執拗に攻める。


マイサン「ププッピドゥ♪」

ダディ「ア、アン……ミッチー」

マイサン「ププッピドゥ♪」

ダディ「サ、サッチー! ハァン」


キリキリキリキリ……←ストレスで十神の胃が痛む音。


十神(そしていつも思うが内容がくだらな過ぎる! コントをやるにしても
    もう少しまともなネタはないのか! 最後のこれなど全く意味がわからん!)


この微妙な空気に耐えられず、十神は無言で席を立つと去って言った。


「…………」

マイサン「ダディ! 妹、姉チェンジ!」

ダディ「ノン!」


ダダダダダ!


マイサン「ダディー!」


― 娯楽室 ―


セレス「…………」

セレス(まさか学級裁判という隠し玉が用意してあったとは……迂闊でしたわね。誰かが
     実際に事件を起こし、その裁判とやらを見るまでは様子見が賢明かもしれません)

セレス(……でも、たとえどんな障害があろうと脱出は諦めませんわ。何故ならわたくしには夢が……)


スタスタスタスタ。

どこからか、金髪ハゲでプロレスラーの格好をした怪しい奴が歩いてきた。


カーン!


セレス「この音は……?!」


ゴングが合図と言わんばかりに、軽快な音楽がどこからともなく流れてくる。


「生きてるってなーんだろ?」

「生きてるってなーぁーに?」ヒョコッ

セレス「! ……またですか!」


いつの間にかもう一人後ろにいたらしく、突然視界の横から顔を突き出されてセレスは思わずのけ反った。


― 生きる Terry & Dolly ―


ドリー「生きてるってなーんだろ?」

テリー「生きてるってなーぁーに?」ヒョコッ


顔を背けた方向から再びテリーが顔を出す。反射的に殴ったのだが、セレスの拳は虚しく宙を舞った。


セレス「この……」

ドリー「ハァァ~」


気が付けば、ドリーはセレスの向かいの席に座り紅茶を飲みながらトランプをいじっている。


テリー「うぉ兄ちゃん! お兄ちゃん!」

ドリー「なんだ。テリー、いたの?」

テリー「なんでタメイキなんてついてるんだヨ!」

ドリー「だってテリー、毎日毎日紅茶飲んで一人遊びして紅茶飲んで一人遊びして紅茶飲んで
     一人遊びして……明日も明後日も来年もきっと一人遊びして紅茶飲んでるよ!」

ドリー「毎日毎日同じことの繰り返しで、生きてるって感じがしないんだよ!
     大きなお城に住んでハーレム作って豪華に暮らすって夢があるのにさ!」

テリー「子供みたいな夢だね!」

セレス「…………」ビキビキ


ドリー「あー、うん。お城はともかくハーレムはちょっとムリあるかなと思った」

テリー「ぶっちゃけイタイね!」

セレス(余計なお世話ですわよ!)フルフル


この二人のコント?は大体流れが決まっている。兄ドリーが毎日同じことの繰り返しでつまらない、
生きている感じがしないと言って、弟テリーがそんなドリーに刺激を与えるのである。


セレス(わたくしを見張っているのかなんだかわかりませんが、こんな輩に
     屈するわたくしではありませんわ。彼等が飽きるまで無視です)


そうは言ってもこのテリー、なかなか手強い。前回は背後で巨大な風船を割られた。
あと、遠近法がお気に入りらしく今はテリーの頭の上で小さいドリーが踊っているように見える。


セレス(この部屋、遠近法が使える程広かったでしょうか……)

テリー「ほらこれ持って!」


いつの間にかドリーが長いゴムの端をくわえ、その反対側の端をテリーはセレスに渡す。


セレス「はぁ? 嫌ですわ」

テリー「でもでも、面白いよ? お兄ちゃんの顔にこれでビターンて!」

セレス(耳元で囁かないで欲しいのですが)


テリーはしつこい。とにかくしつこい。一度やると決めたら絶対に諦めない。


セレス(まあ、あのハゲにぶつけるのはスッキリしてよろしいかもしれませんわね)


セレスは仕方なくゴムの端を掴んでやる。


テリー「お兄ちゃん! 離れて!」

ドリー「え~……」

テリー「信じて信じて~。テリーを信じて~」

セレス(……世界中でこいつのことだけは信じたくないですわ)


適当に説得してドリーを離れさせる。ドリーが離れたところで、テリーが合図したので
セレスはゴムを離した。勢いよくゴムはドリーの顔面にヒットする。

ビターン!!


ドリー「ギャアッ?! 痛いじゃないかあああああああああああ!」

テリー「生きてるー! お兄ちゃん今生きてるYOー!」

ドリー「! そ、そうか! これが生きてるってことか!」


そしてこの後は、大体テリーの番である。テリーがゴムをくわえ、セレスがまた持つ。
ドリーが遠近法を使ってゴムの上でクネクネ踊ったりムーンウォークをしているがそれは無視だ。


セレス(こいつのウザさは半端ないなんてレベルではないですからね。ギリギリまで伸ばして……)


ビヨーーーン!


セレス(もっと、もっとですわ……)


ビヨーーーーー……ヒュンッ、ビッタアアアンッ!


セレス「ギャアアッ?!!」


なんと、セレスが手を離すより先にテリーがゴムを離し、セレスの顔に直撃してしまった。


テリー「あ、ゴメン。離しちゃった。ゴメンゴメンゴーメン二郎三田本店~!」

セレス「! ……!!」ブルブル

ドリー「あ、その、セレス落ち着いて……」

セレス「このビチグソどもがああああああ! ぜってぇ殺すっ! 殺おおおおす!!」


ダダダダダダダダ!!


テリー「ほら! セレス生きてるよ! これが生きてるってことだYOー!」

セレス「うるせえ! 黙れぇえええええええ!!」


ダダダダダ!!

その後しばらく追い掛けたが、二人はいつの間にか逃げ切ってしまったのだった。


セレス「チックショオオオオオオオオオ!!!」


               ◇     ◇     ◇


モノクマ「くそっ。何やってんだよ、あいつら! こうなったらまた動機を投下して発破かけてやる」


三番目の動機を発表するため、モノクマは体育館に生徒を集合させた。


モノクマ「殺した奴には百億えーん! 現生だよ! キャッシュであげちゃう!」

葉隠「うおおおおお! すげええええええええ!」

苗木「は、葉隠君……」

朝日奈「こいつ……」

桑田「まあ、こいつはこういうヤツだろ」

大和田「裁判てリスクもあるのに、金で人を殺すヤツなんているのか?」

セレス(来た! 来ましたわぁ!)←この人

セレス「年に億を稼ぐわたくしはお金など見飽きてますわ」

山田「ぼ、僕だって億はないですけど欲しいアニメのDVD-BOXやゲームを
    全部コンプ出来る程度には稼いでいますから、人殺しなんてしないですよ」

江ノ島「ア、アタシもアタシも!」

十神「全くだ。くだらん。……まあ、実家に借金でもあるような奴には気をつけた方がいいかもな」

石丸「僕のことか?! 僕のことかああああ?!」ウワアアア!

(実家に借金あるんだ……)

十神(適当に言っただけなのにまさか該当している奴がいるとは……)


大泣きする石丸に、当の十神すら少し気まずくなる。


石丸「お金のために風紀を乱すくらいなら今ここで舌を噛んで死んだ方がマシだッ!」

苗木「……えっと、石丸君は大丈夫じゃないかな」

不二咲「石丸君はそんなことをする人じゃないよ!」

大和田「当たり前だ! 兄弟が人殺しなんてするワケねえだろっ!!」

大神「では葉隠だけ気を付けておけば良いか」

霧切「言っておくけど、あなた程度の起こした事件なんて五秒で解いてみせるから」

葉隠「だ、だからやらねえって!」

「君達ぃ! ちょっとなにやってるのー!」

「えっ?」


体育館の入り口からスーツを着たおかっぱの、如何にも胡散臭い中年男がこちらにやって来る。


舞園「えっと、妖精さんですか?」

先生「はい? なんでもいいけど授業を始めるからみんな教室に集合ー」パンパン

石丸「授業?! 授業をやるんですかっ?!」キラキラ

朝日奈「え? 妖精さんが授業するの? なんだかおもしろそー!」

(……嫌な予感しかしない)


石丸と朝日奈を除く全員がげんなりした顔で教室に向かって行ったのだった。


モノクマ「あ、ちょ、オマエラ! ちゃんと事件起こせよ?! ……ハァ」


ここまで。

懐かしんでもらえているようで何より。モーニング息子は
最初わからなくて「?」と思ったけど思い出した。モー娘のパロディですね


モノクマ(今度は一体なにをする気なんだろうね。……残姉動かす準備しといた方がいいかな)


……しかし、気を揉むモノクマの予想を遥かに超える出来事が彼等に振りかかるのであった。


― アナウンサー学校 Repeat after me ―


教室。正面の黒板には発声練習の時に使う文言が書かれた紙が貼られている。


先生「ではみなさん、まずはティーチャーに礼」

石丸「起立! 気を付け! 礼!」

「先生、おはようございます!」

先生「おはようございます。いやぁ、若い子は元気でいいですねぇ」

江ノ島「それで、なんの授業するワケ? 早く終わらせて欲しいんだけど」

先生「そんなー、わかってるく・せ・にぃー」

江ノ島「」イラッ

先生「それではアナウンサー学校の新入生の皆さん、立派なアナウンサーに
    なれるように先生と一緒に頑張っていきましょうね~」

「アナウンサー学校?」

腐川「あ、あたし達にアナウンサーになれって言ってんの?!」

石丸「僕はアナウンサーになるつもりはないのだが……」

桑田「いや、そりゃ全員だろ……」

苗木「まあ、何事も経験だと思えばいいんじゃないかな」

石丸「人生経験は大事だな!」

舞園「発声には自信があります! 頑張っちゃいますよー」


十神「早く終わらせろ」

葉隠「嫌なのになんで来たんだべ?」

十神「来ないと延々ストーキングされるんだよ!」

山田「僕はアナウンサーも悪くないかも。局の名物キャラになれそうだし」

桑田「バラエティの司会とか似合いそうじゃね?」

葉隠「山田っちならイケるべ」

先生「はいはい。おしゃべりはその辺にしてね。あとバラエティナメるなとだけ言っておくよ」

霧切「何故アナウンサー学校の先生がバラエティに詳しいのかしら?」

先生「えー。それでは早速ですが、皆さんには発声練習をしてもらいます。
    先生の言ったことをそのまま復唱するように。いいね?」

先生「あめんぼ赤いなあいうえお」

(ここは普通なんだ……)

「あめんぼ赤いなあいうえお」


石丸の声がやたらデカイのと、一部の生徒が全くやる気のない点を除けば普通の授業風景である。


先生「うん、とてもいいですね! じゃあ次からちょっと長い文章読むけど、
    記憶力の訓練も兼ねてると思ってね、頑張ってください。行きますよ」

先生「『アシスタントプロデューサー戦刃むくろはフェンリル出身の凄腕軍人でミリオタ』」

江ノ島「ブフッ?!」

「アシス……え、なに?!」

山田「戦刃むくろってだれですか、それ?!」


霧切「フェンリル……?」

十神「な?! フェンリルと言えば、世界最強と噂される傭兵集団の名前だぞ?!」

大和田「なんでいきなりそんな名前が出てくんだよ?!」

先生「はいはい! おしゃべりしない!」机バンバン

先生「ちゃんとプリーズアフターミーする。オーケー? はい、もう一回。
    『アシスタントプロデューサー戦刃むくろはフェンリル出身の凄腕軍人でミリオタ』」

「ア、アシスタントプロデューサー戦刃むくろは……フェンリル出身の凄腕軍人でミリオタ……」

先生「よく出来ました。ガンガン行くよ。次。『AP戦刃、倉庫にレーションを隠して黒幕に怒られる』」

江ノ島「ゴフッ!」

「AP戦刃、倉庫にレーションを隠して黒幕に怒られる……」

苗木「江ノ島さん?」

セレス「あら、江ノ島さん。顔が赤いし冷や汗が凄いですわよ。大丈夫ですか?」

江ノ島「だ、だいじょーぶ。ハ、ハハ……」

先生「あれー? 江ノ島さん、どうかしたかなー? 江ノ島さんは別に平気だよね、
    だって江ノ島さんには関係ないもんね? そうだよね。ねぇ、江ノ島さん?」

江ノ島(こいつ、絶対わかってやってる……!)プルプル

先生「プークスクス」

先生「次、『AP戦刃、バストが妹に負けてるのでパッドで寄せ上げ』」

江ノ島「ブフォアッ!」

朝日奈「え?! これ言わなきゃダメ?!」

石丸「身体的特徴を言うのはやめてください! 小さくたって良いではありませんか!」

山田「貧乳はステータスですぞ!」


腐川「黙りなさいよ! セ、セクハラだわ!」

先生「はいはい。みんなが言うまで授業は終わりませんよ~」

霧切「……何があっても言わせる気みたいね」

セレス「はあ、それでは仕方ありませんね」

先生「さあ、ぷりーずあふたーみー。『AP戦刃、バストが妹に負けてるのでパッドで寄せ上げ』」

「AP戦刃……バストが妹に負けてるので……パッドで、寄せ上げ……」

桑田「えっと、誰だか知らねーけど元気だせって」

葉隠「でも世間的に巨乳の方が男に人気なのは間違いねえべ」ウンウン

不二咲「そんなことないよ! それに、自分にウソをついても最後に傷つくのは結局自分なんだ……」

大和田「不二咲ぃ……そうだよな、パッドなんか使わなくても見てるヤツはいるぜ」

苗木「そうだね! もしその戦刃さんに会ったら、そのままの君が素敵だって言ってあげよう!」

石丸「素晴らしい提案だ! 僕は感動したぞ!」

舞園「パッドなんてやめちゃいましょう!」

朝日奈「うんうん! みんなで応援してあげようね!」


戦刃ガンバ! 負けるな! 素顔のままの君でいてー!


江ノ島(お、お願いだからこれ以上傷口に塩を塗らないで……)


ちなみにこの戦刃むくろネタは黒幕に大ヒットしたらしく、ずっと机を叩いて笑っていたらしい。


先生「えー、同じ単語ばっかりだと訓練になりませんよね。
    という訳で、次のお題はこれ。『セレスの本名・安広多恵子』!」

セレス「ブッフォオオオッ!!」

「?!!」


苗木「えっ?! セ、セレスさん?」

舞園「セレスさんの本名って……」

葉隠「安広って言うんか! 俺の名前とお揃いだな!」←フルネームは葉隠康比呂(はがくれやすひろ)


ブチッ!!


安広「っざけんなゴラァアア! わたくしがそんなダセエ名前な訳ねえだろうがよおおお!!」

大神「落ち着け!」

桑田「おわっ、キレたぞ!」

大和田「どうやら図星みたいだな……」

山田「なるほど。セレス殿の本名は安広多恵子殿と」メモメモφ(.. )

安広「黙れ! ビチグソがあああああああ!」

先生「ほらほら、皆さん。おしゃべりしないで!」

不二咲「えっ?! い、言うのぉ……?」

安広「死ねやゴラアアアアアア!!」


セレスが怒鳴りまくっている微妙な空気の中、生徒達は仕方なく復唱する。


苗木「セレスの本名……」

石丸「安広多恵子!」

先生「はい、じゃあ次ね。アナウンサーへの道は過酷だからね」

腐川「こ、これをマスターしたらあたしも女子アナに……?!」ドキドキ

大和田「なれるわきゃねえだろ……」


(次は一体何が来るんだ……?)


だんだん秘密暴露の様相を見せてきたので、今までは笑っていたメンバーも少し顔が緊張してきている。


先生「『多恵子の夢は西洋の城を作って、そこにバンパイアコスしたイケメンハーレムと住むこと』!」

「……うわあ」

安広「~~~!!」ブルブル


もはや怒りのあまり声も出ない。そもそもこの教師、今まで散々セレスをいらつかせてきた
あの妙なプロレス兄弟の弟に似ていないだろうか? いや、間違いなくテリーそっくりである。


安広(あの電波タレ目えええ! 次に会った時は容赦しねえぞおおおお!!)

大神(凄い殺気だ……)

霧切「……わかったわ。今までの動機は特定の誰かを狙い撃ちしてるような所があった。
    今回の動機のターゲットだったのは、きっとセレスさんなのね?」

大神「さしずめ、賞金は城を建造するための費用に充てたいというところか……」

舞園「そんな理由で殺人を?!」

十神「成程、それを警告するためにわざわざこんな回りくどい真似を。巻き込まれていい迷惑だ」

桑田「ふーん、つーことは俺達はセレスに気をつけりゃいいんだな」

朝日奈「じゃあもうこれ終わりでいいよね?」

先生「待ちなさーい! えー、まだ最後にやることが残っています」

苗木「え? 何ですか?」

先生「ここにホイッスルがあります。先生がこれを鳴らして、最後に
    教室を出た人に一発芸をしてもらいます。いいですね?」

苗木「ゲーム、みたいなものかな?」


先生「では行きますよ」ピー!


ダダダダダッ!

ア、アカネエ! カギカカッテルゾ! フザケルナ、ドケ! チョットヒッパラナイデー!


最後に残ったのは……


十神「…………」

十神「…………」

十神「……は?」

先生「十神君アウトー。はい、てなワケで先生の一番得意なギャグを真似してもらいます!」

十神「ふざけるな! 俺はやらないぞ!」

先生「やらないと出られないけどね?」

十神「!」バッ!

扉「」←開かない

十神「ぐ、がが、ぐぎ……!」ブルブル

先生「じゃあ行きますよ? 空まで飛んでけパラグライダー!」ピョーン!

十神「は?」

先生「さあ、十神君の番ですよ!」

十神「今のは、ギャグ……なのか……?」

先生「はい、3・2・1!」

十神「空……飛んで……ラグライダー……」ボソッ

先生「とーがーみーくーん! ちゃんとジャンプしなきゃダメじゃなーい!」

十神「…………」


先生「もう一回だけお手本見せますよ? 空まで飛んでけパラグライダー!」ピョーン!

十神「……凄いジャンプ力だな」

先生「鍛えてますから。はい、どうぞ」

十神「…………」

十神「……やればいいんだろう、やれば!」

十神「クソッ! 空まで飛んでけ、パラグライダー!」ピョーン!

先生「もっと高いぞ、ディスカバリー!!」バイー-ーン!!

十神「…………」

先生「…………」ドヤァ!

十神「貴様俺を前座にしただろ?! そうなんだろうっ?!!」グワシッ

先生「あ、あー襟つかむのやめてー首しまるー」


              ◇     ◇     ◇


セレス「」

十神「」

苗木「教室から出てきた十神君がやけに落ち込んでるけど大丈夫かな……」

山田「セレス殿も本名と野望をバラされて賢者モードですぞ」

桑田「あー、ほっとけほっとけ」

霧切「その二人はどうでもいいわ。これからのことをみんなで相談しましょう」

苗木「ど、どうでもいいって……」


朝日奈「でも、どうするの? コロシアイが起きそうになったら妖精さん達が
     止めてくれるけど、私達を外に出すことは出来ないんだよね?」

葉隠「だなぁ。いい加減そろそろ外に出たいべ」

不二咲「あ、あの……みんなに見せたいものがあるから、脱衣所に来てもらっていいかな?」


― 脱衣所 ―


アルターエゴ『アルターエゴだよー。元気だよー』

葉山「……っつーワケでよ、ずっと待ってた訳よ。今年の夏こそ運命の人が現れるんじゃないかって」


― 太陽は知っている Beach Boys ―


アルターエゴ『ロマンチックだねー』

葉山「それでさ、その……俺の、運命の人にならね?」

アルターエゴ『ごめんねー、ボク男の子だからー。あと機械だからムリー』


唐突にTUBEの「恋してムーチョ」が流れ始めた。

アイラビュー♪ 太陽ニ焼カレ 恋ニ焦ガーレテー♪


カッ!

白いスポットライトが葉山先輩に当たる。


葉山「やばいなああ! なつううう! あっついなああああ!!」

「…………」


石丸「不二咲君が見せたかったのは……これかね?」

不二咲「ちょっと……違うかな……」ヒクヒク


             ・

             ・

             ・


不二咲「これがアルターエゴ! 僕の人格を再現した人工知能なんだ!」

山田「画面の向こうの彼女キター!」

大和田「なんでもいいけどお前……自分の顔にご主人タマって呼ばせるとか……」

大神「不二咲……」

不二咲「もうその話はやめてえええええええ!!」


山田以外の全員から哀れみの目で見られる。


苗木「えっと、それでこのアルターエゴがどうかしたのかな?」

不二咲「グスン……このパソコンに何か役に立つ情報が残っていないか解析させてたんだ」

霧切「何か見つかったの?」

アルターエゴ『うん! 写真があったよー』

十神「見せろ!」←復活した

アルターエゴ『わかったー』


パッ。

パソコンの画面いっぱいに写真が写る。どこかの教室らしき部屋で、
男子全員が腕を組みやや斜めを向いて立って並んでいる図だ。

……股間の葉っぱを除き、全裸で。


ここまで。


― 番外編③ キャラ紹介Ⅱ ―


ミル「どうも。ミルよ。今日は二回目のキャラ紹介をするわ。本筋を進めろっていうごもっともな
    意見もあるけど、この作者おまけとか番外編書くの好きで他のSSでも恒例なの。ごめんなさいね」

ミル「でもあんまり長々とやるのは良くないから、サクッとやっちゃうわね」


【超高校級の格闘家】大神 さくら(おおがみ さくら)


ミル(南原)「400戦無敗の全米チャンピオンよ。実家は江戸時代から続く由緒正しい道場で、乳母車に
        乗る前から戦っていたって伝説があるわ。見た目は厳ついけど中身は乙女なのよね」

ミル(南原)「道場を人質に取られていたため、渋々内通者となっていたの。でも、元々仲間思いで
        優しい性格だったからずっと悩んでて、原作ではモノクマと戦ったわ。その戦いだけど(省略)」

ミル「今だけ中の人が変わってたけど気にしないで。だって格闘技大好きなんだもの、あの人……」

※このキャラクターをやってみたい!という番組の企画で一度だけミルの中の人が変わったことがあり、
 その時は映画ではなくプロレスのビデオを紹介していた(南原さんはプロレス好きで有名)。


【超高校級のスイマー】朝日奈 葵(あさひな あおい)


ミル「食べることと運動がとにかく好きな元気な女の子よ。……おっぱいの大きさなら私も
    負けてないわ。特にドーナツが大好物なんですって。大神さんとは親友みたいよ」

テリー・ドリー「アオイとサークラの♪ 二人はなーかよし♪」

ミル「仲が良すぎて一波乱あったこともあるけど……まあ、気になる人は原作見て頂戴」


【超高校級の御曹司】十神 白夜(とがみ びゃくや)


ミル「外見も頭脳も一流の自称・超高校級の完璧。デイトレードで400億も稼いだそうよ。ワオ。
    でもちょっと、というかかなり性格に難があって……ここだけの話、少しボッチ気味みたい」

先生「はい、復唱。『十神は原作では主人公っぽい雑魚やかませ眼鏡と呼ばれている』」

ミル「でもね、あんまりかませって呼ばないであげて欲しいの……最初はファンもノリでかませって
    言ってたんだけど……公式の扱いがだんだんシャレにならなくなってきちゃって可哀相だから、ね」


【超高校級のギャンブラー】セレスティア・ルーデンベルク


小須田「ゴスロリって言うんだっけ? そういう格好したかわいい女の子だねぇ。父親はフランス貴族で
     母親はドイツの音楽家って言い張ってたみたいだけど、本編で言われた通り日本人だね」

原田「そもそも隠す気あるんですかね。宇都宮出身とか餃子好きは自分から言ってるし。
    大体名前が英語で苗字がドイツ語っておかしいし、そもそもルーデンなんてドイツ語はないぞ」

小須田「ま、まあまあ! それも若さってことだよ。今度アトランティス餃子を差し入れようかな~」



笑う犬編Ⅱ


苗木「苗木です。多分今回は元ネタわからない人が多いと思うので、しっかり説明しようと思います」


マドモアゼル☆ゆみこ:
 エンディングのコーナー。毎回呪文の後に腕を振り上げるため、綺麗に剃られた脇が印象的である。
星座占いをするが、終わった後画面いっぱいに凄い早さでブラインドが落ちる。地味に毎回絵柄が違う。


苗木「コントというよりは、番組の最後にやるコーナーだね。笑う犬の生活の時は番組と次のニュースが
    CMなしの直結だったから、安藤さんていう安藤優子アナのパロをやってたみたいだよ」


ひろむちゃん:
 野中広務のパロディ。名倉演じるひろむちゃんがラーメンや蕎麦を食べながら秘書と会話するが、
出前持ちのモモコがちゃちゃを入れる。ラストは『私のお気に入り』が流れ、ひろむちゃんが
「そうだ、京都に帰ろう」と呟く(野中が京都出身で副知事もやっていたため)。そして最後は
モモコがひろむちゃんの机の前に姿を現し、一言言って終わるのが定型パターン。

【参考CM】http://www.youtube.com/watch?v=qXGgsHiqCi0


苗木「実は笑う犬って政治家のパロディが多いんだよね。他にも小渕さんや小泉さんのパロディも
    あったはず。南原さん演じるモモコは基本は画面外から声だけ聞こえてて最後だけ登場するよ」



デスラー:言わずとしれた宇宙戦艦ヤマトのパロディである。視聴者の多くは
      オバチャンをデスラーの母親と思っていたが、実は奥さんという設定らしい。


苗木「南原さん演じる沖田艦長が意外と似てたよね。僕も古代進やりたかったな……なんて」


パタヤビーチ:
 怪しい外国人親子がチップをもらうために観光客に向かってコントを行う。チップは何故か毎回百円。
最後のコントはマリリンモンローの「I wanna be loved by you」を歌いながら卑猥なダンスをし、
ミッチーサッチーと謎の合いの手を入れるのがお約束。また、配役チェンジを断られるのもお決まり。


苗木「……裏話を言うと、パタヤビーチは最後までネタが浮かばなくて苦労したらしいよ。内村さんの
    演じるダディと堀内さん演じるマイサンの独特な掛け合いを文字だけで再現するのは厳しいって」


テリー&ドリー:
 笑う犬の生活時代は、喧嘩をする人間の前に現れて折衷案を提示するキャラだった。笑う犬の冒険では、
ホワイトバックを前に二人が色々な生きる(主にテリーのイタズラ)を披露する構成になっている。


苗木「笑う犬の冒険時のコント『生きる』の印象が強いからホワイトバックを思い浮かべちゃうけど、
    実は生活時代ではちゃんとセットもあったし、何より他のキャストやゲストもいたんだよ」


アナウンサー学校:
 講師が発声練習と称して毎回変なフレーズを生徒達に言わせる。特に原作で定番だったのが
「AP(アシスタントプロデューサー)朝妻」を弄るネタ。最後は講師がホイッスルを吹き、教室を
最後に出た生徒(全員ドアや窓から急いで退出する)1人がオチとして指定された一発芸を行う。


苗木「本編と大体同じ流れかな。このアナウンサー学校の先生とテリーは堀内さんが演じてて……」

セレス「…………」ギリギリギリ!

苗木「……セレスさんが凄い怒ってるね。近寄らないでおこう」


苗木「次の更新は明日……かな? 自信はないけど」


― 一時期の図書室 Stalking ―


メガロマン「クイズ・当てたらごめいさん! わたくし、司会のメガロマンと……」

てんとうよしみ「アシスタントの、てんとうよしみです」ネットリ

メガロマン「今日はゲストにあの十神財閥の御曹司・十神白夜さんをお招きしています!」

十神「帰れ……!!」

てんとうよしみ「帰れって言われちゃった。ううっ、ぐすんぐすん」

メガロマン「ああ~、よしみちゃん泣かないで……」

たまちゃん「女の子泣かして、何様のつもりだお前」

十神「まず貴様が誰だ、貴様!」

たまちゃん「おれぁ、たまちゃんだ。お前さんが払ってない十円取り立てにはるばる北海道から来たんだ」

十神「ハァァ??」

たまちゃん「十円払え、十円」

十神「訳のわからんことを次から次へと……馬鹿なのか?」

ミツコ「私はまだ東大生じゃない!!!」怨ッ!!

クリコ「イケメンの前でクリコの胸は破裂寸前、ツァーリ・ボンバッ!」

沼田「高田ぁ~!!」ダダダダダ!

ダディ&マイサン「アイアイアイアイアイ、ヒャクエン!」

十神「貴様ら全員、帰れええええええええええええッ!!!!!」


……十神は相当警戒されていたようだ。


おまけって書き忘れた。↑とこれはおまけ


― お便りのコーナー HACHI ―


ハチ「ワンワン! どうも、ハチです。今日は番組に送られたお便りを紹介します」ハッハッ

ハチ「まずは東京都のカムクライズル君からですね。え~、『僕は笑う犬でビビる大木さんが
    一番好きなのですが、はっぱ隊以外のコントでちっとも出てくれません。JOKERとか
    MR.アブドラとか色々代表作あるじゃないですか。もっと出してください』」

ハチ「……うん。そのうちね、出てくるんじゃないかな? ……多分」

ハチ「次のおハガキ。お、これは海外からだね! ノヴォセリック王国のソニアちゃんからです!」

ハチ「『ハチさん、おはこんばんちは! わたくしが一番好きなコントは、てるとたいぞうです!
    あの80年代昼ドラのような雰囲気がたまりません! 愛染編の続きはまだですか??』」

ハチ「えーと、あれはね……えーと……今度、特番で完結編やるよ(震え声)」※打ち切り

ハチ「気を取り直して次。PN.コーラじゃなくてソーダさんから……」

ハチ「『電気屋のメリークリスマスやってください。俺電気製品好きなんで』って、おい……」

ハチ「……PN.ナインドラゴンさん。『それコント関係ないだろ?! お前セットしか見てないのかよ!』」

ハチ「PN.ガンダムさん。『前の奴の戯言は聞かなくていい。それよりニコニコプンスカハムえもんをやれ』」

ハチ「『はらへった。おわりあかね』」

ハチ「…………」

ハチ「…………」

ハチ「…………」

「ハチ~。ごはんよ~」

ハチ「……やっと終わった! ワンワン!」ハッハッ

乙 メガロマンwww好きなキャラだわwwww
テリドリは最初折衷案出してくるキャラだったよね
ジョニーさんとナロス出演希望! 箇条書き申し訳ない


デスラーのオバチャンって、CM前のテロップ?で「宇宙の親子愛」って書いてあったから親子かと思ってたが……
デスラーが病気になった際「やめてよかあさん」のセリフもあったけど、それだけだと母親か女房かわからないね。
当時スタッフの間違いか、俺の勘違いか。一度子供が出たこともあったな。

昨日はすみません。投下します

>>172
正直メガロマン好きがいるとは思っていなかったので出してみた
ナロスは覚えてないけどジョニーさんは覚えてるので考えてみます

>>173
1もずっと親子だと思っていましたが、wikiに夫婦と書かれていたのと、
子供が出ていたので夫婦だと思います。途中で設定が変わった可能性もありますね


一同「」

男子「」

十神「」


正確には、全裸というよりふんどし一丁という表現が正しい。彼等が身につけているのは
はっぱふんどしだからだ。しかし、肌色率の高いその映像はあまりにインパクトがありすぎた。


十神「だだだだだ、誰だッ?! こんな下手くそなコラ画像を作ったのはッ?!」

霧切「く、黒幕じゃないかしら……」←笑いをこらえている

セレス「一人だけ金色の葉っぱでノリノリではありませんか」クスクス

十神「ふざけるなッ!!」

アルターエゴ『加工の跡は見られないけど……』

十神「黙れッ!!」

大神「なかなか良い体をしているな、十神」

朝日奈「すっごいドヤ顔してる」プクク

十神「うるさいぞ!!」

不二咲「わあ、大和田君と石丸君は引き締まっってて凄いね~! 羨ましいな~」

大和田「まあ、こんなもんだな」テレテレ

石丸「流石兄弟だ! 桑田君も何だかんだ言ってもやはりスポーツマンだな。葉隠君は
    もう少し鍛えた方がいい。……そして山田君、何だねこのだらしない体は!」

山田「男にだらしないって言われても嬉しくありませんぞ!」

葉隠「女ならいいんかい」

江ノ島「ねえ、まだ見てるワケ?」

舞園「終わったら教えてください」

苗木(江ノ島さんてああ見えて意外と純情なんだよな。今も顔紅くしてそっぽ向いてるし。舞園さんは……
    顔紅いけど、それ指の隙間から見てるよね? むしろ一番しっかり見てるよねっ?!)


舞園「ち、違います! 見てません! 苗木君て小柄な割りに結構ガッシリしてるなーとか思っていません!」

苗木「思ってるんだね……」

十神「いつまでコラ画像のことを話しているんだ!」

セレス「あら、まだ言い張るんですの?」

十神「この写真には窓が写っている。第一、俺達の誰も写真を撮った覚えが
    ないなどおかしいだろう。そんなこともわからんのか、安広」

セレス「はあ?! そのメガネ叩き割るぞかませ野郎!」

十神「何だと、脳内メルヘン女ァ!」

霧切「喧嘩はやめて頂戴! 他に何か発見はなかったのかしら?」

アルターエゴ『それなら人類史上最大最悪の絶望的事件ていうのがあって……』


アルターエゴ曰く、今から約一年前に人類史上最大最悪の絶望的事件なるものが起こったらしい。
それが原因で希望ヶ峰学園は閉校することになったそうなのだが、そんな一大事件だというのに
この場の誰も聞いたことがないという。謎が深まる中、彼等は脱衣所から出て解散することにした。

ぞろぞろ……


苗木(結局変な写真が一枚あっただけで何も収穫はなしか……)


しかし、苗木は一人妙なことに気が付いていた。


苗木(そういえば、この間モノモノマシーンから出てきたふんどし……さっきの写真と似てたような。
    それに、ガチャガチャから出てきたのに何故か僕の名前が書いてあった……絶対変だよなぁ)ウーン


その時、苗木の思考を遮るが如く廊下に高らかな男の声が響く。


「何と! 今回は本物の高校生達との共同生活を撮るドキュメンタリー番組とな!」

大神「今度は一体何だ……」


全員が声の方向を見やると、そこには青いスーツを着た中年の男が立っていた。


大嵐「この大嵐浩太郎を使えば、お茶の間の視聴率うなぎ登り間違いなし! ワッハッハッ!」


― 大嵐浩太郎 KING OF UZUMASA ―


朝日奈「おじさんだれ? さっき脱衣所にいた人と顔似てない?」

大嵐「むっ、この時代劇に大嵐あり大嵐と言えば時代劇の大嵐浩太郎を知らないとは!」

苗木「舞園さん、知ってる?」

舞園「聞いたことありません」

スタッフ(大木)「ちょっとちょっと、さやかちゃん!」

舞園「あれ? ビビるさん? ビビる大木さんですよね?」

スタッフ「困るよ! 相手は大御所なんだから知らないとか言っちゃ!」

大嵐「まったく、若者の時代劇離れは深刻のようだな。私もまだまだ頑張らなければ!」

スタッフ「すみません、大嵐さん。さやかちゃんまだ芸能界入って日が浅いから」

苗木(もう芸歴五年目に入ってたような)

舞園(ここは乗ってあげた方が良さそうですね)

舞園「すみません、大嵐さん。私、勉強不足なもので」シュン

大嵐「……!」カッ!


スポットライトが当たり、大嵐は歌舞伎のように目を見開く。


大嵐「かーわーいーいー」

舞園「」ビクッ

大嵐「許す! さやかちゃんゆーるーす!」

舞園「あ、ありがとうございます」

大嵐「それでこれが脚本か。なになに? 『世界中で騒乱が起こっている世紀末の中、16人の高校生は
    シェルターと化した学園の中で共同生活をする。しかし、裏切り者が学園生活を乗っ取り、
    コロシアイを始めてしまった。そこに颯爽と現れた大嵐が事件を解決する』と。フムフム」

「……は?」


大嵐「って、ここまでしっかり筋書があるならドキュメンタリーではなくドラマではないのか?」

スタッフ「大まかな流れは決まってますけど具体的な内容は全く決まってないんで。
      今もこう、リアルタイムと言いますかその場の流れといいますか。はい」

大嵐「この大嵐にアドリブをさせるとは、面白い!」

苗木「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ!」

桑田「は? 世界中で騒乱? 世界がめちゃくちゃってことか?」

山田「シェルターですと?!」

石丸「一体どういうことなんだあああああ?!」

江ノ島「ううう、嘘に決まってんじゃん! コントだとそういう設定なんでしょ?!」

大嵐「落ち着けぃ! カメラは回っているのだぞ! ほら、演技演技」

葉隠「カ、カメラなんてどこにもねえぞ……」

大嵐「あるではないか、この学園の至る所に。見よ! この大嵐スーマーイール」ビシッ

朝日奈「ああ、監視カメラかぁ」

大嵐「全世界同時生中継とは思い切った番組よのう。実に私に相応しい」

「全世界同時生中継?!」

十神「どういうことだ?! 説明しろ誰か!」

霧切「ま、まさか電波ジャック?! そんなことが……?!」

江ノ島「~~~!」アワアワアワ!

モノクマ「ちょっと! なに信じてんの?! 嘘だよ! 全部こいつらの作り話! 設定!!」

大嵐「おやおやプロデューサー殿! どうです? 私が出てから視聴率がうなぎ登りでしょう!」

モノクマ「ほんと、悪い意味でその通りだよ……」


大嵐「この大嵐、お役に立てて本望! ワッハッハッハッハッ!」

苗木「どういうことだ?!」

葉隠「ま、まさか?! 嘘だろ?!」

大神「だが、今までにこやつらが嘘を言ったことはない……!」

大嵐「おっと台本に続きが……なになに? 『コロシアイが起こるのは黒幕が生徒達の二年間の
    記憶を消したから。それを大嵐が暴露したことにより生徒達が一致団結。黒幕を倒す』」

大嵐「うむ、実に気持ちの良いハッピーエンドだな!」

山田「記憶を消されてたあああああ?!」

朝日奈「わ、私達本当はクラスメイトだったの?!」

石丸「そうか! だから誰もさっきの写真を覚えていなかったのか!」

大和田「ってこたぁ、あの写真は実際にあったことなのか?!」

舞園「う、嘘です! なら、私は友達を殺そうとしたことに……!!」

大嵐「落ち着け、皆の集! この大嵐がいるからには万事解決。まいていこう!」


大嵐がバッと扇子を開くとそこには『まいていこう』の六文字。


モノクマ「もうこの状態じゃコロシアイなんて起こらない……いいよ。
      じゃあお望通り巻き展開で行こうじゃない。残姉!」

江ノ島「了解!」バッ


江ノ島がウィッグを投げ捨てると、そこに黒髪短髪の少女が現れる。


苗木「き、君は……!」

戦刃「自己紹介するね。私は盾子ちゃんの双子の姉・戦刃むくろです」

桑田「お前がAP戦刃むくろか!」

大和田「やっぱりな。こいつあの時やたらキョドってたしな」


葉隠「こっそりパッドで胸を寄せ上げてた戦刃っちか」

山田「付け睫毛が外れてることに気が付かなかった戦刃むくろ殿ですね」

セレス「倉庫にレーションを置いて黒幕に怒られてたり」

朝日奈「モノモノマシーンで出たモデルガンでこっそり遊んでたり」

腐川「毎晩寝る前にポエムを書いていたり」

舞園「妹の写真に独り言を言ったりキスしたり」

苗木「文化祭の時は準備が楽しすぎて教室に寝袋で寝てた戦刃さんなんだね?!」

戦刃「う、うわあああああん。忘れて! もう忘れてっ!」

霧切「わかったわ。つまり彼女の妹、本物の江ノ島盾子が今回の事件の黒幕よ!」

十神「チェックメイトだな、江ノ島」

モノクマ「はん、どうかな? そこの残念女は私様より顔もスタイルも頭も負けててその上
      ミリオタで気も利かない本当に残念な奴だけど、唯一人に負けないのが運動神経でね」

モノクマ「その名も【超高校級の軍人】! お前らなんてたった一人でも叩きのめせるんだよ!!」

大神「やらせはせんぞ!」

モノクマ「お前の相手はボクだっつーの!」

朝日奈「さ、さくらちゃん!」

大和田「くそっ! なら俺が相手だ!」

戦刃「ムダ。大和田君程度じゃ私は倒せないよ。お願い。苦しませないで殺したいから、抵抗しないで」

腐川「ひ、ひいいいいい! アタシを殺しても誰も悲しまないわよおおおお!」

山田「誰かあああああ! 助けてくださあああああい!」

小須田「おやあ、私を呼びましたかぁ?」

不二咲「あ! あの時の!」

大和田「さえねえリーマン!」


小須田「誰が冴えないリーマンだぁ! 全く、折角助けにきたというのに最近の若いモンは……」

葉隠「助けって言っても全然強くなさそうだべ……」

桑田「おい! あの変な侍出せよ! あいつの方がつえーだろ!」

舞園「ハンサム侍さんは今どこにいるんですか?!」

小須田「あ、彼? 彼ねぇ、今ラスベガスに出張だって。いいねぇ、ベガス」

苗木「そ、そんなこと言ってる場合じゃないですよ!」

小須田「ねぇ、お嬢ちゃん。本当にやるのぉ? ここにいるの、みんな君の
     クラスメイトなんでしょ? 殺すなんて、やめた方がいいと思うけどなぁ……」

戦刃「説得は効かない。私は盾子ちゃんが一番大事なの。そのためならたとえクラスメイトだって殺す」

小須田「殺すとか気軽に言うんじゃないっ! 人の命をなんだと思ってるんだ!!
     みんな悩んだり苦しみながらもねぇ、毎日必死に生きてんだよ?!」

戦刃「邪魔をするならあなたから殺す」


懐からナイフを取り出す戦刃。


不二咲「に、逃げてぇっ!」

小須田「逃げませんよぉ……サラリーマンはねぇ、どんなに大変でも、
     会社のため家族のために、いつだって戦ってるんだぁぁぁ!」

戦刃「死ねっ!」


視認出来ない速さでナイフが小須田に突き刺さる。


戦刃「なっ?!」


と、思いきや小須田はナイフを受け止めていた。




――フォークで。


戦刃「フォ、フォーク?! そんな、完璧なタイミングだったのに……?!」

小須田「あのねぇ、私もサラリーマン生活長くて、いろいろな所に赴任しててねぇ。
     会社じゃちょっとした小須田伝説みたいになってるんだけど。聞く?」

戦刃「クッ!」


ナイフを横凪ぎに払うが、小須田は後ろにバク転して回避する。戦刃は相手が回避することを
予測して即座に追撃をかけたが、小須田は半身ズラして避けるとナイフを持った腕を掴む。


小須田「過去にはタイタニック号を引き上げたりエベレストを一メートル高くしたり、南極でピンクの
     ペンギンを見つけたり、ナイアガラに生身で飛び込んだりCIAに潜入したり、アトランティスを
     発見したり、ドラキュラ伯爵にも会ったし、ICBMミサイルも止めたっけ。あとは……」

大和田「ナニモンだ、テメェ……」

桑田「すげー……」

苗木「え、えぇ~?」

戦刃(動かない!)ブルブルブル

小須田「――少林寺を小林寺にするために一人で1523人抜きをしたりもしたなぁ」

「……は?」


シュンッ!

一瞬で小須田が消え、戦刃の背後に背を向けて立っている。


戦刃「うわあああああああ!」


振り向き様に裏拳を叩きこもうとしたが、小須田には掠りもせず再び背後を取られる。


小須田「君、かなり筋がいいねぇ。でも……」


小須田「――私には当たらないよ?」


戦刃「このっ、この!」


戦刃の高速拳を全て紙一重で避けていく小須田。余りの速さに残像が出来、空気を切る音が聞こえる。


霧切「彼、凄いわ……!」

十神「もはや人間の動きではないぞ……」


シュシュシュシュシュシュシュシュッ!


小須田「甘いっ!」


ビシッ!

小須田の鋭い手刀が戦刃の首に突き刺さり、戦刃は倒れた。


戦刃「体が……」

小須田「中国四千年の神秘。秘孔を突いた。しばらく起き上がれないだろう」

朝日奈「すごーい! 倒しちゃった!」

大神「ちょうどこちらも片付いた所だ」ゴシャッ!

苗木「助かった、のか?」


安心したのも束の間、ムーディーな音楽と共にモニターが点いた。


ミル『どうも、ミルキービデオチャンネルよ。といっても、今日は映画の紹介じゃなくて案内だけ』

ミル『一寸先は闇って本当ね。この間新宿で女の子が持ってた牛柄のバック……アタシの親友のミルミだった……』

苗木「暗いよ! シャレになってない!」

桑田「そんなことより用件早く言えよ」

ミル『若い子ってせっかちね。アタシはいつ食べられてもいいように毎日を必死に生きてるのに。
    ……体育館に来るようにって、牛なのに何故かかに座のアタシが伝えに来たわ』

山田「いや、今星座関係ないですよね?」

ミル『ちなみに、動物占いではタヌキでした……』プツン

「…………」

霧切「みんな、体育館に行きましょう」

セレス「そうですわね……」

腐川「もう、一体なんなのよぉ……」

苗木「…………」

苗木(僕達はいよいよ真相に近付いてきているのかもしれない。……でも、何なんだろう。この不安は)

苗木(……とても恐ろしい事実を知らされる気がしてならない)


そして、彼等は体育館に向かって行った。

……全ての謎を明らかにするために。


to be continued...


多分、次の投下が最終回かな。それでは


ミル「ふと前回投稿の日付を見たら、思った以上に日にちが空いてて思わずカレンダーを二度見した」


― 番外編④ キャラ紹介Ⅲ ―


ミル「今回が最後の紹介ね。私もとっても寂しい……。でも、別れは新たな出会いの
    前触れとも言うから、今回もとびきり濃いメンツを紹介していくわね」


【超高校級の文学少女】腐川 冬子(ふかわ とうこ)


大嵐「書けばヒット間違いなしと言われる人気作家か。恋愛小説が得意らしいので次は是非江戸を
    舞台に挑戦してもらいたい。その暁にはこの大嵐主演で実写化しよう。勿論太秦で!」

ミル「三つ編み眼鏡根暗というテンプレなまでの文学少女よ。でも全く大人しくなくてむしろ毒舌。
    十神君のストーカーもしているそうよ。実は二重人格で裏の顔は連続殺人鬼なんですって」

ひろむ「一人で属性多すぎだよ! いくつあんの?! その上風呂にも入らないらしいし」


【超高校級の同人作家】山田 一二三(やまだ ひふみ)


テリー「お兄ちゃん! ぅお兄ちゃん! なに読んでるんだヨー?」

ドリー「超高校級の同人作家が書いたっていう同人誌。文化祭で一万部売ったこともあるんだって。
     テーマは性の向こう側ってだけあって……うぉぅ、Foooo!」

テリー「山田君、デブでメガネでリュックって典型的なオタクっぽい格好しててその上同人誌まで
     書いてるなんて中身も本当にオタクなんだね。で、それテリーにも見せてくれよ!」

ドリー「ヤダ」

テリー「ウォ、ウォ、ウォ兄ちゃあああああああああん!」


【超高校級の占い師】葉隠 康比呂(はがくれ やすひろ)


小須田「なんでも約三割の確率でピタリと当てる天才占い師だってね。私の星占いとどっちが上かな?」

原田「表向きはいいヤツだけど、実はとんでもないヤツですよそいつ。三ダブしてるから一人だけ
    成人だし、浪費家で借金持ち。ヤクザに追われてて、友達の内臓で金を工面しようとしたり」

小須田「そ、それはなかなかハードだね……ニューヨークの裏側の荒んだ住民を思い出すよ。
     古代文明やオーパーツが好きだから、僕の話は喜んで聞いてくれそうなんだけどね……」


【超高校級の???】霧切 響子(きりぎり きょうこ)


ミル「ネタバレすると肩書は超高校級の探偵。実家は代々探偵の家系なんだそうよ。
    物語当初は記憶喪失で名前以外何も教えてくれなかったから???だったのね」

ミル「長い銀髪が綺麗なクールビューティーよ。ワケあって常に手袋を身につけてるわ。
    いつも冷静で裁判では苗木君を大いに助けてくれるの。このSSは裁判ないけど」

ミル「お父さんは希望ヶ峰学園の学園長さん。こんな大きな娘さんがいるのにまだ三十代でなかなか
    イケメンよ。探偵をやめて家を出てったことから、彼女は父親に捨てられたと恨んでいたの」

ミル「その辺の細かいことはそのうち「ダンガンロンパ霧切」で明らかになると思うから、そっちも
    よろしくね。1はまだ読んでないらしいけど、トリックとかよく出来てるって結構評判みたいよ」


【希望ヶ峰学園・現学園長】モノクマ


モノクマ「ボクはモノクマ! 希望ヶ峰学園の学園長なのだ!!」

ミル「見た目は体の右半分が白、左半分が黒というカラーリングのクマよ。左目はちょっと
    怖いけど、それ以外はかわいいわね。ちなみに、体はドラえもんより大分小さいわ」

ミル「メタ的な意味で中の人は国民的アニメの声を長年やってた人だから、それがキッカケで
    ダンガンロンパを知ったって人も多いんじゃないかしら? 1も実はそのタイプ」

ミル「……大山さんが元気になることを切実に祈っているわ」

江ノ島「そしてアタシがモノクマの中の人!! 詳しくは最終回で明らかになるぜ!」


笑う犬編。


苗木「どうも、苗木です。今回も紹介していくけど、マイナーキャラは作者もちょっと
    うろ覚えなことが多いので、あまり小ネタも入れられないしさらっと書いていくね」


太陽は知っている:
 葉山先輩は海の家でずっと運命の女性を待っているが、ナンパはいつも失敗ばかり。最後はいつも
白いスポットライトに当たりながらTUBEの「恋してムーチョ」が流れ「熱いなぁ、夏」と言うのがお約束。


大嵐浩太郎:
 太秦の誇る大物時代劇俳優なのだが、どんな番組もマイペースに時代劇調に持っていこうとするため
共演者やスタッフに正直迷惑がられている。演技も話し方もとにかく大袈裟。口癖は「まいていこう」で
そう書かれた扇子も持ち歩いている。全役者を大嵐一人で演じた「一人忠臣蔵」や「一人水戸黄門」等の
一人シリーズが有名で、とりわけ「一人踊る大捜査線 五条大橋封鎖できません!」は大作である。


苗木「変な人なんだけど悪気はないというか、本人はすこぶる大真面目なんだよね……」

苗木「一人シリーズは傑作だと思うよ。特に踊る大捜査線は絶対見て欲しい。なんというか……凄いから」


メガロマン&てんとうよしみ:
 カブトムシのメガロマンとてんとう虫のてんとうよしみの二人がクイズ番組やテレビショッピングの
司会を務めるが、グダグダ会話してまともに進行出来た試しはない。その相手をするのはいつも名倉。


苗木「1も知らなかったけど、メガロマン(堀内)とてんとうよしみ(原田)は何故か二人が役を
    交換してお互いの声をアテレコしてたんだって。通りでメガロマンの声が渋いと思ったよ」

苗木「あと、ネプリーグの「トラップハウス」に登場するテントウムシの乗り物は「よしみちゃん」って
    愛称がついているそうだよ。元ネタを知ってると、なんだか懐かしいというか嬉しいよね」


たまちゃん:
 「十円」というコントに出てくるおじさん。シリーズ化されているのに何故かwikipediaには
載っていなかったある意味幻のコント。たった十円を取り立てるためにわざわざ北海道から
出てきた、ちょっとうざくて態度の大きいハゲのおじさんである。


苗木「なんで載ってないんだろう……。結構メジャーなコントだと思ったんだけどなぁ」


ミツコ:
 小松という彼と付き合っているのだが、とにかくプライドが高く訳の分からない理由で
「私はまだ○○じゃない!!」とブチ切れる。ブチ切れた後は寒風吹きすさぶ嵐の場面になり、
ミツコは謎の軍団と共に三味線をベンベン弾きまくっている。


苗木「画面がブラックアウトして[怨]の字が流れる演出は結構怖いと思う……」


クリコ:
 「スーパーカリアゲギャルクリコ」というシリーズの主人公。何故かカリアゲにされてしまい
不登校になったクリコを中心としたドタバタギャグなのだが、脚本・演出がホリケンのため
登場人物全員がホリケンワールド全開の発言・行動をするカオスコントである。


苗木「登場人物一人一人が凄いキャラ立ちしてギャグ漫画みたいだったよね。特に浪人してるクリコの
    お兄さんと西留先生ことにっちょめ。復活特番ではクリコとにっちょめは結婚したらしいよ」


沼田:
 アパートで食べ物を食べながら調子のいいことを延々と喋っている冴えないおっさんである。
近所に住む高田は何故か沼田の部屋に侵入しようとして毎回追い返してケンカになる。


苗木「妹さんの結婚式に呼ばれなかった、というか知らせないでと言われたり色々複雑らしい……」


苗木「以上かな。今回もおまけコントが付いてきます」


おまけ


― 占い対決 spiritual ―


葉隠「オーガの会った妖精は占い師っつったな。俺も会ってみたいべ」

苗木「やっぱり同じ占い師としては気になる?」

葉隠「ヒトのシマで商売すんなって釘刺しとかねえと!」

苗木「ああ、そういう……」

桑田「おい、あそこの怪しい格好したオバサン。あれがそうじゃねーか?」

ゆみこ「テルミーテルミーテルミードゥ! ギャラクシアンでロリポップ。
     イエスイッツドゥ! あなた達、私をお探しのようね!」

苗木「うわ、本当に出てきた!」

葉隠「オメーさんが噂の占い師か! 許可を取らないで勝手に商売されたら困るべ」

桑田「ここで許可も何もねーだろ……」

葉隠「大体なぁ、俺の占いはどんなことでも二から三割の間でピタリと
    当ててみせるけど、オメーさんはどの程度当たるんだ?」

ゆみこ「十割よ」

葉隠「……は?」

ゆみこ「十割外れるわ!」

桑田「外れるんかい!」

苗木「いや、それはそれで凄いような……」

葉隠「じゃあオーガのアレはなんだったんだべ? 占いで学級裁判のことを見抜いたんだろ?」

ゆみこ「あれは……」




ゆみこ「――ぶっちゃけ台本よ」

「台本っ?!!」ガーン!


― 犬派と猫派 Do you like Dogs or Cats? ―


大和田「お前ら、犬派か? 猫派か? 俺は断絶犬派だな!」

石丸「僕も犬派だ。猫も良いが、犬は主人の命令に忠実な所が良い」

山田「僕は猫耳が好きです。メイド服なら尚良し。デュフフw」

不二咲「ううーん、僕はどっちだろう? 犬も好きだし、でも子猫もかわいいし……」

大和田「犬だろ? だろ?」

不二咲「じゃあ犬かなぁ」

「人の意見に流されて、それでいいのかな?」

不二咲「ふぇっ、誰?」

トラだもん「ボク、トラだもん!」


立っていたのは黄色でトラジマの猫……のような人間。


大和田「……は?」

不二咲「えーっと……」

石丸「ム、ミルさんのご友人かね?」

山田「また新キャラですか。どんだけアイディアあるんだコンチキショー」

トラだもん「チヒロくん! 君は人に流されて生きて、それで本当にいいのかい?」

不二咲「えっ?! えっと、えっと……」

大和田「うるせー! 折角犬派仲間が増えそうだってのによ」

トラだもん「意見の押し付けは横暴だ。そんなキミはこうしてやる!」サッ

山田「お腹のポケットに手を突っ込みましたぞ! これは、まさかドラえもん?!」

石丸「流石の僕もドラえもんは知っているぞ! 国民的アニメだからな!」


不二咲「じゃあ、ひみつ道具を出すの?」

大和田「おいおい、勘弁してくれや……」

トラだもん「タタラタッタラー」

トラだもん「ニャ!」(」・ω・)」ニャッ!

「…………」

トラだもん「…………」

「…………?」

大和田「なにも出さねえのかよ!」

石丸「なんだ……期待して損だった」ガッカリ

トラだもん「あれ? もしかして、これじゃなかった?」

不二咲「ちょっと違ったかなぁ……」

山田「そうですよ! 全然違います!」

トラだもん「わかった! アレだな!」

山田「次は頼みますよ」

石丸「今度こそ見られるのだな!」ワクワク


ポケットに手を入れ、後ろを向くトラだもん。


トラだもん「タタラタッタラー!」腰フリフリ

トラだもん「ニャッ!!」(「・ω・)「 ニャッ!!

「…………」

大和田「いや、それさっきと同じだろ。振り向きながらポーズ取ってるだけじゃねえか」

トラだもん「あれ? これも違った? じゃあ……」

石丸「いや、もういいです」

山田「出せないんかい!」

トラだもん「ニャ……」( ´・ω・`)

不二咲「あ、じゃあ僕、猫派になろうかな」

大和田「いや、なんでだよ」

トラだもん「よし! 三対二で猫派の勝ちだ!」

山田「これってそういう勝負だったんですか?!」

石丸「くっ、負けてしまった!」

大和田「いや、何にだよ?!」


次で終わりの予定だったけど、予想外におまけが増えたので今日はここまで。


― ドーナツ Are you fifty-fifty? ―


朝日奈「わーい、ドーナツドーナツ! たくさん出来たね! おいしそー!」

腐川「白夜様も食べてくれるかしら……?」ハァハァ

江ノ島「……あいつに食べてもらいたいならあんたが参加したこと黙ってた方がいいかもね」


セレスを除く女子達は、仲良く集まってドーナツを作っていた。


大神「よし、では男子達にも持って行ってやろう」

舞園「えーっと、60個ありますし平等に半分こずつしますか?」

霧切「あ! 舞園さん、そのフレーズは……」

「ナーハッハッハッ! ナーハッハッハッハッハッ!」

霧切「やはり来てしまった……」

腐川「この声はまさか……?!」


ナレーション「半分イコール平等と言う先入観だらけの現代社会に
         真の平等を伝授する彼こそが公平戦士『ザ・センターマン』だ!!」


厨房の冷蔵庫の上にスポットライトが当たり、いつの間にかセンターマンが立っている。


朝日奈「あー! あの時の変態!」

センターマン「変態ではない! センターマンだ!」

大神「どうやって登ったのだ……」

センターマン「今降りる! 待っていてくれ。……んんっ、あああ~」

舞園「素肌の部分が擦れて痛そうです……」

霧切「……大神さん、本当に申し訳ないけど手伝ってあげて」

大神「わかった。無理をさせて見えてしまったら気まずいしな……」


腐川「まったく、汚いわね……」

センターマン「ふぅ、降りられたぜ! じゃあ自己紹介を……」

江ノ島「いいよ、知ってるから。センターマンでしょ? で、なにしに来たの?」

センターマン「これは手厳しいな。じゃあ単刀直入に言うが、君達本当にそれでいいのかい?」

舞園「この大量のドーナツを女子と男子で半分こすることですか?」

センターマン「そうだ! そのドーナツは全て君達女子が作ったのだろう?
     ならば、その手間分多く取るべきだ。具体的には42、18でどうだ?」

舞園「それですと女子は一人六個もありますし、そんなにたくさんは……」

朝日奈「いいね! その提案乗るよ!」キラキラキラ!

江ノ島「あはは……」

センターマン「よし! すぐに納得してもらえて良かった。なら、いつものアレをしなくてもいいな」

大神「ではもう帰ってくれ」

「HA-HAHAHAHA。HA-HAHAHAHAHAHA!」

センターマン「?! この声は?!」

「ソレデイイノ?」


現れたのは金髪碧眼の外人で、センターマンとは衣装が逆向きの男である。


舞園「だ、誰ですか?!」

腐川「また変態が増えたわね……あ、でもちょっと格好いいかも」

「ソレデイイノ?」

大神「だから、お主は何者なのだ……」

USA「アイム、センターマンU・S・Aー!」


バッと床に長い足を前後開脚して手を挙げてみせる。


朝日奈「わー! カッコイイー!」

霧切「そうね。同じ格好なのにどこかの変態とは大違いね」


センターマン「いやいやいや騙されてるだけだから! そいつの格好よく見てみなさいって!」

腐川「す、素敵……! 爽やかだわ!」

江ノ島「手足長いし顔も格好いいし、とても同じには見えないねー」

センターマン「アメリカ人て設定だけどそいつ本当はオーストラリア人だぞ?!」

USA「ソレデイイノ?」

舞園「あのー、さっきからずっと同じことを言ってるんですが……」

朝日奈「うんうん! ここはやっぱり48、12で分けるべきだよね!」

「えっ?!」

センターマン「ちょっとちょっと! さっき42、18の七三で納得しただろ?!」

江ノ島「それに、そんなに少ないと一個しか食べられない男子が出るんじゃ……」

朝日奈「男子は一人一個半にすればいいんだよ!!」ドン!

大神「う、うむ……」

腐川「このドーナツバカは……」

センターマン「いやいやいや、おかしいだろ?! 流石に可哀相だろ?」

舞園「まあ発起人は朝日奈さんですし、当初は女子会のつもりでしたから朝日奈さんがそう言うなら……」

USA「ソレデイイノ?」

センターマン「お前ちょっと黙ってろよ!」

USA「カモーン!」


ぞろぞろぞろ。

センターガールズと同じハイレグを着た金髪の美女達が食堂に入ってきてスタンバイを始める。


江ノ島「また出た……」

舞園「今度は全員外人さんですよ?!」

大神「なかなか壮観だな……」


USA「MUSIC start!」


そして踊り出す。


「Won't you take my hand for I will be your man ~♪」


朝日奈「あれ? 原曲だ! あの変な替え歌うたわないんだ」

舞園「あの人、踊り上手いです!」

腐川「キ、キレッキレね……ただ者じゃないわ……」


「All the time we'll be together ~♪」

「'cause it's yours and mine Forever we're in this love thing ~♪」


チャチャラチャッ♪

ワーワーパチパチ!


朝日奈「うん! やっぱりそーしよっと!」

センターマン「人の話聞いてくれって! うわあああ、また負けたあああああ!」

舞園「あの、元気を出して……」

大神「……まあ、こういうこともあるだろう」

腐川「負け犬はさっさと帰りなさいよね!」

霧切「腐川さん……」

江ノ島「あーあ、言っちゃった……」

センターマン「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!」


― 偵察 Research ―


マイサン「ププッピドゥ」

ダディ「ミッチィ……」アン

マイサン「ププッピドゥ」

ダディ「サッチィ~!」イヤン

メガロマン「クイズ番組は受けが悪いので通販番組にしてみました。テレショップ! お勉強一直線!」

てんとうよしみ「はい、今日の商品はこちらで~す」ネットリ

たまちゃん「え? 御曹司のくせに十円も払えないの? ププッ、どこが御曹司なんだがね」

十神「」イライライラ

腐川(あいつら……あたしだってあんなに近くに行くことを許されていないのに
    毎日毎日なんであんなに白夜様に馴れ馴れしいのよ……!)ギリギリギリ

十神(クソッ! 絶対に俺は諦めんぞ!)

十神「おい、腐川! 俺のために他のヤツらを偵察してこい」

腐川「ははは、はいっ!」

腐川(白夜様に頼られた! もしかして脈アリ?! し、死ぬ気で調べないと!!)


               ◇     ◇     ◇


娯楽室前の廊下。何やらドアに付いている丸窓を覗いている二人組がいる。


たいぞう「てるさん、どうですか?」

てる「なかなか動かないな」

たいぞう「どれどれ?」


たいぞうが窓を覗きこむが、窓が小さいので二人の顔が接近する。


てる(近い近い近い……!)

たいぞう「あ、てるさん! 見てください! ほら、あそこ!」


ガッとたいぞうがてるの頭を掴んで自分の方に引き寄せ、偶然にも密着する形になる。


たいぞう「何やら妙な動きをしていますね!」

てる「~~~!」

たいぞう「ここからじゃよくわからないなぁ。もうちょっとで見えそうなんだけど」グイグイ

てる(見えなくていい! 見えなくていいからもう少しこのまま……!)

腐川「なにやってんの?!」ドンビキ

てるたい「」ビクッ

てる「わ、我々はだな……捜査の最中で……」

腐川「明らかに途中から違う目的になってたじゃない……! 男同士で気持ち悪いわね!
    アイツなら喜ぶかもしれないけど、あたしはノーマルだから耐えられないわっ!」鳥肌

てる「いや、それは……」

たいぞう「君が何を勘違いしてるかわからないけど、今は捜査中だから話は後でいいかな?」

腐川「フン! なにを捜査するのかしらね……相方の秘密の場所でも探るの?」

てる「」←白目を向いて悶絶

たいぞう「調べてるのはてるさんじゃなくてこの中にいる女の子だよ」

腐川「じゃあこんな所にいないで中に入ったら? あたしは行くから」

たいぞう「あ、ちょっと!」


ガチャ。


スタッフ「ジョニーさん、スタントマンなのに火の上歩けないんですか?」メラメラ

ジョニー(し、死ぬ! 絶対死ぬってこの火力! ていうか火の量多くない?!)

ジョニー「ま……ギリかな。うん……スタントマン舐めるなって」メラメラ

スタッフ「頼みますよー」メラメラ

トシ「つまりぃ、俺の中にはいくつも俺がいてそのうちの一人がDA PUMPでも良くね?」

サチ「うん」

トシ「むしろぉ、俺がDA PUMPみたいな?」

サチ「うん」

テリー「セレスー! 一緒にホッピングしよーぜー!」ピョンピョン♪

ドリー「なんでか知らないけど扇風機に向かって喋ると変な声になるよね」ア~

ヘバダ「俺、タイ人じゃないっすよ!」

セレス「テメエらまとめて出てけって言ってんだオラアアアアア!!」

腐川「」


               ◇     ◇     ◇


腐川「……と、他は特に問題なかったのですがセレスだけこんな感じでした。以上です」

十神「…………」


あいつ絶対同類だ――! そう確信した十神であった。


出掛けるので続きは夜に。


― 大嵐浩太郎プレゼンツ 【 一人ダンガンロンパ 】 ―


苗木(大嵐)「僕は苗木誠! あの憧れの希望ヶ峰学園に抽選で当たって今日入学する!」

苗木(大嵐)「窓が全部鉄板で塞がれているなんて、変な学校だなァ」

苗木(大嵐)「!」


何かに気付き顔面ドアップ。目を見開く。時計が映り、時刻は八時を少し過ぎている。


苗木(大嵐)「し、しまったぁ! 初日から遅刻をしてしまったぁ~!」ダダダダ

石丸(大嵐)「君ィィ! 遅刻とはけしからんではないかぁ!」

江ノ島(大嵐)「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょぉ!」

『えぇー、マイクテスト。マイクテストォ~! 至急体育館に集合されたし』


颯爽と現れる影。大仰に髪をかきあげ顔アップ。

ファサァ!


霧切(大嵐)「どうやら……」


ファサァファサァファッサァァァ!


霧切「行くしかないようね!!」キリギリッ!


第二部


OPが始まる。歌っているのは大嵐。


大嵐「うぃーうぉーく、あ、しん、らいん びとうぃーん ほーぷ あんど でぃすぺあー♪」

大嵐「らんにんぐ ふろむ ざ とぅるうす ばっと いっつ おぉるれでぃー ひあー♪」


モノクマダンスをするモノクマ(大嵐)。


苗木(大嵐)「こ、コロシアイだってぇええ?!」

大和田(大嵐)「貴様、ふざけたことを言ってんじゃ……」ガシッ

石丸(大嵐)「大和田殿! なりません! 殿中であるぞ! 殿中であるぞ!」

大和田(大嵐)「もはや勘弁ならん! この場で切り捨ててくれる!」

モノクマ(大嵐)「であえ! であえ! だれかこの不届き者を切り捨てぃ!」


誰も出ない代わりにグングニルの槍が床から飛び出る。

ザクッ!


大和田(大嵐)「グフッ! も、もはやこれまで。後は任せた……」

舞園(大嵐)「きゃ、きゃああああ~」

苗木(大嵐)「大和田くぅぅん!!」


第三部


舞園(大嵐)「」

苗木(大嵐)「舞園すぁぁぁぁぁん! そ、そんな……こんな馬鹿げた話が……」

霧切(大嵐)「苗木君、今は悲しんでいる場合ではないわ。捜査をしないと私達まで……」

苗木(大嵐)「舞園さぁん! 舞園さぁん! 生き返ってくれ~! わあああああ!!」

霧切(大嵐)「…………」

霧切(大嵐)「フンッ!」


ドゴッ!


苗木(大嵐)「ゴフッ! 霧切さぁん?」鼻血

霧切(大嵐)「ホァァ! ハチョッフォッ! ホォォ!」ドゴッバキッボゴッ!

苗木(大嵐)「ちょ、ごめんなさ……ゲフッ! や、やめっ……!!」


第四部


裁判開始!


苗木(大嵐)「それは違ぁう! という訳で、桑田怜恩! お主が犯人だ!」

桑田(大嵐)「そ、そんな自信満々に言ってもし間違えてたら、貴様どう責任を取るつもりだ!」

苗木(大嵐)「その時は、切り捨て御免!」

桑田(大嵐)「ふざけるなぁ!」


何故か服装をチェンジして始まる切り合い。


山田(大嵐)「時は江戸の太平真っ只中、場所は巌流島にて。今! 佐々木桑田小次郎と
         宮本苗木武蔵の決戦の火蓋が切られた! 果たして勝負の決着は如何に!」

桑田(大嵐)「死ねえええ、苗木ィィ!」

「やめよ!」

山田(大嵐)「と、そこに現れたのは……!」

大神(大嵐)「今は争っている場合ではない。投票の時間だ!」

山田(大嵐)「現れたのは柳生大神十兵衛! こうして投票の時間にと相成ったのだ!」


回転するスロット。顔は全て大嵐。

桑田(大嵐)有罪!


モノクマ(大嵐)「大正解~! 罪人桑田には市中引き回しの刑を申し渡す!」

桑田(大嵐)「くっ、よもやこれまでか……」

モノクマ(大嵐)「これにて、一件落着! ワッハッハッハッ!」


EDが始まりスタッフロールが流れるが、勿論歌っているのは大嵐である。
教室にいる15人の大嵐(合成)。


大嵐「き、み~ののぉぞむ、ものはなにぃ? みみぃなり! ウソ、みたいな話~♪」


  監督 大嵐浩太郎

  脚本 大嵐浩太郎

  演出 大嵐浩太郎


大嵐「どぉ~うやら、ボォクの世界は、ばぐって! しまいました~♪」


  モノクマ  大嵐浩太郎

  苗木誠   大嵐浩太郎

  舞園さやか 大嵐浩太郎

  桑田怜恩  大嵐浩太郎

  江ノ島盾子 大嵐浩太郎


大嵐「おぉおさまゲームきょーせーさんか きょーひけんなんて聴いちゃくれなぁい~♪」


  石丸清多夏 大嵐浩太郎

  大和田紋土 大嵐浩太郎

  霧切響子  大嵐浩太郎

  山田一二三 大嵐浩太郎

  大神さくら 大嵐浩太郎


大嵐「課ーせられた、くーえすとにはー「あのもぶをこぉろせええ!」~♪」


  音楽 大嵐浩太郎

  原画 大嵐浩太郎

  背景 大嵐浩太郎

  撮影 大嵐浩太郎

  CG  大嵐浩太郎


大嵐「ぜつぼぉだぁんす 野望まみぃれ少年に、逃げ込ぉんだ現実 嗤った(ったったったった)~♪」


  OP「Never Say Never」歌:大嵐浩太郎

  ED「絶望性:ヒーロー治療薬」歌:大嵐浩太郎


大嵐「ねがぁい口にするー「あいにくばーかにつける薬はないよぉ」~♪」



                                 「 終(毛筆で馬鹿デカく書かれている) 」


ここまで。

一人ダンガンロンパは一人シリーズを見ていない人には意味不明かもしれない



       次回、明日日曜夜八時

   「笑う犬のダンガンロンパ」最終回


           放映予定


遅刻すみません。それでは最後の投下を始めます


― 体育館 ―


石丸「誰もいないが……?」

苗木「これから一体、何が起こるんだろう……」

不二咲「なんだか凄く怖い……」

霧切「たとえどんなに恐ろしい現実が待っていたとしても、何も知らないよりはマシなはずよ」

はっぱ隊「ヤッタ! 遂に真実が明かされる時が来たぞ!」

葉隠「うわっ、出た!」

舞園「真実……?」

はっぱ隊「ヤッタ! これでコロシアイ学園生活を終了出来る!」

苗木「どういうこと?!」

大和田「終了だぁ?」

小須田「その前に、外の状況や私達が何者かを説明した方がいいかもねぇ」

ひろむ「江ノ島盾子は超高校級のギャルだけじゃなくて、実は超高校級の分析力とかいう
     めちゃくちゃ凄い才能持った天才で、しかも超高校級の絶望とかいう奴らしい」

モモコ「たった一人でー、みんなを洗脳して世界をメチャメチャにしてしまったのだー」

腐川「め、めちゃめちゃ? それって、どういう意味よ?」

デスラー『文字通りめちゃくちゃだ。外では連日大規模なテロが起こっている』

山田「ヒィィ?! リアル世紀末ってことぉおお?!」

大神「たった一人でそれだけのことを……?!」

原田「事態を重く見た学園長は、校舎をまるごとシェルター化して生徒と一緒にここに
    閉じこもったんだよ。それが約一年前のこと。君達は覚えていないだろうけどね」

葉隠「一年前?! 知らないべ、そんなこと!」

石丸「何故僕達はその事実を誰も覚えていないのだ?!」


ダディ「ショートコント、記憶操作」

ダディ「私様ガ殺シタ超高校級ノ神経学者デアリ元カレノ記憶操作技術ヲ利用スレバ、
     全員ノ記憶ヲピンポイントニ入学式マデ消セル! 改造シタ私様マジ天才」

マイサン「デモ、誰ガ14人モ装置マデ運ブノ?」

ダディ「オ前ダヨ!」

十神「馬鹿な……人工的な記憶操作、だと……?!」

セレス「そんなことが……?!」

朝日奈「じゃあ、私達って本当はクラスメートだったの?!」

大神「こやつらがいなければ、我々は友人同士でコロシアイをすることになっていたのか!!」

桑田「ウソだろ……」

舞園「そんな……」

霧切「……続きを聞かせて頂戴。シェルターに避難して、それから何があったの?」

大嵐「時は戦国! 全ての元凶であり裏切り者の江ノ島の乱により希望ヶ峰学園は
    壊滅の憂き目に遭った! しかぁし、反撃の機会を待っていた者がいたのだ!」

ミル姉「今回オススメするのはこの一本。『陰陽師』。超高校級の陰陽師が、
     殺される直前に行ったある儀式が一連の事件の全ての始まりなの」

たまちゃん「殺されちって儀式自体は失敗しちまったけど、そのエネルギー体?みたいなのが
       学園の中をふーらふーら漂ってたワケよ。わかる? ふーらふーらとね」

クリコ「それで! そのエネルギーが学園長の部屋にあった笑う犬DVDに憑依して
     宿ったってワケ! とりつかれちゃった~。どうも貞子です!」クイクイ

ひろし「ひょういってなんだ?」

ゆきお「ヒョウの胃のことだよ!」

ひろし「そうなんだ。ゆきお、すっげえええええ!」

トラだもん「ぼく、トラだもん! ニャッ!」

てる「たいぞう好きだあああああああああああ!!」

苗木「笑う犬?」ハッ

苗木「笑う犬の生活、笑う犬の冒険……宇多田ヒカル、Automatic、ラフくん……」

苗木「Silly go lucky、谷啓さん、EE JUMP……うっ!」


全員がハッとする。


苗木「……そうだ、思い出した……お笑いに興味があった石丸君に僕が笑う犬の
    DVDを貸してあげたら、いつの間にかクラスで大ブームになったんだっけ」ポロポロ

舞園「私もゲストで出ました。それがきっかけでバラエティの仕事を受けるようになったんです……」ポロポロ

桑田「みんなで文化祭の時はっぱ隊の格好して踊ったっけ……」

大和田「十神も無理やり参加させてな……」

葉隠「あー、懐かしいなぁ……」

不二咲「やっぱり、僕達はクラスメイトだったんだね……」ポロポロ

石丸「なんでこんな大切なことを忘れていたんだっ!!」ブワァッ!

戦刃「……それは盾子ちゃんによって奪われたからだよ。みんなの大切な二年間を」

霧切「まとめると、江ノ島さんはコロシアイに使う私達以外の学園関係者を殺した。
    その中にいた超高校級の陰陽師は事態を察知し、対抗策のために儀式をしていた」

十神「が、儀式完遂の前に陰陽師本人も殺され不完全だった儀式のエネルギーが、当時
    流行っていた笑う犬のDVDに宿り中のキャラクターが具現化して現れたという訳か」

山田「それにしても、確かに笑う犬は当時めっちゃ流行ってましたけど、
    学園長までDVD持ってるとかどんだけですか」

江ノ島「それだけが理由じゃないよ?」

「わっ?!」

江ノ島「どうもー。お笑い番組に無様に負けた黒幕でーす。退屈だから出て来ちゃいましたー」

セレス「よくもコロシアイなんてさせやがったなビチグソ女ァ!」

江ノ島「まあまあ。アタシに対する罵倒は後でいくらでも聞くから。学園長がDVDまで
     持ってたのは、娘のクラスの流行についていきたかったからみたいよ?」

朝日奈「学園長の娘って……あ!」

霧切「そう。父が私のために……」

江ノ島「まさかコントキャラに邪魔されるとはね。最っ高に絶望的な展開だわ。
     ネタばらしまで喰らって計画は完全に頓挫したし、降参こうさーん」

大和田「そんな軽いノリでいいのかよ……」


十神「おい! 外は今どうなっている! 十神財閥はどうした?!」

江ノ島「滅びました」

十神「?!」

江ノ島「外はオマエラの想像以上に世紀末だぜ? だから学校をシェルターなんかに
     改造してオマエラは家族も友人も見捨ててひき篭ったんだろーが!」

「…………」

江ノ島「私のことは……煮るなり焼くなり好きにしてください……
     いっそ盛大に処刑してもらって結構です……」

腐川「わ、訳わかんないわよ、あんた……! なんでこんなこと……」

江ノ島「私様は非常に飽きっぽいのじゃ。現に今だって一つの
     キャラに飽きてコロコロ話し方を変えているじゃろう」

江ノ島「彼等がチラッと言っていましたが、わたくし江ノ島盾子には超高校級の分析力という能力が
     あるのです。一言で言うとチートです。どんなことでもすぐに分析し物に出来る超天才です」

霧切「天才で飽きっぽい……まさか」

江ノ島「そのまさかだ、人間。何でもかんでも自分の思い通りになる世界に絶望し、
     いっそ世界中を大好きな絶望に染め上げてやろうと目論んだのさ」

不二咲「酷すぎる……そんなのあんまりだよぉ!」

舞園「返してください! 私達の日常を!!」

江ノ島「まあ、もう手遅れだけどね。世界は絶望で染まりきっちゃったし空気は汚染されてるし」

苗木「そんな……」

江ノ島「幸いここは安全だから、あんた達はここで心安らかに老衰してってください。アハハハ!」

朝日奈「もう二度と外に出られないの?!」

桑田「二度とグラウンドに上がれないのか……」

大和田「チームを守るって、また作り直すって約束は……」

山田「家族は?! サークルの仲間達はどうなっているんです?!」

葉隠「も、もう終わりだああ! 終わりなんだ!」

苗木「だ、駄目だみんな! 諦めちゃ……」




「ヤッタ!!」


「?!」


絶望する彼等の先にいたのは――満面の笑みを称えたはっぱ隊だった。


桑田「なにがヤッタだよ! おめーらなんて所詮架空の存在のくせに!」

隊員「今がどん底ならもうこれ以上、下には行かないんだ!」

葉隠「ふざけんな! こっちは家族が死んだかもしれねえんだぞ!」

隊員「ヤッタ! かもしれないってことはまだ確定した訳じゃないんだ!」

セレス「わたくし達は全てを失ったのです!」

舞園「もう私達、戻れないんですよ?!」

隊員「ヤッタ! 何もかもなくしたかもしれない。でも生きているならやり直せる!」

十神「簡単に言ってくれるが……!」

大和田「どうすりゃいいってんだよ!!」

隊員「ヤッタ! 一から新しく作って歴史に残るぞ!」

朝日奈「でも、私にはそんなの……」

石丸「出来るのか? 僕達だけで……」

隊員「ヤッタ! ここには支えてくれるたくさんの仲間がいる!」

山田「外は汚染されていると聞きましたが……」

腐川「本当に、出られるの? なんとか、なるの……?」

隊員「ヤッタ! ちょっと汚染されてるけど、まだまだ空気は吸える! 息が出来る!」

隊員「ヤッタ! まだ世界は終わってない! 外にはたくさん人がいるぞ!」

隊員「ヤッタ! 江ノ島がやられたから絶望の集団が解体するよ!」

隊員「ヤッタ! 救世主になれるかも!」

隊長「ヤッタ! 君達はまだ生きてる! 何でも出来る!!」
















はっぱ隊「 ヤ ッ タ ! ! 君 達 は 一 人 じ ゃ な い ! ! ! 」
















「ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ!」

「ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ!」

「ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ!」


「…………」

小須田「……ねえ、みんな。どうして我々は、君達にすぐ真実を伝えなかったと思う?」

ミル「きっとパニックになって、そんな精神状態ではそれこそコロシアイが起きかねなかったからよ」

センターマン「君達に強い絆が生まれれば、真実を知ってもコロシアイなんてしないだろうし、
     ついでに思い出のコントを見せれば記憶も戻りやすくなると思ったんだよ」

組長「すぐに真実を明かせなかったこと、どうかお許しを……!!」

不二咲「でも、僕達はこれからどうすればいいの……?」

苗木「……出ようよ」

「!」

苗木「外にはまだ人がいるんでしょ? こんな所に閉じこもっていて、みんなはそれでいいの?」

石丸「そうだ……家族が心配だ……」

大和田「チームのヤツらの無事を確かめねえといけないしな……」

朝日奈「めちゃくちゃになってるかもしれないけど、やっぱり家に帰りたい……」

葉隠「バカ言ってんじゃねえ! 外ではテロが起こりまくってんだろ?! 死にに行くようなもんだべ」

山田「そうですよ! ここにいれば、とりあえず身の安全は保証されてる訳ですし」

江ノ島「まあライフラインは今まで通り私様が保証してあげるから安心しなよ」

桑田「信用できるか! いつ裏切るかわかったもんじゃねーぞ!」

江ノ島「じゃあ外に出れば? 暴漢でいっぱいだけどさ」

戦刃「やめた方がいいよ。武闘派の大神さんや大和田君ならなんとかなるかもしれないけど、
    普通の人が出歩けるような状況じゃない。軍人の私が断言する」


腐川「じゃあここに残るしかないじゃない!」

苗木「そんなのダメだよ! こんな所に引きこもって、自由を失ってそんなの生きてるって言えないよ!!」

舞園「苗木君……気持ちはわかりますけど、でも……」

葉隠「俺はぜってー反対だ! 出たいなら一人で勝手に出ればいいべ!」

山田「そうですよ! 僕はイヤです!」

セレス「リスクが高すぎますわ。この勝負、乗るべきではありませんね」

不二咲「ど、どうしよう……本当に、それでいいのかな……?」

石丸「家族を見殺しにするのかね?!」

十神「……もう死んでいると言われたが」

苗木「直接確認してないじゃないか!」

霧切「私は……」

大神「どうすべきなのだ……」


カーン!

その時、高らかにある音が響いた。軽快な音楽が流れ始める。


「!!」

セレス「この音は……!」


そして、レスラーの格好をした金髪の二人組が歌いながら現れた。


テリー・ドリー「テリーとドリーだよ♪ 二人はきょーうだい♪」

テリー「ケンカなんてやーめて♪」

ドリー「楽しくーやーれよ♪」

「…………」


唐突に割って入って来た二人を、彼等は黙って見つめる。


テリー「外に出るYO! こんなところに希望なんてないんだYO!」

ドリー「それで死んだらどうするんだ! 死んだら全部終わりなんだぞ!」

テリー「お兄ちゃんは弱虫だから外に出られないんだヨー!!」

ドリー「なんだとぉーっ?!」


ドリーがテリーにプロレス技をかけてボコボコにする。


テリー「うぉ、うぉ、うぉにーちゃああああああああああああああああんッ!!!」

ドリー「おにーちゃーん……Oh、そうだった。何も今すぐ外に出なくてもいいし、
     逆に一生ずっとここにいなきゃいけないってことはないよね」

ドリー「……ゴメン、テリー。お兄ちゃん間違ってたよ。ずっとこんな所にいるなんて間違ってるよ」

テリー「気にすんなよ、お兄ちゃん! わかってくれればそれでいーんだよ!」

テリー・ドリー「イエス! イエスイエスイエスイエス!! センキュー!!」


ドリーはテリーを助け起こし、二人は肩を組んで叫ぶ。


テリー「中を取ってー!」

ドリー「ここから外を平和にしてそれから出るっていうのはどーですかー?!」

テリー・ドリー「生徒のみなさーん!!」

「…………」


隊長「――みんな」


意を決したように、隊長が歩み寄る。いつもとは違い、その眼差しは真剣だった。


隊長「私達はもうすぐ消えてしまう。でも君達は消えないし、今も生きているんだ。希望の種として
    守られた君達なら、笑いを忘れない君達なら、きっと再び世界を平和にすることが出来る!」

苗木「隊長さん……」

隊長「激励を込めて、この歌を送ろう。辛い時もある、苦しい時もある。
    そんな時に、少しでも君達を勇気づけることが出来るなら!」

隊員「隊長、やろー!」

ミル「私達も歌うわよ」

小須田「歌なんて宴会以来だなぁ」


体育館中に笑う犬のキャラクター達が続々と集結する。


苗木「……ねえ江ノ島さん、この学園の光景って今も世界に流れてる?」

江ノ島「カメラはまだ止まってないわよ」

苗木「ありがとう。ねえ、みんな……僕達も歌おう!」

舞園「え?」

苗木「振り付け覚えてるでしょ? 僕達は自分達だけ安全な場所にいるんだ。だったら、
    ただ呑気に暮らすんじゃなくてやるべきことがあるんじゃないかな?」

大神「やるべきこと、か」

十神「フン。苗木のくせに生意気だな」

霧切「私の台詞よ、十神君」


苗木「多分、僕の考えが正しければみんなもきっとアレを持ってると思うんだ」ゴソゴソ

石丸「も、もしやアレのことか……?!」ゴソゴソ

桑田「……そーいうことだったのかよ」ゴソゴソ

十神「記憶が戻った今なら、全部繋がるな」ゴソゴソ

山田「覚えがないのに薄気味悪いと思っていましたが……」ゴソゴソ

大和田「だから名前が書いてあったんだな」ゴソゴソ

葉隠「自分のだったんか……」ゴソゴソ

不二咲「これがモノモノマシーンから出てきた時、何だか無性に懐かしかったんだ……」スッ


彼等の手にしているもの――それはそれぞれの名前が書かれた【はっぱふんどし】であった。

文化祭の出し物の際、彼等が実際に使った物である。モノモノマシーンを使って、
記憶のない彼等に嫌がらせと面白半分のつもりで江ノ島が与えたものだった。

……だが今は、そのはっぱふんどしが彼らの思い出の確かな証となって燦然と輝いている。


葉隠「うしっ! 久しぶりにやるか!」

朝日奈「おどろう!」

セレス「わたくしの華麗な歌を披露する時が来たようですね」

石丸「一生懸命練習した成果を出すぞ!」

桑田「しゃあねーな」

大和田「おう、やるか」

不二咲「なんだか凄く、凄く懐かしい」フフッ


― 再生 GREEN leaves ―


「YATTA!」希望ヶ峰学園第78期生 with 笑う犬オールスターズ
http://www.youtube.com/watch?v=rW6M8D41ZWU


石丸「G!」

大和田「R!」

桑田・不二咲「ダブルE!」

十神「N!」

苗木「LEAVES!」

大嵐「G!」

ミル「R!」

葉隠・山田「ダブルE!」

小須田「N!」

隊長「LEAVES!」

舞園「It’s so easy~♪」

セレス「Happy go lucky~♪」

朝日奈・大神「We are the world~♪」

霧切・腐川「We did it ♪」

はっぱ隊「ヒューヒューヒューヒュー!」

男子「オスオスオスオス!」

隊長「……アイッ!」



テリー・ドリー「やったやったやったやった ♪」

葉山・ジョニー「大学合格~♪」

先生・クリコ「社長就任~♪」

ダディ・マイサン「葉っぱ一枚あればいい~♪」

てる・たいぞう「生きているからLUCKYだ~♪」

ユキオ・ヒロシ「やったやったやったやった ♪」

ひろむ・デスラー「当選確実~♪」

ハンサム侍・組長「日本代表~♪」

センターマン「やんなるくらい健康だ~♪」

ゆみこ・小梅ちゃん「everybody say ♪」


「「「「「やったー!!」」」」」」


戦刃「盾子ちゃん……」

江ノ島「あ? なによ? 最初から最後までなんの役にも立たなかった残念」

戦刃「やっぱり、私達間違ってたんだよ……。だってそうでしょ?
    盾子ちゃんの完璧な計画がこんなありえない崩れ方するなんて」

江ノ島「……ま、確かにこればっかりはアタシの頭脳を持ってしても予想出来なかったわ」

戦刃「今更かもしれないけど、私……みんなを殺すなんてイヤだよ……みんな大切な友達だもん」

江ノ島「ほんっと、今更だっつの。計画始める前に言えよ。ていうか力付くで止めろよ。
     そういう頭がないからいつまで経ってもおめーは残念なんだっつの」

戦刃「私も一緒に踊ってくる。その後みんなに謝って、盾子ちゃんが許してもらえるように頑張る」

江ノ島「アタシは別に許してもらわなくたっていいけど、まあ勝手にすれば?」

戦刃「行ってくるね!」


               ◇     ◇     ◇


外。とあるボロボロのマンションにて。


南原(避難生活を始めてそろそろ一年か。あいつら、今頃何やってるかな……)


― 日本キューキュー

― でも!

― あしたはワンダホー


南原「この歌は……?! えっ、なんで?!」


― いじわるされても ふとん入れば

― グーグーグーグーパスパスパスパス


南原「…………」

南原「…………」

南原「…………よしっ」





南原「 お は よ ー ! ! ! 」






― やったやったやったやった

― 9時間睡眠 寝起きでジャンプ!

― どんないいことあるだろう

― 生きていたからLUCKYだ!


堀内「潤ちゃん潤ちゃん! 来て! 早く来てくれよ!」

名倉「なんや、健? あんま大声出すと絶望のヤツらに見つかるゆうたろ。
    うちはただでさえ隠れてる人数多いんやから……」

堀内「だってだって、外の変な奴らがみんなではっぱ隊踊ってるんだぜ!」

名倉「そんな訳ないやろ! お前まで頭おかしくなってもうたんか?」

堀内「ほら、見て見て!」

名倉「だからそんなはずが……」

モノクマヘッズ「やったやったやったやった♪」

名倉「……あったわ」

堀内「だろー?」

名倉「急いで泰造に連絡せな!!」


― 君が変われば

― 世界も変わる


原田「絶望なんて大嫌いー! はーらーだたいぞうです!!」


― 丸腰だから最強だ!

― 真っ直ぐ立ったら


― 気持ちいー!!


大木「どこにいるんだよ、大内ー! 芸能界引退してる場合じゃないって……!」


― お水飲んだらうめー!(やったー!)

― 日に当たったらあったけー!(やったー!)

― 腹から笑ったらおもしれー!(やったーやったー!)

― 犬飼ってみたらかわいー!(やったー!)


「うち、なにしてたんやろな……」

「ああ、懐かしいわ。なんもかんも懐かしい……」


― 平成不況 政治不信
― リセットさえすりゃ最高だ!

― みんな居るから楽しいー!

― やったやったやったやった

― 大学教授 ムービースター
― 葉っぱ一枚なればいい

― みんな一緒だ H A P P Y だ ! !


内村「南原ああああ!」ダダダダダ!

内村「もう一度コントやるぞおおおおおおおおおおおっ!!!」ダダダダダ!


               ◇     ◇     ◇


苗木(……その後、僕達は笑う犬の学生生活という劇団を作ってコントを作り始めた)

苗木(彼等が教えてくれたんだ。荒んだ心に一番必要なのは笑いだって。世界が
    こんな状況だからこそ、僕達は体を張って外の人達に笑いを届けなければいけない)

苗木(それが、安全な場所に自分達だけ避難している僕達の義務であり使命なんだ)

江ノ島「おら、そこの大根役者! 演技がわざとらしいって言ってんだろ!」

桑田「うるせーよ!」

苗木(江ノ島さんには、今までの罪の償いをしつつ、一生お笑い芸人をやってもらうことにした。
    超高校級のギャルであり、超天才でもある彼女には相応しい罰だと思う)

苗木(……まあ、江ノ島さんて超ドS兼超ドMらしいから楽しんでいるような気もしないけど。
    どんな汚れや体を張ったスベリ芸にも果敢に向かって行く姿はなかなか真似出来ない)

大神「これはここでいいか?」

大和田「んー、もうちょっと真ん中寄りがいいかもな」

大神「了解した」

朝日奈「小道具ここに置いておくね」

山田「フフフ、今回のは自信作ですぞ!」

苗木(大道具は元々大工志望だった大和田君を中心に、大神さんと朝日奈さんが担当し、
    小道具は手先の器用な山田君がデザインして手の空いたメンバーで作っている)

苗木(山田君は大活躍だ。同人はパロディやギャグ要素が多いからコントにも活かせるってことで
    脚本はもっぱら山田君が書いている。ただ、物語の専門家の腐川さんも黙ってはいなくて……)

腐川「ちょっと、なによこの台詞! センスのかけらも感じられないわ!」

山田「なんですとー?!」


霧切「……確かに、シリアスなシーンや恋愛描写は腐川さんに任せた方がいいかもしれないわね」

苗木(山田君と腐川さんがぶつかり合いながら作品を作っている感じだ)

十神「また顔を塗るのか……」

ジェノ「顔が青くても白夜様は素敵よ―ん♪」

セレス「わたくしの作った衣装も似合ってますわよ?」

戦刃「うん。格好良い」

苗木(ただ、最初は何もかも手探りだった。十神君とジェノサイダーでデスラーをやったり、
    みんなではっぱ隊をしたり最初のうちは本家のパロディが多かったかな)

石丸「人々に笑顔を取り戻すためなら、いや世界のためならば! 僕は喜んでやろう!」

不二咲「や、やめた方がいいんじゃないかなぁ……」

苗木「ダメだよ! 脱ぐにしても限度があるよ! 家族が泣くよ!」

大神「失う物が多すぎる。やめておけ……」

苗木(……石丸君がセンターマンをやるとか言い出した時はもうどうしようかと思った。
    勿論、みんなで止めたよ。大和田君も俺が代わりにやるとか言い出すし……)

苗木(でも気のせいかな? 二人共実は本気でやりたがってたような……気のせいだよね?)

舞園「サーヤ行きます!」

葉隠「カメラ準備出来てるべ」

苗木(そんなこんなで、最初は失敗も多かったしセットも学芸会レベルで
    ショボかったけど、少しずつ形になって来たんだ)

苗木(最近は舞園さんのキャラを活かしたエスパー宇宙人サーヤ、石丸君と桑田君の掛け合いを
    使ったキヨくんとレオくん、世間知らず御曹司十神が行く、などなど人気コントも出てきた)

苗木(驚いたのは、霧切さんが意外と演技上手くてすっかり本家の遠山さん代わりとなっている)


             ・

             ・

             ・


苗木「最初は10%だった視聴率が遂に80%突破かぁ」

舞園「治安もどんどん良くなってるみたいです。そろそろ普通に外に出られそうですね」

不二咲「み、みんなぁ! 来て! 大変だよぉ!!」

大和田「どうした?!」

大神「何事だ!」

不二咲「情報処理室にメールでビデオレターが届いたんだ」

石丸「誰からだ?」

不二咲「それが……笑う犬スタッフって……」

「?!」

桑田「早く見せろよ!」

不二咲「う、うん……」

内村『えー、希望ヶ峰学園の皆さん、こんにちは。座長の内村です』

朝日奈「わー! 本物だー!」

内村『ちょっと、その……なんて言えばいいかな……えーっと』

堀内『絶対ウケるギャグ教えるからこれ使って! ……乳首をこうやりながらダブルクリック。あはぁん』

名倉『こら、健! 邪魔すんなって』

原田『裸に恥じらい持つな! 脱ぐ時は勢い良く行け!』

名倉『お前はいきなりなに言うてんねん?!』

南原『つまり! 笑う犬を好きでいてくれてありがとうってこと! そう言いたいんだよな?』

内村『まあ、うん。そんな感じ。我々も復活することにしたから今後はライバルと
    言いますか、お互い切磋琢磨して頑張りましょうということで……』


堀内『負けないからなー!』

原田『プロの実力を見せてやる!』

名倉『まだ見つかってへんメンバーたくさんいるけど、そいつらの分まで全力でやるわ!』

南原『いつか、今度はテレビ局の中で直接会おう!』

内村『では、その日が来るまで。さようなら、と』

『バイバーイ!』


プツン。


苗木「笑う犬が復活するの?!」

葉隠「マジか!」

霧切「娯楽番組を放映するということは、いよいよ安全になってきたみたいね」

十神「クク、十神財閥再興の時は近い……!」

山田「本職のお笑い芸人に認められましたぞ! こ、これは僕も芸能界入りフラグか?!」

江ノ島「まー、今はオタクの芸人多いし意外とイケんじゃね?」

セレス「番組主題歌を歌うわたくしも歌手デビューが近いですわね」

舞園「第二の宇多田ヒカルですか。いいですね!」

戦刃「わあ、凄いなぁ」

桑田「おっしゃあ! やる気が出てきたぜ! 早速今日も撮るか!」

大和田「セットの準備は出来てるぜ!」

苗木「よーし、それじゃあ……」




「レディ――アクション!」


― すれ違いざま

― ほほえみくれた


隊員『みんな、楽しそうだなぁ』

ミル『もう私達の助けは必要ないみたいね』

小須田『少し寂しいけど仕方ない。私達は最初から消える運命なのだから』


― 二度と会えなくたっていい

― 君が居たからLUCHYだ


益江『あなた……お疲れ様』

エミリ『お父さん、格好良かったよ』

小須田『益江、エミリ……』

益江『これからはずっと一緒よ』

エミリ『外国の話してよ!』

小須田『……参ったなぁ。あぁ、何から話そうか』


― やったやったやったやった

― 息を吸える 息を吐ける

― やんなるぐらい健康だ

― everybody say やったー!


隊長『僕達は消えるけど、僕達がいたということ。そして思い出は消えない――』

隊長『辛い時はいつでもこの言葉を思い出して欲しい』


― G R ダブルE N LEAVES

― G R ダブルE N LEAVES


はっぱ隊『ヤッタ!!』



―  バイQ!  ―



「ヤッタ! 無事に完走したぞ!」

「ヤッタ! これで元々やってた方のスレに注力出来る!」

「ヤッタ! 書き溜めしてる他のスレも立てられるぞ!」

「ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ! ヤッタ!」


……というのは冗談で、これにて無事投下終了となります
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。

当初の予定では150レスくらいかなーと思っていたのですが、皆様の熱い笑う犬愛と
どんどん増えていく小ネタでいつの間にかここまで伸びてしまいました。

もしこのスレがキッカケで笑う犬やダンガンロンパに興味を持って頂けたなら幸いです。
1はまだ別のダンロンスレ書いているし、過去にもいくつか完結作品(短編ギャグ)が
あるので、原作プレイして鬱になったーという人は是非気軽に読んでみてください

それでは最後にもう一度、最後まで読んでくれてありがとうございました!


そういえば、1もこの間動画見て気付いたけどはっぱ隊の
PVにHOPEって文字が映ってる場面があるんですよ。知ってました?


ラストおまけ(苗木達がやったコントのワンシーン)


― 色当てゲーム ―


苗木『ドドメ・ドドメ・ドドメ』

十神「ど、どどめ?! なんだ、その色は?! そんなの三つもある訳ないだろう!」

モノクマ(江ノ島が操ってる)「十神アウトー」

十神「ふざけるな! ふざけるなよ! ふざけるなああああ!!」

カラシの海に顔面から突っ込む十神。ちなみに、何故か十神の時ばかり難しい問題が出る。


― ドS探偵 ―


霧切「葉隠君の指を折れば何か閃きそうだわ」

葉隠「なんでだべ?!」

霧切「桑田君でもいいのだけど」

桑田「――俺、助手やめます」


― エンジェルちーたん ―


大神が不二咲を二人羽織りしてマッチョに見せてる。怪力な天使が起こすドタバタ劇。

不二咲「ゴメンねぇ……僕、ひ弱だから……」グシャッ

山田「三日間徹夜で作った力作フィギュアがああああああああ?!!」


― エスパー宇宙人サーヤ ―


サーヤ「超能力を使えばなんでも解決! 例えば、物理的に気になる彼の心を盗むことも出来ます☆」

大和田「物理って……それ心臓えぐってんじゃねえか……」

サーヤ「他にも、腐川さんの小説の文字を全て『ぬ』に変えたり」

腐川「なんて陰湿な嫌がらせなのっ?!」

サーヤ「一文字で世界を表現出来るのは腐川さんだけです。是非挑戦を!」キリッ

腐川「イヤよ!!」



本当に終わり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月13日 (月) 20:19:54   ID: Z3smN3b3

笑う犬とダンガンロンパのクロスは面白いですね!これからの展開に期待します!

2 :  SS好きの774さん   2017年03月11日 (土) 18:46:03   ID: tJnKajWL

ダンロンとクロスしているキャラ全然知らなかったけど面白いかったです。

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