妹「なにしてんの?」留年俺「洗濯機にはいっている」 (56)


妹「なんで洗濯機にはいってんの?」

俺「よくぞ聞いてくれた」ウィーンウィーン

俺「お兄ちゃんな、留年したんだ」

妹「……え?  卒業できたんじゃなかったの?」

俺「一週間前に留年通知が届いていたよ、おえっ……」ウィーンウィーン

妹「……お母さんとお父さんには言ったの?」

俺「お前も知ってるだろ?  俺は怒られるのがきらいなんだ」ウィーン

妹「なんで洗濯機にはいってんの?」
俺「よくぞ聞いてくれた」ウィーンウィーン
俺「お兄ちゃんな、留年したんだ」

答えになってないwwww


妹「じゃあこれからどーするの?」

妹「お兄ちゃん、一流企業から内定もらってたんでしょ?」

俺「この際だから言ってしまうが、実はお兄ちゃんを雇ってくれる会社なんて存在してないんだだだだだだ」ウィィィィン

妹「じゃあお兄ちゃん、内定もなければ卒業もできないってこと?」

俺「現実って残酷だよなななななな」ウィィィィン

妹「……で?  なんで洗濯機にはいってんの?  ていうか、すすぐ時間設定長すぎ」

俺「お前、洗濯機にはいってる俺を見てどう思った?」……ウィー



妹「キチガイだと思った」

俺「こんな奇行種をする俺を見て、父と母はこう思うだろう」ウィー……

俺「ああ、こんな奇行種は社会という海に出てはいけないと」ウィー……

俺「そう。俺はこれから思いつくかぎり、キチガイじみた行動をしていく」うぃ……

俺「そうして両親から留年の記憶を消し去るのさ、洗濯機のすすぎのごとくなななななななな」ウイいいいいいい

妹「とりあえず洗濯機、とめるね」

俺「ういいぃ……」

妹「ていうか、留年ぐらいでこんなことしなくてもいいじゃん?」

俺「はあ?」ボッキ

なぜ勃起したのか

俺「お前留年の意味がわかってんのか?」

俺「みんなが未来へと続く果てしないロードを突き進む中!」

俺「取り残されるんだぞ!  俺だけが!  一人だけけけけけけけけ」ウィィィィィン

妹「……お父さんとお母さん、お兄ちゃんのために車買ってたよ」

俺「え……?」

妹「名義はお兄ちゃんだったけどね。ほら、最近嵐が宣伝してた車」

妹「色々とオプションつけて180万ぐらいだったかな?  軽自動車なのに高いよね?」

俺「ウィィィィィン」マジかよ……


俺「母親は高卒だし、父親は大学中退」

俺「そんなスーパーエリートな遺伝子をつぐ俺が大学を卒業できるわけないのに……!」

妹「あたしはすでに卒業に必要な単位を満たしてるけどね」

妹「ていうか彼女さんには留年のこと話したの?」

俺「はあ?  あんな女、すでにふってやったよ」

妹「……なんで?」


俺「あっちは一流大学に通って、しかも内定をもらったとこも一流!」

俺「かたや俺は3流大学を留年!  しかも無い内定!」

俺「どうせこのまま捨てられてしまうなら、ふるしかないじゃないいいいいいい!」ウィィィィィン

妹「いや、でも。彼女さんってばいい人だし」

妹「ひょっとしたら、こんなクズで洗濯機にはいってるお兄ちゃんでもゆるしてくれるかもよ?」

俺「……たしかにな。いや、最初は脅そうと思ったんだよ」

俺を「俺をふったらハメ撮り動画をばらまくぞって」

妹「クズだな」

俺「でもこうやって洗濯機にはいってたらどうでもよくなったわ、うふふ」うぃ……

妹「ていうか、洗濯するからとりあえず出てよ」

俺「うむ。そうしたいところだが」

妹「まさか、出られないとかってオチじゃないよね?」

俺「こう見えても俺は用心深い男だ」

俺「きちんとはいったあとで、すぐに抜けられるか確認している」

妹「じゃあ出ようか」

俺「あ、俺が洗濯機にはいってたことはきちんとママ……お母さんに言っておけよ」

妹「わかったから。はやく」

俺「うむ。……うむ?  うん?」ミシシシ……ミシシッ

妹「……」

俺「ククッ、なるほどな……!」

俺「熱膨張って知ってるか?」

妹「それは知ってるけど。……まさか?」

俺「話が早くて助かる。どうやら俺の下半身は洗濯機のせいでおっきくなったらしい」

妹「つまり?」

俺「あ○こがひっかかってしまった」

妹「もー、どうするの?」

俺「なに、気長に待つさ。留年した俺を待つものはなにもないからな」

妹「はいはい」



強盗「金を出せ!」


俺「……まじかあ」

妹「あちゃー」

強盗「金をだせ!  金を……なにしてんの?」

妹「見てのとおりです。兄は洗濯機にはいってます」

俺「そ、そ、そのおりだ、だ、だ、だ、だ」ウィーンガチャウィーンガチャ

俺「お、ま、え、を、ま、っ、て、いた」ウィーンガチャウィーンガチャ

強盗「……えっと、金は?」

俺「金を出す前に、まずは俺を出すことだなななな……なあ、これ、設定どーなってんののの?」ブロロロロロロロ

妹「あ、今はランドリーモードになってる。乾かすやつね」

俺「なななななるほどな」ブロロロロロロロ




強盗「と、とにかく金を出せっ!  さもなくばっ!」

俺「さもなくば?」ウィィ……

強盗「あー……その前にお宅にお金あるの?」

妹「どうでしょう? 」

妹「なにせ兄が車を買って、しかもそのために教習所の申し込みもしてしまって……」

俺「まあ俺は自動車学校の前にホントに通わなきゃいけないところがあるけどな、はは」ウィ…

強盗「と、とにかく!  なんか出さんかいっ!」

俺「ふむ。金がないとなると、おのずと出せるとものは限られてくるな」

強盗「ほう……」

俺「ここはうちの妹で手を打たないか?」ウィィィィィン

妹「わたし?」



俺「俺は見逃してくれてかまわない。だから、妹にエロいことをしていいぞ」ウィ……ドンっ!

妹「ちょっ……?」

強盗「実の妹を……!?  売るのか!?  自分の保身のために……!?」

俺「今の俺は失うものすら失ったからな。妹の一人や二人、なんとも思わん」ウィィ…

妹「お、お兄ちゃん……そこまで……!」

強盗「だ、だが……」

俺「どうした?  せっかくのエロい機会だぞ?」

強盗「だ、だがしかし!」

俺「見られたくないというのなら構わん、俺は洗濯機の中にいてやるよ」ウィィ…

強盗「くっ……!」

俺「ふん。獲物を前にクンカクンカ。三流のすることだな」ドンッ!


強盗「そ、そこまで言われちゃあ!  や、やってやるよ!」

俺「ククッ、そうこなくてはな。ゆるせよ、妹」

妹「……わかったよ。わたしのからだで我が家の財産が無事でいてくれるなら」

俺「せめてお前が汚れる瞬間は見ないでいてやる」

俺「そこに落ちてるパンティーをよこせ」

妹「……どうするの?」

俺「目隠しのかわりだ。ほら、はやく」

妹「……はい」

俺「……ふむ」スーハースーハー

妹(お母さんのパンティー……ごめんね、お母さん)


強盗「お、俺だって本当はこんなことしたくないんだぜ……」さわ……さわさわ……

妹「くっ……んっ……」

強盗「げ、げへへ……お嬢ちゃん、さては感じてるな?」

妹「わ、わたしは感じてなんて……!」カアアァ


俺「……」ギュンギュルルルルル

俺「……ちょっと待ってもらっていいか?」

強盗「な、なんだ?  今さらやめろとか言うんじゃ……」

俺「安心しろ。俺は妹がそこらへんのおっさんに犯されたぐらいじゃ、何も思わん」

強盗「じょあ、なんだ?」

俺「洗濯機の排水について聞いておきたくてな」


妹「どいうこと?」

俺「そのままの意味だ。洗濯機というのは、基本的に水なら流れてなくなるよな?」

妹「まあ、そうだろうね」

俺「ふぅ……」シャアアアアァ……

俺「だが、……それが固形物だったらどうだ?」

妹「固形物?  固形物って?」

俺「たとえば、そう……うんことか?」

妹「お兄ちゃん……まさか?」

俺「ああ。どうやら俺の肛門はすでに限界らしい」

強盗「なん、だと……!?」

妹「な、なんてこと!  あ、あとどれぐらいもちそうなの!?」

俺「よくて3分……いや、180秒だろうな」

妹「そんな……!」

俺「しかも今の洗濯機は二回目のすすぎで大量の水が……お腹が冷える……」ブロロロロロロロ

妹「こ、このままじゃお母さんにしかられちゃうよ!?」

俺「いやだ!  30にもなって親に叱られたくない!  おっさん、泣いちゃう!」

強盗「老けてんなと思ったら三十路だったのか」

妹「今年で32です」

俺「留年に無い内定、そして脱糞イン洗濯機か……」

俺「はは、さすがにこれはうちのパナソニックでも洗い流せそうにないな」ウィィィィィン

強盗「な、なにか手はないのか!?」

妹「……残念ながら。今のお兄ちゃんのあ○こは大きくなってますし……」

強盗「だけどよ!  こんなのって……こんなのって!」

俺「いいんだよ、強盗さん。これも自分が招いたこと」

俺「洗濯機に入ったらこうなるってことさ、どんな人間もな」

強盗「くっ……!」


彼女「あきらめないで!」バンッ!


妹「あなたは……!  お兄ちゃんの彼女で美人で秀才で一流企業に内定をもらえた秀才現役女子大生なのに、なぜか三十路のお兄ちゃんにぞっこんの彼女さん!」

俺「なんでお前が……?」

彼女「納得できなくてね、あんな別れ方」

彼女「だから……来ちゃった」

俺「アヤメェ……!」ブリッ

強盗「感動の再会ってわけか……だが、よりにもよってこんな状況なんて!」

妹「あ、あの!  実はわけあってお兄ちゃんは……」

彼女「おおかた留年して、それをどうにかカモフラージュするために洗濯機にはいるという奇行に出た」

彼女「そして、たまたまこの強盗さんが侵入してきて催した、そんなとこでしょ?」

強盗「見ただけでそこまでわかるとは……」

俺「アヤメ……お前ェ……!」ブワッ

彼女「恋人だもん。それぐらい、わかるわよ」ニコッ


俺は10歳もはなれた恋人の優しさに泣いた。

肛門も同じようだった。

泣いた。バースト。

泣いて泣いて泣きやまない肛門は、いつまでも涙を吐き出し続けた。

こうしてうちのパナソニックは終わりをむかえた。


あのあと俺とアヤメは復縁した。

強盗のおっさんとはすっかり意気投合した。
妹は無事に四年生になって、来年には卒業するだろう。

ちなみに洗濯機はドラム式に変えた。
これならもう俺が入っても、あんな悲劇は二度と起きないだろう。

そしてら2015年、春。
俺はフリーターになった。


次回予告。

ニートとなった俺はある日、自分のとんでもない才能に気づいた。


妹「お兄ちゃん、いいかげんバイトでもしたら?」

俺「今はそれどころではない」

妹「……」

俺「ノゾミ……俺、お前の腹の肉を触るのが好きなんだ」

俺「アヤメ。素敵な曲線美だね。指でなぞるのが最高」

俺「トリンドル……いいお尻してるね」


妹「なにしてんの?」職人俺「抱き枕つくってる」

おわり

おやすみ
お前らはきちんと卒業しろよ

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