口裂け女「閻魔様に会いに来た」 (41)

巫女「口裂け女がやって来た」
巫女「口裂け女がやってきた」 - SSまとめ速報
(http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1419131553/)

巫女「花子さんに会いに来た」

の続編です

口裂け女「地獄行きの護符を貰ってもうすぐ六時間……」

口裂け女「まさか電車だとは思わなかった」

口裂け女「しかも汽車、売店には普段見かけないお菓子ばっかり……何これハリーポッター?」

次は~地獄~、地獄~でございます

口裂け女「やっと着くのね……」








ご乗車~ありがとうございました~

口裂け女「へぇー、ここが地獄かぁ……なんか思ってたのと違うなぁ」

口裂け女「もっとこう、おどろおどろしい感じかと思ったけど、暗いのと最近見ない藁作りの家が多い以外は現世と変わりなさそう」

口裂け女「……と思ったらなんかビルあるんだけど、何あれ」

餓鬼「おんや、見ない顔だ。と言うかマスクとコートってここじゃ暑くないのかい?」

口裂け女「へっ!? あ、あぁ……私寒がりなんですよ~」

口裂け女(だ、誰この妖怪!?)

餓鬼「まるで雪女みてぇだなぁ。あんの小娘、薄着の癖に寒い寒いうるせぇんだ」

口裂け女「へ、へぇ~……へっ!?」

餓鬼「な、なんだぁ急に。驚くっぺよ!」

口裂け女(雪女って……昔から居る妖怪じゃない、つまりこの妖怪も凄い妖怪…!?)

餓鬼「どうしたんだべ」

口裂け女「あ、あのっ、私地獄って始めてで……貴方はいったい……?」

餓鬼「あぁ、俺っちは『餓鬼』って妖怪よ。まぁ妖怪と区分して良いかは微妙なんだけっどな」

口裂け女「餓鬼……聞いたことあります、確か何も食べれないし飲めないし、おまけに食べようとするとそれが燃えるとか……」

餓鬼「んだ、でも俺っちはちぃーっと違う餓鬼なんだ。多財餓鬼って言ってな、飲み食いするのは普通に出来るんだ」

口裂け女「へぇ~……」

餓鬼「だけども満たされる事はねぇんだ、そういう存在なのさ俺達餓鬼ってのは」

口裂け女「な、なんかごめんなさい……あまり聞かれたく無かったですか?」

餓鬼「いんや、最近は護符っちゅーのが沢山出回ってて、餓鬼達もみぃーんな満足してるっぺ。食いもん食えるし飲みもん飲めるし。ずっと前に変な巫女さんが来てそれを配ってたんだぁ」

口裂け女「あの巫女何やってんの本当」

餓鬼「知らん、でも人を喰らう事が少なくなったのは事実だぁ」

口裂け女「便利アイテム過ぎるでしょ護符って、何なの四次元ポケットより便利かもしれないじゃん……」

餓鬼「んで、お前さんはなんで地獄何かに来たんだぁ?」

口裂け女「あ、あぁ。閻魔様に会おうと思いまして……」

餓鬼「閻魔様かぁ、あそこの『びるぢんぐ』って建物の最上階に居るべ」

口裂け女「あー……やっぱそうなんですね、薄々思ってたけどやっぱあれ閻魔様の居る法廷なんだ……近代的過ぎると言うか、ほぼ現世の法廷と同じよね……家庭裁判所って確かあんな感じよね……」

餓鬼「俺っちは現世の世界を見たことねぇから分からんけど、あんな物が沢山あるんか。すげぇなぁ」

口裂け女「ま、まぁ機会があれば現世に遊びに来ると良いんじゃ無いですかね?」

餓鬼「んだな、美味いもんでも食いに行くべ。そんじゃ、俺っちはこれから仲間達とゴルフしに行くからまた会ったら話でもすっべ」

口裂け女「ゴルフ!?」

餓鬼「最近閻魔様が暇だから言うて現世の遊び場を増やしてくれてんだ、巫女さんも何か手伝ったらしいけんどな。お陰で色々増えて来てるべ。後で遊びに行くとええ。じゃあなぁ」

口裂け女「ちょ、ちょっと!……行っちゃった……」

口裂け女「……何だろう、このモヤモヤ感。地獄って何だったっけ」

口裂け女「と言うか、あの巫女地獄をどうするつもりなのさ……」




















巫女「呼ばれた気がした」

口裂け女「ひゃあぁ!」

巫女「何よそんなに驚いて、年頃の女の子でもそんな声出さないわよ」

口裂け女「いやいやいや、なんでここに居るって言うか、えぇ!?」

巫女「フゥーハハハァ、巫女さんには超特急地獄行き専用切符があるのです。これ使うと何と30分で地獄までこれちゃいます」

口裂け女「おい」

巫女「いやー久々の地獄は息苦しいわねー、そろそろ人工太陽でも取り付けて見るぅ?」

口裂け女「待てやアホ巫女、なんでそれ最初から渡さなかった?」

巫女「いやね、これ私専用。管理者特権なのよ。アンタに渡しても使えないの、一般の妖怪は六時間待たないとならないの。私はプレミアム、アンタは一般会員って所ね」

口裂け女「口裂きますよ?」

巫女「やーれるもんならやってみなー、そんで閻魔様に会う段取りは付いたの?」

口裂け女「まだ着いて30分経ってませんから、六時間汽車に揺られてたから!」

巫女「でもあの汽車楽しいでしょ、お菓子の販売してるし。まるでハリーポッ」

口裂け女「それさっき言ったから、もう私が体験して言ったから」

巫女「あら残念。それじゃあとりあえず法廷行きましょうか」

口裂け女「ちょ、ちょっと。なんで貴女がここに居るか聞いてないんだけど」

巫女「実はですねー、貴女の同棲相手の花子さんがねー」

口裂け女「ルームシェア!同棲じゃないから!」

巫女「細かい事ぁどうでも良いのよ、似た様なもんだし。まぁその花子さんが、ちょーっと可哀想な立場になってねー。私も閻魔様に用事出来ちゃった、てへっ」

口裂け女「死ね、本気で死ね。私の六時間返せ」

巫女「まぁまぁ、護符とエステ券はちゃんとあげるから許してちょ。さて、閻魔様に会いますか」

口裂け女「いやいやいや、二日ほど掛かるんですよね?」

巫女「普通はね、とりあえずアポだけ取って来ましょう。二時間くらいで会えると思うし」

口裂け女「お前何なんだよぅ……もう旅行カバンに色々詰めちゃったよぉ……」

巫女「あれよ、ほら。ついでに観光して来なさいな」

口裂け女「……帰りは一緒じゃないの?」

巫女「私専用だからこの切符、残念でした!」

口裂け女「……」

巫女「あ、怒らない怒らない。分かったって、なんとかするから。とりあえずそのハサミ仕舞おう、巫女さんの綺麗なお顔がパックリ裂けるのはビジュアル的にNGだから」

口裂け女「煩い死ねっ!」























巫女「と、言う訳で閻魔ビルディングなう」

口裂け女「痛い……身体中が痛い……この巫女強い、もうやだぁ……」

巫女「お尻ぺんぺん程度で喚かないの、すんませーん、管理者の巫女ですー」

口裂け女「護符で動き止めてコブラツイストしてきてお尻ぺんぺん程度とか、何この餓狼伝」

巫女「虎王使わなかっただけマシよ、マシ」

口裂け女「使えるの!?」

巫女「まさか、バトル漫画じゃあるまいし」

スネカ「ようこそ、閻魔ビルディングへ。ご用件は何でしょうか」

巫女「管理者の巫女です、突然ですが閻魔様にお会いしたいんですけど」

スネカ「あぁ! 巫女様ですか。お久しぶりです。アポはお取りで?」

巫女「今アポ取りたいんだけど、どう?」

口裂け女「ね、ねぇちょっと……」

スネカ「いくら巫女様でも突然は……少々お待ちください」

口裂け女「ねぇってば……」

巫女「何よ裂け女」

口裂け女「口付けて、せめて口付けて。なんか違う妖怪になるからそれ。あ、あの妖怪何なんですか……犬っぽい……鬼のお面?」

巫女「なまはげ知ってる?」

口裂け女「え、えぇ」

巫女「それの一種で『スネカ』って言うの。岩手の妖怪だったかしら、怠けてる人の脛を削ぎ落とすのよ」

口裂け女「痛い!」

巫女「お前が言うな。あのスネカ、ああ見えて美人だから」

口裂け女「じょ、女性!?」

巫女「それでねー、脛を削ぎ落とすのが痛そうで無理ってなったから閻魔様に頼んでここの受付嬢にしてあげた訳。ああ見えて凄い有能よ、地獄じゃミス妖怪に選ばれたレベルだし」

口裂け女「どこから突っ込めば良いんだろう、頭痛いや」

巫女「頭痛薬飲む?」

口裂け女「違うそうじゃない」

スネカ「お待たせ致しました。閻魔様も今はお忙しくて……四時間後なら大丈夫と仰って居ますが」

巫女「んじゃお願い、さぁ行くわよ口裂け女」

口裂け女「えっ、四時間って、ちょちょちょ、私十時間も休めないの!?」

巫女「ばーか、これからお茶して食事でもするのよ。その後は……まぁ適当に」

口裂け女「……ここって地獄だよね?」









~地獄喫茶・大ning天狗~

巫女「えーっと……じゃあ化蟹の地獄風パスタ」

口裂け女「待って」

巫女「んで、こっちには……まぁ同じので良いや。それから食後に緑茶とコーヒーお願いします」

大天狗「分かりました~」

口裂け女「待てや巫女、化蟹って妖怪だよね、つーか大天狗!?」

巫女「ダイニングと大天狗を掛けてる洒落た店よ、地獄でも一番美味しいパスタとコーヒー出してくれるわ」

口裂け女「ギャグ!?」

巫女「あと、化蟹って表記してるけど実際はワタリガニだし。現世から直輸入」

口裂け女「何その地獄に合わせてみましたみたいなネーミング」

巫女「私の案です☆」

口裂け女「本当、何やってんのさ……」

巫女「まぁその辺はおいおい話してあげるかもね。所でパスタ頼んじゃったけどアンタ食べられるの?」

口裂け女「食べれますから!」

巫女「クチャラー?」

口裂け女「違います! 食事の時は妖力使って口の裂け目閉じてます!」

巫女「なんだつまんない。でも妖力消費して疲れるでしょ」

口裂け女「ですねぇ、だから護符が早く欲しいんですよ……あの人に話しかけられないし」

巫女「でた、恋バナ。死ね」

口裂け女「そっちこそ死ね。でいつくれるんです?」

巫女「ストック無かったから明後日まで待ってて、巫女さん久々に頑張るから」

口裂け女「え、自作なんですか!?」

巫女「言わなかったっけ、私の妖力消費して護符に注いでんのよ」

口裂け女「……もしかして良い人?」

巫女「さぁ、どうでも良いわ。っと……パスタ来たわよ、暖かい内に食べちゃいましょ?」

大天狗「お待たせしました~、化蟹の地獄風パスタです」

口裂け女(なんで毎回はぐらかすんだろう、この人)


























巫女「はぁ、食後のコーヒーは美味しいわ」

口裂け女「違うよねこれ、貴女が緑茶のパターンだよね普通」

巫女「巫女に緑茶とか在り来たり過ぎて笑えないわ」

口裂け女「いやなんで私に緑茶頼んだし、コーヒー飲みたいし」

巫女「うっせ、奢ってやるから我慢しろ」

口裂け女「理不尽」

巫女「あー……ここのコーヒー美味しいわー、めっちゃ美味しいわー」

口裂け女「すいませーん、私もコーヒー追加で」

巫女「あ、なんかリアクション取られなかった。面白くない」

口裂け女「もう慣れました」

数時間後

巫女「さぁて、もうそろそろ時間かしら」

口裂け女「食事に映画にショッピング……もうなんかここ現世だ」

巫女「娯楽は大切よ、ついでに良い買い物出来たし」

口裂け女「何ですかそれ、その刀。物騒過ぎる」

巫女「えへへ~、欲しかったのよね~布都御魂剣」

口裂け女「本物!?」

巫女「レプリカだけどね。今度のお祭りで必要なのよコレ」

口裂け女「なんだレプリカか……って、それなら現世で買っても良いんじゃ?」

巫女「こっちのが物価は安いのよ」

口裂け女「へぇ~、でもこれから閻魔様に会うのに良いんですかそんな物持って」

巫女「大丈夫、あの人こう言うの好きだし。オンラインゲームでも刀ばっかり使ってるし」

口裂け女「そういや廃人達だったの忘れてた」

巫女「だから私はエンジョイ勢。ほら、行くわよ」

口裂け女「ま、待って下さいよ!」

~閻魔ビルディング最上階~

巫女「おっひさー閻魔」

口裂け女「軽い!」

閻魔「おー、おひさー巫女っち」

口裂け女「こっちも軽かった!?」

閻魔「誰だそいつ、彼女?」

巫女「残念、ただの連れよ」

口裂け女「待って、本当、これが閻魔様って……えぇ~……」

閻魔「うわ君厚着じゃん、寒いの?」

巫女「この子は口裂け女、口がこーんな裂けてるの」

閻魔「マジ? 見せて見せて」

口裂け女「え、ちょ、やめっ……マスクはっ……!」

閻魔「うわすっご、すっごい。こんな裂けてるとかびっくりしたわ。ちょいドン引き」

口裂け女「もうやだこいつら」

巫女「こら、閻魔様の前でそんな事言うんじゃありませうわ口すっごい裂けてる、ドン引き」

口裂け女「お前は知ってるだろこの野郎」

巫女「冗談冗談。改めて紹介するけど、この人が閻魔様。オンラインゲーム廃人の王」

閻魔「なんか酷い紹介された、閻魔様しょんぼり」

口裂け女「うわぁもうめんどくさい感じの巫女が二人になった気分、地獄大丈夫なのこれ?」

閻魔「失礼な、これでも仕事ちゃんとしてるから。今日も数十人の魂と妖怪を裁いたばっかりでクタクタなの。今はオフライン、ゲームはオンラインだけど」

巫女「またレア掘りしてんの?」

閻魔「全然出ないわ、何このクソゲー」

口裂け女「私の中の閻魔様が壊れていく」

巫女「どうせ明後日のアプデでまたレア増えるから我慢しなさい」

閻魔「ちぇっ」

口裂け女「あのー、そろそろ本題に……」

閻魔「え、何? 雑談しにきたんじゃないの?」

巫女「残念ながら今日は管理者として来ましたー、はっはー」

閻魔「ちくしょぉぉ、また仕事かよぉぉぉ!」

口裂け女「あはははは」

巫女「あ、口裂け女が壊れた」

閻魔「壊れたら、叩いて直せ、ホトトギス」

巫女「どーん」

口裂け女「痛いっ!」

巫女「はい元通り、んじゃ早速お仕事しましょ、そうしましょ」

閻魔「しゃーないなぁ、やりましょやりましょそうしましょ、ってね」

口裂け女「頭痛が痛い」
















巫女「……で、こちらがルームシェアの許可申請、そちらは花子さんの職場変更、書類不備は無いだろうけど確認お願いします」

閻魔「あぁ。で、これが居住許可申請の更新手続きだな。それはすぐにハンコ押してやる、残りはちょいと目を通すのに時間かかるな……」

口裂け女「……真面目に仕事しててなんか変な気分」

巫女「それからこれ、今月の妖怪居住リスト。そして……無許可の妖怪が数体、私の管轄内に潜んでるらしいですが」

閻魔「その処置は管理者のお前に任せよう、出来ればリストにして渡してくれ」

巫女「分かりました、排除許可は?」

閻魔「必要ならば、ただしなるべく穏便に済ませてくれ。私とて常世の住人を封印されるのは心苦しい」

巫女「無論、分かっております。こちらとしてもあまり大袈裟にしたくないですから、しかし……」

閻魔「被害が大きくなる前に手を打ちたい、と」

巫女「……はい」

口裂け女「……」

口裂け女(あれ、この二人ってこんなキャラだっけ……)

閻魔「お前は先手を打ち過ぎる、何事も順序が必要だ」

巫女「しかし閻魔様、私は……」

閻魔「分かっている、お前だからこそ……いや、昔の話はよしておこう。今のお前は昔とは違う、そうだな?」

巫女「……はい」

閻魔「……まずはリスト化してくれ、大きな被害が出たならば排除もやむ負えん。あくまで我々は平等な立場だ、忘れるな」

巫女「十二分に分かっております」

閻魔「……その目、昔のお前に似ているぞ、巫女」

巫女「……恐れ多いです」

口裂け女(え、何これ……どういうこと……?)

閻魔「過ぎた事を忘れろとは言わぬ、だが管理者たる者……」

巫女「人と妖怪を紡ぐ架け橋であり、我々は平等な立場で物事を見据えよ。そこに私情を挟む者は管理者では無く……」

閻魔「……ただの化物だ」

巫女「存じております」

閻魔「……兎に角、排除するかはまだ判断するべきでは無い。心せよ管理者の巫女、私の目が黒い内は殺戮などさせん。無論、妖怪に対しても同じ要求をしていこう」

巫女「ええ、そうですね……」

閻魔「……」


























閻魔「んじゃ、これ書類のハンコ全部押しといたから確認お願いね」

巫女「はいはいっと」

口裂け女「ええええええええ!?」

巫女「何よ、びっくりした」

閻魔「突然大声出すとか怖いわー、最近の妖怪怖いわー」

口裂け女「何さっきのシリアス!? 何この変わり身の速さ!?」

巫女「そりゃ仕事の時は真面目になるから、私巫女だし」

口裂け女「関係ねぇぇぇぇぇ!!」

閻魔「あ、やばい緊急クエスト始まった」

口裂け女「お前はゲームから離れろよぉぉぉ!!!」

巫女「うっさいわねぇ、終わったし帰るわよ口裂け女」

閻魔「あー巫女っち、今晩インして久々に遊ぼうよ」

巫女「良いわよ、私のキャラの衣装超似合うのゲットしたし」

閻魔「うわ超見たい、ヨダレ垂れてきた」

口裂け女「色々納得出来ないっ!!」

巫女「んじゃ、また今夜ね閻魔。あと管理者特権の超特急現世行き切符二枚ちょうだいよ、この子も連れて帰るから」

閻魔「んー、そこにあるから勝手に持って行って良いよ。おっ、ボスキター!」

口裂け女「何なのよこれえぇぇえ!!」























閻魔「……あいつ、まだ昔の事を忘れられないか」

閻魔「最近はあんな目、見なかったんだがな……」

閻魔「やはり、奴が原因か……」

閻魔「最大限の配慮はしてやる、お前の為にも、我々常世の者の為にも……人の世の為にも」

閻魔「しかし忘れるな、巫女」

閻魔「……我々はあくまで、管理者だ」


















巫女「あー疲れたー、早くお風呂入りたいわー」

口裂け女「納得出来ない、何なのこの人達」

巫女「いつまでぶつくさ言ってんのよ、口裂けてるくせにおちょぼ口とか笑えるわ」

口裂け女「してませんし口裂けてるは余計です!」

巫女「おこ?」

口裂け女「おこ! おこです!」

巫女「きゃーこわーい」

口裂け女「……さっきの話は何なんですか、巫女さん」

巫女「何の事?」

口裂け女「とぼけないで下さい、管理者がどうとか、昔の貴女がどうとか!」

巫女「……」

口裂け女「……」

巫女「……忘れなさい」

口裂け女「っ!」

巫女「アレはあくまで『本来あるべきでは無い管理者の姿』であり、今ここにいる『管理者』とは別の存在よ」

口裂け女「……言ってる意味が分かりません」

巫女「世界は一つとは限らない、表があれば裏がある。現世の裏には常世があり、光があれば闇もある」

巫女「そして、私にも……」

口裂け女「……」

巫女「オンラインゲームでの可愛いロリ娘と言う本来の姿が……」

口裂け女「はぐらかすなぁぁぁ!!」

巫女「あーうっさいうっさい、今日は夜に閻魔とオンラインゲームしないとならないから少し寝かせてよ。気も聞かないのね」

口裂け女「だったらちゃんと説明……っ……?」

口裂け女「あ、あれ……なんか眠く……」

巫女「忘れなさい、さっきの事は」

口裂け女「み、巫女……さん……っ……」

口裂け女「…………」

口裂け女「……すぅ、すぅ……」

巫女「……」

巫女「あーあ、やんなっちゃうなー」

巫女「どうも無許可の妖怪って聞くと、昔の事を思い出しちゃうわー」

巫女「あー辛いわー、辛いわー」

巫女「……忘れられるもんか」






















口裂け女「……はっ!?」

巫女「あらお目覚め?」

口裂け女「あれ、ここは……?」

巫女「グッモーニン、私の神社よ」

口裂け女「あれぇ……確か閻魔様に会って、それから……」

巫女「あんた眠くなってソファーで寝てたじゃない、その後おぶさって汽車まで連れてきた私を崇め奉りなさい?」

口裂け女「ね、寝てました私!?」

巫女「そりゃもうぐっすり、ここまで連れてくるの辛かったわー、あー肩凝ったわー」

口裂け女「ご、ごめんなさい……」

巫女「別に良いわよ、それより明後日に花子さんがアンタの家に行くの忘れないでね」

口裂け女「あ、はい……疲れてたのかなぁ」

巫女「今日はゆっくり休みなさいよ、また今度ね?」

口裂け女「はい、おやすみなさい……」

口裂け女(なーんか忘れてる気が……まぁ良いか)




















巫女「……あんま使いたく無かったけど、記憶封じの護符使っちゃったなぁ」

巫女「今度何か食べさせてあげよう、悪い事したわ」

巫女「さ、閻魔とオンラインゲームしないと」

巫女「……」

巫女「……私は管理者、そう。管理者だ」

巫女「何事にも平等に、対等な立場で物事を見据えよ……」

巫女「……うん、大丈夫。平気だわ」

巫女「さ、明後日は口裂け女と花子さんに会わなくちゃ」

巫女「ルームシェアの立会いしないとね……」



暇つぶしでした、またどこかで

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