舞園「プリズナーゲーム」 (66)

プリズナーゲームというゲームから設定をいくらかお借りしてやります。

頭にストーリー構想浮かべてるんで書き溜めもなしです



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1424247343

舞園「えっと」

舞園「ここはーー」





舞園「どこなんでしょうか…?」

私は焦っている。


気付いたら私は変なところにいた。

なぜ変なところなのかというと周りが灰色の壁で囲まれていて、ドアが1つあるだけの部屋だから。

いや…私が座ってる場所がベッドだし、側には机もある。机の上にはマイクもあるし…。

本当に気付いたらここにいて、状況も何も掴めない。


でも焦っているのはそれだけじゃない。


私は『私を知らない』から焦っている。

でも知っていることも1つ。



私の名前は舞園さやか…だ。

名前は舞園さやか。

年齢は多分高校生くらい。

自分は今制服を着ているから高校生くらいだろうと思う。もしかしたら中学生の可能性もあるけど、自分の体格的に高校生くらいなんじゃないかな?

それ以外は何もわからない。



それから5分少し悩んだ挙句、この部屋から出る事にした。

まずは状況。状況を確かめないと。



部屋から出るとそこは通路だった。

左を見ると行き止まり。右側を見ると奥にドアがある。

歩いてドアを開けるとーーー。


人がいた。

赤い髪をした人。

見るからに派手な格好で世間一般で言う『チャラい男』だ。

「お、おお?俺以外にも人いたのか?しかもすっげーかわい子ちゃんじゃん!」

そう言って近づいてくる。

「なあなあ、君名前なんて言うんだ?俺は桑田怜恩!よろしくな!」

舞園「は、はい。よろしくお願いします…舞園さやかっていう名前です」

桑田「舞園ちゃんか!よし覚えた!」

やけにテンションが高い。

舞園「えっと、聞きたいことがあるんですが…ここはどこなんでしょう?」

桑田「え?舞園ちゃんも知らねえの?」

舞園「え…ということはあなたも…ここを知らないんですか?」

桑田「…いや、ここどころか俺自身のことも名前以外何も知らねえぞ。気付いたらここにいて思い出せることは名前だけだ。不気味っつーか」

舞園「あなたも…名前以外わからないんですね…」

桑田「舞園ちゃんもか、なんなんだろうな。今すっげー怖え」

舞園「そうなんですか?私には冷静そうに見えますけど…」


テンションは高いけど。


桑田「冷静になるまで時間かかったんだよ、自分がいた部屋で落ち着くまで待ってな。それからこの部屋来てみたけど何もねえでやんの。椅子あったから座ろうかなって思ってた矢先舞園ちゃんか現れたってわけ」

舞園「そうなんですか…」

同じ境遇の人がいるのは少し驚いたが、不安が和らいだ気がする。

するとこの部屋のドアが開いた。私が入ってきたドアだ。

「…人?」

女の子がいた。

桑田「あれ?俺と舞園ちゃん以外にも人いたのか?」

その女の子は私と桑田さんを見比べている。

それからややあって。

「…あなたたちの名前は?」

桑田「俺は桑田怜恩!こっちの女の子は舞園ちゃんだ!」

舞園「舞園さやかです…あなたのお名前は?」

「戦刃むくろ」

戦刃というらしい。なんかカッコいい苗字だ。

戦刃「でも名前しか知らない」

桑田「戦刃ちゃんもか!」

戦刃「戦刃ちゃんは止めて」

桑田「戦刃ちゃ戦刃「やめて」

桑田「…戦刃も自分について名前しか知らないのか。俺も舞園ちゃんも名前のみしか知らねえんだ」

この機会に私のことも舞園ちゃんと呼ぶのをやめてほしかったが、口に出すのはやめた。

戦刃「…じゃあここも知らない?この灰色の壁とドアだらけのこの場所」

舞園「はい…気付いたらベッドにいました」

どうやら自分の名前しか知らない人達がここに集まっているようだ。でも…3人も記憶喪失の人がいるのは少しおかしい。


面白そう。期待

それからこの部屋に人がどんどん訪れた。

風紀委員、と言えば説明がつくような固い男の人。

見た目からヤンキーとわかるような怖い男の人。

小柄で少しオドオドしてる女の子。

えっと…おデブさんな人。

ゴスロリ服…というのだろうか、それを身につけている女の人。

体が大きくて筋肉が凄くて声も低く、男の人かと思ってたらセーラー服を着ていて本人の口からも女だと言っていたので女の人。

服装や言動まで何から何までギャルな女の人。

それ以降は人がこなかったので合計10人、この場にいる。

そしてみんながみんな、自分の名前以外何も知らないのも同じで気付いたらベッドに座っていたんだと言う。


同じ状態の10人が一斉にこの場にいるということがおかしいことだ。

きっとこれから何か始まるに違いない、と太った男の人が言っている。

まだ名前を教え合っていなかったので、教え合おうとした瞬間に放送が入った。


そこからはーーー


「ようこそ。『監獄』へ」


そんな言葉が聞こえた。

>>8ありがとうございます

一旦席を外します。

また後ほど来ますのでよろしくお願いします

トガニンノセンリツですか
先せゲフンゲフン役が誰かきになる
期待

調べてきたが、要は人狼みたいな感じなんだな
人狼系のSSはエタ率高いから頑張って欲しい

>>11はい、咎人の旋律です。

>>12え、エタ率…?


えーと続きやります

「監獄とはどういう意味だ!声の主よ、答えてもらおう!」

「監獄…だと…?拙者たちは閉じ込められたってことですかー!」

監獄と聞いた瞬間阿鼻叫喚。

皆思い思いに声の主に質問を投げかけているが、最初の一声のあと黙ったままだった。

「か、監獄って…ど、どういうこと…?」

「テメーの頭で考えろ」

「うっひゃー、見るからにヤンキーだと思ってたけど言動もヤンキーじゃーん!」

「うるせえ!テメェだってチャラチャラした格好しやがって!」

「私様が好き好んで着た服装じゃないわい!名前以外知らないんだから自分が何が好きなのかすらわかんねーんだよー」

「…そこのお二人、もう少し声のトーンをお下げしてもらってもよろしくて?」

桑田「あー、じゃあこれ以上騒いだらそこの人にぶちのめしてもらうぜ!」

「…そこの人とは我か?」

桑田「おう、騒いだりするやつがいたらぶちのめしていってくれ」

戦刃「私もぶちのめす」

舞園「…戦刃さんは体格的に無理なのでは…」

次第に監獄とは関係ない話に移ってしまっていた。

そんな時に第二声。


「君達にはここでゲームをしてもらう」

「…は?ゲーム?」

場が静かになった。

その後声の主は喋り続けた。

「ゲ、ゲームの概要は追って説明する。まずはその部屋に10人ちゃんといるか確認をお願いする」


皆が辺りを見回す。

…10人いる。

「10人いるが、それがなんだと言うのだ?」


「了解。このゲームはそこにいる10人で行うゲーム」

「この閉鎖された監獄内における『看守』と『囚人』の関係性と心理を再現する対話型ゲーム、それを君達にやっても、もらう」


ここにいる人たちの反応は様々。

理解できたのか難しい顔をしてる人。

理解できずポカーンとした顔をしてる人。

私は理解できずポカーンとした顔をしてる人の部類だ。

だってこんな説明でわかる人いますか?いたら挙手お願いします。


「ではまず10人全員で整列せよ」

プツンと音がして放送が途絶えた。

「…は?整列?」

整列せよといきなり言われてもすぐ行動できるわけではない。

だけどゴスロリ服の人が部屋のドアの前に立った。

多分理解できた人なのだろう…。

「言われたからには従うべきですわ。あなた方も私の平行線上に並びなさい」

そう言われて皆動く。

整列になったのかは知らないが、横に10人全員が並んだ。

するとまた放送。

「整列を確認した。これから君達にゲームにおいて重要なアイテムを配る。無くしてはいけないものだ」

すると私達の前にあるドアが開いた。

びっくりして飛び退いてしまったが、出てきたのは…


「…クマ?」

白と黒が混ざった変なクマのぬいぐるみだった。

「…それはモノクマと言って高性能ロボットと見てもらっていい」

高性能ロボットの名に恥じず、モノクマと呼ばれたクマは誰かが触ったわけでもないのに勝手に動き出した。

そして10人並んでいるうちの1人の前に立った。

するとまたドアからモノクマが出てきて、どんどん私達の前に立っていく。

10体目が立った時に放送。

「そのモノクマが持っているものを、目の前のモノクマから各自取って」

言われてモノクマの手を見ると鍵を握っていた。

「なんですかな、これは…ただの鍵?」

「ゲームをやるにあたって重要なアイテムだ」

「それと放送はこれ以降はしない。こちらからそちらへの連絡は今後タブレットで行う」

また新しいモノクマが入ってくる。その手にはタブレット。

机の上にタブレットを置くと、全部のモノクマ達がドアの奥に引っ込んでいった。

そしてプツンと放送が途切れたと同時に机の上のタブレットが振動する。

皆また動かない。

…。

誰も動かないようなので、私がタブレットを手に取った。

「お、おい!迂闊だぞ!それが罠だったらーー!」

あ、罠かどうかわからないから皆動かなかったってことなんですね。

確かに迂闊でした…反省すべき。

「いえ、罠ではないようですよ。ただ文字が浮かび上がってるだけです」

触っても痺れたりはしないし罠ではないようだ。

罠ではないと知ってタブレットを持った私の周りに群がってきた。

タブレットには。

“監獄へようこそ”

という文字が浮かび上がっていた。

「…なーにが監獄へようこそ、だよ」

タブレットを触ると画面が切り替わった。

“1.プリズナーゲームとは、監獄内における『看守』と『囚人』の関係性と心理を再現する対話型ゲームである”


桑田「これさっきの奴が言っていた内容だよな?」

次に表示されたのはーー


“各自受け取った鍵に書かれている文字を読むこと”

誰もやらないのでまた私がもらった鍵をみると。



『看守』

と書かれていた。

全員が確認すると、鍵には囚人か看守のどちらかの文字が書かれていた。

看守5人、囚人5人に分かれた。

「拙者何も悪いことしてないのに囚人と勝手に決め付けられては困りますぞ…」

「今あんたに名前以外の記憶無いってことは悪いことした可能性もあるじゃん」

「あ」

「プリズナーゲームってそういう意味でしたか…」

「どういう意味なの?」

「プリズナーは囚人を表す言葉。直訳で囚人ゲームってことになりますわね」

戦刃「じゃあ囚人の私たちがゲームをするってことになる」

「看守の我らは必要ないのか?」

桑田「詳しいことは追って説明するとか言ってたくせに何も説明してくれてねーな、舞園ちゃん文を進めてくれ」

桑田さんが言うとおり文を進める。




“2.看守には囚人を統制・尋問・鎮圧する権限と装備が与えられる”

舞園「どうやら看守もゲームに必要な存在のようですね」

「看守が鎮圧してくださるとはなんたるご褒美!女性陣に是非拙者の体の一部を鎮圧してほしい!」

桑田「…えーと、ぶちのめしてくれるか?」

「いいだろう」

「ぎょぇー!冗談ですぞ!」

だがこれだけでなくまだ文は続いてた。

それは私たちを震え上がらせる文。




“また1日1名、看守全員の同意により、選んだ囚人の1名を”



1名を。


“処刑または釈放する権限を有する”



処刑という言葉が妙に生々しく感じた。



一旦タブレットは机に置いて、私たち10人は椅子に座っている。

遅れていた自己紹介をすることになったのだ。

名前と顔は全員一致することができた。

江ノ島さん、石丸さん、大和田さん、不二咲さん、安広さん、山田さん、大神さん、桑田さん、戦刃さん、それに私、舞園。


この10人がプリズナーゲームを行う10人…。

看守は私、桑田さん、大神さん、安広さん、不二咲さん。

囚人は山田さん、戦刃さん、石丸さん、大和田さん、江ノ島さん。





今日はここまでです

SSって楽しい反面難しいですねえ



エタっていうのはエターナルの略で永遠に完結しない、つまり未完のこと
看守と囚人は原作のキャラの性格に合わせてるのかな。面白い

ナチュラルな安広さん呼びに草はえる


今更だけど「」の前は付けるなら付ける
付けないなら付けないで統一してくれると見やすいかも
付ける場合なら名前が出てないときは???とかで

>>27
喋ってるキャラの名前は前園が分かった時点でカッコの頭に付けてるから別に良いのでは?
書く方からすると一々????を打つのは手間だろうし

どうせ最終的に付けるなら
最初からつけておいてもよかったんじゃね?と思っただけ
まぁ個人の感想だから文句ってわけじゃないよ

>>25エタ率説明ありがとうございます。そうならないよう頑張りますね

>>27>>29ごめんなさい、>>28の方のやり方で名前が判明した次第つけるようにしてました。一応全員の名前判明が終わったので名前はつくようになります。

続きやります

桑田「それにしてもよー、なんでこの10人なんだよ?俺ら面識ないよな?」

江ノ島「見たことあるような人はいるんだよねー、そこの黒髪のそばかすの女とか」

戦刃「奇遇、私も…見たことある気がする」

舞園「気がするだけですか?」

江ノ島「気がするだけ」

安広「気がするということは全く関わりのないメンバーが集められたわけではなさそうですわね」

石丸「気になっていたのだが…なぜ君はそんな格好とそんな言葉遣いなのだ?」

安広「知りませんわね、記憶もないことですし。言動だって皆さんお分かりの通りでしょう?」

山田「そうですな…身体に染み付いているのでしょう話し方が自然と出る出る」

大神「我もそうだな…話し方など長年染み付いてきた言動が自然と出ているのだろう」

大和田「だが…こう見るとえらい濃いメンツばかりじゃねえか。まともな奴はいねえのか」

桑田「お前が1番濃いぞ、俺の中では。まともな奴はお前の隣にいる小動物みたいな女の子じゃねえか?あと舞園ちゃん」

不二咲「え、えっと…その…」

舞園「ん?」

不二咲さん…が私にチラチラと目を向けている。

舞園「どうしたんですか?」

不二咲「あの…あなたを見たことがあるような気がして…どこかで…」

舞園「私をですか?」

私は不二咲さんのような人に覚えがない。

山田「そんなこと言ったら拙者だって舞園さやか殿を見た覚えがありますぞ」

桑田「あー、キリがねえから見たことあるないは止め止め」

安広「そうですわね。お互い自己紹介も済んだことですし、あのタブレットの文を進めましょう。舞園さん、お願いしてもよろしくて?」

舞園「あ、はい。持ってきますね」

机の上のタブレットを手に取る。

そうして皆が見える位置に来たことを確認してから文を進める。

処刑については皆見なかったことにしている。誰も口に出さないから。






ーーーーーーーーーーーーーー





進めていくとプリズナーゲームのルールについて説明が書いてあった。

ルールは結構長く、途中で読むのを諦めた人など出てしまったので代表として私と不二咲さん、石丸さんと安広さんで読むことになった。



しばらく進めて『以上』という文字が出たので、4人でルールを確認する。

そして各々が把握した後に、脱落した他の人たちにルールを説明。



・看守は囚人を鎮圧したりすることが許可されている。武器も渡されるらしい。

・看守は1日に1名限り、選んだ囚人を釈放、または処刑することができる。

・囚人は囚人で看守にされるがままなわけではなく、その罪種に由来する能力を与えられる。罪種はその本人のみが知り、他人に明かしてはならない。



戦刃「罪種…?」

山田「そうか…!拙者には能力が宿っていたのだな…!」

石丸「罪種は鍵についているキーホルダーに書いてあるらしい。罪種の確認は1人の時に頼むぞ!」

安広「さて、ここからが大事なルールですわ。心してお聞き下さいまし。特に囚人の方々」



・『殺人鬼』という罪種を持つ囚人が1人存在する。殺人鬼は毎晩、看守を殺すことができる権利を持つ。

・各自自分が敗北する前に必要な勝利条件を満たし、監獄から脱出するのがプリズナーゲームのクリア法である。

・最も重要な勝利条件は『殺人鬼』を敗北させることである。これを満たせば囚人、看守問わずその時点で敗北してない全員が脱出できる。


舞園「…まずこれがプリズナーゲームのクリア法と、ルールです」

この説明で皆が騒ぐと思ってたが、騒ぐ前にルールの説明を安広さんがまた始めた。


・プリズナーゲームにおける勝利条件、規律などは監視システムにより公平に扱われ、保持、判定、執行される。

・プリズナーゲームによって発生する罰則、権限はこの監獄内のみで有効である。監獄外に出た時点でこれらの権限は
消失する。

・プリズナーゲームにおいて『敗北』と『死』は同義である。また『勝利』と『監獄外への脱出』も同義である。



ここで安広さんの説明が止まったことにより、ざわつきが始まった。


大和田「さっきの処刑ってのも本当の処刑ってことか?だってこのゲーム下手すりゃ死人が出るんだろ?」

大神「そう…なるな。しかも説明によれば殺人鬼と呼ばれる囚人が命を落とさぬ限り、ゲームは終わらないということだろう」

桑田「申し訳ないが俺、看守で良かった…」

戦刃「なんて非道なゲーム」



この場にいる11人がゲームのルールについて理解してくれたようだ。


石丸「すまない、次に勝敗条件について説明したいのだが良いだろうか?」

石丸さんの声で静まる。



・勝敗条件は5つある。

1.殺人鬼が敗北すること。敗北した瞬間に残っている全員が勝利する。

2.看守が全員敗北した瞬間、残っている囚人の勝利が決定する。

3.釈放された囚人は勝利が確定する。

4.殺人鬼が釈放された場合、殺人鬼が勝利して、残っている他の全員は敗北する。

5.10日目の22時までに勝敗の確定してない残った全員は敗北する。




不二咲「つ、次は部屋について説明します」


後を引き継いで不二咲さんが説明する。

・看守と囚人はそれぞれ別の部屋に分かれて入ることになる。看守部屋と囚人部屋と呼ばれる部屋である。

・部屋は1枚の壁を隔てて別れる。

・部屋の机にはマイクがあり、これに向けて言葉を発すると、向こうの部屋の人に声が届く。この時届く声は機械変換され届くため、声の主は秘匿されたままの会話となる。



舞園「最後に、看守と囚人両方に課せられる規律です」



・鍵は紛失してはならない。監獄内のドアと自分の個室を開ける時必要なもので再発行は認められない。

・鍵についているキーホルダーにはプレートが埋め込まれており、そこに文言が書かれているがそれを他人に見せることを禁止する。監視システムが見せる場面を認知した場合、見せた本人を処刑する。

・夜間(22時〜7時)の間は与えられた個室にいなければならない。21時54分になると開かれる囚人、看守別のドアにはいり、振り分け部屋に移動する。

・振り分け部屋には5つのドアがあり、それぞれ1人づつ部屋に入ること。

・朝は7時から9時の間には個室から出なければならない。また他の参加者が振り分け部屋を通過中の場合、個室のドアは開かない仕組みとなっている。


・監獄内の設備を故意に破壊したり、監視システムを故意に阻害した場合はその本人を処刑とする。


・これらの規律に反した者は処刑する。


舞園「…これで大体のルール説明は終わりです」

ルールを先に理解した4人以外の7人もルール把握ができたようで早速話し合っている。

桑田「このゲーム酷すぎだろ。誰か1人が死ななくちゃクリアできねえゲームになってる」

山田「ん?看守の方が囚人を1日1人づつ釈放してけばいいのでは?」

桑田「お前ルール聞いてたか?殺人鬼の罪種を持つ奴を釈放した時点で看守は全員死亡だ」

安広「厄介なのが、囚人は自分の罪種を他人に公開できないところですわ。公開したら死んでしまいますもの」

舞園「でも夜間の個室に入れば聞き出すことも可能なんじゃないでしょうか?」

桑田「なんでだ?」

舞園「夜間の囚人と看守の会話に制限などはかけられてないからです。ルールにもないですから。だから夜間に看守が聞き出すことも可能なんじゃないでしょうか?」

山田「いやー…例え聞き出しても自白はしないでしょうなあ…自分に不利なことしかないですからな、罪種の公開は」

少し席外します

安広「聞き出すといっても夜間の個室において危険なのは看守の方ではなくて?」

不二咲「殺人鬼、が看守を1人殺せちゃう…から」

桑田「というか毎晩殺せるんだろ、殺人鬼は。そしたら看守なす術もねえじゃん」

舞園「いえ、看守にもできることはあります。処刑と釈放です」

大和田「そういやそうだったな。お互い人数が減ってく可能性あるわけだ」

石丸「被害を最小限に抑えるための方法ときてやはり舞園君があげた夜間の会話が重要だ!」

石丸「看守側が情報を集めて正しく殺人鬼を処刑することができればゲームは終了、残った全員は勝利できる!」

大神「被害を出さない方法はないのか?我はその方法を探したい」

安広「残念ながらなさそうで。殺人鬼も殺す権限が与えられているだけですから殺さない可能性もある。その状態を10日続けても時間切れで全員死亡。被害は絶対出ますわ」

山田「思ったんですが、囚人の我々は殺人鬼でない限りなにもできませぬな」

大和田「そうだな…俺たちは殺人鬼が看守を全員殺すのを待つか看守が殺人鬼を殺すのを待つかだけじゃねーか」

桑田「本当嫌なゲームだな。今日会ったばかりの奴らだけどよ、さすがにこの中の誰かが死ぬのは嫌だぜ」

山田「僕はまず自分が死にたくないですぞ…」

安広「例えば誰かが死んだとして死体はどうるのでしょう?」

不二咲「わからないよぉ…」

江ノ島「いやー、あんたらよく自分が死ぬかもしんない状況に順応できるね」

大神「…正直な気持ちを言うと、我は記憶がない。記憶がない分失うものが何もないのだ。だから不思議と怖くはない」

江ノ島「…そーだね、記憶がないのが今ゲームより怖いですね」

私も怖いと感じている。

名前以外の記憶がないことは本当に怖い。自分が自分かどうかもわからないのだから。

それに名前しか記憶のない10…人がなぜこんな場所に集められたのか。

そんなことも含めて謎だらけだ。

10…人?

思いついた謎を口に出してみる。

舞園「あの…すいません、さっきまで私達四人が説明していましたが…聞いてる人は何人いました?」

桑田「何言ってるんだ舞園ちゃん…10人いるんだから4人説明してたんなら聞いてるのは6人だろうよ」

舞園「で、ですよね…7人聞いてる人がいたって感じるのも…気のせいですよ、ね?」

さっき私はこの場に『11人』いるように感じていた…と思う。

戦刃「11人いるように感じたの?舞園さんも」

舞園「は、はい。戦刃さんもですか?」

戦刃「私も得体のしれないものが混じってる気がした。人かわからないけど」

江ノ島「ちょ、何!?すっげー怖くなってきたよきたよきたよ!」

大和田「どーせただの錯覚だろーよ」

戦刃さんも11人いるように感じたらしい。





この時もっと私は感じた11人目を探したりするべきだったのだ。

そうしなかったからーーーーーー

ダウン、ここまでです

レスありがとうございます、つけてくれると非常に嬉しいです。










11人の謎はひとまず置いておくことにした。

いくら戦刃さんと私が説明しても11人目なんて見てないの一点張りだから。

いたような気がしたんですが…。

説明を諦めたところでタブレットが振動した。

周りに目配せしてタブレットを触る。

するとーー


不二咲「あれ…?このクマ…」

タブレットに画像が映し出された。

画像には椅子にさっきのクマ、通称モノクマが座っていた。

しばらくしてスイッチを持った別のモノクマが登場。どうやらこれは動画のようだ。

成り行きを見守っていると、モノクマがスイッチを押した。

その瞬間に。

凄まじい音がドアの向こうから聞こえた。

私達がいる部屋にはドアがいくつかあるがその一つから音が聞こえるようだった。

動画では、そのドアの向こう側を撮影しているらしい。

その凄まじい音の音源はーーー


戦刃「…これ、電気椅子?」

椅子に座ったモノクマを電気を浴びせられていた。

音からわかるように凄まじい電圧だということがわかる。

やがて音が止むと椅子に座っていたモノクマが崩れ落ちる。

その様子はまるでーーー

安広「…見せしめ、ですわね。これが『処刑』だと見せたいのでしょう」

ルールにたくさん書いてあった処刑という言葉。

処刑となすなわち電気椅子らしい。

威力も見ての通りだし、電気椅子に座らされていたモノクマはショートしたのか動かない。

その直後、タブレットが振動して動画から別の画面に切り替わった。






“これよりゲームを始める”


囚人5名
看守5名




と表示されていた。

すいません、今日はこれ以上書く時間ありませんでした。

また次回に

お久しぶりです。

遅れましたが投稿したいと思います

山田「ゲームを始めるなんて言われてもどうすりゃいいんでしょうねえ…」

石丸「ふむ…誰か現在の時刻がわかる人はいないか?」

舞園「あ、タブレットに時間が書いてありますよ。今は21時30分です」

安広「ならそろそろ個室移動する時間ですわね」

桑田「囚人と看守が隣り合う部屋のことだな」

大神「我なりに考えてみたが、その部屋とは先程まで我らがいた個室のことではないか?」

石丸「うむ、きっとそうなんだろう。さて、個室に移動するまでの間にも何か情報提供をし合おうではないか」

桑田「んなこと言ったってどーせ皆んな名前以外覚えてないんだから意味ねーじゃん」

不二咲「どんな凄い技術で10人の記憶を奪えたのかなぁ」

舞園「そうですね…よく考えたら記憶を故意的に奪うって相当な技術ですよね」

桑田「というか記憶奪ってまでしなきゃいけないゲームをなんで俺らにやらせるんだろーな」

安広「疑問だらけですわね」



江ノ島「別に故意的に記憶奪ったわけじゃないかもしんねーじゃん、たまたま記憶喪失のやつらが10人いてそいつらをゲームに使うことにしたとか」

戦刃「実際はどうかわからないけど、外見的に年齢が近そうな10人全員が記憶喪失ってのは考えにくいかも」

大神「そもそも我は記憶喪失になった人間を見たことがない」

そこから自分の年齢を推測しあう話になった。

私は服装的にも高校生くらいだから16か17歳ほどだと思いますが…。

そんな話をしてるとブザーが鳴った。



山田「な、何事ですかァッ!?」

ブザーが鳴り終わるとたくさんある扉のうちの一つが開いた。

安広「あら、この扉私たちが出てきた扉ではなくて?」

大神「やはり個室とは我らがいた部屋か…」

江ノ島「22時までには入んないといけないんだっけ、お先ー」


それに続いてみんな扉に入った。

扉に入ると道が別れていた。

それぞれ看守と囚人も書いてある道。

石丸「よし、ここからは看守、囚人別行動だ。ではよい夜を!」

山田「よい夜なんてこんな場所で過ごせるわけがないですぞ…」



ーーーーーーーーーーーーーーーーー




安広「5つ扉が並んでいますわね。確かルールには1人ずつ入るようにと書いてありましたわね」

大神「なら我は最後でいい」

桑田「じゃあ俺は4番目でいいや」

安広「なら不二咲さん、1番目をどうぞ」

不二咲「わ、わかった!じゃあね!」

桑田「またなー」

安広「舞園さんもどうぞ」

舞園「お言葉に甘えさせてもらいますね。ではお先に失礼します」

桑田「おう!」

私は2番目の扉に入った。


扉に入るとまだ部屋ではなく廊下が続いていた。

廊下の奥には扉がまたあり、その扉の奥は今度こそ部屋だった。

その部屋は目覚めた時と同じ場所だった。

部屋を眺めていると後ろでかちゃりと音が鳴った。

どうやら扉がオートロックされたらしい。7時まで部屋は出てはいけないというルールがあるから7時になったら解除されるのだと思う。

部屋を一応また調べてみたけども、机の上にプリズナーゲームのルールブックが乗ってたこと以外変化はなかった。

諦めてベッドに身を投げる。そして少し考えてみる。



なぜ私はこんなゲームに参加させられているのか。

なぜ私は名前以外の記憶がないのか。


いくら考えても無駄なのに考えは止まなかった。


するとーーーーーー




『あー、聞こえるかね?』

舞園「ひゃっ!?」

『む?遠くから声はしたが聞こえにくいぞ?しかも聞いたことがない声だが…』



無音の場所にいきなり声がしたのでビックリして変な声が出てしまった…

その聞こえた音は機械音声で誰の声かわからない。

…けど、口調が変わってないから誰だかすぐわかってしまった。

**『あ、そういえば声は変換されて向こう側に届くのであったな!』

この声主は…


舞園「…石丸さん?」

石丸『なに!?もしかして囚人の声は変換されていないのか!?』



やっぱり石丸さんだった。自分がバレたことに驚いてるみたいだけど、口調がそのままなのに気づいていないんだろうか…。


舞園「い、いえ。声は変換されてますよ。機械音声に…」

石丸『ならばなぜわかったのだ?』

舞園「口調です」

石丸『そうか、この口調は僕以外にはいなかったな!それでわかったのだな!』

舞園「はい」

石丸『逆にそちらの丁寧な口調は舞園さんだな!その口調は舞園君以外いない!』

舞園「ええ。いきなり話しかけてきてビックリしましたよ石丸さん」

石丸『すまない、マイクを見かけたものでつい向こう側の人物を確認したくなってしまったのだ』

舞園「それは…いいんですけど…」


『囚人』の石丸さんと話したことで思い出したことがある。


囚人の中には…『殺人鬼』という罪種があること。

もしかしたらそれが石丸さんという可能性もあるはずだ。

そんなことを思い出した途端、急に石丸さんが怖くなってしまった。


石丸『む?どうした舞園君。先ほどから黙ったままだが…なにかあったのかね?』


疑惑の夜開始。


ここまで

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