ローラ「ありおりはべり」上条「いまそかり」 (14)

ローラ「お腹空きけり」

上条「……え?」

ローラ「お腹空きけり」

上条「……えと」

ローラ「お腹空きけり、と申してるなり?」ジト

上条「いや、あの……」

ローラ「お腹いっぱいご飯を食べさせてくると嬉しきなり」ニッコリ

上条「あぁ、うん、そのさ。美人さんにはすっごく申し上げにくいんだけど」

ローラ「許す、申してみるなり」

上条「言葉遣い、色々違ってんぞ?」

ローラ「ありえなきことなり!?」


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上条「狭苦しいとこすけど、ま、どうぞ」ガラガラ

ローラ「忝きなり」シズシズ

上条「……ええっと、俺は上条当麻って言います。見ての通り、学園都市の学生っす」

ローラ「上条、当麻。……ふむ、所縁おおさうな名前なりけり」

上条「そ、そうかな? 風水とかオカルトとかは、あんま詳しくないすけど」

ローラ「しからば、私も名乗りはべり」ススッ

上条「あ、はい」

ローラ「……ごほん。イギリス清教が最大教主(アークビショップ)、ローラ・スチュアートとは私のことなり」

上条「ビ、ビショップ!?」

ローラ「いかにも。敬ってよかりしよ」エヘン

上条「……ってことは、つまり、とっても偉い人……なのかなあ?」

ローラ「端折りすぎし」ジト

上条「ス、スンマセン」

ローラ「……まあ、当たらずとも遠からざるなり。されどこの部屋は、暑かりけりしね」グテ

上条「……あー、そうなんすよ。昨晩の落雷でエアコンが壊れちまってて蒸し風呂に。ちなみに今のは暑かりはべりが正しかったかな」

ローラ「ま、またしてもなりか? くっ、土御門、私を長年謀り侍るは、重罪なりきよ」ガジガジ

上条「……土御門?」

上条(……いや、まさか、ねぇ?)

ローラ「さておき、日本は湿気多き国と聞き及びしが……、さすがに目に余れり。しばし待たれり」ゴソゴソ

上条「それは普通に待ちたまへ、だったかな。……つーか」

上条(なんでこの人、胸元からスマフォ……う、すげ、なんだこのボリューム)ドキドキ

ローラ「淑女の肌の覗き見は感心せざれり……はべり?」

上条「あ、い、いや! その、つい!」

ローラ「あたりけるや?」

上条「……え? あ、あぁ、言葉のほうか。えと、多分正解かな」

ローラ「よきなり」ニコ

上条「う゛」ドキン

上条(……や、やっぱいいな。包容力ありそうな人って)

宅配人「毎度ありがとうございました。万が一水漏れなどの不具合がありましたらこちらの番号までどうぞ」ペコリ

上条「はい、どうもした」


――バタン


上条「…………」チラ

ローラ「あ~~~~、いと快適なり」ブワー

上条「……そりゃ何よりっす。あの、本当に代金よかったんすか?」

ローラ「些事なり些事なり。何事も命には代え難し」ヒラヒラ

上条「そ、そこまで暑かったんすね」

上条(……ああ、でも、この人イギリスから来たらしいこと言ってたんだっけ。北欧の人にゃさすがにきついか)

ローラ「古今東西、科学の罪の多大なるや。されど文明の利器、手放しがたきなり」

上条(言動からしてちょっとあれだけど、美人だし、なんか面白いな、この人)

上条「あぁ、そだ。今さらなんなんすけど」

ローラ「なんなりし?」チラ

上条(そこはなるにはべらむ……って、そんなのは後でいいか)

上条「その、なんでお姉さん、うちのベランダに引っかかってたんですか?」

ローラ「……む、それは」

上条「……あ、もし言いたくないんなら、無理にとは」

ローラ「……聞くも涙、語るも涙なりしよ?」

上条「そ、そこまでよんどころのない事情が?」

ローラ「まさしく。まずはハンカチを用意したまへ」

ローラ「さるけりしもあり、部下には冷血女だの悪魔だのとのたまわれしが」ヨヨヨ

上条「……うん、……うん」グス

ローラ「されど世のため人のため、何より過酷な運命を背負う少女のため、私は心を鬼にして」ポロポロ

上条「……そりゃあ、辛かったなぁ」グスグス

ローラ「しかれど、私にも責はあり。まだ若かりし、ピチピチなりしよ。下々に対する気遣いと言葉は、未だ未熟なり」ゴシゴシ

上条「周りの奴らも鈍いっつうか、どうして察してやれないかなぁ。鈍感ってホント罪だよなぁ!」オイオイ

ローラ「わ、わかりてくれはべるや!?」ガバッ

上条「そりゃもう、何があろうと俺だけはお姉さんの味方っすよ!」グッ

ローラ「あぁもう、愛いやつなりね!」ダキッ

上条「うわっ!?///」ムニュ

ステイル「…………」

神裂「やれやれですね。どこへ雲隠れしたのかと思いきや、まさか一般人の下に転がり込んでいたとは」

ステイル「…………」

神裂「……ステイル? どうしました? さっきから黙り込んでいるようですが」

ステイル「……神裂。あの女は、いったいどういうつもりなんだ?」ギン

神裂「さて、私に聞かれても困りますが。元々考えの読みにくい人ですからね」

ステイル「もうじき僕らはあの子の記憶をまた殺さなきゃいけないんだぞ。なのに」ワナワナ

神裂「突然仕事を放り出して我々の手間を増やすような真似をした。確かに気にかかりますが――」

ステイル「くそっ、今に見ていろあの女! いつか必ず僕の前で跪かせてやる!」ワナワナ

神裂「完全に悪役の台詞ですね」

本日は以上です
ローラメインでまったりと一巻終了まで、いければいいなあ・・・

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