男「尻触り放題?」(70)
魔法使い「うん、この薬を飲めば君は他者の尻を触ってもバレない体質になるんだ」
男「怪しいなぁ」
魔「いらないなら別に…」
男「あぁ分かった分かった、くださいください」
魔「うむ、素直でよろしい」
スッ
男「これが…ではさっそくゴクリ」
男「ぷはっ。これでいいんだな」
魔「うん」
男「…」
サワッ
魔「ひゃあっ!」
男「…」
魔「だ、誰だボクのお尻を触ったのは!?」
男「…」
サワワ
サワワ
サワワ
男(さとうきび畑…)
魔「んきゅうっ!誰だぁ~もぉ~」
男(ほぅ、やはりバレぬか)
男(これはいいものだな)
魔「さぁ、存分に触ってきたまえ」
男「お、おぉ。そうだな、ありがとう」
魔「えっへん」
男「…」
サワワ
魔「ひゃんっ!」
男「…」
モミリ
魔「いたっ…誰だ、誰なんだよぉ~もぉ!」
男(やはりばれない、完璧だな)
男(理由は分からんが、この小娘がくれた薬は本物の魔法薬だな)
サワワ
魔「…んっ」
男(おや、声が)
サワディー
魔「っはっ、んんっ…」
男(この小娘…まさか…)
サワヤカサワデー
魔「いっ…やぁ…んっ」
フルフル
男(ほぅ。ションベン臭ぇガキだと思ったが、これはこれは…なかなかどうして)
サワッ サワッ グイグイ
魔「はぁぁぁっ…くきゅぅん…」
トロォン
男(ハッ、とろけてやがるぜ!)
魔「だ…れ…じらすの…やぁ…」
ウルウル
男(懇願…ハッ、大した魔法使いサマだぜこいつァ!)
サワリリリリリ
魔「あ゛、んあ゛あ゛あ゛!」
男(ハッ、これが破瓜の痛みも知らねェガキの出す声かよ!)
男(こいつぁたまんねェな…しばらく楽しめそうだ…ぐぅっ!?)
ズキッ
男(ず、頭痛…あ、あた、まが…われ…ぐぁぁぁぁぁ!)
キィィィン
ンチャァ…
男(な、何だ…記憶…蘇っ…あぐっ…これは…しらな…お、れ…は…いったイ…)
グワン グワン
バタリ
――――――――――
――さん――
――とう――
――とう、さん――
――とうさん――
男(こ、え…誰の…声だ…)
?「父さん…」
男(父さん…?俺をそう呼ぶ声…?)
?「もうっ、父さん!」
バシィッ
男「痛っっってぇぇぇ!」
?「いつまで寝ぼけてるのよ!」
男「は?え?」
?「確かに適度な休息は必要だけど、ゆっくりもしてらんないって…分かってる?」
男「は…?」
?「…父さん、どうしたの?…まっ、まさかさっきブン殴ったせいで脳が…!」
キィィィン
キィィィン
ンチャァ…
男(っ、また頭痛か…いや、これは…そうか、意識が…だんだんとはっきりしてきたぞ)
男(俺は男。村長の依頼でモンスター討伐に…娘と共に山奥まで来た…そうだ、そうだった)
男(だがおかしな気分だ…俺はさっきまで…いや、思い出せない…夢…何か不思議な夢を見ていたのか…)
娘「日が暮れるとアンデットたちが出るわ、それまでに目的のゴブリンを捕獲しないと…」
男「ん、あぁ、そうだな。村長直々の依頼だ、しくじるわけにゃいかねェ」
娘「分かってるなら…ほら、先を急ぐわよ」
――――――――――
男「霧が濃くなってきたな…気をつけろよ」
娘「父さんこそ」
男「ハッ、親にきく口かよ」
テクテク
ザワッ
男「っ、どうやらおでましのようだな」
ゴブリン「ゴブゥ…」
男「よう、野菜泥棒。村の状態も少々良くなくてな…あンまり盗まれちゃあ困ンのよ」
娘「命までは取らない、『中央都市』で少し反省はしてもらうけどね」
男「そういうこった。ユーコピー?」
ゴブ「いまイマしいニンゲン…まるデ自ぶんが神にデもなった気でいル…」
娘「ゴブリンが…喋った!?」
男「ほぅ、なかなか高度な言語術式がかかってンな…」
娘「わ、分かるの?」
男「ちょいと魔法の匂いがする。それにこいつァ…いや、まぁいい」
ゴブ「もの好きナニンゲンがいてナ…小さな魔法つカいのガキだっタ」
男(やっぱそうか…アイツ…モンスター側に…)
ゴブ「われワレは…ニンゲンに支はいサレはしナイぞ…『王』がふっ活する…その日まデ…」
男「ハッ、気長だねェ。てめェらの崇める王は死んだ、俺が殺した!」
ゴブ「知ってイル…小さナ村の、平凡ナ村人が…われらの王をほろぼシタ…男…前がナァァァ!」
男「降りかかる火の粉をはらっただけさ」
ゴブ「下等なニンゲンのぶんざイで…」
娘「はいはーい、お喋りはそこまで。過去の話なんて興味なーし。ちゃっちゃとお仕事お仕事、でしょ、父さん」
男「ハッ、さすが俺の子、よく分かってらァ」
スッ
娘「ふつーの竹刀だけど、全身打撲くらいは覚悟してもらうから」
男「こえーこえー。おいゴブ公、気を付けな。こいつァ女だが、優しかねェぞ、おっかねェぞ」
ゴブ「そうヤッてすぐ武力で解ケツする…やはりニンゲン、ねだやシにするしかナイようダ!」
娘「してみなさいよッ!」
ダッ
ブゥン
娘「面ッ!」
ゴブ「ヌゥン!」
カチーン
キィン
娘「なっ、硬質化した!?」
ゴブ「しょほテキな魔法ならつかえルんでな…こぉんナものもナ!」
ボウッ
娘「っ、熱ぅ!」
男「ハッ、火球か…確かに初歩的な魔法だな」
娘「冷静に分析してんじゃないわよ!」
ダッ
男「おっ、退いたか」
娘「魔法を使うなら、攻め方を変える必要があるわ」
男「ハッ、冷静で結構」
娘「私を誰だと思っているのよ?」
男「さすが俺の娘だ。なら口先だけじゃねェって証明できるな?」
娘「もちろん…よっ!」
ゴウッ
娘「精霊よ、集え!」
キラキラ
娘「フェラソード!」
ゴブ「…」
男「…」
娘「…」
娘「フェアリーソード!」
ゴブ(言いなおした)
男(言いなおした)
娘「精霊の力をちょこっと借りたわ…フェアリーソードは魔法を無効化する力を持つ!」
シャキーン
ゴブ「竹刀に精霊をまとわセタか…なるほド。だがそれハ…しってイル…」
男「ほぅ…例の魔法使いから聞いていたか?」
ゴブ「あぁ…おまエは…おまエら親子の事は、特にナ」
男(ハッ、随分嫌われたなぁ俺も…しかしアイツ…どういうつもりだ?)
ゴブ「ま法がなくテモ、オレはつよい…みせテやろう、私の本気ヲ」
コォォォ
ビキッ ビキッ ビッキーズ
ゴブ「ほとばしる筋肉、そして汗、汁…これが究極にして至高、地上最強の武器なのだ!」
男「喋り方!普通になってンぞ!」
ゴブ「あ、しまっタ、間違エタ」
ビキッ ビキッ ボッキーズ
男「てか、下半身えらいことになってンぞ」
ヒラケ ボッキッキーズ
娘「り、リアルポンキッキーズ…///」
ゴブ「あ、こりャしつ礼」
娘「たくましかァ…///」
ジュルリ
ゴブ「あ、あんまみんな///」
男「ハッ、恥ずかしがり屋かよ!」
男「なんか白けちまったなァ…めんどくせーから話し合いで解決すっ…がぁっ!」
ズキッ ズキッ
男「ず、頭痛…あたまが、割れそうだ…ぁぁぁ!」
娘「と、父さん!?」
男「がぁっ…ぐぅぅぅ、くそっ、くそっ、くそっ…収まれ、収まりやがれェちくしょゥゥゥ!」
キィィィン
ンチャァ…
男「意識、が…ゆら、ぐ…」
グラァ
男「お、れは…おれ…」
グワン グワン
バタリ
――――――――――
男(っ、頭痛が、まだ…っ!)
キィィィン
ンチャァ…
男(ここは俺の部屋…そうだ、俺は学校帰りに、変なガキに声をかけられて…怪しげな薬を…)
男(それから…どうなった…どうやってこの部屋まで来た…記憶が、はっきりしない…)
キィィィン
キィィィン
ンチャァ…
男(それに、さっきまで変な夢をみていたような…駄目だ、思い出せない)
男(気分が悪ぃ…一体なんなんだ…俺は…)
ドンドンッ
?「男ー、いるー?」
男「ん、あぁ」
ガチャリ
?「おーっす」
男(こいつは…)
キィィィン
ンチャァ…
男(こいつは、同級生の女…だったな)
女「男、いまヒマ?」
男「ん、まぁ特にやる事はないな」
女「なら練習に付き合ってよ、竹刀とか防具なら道場の使っていいから」
男(練習…あぁ、確かこいつの家は剣道の道場だったな…まだ頭がぼんやりして、当たり前の事もいちいち思い出してる)
女「なーんか色々あってさ、ムシャクシャしてんのよね」
男「俺でストレス解消か…ハッ、ひでー女」
女「あんた、素質はあるんだから。やればいいのに、剣道」
男「めんどくさい」
女「むー、一緒にできたら楽しいと思うんだけどなぁ…」
男「ん、何か言ったか?」
女「何でもない!ほら、早く行くわよ!」
男「はいはい」
~道場~
男「他人が使った防具ってのは、あんまりなぁ…」
女「慣れれば問題なし!」
男「慣れたのか?」
女「ノー」
男「ハッ、だと思ったよ」
女「いいから早く早く。ささっと一勝負やっちゃうわよ」
男「はいよ」
・ ・ ・ ・ ・
男「ぜっ…はぁーっ!」
ゼェゼェ
女「あー疲れた。なかなかやるじゃん」
男「そっ…その割に息あがっ、がっ、あがってないじゃねェか…」
ゼェゼェ
女「そりゃ普段から鍛えてますから。基礎体力が違うのよ」
男「そんなもんかね…はぁー疲れた」
女「いいもんでしょ、たまには」
男「ん…まァな」
女「汗かいたでしょ、うちのシャワー使ってきなよ」
男「ん、おぉ。先にお前使えよ」
女「私は後でいいわ。先に使って、残り香クンクンされたら嫌だから、ねっ」
男「ハッ、んなこたァするかよ」
女「本当に~?」
男「…先使うぞ」
女「ほーい」
・ ・ ・ ・ ・
シャワー
男「…」
キィン…
男「くっ、またか」
キィン…
男「うぜェ…」
キィン
キィィィン
キィィィン
ンチャァ…
男「ぐっ、あぅっ、うぜェうぜェうぜェェェェェ!」
グワン グワン
バタリ
――――――――――
男「っ…」
ボヤー
男(ここは…)
?「目覚めはどうだい?」
男(こいつは…)
?「気分が悪いから寝るって…人ん家に来て、それはないよなぁ…まぁ君らしいが」
男(こいつは…魔族)
魔族「夕食の用意をするよ、食べていくだろ?」
男(こいつは、ひょんなことから知り合った魔族の男…いつの間にか親しい友人となった…)
魔族「今回のは自信があるんだ。スライムのスープに、毒虫ソテー黒コショウを効かせて…あとはドラゴンゾンビの炊き込みご飯だよ」
男「ハッ、相変わらずゲテモノだな。まぁ味はいいんだよな、これが」
魔族「魔界の生き物は見た目が悪いほど美味いものなのさ」
・ ・ ・ ・ ・
魔族「あらゆる命に感謝を…いただきます」
男「うまいうまい」
魔族「こらこら、食材に感謝をしてから食べる」
男「あーあざっすあざっす。うまいうまい」
ガツガツ
魔族「まったく君は…」
魔族「ところで、どうだい最近の情勢は」
男「ん?…そうだな、変化なしだな」
魔族「そうか。悪くならないならそれもいい、か」
男「ウチの村長はそれなりに発言力あるんだが…今の国王は馬鹿だからな」
魔族「私達のトップもそうさ。何かにつけて人間滅ぼす人間滅ぼす、だもの」
男「こんな田舎じゃ、まだまだそんな考え方の奴ばっかりさ」
男「お前も魔界じゃ貴族階級なんだろ、何とかいい方向に話を持っていけねェのか?」
魔族「過激派は私の言う事なんかに耳を貸さないよ」
男「お互いに、か…まぁ今すぐどうこうなる訳じゃないしな」
魔族「うん。でも、どうにかしなくては、と思わなくはないんだけどね」
男「頼むぜ…っと、ドラゴンゾンビの炊き込みご飯おかわり」
魔族「はいはい、まだまだ沢山あるからね」
・ ・ ・ ・ ・
男「じゃあな、今日も美味かったぜ」
魔族「またいつでも来てくれ」
男「あぁ、あンがとよ」
キィッ
バタン
男「…」
男(この国じゃ、未だに人間と魔物は対立している)
男(世界的には、とっくに共存の道が選ばれているのに、だ)
男「ハッ、くだらねーよなぁ、俺ンとこの王サマはよォ…」
テクテク
テクテク
男「…」
ガササッ
男「ん…何だ…」
タッタッタ
?「はぁっ…はぁっ…」
タッタッタ
バタリ
?「ひゃんっ…!」
男「…大丈夫か?」
?「あ…う…」
ブルブル
男(随分怯えている…何かから逃げてンのか?)
ザザッ
?「い、いたぞ!」
?「こっちだ、こっち!」
ザザッ
ザザッ
男(鎧を着た人間が二人…こいつらから逃げてたのか)
兵士A「見つけたぞ」
兵士B「大人しく帰るんだ、魔法使いの少女よ」
魔法使い「う…あ…」
男(厄介事は勘弁だが…はぁ…)
スッ
兵士A「な、なんだ貴様は」
兵士B「な、なんだ貴様は」
男「通りすがりのイケメンさ」
兵士A「なっ、ブサメンの俺達への当てつけか!」
兵士B「俺達ってなんだよ、俺はフツメンだぞ」
兵士A「黙れよイボイノシシ!」
イボイノシシ「誰がイボイノシシやねん。お前こそ顔面性器やろが!」
顔面性器「ひ、ひでぇ!」
男「イボイノシシに顔面性器…ハッ、確かにそうだな!」
顔面性器「てめぇ!」
イボイノシシ「ぶっころ!」
男「‘す’は!?」
チャキン
イボイノシシ「人間は斬りたくないが、仕方ない」
チャキン
顔面性器「俺達を怒らせたのが悪いんだぜ?」
魔法使い「う…あ…」
ガクブル
男「あーあーいい大人が剣なんか出しちゃってまぁ…子供が怯えてるでしょうが!」
ポンポン
魔「!」
ビクンッ
男「怖がンな怖がンな、とりあえずはお前さんの味方だよ」
魔「うあ…」
男「ちょっと待ってな、悪い大人はすぐ懲らしめてやンよ」
イボ「なめた口を!」
性器「切り刻んでやるァ!」
男「…風よ、シンフォニーを奏でろ!」
ブワッ
ゴウゴウ
イボ「なっ…突風が!」
性器「前に進めな…」
シュンシュン
ズバッ ズバッ
イボ「ぎいやぁぁぁぁぁ!」
性器「足が!腕が!」
男「次は首だ。血管をズバッといくぜ?」
イボ「ひぃっ」
性器「おたすけ」
タッタカター
ニッゲロー
男「ハッ、逃げたか」
魔「…」
男「ほらよ、とりあえず悪い大人は追い払ってやったぜ」
魔「…」
ギュッ
魔「あ…あ…あり…あとぅ…」
男「どういたしまして」
男(さて、どうするかね…厄介事の匂いがプンプンするぜ…)
・ ・ ・ ・ ・
男「…と、いう訳だ」
魔族「ふむ」
魔「…」
オズオズ
魔族「話は分かった。で、何故私の所へ?」
男「こいつ泊めてやってくんねーかな」
魔族「なぜ私が」
男「いやーウチの奥さんが勘違いするといけねェからさー」
魔族「普段から勘違いさせるような行いをしている君が悪い」
男「いやーまだ娘が小さくてさー手がかかるしさー」
魔族「言い訳を…はぁ…」
魔「…」
フルフル
男「…頼むよ。厄介事な感じはバリバリしてンだけどよ」
魔族「お人好しだな、本当に…」
魔「…」
フルフル
魔族「あぁ、安心したまえ。私はこの男の友達だ。君がこいつを信用しているなら私も信用してくれていい」
魔「…」
コクリ
魔族「ふふっ、物分かりのいい子だ」
魔族「分かった、しばらく預かろう」
男「…サンキュ、な」
魔族「君の事だ、何かしら思う所があるんだろう」
男「ん…まァな。こいつを追ってた兵士共、ちょいと心当たりがあってよ」
魔族「厄介事だな…まぁそちらは任せた。たが近いうちに顔は出すんだぞ」
男「あぁ」
男「つー訳だ。この魔族のとこで少しの間、いい子にしてな」
ポンポン
魔「…ん!」
男「よし」
男「じゃーな」
ガチャリ
バタン
魔族「…」
魔「…」
魔族「さて、と。お腹、減ってるかい?」
魔「…」
コクリ
魔族「夕食の残りで悪いが、食べるといい。味には自信があるんでね」
魔「…ん!」
・ ・ ・ ・ ・
ガチャリ
男「ただいまー」
妻「おかえり」
娘「パパ、おかえり!」
男「おー」
妻「…ん?」
男「ん?」
妻「…精霊の気配が残ってるわ…貴方まさか」
男「…ちょっとだけだよ」
妻「はぁ…後で理由、教えて」
男「あァ…ちょいと厄介事になりそうだからな」
妻「また…貴方って人は毎度毎度…」
娘「ママ、怒ってるの?」
ウルウル
妻「…大丈夫、怒ってないわ」
男「ほっ…怒ってないんだな」
妻「…」
キッ
男「すいませんすいません」
妻「ほら、パパも帰ってきたし、おやすみの挨拶して寝なさい」
娘「はーい、パパおやすみなさーい!」
タッタカター
・ ・ ・ ・ ・
妻「…へぇ」
男「あの兵士の鎧は青銅製だった…今時珍しい、な」
妻「青銅の鎧…国営研究所だと?」
男「恐らくな。あんな時代遅れの装備、研究所の奴らくらいしか使わねェよ」
妻「だとしたら、本当に厄介ね…」
男「あれは国のガンだ…何か企んでンなら潰すさ。村長にもそう言われている」
妻「…無茶はしないでよ。貴方には私も娘もいるんだから」
男「ハッ、心配すんな。できる範囲でやるさ、できる範囲で、な」
妻「…お願い、よ」
ギュッ
男「…分かってるよ」
男「まぁなんだ、魔族の奴にも手伝わせるし、無茶はしねェよ、絶対に」
妻「魔族さんがいるなら、ねぇ…」
男「信頼感は奴の方が上なのかよ…」
妻「ま、普段の行いの差ね」
男「わりとショック」
・ ・ ・ ・ ・
男「…」
男(国営研究所…奴ら、いや、国王の奴、何を企んで…)
キィィ…
男(っ!?)
キィィィン
キィィィン
ンチャァ…
男(また頭痛…ぐっ…痛い、頭が割れそうだ…)
男(…また、だと?)
男(俺は、また、と言ったのか?)
男(俺は何度こんな風に頭痛を…意識を…)
ボヤー
男(お…れは…いった…い…)
グワン グワン
バタリ
――――――――――
男「ぐぁ…んっ…」
女「ちょっと男、大丈夫!?」
男「あ…?」
女「返事がないから、勝手に入ったけど、あんたお風呂で倒れてたのよ?」
男「風呂で…そうだったンか」
女「なんか最近のあんた、変だよ…突然ふらついたり、学校じゃ寝てばっかりだし…」
男(意識が断片的になってるのは、そういう事だったのか…)
女「ねぇ、病院で診てもらお?どう考えても変だよ…ねぇ、男…」
ポロポロ
男「お前…泣いてンのか…?」
女「私…泣いて…?…分かんない…でも、よく分かんないけど、すごく不安で…分かんない、分かんない…怖い…うわぁぁぁぁぁ!」
アタマ ブンブン
女「あ゛あ゛い゛い゛い゛!」
ヘドバン!
ヘドバン!
へどばん!
猟奇的日常系アニメーション
へどばん!
日曜 夜六時半から放送開始!
男「ハッ、絶対見ろよな!」
おしまい
このSSまとめへのコメント
えぇ……