巫女「メリーさんと食事会」 (49)
第一話
巫女「口裂け女がやって来た」
巫女「口裂け女がやってきた」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1419131553/)
第二話
巫女「花子さんに会いに来た」
第三話
口裂け女「閻魔様に会いに来た」
口裂け女「閻魔様に会いに来た」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1421845275/)
第四話
巫女「口裂け女と花子さん」
巫女「口裂け女と花子さん」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1421895932/l50)
第五話
花子「口裂け女とルームシェア」
の続編です
今回はちょっと長め
一週間前
巫女「コンニチハー、メリーサーン」
巫女(帰りたい……)
「はーい!」
ガチャッ
メリー「わぁ巫女さんだー!巫女さんだー!」
巫女「こんにちはメリーさん」
メリー「貴女に会いたかった! 貴女のお顔をもっと良く見せて~!」
巫女(うっぜぇ……)
メリー「で、どうしたの?」
巫女「ほら、居住更新の手続き書類。もうすぐ更新期間でしょ」
メリー「わぁ、巫女さん素敵!」
巫女「いちいち煽てるなストーカー妖怪」
メリー「そんなツンケンしてる所も素敵……!」
巫女「うっぜぇ」
メリー「本当の事だし、けどストーカー妖怪って言い方無いよ!」
巫女「そういう妖怪じゃんアンタ」
メリー「酷い! ちょっと電話掛けるの多かったり後ろまで迫ってみたりしてるだけなのに!」
巫女「たち悪いストーカーだから困る」
メリー「そういう仕事なの!」
巫女「でもアンタ、綺麗で美人の女性しか狙わないじゃん」
メリー「趣味も兼ねてます!」
巫女「こいつ本当死なねぇかな」
メリー「恋に性別は関係無いって映画で見たもん」
巫女「アニメだろそれ、しかも新劇場版とか付く奴だろそれ」
メリー「でも私、男の人の絡みは興味無いし」
巫女「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ」
メリー「逃げても追います、それが私メリーさん!」
巫女「うっせ、早く書類にハンコとサイン渡せ」
メリー「渡しても良いけど……メリーさんのお願い聞いて?」
巫女「ゴスロリ金髪だけならまだしも中身がレズだから友達出来なくて困ってる、みたいなお願い?」
メリー「ピンポイントで攻撃してくるのは良くないよ巫女さん、私の心はガラスより脆いんだから」
巫女「チタンより頑丈な心持ってるお前が言うな」
メリー「乙女は繊細なの!」
巫女「うるへー、仕事終わらないから早くしろ阿呆」
メリー「じゃあお願い聞いてよ」
巫女(これだから嫌なんだよなぁ、この妖怪……)
巫女「わーったわーった、どんな願いよ」
メリー「聞いてくれるとかマジ巫女さん天使」
巫女「神の下僕って意味なら間違ってないわね」
メリー「エンジェル巫女」
巫女「んな事呟く前に早く言えよ」
メリー「んーとね……一緒にデートして?」
巫女「却下」
メリー「即答!?」
巫女「デートとかする暇ありませーん、と言うかそんな趣味ありませーん」
メリー「何でも聞いてくれるって言ったのに!」
巫女「言ってねぇよ」
メリー「言った、ぜーったい言った!」
巫女「あーもう本当ウザいなー、良い加減にしないと巫女さん本気で怒るよ?」
メリー「言ったもーん!」
巫女「お前自宅の前で泣き喚くなよ、本当やめてそれ。あ、すいませんこの子友達なんですよ……ええ、ちょっとお巫山戯してるだけなので気になさらず……あ、煩いなら黙らしとくんで……すいません」
メリー「言ったもぉぉぉん!!!」
巫女「わかった、わかったから。ここの近隣さんから私変な目で見られ始めてるからマジでやめて。とりあえず家の中で話そう、本当マジで」
メリー「ぐすっ……どうぞ……」
巫女(中身がまんま子供だから本当面倒だわ……はぁ)
メリーさん宅・リビング
メリー「あぁ、部屋中に巫女さんの香りが……」
巫女「おおっとたまたま持ってたニンニクスプレーがメリーさんの部屋で暴発~」
メリー「やめて、私の人形達が焼肉屋みたいな香りになるから本当やめて」
巫女「と言うか良く集めるわね、このフィギュアの山」
メリー「可愛いんだもん」
巫女「いやいや、ショーケースの八割が魔改造エロフィギュアじゃん。しかも女しか無いし」
メリー「エロいんだもん」
巫女「子供っぽい行動するのに中身がダメだこいつ」
メリー「見た目は子供、頭脳は女!」
巫女「女しか入ってない頭脳とかロボトミーで魔改造されてきなさい」
メリー「酷い」
巫女「……ったく、もう夕方じゃない。夕飯どうしようかな」
メリー「じゃあお食事会でもどう?」
巫女「何の魂胆がある、巫女さんに言ってみ?」
メリー「やましい気持ちなんて無いよ?」
メリー「巫女さん、私みたいな妖怪でも何だかんだしっかり接してくれるでしょう? 私、感謝してるの」
巫女「付き合わされてる身にもなって貰いたいわ」
メリー「こんな趣味だし、基本的に他の妖怪と接する事も少ないし……友達として、どう?」
巫女「……ったく。その変わり書類にハンコとサインしなさいよ」
メリー「もっちろん!」
巫女「今思えば、これが地獄の始まりだった」
食事後
巫女「料理は上手いのよねアンタ」
メリー「攻めも上手いよ?」
巫女「黙ってれば可愛いのに、死ね」
メリー「あぁ罵倒が気持ち良い……っ!」
巫女「マジでこれなきゃ良いのに、しかも受けも出来るとか巫女さんですらたじろぐレベル」
メリー「もっと褒めて良いよ?」
巫女「あーめんどくせぇ、こいつ本当めんどくせぇ。書類貰ったしとっとと帰らせて頂きますではさようなら」
メリー「もう遅いし泊まって行きなよ~、神社こっからじゃ遠いじゃん」
巫女「んなもんタクシーで一発よ、経費で落とすし」
メリー「あ、経費とか出るんだ」
巫女「当たり前でしょ、巫女さん管理職だし」
メリー「と言うか給料貰ってるんだこの人」
巫女「金が無きゃ生きてけないっつーの」
メリー「まぁ、とりあえずお着替えセットはここにあるし……」
巫女「待てやゴスロリ、なんで用意してある。つーかサイズぴったりじゃねぇかオイ」
メリー「たまたま偶然」
巫女「死ね、帰る」
メリー「やぁぁぁぁだぁぁぁぁぁ!!!」
巫女「うっせ」
メリー「……後悔するからね」
巫女「はぁ?」
メリー「ターゲットを貴女にしました、もう私からは逃げられないから!」
巫女「あっそ、じゃあね」
バタンッ
メリー「……ふふん、見てなさい。絶対デートしてやるんだから」
二日目
巫女「あー……今日は仕事無いし楽で良いわ~。久々にオンラインゲームのスクラッチ回すかな」
てーてーててーてーてててー♪
巫女「あら、電話」
ピッ
『私、メリーさん。今貴女の家に向かってるの』
巫女「どっから私の携帯番号知った?」
『私、メリーさん。こういう妖怪なの』
巫女「……そういや駅前の探偵、来週から割引キャンペーンやるらしいわよ」
『えっ、嘘!? そんなの昨日聞かなかった!』
巫女「嘘だばーか」
ピッ
巫女「携帯解約すっかなー」
てーてーててーてーてててー♪
巫女「うぜぇ」
ピッ
『私、メリーさ』
ピッ
巫女「さて、携帯ショップ行くかな」
駅前大通り
巫女「あっれぇ……ここに携帯ショップあった筈なんだけどなぁ」
メリー「今改装中よ」
巫女「そう、ありがとう。隣町まで行くわ」
メリー「ちょちょちょ、ここに居るのに無視!?」
巫女「どうせ私の事だからすぐに解約しに来るって思ったんだろ、先読みすりゃ誰でもここに来るわ」
メリー「メリーさんの頭脳戦が……」
巫女「じゃあね」
メリー「にっ、逃がさないわよ!」
巫女「金縛りの護符!」
メリー「ひゃっ!?」
メリー「……あれ?」
メリー「なんだ、金縛りになってないじゃん。巫女さん誤爆かな?」
メリー「……って居ないし!?」
巫女「はぁ、だるい」
三日目
巫女「無事解約出来たし今日は三軒ほど妖怪の所に回って終わりかな~」
メリー「見付けた!」
巫女「んだよもぉ、仕事しろよお前」
メリー「してるよ、貴女がターゲット!」
巫女「管理者権限で抹殺すっぞレズ女」
メリー「あっ、それはやめて本当に」
巫女「……ったく、諦めたらどうなのよ。私なんか付け回しても面白く無いわよ?」
メリー「面白い面白くない関係ないよ、私はデートしたいからこうしてるだけ」
巫女「折れろよそこは、本当折れて」
メリー「譲れない思いってのがあるってマンガで読んだ」
巫女「お前の知識は漫画だけか、オタク通り越して脳に欠陥あるだろ」
メリー「そこまで言わなくても……」
巫女「まー現世に来て娯楽増えたのは分かるけど、それを鵜呑みにするのは巫女さんどうかと思いますよ」
メリー「で? デートは?」
巫女「話ぶった切ってそれか、しねぇって言ってんの馬鹿」
メリー「良いじゃん減るもんじゃないし」
巫女「減るわ、主に心が減るわ」
メリー「弱い心なの?」
巫女「そりゃもう、弱いから強がってるだけだし」
メリー「ふーん、じゃあデートしよ?」
巫女「こいつ本当イかれてんな、そいっ!」
ボフッ
メリー「わっぷ!? 急に煙がっ!?」
巫女「煙幕護符の力を思い知ったかストーカー女、ぐっばーい!」
メリー「げほっ、げほっ。なんか変な匂いする!?」
巫女「トイレの消臭剤のフローラルな香りを楽しんでなさい」
メリー「何それ!?」
メリー「……あ、居ない……」
メリー「……んもぉぉぉぉぉ!!」
巫女「疲れた、流石に」
五日目
巫女「……昨日は何も無かったわね、流石に諦めたか」
巫女「元々ストーカーみたいな妖怪だけど、まさかここまで粘着されるとはなぁ……普段なら二日間くらい粘着されて終わりなんだけど、今回は違うわね……はぁ」
てーてーててーてーてててー♪
巫女「……まさか」
ピッ
『私、メリ』
巫女「お前 本当に良い加減にしろやこの野郎、巫女さんそろそろブチギレすっぞ」
『だって私メリーさんだし』
巫女「ファック」
ピッ
巫女「あぁぁぁぁめんどくせぇぇぇぇ!!!」
メリー「じゃあデートすれば良いのに」
巫女「うるせぇ黙れ、ナチュラルに私の家の窓から顔出してんじゃねぇよクソが」
メリー「ダメ?」
巫女「ダメ、NO、NG、無理、消えろ」
メリー「毎回思うけど言い過ぎじゃない、ねぇ」
巫女「本気でウザい妖怪ベストスリーに入るレベルで死んで欲しいわ」
メリー「でもでも、デートしてくれないとずっとこんな感じよ?」
巫女「あー閻魔~? ちょっと相談あんだけど」
メリー「やめて!」
巫女「だったら諦めなさい」
メリー「……」
巫女「何よ、急に黙って」
メリー「……最初に貴女に会った時、私は貴女の事が憎かった」
巫女「ふーん」
メリー「あの日、私は許可を得ずに現世にやってきて、この町に来た」
メリー「そして妖怪として活動していた時に、貴女と出会った」
巫女「……」
メリー「最初は抹殺しようとしてたの、分かってるよ」
巫女「今思うと、しておけば良かったと後悔してるわ」
メリー「でも貴女はしなかった」
巫女「……そうね」
メリー「貴女は強かった、私をすぐにでも殺せる程度に……でも貴女は言ってくれた」
メリー「『この町で遊びたいなら私に従っておきなさい』って」
巫女「でもアンタ従ってくれないじゃない」
メリー「あの時、憎かった半面……憧れちゃった」
巫女「で?」
メリー「だからね、貴女の息抜きになればと思ってデートに誘いました!」
巫女「ん、分かった。山降りて交差点右に曲がってしばらく歩くと脳神経外科あるからそこに行って来なさい」
メリー「なぁぁぁぁんでぇぇぇぇ!!!」
巫女「今日も明日もお仕事なんですぅ、無理無理無理無理かたつむり~」
メリー「おーねーがーいー!」
巫女「あぁもう本当ウザい、今日はマジで無理なんだってば。なんなら着いてくる?」
メリー「え、良いの!?」
巫女「えぇ、良いわよ」
メリー「……なんでそんなに笑顔なの?」
エステサロン前
巫女「はい到着」
メリー「エステで働いてる妖怪なの?」
巫女「そうよー、ここすっごく良いエステなのよ。その妖怪に用があるんだけどねー」
メリー「エステって言った事無いや」
巫女「なんなら用事済ませてる間にエステしてきなさいよ、お代は持ってあげる」
メリー「本当!?」
巫女「マジマジ」
メリー「わーい!」
巫女「……これで懲りてくれれば良いんだけど」
エステ内
巫女「じゃ、私はあっちで用事済ませるから」
メリー「待ってるね!」
巫女「待たんで宜しい、じゃあね」
バタン
メリー「エッステ~エッステ~、綺麗になって巫女さん悩殺しちゃお!」
ガチャッ
???「あら可愛らしいお嬢さん」
メリー「初めまして!」
???「貴女が今日のお客さんね、腕が鳴るわ……いや、舌が鳴る、かしら?」
メリー「……え?」
???「自己紹介がまだだったわね、私の名前は……」
エステサロン・スタッフルーム
巫女「と、言う訳でこれが営業許可の期限延長手続きと、御宅の従業員全員分の居住許可更新書類ね」
???「毎回全員分揃えてくれて助かります~」
巫女「ぶっちゃけ種族一緒だし居る所も一緒だからね、こっちも手間が省けるわ」
???「私達あんまり怖くない妖怪ですしね~、こうやってのんびりやるのが一番なんですよ~」
巫女「間違っても人間相手にやらないでね、いかがわしいお店になるから。そうなると手続きが別途必要だし」
???「それは本業の方でやりますけど、年に数回ですね~。殆どは妖怪相手のエステですし」
巫女「それなら良いんだけど……と言うか、良くエステって名乗れるわよね……」
巫女「垢嘗さん」
エステ内
垢嘗「私は垢嘗、宜しくねお嬢さん?」
メリー「……待って、ちょっと待ってね」
垢嘗「嫌よエステ始めるわよ」
メリー「待てっての、垢嘗って垢舐めだよね、それってアレだよね、舌で垢舐める妖怪だよね」
垢嘗「それ以外に何が?」
メリー「倫理的にエステじゃないじゃぁぁぁぁん!!」
垢嘗「でも女性の妖怪からは好評よ?」
メリー「やめて!」
垢嘗「いやいや、お嬢さんがここに居るってのは自分から望んだのでしょ?」
メリー「あの巫女犯す」
垢嘗「さ、始めましょ」
メリー「嫌だ……って、ドアが開かない!?」
垢嘗「さっきの巫女さんから鬼のような顔で逃がすなって言われたからね」
メリー「なななななな……!」
垢嘗「さ、全身の垢を舐めとってマッサージして綺麗にしてあ・げ・る」
メリー「た、助けてぇぇぇぇぇぇ!!」
メリー「ごめんなさい巫女様本当ごめんなさいマジでごめんなさい嫌だぁぁぁぁぁ!!」
嫌だぁぁぁぁ……
巫女「あら、遠くから可愛らしい嘆き声。何かしら百合の花でも散りそうね」
巫女「あ、今日は漫画喫茶泊まろう。流石に神社じゃ明日何言われるか分からないし」
六日目
巫女「ねっむ……漫画喫茶ダメね、ネット中毒になるわこれ。あと読む物多過ぎて入り浸りそう、管理者とかめんどくせぇわ」
巫女「それにしても、あの後メリーどうなったのかしら。垢嘗のエステは確かに人気だけどアレだしなぁ」
巫女「……まぁメリーなら問題無いか」
てーてーててーてーてててー♪
ピッ
『今どこにいる?』
巫女「それを探すのがアンタの妖怪としての仕事でしょ、メリーさん?」
『ほんとーに許さない、ぜぇぇぇったい許さない!』
巫女「綺麗になってスッキリしたでしょ?」
『乙女の純情返せ!』
巫女「片腹痛いわ、全身舐められて綺麗になってマッサージしてもらってお風呂入れたし良いでしょ」
『内容に偽り無いけど絶対他の事やってるように聞こえるから辞めて、と言うか思い出したくない!』
巫女「ざまぁ」
『うぅ……ぐすっ……もうお嫁に行けない……』
巫女「ざまぁ」
『あんな恥辱始めて受けたんだから、巫女さんも同じ目に合わせてやる!』
巫女「いやーあそこのお風呂気持ち良いのよねー、アンタ入った?」
『入ったよ! 柚子の入った檜風呂とかビックリしたけどそこじゃない!!』
巫女「エステって言う割に和風なのよねあそこ」
『マッサージもオイルマッサージでしっかりやってくれて肩凝りとか全身リラックスしたけども!!』
巫女「それでそれで?」
『舌で全身舐められるとかダメでしょ!?』
巫女「でも綺麗になったでしょ」
『倫理的にアウトだよ!!!』
巫女「妖怪に倫理なんて要らないわ、ざまぁ」
『見てなさい……本気の私の復讐、見ててよね!!』
巫女「はっはっは」
ピッ
巫女「……そういや口裂け女ってもう行ったのかしら、あのエステ」
巫女「まぁ私は垢嘗オプション付けた事無いけど。と言うか付けた妖怪あんまり見たこと無いけど」
路地裏
巫女「さて、そろそろ仕事しますか」
メリー「居たぁぁぁぁ!!!」
巫女「うわめんどくせ、マジで何で見つけてくるかな本当」
メリー「巫女ぉぉぉぉおぉぉぉお!!!」
巫女「きゃーこわーい」
メリー「ぜっっっっっったいに許さない!!!!!!」
巫女「おーこわ、おチビちゃんどうしましたかー。ママとはぐれちゃいましたかー?」
メリー「犯す!」
巫女「せめて殺すにしろ。犯すってお前、犯すって」
メリー「同じ目に合わせてやるんだから!」
巫女「邪ッッッ!!!」
バシュッ
メリー「と、突風がぁあぁああぁあぁぁ!!??」
あぁあぁぁあぁぁ……
巫女「突風の護符って遊びで作ったけどなかなか面白いわね、春一番とかにしか使った事ないけど」
巫女「さ、仕事仕事」
メリー「くぅ……」
七日目
巫女「あーダルい一週間だった……」
ピンポーン
巫女「……いやまさかね」
花子「僕もうダメかもしれない」
巫女「久々に会っていきなり何よ、何でそんな顔してんのさ。お煎餅も湿気る勢いね」
花子「口裂け女さんに悪気が有るわけじゃ無いのは知ってるんだ。でも、でも……」
巫女「でも何よ」
花子「……なんか、ドキドキする」
巫女「……」
花子「……」
巫女「……えーっと、んー……そのー、もしかしてーだけど、本当もしかしてぇ……だけどさ」
花子「う、うん……」
巫女「……お前、惚れた?」
花子「なっ!?」
巫女(何なんだこの流れ……)
巫女「いやだってそれさ……よりにもよって同性に、それでドキドキするとかどうなってんのマジで。真面目にそれ多分恋よね、いや確実に」
花子「そそそ、そんな事あるわけ無いよ!」
巫女「あーマジかー、この前口裂け女にレズレズおちょくってたけど花子さんのがそっちの気があったかー、しくじったぁぁ……」
花子「真面目に聞いてよ、僕どうなるのさ」
巫女「いや知らないから、そこは私の干渉すべき世界じゃないから。と言うか巻き込まないで下さい、遠くから生暖かく祝福させて頂きますから」
花子「どうにかしてよ管理者!」
巫女「むーりー。むりむりむりむりかたつむり~、私生活にまで首を突っ込むほど巫女さんお人好しじゃないから~。と言うかこっちも色々面倒で手が貸せないんですぅ」
花子「何かあったの?」
巫女「いやー話すと長くなるから省くんだけど、今ちょっと立て込んでてねぇ……」
てーてーててーてーてててー♪
巫女「あ、やべっ。携帯鳴ったからちょっと逃げるわ」
花子「えっ、ちょ、巫女さん!?」
巫女「いやーごめんねぃ、とりあえず自分に素直になってみてからでも遅くは無いんじゃないの?」
てーてーててーてーてててー♪
てーてーててーてーてててー♪
てーてーててーてーてててー♪
巫女「うわ着信止まんねぇヤバイヤバイ」
花子「じ、自分に素直にって……」
巫女「まぁほら、何事も楽観的に考えなさい……っと、それじゃあまたねっ」
花子「あ、ちょっと巫女さん家の鍵は掛けなくて良いの!?」
巫女「うるせーこんなオンボロ家に誰も来ないからへーきよ、ばいならっ」
巫女「あー本当めんどくせぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
喫茶店
巫女「すいませーん、エスプレッソトリプルで。あ、砂糖もミルクも要らないんで」
巫女「泥のように苦いコーヒーでも飲んで落ち着こう、流石に今回は巫女さんやり過ぎちゃったかしら」
巫女「……あれ、向かいの喫茶店に居るの花子さんじゃん」
巫女「恋は短し悩めよ妖怪、ってね……って、待てアレ。メリーじゃん」
巫女「うわ、何だあいつ急に花子さんの胸ぐら掴んで……うわぁ」
巫女「……面白そうだし観察してみるか」
向かいの喫茶店
花子「自分に素直に……って、どうすれば良いんだろう」
花子「んー……わかんないや……」
花子「大体、恋とかそういうの、あるはず無いし……うん、それが僕の素直な気持ちだ、そうに違いない……」
メリー「そこの貴女!」
花子「へ?」
メリー「貴女よ貴女、スーツのあ・な・た!」
花子「ななな、何ですか……?」
メリー「貴女……あの人の匂いがする」
花子「ええっ!?」
メリー「どこに隠したのよ教えなさいよはーやーくぅー!」
巫女の居る喫茶店
巫女「あーあ、可哀想に花子さん」
巫女「知り合い……にしては花子さんタジタジねぇ、何してんのかしら」
巫女「傍から見るとコント見たいね、おもしれぇ」
お待たせしました~
巫女「ありがとう、んー良い香り」
向かいの喫茶店
花子「ぐえっ、く、くるしっ……首、首入ってる……」
メリー「早く教えないともーっと酷い目にあーうーわーよー?」
花子「だ、だずげでぇ……」
メリー「ん?」
巫女「ん?」
巫女「おや、なんかキョロキョロし始めたなメリー」
巫女「……まさかばれた?」
向かいの喫茶店
花子「ぁぅ……っ……」
メリー「この匂い……あの人のだ、あっちから匂う!」
巫女「うわこっち見た、やべっ……代金ここに置いておきますね~」
花子「うわっ!? げほっ、ごほっ……」
メリー「待ちなさーい!」
巫女「うわ本当に嗅ぎつけやがった、なんで!?」
花子「な……何だったの……ごほっ」
大通り
メリー「待てぇぇぇぇぇぇ!!」
巫女「あー本当しつこいなーもー!」
メリー「もう逃がさないわよ!!」
巫女「くぅ~、巫女さん流石にヘトヘト!」
メリー「ならおとなしく捕まりなさいよ!!!」
巫女「やーなこったー!」
メリー「もぉぉぉぉぉぉ!!!!」
三時間後
巫女「そ、そろそろマジで追いかけっこやめてくれると……ぜぇ……巫女さん嬉しいなぁ……はぁ、はぁ……」
メリー「はぁ、はぁ……み、巫女こそ……ふう、はぁ……早く諦めてよ……げほっ」
巫女「ふ、フルマラソンより……キツい……げぼっ、はぁ、はぁ」
メリー「あ、足が……はぁ、はぁ……」
巫女「ひぃ……ひぃ……ん?」
メリー「あ……よ、ようやく諦めたのね……はぁ、はぁ」
巫女「待ったメリー、声出さないでそこの林に隠れるわよ」
メリー「な、なんで……急に元気に……はぁ、げほっげほっ……」
巫女「あれ見なさいアレ」
花子「…………」
口裂け女「あはは……なんか小っ恥ずかしいな、こう言うの」
花子「あ、あの……口裂け女さん!」
口裂け女「な、何?」
花子「僕……僕っ……!」
メリー「な、何よ……はぁ、はぁ……あれ、さっきの巫女の匂いした人じゃん……」
巫女「匂いって何だ匂いって、犬かよ」
メリー「ど、どうでも良いでしょ……って、何か様子が……」
花子「貴女が好きになっちゃいました!」
メリー「えええええええええっっ!?」
メリー「え、何あれ告白!?」
巫女「しっ、気付かれるから……やだ超面白い展開」
メリー「あれ、もしかして巫女さんの……」
巫女「ご名答です☆」
メリー「どんだけ妖怪の生活掻き乱してんのさ」
巫女「良かったじゃないレズ友出来て」
メリー「いや胸倉掴んじゃったし、と言うか何してんの貴女本当に」
巫女「ほらほら見てなさい見てなさい、あれきっと今夜はラブラブよ」
メリー「この人怖い」
花子「好きです口裂け女さん、大好きなんです!」
巫女「いやー愛の告白って面白いわね本当」
メリー「私的にはアリだけどなんかこの人のやってる事と言動が解せない」
巫女「……ん?」
メリー「どうしたのさ」
巫女「いや、何か強い妖力と言うか、旧世代妖怪のような……何だろう嫌な予感が」
メリー「まっさか、旧世代妖怪ってあんまり現世に来ないし……と言うか一昨日の事まだ終わって無いんだけど」
巫女「いやいや、そんなのマジでどうでも良いから……あ、この感覚まさか……」
メリー「ちょっと無視しない……」
閻魔「そこのお二人!!」
花子「……へ?」
口裂け女「……は?」
メリー「……え?」
巫女「……」
巫女「あ、これ私じゃどうにもならなくなったわ」
続く
暇潰しでした、次回もまたいつか何処かで
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません