司会「さあ、いよいよ始まりました!」
司会「“能力使いこなせてない王”選手権!」
司会「10名の能力者のうち、優勝するのはいったいどの能力者だァ!?」
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エントリーNo.1――
炎使い「俺は最大10000℃の炎を最大半径10km四方にばら撒くことができる!」
炎使い「この能力で俺がもっぱらやること……それはッ!」
炎使い「みかんの汁で紙に字を書いて、それを火であぶって字を浮かび上がらせるゲームだ!」
司会「せっかくの能力であぶり出しとは、なんという炎の無駄使い!」
司会「これはなかなか高得点が期待できそうだ!」
エントリーNo.2――
時間能力者「私は……最大で10秒間時を止めることができる」
時間能力者「できればお釣りなしで買い物したくて、レジで財布の中の小銭を吟味する時……」
時間能力者「この能力があれば、店員を待たせずに小銭を探すことが可能だ」
司会「こんなの時間を止めてまですることじゃありませんね!」
司会「っていうか、レジに行く前に小銭を確認しとけって話ですね!」
エントリーNo.3――
予知能力者「ボクは未来を見る能力を持ってるんだ」
予知能力者「これがあれば明日発売のマンガ雑誌を読むことができる」
予知能力者「もちろん、明日になったらちゃんと買うけどね」
司会「ちゃんと買うの偉いッ! 立派ッ!」
司会「だけど絶対もっといい使い道あるでしょ! 私なら競馬……おっと失礼」
エントリーNo.4――
切断能力者「ククク、小生はこの世のどんなものでも切断することができる」
切断能力者「自分に届いた封筒を切る時、これほど便利な能力はない」
切断能力者「ハァッ!」スパッ
司会「おーっと、これも能力のわりになかなかしょっぱい使い方だ!」
司会「下手すると中身ごと切っちゃう可能性もあるから、ハサミ使った方が絶対いいし!」
エントリーNo.5――
重力能力者「自分のいる場所を含め、重力を操ることができます」
重力能力者「たとえば、自分の体重を測って58kgか……中途半端だな、と思ったら」
重力能力者「重力を操って60kgにすることができます」
司会「なるほど、58を切り上げて60に! この行為にいったいなんの意味があるのか!?」
司会「これはかなりの高得点を期待できそうです!」
エントリーNo.6――
テレポート使い「オレは世界中のどこにでも瞬時に瞬間移動することができる」
テレポート使い「この能力があれば夜中トイレ行きたいけど布団から出たくないって時にも」
テレポート使い「一瞬でトイレに行くことができるって寸法よ!」
司会「気持ちは分かるが、使い方がしょぼい!」
司会「それにトイレって狭いんで、寝ながらテレポートすると壁に頭ぶつけそうな気がします!」
エントリーNo.7――
変身能力者「私はどんな人間・動物・物体にも変身することができる」
変身能力者「しかし私は弟にしか変身したことがない」
変身能力者「なお、私と弟は双子だ」
司会「双子かよ!」
司会「そっくりな弟に変身してなんの利点があるのか!? 変装でいいじゃないかって気がします!」
エントリーNo.8――
隕石能力者「あたしは隕石を自在に降らすことができるわ!」
隕石能力者「この能力ってとっても便利なのよぉ~」
隕石能力者「漬物石が欲しいなって時は、すぐこれ使うのよぉ~」
司会「最近妙に隕石がどうのこうのってニュースが多いのはアンタのせいか!」
司会「そもそも漬物石って、一つあれば十分なのでは……」
エントリーNo.9――
命令能力者「私は他人にひとたび命じれば、どんな命令にも従わせられる能力を持っている」
命令能力者「押しボタン式の信号機のボタンを押すの面倒だな……って思った時は」
命令能力者「そこらの通行人に命じて押させているよ。すごい能力だろう?」
司会「そんくらい自分で押せって感じですね!」
司会「このもっといい使い方あるだろ感が実に素晴らしい!」
司会「さぁ、いよいよ最後の能力者の方です! どうぞ!」
エントリーNo.10――
男「前置きしておきますが、俺は能力者であること以外は、普通に女性に恋する、至って普通の男です」
司会「は、はい……それは事前の調査でもちゃんと分かっております」
司会(なんだこの前置き、なにか意味があるのか?)
男「ちなみに俺は……」
男「透明になれる能力を持ってますが、女性の着替えや女湯を覗いたことが一度もありません」
司会「優勝ォォォォォ―――――ッ!!!!!」
おわり
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