姫「一人でお城の外に行きたい……」 (14)
爺「なりません! 城の外は危険でいっぱいです!」
姫「でも自慰……」
爺「自慰じゃありません、爺です! はしたないですぞ!」
姫「爺……。私、いつも誰かに見張られてばかりで息が詰まりそうです。……もっとこう、のびのびと自由に外の世界を見てみたい……」
爺「なんと申されましてもダメです! 町に住む者どもは皆、野蛮なレイパーですぞ!? 私ですら、先日襲われたばかりだというのに……!」
姫「そりゃ白昼堂々、大通りでお尻の穴を広げて見せつけていたら襲われるのも当たり前です!」
爺「なッ!? なぜそれをッ!?」カアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
姫「お父様の望遠鏡は高性能なので。流石、葡萄牙製ね」
爺「他人の私生活を覗き見るなんて姫! はしたないですぞ!」
姫「どっちがですか!!」
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爺「……。で、殿はこのことを……」
姫「まだ知りませんが、今日知ることになるかもしれませんね。まぁそれは爺が私に協力するかどうかにかかってますが」
爺「……脅す気ですか?」
姫「どうします?」
爺「むむむ……。……いえ、やはりいけません! 姫様はまだ17歳のかよわき乙女! その美貌で外をうろつこうものなら次から次へと性欲の物の怪たちが湧いて出ることでしょう! 乳房が……というか胸部がただの壁だということを差し引いても……」
姫「」バキッ
爺「訂正。姫様は腕力は強くてもまだ17歳の乙女! その美貌で外をうろつこうものなら次から次へと性欲の物の怪たちが湧いて出ることでしょう! そのたわわに実った乳房(笑)を狙う狼の群れの中に姫様を一人送り出すことなんて、到底できませぬ!」
姫「大丈夫ですよ! 一日で歩くくらい、なんだッていうんですか」
爺「姫、これをご覧なさい」バサッ
姫「なんですかこれ……って春画じゃないですか! 変な物見せないでください!」
爺「コレは殿の秘蔵コレクションの一つ、『凌辱! 高貴の姫君 R18』。世の中には星の数ほどの性癖がございますが、そのなかでも特にプライドの高い女性が快楽に屈する顔を見たいという男は多いのです。姫様、危険ですぞ!」
姫「えぇ……これ、お父様の……? なんか精神的に来ますね……」ズーン
爺「あのお優しい殿も、姫様が寝静まった後にはそのサディスティックな本性を現し、奥方様を後ろから無理矢理……」
姫「やめて! 聞きたくもない! っていうかなんで爺が知ってるんですか! 適当なこと言わないでください!」
爺「本当ですとも! この爺、見ておりましたから!」
姫「見ておりましたじゃないですよ!」バキッ
爺「おっふぅ! 右ストレートが容赦ない!」ドサッ
姫「……だいたい、こんな格好で出かけるつもりなんてありませんよ。ちゃんと町の娘らしい衣装を着て、お忍びでいくのですから」
爺「ふっ……甘いですな、姫様。これをご覧なさい」バサッ
姫「へ……ってまた春画! セクハラですよ!」
爺「春画は春画でもコレは殿の宝物蔵の最深部にある珠玉の一冊、『汚された町娘 R18』にございます。高貴の姫よりむしろ生活感が漂う町娘を思う存分なぶってみたいという男も、この藩だけで何百人いるやら……」
姫「じゃあ物乞いの格好でもしていけばいいんですか!?」
爺「……」つ『騙された乞食 ~親切なお侍さんは股間に日本刀を隠し持っていました~ R18』
姫「ぬうう……」
爺「これで分かったでしょう。外の世界は姫様には相応しくございません。大人しく爺とツイスターでも……」
姫「また太ももに触る気でしょう! 二度とやるもんですか!」
爺「そんな……あれは事故でして……。あ、なら女中たちも呼んで王様ゲームなどは……?」
姫「やりませんってば! とにかく爺がなんと言おうが、私は外に行きますからね」
爺「そう申されましても、爺の目を盗んでこの城を抜け出るなど容易なことでは……」
姫「」クイッ つ紐
爺「わあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!! こんなところに落とし穴がああああぁぁぁぁぁぁ……」ヒュウウウウウウウウウウウ
姫「ごきげんよう」クスクス
***
城下町
ワイワイガヤガヤ
姫「わあ! なんて賑やかなの!」キャッキャッ
魚屋「安いよ安いよォォォ!!!!! 三日前に上がったばかりの鯖だよォォォォォ!!!!!」
団小屋「お客さん! 頑張れ! 死んじゃだめだ! 吐き出すんだ!!」
遊郭「お兄さん、ちょっと寄って行きな! 目をつぶってりゃ我慢できるレベルだよ!」
越後屋「金色モナカでございます……」
姫「どこもかしこも楽しそう! でもまずは腹ごしらえね!」
***
ガラガラ
姫「ごめんくださーい」
そば屋「おう、いらっしゃい! あ、こら逃げるなこの!」バキッバキッ
客「い、今何時でい!?」ヒィヒィ
そば屋「知るか! 金払え!」バキッバキッ
客「ぎにゃああああああ!!!!!!」
姫「ふぅ、これがお品書きですか。あ、この月見そばなんかおいしそう!」
そば屋「うちの一番人気だよ! 死ねコラ!」バキッバキッ
客「ぎいいいいいい」
***
爺「殿ォォォ!! 殿ッ!! 殿ォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!」
殿「どうした爺。頭に矢が刺さってるぞ」
爺「それどころではございません! 姫様が城の外に……! って痛だだだだだだだだ!!!!!! ホントに刺さってる!!」
殿「姫が?」スポンッ
爺「はい! この爺を落とし穴で十間(約18M)ばかりも落として抜け出してしまわれました!」
殿「まぁそんなに心配することもないだろう。一応御庭番をやってこっそり様子を見させるか。で、落ちた先には何があったんだ?」
爺「矢が飛んでくる壁に、迫りくる鉄球、火責め、水責め、果ては三角木馬まで! あんな恐ろしいカラクリ部屋は初めて見ました!」
殿(わしのSM部屋ともつながってるのか……)
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