シリーズ一覧↓P「理想のプロデューサー」 雪歩「1ですぅ!」
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P「理想のプロデューサー」 美希「あふぅ・・・2なの」
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P「理想のプロデューサー」 千早「3・・・ですか?」
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※注意点
続き物の第四話となります
いずれオリキャラが出るので注意
キャラの呼称などおかしいところがあれば指摘お願いします
時折視点が変わったり、回想に入るので注意
作者の趣味が出る
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1425731402
Lesson4
高木「おっ。黒井! ここだ!」
黒井「みっともない、大声をあげるな」
高木「いやなに、君と会うなんて久しぶりだからね。さらに君から誘ってもらえるなんて・・・何年ぶりだろうか」
黒井「気色の悪いことを」
高木「君の口の悪さは相変わらずだね」
黒井「とりあえずワインでも頼むか」
高木「私はビールでいい」
黒井「仮にも社長の身分で随分と安いものを」
高木「君のとこほど売れてないからね」
黒井「だがこれから売れるだろう」
高木「はは、君の弟子のおかげでね。彼のことが聞きたいから食事に誘ったのだろう?」
黒井「・・・まあな」
高木「ちょっとキミィ。生ビールひとつと・・・君は何にするかい?」
黒井「私はこれを頼む」
店員「かしこまりました」
高木「懐かしいな。昔はこうして君とアイドル業界について語り合ったものだ」
黒井「何も知らん青二才二人でよくほざいてたな」
高木「よく喧嘩もしてたなあ。若気の至りってやつだな」
店員「ご注文のお飲み物をお持ちしました」
高木「ああ、ありがとう。生ビールはこっちにわたしてくれ」
店員「かしこまりました」
黒井「・・・そろそろ本題に入ろうか」
高木「彼のことだったな。君が入社させてほしいやつがいるなんて連絡をくれた日なんて天変地異の前触れかと思ったよ」
黒井「あの時の貴様の驚きかたは大仰すぎる」
高木「それくらい私にとってありえないことだったのだよ。だが一目見てわかったよ、君がそこまで心を動かされた理由を」
高木「正直君と会ったとき・・・いや、それ以上だったよ」
黒井「それを聞いて安心した。私の進言があったから雇われたとあっては困るからな」
高木「単純にプロデュースの力だけでいったら君と同等ぐらいかもしれんが、彼はアイドルとしての可能性も私に見せてくれたからね」
黒井「貴様がそういうのならそうなのだろう。私は貴様の慧眼は信用している」
高木「それに歌やダンスの指導の仕方や作曲まで教えたんだろう?」
黒井「作曲はやつの独学だ。私は関与していない。何でも中学生の頃に勉強したとか言っていたな」
高木「それでも君が彼を育てたには違いないんだ」
黒井「・・・やつなら私がいなくとも時間が敏腕プロデューサーにしてくれるだろう」
高木「君がそうなったみたいにかい?」
黒井「・・・私は一度・・・いや、二度大きな失敗をした身だ。敏腕などとは間違っても呼べんな」
高木「・・・まああのことは仕方ないだろう。それにそれ以前の仕事ぶりはすさまじかったじゃないか」
高木「どんな才能ない子でも君がプロデュースすれば半年でCランク、一年もすればBランクにできたからね」
黒井「だが所詮そこ止まりだ。SはおろかAにすら届かないうえに旬を過ぎれば堕落の一途を辿るのみ。私は一度もAランクアイドルを生み出したことはない」
高木「日高舞の下地を作ったのも君じゃないか」
黒井「それを昇華させたのは彼女の現夫だ。私ではない」
高木「・・・もうプロデュースはしないのかい?」
黒井「・・・来る時期が来ればな」
高木「君がジュピターをプロデュースすればSランクも夢ではないだろうに」
黒井「・・・私は日高舞全盛期の時代のような活力をアイドル業界に取り戻したい」
高木「確かに、あのころはよかった。Sランクの彼女を筆頭にAランク、Bランクも多数いた」
黒井「それが今はどうだ。SランクどころかAランクもいない。現在のトップアイドルはうちのBランクのジュピターだ。正直名前負けしてる」
高木「・・・今のご時世不況だからね。アイドルなんて不安定な職種を選ぶような人は少なくなっているね。さらにはCDが売れなくなったことも要因だろう」
黒井「・・・私がジュピターをSランクにしたとしてそれ以後どうなるだろうか?」
高木「ん?」
黒井「私ももう年だ。昔のように朝から晩まで付き合うなんてことは不可能に等しい。社長としての業務もある」
高木「まあね。私のところならいざ知らず、君のところは大企業だ」
黒井「私が現役引退するころにはジュピターもアイドル活動を終え、次の道に進んでいるだろう」
黒井「今彼らにはセルフプロデュースを課しているのは君も知っているだろう」
高木「ああ、アイドル業界では有名な話だ」
黒井「私は昔のように歌やダンスは見ていないがプロデュースに関してはかなり多くのことを教えてきた」
高木「君は何が言いたいんだ?」
黒井「・・・彼らがアイドルを止めた後にプロデューサーになってくれれば、私の技術を後世に残してくれれば、アイドル業界はさらに発展する、そうは思わないか?」
高木「・・・さすがだな。先のことまで見据えるとは」
黒井「老後の趣味の心配をしているだけだ。私の引退後にアイドル業界が廃れていったんでは私の楽しみがなくなる」
高木「・・・変わらんな。今も昔もアイドルバカであるところは」
黒井「貴様もだろう? それに、私がジュピターをプロデュースしない理由はもう一つある」
高木「何だ?」
黒井「ジュピターに苦労してほしいんだよ。私が手を加えれば彼らは労せずSランクになるだろう」
黒井「そこに慢心は必ず生まれると言っていいし、挫折を知らない人間はいざというときに弱い」
高木「・・・だから彼を育てたというのか。自分の好敵手として、ジュピターの好敵手として」
黒井「私はなれ合いは好かんが、ライバルは必要だとは思う」
黒井「強敵を乗り越えようとする姿勢が必要なのだが・・・今はジュピターのほぼ一強状態。これではジュピターは完全体にはなれん」
黒井「まあ彼を育てた理由はそれだけではないがな」
高木「まあそうだろうな」
高木「・・・私とお前が組めばアイドル業界はもっと発展したと思うのだが」
黒井「そりゃあ貴様の慧眼と私のプロデュース力があればいくらでもA,Sランクを量産できただろうが、同じ事務所内の競争は恐らく他事務所とのものほど熾烈にはならんだろう」
黒井「私がなれ合いを好かんのはそれが理由だ」
高木「ストイックなやつだな」
黒井「単純に貴様の絆だのなんだのが気に食わんのも組まなかった一つの理由だがな」
高木「はっきり言ってくれるねえ。そんな私に愛弟子を預けようと思ったのは?」
黒井「貴様のところには磨けば光るアイドルがいるからな。別に貴様のやり方だろうとやつならどうとでもこなせる。何せやつは天才だ」
高木「・・・これは私の想像だが、彼は何でもできるのだろうね」
黒井「・・・私がジュピターをSランクにしたとしてそれ以後どうなるだろうか?」
高木「ん?」
黒井「私ももう年だ。昔のように朝から晩まで付き合うなんてことは不可能に等しい。社長としての業務もある」
高木「まあね。私のところならいざ知らず、君のところは大企業だ」
黒井「私が現役引退するころにはジュピターもアイドル活動を終え、次の道に進んでいるだろう」
黒井「今彼らにはセルフプロデュースを課しているのは君も知っているだろう」
高木「ああ、アイドル業界では有名な話だ」
黒井「私は昔のように歌やダンスは見ていないがプロデュースに関してはかなり多くのことを教えてきた」
高木「君は何が言いたいんだ?」
黒井「・・・彼らがアイドルを止めた後にプロデューサーになってくれれば、私の技術を後世に残してくれれば、アイドル業界はさらに発展する、そうは思わないか?」
高木「・・・さすがだな。先のことまで見据えるとは」
黒井「老後の趣味の心配をしているだけだ。私の引退後にアイドル業界が廃れていったんでは私の楽しみがなくなる」
高木「・・・変わらんな。今も昔もアイドルバカであるところは」
黒井「貴様もだろう? それに、私がジュピターをプロデュースしない理由はもう一つある」
高木「何だ?」
黒井「ジュピターに苦労してほしいんだよ。私が手を加えれば彼らは労せずSランクになるだろう」
黒井「そこに慢心は必ず生まれると言っていいし、挫折を知らない人間はいざというときに弱い」
高木「・・・だから彼を育てたというのか。自分の好敵手として、ジュピターの好敵手として」
黒井「私はなれ合いは好かんが、ライバルは必要だとは思う」
黒井「強敵を乗り越えようとする姿勢が必要なのだが・・・今はジュピターのほぼ一強状態。これではジュピターは完全体にはなれん」
黒井「まあ彼を育てた理由はそれだけではないがな」
高木「まあそうだろうな」
高木「・・・私とお前が組めばアイドル業界はもっと発展したと思うのだが」
黒井「そりゃあ貴様の慧眼と私のプロデュース力があればいくらでもA,Sランクを量産できただろうが、同じ事務所内の競争は恐らく他事務所とのものほど熾烈にはならんだろう」
黒井「私がなれ合いを好かんのはそれが理由だ」
高木「ストイックなやつだな」
黒井「単純に貴様の絆だのなんだのが気に食わんのも組まなかった一つの理由だがな」
高木「はっきり言ってくれるねえ。そんな私に愛弟子を預けようと思ったのは?」
黒井「貴様のところには磨けば光るアイドルがいるからな。別に貴様のやり方だろうとやつならどうとでもこなせる。何せやつは天才だ」
高木「・・・これは私の想像だが、彼は何でもできるのだろうね」
黒井「恐らくな。奴は貴様の見たプロデューサーやアイドルとしての才能以外にも有り余る才能を発揮できるだろう」
高木「彼の父親も確か優秀な方だったね」
黒井「十年足らずで一から起業し、水瀬家と同等の財を築いた人物だからな。人心を掴むのと、得手不得手を見分けるのが素晴らしいとのうわさだ」
高木「それは恐らく彼にも受け継がれているな。彼が私に提出した曲や企画はどれもアイドルの特徴をとらえたものだった」
高木「それを一週間でやってのけたのだから、末恐ろしい」
高木「まさに蛙の子は蛙というやつだな」
黒井「・・・鳶が鷹を生む例もあるがな」
高木「・・・あの子か」
黒井「私の知る限り最高のアイドルだった」
高木「ああ、私もそう思うよ」
黒井「見る人全てを虜にし、掴んで離させないような魅力があった・・・本当に惜しい」
黒井「彼女なら下手をすれば国境を越えたアイドルとなれただろう」
高木「まだ諦めるには早いだろう」
黒井「彼女レベルは無理だ。アンチが毛ほども湧かないアイドルは彼女が初めてで最後だろう」
黒井「だから私の目標は引退までに日高舞を超えるアイドルを育てることだ」
高木「ほう、ジュピターは確かにいけそうだが」
黒井「それは奴のプロデュースしたアイドルが良い好敵手となり得るかどうかにかかっているな。奴なら問題なくアイドルを育てられるとは思うがな。それに私がジュピターだけに頼ってると思ったら大間違いだ」
高木「目ぼしいアイドルは他にいなかったはずだが」
黒井「うちは大手だぞ? 才能あるやつがほかっておいても来るのだよ」
黒井「それにまだ初期段階だ。これからどうなるかはわからんが。おっと、そろそろ時間だ」
高木「何だ、用事でもあるのか?」
黒井「これから会議がな」
高木「アルコール入れてよかったのか?」
黒井「なに、私が社長だ。多少の横着は許される」
高木「夕食はどうするんだ?」
黒井「戻ってから少し何かを腹にいれる。代金はここに置いておく。それでは、アデュー」
高木「ああ。・・・私の分を払ってもおつりがくるのだが」
高木「・・・黒井は引きずってるわけではなさそうだな。そうだな、もう7年もたつのか」
黒井は否定するが、私はやはり絆というものが大事だと感じる。
それに、彼を雇ったのはそれだけではない。
彼の中にもまだ可能性が見えたからだ。
技術に関しては今で殆ど黒井クラスと言ってよい。
だがまだ成長できる。
それはプロデューサーとしてでなく人間として。
高木「彼がアイドルに対してどんな影響を及ぼすか。そしてその逆も。楽しみだな」
高木「このアイドル業界の発展を願って」
乾杯!
一先ず終わり
今回は説明回ですね
次のタイトルは
P「理想のプロデューサー」 真美「5だよ→!」
となると思います
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