拷問師 (35)

感受性と想像力が豊かすぎる人は読まない方が良いと思われる
書き溜めはないから遅い

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ギィ。バタン。

男「良いよ。入れてくれ」

召使「は……」




女騎士「」グッタリ




男「ふうん。これが敵国の騎士様かぁ。ずいぶんと綺麗な顔してるね」

男「どうしてまた、捕まっちゃったの?」

召使「我が国の少年兵が、罠に嵌めたようで」

男「抜けてるのか、それとも正義感が強いのか」



男「まあいいや。もう目が覚めるだろうし、さっさとひん剥いて縛っちゃって」

召使「はい」


…………。

……ここは?

私は……何だ?

確か進軍中、大穴に足を取られている子供を助けようとして、その子供に穴に引きずりこまれて……。

妙な煙の香で、意識を……。

意識を?

そうだ、ここは何処だ……?
部下は?軍は?私は?

男「あ、目が覚めましたか。良かった……」

女騎士「わ、私は助かったのか……?」

男「命は保証します」



女騎士「……待て。この目隠しはなんだ。拘束具も5つ。さらに裸だ」

男「あなたが逃げてしまわないように、と思いまして」

女騎士「ここは自国ではないのだな。放せ」

男「怒らないでください。事が済んだら拘束も軽くしますし、目隠しも取ります。水や食べ物についても、言って頂ければご用意しますので」

女騎士「それで気が済むとでも思うか。私の部下はどうなった」

男「私が現場にいたわけではないのですが、我が国では無事進軍、とだけ……」

女騎士「よくも……」


男「とりあえず落ち着いてください。ひとしきり状況を説明しますので」

女騎士「くそッ……いや、聞こう」

男「はい。あなたは捕らえられたあと、王の元から私の屋敷に運ばれてきました」

男「1ヶ月の間、この騎士を好きなように虐げるようにと」

女騎士「……それで、真っ先に衣服と自由を奪うか。この唾棄すべき豚め」

男「まあまあ……落ち着いて。その1ヶ月が過ぎれば、あなたは国の元に帰される決まりとなっております。これをお伝えしたかったのです」

女騎士「信じると思うか? そも、貴様は何者だ」



男「私は……しがない魔術師ではありますが、我らが王より『拷問師』の名を拝命しております」



女騎士「拷問……師?」ブルッ

男「はい」


男「私も軍として動いているのではなく、依頼としてお金を頂いてやっていることですので、何卒ご理解頂ければ……」

女騎士「ふざけるな。拷問をする以上、我が国の情報を吐かせる気だろう……が、捕まえた相手が悪かったな。1ヶ月だろうが、1年だろうが、私の心は国と共にある。決して何も吐かんぞ」

男「弱音くらいは、私に吐いて頂いても良いんですけど……」

女騎士「黙れ。そもそも貴様、最初からこの部屋に居ないだろう。魔術で別の場所から会話しているな?」

男「見ずとも分かるとは……お見それ致しました。はい、諸事情で別の場所よりお話ししています。無礼をお許しください」

女騎士「……ふん。どうやらその二枚舌は貴様の癖らしいな。反吐が出る」

男「仕事に関わらず、性分なもので。すいません。というか、その部屋寒いですよね。ごめんなさい。私の部下に毛布を持たせますんで、待っててくださいね」

女騎士「……勝手にしろ」


男「やれ」

召使「は」

男「あまりこぼすなよ。あと、お前も防護服を着ていけ」

召使「仰せのままに」


…………。

ギィ。バタン。

召使「失礼いたします」

女騎士「ふん……」

召使「では、掛けさせて頂きます……」




ボタッ。ボタボタボタ。




女騎士「ヒッ……!?」

女騎士(熱く……はない。温かい。毛のようなものは感じられるが、毛布ではない……)

女騎士(お、お腹がくすぐったい)

男「一応、これも拷問ということなので……すいません。でもこの1ヶ月で、あなたに与えるのは歯を剥くような苦痛ではありません」

女騎士「っ、ふん……、この色情魔め。私の身体は剣を振るうためのもの。別の何かが入り込む余地などない」

男「い、いえ、そういうわけじゃなくてっ、あのっ、でも綺麗ですよ。傷ひとつない、白磁のように美しく、なめらかな身体……」

男「でも、その、与えるのは快楽でもないです。おいおい、分かることと思いますので……」

女騎士(……っ。お腹に落とされたものが動いている。く、くすぐったい……)

女騎士(これは、なんだ? 這い回られている……?)



ボタボタボタ。ボタボタボタ。
ボタボタボタボタボタボタボタボタ。



女騎士(す、すごい量……? う、腕から、足まで、這い回られて……き、気持ち悪いっ)


召使「済みました」

女騎士「くっ、き、貴様。何をした。これは何だ?」

男「口で説明するのもなんですし、実際に見てもらいますか。召使」

召使「は」



うぞ。うぞ。

うぞうぞ。 うぞ。 うぞうぞ。

もしゃもしゃ……。



女騎士「き、気持ち悪い、は、目隠しを早く取れっ」

召使「はい。ではほどきますので、頭を少しだけ上げて頂いてもよろしいでしょうか」

女騎士「は、早く」

男「女騎士さんに掛けてあげたのはですね……」




しゅるり。




女騎士「…………」

女騎士「ぅ、わ」




男「60匹の毛虫です」




女騎士「ぁ、ぁ、ぅああああああ」ゾワゾワゾワゾワ


女騎士「や、やめろ。早く、早く取って、取ってくれ」

うぞうぞ。
うにうにうにうに……。

もしょ。もしょ。

ぬくぬく……。

うぞ。 うぞ。

女騎士「こんなの、ぜった、うわあぁあぁあ……!」

男「ああ、ずいぶんと余裕がなくなってしまって……。茶色の毛皮みたいで、なかなかお似合いですよ?」

女騎士「か、痒み程度、拷問の初歩……」

うぞっ!!

女騎士「あィッ!? み、耳は!! やめろ、うあっ、こ、拘束を外せぇえええ……」

男「では、夜も遅いので。暖かくしてお眠りくださいね。召使、下がれ」

召使「は……。お休みさなれ、騎士様」

女騎士「や、やめろぉ!! こ、これ取ってけ! 取って!」

女騎士(今はまだ、平気だけど、もう、時間が経ってしまったら……!!)

うぞうぞ。うぞうぞ。

もしょ、 もしょ。

ぞくん。 ぞわわ……。


…………。

男「ご苦労。防護服はどうした?」

召使「処分しておきました」

男「分かった、どうせ毒の毛が舞っているのは館内の廊下も同じだろう、僕が焼いておく」

召使「恐れ入ります」

男「さあ、夜が遅いのは本当だし、召使も早く寝るんだ」

召使「ありがとうございます、ご主人様。失礼いたします」

男「…………防音の魔術を掛けておくか。うるさくて寝苦しいだろうからなぁ」










「あ、あ、あ、掻いちゃ、ダメ、触ったら、ダメなのに、」

……もしょ。

「……ああああああああああああ!!!」ガチャガチャガチャガチャ‼︎

ここまで
このレスを見た人に茶色のもしょもしょが木から落ちてくる呪いを掛けた


ギィ。バタン。

召使「おはようございます、騎士様。昨晩はよくお休みになられましたか」

女騎士「……」

男「おはようございます。目の下の隈を見る限り、昨晩はお楽しみのようでしたね」

女騎士「……」

男「まあ、これ以上にあなたの肌を苛むのも考えものです。今日はまだ二日目ですし、とりあえず部屋の毛虫を掃除しましょう。召使」

召使「は」ヒョイッ

男「ひとつ残らず」

召使「かしこまりました」ポイッ

女騎士「ぅ……ぐ……」

男「私も防護服を着て、そちらに向かいましょう」

…………。

ギィ。バタン。

男「直接顔を見せるのは初めてでしたね。こんにちは」

女騎士「……」

男「ああ……桜色の餅のような肌になってしまわれて。見る分には、こう、何かおかしな嗜好に目覚めてしまいそうです……」

男「もちろん昨日の、白雪のような肌も素敵でしたよ」

女騎士(黙っていれば、いい……ひどく痒いが、感覚を閉じていれば……)

召使「毛虫の処理は終わりました」

男「ご苦労。下がれ」


ギィ。バタン。

男「では、まずこの部屋を綺麗にしようと思います。炎精よ、おいでなさい」

ボワッ!

男「炎症の理由が毒の毛によるものであることは知っているでしょう? これは飛散し残るものなので、焼いてしまわないといけませんね」

女騎士(さした詠唱もなく、あれだけの炎を……魔術師としても、手練れなのか……)

男「そう険しい顔をしないで。あなたは絶対焼きませんよ、ご安心ください」

…………。

男「終わりました……あなたに近い場所については、あとで掃除させておきますので」





男「……では、あなたの身体を掃除させていただきます。肌に障るでしょうが、新しい痒みを生まぬためのこと……ご理解ください」

女騎士「……」ゴクリ

男「湯浴みと参りましょう? 麗しい女騎士さん」


召使「お持ちいたしました」

男「いつまでもベッドに拘束してるんじゃ痛くなってしまうでしょう。召使、移して上げなさい」

召使「は。失礼いたします」

女騎士(拘束具付きのハンモックか。拘束が解かれる瞬間を見計らって……)

男「縛術を掛けます、失礼しますね」

女騎士(チッ。そこまで馬鹿ではないか……)ビリビリ

召使「持ち上げますよ。どうかお体を楽にしてください」ヨイショ

女騎士(うぐ……手を、触れているところが……)


カチャカチャ……。


女騎士(初めてハンモックに寝るが……腰が楽だ。拘束も足と腕の2ヶ所のみ……ずいぶん楽になったな)

召使「すぐにお風呂が沸きます、参りましょう」ガラガラガラ

ギィ。バタン。


ホワホワ……。

女騎士(普通の風呂じゃないか……どうもこう、丁重に扱われるというのは騎士団でもなかったからな……慣れん)

男「事情が事情ですから、ハンモックのまま入っていただきますね。ゆっくり、汗と毒毛を流してください」

召使「湯船までお運びいたします」ガラガラ…

女騎士(ゆ、湯気で痒みが)
女騎士「早くしてくれ……」

男「はい、もちろん。……ふふ、やっと今日口を開いてくれて、嬉しいです」



召使「降ろしますね」

女騎士(これで、毛が落ちれば痒みも多少は……!)





男「ゆっくりと、お楽しみください……」ニッコリ





チャプン。


じわ……

女騎士(う……かゆ……いけど、これくらいなら……)

男「少しお湯は熱めにしてありますので、ごゆっくり……」

女騎士(ああ、やっぱり痒いけど、風呂というのは血行が良くなって気持ちい……)

女騎士(血行、が良く、、、?)



どくん、どくん



女騎士(え、あ、え)


女騎士「あ、まって、ま」

……むずむず。
むずむず。
むずむずむずむずむずむず


女騎士「う、う、いや、ああああああああ」ギシッ!ギシッ!


むずむずむずむずむずむずむずむずむずむずむずむずむずむずむずむず!!!!


女騎士「あぎぃゃあああああああああ!!?!?」バシャバシャバシャバシャ‼︎


じんじん じんじん
ずくんずくんずくんずくん……!!


女騎士「あーっ!あーっ!あーっ!アーッ!アーッアーッアーッアアッアアッアアッアアウアアア!!!」ガシャン!バン!バシャンバシャン!
女騎士(ダメ!あああ!!ああ!これだめ、あっ、うえ、ほわ!!いああう!!痒いっ!!痒あああああい!!!)


男「せっかくだし、血行を良くして早く治してもらいたいよね。召使」

召使「は。こちら、重曹でございます」ドサドサドサ

シュワシュワシュワ……!!


女騎士「ごべっ、ばあああああああんん!!!あああああ!!っあああああ!!っあああああ!!」
女騎士(ああああ!!のうああああああああああああああああああああああああああ)


…………。

男「召使。上げてやりなさい。呼吸困難と緊張でショック死してしまいそうです」

召使「は」グイッ

ざばぁ。

女騎士「……」ビクン ビクン
女騎士( )

召使「……精神が壊れてしまったでしょうか」

男「いや。ほっとけば回復するだろう。部屋に戻しておいてくれ」

召使「は」

ここまで
このレスを見た人の布団にムシムシさんが夜這いしに行く呪いをかけた

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