【ダンガンロンパ】舞園「TRICK×LOGIC?」 (142)

舞園「ここはどこでしょうか……?」

舞園「私は確かバスルームで桑田君に刺されて……」


ヤマ「んバァ~~~」

舞園「あ、どうもこんにちは」

ヤマ「いや、ちょっとは驚けよ」

舞園「キャーびっくりした」

ヤマ「わざと棒読みすんのもやめろよ」

舞園「ドッキリには慣れてますから」

ヤマ「ドッキリじゃねーしカメラも回ってねーよ」

舞園「すいません、大御所っぽい声だったのでそういう番組かと……」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1397140371

舞園「えーと、ここはどこなんですか?」

ヤマ「よくぞ聞いてくれたな」

ヤマ「ここは冥界、お前ら人間は地獄って呼んでる所だ」

ヤマ「そしてオレは泣く子も黙る冥界の主、閻魔大王です」

舞園「閻魔様ですか……どっちかっていうと悪魔って感じですけど」

舞園「地獄ということは……やっぱり私、死んじゃったんですか?」

ヤマ「そうだよ。お前も覚えてるだろ?自分が刺されたことをな」

ヤマ「正確には、お前は魂だけがここに来た」

ヤマ「お前の身体は……えー、なんかクマみたいなのが運んでいった」

舞園「私はこれからどうなるんですか?」

ヤマ「地獄に落ちた罪人はお前らも知っての通り、刑罰を受ける。血の海とか針山とかな」

舞園「罰ですか……私がしたことを考えたら当たり前ですよね……」

ヤマ「ほー、潔いじゃないか。だがここからが重要な話だ」

ヤマ「つい最近現世でなんか凄い事件があったらしいじゃないか」

ヤマ「ほら、お前らが人類史上なんたら言ってるあの事件だよ」

舞園「え?何のことですかそれ?」

ヤマ「はぁ?人間のお前が知らないわけないだろう」

舞園「そう言われましても……」

ヤマ「まあいいや、とにかくその事件のせいで今も現世では人が死にまくってるんだ」

ヤマ「急に死亡率が跳ね上がるもんだから地獄も死人の受け入れ先が確保できなくて困ってるんだ」

舞園「私は難民というわけですか?」

ヤマ「まあそういうことだな、ちなみに5000年待ちぐらいだ」

舞園「ご、5000年?」

ヤマ「まあ冥界の時間では現世ほど遅くはないけどな」

舞園「私はこの図書館みたいなところで5000年も暮らさなきゃならないんですか?」

ヤマ「今のままだとそうなる。そこでイイ話があるんだ」

ヤマ「お前にはオレの仕事を手伝ってもらう」

舞園「あなたの仕事を……?」

ヤマ「仕事をうまくこなしたらお前の魂が現世に戻ることを許してやるぞ」

舞園「え?それは本当ですか!?」

舞園「あれ?でも私って現世では死んでるんですよね?」

ヤマ「お前が元いた世界ではお前は完全に死んでるからお前が死ななかった世界に戻るということになるな」

ヤマ「まあパラレルワールドってヤツだな」

舞園「パラレルワールドですか……」

ヤマ「まあお前が死ななくて済んだ世界ってことだから少なくとも今よりは幸せになれると思うがね」

舞園(私が死ななくて済んだということは……コロシアイが起きなかった世界?)

舞園「分かりました、あなたをお手伝いします」

ヤマ「よーし交渉成立だな。これからしっかり仕事してもらうぞ」

舞園「はい!閣下!」

ヤマ「閣下じゃねーよ大王だよ」

今さらだけど注意書き
※本作はPSPの推理ゲーム『TRICK×LOGIC』をダンガンロンパ風に推理するssです
※両方のネタバレがひどいので注意
※ヤマはCV.デーモン閣下

ヤマ「まずお前が持っているその本の説明からだ」

舞園「あれ?いつの間に……」

ヤマ「その本はここ冥界で『アカシャ』と呼ばれているものだ」

ヤマ「アカシャには現世で起こった事件が書かれている」

舞園「へー、中身は小説みたいですね」ペラ

ヤマ「このアカシャにしたがってオレはここで罪人を裁いている」

ヤマ「だが中には厄介なアカシャがあってな」

ヤマ「パッと読んだだけでは誰が罪人なのか分からないものがあるのだ」

ヤマ「例えばそのアカシャには、ある図書館で起こったちょっとした事件が書かれている」

ヤマ「どいつが犯人か、お前が推理するんだ」

舞園「つまりアカシャは推理小説になっていて、内容を推理して犯人を当てればいいんですね」

ヤマ「飲み込みが早いな。だが、ただ犯人を当てるだけでは駄目だ」

ヤマ「犯人の嘘やトリックを見破り、そいつが犯人といえる根拠も全て明らかにしなければならない」

舞園「でも私、警察とか探偵じゃないですし推理とか素人ですよ?」

ヤマ「うーむ、実はそこが問題でな」

ヤマ「昔は初心者でも分かるようにヒントになる文字を浮き上がらせる便利アイテムとかあったんだが」

ヤマ「前に仕事を手伝わせてた奴を生き返らせる時に現世に持って行っちまったんだ」

舞園「前任の方がいたんですか……」

ヤマ「そこでだ、今回はお前のいた世界のやり方でアカシャを解いてもらうことにしたのだ」

舞園「私の世界のやり方?なんですかそれ?」

ヤマ「……ここまで説明して気づいたがお前だけじゃ出来んな、ちょっと待ってろ」


ヒューーーードサッ


戦刃「あ痛ッ」

戦刃「ここは一体……?私は確かグングニルの槍に刺されて……」

戦刃「あれ?舞園さん?死んだはずじゃ……」

舞園「えーと……どなたですか?」

戦刃「え?カツラが無い……えーと、ホラ、アタシアタシ!江ノ島盾子でーす!」

舞園「ええ!?江ノ島さんですか!?」

(ヤマから説明を受けました)


戦刃「そっか……死んじゃったならもう隠すことないよね」

戦刃「私の本当の名前は戦刃むくろっていうの。よろしくね舞園さん」

舞園「は、はあ……よろしくお願いします」

ヤマ「積もる話があるんだろうがまずはオレの仕事を片付けてからにしてもらおうか」

ヤマ「さっきも言ったが今回はお前らのやり方でアカシャを解いてもらう」

舞園「結局私達のやり方って何なんですか?」

戦刃「ひょっとして学級裁判のこと?」

ヤマ「それそれ、アンテナの小僧がそれは違うYO!とか言ってたあれだよ」

舞園「苗木君はそんなラッパーみたいなこと言いませんから!」

戦刃「でも私達、学級裁判やったことないよ?私も盾子ちゃんから聞いて知ってるだけだし」

ヤマ「あっ、そーか、お前らその前に死んじまったんだったな」

ヤマ「しょうがねーなー、ちょっと待ってろ」


ヒューーードサッ


桑田「いってーーッ!何だよ一体!?」

舞園「く、桑田君……?」

桑田「げェッ!ま、舞園!?」

ヤマ「……というわけなのだ」

舞園「お互い死んじゃったわけですし、殺しあったことはとりあえず置いときません?」

戦刃「うんうん」

桑田「そ、そーだよな……ってお前誰よ」

ヤマ「さーて、3人もいりゃ流石にやれんだろ」

桑田「えー?学級裁判とか嫌な思い出しかねーんだけど」

舞園「私も唯一の経験者が犯人だった桑田君だけっていうのは不安なんですけど」

ヤマ「うるせーゆとりども、生き返りたかったらつべこべ言わず始めろ。蝋人形にすんぞ」



練習問題 『指さす死体』


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 視聴覚室に入った途端、熱気と血のにおいが押し寄せてきた。

 「すみません。ここだけ空調が壊れておりまして……」

 刑事の後ろからついてきた図書館員が口を押さえながら頭を下げる

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 部屋の隅に男の死体はあった。うつぶせでこと切れている。

 頭部に数箇所殴られた痕があり、傷口から血が流れ出ている。

 死体のすぐそばに隣部屋に続くドアがあり、ドアの中央にはガラスのスリットが入っている。

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 「このドアは?」

 「その向こうはライブラリ室です。閲覧フロアから出入りできるんですが、一応ここからも出入りできます」

 ドアのスリットを覗くとビデオテープやCDがずらっと並んでいるのが見える

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--------------

 「一体何を指し示そうとしたんだ?」

 どういうわけか被害者の人差し指がガラスのスリットに押し当てられていた。

 何かを指し示そうとしたのか、あるいは書き残そうとしたのか?

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 検死の結果、死亡推定時刻は午後一時から二時の間と推定された。

 その間に視聴覚室を利用したのは被害者のみ、隣のライブラリー室を利用したのは二人だけだった。

 刑事はライブラリー室にいた二人に話を聞くことにした。

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 ひとりは黒木という男。午後十二時三十分から午後一時三十分までの一時間、ライブラリー室を利用していた。

 ずっと読書していたといい、分厚い少年マンガ雑誌三冊を全て読破するつもりだったが、

 途中で身体が冷えすぎてエアコンを切って外に出たという。

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 もうひとりは白木という男。午後一時四十分から午後二時ちょうどまでの二十分間、ライブラリー室を利用していた。

 「電車のビデオを撮影していたんですよ。アングル的にいいんですよ、ここ」

 言いながら重そうなビデオカメラを見せる。

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 映像を確認すると、最初に汗だくで窓を開ける白木、後は電車の映像が続いていた。

 「エアコンはつけなかったんですか?」

 「電車の走行音がうるさいエアコンの音で邪魔されたらたまりませんからね」

 確かに窓を締め切っている今も室外機の音が響いてくる。

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 犯行を行えたのは二人のうちどちらかだ。一体どちらが犯人なのだろうか?

 刑事は二人を退出させた後、ライブラリー室で一人、思案にくれた。

 だがそのとき、刑事は思いもよらぬものを発見した。
 
 そこには犯人の名前がはっきりと残されていたのである。

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ヤマ「アカシャは以上だ」

桑田「あーーやっぱ文字ばっかの本とかダメだわオレ」

ヤマ「たったこれだけの量でへばってんじゃねーよ」

舞園「本当にこの内容だけで犯人が分かるんですか?」

ヤマ「アカシャには必要な情報は全て記録されている」

ヤマ「だが中にはミスリードを誘うような余計な情報もあるかもな」

ヤマ「謎解きの前提として……」


一、本に書かれていることはすべて事実。ただし犯人はウソをついている可能性がある。

一、動機の強い弱いは重要ではない。

一、トリックや犯人は、超能力や宇宙人など超常的な事象によるものではない。
  冥界の住人も現世の世界に一切関与していない。


ヤマ「以上を踏まえた上でアカシャを解いてもらいたい」

ヤマ「さあ、お手並み拝見といこうか」

<学級裁判準備>

コトダマ一覧

・視聴覚室のエアコン
視聴覚室のエアコンは壊れていて、刑事が入ってきた時は熱気と血の匂いで充満していた。

・死体の状況
死亡推定時刻は午後一時から二時の間。隣のライブラリー室のドアのそばで殺されていた。
人差し指がドアのガラスに押し当てられている。

・ガラスのスリット
死体の指先が押し当てられていたガラス。向こう側にライブラリー室が見える。
刑事が死体を確認した時はガラス自体に傷や何かが書かれた痕は無かった。

・黒木の証言
午後十二時三十分から午後一時三十分までの間、漫画を読んでいた。
身体が冷えすぎたのでエアコンを切って外に出た。

・白木の証言
午後一時四十分から午後二時ちょうどまでの間、電車を撮影していた。
室外機の音がうるさいのでエアコンはつけずに窓を開けていた。

・刑事が見つけたもの
事情聴取を終えた刑事が一人になったところでライブラリー室で見つけた。
犯人の名前がはっきり残されていたらしい。

学級裁判  開廷!


舞園「で、どういう風に進めればいいんですか桑田君?」

桑田「そうだな~、俺の時はほとんど霧切と苗木が進めてたんだけどよ」

桑田「事件で気になるところを話し合って一個づつ潰してく感じだったな」

舞園「それで最終的には桑田君が潰されたんですね……」

桑田「なんか辛辣!?殺したのは置いといてくれんじゃなかったの!?」

戦刃「気になるところといえば……やっぱり被害者の体勢かな?」

戦刃「被害者はライブラリー室のドアのガラスに人差し指を押し付けるようにして死んでいた……」

舞園「アカシャのタイトルにもなっている指さす死体ですね」

桑田「逆に他に気になるところがねーぐらいだよなぁ」

舞園「それじゃ早速その死体について話し合ってみましょう!」

<議論 開始>


舞園「被害者はなんであんな体勢で死んでいたのでしょうか?」

戦刃「被害者はライブラリー室のドアのすぐそばで……」

戦刃「【人差し指をガラスに押し付けて】死んでたんだよね……」

桑田「そんなの決まってんじゃねーか!」

桑田「被害者はダイイングメッセージを書いてたんだ!」

舞園「ダイイングメッセージ……ですか?」

桑田「そうだ!被害者は【自分の血を使って】犯人の名前を書いたんだ!間違いねー!」

舞園「それは違います!」


『ガラスのスリット』 → 【自分の血を使って】BREAK!


舞園「刑事さんが調べた時、ドアのガラスには何も痕跡はありませんでした」

舞園「ダイイングメッセージが残されていたなら疑問を持ったりしないはずです」

桑田「そりゃあ……犯人が見つけて拭き取ったからだろ?」

戦刃「被害者の指にも血は付いてないみたいだよ?」

戦刃「血が付いた状態でガラスに指を押し付けたら血痕が残るはずだから」

桑田「じ、じゃあそっちも拭き取ったんじゃね?」

舞園「両方拭き取るぐらいなら腕をどかすとか手を開かせるとか、死体そのものをなんとかするんじゃないですか?」

戦刃「指さした死体だけそのままにしておくのはおかしいよね」

桑田「うーん、そう言われると確かに……」

桑田「あー、じゃあやっぱダイイングメッセージじゃねーのか?」

戦刃「……ダイイングメッセージじゃないとすると、やっぱり被害者は何かを指差してたんじゃないかな」

舞園「何かって何をですか?」

戦刃「うーん……指差してた方向から考えるとやっぱりライブラリー室にあったものじゃないかな?」

桑田「じゃあ次はそれ考えてみようぜ!」

<議論 開始>

桑田「被害者の体勢が何かを指差していたからだとすると……」

桑田「ライブラリー室に何かあったんじゃねーのか?」

舞園「ライブラリー室にあったのは【CDやビデオテープ】でしたよね?」

戦刃「じゃあそのCDやビデオテープのタイトルに……」

戦刃「【犯人の名前】が書いてあったんじゃないかな?」

舞園「それなら刑事さんが覗き込んだ時に気付くんじゃないですか?」

桑田「きっと犯人が先にそれに気づいて……」

桑田「逃げる時に【証拠を持っていった】んだ!」

戦刃「じゃあ刑事が現場に来た時には……」

戦刃「もう証拠は無くなってたんだね……」

舞園「それは違います!」


『刑事が見つけたもの』→【証拠を持っていった】BREAK!


舞園「犯人が証拠を持ち去ったとは考えられません」

桑田「え?なんでだよ?」

舞園「刑事さんが事情聴取の後に証拠をみつけているからです」

舞園「アカシャにもこう書かれています」

――――――――――――――――――――――――――――――
 だがそのとき、刑事は思いもよらぬものを発見した。
 
 そこには犯人の名前がはっきりと残されていたのである。
――――――――――――――――――――――――――――――

桑田「そうだった!忘れてたぜ!」

戦刃「じゃあ証拠は最後まで現場に残ってたんだね」

桑田「じゃあ持っていったんじゃなくて棚を変えただけなんじゃね?ドアの向こう側からじゃ見えない棚に移したんだ」

桑田「それならライブラリー室に入ってから見つけてもおかしくねーだろ?」

舞園「うーん、それならそもそも刑事さんが気にも留めないような気がします」

戦刃「偶然犯人の名前が入ったタイトルのCDやビデオなら何本か見つかりそうだしね……」

舞園「『11037』ってタイトルなら証拠になるかもしれませんけど」ボソッ

桑田「やっぱ根に持ってるよな?置いといてくれてねーよな?」

舞園「アカシャの内容から見ても、証拠はもっと一目瞭然なものな気がしますね」

戦刃「ライブラリー室にあったCDやビデオテープは当てはまりそうにないよね……」

桑田「けど他に何かあったようなことは書かれてねーぞ?」

戦刃「じゃあやっぱり何かを指差してたわけじゃなかったのかな……?」

舞園「また振り出しに戻っちゃいましたね」

桑田「それじゃもう思いつくもん無くね?ダイイングメッセージでも物を指差してたわけでもねーんだろ?」

舞園「……いえ、まだダイイングメッセージの可能性ならあると思います」

戦刃「え?でもダイイングメッセージは最初に舞園さんが否定してたんじゃ……」

桑田「血痕が残るから無いって話になってたよな?」

舞園「あの時は被害者の血で書くという前提でした……」

舞園「でも血以外のものを使って書いたとしたらどうでしょう?」

戦刃「血以外のものって……何?」

桑田「いやいや、何使っても変わらないんだって」

桑田「ガラスどころか被害者の指にも何も付いてねーって言ってただろ?」

桑田「血じゃなくっても何かが付いてたら痕は残るじゃねーか」

舞園「普通ならそうですよね。でもガラスに限り、指に何も付けずに文字を書くことが出来るんです」


舞園(ガラスがあの状態であれば文字が書けたはずです……それは……)


<閃きアナグラム>

つ  ろ  け

□□□

□ □ □
け つ ろ

舞園「わかりました!」COMPLETE!


舞園「……ドアのガラスは結露していたんです」

桑田「けつろ……って何だよ?」

戦刃「ガラスとかの表面に水蒸気が溜まって濡れた状態になること。部屋とか電車の窓が曇ってる時があるでしょ?」

桑田「あ、あ~あれね!知ってた知ってた!」

戦刃「……」

舞園「結露でガラスが曇っていれば指でダイイングメッセージを書くことも可能です」

舞園「書いた後の指を調べてもちょっと湿っているだけで何も残っていません」

戦刃「だから刑事が現場に来た時には痕跡が残っていなかった……」

桑田「指はそうかもしれねーけどよー、ガラスの方はどうなるんだよ」

桑田「ガラスに犯人の名前が書いてあったら流石に気付くだろ?」

戦刃「透明だから気付かなかった……わけないよね」

舞園(結露したガラスにメッセージを書いたとすれば……)

舞園(刑事さんが調べた時に見つけられなかった理由……それは)


rア 1.透明だから見えなかった

   2.ガラスは曇っていなかった
   3.犯人が拭き取った

rア 2.ガラスは曇っていなかった

舞園「これです!」解!


舞園「刑事さんが調べた時、ガラスは曇っていなかったんです」

桑田「なんだそりゃ?さっきと言ってること違くねー?」

戦刃「被害者が殺された直後は曇っていて、刑事が来た時には曇っていなかった……ってこと?」

舞園「そういうことになりますね」

桑田「犯人が気付いて拭き取ったのか?」

舞園「いいえ、それだと後になってから刑事さんが見つけることが出来ません」

舞園「そもそも結露がどうやって起きるか知ってますか?」

桑田「あ~……部屋がジメジメしてるとか?」

戦刃「湿気だけじゃ結露はできないよ……」

舞園「そう、結露が起きるのは湿気の他に『温度差』が必要です」

舞園「そして今回の事件で温度差があったのはもちろん……」


rア 1.視聴覚室とライブラリー室

   2.犯人と被害者
   3.CDとビデオテープ

rア 1.視聴覚室とライブラリー室

舞園「これです!」解!


舞園「視聴覚室とライブラリー室に温度差があったんです」

舞園「被害者が指差していたガラスはちょうど視聴覚室とライブラリー室の間にありました」

舞園「そして視聴覚室側のガラスが曇るということは……」

戦刃「視聴覚室の温度はライブラリー室より暑かった、ということになるね」

桑田「待てよ?現場は同じ建物の中なんだろ?」

桑田「何で視聴覚室の方がガラスが曇るほど暑くなるんだよ?」

舞園(視聴覚室の方がライブラリー室より暑かった理由……)

舞園(それを示すコトダマがあったはずです、それは……)


<コトダマ選択>

『視聴覚室のエアコン』

舞園「これです!」解!


舞園「視聴覚室が暑かったのはエアコンが壊れていたからです」

戦刃「図書館員が最初に謝ってたね」

舞園「おそらく事件があった日は夏だったんでしょうね。他の部屋はエアコンをつけていたはずです」

戦刃「でも視聴覚室だけはエアコンが壊れてたから……」

桑田「他の部屋より暑くなってたってわけか」

桑田「あれ?つーか結局ダイイングメッセージが消えてた話はどうなったんだ?」

桑田「刑事が何でそれを見つけられなかったのかって話だったろ?」

戦刃「舞園さんはその時ガラスが曇ってなかったからって言ってたけど……」

舞園「ガラスが曇ったのは温度差があったからだとすれば……」

舞園「逆にガラスが曇っていなかったのは『温度差が無かったから』だと考えられるはずです」

舞園「刑事さんが現場に来た時はライブラリ室は無人でしたから、エアコンは切られていたはずです」

戦刃「エアコンがついていなければ視聴覚室とライブラリ室は同じ温度だからガラスは曇らない……」

桑田「そんじゃ刑事が来てからいつエアコンがついたんだ?」

舞園「おそらく容疑者の取り調べの時です」

舞園「アカシャの内容を見た限りだと取り調べに使われた部屋はライブラリー室のようですから」

戦刃「取り調べが終わってエアコンが効いてきた頃にまたガラスが曇り始めたんだね」

舞園「そう、そして被害者の残したダイイングメッセージが再び浮かび上がったんです」

桑田「刑事が後になって証拠を見つけたのはエアコンをつけ直したからってことか……」

舞園「これで指さす死体の謎が明らかになりましたね」

桑田「ってちょっと待てよ?一番肝心なところがまだ分かってねーじゃねーか!」

戦刃「肝心なところって?」

桑田「犯人だよ犯人!結局誰の名前が書いてあったんだ?」

舞園「それもここまでの議論でもう分かりましたよ」

戦刃「え?さっきの話で犯人が分かるの?」


舞園(事件があった時、エアコンの状態がどうなっていたかを考えれば……)

舞園(犯人はあの人しかいません!)


<怪しい人物を指名しろ>

rア 黒木
  白木

『黒木』

舞園「これが答えです!」解!


舞園「事件があった直後、ガラスは曇っていました。つまりエアコンがついていたということです」

桑田「夏の図書館なら誰でもエアコンぐらいつけるんじゃねーか?」

舞園「そうでしょうね、でも容疑者の1人である白木さんは例外でした」

舞園「彼は撮影の邪魔になるからとエアコンを使わずに窓を開けていました」

舞園「その様子はビデオにも残っています」

戦刃「つまりエアコンをつけていなかった白木は容疑者から外れる……」

舞園「そうなれば犯人はもう1人の容疑者……」

舞園「被害者の死亡推定時刻にライブラリー室を利用しており、且つエアコンを使っていたと証言した人物……」

舞園「犯人は『黒木』さん……彼しか考えられません」

ヤマ「どうやら結論が出たようだな、ならばオレに説明してもらおうか」

舞園「はい閣下、これからもう一度事件を振り返って全てを明らかにします!」

ヤマ「だから閣下じゃねーって」


舞園「これが事件の全貌です!」

<クライマックス推理>

「犯人はまず図書館の利用者を装いライブラリー室に入りました」

「これは隣の視聴覚室を利用していた被害者に近づくためだったと思います」

「そして隙を見て被害者の頭を数発殴り、殺害しました」

「被害者を殺した犯人はライブラリー室のエアコンを切り、図書館を出て行きました」

「しかし被害者は残った力で目の前のガラスにダイイングメッセージを残していたんです」

「ガラスは結露して曇っていたため、指で文字を書くことができました」

「犯人は急いでいたせいか、その致命的とも言える証拠に気付けなかったんです」


「その後、死体が発見され、刑事さんが現場に駆けつけます」

「その時、ライブラリー室のエアコンは切られていました」

「そのせいでガラスの曇りが晴れてしまい、ダイイングメッセージも見えなくなってしまいました」

「しかし刑事さんはライブラリー室で容疑者の取り調べをするため、再びエアコンのスイッチを入れました」

「そして取り調べを終えた頃、視聴覚室側のガラスが結露し、被害者の残した犯人の名前もまた浮かび上がったんです」


「『黒木』さん……彼の名前が」


COMPLETE!!

ヤマ「……キェーッ!素晴らしい!完璧に正解だ!」

ヤマ「思いつきだったがお前らのやり方はなかなか効率がいいようだな」

ヤマ「こんな感じでお前らにはこれからもアカシャを解いてもらうぞ」

ヤマ「本番は今解いたものよりも遥かに難解なものばかりだから覚悟しておくんだな」

ヤマ「じゃあオレは次のアカシャを探してくるからお前らはその辺でおしゃべりでもしてろ」

ヤマ「本棚に並んでるアカシャを勝手に読んでてもいいぞ」

舞園「あ、そうです!アカシャが現実の事件を書いたものなら私達の事件も書いてあるんじゃないですか?」

ヤマ「言っておいてやるがそれはまだ無い」

戦刃「まだ?どうして?」

ヤマ「お前らの事件はまだ続いているからだ」

ヤマ「アカシャはすでに完結した事件からしか生まれない」

桑田「コロシアイが終わらなきゃ本にならねーってことかよ?」

ヤマ「さて、それはどうかな」

ヤマ「お前らの巻き込まれた事件はお前らが想像してるよりずっと規模がでかい」

ヤマ「アカシャになる頃には広辞苑かコミケのカタログみたいな分厚いアカシャになるだろう」

ヤマ「気になるならアカシャに頼らなくてもそこの女に聞いてみたらどうだ?じゃ、オレはこれで」

戦刃「え?私?」

舞園「そういえば江ノ島さんに変装してたことしか聞いてませんでしたね」

桑田「そうだ!変装とか怪しいなんてもんじゃねえぞ!」

戦刃「うーん、まあ今の私達が知ったところで何か出来るわけでもないし、何でも聞いていいよ」



舞園「……そうですか、私達はクラスメートだったんですね」

桑田「そんで本物の江ノ島盾子が黒幕で世界が丸ごと滅んでたってのか」

桑田「地獄なんかにいなきゃ絶対に信じられなかっただろーな」

戦刃「うん、だから生き返れたとしても幸せとは限らないかも……」

桑田「いいや、そんな理不尽なことでこんな所に連れてこられたんなら何としてでも生き返らねーとな」

舞園「はい、それに閣下は私達を罪人だと言ってました」

舞園「現世で殺しあったクラスメート同士が今度はお互いを生き返らせる為に協力することで罪の償いになるのかもしれません」

戦刃(2人とも以前より前向きになったような気がする……死んだ気になればなんでもできるってヤツかな?)

舞園「それはそれとしてですね、記憶を奪われていた学園生活について聞きたいことがあるんですけど」

戦刃「うん、何?」

舞園「ズバリ苗木君は誰かと付き合ってたりしてたんですか!?例えば私とか!」

戦刃「え?い、いや、特定の人と付き合ってたりはしなかったよ」

舞園「ハァ……そうですか……悲しいようなホッとしたような……」

桑田「じ、じゃあ俺と舞園ちゃんが付き合ってたとかは?」

舞園「ないです」

戦刃「なかったね」

桑田「……アポ?」

ヤマ「よーしお前ら、次のアカシャが決まったぞ」

舞園「えー!不二咲さんって男だったんですか!?」

戦刃「うん、みんなビックリしてたよ」

ヤマ「おーい」

舞園「苗木君の背は2年間で伸び…てないですよね。中学の記憶はありますから」

戦刃「そうだね、苗木君も色々努力はしてたんだけど……」

ヤマ「いつまでガールズトークしてんだコラ」

舞園「あ、閣下いたんですか?」

ヤマ「あれー?人間ごときがそんな口きいていいのかなー?閻魔ぞ?我、閻魔大王ぞ?」

ヤマ「アカシャの前に新しい仲間を紹介します」

ヤマ「やっぱ3人じゃ少ない気がするし」

戦刃「仲間ってまさか……」


ヒューーーーードサドサッ


大和田「ああ?何だァここは?」

不二咲「いたた……あれ?舞園さんに桑田君?死んだはずじゃ……」


舞園「大和田君と不二咲さん……?まさか2人も私達と同じように殺されて……?」

桑田「どっちかがクロだったんならやっぱ大和田の方か?」

舞園「かくかくしかじかというわけなんです」

大和田「すまねぇ不二咲……オメーは俺が責任持って生き返らせてやるからよ」

不二咲「うん、僕も頑張るね!」

ヤマ「お前らみんな現世で殺し合ってた割にはさっぱりしてるな」

ヤマ「再会の挨拶はそれぐらいにして、今回のアカシャはこれだ」

桑田「げっ、前の倍ぐらいあるじゃねーか」

大和田「ああ?これ挿絵とかねーのか?」

不二咲「うーん、これ電子書籍で読めたりしないかなあ?」

ヤマ「冥界がそんな近代化されてるわけねーだろ。これだから最近の若者はブツブツ……」

舞園「まあまあ、話が進みませんしとりあえず読んでみましょうよ」



第一話『盗まれたフィギュア』


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 窃盗と聞き現場にやってきたが、どうもただの空き巣とは勝手が違うことに丸ノ内慶次は困惑していた。

 現場は建てられて百年は経っていそうな古びた蔵。

 さほど大きくはないが、まだまだ頑丈で簡単に侵入できそうなものではない。  

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 今は開け放たれた扉の奥で、数人の鑑識が証拠を採取しているところだ。

 「刑事さん!あの人たち、大丈夫ですか?ぼくのコレクションを壊したら弁償してもらいますからね」

 丸ノ内の横に立っている男が落ち着かない様子で言った。

 窃盗被害に遭ったという被害者、宮本学だ。

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 蔵の中はビデオテープやDVD、それらを視聴するためのプラズマテレビとスピーカーが中央に置かれ、

 壁の3メートル近い高さの棚には、フィギュアを始めとするオタク商品がガラスケースに入れられて並べられている。

 中には子供に見せられないようなあられもない格好のものもあり、鑑識課員たちも苦笑を禁じ得ないようだった。

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 蔵から離れたところにある母屋に入り、応接間に足を踏み入れた途端、宮本は早口にまくしたてた。

 「こいつらです!この中の誰かがアレを盗んだんだ!」

 応接間にいたのは四人。三人は宮本と同じ雰囲気を持つ男たちだったが、一人は少し浮いた感じの若い女だった。

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 男たちの名前は太田、坂口、根岸。

 太田は白髪混じりの髪の毛を後ろで束ねている50前後の男で、アニメの脚本家だという。

 坂口は普通の会社員だとのことで、今日も仕事があったのかスーツ姿をしている。

 丸眼鏡をかけた大学生風の男は根岸、学生にしか見えないが一応ライターだという。

 ただ一人の女性、天野つかさは年齢20くらい、この会では一番の新参者らしい。

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 「アレというのは盗まれたフィギュアのことですよね。どういうものか詳しくお聞かせください」

 「ヒロト・ヤマギシのフィギュアですよ。知らないんですか?」

 宮本が苦笑しつつ見回すと、他の四人も同じような表情で苦笑いしている
 
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 彼らの説明によるとヒロト・ヤマギシというのは海外でも有名な造型師であり、

 その作品がオークションで二十億円以上の値がつけられたこともあったらしい。

 宮本が買ったフィギュアは百万ほどのものだったが、今では三百万ぐらいの価値はある、ということだ。

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  宮本を含む彼ら五人はネットやアニメショップを通じて知り合ったオタク仲間であり、

 毎週土曜日に例会を開き、自分たちのお宝を見せ合ったり譲り合ったりしていたという。

 今日も昼過ぎにここに集まり、二時になったところで蔵の中で例会を行う予定だった。

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 ところが、一同が腰を落ち着ける間もなく、宮本が「ヒロト・ヤマギシがない!」と騒ぎだした。

 全員の持ち物検査を行い、蔵の中も念入りに探したもののフィギュアは発見できず、

 やむなく警察に通報したということだった。

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--------------

 やがて蔵の方から部下の青木がやってきたので報告を聞いた。

 採取できた指紋はどれも持ち主である宮本のものであること。

 壁の上部、3メートルほどのところには採光用の窓があるものの、格子戸がはまっていて人の出入りは不可能。

 だが蔵には脚立もあることから格子の間からフィギュアを投げ出すことなら可能ではないか、ということだ。

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 唯一、人間が出入りできそうな表の扉にはフィンランド製の特殊な南京錠がかけられていてピッキングは不可能。

 錠を取り付ける金具や蝶番にも取り外された形跡はなかった。

 ひとしきり報告を聞いた後、丸ノ内は一人づつ事情聴取を行うことにした。

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 最初に呼んだのは被害者の宮本。

 彼が最後にフィギュアを見たのは先週の会合の時。

 それまでは間違いなくフィギュアは蔵にあったという。

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 蔵の南京錠について聞くと自慢げに話し出した。

 以前はホームセンターで売っている普通の南京錠を使っていたが、

 ヒロト・ヤマギシのフィギュアが値上がりしたことで不安になり、三週間前から現在の南京錠に交換したという。

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 その南京錠は軍や原子力施設でも使われている特別なもので注文してから届くまで最低でも十日はかかる。

 壊すこともピッキングも不可能でスペアキーの発注は他人にはできない。

 鍵は三本ついており、二本は金庫に厳重に保管されている。

 もう一本は宮本が常に持ち歩いている、と首からさげたチェーンを引っ張り出し、丸ノ内に見せた。

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 次に呼んだのは入会して日が浅い天野つかさ。

 彼女は前回の例会が初参加の新参者であり、その次の例会で事件が起きたのだから有力な容疑者であることも確かだ。

 しかし彼女はアニメやフィギュアに興味があって来たわけではない、と言った。

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 彼女はカメラマンを目指しており、出入りしている雑誌の編集部が「オタクの汚部屋拝見」という企画を立てたので、

 写真を撮って売り込もうと会合に潜り込んだそうだ。

 だから他の三人と違い自分にはフィギュアを盗む理由がない、と彼女は言う。

--------------

 続いて呼んだのは太田。

 彼は応接間で疑いをかけられた時、人一倍反発していた。

 蔵の南京錠について聞くと三週間前の例会に来たら付いていたという。

 開ける前に、いくらしただとか、原発でも使われてるんだとか自慢げに見せびらかしていたらしい。

--------------

 次に呼んだのは根岸というライター。

 彼はオタクといってもフィギュアにはそれほど執着はないそうだ。

 一度、例会を休んで来てみたら、あんな南京錠がついていて驚いたという。

--------------

 丸ノ内は最後に坂口を呼んで、同じように南京錠について聞いてみた。

 坂口も太田と一緒に南京錠のお披露目に立ち会ったらしく、自慢話の内容も太田の証言とほぼ一致していた。

 宮本は自分たちがあのフィギュアを盗もうとしていると思い込んでいる様子で気分が悪いという。

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--------------

 事情聴取を終えた丸ノ内はもう一度現場を検証してみる必要があると思い、

 全員を連れて蔵へ向かった。

 「どんな感じで例会が行われているのか、再現してみていただけますか?」

--------------

 まずは宮本が首に下げた鍵を引っ張り出し、南京錠を開ける。

 宮本は南京錠を開いた金具の片方に引っ掛けたまま扉を開き、中に入ると明かりのスイッチを入れる。

 そこへ他の四人が続いて入る。

 蔵に入る順番は決まっていないが先週の例会では、太田、坂口、天野、根岸という順番だったという。

--------------

 全員が中に入り、椅子に座ったのを確認すると、宮本が扉を閉める。

 それからみんなが落ち着く間もなく、宮本が立ち上がってフィギュアがないと叫んだという。

 盗まれたフィギュアは宮本の席の真上、立つと顔が来る位置の棚にあるため、

 入った時にガラスケースごとなくなっているのに気がついたのだ。

--------------

--------------

 例会が終わり、蔵を出る前には宮本が持ち物検査を行う。

 持ち物検査はポケットに入っているものまで入念にチェックするため、フィギュアはおろかカード一枚も持ち出せないという。

 トイレは母屋にしかないため、途中でトイレに行く場合も同じように持ち物検査を受けなければならない。

--------------

 話を聞く限り例会の途中でフィギュアを盗み出すことは不可能と思われる。

 しかし、ここにいる容疑者たちを含めても、この一週間の間にフィギュアを盗み出すことができた人間もいそうもない。

 一体どういうことなのだろう……?

--------------

ヤマ「アカシャは以上だ」

戦刃「フィギュアか……大事なものなんだろうけどいまいちピンとこないね」

桑田「ブーデーがいりゃ価値が分かったかもしれねーけどな」

大和田「いや、俺にはこいつの気持ちが分かるぜ」

舞園「え?意外ですね」

大和田「俺もチームで改造単車見せ合ってた頃にマフラーとか盗まれたことあるからよぉ」

舞園「ああーそういうことなら確かに……」

大和田「けど最初っから仲間を疑うのは許せねえな。暴走族(ゾク)の風上にも置けねえ野郎だ」

桑田「いや暴走族じゃねーし……」

すみません、アカシャの内容が不足してたので>>100を↓に差し替えてお読み下さい。
--------------

 例会が終わり、蔵を出る前には宮本が持ち物検査を行う。

 持ち物検査はポケットに入っているものまで入念にチェックするため、フィギュアはおろかカード一枚も持ち出せないという。

 トイレは母屋にしかないため、途中でトイレに行く場合も同じ検査を受けなければならない。

 前回の例会では天野と太田が途中でトイレに行く際に持ち物検査を受けたという。

--------------

 宮本は先週の例会が終わるまでフィギュアは間違いなくあったので、例会の途中で盗まれたというのは有り得ないという。

 しかし、ここにいる容疑者たちを含めても、この一週間の間にフィギュアを盗み出すことができた人間もいそうもない。

 一体どういうことなのだろう……?

--------------

ヤマ「さーて今回もお前らのなんとか裁判で解いてもらうぞ」

桑田「学級裁判な」

舞園「待ってください閣下」

ヤマ「いつまでその呼び方なんだよ」

舞園「アカシャも長くなってますし、始める前に気になる所を読み返しておきたいんですけど」

大和田「捜査時間みてえなもんか」

不二咲「ぼ、僕もその方が助かるかなぁ」

ヤマ「ふーん、まあ任せるからやってみろ」

<捜査開始>

舞園「まず盗まれたフィギュアの情報を集めておきましょうか」

 [宮本が買ったフィギュアは百万ほどのものだったが、今では三百万ぐらいの価値はある、ということだ。]

 [入った時にガラスケースごとなくなっているのに気がついたのだ。]

舞園「フィギュアは宮本さんのコレクションの中でも一番の宝物だったみたいですね」

不二咲「犯人はフィギュアの価値を知ってて盗んだのかなぁ」


【コトダマゲット!≫『盗まれたフィギュア』

桑田「現場の蔵には表の扉の他に窓があったんだよな」

 [壁の上部、3メートルほどのところには採光用の窓があるものの、格子戸がはまっていて人の出入りは不可能。]

 [だが蔵には脚立もあることから格子の間からフィギュアを外に出すことは可能ではないか、ということだ。]

不二咲「フィギュアが通り抜けられるぐらいの隙間はあったみたいだねえ」


【コトダマゲット!≫『蔵の窓』


舞園「人の出入りができるのは正面の扉だけですが、使われていない時は南京錠がかかっていました」

 [唯一、人間が出入りできそうな表の扉にはフィンランド製の特殊な南京錠がかけられていてピッキングは不可能。]

 [ヒロト・ヤマギシのフィギュアが値上がりしたことで不安になり、三週間前から現在の南京錠に交換したという。]

 [その南京錠は軍や原子力施設でも使われている特別なもので注文してから届くまで最低でも十日はかかる。]

戦刃「確かに軍で使われてるようなものならピッキングや破壊は無理だと思うよ」


【コトダマゲット!≫『蔵の南京錠』


戦刃「その南京錠を開けるには専用の鍵を使うしかないみたいだけど……」

 [鍵は三本ついており、二本は金庫に厳重に保管されている。]

 [もう一本は宮本が常に持ち歩いている、と首からさげたチェーンを引っ張り出し、丸ノ内に見せた。]

桑田「金庫の中と本人の首にあるんじゃ誰かが鍵を盗むのも無理っぽくね?」


【コトダマゲット!≫『南京錠の鍵』

舞園「被害者の宮本さんによるとフィギュアは先週まではあったそうですが……」

 [彼が最後にフィギュアを見たのは先週の会合の時。]

 [それまでは間違いなくフィギュアは蔵にあったという。]

不二咲「うーん、じゃあやっぱり盗まれたのはその後なのかなぁ?」


【コトダマゲット!≫『宮本の証言』


大和田「取り調べした時はどいつも大したこと言ってねえ気がするな」

舞園「誰がいつ例会に参加していたのかは覚えておいた方がいいかもしれません」

 [彼女は前回の例会が初参加の新参者であり、その次の例会で事件が起きたのだから有力な容疑者であることも確かだ。]

 [蔵の南京錠について聞くと三週間前の例会に来たら付いていたという。] 

 [一度、例会を休んで来てみたら、あんな南京錠がついていて驚いたという。]

 [坂口も太田と一緒に南京錠のお披露目に立ち会ったらしく、自慢話の内容も太田の証言とほぼ一致していた。]


【コトダマゲット!≫『容疑者達の証言』

舞園「例会の再現をしてもらった時に先週の例会について色々と分かりましたね」

 [宮本は南京錠を開いた金具の片方に引っ掛けたまま扉を開き、中に入ると明かりのスイッチを入れる。]

 [蔵に入る順番は決まっていないが先週の例会では、太田、坂口、天野、根岸という順番だったという。]

 [前回の例会では天野と太田が途中でトイレに行く際に持ち物検査を受けたという。]


【コトダマゲット!≫『先週の例会の状況』


桑田「トイレに行くフリをして盗めるかもって思ったけどよ、蔵を出る度に持ち物検査されるんだよな」

 [例会が終わり、蔵を出る前には宮本が持ち物検査を行う。]

 [持ち物検査はポケットに入っているものまで入念にチェックするため、フィギュアはおろかカード一枚も持ち出せないという。]

 [トイレは母屋にしかないため、途中でトイレに行く場合も同じように持ち物検査を受けなければならない。]

戦刃「持ち物検査をパスしてフィギュアを持ち出す方法があったのかな?」


【コトダマゲット!≫『持ち物検査』

舞園「これで大体もう一周しましたね」

ヤマ「知りたい情報は集まったか?そろそろ始めてもらうぞ」


<学級裁判準備>

コトダマ一覧

・盗まれたフィギュア
有名な造形師ヒロト・ヤマギシのフィギュアで三百万ぐらいの価値があるらしい。
今回の例会で宮本が蔵を開けたときにガラスケースごと無くなっていることに気づいた。

・蔵の窓
3メートルほどの高さにある採光用の窓。
格子戸がはまっており人の出入りはできないが、フィギュアくらいの大きさのものなら出すことが可能。

・蔵の南京錠
フィンランド製の特別な南京錠で注文してから届くまで最低でも10日かかる。
専用の鍵でしか開けられず、壊したりピッキングすることは不可能。
三週間前の例会から使われていた。

・南京錠の鍵
南京錠の鍵は三本ついており、二本は金庫で保管され、一本は宮本が首にかけている。
複製はできず、スペアキーの注文は宮本本人しかできない。

・宮本の証言
先週の例会の時はフィギュアは蔵の中にあった。

・容疑者達の証言
天野は雑誌企画の写真を撮るために先週の例会から参加していた。
太田と坂口は新しい南京錠のお披露目に立会い、自慢話を聞かされていた。
根岸は一度例会を休んでおり、来てみたら今の南京錠に変わっていたので驚いたらしい。

・先週の例会について
蔵へは宮本が先頭で南京錠を開け、太田、坂口、天野、根岸の順番で入った。
南京錠は開けたあと、扉の金具にひっかけていた。
例会の途中、天野と太田がトイレに行った。

・持ち物検査
蔵を出る前に必ず宮本が持ち物検査を行う。
手荷物はもちろん、ポケットの中まで入念にチェックされる。

学級裁判 開廷!


舞園「まず気になるのはどうやってフィギュアを盗んだかですよね」

戦刃「蔵の外に繋がっているのは南京錠のかかった扉と格子戸のはまった窓だけ……」

桑田「パッと見、盗み出すのは無理っぽいよなあ」

不二咲「じゃあやっぱり警察の人が言ってた方法じゃないかな?」

舞園「警察の人が言ってた方法?」

舞園(それってあの記述のことでしょうか……?)

<議論 開始>


桑田「警察が言ってたのは……」

桑田「窓の格子からフィギュアを投げれるって話だったよな?」

不二咲「うん、例会の間に【フィギュアだけ】を窓から出しておいて……」

不二咲「終わってから回収することなら出来ると思うんだよね」

大和田「蔵には【5人も集まってた】んだろ?」

大和田「フィギュアを投げたりしたら誰かに見つかるんじゃねえのか?」

戦刃「蔵にはアニメのDVDやプラズマテレビもあったらしいから……」

戦刃「全員がテレビに集中してたら【投げるチャンス】はあったかもしれないね」

舞園「それは違います!」


『盗まれたフィギュア』→【フィギュアだけ】BREAK!!


舞園「フィギュアが窓から盗まれたとは考えられません」

不二咲「え……ど、どうして?」

舞園「蔵からはフィギュアだけでなく、入っていたガラスケースも無くなっていたからです」

舞園「おそらくガラスケースにも鍵がかかっていてフィギュアを取り出すことは出来なかったんじゃないでしょうか?」

戦刃「それで仕方なくガラスケースごと持ち出したんだね」

舞園「フィギュアだけならともかく、ガラスケースが格子の隙間を通り抜けられるとは思えません」

不二咲「そ、そっか……ごめんなさい……」

舞園「い、いえ……何も謝らなくても」

大和田「気にするこたあねえよ、おかげで窓から盗んだって線は無くなったじゃねえか」

戦刃「そうか、ガラスケースがあったらどうやっても窓から盗むのは不可能だからね」

舞園「窓からが無理となると正面の扉から盗まれたことになりますね」

桑田「けど扉にはすげー頑丈な鍵がかかってたんだろ?」

不二咲「フィンランド製の特別な南京錠、だったよねえ」

戦刃「軍で使われるような南京錠ならピッキング防止はもちろん、銃や爆弾で壊したり薬品で溶かすこともできないと思う」

舞園「そもそも蔵には壊された痕はありませんでしたよ?」

大和田「じゃあ決まりだな。犯人はどうにかして鍵を開けて正面から堂々と盗んでいったんだ」

舞園「そうすると問題はどうやって鍵を開けたかですよね……」

桑田「……そうだ!ひらめいたぜ!」

舞園「ハァ……何ですか桑田君?」

戦刃「話の腰を折らないでくれるかな」

桑田「何だよその扱いは!せっかく鍵を開けた方法が分かったのによ!」

不二咲「えぇ?桑田君分かったの?」

桑田「いいか、犯人は偽物の鍵を用意して本物とすり替えたんだ!」

戦刃「すり替え……?」

桑田「そうだ、例会の時に偽物の鍵とすり替えて本物を盗んでおくんだ」

桑田「それで例会が終わってから誰もいない時に鍵を開けたらフィギュアを盗めるだろ?」

大和田「蔵を出るときは持ち物検査があんだろ?鍵なんか持ってたら見つかっちまうんじゃねえのか?」

桑田「さっき言ってた窓があるだろ?そこから投げて後で拾いに行けばいいんだよ」

不二咲「そうかぁ、投げられるのはフィギュアだけとは限らないもんね」

舞園「待ってください、桑田君の推理は無理があると思います」

戦刃「え?どうして?」

舞園(今の推理で無理があるところ、それは……)

rア 1.鍵をすり替えること

   2.鍵を窓から投げること
   3.鍵を後で拾いに行くこと

舞園「これです!」解!


rア 1.鍵をすり替えること


舞園「蔵の鍵は例会の間中、宮本さんの首にかかっていました」

舞園「首にかかっているものを外して、さらに偽物の鍵を首にかけ直すのはいくら人の目を盗んでも無理じゃないですか?」

桑田「け、けどよ、それだって何かで気を引けば出来るかもしれねーだろ?」

不二咲「何かって……?」

戦刃「……色仕掛け……とか?」

不二咲「い、色仕掛け……!?」

舞園「確かに桑田君なら引っかかるかもしれませんけど……」

大和田「つーか実際引っかかってたようなもんだよなオメーは」

桑田「うるせーな!俺のことはいいんだよ!」

大和田「じゃあ犯人は女の天野ってことか?」

戦刃「確かに天野つかさは前回の例会で一度トイレに行ってるし、投げた鍵の場所を確認してたのかも」

舞園「いえ、万が一その方法で鍵のすり替えが成功したとしてもまだ問題があります」

舞園(桑田君の推理が成立しないもう一つの理由、それは……)


rア 1.天野に色仕掛けは出来ない
    2.すり替えた鍵を元に戻せない
   3.フィギュアを持ち出せない

舞園「これです!」解!


rア 2.すり替えた鍵を元に戻せない


舞園「フィギュアが盗まれたことに気づいた当日、宮本さんは自分の鍵を使って南京錠を開けています」

舞園「偽物とすり替わっていたのなら、この時に鍵が合わずに開けられなかったはずです」

不二咲「後で家を訪ねるフリをして鍵を戻したらどうかなぁ?」

舞園「家を訪ねたり個人的に会うことがあれば不審に思って宮本さんが証言するんじゃないでしょうか」

大和田「首にかけてるんじゃ留守の時にこっそりってわけにもいかねえしな」

桑田「ハァ~……じゃあやっぱ無理なのか……?今回は冴えてると思ったのによー」

不二咲「でも犯人は南京錠を開けてフィギュアを盗んだのは確かなんだよねえ?」

舞園「それは間違いないと思いますけど……」

桑田「つーかお前らも何か考えろよ!俺ばっか否定されて不公平だ!」

大和田「ああ?オメーが勝手に始めたんだろ」

舞園「でもそれが分からないことには話が進みませんし、もう少しみんなで考えてみましょうか」

<議論 開始>


舞園「改めて南京錠を開けた方法を考えてみましょう」

桑田「《鍵のすり替え》は無理なんだよな?」

不二咲「壊したりピッキングも出来ないんだよねえ」

大和田「首にかけた鍵が無理なら……」

大和田「《金庫にある鍵》を盗んだんじゃねえか?」

不二咲「金庫を破るのは南京錠より難しいと思うけど……」

戦刃「いっそ《宮本に開けさせた》っていうのは?」

桑田「はぁ?どうやって開けさせんだよ」

戦刃「銃やナイフで脅せば……」

大和田「それじゃ強盗だろ……」

不二咲「うーん、やっぱり《別の場所》から盗んだのかなぁ」


※《》同意ポイント

舞園「それに賛成です!」同意!


『先週の例会について』 → 《宮本に開けさせた》BREAK!


舞園「戦刃さんの言うように、宮本さんが自分で開けたんじゃないでしょうか?」

戦刃「うん、やっぱり犯人が宮本に銃を突きつけて……」

舞園「い、いえ、それは違うと思います……」

舞園「先週の例会を再現してもらった時の状況を思い出してください」

舞園「宮本さんは例会のために南京錠を開けています」

桑田「そりゃあ開けなきゃ中に入れないもんな」

不二咲「じゃあフィギュアが盗まれたのは先週の例会の間ってこと?」

舞園「はい、でもその時盗まれたのはフィギュアではなく……」


rア 1.ガラスケース
   2.南京錠
   3.鍵

舞園「これです!」解!


rア  2.南京錠


舞園「犯人は南京錠を盗んだんです」

不二咲「な、南京錠を……!?」

舞園「宮本さんは南京錠を開けた後、例会の間は扉の金具に引っ掛けたままでした」

舞園「この時なら誰でも持ち出すことが出来たはずです」

大和田「けどそんなもん盗んでどうすんだよ?」

戦刃「それに事件当日はちゃんと南京錠はかかってたよ?」

舞園「さっきの桑田君の推理と同じ理由ですよ」

桑田「俺の推理と同じってことは……」

舞園「そう、犯人は偽物の南京錠を用意して南京錠そのものをすり替えたんです!」

戦刃「なるほど、犯人が自分で用意した南京錠なら、その鍵も犯人が持ってるはず……」

大和田「南京錠をすり替えちまえば後は自分の鍵でいつでも開けられるってわけか」

不二咲「で、でも例会が終わって鍵をかけ直す時に気付かれないかなぁ……?」

舞園「いいえ、宮本さんは気付かなかったはずです。なぜなら……」


rア 1.宮本以外が施錠するから

    2.施錠した後ですり替えるから
    3.鍵が無くても施錠できるから

舞園「これです!」解!


rア 3.鍵が無くても施錠できるから


舞園「確かに普通の錠前なら鍵をかける時に鍵穴が会わず、宮本さんも気付いたと思います」

舞園「でも南京錠の鍵をかける場合ならどうでしょうか?」

不二咲「……あっ!鍵が無くてもフックを押し込むだけでいいんだ!」

桑田「それなら次に鍵を開けるまで気付けるわけねーもんなあ」

大和田「待てよ、その偽物の南京錠ってのは本物と同じ海外の特別なヤツなんだよな?」

舞園「そうでしょうね、たぶん宮本さんと同じ購入先から取り寄せたんだと思います」

戦刃「素人にそこまで精巧な複製が作れるとは思えないからね」

大和田「じゃあ持ち物検査はどうすんだ?同じ形の南京錠なんて見つかったらヤバイんじゃねえのか?」

舞園「おそらく例会の時、偽物の南京錠は……」


rア 1.蔵の中にあった
    2.蔵の外にあった

舞園「これです!」解!


rア 2.蔵の外にあった


舞園「南京錠は蔵の外にあったはずです」

舞園「蔵に入る前に庭の植え込みか土の中に隠しておいたんじゃないでしょうか」

不二咲「それじゃ南京錠をすり替えるには途中で外に出なきゃいけないよね?」

桑田「例会中に外に出たのはトイレに行った天野と太田の2人だったよな。やっぱ怪しいのは天野だ!」

大和田「1人で外にいたって話なら根岸もそうじゃねえか?蔵に入る順番は一番最後だったんだろ?」

戦刃「最初に蔵に入る時にすり替えることは出来そうだけど、怪しまれないようにするにはかなりの早業が必要だね」

大和田「じゃあすり替えが出来たのは天野、太田、根岸の3人ってことになるな」

桑田「よっしゃ、そんじゃ3人までは絞り込めたんだな?」

戦刃「問題はその3人の中の誰が犯人なのか、だけど……」

不二咲「うーん、さらに犯人を絞り込めるような記述があったかなぁ?」

舞園「このあたりでとりあえず犯人の行動を振り返ってみましょうか」

舞園「そこから犯人の手がかりが得られるかもしれません!」

<議論 開始>


戦刃「犯人はまず【3週間前】の例会で……」

戦刃「蔵の南京錠が特別製に変わってるのを見たんだよね?」

大和田「それを見て同じ【南京錠を注文】したんだよな」

桑田「次に【先週】の例会で……」

桑田「その注文した南京錠を持ってきてたはずだ!」

不二咲「その南京錠を外に【隠しておいて】……」

不二咲「みんなが見ていない所ですり替えたんだよね?」

大和田「後は【例会が終わってから】フィギュアを盗み出したってとこだな」

桑田「なあ、ホントにこれで何か分かんのかよ?」

桑田「やっぱ【3人の誰でも出来た】んじゃねーのか?」

舞園「それは違います!」


『3週間前』→【3人の誰でも出来た】BREAK!!


舞園「分かりました!3週間前の例会が手がかりです!」

舞園「南京錠をすり替えるには3週間前の例会には必ず参加していなければいけません」

戦刃「え?どうして?」

舞園「宮本さんの南京錠は注文してから届くまで最低でも10日はかかるからです」

舞園「3週間前の例会の後、すぐに南京錠を注文すれば先週の例会に間に合いますが……」

  3週間前の例会                      先週の例会         今回の例会
  南京錠お披露目                      南京錠をすり替える   フィギュア盗難発覚
     1日              8日              15日            22日
  ━━┻━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━┻
      ←――――――――――――→
       注文~到着まで約10日



舞園「2週間前の例会以降に注文すると、すり替えを行う先週の例会を過ぎてしまいます」

  3週間前の例会                      先週の例会         今回の例会
  南京錠お披露目                     南京錠をすり替える    フィギュア盗難発覚
     1日              8日              15日            22日
  ━━┻━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━┻
                      ←―――――――――――――→
                        注文~到着まで約10日
                        ※先週の例会に間に合わない

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