吹雪「この鎮守府はおかしすぎます!!」 (1000)

吹雪「吹雪です!本日もよろしくお願いします!!」ビシィ!!

吹雪「……あれ?司令官?司令かーん?」

吹雪「……?」キョロキョロ

ジャバーッ

提督「ふぅ……長い戦いだった…食物繊維は大事…ん?どした?」ガチャッバタン

吹雪「……はぁ」ガクッ


※長くなるかもしれないが↓から読んでってくれ……すまねぇ……!
1スレ目「この鎮守府はおかしいです!!」 
吹雪「この鎮守府はおかしいです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1422813372/)

2スレ目「やっぱりこの鎮守府はおかしいです!!」
吹雪「やっぱりこの鎮守府はおかしいです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424708332/)

3スレ目「どう考えてもこの鎮守府はおかしいです!!」
吹雪「どう考えてもこの鎮守府はおかしいです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426297599/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1427736104


通信室

大和「……えっと……」カチッカチッパチッ

パッ ウィーィー……

提督「おー……何か本格的……」

大和「使い方はわかりますか?」

提督「まぁ……一応……確かここで周波数を……」ギシッ

大和「えぇ、そこで周波数を合わせて……そこのスピーカーから音声を聞き取ることが出来ます」

大和「まずは呉鎮守府の周波数に合わせて……横、失礼します……」

ザザザッキュゥィ~~……ザザッザザー……

提督「……ん、ノイズが消えた……」

大和「えぇ、この周波数が呉鎮守府の周波数です、コール音を3回鳴らして下さい」

ピーピーピー

ピーピーピー

ピーピーピー

大淀『こちら呉鎮守府、どうぞ』

提督「あ……あー……大淀さんですか?前浜町二丁目鎮守府の提督です」

大淀『二丁目提督!?ご無事でしたか!?』

提督「えぇ……なんとかね……」

大淀『良かった……長門秘書艦!前浜町の提督が……前浜町の提督から無線通信が!』

大淀『……それが……トラック島からの通信で……』

大淀『……はい、では代わります、どうぞ』



長門『二丁目提督……!!!』

提督「……長門さん!すみません心配かけてしまって……」

長門『……良かった……貴方が無事で……!』

提督「心配してくださったんですね……すみません……」

長門『……貴方まで……失うと思った…………良かった……良かった……!!』

提督「……すみません……」

長門『…………』

提督「…………」

長門『…………吹雪は?』

提督「無事です……とある仲間のお陰で私達二人は生き残れました」

長門『……とある……仲間……?』

提督「……えぇ……深海棲艦のヲ級とレ級です……」

長門『!!』

よし、一旦寝よう、明日……と言うか今日は休みだから昼間にやるかも……

今更ながら酉を忘れていたようだ

さて、やりますか

長門『……ヲ級とレ級……一体……!?』

提督「……話せば長くなるんですけど……」タハハ

長門『説明して下さい!……いったい何が……』

提督「……えっと……どこから話せばいいのやら……」

長門『最初からお願いします……奴らは例の猫艦戦を渡した深海棲艦ですか?』

提督「えぇ、そうなんですけど……あれからあの子ら、結構人語を勉強したみたいで……」

長門『……人語を勉強?』

提督「えぇ、ガッツリ会話出来ました、それもかなり流暢に」

長門『……信じられません……』

提督「まぁ、事実です……」

長門『……』

提督「で……それからいろいろあって……今回みたいな事件に発展」

長門『待って下さい』

提督「?」

長門『……少し……少し経緯を整理したいので……もう少し噛み砕いて説明を……』アタマカカエ

提督「あ、はい……スミマセンわかりにくくて」

長門『い、いえ……』

提督「えっと……じゃああの辺から……だな……」











数分後

提督「……って感じで、今回みたいな事件に発展した訳なんです」

長門『………………』

提督「……わ、わかりましたかね……こんな説明で……」

長門『……よ、要するに……ヲ級とレ級は二丁目提督が授与……いや、鹵獲?した猫艦戦を取り返すために今まで有形無形の嫌がらせを?』 

提督「じゃないですかね……?」

長門『しかし、提督は既に横須賀に送ったと彼女らに伝えたはずでは?』

提督「えぇ」

長門『……』

長門『……嫌がらせは横須賀にするべきではないでしょうか』

提督「俺もそう思います」

長門『……ますます意味が分かりません』


長門『…………』

長門『…………』

長門(……考えれば考えるほど疑問が増える……)

提督「あ、あの……長門さん?」

長門『……?あ、はい……何でしょう』

提督「……えーっと……そろそろ本題に……」

長門『は、はい……』

提督「まず今回の事件は……」

長門『えぇ、後乃木市中心部の電器店「河城電器」での人質立てこもり…………』

提督「はい、死者は出なかったものの周辺の被害は甚大です……」

長門『……それに国民の深海棲艦に対する恐怖心、そして海軍に対する不信感も増大しました』

長門『呉の一件、そして今回の深海棲艦上陸により国外に退避する国民も増えつつあります……』

提督「……申し訳ありません……」

長門『……』

提督「……はぁ……そうだよなぁ……そりゃ深海棲艦が上陸するってタダ事じゃないよなぁ……」

長門『……しかし、気がかりなところもあります』

提督「?」

長門『今回の一件の始まりは前浜町だった筈です』

提督「え、えぇ……」

長門『それなのに、事件は前浜町ではなく後乃木市、それも市役所付近の電器屋で発生した……』

長門『奴らは肌が白く、そのうえ目立つ格好をしています……一体どうやって後乃木市に移動したのでしょうか?』

長門『それと秘書艦でもある吹雪は何故前浜町ではなく後乃木市に?』

提督「あぁ……多分それは昼食の買い出しに行ってたからです」

長門『か、かいだし?買い出しというのは……あの?』

提督「えぇ、買い出しですが……」

長門『……秘書艦が?』

提督「えぇ、だって二人暮らしですし、58ちゃん、今日帰っちゃいましたから」

長門『……』

長門『……不用心と言いたいところですが……』

提督「……まぁ、仕方ないですよ……」

長門『ですが、深海棲艦が移動できた理由が未だに謎です……』

提督「……そうですね……」


フロント

吹雪「ふぅ…浴衣って……意外と着心地いいなぁ……」カララ

吹雪「あれ……司令官?」キョロキョロ

吹雪「……居ない……」

吹雪「…………トイレかな……」ポスッ

吹雪「…………ふぅー……」

吹雪「……ソファ……柔らかい……ハッ……司令官が寝てたところじゃないよね……?」バッ

吹雪「……うん、違う……良かった……さすがに血が付いたら大変だもん……」ポスッ

吹雪(それにしても……)キョロ

吹雪(ここ……本当にホテルみたい……)

吹雪(……でも、ヲ級さんもレ級さんも……どこに閉じ込められたんだろう……)

吹雪(……酷いことされてないといいけど……)ソワソワ

吹雪「…………」キュゥゥ

吹雪「……そういえば……お昼食べてなかったっけ……お腹減ったなぁ……」

吹雪「…………」ゴロンッ

吹雪(こんな所で寝転んだら……行儀悪いかなぁ……)



通信室

長門『……見限られた?』

提督「えぇ、ヲ級の通信を聞くに、彼女たちは上官に裏切り者と認定されたみたいです」

長門『……』

提督「彼女らは自らが深海棲艦であることを否定していました……で、ですよね?」

大和「……え、えぇ……レ旧曰く、自分はもう深海棲艦ではない、ただのレ級だ、と」

提督「……」

長門『……それは……本当ですか?』

提督「え……えぇ……」

提督(……こんなこと普通は信じられないよなぁ……)

長門『……』

提督「……す……す、少なくとも俺と、彼女はこ、こうして和解し……トラック基地に……来たん……ですけど……」

長門『……和解……?』

提督「え、えぇ……」

長門(……この提督は冗談以外の嘘をつくような男ではない……だが……)

長門(深海棲艦と和解した……?その上自ら深海棲艦であることを否定する……だと……?)

長門(……姫級ならばそういった事があるかも知れない……しかし存在を否定など……簡単に信じることは……)

提督「……う、嘘ではないです……それに……」

長門『……』

提督「彼女らがいなければ今頃俺は死んでましたから……」

長門『……あなたが?』

地下牢

空母ヲ級「……悲鳴が聞こえなくなった……」

戦艦レ級「……死んだわけ……じゃねぇよな……?」アセ

空母ヲ級「……拷問が終わったんだ……そう信じよう」

戦艦レ級「……だといいけどさ……」ストッ

戦艦レ級「あーあ……アタシら、殺されんのかなぁ……」

空母ヲ級「そんなことはない……はずだ……」

戦艦レ級「だといいけどさ……このまま一生この地下牢ってわけにも行かねぇよ?」

空母ヲ級「分かってる、私達には海が必要だ……体は大丈夫か?」

戦艦レ級「今はな、お前は?」

空母ヲ級「今の所問題はない……だが……」

戦艦レ級「だな……長くは持たねぇよな……」

空母ヲ級「……呉との交渉中だったか……提督……うまくやってくれ……」

戦艦レ級「……今のアタシたちには祈ることしか出来ねぇな……」



通信室

提督「……」

長門『……不運な事故です……開放骨折とは……』

提督「えぇ……止血と細菌の流入?混入……?まぁどっちでもいいか……骨を清潔に保ってくれたのはあの子がいたからです」

提督「……俺には、あの子が本当に悪い奴には見えないんです……」

長門『……ですが……』

提督「えぇ……分かっています……1人や2人だけの情で彼女達を見逃す訳にはいかない……ですよね……」

長門『……えぇ……』

提督「……」

長門『……』

提督「……そこをなんとか!」

長門『……流石に……敵艦を見逃す訳には……』

提督「……ですが……」

長門『深海棲艦に恨みを持つ人間や艦娘がいるこの世の中……簡単に深海棲艦を味方として迎え入れる事は出来ません』

長門『……現に呉鎮守府内でも……敵空母を酷く憎んでいる艦娘が……』

提督「……」

長門『……二丁目提督……』

提督「……」

提督「……駄目か……流石に……」

長門『……』

長門『……そういえば……前浜町にはテトラポットが多く設置してありましたね?』

提督「え?えぇ……一応……」

長門『いい機会です……今回のような上陸事件を減らす為にテトラポット付近の警備をさせるように吹雪に伝えて下さい』


長門『巡回艦娘や索敵機でも流石にテトラポットの隙間までは索敵出来ませんから……』

提督「……え」

大和「な!?」

長門『……騒ぎの沈静化、地域の復興は私達呉と自衛隊が引き受けます』

長門『……』

大和「……待って下さい長門秘書艦!あなたは深海棲艦を見逃すというのですか!?」

長門『……大和、私はただ警備を強化しろと言っただけだ』

大和「ですが……!!」

長門『……以上です、提督、先ほどの言葉、忘れないようにして下さい』

長門『間違ってもそこに深海棲艦を住まわせるなどと考えないで下さい、発見次第裏切り者と認定します』

大和(……白々しい……!!)ギリッ

提督「了解しました……お心遣い感謝します」

長門『……大和』

大和「……はい」

長門『今回の一件、ご苦労だった』

大和「いいえ……艦娘として当然の事をしたまでです」

長門『……後を頼む』

大和「……」

大和「はい」

提督「……すみません……」

長門『では、お気をつけて、交信終了』

提督「ありがとうございます」

プツ ザザーーー



提督「……ふぅ……すみません、大和さん……」

大和「いえ……ですが……」

提督「?」

大和「……」

大和(……私にはどうすることも出来ない……)

大和「い、いえ、何でもないです!」

大和(……だからこそ、長門秘書艦の決断に任せようと判断したのに……長門秘書艦……あなたは……!!)

提督「?」

大和「……」

大和(このまま……指をくわえて見ているしか……ないの?)

フロント

提督「ういーっす」ガチャッ 

吹雪「司令官!」テテテッ

提督「いやはや……長い通信だった……ガチな方の通信室っていうのは本当に凄いな……」

吹雪「通信?」

提督「あぁ……長門秘書艦に2人について色々話してきたんだ」

吹雪「呉鎮守府にですか!?……その……2人は一体……」

提督「……まぁ、一応死にはしない、けど……」

提督「……」ヒソッ

吹雪「……え!?それじゃ2人は助けてもr」

提督「バ!おま……!声がでかい!!」

吹雪「むぐぐ……!!」

提督「と、とにかくだ……これはあまり大声で言っていいことじゃないんだ……古鷹さんの説明とかはどうしようか……」

吹雪「……そ、そうですね……」

提督「……まぁ……明日考えればいいか……」

大和「吹雪さん、二丁目提督、夕食の用意が出来ました、まで案内しますね?」

吹雪「あ、はい!ありがとうございます!」

提督「すみません何から何まで……」

大和「いいえ、では……こちらへ……」


食堂

バァーン

提督「……ホグワーツかよ……」

吹雪「す、すごい……」

大和「当基地自慢の食堂です、すぐに食事をご用意致しますのでごゆっくり……」スタスタ

提督「……と、言われましても……」

吹雪「ど、どこに座ればいいんでしょうか……」

空母ヲ級「おーい!提督ー!フブキー!」

吹雪「ヲ級さん!?」クルッ

戦艦レ級「右右ー!こっちだこっちー!」

提督「ん?」クルッ

戦艦レ級「お前らから見て右だよ馬鹿!こっちだっての!」

吹雪「あ、こっちか……」

提督「本当に学習しないな吹雪ちゃん……」ハハハ

吹雪「司令官も私と同じ方向向いてたじゃないですか」

戦艦レ級「はは、あ、提督、怪我治ったんだ」

提督「まぁな……隣いい?」

戦艦レ級「いいぜ……あ、尻尾は触るなよ」

提督「分かってるよ」

吹雪「ヲ級さん、隣失礼します!」

空母ヲ級「あぁ、いいぞ」

夕食後

空母ヲ級「……突然出してもらったと思ったらこんなもてなしを受けるとは……」

戦艦レ級「裏がありそうで怖いな……毒とか盛られてねぇよな?」

空母ヲ級「大丈夫だろう、流石に……しかし人間の食事がこうも美味いとは……」

空母ヲ級「あのふぉーくとすぷーんの使い方には驚いた……ナイフはなんとなく分かったが……」

戦艦レ級「危うく皿ごと食うところだったな……」

吹雪「おいしかったですね……それにこのラムネも美味しい……」コクッ

戦艦レ級「だなー……」ゴクッ

提督「……」プシュッ

空母ヲ級「おー……そうやって開けるものだったのか……」

提督「レ級ちゃんも……って、飲んでるのか」

戦艦レ級「あぁ、開かねぇからフタごと食っちまったよ」

提督「マジかすげぇ……って大丈夫なの?」

戦艦レ級「……ヤマトには迷惑かけちまうかも……」

空母ヲ級「……全く、わからないならまず誰かに聞け、いいな?」

戦艦レ級「あいよ……」


ギィッ

大和「お食事はもう大丈夫ですか?」

戦艦レ級「あぁ」

提督「うん、美味しかったよ、ありがとう」

大和「良かったです」ニコッ

大和「就寝の際は元深海棲艦のお二人は海の付近にテントを建てさせていただきました」

提督「テント?」

大和「えぇ、宿泊用のテントですので寝心地は普通の客室と変わりません、大丈夫ですか?」

空母ヲ級「あぁ、構わない……だが、艦娘の巡回は大丈夫なのか?」

大和「問題ありません、このテントは艦娘の哨戒隊などが良く監視のために利用されるテントです」

大和「巡回艦娘も普通の哨戒隊が寝ていると判断するはずですので、心配はいりません」

大和「ただ、海水に入る際は周囲に警戒してから入ったほうがよろしいかと……深夜とはいえ巡回は多いですから」

空母ヲ級「……分かった、すまない」

大和「いいえ、ここにいる間はあなたがたも艦隊の一員です、それ相応のおもてなしをさせていただきます」

大和「敵意がないかを確認するためとはいえ地下牢に閉じ込めたこと、遅れましたがお詫びさせて下さい」

空母ヲ級「気にするな、勝手に押しかけた私達も悪いんだ」

大和「……ありがとうございます」

大和(……ここにいる間は……ね……)キッ

戦艦レ級(……胸騒ぎがする……こりゃ落ち着いて眠れねぇな……)

深夜 ビーチ テント内

空母ヲ級「…………」スヤスヤ

空母ヲ級「…………ん……」モゾッ

空母ヲ級「……んぅ…………」スヤスヤ

戦艦レ級「…………」

戦艦レ級「……やっぱり来やがったか」バサッ


ザッザッザッザッ


戦艦レ級「……」

ガシャンッ ガシャンッ ガシャンッ ガシャンッ

大和「……」

戦艦レ級「……艤装まで持ってきて……そこまでアタシらを恨んでたのか……」

大和「……悪いわね」ガコンッ グィィィーンッ

戦艦レ級「……ったく……深海棲艦ってのはとことん色んな所に恨まれるもんだ……」

大和「あなた達が海で好き勝手やったからよ、そしてあなたも前まではその1人だった」

戦艦レ級「……どうせあたしらは何もしてないって言ったら否定すんだろ?」

大和「えぇ、深海棲艦が本当の事を言うなんて思えないもの」

戦艦レ級「……アタシはあんたに恨みはない」

大和「……そう、まぁ死んだらいくらでも恨めるわ」

戦艦レ級「……あたしはお前を恨むことはねぇよ」

大和「……何故?」

フッ 

大和「!」

戦艦レ級「アタシは提督についていくって決めたんだ、そう簡単に死ぬもんかよ」ボソッ

大和「……!」ゾクッ

ガッ  メキメキメキメキッ

大和「な……!?艤装に……!!駄目……外れる……!!」

ベキィィッ!!!

大和「っ!!?」ドサァッ

戦艦レ級「これが艦娘の艤装って奴か……接合部強化したほうがいいんじゃないの?」ブンッ ガシャァァーンッ  スタッ

大和「く……!!戦艦レ級……!!あなたは……!!」グッ!!

戦艦レ級「やめとけ、艤装はご覧の有様だ……アタシを殺せなくなったのは確定したんだからさっさとこの鉄屑持って帰んな」

大和「この……!!」

戦艦レ級「……安心しろ、そっちから危害加えねぇ限りアタシからは手を出さねぇ……ただ」

戦艦レ級「……アタシが仲間と認めた奴に手ぇ出すなら……アタシは全力で守る、忘れんな」ギロッ

大和「……」

戦艦レ級「そういうこった、もう帰れ」

大和「……私はあなたを人間の仲間とは認めない……!日本は人間と艦娘の物よ!!」ガシャッ……ザッザッザッザザ


戦艦レ級「……ったく……正義側の台詞にしちゃ……下品な言葉だ」

……スレに書き込むほうが珍しい>>1って……ひどい言い方するわね……

寝る!

さぁ始まるデースヨ!
行くであります!
ウラー!

深夜 ビーチ付近

提督「……こういう時は外の空気浴びるのが一番だ……ホテルの夜ってなんか貴重な気がするからな……」

提督「……やらしい意味で」ドヤ

……ハ、ニンゲントカンムスノモノヨ!!

提督「……ん?大和さんの声……」キョロッ

提督「……あっちか?」ガサガサガサ



ビーチ

戦艦レ級「……さって……水でも浴びるか……」ザッザッザ 

提督「……ん、レ級ちゃん?」

戦艦レ級「ん?提督、どうした?」ジャブジャブ

提督「いやぁ……何か眠れなくてさ……レ級ちゃんは何してんの?」

戦艦レ級「アタシは見ての通り水浴びしてんだ……今の時間艦娘も少ねぇしな……」プカー…

提督「ふーん……所で、大和さん見なかった?何か声が聞こえたような気がしたんだけど……」キョロ

戦艦レ級「ん……見てねぇけど?」

提督「そう……?気のせいか……」

戦艦レ級「あぁ、気のせいだ」チャプッチャプッ

提督「……」ジー

戦艦レ級「……何だよ」

提督「いや、前々から気になってたんだけどさ……その服、防水?」

戦艦レ級「あ?……服って……アタシの服か?」フードヌギッ

提督「あぁ、ヲ級ちゃんとか他の人型の深海棲艦ってみんな当たり前のように服着てるけど……濡れないの?」

戦艦レ級「……アイツのあれって服なのか……?」クビカシゲ

提督「……ボディスーツか……それっぽいのだろ、裸ではないと思うけど……」

戦艦レ級「……まぁいいや……でもさ、濡れて困る事ってあるか?」ジャブッ プハッ

提督「少なくとも人間は濡れると風邪引くから困るな……それに服が濡れたらジメジメして気持ち悪くない?」

戦艦レ級「……んー……別にそんなこと感じたことはないけど……人間的にどうなんだ?アタシらの服って……」バシャッ ピタピタ

提督「んー……黒い」

戦艦レ級「もう少しマトモな答えねぇのか?ほら、触ってみろよ、上着くらいなら貸すぜ?」ヌギッ ポイッ

提督「いいの?」バサッ 

戦艦レ級「あぁ、返せよ?」

提督「分かってるよ…………」チラ

戦艦レ級「……?」

提督「……下着はリ級と似てるんだな」

戦艦レ級「下着に個性求めんじゃねぇよ変態が……」

提督「…………ワリと乾いてるんだな」

戦艦レ級「そうなのか?」

提督「あぁ、四六時中水に浸かってるとは思えない乾きっぷりだ」

戦艦レ級「へぇー……」

提督「……こういう服って支給されるものなの?」

戦艦レ級「いや?なんかいつの間にか持ってたって奴だ」

提督「……あれか、どう見ても服とかない世界の住人なのに服はちゃんとしてるって奴か、あれもよく分かんないよなぁ……」

戦艦レ級「……?……分かんねぇけど……そんなもんじゃねぇの?」

提督「……何か納得出来ないけど……ん……?」チラ

レ級の服のラベル『エンソサラシ× アイロン高(あて布) 陰干し』

提督(割とちゃんとしてた、艦娘と同じ素材なんだな……へぇー……)

戦艦レ級「……何見てんだ?」

提督「いや……ほら、返すよ」

戦艦レ級「ん……まぁあたしも何でこんな服着てるか分かんねぇけど……」バサッ ジィッキュッ

提督「……そのチャックの中途半端な感じもなんとなく?」

戦艦レ級「ったりめぇだろ、好き好んでここまで開けるバカが居るか、習性みたいなもんだ」

提督「ふぅん……って事はおしゃれに気を使えばもう少し可愛くなるのかな……」

戦艦レ級「……アタシの今の姿が気に入らねぇみたいな言い方だな……」

提督「んなことないぞ?今の姿でも十分ボーイッシュで魅力的だと思うし、その服も結構似合ってるよ」

戦艦レ級「……ぼーいっしゅってのは分からねぇけど……それ、褒められてるんだよな?」

提督「あぁ、あと、俺的にはこのフード取ったほうが可愛い気がする」パサッ

戦艦レ級「髪の毛が出てたら落ち着かねぇんだよ……」ワシャワシャ

提督「んー……そうか……このマフラーは?」サワサワ

戦艦レ級「あぁっもう色々触るな鬱陶しい、アタシは今の格好でいいの!ふぁっしょん?ってのは落ち着いてから勉強する!」

提督「そうかー……まぁそうだなー……」

戦艦レ級「……まぁこれは……気に入ってるから外さねぇだけだ」ギュッ

提督「真夏なのによく付けてられるなぁ……」

戦艦レ級「深海棲艦に季節は関係ねぇよ、アタシからすりゃ季節が変わる度に服を変えるお前らのほうが不思議だ」

戦艦レ級「雪が降れば重装甲になるし今の季節になったらお前みたいに半分しか袖のない服着て肌を出す」

戦艦レ級「……人間ってのはそんなに環境の変化に弱いのか?」

提督「まぁねぇ……ってか俺の服そんなに変か?」

戦艦レ級「飯食ってた時の変な服よりはマシだけど、十分すぎるほど変だ、何だそのシマシマの短いズボン」

提督「トランクスって言って男物の下着だけど……それと服は普通のTシャツだ」

戦艦レ級「下着かよ、どうりで変だと思った」

戦艦レ級「……」ジーー

提督「何だ?」

戦艦レ級「……そういや……お前って男だよな……」

提督「……まぁ、この姿見て女って認識できる奴はいないだろうな……」

戦艦レ級「……アタシ、男とは初めて話すんだよなぁ……いや、お前以外の男とは話したことねぇけど……」

提督「俺の家の隣の吉岡さんとは話さなかったの?」

戦艦レ級「誰だよそれ、言っとくけどマエハマはお前の家以外行ったことねぇぞ……行けねぇし」

提督「……ま、そりゃそうかー……」

戦艦レ級「そういやお前さ」

提督「ん?」

戦艦レ級「何で下着姿で外出てんだよ……よくよく考えたらおかしいぞそれ」

提督「……そりゃ……俺の普通の服血みどろになっちゃったし、浴衣は着心地悪かったし……」

戦艦レ級「だったらヤマトか誰かに服借りろよな……アタシだって服脱いで外歩くような真似しねぇよ……」

提督「そりゃ色んな意味でマズイからな……」

戦艦レ級「どういう意味だよ」

提督「……人間の中には深海棲艦に興奮する変態だって居るんだ」

戦艦レ級「……お前みたいなやつか?」

提督「何で俺が深海棲艦に欲情せにゃならんのだ、胸の地点で論外だ」

戦艦レ級「んな……!アタシだって基準値を超えるくらいの胸はある!」バッ

提督「逆だ!!基準値超えてる地点でアウトなんだよ!!それに超えてない!ギリギリストライクゾーンだな!」

戦艦レ級「……超えてねぇのか?」

提督「それで巨乳を名乗るには無理がある」

戦艦レ級「…………あたしやっぱ小さいんだ」シュン

提督「……フッ……小さいなら小さいなり魅力がある、気を落とすな」

戦艦レ級「……うーん……そんなもんか?」

提督(俺的にはアリだと思う、後は微妙な柔らかさと感度だな)

提督「好きな人は好きだと思うぞ」ポンッ

戦艦レ級「……人間の趣味は良くわからねぇ……ヲ級に聞いてみるか……」

提督「……」

戦艦レ級「……」

提督「……何か見える?」

戦艦レ級「……黒空母がキョロキョロしてる」

提督「黒空母?」

戦艦レ級「呉に居る白空母に似た女だよ、確か人間はー……ずー……なんたらだっけ、名前で呼んでたな」

提督「……瑞鶴ちゃんのこと?」

戦艦レ級「そうそれだ!そういや昔お前んトコに居たよな……アイツがなんか艦載機だしてアタシら探してる」

提督「……それっぽい光すら見えないんだけど……」

戦艦レ級「そりゃ、水平線の向こう側だからな、人間や艦娘が見つけられるわけねぇよ」

提督「……深海棲艦って凄いな……」

戦艦レ級「深海棲艦っていうかアタシらレ級の能力だけどな、ヲ級や姫にはない力だ」

提督「そうなの?」

戦艦レ級「……エリートクラスはすげぇぞ、日本の領海にいる癖にアメリカの艦娘の動きを察知しやがるんだ」

戦艦レ級「……フラグシップになると地球の裏側まで見えるとか……もうあれだ、やべぇ」

提督「パネェな……」

戦艦レ級「やべぇぜ……それに対抗できる艦娘もやべぇけど」

提督「そう考えれば艦娘もやべぇな……」

戦艦レ級「艦娘を生み出した人間も同じくらいやべぇ」

提督「そういやそうだな……やべぇ」

戦艦レ級「……やべぇな」

提督「……やべぇよな……」


空母ヲ級(……なんだ……この頭悪そうな会話は……)チラ

空母ヲ級「……お前たち、なにしてるんだ?」

提督「あらヲ級ちゃんお目覚め?」

空母ヲ級「……いや、体が乾いたから少し濡らそうと思ってな…………お前たちとは違って眠いんだ」

戦艦レ級「ん……もうそんな時間か……あたしももう一度濡らそうかねぇ」

提督「大変だな―深海棲艦って」

空母ヲ級「慣れれば習慣付く、なれなきゃ死ぬがな……」ザッザッザ ピチャッ

空母ヲ級「……っ……少し乾きすぎたな……寝過ごすと大変だ」ジワァァーーー

戦艦レ級「はは……ん?そういやお前帽子は?」

空母ヲ級「テントに置いている、あれは別に濡らさなくて大丈夫だからな」

戦艦レ級「はぁーん……そういうものかー……」

空母ヲ級「お前のように体に直接付いてるわけではないからな……」

戦艦レ級「けっ……羨ましいったらありゃしねぇ……」フリフリ ガチャコンッ

提督(……いつも思うけど性感帯に武器がひっついてるってどうなんだ……?)

空母ヲ級「ん……提督、フブキは?」

提督「部屋で寝てるよ、さすがに疲れたみたいだ」

空母ヲ級「……そうだな……さすがに今日は疲れたろう……提督は大丈夫か?怪我は治ったようだが……体の疲労は酷いはずだが……」

提督「んー……それが不思議と眠くないんだよなぁ……いつも遅くまで起きてるせいもあるけど……」ポリポリ

空母ヲ級「……そうなのか、やはり提督は夜更かしする生き物なんだな……」

提督「そうでもない、作業をする時間がたまたま夜になるだけだよ」

戦艦レ級「そんなに遅くまで何やってんだ?」

提督「プラモ作ったり、パソコン触ったり書類作ったりだな……プラモ8書類1パソコン1くらいの割合だけど」

空母ヲ級「……ぷらも?……ぱそこん……?」

提督「……まぁ、分からなくてもいずれ分かるようになるさ……」

空母ヲ級「……そういうものか?」

提督「あぁ」

空母ヲ級「フゥ……人間側に付いたらまた覚えることが増えそうだ……全く……お前のせいでハチャメチャだな」フッ

戦艦レ級「ま、こういう生活のほうが刺激があっていいだろうよ」ツンツン

空母ヲ級「結果的に良い方向に転がるならなんでもいいが……辛いのは勘弁だよ全く……」フッ

提督「はは……はぁ……」

空母ヲ級「?」

提督「いや……君らを助けられてよかったなって、改めて思うよ、笑顔が見れてよかった」

空母ヲ級「……笑顔……?……なぁ、今私笑ってるのか?」

戦艦レ級「ん……あぁ、眉間のシワが少し減ってるぜ、結構いい顔してる」

空母ヲ級「…………そ……そうか……笑顔というのは……よくわからないな……」フッ

提督「……はは、その顔が笑顔だ、覚えとくんだ」

空母ヲ級「……変な生き物だな……深海棲艦を笑わせるなんて……」

戦艦レ級「アタシの前以外でも笑ってみろよ、面白いぜ?」

空母ヲ級「……お前の前だったら普通に笑えるんだがな……て、提督……こ、こうか?」ニコッ

提督「うん、川底棲艦みたいな笑い方だ、やっぱり似てるんだな……」

空母ヲ級「……褒めてるのか貶してるのかわからないぞ……」

客室 

吹雪「…………」スヤスヤ

吹雪「……?」ピクッ

吹雪「……」ムクリ

吹雪「……」キョロキョロ

吹雪「……トイレ……」カチャッ パタンッ


廊下

吹雪「…………あれ……そういえばトイレって……客室だっけ……」ガチャ

吹雪「……?」ガチャガチャ

吹雪「あ、あれ……開かない……」ガチャガチャ

吹雪「…………?」ガチャッ

吹雪「んっ……うーん!!」グィーッ

吹雪「…………」サァーッ

吹雪「し、司令官!司令官!?起きてください!ドアが!ドアが開かなく……!!司令官!!!」

吹雪「……」ブルッ

吹雪「司令かぁーーーん!!!開けて!開けてよぉ!!だれかぁ!!!」

提督「……さて……俺も寝るかぁ……」

空母ヲ級「そうか、おやすみ……ふぁぁ……私も寝ないと……おい、お前もそろそろ寝るぞ」チラ

戦艦レ級「……」プカーッ ブクブクッ ブクブクッ

提督「……死んでらっしゃる!?」

空母ヲ級「……全く……相変わらず寝相の悪いやつだ」ダキッ

戦艦レ級「……んにゃぁ………くぅ……んにゅ……」スピーッ

空母ヲ級「……じゃあな、お前も早く寝ろよ」パサッ

提督「あいよー……」

空母ヲ級「それと」パサッ

提督「?」

空母ヲ級「……これからはちゃんと服を着て外出しろ、二足歩行の生き物からすれば常識だ」ピシッ

提督「裸同然みたいな格好した女の子に言われたくない」

空母ヲ級「……一応これは服だ……じゃあな」パサッ

提督「……」

提督(……服なんだ、あれ)






廊下

提督「…………結構遅くなったな……今何時だろう……」

提督「……えっと302302……こっちか……302……あっ」

吹雪「…………」プルプルプル

吹雪「し、しれぇ……か……ん……開け……てぇ……んっ……も……げんか……!!」ウルウル

提督「 」

提督(……こ、これは……どういう状況だ……?)

提督(……落ち着け……慌てると碌な事にならない……ここは冷静に状況を分析するんだ)

吹雪「……し、しれぇ……やっ……!漏れ……!!」ギュゥゥゥ

提督(……うむ、どうやら吹雪ちゃんはトイレに行こうと思っていつもの様に部屋の外に出たんだな
    で、オートロックにやられてしまったと……ホテルあるあるだな……悲惨な最期にならなくてよかった)

吹雪「し、しれっ……鍵……鍵を……!!も、わたしっ……立てな……!!」ビクッビクッ

提督「お、落ち着け吹雪ちゃん……確か鍵はポケット……」

吹雪「……し、司令官……なんで……パンツなんですか……!!」

提督「……」

吹雪「……」

提督「やらかした」

吹雪「なにをですかぁ!!!ひんっ!!」ビクゥッ

提督「と、とにかく、フロントに行こう、あそこならトイレが有るはず……抱えるよ?」ダキッ

吹雪「す、すみません……」



フロント

吹雪「……」

提督「……」

真っ暗

吹雪「……誰も……」

提督「……居ない……」

吹雪「トイレも……」

提督「見当たらない……」

提督「……尿瓶代わりになるものがあれば」

吹雪「い、嫌ですよ!!うぅぅ……!!」ギュゥゥゥゥ

吹雪「も……や……だめ……駄目駄目……ぇぇ!!司令官!下ろして!おろしてぇ!!」

提督「お、おうっ」

吹雪「もぉ……やだ……!!外でしてきます!!大和さん……うぅっ!大和さん許して!!」シュタタタターッ!!!

提督「え、ちょ……いいの?」

吹雪「手段は選べませ……う……選べません!!大和さんに謝っといて下さぁい!!」バァンッ!!! 

提督「お……おう……ちゃんと隠れてやるんだぞージャングルとはい……ってそこでしゃがむな!もっと奥d」

吹雪「も……だめぇ…………隠れる時間が……」ガクガクッ……ヌギッ 

提督「あらぁ……まぁ……緊急だしな……」メカクシ

吹雪「…………っ……ぅ~~…………司令官……見ないでぇ……」シャァーッ








提督「……大丈夫?」

吹雪「……大丈夫じゃないです……スコップありますか?」

提督「……勝手に使っていいシロモノじゃないと思うけど……はい……俺も手伝おうか?」

吹雪「や、やめて!!私がやります!!司令官は向こう行っててください!!」

提督「はいはい……」

吹雪「……うぅ……とにかく掘って……証拠を消さないと……おしっことはいえ……やっちゃったんだから……」ザクザクッ

提督「……」

吹雪「……終わりました……」

提督「スコップ洗なよ?」

吹雪「はい……キュッジャァーッ

提督「…………まぁ……その……」

吹雪「……」ゴシゴシ

提督「…………大きいほうじゃなくてよかったな」

吹雪「……!!」

ベシーンッ!!!!

提督「いでぇっ!!」

吹雪「……デリカシーのない人!!」フンッ!!

ヤマトサーンッ!!オートロックガーッ!! アララ…デハオヘヤノカギヲ……











客室

提督「……」

吹雪「……その……すみません……色々ご迷惑をお掛けしてしまって……」

提督「いや、いいんだ……うん、俺もせめてズボンくらい履いていけばよかったと後悔してる所だから」

吹雪「……うぅ……恥ずかしい……」

提督「まぁ俺も初めてホテル泊まった時はオートロックの洗礼を受けた、あるあるだから仕方ない」

吹雪「司令官もこのシステムにやられたんですか?」

提督「まぁな……親父が来るまでずっと廊下に放置だ、一生は入れないんじゃないかって泣きそうになったぜ」

吹雪「……なんだか、私みたいですね……」

提督「……と言うことは吹雪ちゃんが数十年したら俺みたいな性格になるのかな?」ニヤッ

吹雪「……想像したくない未来です……」

提督「ははは……」

吹雪「でも司令官……運んでくれてありがとうございます……あの時運んでくれなかったら私……」

提督「あぁ、高級そうな絨毯に黒いシミが……」

吹雪「…………」ジトー

提督「……なんでもないです」

吹雪「……はぁ……もういいです、早く横になりましょう」

提督「そうだな……寝るか―……」ゴロンッ

吹雪「はい……電気消しますね?」

提督「おーう……」

吹雪「おやすみなさい……」パチッ


夜中

吹雪「……」

吹雪(……司令官の前であんな事……しちゃって……)

吹雪「……」

吹雪(……ううん……司令官は多分……)

吹雪「……ね、しれいか」

提督「……」クカーッ

吹雪「…………」

吹雪(……疲れてたんだ……司令官……そうだよね……あんなに頑張ったんだもん……)

提督「……」スピー

吹雪(私……やっぱり司令官に助けられっぱなしだなぁ……今日も司令官が居なかったら……今頃殺されて……)

吹雪「……司令官……」

吹雪(……もっと強くなって……司令官を助けられる艦娘にならなきゃ……)

吹雪(ラバウルにも呉にも横須賀にも負けない艦娘に……)

提督「……んぐっ……くぅ……」スピー

吹雪(だから……これからもよろしくお願いします……)

吹雪(…………)

吹雪(……少し……少しだけ……)


ムクッ モゾモゾ


提督「……」スヤァ

吹雪「……司令官……」ピトッ

提督「……」スヤーー

吹雪(……暖かい……いや……少し暑い……?)

吹雪(……何やってるんだろう……私……)

吹雪(いや……今は……寝ぼけてるだけ……別にそういう関係になりたいわけじゃない……)

吹雪(……今夜は少し寝相が悪いだけ……)

吹雪(……寝相が……わる……)ウトウト

吹雪「……」スヤスヤ

提督「…………」スピーッ

次の日 

チュンチュンッチュンチュンッチンチンチュンッ

吹雪「…………ん……あれ……私のベッド……」パチッ

提督「……おー……新しい制服かぁ……チクチクしないタイプでいいじゃないか……着やすい着やすい……」

吹雪(……機能は確か司令官の布団に居たはず…………ま、まさか!!)

提督「私服はおじゃんになったみたいだけど……まぁいいか……」

吹雪「し、司令かっ……!!」ムクッ

提督「おーおはよー」

吹雪「……あ、あの……」

提督「……?」

吹雪「え、あ……そ、その……」

提督「ど、どした……風邪か?顔が赤いぞ……?」

吹雪「……な、なんでも……!!」ガバッ

提督「…………ど、どうしたっていうんだ……」

吹雪「…………もうダメ……あんな事しちゃって……もう顔合わせられなよ……」プシューッ

提督「……体調でも悪いのかな……昨日も寝ぼけ気味だったみたいだし……疲れが残ってるのかな……」

吹雪「!!!」ボンッ

吹雪(……バレてる……もうダメ……)シュゥゥゥゥゥ…



提督「……一応ヲ級ちゃんたちに伝えに行くか……」ガチャッ バタンッ

吹雪「!!」ガバッ

吹雪「それだけは阻止しないと!!」 ガチャッ バタンッ


カチッ

……さて、寝るか……(トネェ…

やっと帰れた!始めるわ!

フロント

大和「もう……次からはちゃんと鍵を持ち歩いてくださいね?もう忘れ物はありませんか?」

提督「あ、はい、大丈夫です」

吹雪「は、はい!もう大丈夫です!」テレテレ

大和「……あなた達も、大丈夫?」

戦艦レ級「あぁ、必要な物は全部持った……」

空母ヲ級「……色々すまないな」

大和「いいえ、大丈夫ですよ」ニコッ

戦艦レ級「…………」

大和「…………お帰りの際は島の北部からの方から出て下さい、あちらなら巡回艦娘も少ないでしょうから」

戦艦レ級「分かった、ありがとう、吹雪、提督、準備はいいか?」

提督「あぁ、問題ない」

吹雪「……」コクッ

空母ヲ級「よし……ヤマト、世話になったな」

大和「えぇ、お気をつけて」


ギィィィ バタンッ


大和「…………深海棲艦……か……」

大和(……私は長門さんみたいに甘い艦娘じゃないわ……前浜町に帰りたいなら……せいぜい2人を守りながら帰りなさい)





空母ヲ級「ルートはさっき伝えられた通り、北からマエハマに向かう、棲地も艦娘も両方避けなければならないがな」

提督「……となると、水面にはまず出られないな……どうしよう」

戦艦レ級「その辺はアタシらに任せとけ、昨日みたいに慌ててたら溺れるだろうが今日はしっかり準備するからよ」

提督「……大丈夫なんだな?」

戦艦レ級「信用しろって」グッ

吹雪「……ヲ級さん……何か私、胸騒ぎが……」

空母ヲ級「安心しろ、こいつが立てる作戦はだいたい失敗する、お前の胸騒ぎは正しい」

提督「吹雪ちゃん、死ぬ前に何食べたい?」

吹雪「お寿司が食べたいです……」

提督「……大和さんに頼んでみるか」

空母ヲ級「姫に謝罪のモールス信号を送っておくよ……」

戦艦レ級「…………お前ら……」ショボーン

ビーチ

提督「……で……おふざけはそのくらいにして……実際の所どうするんだ?」

吹雪「艦娘でも溺れる距離ですよ?一体どうすれば……」

空母ヲ級「その県なら心配いらない、水に入る前に私達の近くに寄れば……色々あって溺れないんだ」

吹雪「……試した事はあるんですか?」

空母ヲ級「随分前に訓練で一度試しただけだが……まぁ問題ないだろう、お前は大丈夫か?」

戦艦レ級「提案者がやり方忘れるわけねぇだろ、大丈夫だ」

空母ヲ級「弾薬の数もまともに考えられないお前だから聞いてるんだよ、できるな?」

戦艦レ級「ったりめぇだ、地上で護衛対象を近くに寄せて障壁を球体状に張るんだろ、常識だろうが」

空母ヲ級「覚えてるな……で……ルートだが……」ヒソッ

戦艦レ級「……アタシが先導するからお前は黙ってついて来い」ヒソッ

空母ヲ級「?……何か手があるのか?」

戦艦レ級「あぁ、多分な……少なくとも北よりはマシなルートだ……ただ……」

空母ヲ級「……戦闘は避けられないか……」

戦艦レ級「あぁ……燃料は大丈夫か?」

空母ヲ級「……あまり余裕があるとは言い難い……」

戦艦レ級「そうか……アタシは燃料は十分だけど……弾が……」

空母ヲ級「どれくらい残ってる」

戦艦レ級「AP1発しかねぇ、HEはねぇ」

空母ヲ級「……キツいな……艦載機も飛ばせないからな……燃料はあるが肝心の弾がない……」

戦艦レ級「……ちぃ……さすがにこれはどうしようもねぇ……吹雪が見てる手前艦娘ぶっ殺して弾を手に入れることもできねぇ」

空母ヲ級「そもそもFG弾は私達に扱える代物じゃないだろう」

戦艦レ級「……はは、それもそうか……とにかくやれるだけやってみようぜ……」ハァ

空母ヲ級「そうだな……ここでじっとしてるわけにもいかない……提督、いいか?」

提督「あ、あぁ……君らは大丈夫か?」

戦艦レ級「あぁ、吹雪、アタシの隣に来い、提督はヲ級の隣に」

吹雪「は、はい……よろしくお願いします」

戦艦レ級「あぁ……抱えるぞ……ヲ級、いけるか?」

空母ヲ級「準備よし、やるぞ」


フワッ…… ヴンッ!!


提督「うおっ……浮いてる?」

空母ヲ級「すぐに慣れる」ヴヴンッ…

吹雪「……す、すごい……」

戦艦レ級「見なおしたか?」ニヤッ

吹雪「……」コクッ

戦艦レ級「……よし、行くぞ……アタシについて来い、近接索敵頼むぜヲ級!」

空母ヲ級「あぁ、提督……行くぞ」

提督「は、はい……溺れませんように……」


チャプッ スゥゥゥ………… ドシュゥウウウーーーーーン!!!

W島近海

瑞鶴(改)「……っ!」ザシャァゥ…

瑞鶴(……何処を探しても居ない……一体何処に……)

瑞鶴(それ駆逐と軽巡艦隊を一時的にトラック島に集結させる……?敵の目星がついたっていうの?)

翔鶴『瑞鶴、一旦戻りましょう……少し休んで集中力を回復させないと持たないわ!』

瑞鶴「駄目よ……!提督さんを見つけないと……」

翔鶴『瑞鶴……!』

瑞鶴「……これで最後にする……これで駄目なら……すぐ戻るから……」カッ……キリリ……

ビシュッ!! バッ!! ヴヴヴーーン……

彩雲『これで最後……必ず敵艦隊を見つけるよ、散開!』

ヴーン……

瑞鶴「……お願い……」

ヲ級『ヲ……』

瑞鶴「ごめんヲ級……すぐ戻るから……」

ヲ級『ヲヲ……』

瑞鶴「……提督さん……」




水中

コポポポ……

空母ヲ級(聞こえるか?)

戦艦レ級(……どした)

空母ヲ級(……何故北を選ばなかった?)

戦艦レ級(……アタシは大和って艦娘が信用できねぇ、それだけだ)

空母ヲ級(北は罠と踏んだか)

戦艦レ級(まぁアイツの事だ、何処行っても……)ジロッ

吹雪「……!」バッ

吹雪「水上!艦娘の艦隊です!!軽巡が混じっています!!」

戦艦レ級「敵だらけだろうけどな!!吹雪掴まってろ!撃退するぜ!!」グゥゥーン!!!

吹雪「っ……!」ガクンッ

空母ヲ級「ちいぃ……!一旦離れる!戻ってこいよ!!」

戦艦レ級「あったりめぇだ!!!提督離すんじゃねぇぞ!!」

提督「吹雪ちゃん!レ級ちゃん!死ぬんじゃないぞ!」

吹雪「司令官!!すぐに向かいます!!」


バシャァーーン!!!!


天龍「レ級たぁ……面白い奴が来やがった……」スラッ ブゥン!!

吹雪「天龍さん!?」

天龍「おう、無事か?待ってろ、すぐ助けてやっからよ……」チャキ

戦艦レ級「邪魔すんじゃねぇ!!!眼帯女ぁ!!!」バッ!! 

ガキィィィンッ!!!

数十秒後

ズバァッ!!ザンッザンッ!!ゴキッ!!

天龍「……」バキッ!!!

戦艦レ級「ぐっ……あ…………」フラフラ

戦艦レ級(吹雪……お前だけでも逃げ……)ガクッ…バシャァ

吹雪「……!」フラッ

天龍「……吹雪、大丈夫か?」ザシャッ ガシッ

吹雪「…………」コク

天龍「…………怖いか?」

吹雪「……」フルフル

天龍「……そうか、強くなったな……」フッ

天龍「若葉、吹雪を連れて戻れ」

若葉「任せておけ……吹雪、安心しろ、私だ」

吹雪(……レ級さん……!)




天龍「……おら、立てよ」ガシッ

戦艦レ級「……ぐ……」

天龍「……随分しょべぇ奴だな……てめぇ本当にレ級か?」ギリギリ

戦艦レ級「あ……が……」

天龍「…………」チャキッ

戦艦レ級「…………ッ……無様だなぁ…………」

天龍「……喋るのか?深海棲艦の癖に面白い芸持ってんだな」

戦艦レ級「……がはっ……どうせ……アタシらは何処にいても同じ運命辿ってたってのに……悪あがきしてさ……」

天龍「……」ジャキッ 

戦艦レ級「………………死にたくねぇな……」

天龍「……そうかい」ガシッ

戦艦レ級「…………はは……そうやって助けるふりしてぶっ[ピーーー]んだろ?……ったく……希望抱かせんじゃねぇよ……」

天龍「……情けねぇ面しやがって……今まで見てきたレ級の中で一番無様な面だ」

龍田『天龍ちゃ~ん、二丁目提督を見つけたよー?捕まえといたけど、どうするー?』

天龍「……ヲ級と提督をこっちに連れて来い、それと……」チラ

彩雲『……』

天龍「……瑞鶴改だな……お前も来てもらうぞ」

瑞鶴『え、えぇ!?何で私も!?』

天龍「二丁目提督のメンタルケアだ、多分この辺で一番提督と話せる奴はお前くらいしか居ねぇだろうしな」

瑞鶴『そ、そんな理由で……りょ、了解……すぐ行きます!』

戦艦レ級「……吹雪は……無事なんだろうな……」ゼェ……ゼェ……

天龍「てめぇが知る必要はねぇ、だがお前とヲ級には少し役に立ってもらうぜ……なぁに、すぐに楽にしてやるよ」

戦艦レ級「……どっちにしろ死ぬのか……クソ……」

天龍「……そりゃ、お前の態度次第だ……まぁ二度と吹雪には会えねぇだろうがな」ニヤァ

戦艦レ級「……くそぉ……!!」

saga忘れてたぜ

龍田「大丈夫ー?」

提督「お、俺は……大丈夫だけど……」

空母ヲ級「…………」ヒュー…ヒュー……

空母ヲ級「て……てい……と……く……」

龍田「……」

空母ヲ級「……ご……めん…………」

提督「ヲ級ちゃん……龍田さん……この子は……」

龍田「処分されるに決ます~」ニコニコ

提督(怖え……)

提督「……話は?」

龍田「聞く必要があれば聞きますよ~?何かある?」

空母ヲ級「……わた……しは……」

龍田「……」ガッ

空母ヲ級「あぐ……!!」

龍田「……何?」ギギギギ

空母ヲ級「ぐ……あ……ぁ……!!!」

提督「…………ちょ、ちょいまちぃ!!」

龍田「……?」パッ

空母ヲ級「は……!が……は……」

提督「話くらい聞いてあげようよ……話がしたいって言ってるのに問答無用で殺すんじゃやーさんと変わらんて……」

龍田「……」

提督「な?」

龍田「……」ハァ

龍田「1分間で私を納得させることが出来れば、この深海棲艦にチャンスをあげますよ~?」

提督「い、いっぷん?」

龍田「でも~……ふざけた内容だったら~……分かるわね?」ギロ

提督「ひゃ、ひゃい!!」

空母ヲ級「……てい……とく……」

提督(ええい考えろ考えろ俺何から話せばいいこの子は深海棲艦じゃないでも見た目はまんま深海棲艦でもこの子達は考えを改め深海棲艦としてではなく人間の役に立つ生き物として生きる決心をしたと言うとはこの子は深海棲艦ではなく人間に役に立ついきものつまり深海棲艦娘なのではないだろうかでもそれが龍田さんを納得させる言葉と聞かれればそれは違うならなんて答えれば龍田さんは納得するんだええい何を言えばいいんだ考えろ)

この間3秒

提督「よし……まとまった」

龍田「はぁい……じゃあ聞きますね~?この子を助ける理由というのは~?」

提督「ず、ずばり!↓3」


1.惚れたんだ!仕方ないだろ!男なんだから!!
2.この子達は深海棲艦からも見放された悲しい生き物なんだ!!俺が保護する!!

龍田「……見放された……?」

提督「あぁ……見放されたんだよ……今のこの子達に味方はいない……だから保護しようとしたんだ」

龍田「……吹雪ちゃんをさらった理由は~?」

提督「あの行動を起こすまでは深海棲艦として仕事をしてたんだ……でもそれから……」

空母ヲ級「…………ぐ……う……」ドクドク…

龍田「……それを私が信じるとでも?」チャキ

提督「ま、待ってくれ!」

龍田「……どっちにしても……証拠がない限りこの子達を味方と認める訳にはいかないの~……分かって頂戴」キッ

提督「だ、ま、待て!!と、とりあえず天龍さんの所に!!待て!殺すな!!」

空母ヲ級「……もういい……提督……迷惑かけたな……」

龍田「提督?少し待ってねー」ポイッ

提督「うわっぷ!!」バシャンッ

提督「ヲ級ちゃん!!逃げ!!」

龍田「潔い子は好きよ……じゃあね~」グッ……ブンッ!!!

空母ヲ級「……っ!!」


ガッ

龍田「!」

空母ヲ級「な……?」

叢雲「……龍田さん……」ギリギリ

龍田「……叢雲秘書艦……!」バッ

叢雲「こいつが話し聞けって言ってんのに……無視するとはどういう了見よ」

龍田「で、でも!この提督は敵艦を味方と偽って!!」

叢雲「…………」ジッ


ヲ級「て、ていとく……だいじょうぶ……?」バシャ

提督「あぁ……ヲ級ちゃんこそ大丈夫か?」

空母ヲ級「あ……あぁ……命は助かる…………ごめん……私が弱いから……」

提督「……」

空母ヲ級「ごめん……ごめん…………!!」


龍田「……」

叢雲「……まぁあんたの言い分も分からないでもないわ、敵艦を逃さない主義からしたら反吐が出る光景だもの」

龍田「……」チッ

叢雲「だけど、投降するって話が上がってるんなら話を聞くのが筋ってもんよ、こいつらを余裕で倒せるなら話くらいは聞きなさい」

龍田「私には出来ないわ……」

叢雲「出来なくてもやれ、それが司令官の言葉よ」

龍田「……っ」

叢雲「……もう戻りなさい、この件は天龍さんと私で処理するわ、龍田さんは残りの艦隊を連れて横須賀に帰りなさい」

龍田「……了解、帰還するわ」


ザシャァァゥ!!!

提督「む、叢雲さん……」

叢雲「……」

空母ヲ級「……」

叢雲「……まぁた……変なの連れてきたのね、川底じゃ飽き足りず深海棲艦まで引きこむなんて……」

空母ヲ級「……」

提督「……」

叢雲「……ホント、アンタんとこは平和なのか危ない所なのか分からないわね」アタマカカエ

叢雲「で、空母ヲ級だっけ?」

空母ヲ級「……何だ……」

叢雲「とりあえず司令官を持って着いてきなさい、あんたの仲間の所で今後の処分を考えるから」

空母ヲ級「…………あぁ……すまないな……」

叢雲「……深海棲艦に謝られるってなんか変な気分ね……行くわよ」

空母ヲ級「……提督……さぁ」

提督「あぁ、大丈夫か?」

空母ヲ級「……あぁ……」ザシャァゥ



天龍「……」

戦艦レ級「……」

天龍「……チッ」ポイッ

戦艦レ級「……」バシャーン

天龍「殺す価値もねぇ、こんなゴミ……強くなる見込みも見えねぇ、生きる希望も見いだせねぇ」

戦艦レ級「……」

天龍「てめぇ、今までなんの為に生きてやがった、その恵まれた体を使い潰すためか?あぁ?」

戦艦レ級「……」

天龍「……聞いてんのか」ガシッ グググ

戦艦レ級「うぅ……」

天龍「……」

戦艦レ級「殺さないで…くれよ…死にたく……ない……っての……」

天龍「……チッ……虫ケラが……」バシャーンッ

天龍「……?やべ……叢雲じゃねぇか!」

叢雲「……あんたも捕虜傷めつけてんの?」ザシャゥ

提督「レ級ちゃん!!」

天龍「……あ?ちゃん?」

空母ヲ級「お、おい!大丈夫か!?おい!!しっかりしろ!!」

戦艦レ級「あ……う…………て、ていと……く……」

空母ヲ級「……おい、血、止められるか!?しっかりしてくれ……!!」

戦艦レ級「て、ていとく……ごめん……吹雪……あの眼帯に…連れて行かれて……」

提督「……いいんだ……横須賀鎮守府に搬送されただけだ……よく守ってくれた……よくやった……」ギュゥ


天龍「……どういうこと?なんで深海棲艦とアイツが仲いいんだ……?」ポカーンッ

叢雲「色々事情があるみたいよ……知らないけど……ほんと疫病神ね……あいつ……」ハァ

……こんな時間か……寝かせてもらうぞ!(スヤァ

構わんよ、さぁ始めます

横須賀鎮守府 医務室

提督「お、無事だったか吹雪ちゃん」ガチャリ

吹雪「…………」

提督「…………」

吹雪「…………」

提督「二人共、一応無事みたいだ、今は牢屋の中だけど」

吹雪「…………」コクッ

提督「……まぁ、なんとかなると思う……保証はないけど……」

吹雪「……」コクッ

提督「………………」

提督「……とりあえず、今は休みな……じゃ、また来るよ」ガチャッ バタン





医務室前

天龍「……どうだった?」

提督「……ダメだな、結構精神的に来てるみたいだ」

天龍「そうか……」

提督「ヲ級ちゃんとレ級ちゃんは?」

天龍「一応地下牢にぶち込んどいた、お前の言う通り定期的に海水を持ってこさせてる」

天龍「……」

提督「……まぁ、今後の処理は横須賀さん次第か……」

天龍「あぁ……ったく……お前もこのクソ忙しい時に面倒事持ってきてくれやがって……」ヤレヤレ

提督「MIの事?あれは呉鎮守府が中心になってるんだろ?」

天龍「バカ言え、補給線の確保やら火力支援部隊やら島の制圧部隊の確保やらでてんやわんやしてんだよ」

天龍「だってのにこんな前代未聞の事態を招いてくれやがって……お前ってやつはよぉ……」ポリポリ

提督「すまんねぇ……俺だってこんなことになるとは思ってなかったよ……所で……龍田さんは?」

天龍「アイツは部屋で待機してる……多分3日くらいは待機だろうな……俺も今から部屋に行く所だ……」

天龍「投降の意思が確認できてたのにアイツを殴っちまったからな……当然だ」

提督「そうか……」

天龍「……そろそろ提督からのお呼ばれが来るぜ、準備しとけよ、じゃ」タッタッタッタ

提督「あぁ、じゃあ……」

提督(横須賀さんかぁ……そろそろ来るのk)

横督「……」

提督(居た、威厳たっぷりの立ち姿……)

横督「来い」

提督「は、はい」

提督「……」

横督「……」スタスタ

提督「あ、あの……」

横督「話は部屋で聞く、黙っていろ」スタスタ

提督「は、はい……」

横督「……」


ギィィィ……ギィィィバタァン……


提督室


提督「……」キョロキョロ

横督「どうした、座らんのか?」

提督「あ、は、はい、失礼します」ギシッ

横督「…………」

提督「…………」

横督「……全く……面倒な騒ぎを起こしてくれる……呉に引けを取らぬ疫病神だ……」

横督「……」

提督「……あの……吹雪が……かなり精神的なダメージを……」

横督「吹雪についてはW島の瑞鶴改に任せている、吹雪は奴に任せておけ」

提督「……そ、そうですか……」

横督「……必要なら伊58を呼び戻す、心配はいらん」

提督「……は、はぁ……」

横督「…………それよりもだ……説明してもらうぞ」

提督「分かってますよ……」

横督「……」

提督「彼女らとの出会いはちょうど数週間くらい前ですかね……突然鎮守府に押しかけてきて……」

横督「……ヲ級とレ級が……押しかけた理由は」

提督「それが……よく分からないんです……」

横督「……何だそれは、叢雲」

叢雲「…………」スヤァ

横督「起きろ」

叢雲「はっ……!」パチ

叢雲「な、何?」

横督「空母と戦艦を連れて来い、私が直接尋問する、この無能では話にならん」

叢雲「わ、分かったわ……」テテテッ ガチャッ バタンッ

提督「……寝てましたね」

横督「……」

提督「……」

横督「……貴様の周りでは立て続けに問題が起こるようだな」

提督「面目ない……毎回毎回どこかに迷惑をかけてしまっているみたいで……」

横督「全くだ、少しは平和に暮らせんのか貴様は、呪われているのか?」

提督「一応呪いの類は受けてないつもりなんですがね……」ヘヘ

横督「全く……だが、相変わらず手に入れる品は何処にも劣らぬ一級品だ、そこだけは褒めてやろう」

提督「そんなもんですか?あの2人にそれ程の価値があるとは……」

横督「戦艦レ級、空母ヲ級、どちらもマトモな解析ができずに対策を練ることが出来なかった艦種だ」

横督「それを貴様はほぼ無傷で、尚且つ友好的に鹵獲することに成功している、またとない功績だ」

提督「……そ、そうですか……」

横督「……だが、どこかの鉄屑2つがそのまたとない功績に傷をつけてしまったがな」チッ

提督「で、ですが……あの2人は」

横督「私は貴様と吹雪を無傷で救出しろと言ったはずだ、あの鉄クズ共には聞こえなかったようだが」

提督「え、えぇ、俺と吹雪ちゃんは無傷ですし……」

横督「無傷だと?あぁそうとも、貴様のような仲間の怪我に心を傷めない薄情者は無傷だろう」

横督「だが吹雪はどうだ、目の前で慕っていた戦艦レ級が傷つけられ、今では医務室で寝込む程心を痛めている」

横督「無傷というのは心身ともに無事であることを言う、心に傷を負う地点で無傷とはいわん」

提督「…………」

横督「あの鉄クズ共……そんな事も分かっていなかったとはな……私の見込み違いだった」

提督「……」

横督「……所で、貴様はあの2人をどうするつもりだ」

提督「……は、はい…………」

横督「早く言え」

提督「は!え、えと、実は……うちの鎮守府で管理しようかと……」

横督「そうか、誰かに相談したか」

提督「え、えぇ、呉の長門さんに」

横督「……あの女はどんな判断を下した」

提督「……艦娘とひと目を避けるためテトラポッド内に……」

横督「分かった、ならばしばらくその場所に住まわせておけ」

提督「は、はい……」

横督「それと、戦艦レ級と空母ヲ級は横須賀内で武装、体内構造の解析を行うため数日預からせてもらう」

提督「や……やはり……」

横督「調査の経過は本営と貴様の鎮守府に送る、私の調査が信用ならんなら読め、納得させてやる」

提督「え、あ、はい」

横督「……無論この件は本営と内閣に報告させてもらう、問題ないな」

提督「は、はい……」

横督「……私からは以上だ、叢雲を待て」

提督「……は……はい」

提督「……」

ガチャッ ギィィィ

叢雲「連れてきたわ」バタン

空母ヲ級「提督……」

戦艦レ級「畜生……離しやがれ……!!」ギロッ

横督「来たか、叢雲、縄から手を離すな」

叢雲「分かってるわよ」

戦艦レ級「……この野郎……!!吹雪はどこだ!!」

横督「吹雪は医務室に居る、貴様の態度次第では会わせてやらんこともない」

戦艦レ級「吹雪に変なことしてねぇだろうな!!!アイツに傷ひとつ付けてみろ!!ぶっ潰してやる!!」

空母ヲ級「おい……落ち着け」

戦艦レ級「落ち着いてられるかよ!!!提督も吹雪も危ねぇんだ!!アタシが動けるなら動いてやる!!」

空母ヲ級「落ち着け!!お前動けてないだろ!!」

戦艦レ級「糞が…!!」ギッ

横督「……貴様ら深海棲艦が何故吹雪とこの間抜け面を信頼している」

戦艦レ級「間抜け面だと……!?」ギリィ!!

提督「落ち着きなさいな、間抜け面は否定しないからさ……」

戦艦レ級「……お前、それでいいのかよ……」

横督「……答えろ」

戦艦レ級「……」

空母ヲ級「……提督は死にかけた私達を助けてくれた、それに私達深海棲艦は地上の人間を襲わない」

横督「……地上の人間を襲わない?貴様らは地上で艦娘を拉致し、地上の戦力に大打撃を与えただろう」

空母ヲ級「あれは命令違反だ、自衛行為とはいえやり過ぎたことは認める……」ジロ

戦艦レ級「……」メソラシ

空母ヲ級「……それに死人は出していない」

横督「……先日の資料を見せろ」

叢雲「これよ」ペラ

横督「…………」パッ

横督「……避難の際に出た多少の負傷者以外は……確かに攻撃による死者、負傷者は出ていない」

戦艦レ級「……」

横督「マスコミは死者が出たとでっち上げているようだが……確かに死者は出ていないな」

空母ヲ級「それが私達の派閥のポリシーだ、海以外は人間の世界、私達のような種族が入るべきではない」

戦艦レ級「港湾棲姫のお言葉だ、てめぇのような性根の腐った野郎には響かねぇだろうけどな」ヘッ

横督「一々癪に障る言い方をする女だな貴様は……」チッ

空母ヲ級「話をややこしくするな!!」ギロッ

戦艦レ級「うっ……」

空母ヲ級「……そのポリシーに反した私達は昨日、裏切り者として深海棲艦から狙われるようになってしまった……」

横督「……ほう……と言うことは貴様らにはもう味方が存在しないということか……」

空母ヲ級「そういう事だ……そこで私達に同情してくれたのが、前に命を救ってくれた提督とフブキだ……」

戦艦レ級「あぁ、死にかけたアタシをまた助けてくれたんだ、信頼しないわけねぇだろうが」

提督「……」

提督(……いや、待てよ)

提督「そういえばさ……ふと思ったんだけど」

戦艦レ級「?」

空母ヲ級「?」

提督「そもそも、何で俺の鎮守府に来たんだ?君らが人語覚える前の話になるけどさ……」

戦艦レ級「何でって……」

空母ヲ級「それは……初めて来た時って確か……」

提督「ほら、ガンダムと猫艦戦交換した時の話だよ」

空母ヲ級「がんだむ?あのおもちゃの事か?」

横督「……」

叢雲「プラモと猫艦戦を交換って……ホントに常識知らずねこいつ……」

空母ヲ級「……あぁ……そういえば……」

戦艦レ級「なんだっけか……」ポワワーン


---------------------------------

隠れ棲地

ゴボボ…

空母ヲ級「イイカラシュウチュウシロ、ワタシタチノ任務ハ雑談ジャナイ」

戦艦レ級「……ツマンネェノ……」

空母ヲ級「特例ガ認メラレナイ限リ上陸ハ許可シナイ」

戦艦レ級「……ケッ……ン?」

ピピピーーーピピッピピピピー

空母ヲ級「報告カ」

戦艦レ級「……ヘェ……ヨシヲ級、トクレイガミトメラレタゼ」

空母ヲ級「……マータロクデモナイコトヲカンガエタカ……」ヤレヤレ

--------------------------------

空母ヲ級「……そういえば……」

戦艦レ級「アタシが変なコト考えたから……だっけ?」

空母ヲ級「……」

戦艦レ級「興味本位だな、言っちまえば」

空母ヲ級「……真剣にお前との付き合いを考え直したくなったよ……」ハァ

戦艦レ級「いや、あの時は本当に興味本位で上陸して……」

空母ヲ級「お前が馬鹿なことを考えなければ今頃姫に認められて北方棲姫様と一緒の艦隊で……あぁ……」ガクッ

横督「……」

提督「……何か分かりそうですか?」

横督「このバカ共は何なんだ、本当に深海棲艦なのか」

提督「い、一応……」

横督「……前浜町には無能しか存在しない……はっきりと分かった」

提督「お、恐れいります……」

叢雲「褒めてないわよ……」

提督「……」

横督「……まぁ……いい……貴様はもう出て行け」

提督「え、いいんですか?」

横督「帰れとは言っていない、吹雪の所に行け」

提督「は、はい……で、でも……」

横督「……」

提督「分かりました……じゃ、じゃあ後は」

叢雲「……姉さんによろしく」

提督「任せといて下さい、メンタルケアは(瑞鶴ちゃんが)得意ですから」

横督「……さっさと消えろ」

提督「では、失礼します」

戦艦レ級「後でアタシたちも行く」


ガチャッ ギィィィ バタァン




提督「……」

若葉「……あ」

提督「ん……?あ、門番の」

若葉「若葉だ、どうした、二丁目提督」

提督「いや……今から医務室に行くところなんだが……」

若葉「……腹でも下したのか?」

提督「いや、違う違う、その……吹雪ちゃんに会いにだな」

若葉「そうか、今W島の瑞鶴改が面倒を見ている……提督も行くといい」

提督「う、うん……」

若葉「……大丈夫だ」

提督「……あ、ありがとう……」





医務室前

ウッ……ウゥゥ……グスッ……

提督「…………」

提督「と、言われたものの……嗚咽が聞こえる中入るなんて出来ないよなぁ……」チラ

吹雪『……』

瑞鶴『……少し、待ってて……』

吹雪『…………』

提督「……」


ガチャッ

瑞鶴「あ……提督さん、久しぶり」

提督「瑞鶴ちゃん……」

そんな悲しみに沈んだ吹雪の泣き顔がそそるという事実に二丁目提督が気づいてしまうまで後ドア一枚…

休憩室 自販機近く

提督「……そうか……ヲ級とレ級はW島に?」

瑞鶴「えぇ、こっちの提督と翔鶴姉が面倒見てるけど……やっぱり提督さんと吹雪が恋しいみたい……」

提督「……早いうちに引き取らないとな」

瑞鶴「えぇ……吹雪は……」

提督「……まぁ……時間が解決とは行かないよな……」

提督「…………」

瑞鶴「……深海棲艦と親しくなって、その親しくなったばかりの子が痛めつけられる……」

提督「…………」

瑞鶴「……」

提督「……とりあえず……行ってみるか」

瑞鶴「そうね……」




医務室

吹雪「……」

吹雪「……」

提督『吹雪ちゃん、俺だよ』

吹雪「司令……官……」

提督「入るぞー」ガチャッ バタンッ

瑞鶴『ちょ』

瑞鶴「て、提督さん、閉めないでよ……」ガチャッ バタンッ

吹雪「…………」

提督「……目、真っ赤だな……大丈夫?」

吹雪「…………少し……落ち着いた……」

提督「……そうか、なら良かった」

吹雪「……」

瑞鶴「……」

吹雪「司令官……ヲ級さんと……レ級さんは……?」

提督「あり……あぁ……横須賀さんの所で色々解析した後こっちに来るらしい、大丈夫、殺されない」

吹雪「…………」

瑞鶴「……」

提督「……」


バァーンッ!!


戦艦レ級「よっ!吹雪!元気か!?」

空母ヲ級「元気なわけ無いだろ……」

叢雲「あんた達……他に寝てる子もいるのよ……」

吹雪「ヲ級さん……レ級さん……それに叢雲ちゃんまで……」

叢雲「私はついでみたいな言い方ね……」

>叢雲「私はついでみたいな言い方ね……」
吹雪「えっ」
提督「えっ」
瑞鶴「えっ」
レ級「えっ」
ヲ級「ヲッ」
叢雲「えっ」

W島 

ヲ級「ヲ……」

翔鶴「……」ジー

ヲ級「ヲ?」クビカシゲ

翔鶴「……」ツンツン

ヲ級「…………?」プニプニ

翔鶴「か、可愛い……のかしら……」

ヲ級「ヲー……」ソワソワ キョロキョロ

翔鶴「あ……二丁目提督と吹雪さんの無事は確認できたそうよ?」

ヲ級「ヲッ!?」ピクッ

翔鶴「えぇ、明日か明後日には帰れるかもしれないわね」

ヲ級「ヲヲ……」ウルウル

翔鶴「……心配してたのね……もう大丈夫よ」ナデナデ

ヲ級「ヲヲ……ヲッ……ヲッ……」

W提督『ここがええのんか?ここがええのんか?尻尾か、しっぽがええんか?ほれほrいでええええ!!!』

レ級「……ウガーッ!!!」プンスカ

翔鶴「もう……提督ったら……」

ヲ級「……」ナデナデ

レ級「……ウウウ……」シクシク




横須賀鎮守府

提督「あれ、もういいの?」

叢雲「『話にならん、もう消えろ、貴様の解析は明日にする』って」(声真似)

戦艦レ級「アタシ達別に変なコト言ってないのになぁ……何でだろ?」

空母ヲ級「お前が説明中に余計な茶々入れるからだろうが……」

戦艦レ級「あれ、そうだっけ?」

叢雲「ま、九分九厘あんたのせいね」

戦艦レ級「マジカヨ……ん?」

瑞鶴「…………」ブルブル

戦艦レ級「あれ、あん時の黒空母じゃねぇか、何してんだこんなトコで」

瑞鶴「……え、あ、えーっと…………どなた?」

提督「あぁ、瑞鶴ちゃんは見るの初めてだっけ?この子が例の深海棲艦の二人組だよ」

瑞鶴「そ、そうなの?」

瑞鶴(ま、まんまヲ級とレ級じゃない!こう……ちっさいタイプでかわいい感じかと思ったけど……)チラ

空母ヲ級「……?」

戦艦レ級「何見てんだ?」ジロッ

瑞鶴「ヒィィィーーー!!!!」ダダダッ バァンッ!!バターンッ!!!

瑞鶴(無理無理無理無理!!怖すぎるってぇーーー!!!!)

戦艦レ級「……何だアイツ……」

叢雲「そりゃ怖いでしょ……あんたら……」ヤレヤレ

空母ヲ級「……フブキ……大丈夫か?」

戦艦レ級「あの野郎に変なことされなかったか?体とか、大丈夫か?」

吹雪「……ヲ級さん……レ級さん……」チラッ

吹雪「……と、叢雲ちゃん」

叢雲「わざと言ってんでしょアンタ……」ピキッ

提督「いやぁ……まぁよく来てくれたよ……ヲ級ちゃんとレ級ちゃん」

提督「と、叢雲ちゃん」

叢雲「……」

瑞鶴「を、ヲ級さん……?レ級さん……あ、あの……!焼きそばパン買ってきました!!」ガチャッバタンッ

瑞鶴「……叢雲さんにはうまい棒買ってきました!!」スッ!!

叢雲「なんでよ!!貰うけど!!ってかアンタ久しぶりね!!」

瑞鶴「久しぶりね、ドアぶっ壊した時以来かしら?」

叢雲「うっ……いや、あれはその……」

戦艦レ級「何だお前、人んちのドアぶっ壊したのか?」

空母ヲ級「悪い奴だな……」

叢雲「う、うっさい!!電器屋丸々乗っ取ったあんたらに言われたかないわよ!!」

提督「ひでぇぞ……この子のせいで俺の家のドア買い換える羽目になってさ……」

叢雲「だってアレはあんたの荷物の送り方が悪いから腹が立って……」

瑞鶴「危険物をダンボール詰めだったっけ?ひっどいわー」

提督「反省してるよ……はは……」

戦艦レ級「だからってドアぶっ壊していい事にはならねぇだろー」

空母ヲ級「常識のない奴だ」

叢雲「あぁ、あんたらねぇ!!言いたいこと言ってくれてぇ!!縛られてること忘れてんじゃないの!?絞め殺すわよ!?」

空母ヲ級「怖いな……やっぱり艦娘は野蛮な生き物なのか……」

戦艦レ級「吹雪ぃ……お前の妹だっけ?なんとかしてくれよーこえーよこいつ」ダキッ

吹雪「んぇ?あ、あの……」

叢雲「あ、あんた!!いつの間に縄を……!!手使えないはずでしょ!?」

瑞鶴「ヒィィ……手が使えるなんて聞いてないわよ!!」

戦艦レ級「あんな縄じゃすぐ千切れちまうよ、お前じゃあるめぇし別に悪いことしねぇよ」

空母ヲ級「ドアを壊すような真似はしない、安心しろ」ブチッ

叢雲「……ぐぬぬ!!吹雪!!あんた何でこんな奴ら友達にしたのよ!!」

吹雪「え、えと……な、成り行き?」

提督「成り行きだな……」

瑞鶴「成り行きでヲ級とレ級って……」

叢雲「どうなってんのよこの鎮守府……」

吹雪「あ……あはは……」

戦艦レ級「お、笑ったぜ?」

空母ヲ級「少しは元気になったみたいだな」フッ

吹雪「なんか……みんな見てると泣いてるのが馬鹿みたいに思えて……」フフ

提督「それがいい、殺しても死なないような連中だからな、特にこの二人は」

提督「ところでさ」

叢雲「?」

提督「帰りは何で帰ればいいんだ?」

叢雲「え、あ、あぁ……帰りね?」

叢雲「……」アセアセ

叢雲「……船、動かせる?」

提督「俺達に死ねと?」

吹雪「あ、じゃ、じゃあ叢雲ちゃん、吹雪型の艤装ってある?」

叢雲「え?えぇ、私の予備があるけど……旧式だけど一応あんたでも使えると思うわ」

吹雪「うん、分かった、司令官は私が背負って帰るから大丈夫」

叢雲「でも、二丁目さんはいいの?」

提督「誰かに抱えられるのはもう慣れた、吹雪ちゃんは大丈夫?重くない?」

吹雪「艤装のパワーなら司令官くらい持ちあげられます、大丈夫です!」

提督「じゃあ、それで頼むよ、ヲ級ちゃんとレ級ちゃんはここに止まるんだよね?」

空母ヲ級「あぁ、工廠の艤装をテストする所が海になってるらしい、そこで寝泊まりするそうだ」

戦艦レ級「艦娘に襲われる心配がない安全な所らしいぜ、心配ねぇよ」

提督「あぁ……分かった、じゃあ吹雪ちゃん、そろそろ行くか?」

吹雪「はい!」

叢雲「ん、じゃあついてきなさい」


瑞鶴「あ、あの……」

戦艦レ級「へぇー瑞鶴って言うんだ、結構美人じゃね?」モシャモシャ

空母ヲ級「焼きそばパン……美味いな……いいものを探す……」ムシャムシャ

瑞鶴「は、ハナシテ……」ビクビク

戦艦レ級「……うーん……気に入ったぜ!何処にすんでんだ?」

瑞鶴「う……W島……です」

戦艦レ級「W島か、最近盗られた場所だよな、今度行ってみていいか?」

瑞鶴「こ、困ります!」

空母ヲ級「冗談だ……私もお前が気に入った、今日は泊まっていかないか?」

瑞鶴「ひ、ヒィィ!!て、提督さん!助けて!!」

提督「……後は任せた!」ピシッ

叢雲「……」ニヤリ

吹雪「瑞鶴さん……」ペコッ



イヤァァァァァーーーーーー!!!! バタン



という訳で今回は以上じゃ、7時半から空手の恵子があるからそろそ寝る!

このずいの字、お前がのんびり寝てる間に一度来てたんだぞとか言ったらどんな顔するんだろう?

ツンツンツン
と、言うわけで語学力のない私は12時に再開すると予告しますぜ

艤装保管庫 

提督「……へぇ……色々あるんだなぁ……」

吹雪「同じ艤装でも性能の微妙な違いとかあるんですね……へぇ……」

叢雲「状況に応じて使い分けるのよ……で、今からあんたが付けるのは……」ピッピッピッピ

カシュゥー……ガゴンッ 

吹雪「……これって……」

提督「叢雲ちゃんの奴じゃん、あれ……でも型番は吹雪ちゃんと同じだ……」

吹雪「型番?どこに書いてあるんですか?」

提督「ほら、背部の側面、DD-01-01って」

吹雪「……あ、本当だ……何でだろう……?」

叢雲「……まぁ、吹雪型のプロトタイプみたいなものよ、付けてみる?」

吹雪「うん……でもこれ……どうやって付けるんだろう……」

叢雲「何時も付けてるみたいに付ければいけるでしょ、ほら、背中向けて」

吹雪「う……うん……」

提督「…………合うのかな……どう見ても合わなそうなんだけど……」


サ、ツイテキナサイ エ、ム、ムラクモチャン?ココデツケルンジャナイノ? ハァ?シュドウデツケルワケナイデショ


提督「……あれ?ここで付けないんだ……」

カシャンッ ヴヴンッ……

吹雪「……」ソワソワ

叢雲「……今見た感じだと接続は普通にできるみたいだから、後はそこに乗るだけよ」

吹雪「……うん……でも、大丈夫?」

叢雲「何時まで心配してんのよ面倒くさいわね……さっさと付ける!」

吹雪「……うん……」ソォーッ

叢雲「ほら!モタモタしない!」ドンッ

吹雪「うわっ!!」ドサッ

フミッ

吹雪「え?」

ドシュゥンッ!!

吹雪「わっ!?え!?え!?」

ウィーンッ カチャカチャッ カシャンッ

吹雪「え!ちょっ!ちょっと何やって!?ちょ!!」

提督「おー……これが自動装着システムってやつか……」

ガチャガチャッ ウゥーンッ

提督「……かっけぇ」

吹雪「待って!待って!!自分で!自分で付けられるから!!」ガチャンッ!

ピッ……ピッ……ピッ……ビーーッ!!

吹雪「え?ちょっと待って……まだ足しか!!」ドシュゥーーンッ!!!

吹雪「うわっ!うわわぁあーーー!!??」

提督「おー、行った行った」

叢雲『艤装出して、向こうは初心者だから接続はそっちでやって頂戴』

リョウカイ ギソウシャシュツ


吹雪「と、止まらな……!!」

ヒュンッ

吹雪「?」チラッ

吹雪「あうっ!?」ガシャァンッ!!! キリッキリッキリッ!! バチィッ!!

吹雪「何……!?え!?」

フォンフォンフォンフォンッ!!!

吹雪「え、え、何……何ぃ!?」パシッ

吹雪「……槍?と言うか……アンテナ?これも叢雲ちゃんの……」

吹雪「……」ウィーンッ ガコンガコンッ……

吹雪「……とりあえず……これで大丈夫?うん、大丈夫、全部問題ない……行ける!」

吹雪「と、特I型駆逐艦一番艦吹雪!行きます!!」ブンブンブンッ……チャキッ……ドシュゥーーンッ!!!


提督「……」

叢雲「……」

提督「置いてかれた?」

提督「……」

叢雲「……まさか本当に付けられるとは思わなかったわ」

提督「あれでもし付けられなかったらどうなってたの?」

叢雲「体に無理やり異物をねじ込むような物ね、滅茶苦茶痛いらしいわ」

提督「……仮にも姉なんだからもう少し安全な方法考えてやれよな……」

叢雲「建造年月的には私のほうが姉なんだからいいのよ」

提督「良くねぇよ……まぁ結果的に付けられたからいいけどさ」

ザシャァゥ シレーカーン!

提督「あ、戻ってきた」




吹雪「す、すごいです!これ!一体どうやって付けてたんですか!?見えてました!?」

提督「あ、あぁ、なんかよく分からなかったけど取り敢えず装着出来てたぞ」

吹雪「わ、私もほとんど目をつむっててよく見えませんでした!」

提督「あぁ、でもカッコ良かったぜ、吹雪ちゃん」グッ

吹雪「あ、ありがとうございます!……で、でも叢雲ちゃん、これ、何時返せばいいの?」

叢雲「別に返さなくてもいいわよ?どうせ使わないものだし、こんな所で捨てるよりは誰かに使ってもらったほうが幾分かましよ」

吹雪「で、でも、いいの?」

叢雲「えぇ、あんたに使われるなら本望でしょ、この子も」コンコンッ

提督(今日限りで終わりそうな気がするけどなぁ……この子の出番)アハハ

吹雪「う、うん……ありがとう、大事にするね!」

叢雲「何言ってんのよ、いいからさっさとこの間抜け面抱えて帰りなさい、また面倒な男が来るわよ」

横督「誰が面倒な男だ、何時からそんなに偉くなった」

叢雲「げっ」

提督「うっ」

吹雪「ひっ」

横督「許可なしにこの鎮守府から出るとは中々面白いサプライズじゃないか、危うく見逃すところだったよ」

叢雲「しし、司令官、でもこの子らに用はないでしょ!?吹雪も立ち直ったし……」

横督「あぁ、確かにこの蛆虫と鉄屑に用はない、だがこのゴミ共が連れてきたゾンビ2匹の通訳が必要だ」

叢雲「あ、アンタ……」

横督「……まぁ冗談はここまでにしておこう、吹雪、もういいのか」

吹雪「は、はい……ご迷惑をお掛けしました」

横督「あぁ、実に迷惑だった、二度とこんなふざけた要件で押しかけてくるな、貴様らの腐りきった面を見るのは今日限りにさせてほしいな」

吹雪「……」

横督「……まぁ、粗大ごみを一つ持って帰るというのなら感謝しよう、貴様ら貧乏人にはそのゴミがお似合いだよ」

提督「……は、はぁ……」

横督「深海棲艦はこちらで面倒を見る、貴様らはあの金食い虫の巣穴を数日以内に掘っておくんだな」

吹雪「……はい」

提督「分かってますよ」

横督「以上だ、叢雲、大鳳の件は片付いているな?今日中に呉に送る」

叢雲「一応伝えているわ、もう準備は進んでるみたい」

横督「そうか、二丁目」

提督「は、はい」

横督「先に伝えておく、貴様らにもMIの支援活動にあたってもらう」

提督「え、え?俺達にですか?」

横督「そうだ、正確にはMI作戦後になるがな、古鷹の療養が終了次第呉鎮守府の負傷艦娘の療養に当ってもらう」

横督「この任務は私が個人的に貴様に与える任務だ、拒否は許さん」

吹雪「……」チラ

提督「……古鷹さんの療養が終了したら……でいいんですね?」

横督「二度は言わん」

提督「……了解しました、ではMI作戦終了後、そのように手配します」

横督「任せた、もう行っていいぞ」

吹雪「……」ピシッ

叢雲「……所で、呉の司令官は見つかったの?」

横督「だいたいの目星はついた、今日中に救出作戦を開始する、MIには間に合わせるぞ」

叢雲「分かってるわ」

提督「じゃ、じゃあ俺達はこれで」

横督「まだ居たのか、さっさと失せろ、目障りだ」

吹雪「司令官、肩に」

提督「あ、あぁ……失礼しまーす」

吹雪「んしょっ……叢雲ちゃん、またね」

叢雲「ん、また来なさい」ヒラヒラ

吹雪「司令官、掴まっててくださいね……行きます!」ドシュゥーンッ!!!

提督「ちょ、速っ!ひぃやああー!!!」バシャーンッ

横督「……叢雲、奴に曳航ベルトを渡せ」

叢雲「そうね、あとで気付いたわ」

帰り道

吹雪「司令官、大丈夫ですか?落っこちてないですか?」

提督「大丈夫だ……にしてもこれ……本当に人を乗せる事を想定してたのか……」ザザザザ…

吹雪「快適ですか?」

提督「まぁ、引っ張られてるだけだから苦しくはない、それに寝転んでるとはいえ、割と自由が効くからな」

吹雪「ベルトって言うよりボートって感じですか?」

提督「ハンモックが上手い具合に水上を滑ってるって感じかな、落ちないようにベルトで締められてるけど」

吹雪「ふぅん……」

提督「……しっかしまぁ……昨日今日といろいろあって疲れたなぁ……」

吹雪「はい……今日はゆっくり休みたいです……」

提督「だなー……我が家が恋しい……」

吹雪「我が鎮守府ですけどね」

提督「今更だけどあれが鎮守府に見える?」

吹雪「見えないです」ハァ

提督「だろ?吹雪ちゃんだって時々鎮守府じゃなくて家って言ってるじゃん」

吹雪「あ、あれは……」

提督「……そういうことだ」

吹雪「でも……本当に何であんな所に鎮守府を建てたんでしょうか?せめて海沿いに建てればよかったのに」

提督「まぁ群馬とか栃木とかに鎮守府があるよりはマシだよ、山沿いなのは未だに納得行かないけど」

吹雪「うーん……謎です……」

提督「知らないほうが幸せかもなー……」

吹雪「そんなことないと思いますけど……」

ヒュゥゥーッ

吹雪「海風……」バタバタッ

吹雪「あ……」ササッ

吹雪「…………」チラ

吹雪「……?」

吹雪(もしかして司令官……)ジー

提督「……前見ないとぶつかるぞ?」

吹雪「……いえ、あ、あの、司令官……もしかして……その体勢……司令官、寝転んでますよね?」

提督「うん……まぁベルトの構造上仕方ない、どうした?」

吹雪「………」

吹雪「……」ササッ

提督「あぁ……そのことか」

吹雪「……ずっと見てたでしょ」

提督「見てないって」

吹雪「……目瞑ってて下さい!」

提督「分かった分かったって……全く……別に俺に見られて恥ずかしいって思うのがおかしな話でだな」

吹雪「早く!」

提督「はいはい……」

というわけで昼はここまでにしようかしら、腹減ったし

さて、やりますか

前浜町 灯台 

提督「ふぅ……帰ってこれたな……」

吹雪「えぇ……やっぱりなれない艤装は……きつい……よいしょ……」カチッ ガショッ

提督「お疲れー……にしても叢雲ちゃんの艤装、中々似合ってたな」

吹雪「そ、そうですか?確かにこの槍は結構しっくり来てたような……」チャキッ 

提督「初めて扱うんだろ?それ」

吹雪「え、えぇ……でも何故か懐かしいような……」

提督「姉妹艦ゆえの気持ちかねぇ……?」


翔鶴「姉妹艦同士の艤装はたとえ形が違ってもリンクすることが可能なんです」


吹雪「?」チラッ

提督「ん……あ、あなたは確か……W島の?」

翔鶴「えぇ、お久しぶりです、提督」

吹雪「あ、お、お久しぶりです!翔鶴さん!」ピシッ

翔鶴「えぇ、吹雪さん、大変でしたね……」チャプッ

ヲ級「ヲッ!!」ピョコッ

レ級「っ!」チラ

吹雪「あ!ヲ級!レ級!!」

提督「……何だと思ったらヲ級とレ級のバケツか……W島に置いてくれてたんでしたっけ?」

翔鶴「えぇ、緊急時でしたから……今日は二丁目鎮守府にお返しするためにここに来たんです」

提督「それは……わざわざありがとうございます……じゃあこの子、預かりますね」

翔鶴「はい、これからも大切に育ててあげてくださいね?」チャプッ

提督「はい……おー、元気だったか?」

ヲ級「ヲッ!!」コクッコクッ

レ級「ッ!」ニコッ

提督「そうかそうか、吹雪ちゃん、会いたがってるぞ」

吹雪「はいっ」チャプッ

ヲ級「ヲッ!!ヲッ!!」

レ級「っ!!」ジーッ

吹雪「ただいま……二人共ごめんね?急にいなくなったりして……」

ヲ級「ヲヲ……」フルフル

レ級「……!」ニカッ

吹雪「ありがとう……」

ヲ級「ヲ……」

レ級「……」キュゥッ

レ級「!」ペシペシ

レ級「……ウー」キュゥゥ

吹雪「あはは……お腹すいてるんだね、帰ったらすぐにごはんにしよっか?」

レ級「っ!」コクコク

ヲ級「ヲー……」ヤレヤレ

ところでブッキー的にW島提督は有罪実刑なんだろうか
初犯だから執行猶予なんだろうか

翔鶴「……提督……」

提督「……?」

翔鶴「結局あの生き物は深海棲艦の……亜種なんですか?」

提督「ん……まぁ……そんなものでしょうか?」

翔鶴「……見た目は深海棲艦そのもの、ヲ級とレ級、両方深海棲艦の艦載機に似た機体を所持している……」

翔鶴「ですが人畜無害で人懐っこい性格をしていて……」

提督「……劣等種、らしいですよ?深海棲艦曰く」

翔鶴「……い、曰く?」ハァ?

提督「あ、い、曰くじゃなくて、調べた結果です、後乃木市にそういう研究機関がありまして……」

翔鶴「あぁ……そういう……びっくりした……」

提督(……あまりこういうのってバラさないほうがいいよなぁ……反省反省)

翔鶴「でも本当に人懐っこい性格でびっくりしました……てっきり警戒心が強いものかと思っていたので……」

提督「本当にね……棲艦って名前があるからかなり怖い系だと思ったら拍子抜けですよ」

翔鶴「えぇ……」ウデトケイカクニン

翔鶴「っと……そろそろ戻らなければ……それではこれで……お疲れ様です」

提督「えぇ、お疲れ様です」

吹雪「あ……有難うございましたっ」ペコッ

ヲ級「ヲー」手フリフリ

レ級「!」バイバイ

翔鶴「ヲ級、レ級、二丁目でもいい子にしているのよ?」

ヲ級「ヲッ」コクッ

レ級「ンッ」コクコク

翔鶴「ふふ……いい子……また会いましょうね……では、失礼致します」ペコッ

タタッ バッ ドシュゥゥーーンッ!!



吹雪「……最大船速……相変わらず物凄い加速ですね……」

提督「あぁ、全くだ」ビッショリ

二丁目鎮守府

提督「ふぅ……帰ってきたぁ……」ガララッ

吹雪「只今戻りましたぁ……」ガラッピシャッ

提督「うぇぇ……疲れたぁ……たった一日空けただけなのに物凄い冒険したような気分だ……ソファー……」ドサァッ

吹雪「あ、ずるいです、私も寝転びたいのに……」

提督「提督特権だ、吹雪ちゃんはフローリングに寝転んどきなさい」

吹雪「うぅー……」ゴロンッ

提督「よきかなよきかな……はぁ……やっぱり我が家が一番だなぁ……」ゲッテー

吹雪「えぇ……こうして寝転べるって……すごくありがたいです……」ポケーッ

提督「…………」

吹雪「…………」

提督(何か忘れてるような……)

吹雪(今日は何の日だっけ……子日……?違うよね……)

提督(……)チラ

吹雪(……)チラ

カレンダー『8月21日 仏滅』

提督(何も書いてない……と言うことはなにもないな)ゲテッ

吹雪(仏滅かぁ……確か結婚しちゃ駄目な日だっけ……)グテッ

提督「……ZZzz」

吹雪「……すぅ……すぅ……」









ピンポーンッ

ピンポーンッ


アレ?イエマチガエタノカナ……

家の前

古鷹「……?」

古鷹「……」カクニン

表札『前浜町二丁目鎮守府』

古鷹「……間違って……ないよね……」

古鷹「…………」ポチッ

ピンポーンッ

古鷹「あのー!古鷹ですー!佐世保鎮守府の古鷹ですけどー!」

古鷹「あーのー!!」

シーンッ

古鷹「……おかしいなぁ……もう提督たちは帰って来てるはずだけど……」

古鷹「……うーん……」ポワワワーンッ

--------------------

佐督『いい、古鷹、二丁目鎮守府の提督は基本的に緩いから油断しちゃ駄目よ』

佐督『インターホン押してもドアが開かなかったり電話応対に応じないなんてことはザラ』

佐督『ドアが開かない時は場合は容赦なくドアを蹴破りなさい、腑抜け野郎を制裁するのよ』

--------------------

古鷹「……何て、出来るわけないよね……」

古鷹「…………どうしよ……」

古鷹「あ、あのー!提督ー!!二丁目提督さーん!古鷹ですー!開けて下さーい!」ピンポンピンポーンッ

隣の吉岡さん『うるさいよ!何やってんださっきからー!!』ガラッ!!!

古鷹「ヒッご、ごめんなさい!!」ペコォッ

吉岡さん『全く……勉強の邪魔しないでくれ……』ピシャッ

古鷹「……」ショボンッ

古鷹「アノー……テイトクサーン……」コンコンッ

夕方

提督「……ん……ぐぐ……ふぁぁぁ……」ノビーッ

吹雪「…………」スヤスヤ

提督「……おーい、吹雪ちゃーん……」ツンツン

吹雪「ん……んん……」スヤァ

提督「こりゃ駄目だ…………」ヨイショ ポスッ

吹雪「ぅー……」モゾッ 

吹雪「んっ」スヤァ

提督「さーって……風呂でも洗うk……」チラ

ボゥッ……

提督「何じゃあの光は……ヲ級?」チラ

ヲ級『ヲ?』

提督「いや、最近ヲ級は虫呼ばないし光らないよな……って事は……」

提督(妖怪!)

提督「いかんいかん……落ち着け俺……何か鈍器……いや……銃火器を……」

提督「無い、よし……包丁だ、退魔包丁的なものである可能性を祈って……」スッ スラッ

ドドドッガララッ!!!!!

提督「悪霊退散悪霊退散!!八百万の神の統括者コッチーヤの名の下に貴様を退治する!!!!!!」

古鷹「え?えぇえええぇぇぇ!!!!???」ピカァーーッ

提督「神妙にお縄につかんかぁーーー!!!!悪霊めがぁーーー!!!!」

古鷹「ま、待って!待って下さい!!古鷹です!古鷹っていいます!!重巡洋艦なんです信じて下さい!!」

提督「貴様この期に及んでまだそんな嘘…………む!」ピタッ

古鷹「ほ、ほら……重巡洋艦でしょう?艤装は付けてませんけど……ほ、ほら、左目!光る目が目印なんです」ピカピカ

提督「…………古鷹…………」ポクポクポクチーン


提督「すんませんっしたぁー!!!!」ドゲザァッー!!!

古鷹「あ、あぁ……そんな……気にしないでください!昨日から色々大変だったんでしょう?」アセアセ

ちょっとこのスレ人里出身の提督多すぎんよ~

提督「ほんっとに申し訳ない……何も用意できなかった挙句数時間も待たせてしまうとは……」

古鷹「い、いいえ、気にしないでください、私こそこんな大変な時に療養なんかしてしまって……」

提督「いやいや、こちらこそ……これ、麦茶です」コトッ

古鷹「あ、ありがとうございます」

提督「……」チラ

吹雪「…………」スヤスヤ

古鷹「この子が……吹雪ちゃんですね?」

提督「えぇ、うちの秘書艦です」

吹雪「…………」スヤスヤ

古鷹「……」

提督「……」

古鷹「あ、荷物を整理しないと……提督さん、すみません、私が寝泊まりする部屋に案内していただきたいのですが……」

提督「あ、はい、じゃあ荷物持ちますね?」

古鷹「ありがとうございます」


ガチャッ バタンッ

ギィッギィッ


吹雪「……」ピクッ

吹雪「……?」

吹雪「…………」ムクリ

吹雪「……誰か来たのかな……」

ガチャッバタンッ

ギィッギィッギィッ……




吹雪の部屋

提督「狭いかもしれないですけど、ここで吹雪ちゃんと二人で寝泊まりしてもらうことになりますが……いいですか?」

古鷹「はい!勿論です!」

提督「…………しっかしまぁ……」キョロッ

ゴチャッ

提督「片付ける暇がなかったのか……散らかってるな……」パサッ

小説『素直になれて』

提督「……割とロマンチストなのな……」

古鷹「人の本を勝手に見るのはよくないですよ?」チラ

提督「あ、はい……」

古鷹「それと、私に敬語なんて使わなくていいですよ、提督さんが話しやすい話し方でいいです」

提督「え……でも……」

古鷹「よそよそしい感じだと、逆に緊張してしまいますから……ね?」ニコッ

提督「あ……え、えと……じゃ、じゃあ……普通の口調で……いいかな?」

古鷹「合格ですっ」

前の安価のときに改二艦はわざわざ改二って表記があった中で古鷹は書かれてなかったからノンスケベティックの方じゃないかな

古鷹「……それにしても、少し掃除しないといけませんね、共同生活するには不便かもしれません」

提督「たしかになぁ…………ん?」

XXX『……』

提督「おっふ」ササッ

提督(……思春期な体だから仕方ないだろうけど……吹雪ちゃんはまだマッサージするべき子じゃない……うん)

古鷹「どうかしましたか?」

提督「え、あ、いや、なんでもない!」

提督「とと、とりあえず……片付けるか……散らかってるし……うん」

ドッドッドッドッ!! スゥーッパンッ!!

吹雪「し、司令官!?い、今なんて!?」

提督「え、部屋片付けようかなーって」

吹雪「な、何で!?私片付けますよ!?」アセアセ

提督「いや、だって古鷹さん来てるし……ほら、吹雪ちゃんも挨拶して」

吹雪「え?古鷹さん?っ司令官何言って」チラ

古鷹「?」

吹雪「……あ、こんばんは古鷹さん……」

古鷹「こんばんは、これから数日間一緒に生活させてもらうね、吹雪ちゃん」

吹雪「は、はい……よろしくお願いします……」

吹雪(な、何で起こしてくれなかったんですかぁ!!)ジロォッ

提督(起こしても起きなかったんだから仕方ないだろ!)ジトォッ

古鷹「?」

提督「と、取り敢えず吹雪ちゃん、古鷹さんと一緒に部屋の片付けをするんだ、いい?」

吹雪「は、はい……」

提督「……俺は何も見てないからな?」

吹雪「え」

提督「じゃ、買い物行ってくるよ、後は任せたよ」スゥーッスゥーパタンッ

吹雪「え、え、ちょっと司令官っ!何見たんですか!?ねぇ!!」

吹雪「…………え、えと……古鷹さん……あの、その……よろしくお願いします!」ペコッ

古鷹「うん、よろしく」アクシュッ

吹雪「あ、はい」ギュッ

吹雪「……あ、え、と、えー……と、取り敢えず、へ、部屋の掃除を……」

古鷹「そうしよっか、えっと……」

吹雪「あ、あ、あーーえー!そ、そこは私がやりますから!古鷹さんはそ、そっちを!」

古鷹「?え、えぇ、分かった……」

古鷹(緊張してるのかな?何か避けられてるような……)

吹雪(ま、まさか司令官……)ゴソゴソッ

吹雪「……こ、これ……見て勘違いしたんじゃ……」ヴヴヴヴヴヴッ

吹雪「…………」

吹雪「…………片付けとこ……」ゴソッ

古鷹「…………吹雪ちゃん、こっちの掃除は終わったけど次は……」

吹雪「……」ビクッ ササササササササッッ!! サササッ フキフキフキフキッッ

吹雪「こ、こっちも終わりました!」

古鷹「おぉー凄い……綺麗になった……これで大丈夫だねっ」

吹雪「は、はひ!」

吹雪(だ、だいじょうぶだよね……これで……)











古鷹「それにしても、この鎮守府は小さいんだね」ヨイショット

吹雪「小さいっていうか……まぁ……小さいですね」

古鷹「この鎮守府の主な任務ってどんな任務なの?」

吹雪「川底棲艦の調査と、後は鎮守府近海の深海棲艦に対する警戒……ですね」

古鷹「かわぞこせいかん……?」

吹雪「えぇ、前浜町にのみ確認できている川に住む深海棲艦のような生き物です、飼育も可能で、繁殖力の高い生き物なんです」

古鷹「……もしかして、1階の水槽に居た白っぽい生き物って……」

吹雪「はい、虫母ヲ級と沢蟹レ級って名づけました。人懐っこくて可愛いですよ?」

古鷹「へ……へぇ……」ビクビクッ

古鷹(……し、深海棲艦の亜種のような生き物だよね……つまり……飼ってるの?この鎮守府……)

古鷹(……こ、この鎮守府……何かおかしい……!?)

吹雪「連れてきましょうか?」

古鷹(え、えぇ!?私まだ心の準備が……で、でもあんな笑顔で……こ、断れな……いや断らないと!)

古鷹「あ、あぁっあーそうだ!え、えっと……と、取りあえず艤装とか片付けないと!あ、後でいい?」

吹雪「あ、そうでしたっえっと艤装は……こっちの押し入れの右側が空いてるのでそこに入れて下さい、入りますか?」

古鷹(……ほっ……今のうちに覚悟を決めとかないと……)

古鷹「…………」スゥッパタンッ

古鷹(お、終わった……終わっちゃった……)

古鷹「……小さくても深海棲艦の仲間なんだよね?その、かわぞこせいかん?って言うの」

吹雪「はい、劣等種に近い生き物なので戦闘能力はないですけど」

古鷹「……そう、なの?」

吹雪「えぇ、武装はハサミと触手くらいですよ、それにその触手もあまり使われてないみたいで……」

古鷹「へ……へぇ……」

吹雪「とにかく会ってみましょう!すぐなれますよ!」クイッ

古鷹「あ、あぁっちょっと待っ……!」

古鷹(どうすればいいの……助けて提督……)



佐世保鎮守府

佐督「古鷹っ!?」キュピーンッ

武蔵「ど、どうした……?」

佐督「い……いえ……」









リビング

吹雪「ヲ級!レ級!お客様だから挨拶して!」

ヲ級「ヲッ!」バシャッ フキフキッ テテテッ

レ級「ッ!」バシャンッ タタタタッ

ヲ級「ヲ」グィッ

レ級「アィッ!」ステーンッ

ヲ級「ヲッ」タオルワタシ

レ級「ウー……」フキフキッ


古鷹「……」

吹雪「ね?」

古鷹(ね?って言われても……)

古鷹「……この子達がそうなの?」

吹雪「えぇ、改めて紹介しますね、こっちの帽子をかぶった子が虫母ヲ級」

ヲ級「ヲ……」ペコリッ

吹雪「で、こっちのフードをかぶった子が沢蟹レ級です!」

レ級「ッ!」ケイレイ

古鷹「ヒ……敬礼っ……」ビクッ

古鷹「ふ、古鷹っていいます……よ、よろしく……お願いします……」ペコリ

ヲ級「ヲヲ……」ペコッ

レ級「ンッ」ペコッ

吹雪「……やっぱり怖いのかな……古鷹さんも……」ウーン…

ちょっと早いがこのへんで失敬しようかしらね
……設定をまとめるべきだな

本編以外をちょろっと書きたいナー

前浜町二丁目 ホームセンター『ほむほむ』

提督「えーっと……確か……紙やすりはーっと……」

提督「…………エラいレパートリー豊富なのな……田舎町のホムセンのくせに……」スッ コトッ

提督「……うーん……どれが良いのかイマイチよく分からん……すみませーん」

店員「……何か用かしら」

提督「あのー……プラモ作りたいんですけど、こう、プラスチック製品にいい感じの紙やすりってどれ使えばいいんですかね?」

提督(……アホか俺は、なんて注文してるんだ)

店員「プラモデルを作るのね、分かったわ、少し待っていて」スタスタスタ

提督「……ど、どうも」


2分後

店員「……お待たせ、どんなプラモデルを作るかわからないけれど使えそうな磨き道具を一通り持ってきたわ」ガラガラ

提督「すみません……ふむふむ……」

店員「基本的な400番と1000番は一番使うものだからこの箱入りを買うのがおすすめよ」コトッ

店員「数はビギナー向けの30枚セットからヘビーユザー向けの400枚セットまであるけど……どうする?」

提督「ふむふむ……その中間ってあります?」

店員「えぇ、数の指定も承っているわ」

提督「まじっすか?じゃあ400番と1500番を100枚ずつとか大丈夫ですか?」

店員「えぇ、任せて頂戴……枚数を数えている間、塗料の方も見て行ったら?自慢じゃないけれど色々揃ってるわよ」

提督「ほぉー……じゃあちょっと見てきますね」



提督「……こりゃ驚いた……各プラモに合う塗料を別々に……ふむふむ……」

提督(……これは……ジムコマ用の塗料セット……ガンプラは勿論タミヤのラジコン用の塗料セットまで……)

提督「ほんにホムセンなのか……ここ……」キョロキョロ

提督「……ん?こっちの売り場は……」テクテクッ


その他の資材売り場

提督「……」

提督「……これって……」

提督(艦娘用の開発資材じゃないか……)カチャッ

提督(こっちは戦艦用の修理キット……回転ターレットのスペア……大和型艤装の砲身まである……)

提督(何でこんな所に……)

店員「……」ホムッ

提督「うぇ!?あ、は、はい、なんでしょう?」

店員「紙やすりの準備、できているわ、他に買うものがなければ会計にするけれど」

提督「あ、は、はい……じゃあお会計で」

店員「じゃあ、ついて来て」

提督(……本当に変わった店だな……コー○ンが潰れる理由も何となく分かる

二丁目鎮守府

提督「ということがあったんだけど……どうなんだろうなぁ」

吹雪「大和さんの艤装のスペアパーツがホームセンターに?へぇ……」

提督「凄いよなぁ最近のホムセン……なんでも揃ってるんだなぁ……」

吹雪「本当ですねぇ……ゴーヤさんの装甲板の代わりも見繕ってくれたし……」

提督「だいたいあそこでなんとかなるよな、食料品以外は」

吹雪「これからも利用するかもしれませんね、私の艤装が壊れた時も直せそうだし」

提督「壊れる度に大和さんテイストになるけどな、見た感じ大和さんのパーツしか無かったし」

吹雪「それは……ちょっと嫌ですね……」アハハ


ガタッ 

吹雪「……?」クルッ

提督「ん、どうした?」

吹雪「いえ……今机が動いたような」

提督「ヲ級がぶつけたんじゃない?」

吹雪「二人共水槽で寝てますけど……」

提督「なら、怪奇現象だろ」

吹雪「ち……ちょっとそういうのは冗談でもやめてくださいよ!」ビクビクッ

提督「今の一言でそこまでビビるか?」




提督の部屋

提督「……」シャカシャカッ シュシュシュッ

提督「……ふむ……いいかんじだ……紙やすりがいいからかな……」

ピコンッ

提督「……ん?全員送信……何だろう……」カチッ

提督「………………ラバウルで資材盗難……深雪ちゃんの艤装のスペアパーツの一部が盗難された……か……」

提督「……トラック島の件と似てるな……盗んだ所ですぐに特定されるだろうに……どうやってロンダリングしてるんだか」カチッ




休日 ホムセンほむほむ

ワイワイワイガヤガヤガヤッ

提督「……艦娘用の所閉まってるじゃん……」

提督「……店員さ……無理か、忙しそうだし……」

提督「しゃーない……また平日の昼間見に行くか……人多いし今日は日が悪かったな」


平日

シーンッ

提督「……今日は開いてるんだ……」マジマジ

提督「……お、この方針あれか、吹雪ちゃんの奴か……」

提督「ふむふむ……やっぱ品揃え豊富なんだな」

提督「……レプリカにしては良く出来てるよなぁ……本当にレプリカかもわからないし……」

提督「……」

店員「気に入った?最近入荷された逸品なの、DD-01-04FG砲身、そのレプリカよ」

提督「あぁ……やっぱりレプリカなんですね……」

店員「えぇ……そういえばあなた、前浜町二丁目鎮守府の提督さん……で合ってるかしら」

提督「は、はぁ……まぁ一応提督です」

店員「……度々ここに来るのは艦娘のスペアパーツの確保の為ね?」

提督「……万一の為にね、必要かなーって」

店員「……」

提督「……」

店員「そう……合法的な改良なら注文を承っているわ、必要なら読んで頂戴」

提督「あ、は、はい……ありがとうございます」

店員「…………」

店員(……この街に住むあの子を守るためには、この街の艦娘を万全な状態にしなくてはならない……)

店員(面倒な世の中になったものね……)

提督「……にしても本当に良く出来たレプリカだな……」

店員(……レプリカらしく塗り直したけど……バレていないようね)ホッ

……と言う感じだ、ワルプル?いえ、知らない子ですね
無論番外なのでそんなビッグイベントは起こらんよ?

群馬よりマシかと思ったら群馬だった

>>509
え?ここ長野の秘境じゃないの?(すっとぼけ)

足柄「新しい主砲が欲しいなー」(チラッ
日向「特別な瑞雲が欲しいなー」(チラッ
雲龍「震電改が欲しいなー」(チラッ
伊58「許可が下りた休暇届が欲しいなー」(チラッ

翌日、ホームセンターに行くとそこには!

そろそろ始められたらな―

古鷹「…………」

ヲ級「ヲッ」アクシュ

古鷹「え、あ、あ、は、はい……よろしく……」ギュッ

ヲ級「ヲヲー」ニコッ

レ級「……」ジト

レ級「ンッ」アクシュ

古鷹「う、うん……よよ、よろしくね」オソルオソル

レ級「ウー」ギュッ

古鷹「ッ……あれ、強くない……?」

レ級「………」

レ級「………ヨ……」

古鷹「……?」

レ級「ヨー……ロ……?」

古鷹(……喋れるの?)

古鷹「うん、よろしく」

レ級「ヨ……ロ……ンー……」クビカシゲ

古鷹(やっぱり話そうとしてるんだ……人間に関心があるってことなのかな?)

古鷹「吹雪ちゃん?」

吹雪「?」

古鷹「……この子達……本当に深海棲艦とは違うの?」

吹雪「えぇ、そうみたいです」

古鷹「……へぇ……」プニプニ

レ級「ム……ニュゥ……」プニプニ

古鷹「……ほっぺ柔らかい……」ツンツン

レ級「……ンー……ンッ」ペチッ

古鷹「あはは、ごめんごめん」

レ級「…………」ジトー

古鷹「嫌われちゃった?」

吹雪「スキンシップとして受け取ってくれると思いますよ?」

ヲ級「…………」ジー

古鷹「?」

ヲ級「……」ヒダリメユビサシ

古鷹「あぁ、これ?これはね……」ピカッ

ヲ級「ヲッ!」ビクッ

古鷹「びっくりした?暗い所でも周りが見えるんだ……」

ヲ級「ヲー……」

ヲ級「ヲッ」ピカピカッ

古鷹「あ、ヲ級も光るんだ、すごい……」

ヲ級「ヲヲ……」テレテレ

古鷹「……何だ、本当にただ似てるだけで無害な子達だったんだ……」ポスッ

吹雪「でしょう?皆見た目だけで判断してしまって……」

古鷹「そうだよね……ごめんね?二人とも」

ヲ級「ヲッ」フルフル

レ級「……」フルフル

古鷹「ありがとう」ナデナデ

吹雪「……」キョロッ

吹雪「……6時半かぁ……司令官そろそろ戻ってくるかな……」

古鷹「ん……1830?……そろそろ夕飯の支度しないと……」スッッ

吹雪「あ、古鷹さんは座っていて下さい、それに夕食は司令官が作りますからっ」

古鷹「そうなの?提督さんが……」

吹雪「はい、司令官、あんな顔して料理が上手なんですよ?人並みですけど」

古鷹「人は見かけによらないって言うけど……珍しいね、男の人が料理得意なんて」

吹雪「本当ですね……」

古鷹「……それにしても、提督さん遅いね……どこに行ってるんだろう?」

吹雪「多分市内の方に行ってると思います、もうすく帰ってくると思うけど……」

古鷹「市内?後乃木市の事?」

吹雪「はい…………昨日の今日ですからもしかしたらその件で遅れてるのかな……」

古鷹「……あぁ……」

吹雪「……」

古鷹「……辛かったね」ポンポンッ

吹雪「……大丈夫ですよ……あ、私、お風呂洗ってきますね!」スッ タッタッタ

古鷹「あ、私も手伝おうか?」

吹雪「大丈夫です!古鷹さん、長旅でお疲れでしょう?部屋の片付けも手伝ってもらったし……休んでて下さい!」

古鷹「いいの?」

吹雪「はいっ!私に任せて下さい!」

古鷹「んー……じゃあ、お言葉に甘えて……」



フンフンフーン…… ジャァァァ


古鷹(……と、言っても……完全にリラックスするのも失礼だよね……)

古鷹(……忙しない毎日よりは幾分かマシだけど……緊張しちゃうなぁ……)

古鷹(……)キョロキョロ

古鷹(……それにしても……ここって本当に鎮守府なのかな……無線室もないし、作戦司令室もない)

古鷹(……せめて黒板くらいはと思ったけど……それもないし……)

古鷹「……本当に民家だなぁ……」

古鷹「……民家暮らしってよく分からないけど……こういうものなのかな……」ゴロッ

古鷹「……」ポケーッ

古鷹「……」ウトウト

ダリャァアアアーーーーーーーー!!!!!!!!!!

古鷹「!?」ビクッ

>吹雪「……6時半かぁ……司令官そろそろ戻ってくるかな……」

>古鷹「ん……1830?……そろそろ夕飯の支度しないと……」スッッ


この辺りがベテランとルーキーの差だと思った

古鷹「……」

吹雪「ふぅっ……今日もいい湯になりそう……」ヌグイッ

古鷹(家事の一つ一つに魂を込める人なんだ……吹雪ちゃん……一体何をしたんだろう……)

古鷹「お、お疲れ様……」

吹雪「あ、ありがとうございます……横、いいですか?」

古鷹「えぇ、どうぞ」

吹雪「失礼します……テレビとか見ないんですか?」ポスッ

古鷹「あまり見ないからどういう番組が面白いかってわからないの、吹雪ちゃんの見たい番組でいいよ?」

吹雪「って言っても……」チラ

吹雪「7時かぁ……バラエティはそんなに好きになれないしなぁ……ニュースでいいですか?」

古鷹「勿論」

吹雪「ありがとうございます、じゃあ……えーっと」ピッ

TV『後乃木市で発生した引きこも……立てこもり事件ですが、民間人の死者が30人、怪我人は331人』

古鷹「あ、昨日の……死者は出てないんだよね?」

吹雪「死者どころか怪我人すら出ていませんよ、自業自得のケガ以外は」

古鷹「自業自得……?避難の混乱の事?」

吹雪「それもありますけど、若干一名の海軍関係者さんが足に大怪我を負ったんです……全くっ」

古鷹「一体誰なんだろう……」

提督「ただーいま……っと……ふぅー疲れた」ガラララッ ガラララッピシャッ

古鷹「あ、お帰りなさい」

吹雪「お帰りなさい司令官、って……すごい荷物……なんですか?これ」

提督「なんかエラい市内の人にサービスされてさ……色々頂いたんだ……俺達後乃木市で結構有名みたいだぞ?」

吹雪「そうなんですか?」

提督「あぁ、市からの援助も受けられるらしい、まぁ不自由してるわけじゃないから必要な時にーって言って来たけど」

古鷹「援助受けてなかったんだ……この鎮守府」ボソッ

古鷹「……それにしても沢山もらってきましたね……大変だったでしょう?」

提督「あぁ……全く重いのなんので……坂道住まいはこれだから困るんだよなぁ……」コキコキッ

古鷹「たしかに急な坂道ですよね、ご年配の方々もいらっしゃるみたいですし……」

提督「あぁ、老人に優しくない坂道だなこれは……まぁ食材宅配サービスがあるみたいだし家から出る必要なあまりなさそうだけど」

古鷹「そんなのがあるんですか?」

提督「あぁ、共働きの家庭ではよくあるサービスだよ、無論俺達は受けてないけどな」

吹雪「夕食の買い出しが無いと司令官ほとんど家から出ませんし」

提督「俺が不健康とでも?」

吹雪「いえ?半引きこもり状態だなーって思っただけです」

提督「否定はしないがちゃんと仕事はしてるぞ」

古鷹「いや、そこは否定してくださいよ……」アハハ

夕食後 

提督「あ、二人共お風呂入りなよ?皿とかは洗っとくから」ジャーーッ

吹雪「はーい、古鷹さん、一緒に入りましょう!」

古鷹「え?いいの?」

吹雪「はいっ!あ……司令官」ジロッ

提督「ん?」

吹雪「……分かってますね?」

提督「?……ま、まぁ、一応」

古鷹「?」

吹雪「行きましょう、古鷹さん」

古鷹「う、うん」カララッカララッピシャッ



脱衣所

古鷹「……」ジーッ

古鷹「……うーん……」

吹雪「……?古鷹さん?」

古鷹「あ、吹雪ちゃん、私の左目、どう?」

吹雪「どうって言われても……明るいなぁとしか……」

古鷹「そうじゃなくて、左目の周り、何かアザみたいになってない?」

吹雪「……?」ジーッ

吹雪「……確かに、少し傷跡のようなものが……見えなくもないです」

古鷹「やっぱり……うーん……まだ治らないのかなぁ……少しぼやけるし……」

吹雪「左目の打撲でしたっけ……いったい何が?」

古鷹「うん……ちょっとタ級との接近戦で殴られて……今は大分良くなったけどね」

吹雪「殴られた?目を?大丈夫だったんですか?」

古鷹「まぁ、最初は失明状態だったけど今は大丈夫、後は打撲の痛みと目の視力が回復するのを待つだけだから安心して」

吹雪「そ、そうですか……?」

古鷹「うん、大丈夫。入ろっか」ヌギッ…カララッ

吹雪「あ、はい!」ヌギッ 


古鷹(……それにしても、あのシャウトとも言える叫び声……何だったんだろ……)ザバッ カポンッ チャプッ

吹雪「……うん、いい感じ……」ザバッ

吹雪「……ちゃんと溶けてるし、湯加減もバッチリ……」チャプッ

吹雪「……合格かな……」

古鷹(何が?) 

提督「……」カレンダーカクニン

提督「えっと確か……3~4日だっけ?」

提督「……短いなぁ……長門さんはなんとかして引き伸ばすとは言ってたけd」

prrrr!! prrrr!!

提督「おっと?電話か……誰からだろう……」

提督「……知らない番号だな……セールスか?」ガチャッ

提督「はい、前浜町ニ丁目鎮守府です」

佐督『佐世保鎮守府提督よ、あなたが二丁目?』

提督(女の人……確かラバウルの時に話したことがあったっけ?)

提督「あ、はい、ご無沙汰してます、このたびは」

佐督『古鷹は無事ね?』

提督「え、はい、無事ですけど」

佐督『そう、左目は?』

提督「今の所以上は見られませんけど……本人から痛むとかそういうのは聞いてないです」

佐督『分かったわ、後でメールを送りなさい、古鷹の回復具合を確認するから、顔写真も撮るのよ』

提督「え、え、えあ、はい、分かりました……」

佐督『古鷹の身にもしものことがあったら全てあなたの責任だから、覚えておきなさい』

佐督『あなたは佐世保鎮守府の主力艦隊の艦娘を預かっているということを……いい?分かった?』

佐督『それと、古鷹の療養中は睡眠時間にも気を配るのよ、間違っても夜更かしはさせないこと』

佐督『食事はビタミン豊富な野菜を取らせること、ブルーベリーを……』


ペチャクチャペチャクチャ


提督(えらい過保護な人だな……まぁ主力艦娘だし当然っちゃ当然か……)

佐督『それと』

提督「は、はい」

佐督『リハビリのために吹雪と演習させなさい、明日よ』

提督「はぁ……そのつもりですけど……」

佐督『呉にはもう伝えたけど療養期間は今日から3日間、1日減らしたわ、すぐにでもうちの艦隊に戻ってきてもらわないといけないの』

提督「え?3日?」

佐督『ったり前でしょ、アンタんトコみたいな田舎に何日もうちの古鷹を置いとくわけ無いでしょ』

佐督『だからそれまでに古鷹をの左目を直すこと、いいわね?じゃ』ガチャッ

提督「え、ちょまっ」ツーッツーッツーッ

提督「……3日かよ……」ガチャ

提督「……こりゃ難しいな……」



提督「佐世保……確かに気難しい人だな……うーん……」

提督「…………3日かぁ……」

提督(これはかなり……厳しいな……)



風呂場

古鷹「……ふぅー……」

吹雪「湯加減、どうですか?」

古鷹「うん、いい感じ……絶妙な湯加減……」

吹雪「……佐世保鎮守府って、どんな所なんですか?」

古鷹「佐世保?」

吹雪「はい……横須賀には行った事あるんですけど、佐世保鎮守府ってあまり聞いたことなくて……」

吹雪「あまり交流のない鎮守府だからどんな所なのかなーって……」

古鷹「確かに目立った活躍はしてないね……名前が上がらないのは当然かも……」

吹雪「……後方支援を主任務としてる……でしたっけ?……」

古鷹「えぇ、でも、最近は前に出て深海棲艦と戦ったり、九州近辺の海域をパトロールしたりとかで色々活躍はしてるんだけどね……」

古鷹「それでも主戦力は横須賀と呉の二強……私達佐世保鎮守府と日本海の舞鶴鎮守府は埋もれがちなんだ……」

古鷹「それに舞鶴は新造艦の性能チェックや製造とかで目立ってるから、特に私達の活躍が目立たないの……」シュンッ

吹雪「……」

古鷹「でも、艦娘同士の仲は他の鎮守府に負けないよ?」

古鷹「提督も他の提督には毒を吐くけど艦娘と会話する時は人が変わったように良い人なんだから、胸は小さいけど」

吹雪「司令官、女性の方なんでしたけ?」

古鷹「うん、凛々しくて美人だよ?……完璧主義者なのが玉に瑕だけど……」

吹雪「完璧主義者で……毒を吐く…………」ポワワワーン

---------------------

嫌な奴『あぁ、そういえば二丁目とか言う訳の分からん鎮守府にはウジ虫と鉄くずが置いてあったな、使うか』

嫌な奴『使えんゴミ駆逐が、解体してしまえ』

---------------------

吹雪「……」ブンウンブンッ

吹雪「……い、いい人ですね!」

古鷹「でしょう?」

吹雪「はいっ!どんな顔してるんだろう……美人さんなんだ……」

古鷹「あ、来た時に見せようと思って何枚か写真持ってきたんだ、見る?」

吹雪「見ます見ます!……どんな人なのかな……」

吹雪(……性格はともかくどんな顔してるのかは気になる……可愛い人なのかな?美しい感じなのかな……)

リビング

提督「……」

ピンポーンッ

提督「……?郵便か……印鑑印鑑……」ガララッガララッピシャッ

提督「えっと……配達証明か……はい、これで……」ポンッ

アリガトウゴザイマース

提督「……こんな時間にまで……まぁいいか……」ガララッガララッピシャッ

提督「横須賀からの重要書類……重要書類……」ペラッ

提督「あぁ……ヲ級ちゃんとレ級ちゃんの解析結果か……今日すぐ解析したのか?」ペラッ

提督「……あ、違うなこれ……始めるってことの証明書か……ふむふむ……」ペラッ

提督「で……こっちに入ってるのが……写真?」ペラッ

提督「……全身画像か……斬られ傷が生々しいな……レ級ちゃん……バッサリいかれてたんだっけ……」


カララッ

吹雪「司令官、お風呂開きましたよ?」

古鷹「先に頂きました……あれ、何見てるんですか?」

提督「お、じゃあ俺も後で入るかな……これ?横須賀から送られてきた深海棲艦の解析文書」

古鷹「深海棲艦の?鹵獲したんですか?」

吹雪「ヲ級さんとレ級さんの解析結果ですか?」

古鷹「……さん?」

提督「あぁ、今日の3時半から解析を始めたらしい、ヲ級ちゃんたちの全身画像とその証明書を送ってきたんだ」

古鷹「……ちゃん?」

提督「……今日の夕方に初めて夜に証明書が届くって凄いなしかし……」ペラッ

吹雪「横須賀さん……仕事が速いというか常識はずれですね…………レ級さん……嫌そうな顔してます」フフ

古鷹「あ、あの……提督さん?さっきから深海棲艦のことを何でさんとかちゃん付けで……?」オソルオソル

提督「ん?」

吹雪「え?」

古鷹「え、えと……もしかして……ですけど……その深海棲艦と親しい仲だったり……しませんよね?」アハハ

提督「あぁ……そういえば言ってなかったな……」

吹雪「……そうでした……川底棲艦で終わりと思ってたけどこっちの事も言わなきゃいけませんでした……」

古鷹「え……?そ、その……えっと……え?ま、まさか……」

吹雪「じ、実は……」









古鷹「…………?」

吹雪「と、言うわけなんですけど……」

古鷹「……え?」

吹雪「もう一度説明した方がいいでしょうか?」

古鷹「あ、い、いやいいの……ちょっと待って……少し整理させて……」アタマカカエ

古鷹「……つ、つまり……この深海棲艦は人語を喋る深海棲艦で……深海棲艦から狙われている……と」

古鷹「そこを救ったのが提督さんと吹雪ちゃんで……解析が終了次第こっちに来る……」

提督「そういう事……」

古鷹「…………川底棲艦でも理解に苦しむのに深海棲艦まで……」アタマカカエ

古鷹「この鎮守府……やっぱりおかしいよ……」

提督「たしかにおかしい、俺だってよくよく考えたらとんでも無い事しでかしてる気がする」

吹雪「気がしてる、じゃなくて実際してますからね……私達……世が世なら全員まとめて銃殺刑ですよ」

古鷹「それを理解してるのにやめないっていうところがもっと恐ろしいです……普通やめるでしょう」ウーン

提督「いや……ないだろ?」

吹雪「さすがに途中でやめるわけには……あの人達の命がかかってますし……」

古鷹(……あれ?私がおかしいの……?私まともなこと言ってるよね……?)

提督「まぁいいや、とりあえず俺は風呂入ってくるよ、二人共そろそろいい時間だし髪乾かして寝なよ?」

吹雪「はーい、あ、古鷹さん、ドライヤーは洗面所にあるので自由に使ってくださいね?」

古鷹「う、うん……」タッタッタ カララッ

提督『うぉっと、何だ?』ヌギッ

古鷹「きゃぁあっ!!ご、ごめんなさい!!」




吹雪「さってと……」ピッ

テメェバスロマンナメテンノカッ!! 

吹雪「確か今日って映画の日だよね……アニメの劇場版だっけ?」

古鷹『ふ、吹雪ちゃーん!ドライヤー無いけどー?』

吹雪「じゃあ多分戸棚にあると思います、洗濯機の上にの戸棚です」

古鷹『えっと……あ、あった、ありがとう!』

吹雪「……んー……」ピッ

吹雪「CM長いなぁ……」ピッ

コノハカモタダノカザリダ センセイノイウトオリ…ゼンブステチャッタンダ……

吹雪「あ、始まってた」

古鷹『…………ふんふんふん』ブワーンッ

吹雪「あ、古鷹さんの歯ブラシはそこの新品を適当に使って下さーい、58って書いてある歯ブラシは捨てて構いませんのでー」

古鷹『はーい』ブワーンッ

吹雪「…………アイスあったっけ?」スッ バタンッ

吹雪「あ、モナカアイス……うん、2つあるから一緒に食べれるかな……あ、でも古鷹さん歯磨きしちゃうのか……」

吹雪「……やめとこっと」バタンッ




提督「ふぅ……悪いな古鷹ちゃん」

古鷹「い、いえ……別に気にしてないですから……」

吹雪「……まぁ、さっきのは別に……今洗面所大丈夫ですか?」

提督「あぁ、俺は別にドライヤーいらないから」

吹雪「はーい」タッタッタッ

提督「……よっこらせっと……ふぅ……お……懐かしい映画だな……」ポスッ

古鷹「これ、何時くらいの映画ですか?」ストッ

提督「結構昔だな、10年位前だったか……」

オマケニムケイカイッ エヴァニノレナカッタコトヲハジトモオモワナイナンテ

古鷹「へぇ……」

提督「あ、いや、深海棲艦が現れる前だから15年以上前か……俺が普通に学生やってた時代だな」

古鷹「15年前ですか?」

提督「あぁ、今と対して文明変わってないだろ?」

古鷹「えぇ、映画の世界観とほぼ同じですね」

提督「だなぁ……変わるのは身の回りの品だけだ、うちはその身の回りの品すら15年前からそのまんまだけど」

古鷹「そうですか?」キョロキョロ

古鷹「…………確かにそうですね……マンションの外装とか今と全く変わってないです」

タダーイマー ッテナンダコレェ!?

提督「確かに……外装ねぇ…………実家……そろそろリフォームしないとな……親父とお袋が心配だ」

古鷹「え?ここが実家じゃないんですか?」

提督「違うよ、ここは鎮守府であって俺の家じゃないんだ、実家はある」

古鷹「へぇ……」

提督「しっかし最近めっきり電話しなくなったな……近い内に帰るか、世間はお盆休みだし」

古鷹「お盆休み終わりましたよ?今日は16日ですし」

提督「マジかよ……」

古鷹「ふふ……おっちょこちょいですね、提督さんは」

吹雪『ひへいはんのひっはへふはー?』シャカシャカ

提督「吐き出してから喋りなさい、まぁ実家だ」

吹雪『ペッ……司令官の実家ですか……気になります』ジャーッ

古鷹「提督さんのご親族かぁ……うちの提督のご親族はいい人だったなぁ……」

提督「そんな大層なもんじゃないけどねぇ……親父もお袋も……」

吹雪「……んー……ペッ……っと……でも一度くらいはあいさつしないと」フキフキ

提督「そうか?じゃあ……来週くらいに実家帰る?」

吹雪「えぇ……あ……でも鎮守府が……」

提督「その頃にはヲ級ちゃんとレ級ちゃんがこっちに来るからその辺は大丈夫でしょ、艤装使ったら日帰りでいけるし」

古鷹「実家には定期的に帰らないとお父様もお母様も寂しがってしまいますよ?」

提督「まぁっさかぁ……むしろいなくなって清々してるだろうよ」

吹雪「そんなことないですよ」ポスッ

提督「そうかなぁ……って……狭い狭い……吹雪ちゃん小さくなって」

吹雪「無茶言わないで下さい」キュッ

ってなわけで今回はここまで、作中の日付は8月16日だぜよ(確認用)

キャラが不安定なのは当然さ、全員ラバウルのみに登場するはずのぽっと出のはずだったんだから(メソラシ
というわけで始めよう

深夜 提督の部屋

提督「……」パチッパチッ

提督「…………あれ……くそ……」グイグイッ

提督「……お、上手くいった」パチッ

提督(……しっかし……サイコフレームってどうなんだろうな……これ……確かサイコフレームってコクピット内蔵だったはずだけど)

提督(……ま、いっか……えっとここは……接着剤……)キュポッ ヌリヌリ

コンコンッ

吹雪『司令官?ちゃんと仕事してますか?』

提督「!!」ビクッ

吹雪『開けますよ?』

提督「待て待て待てい待てゐ魔帝!!!」ガチャガチャガチャッ

吹雪『えっ……あ、はい』

提督「……よ、よし、入っていいぞ」スッ カタカタカタ

吹雪「し、失礼します……何やってたんですか……?」オソルオソル

提督「そりゃ見ての通り……仕事だ、仕事」

吹雪「…………何か変な臭いしますけど」スンスンッ

提督「……そ、それは……」

吹雪「……まさか司令官……」ジトー

提督「ち、違うぞ?俺はちゃんと仕事をだな……」

吹雪「……はぁ……まぁいいです……今日の仕事はなんですか?」ノゾキコミ

提督「あ、あぁ……そうだな、えっと……古鷹ちゃんの着任証明の書類作成と佐世保さんに送る書類だ」カチッ

吹雪「古鷹さんの着任証明……って事は古鷹さんに書いてもらわないと駄目なんじゃ……」

提督「いや、その必要はない、艤装がこっちにある地点で現在位置の追跡はできてるから、正式にこっちに来たよーってことを送ればいいだけだし」カタカタ

吹雪「来たよーってことを送ればいいって……大丈夫なんですかそれで……」ガクッ

提督「まぁ紙一枚で戦場に放り出される世の中だしなぁ……本当はこの書類もいらないらしいよ?」カタカタ

吹雪「ふぅん……テンプレート通りに作ればいいんですね……」ノゾキコミ

提督「……あ、吹雪ちゃん、古鷹ちゃんの艤装の型番って分かる?」

吹雪「え?確かHC-……えっと……」ウーン

提督「まぁ重巡だしHCだよな……古鷹型だから……えっと……04だっけ……あ、違う04は最上型だ」

提督「……えっと……あ、そうだ、そういえば」カチッ

吹雪「分かるんですか?」

提督「あぁ、コミュサイトに型番一欄があったはず……」カチッカチッ

吹雪「?……うわ……ずらっと並んでますね……」

提督「えっと……重巡洋艦で」ctrl+F

提督「……あ、あった……って01-01か……この型番制度何とかならんのかねぇ……全部一緒でいいだろ」カタカタカタ

吹雪「皆一緒じゃスペアパーツがややこしくなりませんか?」

提督「じゃあ吹雪ちゃんは叢雲ちゃん以外の吹雪型艤装で互換性のないパーツとかある?ないだろ?」ギィッ

吹雪「ありますけど……」

提督「あるんだ……知らなかった……やっぱ型番制度必要だったごめん」

吹雪「変な事言ってないで早く手を動かして下さい、全然進んでませんよ?」ペシッ

提督「……しっかし面倒くさいなぁ……」カタカタ

吹雪「司令官毎日こんなことやってるんですか?……しかもこんな夜中……ふぁぁ……」グシッ

提督「眠いなら寝ていいんだぞ?」

吹雪「……寝ません……寝たらどうせ司令官サボるでしょ……」ムニャムニャ

提督「サボらないってば……3時位にいつも始めてるんだから」

吹雪「……司令官、ちゃんと寝てますか?」

提督「寝てるよ?仕事なんて15分で終わるんだから」

吹雪「……今40分位経ってますけど……1時半ですよ?」

提督「きょ、今日はたまたまこんな面倒くさい書類だったから……」

吹雪「……」ジー

提督「……」

吹雪「……手、止まってますよ」ユビサシ

提督「はい、やります」カタカタカタ

吹雪「はぁ……」

提督「……」カタカタカタッカチッ









提督「よーっし……終わりっと……誤字は……ないな、多分」

吹雪「い、いや、ちゃんと見て下さいよ!あったらどうするんですか!」

提督「えー……」

吹雪「もういい、私が見ます!どいて!」

提督「は、はい」

吹雪「…………全く……」ギィッ 

提督(……一ヶ月前はパソコンの使い方すらわからなかったのに……成長したなぁ)シミジミ

吹雪「……以上……重巡洋艦古鷹の…………を確認…………」ブツブツ

吹雪「……はぁ……大丈夫です……送っていいと思いますよ?」

提督「お、ありがと、じゃあ送るよ」カチッカチッ

吹雪「ふぅ……確認だけでも大変ですね……」

提督「だろ?提督の仕事も大変なんだよ」

吹雪「出来を悪くしていい理由にはなりませんけど」ジロッ

提督「うぐ……気をつけます」

吹雪「頼みますよ……書類の不備で鎮守府解体なんて笑えないですよ……?」

提督「解ってるって、毎日毎日出来が酷いワケじゃないんだから」

吹雪「……たまに出来が悪いだけでも大事なんですけど」

提督「否定はしない、文句があるならプラモに言ってくれ」

吹雪「ならプラモデルを捨てれば解決しますねっ」ニヤッ

提督「それだけは勘弁して下さいお願いします吹雪様」

吹雪「ふふ……冗談ですよっ」

提督「……よし……こんなもんか……」

吹雪「お疲れ様です……何だか私も疲れたような……」

ピコッ

吹雪「?」

提督「あ、チャットだ……誰からだろう……」カチッ

吹雪「ちゃっと?」

提督「他の鎮守府同士でコミュニケーションを取る機能だよ、でもこんな時間に誰だ……」カチッ


呉々厨『32.38.28』

呉々厨『132.17.36』


提督「……?」

吹雪「……北緯と東経……でしょうか?」

提督「……みたいだな……呉から?でもこの時間は長門さん寝てるだろうし……」カタカタカタカチッ


出前二丁『長門さんですか?』



提督「…………」

吹雪「…………」

提督「…………」

吹雪「……返事が来ませんね……」

提督「だなぁ……誰からだろう?とりあえず横須賀さんに転送しとくか……何とかしてくれるだろ」

吹雪「困ったときはだいたい横須賀に送ってるんですか?」

提督「まー、そうなるな……しっかしなんたって俺にこんな位置情報を……」カチッ




出前二丁『何か呉から変な情報が来たんですけど、一応送っときますね』

ヨッコさん『送れ』

出前二丁『呉々厨『32.38.28』』

出前二丁『呉々厨『132.17.36』』

出前二丁『だそうです』

ヨッコさん『感謝する』



提督「いいのかな……これで」

吹雪「さぁ……というか……ヨッコさんって…………』ポカーン

提督「……人は見かけによらないってことだ」

横須賀鎮守府

横督「雪風、位置情報を送る、そこを探せ」

雪風『は、はい!』

30秒後

雪風『…………見つけました!敵棲地です!!島系の棲地ではなく、海中に棲地を……大きい……』

横督「……奴め、面倒な所に……アイオワ、アルバコア、天龍、龍田、エンタープライズ、雪風ら捜索隊撤退の援護に迎え」

横督「叢雲、蒼の連中はどうなっている」

叢雲「今は無理よ、一応要請は出すけど期待しないほうがいいわ」ピピピーッピーピーピー

横督「元から期待などしていない」

横督(……奴らも霧払いで忙しいか……遠距離からの援護が不可能となると……近距離での撹乱要因が必要……だが若葉は…………)

横督「…………やむを得ん……叢雲、貴様も行け、この棲地……私の予想では面倒な奴が出てくる」

叢雲「でも司令官!」

横督「MI攻略の士気はあの言語障害者にかかっている、貴様の意見など聞いてる余裕はない、行け」

叢雲「……分かったわ」

横督「ここの防衛は他の役立たず共に任せておけ、こちらの心配はするな、艤装は103番を使え、装備は整えてある」

叢雲「……」コクッ ガチャッバタンッ

横督「……さて……どう来る……」

天龍『叢雲も出すのか?』

横督「あぁ」

天龍『へぇ……ガチな作戦じゃねぇか、燃えてきたぜ』

横督「呉の間抜けを救出し、棲地の深海棲艦を一匹残らず片付けろ、撤退を許すな」

横督「運が良ければ蒼の連中による重力砲の援護が来るかもしれん、だが期待はするな」

横督「提督救出後は広報に待機させている摩耶に渡せ、救出後、すぐに作戦区域に戻り戦闘を続行しろ」

横督「補給部隊も同位置に待機させている、必要ならば使え、補給は30秒で終わらせろ」

横督「負傷した場合は呉に向かえ、応急処置後撤退しろ、無茶はするな、貴様らの代わりは幾らでもいる」

横督「大作戦になるだろうが、全員生きて帰って来い、以上、攻撃隊出撃」

天龍『フッ……了解だ攻撃隊旗艦、天龍出る!お前らついて来い!!』



横督「……さて……どう来るか」

吹雪の部屋

吹雪「ふぁぁ……気付いたら3時だった……」ムニャムニャ

吹雪(……寝ないと明日起きれないなぁ……)モゾッ

吹雪(…………)チラ

古鷹「……すぅ……んぅ……」ボゥ…

吹雪(……まぶたが光ってるような……)

古鷹「…………っ!!」ガバッ ピカァーッ!!

吹雪「!!」ビクッ

古鷹「…………はぁ……はぁ……夢……か……」フッ

吹雪「……すぅ~……すぅ~……」ビクビク

古鷹「…………うぅーん……」モゾッ

吹雪「……」

吹雪(び、びっくりした……)

吹雪(……ね、寝よう…………明日は何するんだっけ……)

吹雪(……そうだ……ヲ級さんとレ級さんの家を作らないと……あと、古鷹さんと演習……だっけ?」

吹雪「……」

吹雪(忙しくなりそう)

古鷹「……」

古鷹(……静か……これが人間の生活なのかな……)

古鷹(静かな街で静かに暮らす……か……)

古鷹(悪くないな……こういうのも)

古鷹「……」

古鷹(目、閉じてないと起きてるってバレちゃう……早く寝ないと……)

提督の部屋

提督「……今日中にフィンファンネル辺りまで作りたいけどなぁ……」カチャカチャ

提督「……諦めるか……」カチャッ

提督「……にしてもさっきの奴何だったんだろうか……」

提督「グーグルさんに聞いてみるかーっと……」

提督「緯度経度でどうのこうのっと」カチャッカチッ

提督「…………ふぅん……ここかぁ……挟まれてるな……ここがどうし」


ピコッ ピコッ 

提督「え……戦闘開始?横須賀鎮守府が?場所は……瀬戸内海付近……」

提督「毎回毎回思うけど……こんな一文だけで戦闘開始を伝えられてもなぁ……」

提督「せめてこう、なんか作戦パネル的なものを出してもらわないと……うーん……」

提督「ま、いいか」パタンッ

提督「寝よ……」ギィッ ガバッ モゾッ

提督「…………」

提督(……演習しないとなぁ……何時やろう……朝は住処づくりに専念するかな……)

朝 

吹雪「……おはようございま~す……」ボケーッ

提督「うぉい……凄いクマだぞ……大丈夫クマ?」ジューッ

吹雪「大丈夫じゃないです……うぅー……夜更かししすぎた…………」ボサボサ

提督「と、とりあえず髪の毛解いて来なよ……山姥みたいになってるぞ……」

吹雪「何で司令官は平気なんですか……私より遅く寝たでしょ……」シュッシュッ クシクシクシッ

提督「慣れてるからな、夜更かしに慣れてないとこの生活はキツイしなぁ……古鷹ちゃんは?」

吹雪「まだ寝てます、起こしましょう……あれ?」

提督「どした?」

吹雪「司令官、私のヘアゴム知りませんか?」

提督「機能の寝る前は普通につけてたろ?吹雪ちゃんの部屋じゃない?」

吹雪「あ、そうでした……取ってきますね」ガチャッ パタンッ 

提督「おーう、静かにしてやりなよ……っと」ジューッ カチッ 

ハーイッ ギィッギィッギィッ

提督「…………卵の半熟具合ってよく分からんな……」ツンツン プッ トローン

提督「あ、破れた……まぁいいか、目玉を潰してみたってことにしとこ」チチチッボッ ジューッ

提督「……うん、問題ないな……これで完成っと……さーて……テレビテレビ……」ピッ

TV『昨夜未明、横須賀鎮守府が瀬戸内海付近で戦闘を開始、現在も戦闘は続いており』

提督「えーっと……」ピッ

TV『今日のにゃんこは……』

提督「こっちでいいか……土曜だし」

提督「……そういや今日はMIの日だっけ……長門さん大丈夫かな……」

吹雪「……司令かーん?無いですよ?あれ、今日は目玉焼き平たくしたんだ……」

提督「マジ?じゃあそのままでいいんじゃね?髪下ろした吹雪ちゃんはレアだし」

吹雪「嫌ですよぉ……髪の毛が目にかかって気持ち悪いじゃないですかぁ」

提督「そっか……じゃあ俺の部屋……にはないな」

吹雪「あったら怒ります、と言うかなんで司令官の部屋で髪の毛解かないといけないんですか」

提督「じゃああれじゃない?寝てる間にヲ級が」チラ

ヲ級「ヲッヲー♪」ビヨーンッビヨーンッ

吹雪「ちょ、ちょっとヲ級!!」

提督「……うん、見つかってよかった……」

吹雪「返してっ!」

ヲ級「ヲッ!」イヤダ

吹雪「返しなさいっ!いつの間に取ったの!」

ヲ級「……ヲヲ」ユビサシ

レ級『スピーッ』

ヲ級「ヲヲ、ヲヲヲーヲ」

吹雪「寝てる間に……って……そんなに早く起きて……しかも二階に上がったの!?」

ヲ級「ヲッ」コクッ ユビサシ

吹雪「そ……そう……」

提督「……」

TV『……タワー屋上でまたも銃声、警察は屋上での喧嘩と見て捜査を進めています』

提督「最近多いな……こういうの、と言うかあの町毎日喧嘩のニュースが飛び込んでくるよなぁ」

吹雪「ふぅん……」

古鷹「おはようございますっ提督!」

提督「おはよー、良く眠れた?」

古鷹「はい!久々にこんなに長く寝た気がします!」

吹雪「おはようございます、古鷹さん」

古鷹「おはよう、吹雪ちゃん、えっと、今日は……」

提督「今日はちょっと午前中は仕事を手伝って欲しいんだけど、いいかな?」

古鷹「はいっ!お任せ下さい!何をすればいいんでしょうか?」

提督「えっとだな……ちょっと待てよ……」ガチャッバタンッ ギィギィギィギィッ 

吹雪「え、もう設計図描いたんだ……」

古鷹「設計図?」

吹雪「えぇ、昨日言ってた深海棲艦の住処を作るんですけど……」

古鷹「ふむふむ……深海棲艦ってことはやっぱり深海まで掘らないといけないのかな……だとすると……」

吹雪「そうでもないみたいですよ?海水さえあれば何処でもいいみたいですし……」

古鷹「そうなんだ……知らなかった……」

提督「えーっと……これなんだけど……」ガチャッバタンッ バサッ

吹雪「どれどれ……」ノゾキッ

古鷹「……?」ノゾキコミ

提督「……どうかな?」

古鷹「テトラポッドの間に作るんですか?」

提督「あぁ、人の目と艦娘の目を逸らすためにはそうするしか無いかなーって、長t……俺が考えたんだけど」

吹雪「……長門秘書艦?」

提督「誰もそんなこと言ってないだろ?」

吹雪「は、はい……でもこれ……結構掘らないと難しそうですね……それにテトラポッドを持ち上げるには艤装が必要になりますし」

提督「ホムセンでクレーン車とかショベルカーとかののレンタルが出来るらしいけど……動かす人が居ないからなぁ……」

吹雪「司令官、免許持ってませんでしたけ?」

提督「普通車の免許だし免許取ったっきり車なんか乗ったこと無いぞ?」

古鷹「あ、あの……」

提督「?」

古鷹「……えっと……この免許で出来ますか?」ゴソゴソッ

提督「え、マジ?……重巡洋艦古鷹……艦娘特権……大型特殊、大型、中型…………すげぇ、ほぼ全部持ってる」

吹雪「す、すごい……船の免許まで……」

古鷹「提督が必要になるからとっとけって……何でも対応できるようにって言われて……」エヘヘ

提督「佐世保凄いな……何でも屋じゃん……でも問題はどうやって海の中で穴を掘るかだな……どうすればいいんだろう……」

吹雪「うーん……まぁ、行ってみてから考えましょうよ」

提督「そうだな」

古鷹「ふふ……やっとこの免許が役に立つ時が来た……取るだけ取って使わないんじゃ……ね……」ホッ

午前9時半 付近

提督「いけるー?」

吹雪「はーい……よいしょっと」ゴゴッ ゴトッ

古鷹「吹雪ちゃん、これ、どこに置けばいいかな?」ザバァッ

吹雪「あ、それはそのままの場所にお願いします!」

古鷹「はーいっ……よいしょっと」ザブゥンッ

提督「ふーむ……」カキカキカキッ

提督「吹雪ちゃん、深さ分かる?」

吹雪「は、はい!すぐに測りますね」チャプッ コォーーンッ

吹雪「…………」コォーンッ

提督「…………」

古鷹「…………」

吹雪「……分かりません」

提督「なんじゃそりゃ」

古鷹「なっ……」ガクッ

吹雪「……司令官、そのへんにロープありますか?」

提督「あぁ、あるぞ、必要な物は持ってきたからな」ポイッ

吹雪「ありがとうございますっ……じゃあ……」チャポンッ

古鷹「…………」

提督「…………」

吹雪「……浅いです」ザパッ

古鷹「な、何メートル?」

吹雪「多分……30センチ位かと」

古鷹「よ、予想以上に浅い……」

提督「こりゃ結構掘らないといけないな……」

吹雪「……よいしょっ……っと……」ザバァッ

吹雪「ふぅ……これくらいなら……大丈夫かな……」

古鷹「艤装のパワーで土木作業……新鮮だけどなんか違……?」ゴゴゴッ……チラ

フナムシ「」カサカサカサ

古鷹「ひぃっ!?ひぃやぁあああ!!!!」ブンッ!!!!

ヒュゥーーーンッ!!!!キランッ

提督「おー……飛んでった……大丈夫かな……」

吹雪「こ……これが重巡洋艦の力……」




AL海域

北方棲姫「カエレ!!!カエレェ!!!」ヒュンヒュンヒュンッ

龍驤「これは……予想以上に厄介な相手やね……!!」ブゥーーンッ!! 

隼鷹「っ……!猫艦戦が居ないだけまだマシと思ってたけど……流石に……!!」

響「龍驤さん、あれは!?」

テトラ「」ゴォォォォォォォ!!!!!

北方棲姫「コノ……チョウシn」

ゴッ

北方棲姫「あうっ!?」バシャーンッ

北方棲姫「…………」ピクピク

電「……」

暁「……」

雷「……」

響「……ハラショー」

提督「……ま、いいか」

古鷹「す、すみません……他の艦娘に当たってないといいけど……」

提督「はは、まさか、さて……掘る作業を始めるか、最初はスコップでいいよな?俺も手伝うよ」

吹雪「あ、ありがとうございます、えっとスコップは……」

提督「買ってきてるから大丈夫……えっと階段は……こっちか」タッタッタッタッ

提督「ほれ、剣スコップ、角スコップもあるけどこっちのほうがいいだろ?」

古鷹「えぇ、ありがとうございます」

吹雪「……どう違うんですか?」

提督「垂直に掘るなら剣、平面に削るなら角だったはず、提督学校で習ったんだけど……合ってるかな?」

古鷹「えぇ、塹壕掘りは剣と角の使い分けが重要だとか」

提督「へぇ……あきつ丸さんが来たら詳しく聞いてみるかな……とりあえず掘るか」ザクッ

吹雪「はいっ……えっと……」

古鷹「ここから掘ってみたら?」ザクッザクッ

吹雪「は、はい…………よいしょっ!」ガンッ

ベキベキベキッバキィンッ

吹雪「……」ビィィィン

吹雪「……痛い……」プルプルプル

提督「いきなり岩に当たったか……不運だな」

古鷹「?」ピカッ

古鷹「うわぁ……岩が砕けてる……」

提督「え、どれどれ?」

古鷹「ほら、あれですあれ」ピカーッ

提督「あ、マジだ……明るいとよく見えるな……かなりでかい岩……」

ゴゴゴゴッ

提督「ん?」

バシャァッ ゴトゴトゴトゴト

提督「っとと……?」

吹雪「うわっ!?し、司令官あぶない!」ガシッ

古鷹「……うわわ……」ユラユラ

バシャァーーッ カラカラ……

提督「……テトラポットが結構沈んだぞ……?」

吹雪「……ここ一帯を支えてる岩だったんでしょうか?」

提督「みたいだな……海は深くなったが今度はテトラポットが足りなくなったぞ……」

古鷹「……高波が来たら大変ですね……」

提督「あぁ、あ、2人はそのまま掘り進めといてくれるか?俺はちょっとホームセンターに行ってくる」

吹雪「は、はい……すみません司令官」

提督「なぁに、いいってことよ」

提督(……一応市役所にも行ったほうがいいかな……

ホームセンター『ほむほむ』

提督「あるんだ……」

0,5t型 300円(月)
4t型  800円(月)
20t型 2000円(月)
50t型 6000円(月)
80t型 10000円(月)

店員「コンクリートは別料金になるけれど、いいかしら?」

提督「え、えぇ……」

店員「……市役所に相談したら?ごまかすよりはいいと思うけど」

提督「や、やっぱりそうするべきかな……」

店員「えぇ、そうしたほうが安く済むし、それにあなた達の活躍からすればこの程度の工事くらい無料でやってくれると思うけれど」

提督「え……えぇ……あれ?何で知ってるんですか?」

店員「……」ユビサシ

ザワザワザワ

提督「あ、あら……」

店員「目立たないとでも思った?」

提督「で、ですよねぇ……あ、市長さん」

市長「二丁目鎮守府提督」スタスタ

提督「は、はい!」

市長「防波堤の建設ならば協力致します、消波ブロックの件はお任せ下さい」

提督「え、い、いいんですか?」

市長「勿論ですとも、艦娘の皆さんも協力してくださるならこの海の安全の為、後乃木市は協力致しますよ」

提督「あ、ありがとうございます……」

市長「深海棲艦の脅威から身を呈して守って下さった二丁目鎮守府のお二人の為ならば、何時でも言って下さい」

提督(……その脅威の住処を作るため、とは言えないよなぁ……)

提督「あ、ありがとうございます……で、では、消波ブロックの不足分をご用意いただきたいのですが……」

市長「はい、いくつでもご用意致します」

提督「あ、ありがとうございます……じゃあ……えっと……」

デハソノトオリゴヨウイイタシマス ドーモデース



提督「よ、よし、後は……」

店員「重機?それなら河城電器に問い合わせるといいわ、こっちよりも安く、便利なものを作ってくれるから」

提督「え?いいんですか?」ツクル?

店員「えぇ、海底採掘機を小型化したものならすぐ用意できるはずよ」ピポパ

店員「河城?私よ……えぇ……海底採掘機を小型化したものを用意して欲しいのだけれど……」

店員「海は専門外って……なら耐水性の物でいいから、早く用意して頂戴、値段は?」

店員「貫文じゃなくて円でお願い……3万ね、分かったわ、じゃあ、お願い」ピッ

店員「午前中には届くみたいよ、3万円でいいらしいわ」

提督「三万か……分かりました、じゃあこれで」スッ

店員「ちょうどね、荷物が届いたら直接届けるように言っておくわ、じゃあ、作業頑張って」

提督「はい、すみません色々と……」ペコッ

店員「これからもほむほむを宜しく」ホムッ


提督「さて……」

ザワザワザワザワ

提督「さっさと手伝いに行くか……」タッタッッタッタッタ

数十分後

??「使い方はさっき説明したとおりだから、後はざくざく掘っていきゃいけるよ」

吹雪「は、はい……あ、代金を」

??「代金は向こうさんが払ってくれるらしい、あんたはただ掘っときゃいいんだよ」

吹雪「は……はい……」

??「しっかしまぁ……アンタもアンタのおやっさんもずいぶんうちの店で好き勝手してくれたねぇ……」

吹雪「え?き、昨日の事ですか?」

??「当たり前じゃん、アホみたいに騒いだ挙句ガラス突き破って街で大暴れ、被害者とはいえ見過ごしたくない事件だ」

??「修理費もタダじゃないのよ?市から金が出るとはいえ作りなおすのはそれなりに苦労するんだから」

??「……もっとも、人間向けの電化製品なんざ数秒ありゃ5つは作れるけど……あそこで作るなら話は別だけど」

吹雪「人間向け??」

??「っといけない、話しすぎちゃったね、とりあえずその『マリン採掘ドリル』の代金はもうもらってるからあとはご自由に、じゃっ」バチバチ フッ

吹雪「……なんだったんだろ……あの人……」ポカーン

古鷹「電器屋さん……というか、博士?」

吹雪「そうみたいです、変わった機械を渡してくれて……使えるのかな?」

古鷹「うーん……使ってみたら?もしかしたら凄いものかもしれないよ?」

吹雪「そうですね……でもコンセントとかは……」ポチッ

フィィィーーーンッ!!!

吹雪「あ、動いた……えっとこれで広さを設定……」ピッピッピッピッピ

吹雪「目標に下ろして……暫く待つ……」パッ

ギィィィーーーーンッガガガガッチュイーーーーーンッ

古鷹「す、すごい……勝手に動いてる……どうやって動いてるんだろう……」

吹雪「……最近の科学力って凄いんですね……司令官これ買ったの……?10万以上はするんじゃ……」ゾクッ

提督「ただい……ってもう来てるの?」

吹雪「しし、司令官……あの、あの機械……一体いくらしたんですか!?じじじゅうまん!?それ以上ですか!?」ガシッ

提督「な、何言ってるんだ、そんなわけないだろ……3万だよ3万……」

吹雪「でで、でもあんな高性能な機械……3万円じゃとても……」

提督「?」チラッ

ギュィイイーーーンッ

提督「……す、すご……オート稼働かよ……えぇー……」




数分後

プシューッ

提督「……」ノゾキコミ

古鷹「……」ピカーーッ

提督「……深くね?」

吹雪「……ふ、深いですね……」

古鷹「底が見えない……数百メートルはありますね……多分……」

提督「あ、あぁ……」ガチャッ

プスプスッ

提督「壊れたけど……凄いな……電器屋さんの技術って……」

吹雪「えぇ……3万円で棲地が作れるんですね……」

古鷹「……あ、は、早く塞がないと」ゴゴッ バシャッ

吹雪「は、はいっ……えっと設計図通りにすると……ここにこうして……」ゴゴゴッ バシャァンッ

提督「あぁ、そこの隙間を広く取ってくれ、そこを入り口にするから」

提督「ちょっと積み上げる感じにして、服とかを干すところを作って……えっと」

吹雪「ここですか?」

提督「あぁ、そこそこ、そこに2つくらい置いて…その辺その辺」

吹雪「はーい……よいしょ」バシャッ

提督「……うん、なかなかいい感じだ……」

古鷹「後は沈んだテトラの分……その件はどうするんですか?」

提督「あぁ、それは大丈夫だ、足りない分の補充は出来るみたいだ、タダで」

吹雪「タダ……ですか?」

提督「あぁ、市から援助を受けるらしい、今日の夕方か明日に届けるみたいだ、作業は俺達に任せるってさ」

吹雪「後乃木市ってすごいですね……」

古鷹「テトラポッドくらいなら何時でも持ち上げられるし……作業は一旦終了……ですか?」

提督「あぁ、すまないな、重機使わなくなっちゃって」

古鷹「いえ、いいんです、それよりも吹雪ちゃんの演習をしないと……ね?」

吹雪「はい!色々教えてもらうんです!いいですよね?」

提督「あぁ、勿論だ、古鷹ちゃん、頼むよ?」

古鷹「はい!吹雪ちゃんに重巡洋艦のいいところをたくさん知ってもらうんですから!」

吹雪「はいっ!特型駆逐艦のいいところもたくさん知って下さい!」

提督「……」チラッ

提督(……なんか向こう側が曇ってきたような……長門さん……大丈夫かな……)


よし、眠い、吾輩はちと疲れたからしばらく寝るっ!

さて、やりますか

横須賀鎮守府 格納庫

戦艦レ級「……何か騒がしくねぇか?」パリッ

空母ヲ級「今日はミッドウェーの日だ人間側の鎮守府は何処もてんやわんやしているに決まってるだろう」ゴクッ

戦艦レ級「……ふぉーあねぇ……」バリッバリッ

空母ヲ級「……お前、せんべい食い過ぎだ、私の分がなくなる、自重しろ」ズズッ

戦艦レ級「……ングッ……お前こそ、その茶何杯目だ」

空母ヲ級「まだ3杯目だ、お前はもう6枚目だぞ」スッバリッ

戦艦レ級「あ、それあたしが大事にとってた奴!」

空母ヲ級「どれも変わらないだろう、ほら、お茶だ」スッ

戦艦レ級「ったく……」グビッグビッ

空母ヲ級「……それにしても、海を眺めながら人間の食い物を食べるというのは、いいものだな」バリッ

戦艦レ級「……まーな」バリッ


摩耶『おい!全ハッチ閉じろ!通用口もだ!!ぐっ……こいつらしつけぇ!!!!』ドンッドォンッ!! バラララッ!!!

空母ヲ級「?」

戦艦レ級「お?」

摩耶「工廠に居るやつ!!だれでもいいからこの荷物持って行け!!」ザシャァッ!!!ブンッ!!

空母ヲ級「……?」ストッ

戦艦レ級「……人間か?」


バァンッ!!

明石「工廠ハッチ閉じます!!って……深海棲艦!?」ビクッ

摩耶「馬鹿!そいつは味方だ!!そこの弾薬持って行くぞ!!」ジャラッ カチッカチッ ジャコンッ

明石「は、はい……!!」

摩耶「クソが……!!援護艦娘が全員負傷撤退かよ……おい!2番砲塔交換!12番に換装!!
    腰部曳航ベルト破棄!徹甲弾ベルトにしろ!さっさとしやがれ!!」

明石「は、はい!敵はどれくらい居るんですか……!?」グィーン… 

摩耶「タ級がしつこく追ってきやがる……よりにもよってフラグシップだ、こっちの援護要因でなんとかなると思ったが甘く見てた」

戦艦レ級「タ級だぁ?こんなトコにタ級なんざ……おい、その人間持って行け」

空母ヲ級「え、あ、あぁ……ど、どこに?」

戦艦レ級「知らねぇよ、そこら辺バタバタしてる艦娘に押し付けときゃいい」

空母ヲ級「あ、あぁ……」ガチャッバタンッ

空母ヲ級(タ級……?タ級艦隊はどっちかというとアメリカ方面を警備してるはずじゃ……?)テレパシー

戦艦レ級(……もしかしたらかなりヤバイタイプかもな……呉の近くに棲地あったろ)テレパシー

空母ヲ級(あ、あぁ……だがあそこは……)

戦艦レ級(……横須賀の強面野郎、押しちゃいけねぇスイッチ押したか……ったく)スタスタ バシャッ

空母ヲ級(やるのか?)

戦艦レ級(まーな……ほっとけねぇだろ)

戦艦レ級「おい、マヤとか言ったか」

摩耶「あぁん?」

戦艦レ級「弾一発寄越せ、撃てりゃなんでもいい」

摩耶「……お前には関係ねぇだろ」カチッ…

戦艦レ級「タ級だのル級だの、失敗作共が暴れてるの見ると我慢ならねぇんだ、いいから寄越せ」

摩耶「…………役に立つんだろうな」ポイッ

戦艦レ級「深海棲艦の事はてめぇらより詳しいつもりだ」パシッ

摩耶「……その弾は艦娘用だ、腔発だの何だのが起きてもあたしは責任取らないぜ」

戦艦レ級「撃てねぇことはねぇさ、薬室に突っ込んでケツぶっ叩きゃ先っちょが飛ぶんだろ?」ガバァッ カチッ

摩耶「上等、その考え嫌いじゃねぇ、一撃で仕留めろよ?ハッチ開けろ!!4秒でいい!!」グゥゥンッドシュゥンッ!!

明石「は、はい!!工廠ハッチ開けます!!」

戦艦レ級「てめぇらみたいな夾叉が常識の無駄遣い野郎共と一緒にすんじゃねぇ、行くぜぇ!!」キィィィーン……ドシュゥゥゥゥゥンッ!!!


横須賀鎮守府近海

摩耶「沈めっての!!」ジャキッ ドドォンッ!!

タ級『…………』ドォォンッ

タ級『……』ヴンッ!!

麻耶「チッ……障壁か……徹甲弾も通さねぇのか!?」

タ級『……!!』ドドドドドォォンッ!!!!

麻耶「ぐっ……クソ……!!迎撃が追いつかねぇ!!」バラララッ!! ドォォォォンッ!!!

麻耶(こいつ……深海棲艦のくせに学習してやがるのか……!?榴弾の中に徹甲弾を混ぜてやがる……!)

戦艦レ級(HEとAPの併用……多連装砲だからこそ成せる技ってか?アタシに対するあてつけかよ、気に食わねぇ)

タ級『……』ニタァ

麻耶「……っ!!馬鹿にしやがってぇ!!!」ジャキッ 

麻耶「全門斉射ぁ!!!っらぁあああ!!!」ドドドドドドォオンッ!!!

タ級『……』チュンチュンチュンッッ ドォォンッドォオン!!ドドドォンッ

麻耶「……ちっ……まるで効いちゃいねぇ……」プシューッ シュゥゥゥ

戦艦レ級「もういいか?」

麻耶「あぁん!?」

戦艦レ級「タイマンっていうんだっけ?もう終わりでいいのかって聞いてんだよ」

麻耶「馬鹿か!最初からタイマン張っちゃいねぇよ!!何だと思ってんだ!!作戦中だ!!」

戦艦レ級「そうかい、じゃあ次はアタシの番だな」ピカァッ

タ級『……!』グルッ

タ級(……オ前ハ……カンムスカ?……カンムス……コロス)

戦艦レ級(……チッ……図体ばっかデカくなったと思ってたが頭までイカれてやがるのか、タ級とはいえ同情するぜ)

タ級(カンムスハテキ、カンムスノナカマモテキ、ニンゲン、ミンナ、ミンナシネ)ジャカコンッ ギュィィンッ……

ドォンッ

パリィンッ チュゥンッ

タ級『  』ブシュゥゥゥ…… バシャァッ

戦艦レ級「終わりっと……ったく…………訳分かんねぇ研究しやがって……」

戦艦レ級(……戦艦棲姫の被験体……って事はやっぱりあそこのか……横須賀も面倒な所襲いやがる……)

横須賀鎮守府

摩耶『提督!!攻撃隊の連中はどうなってる!こいつらヤベェぞ!!』

横督「アルバコアは戦闘不能、残りの連中は上手く対応している」

横督「貴様の任務は呉の役立たずを無事に送り届けることだ、後処理がなっていないが合格とする、今日はもう休め」

摩耶『ふざっけんな!!あたしはまだやれる!!出撃させろ!!!」

横督「命令違反は銃殺だ、休め」

摩耶『仲間が危険にさられてるってのに休んでられるか!!後で銃殺でもなんでもしやがれ!!アタシは行くからな!!』

横督「…………」

摩耶『攻撃隊!聞こえるか!!戦闘に参加する!!!持ちこたえろ!!!』

横督「……鉄屑が、貴様が行った所でどうするつもりだ」カチャッ

横督「叢雲、そっちに向かう粗大ごみの面倒を見ろ、私は障害者の介護に向かう」

叢雲『分かったわ』

横督「……秋月、例の物を用意しろ」スッ

秋月「はい」



横須賀鎮守府、工廠 格納庫

戦艦レ級「よっこいしょ」グググ

戦艦レ級「あ、あれ……開かねぇ……ふん!!ふんっ!!」ググググググ……!!!

戦艦レ級「……しゃーねぇ……こうなりゃぶん殴って……」

明石『ちょ、ちょっと何やってるんですか!?開けます!開けますから!!!』

グィィィーーーンッ

戦艦レ級「すげぇなこれ……流石は横須賀鎮守府、あたしが本気で押してもびくともしなかった……」

明石「いや、これ押して開くタイプじゃないです、海側からはどっちかというと引いて開けるタイプなんですけど……」

明石「というか手で開けるタイプじゃないです、自動ハッチです!」

戦艦レ級「そうなの?」

明石「当たり前でしょ!こんな大きな扉誰が手で開けるんですか!!」

空母ヲ級「初耳だな」

戦艦レ級「あぁ、初耳だ、艦娘が出撃するあの暗い所は押して開いたから……」

明石「あなた達ですか!?第3ハッチ壊したの!!!何してくれてるんですか!!」ウガーッ!!!

空母ヲ級「……しかし贅沢だな……扉を自動で開けるなんて……二丁目鎮守府のドアは手で開けてたのに……」

戦艦レ級「燃料切れだから開かなかったけど普通にやってたら指先一本でぶっ壊れてたな、あれ」

明石(……何なのこの人ら……)アタマカカエ

前浜町二丁目 灯台

提督「…………」

提督「…………」

ギャッ ギャッ ギャッ…………

提督「……暇だなぁ……」

提督「……」

ゴロゴロ… ポツッポツッ

提督「……!」

提督「やっべ!!洗濯物!!」ダッ!!

太平洋 沖

ポツッポツッ ザァーーッ

古鷹「あ、雨……」

吹雪「!……洗濯物取り込まないと……!!」クルッ

古鷹「え?演習しないの!?」

吹雪「で、でも洗濯物が……この雲なら濡れるまでに取り込めるかも……」

古鷹「だ、だったら灯台で待ってる提督さんに無線で洗濯物を取り込むように……洗濯物で演習を取りやめるのはさすがに……」

吹雪「あ、そうでした……司令官無線機持ってたっけ……周波数は……オープンでいいか」ヒュゥィ~ン…

提督『はいこちら提督だ!!』タッタッタッタ

吹雪「司令官!?今どこに居ますか!?」

提督『家に向かって全力疾走してるところだ!!雨が降るなんて聞いてないぞ!』ハァッハァッ

吹雪「わ、分かりました!じゃあそのまま家……じゃない鎮守府に帰って洗濯物を取り込んで下さい!お願いしますよ!」

提督『任せとけ!!』ザザッ

吹雪「ふぅ……これでひとまず安全……ですね……」カチャッ

古鷹「あはは……じゃあ、始めようか……えっと、じゃあまずは普通に撃ち合おうか」

吹雪「はい!よろしくお願いします!」ジャキッ

古鷹「うん、じゃあ……」ジャキッ ウィーンッ ガコンッガコンッ

吹雪「…………」

古鷹「…………行くよ!!」ドドドドォオンッ!!!!

吹雪「え……多い……!?」ヒュンッ ドドドチュドォーーンッ!!!

吹雪「っ!!!」バシャッバシャッ!!バシャァァァァ……!!

吹雪「っつぅ……」ムクッ

古鷹「だ、大丈夫……?」

吹雪「……か、回避できなかった……流石は重巡洋艦です……」

古鷹「もしかして吹雪ちゃん……連装砲の砲撃とか見るの初めて?」

吹雪「い、いえ……砲塔の斉射が初めてで……す、すみません……」

古鷹「ううん、いいよ、じゃあ……ちょっと斉射の回避に慣れてみよっか」

吹雪「は、はい!」

瀬戸内海付近 戦艦棲地

ザァーーッ ゴロゴロゴロッ!!!


天龍「うおらぁあああ!!!!」ザンッザンッザンッ!!! ガシッグググググ……グチャァッ!!!

レ級(敵艦)「……ガッガァ……!!!」ギギギッ

天龍「首は潰したんだからよ……さっさと死ねってんだ!!!!!」ドォンッ!!

レ級(敵艦)「……」バシャァッ

天龍「……チッ!!化物がっ!!」ドォンッドォンッドォンッ

ドォォォォッ……ブクブクブクッ

天龍「はぁっ……はぁっ……跡形もなく消さねぇとすぐに再生しやがる……どうなってやがる……!!」

叢雲「皆殺しとなると……かなりキツイわね……!私では火力が足りない……」ドドドォンッ

天龍「ったく……龍田は撤退できたか!?」

龍田『っ……今向かってるわ~……』ハァ…ハァ…

天龍「分かった!!くそ……どうしろってんだ……これじゃ死ぬのを待てって言ってるようなもんだぞ……」ドォンドォンッ

叢雲「でも撤退なんか出来ない……エンタープライズもアイオワも撤退……残ってるのは私達だけ……」

叢雲「……笑えてくるわね、全く……」ブンブンブンッ!! ズバァ!!!

天龍「クソが……笑えねぇよ!」チャキッ ザンッ!!





提督の部屋

提督「うぉおおお!!」ガラッ!! パパパッ!!! カチャッ!!

提督「間に合ったか!?」パンパンッ

ジメェッ

提督「…………」

提督「まぁ……許容範囲内だな……ふぅ……肝が冷えた……」チラッ

ザァーーッ ゴロゴロゴロゴロッ…

提督「まぁ、部屋干しでも十分乾くだろ……」

提督「……乾くよな?」

リビング

提督「ふぅ……しかし濡れたなぁ……」フキフキッ

提督「……あの2人傘持ってたっけ……?」

提督「…………うーん……行くべきか?」

ザァーーーーー……ピチャピチャッ ザァァァーーーーーッ

提督「行くべきだなぁ……」ガララッ ガララッピシャッ バサッ



太平洋沖

古鷹「……!」ドドドドォンッ!!

吹雪「来た!」ヒュンヒュンヒュンヒュンッ!! ドボォォーンッ!!!

古鷹「そう!上手い!もう一度!」ドドドドォンッ!!

吹雪「っ!たっ!!くっ……!!」ドボォンッ!!ヒュゥンッヒュゥンッ!!ドボォンッ!!

吹雪「そこっ!!」ドドォンッ!!!

古鷹「っと!」ヒュンッ!!

古鷹「今の反撃、いいよ!次!魚雷も避けつつ砲撃も回避!行ける!?」

吹雪「ふっ……ふぅ……は、はい!」

古鷹「……じゃあ行くよ!!」ドドンッドドォンッ!!スココンッ!バシャッ!!

吹雪「…………!」ドドンッ!! カンッバシャァーーッ!!!

古鷹「な……水柱……!!」

吹雪「……行ける……姿勢を低く……!!」ドシュゥーーンッ!!!

吹雪(遅延信管魚雷……!1対1ならあの方法で……!)

古鷹「吹雪ちゃん!直線で近づいちゃ駄目!!避けて!!」

吹雪「え」カァンッ!!

吹雪「しまっ……魚雷に……!!」カッ

ドォォォォンッ!!!



吹雪「あ……あぅ……」プシューーッ

古鷹「あーあ……艤装が完全に壊れちゃった……」

吹雪「うぅ……やっぱり聞きかじっただけじゃだめかぁ……」プスプスッ

古鷹「今のやり方……誰に聞いたの?」

吹雪「伊58さんに教えてもらったんですけど……魚雷を直接目標にぶつけるって戦法で……」

古鷹「あぁ……でもあれって潜水艦用の戦法でしょ?駆逐艦がやるのは無茶だと思うけど……」

吹雪「うぅ……もっと研究しないと……」

古鷹「でも魚雷を撃って迎撃するのは良かったよ、斉射砲撃もちゃんと避けられてたし、あれなら十分だと思う」

古鷹「後は……実弾での実戦がやりたい所だけど……ここって本当に深海棲艦も何も来ないね……」

シーンッ

吹雪「平和なのはいいことです……けどこれじゃ演習ばっかり上手くなっちゃうなぁ……イ級とかでもいいから実戦がやりたいです」

古鷹「味方のヲ級とレ級なら……無理か……ちょっと吹雪ちゃんには強すぎるよね……」アハハ

吹雪「あの2人なら手加減してくれると思いますけど……実際対峙したらものすごく怖いんだろうなぁ……」アハハ

吹雪「……」

古鷹「航行できる?」

吹雪「……片足が完全に壊れて、出来ないことはないですけどちょっと難しいです……」グィィ ガガッ、ガッブシューッ

古鷹「魚雷発射管の破片が噛んじゃってるのかな……ちょっと見せてくれる?」

吹雪「うーん……っとと」フラッ

古鷹「おっ……と!」ガシッ

吹雪「あ、ありがとうございます……」

古鷹「大丈夫?」

吹雪「は、はい……」

古鷹「……」フゥ

古鷹「修理は帰ってからにしよっか、このまま帰るね?」ダキッ

吹雪「は……はい……す、すみません」

古鷹「大丈夫、駆逐艦を抱きかかえるのは慣れてるから……じゃ、行こっか」ザザザザー

吹雪「は、はい……」

吹雪(これ……お姫様抱っこじゃ…………は、恥ずかしい……誰も見てないだろうけど……)





灯台

提督「んー……遅いな……」ポツポツポツッ

提督「……ん、あ、来た」

古鷹「提督さーん!」

吹雪「しし、しれいか……!!?なんで……ちょ、古鷹さん……下ろし……!!」

古鷹「ふ、吹雪ちゃん!?暴れな……うわっ!!」

吹雪「わぁっ!?」

バッシャーンッ!!!

提督「……?」

瀬戸内海付近 戦艦棲地

戦艦棲姫『死ヌ……沈メナイ……!?ソ……ソンナ……!?』ブシュゥゥゥ…バチバチ……

ドォォォーーッン!!!!! 


天龍「…………はぁ…………はぁ……くっ……はぁ………………戦艦棲姫……撃破……!!!」グッ

叢雲「はぁ……はぁ……はぁ………………周囲の敵艦……なし…………」

天龍「お……終わりか……っへっへ………し、暫く……刀は握りたくねぇな……もう……」フラッ バシャァッ

叢雲「……全くよ……中枢探しはもうウンザリだわ…………槍術から身を引きたいくらいよ」ガクッ

天龍「……ばっか……お前最後辺り素手で潰してたじゃねぇか……俺はほとんど刀握ってたぜ?」

叢雲「手足引き千切ってたアンタがよく言うわ……あれのどこが剣術よ」

天龍「お互い様だ、弾も切れて武器も壊れた時は自分の手で何とかすんだよ……ったく、手が青色になちまった」ピッピッ

叢雲「あんたまだ武器残ってるでしょ私の槍は抜けなくなってダメになったのよ」

天龍「刃毀れした刀は使い物にならねぇんだよ……ところでお前、帰れるか?」

叢雲「言ってることがメチャクチャじゃない……はぁ……生憎、浮いてるのが精一杯よ……」

天龍「……しゃーねぇ……何時沈むか分からねぇし誰かに引っ張ってもらうか……摩耶は?」

叢雲「真っ先にやられて今帰投中、聞いてなかったの?」

天龍「そういやそうだったな………おい、…天龍だ……棲地開放……燃料がねぇ、誰か引っ張ってくれるか?」

横督『ご苦労、よく生き残った、回収部隊をそっちに送る』

天龍「頼む…………今回ばかりは誰かを頼りたい気分だぜ……」

叢雲「……何だったの……あれ……っていうか司令官……撤退命令の一つや二つ出しなさいよ、ホントに死ぬかと思ったじゃない!」

横督『出しても無視するような奴が若干二名いるような部隊に撤退命令を出しても無駄だろう』

叢雲「……」

横督『今後死ぬような目に遭いたくなければ命令を聞くことだ、いいな』

天龍「……善処する……呉の野郎は?」

横督『あぁ、ぐっすり寝ているよ、全く、人がせっかく介護してやろうと思ったのに、気の利かんゴミクズだ』

天龍「……MI作戦はどうなってる」

横督『知らん、大方目標に移動中だろう、棲地MIまでは遠いからな』

天龍「……あいよ……」ブツッ

天龍「はぁ……ったく……人一人助けるのにここまで苦労させられるたぁ……参ったねぇ」ムクッ

叢雲「……雨が気持ちいいって感じるのは何時ぶりかしら……よいしょ……と」

天龍「……さぁな」

ザァァーーーッ……

横須賀鎮守府 工廠

戦艦レ級「……ま、マジか……!?あの棲地を潰したのかよ……!?」スッバリッ

空母ヲ級「……何て奴らだ……ってお前!また私のせんべいを!!」

摩耶「力技で押しきりやがったよ、全く、あの旗艦と秘書艦の体は何で出来てんだろうな……まだせんべいいるか?」ハハハ

戦艦レ級「んー……ホント、あたしらはなんて奴を相手にしようとしてたんだろうな……」パリッ

空母ヲ級「……私の所にテンリュウが当たらなくてよかった……思えばあのタツタの一撃を片手で止めたムラクモの実力は……」スッ

摩耶「……ま……日本で最初に作られた艦娘の駆逐艦だしなぁ……多少オーバースペックなのは仕方ねぇんじゃねぇの?」

戦艦レ級「……ふーん……すっげぇな……艦娘って、あ、貰うぜ」スッ パリッ

空母ヲ級「お、おい!!お前わざとやってるだろ!!!」

空母ヲ級「……」スッ

戦艦レ級「……そういやあの人間は?」スッ パリッ

空母ヲ級「……」ムカッ

摩耶「あー、アイツか、アイツは医務室で寝込んでるよ、長い間幽閉されて消耗しきってたみたいだからな」

戦艦レ級「……幽閉か……」

空母ヲ級「…………奴ならやりかねんな……おい、取らせんぞ」スッ ガシッ

戦艦レ級「……よっ」ゴキッ

空母ヲ級「あぐっ!?」ポッキリ

摩耶「心当たりでもあんのか?って……大丈夫かよ……」

空母ヲ級「お前っ……普通折るか!?」ゴキッ グッパグッパッ

戦艦レ級「……まぁ幽閉ってかあそこは……まぁ言っちまえば触っちゃいけない巣穴だな」

空母ヲ級「……私達深海棲艦でもあまり触れられない特殊な場所……テレパシーすら届かない棲地だ」

摩耶「……深海棲艦すらも近寄らねぇ場所……って事か……」

空母ヲ級「あぁ、生物の虐殺に特化した深海棲艦を作り出す研究施設のような棲地だ」

戦艦レ級「……姫の言葉に従わねぇ過激派共が集まって訳の分からねぇ改造施すクズ共のたまり場だ」ケッ

摩耶「姫の言葉ぁ?誰だよその姫って……」

戦艦レ級「お前、姫を知らねぇのか?北方棲姫と港湾棲姫のことだろ、常識だろうが」

摩耶「……悪いけどあたしら艦娘は深海棲艦の言葉はわからねぇし事情も知らねぇぞ……」

空母ヲ級「……そうか……なら、少し説明したほうが良さそうだな……」スッ

戦艦レ級「無知は罪だな全く」スッ パリッ

空母ヲ級「……」

よし、本編はここまでにしとこうかなっと……別に雑談してもかまんぞ?
埋まれば立てればいいべ

>>850
おざっした、これからはさが外します

そろそろ利根さんが働きたいそうだから質問でも書くと良いぞ、何でも答えてみせようぞ

>>855
ただ、迷惑と思われてるのは事実だ、自重という言葉を忘れんようにな、暫く控えることをお勧めする

碌な質問が来ないぞぇ(´・ω・`)

このSSまとめへのコメント

1 :  何処かの秘書艦   2015年03月31日 (火) 11:44:45   ID: tt5W8-LS

3作全て見た。続きを期待している。

2 :  特Ⅲ型駆逐艦   2015年04月05日 (日) 11:49:06   ID: 5PBeql2Y

面白いのです。 早く続きが見たいのです。

3 :  SS好きの774さん   2015年04月05日 (日) 11:51:15   ID: 5PBeql2Y

続きが楽しみだな〜。

4 :  SS好きの774さん   2015年04月06日 (月) 14:29:38   ID: lVjCO0Zo

続き早く読みたいです

5 :  SS好きの774さん   2015年04月06日 (月) 21:56:00   ID: EyeJu9i_

強い天龍に違和感が尋常じゃない

6 :  SS好きの774さん   2015年04月07日 (火) 08:01:15   ID: owuCE6IC

テトラポット泊地ってマヌケな響きだけど、人間なら落ちると即死だし地味に恐ろしい泊地っぽい?

7 :  SS好きの774さん   2015年04月07日 (火) 16:13:12   ID: lkpBJoRw

ホームセンターの店員の正体w
河城wお値段以上なのかなw

8 :  SS好きの774さん   2015年04月07日 (火) 22:48:34   ID: PoIArE0t

ホームセンター万能すぎww

9 :  SS好きの774さん   2015年04月08日 (水) 17:44:37   ID: DygablhF

年中春休み(笑)の奴らのせいで台無しだな

10 :  おせっかいなファン   2015年04月09日 (木) 03:17:46   ID: bAj0lu0I

新スレ来てたで!↓
吹雪「この鎮守府はおかしいって皆言ってますよ!!」

11 :  SS好きの774さん   2015年04月09日 (木) 10:13:06   ID: 7yJO9EZ_

↑情報サンクス!

12 :  SS好きの774さん   2015年04月10日 (金) 02:03:20   ID: 6Hq0f4Ny

最近の寝る前のお気に入り艦これSSの一つです。
艦これss面白くていいね!吹雪ちゃんきゃわ

13 :  SS好きの774さん   2015年07月25日 (土) 04:30:32   ID: 1n-pYtph



続き待ってます

14 :  SS好きの774さん   2015年07月30日 (木) 02:05:05   ID: GaTOYSwy

次スレが。。。

15 :  SS好きの774さん   2015年12月02日 (水) 23:27:16   ID: DgePFs5N

(・3・) アルェー?続きがナイゾー(・3・)

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