矢吹丈「明日は学園都市でも寄るか…」 (138)
上条「不幸だ…」
上条(私こと、上条当麻は訳あって記憶喪失になってしまった)
上条(その経緯とこの町の情報、俺の自身の事については、あのカエル顔の医者から簡単に聞かされた)
上条(あのインデックスと名乗る子の事すら、良く思い出せない)
上条(守らなければならないという使命感だけが心にあるだけで)
ガヤガヤ
上条(しかし、やけに廊下が騒がしいな…)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1377414909
※注意
・とある×あしたのジョーのクロスss
・ 上条さんが若干、拳キチ化(拳闘キチガイ)します
・ 互いの作品のイメージを崩す可能性があります
・ ジョー本編より10年後の話で、ジョーが生存って設定になってます
【退院当日】
上条「お世話になりました」ペコ
冥土帰し「うん。これから色々大変だろうけど負けないようにね」ボソ
禁書「さあとうま、お家に帰るんだよ!」
上条「ああ」
ピーポーパーポー
医者「すいません!急遽患者が10名ほど」
スキルアウト「う…ぅあ…がぁあ…」ピクピク
冥土帰し「はぁ…またか」
上条「またって…?」
冥土帰し「最近どうも『スキルアウト狩り』が流行ってるようでね」
上条「スキルアウトってたしか不良集団の…?」
冥土帰し「ああ。相手が不良とは言えこの惨状には、いささか同情の念が湧くね」
冥土帰し「私が医者という立場を抜いて見てもね」
上条「そんなに酷い目に合ってるんですか?」
冥土帰し「アゴを破壊されたり、内臓を破裂させられたり…もう連日、大変な騒ぎだよ」
上条(さっき廊下が騒がしかったのは、それが理由か)
冥土帰し「ま、君も気をつけるんだね」
上条「いや俺は…」
冥土帰し「ははは、冗談だよ。お大事に」
禁書「ただいまー」ガチャッ
上条(ここが…俺の家)
禁書「それじゃ早速、御飯にするんだよ!」
上条「えぇ、いきなりですか」
禁書「つべこべ言わないで早く作ってほしいかも!」
上条「へいへい」
~~
禁書&上条「いただきまーす」
禁書「あ、そういえばとうま。今日はDVD見ないの?」
上条「DVD?何かレンタルしてたか」
禁書「ほらボクシングの、ジョーのDVDだよ」
上条「ジョ、ジョー?」
禁書「ほらこれ」ススッ
上条「なになに…矢吹丈?」
禁書「何を惚けてるのかな、当麻はいつもこのDVD見て熱くなってるんだよ」
上条「ま、まじっすか…?」
禁書「そうだよ!この間なんかも、こもえの家で3人で一緒に見たじゃないとうま!」
上条「へ?あ、ああ~そういえば~そうかもな~(棒)」
上条(人の家で何やってんだ俺は)
pppp
上条「あ、携帯…」
上条「なになに…『黄泉川愛穂』?」ピッ
上条(知り合いか…困ったな…)
上条「はい、もしもし」
黄泉川『おう上条。夏休みの補修の方はどうだ?』
上条「……補修?」キョトン
黄泉川『またまた惚けて。しっかり勉強するじゃん』
上条「はぁ…」
黄泉川『まあそれはさておき…いい加減DVD返してくれないか?』
上条「はい?」
黄泉川『ジョーのDVDだ。忘れたとは言わせないじゃん』
黄泉川『泣きながら私にDVDを貸してくれって、頼んできたのはドコのどいつじゃん』
上条「な、泣きながら!?」
黄泉川『そうだ!たしか数ヶ月前に…』
【数ヶ月前】
黄泉川「今日の体育は雨だから、外での授業は中止!」
黄泉川「ってな訳で教室でDVDを見るじゃん」
吹寄「なんのDVDでしょうか?」
黄泉川「ボクシングのDVDじゃん」
青ピ「えーボクシングなんてつまらんわ。ぼくは萌え萌えな女の子が出てくるのがええなぁ」
土御門「青髪に同意だにゃ~」
吹寄「静かにしなさい貴様達!」
上条「zzz」
吹寄「こら起きろ上条!」ゴン
上条「あが!?」
吹寄「もう授業が始まるぞ」
上条「あ、ああ…」ボケー
キーンコーンカーンコーン
黄泉川「はい、今日はココまでじゃん」
青ピ「全く汗臭くて適わんわ」
土御門「あのホセとか言うチャンピオンすげえ強かったにゃ~」
土御門(俺の体術もあれ位強くならないとな…)
吹寄「矢吹丈って、とんでもない不良だと聞いてたけど、あの根性は見習うべきね」
上条「……」
土御門「ん?どうしたカミやん」
上条「……」ボロボロ
土御門「って泣いてるぜよ!?」
青ピ「どうしたんやカミやん、目にゴミでも入ったんか!?」
上条「す、すげぇ…」グスグス
土御門&青ピ「へ?」
黄泉川「どうしたんだ」
上条「先生!!」
クラスメイト「!?」ビクッ
黄泉川「な、なんだ上条」
上条「他にもありますか?矢吹丈の試合のDVD」
黄泉「あ、あるけど…」
上条「俺、矢吹丈のファンになりました!!」ボロボロ
上条「お願いします!!!DVD全部貸してください!!!」ドゲザ
全員「!?」
上条「俺も…あんな風になりたい…」
上条「どんなに追い詰められても立ち上がれる…燃える男になりたい!!」
~~~
~~~
黄泉川『矢吹丈の様に燃える男になりたいって泣き叫んでたじゃないか』
上条(何やってんだ俺…)orz
黄泉川『私は基本学校にいるから。近いうち宜しく頼むじゃん』ピッ
上条「はぁ…はぁ」
上条(まさか上条さんが熱狂的なボクシングファンだったなんて…)
禁書「それでとうまはどうするの。今日は見ないの?」
上条「……」
上条(見たという記憶が今の上条さんには無い訳だ…黄泉川って人に返すなら今のうち見ておこう)
~数分後~
上条「うおおおおお!!立て!!!立つんだジョオオオオ!!!!」ボロボロ
上条「ホセのキングオブキングという風潮…いや!その幻想をブチ殺せ!!!!」グスグス
禁書「とうま、ちょっと騒がしいかも」
『矢吹、ダウン!』
上条「ジョー…ジョオオオオオオオオ!!!!」orz
~~
舞夏「今日もお隣は酷くうるさいのだ」
土御門「全くだ。勘弁してほしいぜカミやん」
上条(上条さんは見事にボクシングファンに…否、再び矢吹丈のファンになった)
上条「インデックス、もう一回見て良いか?」イケメンAA
禁書「もう今日で5回目だよ!早く寝るんだよ!」
【次の日・放課後】
上条「はぁ…補修疲れた」
上条「早く家に帰って、DVDを見たい」
上条「昨日はホセ戦だったからな…今日はカーロス、金竜飛、ハリマオ…どの試合を見ようか」wktk
不良1「ねぇねぇ、君可愛いね~」
女生徒「え、ええ…??」ビクッ
上条「……?」
不良2「俺達と一緒にお茶しない?」
女生徒「え…いや…その…」ビクビク
上条「……全く、買い物済ませて、早く家に帰りたいのに」
上条「しかしあの人数、ざっと10人以上いるぞ」
上条「はぁ……不幸だ」
上条「ちょっと君達!」
女生徒「え…」
不良達「あぁ?」
上条「彼女、困ってるじゃないか」
不良3「なんだコイツ…?」
不良4「なに正義面してんの?」
上条「……」ゴクリ
不良5「おい、やっちまおうぜ」
上条「……わかった。仕方ないから相手になってやる」
不良6「随分、自信ありげだなぁコイツ…」パキパキ
上条「……少し場所変えようか」
不良7「しゃあねえな。君、今日は帰って良いよ」
女生徒「は…はい…」ビクビク
上条「……」
~~~
上条「……よし、この辺で始めようか」
不良9「覚悟しろよ」ゴキゴキ
不良10「せっかく女の子と遊ぶ時間を潰してやったんだ、ありがたく思えよ」パキパキ
上条(さて、逃げる準備と心構えを…)ソロリ
不良11「おう来たぜ」
上条「え」
不良12「生意気な野朗ってのはそいつか?」
上条(ぞ、増援!?)
不良1「へへへ…事前に増援を連絡しておいたぜヒーロー君」
不良2「なんせ最近、スキルアウト狩りをしてる奴がいる位だしな」
不良3「念には念をってね」ニヤニヤ
上条(ヤバイ完全に囲まれた…!!30人はいるんじゃないか!?)
上条(今日は早く帰ってDVDを見たかったのに…)
「おう、随分賑わってるじゃねえか」
BGM↓
http://www.youtube.com/watch?v=3T5xnbZNAlw&list=PLB76B9D32610AD04B
全員「!?」
「俺も混ぜてくれよ、その喧嘩」
不良1「あぁん?なんだお前」
「ただの風来坊よ」
不良2「なんだよそのコートに帽子、ダッセエ格好だな」
上条(だ、だれだ…ってあれ?)
「……」
上条(あの人まさか…)
上条(でも、昨日ネットで調べたら死んだって噂も合った気が)
不良1「どうする?」
不良2「良いんじゃね?加勢するなら歓迎だぜ」
「おいおい、俺はそこのウニ頭をリンチしたいんじゃねえ」
「やっこさん達をぶっ潰してやりたいのさ」
不良1「やっこさん?なんだそりゃ」
不良2「豆腐の事か?」
「あほんだら、そりゃ冷やっこだ」
不良2「あ?」
「しっかしなんでぇい、最近の若ぇのはやっこさんの意味も知んねぇのけぇい」
不良達「……」
「へへ、来な。遊んでやるよ」
不良1「おらぁ!!」ブン
「おせえ」ササッ
「わきを締めて、内側にえぐり込むように…」
「打つべし!」ヒダリジャブ
ボォォン
不良1「がっ……!!」ガクン
バタッ
上条(リーダーらしき人を一撃で倒した…!!)
不良1「」ピクピク
「なんだ情けねぇ…ジャブ一発で血ヘド吐いて、オネンネかい」
不良2「くっ…おい!!やっちまえ!!」
「おわああああ!!!!」ダダッ
不良達「」ピクピク
「なんでぇい、つまんねぇ」
上条「す、すごい…」
上条(やっぱりあの人は…)
上条(いやでもそんなはず…)
不良29「まだ…まだ…」ムクリ
「ほう、まだ意識合ったのかい」ミギストレート
不良29「…!!」
上条(速い!!コレはきまッた!!)
ブンッ
上条(え…)
「チッ、外しちまった」
上条(あの至近距離で、それに相手も避けてないのにどうして…)
「やっぱり右方向は上手く当たらねぇな…」
不良29「び、びびった…」ガクガク
「ぅぅ…」ガクン
上条(今度は倒れた!?)
「いけねえな…『また』目まいがしてきやがった…」グラッ
不良29「良くわからんが今のうち…!!」
「……っ。やべえなこりゃ」
上条「させるか!!!」ボゴォォン
不良29「ぐはぁ…!!」ドサッ
「ぅ…ぅぅ…」
上条「大丈夫ですか!?」
上条(ダメージは受けてないハズなのにどうして…)
「わりぃな…ちょいと二日酔いでな…」
上条「は、はぁ」
上条(でもその割にはあまりお酒臭くない気が…)
不良30「まだ…まだ俺が残ってるぞ!」バチバチ
上条「っ!?能力者か!!」
不良30「そうだ、おれはレベル2の電撃使いだ!」バチバチ
不良30「喰らえ!!」バチチ
「よ、避けなきゃ…」ムクリ
上条「うおおお!!」キュイーン
不良30「な、電撃が消えた!?」
「ウニ頭の兄ちゃん、あんたも能力者なのか…」
上条「いや、おれはレベル0ですよ」ダダッ
「まちな」ガシッ
上条「え…」
「やっと骨のある奴と闘えそうだ…へへへ、燃えてきたぜ」ニヤッ
上条「ちょ、ちょっと…フラフラじゃないです!」
「二日酔いなんざ…気合で乗り越えてやるぜ!」
「へへへ、へへ…」フラフラ
不良30「気味の悪い奴だ…死ねぇぇ!!」バリバリ
「……」サッ
不良30「な…電撃を避けた!?」
「こんな鈍ら電撃より、ベネズエラの大将のパンチの方が速かったぜ!」
「おわああああ!!!!」ミギストレート
不良30「っ!!」
ブンッ
「……また空振りか。やっぱり右はダメだな」アタマツカム
ガシッ
不良30「うっ…!!」
「あばよ!!」ズツキ
ゴォォン
不良30「がぁ…は…」ドサッ
「ぅぅ…頭突きなんてするもんじゃねえな…ますます『酷く』なりそうだ」フラフラ
上条「酷くなる…?」
「ああ、こっちの話だ。気にすんな」
「それよりありがとうな、さっきは助かったぜ」
上条「いえ…逆に助けられてしまって。感謝してます」ペコッ
「……ま、今回は俺がいて命拾いしたな」
上条「ははは…」
「じゃあな、若ぇの」
上条「あ、待って下さい!」
「なんでぇい」
上条「あの…何かお礼を」
ああ結構だ。そういうの」
上条「いえ何か…それに二日酔い?なんですよね」
上条「ウチで休んでいきませんか?夕飯をご馳走するので」
「……」ピクリ
「……ここ数年、誰かと夕飯を食べた記憶なんてなかったな」
上条「っ!それじゃ…」
「ああ、これも何かの縁だ。お言葉に甘えて頂くとするよ」
「家庭の温かいご飯ね…楽しみだ」
上条「あの…」
「なんだいウニ頭の兄ちゃん」
上条「ウニ頭じゃなくて、私には上条当麻って名前がありまして…」
「ああわりいなぁ上条。んで何だい?」
上条「あの…間違えたらすいません」
「おう」
上条「もしかして、元ボクサーですか?」
「……どうしてそんな事を聞くんだい」
上条「いや~上条さんの好きなボクサーに似てるから、もしかして~…っなんて思って」
「……」
上条「すいません。人違いですよね」
「もうあれから10年経つってのによ、まだ俺のファンとかいるのかい」
上条「え」
「上条、俺の…俺の名前はな」
矢吹「矢吹丈って言うんだ」
なんでジョーさん学園都市にいられるんの?
カエル医者関係?
今日はココまでです
どれ位続けられるかわからないけど
(もう30年以上も前の作品をクロスさせてるので、需要的に不安が無いかといったら嘘になる)
一応書いてく予定です
>>29
検問とかに引っかかりたくないので、ひっそりと学園都市にきました
カエル医者は関係ない。今の所
なぜココに来たかは旅のついで、気まぐれ
しかしなぜ学園都市付近にいたのかは後々、物語の中で明かされます
【学生寮前】
上条「……」ジーン
矢吹「フュ~フュフュフュ~」クチブエ
(口笛の曲:http://www.youtube.com/watch?v=UBzGrCDG7r4)
上条「……」ボロボロ
矢吹「ん、どうしたんでい。涙なんか流して」
上条「上条さんは今、幸せです」
上条「……まさか、あの伝説のボクサーに会えるなんて夢みたいで」グスグス
矢吹「そうかい。しかしお前さんも物好きだな」
矢吹「10年前に世界タイトルマッチに挑戦し、敗北したボクサーのファンとかよ」
【学生寮・階段前】
矢吹「んで、お前さんの部屋は何階なんでい?」コツコツ
上条「7階です」コツコツ
矢吹「へぇ…しかし、コレが学生寮ね。これまたご立派な建物だぜ」フラフラ
上条「いやいや、学園都市のレベルで見ればヘボい寮ですよ」コツコツ
矢吹「んなこた無ぇさ、羨ましいね最近の学生さんは」フラ~
ツルッ
矢吹「うお!?」
ズデーン!
ゴロゴロゴロ…
上条(か、階段からずっこけた!?)
矢吹「あいたたた…」アタマサスル
上条「だ、大丈夫ですか!?お怪我は…」
矢吹「ああ、これ位大したこたぁ無ぇ」
矢吹「こんなのここ10年位、日常茶飯事なもんよ」
上条「に…日常茶飯事!?」
矢吹「ああ、毎日が二日酔いみたいなもんでね」フラフラ
上条「……」
矢吹「へへへ…少しは酒の量を減らさねぇとな」
上条「ただいま~!!」
矢吹「ごめんくださーい」
禁書「あ、とうまお帰り!」
上条「インデックス、今日は上条さん大奮発して晩飯、ステーキにしちゃいますよ!」
禁書「え、ほんとう!?やったー!!」
上条「少し待っててな、いま調理するから」
禁書「うん。でもどうしたの突然……」
上条「ふふふ…上条さんのお隣にご注目アレ!」
禁書「隣…?」
矢吹「よお」
禁書「あーーー!!!ジョーだ!!!!」
矢吹「おお、白い姉ちゃん。お前さんも俺を知ってるのけぇい」
上条「あ、紹介します。居候のインデックスです」
矢吹「へ~異国のシスターさんかい」
禁書「宜しくねジョー!」
矢吹「おうよ、しかしなんだって上条の家に居候を」
上条「それには山よりも海よりも深い訳が…」
禁書「うん……そうそう」
矢吹「ふ~ん、てっきり上条の彼女かと思ったぜ」
上条「ぶほぉ!?」
禁書「や、やだなもうジョーったら///変なこと言わないで///」ドキドキ
上条「イヤイヤありませんから!なんでこんなお子様体型のインd」
禁書「……と~う~ま~」ギラッ
上条「」ビクッ
上条「な、なな、何でそんなに睨んでるんでせうかインデックスさん…そしてなぜお口を開けt」ダラダラ
ガブッ
上条「ぎゃああああああああ!!!!」
矢吹「はははは、こりゃ過激な愛情表現だな」
上条「た、助けて矢吹さぁぁん!!」
~~~
全員「いただきまーす」
矢吹「悪いな。飯を作って貰っちゃって」
矢吹「しかもステーキと来たもんだ、ありがてぇや」
上条「いやいや。あの伝説のボクサーを家に招いてるんですから」
矢吹「伝説のボクサーね…それが俺の今の通り名かい」
上条「ええ、そうですね」
禁書「現役の頃は何て呼ばれてたのかな?」
矢吹「ロクなもんじゃないさ」
矢吹「殺し屋だの、死神ジョーだの…全く頭くるぜマスコミの連中も」
禁書「そ、それは確かに嫌なんだよ…」
矢吹「まあ…色々あったし、否定はできねぇけどよ」ボソ
禁書「あっ………ごめん」シュン
上条「……?」
矢吹「しっかし、インデックスの肉はやたらデカイな」
禁書「えへへへ~」バグバグ
矢吹「この食いっぷり…まるで西だな」
上条「西?」
矢吹「俺の親友だよ」
矢吹「それに引き換え上条、なんだってお前さん、肉が小さいんだい」
上条「あははは…上条さんは少食なんで…」
矢吹「……上条、皿を交換しようぜ」
上条「え?」
矢吹「成長期なんだからよしっかり食えよ、ホラ」ササッ
上条「わわ、ちょ!?ダメですよ!矢吹さんはお客さんですから、一杯食べないと」
矢吹「あとご飯もやるよ。俺はこの小さいステーキだけで充分だ」
上条「矢吹さん!」
矢吹「良いんだよ。お前のその気持ちだけで…もう充分だ。感謝してるぜ」
上条「でもこんな小さいステーキで…それにご飯も無しなんて…」
禁書「とうま、ご飯いらないなら頂戴」
上条「お前は食いすぎだ!」
矢吹「……あん時食ったステーキは美味かったなぁ」
上条&禁書「え?」
矢吹「あれは東洋太平洋戦の日だった。時間ギリギリまで減量して、その後に食った…小さなステーキ」
上条「そんなに切羽詰まった減量だったんですか?」
矢吹「……おっつぁんが余計な事しやがってよ、お陰で再計量する羽目になったんだ」
矢吹「でも、おっつぁんからのオゴリだったあのステーキは…忘れられねえ、美味かった」
禁書「げ、減量なんて…私にはとてもじゃないけど無理なんだよ」ガクガク
上条「やっぱり、減量って相当キツイのでしょうか?」
矢吹「まあ普通に考えりゃキツイ訳だが……」
矢吹「……深くは答えられねぇ」
禁書「えー教えてよー。減量ってどんなに大変なの?」
矢吹「……」
禁書「ねーねー」
矢吹「……申し訳ないんだよ。あいつに」
上条&禁書「え?」
矢吹「話を濁して悪いな。さっ、食おうぜ」
~~~
全員「ごちそうさまでした」
矢吹「ありがとよ、んじゃ帰るわ」スクッ
上条「あ、待って下さい!」
矢吹「なんでい」
上条「あの…泊まっていきませんか?」
矢吹「いやいいよ、じゃあな」
上条「あ…待って下さい!!お願いがあるんです!!!」
矢吹「今度はお願いと来たか…なんでい藪から棒に」
上条「……」
上条「不肖、この上条当麻に……」
矢吹「おう」
上条「ボクシングを教えてください!!!」
~~~
全員「ごちそうさまでした」
矢吹「ありがとよ、んじゃ帰るわ」スクッ
上条「あ、待って下さい!」
矢吹「なんでい」
上条「あの…泊まっていきませんか?」
矢吹「いやいいよ、じゃあな」
上条「あ…待って下さい!!お願いがあるんです!!!」
矢吹「今度はお願いと来たか…なんでい藪から棒に」
上条「……」
上条「不肖、この上条当麻に……」
矢吹「おう」
上条「ボクシングを教えてください!!!」
矢吹「な、なにぃ~!?」
上条「俺、矢吹さんに憧れてるんです」
上条「何度倒されても立ち上がる不屈の闘志…」
上条「そしてあの鮮やかなクロスカウンター…!!」
上条「俺も矢吹さんみたいに…真っ赤に燃え上がる強い男になりたいんです!!」
上条「お願いします!!!!」ドゲザ
矢吹「……」
上条「……」
矢吹「……」
上条「ダメでせうか…?」
矢吹「……」
禁書「……私からもお願いなんだよ」ペコ
上条「インデックス…!」
禁書「とうまはね、お人よしで穏やかでね、滅多に人に無理なお願いなんてしない人なんだよ」
禁書「そんな、とうまが熱くなる時はいつも、誰かを守りたくなる時か」
禁書「ジョーの姿を追いかけてる時だけなんだよ」
矢吹「……」
矢吹「……わかった、いいぜ」
上条「ほ、本当ですか!?」
矢吹「ああ、丁度良い暇つぶしになるしな」
矢吹「早速、明日からの朝4時半から特訓だ」
上条「はい!!」
禁書「よ、四時半!?」
矢吹「言っとくが俺は鬼より恐ろしいぜ…覚悟しな」
上条「は、はい!!!」
矢吹「……それと、条件がある」
上条「はい!なんですか?」
矢吹「おれは相当、気まぐれな男よ」
矢吹「ある日、突然消えることも可能性的にある。その時点で、俺との特訓は終わりだ」
上条「え?」
矢吹「一日一日の特訓が最後だと思って、死ぬ気でやれ」
上条「え、いや、あの、それはどういう意味で」ドギマギ
矢吹「わかったのか?どうなんだい!!」キッ
上条「あ、は、ははいいい!!!」ビクッ
矢吹「んじゃ、おいとましますわ」
上条「あ、だから、泊まってってください!」
矢吹「いやだからいいって」
禁書「そういえばジョー」
矢吹「ん?」
禁書「学園都市のどの辺に住んでるの?」
矢吹「ドコに住んでるかって?おれはドコにも住んでないぜ」
上条&禁書「え」
矢吹「おれは風来坊…旅人だからな」
上条&禁書「た、旅人!?」
矢吹「おうよ、もうかれこれ10年は日本中を旅してる所だ」
矢吹「それで本来、学園都市でなく、浅草の泪橋(なみだばし)に帰郷して」
矢吹「その後、東北、北海道……シベリアに行こうと思ってたんだ」
上条「シ、シベリア!?」
禁書「そ、それってロシアなんだよ!」
矢吹「だが何となく、学園都市の存在が気になってな、3ヶ月前にここに来た」
上条「随分前から来ていたんですね」
矢吹「まあな。本当は1週間したら浅草へ帰ろうと思ってたんだが」
矢吹「この辺の子供らと仲良くなり、情が移っちまって…ズルズルとな」
矢吹「俺、子供と遊ぶの、割と好きなんだ」
上条「そ、そうだったんですか…」
禁書「所で普段はどうやってご飯食べてるの?」
矢吹「パチンコで生計を立ててる」
上条「パ、パチンコ!?」
矢吹「へへ、俺の賭博術は超プロ級だぜ。毎日大当たりよ」
上条「上条さんとは大違いですぜ…」
上条「でも、だったら尚更…」
矢吹「そうは言ってもな…既に居候がいるようだし」
禁書「私は大歓迎なんだよ!」
矢吹「……」
禁書「家族が増えて楽しくなるね!」
矢吹「家族…か。一匹狼、矢吹丈には似合わないね」プイッ
上条&禁書「……」シュン
矢吹「……」
矢吹「でもまあ…良いか」
上条&禁書「ほ、本当(ですか)!?」
矢吹「ああ、悪くねぇ…悪くはねぇよ」ニコッ
上条&禁書「やったあああぁぁ!!!!」ハイタッチ
矢吹「へへ…まあ、ヨロシク頼むわ」
今日はここまで
次回は、日常(夜)&特訓パート
決闘パートは、もうちっと待ってて
恐らくだけど、最低でも一期まではやるかと
2期はやりたいけど、やるとしたら多分途中まで
エンデュミオンはまだ見てないかな
後で見て、もしも話が繋げられそうなら考えるかも
後、深くは言えないけどラスボスは決まってます
一方さんではない
今から編集するので、もう少ししたら投下します
上条「それじゃ、そろそろ寝ましょうか」
矢吹「そうだな」
上条「それで寝床なんですが…」チラッ
禁書「む…なんでこっちをみるのかな」
矢吹「おれはベランダでいいよ」
上条「っ!?な、何いってるんですか!風邪引きますよ!」
矢吹「大丈夫だって、おれは何年も野宿で暮らしてきたんだ」
上条「それでもダメです!」
矢吹「それじゃ洗面所ってのはどうだい」
上条「ま、まあ…そこが妥当なんですが…」チラッ
禁書「だから何でコッチを見るんだよ」
上条「あ、それで、パジャマ貸しますよ」
矢吹「ワリぃな」ウケトル
矢吹「お、Yシャツか…久しぶりだな」
禁書「ジョーはいつも同じ格好なの?」
矢吹「まあそんな所だな」ウワギヌグ
矢吹「………」
矢吹「…ん……くっ…」ググッ
上条&禁書「?」
矢吹「くっ…くそ…こんにゃろ…」ググッ
上条「矢吹さん……?」
矢吹「くそ…くっ…ぅぅ…」
ブチッ
矢吹「あ……」
上条(ボタンが取れた…)
禁書「ジョーって、もしかして結構、不器用なのかな?」
矢吹「………」
矢吹「ああ…そうなんだよ。昔からそそっかしいしよ」
矢吹「へへ、参ったなこりゃ」プルプル
上条「……」
上条「あの、矢吹さん」
矢吹「なんだい」プルプル
上条「手が…震えてますが」
矢吹「……」プルプル
矢吹「俺、冷え性が酷くてよ。たまにこうなるんだよ」
矢吹「本当、たまにな」
上条「はぁ…」
矢吹「悪いな。後で手の震えが止まったらボタンを縫っとくからよ」
上条「いやそんな…」
矢吹「それよりよ、Tシャツを貸してくれないか?」
上条「え、あぁ、はい」
【洗面所】
矢吹「しかしお前さんも本当にお人よしなんだな」
矢吹「居候をベットに寝かすとかよ」
上条「まあインデックスさんは女の子ですし」
上条「俺みたいに風呂場に寝かせると言う訳にも」
矢吹「へへ、まあ…それもそうか」
矢吹「でも、それでもよ、お前さんは俺とは大違いだな」
矢吹「俺なんか少年院にいた頃は、先輩達をブチのめして、布団を集め即席ベットを作ったもんだ」
上条「しょ、少年院!?」
矢吹「ああ、俺がインデックス位の頃かな」
矢吹「色々やんちゃしたもんだ」
矢吹「しかしなんだって、俺なんかを尊敬するのか、不思議でならねぇな」
矢吹「どっちかって言うと、ホセのファンとかになりそうだけどな」
上条「いや!矢吹さんが良いです!!」
矢吹「少なくともあの頃の俺は、お前さんが嫌いそうな男だったぜ?」
上条「でもそれは昔の話であって…とにかく俺は矢吹さんの様になりたいんです!!」
矢吹「……実は今日、お前さんがやっこさん達に囲まれてたの、最初から見てたんだ」
上条「え」
矢吹「ブチのめしてやろうと思ってた手前…お前さんが来たんだ」
矢吹「一目見てわかったね『俺とは違う人種』だってな」
上条「でも矢吹さんは俺を助けて…」
矢吹「結果だけ見ればな。だが俺は根っから『喧嘩屋』」
矢吹「お前さんは喧嘩慣れしてそうだが、『正義の味方』って言った所よ」
上条「……」
上条「俺はただ…矢吹さんの背中を追いかけたいだけです」
矢吹「……」
上条「矢吹さんの試合を見て、腹の底からマグマみたいに、熱いものが込み上げたというか」
上条「とにかく…理屈抜きなんです」ググッ
矢吹「理屈抜きね…」
矢吹「へへ、そうだよな…理屈じゃない」
矢吹「言葉に出来ない、どうしようもない程の熱いものを…リング上で放出し、燃やし尽くす」
矢吹「そして最後には、真っ白に灰になる…」
上条「……」
矢吹「……寝るか、あしたは早ぇ」
上条「はい…」
【早朝・河川敷】
矢吹「準備運動は出来たようだな、今日の予定は?」
上条「9時から3時まで、学校で補修です」
矢吹「サボっちまえそんなの」
上条「上条さんの人生が終わってしまいます!」
矢吹「ああ、わかったわかった」
矢吹「俺もどの道、お前さんが学校に行ってる間やる事がある」
上条「はぁ……?」
矢吹「ボクシングに必要な道具を揃える、その為の資金稼ぎよ」
上条「……?」
矢吹「それじゃまずは、ランニングとダッシュのコンビネーションで行くぞ」
上条「あ、はい!!」
矢吹「はぁっはぁっはぁっ」ダダッ
上条「ぜぇぜぇ…!!」
上条(流石元ボクサー…体力が凄い)
矢吹「よし、ダッシュだ!!」ダダダッ
上条「え、ちょ、待っ」
矢吹「おらああああ!!」ダダダッ
上条「ああ…もうあんな所まで…」ダダッ
矢吹「遅ぇぞ!!早くしろ!!」
上条「はぁはぁ…!!」
矢吹「よし、ざっと10キロは走ったか」
上条「」orz
矢吹「よし、んじゃそろそろパンチの打ち方を教えてやる」
上条「は…はい!!」
矢吹「心して聞きな」
矢吹「あしたの為にその1…ジャブだ。
矢吹「攻撃の突破口を開く為、或いは敵の出足を止める為、左パンチを小刻みに打つ事…」
矢吹「肘を脇の下から離さぬ心構えで、やや内角を狙い、えぐり込む様に打つべし!」
矢吹「……昔、おっつぁんから言われた事だ。やれ」
上条「はい!!」
上条「肘を脇の下から離さぬ心構えで、やや内角を狙い、えぐり込む様に…」
シュッ
上条「打つべし!!」
矢吹「ダメだ、動きが大きい。もっとシャープにいけ」
上条「打つべし!打つべし!!」シュッシュッ
矢吹「力むな、もっと手首を使え」
上条「打つべし!打つべし!!」シュッシュッ
矢吹「おお、良い感じになってきたな。その感覚を忘れるなよ」
矢吹「よし、折り返して家まで残り10キロ走るぞ!」
矢吹「今度は、ランニング、ダッシュ、シャドーの繰り返しで行くぞ」
上条「ちょ、ちょっと待ってください」
矢吹「なんでい」
上条「休憩させて下さい…10キロ走って、シャドー終えたばかりで走るのは…」
矢吹「ああ、わかった」
矢吹「……」
~~~
矢吹「いくぞ」
上条「え、まだ5分しか」
矢吹「つべこべ言ってないで、付いて来やがれってんでい!!」
上条「は、はひ!!」
矢吹「まあ初日はこんなもんか、今日の特訓終わり」
矢吹「ボクシングに必要な物を揃えたら、夕方から夜にかけても特訓だ。いいな?」
上条「は、はひ…」
矢吹「それじゃとっととシャワー浴びて、学校行って来い」
ツルッ
矢吹「うおぉ!?」
ズデーン!
上条「大丈夫ですか!?」
矢吹「あいててて…」
上条「また二日酔いですか?」
矢吹「へへ…どうやらそのようだな」
上条(二日酔いで良くあれだけ走れるな…)
上条(でも…あれ、矢吹さん昨日お酒飲んで無かったような…?)
上条「いってきまーす!」
矢吹「おう」
禁書「行ってらっしゃい」
矢吹「インデックスは日中はどうしてるんだ?」
禁書「日中はヒマかも、早くとうま帰って来ないかな~寂しいんだよ」
矢吹「……よし、決まりだ」
禁書「え?」
矢吹「インデックス、ちょいと付き合えや」
禁書「何をするの?」
矢吹「一緒にパチンコやりにいくぞ」
禁書「パ、パチンコ?」
矢吹「そうだ、ちょいと金が必要なんだ」
禁書「パチンコなんてやった事ないんだよ」
矢吹「大丈夫だ、俺が教えてやる」
矢吹「それと、夕方からは公園で子供らと遊ぶが…いいよな?」
禁書「いいよ」
矢吹「んじゃ行くか」
禁書「うん!」
今日はここまで
三沢塾編は、多分だけどカットするかと
それと、インデックス&レールガンでの実験編を今一度、視聴して内容確認するので投稿に時間かかるかも
(時系列確認とかも)
ジョーがおっつぁんポジションか。丹下の拳と魂は上条さんに受け継がれるのか…。幻想殺しが顎粉砕級のパワーになって一方通行さんの選手生命が危ないww
ちなみに一番好きな対戦は金竜飛です。皆は?
上条さんが伝家の宝刀クロスカウンターを修得するのか……一方さん終わったな
>>93
アニメ版の公園でカーロスに遊ばれるシーンが好きだった
【一週間後の深夜・自宅】
上条(矢吹さんが上条家に来てより、早一週間)
上条(三日前に、矢吹さんがパチンコで稼いだお金で、ボクシングに必要な物を購入)
上条(それから俺の特訓は早朝だけでなく、夕方から夜にかけても行うようになる)
上条「ワンツー!ワンツー!」ボンボン
矢吹「良い調子だ!残り1分間、気合入れろ!!」
上条「はい!!」ボンボン
上条(そして物品が揃ってから三日前より、もう一人練習生が増える)
禁書「ぜぇぜぇ、あしたの為に…うつべし…うつべし…」ヘロヘロ
矢吹「おい!ダラダラやってんじゃねぇ!!」
禁書「だ、だってぇ…」ヘロヘロ
矢吹「もっと気合入れてサンドバック叩けぇねえのかよ!!」
禁書「な、なんで私までボクシング始めなきゃいけないのぉ~…」ペチペチ
矢吹「つべこべ言ってないで、体を動かせってんでい!!」
禁書「縄跳び終わったばかりなのに、体力持たないんだよ…」ペチペチ
上条「あの…なぜインデックスさんにもボクシングを…?」
矢吹「一緒にパチンコをやってた時によ、お前らのこと色々聞かせてもらったよ」
矢吹「インデックスの奴…魔法結社なる連中に狙われてる身らしいじゃねぇか」
禁書「魔法結社じゃなくて魔術結社!」
矢吹「どっちも変わらねぇだろうが!!黙ってサンドバック叩きやがれ!!」
禁書「うぅ…魔術だってば…」ビクビク
上条「あの~…インデックスさんは女の子だからもう少し優しく…」オロオロ
矢吹「バカヤロウ!本当に心配してるならな…あいつを強い女に育てなきゃダメだ!!」
矢吹「自分の身は自分で守れるくらいな」
矢吹「インデックスには、C級ライセンスを取れる実力に育ってもらわなきゃな」
矢吹「よし!今日の特訓は終わりだ!」
禁書「」バタンキュ~
上条「ありがとうございました!」
矢吹「そうだ、お前に話して置きたい事があったんだ」
上条「はい?」
矢吹「近いうちに、スパーリングやるぞ」
上条「ス、スパーリングですか!?」
矢吹「ああ、覚悟しておけよ」
上条「えっと、ご相手は矢吹さんですか?」
矢吹「まあ俺でも良いんだけどよ…だがな…」
上条「はい…?」
矢吹(いきなり俺じゃキツイだろうしな…どうしようか…)
矢吹「んま、とりあえず今日はシャワー浴びて寝な」
上条「あ、その前にDVDで見たい試合があるんですよ」
矢吹「見たい試合?そうだな、勉強になるし構わないぜ」
上条「今日は…レオン・スマイリーとの試合を見たいです」
矢吹「…っ」ピクッ
上条「?」
矢吹「……レ、レオンか、いいぜ」
~~
『おおっと、レオン!矢吹にバッティング!』
禁書「今の絶対ワザとなんだよ!」
上条「試合前にも矢吹さんに、やたら挑発してたし、とんでもない奴だな」
矢吹「……あんまりよ、レオンの悪口を言うのはよそうや、な?」
上条・禁書「え…」
矢吹「初めは頭にもきたけどよ…解りあえば、案外良い奴なんだぜアイツも」
上条「いや~凄い試合でした!」
矢吹「…そうかい、そいつは良かった。んじゃ寝ようか」
上条「あの…明日は補修休みなんで、もうちょっと見たいです」
矢吹「あ、そう。んじゃ何の試合を見るかい?」
上条「それじゃウルフ金串との試合を」
矢吹「……」
矢吹「ウ、ウルフとの試合は…また別の機会の時に見ようや…」
上条「……?それじゃ、力石徹との試合を」
矢吹「」ビクッ
上条「矢吹さん…?」
矢吹「……」
矢吹「……悪い、ちょいと散歩してくるわ」クルッ
上条「え、ちょ、ちょっと!」
矢吹「明日の夜には帰るわ、んじゃ」
上条「明日の夜って…それじゃ今夜はドコに泊まるんですか!?」
矢吹「ああ、そうだ。ウルフ戦も力石戦も、俺がいない間に見ておけ」
矢吹「良い勉強になる筈だ。じゃあな」
ガチャッ
上条「どうしちゃったんだ一体…」
禁書「ぅぅ…当麻のバカ!!」ガブッ
上条「いででで!!な、なんだよインデックス!!」
禁書「じょーに軽々しく、りきいしの話するのは禁句なんだよ!」ガブガブ
上条「そ、それはどういう意味でせうか…?」
禁書「忘れちゃったの!?前に私に話してたじゃない!」ガブガブ
上条(話していた?そうか俺は記憶喪失で…でも一体何なんだろう)
禁書「じょーは、りきいしを…」
上条「……え?」
【翌日の夕方・河川敷】
矢吹「……」
矢吹「……」ウトウト
――――
矢吹よ、どうした…
力石か…どうもしねぇさ
そうかい、相変わらずだな
当たり前よ
ふふふふ、それじゃあな
へへへ、あばよ
――――
矢吹「……っ」パチッ
矢吹「夢…か…」
矢吹「もうすっかり暗くなっちまった」
矢吹「力石……」
矢吹「……」
ドゴォォォン!!!
矢吹「っ!!?な、なんでい!!」スクッ
ゴゴゴゴゴ…!!
矢吹「ビ、ビルが崩壊しやがった…!!」
ススス…
矢吹「っ!?今度は壊れたビルが、元の形に戻ってやがる…」
矢吹「……」アゼン
「この町ってのは毎日の様に、不思議な事が起きますよね本当…」
矢吹「……?」
「あっしも初めてこの町に来た頃は、よく面食らいましたよ」
矢吹「……ん?」
「どうしました」
矢吹「っ!!アンタは…!!」
「へい、以前ドコかでお会いしましたか?」
矢吹「暗くて俺の顔が良く見えないかい?よく見るんだ俺の顔を」
「……っ!!!」
矢吹「へへへ、やっと思い出したかい」
「あなた…生きてたんですか!!?」
矢吹「おいおい、勝手に殺すなよ」
「……」グスッ
矢吹「そんな涙ぐむなよ、大げさだな」
矢吹「まあお互い、積りに積もった話もあるだろうに」
矢吹「今夜は一杯どうだい?」クイッ
「…へい、お供を致しやす」
【自宅】
矢吹「た~だいま~」フラフラ
禁書「あぁ!!じょーが帰ってきた!!」
矢吹「へへ、悪かったな。心配かけて」
禁書「……とうまには良く叱っておいたから」
矢吹「別にいいのに…って、後ろにいる巫女さんは誰なんだい」
姫神「どうも…私、姫神秋沙」
矢吹「おう、客人かい?」
姫神「……彼に命を救われました」
矢吹「彼?」
禁書「ええと…実は」
~~
矢吹「ふーん、要するに俺がいない間に、上条が大活躍したって訳ね」
禁書「そんな所なんだよ、それより…」ビクビク
矢吹「なんだい?」
禁書「その、後ろにいる怖そうな人は誰なのかな?」ビクビク
矢吹「ああ、客人だ」
「どうもお嬢さん方、あっしは別に危ない人じゃありませんぜぇ。ご安心を」
姫神(いや、どう見ても…)
【数時間後・病院】
~~
禁書「あのね、色々話した結果、あいさは教会で預かる事になったみたい」
上条「教会?おい、まさか歩く教会の教会なんですよってオチじゃ…」
矢吹「おう、派手にやらかしたみたいだな上条」
上条「あ…矢吹さん。その…この間は」
矢吹「ああ良いよ、あの事は気にするな」
矢吹「俺もお前の力に慣れなくてすまなかったな」
上条「いや、そんな謝らなくて…」
矢吹「確かアロウサウルスだっけ?俺もソイツをブチのめしたかったんだけどな」
姫神「アウレオルス…」ボソ
矢吹「それと…ちゃんと試合は見たかい?」
上条「はい…クロスカウンターとアッパーの打ち方、そのタイミング、凄く勉強になりました」
矢吹「なら良いや」
上条「あの…それより、その後ろにいる方は?」
上条(なんか怖そうなんですけど…)ビクビク
「まあまあ、そう怖がらないで下さい」
「これ…お見舞いの品です。後で食べてください」ススッ
上条「あぁ…すいません」ペコッ
上条(見かけによらず良い人だな…)
矢吹「この人は今度、上条のスパーリング相手になる人だ」
上条「え、この人が!?」
「はい…無理せず、体を直してからで良いんで」
上条「えっと…元ボクシング経験のある人ですか?」
「イヤイヤ…そんなんじゃありません」
矢吹「まあともあれ、退院したらすぐにスパーリングだ」
上条「は、はぁ…それでお名前は…?」
「はい…あっしは」
権藤「ゴロマキ権藤と申します」
今日はココまで
ジョーと権藤さんが一杯やってる頃、上条さんは鍛えた体でアウレオルスを倒しましたとさ
次回はゴロマキ権藤と上条さんがスパーリング
若干描写が危なくなるので注意ね
上条「ゴロマキ…?」
権藤「はい。ゴロマキってのは…喧嘩って意味でしてね」
上条「は、はぁ…」
権藤「私はその喧嘩のプロフェッショナル…まあ言ってしまえばヤクザの用心棒をやってますわ」
上条&禁書(やっぱり怖い人だ!!!)
権藤「最近は近辺の組織に単発で契約を結んで、飯を食ってたんですがね」
権藤「…この町から離れようか考えてたところですわ」
上条「えっと、それはどうして」
権藤「相手が能力者だったりする事もありまして…おまけに最近、歳食って体力の衰えが出始めましてね」
権藤「この町で随分、荒稼ぎしてきましたが…情けない事に限界を感じて来た所ですわ」
権藤「そんな時に、矢吹さんに再会しました」
権藤「矢吹さんの勧めもあり、この町での最後のご相手を…アナタにしたいと考えました」
矢吹「そういう訳だ、んで退院はいつ何だい?」
上条「えっと…明日には退院できるかと」
矢吹「随分早いな。腕をぶった斬られたって言うのによ」
上条「ははは…ここのカエル先生は、凄腕の医者ですからね。もうくっ付きかけてます」
上条「所でスパーリングですが…ドコでやるんですか?20学区辺りならジムもありますが」
矢吹「ジム?バカ言っちゃいけねぇ…いつもロードワークやってる河川敷の所だ」
上条「え、あそこでやるんですか!?」ギョッ
矢吹「ああ、丸太4本とロープ3本を買っておいた。それでリングを作る」
上条「ま、まさか外でスパーリングをやるとは…」
【翌日・河川敷】
矢吹「さあ、リングは立てたぜ」
上条「はい!」シュッシュッ
矢吹「審判はインデックス、おまけにドクターに秋沙もいるぜ」
姫神「おまけで悪かったわね」ボソッ
矢吹「それじゃ上条…ここでおさらいだ。『あしたのためにその3』を復唱してみろ」
上条「はい…あしたのためにその3、リングに上がる際の心構え…」
上条「リング上では人間味はいらない。必要なのはファイティング・マシーン。とことん闘い抜く、非情な機械に徹した者のみが勝利を握る」
矢吹「そうだ、だがお前さんはお人よしだからな。ちょいとばかし、この教訓は厳しいものかもな」
矢吹「だが権藤さんはこの辺は徹底してるぜ。元ボクサーではないがな」
上条「……」
矢吹「それでだ、ここで『あしたのためにその7』を教えてやる」
上条「は、はい!!」
矢吹「あしたのためにその7…それは孤独との戦い」
矢吹「ボクサーほど孤独な存在は無い。敵への恐れ、不安…名セコンド、名コーチが付いていようとリングへ上がった時からひとりになる」
矢吹「この教訓については、お前さんはそれなりに解っているとは思う。喧嘩慣れしてるようだしな」
矢吹「だが、恐れや不安、孤独ってのは闘いには付き物だ。覚悟してかかれ」
上条「はい!」
矢吹「ほれ、マウスピース」
上条「あ、その前に…」
矢吹「なんでい」
上条「なんで権藤さんスーツを脱がないんですか?それにヘッドギアも付けないで」
権藤「これがあっしの正装でしてね…上条さんも、ジャージを着たままで結構ですぜ」
上条「は、はぁ…でもそれなら、俺もヘッドギアは付けません」
矢吹「大丈夫かい、上条」
上条「大丈夫です!」
矢吹「……わかった。後悔するなよ。よしインデックス、ゴングを鳴らしてくれ」
禁書「わかったんだよ!」スッ
カーン!
禁書「ファイ!」ササッ
権藤「……では!!」ザッ
上条(先手を取られた…!!)
権藤「ふんっ!」ドスボゴ
上条「くっ…」ガード
上条(一つ一つのパンチが重いな…)ググッ
ボスッドガッ!
矢吹「おい、なにやってんでい上条!固まってちゃ何も始まらないぜ!!」
上条「そ、そうだ…固まってても仕方ない…」
権藤「とりゃ、でやぁ!!」ドスボガ
上条(確かにパンチは重いけど…隙も大きい)ググッ
権藤「クラァ!!」ブンッ
上条(来た…!!)左ジャブ
ボォン!!
権藤「ごぉっ!!?」
上条「よし、顔面に決まった…!」
矢吹「手を休めるんじゃねぇ!!そのまま左ジャブを打ち続けろ!!」
上条「うおおおお!!」シュシュッ
ボォン!ボォン!ボォン!ボォン!!
権藤「うお!ぉぉ…」ガクッ
バタン…
禁書「ごんどう!ダウン!」
権藤「ふっふふ、へへへ…なかなか良いジャブですぜ…」
禁書「わんー!つー!すりー!」
権藤「だが、まだまだお尻の青いアナタに負けるつもりはありません」ムクッ
禁書「ふぉー!ふぁいぶ!」
権藤「ふふふ」ググッ
禁書「まだやるんだね?それじゃファイ!」
~~
カーン!
禁書「1R終了なんだよ!」
権藤「……」ペコッ
上条「はぁはぁ…」ペコッ
矢吹「権藤さんからダウン取るとはな、やるじゃねえか」
上条「ぜぇぜぇ、矢吹さんの指示のお陰です…」
矢吹「調子も良いみたいだし…ここは『アレ』を始めるしかないな」
上条「アレって何ですか?」
矢吹「まあ見てな…おーい権藤さん!2Rから、アレ始めようぜ!」
権藤「へい、しかし上条さんには少々酷なのでは、大丈夫でしょうか?」
矢吹「大丈夫だ。なんたって、腕をぶった切られる位の修羅場を潜ってきてるんだ」
矢吹「上条を強くする為には、アレくらいの闘いを用意しないと」
権藤「……解りました。但し、手加減はしませんぜ」
上条「あの…さっきから『アレ』って何なんですか?」
矢吹「特別ルールって奴だ」
上条「特別ルール?」
矢吹「2Rからは少々キツイ戦いになるから覚悟しな」
矢吹「ほら、権藤さん『コレ』用意してきたぜ」ススッ
権藤「……どうも」
上条(……?なんで瓶ビールケースを横に)
カーン!
禁書「セコンドアウト!」
上条「行って来ます!」
矢吹「あしたのために3と7…」
上条「えっ」
矢吹「忘れてないよな?」
上条「は、はい」
矢吹「よし行け」
上条(よし、今度は先制攻撃を仕掛けるぞ!)ダダッ
権藤「……」ニヤリ
上条「うおおお!!」右ストレート
権藤「……調子が出るとすぐ大振りになる、この点はまだ未熟ですね」ススッ
上条(くそ…しゃがんで避けられた)
権藤「……ふん!!」キック
ボゴォォン!!
上条「がぁっ!!?」ガクン
上条「ぅぅ、アゴを…って!これ反則じゃ!?」
禁書「ごんどー!減点!」
矢吹「いや、減点じゃねぇな」
上条&禁書「え!?」
矢吹「言ったはずだ…2Rからは特別ルールってな」
権藤「そうですよ上条さん……それにね」ススッ
上条「え、ちょ、それって」
権藤「リングの上では人間味を出してはならない…非情に徹しないとね」ブンッ
パリィィィン!!
上条「っ!!?」
権藤「まだまだ…でりゃ!!!」ブンッ
パリィィィン!!
上条「がぁっ!!」
上条「ちょ、ビール瓶で殴打ってシャレにならn」
権藤「おりゃ!!!」ブンッ
パリィィィン!!
上条「がぁっ!!」ガクン
バシャバシャ
上条(しかもこれ、中にお酒入ったままじゃないか…!!)
禁書「ストップ、ストップ!!」
矢吹「ダメだ。ノーストップだ」
姫神「彼が死んじゃう。ドクターストップ」
矢吹「何言ってんだい、上条の底力を知ってるのは俺よりも、他ならぬお嬢さん方だろうに」
上条「と、特別ルールって…そういう事だったんですか…」
パリィィィン!!
上条「いいぜ…あんたがこんなのを…」ダラダラ
権藤「おりゃ!!」ブン
上条「フンッ!!」ガード
パリィィィン!!
上条「……」ググッ
権藤(む…左腕でガードと来たか…)ブンッ
上条「こんなのがボクシングって言うなら…」右フック
ボゴォォン!!
権藤「ごぉっ!!」トケツ
権藤(リ、リバーブロー…たった一発でこの威力…)ガクガク
上条「そのふざけた幻想を」ググッ
矢吹「っ!!あれはアッパー…!」
上条「ぶち殺す!!!」右アッパー
ボッゴォォォン!!!!
権藤「があぁぁ…!!!」
禁書「ごんどーの体が、一回転して…」
姫神「そのままリング場外に放り込んだ…!!」
ドサッ
権藤「」
禁書「ごんどー!ダウン!」
禁書「わんー!つー!すりー!」
姫神「ちょっと待って」ススッ
禁書「え」
権藤「」
姫神「……」
姫神「気絶してる、これはTKOね」
カンカンカン!!
禁書「勝者、とうま!!」
上条「はぁはぁ…」
矢吹「よくやった上条、素晴らしいアッパーだったぜ」ニヤリ
上条「ひ、酷いじゃないですか…瓶ビールが飛んでくる事くらい教えて欲しかったです…」ズキズキ
矢吹「ま、普通の練習生相手ならこんなマネはさせないがな」
上条「……え?」
矢吹「お前さんの強さを見込んで、敢えて喧嘩紛いのスパーリングをさせた」
矢吹「これからも慢心せず、もっと精進しな」
【数時間後】
権藤「……む」パチッ
姫神「目が覚めた」
権藤「ぅぅ…ああ、まだダメージが残ってますぜ…」ムクリ
上条「あのー大丈夫ですか…?」
権藤「ふふ、へへ…そういうアナタこそ、頭部のダメージはどうですか?」
上条「ま、まだちょっとズキズキしますね…」
権藤「先ほどは無礼な振る舞い、失礼しました」ペコッ
上条「ははは…まあ殴りあったんだし、お互い様って事で」
矢吹「ありがとうな権藤さん、無茶な要求してよ」
権藤「へへへ…何、お安い御用ですぜ」
権藤「しかし…たった一週間でこれほどの力を付けられるとは…」
権藤「これは将来、大物になる予感がしますね」
上条「え、い、いや~…」
~~
矢吹「いいのかい権藤さん…今日も飲みにいこうや」クイッ
権藤「未成年がいる手前、そんな事をする訳には行けませんぜ」
矢吹「別に良いだろう。な、上条も一緒に飲むよな?」
上条「……先生方に見つかったら退学ですよ。ただでさえ成績悪いのに」
矢吹「ちぇ、なんでい…」
矢吹「それじゃ権藤さん、アンタは浅草に帰るんだな」
権藤「へい、またあの辺を縄張りに、生計を立てていくつもりです」
矢吹「そうかい、俺も盆の時期になったら…もしかしたら泪橋に帰るかも知れないからよ、その時は」
権藤「そうですね、その時にでも一杯やりましょうか」
矢吹「その時はお前らも来るんだぜ」
上条「いやいや、学園都市の外なら良いという物では無いでしょう」
禁書&姫神「OK」
上条「おい」
権藤「それでは…ごめんなすって!」タタッ
矢吹「ああ、またな!」
姫神「私もそろそろ帰るね」
上条「ああ、今日はドクターとして付いてくれてありがとな」
姫神「う、うん///そ、それじゃ…」
禁書「それじゃ行こっか、あいさ」
上条「え、インデックスまで…どうした?」
禁書「今日は小萌の家で、焼肉パーティーするんだよ!!」
上条「え、ちょ、それ聞いてないぞ!?」
禁書「待ってー!あいさー!!」ダダッ
上条「全く…でも俺も行ったら迷惑だしな。矢吹さん、今夜はどうします?」
矢吹「んじゃ飲みにいこうや」クイッ
上条「だから無理ですってば」
「あーー!!アンタ!!!」
矢吹&上条「?」
「今日こそ決着、付けさせてもらうわよ!!」バチチッ
上条「げ、お前は!常盤台の盛夏祭の時に会った、ビリビリ中学生!」
御坂「ビリビリじゃない!!」バリバリ
矢吹「あ、おてんばじゃねぇか!」
御坂「だ、誰がお転婆だ!…って、アナタは」
矢吹「よぉ、久しぶりだな」
上条「え、知り合い何ですか!?」
矢吹「ああ、前に自販機の前で会った事があってだな」
上条「じ、自販機?」
矢吹「お転婆が自販機を蹴っ飛ばしてたから、俺も自販機にジャブ決め込んで一緒にジュース飲んだんだ」
上条「な、何やってるんですかアナタ達…」
御坂「コイツと知り合いなんですか?」
矢吹「まあな。居候させてもらう変わりに、ボクシングを教えてやってる」
御坂「へ~…あ、確かに良く見ればアンタ、体がボロボロじゃない!」ギョッ
上条「今日のスパーリングも含め、最近色々ありまして…」
御坂「ふーん…でもその体じゃあ本気出せないようだし、今日の勝負はお預けにしてやるわ!」
矢吹「勝負か…いいねぇ、やってやれよ上条」
上条「はぁ!?」
矢吹「強くなるためだ」
上条「いや、だって女の子だし…」
矢吹「……」
矢吹「まあ、そうだよな。やっぱ相手が女じゃやり辛いよな」
御坂「って言うか、この間の盛夏祭に来てたんですね」
矢吹「ああ、俺はほとんど屋上で寝てたけどな」
御坂「寝てたって…お祭りなのに勿体無い」
矢吹「昔ほど偏見は無いが、どうにも金持ちお嬢様ってのはな…こう…」ムズムズ
矢吹「……」イライラ
御坂(ああ、こういうタイプの人ね…)
矢吹「……金持ちお嬢様で気を許せるのは、葉子だけだ」
上条&御坂(昔の彼女かな…?)
矢吹「あ、でも割とお転婆も気は許せる方だな」
矢吹「なんたって良い目をしてやがる。全力で立ち向かいたくなる様な…力強い目だ」
矢吹「お前さんが女でなく、男なら、俺は喜んで決闘してたぜ」ニヤッ
御坂「は、はぁ…それはどうも」
上条「じゃ、じゃあ今日はもう暗いからこの辺で…」
御坂「今日は特別よ!次からちゃんと勝負しなさいよ!!」
上条「はいはい(棒)」
御坂「適当に返事してんじゃないわよ!!」バリバリバリ
上条「わわわ!?」キュイーン
御坂「全く…!」
矢吹「じゃあな、お転婆」
御坂「お転婆じゃない!!御坂美琴!!」
上条「しっかし血の気の濃い奴だなぁ…」
矢吹「良いじゃねぇか。俺の若い頃なんて周りに、血の気の濃い女がいなかったから、新鮮で良いぜ」
上条「おしとやかな人が多かったんですね、羨ましいなぁ」
矢吹「そうだな…紀ちゃんも葉子もそんな感じだったな。二人とも良い奴だったよ」
上条(良いな…やっぱり女性にモテてたんだろうな…)
矢吹「しかしお前のその右手便利だな」
上条「……逆に、この右手が原因で、不幸な人生を歩んでる気もしますけどね」
矢吹「そうだ!俺はお前にボクシングを教える!」
矢吹「変わりにお前は、俺に幻想殺しを身に付ける方法を教えてくれよ!」
上条「コレは脳を弄ったって、簡単に身に付けられる物じゃありません」
上条「俺のこの右手は…本当に先天的な物で、修行して身に付けられる物じゃないんです」
矢吹「やってみなきゃわかんねぇだろう…よし!能力開発の為に、俺もお前と同じ学校通うぜ!」
上条「無謀すぎます!!」
今日は以上です
次回から実験編に突入
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