【艦これ】磯波「防諜ですか?」提督「防諜です」 (1000)


私、駆逐艦磯波は新たな鎮守府に配置されました。
でもここ……こじんまりとしてて、どう見ても事務所なんですよね。海に面してすらいません。


磯波「ふぅ~……」

磯波(よーし、入るぞ……)

ガチャ

磯波「うへっ!」

「あら、失礼。お嬢さん何か御用ですかな」

磯波「あ、あの、私ここに配属される磯波と申します」

「あらそう、私が提督です。来たばかりで悪いけど私服に着替えてくれませんかな」

磯波「えっ?」


これが、私と司令官の最初の出会いでした。


※掛け持ちになるから更新速度は遅めかも
※ちょい磯波がキャラ崩壊気味だけど許してちゃぶ台

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磯波「あの、司令官……」

提督「なんです」

磯波「司令官は本当に提督なんですか……?」

提督「そうですよ。いやちょっと違うがね、艦娘に対する指揮権はあります」

磯波「はあ……」

提督「ちょっと、あれをご覧なさい」

磯波「はい?」


ワイワイ

「安いよ安いよー!」

「こんなご時勢だから儲け度外視で売っちゃうんだから!」

「もってけ泥棒!」


磯波「スーパーマーケットですか?」


提督「ええ、あそこはこの状況の中大安売り。といっても平時よりちょっと高いですが。しかし潰れない」

磯波「たくさんの人が買っているんでしょうか」

提督「もちろんそれもあります。しかしそれだけではありません。この写真を」

磯波「えっ、港で深海棲艦が荷揚げを……?」

提督「そうです、そしてこの箱に見えるステッカー、『深海商店』というものですが、あのスーパーの名前です」

磯波「ということは、あれは深海棲艦の……」

提督「その通り、連中は経済的に攻勢に出た、というわけです。近隣のスーパーやコンビニは閑散としている」

磯波「でもそれって、取り締まる事なんて……」


提督「そう、できないんですよ。仮に取り締まったとして、ここの住民たちはどこで買い物をすればいいんでしょうか」

磯波「難しい問題ですね……」

提督「しかし、問題はそこではありません。戦場で優位に立てば時間が解決します」

磯波「というと?」

提督「あそこは連中の拠点、諜報活動の資金源となっているのです」

磯波「諜報?」

提督「そう、何も火薬を使ってドンパチ花火を上げるだけが戦争ではありませんから」

磯波「でもどうすれば」

提督「それを今から考えるのです。さ、戻りましょう」



執務室

提督「さて、挨拶がまだだったね。私は広川中佐」

磯波「は、はい、磯波と申します」

提督「では磯波、これから君が助手としてここで働いてくれるんですね」

磯波「はあ、助手、ですか?秘書艦ではなくて?」

提督「そう助手です。海に出るわけではない」

磯波「でも艦娘ですけど」

提督「いやそこは艦娘でなくてはなりません。深海棲艦に立ち向かうならば艦娘はなくてはならない存在ですよ」

磯波「それはそうですけど、他には誰もいないんですか?」

提督「……情けない話、海軍は防諜には興味がないらしくって、無いんですよお金が」


磯波「へぇ?」

提督「ですから、こんなこぢんまりとした事務所を鎮守府と呼んでいるわけで、艦娘もひとりしか雇えないわけです」

磯波「は、はぁ」

磯波(えらいところに来ちゃったなぁ……)

提督「そろそろ晩御飯の時間ですね、そうですね、来たお祝いということで外食にしましょうか」

磯波「あの、お金無いんじゃ……」

提督「ご心配なく、給料自体はきちんともらってますから」



高級レストラン

提督「ま、それなりのね」

磯波「こんなところ来たの初めてです」ワクワク

提督「たまには贅沢も必要です。2人」

「かしこまりました」

提督「む」

磯波「どうしました?」

提督「あちらを」

磯波「ん?」


「いや、どうもお世話になります」

「いえいえ、このご時勢ですから!ご安心を、安いからといって粗末な食材はお出しいたしません!」

「また使わせていただきます」

「ありがとうございます、『深海商店』のまたのご利用を!」


提督「連中、こんなところまで」

磯波「悪いことなんでしょうか……」

提督「胃袋を敵に握られていい事なんかあるはずがありませんよ」

磯波「じゃあ、お食事は……」

提督「……ま、今日のところは致し方ありません、握らせておきましょう」

磯波「は、はい、いいのかな……」



執務室

提督「まさかトマトが入ってるとは……磯波が食べてくれなければ恥をかくところでした」

磯波(いや十分恥ずかしいと思います……)

提督「そう言えば、この事務所にお風呂はありますが、ベッドは一つしかありません」

磯波「へぇ……ええ!?」

提督「お風呂先どうぞ」

磯波「は、はいぃ……」

ガチャバタン

提督「ふうむ……」

提督(連中はアレを資金源に活動を広げるだろう……しかしまだ動きを見せてはいない)

提督「ま、悩んでも仕方ないか。相手の出方を見ることにしよう」




磯波(よかったお風呂は普通で。でもあの洗濯物……)

ドッサリ

磯波(どうするんだろう、あれ……)

提督「では私も入らせていただくとしましょう」

磯波「どうぞ……」

磯波(待ってる間暇だな……そうだ、今のうちに叢雲ちゃんに電話してみよう)テチテチ

プルルルルル

『はい』


磯波「叢雲ちゃん?新しい鎮守府に着いたよ!」

叢雲『お!どんな感じ?深雪たちとその話で持ちきりでさぁ』

磯波「それが変なの、艦娘も私一人で、何やら諜報活動をするらしくて……」

叢雲『怪しいわね……なんか騙されてるんじゃない?気をつけなさいよ、あんた気が弱いんだから』

磯波「それは……うん」

叢雲『でさ、司令官どうよ?かっこいい?』

磯波「まあ……顔はそこそこかな。叢雲ちゃんの好みのタイプじゃないと思う」

叢雲『残念ねぇー』


磯波「それで、トマトが嫌いなの」

叢雲『何よそのすっごいどーでもいい情報!まあ元気そうで何よりだわ』

磯波「うん、なんとか頑張ってみるから、心配しないで」

叢雲『わかったわ。頑張ってね』

磯波「おやすみなさい、叢雲ちゃん」

叢雲『おやすみ、磯波』

ツー、ツー

提督「ふーサッパリした」


磯波「きゃっ!?なんで裸なんですか!?」

提督「いやパンツ履いてますけど」

磯波「パンツしか履いてないじゃないですか!!」

提督「別に恥ずかしがることじゃ」

磯波「デリカシーって知ってますか!?」

提督「なんなのそりゃ」

磯波「ったく、もぉ~!」プンスカ



寝室

磯波「そういえば一つしか無いって言ってましたね……」

提督「そうですよ」

磯波「私、ソファで……」

提督「布団も一つしかありませんよ」

磯波「えっ」

提督「お金がね、無いんですよ」

磯波(よりによってそこ削る?自分から艦娘呼んでおいて)

提督「このクソ寒い中布団無しじゃ厳しいでしょうから」

磯波「い、一緒の布団で……?」

提督「何か問題でも?」

磯波「何かって……」


提督「さあ、明日も仕事ですからポフン

磯波「……」

提督「どうしました?」

磯波「……はぁ」ポフン

モゾモゾ

提督「おやすみなさい、磯波」

磯波「……おやすみ、なさい」

磯波(ああ、ごめん叢雲ちゃん。私はもう……)

提督「すー…すー…」zzz

磯波「……」

磯波(なんでだろう、腑に落ちない)

どうにも、仕事ばかりの提督みたいです……。


そんな港町もすっかり寝静まった頃。
この事務所近隣の鎮守府では……。


雪風「そんなー!また負けましたー!」

初霜「ふふ、私の実力も中々でしょう?」

霞「いい加減に寝ましょうよ二人とも」

雪風「いや、もう一戦です!」

ワイワイ


「……ふふふ、獲物が雁首揃えて待っておるわ。よし、行ってこい」

「あ、はい、がんばりますぅ」

「それじゃ、ウチラも準備に取り掛かるっすよ」

「お前その話し方なんとかならんのか」



雪風「また!なんでなんでぇ!」

初霜「私の方が運がよかったみたいですね」

雪風「勝つまでやりますっ!」

霞「ふわぁ~あ、まあいいか。明日も休みだから」

コンコン

雪風「あ!」

初霜「ど、どうぞ」

ガチャ

隣提督「みんな、まだ起きてるのかね」


霞「あ……その……」

隣提督「ふふ、別に怒ってはいないよ。明日は君たちはお休みだからね」

雪風「はい!」

隣提督「実はだな、みんなには内緒だぞ?ちょっとしたおやつを持って来た。みんなで食べなさい」スッ

雪風「わぁ!まんじゅう!」

初霜「い、いいんですか?」

隣提督「お前たちにはいつもがんばってもらってるからな。本当に内緒だぞ?」

雪風「ありがとうございます!」

隣提督「うむ、まあ疲れたら寝なさい。おやすみ」

霞「おやすみなさい……」


雪風「いただきまーす!」パクッ

初霜「美味しそう」パクッ

霞「せっかくだから、私も食べよっと」パクッ

雪風「美味しいです!でもなんか……」

初霜「なんだか、急に眠く……」バタッ

霞「ふわぁ~~……」バタッ

雪風「ううん……」バタッ

「……」ニヤリ


一体、どうなってしまうのでしょうか。
次回に続きます...

雑談スレでの流れは掛け持ちになるから背中押して欲しかっただけなんだ、許してくれ。

あ、みんなアイデアとかあったらどんどん書き込んでね


翌日の朝、案外グッスリと眠れるものです。こうまで意識されないと、ですけど。

磯波「ん……朝……」

提督「おはよう磯波、よく眠れましたか?」

磯波「はい、おかげさまで……」

提督「早速ですが仕事ですよ」

磯波「え、えぇ?」

提督「隣にも鎮守府があったでしょう。そこでなんと駆逐艦が行方不明だと」

磯波「ゆ、行方不明、ですか……?」


提督「そうです、なんでもエース駆逐艦、雪風、初霜、霞の三名が朝になると姿を消していたと」

磯波「どこかに、出かけたとかは……」

提督「それは考えられない、と依頼者は言っています」

磯波「無事だと、いいんですが」

提督「あ、朝ごはんなら戸棚にカップ麺があるからそれをどうぞ」

磯波「……朝からカップ麺。あの、パンとかはないんですか?」

提督「パン焼いちゃうと焦がしちゃうんで、置いてません」

磯波「そう、ですか……」


お隣鎮守府

ザワザワ

隣提督「な、なあ、頼むよ、彼女たちがいないと艦隊が成り立たないんだ」

提督「落ち着いてください雨森中将。それを今から調査するわけです」

榛名「お願いです、三人を必ず……」

提督「任せてください」

磯波「……」

提督「いくつか質問させてください、昨日の夜、部屋に立ち寄ったことは?」

隣提督「いや、入っとらんよ」

榛名「それについては聞き込みはしました。誰も部屋には行ってないそうです」

提督「そうですか。ではお部屋を拝見させていただきますが、よろしいでしょうか」

隣提督「ああ、もちろん見てくれ」


エース駆逐隊部屋

提督「では拝見……」

磯波「……」キョロキョロ

提督「……!これは」

磯波「なにか見つけました?……お菓子のかすじゃないですか」

提督「ええ、ただのお菓子のかすです。ではゴミ箱をご覧なさい」

磯波「ゴミ箱……空ですね」

提督「変だとは思いませんか?」

磯波「ゴミも出ないお菓子だなんて」

提督「ええ、滅多とありません。それにかすを見たところ饅頭です」

磯波「饅頭、ですけどそれが?」

提督「饅頭であることはどうでもいいんですが、おそらく睡眠薬を盛られたのでしょう」


磯波「どうして、そう思うんですか?」

提督「ここにいた三人を始末するだけであれば、この場で殺害すれば手っ取り早かったはずです。しかしそれをしなかった」

磯波「つまり、三人を生け捕りに」

提督「その通り」

磯波「でも、誰も部屋には立ち寄ってないと……」

提督「ええそうです。それでは窓を見てみましょう」

磯波「……あ!」

提督「土で汚れています。サッシはこういう汚れ方はしません。足で踏まない限りはね。それに周りは綺麗です」

磯波「じゃあ、犯人は窓から」

提督「その通り、外部の者の仕業でしょう。もっとも、ここの艦娘たちに動機はありませんが。外を見てみましょうか」


ガラッ

磯波「あ!足跡が三つ!」

提督「茂みに続いています……向こうはフェンスですね。乗り越えてきたのでしょう」

磯波「でもこんな足跡を残すなんて」

提督「犯人は相当マヌケのようですね。向かう先はおそらく海岸でしょう」

磯波「どうしてですか?」

提督「海から来るヤツラの仕業だからですよ」


隣鎮守府、執務室

隣提督「それで、つまりは誘拐ということか」

提督「その通りです、残念ながら」

榛名「ゆ、ゆうか…う~ん」クラッ

磯波「は、榛名さん、しっかり」ガシッ

隣提督「榛名、気をしっかり持て」

提督「そして艦娘を誘拐する、さらに言えば誘拐できる、誘拐する目的がある者と言えば」

隣提督「深海棲艦か……だがこんなことは初めて聞くぞ」

提督「ええ、今回が初仕事なんでしょう。そしてまんまと成功した」

隣提督「なんたることだ……」


提督「雨森中将、もしよろしければ、一つ頼み事を聞いてはくれないでしょうか」

隣提督「それはもちろん、全力で協力する」

提督「今からここの港を封鎖して誰も通さないで欲しいのです」

隣提督「誰も?小型ボートでもか?」

提督「ええ、それも民間船、軍籍、入るものも出るものも問わず、です。もちろん艦娘も」

隣提督「ふうむ……まあ背に腹は代えられん。いいだろう」

提督「ではまた、私たちはこれで。磯波」

磯波「はい、お邪魔しました」





提督「……」テチテチ

プルルルルル

磯波「誰に電話してるんですか?」

提督「お友達にね」

『もしもし』

提督「もしもし、あきつ丸。私です」

あきつ丸『おお!広川殿!ふふん、あなたから連絡をくれるとは』

提督「あきつ丸、少し手伝ってもらいたいことがありましてね」

あきつ丸『何でもどうぞ、自分は広川殿のためならなんだって』

提督「そうですか、ではそちらに向かいます」

あきつ丸『いや別に深い意味はないのでありましてこれは言葉の綾といいm』

ピッ

提督「行きましょう」

磯波「は、はあ」



一方、海岸の穴ぐら

「ふふ、うまくいったうまくいった!まさかこんなに簡単に成功するとはな!」

霞「離しなさい!このくそったれの深海棲艦!」

「はっ、ばァかめ。離せと言われて離すやつがどこにいる」

霞「そこに」

「トイレって言ってたんですがぁ」

「二人とも戻って来ないっすね」

「はぁー!?何をやっとるんだ貴様ら!!さっさと連れ戻してこい!!」

「「は、はいぃ!!」」

霞「あんたらは一体?ただの深海棲艦じゃないわね」

「ふっ、冥土の土産に教えてやるわ」


霞「いや結構」

「そう言わずに聞くだけ聞いてよ。私はレ級、名はアルマトイ。Приятно познакомиться」

霞「ロシア語?まあ深海棲艦とやらは多国籍なのね」

レ級「そうでもないさ」

「ええい大人しくしてよぉ!」

初霜「離しなさい!」

レ級「あのどんくさいのがネ級、キャプテン・マユズミ。なんと身長体重臭いまでも思いのまま変装できるのだ、すごいだろう」

ネ級「自己紹介ですかぁ?」

霞「ということは、お菓子を持ってきたのはそいつなのね!汚いったら!!」

ネ級「ご、ごめんなさいぃ…」


レ級「気圧されてどうする……ふ、戦争に卑怯も汚いもあるか!残ったアイツがソ級、058だ」

ソ級「やっと捕まえたっすね」

雪風「ぐぎぎ、離せ!」

霞「自己紹介どうも、これがあんたらにとっての悪夢にならないといいけどね」

レ級「だが今の貴様らにどうすることもできまい。二日後深海本拠地に送られる。それまで楽しみにしているんだな」

霞「ぐっ……」

雪風「しれえ……」




憲兵隊詰所

あきつ丸「な、ななな、なんでありますかその娘っ子はぁ!?」

提督「助手です」

磯波「磯波と申します」

あきつ丸「そんな!ずるい!ずるいであります!」

提督「はぁ?」

磯波「???」

あきつ丸「と、とにかく!ご用というのは!?」

提督「今夜、街の住民に外に出ないよう勧告してもらいたいのです」

あきつ丸「外にでありますか?」


提督「ええ。そして、君の部下たちを率いて街を見張って欲しい」

あきつ丸「それは一体どういう……」

提督「実は、そこの鎮守府で駆逐艦三名が攫われるという事件がありましてね」

あきつ丸「誘拐でありますか!」

提督「ええ、それで街を不用意に歩いてもらっては困るってわけです」

あきつ丸「わかりました、徹底させるであります」

提督「私も一緒に張り込みます」

あきつ丸「そ、それは素晴らしいでありますなァ~」

提督「もちろん磯波も」

磯波「は、はい」

あきつ丸「ガルルルゥ……」

磯波(なにこいつ)

なんだか、対抗意識を持たれたみたいです……。



そうして、夜になりました。
沖合では艦娘たちが封鎖にあたっていて、灯りがキラキラ光ってまるで蛍のようです。


海岸の穴ぐら

レ級「……暇だな」

雪風「お腹すいたぁ……」ギュルル

霞「……」グゥ

初霜「……」クゥ~

レ級「ふうむ……おい、キャップ」

ネ級「はいぃなんでしょぉ」

レ級「お前拠点から飯もらって来い」


ネ級「あぁ!ご飯ですねぇ!皆さんは何がいいですかぁ?」

雪風「おにぎり!」

霞「て、敵に施しを受けるだなんて……」

初霜「むぅ……」

ネ級「心配しないでも皆さんの分も貰ってきますよぉ!」

テテテテー

霞「何なのあの人」

初霜「悪い人じゃないみたいですね……」

レ級「何かわからんが、お人好しなんだよアイツ」


深海商店前


提督「……おや、お出ましのようです」

磯波「でも、見た目は普通の人ですよ」

提督「きっと変装でしょう、街にいたなら普通の人は出歩かないはずです。どんな手かはわかりませんが、あれで部屋にも侵入したようです」

あきつ丸「さあ!引っ捕え」

提督「待ってください、まず泳がせておくんです」

磯波「戻るところを尾行するんですね」

あきつ丸「むぅ……」

提督「さあ、バレないように」


コソコソ

「……」

提督「食べ物を抱えていましたね、食べるのでしょうか」

磯波「そりゃそうでしょう……」

提督「やはり睨んだ通り海岸へ向かっています。あきつ丸」

あきつ丸「はいはい!お呼びでありますか!」

提督「静かに。部下を呼んできてください、突入しましょう」

あきつ丸「は、はあ……ちぇっ、これじゃまるで都合のいい……」トボトボ

磯波(この人は司令官のことが好きなのかな。だとしたら悪いことしちゃってるかも……)

提督「磯波、尾行を続けますよ」

磯波「は、はい」


海岸の穴ぐら


ネ級「もらってきましたよぉ!」

レ級「随分と早かったな」

ネ級「不思議とだーれもいませんでしたからぁ」

レ級「ふうん、私はイクラがいい」

ソ級「ウチにもくれっすよ」

ネ級「もちろんありますよぉ!三人とも、おにぎり、いっぱいあるからどうぞぉ」

雪風「いただきます!」

霞「何も入ってないでしょうね」

ネ級「当たり前ですぅ、私たちも食べるんですからぁ」


初霜「それなら大丈夫そうね、いただきm」

「お待ちなさい」

レ級「何奴!?」

提督「ついに追い詰めましたよ深海棲艦」チャキ

レ級「何だ貴様、雨森ではないが」

霞「……誰だかわかんないけど」

初霜「助けが来たみたいですね」

雪風「もぐもぐむしゃむしゃ」パクパク

磯波「わ、私もいます」ジャキ

提督「私はあなたのような工作員を始末する者です。三人を開放しなさい」


レ級「ふっ、開放しろと言われて開放するヤツがどこにいる!」

提督「そこに」

ネ級「ほらぁ、仲間の元におかえりぃ」

初霜「は、はあ……」

霞「いいのかしら……」

雪風「おにぎり美味しかったです!」

レ級「何やっとんじゃ貴様は!」

ネ級「ひぃ」

提督「さあ、人質は全て返してもらいました。大人しく観念しなさい」

レ級「貴様が今構えている豆鉄砲でそんな脅したぁ見上げた根性だ。効くと思うかそんな銃が」

提督「そうでしょうか、試してみなければ」スッ

レ級「外へ?まさか!」


バシュッ

提督「そう、これは信号弾です」

「突入ぅぅーーーーーっ!!」タッタッタッ

レ級「やばい逃げるぞ!」ダッ

ソ級「そっすね」ダッ

ネ級「ひぃいぃ!」ダッ

あきつ丸「カロ艇部隊、突撃!連中を引っ捕えるであります!!」

「わああああああああ!!!」

レ級「脱出の準備はしてあるんだろうな!」

ソ級「多分大丈夫っすよ、ほらリモコンあるんでどうぞ」

レ級「どうぞじゃない早く起動しろ!」

ソ級「そっすか?」ポチッ

ゴォォォォォォォ

提督「いけません、洞窟が崩れます!」

あきつ丸「退避であります!」

ワーワー!


ゴゴゴゴゴゴ

レ級「今回はしてやられたが次はこうはいかんぞ!」

ネ級「そうだぁ、覚えとけぇ!」

ソ級「そっすね」

提督「驚いた、脱出ロケットですか!しかしロケット……」

磯波「どうやって着陸?するつもりなんでしょうか!?」

レ級「はぁ?ちゃくr」

シュゴォォォォォォ!!

「にゃあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

キラーン☆




提督「星に、なってしまいましたか」

磯波「ですねぇ」

あきつ丸「いや、面白い連中でありました」

ザァァー

磯波「あ、榛名さん!」

榛名「あの、ここで何が起こったんでしょうか……あ!三人とも!」

霞「なんとか、助かったわ」

初霜「ええ、なんか変な感じ」

雪風「眠くなって来ました……」

榛名「はぁ……よ、よかったあああああああ」ポロポロ

霞「な、泣くことないじゃない」


提督「ま、黙って抱きしめてあげなさいって」

磯波「そうですよ」

初霜「ただいま、榛名さん」

雪風「ただいまです!」

霞「ただいま……」

榛名「お゛か゛え゛り゛な゛さ゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛」ビエー

あきつ丸「い、いい話でありますなぁ……」グスグス

提督「無事、一件落着のようですね」

ザァァー

青葉「恐縮です!青葉です!一言お願いします!」

提督「えっ、ちょっ、え、ん、え」

霞「事件とくればすぐ駆けつけるわね」


榛名「そうですよ!読めないんですか!?空気というものが!」

青葉「い、いえ、そりゃ、みなさんが戻ってきて嬉しいですけど、なんというか記者魂が……」

初霜「でもよかった、それでこそ青葉さんだから」

雪風「はい!そうですね!」

青葉「あんまり褒められてる気がしないなぁ……で!取材です!」

提督「なんと言えばよろしいのでしょうか」

青葉「これからの意気込みとかどうぞ!」

提督「んー…なにか不思議なことがあれば我が事務所においでください。必ずや解決してみせます。この私広川と敏腕助手の磯波がね」

磯波「ええっ!?」

青葉「いただきました!記事にさせていただきますよ!」

磯波「適当なこと言わないでください!助手になって二日目ですよ!?」

提督「ま、いいではないですか」


私が事務所に来て、最初の事件でした。
これをきっかけに私たちはレ級アルマトイたちとの壮絶な戦いが始まってしまうんです……いやだなぁ。

次回に続きます...


その日は朝から天気がよくって、気持ちいい朝でした。

磯波「うーーーん、はぁ……」ノビー

提督「すー……すー……」zzz

磯波(……ほんとに何もしないんだよねぇこの人)

磯波「ふう、コーヒーでもないかな……」スタスタ

ガチャガチャ

磯波「あったあった」


コポコポ

磯波「……」ズズ

提督「おはよーございます……」

磯波「おはようございます。コーヒー、飲みます?」

提督「いただきましょう」

コポコポ

磯波「どうぞ」

提督「どうも」ズズ

磯波「……」ズズ

提督「……砂糖どこやったかな」

磯波「ブラック、飲めないんですか……」

提督「ええ、砂糖を入れないコーヒーなんて腐った麦茶です」ポチャン

磯波(この良さがわからないなんて……)



それから司令官は資料とずっとにらめっこしていて、暇で暇で仕方ありませんでした……。
あっという間にお昼になってしまいます。


磯波「司令官」

提督「なんです」

磯波「お昼ですよ、ご飯出来てますけど……」

提督「ほお」

磯波「食べましょう」

提督「そうですね」

カチャカチャ


提督「このレ級、アルマトイと言いますか。コイツだけ正体が掴めません」パクパク

磯波「ええ?」モグモグ

提督「ネ級、キャプテン・マユズミは間違いなくあの“マユズミ”でしょうね。それから…」

磯波「司令官」

提督「なんです」

磯波「食事の時ぐらい、仕事の話はやめてください……」

提督「あら……そう、そうね」

カチャカチャ


磯波「そういえば、街で変な出来事が起こってました」

提督「変な?変な艦これげk」

磯波「それは関係ないです。なんでも、チョコが大量に消えたとか……」

提督「ふうむ……」

磯波「おかしな話ですよね」

提督「磯波、臭いますね」

磯波「えっ?そんな、なにか臭いますかぁ……?」クンクン

提督「いえ、事件の臭いです」


.


どこぞの商店


「そうなんだよ、今朝だぜ?ひどい話だよ全く。でもどうしようもねえよ、いつ盗まれたのか」

提督「そうですか」

磯波「これはやっぱり事件じゃ……」

提督「そう見て間違いないようですね」

磯波「なにか、手がかりはありましたか?」

提督「いえ、さっぱり。店主さん、怪しい人影なんかは見かけませんでしたか」

「いや、見てないねぇ。ただ箱を開けたら空っぽで、昨日には確かにあったんだよ」

提督「ふむ……少し倉庫を調べさせてもらっても?」

「どうぞ、見てくれよ」


倉庫


提督「ふうむ……特に怪しい物は無い、と」

磯波「窓やドアに痕跡はありませんね」

提督「店主さん、朝に変わったことはありませんでしたか?」

「いや…そうだ、確かガラス屋が来たね。何日か前にガラスが割られて。それで……まさか!」

提督「そう、きっとそのまさかでしょう。そのガラス屋の特徴は?」

「あんまりわからないな、情けないことに仕事してたから……まさかガラス屋が盗むなんて思いつきもしなかった」

提督「それじゃあひょっとすると他にガラスを割られたという店はご存知ですか」

「向こうの通りにある店もやられたらしい」

提督「わかりました、ご協力ありがとうございます。磯波!」

磯波「はい!」

タッタッタッタッ


通り


提督「すみません、そこの!」

「はい、なんでしょうか」

提督「ガラス屋は来ましたか?」

「え、ええ、ついさっき」

提督「在庫の確認をしてみてください。それでどちらへ?」

「あのバンですよ、あそこの信号で止まってる」

提督「そうですか!ちょっと車を貸してください!」

「えぇ!?」

提督「磯波」

磯波「ご、ごめんなさい、緊急事態なんです……!」ジャキ

「は、はひぃ!?」



ソ級「いや、らくしょっすねぇ」

レ級「ふふふ、そうだろう」

ネ級「でもぉ、盗みだなんてよくないですよぉ」

レ級「お前この間誘拐しただろうが」

ネ級「ひぃ!私なんてことをぉ!」

レ級「しっかし、北方棲姫様もワガママでかなわんな」

ソ級「チョコが欲しいと駄々こねて大変らしっすよ。嗜好品は正規で手に入らんっすからね、監査が厳しくて……あれ」

レ級「どうした、058」

ソ級「後ろっすね」

レ級「ん?」



ブルルルルルル

提督「さあ、追いつきますよ」

磯波「あわわわわわわわわわわうううううううう」ガクガク


レ級「あんのにっくき若造ども!」

ソ級「ぶっちゃけ自分も若造じゃないっすか?」

ネ級「ほらまた怒られるよぉ、チョコ返しましょうよぉ」

レ級「お前なぁ、上にどやされるのは我が輩なんだぞ。わかったら妨害しろ!」クワッ

ネ級「はいぃ!」

レ級「後ろを開けて砲撃するんだ!」

ガチャ


提督「おや、いけませんね。磯波、身を乗り出して反撃です」

磯波「ええ!?無茶な!」

提督「なあに、なるようになるでしょう。運転なら任せて」

磯波「うう、やだなぁ……」

ウィーン

かくして、街中で前代未聞のカーチェイス砲撃戦が開始されたのです……。


ネ級「あたれぇ!」

ドン!


提督「よっと」

ギャギャギャ

磯波「うわあ!?司令官!」

提督「何言ってるか聞こえませんが、とにかく撃ってください!」

磯波「当たってぇ!」

ドンドン!


ソ級「無駄っすよ!」グリン

キキィーー!

ネ級「ほわぁ!もうやだぁ!」ズコー

レ級「情けないやつだな!代われ代われ!」

ネ級「はいぃ!」

レ級「この我が輩が来たからには、一撃で仕留めてみせる!くらえい!」

ズドン!


提督「危ないっつの!」

ギャギィー

磯波「あわぁ!落ち!落ち!」

提督「いけません磯波!」ガシッ

ズルッ

磯波「!?!?!?!?」

提督「おっと、失礼、可愛いお尻ちゃんが、うん、見えちゃいましたね、ゴホン」

磯波「もうやだぁああああああああああああ!!」ビエー

提督「砲戦は諦めましょうか」

磯波「うぅ……」シクシク

提督「いやね、あのね、しかしね、プリンとして中々魅力的でしたよ」

磯波「フ゛ォ゛ロ゛ー゛に゛な゛っ゛て゛な゛い゛で゛す゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!」


レ級「なんだつまらん、頭を引っ込めたぞ」

バタン

ネ級「はぁ~~……」

ソ級「んーっと、ちょっとやばいっすね」

レ級「今度はなんだ!何がヤバイって言うんだ!」

ソ級「自分の、大口径っすからね。砲撃の衝撃でどっか壊れたっす。制御できんっすね」

レ級「……」

ネ級「……」

ソ級「……」

レ級「すまん!」

ガシャァアン





提督「全く逃げ足の速い連中です。もう姿を消しています」

磯波「ぐす……ひっく……」スンスン

提督「……ほら、これどうぞ」

磯波「これは……チョコレート……」

提督「私からのお詫びです」

磯波「でもこれって……」

提督「足りませんか?」

磯波「お店の物なんじゃ……」

提督「ああ……一個ぐらい貰ってもバレやしませんよ。“バレン”タインデーですからね」

磯波「バレン…ふふっ」クスッ



こうして騒動は終わりました。ちょっと恥ずかしいこともありましたけど……。
とにかく一件落着です。チョコはお店の人たちが回収していきました。
















北方棲姫「バカッ!バカッ!ウンコタレ!カエレ!」ギャーギャー

港湾棲姫「いや、ごめん……ほんとごめん……急に無理言ったこっちが悪かった……」

レ級「ああ、いえ、そうですか」

ネ級「よかったですねぇ怒られなくてぇ!」

レ級「うん、そうね」


次回に続きます...

し、嗜好品だから……
きっとチョコやタバコは手に入りにくいんだよ!

深海商店の立場上、大企業などへの取り寄せや注文はリスクが伴うので、
酒やタバコ、チョコなどの嗜好品や大きな設備の必要な加工品などはあまり置いていない。

あとパンツまでずり落ちた。

こういう感じでお願いします


青葉さんの記事が掲載されてから、仕事の依頼の手紙が来るようになりました。
でも失くしものを探してーとか不倫の調査だーとか、これじゃまるで私立探偵か興信所です。


パサッ

磯波「……また!犬の散歩だなんて、便利屋じゃないんだから」

提督「いや、有名になるのもいい事ばかりではありませんね。有名税ってやつでしょうか」

磯波「それにしたって、ひどいです」

提督「ひどいと言えば、最近宝石店で泥棒が入ったそうですよ、ほら新聞」

磯波「はぁ、『宝石店にて泥棒が侵入、憲兵隊もお手上げ。見つけた者には懸賞金』ですか」

提督「しかしこのご時世に宝石屋なんて儲かるのかね」

磯波「儲かるんでしょうねぇ……」


ピンポーン

提督「おや、お客のようです」

磯波「はーい」

ガチャ

男の子「……」

磯波「あら僕、何かご用?」

男の子「あの、相談したいことがあるんです」

磯波「あら相談……」

提督「おや、これはまた随分と小さなお客さんですね。どうぞお入り」





提督「それで、相談というのは?」

男の子「これ……」スッ

キラリーン

提督「阿賀野……ではなく宝石ですか。でかいなこれしかし」

磯波「どこでこれを手に入れたの?」

男の子「ペットのジローが持ってきちゃったの」

提督「ふむ、ジロー……ワンちゃんかな?」

男の子「うん。近くの空き地で遊んでいたら拾ってきたんだ。誰のかわからないし、もし僕が盗んだなんて言われたらと思ったら……」


磯波「怖く、なっちゃったんだね」

男の子「うん……」

提督「なるほどね」

磯波「司令官、これってきっと」

提督「私もそう思っていました。僕、おじさんたちをその遊んでいた空き地に案内してくれないかな。持ち主を探すのはその後で」

男の子「うん、いいけど…」

提督「それから、ジローくんも連れてきて欲しいんだけど、いいかな」

男の子「いいよ!」


空き地


ブルルルルン…

ガチャ

提督「ここで間違いありませんね」

男の子「そうだよ。な、ジロー!」

ワンワン!

男の子「待ってよジロー!」タッタッタッ

磯波「司令官、よくすんなり受けましたね、深海棲艦絡みでもないのに」

提督「……子供にとって軍施設を訪ねるというのはきっとすごく勇気のいることだと思いましてね」

磯波「そう、ですか……」ニコッ


提督「……なにかおかしいことでも言いましたか?」

磯波「いいえ。さっ、手掛かりを探しましょう」

提督「はあ、そうですね」

ワンワン!

提督「ジローくん、君が宝石を見つけたところを教えてくれないかな」

ハッハッハッハ…

提督「……ダメだこりゃ」

磯波「そりゃ無理ですよ……」



レ級「な、なんでヤツがここにいるんだ!」ヒソヒソ

ソ級「知らねっすよそんなの」ヒソヒソ

レ級「見つけられちゃ大変だぞ、我々の仕業だとバレちまう」

ソ級「でもあのガキが宝石を一個持ってるらしいっすよ」

レ級「それで一個足りなかったのか……このネックレスの一番大事な部分なのに」

ソ級「じゃあガキごととっ捕まえてトンズラこいたらいんじゃねっすか」

レ級「連中に見つかるだろうが」

ソ級「別にそれが嫌ならいっすけど、空母棲姫様にそんなネックレス渡すの自分っすよね」

レ級「……よし、あの連中を見張れ。我が輩はガキの方に行く」

ソ級「わかりっしたー」

.



磯波「もう回収してしまったのかもしれません」

提督「いや、また戻ってくるはずです。あの男の子が持っていた宝石には何かにはめ込まれていた跡がありました」

磯波「じゃあ何かアクセサリーの、あの大きさだと一番メインの宝石でしょうかね」

提督「ええ、必ず探しにやってくるはずです」

イデェーーーーーー!!

提督「なんですか一体」

男の子「おじさーーん!」

ワンワン!

提督「僕、どうしたんだい」


男の子「アイツがいきなり襲ってきて!」

レ級「あんの犬っころめが、本気で噛みやがって畜生!」

磯波「あの人っ!」

提督「僕、ジローくん、私の車に乗ってください。磯波、逃げますよ」

磯波「は、はい」

ワンワン!

タッタッタッタ

ソ級「大丈夫っすか?」

レ級「大丈夫っすか?じゃないわアホ!追うんだ!キャップのところまで行くぞ!」



ガコガコ、ブゥゥゥゥン

提督「そうだ、磯波。地図を出してください」

磯波「は、はい、グ○グルマップでいいですか?」テチテチ

提督「ええ、少し妙案が思いつきましてね」

男の子「おじさん!前!」

提督「おっと」

キキィーーー!!

ネ級「通せんぼですぅ!」


提督「おや、ハイ○ースが犯罪者御用達とはどうやら本当のことのようですね」

ネ級「ト○タに謝れぇ!」

レ級「はっはっはっは!逃げられるか青二才!おっと自己紹介がまだだったな!我が輩は天才的な工作員、アルマトイ!」

提督「私は広川一郎、ただの海軍中佐です」

レ級「ふっ、宝石は貴様を踏み潰した後にゆっくり頂くとしよう。キャップ!」

ネ級「はいはいぃ!」

ギャギャギャギャ

提督「我々も飛ばしますよ」

ガコガコ

ブゥゥゥゥゥゥゥン!!



磯波「この間と引き続きカーチェイスですか!」

提督「少々残念ですが今度は上着を掴みますからね、妨害お願いします」

磯波「はい!……はい?」

提督「いえなんでも」

ウィーン

磯波「えい!」

ドンドン!


レ級「くっそう!あいつらめ!」

ネ級「あわわわぁ!」

ソ級「まずいっすね、キャップが運転じゃ誰も反撃出来ないじゃないですか」

レ級「うーん、困った。とにかく追いかけろ!見失うなよ!」

ネ級「はいぃ!」



提督「僕、大丈夫かい?運転荒いけど」

男の子「スリルがあって楽しいよ!」

ワンワン!

提督「それじゃ赤信号もぶっちぎりますからね。磯波」

磯波「ごめんなさいっ!」ドンッ!

ズガァン

キキィー!

「地面が吹っ飛んだぁ!」

「危ないぞみんな止まれぇ!」

提督「ごめんあそばせ」

男の子「無茶苦茶するねー!」

提督「まあ時にはね。磯波、妨害はもういいので電話を頼みます」

磯波「はい、あそこにですね!」テチテチ



レ級「あいつら、とんでもねーなぁー」

ネ級「怖いですぅ」

ソ級「でももう撃って来ないっすよ」

レ級「何があったかは知らんがチャンスだ、距離を詰めるぞ!」

ブゥゥゥゥゥン!!


男の子「おじさん!追いつかれちゃうよ!」

提督「スポーツセダンを舐めなさんなってばさ!」グッ

ブィィィィィィィィン!!

男の子「わぁっ!速い速い!!」キャッキャッ

ワンワン!

磯波「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…」ガクガクブルブル

提督「もうすぐですね」


隣鎮守府


隣提督「お!あれだな!総員戦闘準備!」

「ハッ!!」

ザッ、ジャキッ

隣提督「あの車の後続を撃つんだ!」

ブゥゥゥゥゥゥゥン!

榛名「なんだかブーンって擬音ばっかりですね」

隣提督「メタ発言は大丈夫じゃないぞぉ榛名!」

提督「じゃ頼みましたよぉおぉぉぉぉおぉおぉ~~~~」

隣提督「よしこれの次だ!」

榛名「砲撃用意!」


レ級「うおおおお待てええええ!!」

ネ級「こ、ここってぇ……」

ソ級「いかんっすね」

榛名「撃てぇーー!!」

ドドォン!


レ級「ぬあああーーーーーーーーーっ!!!」

ネ級「ひゃぁ~~~~~!!」

ソ級「やっぱ今回もダメッしたね」

キラーン☆



提督「空にきらめく星となれ……か。おや、あれは」

パシッ

提督「どうやら、盗まれたアクセサリーも無事帰ってきましたよ」

磯波「わぁ、素敵なネックレス」

提督「僕、宝石を」

男の子「うん!」

カチリ

磯波「はぁ……こんなネックレス付けることができたら素敵でしょうにね」


提督「今のうちつけてみたらどうです」

男の子「きっと似合うよ!」

磯波「それじゃ、ちょっと……似合いますか?」

提督「ええ、とっても素敵ですよ」

磯波「そう、ですか……///」カァー

隣提督「広川くん、一体何事かね」

榛名「何があったんですか……あ!綺麗な首飾りですね!」

磯波「えへへ……」

提督「ま、こういうことです。さて、懸賞金を貰いに行きましょう。僕、見つけたのは君とジローくんだから、君たちが貰いなさい」

男の子「本当!?やったぁー!!やったなジロー!」

ワンワン!

小さな男の子とワンちゃんの冒険はこうして幕を閉じました。
懸賞金は結構な大金で、男の子のご両親も大喜びだったそうです。
ジローちゃんのご飯はちょっと豪勢な物に変わったとか。

次回に続きます...


今日は雨の日、ますます冷え込みます。
こんな日に仕事なんてきたら堪ったもんじゃありません。
二人して布団に包まってしまいます。


モゾモゾ

磯波「寒い……」

提督「じきに暖房が効いてくると思うんですが」

磯波「いい加減布団増やしましょうよ」

提督「置く場所がないじゃないですか、それにベッドも一つだし」

磯波「部屋増築とかできませんかねぇ」

提督「ま、考えておきましょう」

磯波「……郵便受け見てきます」ダッ

提督「お願いします」


磯波「うー寒い寒い」

提督「いや、いい助手を持って私は幸せ者ですよ」ヌクヌク

磯波「ふぅ」モゾッ

提督「どうですか?」

磯波「んーと」

パサッ

磯波「……」

提督「ふむ……」

磯波「何かありますか」

提督「いえ、全然」

磯波「はあ」ガクッ

バンッ!!


磯波「ひゃっ!」

提督「ん、なんなのか」

スタスタ

あきつ丸「……」

「……」

提督「おや、あきつ丸。それから御仁。御用があるならインターホンもあったでしょうに」

あきつ丸「……は!?なんで、その娘っ子とね、ね、寝ているんでありますかぁー!?」

提督「話すと長ーくなります」

あきつ丸「広川殿!正直言って自分の方がスタイルも」

「あきつ丸」

あきつ丸「あ、失礼。ゴホン、広川殿、言いたいことは色々あるでしょうが、今は黙ってついてきていただきたい」

提督「ふむ……訳ありのようですね」

磯波「あ、あの……」

提督「磯波、着替えましょう」


私たちはあきつ丸さんたちにどこかへ連れて行かれました……。


どこかの、会議室でしょうか?テーブルに椅子が並べられています。


提督「……」

磯波「……」オドオド

あきつ丸「……」

「おい、お前」

提督「なんです」

あきつ丸「た、隊長殿……」

「テーブルに足を乗せて、少し行儀が悪いんじゃないのか?」

提督「まっ、人んちのドア蹴破って何も言わず連れていくよりはマシでしょうよ」

「……」

あきつ丸「あわわわわ……」


提督「あきつ丸、その人は誰なんです?」

あきつ丸「こ、このお方は、大塚芳夫憲兵隊長、大佐であります」

提督「そうですか、私は」

隊長「広川中佐」

提督「ご存知でしたか」

隊長「……」

提督「……」

あきつ丸「……」

ガチャ


隣提督「全く、ワシも忙しいというのに緊急招集とは」

榛名「何かあったんでしょうか」

提督「おや、雨森中将」ガタッ

隣提督「広川くん、君も来ていたのか」

榛名「磯波さんもいますね」

隣提督「広川くん、何があったのかね」

提督「大事でもあったんでしょう、例えば秘密兵器が盗まれたとか」

隣提督「なんと!それは大問題だ!」

提督「ただの憶測ですよ」


隊長「いや、憶測ではない」

あきつ丸「ああ、隊長殿」

隊長「その若造が言う通り、秘密兵器が盗まれた。対深海棲艦の新型魚雷の試作型だ」

ザワッ……

あきつ丸「しかし隊長殿、まだ揃っては」

隊長「先に伝えていても問題はない」

ガチャ

「やあやあ諸君」

瑞鶴「こんにちは」

提督「おや、あなたは確か」


隣提督「エリートの神谷亮中将、だったかな」

榛名(七光りって話ですけどね)

七光提督「そうです、僕がエリート、神谷亮」

瑞鶴「あまり調子に乗らないように」

七光提督「あ、はい」

隣提督「で、神谷中将、新兵器が盗まれたそうじゃないか」

七光提督「あれ、皆さんもうご存知で」

隊長「軍の工廠で夕張たちが研究をして、ついに試作が出来たってところに盗みに入られた」

七光提督「そうです。しかし、全くと言っていいほど足取りは掴めていません」

瑞鶴「そこで皆にも協力して欲しいと思って」

隊長「窃盗団が新兵器を盗んで、一体何の意味があるっていうんだ」

隣提督「いや、全くじゃ」


磯波「……提督、これって」

提督「あんにゃろめしか、いませんね」

七光提督「心当たりがあるんですか?」

提督「ええ一人、いや三人ですかな」

瑞鶴「それで、どこにいるの?」

提督「それは情報をまとめてみないと。まず、工廠は港湾の中心部にあります」

七光提督「そうですね、湾の一番奥にあります」

提督「そしてもちろん、調査すべきはこの湾に沿った工業区や倉庫」

隣提督「ああ、あいつらか!それならきっと海沿いだろうな。でもそれじゃかなりの広範囲になるぞ」

提督「そうなりますね、そこで犯行グループが簡単に利用できるところは?」

榛名「やっぱり空き倉庫でしょうか」

あきつ丸「あ!大戦不況で一帯が空き倉庫になった地区に潜んでいるとか!」

瑞鶴「そこを調べるの?」


提督「いいえ、誰もいないはずの地域に人が出入りすればかえって怪しまれます。ではどうしましょう」

磯波「木を隠すなら森の中、ですね」

提督「その通り、現在も稼働している工業区の中に絞れるはずです。さらに音を出しても気にされませんからね」

七光提督「なるほど」

隣提督「そこの中を手当たり次第に探っていけばいいんだな」

提督「いえ、それはよくありません。感づかれないようにしなくては」

隊長「つまり潜入捜査か……なるほど、いいセンスだ」

提督「ま、別にコソコソやる必要はありませんけどね」

七光提督「よし!そうと決まれば早速準備に取り掛かりましょう!」


こうして潜入捜査が始められました!


港湾沿いの工業地区


ブロロロ…

ガチャ

隊長「待たせたな」

あきつ丸(誰に言ってんだこいつ)

提督「さて、始めましょう」

隊長「雨森のじーさんはともかく、エリートのやつ来なかったな」


七光提督『いやー!僕は肉体労働は向いてないからねー!』


提督「ま、そんなもんでしょう。彼らには海上封鎖を行ってもらっています」

磯波「どこから始めますか?」


隊長「ちょっと待て。こいつを持っていけ」スッ

提督「これは……ダンボールですか」

隊長「ただのダンボールじゃない、ラブダンボールだ」

提督「……いや、え、え?」

隊長「ダンボールはすごいぞ、これに隠れてやり過ごすこともできるし、踏み台にだってできる」

提督「で、ラブっていうのは」

隊長「二人隠れることができる、だからラブダンボール」

提督「……はぁ」

隊長「それからこれだ。カロ○ーメイトと即席ラーメン。腹を満たせ」

提督「そう……ですか……」


隊長「じゃあ俺たちは向こう側へ行く。あきつ丸」

あきつ丸「はい!広川殿、お騒がせしてすみませんです」

提督「え、ええ」

磯波「提督、これ……」

提督「ま、何かに使えると思いますよ。多分ね」



変な人ですが、いい人、なんでしょうか……?

次回に続きます...

これはよい児童向けとか書かれちゃ下手にイチャラブキャッキャウフフは書けないなー(棒読み)
どーしちゃおうかなーと考えてるところ
でもこの雰囲気だとそういうのはぶっこみにくいよね


工業地区の空き倉庫


グゥ~

ネ級「お腹空いちゃったなぁ……」ショボン

ソ級「そっすね、でも今日中に港出ないと奴さんにどやされるっすよ」カチャカチャ

ネ級「でも、力が出ませんよぉ」

ソ級「はぁーあ、気が利かんっすよね奴さんは」カチャカチャ

ネ級「魚雷の調整はまだかかりますかぁ?」

ソ級「そっすねー、残りの調整にはあと数時間は欲しいとこっす」

ネ級「そっかぁ……」


ソ級「あの夕張とかいうヤツ、字が汚いんすよね~。これ読める?」スッ

ネ級「……わかんないよぉ」

ソ級「そっ。だから全部手探りっす。どうも誘導するってことはわかりっしたけど」

ネ級「まだかかりそうですねぇ……ラジオでも聞こっとぉ」カチ

ザザーー

ネ級「あれぇ?」

ソ級「そこ扉を開けたらいっすよ多分」

ギィ

ザザザ

『…多摩の部屋にゃ。今日もゲストとお話していくにゃ~』

……


工業地区


ザァァァァ

隊長「こちら大塚、工業区に到着した」

あきつ丸(……この人といると疲れるであります)

サッ、サササッ

隊長「気づかれないように物陰に隠れつつ行くんだ」

あきつ丸「はぁ……」


「……」ジー

「ありゃ何やってんだ?」

「さぁ……」


あきつ丸(うう、恥ずかしいであります……)

隊長「今は雨が降っている。こういう時は敵にバレにくい」

あきつ丸「ただ寒いだけであります……」



「いやー、わからないね。あんまり出歩くことはないから」

提督「そうですか、ご協力ありがとうございます」

磯波「はぁ……」

提督「おそらく海に面しているところにいるはずですが」

磯波「一つ一つ確かめるしかないみたいですね……」

提督「そのようです。さっ、行きましょう」



レ級「おい戻ったぞ」

ネ級「あ!帰ってきたぁ!何かお土産ありますかぁ?」

レ級「お土産ぇ?あってたまるかそんなもん!058、調整はどうだ?」

ソ級「……」ムー

ネ級「……」ムスー

レ級「なんだその顔は」

ソ級「腹減って動けんっす」

ネ級「目が回るよーだぁ」


レ級「何ィーッ!?」

ネ級「サラダ、それもエビサラダがいいなぁ」

ソ級「何か精のつくものが欲しっすねー」

レ級「ぐぬぅ~~、わ、わかった。何か仕入れてくる」

「「わぁい!やったぁ!」」

レ級「その代わり!!サボるなよ!!時間までに完成させんと報酬は無しだぞ!あ、自転車借りるぞ」

ギィ



ザザーン…

磯波「地図を見ても……ここらに無ければもうどこにあるのかさっぱり……」テチテチ

提督「海上の艦娘たちもしっかり見張ってるみたいですが、連絡はありません」

磯波「まさか、推理が外れたんじゃ」

提督「まっ、たまにはそういうこともあるでしょう。おや」

磯波「どうしました?」

提督「ダンボールに入って!」

磯波「うわっ!」

ガボッ

レ級「ったく、商店の連中はケチだから金取るんだよなー。雨も降ってるしもーやだ!へーっきし!」ブツブツ

シャー


提督「どうやら推理は外れていなかったようですね」

磯波「ひゃあ、喋らないでぇ、耳に息が」

提督「おや失礼、弱いんですか耳」

磯波「あふぅ」

提督「ダンボール外しますよっと」

ガバッ

磯波「はぁ……地面に座ったからお尻が濡れちゃいましたよ」パシパシ

提督「こんな雨の日にスカートなんて履いてくるからですよ」

磯波「これが艤装ですからしょうがないじゃないですか」

提督「じゃ、パンツ脱げば?」

磯波「嫌ですよ!」

提督「まぁそりゃそうか。しかし厄介なのが一人消えてくれましたね」

磯波「はい、それじゃあ倉庫に」

提督「ええ、行きましょう」

タッタッタッ





隊長「……あれは」

あきつ丸「間違いない、レ級アルマトイであります」

隊長「愉快に自転車に乗っている」

シャー

レ級「ふ~かく~ふ~かく~み~ゆき~のよ~おな~♪」キコキコ

隊長「動くな!」

レ級「なぁ!?」

隊長「うおっ!」

ガシャーン!

あきつ丸「そりゃ走ってる自転車の前に立ったらそうなるであります……レ級アルマトイ!ここで会ったが百年目であります!」

レ級「自転車の前に飛び出してくるな!危ないったらないわったく!」


隊長「あきつ丸!捕まえろ!」

あきつ丸「了解であります!」ガシッ

レ級「おっと!貴様ごときの艦娘に捕まるほどの我が輩ではない!」グイッ

あきつ丸「うわぁ!」

レ級「海に落ちろ!」ポイッチョ

あきつ丸「無念であります!」

ザバーン

隊長「くっ!」ズドン!

カイーン

レ級「そんな豆鉄砲が効くか!」ガシッ


隊長「クッ!」

レ級「仲良く海水浴してなっ!」ポイッチョ

隊長「うおおおおおおおっ!!!」

ザバーン

レ級「全く、時間を取らせおって。だがしかしどうやら計画がバレたらしい。戻らなくては!」

シャー

あきつ丸「……とりあえず連絡するであります」

隊長「海水冷てぇ……」



コンコン

ネ級「もう帰ってきたのかなぁ」

ソ級「どうぞっす」

「あ、どもどもー。ラーメンお届けに参りやしたー」

ソ級「ラーメン?」

「アルマトイって人からです。出来立てを大急ぎで持ってきましたよ!」

ネ級「サラダが良かったけどラーメンでもいいなぁ!」

ソ級「この寒いのにラーメンはうまそっすね。奴さんもたまには気が利くっす」

「熱いのでお気をつけてくだせぇ」

ネ級「しかし、そっちは娘さんですかぁ?」

「は、はい、そうですけど」


ネ級「家族経営だなんて感心ですねぇ!」

ソ級「どっこも厳しんでしょ、こんな時勢」

「そうですねぇ、ところでお二人は何を?」

ネ級「ちょっと盗んできた魚雷を…」

ソ級「しー!あれっすよ、金版加工みたいな、ね」

「なるほどですね。あ、どうぞお気になさらず召し上がってくだせぇ」

ネ級「そうですねぇ、それじゃあ」

「「いっただっきまーす!」」

ズルズルムシャムシャ

「……」スッ

ガンッ!ゴンッ!


ネ級「」

ソ級「」

提督「……やれやれ、即席ラーメンがこんなところで役に立つとは」

磯波「ちょっともったいない気もしますけどね」

提督「とにかく、縛ってその辺に隠しておきましょう」

ゴソゴソ

提督「さて、魚雷をどうしましょうか」

磯波「私の魚雷管に装填してとか」

提督「なるほど、グッドアイディアです。しかしサイズが合いますかね?」



シャー

キキィ

レ級「アイツらは無事かな……ん?」


「ダメですよぉ、ここは……んっ」

「おや、この辺りはビショビショですね」

「うう……そこは違います……」

「失礼、じゃあこっちに」

「はい、入れてください」

「……ふぅ、入りました」

「それじゃあ、もう一つの方も……」

「もしもの時は撃ちますからね」

「はい、準備は出来てますから……」


バンッ!!

レ級「お前ら!!人のアジトで盛ってんじゃねー!!!」


提督「え……いや、え、え?」

磯波「魚雷を装填してたんですけど……」

レ級「知ってたよ」

ネ級「エッチな想像したんだぁ!や~らしぃ~~!」

ソ級「スケベっすね!」

レ級「うるさいっ!何捕まっとるんだ貴様らは!」

提督「まずいですね」

レ級「この主砲でブチ抜かれたくなければ、大人しくしてるんだな。それからその魚雷管も少し借りるぞ」

磯波「て、提督……」

提督「ま、万事休すとでも言っておきましょう」


海上司令部


あきつ丸『~の地点にすぐ向かわれたし!』

隣提督「了解じゃ!」

七光提督「画面で確認します……ここですね、工廠からこんなに近くだったなんて」

隣提督「総員、目標地点へ向かえ!」

『了解!』

隣提督「よし、我々も指揮をとるぞ!」

七光提督「はい!瑞鶴、運転頼んだぞ!」

瑞鶴「わかった!」



レ級「ふふふ、貴様らはこの我々が華麗に港を発つ姿をじっくりと見ているがいい」

提督「くそー、アルマトイの茄子のヘタ!」

レ級「そんな悪口があるか!もっとこう…あるだろう!」

ソ級「『ゲロ』とかどうすか」

レ級「そうだな……お前あとで泣かす」

ソ級「ひえっ」

提督「コントなんかやってないでさっさと出てってくださいよ」

レ級「それもそうだな、よし行くぞ!」

ネ級「ねね!あ、あれぇ!」

レ級「今度は何だ!……うお!?」



ザァァァァ

榛名「勝手は榛名が許しません!」

大和「深海棲艦の企み、ここで阻止してみせます!」

霞「行くわよ雪風!」

雪風「はい!頑張ります!」

夕張「私の発明品返して!」


七光提督「レ級がいると聞いて大急ぎで大和を連れてきましたよ」

隣提督「いや、流石はエリートじゃな」



レ級「くっそう!全てバレていたのか!だがこれしきの艦隊返り討ちにしてくれる!出撃だ!」

ネ級「はいぃ!」

ソ級「ほっ!」

ズザァァァ

磯波「艦隊は大丈夫でしょうか……」

提督「さあね、みんなの武運を祈りましょう」




大和「砲雷撃戦、はじめます!」

レ級「ふっ、ノロマめ!」

榛名「主砲!砲撃開始!!」

ドンドン!

レ級「当たるかぁ!」

ネ級「ひぃ~~!こんなの聞いてませんよぉ~!」

レ級「馬鹿!お前も撃たんか!」

ネ級「当たったら死んじゃうじゃないですかぁ!」

レ級「当たり前だバカタレ!仕方ない、この魚雷を試してみるか!」

シュゴッ



夕張「むむっ、あれを使ったみたいです!」

大和「あの魚雷!?」

夕張「あれは脅威度を察知して高い方へと向かっていく誘導魚雷!炸薬量も従来の比ではありません!」

霞「なんでそんな恐ろしいもの作ったのよ!」

夕張「えへへ、つい」

雪風「ってことは、大和さんが狙われるってことですよね?」

大和「えっ」

榛名「皆さん、大和さんから離れてください」

ザァァァァ


大和「えっ!ちょっと!置いてかないで!」

榛名「はい!榛名は大丈夫です!」

大和「ふざけんなマジで!」

スィー

大和「こ、こっち来ないで!ついてくるな!」

ドォーン

大和「たばぁーーーーーーッ!!」ピュー

夕張「あらー、爆発力がデカすぎて飛んでっちゃった」

霞「女子としてありえない叫び声ね」



七光提督「や、大和がこっちに!」

隣提督「でぇーー!危ない!」

大和「どいてーーーーー!!」ピュー

ゴシャァ

七光提督「あぁ~おワッタ~!」

ザブーン

瑞鶴「提督ー!大和さーん!」

隣提督「なんだかえらいことになったわい!」



レ級「はっはっはっは!こいつは半端じゃないぞ!」

ソ級「も一発行っときましょ」

レ級「そうだな!発射だぁー!」

シュゴッ


夕張「もう一発来ます!今度は榛名さんです!」

榛名「……」ガシッ

雪風「!?離してください!」

榛名「いえ!雪風ちゃんなら!幸運の女神がついてるから!」

雪風「誘導なんかどうにもなりませんよ!霞ちゃん助けてぇ!」ジタバタ

霞「幸運を祈るわ」b

雪風「薄情者ー!!」


榛名「大丈夫だから!大丈夫だから!」

夕張「魚雷きたー!」

スィー

雪風「ひいぃいい!!」

クルン

榛名「あれ?」

夕張「反転して……」

雪風「ふ、ふう……」

霞「どういうことかしら」



レ級「ん?おかしい、そろそろ爆発してもいい頃だが」

ネ級「あ!あれ!あれ!」

ソ級「こっちに来るっすね」

スィー

レ級「なんでだ!なんでこっちに!逃げろ!」

ネ級「もう間に合わな」

ドォーーン


「「「だああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ……」」」

キラーン☆



夕張「そうか!脅威度は敵も味方も含まれるわけか!だから大和さんの次はレ級を狙ったのね!」

霞「敵も味方もって、兵器として致命的だと思うんだけど」

夕張「……やっぱりそうかなぁ」

雪風「見損ないましたよ!榛名さん!」

榛名「いやぁ、そのぉ、ごめんなさい……」

雪風「当たらなかったから良かったものを!もぉー!」プンスカ

ブゥゥン

瑞鶴「みんなー!」


隣提督「無事かねみんな!」

榛名「あ!提督!そういえば大和さんは!?」

大和「ここにいますよ~~」

雪風「あ!無事だったんですね!」

大和「提督がクッションになってくれて、なんとか沈没は免れたわ」

七光提督「」ピクピク

夕張「提督の方が死にそうね」

隣提督「それじゃあ、みんなを迎えに行こうか」

ブルルルン



提督「どうやらなんとかなったみたいですね」

磯波「よかったぁ……」

隊長「おい、広川」

提督「おや、隊長さん、あなたのダンボールとラーメンが役に立ちましたよ」

隊長「だから言っただろ?お前もダンボールの良さがわかったか」

提督「ええ、意外と馬鹿にできませんね」

あきつ丸「マジでありますかそれは……」

提督「……晴れてきましたね。磯波、ご覧なさい」

磯波「あ、虹ですか!」

あきつ丸「綺麗でありますな!」


提督「そして、迎えも来たようですね」

「おーーい!」

あきつ丸「お迎えご苦労でありまーす!」

ワーワー


磯波「提督、これであの三人組は滅びたと思いますか?」

提督「さあね、連中はゴキブリのようにしぶといですから」


こうして無事に事件は解決しました。
夕張さんは懲りずにまだまだ開発を続けるそうです。
でも、工廠の警備もより厳重になるそうですから、とりあえずは安心でしょうか。


















ガサガサ

レ級「クソッ!忌々しい帝国軍め!覚えておれー!」

ネ級「あ!可愛いウサギぃ!見て見てぇ!」

ソ級「ここがどこの山だかわかれば素直に可愛がれるんすけどね」

レ級「畜生、ここはどこなんだ……」

次回に続きます...

初めて防諜した気がする。てか読みづらいよなぁ……なにかいい手段を考えなくては


相変わらずの良いお星様っぷりww

>提督「ま、万事休すとでも言っておきましょう」
万事休すは「まんじきゅうす」じゃなくて「ばんじきゅうす」

指摘してもらって悪いんだけど、この「ま、」は「まぁ」の「ま」でして……
「まっ」と書くべきでしたね

ぉぅ、早とちりすまんすorz


第五話 北方急行殺ケーキ事件

あの事件が終えてから数日。依頼の手紙も訪問者もさっぱりで、退屈な日々が続いています。


磯波「はぁ~~あ……」

コポコポ

提督「磯波、そのコーヒーを何杯も飲むのはなんとかなりませんか」

磯波「ええ?はぁ……暇だからつい……」

提督「確かに、こう暇だと脳みそがベチョっとなります」

ピンポーン

提督「おや」

磯波「あ!誰か来ましたよ!」トテテ

提督「仕事だといいんですけどね」スタスタ


ガチャ

磯波「はーい」

望月「……ここが広川中佐の事務所だよね」

提督「そうです、私が広川一郎中佐」

望月「実は頼みたいことがある」

提督「なんです?」

望月「ウチの鎮守府をなんとかしてくれないか」

磯波「鎮守府を……?」

提督「何があったんですか?」

望月「ウチの司令官が艦娘たちを洗脳してるんだ」

磯波「洗脳?」

提督「ふむ……立ち話もなんですからお上がりなさいお嬢さん。そこのソファに」


望月「あ、ああ……」

提督「ちょっと待っとってね」

望月「うん……」スタスタ

磯波「提督、これは何かの間違いじゃ……」

提督「君ってものは、大湊からはるばる来た子を追い返せますか」

磯波「大湊?青森からですか?」

提督「まず胸につけたワッペンは大湊の物です。それから、服装、艤装の汚れ。遠征から帰った艦娘にそっくりです」

磯波「それじゃ、海上をずっと……」

提督「よくよくの事なんだよきっと」

磯波「……」



提督「それで、洗脳について詳しく教えてくれないかな」

望月「ああ。ある日突然艦娘たちが司令官のことを好きになってしまった、というか……」

提督「好きに?しかも突然?」

望月「うん、前日までどうこう言ってなかった艦娘までも」

磯波「恋は突然に、とは言うけど、いくらなんでも……」

提督「他に変わったことは?」

望月「それに乗じて、明石さんが司令官の私物オークションなんか始めて、もうグチャグチャなんだ」

提督「ふむ……よし。行きましょう、大湊へ」

望月「本当か!?ありがとう……!」

提督「ただし、事務所で体と服を洗うこと。随分汚れてるみたいですからね、よいですか」

望月「ああ!」





ザワザワ

磯波「電車に乗るなんて初めてですっ」ワクワク

望月「あたしもだな」

提督「それも寝台列車ですよ、車が減ったので増えてるそうです」

磯波「でも、東北行きには誰もいませんね」

望月「まあ東北だからな。大湊だって、鎮守府を一歩出たらなんにもないし」

磯波「ふ、ふぅーん……」

提督「おや、あれは」



ワイワイキャッキャッ

卯月「さあどいたどいたぴょん!」

赤城「三段ケーキだなんて……」ジュルリ

加賀「赤城さん、はしたないですよ」

赤城「あ、すいません」フキフキ

川内「勝手に食べちゃダメだよ」

龍驤「せやで、まあ美味しそうやけどな」

朝潮「司令官にお披露目するまでお預けです」


提督「どうやら私達だけではないみたいですね」

望月「共同か、2等車両だもんな」

磯波「それも楽しそうです!」

提督「どれ、挨拶しておきましょう」


卯月「絶対!食べたらダメぴょん!」

赤城「わかってますよぉ」

提督「ちょっと失礼」

卯月「ぴょん?」

提督「私たちも同じ車両に乗るんです」

望月「ああ、大湊までな」

磯波「よろしくお願いしますね」

卯月「よろしくっぴょん!」

赤城「よろしくお願いします」

加賀「……でも男ですよね」

磯波「大丈夫ですよ、この人私が隣に寝てても何もしませんから」

加賀「それなら安心」

川内「ホモなの?」

龍驤「ホモやろなぁ」

朝潮「ホモってなんですか?」


提督「変なこと言われちゃ困りますよ磯波!」

磯波「でも事実じゃないですか」

提督「何もしないってところがね、ホモじゃありませんから」

望月「ところで、その大きな荷物は?」

卯月「これはしれーかんへの誕生日ケーキっぴょん!」

加賀「単冠湾ではこういうのは作れませんから」

提督「なるほどね。さぞかしあなた方の司令官も大喜びでしょうな」

卯月「もっちろんぴょん!しれーかんの喜ぶ顔が目に浮かぶっぴょん!」

望月「……」

磯波「望月ちゃん……」

赤城「あの、どこか具合でも?」

望月「いや、気にしないでくれ」

提督「……さあそろそろ時間です。入りましょうかみなさん」

ゾロゾロ


私たち以外に乗ってる人はいなかったみたいです。
すっかり日も沈んで夜になりました。


寝台車


ガタンゴトン

卯月「そうっぴょん!すっごく美味しい特注のヤツっぴょん!」

磯波「へぇー!すごいなぁー!」

提督(よく飽きもせず何度も話せるもんですね……)ハァ

卯月「ふわっふわのスポンジになめらかなクリーム!キラキラ輝くイチゴを乗せた一段目!」

磯波「いちごのショートなんだっ!」

卯月「レンガのようなチョコでびっしりコーティングし、最高級のクルミやナッツで彩った二段目!」

磯波「ほろ苦~~くて、甘~~いんだねぇ~~!」

卯月「そして!最高においしいチーズを使ってふんわり焼き上げ、仕上げにアプリコットジャムをたっぷり塗った三段目!」

磯波「はう~~~」バタッ

卯月「これぞまさしく芸術!一度に三つの味が楽しめる!スンばらしいんだからっ!」

磯波「か、革命児や!革命児がここにおるで~~~!」ジタバタ

望月「お前たち馬鹿だろ!」


提督(まっ、何度見てても面白いからいいか)ホッコリ

提督「しかし……」ヌトォ

赤城「あ、すみません……」ゴシゴシ

提督「まあ、あんまり言いませんけど、女性ならもちっとしっかりした方がいいと思いますよ」フキフキ

赤城「ごめんなさい……」

加賀「赤城さんをいじめないでください」

提督「いや、いじめてるわけじゃ。むしろ被害者ですよ、上からよだれが降ってくるなんて」

赤城「話聞くだけでよだれが……」

加賀「赤城さん……」



そして寝る時間になりました。

卯月「うーちゃんは夜通し見張るっぴょん!」

川内「誰も食ったりしないでしょ」

龍驤「せやで」

卯月「いや、念の為にぴょん!何が起こるかわからないっぴょん!」

加賀「まあ、構いませんけど、ほどほどにね。おやすみ」

パチン

卯月「……」



夜中……。


卯月「グゥー……グゥー……」zzz

ガサゴソ

卯月「……ん?あ!」

ガタッ!

タッタッタッタ!

ガラッバタン!

卯月「待つぴょん!」

ガラッ!

卯月「……あれ!?確かにこっちに逃げたはず……」


ゴソゴソ

卯月「あ!もうひとり!」

ダッ

タッタッタッタッ

ビタンッ!

「いてっ!」

卯月「あっ、大丈夫ぴょん?」

ガラッピシャッ

卯月「待てー!」

ガラッ

ビュゥゥゥゥ

卯月「うわっ!外!……一体どこに……」

トボトボ

卯月「次来たって……絶対手は出させないっぴょん!……グゥー」zzz


………

……




卯月「グゥー……」zzz

チュンチュン

卯月「うーん……朝かぁ……あぁぁぁ!!?」

赤城「どうしました!?」ガバッ

加賀「何事ですか」ガバッ

卯月「しれーかんのケーキがぁぁぁぁぁぁ!!!」

グシャァ

赤城「なっ!?」

加賀「!」


提督「ふわぁーあ、何事でしょうか。おや」

卯月「うぅ……どうして……なんで……」シクシク

赤城「誰かに、食べられてますね……」

提督「ふむ、磯波。事件ですよ」ユサユサ

磯波「うぅん……ん……」モゾモゾ

提督「磯波」

ガバッ

提督「おや失礼、こっちはお尻でした」バサッ


磯波「んん……提督……?」

提督「磯波、その歳でどうぶつパンツっていうのは少々子供っぽいと思いますよ」

磯波「そうですか……考えときます……」ムニャムニャ

提督「それより起きてください。事件ですよ」

磯波「……!?なんでパンツ見たんですか!」ガバッ

提督「磯波、事件です」

磯波「あ、はいぃ」

望月(なんなんだこいつらは……)


なんと!あの誕生日ケーキが誰かに食べられてしまったのです!一体誰が……?

次回に続きます...

某カートゥーンのあの話に似てるって?その通りだよ!(開き直り)


寝台車


ガタンゴトン

ザワザワ

卯月「誰が!ひどい!そんな!一体どうしてぴょん!」

朝潮「うーちゃん、まずは落ち着いてください」

卯月「これが落ち着いていられますかっぴょんだ!この中で誰が犯人か調べなきゃ!」

赤城「はあ……犯人ですか……」

提督「それでは、調査して証拠を集めなくてはなりません。ここは私が」

卯月「その通りっぴょん!名探偵うーちゃんの推理が冴え渡るっぴょん!」

提督「え、いや、ちょ、え」


朝潮「うーちゃんが、探偵?」

卯月「そうぴょん!そして朝潮が助手っぴょん!」

朝潮「え、ええ」

磯波「お鉢を奪われちゃいましたね」

提督「そうですね……」

朝潮「それじゃ、うーちゃん。まず手掛かりを探しましょう」

卯月「くだらないっぴょん。なぜなら犯人はもうわかってしまったぴょん」

「えぇーっ!?」

朝潮「うーちゃん!どうしてもう犯人がわかっちゃったりしちゃったんですか!?」

卯月「どう考えても犯人は、あの部外者の三人の誰かっぴょん!」


磯波「ええ!?」

望月「言いがかりだ!」

卯月「あんなに美味しそうなケーキ、我慢できなかったんでしょ。望月!」

望月「えぇー!?」



モチヅキザサード♪

卯月「望月ぃ~~逮捕だぁ~~!手錠をくらえ!」

ヒュッ

望月「おっといけねっ!」パシッ

卯月「何を小癪な!」

望月「これ返すぜ!」

ガシャン

卯月「しまった!柱に!くそ、待て~~望月~~~!!」

望月「あぁーばよーうっつぁ~ん!獲物は確かに頂いたぜ!」モグモグ

卯月「くっそー!逃がさんぞー!地の果てまでも追い詰めてやる!」


……



望月「なんだそりゃ」

卯月「そう、これは望月、あなたの仕業っぴょん!」

朝潮「あの、うーちゃん?それってただ決め付けてるだけだし……」

卯月「何が言いたいの朝潮くん!」

朝潮「第一、柱に手錠で留められたなら、どうしてここにいるの」

卯月「……確かに、鋭い質問ぴょん」

朝潮「いやいや」

卯月「それなら、話は簡単。犯人はそう、広川一郎!またの名をジェミー・ボルドー!」

提督「えっ」



デデッ!テー!デデッ!テー!デデデデ!デン!

提督「珍客到来かな。ようこそ、一杯どうです」

卯月「ダメよ、先客があるの」

提督「いいじゃないか。ミス・ラビットムーン」

卯月「……詳しいのね」

提督「君の第一印象は刺激的でね、バックショットもまた」

卯月「部下の失礼はお詫びするわ、命令に過剰反応しちゃって」

提督「気にすることはないさ、それよりバカルディを一杯いかがかな」

卯月「言ったでしょ、先客があるの。さよなら、“ジェミー・ボルドー”」

提督「じゃあまた、と言ってくれ。なぜか君とはまた会う予感がする」


……



朝潮「ちょっと待って。長くなりそうなので」

卯月「まだ肝心の犯行パートに入ってないぴょん!」

磯波「提督はそんなオシャレなスパイなんかじゃない!ただのガサツなおっさんだよ!」

卯月「言われてみれば、確かにそうぴょん……」

提督「なんでこんなこと言われなきゃなんないの」

卯月「となると、磯波。あなたが犯人ということになるっぴょん」

磯波「え!どうして!」

卯月「さっき気がついたけど、磯波はあからさまにニンジャなのだ!」



磯波「……」

スタタタタ

磯波「ドーモ、ウヅキ=サン。イソナミです」

卯月「アイエエエエ!ニンジャ!?ニンジャナンデ!?」

磯波「寝台車にニンジャはいますか?おかしいと思いませんか?あなた」

サツバツ!殺戮者のエントリーだ!ケーキスレイヤー=サンは思った、何事も暴力で解決するのが一番だ。

磯波「ゴウランガ!」

ケーキ=サンに一太刀浴びせる!

ケーキ「グワーッ!」

ワザマエ!ケーキ=サンはしめやかに爆発四散!サヨナラ!


……



望月「ちょっとやめないか」

朝潮「そうよ、だいたいケーキは食べられたのよ。切られても爆発もしてない」

卯月「ううう……じゃあどうすればいいぴょん!」

提督「いい加減な推理はやめて、論理的にやるのはどうです」

卯月「うーん……」

磯波「まずケーキを見てみます、一段ずつ食べられてますね」

卯月「そうぴょん!一度に三回も!」

提督「いえ、犯人が一人だとするのは少々早合点ですよ」

磯波「それにまだ口の中に証拠が残っているかもしれません」

卯月「あ!そうぴょん!みんな口開けるっぴょん!」


朝潮「ええ、いやですねぇ」

卯月「なんでぴょん!?さては……」

朝潮「だって朝起きて歯磨きしてないし」

卯月「歯磨きしたら意味ないっぴょん!黙って開けるぴょん!」

朝潮「アー」カパッ

卯月「……異常なしぴょん」

赤城「……」カパッ

卯月「異常ないっぴょん」

加賀「あ~」カパッ

卯月「うーん、何もない」


卯月「全員なにも無かったぴょん」

提督「そうですか……。ところで卯月さん。あなたは一晩中ケーキのそばで見張ってたそうですね」

卯月「まさかうーちゃんを!?」

提督「いえ、それならばあなたは何かを目撃したのではないか?と」

卯月「……あ!そうぴょん!すっかり忘れてたっぴょん!」

提督「それを」

朝潮「それならそれを!一つづつ思い出して!」

卯月「うーんと……まず、夜中ガサゴソと音がして、列車の前の方へ!」

朝潮「前ね!」

ガラッ

朝潮「……何もない」キョロキョロ


卯月「なんと忽然と姿を消したぴょん」

提督「きっとドアの裏などにさっと隠れたのでしょう、とするとs」

朝潮「あ!何かが挟まってる!」

卯月「布ぴょん?ドアを慌てて閉めたから」

朝潮「それから?」

卯月「そしたらもう一回物音がして、今度は客車の後ろに……外で行き止まりなのに見失ったぴょん」

朝潮「後ろね!」

タッタッタッ…

ガラッ

朝潮「……特に変わった様子はないけど」


磯波「そこに何か落t」

卯月「あ!これは!まさかこんなものが……」

朝潮「その次はどうしたの?」

卯月「戻ってケーキを朝まで見張ってたぴょん!」

朝潮「朝まで?」

卯月「……眠っちゃうまでぴょん」

提督「証拠はそr」

朝潮「証拠は揃ったみたいね」

提督「……磯波、なーんかやな感じですね」

磯波「そうですね……」


朝潮「まず、第一の証拠、この布切れ!大慌てでドアを閉めた為に挟まってちぎれたんです!」

赤城「でも、誰のどこの布、なんですか?」

朝潮「そ、それは……」

提督「ところで川内さん、あなた今日スカーフはしていないようですが」

川内「えぇ?いや、汚れてるから」

提督「昨日から今までに、何か汚れることでもしたんですかね」

朝潮「川内さん!マフラーを見せてください!」

川内「あう……ごめんよ、ケーキ食べたのあたしなんだ……」

卯月「川内さんが!?信じられない!裏切り者っぴょん!それじゃあこれで」

朝潮「いやまだです、これを見てください!」スッ


龍驤「あぁ!?そ、それは!」

朝潮「龍驤さん、これに見覚えがあるみたいですね。そう、これは式神を呼び出す……なんか紙です!」

龍驤「そうや、ウチが外に飛び出して艦載機でふわりと宙を舞った、そしてやり過ごしたんや……」

赤城「しかし、それだと三つ目の食べ口は……」

加賀「……実は私が」

卯月「みんなひどいっぴょん!なんで食べちゃうぴょん!うええええええ!!」ビエー

川内「……それは卯月の説明があまりにも美味しそうだったから」

龍驤「ああ、ウチらはバカや!」

加賀「悔やんでも悔やみきれません……」

卯月「ぐすっ……いいぴょん。思えば単冠湾じゃこんなケーキ絶対食べれないっぴょん。魔が差すのも無理ないっぴょん」

朝潮「しかし、事件は解決したけど……ケーキはもう……」

ドヨーン……


提督「……望月、大湊に間宮か伊良湖はいますか?」

望月「ああ、確かいたけど……」

提督「このまま終わっても後味が悪い、私が一肌脱いで差し上げましょう」

卯月「おっさんのストリップなんて見たくないぴょん!」

提督「そらそうだ。皆さん、大湊に寄る時間はありますか?」

赤城「無いことはありませんけど……そうか、そういうことですね」

提督「実は私は間宮券をいくつか持ってましてね。新しく作ってもらいましょう。味もしっかり再現してね」

卯月「本当!?」

提督「ええ。ただし、犯人の皆さんはしっかり反省して、仲直りしてくださいね」

磯波「魔が差すだなんてことは誰にだってありますから」


川内「ごめんね、卯月、朝潮、赤城さん」

龍驤「気持ちを裏切ってしまって……」

加賀「自分自身に頭に来ます」

卯月「いいぴょん。それよりも帰ってからしれーかんに謝るっぴょん!」

提督「ふぅ……なんとか無事、着地したようですね」

赤城「……あの、卯月さん」

卯月「ぴょん?」

赤城「作り直すんなら、一口いただいても……」

卯月「これだもん」


その後、大湊の間宮さんにケーキを作り直してもらいました。
なんとかみんなの仲に亀裂が入ることはなかったみたいです。よかったよかった。
さて、それでは望月ちゃんの依頼を解決しなくてはなりません。
一体どんな事件が待ち受けているのでしょうか!

次回に続きます...

あれ?なんか俺が書きたかった話と違う……
まいっか!次に行こう次に!


~第六話 私の愛した司令官~

遠路遥々この大湊にやってきました。
望月ちゃんが言うには艦娘たちが洗脳されている、とのことですが……。


大湊警備府 執務室


「ふっふっふ……モテモテ電波装置、すごい効き目だね明石」

明石(私も提督の私物オークションで大儲け。提督には感謝感謝)

喪女提督「この、橘花泉がモテ覇権を取った!そう言っても過言では無い!」

明石「その通りです提督」(モテ覇権?)

喪女提督「しかし、もっちーはどこに行ったのかな……もっちーがいなきゃ外にも出れない」

明石(あんたがそんなだから愛想つかしたんじゃないの)

喪女提督「……ところで、最近私物がよく無くなるんだけど」

明石「いえ、存じませんねぇ」



大湊警備府 門前


提督「うーん。外観からは特に変わった様子は見受けられませんね」

望月「理由はわからない、まるで魔術か幻術の類だ」

提督(もし、入るだけでそれが効くのであれば……)ムムム

磯波「ど、どうしました?私の顔に……」

提督「望月、あなたのように正気を保ったままの艦娘はいますか?」

望月「ああ何人かいる。そいつらも困惑してるよ」

提督「そうですか、では彼女らと合流いたしましょう」

スタスタ

提督「……!」

磯波「?どうしました?」

提督「いや、別にどってことないんだけど」

望月「おい、何か変だぞ」


提督「なんだかここの提督に無性に会いたくなったんだよなー!」

磯波「まさか!えぇっ!?そりゃないでしょ!」

望月「お前が洗脳されるのかよ!」

提督「別に洗脳はされてないんだよなー!」

望月「こ、こういう風に人が変わるんだよ……」

磯波(ここは、私がしっかり事件を解決しなくちゃ!早くしないと提督が……!)

磯波「それじゃ、調査だよ望月ちゃん!」

望月「こ、こいつはどうすんだよ」

磯波「ある意味では都合がいいから、利用させてもらおう」

望月「お、おう……」

磯波「まず範囲。提督、おいで」グイッ


提督「やめてほしんだk…おや、磯波。そんなに引っ張られては」

望月「範囲なんか調べてもなんか意味あんのか?」

磯波「調べられることは、全て調べるべきだって、提督が言ってたの」

提督「その意気ですよ磯波。ところで離してほしんだけどなー」

磯波「ダメです」

提督「なんか頭が行ったり来たりっていうか、グワングワンする」

磯波「ほら、ここに立ってください」

提督「うん」

望月「提督使い荒いなー」



磯波「この四角い警備府をすっかり覆ってるみたいだね。でも四隅に効果はない」

望月「だとするとこの魔術は円に効力があるってことか」

磯波「そうなるよ。この建物の中心に何かありそう!」


提督「こ、これは私のキャラではない、大塚隊長とかそっちの方の役目ではありませんか!」

磯波「何言ってるんです提督!仕事ですから!」

提督「仕事だからってこんなことされちゃ困ります!」

磯波「望月ちゃん、単純にあなたの司令官が怪しいんじゃない?」

望月「いや、聞こうとしたら明石が出てきていつもはぐらかされたんだ」

磯波「明石さん……確か、オークションを」

望月「そうだ」

提督「なるほど、初歩的な推理だ。確実にその明石が怪しいですね」

磯波「望月ちゃん!明石さんがどこにいるか知ってる?」

望月「執務室にいると思う、行こう!」

磯波「はい!」

提督「行きましょう」


タッ

磯波「あ」

提督「なんだか無性に、胸がドキドキしてきたんだよなー!」ダッ

磯波「待って提督ッ!」ダッ

望月「あ!ちょ……あれ……」

ポツーン

望月「……司令官、女なんだよな。まずいっちゃあまずいわな」

タッタッタッタ

これは後から考察したんですが、艦娘はみんな女の子だから正面から突撃するってことは無くって、
ずっと牽制、駆け引きが行われていたんだと思います。
でも提督は猪突猛進とばかりに突き進んでいきます。これは問題です。すっごく問題です。



警備府内


タタタタタタ…

磯波「提督!止まって!止まれ!」

提督「いえ、愛を止めることなんか出来るはずありません」

羽黒「これは!」シャッ

名取「提督の!」シャッ

伊19「ピンチなの!」シャッ

磯波「そこの人たち!この人を止めてくださーい!」

羽黒「止まってくださーい!」

ガッキィ

提督「まだまだですね」ムン

羽黒「た、倒れない!」

磯波「引きずっている!」

名取「待ってください!」ガキッ

伊19「止まるの!」ガキッ

磯波「また捕まった!三人は流石に」

提督「その程度では、私の愛を止めることは出来ませんね」グワワッ


磯波「すっごぉ~~~いッ!三人を引きずりながらも突進をやめない!まるで重機関車ですッ!」

伊19「言ってる場合なの!?」

磯波「四人目ですッ!!」ガシィ

提督「ぐっ、流石にぐらつきますね……!」

磯波(でも、このままじゃ捜査を続けることなんて……)

望月「何してんの……?」

磯波「あ、望月ちゃん!提督を抑えつつなんとか捜査する方法は……」

望月「……無いんじゃないか」

磯波「そっか……じゃあ司令官に耐え抜いてもらうしかないかな……」パッ

提督「隙有り!」ダッ

羽黒「ま、待ってくださ~~い!」ダッ

名取「追いかけなきゃ!」ダッ

伊19「イクから逃げられると思うの!」ダッ

望月「このタイミングで伝えるが、ウチの司令官は女なんだ」

磯波「……さあ、望月ちゃん。提督はあの三人に任せて、明石さんをとっととしょっ引いちゃうよ」

望月「う、うん」



地下倉庫


敷波「あたしたちも洗脳はされていないんだ」

扶桑「望月、あなたがいない間に調査を進めていたら、こんなものが」

望月「これは……」

ピピー、ピピー

磯波「間違いありません、これが騒動の原因です。ちょうど円の中心ですね」

望月「どうしてわかる」

磯波「ここに『モテモテ電波装置 by 明石』って書いてあります」

望月「ズコー」

敷波「さあ急がなきゃ、こいつを持っていこう!」

望月「その場で止めることはできないのか?」

扶桑「色々試してみたけど、どうも提督だけが知ってるパスワードがあるみたい」

敷波「下手にぶっ壊したら何が起こるかわからないしな」

望月「なるほどな」



執務室


喪女提督「なんか騒がしいね」

明石(きっと、望月が誰かを連れてやってきた。私はそう予感してる)

喪女提督「あ、もっちーかな!」

コンコン

喪女提督「もっちー?」

ガチャ

提督「いえ、あなたのダーリンです」

喪女提督「」

明石「うげっ、男!?」

提督「おやおや、どうしました。可愛いレディ。びっくりした顔もキュートですけどね」

喪女提督「」

明石(可愛いって……中の下、いや下の上ぐらいじゃん)


喪女提督「明石!ワタシ可愛いなんて言われたの初めて!」キャッキャッ

明石「ああ、でしょうね」

提督「あなたのお名前は?」

喪女提督「あ、あのぅ……っか……」

提督「照れてるのかな?」

喪女提督「きっかいじゅみ……」

提督「橘花泉、いい名前です。まさしく美しいあなたに相応しい。僕は広川一郎、君の愛しの王子様かな」

喪女提督「うぅ……おーじさま……///」

明石(ゲェー!歯がガタガタ浮くようなセリフッ!)

羽黒「待ってください!」

伊19「てーとくに手は出させないの!」

名取「提督は私と...するんです///」

伊19「あ?」

羽黒「は?」

名取「ほぅ?」

明石(盛り上がってきたところで退散しよ……)コソコソ


磯波「待ちなさい、明石さん」

明石「ん?あ、どうも」

望月「明石……」

明石「げっ!」

磯波「げっ、ということは。何かやましいことでもあるんですね?」

明石「そ、それは……」

望月「手品のカラクリならもうバレてるぜ」

敷波「これだろ、明石」

ピピー、ピピー

明石「そ、それは」

扶桑「これが艦娘たちを惑わせていたんですね」

明石「でもそれは提督にしか切れないんですよ」

望月「そうだな。おい司令官!」

喪女提督「もっちー!どこ行っていたの!」


望月「司令官。夢は終わりだ。もう目覚めてみんなのところへ帰ろう」

喪女提督「……!」

提督「あ、マイスイーt」

ガンッ!バタッ

磯波「ちょっと、寝ててくださいね」

敷波(おーこわ)

望月「それともこのお花畑みたいなところに、ずっと居続けるのか」

喪女提督「それは……」

望月「ただ司令官を好いてるだけな“装置”とずっと暮らして、それで満足なの?」

喪女提督「だって……」

望月「だって?」


喪女提督「だって私だってチヤホヤされたかったし…!他の人みたいに恋だってしたかった!」

望月「……」

喪女提督「だって、隣に誰もいないんだよ、孤独だよ、ずっとひとりぼっちで生きてきて、
     それでも頑張って提督になったのに、ちょっとぐらいご褒美もらってもいいじゃん!」グスッ

望月「司令官」

喪女提督「生まれながらに必要とされるあんたらには一生わかんないだろーね!」ポロポロ

望月「司令官!」ガバッ

ギュッ

喪女提督「……!」

望月「司令官、あたしにはあなたが必要だ」

喪女提督「それは提督だから……!」

望月「あなただから必要なんだ。司令官、あたしが艦隊に配属されたばかりの話をしてやる」



艦隊に馴染めず、一人でいたあたしに声を掛けてくれた。

喪女提督『ひ、一人?』

望月『ん?ああ』

喪女提督『なんで一緒に食べないの』

望月『別にいいだろ、なんでも』

喪女提督『じゃ、じゃあ、ワタシと食べょぅ……』ボソッ

望月『……いいけど、別に』

変な奴だって思ったよ。でもこの時、あたしはきっと救われたんだと思う。
馬鹿で、不器用で、どうしようもない愚図で、でもお人好しな司令官に。
それから、ずっと一緒にいて、秘書艦にもなってさ。
本当に楽しかった……。本当さ。嘘なんかじゃない。



喪女提督(あ、あれは……)

望月「一人で食べてるの見ると昔を思い出して嫌だったから声かけた、とかだったんだろうけどさ」

喪女提督「うん……図星……」

望月「それでもこうやって、横須賀まで行ってさ、迷走してる司令官をどうにかしようってぐらいには好きになった」

喪女提督「うん、うん……」ポロポロ

望月「だからさ、泣かないでくれよって。こんなあたしだけど、傍にいるからさ……」

喪女提督「……望月」

望月「えっ?」

喪女提督「パスワードは『望月』」


この橘花提督は、学生時代を孤独に過ごし、士官学校でも孤立していたそうです。
成績は優秀でしたが、人間関係という面では落第点でした。
彼女は晴れて提督になり、望月ちゃんと出会ったのです。
でもずっと無能感に悩まされ、『本当に自分は必要なのか』と考えてしまったんですね。



明石「冗談で言ってると思ったんですよ……でもこれは……」

望月「どっちでもいいぜぇ、あたしは。逮捕となったら書類とか色々とめんどーだしぃ」

明石「……いや、自首します。すっかり反省してからまた会いましょう」

望月「どーせ、執行猶予とかですぐ帰ってくると思うけどね」

敷波「望月もいつもの調子に戻った」

扶桑「よかったわ」

羽黒「あの、あたしたち……」

伊19「数週間ぐらい記憶がないの……」

名取「何か恐ろしい事件でも……?」ウルウル

敷波「いやいや、忘れちまいなよ……っても記憶が無いんだったか」



喪女提督「さ、さよぅ......」ボソボソ

望月「さよならだってさ」

提督「え、ええ。まあ我々は特に何もしていないんですけどね」

磯波「考えてみればそうですよね……」

敷波「いいきっかけには、なってくれたよ」

扶桑「引き金を引いたみたいなものですよ」

提督「物騒な例えですね」

喪女提督(ああっ、そういえば……お、おーじさまだなんて///)カァー

提督「ん?どうかなさいましたか」

磯波「いいですよー提督は気にしなくて」

提督「はあ、そうですか」

喪女提督(いい夢見させてもらいました、ありがとうございます)ニマニマ

望月「ありがとう、だって」

喪女提督「!?」ビクッ

提督「え?ええ、どういたしまして」

望月「また暇なときにでも遊びに来いよ」

提督「そうですね、また機会があれば」

望月「あたしはめんどくさいからもうそっちには行かないけど」

提督「なんなのそりゃ」





提督「……なぜか頭がズキズキします」

磯波「そうでしょうね」

提督「磯波、君怒ってはいませんか?」

磯波「怒ってませんよ」

提督「そう、です、か……?」

磯波「さあ、帰りましょう、横須賀へ」

提督「ええ、そうですね」


事件はなんとか収まりました。
橘花提督はこれから頑張ってイメチェンしていく!と意気込んでいるとか。
イメチェンって言葉が若干古いような気もしますけど、それなりに楽しくやってるみたいです。
明石さんは、特に罰則を受けはしませんでした。でも反省するために自主的に謹慎をしているそうです。……が、
駆逐艦たちに引っ張り回されて以前と全然変わらない生活なんだそうです。
無事丸く収まったみたいでよかったです!


次回に続きます...

勢いで書くとこういうよくわからないものが出来上がるのだ
みんなは真似しちゃダメだぞ♪

そりゃあもう愛の力さ(適当)


第六話の注ぎ足し


磯波「そういえば、あの電波はどういう条件で発動したんでしょうね」

提督「そうですね……完全にランダムなのではないでしょうか?あるいは出力側で設定できるとか」

磯波「名取さん、羽黒さん、イクさん、それと提督。望月ちゃん、敷波ちゃん、扶桑さん、そして私」

提督「……くまさんぱんつでは?」

磯波「くまさんぱんつは関係ないです!もう忘れてくださいよぉ」

提督「磯波のくまさんぱんつ、私は好きだなぁ」

磯波「えっ!そう、ですか……ってごまかさないでください!」

提督「別にごまかしたつもりはありませんけどね」

プルルルル

磯波「ん?あ、望月ちゃんからだ。もしもし」テチッ

望月『もしもーし、そういえばあの電波の条件聞いてみたけどさ』

磯波「あ!ちょうどその事について話してたところなんだけど」

望月『そっか。それで条件なんだけどな……パンツ、どんなだった?』

磯波「え!?く、くまさんだったけど……」

望月『やっぱりそうか……わかるな、つまりそういうことだ』

磯波「えぇ~~……じゃあ扶桑さんも……?」

望月『ああ……くまさんだった……』

磯波「そ、そうなんだ……ありがとう、わざわざ」

望月『いいってこと。それじゃあね』

磯波「うん、じゃあね」

ツー、ツー

提督「どうでした?」

磯波「パンツ、パンツでした……」

提督「やはり、私の推理に間違いはありませんでしたね」

磯波「間違いであって欲しかったですよ……」

んなアホなって感じです...

蛇足かなと思ったが書いた以上投稿しなくちゃな!
まあこの装置もう出ないと思うし
くまさんふんどしとかどこで売ってるんでしょうね


第七話 特型遊撃隊

大湊の事件の後は平穏な日々が続いていました。
でもそんなある日、またあの連中が何か企んでいるようです……。


深海商店 スタッフルーム


レ級「ふっふっふ……」

ネ級「仕事しないとまた怒られますよぉ」

レ級「我々はこんなところで品出しをするために敵地に送られて来たのではない」

ソ級「別にいっすけどね、ウチは」

ネ級「うん、私もぉ」

レ級「貴様らにはプライドというものがないのか!」


バサァッ!

ソ級「あ、すごい写真の山」

ネ級「みんな広川のだぁ……」

レ級「我々はにっくき広川のために数々の苦渋を舐めさせられてきた」

ソ級「コテンパンにっすね」

レ級「ヤツを叩きのめし、我々の誇りを回復するのが急務である」

ネ級「あ、そういえば店長が呼んでたよぉ」

ソ級「へぇ、後で行こ」

レ級「あの小賢しい若造を倒すため我が輩は日夜考え続けた」

ネ級「これ終わったら何するぅ?」

ソ級「お肉コーナーの点検っす」


レ級「我が輩はヤツの動向を探るべく調査を続けた」

ソ級「ストーカーっすか」

ネ級「酷いことするねぇ」

レ級「うるさいんだよ黙って聞けぃ!!」

ソ級「そんで、どーすんすか」

レ級「誘拐するのさ」

ソ級「誘拐!?またっすかぁ!?」

レ級「今度はミスはしないさ、それにブレインであるヤツはこちらの手の内だ」


ネ級「わかったぁー!誘拐してお婿さんにする気なんだぁ!」

レ級「んなわけあるか!!」

ネ級「彼かっこいいもんねー!」

レ級「だ、黙れっての!///」

ネ級「へへー、赤くなったぁ!」

レ級「このぉ!!」ダッ

ネ級「へへー!まんざらでもないんだぁー!」ダッ

ソ級「ちょ、こっち来ないでっすよ!」ダッ

ドタバタ



一方、宿毛湾泊地。


叢雲「磯波……心配だわ」

深雪「ほんの数日連絡よこさなかっただけじゃないか」

吹雪「そうだよ、少し心配のしすぎじゃない?」

叢雲「いや!あの子は気が弱いんだから!それに世の中には怖い提督もいるのよ?」

初雪「例えば?」

叢雲「怪しい薬を事あるごとにジャラジャラ飲んだりするヤツとか」

白雪「はあ……」

叢雲「犬だ魔力だと言葉巧みに艦娘を誑し関係を持とうとするヤツとか!」

初雪「モノは言い様だよね」


叢雲「学園を作ってそこで生徒として暮らしてるヤツまでいるのよ!?」

深雪「それは別に悪徳でもないだろ!」

吹雪「それ本当にこの世界の話なの?」

初雪「ていうかそんなこと言っちゃ怒られちゃうよ」

叢雲「怒られるって、誰に?」

初雪「それは……そりゃ色んな人に怒られると思う」

叢雲「ふうん。まあいいわ、とにかくみんなで横須賀に乗り込むわよ!」

吹雪「いいのかなぁ~」

深雪「楽しそうだな」

白雪「じゃあ司令官に許可取ってきますね」

初雪「意外と乗り気だね白雪」



数日後、事務所


ピンポーン

磯波「ぐ~……すぴ~……」zzz

提督「ふわぁ~あ、こんな時間からなんです……」ガバッ

ピンポーン

提督「……ってもう10時ですか」

スタスタ

ピピピピピピンポーン

提督「はいはい、今行きますよっと」

ガチャ

提督「はい」


叢雲「あんたが広川!?」

提督「その通り、私は広川中佐です。仕事の依頼ですか?」

叢雲「磯波いるでしょ!」

提督「ええ、いますけど。まだ寝てますよ」

叢雲「私は磯波の姉の叢雲、様子を見に来たわ」

提督「はぁ、そういうこと。どうぞ上がってください」

深雪「お邪魔しまーす!」

吹雪「どうも!はじめまして!」

初雪「……」

白雪「妹がご迷惑をおかけしてすみません……」

ゾロゾロ

提督「はあ。まあいいですけど」スタスタ


叢雲「あー!」

提督「ん、なんなのか」

叢雲「こここ、これ……ベッド……」

深雪「あらまあ」

初雪「一緒に寝てるのか」

吹雪「はわわわわ……///」

白雪「お、驚きですね」

提督「話すと長ーくなります」

磯波「ん~、なんですか騒がしい……ふわぁ~あ」

叢雲「い、磯波!超えちゃいけないライン考えなさいよ!!」

磯波「あれ、叢雲ちゃん。それにみんなも、どうしたの?」




提督「なるほど、それで心配になって来たわけですね」

磯波「ごめんね、心配させちゃって」

深雪「いやいや、こいつが勝手に心配しただけだからさ」

初雪「お詫びに観光案内は任せた」グッ

磯波「そうだね、みんなゆっくりしていってよ。そういえば宿は?」

白雪「近くのホテルを使ってます」

磯波「へぇ~」

吹雪「叢雲ちゃんがね。磯波ちゃんが心配だーって、急遽来ることになったの」

白雪「連絡するべきでしたけど……」

提督「そうですね。一報くだされば歓迎の準備も出来たというのに」

初雪「残念」

叢雲「……でもそれって磯波に魅力がないってこと!?」


深雪「えぇっ!?いきなりっ!?」

吹雪「ずっと黙ってたと思ったらそんなことを…」

提督「そりゃ魅力的でしょう、一般的に見てもね」

叢雲「じゃあなに!?あんたホモ!?」

提督「いえ、ホモではありません」

叢雲「じゃあイ○ポね!イ○ポ司令官!」

白雪「女の子がそういうこと声高に叫ぶのはやめなさいよ…」

提督「いえ、別に健康ですよ……」

叢雲「証拠は!?」

初雪「ぶほっ」

深雪「お、おい、叢雲、落ち着けって」

吹雪「叢雲ちゃん、あなた自分で何言ってるかわかってる……?」


叢雲「……あ!いい!証拠はいい!」

提督「いや、驚きましたよ。本当に見せろと言われたらどうしようかと」

磯波「見せないでくださいね?」

初雪(私はちょっと見てみたかったけどね)

提督「さて、私はお邪魔のようですから、ちと出かけます。夕食までには戻りますよ」

磯波「あ、はい。あの、今日のお夕食はシチューにしようと思ってますけど……」

提督「おや、それは楽しみだ。必ず帰ってこなくてはいけませんね。ではいってきます、磯波」

磯波「いってらっしゃい、提督」

ガチャ

バタン

磯波「ふぅ、それじゃあコーヒー入れてあげるね」トテテ

深雪「これは……」

吹雪「うん……」

(((((信じて送り出した妹が……)))))ガビーン

磯波「ん、どうしたの?」





バタン

提督「……やれやれ」

スタスタ

「……」コソコソ

レ級『頑張れよキャップ。一気にガってやっちまえ』

「うんうん」

コソコソ

提督「~~♪」スタスタ

「あのぅ……」

提督「おや、どうされましたか?」

「ご、ごめんなさいぃ!」

提督「え?うわっ」

ガバッ



時間は進んで夕方


磯波「はぁ~~……提督遅いなぁ……」

シーン…

磯波「せっかく作ったのに、シチュー」

イジイジ

磯波「叢雲ちゃんたちもホテルに帰ったし……」

プルルルルル

磯波「あ!提督かな!もしもし!」テチッ

『磯波とやら、貴様の提督は預かった』

磯波「え、え?」

『返して欲しかったら大人しく指示を待つことだ。でなければ提督は死ぬ』

磯波「……」ゴクリ

『その携帯に指示を送る。無駄なあがきはせんことだ』プチッ

ツー、ツー

磯波「て……提督……」



レ級たちのアジト


提督「」

ソ級「起きませんっすね」

ネ級「死んじゃったのかなぁ」

レ級「心配するな。もう少しで薬が切れる」

ネ級「……やっぱり起きない!死んじゃったんだぁ!」

レ級「しつっこいな!寝てるだけだってのにもう!」

ネ級「うそだぁ!!お前が殺したんだ……!」

レ級「何ぃ!?人聞きの悪いことを言うな!我が輩の殺人は今まで一度も成功したことがないんだよ!」

ソ級「それでここに左遷っすか、どーりで。レ級なのに変だと思ったんすよ」

レ級「だーっとれい!」


ネ級「人殺しー!!」ジャキ

レ級「な、なにぃ」

ソ級「だー!やめなさいよ!」

ネ級「お前を殺してワタシも死ぬぅー!!」

ソ級「やめなさいよ!危ないからおろして!」

レ級「どーいうつもりだお前は!」

ネ級「殺してやるーーー!!」

ドタバタ

提督「……」ムクリ

ソ級「あ、あれ!起きた!」

ネ級「い、生き返った……よかったぁ~~~」


提督「一体これは……夢かはたまた幻か……」

レ級「見ろ、我が輩の言ったとおりだろうが」

ネ級「むむっ!!」

ソ級「!」

レ級「!」

ネ級「今すぐお飲み物を持ってきなさい!!」

ソ級「逆らわない方がいいみたいっすね」

レ級「うん」

ネ級「早くしなさい!!」

「は、はい!」ピュー

ネ級「ホントに愚図なんだからぁ!」


提督「……とどのつまり、私は囚われの身ということですね?」

ネ級「そういうことになりますぅ。あ、大丈夫。酷いことはしませんからぁ」

提督「そうですか、君はあまりこういうことには向いていない性格のようですね」

ネ級「ええ?そ、そうかもしれません……」

提督「君は見た目もさることながら、心までも清く美しいお方だ」

ネ級「そ、そうですかぁ?///」カァー

提督「どうです、ここはひとつ私をここから連れ出してもらえませんか?」

ネ級「そうですねぇ、そのほうがいいと」

レ級「ああ!馬鹿!そんな言葉に惑わされるな!」

ネ級「ええ?あ、はぁいぃ……」

提督「おや、バレちまいましたか、こりゃ残念」フゥー

レ級「ったく、お前は人が良すぎるんだよ」

ソ級「飲み物お持ちしましたっす」

提督「どうも、いただきます」

提督(……磯波は変わりないだろうか)チビチビ



翌朝……。


深雪「ったく、昨日は提督の話ばっかり聞かされて全然遊べなかったよな」

白雪「元気そうで良かったですけどね」

吹雪「まだ心配なの、叢雲ちゃん」

叢雲「べっつにぃー」

初雪「今日こそは街を回ろう」

深雪「おーい、磯波ー」ポチ

ピンポーン

シーン…

深雪「ありゃ」

吹雪「変だね」


ガチャッ

吹雪「あれ開いてる」

白雪「あのー、おはようございます」

グスッ…グスッ…

叢雲「!?磯波!どうしたの!」ダッ

タッタッタッタッ

磯波「うぐっ……ひっく……」グスグス

叢雲「どうしたの!?つ、ついに乱暴を…」

磯波「提督が、提督が拐われちゃったよぉ……」ポロポロ



再び起こってしまった誘拐事件!
無事、提督を救い出すことはできるのでしょうか……。

次回に続きます...

向こうが死にかけですが、問題はありません。嘘です。
こっちまでネタが思いつかなくなったらどうしましょう。

まあ思いつくもなにもパロディばっかなんですけどね!
それ以上にオリジナルも書いてるっちゃ書いてると弁解もしておく

あ、これは向こうの話題だから相応しくありませんでしたね、ごめんなさい。
お詫びにこの話の次はくまさんぱんつ回にしますから!!!!


提督が拐われてしまったのです。どうしよう……。


磯波「……」グスグス

吹雪「とにかく、連絡を待つしかないよ」

初雪「うん」

叢雲「うーん、一体何者なのかしら」

磯波「……きっと深海棲艦の三人組」

深雪「深海棲艦の三人組ぃ?」

白雪「何者なんですか?」

磯波「実は……」



レ級たちのアジト


提督「随分と、汚いと言いますか。私も磯波に任せてばかりですから人のこと言えませんが」

レ級「ふうん、どうでもいい」

提督「そういえば、深海棲艦というのは」

レ級「うるさいんだよ!口塞いどけ!」

ネ級「酷いことしちゃダメですよぉ!」

レ級「全く、やかましいったらありゃしない」

提督「いやいや失礼、思ったことがすぐ口に出る質なので」

レ級「いいことを教えてやろう、貴様の命は我が輩の気分次第だということだ」

提督「それはそれは恐ろしい」


レ級「ふっ、いつまでその余裕が続くか見ものだな」スッ

提督「それは私のスマホですね」

レ級「こいつで貴様の助手とやらにどんな命令を出してやろうかなぁ~」

提督「……私の磯波に手を出すことは許しません」

レ級「別に何もせんよ、ただちょっとお手伝いをしてもらうだけさ」

ネ級「柄にもなくシリアスですねぇ」

ソ級「そっすね、久々の登場だから張り切ってるんでしょ」

レ級「あのねぇ、空気壊さないでくれるかな」



事務所


吹雪「発信源を突き止めることができれば……」

深雪「初雪こういうのできないか?」

初雪「無理、第一パソコン持ってきてないし」

白雪「憲兵に持っていけばできるんでしょうけど」

磯波「そ、そんなことしたら提督が!」

叢雲「そうね、困った、困ったわね……」

プルルルル

「!!!」


叢雲「……提督の携帯から、ヤツらね」

白雪「みんな、息を潜めて。悟られないように」

吹雪「うん」

磯波「……もしもし」

『磯波とやら。誰にも言ってないだろうな』

磯波「はい……提督は?」

『元気に減らず口を叩いておるわ。そして、貴様には仕事をしてもらう』

磯波「仕事……?」

『そうだ。詳しくはまた後で話す。今夜、機密書類を持って海岸へ来い。もちろん一人でな』

磯波「機密書類!」

『貴様の事務所にも一つぐらいあるだろう?わかったら、準備するんだな』プツン


ツー、ツー

磯波「……」

叢雲「……ど、どうだった?」

磯波「今日の夜、海岸に一人で来いって……」

吹雪「一人で、ねえ」

深雪「そんで提督は無事なのか?」

磯波「うん、無事だって」

白雪「しかしどうしましょう……」

磯波「……」

初雪「……よし、袋叩きにしよう」

深雪「おう!」

叢雲「悪くないわね」

白雪「主砲で弾幕張ります」

吹雪「わたしがやっつけちゃうんだから!」

磯波(そういえばこの人たち脳筋だった)



夜…


提督「……深海棲艦は夢を見たりするんですか?」

ネ級「夢ぇ?」

提督「ええ、少し興味が沸きましてね。艦娘も人間と同じように夢を見ます」

ネ級「夢、悪夢なら見る」

提督「悪夢、ですか」

ネ級「甲板に人が大勢並べられ、一人ずつ刀で斬首していく夢……」

提督「……」

ネ級「だから私は人殺しは嫌い。それでここに異動を希望した」

提督「なるほど……あなたはキャプテン・マユズミでしたね」

ネ級「……」


提督「失礼、嫌なことを喋らせてしまいましたね」

ネ級「いいんですよぉ」

レ級「何いい感じになってる!」

提督「おや、ヤキモチを焼いているのですか?」

レ級「口を開けばその度にコケにしおって、キャップがいなければ貴様は今頃あの世にいただろうな」

ソ級「でも殺人は成功しないんじゃないっすか?」

レ級「……うーん、流石にこの距離では失敗しないはずだが」ブツブツ

ソ級「そろそろ時間っすよ」

レ級「お!そうだったそうだった!行くぞ!」



海岸


ザザーン…ザザーン…

磯波「……」

シャー

キキィ

磯波「!」

レ級「ふっ、ちゃんと一人で来たようだな」

磯波「提督は!」

レ級「無事だ、我が輩の寛大さに感謝するといい」

提督「いい子にしてましたよ私」

ネ級「ぶふっ、いい子にだってぇ!」

ソ級「全く余裕っすねこいつ」


磯波「機密書類はここにあります!」

レ級「物分りがよくて助かるぞ磯波くん。さて、そいつをこっちに渡してもらおうか」

磯波「先に提督を離してください!」

レ級「それは出来ないな、機密書類とこいつの命、どっちが大事かな?」

磯波「くっ……」

スタスタ

磯波「はい」

提督「後ろに飛びなさいっ!」

磯波「!」トッ

ガボッ

磯波「!?」


レ級「おっと、ふふ。失礼、尻尾が滑ってな」

ネ級「な、なんてことを!卑怯ですぅ!」

提督「それは私どもが言うべきセリフですよ」

レ級「これくらいやらなければな!連中は敵なのだ!」

ソ級「でもまた失敗しましたっすね」

レ級「……うるさい!」

磯波「……!」ジャキッ

レ級「こいつもやる気みたいだからな、こっちは3人!」

ネ級「私は手伝いませんよぉ!」

レ級「2人!」

ソ級「自分もパスっす」

レ級「1人……」

磯波(人望ないなぁ……)


提督「人望ないですね」

レ級「黙れ!だが所詮駆逐艦よ……戦艦に勝てるわけがない!」

磯波「本当にそうでしょうか?」

ドン!

レ級「痛っ!」

吹雪「私たちもいます!」

叢雲「この自慢の薙刀で三枚におろしてくれるわ!」

深雪「おう!それ薙刀だったんだな!」

レ級「なにぃ!騙したな!」

白雪「先に騙したのはあなたの方です!」

レ級「いや!一人で来いって言ったのにこんなに潜ませていたなら貴様らの方が先に」

初雪「うるさい!」ドンッ


レ級「くそぅ、ここはひとまず退却だ!キャップ!058!逃げるぞ!」

……

提督「二人ならもうとっくに逃げましたよ」

レ級「な、なんとーーーっ!!」

磯波「提督、解けましたよ」

提督「どうも」

叢雲「それじゃあ、大事な妹を泣かせた罰を与えてあげるわ……!」

レ級「我が輩は戦艦だ、貴様ら駆逐艦の豆鉄砲など」

深雪「それが酸素魚雷があるんだなこれが」

レ級「魚雷が陸で使えるか?」

白雪「起爆させることはできます」


レ級「……」

提督「あ、大人しくお縄にかかるってのはどうでしょう?」

レ級「やだっ!」ダッ

叢雲「あ!待ちなさい!」

レ級「バーカバーカ!この次は覚えてろよ!」

タッタッタッタッタッ……

叢雲「……行っちゃった」

白雪「なんか、投げやりな展開ですね……」

深雪「さっさと終わったんだから良しとしようぜ」

初雪「うん。戦闘は痛いからヤダ」

吹雪「なんにしても、一件落着です!」

叢雲「そういえばふたりは?」



磯波「提督、なにか酷いこととか…」ギュー

提督「いいえ、磯波こそ何事もなくて良かったですよ」ナデナデ

磯波「よかった、提督……」


叢雲「う、うちのいmムググ!」

白雪「いいからいいから!」

吹雪「叢雲ちゃんはおとなしくしてて!」

深雪「ほえ~」

初雪「仲良きことは美しきかな」



こうしてあっさり解決してしまったのです。
でもたまたま姉たちが来ていなかったらどうなったことか。
翌日は休みを取って、みんなと街で遊びました。でも、半日で飽きました。


次回に続きます...

途中からぶん投げた!?うるせえ!俺は早くくまさんパンツ回が書きたいんだよ!



第八話 交渉人


コポコポ

磯波「……」ズズズ

提督「磯波、着替えは済んでますか」

磯波「仕事ですか?」

提督「ええ」

磯波「それで、どんな依頼ですか?」

提督「どうにも軍用品生産工場からですね」

磯波「何を作ってるんです?」


提督「んー……衣料品、艦娘の軍服などですね」

磯波「えー!?」

提督「どうしました?」

磯波「ひょっとして下着も!?」

提督「え、ええ。下着もじゃないでしょうか。何をそんなに……」

磯波「これですよ!」ペロン

提督「うおっ、お尻丸出しにしちゃってまた」

磯波「このくまさんシリーズもそこで作られたなんです!提督は知らなかったと思いますけど、大ファンなんですよ私!」フリフリ

提督「あ、あのねぇ」


磯波「それから上も!」スポーン

提督「あらら」

磯波「このくまさんブラも同じところでして!」

提督「ジュニアブラですか」

磯波「可愛いでしょう!?」

提督「あー、可愛らしいストリップを見せてくれたのはありがたいですが、とりあえず落ち着いて服を着てください」

磯波「すとり、あ……」

提督「磯波、目は覚めましたか?」

磯波「あの……は、恥ずかしいです……///」カァー

提督「ああ、でしょうね……」




ブルルルルルン

提督「もうすぐですね」

磯波「提督、そういえば依頼内容は……」

提督「どうやらこの工場は提督が運用しているようです」

磯波「そ、そんなことってあるんですか!?」

提督「深海棲艦がスーパーを経営してるんですから、鎮守府の主が工場を経営していても不思議ではありませんよ」

磯波「そうでしょうか……?」

提督「それはともかく依頼主はその提督の部下、軽巡洋艦です。内容は行ってからのお楽しみだそうですね」

磯波「何か重大なことでもあったのでしょうか?」

提督「もしかしたらもしかするかもね」



依頼主の鎮守府


球磨「ようこそ我が鎮守府へクマ。あんたが広川中佐クマ?」

提督「その通りです。ということはあなたが依頼者ですね。こちら助手の磯波です」

磯波「よろしくお願いします」

球磨「よろしくクマ。軽巡洋艦球磨だクマ。早速だけど依頼内容クマ」

提督「何か重大なことですか?」

球磨「そうクマ!球磨たちにとっては死活問題クマ!」

提督「なるほど」

球磨「とりあえず、球磨の部屋に来るクマ」



球磨の部屋


ガチャ

球磨「来てくれたクマ!」

阿武隈「ほんとぉ!?」

三隈「三隈感激です」

熊野「全く、こんなことで遥々横須賀から呼び出すなんて……」

提督「こんなこと、なんてことはありませんよ。困ったことがあればいつでも知らせてください」

磯波「そうですよ!」

熊野「で、でもこれは……」


提督「申し遅れました、私は広川中佐。こっちは助手の磯波。軍事探偵のようなことをやっとります」

磯波「よろしくお願いします」

球磨「それじゃあ、早速聞いて欲しいクマ……」

阿武隈「提督の事、なんだけど」

三隈「三隈たちは提督に苦しめられているの」

提督「……やはり」

球磨「厳しい制限を掛けられているクマ」

磯波「い、一体……何にですか……?」

球磨「それは……」

提督「……」ゴクリ



球磨「お酒クマ!」

.


提督「……はぁ?」キョトン

磯波「……え~」ジトー

球磨「その顔は何クマ!?」

熊野「だから言いましたのに」

阿武隈「厳しすぎるんだもん提督」

三隈「三隈たちだってお酒ぐらい飲みたいもの」

磯波「それはお気の毒に帰りたい気分がしてきました」スタスタ

提督「待ちなさいってんだよ」ガシッ

球磨「どうにかならないクマ?やっぱこんな依頼じゃダメクマ?」

提督「なかなか興味深い依頼ではありませんか。私もお酒は好きですから気持ちはわかります」

球磨「じゃあ、受けてくれるクマ!?」

提督「ええ、もちろん。ですよね磯波」


磯波「はぁ、提督がそう言うなら……」

提督「説得ってことなら、あなた方の提督の特徴を教えてください」

球磨「名前は水原かおり、女少将クマ」

阿武隈「すっごいドギツイわ!」

三隈「それでいて、なんだかんだ言って艦娘は沈めたことはありませんわ

磯波「そういえば、あの工場はどういう経緯で?」

熊野「あの工場は提督が私財を使って経営を立て直した工場ですわ」

阿武隈「そうなの!そうして経営権まで委託されたのよ!すごいでしょ!

磯波「くまさんシリーズもここで生産してるんですよね!?」

球磨「ああ、あれクマ……」


熊野「提督が経営し始めてから生産し始めたとか……提督デザインという噂がございますわ」

磯波「ひょっとしてこれですか!?」ペロン

三隈「そ、それですけど……」

熊野「まあ!はしたない!殿方までいらっしゃるのに!」

磯波「すごいなぁ!ここの提督!」

球磨「こいつはいっつもこんななのかクマ?」

提督「今朝はブラまで見せつけられましたよ」

球磨「え、えー……」


……



執務室


女提督「……ったく、球磨は一体何をしているっ」イライラ

コンコン

女提督「球磨か!入れ!」

ガチャ

球磨「失礼するクマ」

女提督「一体何時だと思って……そいつは?」

球磨「あの、お客さんだクマ」

提督「お初にお目にかかります、少将。私は広川中佐。連絡もなく訪ねたご無礼お詫びします」

女提督「……私は水原少将だ」

提督「あなたの噂はかねがね聞いております。そこで実はあなたに話したいことがありましてね」


女提督「話したいこと?」

提督「よろしければ二人きりで、ね」

女提督「ダメだ、球磨にも同席してもらう」

提督「いえ、これは提督同士の話です。とてもじゃないですが艦娘には聞かせられない」

女提督「……球磨、下がれ」

球磨「はいクマ」

ガチャ、バタン

女提督「それで、何の用だ」

提督「……あなたの艦娘の事です」

女提督「艦娘?大きなお世話だ、うちは無理な運用も虐待もやってない」

提督「ええ。見る限り尊敬されているみたいですね」


女提督「そうだろ?」

提督(……こういう提督にはもう単刀直入に言ったほうがいいでしょうな)

提督「しかし、一点だけ。惜しいところがあります」

女提督「惜しいところ?」

提督「あなたは艦娘の飲酒を制限しているそうですね」

女提督「そうだ。それがどうした、体に悪いだろう」

提督「それはその通りです。しかし艦娘たちはそれを息苦しく感じているみたいで」

女提督「うちの方針に口を出す貴様は何様だ」

提督「私をここに呼び出したのは他でもない、あなたの艦娘たちなんですよ」

女提督「何?」

提督「それほどまでに、切羽詰っていた。私は依頼者には報酬を請求します、多額のね」(嘘ですが)

女提督「多額のか……そんなことしてまで……」


提督「酒を禁止するのは何故なのですか?まさか体に悪いだけではないでしょう」

女提督「……仕方ない、貴様には話そう。私は酒癖が悪いんだ」

提督「……は?」

女提督「酒癖が悪い。こんな威張り腐ったヤツが酔っ払いだなんて知られたらカッコ悪いだろ……」

提督「……それで、あなたはそもそもの飲酒を禁止した。許したならきっと自分も誘われるから」

女提督「そういうことだ」

提督「あ、そう。そーいうことね…」

提督(磯波、あなたの気持ちがわかりました。私ものすごーく帰りたい)

バンッ!

球磨「話は聞かせてもらったクマ!!」

阿武隈「提督の弱み聞いちゃった!」


女提督「な、お前ら!聞いてやがったのか!」

三隈「くまりんこがお酒の飲み方教えてあげます」

熊野「あまり下品な飲み方は嫌よ?」

女提督「いや、酒癖はどうしようもないだろ」

球磨「なんにしても、ただ厳しい人ってだけじゃないクマ」

三隈「面白い方ですね、三隈たちがそんなことで提督のこと見損なうわけないのに」

熊野「ますます好きになりましたわ」

女提督「う、ぐぅっ……///」カァー

提督「どうやら、ここまで言われてはお酒は許可するしかありませんね」

女提督「……いいだろう、許可しよう」

「やったぁー!」

女提督「ただし!飲み過ぎるな!二日酔いで出撃できませんなんて言ったら、もう金輪際酒は無しだ!」

「はぁーーい」


磯波「あの!水原少将!」

女提督「なんだ?」

磯波「このパンツ、あなたがデザインをしたんですよね!?」ペロン

女提督「おわっ!?やめろはしたない!」

提督「すみませんこの子興奮するとこれなんですよ……」

磯波「ファンなんですよ!」

女提督「お……そうか。そうかそうか~~うんうん」ニマニマ

磯波「うふふふ!」

提督「……」



食堂


球磨「そうと決まれば宴会クマ!新しい水原提督に乾杯クマ!」

「カンパーイ!」

ワイワイ

磯波「いいんでしょうか、私たちもいただいて」

提督「私は運転があるので、飲めませんけどね」

球磨「ん゛っん゛っ、ぷはぁ~~!お前らも遠慮せずいただくクマ!」

阿武隈「広川提督は飲まないんですかぁ?」

提督「運転があるので」

女提督「泊まっていけばいい」

球磨「て、提督!?」

女提督「私は、少し厳しすぎたかもしれない。こうして部下たちと騒げて、今すごく楽しい。礼を言う」


提督「お礼なら、あなたの旗艦に。私は何もしていませんよ」

女提督「……ありがとう、球磨」ナデナデ

球磨「く、クマぁ///」

提督「彼女は本当に酒が飲みたかったわけではありません」

女提督「?どういうことだ」

提督「もっと仲良くなりたかったんですよ、あなたとね。そうでしょう皆さん」

「そーだそーだ!」

女提督「ぐ、お、お前ら……///ま、まあいいそれより中佐、お前も飲んだらどうだ」

提督「残念ですが、ご遠慮させていただきます。今日中に帰る予定なので」

女提督「そうか、そりゃ残念だな。積もる話もしたかったが」

提督「磯波、君は飲んでもいいよ」

磯波「じゃあいただきまーす」ゴクッ



……

提督「……こうなるような気がしていたんですよ」

ギャーギャー

熊野「とぉぉぉぉぉぉお!!」

阿武隈「わたし的には許せないんですけどぉ!!」

女提督「喧嘩ぁ?けぇぇんんんかぁぁぁぁぁ!?私も混ぜろや!!」

ドタバタ

球磨「どどど、どうしよーどうしよークマぁ」オロオロ

提督(ものすごーく帰りたい)


磯波「ていとく、ていとくぅ」ベタベタ

提督「なんですか」

磯波「なんでもないですぅ」

提督「……」

磯波「れろれろれろ」ペロペロ

提督「顔舐めないでください酒臭い」

三隈「あの、広川提督」

提督「なんです」

三隈「後はこちらで何とかしますから、これ以上ご迷惑はかけられないので……」

提督「ええ、ちょうどそう思っていたところです。君はケロッとしてますね」

三隈「三隈はお酒強い方なんですよ」

提督「そうですか。じゃ、後は任せましたよ。ちょいと失礼」ダキッ

磯波「わあい、おひめさまだっこぉ」キャッキャッ



そうして事務所……。


ガチャ、バタン

提督「はぁ……なんだかたっぷり疲労感がします」

磯波「んん、ていとくぅ、おふろぉ」

提督「はいはい、今沸かしますから」

磯波「ていとくもいっしょにはいるぅ」ヌギヌギ

提督「あ、あのねぇ磯波、野郎の前であらら全部脱いじゃって」

磯波「はいるのぉ」グイグイ

提督「わかった、わかりましたからそんなに引っ張らないでください」



宴会の途中からすっかり記憶が抜け落ちてますが、幸い二日酔いにはなりませんでした。
酔ってる間にお風呂に入って服も全部着替えてしまったみたいです。
でもなんだか提督の態度が変って言いますか……なんでしょう、とにかくおかしいです。
聞いても教えてくれません、ただ「外で、特に私がいない時に酒は飲むな」と言われてしまいました。
何か提督に酷いことをしてしまったのでしょうか、心配です……。

次回に続きます...

なんかコレジャナイ感がする気がする気がする
どうなのさ日向


第九話 修復剤の秘密


コポコポ

磯波「提督、甘いコーヒー牛乳です」コトッ

提督「どうも」ゴクッ

磯波「美味しいですか?」

提督「ええ、とっても。やはりコーヒーはこうでなくちゃ」

磯波「ブラックも美味しいと思いますよ」ズズ

提督「そりゃ出先で出されちゃ飲むしかありませんけど、自分からは絶対勘弁ですね」

磯波「もう」

今日も、平穏な一日g

バンッ!!


あきつ丸「たのもーーー!!であります!」

提督「あなたですか、ドアぐらい静かに開けなさいってば」

磯波「そうですよ」

あきつ丸「黙らっしゃいであります!何やら不届きな噂を聞きつけたでありますっ!!」

提督「不届きな……?」

あきつ丸「青葉殿に聞いたであります!自分たちお風呂に一緒に……!」

磯波「ええ?知りませんよ」

提督「入りましたね」

磯波「えっ」

あきつ丸「なんと、酔っ払った磯波殿を風呂へと連れ込んで……かぁーー!!見損なったであります!!」


磯波「て、提督……」

提督「語弊がありますね。磯波が酔っ払ってたのは事実ですが連れ込まれたのは私の方です」

あきつ丸「……」ジッ

磯波「えっ?えっ?私が?」

提督「それより、盗聴盗撮を行っていた容疑者に逮捕状を出したほうがいいのではないでしょうか」

あきつ丸「ぐぅ、し、しかし……」

プルルルル

提督「電話です、静かにお願いしますね。はい」テチッ

『広川くんかい?僕だよ、神谷』

提督「神谷中将。何か困ったことでも?」


七光提督『今忙しいなら後回しにしてくれても構わない。実はその通り困ったことが起こったんだ』

提督「なんでしょう」

七光提督『応急修理剤が、何者かに』

提督「ふむ……とにかく、今暇ですから。そちらに向かいましょう」

七光提督『助かるよ!それじゃあまたこっちで詳しく話すよ。じゃ』プツッ

提督「磯波、事件です」

磯波「はいっ」

あきつ丸「あの!ちょっと!自分を無視しないで欲しいのであります!待ってー!」


七光り鎮守府


あきつ丸「いくら七光提督の鎮守府と言っても、嫌な鎮守府でありますなぁ……」

七光提督「やかましい!…ゴホン、よく来てくれたね広川くん」

提督「困ったことがあればいつでも知らせてください。それで、何があったんですか」

七光提督「高速修復剤が何者かに奪われた」

提督「犯人の見当は」

七光提督「さっぱりだ」

提督「ふうむ、それでは修復剤を保管していた倉庫に案内してください」

あきつ丸「待つであります!」

提督「なんなのか」


あきつ丸「磯波!」

磯波「はいっ!?」

あきつ丸「ここで一つ、捜査対決と洒落込むであります!」

磯波「えぇ!?」

提督「一応事件なんですけど」

七光提督「面白そうだね!」

あきつ丸「勝った方が広川殿の助手となる!であります」

提督「私の意向は無視ですか」

磯波「……わ、わかりました!受けて立ちます!」

提督「受けて立っちゃうんですか」

あきつ丸「では!保管場所に案内を!」

磯波「お願いします!」

提督「なんだか、申し訳ない」

七光提督「いや急ぎではないんで修復剤ぐらい、最悪パパからもらえばいいし」



資材倉庫


七光提督「こちらです」

あきつ丸「確かに修復剤の棚は空であります」

磯波「どういった風に消えたんですか?」

七光提督「一週間ほど前から数が足りなくなってきて、今じゃこの有り様さ」

あきつ丸「管理は誰が?」

七光提督「遠征部隊の方に任せてるから誰ってことは……ただ日の終わりに総数を確認するぐらいはしている」

磯波「それじゃあ、いくら抜き取ってもわからないってことに……」

七光提督「やっぱりそうかなぁ」


あきつ丸「自分、遠征部隊に聞き込みに行ってくるであります!」スタタタ

磯波「うーん……中将、何か一週間で様子が変わった人は?」

七光提督「そうだねぇ……事件に関係がありそうなことは何も」

磯波「そうですか……、それじゃあ聞き込みに行ってきます」スタスタ

七光提督「広川くん、いいのか?任せて」

提督「いいんじゃないですか。さて、私は鎮守府を見回っていてもいいですかね」

七光提督「ええどうぞ」

提督「ではまた後ほど」



駆逐艦寮


磯波(高速修復剤か……無断に出撃とか?それでも一気に無くなるなんて事あるのかなぁ)

磯波「……ん?」

コソコソ

瑞鶴「……」

磯波(あれは、ここの秘書艦の瑞鶴さん?どうしてここに?)

瑞鶴「……」サササッ

ガチャ、バタン

磯波(誰かの部屋に……)

あきつ丸「やあ、磯波」

磯波「きゃっ、あ、あきつ丸さん?」


あきつ丸「何か手がかりはあったでありますか?」

磯波「……これは勝負では?」

あきつ丸「そう言いたいのでありますが、だーれも事件について知らないのであります」

磯波(おかしい、修復剤の管理をしている遠征部隊がこの事を知らないはずがない)

あきつ丸「自分はここの艦娘が犯人かと思っていたでありますが、外部犯も視野に入れないと、であります」

磯波「そうでしょうか?」

あきつ丸「そうでないとまるで艦娘たちが犯人を匿ってるようではありませんか」

磯波「きっとそうでしょうね」

あきつ丸「まさかであります。そんなことして一体何の得が」

磯波「それはわかりません」

あきつ丸「ふうむ……」



瑞鶴(……あの二人まだ動かないわね)

如月「あの…」

瑞鶴「ん?」

如月「もう全部バラしましょうよ……」

瑞鶴「な、何言って……」

如月「確かに肌にもいいし、髪にも艶が出て綺麗にはなるけど、全部使っちゃったら……」

瑞鶴「で、でも!もう使っちゃったし!」

如月「……」

瑞鶴「第一、提督はなんて言うかな。なんでこんなことしちゃったんだろう……」グスン



この事件の犯人は艦娘だと二人は確信しました。
しかし、すべてを知らなければ再び起こってしまうのではないでしょうか。
事件の真の謎を解き明かすため、二人は捜査を続けます……!










ところで、食堂。


提督「いや仕事をサボって食べるパフェは格別です」パクパク

伊良湖「えっ」


次回に続きます...

雑談スレよりネタを拝借させていだきました。
七光提督は『いわゆる提督』を目指しているが、現状何とも言えない感じである


修復剤の秘密を解き明かさなくてはなりません!
しかし、誰も知らないとのことです。


あきつ丸「どうしたものか、でありますな」

磯波「もっと他の場所を捜査してみましょう」

あきつ丸「何か見落としがあるかもでありますな」

スタスタ…


瑞鶴「……行ったかな」

如月「ねえ、どうするつもりなの?」

瑞鶴「どうもこうも何も、戻すしかないでしょーが」

如月「ここにあるのを全部?そう多くはないけど……」

瑞鶴「夜中にまたここに来て。それまでに考えとくから」

如月「う、うん……」

瑞鶴「それじゃ、行くわね」

ガチャッ

タッ


磯波「あ、瑞鶴さん」

瑞鶴「いいぃー!?」

磯波「どうかしました?」

瑞鶴「いやいや、別に、ぶつかりそうになったから!」

磯波「そうですか、ちょっとお話を」

瑞鶴「あ!急いでるんだったー!そうだったそうだった!今日忙しいんだ!話ならまた今度で!さいならー!」

ピュー

磯波「ちょっと!5分だけでもいいんですけど……」


コソコソ

磯波「ん?あ、如月さん!」

如月「!」ギクッ

磯波「お話聞かせてもらってもいいですか?」

如月「……そのう、わかるでしょ?」

磯波「へっ?」

如月「だから、内緒話なの」

磯波「内緒のですか、ひょっとして瑞鶴さんと」

如月「んもう、わからない?」

磯波「……あ!あー!なるほど!わかりましたわかっちまいました!」

如月「ね?」

磯波「それじゃあ、他あたります!すいません!」

タッタッタッタッタ……

如月(……ふう。適当なこと言っちゃったけどなんとか誤魔化せたわ)


まさか瑞鶴さんと如月さんがそんな関係だったなんて……事件とは関係ありませんけど。
しかし捜査は難航しています。
そこで、夜中に倉庫を見張ることにしました!

倉庫付近


コソコソ

あきつ丸「本当に来ると思うでありますか?」

磯波「でもこれしかもう方法はないですよ」

あきつ丸「うーん、捜査しているのが知れてる以上は来ないとは思うのでありますが……」

磯波「犯人は現場に再び戻ってくると言うじゃないですか」

あきつ丸「それは放火犯であります」

磯波「あ、あれは!」


スタスタ

瑞鶴「重くない?」

如月「大丈夫」


磯波「あの二人は……キャー!夜の密会!?」

あきつ丸「いえ、どうにもそんな雰囲気ではなさそうであります」

磯波「えっ?そう、かなぁ」

あきつ丸「あれは高速修復剤?なんともご都合主義的でありますが、こっちには都合がいい!引っ捕えるであります!」

ダッ



瑞鶴「誰にも見られてないわね?」

如月「うん、でも夜遅くまではかかるかも」

瑞鶴「仕方ない、これも罰なのよきっと」

「待つであります!」

瑞鶴「!?」

あきつ丸「詳しく、話を聞かせていただこうじゃあないか!」

磯波「です!」

瑞鶴「あんたたち……」

如月「そうねぇ……」

あきつ丸「あれ?抵抗はしないのでありますか?」


瑞鶴「しょうがないわよ、抵抗なんて」

如月「自制心が足りなかったわ、あまりにも」

磯波「理由を、話してくれますか?」

如月「この修復剤を盗もうと言い出したのは私なの」

瑞鶴「修復剤を満たしたお風呂に全身浸かると、肌にも髪にもいいのよ」

如月「最初は瑞鶴さんとの二人だけの秘密だったんだけど、みんなにも紹介してしまったら歯止めが効かなくて」

瑞鶴「修復剤は前の4分の1ぐらいしか残ってない……」

磯波「それにしたって、どうしてそんな……」

如月「わかるでしょあなたも、愛する人のためなら女なら美しくなりたいと思うはずよ」

磯波「……」


「話は聞かせてもらいましたよ」

瑞鶴「また!?」

提督「ええ、ちょっぴりくどかったかな」

七光提督「……」

あきつ丸「ひ、広川殿、それに神谷中将も」

如月「……ごめんなさい司令官」

瑞鶴「どんな処罰でも受け入れます」

七光提督「そうだなぁ。二人は僕のために、美しくなるためにその修復剤を使ったんだね?」

如月「そ、それは……///」カァー

瑞鶴「平たく言うと、そうです……///」カァー

七光提督「うーん、しかし盗みは盗みだ」


如月「それはもちろん」

瑞鶴「反省しています」

磯波「あの、二人にあまり厳しい罰は与えないであげてください」

七光提督「それは、どうしてそう思うのかな」

磯波「あなたも聞いていたと思いますが、愛しい提督のために自分を磨こうとした彼女たちを責めるだなんて……」

七光提督「確かに、それは、うーん……ところで、みんなに教えたと言っていたね」

如月「は、はい。でも元はと言えば私たちが……」

七光提督「いや、共犯だね。明日は艦隊全員で大反省会だ」

瑞鶴「あ、あの提督?」

七光提督「いーや!聞かんよ今更言い訳なんて!」


如月「それじゃあ私たちが納得出来ない!」

七光提督「え、そう?そんじゃ、反省会が終わったら執務室に来るように、美容の効果を見せてもらうかなぁ?」

瑞鶴「こここ、この!人が大人しく聞いていれば!全機爆装、準備出来次第発艦!目標は目の前!やっちゃって!」

ブゥゥゥゥゥン

七光提督「ちょ!そんなぁ!」

ドォーン


提督「さて、帰りましょうか」

磯波「はい」

あきつ丸「でありますな」


無事に?解決しました。でも高速修復剤にそんな効果があるなんて、ちょっともらってくればよかったです。
如月さんと瑞鶴さんもまた、お肌のお手入れに踊らされた犠牲者の一人にすぎなかったのでしょう。
そういえば助手対決はうやむやになってしまいました。
でもあきつ丸さん、勝ったところで所属が違うからどうしようもないですよ?どうするつもりだったんでしょうねぇ……。


次回に続きます...

カザフスタンにアルマトイって都市ありますが、昔はヴェールヌイって名前だったそうです


第十話 ドブ川の海戦


深海棲艦前線司令部


泊地棲姫「金だ!」

レ級「金田?正太郎ですか?」

泊地棲姫「誰だよ!」

レ級「ショタコンの語源の人です」

泊地棲姫「金!だよ!カ!ネ!人間界で行動するには何につけても金がいるの!わかるでしょうが」

レ級「最初っからそう言ってくれれば」

泊地棲姫「言いましたけど!?とにかくだ、我々は今資金が不足しつつある。金を集めてこい!」


レ級「あのー、目標とかは」

泊地棲姫「そんなもん自分で考えなさいよ」

レ級「はいはい……」

泊地棲姫「ったく、お前らときたら、ちーっとも役に立たんのだから」

レ級「……チッ、お前も椅子座ってふんぞり返っとるだけだろうが」ボソッ

泊地棲姫「聞こえとるぞ!」

レ級「は、はいはいぃ!」ピュー



私たちはある工場の主からの依頼を受け、内陸部へと向かいました。


ブロロロロ…

磯波「私はあまり気が進みません。滝口重工はかの有名なブラック企業じゃないですか」

提督「うん、そうね」

磯波「おまけに依頼内容も書いてないし。まあそれはいつものことですけど」

提督「ついてからのお楽しみさ。どうやら目的地だ」

磯波「うわぁ、黒煙がモクモク上がってる……」

提督「滝口重工、深海棲艦後の需要を利用し一財産築き上げた言わば成金企業です」

磯波「この街全部が滝口重工なんでしょうか」

提督「実質、工業団地を含めて滝口重工と言っても差し支えはないでしょうな」



大通り


ブルルル…

磯波「それにしてもゴミが散らかって汚い街ですね、みんなあまり幸せそうな顔してないし……」

提督「故郷へ帰れなかった外国人、故郷を失った日本人が最後に辿り着く場所です」

磯波「それで色んな人種の人がいるんですね」

提督「“お守り”の準備はきちっと出来てますかね」

磯波「いくつか弾倉も持ってきましたけど、本当に使いますかね」

提督「念の為にね。まっ、使わないことに越したことはありませんけど」

ブルルビチャビチャビチャビチャ

提督「んん?あらっ?スタックですか?」


磯波「う、嘘でしょ?ここ大通りなのに……」

提督「こりゃ降りてどうにかするしか」ガチャッ

ビチャッ

提督「あぅ……」

磯波「ひえぇ……」

提督「なんちゅーぬかるみだこりゃ」

磯波「大体なんで舗装されてないのぉ!」プンスカ

少年「おーい!そこの人!ウィンチ貸したげるよー!」

「全くひでえ道だからな!」

提督「助かりますー!」



ウィィィン

提督「いや、本当に助かりましたよ」

磯波「ありがとうございます」

少年「他から来た人はみんなあそこに落ちちゃうんだ。この道早く直したいんだけど」

磯波「道はひどいけど街の人はみんないい人ですね。ところで滝口氏のお屋敷にはどの道を?」

ザワ……

「あんたら、あそこのお客か」

提督「はい、そうですが」

「……」

ゾロゾロ…

提督「えっ、ちょ、なんで」

磯波「えっ?えっ?」


ポツーン

少年「……」

磯波「一体どうしたんですか急に」

少年「……くそっ」ダッ

タッタッタッタッタ…

磯波「な、なんか私ひどいこと言いました……?」ウルウル

提督「どうにも、件の依頼主の話はタブーらしいですね」

「あんたら!滝口の屋敷ならあそこに丘の上に見えるじゃろ!」

提督「あちらですか」

磯波「あの金ピカの……」

提督「どうもありがとうございます」

「あんたらが悪いわけじゃないが、わしらにだって思うところはあるんじゃ。気を悪くせんといてくれ」



屋敷


磯波「なんとまぁ趣味の悪い……」

提督「目がチカチカしますね」

ゴォォーーン

磯波「?何の音でしょうか」

提督「発破でもかけてるんでしょう」



ネ級「ふわああああ、あれは!でっち!でっちぃ!」

ソ級「なんすか」

ネ級「アイツだよぉ」


ソ級「なんですと」

ネ級「あの車はやっぱり」

ソ級「ホントっすね」

ネ級「流石は諜報員だよねぇ。もう嗅ぎつけたんだぁ」

ソ級「とにかく奴さんに報告っすね」カチッ

ザザー

ソ級「あのー」

レ級『なんだ?サボっとるんじゃないだろうな』

ソ級「アイツっす、広川が来ました」

レ級『何?あいつめ、もう嗅ぎつけたか』

ネ級「バレたんですよきっとぉ」

ソ級「もうやめるっすか、ここんとこ負けが込んでるし」

レ級『もうすぐ金庫にたどり着くんだ!ここまで掘って後に引けるか!』

ソ級「へいへーい」



屋敷の中


「こちらでお待ちください」

提督「……」

磯波「……でっかい」

提督「厳重に保管されているようですね。こりゃ最新の金庫ですよ、まるで銀行だ」

磯波「ふーん……」サワリ

ビビー!!

磯波「きゃっ!?」ビクッ

フシンジンブツハッケン!

キュラキュラ


提督「磯波!危ないでしょ!」

磯波「けけけ警備ロボットまでぇ!?」

提督「この金庫の番人らしいです!」

キュラキュラ

提督「ダッシュです!」ダッ

磯波「ごめんなさぁ~~い!」ダッ

ピピー!!

ケイカイタイセイヲカイジョシマス

キュラキュ…

スタスタ

社長「……広川さんですな」

提督「滝口さんですな」


磯波「驚きました、警備ロボットだなんて」

社長「ワシら以外が扉に触れると出動するのじゃ」

提督「ほほう。それで、依頼は?」

社長「諸君に来てもらったのはこの金庫についてなのじゃ。ご覧にいれよう」ピッ

ウィーーーンガチャン!ゴゴゴゴゴ

提督「あの分厚い扉が開いていく。あの中に大事なものがあるのですな」

社長「これほど優れた警備システムは他にないぞ」

磯波「……」ゴクリ

ウィーーーーーーン

提督「こ、これは……」

磯波「ひゃぁ~~」


キラキラキラリーン

提督「大量の阿賀野、ではなく金の延べ棒!」

磯波「あらー……あらららー……」

社長「どうじゃ、驚いたろう」

提督「美味しそうですね。こりゃ何百億何千億って値打ちですな」

社長「うむ。ところがじゃ!年に一度の楽しい数調べの日、なんと2934本しかなかったのじゃ!!」

提督「……何本中?」

社長「2935本!!」

磯波「いやでもぉ、3000本もあるうちのたったの1本ですし……」

社長「2935本じゃ!それに1本およそ4500万の価値があるのじゃ!!」

磯波「へぇー、それはすごいですねぇ、帰っていいですか?」

提督「あなたはそっちに座ってなさい」


社長「金塊が消えてからワシは心配で心配で夜もロクに眠れんのじゃ!」

提督「ふーむ、それでは早速捜査を進めましょう。この金庫を開けることができるのは?」

社長「もちろんワシだけじゃ。このリモコンと暗証番号を使ってな。まあ最悪暗証番号さえあれば開けれる」

提督「その暗証番号、変えられましたか」

社長「もちろんじゃ、盗まれたのを見つけてから週に一度は変えておる」

提督「誰かに教えたりとか?」

社長「そんなことするわけないじゃろう」

提督「ふぅむ。この屋敷にいるのはあなたと執事たちだけでしょうか」

社長「息子の順平もいる」

提督「……息子さんと話をさせてくれますか?」

社長「まさかワシの息子を疑っとるのか!?」

提督「いえ、ちょっと話を聞くだけです」



社長室


「順平様なら、出かけております」

社長「なんじゃと!また下界をふらついておるのか!すぐ連れ戻せ!」

「旦那様、順平様の気持ちも少しは察してあげてください」

社長「生意気を言うな!探偵が会いたがっているのじゃぞ!」

提督「あ、広川です」

「あ、はい……」

提督「息子さんとはまたあとで話しますよ」

社長「……下がってよろしい」

提督「下界というのはあれのことですかな」

社長「その通りじゃ、下に見える全てのものがワシの物じゃ。全てな」


提督「全て、ですか」

社長「うむ。いずれは我が息子に受け継ぐものなのだが、あいつめ貧乏人の肩ばかり持ちおって」

ゴォーーン

提督「うおっと?」

社長「おっとと、失礼。驚かれましたかな」

提督「何の音でしょうか」

社長「この付近に鉱脈があると聞いてな、少し前から掘ってるんじゃ」

提督「そうですか、鉱脈ね。ところで街の方に調査に行きたいのですが」

社長「うむ、別に構わんよ」

提督「では。磯波、行きましょう」

磯波「あ、はい」

ちょっとだけ一時停止

再開



街の銀行


「顧客の情報は教えられないな」

提督「まあそう言わずに」

「いくら軍人さんでもダメだよ、信用に関わっちまう」

提督「教えてくれるだけでいいんだけどさ」

「しつこいなぁ、今タバコ切らしてイライラしてんのに」

提督「タバコねぇ……」スッ

「……わかった、教えてやるよ」

提督「どうも」


「俺が教えたってこと内緒にしろよ」

提督「もちろん」

「確かに金塊を持ってきた客はいた。そして、お前の言う通りそいつは社長の息子だ」

提督「他に何か言ってませんでしたか」

「ああ、なんでも街の人に返すんだとよ」

提督「それだけですか?」

「そんだけだ、もう二度と来んなよ」

提督「ありがとう、もう会うこともないでしょう」



市街地


ワイワイキャッキャッ

磯波「子供は無邪気で可愛いですねぇ」ホッコリ

提督「ええ。そしてあの一際大きい子が息子さんですね」

磯波「あれは……車がスタックした時に助けてくれた子ですか」

提督「奇妙な縁があったようで」

ワーワー

タダイマー!!

提督「子供たちはあそこの養護施設の子たちだったようです」

磯波「手伝ってるんでしょうか」

提督「ちょっぴり覗いてみますか」



ワイワイキャーキャー

「さあ、いただきますしましょうね」

「「いただきまーーす!」」

パクパクモグモグ

少年「ほら、おかわりも沢山あるからね」


提督「こりゃ楽しいや」

磯波「父親と違っていい息子さんですね彼は。でもまさか彼が犯人だって言うんじゃないでしょうね」

提督「ちょっと、お邪魔してみますか」



ピンポーン

「あら、お客?」

少年「僕が出るよ」スタスタ

ガチャ

少年「どうぞ」

提督「こんにちは。順平くんだね」

少年「え?はい」

「どなたですか?」

提督「私は軍人でして、広川と申します。こっちは助手の磯波」

磯波「どうも」

「はあ」

提督「少しこの辺りの調査を行ってまして、養護施設なんか見かけちゃったからちと様子を見させてもらおうと」

「どうぞ、構いませんけど」



養護施設内


「わー!艦娘さんだ!すげー!」

「大砲見せてー!」

磯波「危ないからあんまり触らないでね」

ワイワイキャッキャッ

「子供たちも元気づけられます」

提督「いえいえ、こんなことはなんでもないことです。それよりお昼にお伺いして申し訳ありません」

「いいんですよ」

少年「そういえば、どうして僕の名前を……パパに会ったんですね?」

提督「……君は偉いね、こんなことは大の大人だってなかなか出来ることじゃない」

「いつもありがとうね」

少年「いや、そのー、あはは……///」カァー


提督「彼はよくここに?」

「放課後や休日によく手伝いに来てくれるんです、優しい子だわ」

提督「立派なお仕事ですが、何かと苦労もあるでしょうね」

「いえとんでもない!捨てる神あれば拾う神ありよ。この間なんか大金を寄付してくださった方がいたの」

提督「大金ですか」

「ええ、お役に立ててくださいって手紙を添えて」

提督「ほー、それはすごいです」

少年「……」

提督「他に近くに養護施設はあるんですか?」

「この街にはいくつかあるけど、どこも寄付を受けたらしいわ。すごい人もいたものね」

提督「いえ、全くですな」



ブロロロ…

磯波「もういいんですか?彼から話は聞かないんですか?」

提督「ええ。何があったかは大体見当がつきましたからね。ただ気になることが」

磯波「気になることですか?」

提督「発破です、やけに近かった。まるで真下から聞こえたかのような振動と音でした」

磯波「確かに大きかったですけど」

提督「それから鉱脈です。こんなところに鉱脈なんかあるはずがない」

磯波「確かにそれはそうですけど、わかりませんよ?」

提督「もし鉱脈があるなら、なぜ誰も発見できなかったのでしょうか。それも2600年以上も」

磯波「言われてみれば……」

提督「そう、こんなところに鉱脈があるならとっくに発見されているはずです」

磯波「でもダイナマイトだなんて、どこから……」

提督「今時こんな大規模な犯罪を起こせるのは連中しかいませんよ」

磯波「はぁ、やっぱりそうなりますか」



地下


シャコシャコ

ネ級「よいしょよいしょ」

ソ級「わっせ……わっせ……」

レ級「気合が足らんぞ貴様ら」

ネ級「スコップじゃなくて機械使いましょうよぉ……」

レ級「もう金庫はすぐそばだ、音は立てられん」

ソ級「でも疲れるっすよ、疲れるのいやだーっす」

レ級「何を言うか、額に汗して手に入れてこそだ」

ネ級「汗っていうか泥だらけですよぉ」

ソ級「はぁ……」



その夜の金庫……。


社長「犯人の目安はつかんのか!?」

コッコッ

提督「案外と薄いんでやんの」

社長「ぐぬぬ~~床なんて蹴ってる場合じゃないわ!」

提督「社長さんはぐっすり眠ってくださって構いませんよ」

社長「心配で眠れんわ!」

磯波「ぐ~……ぐ~……」zzz

社長「呑気な助手じゃの」

提督「そこがまたイイんですよ」

社長「そんなことより!犯人だ!もったいぶらずに言え!この家のものか!?」

提督「犯人は深海棲艦です」

社長「深海棲艦?深海棲艦が盗んだのがたったの一本だけか?馬鹿も休み休み言え!」

提督「シー!」

社長「な、なんじゃ、床に耳を当てて」

提督「シーつったらシー!」



レ級「よし、床を外せ」

ネ級「はいぃ……」

ガコッ

ネ級「チラッ」

社長「あわわわわ……」

提督「こんばんは」

ネ級「あ、こんばんわ」

レ級「誰に挨拶を」ヒョコッ

提督「やあ、お久しぶり」

レ級「で、出たぁーーーーーー!!!床落とせ床落とせ!!」

ネ級「はいぃ!」スコッ

ガララララ


提督「床が崩れます!」

磯波「ぐ~~……」zzz

社長「ワシの金庫が!金塊が!泥棒!!」

ガシッ

ああああああ~~~~~~

提督「社長さん!」

磯波「ふわっ?」

提督「磯波、やっとお目覚めですかっ!」

少年「何の音!?」

提督「ついてきなさい!」

少年「え!?はいっ!」

タッタッタッタッタ…



ガラガラガラ

レ級「なぁー!!何だジジイ!離せセクハラだぞ!」

社長「ワシの金塊だぞ!」

ネ級「うわわぁ、いいからトラック発進してぇ!」

ソ級「了解っす」

ブルルルン!

社長「どこに持って行く気じゃ!!」

レ級「うるさいんだよスケベジジイ!!」

ソ級「川まで突っ走りますっす」

社長「こんな穴をいつの間に掘っていたのか!」

レ級「鉱脈って言ったら食いついたバカがいたからな!」

社長「だ、騙したなぁーー!!」

ブゥゥゥゥゥゥゥゥ…



ブルタタタン!!

提督「ぶっ飛ばしますから、しっかり掴まってて!」ガコガコ

ブゥゥゥゥゥゥン!!

磯波「ひゃあああああ!!」

少年「うわあああああああああ!!」

提督「磯波、艤装の準備を!」

磯波「ひゃいぃ!」

提督「君、追いついてまず君のお父さんを助けますよ」

少年「お願いします!」



社長「穴はワシの庭に繋がっていたのか!台無しにしおって!」

レ級「ふっ、馬鹿めが。このまま丘を降りたら街の川に行くぞ」

ネ級「あ!あ!追いかけてきたぁ!」

レ級「なにぃ!?」


ブロロロロロ…

少年「パパー!!」


社長「おお!我が息子よ!助けてくれーー!!」

レ級「馬鹿急げ!追いつかれるぞ!」

ネ級「トラックで引き離せるわけないじゃないですかぁ」



提督「飛び移れるかい?」

少年「パパのためだ、命をかけても!」

提督「よし!近づきますよ!」

少年「えいっ!!」バッ

ガシッ

レ級「振り払ってやる!」

提督「させません!」ドンドン!

チュイーン!

レ級「いってぇーー!顔に当てやがった!」ヒリヒリ

少年「パパ!」

社長「息子よ!」


提督「街に出ます!磯波!」

磯波「はい!」ガチャッ

提督「彼らを頼みますよ!」

少年「えいっ!」バッ

社長「だぁ~~!!」

磯波「はいっ!」ガシッ

提督「流石は艦娘、二人を軽々と。馬力が違いますよ」

レ級「くそっ!だが身軽になった!このままずらかるぞ!」

ソ級「す、スピード出しすぎて運転が……!」

レ級「だからキャップに運転任せろって言ったんだよ!」

ネ級「川に突っ込むよぉ!」

ドガシャーン!


レ級「だぁーっと!」バシャッ

ネ級「ひゃあぁ!」ドボン

ソ級「脱出っす!」バシャッ

ネ級「うへぇ~~臭いなぁ~~」

ソ級「金塊の雨が降ってますっすね」

ドボンドボン…

レ級「二人は金塊を持てるだけ持って逃げろ!殿は我が輩がやる!」

ネ級「は、はいぃ!ご無事でぇ!」ザァー

ソ級「ここは潜りたくないっすねぇ……」ザァー


磯波「とぉっ!」バシャッ

レ級「ふっ、川に降りて来たか。またしても邪魔してくれたな磯波よ」

磯波「悪人に明日はありません!」

レ級「ほざくな!戦艦に敵うかな?」

磯波「……で、主砲はどこに?」

レ級「ん?あー!尻尾がヘドロで!」

磯波「魚雷発射!」シュゴッ

ドボン

レ級「……ハッ!魚雷もヘドロでダメになったようだな」

磯波「で、でも主砲は使えます!」


レ級「ふふふ、我が輩は奥の手を隠している……」

磯波「奥の手!?そ、それは……!?」

レ級「逃げる!」ザァー

磯波「あ!待て!」ザァー

レ級「待てと言われて待つバカがいるか!」

磯波「当たってぇ!」ドン

レ級「なんのぉ!」ヒラリ

ドガァ!

磯波「しまった、護岸のコンクリートを」

レ級「自慢の主砲も撃てまいて!」

磯波「くぅ~~~!」


レ級「黙って見過ごすしかないのだよ!」

提督「磯波ーーー!!あれを撃つんです!!」

磯波「!わ、わかりました!!」ドン!

レ級「今度は何を、あぁ!?」

ガラララ

レ級「橋を落としやがああああああ!!」

ザバーン

磯波「下敷きに……」

キキィ!

提督「レ級、死す。かな」


社長「順平!」

少年「パパ!」

ギュー

提督「順平くん、よくやったね」

社長「当たり前じゃ!この子はワシの息子じゃい!ワシの宝じゃ!!」

少年「パパ…」

社長「……宝?ワシの宝あああああああ!!」ポイッ

少年「うわぁ!」

提督「おっと」ガシッ

社長「金塊がああああああああ!!」ダッ

ザブーン

少年「……ふん!」ムスゥ

提督「困ったもんだ」フッ



ザバッ

レ級「ぷはぁー!く、くそう!」

ソ級「もう帰るっすよ!」

ネ級「持っていくの手に持てるだけにしましょうねぇ」

レ級「チクショー!せっかく頑張って穴まで掘ったのにたったのこれっぽっちか!」

社長「金塊に手を出すな!」

レ級「うるさいんだよ!川をこんなに汚しやがってヘドロだらけじゃねーか全く!」

社長「この~~~!!」

レ級「だぁー!もう!逃げるぞ!」

ザァーー!

社長「どろぼ~~~~~~!!」



提督「金塊を盗んだのは良くなかったけど、君の優しい心はきっといつかお父さんにも通じるさ」

少年「うん……!」

提督「焦らないようにね。それと何かあったらまた連絡してくれたまえ」

磯波「それじゃあ、お元気で」

少年「どうもありがとう!さようなら!」

ブロロロロ…



磯波「提督、すっかり夜も明けて朝日が綺麗ですね」

提督「そうね。運転はしづらいですけど」

磯波「もう、ロマンチックじゃないですねー」

提督「磯波の方が綺麗だよ」

磯波「ひょっ!?」

提督「……なーんて言って欲しかったのかな?」

磯波「も、もう!からかわないでください!」



こうしてこの工業地区の騒動は終わりました。
金塊は街の人たちが集めて無事戻ったみたいですが、やっぱり数が足りなかったようです。
ふふふ、深海棲艦のせいでしょうねきっと。提督も「一本ぐらい拾ってくればよかった」とぼやいています。
息子さんの心は社長さんに通じるでしょうか、通じて欲しいと願うばかりです……。


次回に続きます...

一話完結式にしたのはひょっとしたら失敗かもしらぬい
提督の名前を声優の名前もじったのにしたのは確実に失敗だ
なかったことにしたいぴょん!


ほっぽに続き、泊地にまで。
深海棲艦が哀れに見えてきた、金塊持って帰れたのかな

名前?
提督「あ、言い忘れてました、『広川』は捜査用の偽名です。」
提督「本当の名前は  」
で問題ないんじゃ、まあ
磯波「…」
だろうけど

小ネタだ!小ネタは小ネタだからある程度やりたい放題していいんだ!(俺ルール)

小ネタ1


喪女提督「もうすぐホワイトデーか……」

望月「別にお返しなんかいいよ」

喪女提督「いや、ワタシ女なのになんで誰にもバレンタインチョコあげてないんだろう」

望月「ええ?」

喪女提督「彼氏欲しい!!そうでなくても男友達欲しいよ~~~~~!!」

望月「……」

喪女提督「そうだ!広川中佐がいるじゃん!電話してみよ!」ピポパポ

望月「私用で電話回線使うなよな……」

『はい』

喪女提督「ぁ、ぁ....」ボソボソ

望月「さっきまでの威勢は!?」ズコー


『いたずら電話なら切りますよ』

喪女提督「..........」ブツブツ

『……』プツッ

ツー、ツー

喪女提督「もうだめだぁ~~~~~おしまいだぁ~~~~~」シクシク

望月「よくその調子で提督、しかも大将になれたよなぁ」

喪女提督「磯波ちゃんもホワイトデーに『提督のホワイトチョコでお腹いっぱいですぅ///』とか言うんだぁ~~~」

望月(発想が醜い……キモいとかじゃなくて醜い……)

喪女提督「ワタシももっちーにホワイトチョコぶっかけてぇよ~~~~~!!」

望月「憲兵呼ぼうか?」

喪女提督「あ!明石がなんか作れるかも!」



明石「できました!名づけて“ジェンダースワッパー”です!」

望月「できちゃったよ」

喪女提督「それでもっちーをホワイトチョコまみれに出来るんだね!」

明石「いえ、ホワイトチョコまみれになるのは提督です」

喪女提督「……えっ」

明石「艦娘にしか装備できないんですよ」

喪女提督「ちょっと待って、ワタシ処女だけど」

望月「うーん、提督の処女か。もらっておいても損はないかも」

喪女提督「あ、愛されてるなー!そこまで愛されてるならホワイトチョコ計画は別に」

望月「これを装備すれば?」

明石「ええ、そうです」

喪女提督「ちょっと聞いてますか」


望月「おぉー、いいねぇ」ムクムク

喪女提督「気持ちは嬉しいんだけど、心の準備が」ガクガク

望月「んじゃぁ、ちょっと本気出そっかねぇー!」

喪女提督「危険日だから!危険日だから!」

望月「妊娠するってこと……?」ゾクゾク

喪女提督「ひっ!」

望月「ふぅーん、いいねぇ。ますますやる気わいてきた」ビンビン

喪女提督「や、やだ……こわい……」ガクブル

望月「それじゃ、司令官をもらおうかな」ガバッ


にゃぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~っ!!




喪女提督「うわぁぁっ!」ガバッ

チュンチュン

喪女提督「……すげー夢見た。おーこわ、とづまりすとこ」

橘花泉 海軍大将 年齢26 恋人いない歴も26年

喪女提督(溜まってるのかな、色々と……)ガーン

彼女は北太平洋作戦において多くの戦果を上げ、大将に上り詰めた。
しかし、この物語にその事はぜーんぜん出てこない。


小ネタ2


提督「磯波、あなた宛に小包が届いてますよ」

磯波「え?なんでしょうか……」

提督「どうもこの間の、水原提督からです」

ガサゴソ

磯波「こ、これは!新作のくまさんふんどし!超レアですよ!!」キラキラ

提督「へ、へぇ……それはすごい……」

磯波「早速履いてみます!!」ヌギッ


提督「ってその場でっ、ちょ、いかんでしょうって」アタフタ

磯波「どうですか!?」ペロン

提督「え、ええ……いいんじゃないかな。とってもいい……食い込み?」

磯波「く、食い込みって……///」モジモジ

提督「じゃあもう私は一体なんて言えばよかったんですか」


最近磯波がわからない。 by 提督


磯波「提督の分のくまさんトランクスも入ってましたよ。お揃いですね!」

提督「うん、そうね」

書く側としてはこういうのも書いてて楽しいものです、読者がどう思うかにかかわらず
ところで菱餅は10個出ました


第十一話 ツケの支払い


深海酒場


レ級「ぐすっ……ひっく……」

チ級「飲みすぎですぜ、アーちん」

レ級「だって……みんなして上からも下からも……」グスグス

チ級「大変だなぁ、可哀想に」ナデナデ

カランカラン

ネ級「ねぇー!いますかぁ!」

ソ級「ここにいるって聞いたんすけど」


レ級「むぅ!」

ゴシゴシ

レ級「なんだ、我が輩に何か用か」キリッ

ネ級「……目が赤いですけど」

レ級「ちょっと飲みすぎてウトウトしてたのだよ」

ネ級「またウォッカがぶ飲みしてるんですかぁ、体に悪いですよぉ」

ソ級「あのー、次の作戦なんすけど」

レ級「その話か、明日でいいだろ」

ネ級「ゴミ箱からこんな作戦が」ピラッ

レ級「ああ、あれか?シンプル過ぎてグシャグシャポイしたやつだが」


ソ級「試してみるっすよ」

レ級「どうせ失敗すると思うがな」

ネ級「どうせ失敗するなら、何やっても一緒ですよぉ」

ソ級「モノは試しっす」

レ級「……よしわかった。明日から早速準備だ」

ネ級「はぁい」

ソ級「わかりましたっす」

トテテテー


チ級「案外いいところあるんじゃない、部下たちにも」

レ級「うん……。では勘定を」

チ級「いらないよ」

レ級「なにぃ?だが、それでは」

チ級「もし次の作戦が成功したら、そん時払ってくれればいい」

レ級「……恩に着る」

スタスタ



今日はちょっぴり風が吹いて肌寒い日です。暖かいコーヒーがより美味しく感じます。


磯波「……」ズズズ

提督「~~♪」ペラッ

磯波「……暇ですねぇ」

提督「それだけ世の中が平和なのでしょう。結構なことです」

磯波「そんなものでしょうか」

提督「そんなものですよ。私にもコーヒーください」

磯波「ミルク切らしてますよ」

提督「……じゃあいらない」

ピンポーン


提督「おや、依頼でしょうか」

磯波「はぁーい」スタスタ

ガチャ

磯波「どうぞ」

「ここが、海軍の探偵事務所かね」

磯波「ええ、そうですけど」

「依頼なんだ」

磯波「どうぞ、お上がりください」

スタスタ

提督「どうも、こんにちは」

「ああどうも。実は緊急事態なのです」


提督「緊急事態?」

「ええ、この手紙を」スッ

提督「ふむ……」パサッ

磯波「ええっと……爆弾を仕掛けた……爆弾!?」

提督「しかも市街地のど真ん中ですね。爆発までさほど時間は無いようです」

「うむ、これは非常にまずいことだ」

提督「ええ、すぐに対処しましょう」

磯波「や、やけに冷静ですね」

提督「非常事態に軍人が慌ててどうするんですか」テチテチ

プルルル



市街地


隣提督「ワシらの隊はこっち側を、神谷の隊は向こうを頼む」

榛名「榛名たちが必ず見つけてみせます!」

七光提督「任せてください、瑞鶴、偵察機で空からも捜索してくれ」

瑞鶴「もちろん!」シュバッ

隊長「我々憲兵隊は避難の援護だ!始め!」

オォーーー!!



提督「……」

磯波「どうしたんですか?」

提督「妙だとは思いませんか、気づかれずに爆弾を仕掛けたなら黙って爆破すればいいものを」

磯波「きっと、あの中の一人のネ級が」

提督「それを踏まえても妙です……連中、一体何を考えているのでしょう」

磯波「うーん……」

ザザー

『○○ビル、全フロアクリアよ!』

『××ビルにも爆弾はありませんでした!』

提督「了解、引き続き調査を進めてください」

『あ、あったー!!ありましたっ!!』

提督「なんですって!どこですか!」

『△△ビルです!銀行の向かいの!でも、これって……!』



△△ビル


雪風「これは……」

時津風「見たこともない爆弾ね……」

雪風「解除できるでしょうか……」スッ

時津風「だ、ダメ!触っちゃ!」

雪風「何か紙が挟まっています……」

時津風「なにこれ、『深海棲艦の新型爆弾、解除は不可能諦めろ』……」

雪風「もし本当だとしたら……」

タッタッタッタ…

提督「どこにありますか!」


雪風「それです!でも新型爆弾だそうで」

時津風「解除できないんだって」

提督「ふむ……そのようですね、明らかに我々の知る物質で作られているとは思えません」

時津風「威力は?」

雪風「まさか、核爆弾じゃ……」

提督「……いや、やっぱり考えづらい。実行犯の一人は殺人を異常なほど憎んでいます」

時津風「とにかく、ここは離れた方がいいのね」

提督「ええ、避難は完了していますから、甚大な被害ではありません」

提督(だとすると、なぜ爆弾を仕掛けたのか……殺人が目的ではない、かと言ってこのビルに大した施設はない)



爆発数分前


隊長「無事避難は完了した」

七光提督「艦娘たちも全員揃ったみたいです」

隣提督「むう、不可解じゃわい」

七光提督「……まるで気まぐれのように爆弾を仕掛けたのか」

隣提督「案外何も考えとらんのかもしれんよ」

隊長「しかし変だ。まるで我々の注意を逸らすかのような……」

提督「そう思って付近の沿岸警備も行っていたんです、しかし何も無かった」

瑞鶴「今だって空から警戒してるけど、何も発見できなかった」

七光提督「何の変哲もないビルを壊して、一体何がしたいのか」

ウーン……

提督(考えろ……何か見落としはないか……)

隊長「念の為に、我々もバリケードの後ろに隠れよう」

隣提督「そうじゃな」

ゾロゾロ



提督(……注意を逸らす……何の変哲もないビル……本当に何もないビルなのか?)


『△△ビルです!銀行の向かいの!でも、これって……!』


提督「……まさか!!」

磯波「えっ?ていと…」

ドォーーーーーン

ガラガラガラ

隣提督「おー、よく吹っ飛ぶわい」

七光提督「意外と瓦礫が飛び散らないんですね」

隊長「しばらく粉塵で近づけそうにないな……」

提督「……磯波」

磯波「はい?」

提督「私たちの、負けです……」ガクッ


磯波「えっ?」

隣提督「一体どういうことじゃ」

提督「連中の狙いは向かいの銀行です。金庫を破壊する音をかき消せる、人払いもでき、粉塵で近寄れなくなる……」

隣提督「な、なんと……」

七光提督「つまり犯人は目と鼻の先にいたのですか……」

隊長「まんまとしてやられたな」

磯波「……提督」

提督「……」

磯波「帰りましょう、ね。提督……」


その後、逃走する車が目撃はされたようですが、結局取り逃がしてしまったそうです。
銀行の金庫は空っぽになってしまいました。ただ、死傷者がいなかったことだけが幸いです。
提督もかなり落ち込んでいましたが、翌日にはケロッとしていました。
暗い顔ばかりしていちゃいられないのだそうです。



深海酒場


レ級「……やあ」

チ級「アーちん、どうだった?」

レ級「無事、ツケは払えそうだ」

チ級「そりゃよかった。じゃあ記念に一杯」

トクトク

レ級「ああ、乾杯」

チンッ♪



次回に続きます...

深海側が勝ったーってお話
たまにはこういうのもいいんじゃない?ダメ?

まあ、この深海棲艦は憎めないな

鎮守府を困らせたくて結果的にブラ鎮から艦娘助けるみたいな話とか
ドジで解体されそうな艦娘のためにわざとやられてあげるとか

そういうのもみたい


小ネタ3


提督「そういえば、今日はホワイトデーですか。失礼、何も準備は」

磯波「バレンタインでは私が提督にもらったんですから、はい」

提督「おや、ありがとうございます。しかしペロペロキャンディとはいいセンスしてますね」

磯波「たまたま見かけて、思わず買っちゃいました」

提督「私も見かけたら買っちゃうでしょうね。それじゃ食べましょうか」

磯波「いただきまーす」ペロン

提督「いただきます」ペロッ

磯波「……」ペロペロ

提督「……」ペロペロ

ペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロペロ


青葉(なんですかあの異様な光景は……)ジー

バレンタインネタはやったがペロッと流したためにもうペロペロでいいかと思ったペロ
反省はしていないがペロペロはしている

>>406の前者のブラ鎮ネタは考えている
後者については考えようかなぁって感じ

ToLoveるはすっかり頭から抜け落ちていた
なるほど、言われてみれば確かにそうかも
天然痴女+ToLoveる的ハプニング、これだ
……盛りすぎだろうか


第十二話 深海の科学者



レ級「そろそろ、到着してもいいはずだが……」

ネ級「……あ!あれですかぁ!」

ザザァー

ソ級「見たところヲ級のようっすね」

レ級「ああ、わざわざ北海艦隊から呼び寄せた……ていうか勝手に来た」

ザパーン

ヲ級「……よっ!」


レ級「ようこそ、西太平洋艦隊へ。我が輩はレ級アルマトイ」

ヲ級「よろしく!ボクはヲ級ペガサス!世にも珍しい※航空機補修艦なんだ。言わば工作空母」 ※Aircraft Maintenance Ship

レ級「航空機補修?」

ヲ級「そっ、航空機補修艦。艦載機を修理できる空母なのさ。艦の修理もちょっぴり出来ちゃう」

ネ級「すごい!搭載機は?」

ヲ級「36機」

ソ級「しょっぱいっすね」

ヲ級「本領は空母の支援だからね」

ネ級「それじゃあ、アルマトイさんの方が搭載機多いじゃないですかぁ」

レ級「我が輩は元々駆逐艦だから航空機は苦手なんだよ、だから乗っけてない」

ヲ級「そんなボクは実はあらゆる学問に精通した科学者なのだ」

レ級「科学者?」


ネ級「向こうで言うところの明石や夕張みたいなポジションですねぇ」

ヲ級「メタ的に言うとそゆこと」

レ級「ふむ、それでは早速発明を見たいものだな」

ヲ級「実はもう用意してあるんだ……ほら!」スッ

レ級「小瓶?」

ソ級「まさか細菌兵器とかじゃ……」

ネ級「国際法守ろうよぉ」

ヲ級「細菌は細菌さ、だが死亡したりするわけじゃなーい」

レ級「どうなるのだ?」

ヲ級「それはだね……フフフ……」




私磯波は風邪をひいてしまいました。
なんだか熱っぽくってボーッとしてしまいます。
今朝からずっとマスクです。


磯波「うぅ……提督……」

提督「ゆっくり休んでなさいって」

磯波「はいぃ……」シュン

提督「たまにはこういう事もありますよ。ベッドに連れて行きましょうか」ヒョイ

磯波「はぅ……」

提督「まるでお姫様ですね」スタスタ

コケッ

提督「おぉっと」

ドサッ


提督「セーフ、いやつまずいたのがベッドの近くで良かった」

磯波「提督……」

提督「なんです?どこか打ちましたか?」

磯波「いや、この体勢はちょっぴり、恥ずかしいです……」

提督「あらっ、確かに押し倒したみたいな体勢に」スクッ

プルルルル

提督「おや、依頼でしょうか」テチッ

『広川くんか?ちょっと来てくれないかね』

提督「雨森中将、何か事件でも?」

『事件というか……とにかく来てくれると助かる』

提督「わかりました、すぐ向かいます」テチッ

磯波「事件ですかぁ?」


提督「ええ、事件です。あなたは寝てなさい」

磯波「でも……」

提督「風邪ひいてるんですよ、さあ水でも飲んで」スタスタ

トプトプ

提督「寝ていれば治りますよっ!?」ズルッ

磯波「きゃっ」ビチャァ

提督「大変申し訳ない……」

磯波「冷たい……」

提督「いや今日はドジっちまうばっかりですね」フキフキ

磯波「提督も風邪ひいてるんじゃ……」

提督「そんなことはないはずですが……」フキフキ

フニフニ


磯波「あ、あ、提督、そこは、胸は自分でっ」ピクッ

提督「あれっ……」パッ

磯波「もう……提督?やっぱりなんかヘンですよぉ……」

提督「私も、そう思います」

磯波「ついていきます私も」

提督「はぁ……無理はしないでくださいね」

磯波「提督こそ」

提督「……」

磯波「……」

提督「……」

磯波「提督?見られてると着替えられないのですが」

提督「あ!そう、ですよね……失礼、なんだか全然頭が回らなくって」




提督「さて、出発です」スタスタ

ドンッ

提督「いて」

磯波「ドアにぶつかるなんて……」

提督「いえ、大丈夫。ちょっと鍵を開け損ねただけです」



隣鎮守府


磯波「提督……今日のところは帰りましょうよぅ……」

提督「いや、意地でも行かなくてはなりません」ボロッ

磯波「途中で12回も転んで、電柱に3回ぶつかって、信号を5回見落としかけて溝に足を」

提督「もういい、何も言わないでください。そういう日だってあります」

隣提督「広川くん……来てくれたか……」ボロッ

提督「中将……なんですかその様は」

隣提督「今日はなんだかついてないんだ……転んだり、その拍子で艦娘に抱きついてしまってそれで……」

提督「おかしい……なんだかおかしいですね」

磯波「中将さんもヘンなんですか?」


隣提督「その様子だとそっちも同じ状況のようじゃな」

提督「ええ、とんでもないですよ全く」

隣提督「とにかく、執務室に案内しよう」

スタスタ

ドンガラガッシャーン

磯波「あちゃー……」



隣鎮守府、執務室


隣提督「つまりはだ、みんなどんくさくなってしまったというわけじゃ」

提督「なるほどね……」

ガチャッ

榛名「お茶をお持ちしました」

隣提督「こら!今そういうことしたら」

コケッ

榛名「きゃっ!」

バシャァ

提督「熱いったら!」ピョンピョン

隣提督「だ、大丈夫かね二人とも!」


磯波「提督!」

榛名「は、榛名は大丈夫ですけど……」

提督「こりゃ、やけどだな」ヒリヒリ

隣提督「広川くん!ああっ!?」ズルッ

ガバッ

提督「おーい!誰もそういうの求めてないんですよー!」

隣提督「もう嫌じゃもーー!」

提督「お、重い、少しダイエットなさったらどうです!」グイグイ

隣提督「ワシの胸を揉むな!」

提督「そっちこそ私の紳士のエリアから手を離してください!」

磯波「……」ポケー

榛名「これは…………素敵です!」

磯波「えっ!?」

隣提督「とにかく対策を考えなければ!」

提督「その意見に大賛成です!」



数分後……

隣提督「とは言ったものの、さっぱり浮かばん」

提督「無事な者はいないですか」

隣提督「無事かどうか判別できればいいんじゃが……」

提督「そういえば、磯波は今朝から風邪ひいてる割にはしっかりしてますね」

磯波「提督そんな調子だから、私がしっかりしなきゃどうするんですか」

提督「いや、すみません……」ショボーン

ガチャッ

雪風「しれぇ!鎮守府が大変なことに!」

隣提督「今まさにその事について話していたところだ。ところでそのマスクは?」


雪風「今朝からちょっと風邪気味で……」

隣提督「珍しいな、体に気を付けるんだぞ」

提督「やあ、どうも」

磯波「お邪魔してます」

雪風「あ!お客さんですか!お茶入れてきます!」タッタッタッ

隣提督「あ!バカっ!……行ってしまった」

提督「部屋の隅っこに固まりましょうか……」

トテテテ

雪風「入れてきました!」

隣提督「くれぐれも、慎重にな!」

雪風「……どーして部屋の隅っこに?」

提督「ちょっと、色々ありましてね」

雪風「ふーん」スタスタ

隣提督「ゆっくり!ゆっくりな!」

雪風「はい!」コトッ


提督「……おや」

榛名「普通、ですね……」

磯波「ええ……」

雪風「皆さんどーしたんですか?」

隣提督「お前、なんともないのか?」

雪風「風邪気味です」

隣提督「いや、転んだりとか、ぶつかったりとか」

雪風「ええ?ありませんけど……」

提督「なるほどねぇ。中将、この艦隊で他に風邪なんかの体調不良の艦娘は?」

隣提督「そうだなぁ、まだ報告は雪風だけだな。何か知らないか?」

雪風「いえ、雪風以外はみんな元気でしたけど」

隣提督「ふーむ、病気だと却ってしっかりするのかの」

提督「ひょっとするとそれが答えかもしれません」



隣鎮守府、茂み


レ級「すごい細菌だな」

ヲ級「だろう?」

レ級「今襲撃すれば、一瞬で壊滅状態に追いやれる」

ヲ級「その通りさ。だけど、まだ泳がせよう……もっと多くに感染するまで……」

ソ級「世界中がギャグみたいな笑うに笑えない状況になるっすね」

レ級「というか、我々には効かないのか?」

ヲ級「……」

レ級「効くのか!?効くんだな!?」

ヲ級「この細菌は湿気に弱いんだ、だからボクたち深海棲艦には効きにくい」

ネ級「もう地上に上がってから時間経ってますよぉ……」

レ級「この馬鹿めが!早くしないと」ズルッ

ムニッ


ヲ級「あんっ、ぼ、ボクの胸を!?」

レ級「お前のせいだっつの!」

ヲ級「ダメだよっ、知り合ったばっかりなのにっ」

ソ級「もう効果は出始めてるっすね」

ネ級「というか、ワクチンみたいなものはないんですかぁ?」

ヲ級「ここにある」スッ

レ級「貸せ!使うから!」

ヲ級「待って待って!これにはちゃんとした使い方があるんだってば!」

レ級「貴様に任せてはおけん!」

ヲ級「ボクが作ったんだけど!?」

ギャーギャー


初春「何じゃ騒がしい……む」

レ級「お前もう感染してるじゃないか!」

ヲ級「そっちこそ!」

ソ級「まあまあ喧嘩してる場合じゃないっすよ」

ネ級「見つかっちゃったらどうするんですかぁ」

初春「……敵艦隊出現」スチャ

ドーン!


.



執務室


ドーン!

隣提督「なんじゃ今の音は!?」

ガチャッ

初霜「敵襲です!陸まで侵入されています!」

隣提督「何ぃー!?こんな時に!」

提督「タイミングが悪すぎる、最初から深海棲艦が関与していると見て間違いありません」

榛名「榛名!いざ!出撃します!」ジャキン

隣提督「バカっ!部屋の中で艤装を展開したら!」

ガッ

榛名「あれ?出られません!」グイグイ

隣提督「んもう」

提督「こりゃあ苦戦しそうですな」

磯波「ですね」




タッタッタッ……

初春「待つのじゃ!」

レ級「誰が待つか!」

ヲ級「何とかして逃げ出そう!この状態じゃ苦戦は必至だ!」

ソ級「そっすね」

ネ級「あのう、前、艦娘が……」

霧島「目標、見つけたわよ!」

霰「主砲射撃用意」

時津風「打ち方、はーじめー!」

レ級「なんてこった!」

ドンドンドン!


ネ級「ひゃぁっ!」

ソ級「おっと」

ヲ級「ほいっと!」

初春「ひえっ」

ドゴォン

初春「ぬわぁぁぁーーーーーーーッ!!」大破!

霧島「あ」

霰「……」

時津風「も、もう一度!」

霧島「こ、今度は外さないわ!」

ドンドンドン!


ソ級「当たらんっすよ!」

レ級「下手くそめ!」

ヲ級「はははー」

ボガァァァァァァァ

霧島「あ」

霰「あれって、入渠ドック」

時津風「やだー、もー」

ワーワーキャーキャー

レ級「無駄な反撃はせずにこのまま海まで突っ走るぞ!」

タッタッタッタ…



榛名「やっと外に……」

隣提督「むむ!あそこに走っとる四人組か!」

提督「四人?一人増えてますね」

榛名「榛名が」

隣提督「待て待て待て!お前は大人しくしてろ!雪風!」

提督「磯波!」

雪風「はい!がんばります!」ジャキン

磯波「ここは私も頑張るときなのです!」ジャキン

ドンドン!


ドォン

レ級「うおっ!攻撃か!」

ヲ級「しまった、あいつらマスクしてる!」

ネ級「その程度で防げるんですかぁ!?」

ソ級「しょっぱいっすね」

レ級「もう一発くるぞ!」

ドゴォン

レ級「なぁ~~~~~!!」

ヲ級「ああ!ワクチンが!」

パリン


ネ級「割れちゃった……」

ソ級「やばいっすね」

ヲ級「このワクチンは、というよりこの細菌はドジっ子菌を駆逐する細菌なんだ、つまり計画は失敗!」

ソ級「となれば」

ネ級「逃げましょう」

レ級「おのれ艦娘d」

ドォーーン


「「「「まだ言ってる途中だろがああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ……」」」」

キラーン☆



榛名「榛名の砲撃、当たりました!」

雪風「狙ったのは私ですけど」

磯波「……はぁ」

提督「無事ですか皆さん、おぉっ!」コケッ

磯波「きゃっ」

ガバッ

磯波「いてて……」

提督「……」

榛名「これは…………素敵です!」

隣提督「わざとやってんのかねってぐらい綺麗にこけたな」


磯波「は!提督!そこは、ひゃん」

提督「く、苦しい、息が」モゴモゴ

磯波「ひゃっ、喋らないでっ」ピクピク

雪風「雪風が引っ張り出します!」ズリズリ

提督「ふぅ、助かりました……」

榛名「いけませんよ、スカートに顔突っ込むなんて」

提督「いや、恐ろしい、連中は何をやってくれたのでしょうか。大丈夫ですか磯波」

磯波「恥ずかしくて死にそうです……」


結局、翌日には元通りでした。一体なんだったのでしょうか。
あの後も色々ハプニングはありましたが、それは内緒です。
でもいつも飄々としてる提督が慌てふためいているのはちょっぴり面白いものでした。
しかし気になるのが、深海棲艦の新メンバー。彼女は一体何者なのでしょうか……。


次回に続きます...

よし!これで深海側のトンデモ発明品を出せるな!
ToLoveる的イベントを入れるもちゃんとToLoveってるか心配だ


小ネタ4

一方その頃...


憲兵隊詰所


隊長「いや、わざとじゃない、本当に転んだんだ」

あきつ丸「せ、セクハラでありますぅ!隊長でなければ即刻上司に報告であります!」

隊長「すまない、気をつけるから、なんとか許してくれ」ペコペコ

あきつ丸「そう言われては仕方ないでありますが、次は無いでありますよ!」

隊長「ああ、すまん……」トボトボ

コケッ

ドンガラガッシャーン

「きゃぁー!隊長!セクハラよー!」

隊長「ち、違うんだ!聞いてくれ!」




七光鎮守府


七光提督「ゴホッゴホッ……み……水……水を……」

瑞鶴「うー、マスク気持ち悪いなー」

翔鶴「二人して風邪なんて……まさか!」

瑞鶴「いや、何もしちゃいないわよ!」

七光提督「それを、よこせ……それも1台や2台ではない…全部だ!!全部だ!!」

翔鶴「提督なんかおかしいですよ」

瑞鶴「風邪ひいてからずっとこの調子なの」

七光提督「お前は目が見えぬのか……全部だ!!」

瑞鶴「はいはい」

翔鶴「どうぞ、これ、あっ」ツルッ

ビチャッ

七光提督「ぬおおおおぉ!!」

瑞鶴「翔鶴姉!」

翔鶴「ごめんなさい提督……」


小ネタ5


ネ級「ところで、ドジっ子菌って元からドジっ子の人が感染したらどうなるんですかぁ?」

ヲ級「そうだね……わからないな。打ち消されてノーマルになるかあるいは……」

ネ級「あるいは?」

ヲ級「ドジっ子では済まされないほどの存在、一つ上の存在にシフトするかもしれない」

ネ級「ひぃっ、そこまで考えといてよくこんな菌撒けましたねぇ!」

ヲ級「……」

ネ級「ひょ、ひょっとして何も考えて……?」

ヲ級「……」

ネ級「まさかここに来た時から既に感染して……?」

ヲ級「ま、まあまあ!デビュー戦は負けたけど次こそ!次こそだよ!」

ネ級(……大丈夫かなぁこの人)

This War of Mineを艦これSSのネタにできまいかと購入
なお、重すぎてそんな気も失せた模様


第十三話 東京湾の怪物


深海商店 スタッフルーム


ヲ級「ふんふふ~ん」イジイジ

ソ級「少しは手伝って欲しいっすよ」

ネ級「今忙しい時間帯なのにぃ」

ヲ級「まあまあ。今度の発明品は素晴らしいったらないよ!」

レ級「ほう、バイトサボってまで作ったんだから是非とも戦果を上げて欲しいな」

ヲ級「任せてよって」カチカチ

レ級「何の装置だ?」


ヲ級「見ててよ……それ!」ビビビビ

レ級「おお!?我が輩に撃つのか!!」ビリビリ

ヲ級「……やったか!?」

ネ級「どうなるんですかぁ?」

レ級「……なんともなっとらんぞ」

ヲ級「そう、なんともならない」

ソ級「おい」

レ級「お前ぶっ飛ばすぞ」

ヲ級「まあこれはジョークグッズだから。本題はバイトが終わってから見せてあげるよ」



アジト


レ級「おお~~~!!」

ネ級「すごいですねぇ!」

ソ級「巨大ロボット!!」

バァ~~ン

( -皿-) zzz…

ヲ級「そう、名付けて『鉄腕騎兵キングジャイアントマジンゲッターエヴァンディーンダムボットラース28号』!」

レ級「長い。『28号』と呼ぶ」

ソ級「『58号』がいいっす」

ヲ級「えー!!」

レ級「じゃあ『58号』な。で、こいつをどう使うんだ?」

ヲ級「それはだね……フフフ……」



東京湾 小型客船


ザザー

男「風が気持ちいいね」

女「本当ね」

ザワザワ

男「ん?何かあったのかな。ちょっと見てくる」

女「いってらっしゃい、ここで待ってるから」



「おいおい!見たか今の!」

「こんなところに鯨でもいたのかな」

男「何があったんですか?」

「いや、今海の中にすごい影が……あ!!あれだ!!」

男「えっ!?」

ドォーーーン!!


男「うわぁ!!」

「船底にぶつかったみたいだ!」

ザバァァァァ

ヽ(゚皿゚)ヽ ガオー!!

「うわああ!!怪物だ!!」

「ロボットだ!」

「皆さん!落ち着いてください!」

男「あ!優子さんは!優子さーーん!!」

グラッ

男「うわあああああ!!」

ザバーン

「( ゚皿゚)「 グオー!!






あきつ丸「むう……見つからないであります……優子殿、最悪の覚悟はしておいてください」

女「……」

あきつ丸「……そっちはどうでありますか!」

「全然です!」

あきつ丸「もっとよく探せっ!!」

「はっ!」

雪風「そっちはどうですか!」

あきつ丸「雪風殿、それが何にも……」


女「……陽一郎」



翌朝 事務所


磯波「『東京湾に怪物出現!客船や貨物船を次々襲い、行方不明者1名』ですか……どう思います?」

提督「どうっつのは?」

磯波「……『深海棲艦か、海軍の秘密兵器の暴走か、それとも第三勢力か』というのはありえなくはないと思うんですが」

提督「これ以上勢力が現れたらめちゃくちゃですね」

磯波「でも、第三勢力が今になって出現してもおかしくはありません」

提督「そうですね。ですがそれならもっと良い参戦時期があると思いますがね」

磯波「それにしても、1人行方不明だなんて……」

提督「残念ですが、我々が悔やんでも致し方ありません」

磯波「……」

提督「……」


ピンポーン

磯波「あ、お客さん」

トテテ

ガチャ

磯波「はい」

女「朝早くからすみません、軍事探偵さんにどうしても調べて欲しくって」

磯波「はい、どうぞお入りください」


……



磯波「つまり、この行方不明者の恋人さん?」

女「はい、憲兵隊の皆さんや艦娘の皆さんも広い範囲を探してくれました」

提督「ところが手がかり一つ見つからなかったということですか」

女「でも、陽一郎は海の底に沈んだりなんかしていません、きっと……」

提督「優子さん……」

女「きっと生きています!私との結婚の約束を、必ず守ってくれるはずです!」

磯波「提督、私も信じます。お二人の愛の絆を」

提督「……出て行ってもらえますか」

女「そ、そんな、軍事探偵さん……」

磯波「提督!」

提督「出掛ける支度をするのでね、5分外で待っていただきたい」

女「はい!ありがとうございます」パァ



東京湾


磯波「うーん……上からじゃ何も変わったものは見えませんね」

提督「小型船舶を襲うほどの大きさですから、何かしらの痕跡は残っているはずですがね」


ジー

ヲ級「あいつら必死になって探しているね!」

レ級「やったやったー!今回ばかりは広川大先生も頭を抱えておるわい!」

ネ級「お祝いのパーティーの準備ができましたぁ!」

レ級「うむ、シャンパンを抜きたまえ」

ヲ級「おっけー」

ネ級「うう、うう……」ポロポロ

レ級「ん?キャップ、どうした」


ネ級「なんだか夢みたい、こんなご馳走。今まで一度勝って以来は負け続きのバイトばかりで、やっと報われたんだぁ……」グスグス

ソ級「うう、ぐすっ……」シクシク

レ級「わかる、わかるぞ……寒さと空腹を堪えて一生懸命頑張ってきたんだからな……」ウルッ

ヲ級「そ、そうだったんだ……」

レ級「しかし!今日まで二人ともよく我慢して我が輩についてきてくれた、感謝してるぞ」

ソ級「アルマトイ!」

ネ級「アルマトイさん!」

ギュッ

「「「うわああああああん!!!」」」ビエー

ヲ級「いい話だなぁ……」ホロリ


ドンドン!

ヲ級「おや?」

「開けてください!」

ヲ級「なんだようるさい」

ガチャ

男「ここから俺を出してください!」

ヲ級「そうは言ってもねー、出したら言うでしょ?ここのこと」

男「絶対に言いません、こんな面倒な事に巻き込まれるのはもうたくさんだ!」

ヲ級「そんなこと言われたって確証がないし」

レ級「まあ待て、まずは腹ごしらえだ。君は確か陽一郎だったかな。運転免許にそう書いてあった」

男「俺の荷物をあさったんですか」

レ級「ここに座りたまえ。パーティーにご招待しよう」

男「そんなことより、俺をここから」

レ級「いや、それはダメだな。万一のための人質として滞在してもらおう」

男「そ、そんな……!」




女「やはり手がかりは」

提督「残念ながら、今のところは」

女「そうですか……」

磯波「そう気を落とさないで、きっと何か策はありますよ」

提督(……こんな大胆な作戦を実行できるのは、やはりあんにゃろーどもしか思い当たりませんね)



その日の夜...


提督「皆さん、頼みますよ」

榛名「榛名たちにお任せ下さい!」

大和「この46cm砲で仕留めてみせます。腕がなりますよ!」

七光提督「しかし、艦娘に倒せますかね。怪物が」

隣提督「いやいや、部下は信用したほうがいいよ」

如月「そうよ、私の魚雷でイチコロなんだから」

七光提督「うーん……まあそれしか方法がないのはわかってるんだけど」

提督「とにかく、やってみるしかありません」


隊長「我々憲兵隊も微力ながら援護する」

隣提督「しかし陸軍に艦に通用する武装なんかあるのかね」

隊長「数々の墳進砲を使う時が来たようだ、みんな張り切ってるよ」

あきつ丸「カロ艇部隊!準備は出来たでありますか!」

「できましたー!」

提督「それでは、作戦開始です。ダミーの貨物船を出航させましょう」

ブォー

女「あの、軍事探偵さん」

提督「おや、優子さん」

女「私にも、見届けさせてください」

提督「もちろんです。磯波、彼女についてあげてください。危険のないように」

磯波「はい提督」

女「ありがとうございます」



アジト


ヲ級「おお!きたきた!」

レ級「ふむ、艦娘が大勢護衛しているってことはよっぽど大事なものに違いない」

ネ級「出動させますかぁ?」

レ級「よーっし、出撃だ!58号!」

(゚皿゚)ゝ マ゙ッ!!


大和「……!」

如月「ソナーに感あり、警戒して!」

霞「でかいやつが来るわね……」

榛名「総員、戦闘態勢!」

ザバァァァァァァ

ヽ(゚皿゚)ヽ ガオー!!


大和「どひぃ~~~~~~~~!!」

榛名「ひえーーーーーっ!!」

如月「こ、こんなのだったなんて!」

霞「撃ちなさい!撃てー!!」

ドドン!

カイーン

( ゚皿゚) …

大和「そんな!46cm砲が効かないなんて!」

「フーハハハハハ!見たかボクの科学力!」

霞「あ、怪物の肩に!」

ヲ級「ボクはヲ級ペガサス!グレートな科学者さ。お前たち、観念したらどうだ!」


榛名「あなたが噂の新メンバーですか!」

霞「3バカが4バカに増えたってわけね」

レ級「もはや今までの我々ではない!」

如月「あ、もうひとり出てきた」

レ級「ふふふ、さあ貴様らを踏み潰して貨物船は後でゆっくり頂くとしよう」

ヲ級「行くぞ!58号!」

ヽ(゚皿゚)ヽ ガオー!!

ヲ級「砕け!58号!」

大和「一旦距離を取ります!」

ザァァー


果たして、艦娘たちはこの巨大ロボットに勝てるのでしょうか?
次回に続きます...

一応破壊工作を阻止、という意味では立派な防諜だ
多分

「○○ラー」+「○○ス」
でも「○○ダー」の方がよかったと今更ながらに思う
てかどうでもいいだろんなこと!



ザァァァァ

大和「もう一度!撃てー!」

ドドン!

カイーン

ヲ級「貧弱貧弱ゥ!」

レ級「この58号はあの水鬼級をも凌ぐ装甲なのだ!」

如月「魚雷発射っ!」シュゴッ

ヲ級「58号!払い除けろ!」

ヽ(゚皿゚)ヽ ガオー!!

ザバァッ

霞「うわーせこい!」

レ級「バーカバーカざまみろだ!」

榛名「くっ、下がりましょう!」

ズザァァァァ


ドンドン!ドォーン!

男「外じゃもう騒ぎが始まってるみたいだな……おや?この機械は何だろう」カチッ

ビビビビビ

男「うわっ!なんだろうこれは……そうだ!これを目印にすれば救援を呼べるかもしれない!」

ガラッ

ビビビビビ



隣提督「行け!そこだ!榛名!撃て!ああ違う違うちゃんと狙わんか!」

七光提督「じーさんうるさいって!」

提督「あまり戦況は思わしくないようです」

女「軍事探偵さん!あれ!」

提督「どうしました」

女「光が!」

提督「あれは……あそこは第二海堡があるはずです。磯波、行ってみましょう!」

磯波「優子さんはここで待っててください!」

女「はい、お気を付けて!」



ヽ(゚皿゚)ヽ ガオッ!ガオッ!

レ級「はっはっはー!逃げろ逃げろ!」

大和「ひい、ふぅ……」ゼェゼェ

霞「……大和。あんた」

榛名「ええ、そうですね」

如月「戦いに犠牲は付き物だもの」

大和「え!?」

榛名「大丈夫ですから!」

霞「殿任せたわ」

大和「ちょっと待ってそりゃないでしょー!」

如月「えいっ」ゲシッ

大和「ぶべっ!」ズコー


ヲ級「58号、潰してしまえ!」

ヽ(゚皿゚)ヽ マ゙ッ!!

大和「いやあああああ!!!」

バシィ

レ級「前も思ったけどひっでーよなあんたの仲間……」

ヲ級「ちょっとだけ同情するよ」

大和「か、帰ったら……覚えてろ……」ペランペラン

ヽ(゚皿゚)ヽ ガオー!!

ヲ級「よし!あいつらも追いかけるぞ!」

ザバァザバァ



ドドドド…

提督「おや、大和さん柄のタオル?みたいなのが流れて来ました」

磯波「これ抱き枕カバーって言うんですよ!でもなんかレアっぽいですから拾っときましょう」クルクル

提督「ちょっぴりラッキーですね」

磯波「さあ、先を急ぎましょう」

大和(カートゥーンじゃないんだから~~~!でもおかげで命は助かった……)ホッ



第二海堡


ビビビビ

提督「こんなところに秘密基地を作っていたようですね」

磯波「もしかしたら、光の主は陽一郎さんかも」

提督「望みはあります、陽一郎さーーん!」

「おーい!誰だか知らないけどこっちだー!」

提督「いたようですね」

磯波「行きましょう!」

タッタッタッ…



男「あ、あなたは」

提督「海軍の者です、君を迎えに来ました。さあ急いで!」

男「はい!」

ソ級「おっと待つっす」

提督「おや、あなたたちは」

ネ級「ダメだよ連れてっちゃぁ」ジャキ

男「くそぉ……」

提督「……彼には彼の帰りを待つそれはもう健気な恋人がいるんです」

ネ級「ええ?」

提督「彼女は彼が消えてからずぅっと泣いています、それこそ、今にも自殺しそうなくらい」

ネ級「えぇー!?自殺ぅ!?」ガーン

提督「彼女のためにも、ここはひとつ彼を解放してあげてはくれませんか」

ネ級「そそ、そうだよぉ、自殺なんてされたら」

ソ級「いや、でも、しかし……」

提督「あなたたちにも、大事な人はいるでしょう?それを奪われる。どんなに辛いか、なんという悲しい!」

ソ級「……そう、かもしれない」

提督「なあに、全部私のせいにしてもらって構いません。だから、ね?」

ネ級「う、うん。解放します」

ソ級「そっすね……その方がいいっす……」

提督「さあ、陽一郎さん」

男「はい!」



タッタッタッ…

提督「磯波、準備はできましたか?」

磯波「はい、でもいいんでしょうか……」

提督「海堡ってのはその為にあるんですよ。陽一郎さん、ボートに」

男「あ、はい」

ドドドドド……



提督「……そんじゃ、ひとつ」カチ

ドォォォォォーーーーーン!!!

男「ああっ!?島が!」


「「ぎにゃあああぁぁぁぁぁ……」」

キラーン☆



提督「二人だけですが、景気よくぶっ飛んじまいましたね」

磯波「いつもの事ですけど」

男(この人たち酷過ぎる……)ガビーン



あきつ丸「墳進砲発射!」バシュッ

ヒューーーン

ヲ級「58号!ロケットを掴め!」

ヽ(゚皿゚)ヽ ガオ!

パシッ

あきつ丸「マジでありますか!?」

レ級「返すぞ!」

( ゚皿゚)ノシ ガオー!

ヒュー

あきつ丸「退却!」

ドボォーン

あきつ丸「ほぎゃーーーであります!」

「逃げろーー!!」


翔鶴「瑞鶴!」

瑞鶴「夜だから航空機は使えないけど、ワイヤーでふん縛ってやるわ!」

レ級「つまめ」

ヲ級「イエッサーマムサー」

( ゚皿゚)○ ガオッ

ツマミッ

瑞鶴「あれー」プラーン

翔鶴「だから言ったじゃない、こうなるって」

レ級「ハンマー投げならぬ空母投げだ!」

ヽ(゚皿゚)ヽ ガオッ

ブォン

「「あああああああぁぁぁぁぁぁぁ……」」



隣提督「なんかこっちに飛んでくるぞ」

七光提督「ああっ!あれは!」

ドガシャーン

翔鶴「なんて……仕打ち……」ピクピク

瑞鶴「やられ……た……」ガクッ

隣提督「」

七光提督「また……かよ……」

隊長「くそ、どうすれば」

提督「まだ手はあります」

隊長「広川!だが艦娘では手も足も出ないんだぞ!」

提督「いくら艦砲といえど、何百キロもの爆薬の威力は出せない。しかしあの貨物船には」

隊長「まさか、爆薬が!」

提督「ええ、勝負は艦娘たちがやられっちまった後です」

隊長「だが、それじゃあ戦った意味が……」

提督「厳重な護衛というポーズを取っていたからこそ、連中は深追いしてきたわけです」

隊長「それならそうと教えてくれればよかったものを」

提督「悟られるわけにはいきませんでしたからね、敵を騙すにはまず味方から」

隊長「そうか、まあいいあれだけの爆薬なら上手くいきそうだ!」


数十分後、艦娘たちは見事に全滅してしまいました……。
でもご安心ください、母港なのでいくらでもサルベージできるんですって!


ヲ級「あらかた、仕留めたかな」

「うぅ……」

「やられたー……」

「もうだめぽ……」

レ級「じゃあ貨物船を拝見させてもらおうか」

ヲ級「58号!」

ヽ(゚皿゚)ヽ ガオー!!

ガシッ

レ級「何が入ってるのかなー」

ゴソゴソ

ピピー


ボゴォォォォォォォーーーーーーン!!!!


レ級「あらぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!」

ヲ級「ボクの58号がぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!」

キラーン☆



磯波「巨大ロボットは木端微塵になったみたいです」

提督「いつもながら、連中の星になりっぷりはイヤって言うほど敬服させられますね」

磯波「この事件も無事勝利しましたね」

提督「ええ、あの二人の愛の勝利と言ったところでしょうか」


女「陽一郎……」

男「優子さん……」

ギュー


磯波「……そうですね」


こうして怪物騒動は幕を下ろしました。
陽一郎さんも怪我なく戻ってきて、優子さんも大喜びです。
二人を見ていると、ちょっぴり羨ましくなります。
愛し合う恋人たちってなんて素敵なんでしょうか。
愛の勝利っていうのはまさしくその通りです。
私もいつか

提督「磯波ってば意外とロマンチストなんですね、笑っちゃいます」

磯波「ひゃっ!?み、見ないでくださいよ~!」


次回に続きます...

他の艦娘の扱いがひどいと自分でも思う。フォローは小ネタでやっていこう!
SS色々探してたら深海側のスパイのSSがあってなんかワロタ


小ネタ6


ゴウンゴウン

大和(提督の皆さんこんばんは、私は大和です。洗濯機の中にいます)

ゴウンゴウン

大和(慣れると案外快適なものです。ではどうして私大和が洗濯機の中にいるのでしょうか)


あの時私は巨大ロボットにペシャンコにされてしまった……。
しかし、偶然通りかかった磯波ちゃんたちに助けてもらった、まではよかったんです。



事務所


磯波「疲れたぁ……お風呂どうします?」

提督「お先にどうぞ」

大和(おーい!なんとか助けてくださいよー!)

磯波「じゃあ先に入っちゃいますね」

提督「そういえば、見つけた抱き枕カバー、でしたっけ。あれどうするんですか」

大和(ひょっとして私のこと!?)

磯波「とりあえず洗濯機に入れようと思いますけど」

大和(洗濯機!?)

磯波「早速使ってみましょうよ!」

大和(ええーーっ!!)



脱衣所


磯波「……」ヌギヌギ

大和(洗濯機……恐ろしい、考えるだけでっ!)

ガコッ

磯波「よいしょっと」ポイポイ

大和(スイッチを!スイッチを押すなー!!)

磯波「これでよし」ポチ

ウィィィィン

ゴウンゴウン

大和「ああああああああああああああああ!!!!」

磯波「!?きゃああああ!!」ダッ



提督「何事ですかぁ!?」ドテッ

磯波「おば、おば、おばばばばば!!」ガシッ

提督「おばさん?」

磯波「おばけです!!!誰もいないところから声が!!」ユサユサ

提督「わかった、わかりました、とりあえず降りてください」

磯波「だっておばけですよ!!?」ユサユサ

提督「年頃の娘が野郎に裸で馬乗りするものじゃないですよ」

磯波「おばけなんですって!!あーやだやだ引っ越しましょうよぅ!」ギュー

提督「引っ越すわけにはいかんでしょうって」

磯波「じゃあお風呂どうするんですか!?」

提督「別に何もしやしませんよ、おばけだって」

磯波「一緒に来てくださいよぅ……」

提督「はぁ……わかりましたよ。でもまずは降りてください」



ゴウンゴウン

提督「何も声なんかしませんよ」

磯波「おっかしいなぁ……」

提督「早く服着るか風呂入るかしなさい」

磯波「むぅぅぅ……」




大和(というわけです。ホテル呼ばわりされるならまだしも、抱き枕カバーです。立派に出世したものです)

ゴウンゴウ…

大和(おや、乾燥が終わりました)



寝室


提督「これってどこから中身入れるんでしょうね」

磯波「んー……空気とか入れるんじゃないですか?」

提督「枕じゃなくてひょっとしたら人形かもしれません、ほらイベント会場とかによくある」

磯波「あー、確かに言われてみれば」

大和(抱き枕から人形になりました……イベント会場なだけアレよりはマシかなぁ)

提督「どこから空気入れるんでしょうか」

磯波「……お尻?」

大和(はっ!?)

提督「なるほど」ズボッ

大和(にゅぅぅぅぅぅぅーーーーーっ!!)

提督「入りましたね」シュコシュコ

大和(どういうプレイ!?新たな扉を開いちゃう系!?沖縄どころかニューヨークまで行っちゃう系ぃぃぃぃ!?)


数分後。

提督「出来た」

磯波「うわすっごいですね」

大和(洗濯機に入ってたせいか体中が痛くて動けません)

提督「どうしましょうこれ」

磯波「とりあえず、当初の目的通り抱き枕として使いましょうか」

提督「そうですね」

ポフン

提督「にしても、どっかの誰かさんとは大違いだ」モミモミ

磯波「誰のことですか?」モミモミ

提督「はは、まあそのうち成長しますよ」モミモミ

磯波「ふんっ」モミモミ

大和(二人して私の胸を揉まないで!///)

提督「さあ、こいつのおかげで遅くなっちゃいましたから、寝ましょうか」

磯波「おやすみ、提督」

提督「おやすみなさい、磯波」

ギュー

大和(……二人ともしがみついてきて苦しい)



翌朝


チュンチュン

提督「」

磯波「」

大和「おはようございます♪」

「「おはようございます……」」

大和「よくも二人して私をもみくちゃにしてくれましたね……」


[このあと滅茶苦茶朝食食べた]

綿を詰めるとなるとえげつない事になるので空気で落ち着いた

-挟撃-


深海棲艦南方司令部


レ級「で、どうして我々をわざわざ南方へと?」

南方棲戦姫「お前たちは潜入任務が得意、と聞いたわ」

レ級「まあ、他の者どもよりはとの自負はあります」

南方棲戦姫「よろしい。では説明しよう。チューク諸島に陣取る敵の拠点の破壊が任務だ」

レ級「潜入して爆破でもしろと?」

南方棲戦姫「好きなようにやって頂戴。ここから連日潜水艦が出撃し、我々の補給線にダメージを与え続けている」

レ級「『クルージング』ってヤツですね。噂には聞いています」

南方棲戦姫「先月、大規模な攻勢を仕掛けたがかつてと違い撃退された」

レ級「そこで内部から破壊せよ、というわけですな」

南方棲戦姫「その通りよ。手段は任せる、バックアップは全力でやってあげるから、期待してるわよ」

レ級「ははっ、お任せ下さい……」

南方棲戦姫「報酬も色々と調達しておくわ、頼んだわよ」



チューク諸島、ジープ島


磯波「うわ~~!綺麗ですね!泳ぎたくなっちゃう!」

提督「……」

磯波「どうしたんですか?暗い顔して」

提督「できれば、あなたは連れてきたくはなかった」

磯波「まだ、言ってるんですね。いいですか提督。私磯波はあなたの助手です」

提督「……そうですね、失礼しました。それにしてもあなた、存外に明るいんですね」

磯波「よく言われます」

提督「ですが、この美しい海を堪能するのは仕事が終わってからです」

磯波「わかってますよ……」


提督「なぜここを選んだか、この離れ小島なら」

磯波「趣味、ですよね?」

提督「いや、実益を」

磯波「こんな離れ小島不便に決まってるじゃないですか……」

提督「……まあ、さっさと仕事を終わらせる気ではいました」


ミクロネシア連邦 チューク諸島、かつてのトラック諸島の一部は現在日本海軍の拠点として運営されています。
トラック泊地の司令部は環礁東側の島、トノアス島に建設され、軍事施設もそこに集中しており、
一般の住民たちは一時的に立ち退きの状態です。

提督は依頼内容を言葉を濁してばかりであんまりはっきり言ってはくれません。
外界から隔絶され閉鎖されたこの泊地で一体何が起こっているというのでしょうか。

今は導入だけ。いつになく暗いフンイキだぞ!?

暗い雰囲気はお好き?
私は嫌いじゃないけどこのスレっぽくないのであんまり暗くはしません

>>400に似た話パイナップルアーミーで見たな



深海棲艦南方司令部


ネ級「ええ!?潜入!?」

レ級「そうだ、まずは情報を得なければならない」

ソ級「そっすね、ようやく変身能力を活かす時が来たんじゃないすか?」

ネ級「責任重大ですぅ……」

レ級「何も戦う必要はない、いやむしろ戦いは避けねばならない、わかるな?」

ネ級「戦いなんてこっちからごめんですよぉ!」

レ級「ならば、うまくやってうまく帰って来い」

ソ級「ほどほどに期待してるっすよ」



ジープ島


提督「では、作戦を説明しましょう。磯波、あなたにはトラック泊地に潜入してもらいます」

磯波「潜入?」

提督「ええ、既に手筈は整えています。本土から異動してくる者がいる、とね」

磯波「潜入してそれからどうすればいいのですか?」

提督「内通者と接触してください」

磯波「内通者?既に誰かいるんですか」

提督「はい、伊19がね。実は彼女からの依頼なのです」

磯波「伊19さんって、大湊にいませんでしたっけ」

提督「先日からこのトラックに異動になり、実態を知り連絡を寄越したというわけです」

磯波「実態……」

提督「少し、労働環境がね。いわゆるブラック鎮守府と呼ばれるものです」

磯波「ブラック、鎮守府ですか」

提督「ええ、だからあなたにはついてきて欲しくなかった。本当なら私一人でやるつもりでした」

磯波「提督は、心配のしすぎじゃないですか?」

提督「そりゃ、心配もしますよ」

磯波「どうしてですか?」

提督「どうしてってあーた、それ聞かれると困っちまいますが、とにかく続きを説明します」



トラック泊地、執務室


ブラック司令「どうした、早く出撃しないか。行って来い」

伊19「……」

伊58「むぅ……」

大鯨「……」

ブラック司令「俺の言うことが聞けんのか?そうか……」ピッ

ウィーン

大鯨『あ!やだぁ!コチョコチョやだ!いやああああはははははっ!!いひぃひひうへへえへえへあはははのほほのほぉ!!』ゲラゲラ

大鯨「……///」

ブラック司令「お前らのママのこの惨めな姿を某動画サイトに上げられたいらしいな」

伊19「どうして、どうしてこんなひどい仕打ちを!」

ブラック司令「戦果を稼ぐのに理由がいるか?いかに効率良く戦果を上げるかが全てだ」

伊58「い、イク、もういいから」

伊19「ぐっ……」

ブラック司令「ふっ、無駄なあがきはするな。この動画を明日のランキングのトップにしたくないのならな」

ククク…アーッハッハッハッハー!!



泊地、兵舎


伊19「アイツ酷すぎるの!」

伊8「でも、拒絶したら大鯨さんの」

伊401「あの動画をアップロードされちゃう!そんなことになったら大鯨さんはずっと笑いものになるんだよ!?」

伊168「だから勝手な行動なんかやめてよね」

伊19「むぅ……」

コンコン

伊401「ん?窓から?」

伊19「あ、来たのね!」

ガラッ

磯波「どうも、皆さん」

伊168「イク、あなたが呼んだの?」

伊19「そうなの、さあ上がって」グイッ

磯波「よいしょっと」スタッ

伊8「大丈夫なの、イクちゃん」

伊19「大丈夫、彼女は磯波、諜報のエキスパートなの!」

磯波「いや、そんな……」

伊168「って言ってるけど?」

伊19「正確には諜報のエキスパートの助手なの」

伊401「本当に大丈夫?」

伊19「大丈夫なの!多分」

伊8「多分がついちゃったけど……」


磯波「それはいいから!状況は?」

伊19「ここにいる艦娘はイクを含めて6名、ここの4人とゴーヤちゃん、それから潜水母艦の大鯨さん」

磯波「その二人はどこに」

伊19「ゴーヤちゃんは今入渠ドック、大鯨さんは……」

伊168「執務室にて拘束されているわ」

磯波「拘束ですって?」

伊8「そう、いつだか提督に意見を言ったら捕まったの」

伊401「私たちは大鯨さんの事で脅されて、連日の出撃で休暇も報酬も無い只働き……」

伊168「最近はご飯をゆっくり食べたこともないわ」

伊8「間宮さんだって以前会ったのが何年前か、ここに来る前だったか……」

ハァ……

磯波「大体状況はわかりました。ありがとうございます」

伊19「そろそろ出撃の時間なの、詳しい事は帰ってきてからまた」

磯波「はい、それじゃあ私は手続きがあるので。これで」

伊401「編入されるんだ!」

磯波「期間限定での研修、という名目です」



廊下


「えーっと、執務室は……」

磯波「あら、あなたは……」

「ひゃっ!?」

磯波「そ、そんなに驚かなくても、潮ちゃん」

潮「あ、ああ、はい、そうですねぇ、あはははぁ」アセアセ

磯波「あなたもここに?」

潮「そ、そう、そうなの。異動っていうかなんていうか」

磯波「へぇ、珍しいこともあるんだね」

潮「ねー……」

磯波「じゃあ行こっか」

潮[ネ級](な、なんで磯波がここにぃ!?まさか、勘付かれたとか?)

磯波「……」キョロキョロ

潮[ネ級](大丈夫、気づかれてない、変装は完璧、だから大丈夫……!)

磯波「潮ちゃん?」

潮「は、はいぃ!?なんでしょうか!?」ビクッ

磯波「そんなに驚かなくても……」

潮「え!?あ、はいぃ、そうですねぇ!」

磯波「なんか、様子がヘンだけど、大丈夫?」

潮「い、いつもこんな感じですから!あははは……」

磯波「ふぅーん。変な子」

潮[ネ級](はぁ……大丈夫かなぁ……)

とりあえずここまで
しょーもない事のように見えるが脅迫は脅迫なのです

>>516
トリックというか仕掛けはまさしくそうですね
話の流れは全然だったような気がしますがどうだったか…



トラック泊地、執務室


ブラック司令「ふむ、貴様らが新しく入る艦娘どもか」

磯波「磯波と申します、よろしくお願いします」

潮[ネ級]「潮です」

ブラック司令「ああ結構結構、もう下がっていいぞ。部屋は好きなところを選べ」

磯波「は、はあ」

ブラック司令「ふんっ、駆逐艦など入れて何になるというのだ……」ブツブツ



…バタン

磯波「なんだか、嫌な感じだったね」

潮[ネ級]「うん……」

磯波「部屋はどうする?隣?」

潮[ネ級]「いや、そのう、ちょっと離れたぐらいがいいかなぁ」

磯波「そう?じゃあそーしよっか」

潮[ネ級]「うん、それじゃあまた食事の時ね」

磯波「うん、じゃあ私ここの部屋にするから」

ガチャッ、バタン

潮[ネ級]「……はぁ~~」

潮[ネ級](想定外だ、なんで磯波が……まあいいや、バレないようにしよっと)



磯波部屋


磯波(なんか一人部屋って初めてかも)

プルルプルル

ブィーン

磯波「こちら磯波。提督、聞こえますか?」

提督『良好です磯波。無事伊19と接触できたようですね。状況は?』

磯波「やっぱり労働環境に問題があるみたいです」

提督『そうですか……』

磯波「伊号潜水艦五名と潜水母艦大鯨、それから駆逐艦潮が在籍しています」

提督『潮?そんな情報はありませんでしたが』

磯波「なんでも、今日私と一緒に着任したようです」

提督『ふーむ……一応彼女にも注意しておいてください』

磯波「はあ、わかりました」

提督『任務を確認します。伊19との接触後はそのまま在籍し機会を伺い、証拠を収集してください』


磯波「あの、提督」

提督『なんですか』

磯波「大鯨さんなんですが。彼女が実は拘束されているそうなのです」

提督『ふうむ……状況が許せば、彼女の救出も考えましょう』

磯波「あくまで、潜入捜査ってわけですね」

提督『ええ。証拠が揃えばいずれ救出できる。物証もなしに強引な手は使えませんから』

磯波「はい、でももしもの時は」

提督『その判断は任せます。こちらも無線通信ですが最大限バックアップするつもりです』

磯波「はい、わかりました」

提督『では、健闘を祈っていますよ。くれぐれも見つからないように、いいですね』

プツン

磯波「……」


プルルプルル

磯波「?」

ブィーン

提督『磯波、大丈夫ですか?』

磯波「え?大丈夫ですけど……」

提督『そうですか……いえ結構。任務を続けてください』

プツン

磯波「……」

プルルプルル

磯波「……?」

ブィーン

提督『磯波、状況は』

磯波「変わってませんけど」

提督『そうですか、何かあれば無線連絡をお願いします』

磯波「はぁ」

プツン

磯波「……???」


プルルプルル

磯波「……」

ブィーン

提督『いそな』

磯波「なんですか?」

提督『……どうしたんです、えらく不機嫌ですけど』

磯波「誰かさんが何回も通信してくるからでしょ……」

提督『いやぁ、すみません、なんだか楽しくなっちまって、ははは』

磯波「とにかく、こっちから連絡しますから。もう掛けてこないでください」

提督『わかりましたよ……チェッ、サビシイシダッテヒマナンダモン』

磯波「何か?」

提督『いや、別に、何も』

プツン

磯波「……」



潮部屋


ピピー

潮[ネ級]「もしもし」

レ級『我が輩だ。潜入に成功したようだな』

潮[ネ級]「はい。あのぅ、それからどうしましょう……」

レ級『色々と手はある。弾薬庫を爆破したり、偽情報を流して混乱させたりとかな』

潮[ネ級]「嫌がらせとかでもいいんですかぁ」

レ級『別に構わんが、もっと大きいことやろうよ……』

潮[ネ級]「了解ですぅ。それと、なんと磯波のやつがいます」

レ級『なに!?勘付かれたのか!?』

潮[ネ級]「さぁ……」

レ級『とにかく警戒しろ、もう連中にはうんざりだバーカ!』

潮[ネ級]「ワタシにバカって言われましても……」

レ級『ま、成功を祈っている。安心しろ、慎重にやれば必ず上手くいく任務だ』

今日はここまで
あんまり筆が進まない。いつもが進んでるわけでもないけど

磯波と潮の装甲、か……



執務室


ブラック司令「どうした、無駄口を叩く暇があるなら次の出撃の準備でもしたらどうだ」

伊58「……でちぃ」

磯波(これを録画すれば証拠なるかも)ジー

伊8「せめて、1日だけでも休暇をください……」

ブラック司令「休暇ぁ?そんなもんあるわけないだろうが。時間の無駄だ、下がれ」

伊8「うぅ……」

磯波(ここの艦娘たちは満足に休養も取らせてもらえないのか)

伊58「でも、これ以上は疲労が」

ブラック司令「ああ?ちょっと動画をアップロードしたくなってきたなぁ……」

伊58「ぐぐぐ……」

磯波(いつもこういう手法で脅しているわけか……)



廊下


潮[ネ級](機密書類とかないかなぁ~)

レ級『何か騒いでるみたいだぞ』

ブラック司令「~~~いいな!わかったか!でなければもっと酷い目に遭うことになる!」

潮[ネ級](あれは)サッ

バタン!ガチャガチャ

ブラック司令「伊号第十九潜水艦め……ヤツが来てからすべてがおかしくなったのだ」

潮[ネ級](伊号……伊19の事かぁ)

ブラック司令「この調子が続くなら、もっと激しいことをしなくてはならないようだな」ブツブツ

スタスタ

潮[ネ級](……あの部屋には誰かがいるんだ)

レ級『あの部屋に入り込むんだ、なにか見つかるかもしれん』


カチャカチャ…ガチャコン

ギィ

大鯨「……」

潮[ネ級]「あ、こんにちは……」

大鯨「見かけない顔ね」

潮[ネ級]「先日編入された潮と言います」

大鯨「そう……不思議に思うでしょう?こんな部屋にいること」

潮[ネ級]「え、ええ……」

大鯨「まるで監禁されているみたい。でも抜け出せない、抜け出したらあの子達が」

潮[ネ級](これは、彼女は助けを求めているのだろうか……)

大鯨「だから、あなたは何かしようとしてここに来たのでしょうけど、無駄ですよ」

潮[ネ級]「……そんなことはない、必ず助けます」

大鯨「え?」

潮[ネ級]「こんなこと許せるはずがありません!」

レ級『な、何を言ってるんだお前!』

大鯨「……勝手にしなさい」



磯波部屋


磯波「……」カタカタ

プルルプルル

磯波(今忙しいのに)

ブィーン

提督『磯波、今すぐにパソコンの電源を切るんだ!』

磯波「はあ?何て?」

提督『任務は失敗に終わった!今すぐ電源を切れっ!』

磯波「一体どうしたんです?」

提督『やれやれ。一人になったらトイレでおかしなことをしている奴がここまでたどり着くとは。世も末だ…』

磯波「!?///」

提督『全く度し難いな』

磯波「提督!?なんで知って、ていうかなんのつもりですか!?」

提督『いや、なんかこういうこと言わなきゃいけないような気がして』

磯波「あのねぇ……」

提督『まあ私は中佐ですけどね、大佐じゃなくて』


コンコン

磯波「あ、誰か来ました」

プツン

ガチャ

潮[ネ級]「……磯波」

磯波「なあに、潮ちゃん」

潮[ネ級]「手伝って欲しいことがある」

磯波「潮ちゃん?なんか、雰囲気が……」

潮[ネ級]「……」

磯波「……わかった。提督?」

提督『判断は任せると言ったはずですよ』

磯波「はい!」

プツン

潮[ネ級]「あいつはさらに酷い仕打ち考えているようです」

磯波「なんですって?」


潮[ネ級]「何かはわかりません、ですが今日中にでも解決する必要が出てきました」

磯波「解決、あなたもエージェントだったのね」

潮[ネ級]「……まぁ、そういう、こと、かな」

レ級(違うだろ)

磯波「それなら話は早いです。証拠を今持っています、すぐ憲兵へと送信しましょう」

潮[ネ級]「いえ、そんなこと待ってられない!行きましょう!ヤツを追い詰めるんです!」

磯波「えぇ!?でも周りを固めてから」

潮[ネ級]「早くっ!!!」

磯波「は、はい!」ビクッ

レ級(相当頭に血が上っとるな……)



執務室


バンッ!!

潮[ネ級]「……」

磯波「……」

ブラック司令「な、なんだ貴様ら」

潮[ネ級]「大鯨を解放しろ」

ブラック司令「ほう、そうか……知ってしまったようだな」

潮[ネ級]「わかったら早くしろ」

ブラック司令「そう興奮するな。だが、証拠はあるのかね、彼女の体に傷でも残っているとでも言うのか?」

磯波「証拠なら、あります」

ブラック司令「……ふっ」

潮[ネ級]「なぜこんなひどいことをする?あなたたちと艦娘は仲間では無かったのか?」

ブラック司令「妙な物言いをするな……艦娘などただの駒に過ぎん、兵器だ。どこぞの悪趣味が感情など与えたのが問題なのだ」

潮[ネ級]「だから脅迫したというのか」

ブラック司令「そうだ、兵器が命令に逆らってはならない、疲労などしてはならない、私にとっては都合の悪いものだ」


磯波「兵器だなんだって……艦娘は兵器じゃありません!」

ブラック司令「兵器だろうがっ!我々が命令を下し、貴様らが深海棲艦を殺す!そういう関係だろ我々は!」

磯波「でも……ぐぅ……」

ブラック司令「貴様のご主人様は教えてくれなかったかぁ?」

磯波「……」

ブラック司令「それを何だ、最近の提督どもは艦娘との絆だの艦娘に欲情だの、実にくだらん、異常者だ。私こそが正常なのだよ」

磯波「くだ……らない……」

ブラック司令「ああそうだ、くだらない。兵器は黙って使用者の意思に従えばいい、感情や心など余計なものは捨ててしまえ」

潮[ネ級]「……」

ブラック司令「もっとも、困ったことにそれが出来ぬから脅迫など使わねばならなかったがな」ハァ

潮[ネ級]「言いたいことはそれだけか」

ブラック司令「私を殺すつもりか?」

潮[ネ級]「……」

ブラック司令「だが少し待て、こいつに相談してからでも遅くはない」

ガタッ


伊19「……!」

潮[ネ級]「!」

磯波「イクさん!」

ブラック司令「さぁどうする?」チャキ

磯波「卑怯だ、卑怯だよ!」

ブラック司令「卑怯もらっきょうもあるか!人間に貴様らに生身で対抗できる力はない、過去に一人いたらしいがな」

潮[ネ級]「じゃあどうするの?その子を殺すか?」

ブラック司令「それは貴様が決めることだ、私を見逃すか、こいつが死ぬかだ。拳銃言えど接射すればどうなるかわかるだろう」

潮[ネ級]「殺せ、どうでもいいヤツだ」

磯波「!?ちょ、何言ってるの……?」

伊19「……!!……!」ジタバタ

ブラック司令「な、なんてやつだ全く!」

潮[ネ級]「私は、いや」



ネ級「吾輩は最高に機嫌が悪い」


.


ブラック司令「き、貴様!深海棲艦!?」

伊19「!?!?」

磯波「ネ級……?どうして……?」

ネ級「貴様の血でこの身を、甲板を染めてくれよう」スラン

ブラック司令「く、くそ!」ドンドン!

カイーン

ネ級「この程度では吾輩は傷つかん」

レ級『待てキャップ!落ち着くんだ!』

ブラック司令「なぜ、深海棲艦が!」

磯波「……」ポケー

ネ級「その首もらったぁ!」ブォン

ブラック司令「ひぃっ!」

ズバンッ

ブラック司令「だあ、つ、机が真っ二つに」


レ級『落ち着けキャプテン・マユズミ!吾輩って……我が輩とキャラかぶってるだろ!』

ネ級(……今それ言う?)ガビーン

ブラック司令「た、助けてくれぇ!」ダッ

ネ級「ぬかった!」ダッ

ガシッ

磯波「……」フルフル

ネ級「……」

磯波「あなたの事は聞きました。ここであいつを殺せば、きっと後悔すると思う」

ネ級「……そう、ですかぁ」


かくして、事件は幕を下ろしました。
憲兵隊が到着後、ここの司令は連れて行かれました。酷く怯えた様子だったそうです。
トラック泊地にはまた新しい司令官と艦隊が配属されるようです。
気がつけば、ネ級は何処かへ行ってしまいました。

それから、私たちは……。



ジープ島


ナノーナノー!デチデチ!

提督「いや、災難でしたね。しかし連中と共闘することになるとは」

磯波「……」

提督「暗いですね、どうしました?」

磯波「提督、艦娘って何なんでしょうか」

提督「と、言いますと?」

磯波「……ただの、兵器でしかないのでしょうか、感情なんて余計だったのでしょうか」

提督「……」ムニッ

磯波「ひゃうっ!?どうして胸を!?///」

提督「いえ、揉んだら大きくなるかなと思いまして。小さいのも好きですけどね」

磯波「真面目に悩んでるんです!」

提督「……感情、心が無かったら、自分の存在を疑問に思うことはなかったでしょう。おっぱいの大きさを気にすることもね」

磯波「え……」


提督「悩めるんなら、もう答えは出ているのではないでしょうか。苦悩する事こそが感情の意味の証明になる……とか?」

磯波「……?」

提督「つまり感情があるから自分の存在?について考えることができて……えーっと」

シーン…

磯波「……ぶふっ」

提督「ふふっ、あっはっはっはっはっはっ…」



なんで兵器たる艦娘に感情があるのかって?そんなことはわからないし、ひょっとすると考えるだけ無駄かもしれません。
でも心があったほうが世の中素敵だと思いませんか?私はそう思いますし、提督もそう思っているみたい。
あ!おっぱいの大きさとか気にしてませんよ!確かに潮ちゃんは大きいけど別に気にしてません!本当です!





深海棲艦南方司令部


ネ級「……」ショボーン

ソ級「まあ誰だって怒るっすよ!あんな卑怯な真似!道義から外れてる!」

レ級「それよりお前に褒美があるってさ、なあ気を持ち直せよ」

ネ級「……あの時磯波が止めてくれてよかったぁ」グスグス

レ級「んもう、困ったやつだ本当」

ソ級「お人好しも考えものっすね」


次回に続きます...

これ以上考えるとgdgdになりそうだったので強引に不時着させました
……不時着できてんのかなこれ

潮はむしろ髪の毛をクンクンしたい。ていうか髪の毛クンクンしたい、誰でもいいからクンクンさせて!

小ネタ7

さて、長ったらしくて湿っぽいうんざりするお話も終わり、
助け出された艦娘たちが遊びにやって来ました!



ワイワイキャッキャ

伊19「そーれ!そっちに飛ばすの!」ボイーン

伊8「えい!」バルーン

大鯨「それ!」バイーン


磯波「……」

提督「どうかしましたか?」

磯波「いえ、別に……」




伊401「どぼーん!」

ドボーン

伊58「やっぱり海はのんびり泳ぐのがいいね!」

伊168「そうね!」

バシャバシャ


磯波「……」

提督「目隠しされちゃ困っちまいますよ磯波」

磯波(なんで三人ともトップレスなの~~!!)



磯波「て、提督、あの……」モジモジ

提督「どうしました」

磯波「似合ってますか……水着……セパレートなんですけど……」

提督「……」

磯波(や、やっぱりビキニとかの方がよかったのかなぁ……)

提督「ええ、とっても素敵ですね」

磯波「本当ですかぁ」パァ

提督「はい、実に素晴らしい、露出しすぎないってのがすごくいい……」ジーン

磯波「……あの、提督?」

提督「水着と聞けばすぐビキニだのスク水だの言い出す連中のなんと趣のないことか、嘆かわしい限りです大体…」クドクド

磯波「提督、泳ぎに行きましょうよぅ」



磯波「イクさん、日焼け止め塗ってもらっていいですか?」

伊19「わかったの!」

磯波「ありがとうござっ!?」ビクッ

伊19「ぬふふふ~ん、いいお尻してるのね~~」スリスリ

磯波「あ、ああっ、やめっ、ひぃ」ピクピク

伊19「こっちも、ちっちゃい割には感度は良好なのね~~♪」モミモミ

磯波「はうぅ、やめてっ、あん、いやぁ」ピクンッ

大鯨「こらーーーー!!」


ジャブジャブ

磯波「気持ちいいな~、やっぱ南国はいいよね~」

ザブーン


………

……




横須賀、事務所


チュンチュン

磯波「んん……!?」

ジメェ

提督「すー……すー……」zzz

磯波(こ、この歳で、どうしよう……)

提督「むにゃむにゃ……」zzz

磯波(そうだ!)

トテテテ

コポコポ

磯波(お茶を、提督に……)

ジョバー

提督「ううん……」

磯波(よし、着替えよう!)



提督「ん……なんだか気持ちが悪い……えっ」

ジメェ

提督「えっ、ちょっ、えっ」

磯波「あー!提督ー!(棒読み)」

提督「これは!磯波!違うんです!いや、待て……」

磯波「たまにこういうことありますよ、ええ」

提督「たまに、ならいいのですが、ひょっとしたら何か病気かも……」

磯波「ええ?いや、病気じゃないんじゃないですか?多分」アセアセ

提督「おや……この臭いは」クンクン

磯波「……」

提督「これは……お茶ですね」

磯波「え、そ、そうでしょうか」

提督「磯波、お茶こぼしたんですか?あなたのところにも」クンクン

磯波(ぎゃー!おしっこの臭い嗅がれちゃったー!!)

提督「おや……なんか違う」クンクン

磯波「あわわわ……」


提督「これはお茶では……えっ、まさかっ……」

磯波「ごごご、ごめんなさい提督まさかこんなことになるなんて……」

提督「隠したい気持ちはわかりますが……まあ言うのはよしますけども」

磯波「トラック泊地で遊んだ時の夢見てて……」

提督(それでなんでおもらししちまうんでしょうね、嬉ション?)

磯波「……」ショボーン

提督「まあ、そうですね、なんか病気かもしれません」

磯波「いいえ、昨日遅くにいっぱいジュース飲んだからです……」

提督「あらー……」


ところで、助け出された潜水艦たちはイクさんと共に全員大湊に行ったそうです。

望月「はぁ……めんどくせー、書類書くのめんどくせー」

いつかモブっぽい扱いしかしてない艦娘にもスポットライトを当てたいが
やっぱ膨大な量になるよなぁ、


小ネタ8

小ネタだから何やってもいいのだ!本編ではないからな!


スク水の場合


磯波「提督、あの~」

提督「どうしました」

磯波「スクール水着なんですけど……」

提督「おや、潜水艦が一隻増えっちまいましたね」

磯波「まあ、スクール水着ですから」

提督「名前は伊1073ですかな」

伊58「あ!新しい潜水艦だ!」

伊168「こっち来て泳ぎましょう!」

磯波「あ、あの、ちょっと、あぁぁぁ……」

提督「……せっかくうまいこと言ったのに。伊・十・七・三。“十”は“そ”と読めるんですよ」

大鯨「へぇ~。あっ、だから五十六なんですね」



フリル付きの場合


磯波「提督!早く泳ぎましょうよ!」

提督「えらく大はしゃぎですね。くまさんシリーズの時みたい」

磯波「だってほら!この綺麗な海で思いっきり遊べるんですよ!あとこれフリルの下からくまさん見え隠れなんです」

提督「へー」

磯波「楽しまないと!」

提督「わかった、わかりましたよ。ですがこいつをお忘れでは?」スッ

磯波「シュノーケルですね!」

提督「それじゃあ堪能しに行くとしましょう」

磯波「はい!」



ビキニの場合


磯波「て、提督、あの……」モジモジ

提督「どうしました」

磯波「似合ってますか……水着……」モジモジ

提督「……」

磯波(やっぱり、似合わなかったかなぁ、胸も小さいし)

提督(なんと言うか、いじらしいというか……)

磯波「どう、ですか?」

提督「……んもう」

ギュッ

磯波「えっ?えぇー!?///」

提督「さっ、行きますか泳ぎに」

磯波「は、はいぃ!///」



モノキニの場合


磯波「あのぅ……///」

提督「どうし……まし……」

磯波「あの……これ……///」モジモジ

提督「なんです、そのスケベ水着は」

磯波「す、すけ……///」カァー

伊8「うわすっごい」

伊168「大胆ねぇ……」

提督「ぶったまげっちまいますよホント……」



マイクロビキニの場合


磯波「やだ、水着忘れちゃった……」

伊19「そーなの?じゃ、イクの貸してあげるの!」スッ

磯波「ありがとうござ……ひ、紐?」

伊19「ここまで来といて泳げませんでしたーじゃ嫌なのね!」

磯波「……」


提督「で、その格好ですか」

磯波「うぅぅ///」

提督「あなたって人は、たまにとんでもない痴女なのではと思う時があります」

磯波「痴女じゃないですぅ///」

提督「……そのうち慣れますから、さあ」ダキッ

磯波「ひゃぁっ」

提督「おや、なんか湿って」

磯波「言わないでくださいっ!!!///」



くまさんふんどしの場合


磯波「あれ?これ持ってきてたんだ」

伊401「あ!磯波ちゃん!」

磯波「しおいさん?」

伊401「いいね!いいと思う!さあ着替えて!」

磯波「いや、これふんどし……」

伊401「うん、知ってるけど」

磯波「えっ?」

伊401「えっ?いいから着替えて着替えて!」ガバッ

磯波「ひゃぁっ!脱がさないで!」

ドタバタ

.


提督「」

磯波「~~~~///」プルプル

伊401「どうよ!?」

大鯨「し、しおいちゃん!男の人の前じゃ上も着てって言ったでしょ!?それに磯波ちゃんまで巻き込んで!」

伊401「えー?どうだったかな~」

大鯨「提督さんからもなにか……提督?」

提督「」

大鯨「おっふ」

伊401「あれ?なんか膨らんでない?」

磯波「ててて、提督!目を覚まして!///」

提督「」

磯波「あわわわ///」

伊401「さらにおっきくなったよ!」

磯波「み、見ちゃダメですっ!」ガバッ


提督「」ヨロッ

磯波「あうっ」

ドサッ

伊401「あ、大丈夫?」

磯波「いたあ……」

伊19「あーーっ!!磯波が提督襲ってるの!!」

伊58「マジでちか!?」

伊168「ワァオ!」

磯波「ちちち違いますっ!」アワアワ

伊19「馬乗りして……スマタってやつなの!本で見たことがあるの!」

伊58「というかどーして上着てないの?」

伊168「やっぱり襲ってるんじゃない!」

磯波「あっ」

だが、俺程度の妄想パワーではこれが限界だ……おのれ深海棲艦!
季節感とか全部無視してるけどいいんじゃない?

ていうか水着って色々あるのね

頭もってくれよ!妄想拳3倍だぁ!
IDがRJじゃあ書くしかないな。龍驤全然関係ないけど



サーファーな場合


磯波「……ふふふ」ドヤァ

提督「これは、驚きましたね、サーフィンできるんですか?」

磯波「水上スポーツは艦娘の基礎技能の内ですよ」

提督「しかし似合ってますよ。すごくかっこいいですね」

磯波「そんなに褒めないでください♪」

提督「ですが……今日は波も穏やかですからサーフィンは諦めましょうか」

磯波「……」ショボーン



ダイバーな場合


ガチャガチャ

磯波「よし、行きましょう提督」

提督「えっ」

磯波「近くにトラック島空襲で沈んだ富士川丸が眠ってるんですって」

提督「へぇ、そうなんですか」

磯波「なんと映画タイタニックの撮影で富士川丸を使ったそうなんです」

提督「それはすごい」

磯波「行きましょうよぅ」

提督「まぁ、そこまで言うなら仕方ありませんね」



競泳水着な場合


磯波「て、提督、あの……」モジモジ

提督「どうしました」

磯波「似合ってますか……水着……」モジモジ

提督「いや、なかなかチャレンジャーですよねあなたって」

磯波「え?それはどういう……」

提督(ピチッとしてすんごい……)

磯波「……?」

提督「いえ、なんでも。ちょっとトイレに行ってきます」スタスタ

磯波(……なんで前かがみなんでしょうか)



スリングショットな場合


伊19「はいこれ!」

磯波「えぇ?」

伊19「これで提督もムフフ……なの!」

磯波「でもこれ、紐ですよね?」

伊19「こうやって着るの……」

ゴソゴソ




ワイノワイノ

提督「……?なんか揉め事でしょうか」



伊19「恥ずかしがらずにいくのー!」

磯波「だ、だってこれ!ほとんど裸!」

伊8「うん、すっごい」

伊19「提督をモノにしたいならこれが一番なの!」

磯波「モノにって、そんなこと思ってません!」

伊19「嘘なの!目を見ればわかるの~♪」

磯波「えぇ!?」

提督「なにか騒ぎで……も……」

伊19「あ、ちょうどいいの!」

磯波「~~~~~~~///」

提督「えっと……その……に、似合ってますよ。多分。じゃ、ちょっとトイレ行ってくるんで」スタコラー

伊19「ちぇっ、面白くない反応なの」

俺の知識量ではこれまでだ……この中に水着マイスターはいませんか!?



-人造艦娘計画-


隣鎮守府


隣提督「いや、明日この横須賀で進水式とは光栄でございます」

司令長官「ええ、ところでうちのバカ息子はどこかな?」

七光提督「おーい!ここだよパパ!」

司令長官「公では長官と呼べと言ったはずだこのバカが!」

七光提督「ひどいなー、久しぶりに会った息子に言う言葉かい?」

司令長官「なんだとぉーーー!?」

隣提督「な、仲のいいことですなぁ」


女提督「どうも、長官」

司令長官「おやおや、君は。どうかね裁縫工場は」

女提督「順調といったところです」

司令長官「それはなによりだ。うちの艦娘も気に入ってるよ、君のデザイン」

女提督「それは光栄です」

提督「こんちわ」

司令長官「おや、広川くん。トラック泊地での仕事お疲れ様でした」

提督「私ではなく磯波がよくやってくれましたよ。私は何もしておりません」

司令長官「うむ、報告書はしっかと読ませてもらったよ。磯波ちゃんによろしく」

提督「はい」

司令長官「それではみなさんまた明日に会いましょう。では見させてもらおうかぁ!!貴様の鎮守府ッ!」

七光提督「何の心配もいらないって……」




隣提督「ほっ、やっと行ったか」

提督「しかし、新造艦の進水式ですか。いつもは慎ましやかなのに」

女提督「知らないのか?今度の新造艦はどうも純人類製だということだ、妖精の手は加わっていない」

提督「ほー」

隣提督「その通り、島風をベースにして二番艦として建造されたのだ」

提督「なるほどね。警備の程は大丈夫なのでしょうか」

隣提督「警備?どうしてじゃ」

提督「いや、いかにも連中が好みそうな獲物だと思いませんか」

女提督「連中……?」

隣提督「あぁ!あいつらか!しかし、今回ばかりは大丈夫だと思うがの。警備も厳重だと思うし」

提督「だと、いいんですがね」




横須賀、とある宿舎


島風「すー……」zzz

「……」

カチャカチャ…ガチャコン

「!」

ヲ級「ふふふ……」

「誰?」

ヲ級「静かに。ちょっとだけ調整しに来ただけさ」

「調整?もう全ての工程は済んでいるはず。あなたは誰なの」

ヲ級「さあてね?動くとどうなるかな」チャキ

「!?お姉さ」

プシュッ

「あ……」ドサッ

ヲ級「フフフ……」

島風「すぴー……」zzz



翌日...


ドンドンパフパフ

磯波「すごいですねぇ」

提督「ええ。艦娘の進水式はそのまま艤装までつけても五分もかからないのに、今回ばかりは大盛況です」

女提督「世界中の会社が全力を上げて作った特注の艤装を持った艦娘だからな」

提督「へー」

磯波「あ!あなたは!」

女提督「やあやあ、磯波ちゃん。贈り物のくまさんふんどしは気に入ってくれたかな」

磯波「それは……」チラ

提督「……」

磯波(とんでもないことになっちゃったもんなぁ……///)テレテレ

女提督「……えっ、アレ。広川、お前?もしかして……広川?」

提督「よからぬ想像をしているみたいですが、違いますよ」


女提督「う、うん。だよな。磯波ちゃん?何かあったらすぐ相談しろよ。あと今度またなんか送ってあげる」

磯波「え?はぁ」

提督「だから違うっつの」

球磨「提督!こっちに売店があるクマ!」グイグイ

女提督「あ、ああ。というわけでまたな」

提督「今の話は、まあわかりますよね?」

女提督「別に喋ったりしないさ、それじゃあな」

スタスタ




女提督(……やはり、マジでアレなのか広川)ガビーン

球磨「どーしたクマ?」

女提督「いや、別に……」

とりあえずここまで



控え室


島風「調子はどう?」

「全く問題ありません」

島風「そっか!」

「これもう何回目ですかお姉さん」

島風「だって!妹だよ!」

「妹ですけど」

島風「嬉しいんだもん!姉妹ってどんな感じなのかなって!」

「はあ……」

島風「大丈夫?緊張してない?」

「大丈夫ですよ」



倉庫


隣提督「んー!んー!」ジタバタ

ソ級「別に殺しはしないっすから落ち着いて」

レ級「本当に大丈夫かね」

ヲ級「全く問題ないさ」

ネ級「でもよく侵入出来ましたねぇ」

ヲ級「なあに、このステルス迷彩を使えば簡単なもんさ」

「すごいっすねーこれ」

ネ級「ひっ!どこからともなく声が!」

カチ

ソ級「ウチっすよ」

ネ級「ほっ、おばけじゃなかった」

レ級「深海棲艦がそもそもおばけみたいなもんだろ……」

ヲ級「壊さないでよ。そろそろ、式が始まる頃だ」

レ級「よーし、行動開始だ」



控え室その2


榛名「こういう式の大役を任せてもらえるなんて。榛名、光栄です!」

霞「なんと言っても新造艦を引き連れての先導艦隊、責任重大ね」

時津風「あたしはのんびり眺めてたかったけどね」

瑞鶴「私なんか!艦載機でアクロバット飛行を……発着艦大丈夫かしら……」ガチガチ

翔鶴「緊張しすぎよ瑞鶴。妖精さんを信じなさい」

瑞鶴「心配で食事も喉を通らないわ……」ガクガク

大和「皆さん、軽食ですって」

霞「軽食?そんなの言われてないわよ?」

大和「なんでも緊張するだろうからって、差し入れのおにぎりをくださった方がいるらしいわ」

霞「そういうことなら遠慮なくいただくわ」

時津風「ちょうどお腹空いてたんだー!」

翔鶴「瑞鶴は?」

瑞鶴「いや、いい……」ブルブル

大和「じゃあいただきましょうか」

時津風「いただきまーす!」パクパク

翔鶴「うん、美味しいわ」モグモグ

ワイワイ



レ級「くっくっくっ……」



沖合


雪風「え?警備体制の変更ですか?こんな急に?」

隣提督『そうじゃ、これから送るメールの通りに動いてくれ』

雪風「はぁ、分かりましたけど」

如月「何かあったんですか?」

隣提督『ちょいと見栄えの都合がの』

霧島「なるほど、見栄えは大事ですからね」

隣提督『その通り、全世界の前でお披露目じゃからの』

雪風「わかりました!雪風頑張ります!」

隣提督『うむ、その意気じゃ。それじゃあ頑張ってくれ』

霧島「私たちにお任せ下さい」



隣提督[ネ級](うふふふ……これでバッチリ)



ドンドン

ワーワー

『長らくお待たせいたしました。これより、進水式ならびに記念式典を…』


提督「ついに始まりますね」

磯波「ですね!」

女提督「おーい」

提督「おや、随分とお楽しみのようで」

球磨「アイスうめークマぁ」ペロペロ

女提督「わ、私は球磨に付き合わされただけだ」ペロペロ

磯波「いいな、私も食べたいです」

提督「じゃ、買ってきましょう」

磯波「私も」

提督「見てていいですよ」

磯波「あ、ありがとうございます」

スタスタ


女提督「磯波ちゃん、やっぱあの男は……」

磯波「?」

女提督「いや、あの男はアレなんじゃないかやっぱり」

磯波「アレって、なんですか?」

女提督「そのー……。なんかされたりとかしてない?いやらしく触られたりとか」

磯波「……まあ、なくはないですけど」

女提督「」

磯波「あの、少将?」

女提督「い、いや、それじゃあ、……ね、寝たりとかは。いわゆる同衾したりとか」

磯波「それは毎晩」

女提督「」

磯波「……少将」

女提督「ぐ、具合が悪くなってきた……風紀というものはどこかに行ってしまったのか……」

磯波「?」


女提督「磯波ちゃん、嫌なことは嫌とはっきり言え?周りの大人は守ってくれるぞ」

磯波「えぇ?別に嫌なことなんて一つも……」

女提督「でも!あるだろ!?超えちゃいけない一線というものが!」

磯波「一線?……あ!まだそこまではいってませんっ!!///」

女提督「あ、いってない?ほっ、よかった…………いやいやいやよくなかった」

磯波「なんなんですかさっきから!プライベートな事ですよ!」

球磨「あーもういいクマ気にしなくて。恋人のいないババアが嫉妬してるだけクマ」

女提督「ば、ババ……」

提督「買ってきましたよ。バニラで良かった?」

女提督「ぐぬぬ!くらえっ!」バシッ

提督「ちょっ、なんで」


『それでは、お待たせいたしました。これより、新造艦“北風”の進水を始めます!』

~~♪


提督「お、いよいよですね」

女提督「うむ」



北風「……」

ヲ級『艤装はしっかりついてるね』

北風「ハイ」

ヲ級『よーし、それじゃあ手はず通りに頼むよ。警備は解除されているはずだから』

北風「了解シマシタ」

瑞鶴「ききききき北風ちゃんじじじ準備は」ガクガク

北風「あなたの方が心配です」

島風「北風!頑張ってね!」

北風「ええ……もちろん」

瑞鶴「ほほほ他のみんなは」ガクガク

島風「なんか、お腹痛いって」



トイレ


大和「早く!早く代わって!」ドンドン

榛名「榛名は大丈夫榛名は大丈夫榛名は大丈夫榛名は大丈夫榛名は大丈夫…」ブツブツ

翔鶴「」

「ふぐっ……くぅ……」

「ほぎゃああああああお尻がいたい!いたいよぉ!!」

大和「どうして二つしかないのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

榛名「榛名!いざ!だっ」ヌギッ

大和「待ちなさいっ!」

翔鶴「」




「あれ?皆さんは?」

島風「トイレから戻ってきません」

「あちゃー、どうしようかな。もう時間がないよ」

島風「じゃあ私が代わりに!」

「よし、それで行こう!」

北風「お姉さんと一緒で嬉しいです」

島風「うん!私も!」

瑞鶴「大丈夫!成功する!むしろ成功する!」ガクガク

島風(むしろ?)「よし!頑張ろっ!」

北風「……」

ヲ級『フフフ、ヤツラに目にもの見せてやるんだ!』





とりあえず今日はここまでっぽい!


ところでこのスレでの進水式の設定

通常の船の進水式は造船台で組み立てられた新造船舶を初めて水に触れさせる儀式ですが
艦娘の場合、先に艤装をつけた艦娘が水に降りるだけ、というすごく地味でなおかつ一瞬で終わるものであり
大々的に行うということは少なく、みんな珍しがっていたわけなのです
シャンパンをぶつけて割るという行為も睦月を最後になくなりました(泣いてしまったため)
要するにちょっとしたお披露目の式みたいなものなのですね

どっかに入れたかったけどちょっと強引になりそうだったので

なんか下の改行がぐちゃぐちゃですね、気をつけます



『それでは!“北風”の登場です!』

ワーワー



「先導艦、出発してください」

島風「瑞鶴さん行くよー!」

瑞鶴「よっし!ここまで来たらもう覚悟決めるしかないわっ!」

バシャァ

ヲ級『準備はいいな』

北風「了解デス」

「では、北風さん、進水です!」

北風「はい」

バシャァ


ザァー

瑞鶴「大丈夫大丈夫、瑞鶴は大丈夫です!」

島風(あ、大丈夫じゃないなこの人)

瑞鶴「航空隊、発艦!」シュパッ

ブゥゥゥゥン!

ワーワー!

瑞鶴「頑張れ頑張れ!」

妖精さん(着艦が怖い……)

ドンドン!

島風「おぅっ!?」ヒョイ

瑞鶴「えっ!?」サッ

ザバーン!

北風「……」

シーン…

ヲ級『よし、お前の力を妖精どもに見せてやれ!』

北風「了解シマシタ」チャキ

島風「ど、どういうこと?」

瑞鶴「な……何なの?」




ザワザワ

司令長官「なんだか様子が変ですね」

七光提督「一体何があったんだ……?無線機は……」

司令長官「どぉーーーいうことだ!?バカ息子ぉ!?」

七光提督「だから今確認を、ああ!無線が壊されている!」

司令長官「なんだと!?」



提督「磯波、事件だ!」

磯波「はい!」

女提督「な、何が起こったんだ?」

提督「あなたがたにも手伝ってもらいましょう」

球磨「いいけど、どうするクマ?」

提督「まずは敵情視察から、と言いたいところですがそんな余裕はありません。北風を抑えてください」

磯波「は、はい!」ダッ

球磨「よくわからんけどわかったクマ!」ダッ

女提督「い、いいのか?新造艦だぞ?」

提督「これだけの人数を前になりふり構ってはいられません。破壊行動に出るくらいなら多少強引な手でも」

女提督「あ、ああ……」

提督「さて、彼女に詳しい者を探しましょうか」



ドンドン!

島風「北風!なんのつもり!?」サッ

北風「ごめんなさいお姉さん」

瑞鶴「まさか、何かの暴走!?」

島風「そんな馬鹿な……」

北風「……ごめんなさい」ザッ

島風「あ!待って!」

瑞鶴「提督!提督!?くそっ、無線が通じない!」

磯波「みなさーん!」

球磨「追いかけるクマ!」

島風「う、うん!」

ザァァァァッ



提督「さて、大まかな諸元を教えていただきたい」

「う、うむ。現代兵器は通用しないから、あの時の技術で最大限強力なものを積んである」

提督「厄介ですね」

「ああ。砲、対空機銃、レーダー、魚雷、動力のすべてが一級品、まさに無敵だ!」ドヤァ

提督「えらいもん作ってくれちゃって。量産出来んでしょうに」

「ああ、採算は全く合わない」

提督「で、弱点は?」

「うーむ……一つだけ。所詮は駆逐艦だ、装甲は薄い」

提督「実質、無いようなものか。磯波!」

磯波『なんでしょう!』

提督「多分勝てんでしょうから帰ってきてください」

磯波『ええ?でも!』

提督「次の手を考えましょう」



磯波「はい、わかりました……」

球磨「なんだったクマ?」

磯波「帰投命令です」

島風「えぇ!?」

瑞鶴「ちょっと!どういうこと!」

磯波「いえ、彼女は恐ろしく強く、正攻法では……」

球磨「仕方ないかもしれないクマ」

島風「……」

瑞鶴「島風ちゃん、今は引き返そう。何もまだ沈んだわけじゃないんだから」

球磨「なんとかなるクマ」



沖合


ザァァァァ

北風「……」

霧島「な!あなたは新造艦!?」

北風「通して」

霧島「そういうわけにはいきません」

北風「……」チャキ

霧島「戦艦相手にかないますか」ジャキン

北風「連装砲!」

パミー!

霧島「やっぱり、島風と同じく自律型なのね!」ズドン

北風「っ!」サッ

霧島「な!素早い!」


パミー!

ドン!

霧島「ぐっ!」ズガァン!

北風「……」

霧島「……はぁ!?中破!?そんな馬鹿な!」中破!

北風「退いてくださいっ」バッ

霧島「あぁっ!」

ゲシッ

霧島「ぶべっ!」

北風「……」スタッ

ザァァァァ

霧島「が、顔面に蹴りを……メガネがぁ……」アワアワ



司令長官「これは由々しき事態ですな」

七光提督「……」

司令長官「このバカ息子!……と怒ってもしようがない」

提督「ところで雨森中将が見当たりませんね」

女提督「彼なら、倉庫で倒れているのが発見された」

提督「なるほど、まんまとしてやられたわけですな。警備が手薄だったのもおそらく連中の仕業です」

司令長官「それで、何か手は考えてあるんですか」

提督「急ごしらえとはいえ大包囲網、奴らはまだそう遠くへは行けないはずです」

女提督「北風が厄介だな、警戒網を強引に突破されるかもしれない」

司令長官「なんとか北風を取り戻す方法があれば……」

提督「そうですねぇ……ん?」ジー

女提督「…………なんだ、そんなに私の顔を見つめて」

提督「そうだ!あの方法ならば上手くいきそうです!」



数時間後…


提督「こいつです」

磯波「懐かしいですね」

女提督「『モテモテ電波装置改 by 明石』?なんだそりゃ」

司令長官「今モテモテになってもしょうがないじゃありませんか」

提督「いえいえ、それがそういうわけでもないのです。こいつはある条件の人を使用者にメロメロにしてしまう装置なのです」

女提督「へー、それでおびき寄せるってか」

磯波「改って事は改良されてるんですね」

提督「ええ。どうやら効果範囲も増し、人間に効かないようにも設定できるみたいですね」

磯波(条件は変わってないんだ)

女提督「んで、そいつをどうするんだ」

提督「怪しいところで起動して、しらみっつぶしに探すんです」

女提督「なるほどな……さっきから思うんだけどなんか展開が急っていうか雑すぎないか?」

提督「メタ発言はやめてほしいざんす」



島風「これを?」カチッ

磯波「あ、まだ起動しちゃ」

瑞鶴「し、島風ちゃん!」ハァハァ

島風「え?」

球磨「もう辛抱たまらんクマ!」

磯波「早く切って!」

島風「う、うん」カチッ

瑞鶴「は!今何を……」

球磨「なんだったんだクマ……」

磯波(球磨さんはくまなのにくまさんパンツじゃないんですね)



時間はちょっと戻って深海棲艦前線拠点


レ級「ここまでは、上手くいった」

ヲ級「それじゃあ、脱ぎ脱ぎしましょうね~」

北風「ぅゎ」

ソ級「うわっ」

ネ級「うわぁ……」

レ級「うわー」

ヲ級「い、イングリッシュジョークです」

北風「私をどうするつもりですか」

レ級「まあ、艤装さえもらえれば無事に帰してやるよ」

ヲ級「洗脳装置も外したし」

北風「わかりました……」ガチャン

ゴトッ

ネ級「ほえー、これすごいですねぇ」

ソ級「早いとこ持って帰って解析したいものっすね」

北風「……」


…で、今

レ級「……」

ネ級「すーすー」zzz

ソ級「ふわ~あ」

ヲ級「いつになったら警戒解除されるのさ」

レ級「うーん、明日まで待つことになるかもしれないな」



島風「……あからさまに怪しい基地がある!」カチッ



北風「!」

レ級「どうした?」

北風「いえ、ちょっと潮風に」

ヲ級「艤装外したし……いっか。いってらっしゃい」



北風「……」ヒョコッ

島風「やった!いた!」

北風「めっちゃ可愛い島風お姉さん……」

島風(めっちゃ可愛い?)「北風!無事だったんだね!」

北風「ええ、でも艤装は剥ぎ取られてしまいました。もう姉妹艦じゃなくなりました、これでは姉妹レズプレイは……」

島風(姉妹……何?)「ううん、いいんだよ。あなたが戻ってきてくれただけで」

北風「でも……」

島風「私は、二番艦が好きなんじゃなくって、あなたが好きなんだよ」

北風「」ブシュゥゥゥゥ

島風「うわ!鼻血!?」

磯波「無事……ではないけど見つかったみたいですね!」

島風「突然鼻血吹き出して倒れちゃって……」


磯波「装置切った?」

島風「あ、まだ」カチッ

北風「う、うーん……」

島風「北風!」

北風「し、島風お姉さん……」

島風「よかった!無事だったんだね!」

北風「ええ、でも艤装が……」

島風「もうその下りはやったよ!さあ帰ろう!」

北風「ちょっと待ってください」ピッ


ドォーーーン!!


「「「「なああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」」」」

キラーン☆


北風「機密保持のための爆破装置が仕掛けられていたんです」

磯波「なるほどね」

北風「ですが、もう島風お姉さんとは……」

島風「艤装なんてまた作ればいいんだよ!なんなら私のをもう一つ作ってもらう!」

北風「お姉さん……」

島風「だから!ずぅっと私と一緒にいてね!」

北風「……はい!」ニコッ


なんとか解決して、最悪の事態は免れました。
それでも進水式は台無しになってしまいましたが、人造艦娘計画は続行され、
今度はもっと現実的なものを目指すそうです。
島風と北風の二人は、一緒に出撃するその日のために今も仲良く訓練に励んでいるとか。


次回に続きます...

書き忘れていた、オリキャラ注意!
さっと書き上げないとこうやって失速してしまうのだ……
まあいいや小ネタ書こっと!(現実逃避)





明石「深海棲艦にあの装置は効きません。だってイ級にモテモテとか気持ち悪いじゃないですか」

望月「い、言うねぇ」

あ、未成艦ネタもいいかも不知火



小ネタ9


提督「ところで、進水式と言えばあなたの進水式はどうでした?」

磯波「私は……」

提督「?」

磯波「あの頃は戦況があまり著しくなかったので、式自体が行われませんでした……」シュン

提督「いや失敬、つまらないことを聞いてしまいましたね」

磯波「いいんです。しょうがないことですから」

提督「……そうだ、進水式がダメなら今度の進水日に盛大に祝っちまいましょうか」

磯波「えぇっ!?」キラキラ

提督「あなたの進水は……わっ、11月24日ですか。遠いなぁ」

磯波「覚えてますからね!ずっと!」キャッキャッ

提督「それより、そこまでこのスレが続くかどうかの方が心配です」

磯波「……」ショボーン

提督「……んじゃ、先にやっときますか」



時は下って、11月24日


提督「進水日おめでとう磯波」

磯波「ありがとうございます!」

提督「さて、お食事です。腕によりをかけた自慢の品々ですよ」

磯波「提督、お料理作れたんですね」

提督「そりゃもちろん」(まっ、約束した日から練習してたんだけどね)

磯波「美味しそうです!ありがとうございます!」ウルッ

提督「何も目に涙を溜めることはないじゃないですか」

磯波「だって……嬉しくて……」グスッ

提督「辛気臭いのは嫌ですよ、さあいただきましょうか」

磯波「はい!いただきます!」




提督「てな具合で一つ」

磯波「……」

提督「なんか不満そうね」


なんとなく腑に落ちない磯波であった。



小ネタ10


ちょっと日時を遡って、大湊


明石「よし!出来た!モテモテ電波装置改!」

扶桑「……またロクでもないもの作ったのね」

明石「いやいや!技術の探求ってやつですよ」

扶桑「それで、何が変わったのかしら」

明石「なんと!深海棲艦にも効くようになったのです!」

扶桑「素直にすごいと思うわ」

明石「そこで実験体を用意しました」

イ級「にゅーにゅー!」ジタバタ

扶桑「可哀想に……」

明石「スイッチオン!」カチッ

イ級「!!!」


扶桑「目つきが変わったわ」

明石「あ、扶桑さん今日もくまさんなんですね」

扶桑「……」

イ級「にゅー!!」ガバッ

明石「ど、どわー!」ドサッ

扶桑「あっ」

明石「なんかヌメヌメするー!あ、違うこれは私のセリフじゃ、なんて言ってる場合か!助けてー!」

イ級「にゅーにゅー///」スリスリ

明石「あ!なんか押し付けてきたっ!ていうか魚臭っ!」ジタバタ

扶桑「そういえばそろそろお夕食ね……」スタスタ

明石「待ってください!ちょっと!あっ、ダメ!服はダメだって!ダメだよー!」

イ級「にゅ~~///」プシャァ

明石「にゃああ!何今の!臭い!汚い!あっ、だめっ舐めないでっ!あんっ、いやぁぁぁぁぁ…」


かくして、この装置の深海棲艦への効果は無くなった。
あとこのイ級は大湊のマスコットとして可愛がられているらしい。



小ネタ11


磯波(今日はエイプリルフールだ、なんて言ってやろう。うふふ……)

提督「どうしました、機嫌が良さそうですね」

磯波「提督!」

提督「なんですか」

磯波「私提督のこと全然好きじゃないです!大ッ嫌いです!かっこいいとかも全然思ってません!」

提督「」

磯波「それに毎晩一緒に寝るのも嫌だったし、臭いもすごい嫌です!」

提督「」

磯波「というわけで、だいだいだい大ッ嫌いなんです!はい!」

提督「」

磯波「……なーんちゃって、あれ?」

提督「」

磯波「て、提督?エイプリルフールですから……嘘ですよ。うっそぴょ~ん!なんちゃって!」

提督「」

磯波「……あ、あの」アセアセ

提督「あなたは、そんなことを……私はなんてことを……」

磯波「ててて提督!?嘘ですよ!提督!」


提督「最初っから言ってくれれば、私は悲しくて生きるかいを失いました。お先にあの世へ旅立たせていただきます」スラン

磯波「えぇーっ!?」

提督「さようなら、磯波。今までありがとうございました……」

ザクッ

磯波「て……提督……提督!」

提督「うぐぅ……がぁ……はぁ……はぁ……」

磯波「ごめんなさいっ……!」ポロポロ

提督「うぐわあああ……ぐぅ……」

磯波「提督!刀を!離して!」ポロポロ

提督「うぐぐぉお……がぁ……」

磯波「提督!てい……」

提督「ぐっはぁ……ぐぅ……ぬぉぉ……」

磯波「……」

提督「ぐぎぎ……くそぉ……がはぁ……ぐおぉ……」

磯波「提督?」

提督「おや、バレっちまいましたか」

磯波「よく見ると血も全然出ていませんし」

提督「でも磯波、心臓が竦み上がるような嘘はちょっとどうかと思いますよ」

磯波「ごめんなさい……」

提督「さて、次は誰に嘘をつきに行きましょうか」


磯波はその夜、自分がついた嘘を思い出し、めっちゃ恥ずかしくなった。



小ネタ12


七光提督「……」ショボーン

如月「いつになく落ち込んでるわねぇ」

瑞鶴「元気出して。あなたのせいじゃないんだから」

七光提督「でも……結局進水式は失敗しちゃったじゃないか」

大和「妨害があったんですから。これを糧に頑張りましょうよ」

七光提督「うん……」ズーン

如月「あらら、これはしばらく落ち込むパターンねぇ」

瑞鶴「そっとしておきましょう……」



隣提督「いや、老体に縄は堪えたわい」

雪風「大丈夫ですか?」

隣提督「わしよりも榛名たちが心配じゃな」


霧島「駆逐艦に負けるなんて……」シューン

榛名「……」ショボーン

霞「ご、ごめんなさい、榛名」

時津風「すぐに済ませればよかったんだけど……」

榛名「いえ、わかってます……」

霞「……次こそ!次こそよ!次こそ完璧に勝利してやりましょう!」

時津風「うん!だから榛名さんも!落ち込んでなんかいられませんよ!」

榛名「……でも、それとこれとは関係ないじゃないですか」

霞「これだもん」


お隣さんたちは暗いムードであった……。

あきつ丸「自分らの出番が最近少ない気がするでありますっ!!」


最近お隣さんたちがあんまり活躍できなくて自分でショックを受けている
なんか考えときます



私たちは呉に向かっています。
なんでも、本土の提督が集まって情報交換するお食事会なんだそうです。


呉行きの列車


ガタンゴトン

磯波「つまるところパーティーですよね!?素敵です!」キラキラ

赤城「ええ、美味しい料理がたくさん食べられるんでしょうね」ジュルリ

瑞鶴「赤城さんよだれよだれ!」

赤城「おっと、すみません」フキフキ

望月「ウチのは何度説明しても行きたがらなくてさ、引っ張り出すのに苦労したよ」

球磨「こっちは誰がついて行くかで大モメクマ。結局秘書艦の球磨が行くことになったクマ」

榛名「榛名たちの鎮守府では、私が行けとみんなが……荷が重いです」

望月「まあ、そんな気負うほどのものでもないよ」

瑞鶴「うちはもうその時の秘書艦が行くって決めてたから。まあいざこざはあったけどさ」

ワイワイ



女提督「はぁ、艦娘どもは気楽でいいな」

喪女提督(ぐぅ~~帰りたいぃ~~……)

隣提督「そうかの?ワシは好きじゃがな、あの宴会」

提督「実は私は初めてなんですよ、どんな雰囲気なんですか?」

隣提督「そうじゃの、まず挨拶があって、それから騒ぐ。以上じゃ」

提督「へー」

七光提督「パパの悪い癖だ、あの人は何かと騒ぎたがる人だから」

提督「飲んで食って終わり、ですか?」

隣提督「まあそうじゃな、だがその前に重要な会議がある。まあ進水式の事じゃろうな」

提督「ふうむ」

七光提督「ところで、見かけない人がいるようですが」

「……」(^ω^)b

七光提督「なんですかこの人」


「……」(´・ω・`)

提督「……ふうむ、見たところ提督ではあるようですが」

「……」(。・ ω<)ゞ

七光提督「なんかムカつく……」

「……」Σ(゚д゚lll)

赤城「この人は私の提督です、単冠湾の」

提督「ああ、いつぞやのケーキの」

無口提督「……」( `・∀・´)ノ

女提督「こういうのはストレスを感じるな」

無口提督「……」(´;ω;`)

隣提督「まあまあ!人には色んな過去があるのじゃから詮索はよそうじゃないか!な!」

無口提督「……」(>_<)

女提督「……」

提督「……」

七光提督「……」

無口提督「……」(~ω~;)))

喪女提督(なんで!?いい人じゃん、いきなり話しかけてこないし!)

ガタンゴトン



呉鎮守府


ザワザワ

磯波「おー!」

球磨「すげークマ」

赤城「美味しそうなニオイです!」ジュルリ

喪女提督「ぅぅ……」ガチガチ

望月「大丈夫、離れないから」

提督「やっぱり、進水式の事でしたね」

七光提督「……」ショボーン

隣提督「ま、まあまあ、とりあえず今は飲もうじゃないか!」

女提督「しょぼくれてちゃ酒がまずくなる」

無口提督「……」ドン( ゚д゚)マイ

七光提督「……なんかこいつの顔見たら腹が立ってきた」

無口提督「……」Σ(゚Д゚)

女提督「本当にな」

提督「さて、早速いただきましょうか。あちらの席にしましょう」






「……」



赤城「提督、提督?提督!食べてもいいですか!?」ダラダラ

無口提督「……」( ゚ー゚)( 。_。)

赤城「いただきますっ!」ムシャムシャ

隣提督「ささ、彼女の食いっぷりを見て元気出したまえよ」

七光提督「う、うん……」

球磨「クマぁ……」

磯波「すごい……」

赤城「もぐもぐむしゃむしゃがつがつ……はっ!み、見ないでください///」カァー

提督「この間も言ったけど、女性ならもちっとしっかりしたほうがいいと思いますよ」

女提督「そういう女だから云々っていうのは好きじゃないな。だろ?」

喪女提督「えっ?う、うん」ビクッ


瑞鶴「女っていうよりかは艦娘だし」

球磨「女だからって甘く見てもらっちゃ困るクマ」

隣提督「それはワシら提督が一番よく知っておるわい……」

七光提督「うん……」

女提督「そう言えば、そう、そうだな……」

提督「お後がよろしいようで。ところで、ちょいと失礼」スクッ

磯波「あれ?どうしたんですか?」

提督「ちょいとね。そんじゃ」スタスタ

隣提督「じゃあワシらだけで先にいただくとするかの!乾杯じゃ!」

カンパーイ!




提督「先程からどうもつけ狙っていらっしゃるようですが、何かご用でしょうか、浜風さん」

浜風「あ、いや……」

提督「一行の誰にご用事ですか?それとも私に?」

浜風「……」

「よくやったよ浜風!」

提督「おや……」

「私が呼んだのさ、あんたをね」

提督(悪寒がする……)ゾクゾク

デブス提督「私は峯少将よ、よろしくハンサムさん」

提督「え、あ、はい。そんじゃちょいと待たせとるんでここらでお暇ざんす。ではでは~」ヘラヘラ

デブス提督「待ちなよハンサムさん。浜風」

浜風「は、はい……」ガシッ

提督「おぉっと!?何するざんすか!?」


デブス提督「うふふ、可愛い坊やだこと」

提督「いやいやと~んでもない。もっとイケてる坊や知ってますよ、神谷っつんだけど」

デブス提督「あの子も好みだけど、坊やの方が好きよ」

提督「いやいやご好意は大変ありがたいのですが、そのー私には妻がいましてですね」

デブス提督「あら、火遊びもしてみたくなあい?」

提督「私は妻一筋なものですから」

デブス提督「いいじゃない、一夜限りなんだから。うふ。浜風」

浜風「は、はいっ」グイッ

カチャン

提督「手錠!?ちょっと!困ります!私ってば大した愛妻家なんですよ!ねえ!」ズリズリ

デブス提督「浜風?」

浜風「……」チャキ

提督「そういうの突きつけられちゃ困っちまうんだよなぁったく……」トホホ


とりあえずここまで



デブス提督宅


浜風「……」

デブス提督「うふふ……捕まえてきたわよ」

ブラック司令「ああ、ご苦労」

デブス提督「広川一郎中佐、横須賀第四艦隊司令ね。愛妻家なんて言ってたけど独身なのね」

ブラック司令「荷物はこれだけか」カチャカチャ

デブス提督「あら?鍵を?」

ブラック司令「複製しておいて損はない」

デブス提督「それじゃあいいの?好きにしても」

ブラック司令「もちろん。私の用は済んだ」

デブス提督「……終わったらあなたとも」

ブラック司令「いや、これから用事があるのでな。また会おう」スタスタ

デブス提督「もう、つれないんだから」

ブラック司令(ふっ、この間の仕返しだ広川一郎。少しみみっちいがこれが貴様に一番よく効くのはわかっているぞ)

ガチャ、バタン

デブス提督「さてと、始めなさい浜風」

浜風「……」

デブス提督「浜風?また“お仕置き”が必要かい?」

浜風「は、はい、いってまいります……」ビクビク

デブス提督「さて、今度の坊やはどれぐらい耐えてくれるかしら……」ニヤッ




磯波「提督ぅ~……どこぉ~……」

隣提督「全く、あいつ磯波ちゃんを放り出してどこほっつき歩いておる!けしからんやつじゃ!」

女提督「見つけたらただじゃおかねーぞあのガキ!」ヒック

球磨「このまま見つかんなかったらどうしよークマぁ……」オロオロ

磯波「ええっ、見つから、ないの……?」ジワ

榛名「だ、大丈夫ですよ!きっと見つかります!」

瑞鶴「そうらろ~~気をおとさないれさぁ~~もっとのみましょうよぉ~~~~」フラフラ

赤城「しかし、どこへ行ってしまったのでしょうか」

無口提督「……」(((o(*゚∀゚*)o)))

七光提督「オロロロロロロ...」ビチャビチャ

望月「吸って、吐いてー」ナデナデ

喪女提督「はぁ……はぁ……うぅ……」ヨロヨロ

隣提督「こりゃ、こいつらをどうにかする方が先じゃわい」

赤城「それじゃあ先にホテルまで行きましょう。いいですね、磯波さん」

磯波「うん……」



デブス提督宅、とある一室


提督(参ったな……どうにかしてここから抜け出さなくては)キョロキョロ

コンコン

提督(おや)

ギィ

浜風「……」

提督「珍客来たるかな。パンツ一枚でお出迎えして申し訳ありません、浜風さん」

浜風「……お酒、何飲みます」

提督「ウォッカマティーニを、ステアでなくシェイクで」

浜風「ふざけないでください」

提督「別にふざけてはいませんよ。お前こそ、ふざけるなよ」

浜風「!」

提督「私を嵌めて一体どうしようっていうんですか」

浜風「そ、それは……」

提督「君はどうにもあの女に頭が上がらないようだ。脅迫でもされているんですか」


浜風「き、脅迫だなんて……」

提督「それとも」ガバッ

浜風「!?いやっ!」

提督「……この背中の火傷の痕と何か関係があるのかな?」

浜風「……」

提督「どうも君は自信が無い、というか覇気、元気が無いと思いましてね」

浜風「……ごめんなさい」

提督「別に謝ることは」

浜風「……」チャキ

提督「おっと」

デブス提督「おイタしちゃダメよ、一郎ちゃん」

提督「また出たよ……」

デブス提督「さっ、浜風?そいつの準備をしてあげなさい」

提督「準備?」


浜風「はい……」ハラリ

提督「おぉっと……これは……」

浜風「……」

デブス提督「私の裸を見てもなんの反応もしやしないんだから、いつもこうやってんのよ」フンッ

提督「そりゃそうだ……いや、これは……磯波よりデカイ……ってそりゃ見りゃわかるっつの」

デブス提督「今まで浜風の裸に耐えられた男はいないわ」

提督「では、私が初めて耐え切った男になりますかね」

浜風「……」

デブス提督「……ちょっと浜風!どうなってんの!ひょっとしてあんたホモ!?」

提督「さあね、でも美人な女性が覗いてくれればまたちょっと違うかも。例えば、あなたみたいな」

デブス提督「あらそう?じゃ遠慮なく」スタスタ

提督「……」

デブス提督「可愛い坊やちゃ~ん」グイッ

提督「ふん!」


ボギャァ

デブス提督「ぐえっ!!」バタッ

提督「簡単に引っかかってやんの。さて、浜風さん。風邪ひきますよ」

浜風「あ、はあ……」ゴソゴソ

提督「言ったでしょう、大した愛妻家だって。ところで私の服は?」

浜風「彼女の私室です。でも……」

提督「でも?まさか使用済みだっつんじゃないでしょうね」

浜風「……」コクコク

提督「荷物だけ持って帰ります」ゾクゾク

タッタッタッ…

デブス提督「ぐぎぎ、畜生!警備員ども!」



ホテル


隣提督「なんじゃ、あの豪邸が騒がしいのう」

磯波「ヒック、もういいよぉ、提督のバカぁ……」グビグビ

榛名「磯波ちゃん、そんな、あきらめないで」

瑞鶴「ひょっとしたら、あのごーてーに入り込んでんじゃないのぉ~?」ヒック

球磨「それってドロボーさんクマ?困るクマぁどうしよークマぁ……」オロオロ

無口提督「……」( ?ω?)スヤァ

七光提督「スースー」zzz

喪女提督「キュー」zzz

赤城「しかし気がかりですね」

望月「行ってみようか、それなら。なあ磯波」

磯波「そうだ!こんな夜中にうるさいんだよ!」

女提督「そうだそうだ!文句言いに行ってやれ!」グビグビ

隣提督「まあ、みんな迷惑にならんようにな」

ハァーイ

とりあえず今日はここまで



デブス提督私室


提督「あった、ありました。しかしパンツじゃしまうところがありません」

浜風「私が持ちます」

提督「……ところで、もう一度服を脱いでみてくれませんか」

浜風「えっ!?い、いや……その……」

提督「背中です」

浜風「あっはい」ヌギッ

提督「……よかった、こりゃ修復剤で治りますよ」

浜風「ほ、本当ですか……?」

提督「ええ。大した火傷ではなかったようです」


浜風「……あの女はいつもこういう手で男の人を襲っていたんです。もう何人も海軍をやめて……」

提督「童貞の敵だなこりゃ。それで、あなたを痛めつけ言う事を聞かせていたというわけですね」

浜風「はい……」

提督「あなた自身には、この火傷以外に何か」

浜風「いえ、これだけです。あくまで自分で犯すのが好きらしくて。反抗しようと思ったんですが、足がすくんで……」

提督「恐怖心を植えつけられたわけだ」

浜風「……広川中佐、お願いです。助けてください!」

提督「ええもちろん。よくある場合と男女が逆なのでギャグっぽく見えますが、実におぞましい事件ですよ」

浜風「それから、気になることがあって。今回だけもうひとり協力者がいたんです」

提督「協力者ですって?」

浜風「はい、何かあなたに恨みでもあるみたいで……鍵を複製していきました」

提督「恨みか……私ってば根っからの善人だから恨みを買うようなことはしてないはずですがね」

浜風「……」

提督「冗談です。きっとトラック泊地から送還された男。西村中将、その人でしょう」

浜風「西村……」

提督「さて、そうと決まればゴソゴソしましょうか。何か役に立つものがあれば」ゴソゴソ

浜風「あ、はい」ゴソゴソ



デブス提督宅、正門


磯波「おい!開けろ!」ガチャガチャ

「なんだね君たち!今ちょっと侵入者がいて忙しいんだ」

赤城「侵入者ですか?」

「君たちは艦娘かね。見かけたら捕まえておいてくれないか。この男なんだが」ペラッ

望月「こいつは……」

赤城「中佐……」

磯波「提督!!」ガシャーン

「こ、こら!君!待ちなさい!」

磯波「提督ーーー!!」タッタッタッ…

「こ、困ったなぁ……」

赤城「私たちも行きましょう」

望月「うん」

タッタッタッ…

「ああ!ちょっと!」



デブス提督「ひょっとすると……ここかしらぁ?」

バンッ

提督「おっ、やっと来ましたか」

浜風「……!」ビクッ

デブス提督「随分と私の私物を漁ってくれたようだね。好きなの?私のこと」

提督「いやいやいやいやいやいや」ゾクゾク

デブス提督「んもう、しょうがない子ね……ふざけるのもいい加減におし!浜風!!」

浜風「ひっ!」ビクッ

デブス提督「そいつを捕まえなさい!」

浜風「は、ははい!」ガシッ

提督「おっと」

デブス提督「さて……今度は騙されないわ……」スタスタ

提督「いや、困るなぁ、私には不釣合いな美人なんだもん」ジリジリ

デブス提督「そんな美人と一晩明かせるんだから……ねぇ?」


提督「ははは、これはこれは滅多とない幸運だ」ゾクゾク

デブス提督「声が上ずってるわよ、緊張してるの?」

提督「何せこういった経験は初めてなものでね」チラッ

デブス提督「うふふ、ウブな子は好きよ?ねぇ、焦らさないで……」

浜風「うわあああああああああ!!!」ブン

ガォーン

デブス提督「」ドサッ

浜風「はぁ……はぁ……」

提督「ナイスバッティング」グッ

浜風「それじゃあ、出ましょう!」



磯波「おら!居場所吐けっ!」ゴッ

「こっちか聞きたうごぉっ!」

望月「やめたげてよぉ!」

赤城「大体こういうのは一番奥にいますよね」

イタゾー!

キャーヘンタイヨー!

赤城「あそこ!」

望月「……なんで裸なんだ」

提督「おーい、みなさーん!」

磯波「提督ーっ!」タッ

ガバッ

提督「磯波!」

磯波「提督ー!」ギュー

望月「裸じゃなきゃ感動的なんだがな」

赤城「ところで、あなたは?」

浜風「ど、どうも」

磯波「!?提督……?」

提督「ああ、彼女は浜風でして…」



磯波「浮気……なんですか……?」


提督「えっ」

浜風「えっ」

赤城「浮気だなんてサイテーですっ!」

望月「見損なったぜオイ!」

磯波「そんな……もう私のことなんて愛してないのね……」

提督「違うっつの、話を聞いてください」

磯波「だって、私より綺麗だしおっぱい大きいし……」

提督「おっぱいは大きいですが、磯波の方が」

磯波「嘘だったんですか!?小さい方が好きっていうのは!?」

提督「最初っから説明させていただきたいのですが、あのねぇ…」

磯波「私とは最初っから遊びだったんですか!?」

ギャーギャー

赤城「……なんだか今日だけでイメージがまるっきり変わりました」

望月「まあ、ロリコンには違いないよな。浜風ちゃん、何があったんだ?」

浜風「えーっと、それは…」

カクカクシカジカ


望月「なるほどな」

赤城「浮気ではなかったんですね……よかった」

浜風「あの人と浮気だなんて無理ですよ、反応もしなかったし」

望月「ふ、ふーん」

赤城「一途、なんでしょうか……」

「あんたたち!」

「!?」

デブス提督「よくも、やってくれたわね浜風……!」

浜風「!」

赤城「下がっていてください、浜風さん」

望月「噂通りのキモデブだな」

デブス提督「なんですって……?もう一度言ってみなさい!」

浜風「な、何度でも言ってやります!ブス!デブ!ド不細工!ぶよぶよゴリラの百貫デブ!」

デブス提督「ななな、なんですってぇーーっ!?」


浜風「さあ!逃げましょう!」

赤城「に、逃げるんですか!?」

浜風「ここで戦ってもどうしようもないですよ!」

タッタッタッ…

磯波「じゃあ!愛を証明してみてくださいよ!」

提督「どうすればいいって言うんですか!」

磯波「それはもちろん」

赤城「痴話喧嘩は程々にして行きますよっ!」グイッ

望月「置いていくところだった……」

デブス提督「畜生!覚えてなさいよーーーーっ!!」

望月「月並みなセリフだな」


それからの逃避行はまあ言うまでもないでしょう。
戻ったあとは彼女の悪行を告発し、彼女は無事拘束されました。
しかし、ブラック司令のようにすぐに出てくると思います。
何やら大きな陰謀の臭いがします……!

あと浜風さんは一時的に事務所で引き取ることになりました。
所属が決まるまでの一時的に!です!一日か二日!他はもう母港がいっぱいなんだとか。


次回に続きます...

エロが少ないだぁ!?エロ書いたらレスくれるんですね!?(切実)
書いてみてもいいけど、あんまりそういうの書いた事がないのでどんな出来になるか
まあ普通のやつも偉そうなこと言える出来ではないけど



小ネタ13


横須賀、事務所


カチャカチャ

ブラック司令「……ん?」

ギィ

ブラック司令「既に開いている……」

スタスタ

ブラック司令「!?」

あきつ丸「ウヒョォォォォォ!いい匂いでありますゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!」クンカクンカ

レ級「どっかに重要書類みたいなのがあるはずだ!」

ネ級「どこかなぁ~……」

ソ級「そんな大切なもの、置いていくとは思えないっすけどね」

ヲ級「うーん……」

ワイノワイノ

ブラック司令「……えっ、なんなの」



小ネタ14


ホテル


七光提督「スースー」zzz

瑞鶴「ぐご~~……」zzz

女提督「がぁ~~」zzz

喪女提督「キュー……キュー……」zzz

球磨「やっとみんな寝たクマ」

榛名「ですねぇ」

隣提督「ふわぁ~あ、さてワシも疲れたし、寝るとするかの」

榛名「おやすみなさい、提督」

球磨「それじゃあ、球磨も」

榛名「あ、よろしければ、ですけど」

球磨「くま?」

榛名「二人で飲み直しませんか?」

球磨「それはいい考えクマ」



トプトプ

榛名「乾杯」

球磨「乾杯クマ」

カチン

榛名「……最近、そちらはどうですか?」チビチビ

球磨「まずまず、クマ。最近の深海棲艦の動きは、そりゃもう戦争に飽きたのかって感じクマ」

榛名「はい、榛名もそう思います。私たちも、戦いは飽き飽きです」

球磨「こうやって、二人でゆっくりお酒飲んでる方が楽しいクマ」

榛名「ええ。ひょっとすると深海棲艦も同じ事を思っているかもしれません」

球磨「もしかしたら和解できる、と考えてるクマ?」ゴクッ

榛名「ええ。でも夢物語ですよね」

球磨「艦娘と深海棲艦は表裏逆、一対の存在クマ。でも向こうも同じこと考えてるなら、あるいは」

榛名「……結構酔いが回ってるかもしれません、そんなことあるはずないのに」グイッ

球磨「理想は大事クマ。理想を持つことは……大事クマ」

榛名「はい……」


ところでドアの外


赤城(い、いつになく真面目な雰囲気で入りづらいですよ!)ヒソヒソ

望月(もうちょっとだけ待つか)ゴニョゴニョ

提督「そりゃ一番は磯波ですよ!」

磯波「嘘っ!そんなの口ではなんとでも言えます!」

浜風「だからですね、説明した通りでなんにもないんですってば!」

赤城「まだやってるし」



小ネタ15

※エロっぽい!嫌な人は読み飛ばしてっぽい!


磯波「提督、浜風ちゃんから聞きました。……勃たなかったそうですね」

提督「ええ、不能なわけではないんですよ。これもあなたへの愛が成せる技」

磯波「提督……」キュン

提督「さぁ、浜風さんなら外の犬小屋で寝ています。私たちも」

磯波「そんな一途な提督にご褒美がありますっ!」

提督「ご褒美?あなたとひとつ屋根の下で暮らしているだけで天国なのに、これ以上何があるというのですか?」

磯波「提督……♥」ギュゥ

提督「い、磯波……」ムクムク

磯波「提督っ!」ガバッ

提督「おぉっ」ドサッ

磯波「ふふふ、提督?どーして私が触っただけでおっきくなっちゃったんですか?」


提督「それは、そのぅ」

磯波「ご褒美って、えっちなことだと思っちゃったんですね……♥」

提督「ああ、言わないでください……///」

磯波「可愛い♥んむっ」

磯波(あはっ、思い切ってキスしちゃったっ、なんだかんだ言って初めてです)

提督「んっ」

磯波「んちゅ、ちゅる...」

磯波(あっ、提督、おっぱいちっちゃいのにぃ、揉んじゃやだぁ)

提督「んっ、ふぅ...」

磯波「あっ、ていとくぅ♥」

提督「磯波が悪いんですよ、こんないやったらしい体して」ムニムニ

磯波「……直接、触りたいですか?」

提督「できることなら」

磯波「えっち♥」

提督「そう?」クルッ

磯波「きゃっ」


磯波(提督がくるりと体勢を変えて上下が入れ替わってしまいました、提督の手は私の寝巻きのボタンを外しています)

提督「はむっ」

磯波「あん、吸っちゃだめぇ、んっ」

磯波(提督の舌が胸の先端を撫で回して、むずがゆいような、変な声が出てしまいます)

提督「んむっ、ちゅぅ」

磯波「ひゃぁっ、あんっ」

磯波(なんだか、提督赤ちゃんみたいです)

提督「はぁっ、はぁっ……」

磯波「ていとく、下も、いいんですよ?ご褒美なんですから」

提督「下もして欲しい、じゃなくて?」

磯波(読まれちゃいました、私の大事な所はもうすっかり濡れちゃってます)

磯波「触ってくださいっ」

提督「じゃ、遠慮なく」

磯波(提督の指が優しく私のを撫で回して、初めての感覚です)

提督「……」


磯波「あぅぅ……ふぅ……」

磯波(顔も体もどんどん熱くなって来ました、全身が燃えるようです)

提督「ここは?」ツマミ

磯波「ひゃいっ!?」

磯波(突然電撃が走ったみたいな刺激がきますっ)

提督「ちょっとつまんだだけですよ」クリッ

磯波「あひっ、いひっ」ビクン

提督「ここ、好きですか?」

磯波「すきっ、すきですっ、あはっ」ピクピク

磯波(提督はいじわるです、こんなことされてイヤって言えるわけありません)

提督「じゃ、お預けだ」

磯波「えぇっ……まだ……」

提督「なんですって?」

磯波(でも、その手は食いませんよっ)

磯波「むー、もういいですっ」プイッ

提督「そんな可愛い顔しちゃ、悪い人に襲われますよ」

磯波「えぇ?きゃっ」


磯波(提督が覆いかぶさって来ました、なんだか熱いものが私のに触れています)

提督「あなたばかり気持ちよくなって、悪い子だ」

磯波「あのっ、あのぉ、提督、お願いがあります」

提督「なんですか?」

磯波「初めて、なので優しくお願いします……」

提督「……もちろんです」

磯波(そういうと提督のがメリメリとねじ込まれてきます)

磯波「いぎぎ、いた、くない……?」

提督「……」

磯波(自分の指でしている時なんかより、ずっと気持ちくて幸せです、でもなんかヘン。初めてって痛いんじゃ……?)

磯波「ああああぁぁぁぁ......」

提督「声が漏れてますよ」

磯波「!」ハッ

磯波(提督のが入ってきました、中で擦れてどんどん何かがこみ上げてきます)

提督「それじゃ、奥まで行きますから、ねっ」

磯波「あ゛うっ」

磯波(提督は一気に突いて、それで私は何かがはじけそうです)


提督「そいじゃ、動きますよ」

磯波「うんっ、うんっ」

磯波(提督が腰を揺らすたび、恥ずかしい声が漏れてしまいます。提督は今まで見たことのないような表情です)

提督「はぁっ、はぁっ......」

磯波「ていとくっ♥すきっ♥すきですっ♥」

磯波(もう頭の中も提督でいっぱいですっ)

提督「磯波、一番奥に、出しますがっ」

磯波「全部っ♥全部注いでくださいっ♥」

提督「はぁっ、はぁっ、うぐっ」

磯波「はひ……っ!は、あ……っ!」

磯波(提督のが中でビクビク震えています、それと同時に込み上げたものがはじけてしまいました)

提督「あうぅ……」フルフル

磯波「~~~~~♥♥」

磯波(提督の欲望が全部注がれてきます、気持ちよすぎて声にもなりません、こんなの、夢みたいです)



磯波(……ん?夢?)



磯波「夢っ!?」ガバッ

望月「うわっ!なんだよいきなり」

赤城「おはようございます」

磯波「ここどこです?」

赤城「まだ呉ですよ。今朝証拠品を持って、峯少将を告発しに行くんですよ」

望月「帰るのはその後だよ」

磯波「……ちょっとトイレ行ってきます」ムスー

スタスタ

赤城「どうしたんでしょうか彼女」

望月「なんか機嫌悪かったな」

エロは書いた、しかし物語に直接影響があるものではない、という落としどころ
内容については……いいだろ!これで!十分だ!



事務所


提督「…ええ。はい、わかりました。お手数をおかけいたしましてどうもです」

ガチャ

提督「佐世保も全滅か……」

磯波「……」

浜風「広川さん、もういいですよ」

提督「ええ?」

浜風「もう、いいんです……」

磯波「浜風ちゃん……」

提督「むぅ……」

磯波「ちょっと、気晴らしに散歩に行ってきます。行こう、浜風ちゃん」

浜風「……」

トボトボ



提督「……はぁ。なんと無情な」

提督(哀れ浜風、自らの厄を払ってしまった事によってどこにも居場所はなくなってしまった、か)

ゴロゴロ

提督(もう、彼女が来て一週間。どこにも当て無し、不貞っ腐れっちまうのも無理はない)

ピンポーン

提督「……誰だ、こんな時に」

スタスタ

ギィ

提督「留守です」

ブラック司令「やあ、中佐」

提督「おや、あなたは」チャキ

ブラック司令「お初にお目にかかるな。その物騒なものは今はしまえ」

提督「……」スッ

ブラック司令「大事な話をしに来た。上がらせてもらうぞ」

提督「ええ、どうぞ」



提督「ブランデーならありますよ」

ブラック司令「先に私の要求から言おう。深海ネ級の情報をいただきたい」

提督「ネ級の?一体何のために」

ブラック司令「お前の部下の報告書には書いてなかったか?」

提督(……豹変したことか)

ブラック司令「それでネ級の秘密を追わねばならない」

提督「……それで?何の見返りもなし?」

ブラック司令「そんなことはない。これだ」ドッ

ガバッ

提督「……金、ですか」

ブラック司令「入用な時期なんじゃないか」

提督「そうですね……ま、考えておきましょう」

ブラック司令「いい答えを期待しているぞ……」


今日のところはこれだけ
というのも、浜風を提督一味に加えるか否かって是非を聞きたいのです
いずれにしても磯風は出ますが

加えない場合はもちろん退場&モブ化ですが
加えた場合は事務所の三人目の住人として補佐的な立ち位置になる予定です

加えなかった場合にブラック司令から浜風が雌奴隷扱いされて壊れるまでを
ネチネチと何百レスも使って懇切丁寧に18禁描写してくれるなら、一味に加えない方向で
そうでないなら一味に加えて生ぬるいいちゃいちゃ枠描写する方向で

加える方が多数みたいね、了解しました
2号さんというよりは家政婦的な立場になる予定です
別に2号さんでもいいけど、その辺りは需要と勢いでどうにかします


>>735
ここは終始生ぬる~い空気で行く予定だから多分他所に行ったほうがいいかも
ていうかオリョクルで大騒ぎしてる連中ですよ!?そんなことになったら卒倒しちまいますよ!

行く所ないから家政婦ってのも寂しいなー

試験的にメンタルにダメージを受けた艦娘のカウンセラーを諜報部門にも置く事が決まった
浜風自身の虐待経験(?)を生かし同じ境遇の艦娘のサポートをしてみないかと薦められる
見たいな方が浜風も喜ぶんじゃない?

スタートは家政婦っぽいのですが、徐々にエージェントの一人になるかもしれないし、>>741みたくカウンセラー、オペレーター他
もしかしたら全部盛るかもしれません
予定は予定です、書いてる途中にプロットが捻じ曲がったりもするのでどうなるかは勢いと思いつき次第です



ブラック司令「それでは、お暇させてもらうよ」

スクッ

提督「いや、お待ちなさい……」

ブラック司令「取引する気になったか?」

提督「そいつは、おいくら万円ですか」

ブラック司令「はっ?」

提督「だから、いくら入ってんだっつってんだよ」

ブラック司令「ここにあるだけじゃない、別にいくらでも用意してやる」

提督「……なるほどね、そうだ。そうか!」

ブラック司令「えっ?」

提督「いい話を持ってきてくれましたよ!感謝しますよ西村中将!」

ブラック司令「あ、ああ、うん……」ヒキッ

提督「早速準備いたしますから、ささ、ブランデーでも飲んでお待ちください!」

ブラック司令「ああ……うん……」ゴクッ

ブラック司令(なんだこいつ)



提督「~~♪」

ギィ

磯波「ただいまです、提督……」

提督「おかえりなさい二人とも」

浜風「……」

提督「まあ、そう暗くなんないで」

磯波「やけに上機嫌ですけど、見つかったんですか!?引き取り手が!」

提督「いや」

磯波「えぇっ……じゃどーいうことです」

提督「すっかり忘れていました、私が横須賀の第四艦隊司令っていうのは知ってますね?」

磯波「ええ。艦隊と言っても私一人ですけど」

提督「なんで初めっから気がつかなかったんだろう、引き取るならうちで引き取ればよかったんですよ」

浜風「!」

磯波「ええ!?ちょ、ちょっと待ってください、この事務所3人は狭いですよぉ」

提督「んで、こいつの出番です」ドッ

ガバッ

磯波「ひぇ~~っ」

浜風「すごい大金……」


提督「こんだけあれば、事務所を建て直すぐらい出来るでしょう」

磯波「……え!?建て直すんですか!?」

提督「そうね、二階、二階建てがいいな。二階建てに憧れてたんだ子供の頃から、平屋だったから」

磯波「勝手にやっちゃってもいいんですか?」

提督「もちろんダメです、ですが資金も自前で用意するんだからすんなり通るでしょうね、申請も」

磯波「はぇ~~……」

提督「それから、浜風」

浜風「は、はい」

提督「あなたについても、申請しています。まあ通るでしょうね。この艦隊に配属されるでしょう」

浜風「はい!駆逐艦、浜風!これより貴艦隊所属となります!」

提督「よろしい。ようこそ、我が艦隊へ」

磯波「よろしくお願いしますっ」

提督「では、新たな仲間に乾杯しましょうか」

磯波「でもまだ返事が来てませんよ?」

提督「前祝いですよ前祝い、どうせ展開的にすんなり通ります」

浜風「展開って……ふふっ」

磯波「そりゃあ、言えてますけど……なんだかなぁ」

提督「そんなら磯波は間取りを決める会に参加しなくていいんですね、残念だなぁ。浜風さんと二人で決めっちまいましょう」

浜風「ふふ、はいっ」

磯波「ええっ、そんなぁ」

ハハハハハハ…


とまあ、こんな具合で浜風ちゃんが新しく艦隊に加わりました!
ってそれって、私の地位が危ういってことじゃ……?

次回に続きます...

というわけであっさり加入しました


小ネタ16


ちょっと時間は遡って、夜


磯波「くかぁ~~……」zzz

提督「……」zzz

浜風「……」

浜風(せ、狭い……ていうかなんで一緒に寝てるんですか!?風紀とかそういうのは!?)

モゾモゾ

磯波「ううん……てーとくぅ……」

ギュー

浜風(うぐっ、苦しい!提督さんは向こうですよ!)

磯波「むにゃむにゃ……」zzz

モミッ

浜風「ひゃっ」

磯波「……てーとくにおっぱい?」zzz

モミモミ

浜風(くぅ~~~///や、やらしく揉んじゃダメ~~~///)モゾモゾ

磯波「……うぅ」グスグス

浜風(えっ!?泣き出した!?)

磯波「わたしには、おっぱいがない……」グスグス

浜風(……)


そんなこと言われたってどうすればいいんですか……


小ネタ17


事務所を工事している間は隣提督のところに厄介になることになりました。


提督「ご迷惑をおかけします」

隣提督「まあ工事する間ぐらいならどうってことないさ」



駆逐艦部屋


雪風「それでぇ?中佐とはどれぐらい進んだんですか!?」

初霜「気になります気になります!」

磯波「それは……もちろん同衾までしたよ!」

時津風「すっげー!すっげーなぁ~~!」

霰「パナイ」


霞「はっ、くっだらないわ」チラチラ

初春「お主もちゃっかり聞いておるではないか」

浜風(……同衾、文字通り、一緒に寝るだけなら寝てますね)


雪風「そ、それって……え、えっちとかしちゃったりして!?」

磯波「も、もちろん!したよ!」

初霜「きゃー!///」

時津風「半端ねぇ、マジ半端ねぇ!先輩って呼ばしてもらいます!」

霰「ロリコン」


霞「ふ、不健全よ!そんなの……下品よ!///」

初春「お主、なにゆえ顔を赤らめとる」

浜風(エッチ……夢の中でね……望月ちゃんから聞いたけど、ひどい寝言だったらしいし)


雪風「どどど、どうでした!?」

磯波「えーっと、えっと、それは内緒!」

初霜「二人だけの秘密なのね!」

時津風「先輩!先輩!マジに進んでるよぉ~~!」

霰「しゅごい」


霞「……」ドキドキ

初春「お主も混ざってくればよかろう……」

浜風(変な見栄張って、後で恥かいても知りませんよ)フゥ



雪風「中佐に聞いてきますっ!」ダッ

初霜「私も聞きます!」ダッ

磯波「え!?ちょ、ちょっと!」

時津風「待って雪風~~!」ダッ

霰「聞かねば」ダッ

タッタッタッ…


霞「ちょ、ちょっとトイレ行ってくるわ!」ダッ

初春「はいはい、追いかけるんじゃな」

浜風(……あーあ)



このあと滅茶苦茶怒られた。

時津風「嘘は良くない、良くないなぁ~~~っ!」プンスカ



小ネタ18


ざっくりすっ飛ばして、数週間後。


ババーン!(といっても読者にはわかんないだろうけど)

提督「いや、想像力が大事よ想像力が」

磯波「ついに完成ですか~~!で、誰に話しかけてるんです?」

提督「ちょいとね。うんうん、立派立派」

浜風「見違えるみたいですね」

提督「今だ!一番乗りですっ!」タッ

磯波「あっ!ずるい!」タッ

浜風「子供じゃないんですから……」



提督「やはり居住スペースを二階に持ってったから、広くなりましたね」

磯波「ですね!あっ、二階に一番乗りっ!」ダッ

提督「しまった!」

ダッダッダッズルッ

磯波「ああぁあぁぁぁぁ~~!」ゴロゴロ

ドテッ

提督「おや、お久しぶりですくま殿」ペコリ

磯波「パンツに頭下げないでくださいよぅ///」

浜風(……出会ってから数週間、わかったことがある。この二人はバカだ。くまさんパンツ……)

磯波「浜風ちゃん!なにそのバカを見るような目は!」

浜風「い、いやっ、そんな目してませんけど!」ギクッ

提督「あ、ところで部屋は一人ずつ用意しましたからね」

浜風「どうもありがとうございます」

提督「今まではプライベートな空間が風呂とトイレしかありませんでしたから」

磯波「よくよく考えると酷すぎますよね……」



夜...


磯波「……」

ゴロゴロ

磯波「落ち着かないなぁ……」

ムクッ

磯波「……」


浜風「……」カキカキ

スタスタ

浜風「……?」

ギィ

浜風「……」

磯波「……」スタスタ

浜風(磯波ちゃん?どうしたんだろう)

磯波「……」コソコソ

ギィ、バタン

浜風(……提督の部屋に、夜這い?まあ、私には関係ないか)

バタム




チュンチュン

提督「……おや」

磯波「くかぁ~……」zzz

提督「やれやれ、これじゃあ部屋を分けた意味がないじゃないですか」

ナデナデ

磯波「うぅん……」zzz

磯波が若干子供っぽくなってしまいましたが、そーいう鎮守府ってことで一つ。事務所ですが


ep.18


事務所


チュンチュン


提督「ふわぁ~あ、おはようございます浜風さん」

浜風「おはようございます、すぐ食事にしましょう」

提督「いや、新しいベッドはなんだか落ち着きませんね」

浜風「磯波ちゃんが来たんですよね。夜中に入っていきましたけど」

提督「おや、知ってましたか。部屋を分けた意味がありませんよあれでは」ニコリ

浜風「……ちょっと嬉しそうですね」

提督「まあ、ね。そんなことより朝ごはんです、いい加減腹減っちゃってます」



ジー

ネ級「いいなぁ~」

ソ級「新居っすねぇ」

ネ級「それに比べてこっちのアジトは……」


レ級『片付け?そんな暇があったら何か策を考えるんだ!』

ヲ級『いーっていーって、その辺に捨てとけばー』


ソ級「はぁ……毎日掃除してもキリがないゴミ屋敷」

ネ級「やんなっちゃうよぉ」

ソ級「帰るっす、あれを眺めても惨めな気持ちになるだけっすから……」

ネ級「うん……」

トボトボ




アジト


ヲ級「よし!出来た!」

レ級「今度は何が完成したんだ?」

ヲ級「ふふふ、こいつは……なんだこれ」

レ級「はぁ!?」

ヲ級「いーや、捨てよっと」ポイッ

レ級「お前、自分で何作ってるか理解して作業しろよ」



提督「こりゃまたすごい、和定食って感じですね」

磯波「美味しそう……」

浜風「料理は得意なんです」

提督「そいじゃ早速いただきます」

磯波「いただきますっ」

浜風「どうぞ、召し上がってください」

提督「うん、こりゃ美味しい」パクパク

磯波「悔しいけど、私より料理上手だね……」ムシャムシャ

浜風「そ、そうですか?///」テレテレ

提督「ええ、これからご飯が楽しくなりそうだ」

磯波「このお味噌汁も……」ショボーン

提督「……たまには、磯波。あなたの料理も食べたいな」

磯波「あ、そ、そうですか?でも……」

提督「浜風さんばっかりに任せるのは気が重いでしょう?ですよね?」


浜風「はい、私も磯波ちゃんの料理食べてみたいな」

磯波「は、はい、わかりましたっ」

浜風「……」ホッ

磯波「あ、提督の料理は?」

提督「別にいいですけど、多分後悔しますよ」

磯波「えっと、じゃあいいです」

浜風「そういえば、普段は仕事何するんですか?」

提督「おっと、食事中に仕事の話をしない決まりですから。後でお教えしましょう」

浜風「はあ」

磯波「……ふふっ」クスッ




ヲ級「今度こそ出来た!」

レ級「ふーん」

ヲ級「聞かないのかい?」

レ級「……何が出来たんですかー」

ヲ級「ふふふ、こいつはねぇ……[安価↓]さ!」

レ級「はぁ?安価ぁ?」

ヲ級「いや、これが成功した暁には『安価発明品シリーズ』として定期的にやっていこうと思う」

レ級「……どうなっても我が輩は知らんぞ」



ヲ級「『ロボ磯風』さ!」

レ級「ロボ磯風!?……ロボ磯風!?」

ヲ級「さっき帰ってきた二人の報告によると、新しく浜風とやらが仲間入りしたらしい」

レ級「なるほど、磯風は彼女の親友、それでその浜風にターゲットを絞って」

ヲ級「このロボ磯風で翻弄してやるのさ……!」

レ級「……ネ級じゃダメなのか」

ヲ級「えっ?」

レ級「ネ級も変身できるんだが」

ヲ級「……」

レ級「……」

ヲ級「ロボ磯風起動!」

ロボ磯風「……陽炎型駆逐艦十二番艦、磯風。大丈夫、私が守ってあげる」ウィーン(CV:小杉十郎太)

レ級「おい、本当にネ級に任せた方がいいんじゃないか?声渋いし」

ロボ磯風「大丈夫、私には全自動パンツ回収マシーンがついている」

レ級「何が大丈夫なんだ」

ロボ磯風「Cカップ以上限定だ」

レ級「おい!磯波には効かないじゃないか!効いたところでだけど!」

ヲ級「あんたにも効かないけどね」

レ級「……」

ヲ級「よし!行ってこいロボ磯風!」

ロボ磯風「いいとも。この磯風が出よう。心配はいらない」

シュゴゴゴー

レ級「……飛んでっちゃった」


とりあえずここまで
初安価でドキドキしてたが無事取ってもらえてよかった

あ、パンツ回収マシーンは、まあ初回だし、おまけってことで……



シュゴゴゴゴゴ

ププー!

「鳥だ!」

「飛行機だ!」

「鳥人間だ!」

ロボ磯風「ここが横須賀、か」

ウーウー!

『前の空飛ぶ女!止まるであります!』

ロボ磯風「しまった!」



あきつ丸「制限速度を37kmもオーバー、であります」

ロボ磯風「急いでたもので」

あきつ丸「急いでたら制限速度破ってもいいんでありますか?」

ロボ磯風「いえ……」

あきつ丸「わかってるなら、もうとばさないように。でありますッ!?」バッ

ロボ磯風「……」

あきつ丸「は、はは、ちょっとこっちも探し物してるでありますから!それじゃ」イソイソ

バタン、ブロロロ

ロボ磯風「……ふふふ」モグモグ

ヲ級『早速ぱんつを頂いたようだね』

ロボ磯風「もがもががもが」

ヲ級『いや、そのまま聞くだけでいい。磯風のフリして横須賀を犯罪でいっぱいにするんだ!』

ロボ磯風「もが」



十数日後...


事務所


提督「ふーむ……」ペラ

磯波「何か気になることでも?」

提督「これを見てください」

磯波「……『謎の少女、犯罪を繰り返す。スリ、万引き、詐欺、下着泥棒、痴漢と数知れず。憲兵もお手上げ』ですか」

提督「ええ。私はここ数日彼女の足取りを追っています。そしてこの写真。見覚えがありませんか?」

磯波「誰だかはわかりません。しかし……艦娘、ではないでしょうか」

カシャン

浜風「い……磯風……?」

提督「知っているんですか、彼女を」

浜風「はい、私の親友です、まさか、そんな……」

提督「どうやら、早急な調査の必要があるようですね」

磯波「出かけますか?」

提督「もちろん」

浜風「私も行きます」



憲兵隊詰所


あきつ丸「おお、広川殿。随分と久しぶりでありますな」

提督「ええ。件の少女についてお話を伺いたいのですが」

隊長「ヤツは神出鬼没。どこにでも現れる……」

提督「お久しぶりです隊長。では犯行の範囲は」

あきつ丸「それはわかっています、この横須賀でのみであります」

提督「ふむ、なるほど」

隊長「今や横須賀中に憲兵を展開して調査を進めている。しかし足取りは掴めない」

提督「わかりました、そいじゃ適当にぶらついてみます」

隊長「気をつけろよ、ヤツは強力な能力を持つという話だ」



夜、飲み屋街


「部長~~もう一軒行きますか~~!」

「おう、今日はとことん……ん?」

ロボ磯風「ふふふ……」チラッ

「きゃーーーー!!」

「変態だ!!ぱんつを見せてくる!」

ロボ磯風「ハッハッハッハァー!見ろー!」チラッチラッ

「う~ん……」パタリ

「なんて刺激……」パタリ

ロボ磯風「ふふふ……」

「磯風!」

ロボ磯風「ついに来たか……」

浜風「……」

提督「ついに見つけましたよ」

磯波「これ以上の悪行は見過ごせません!」


浜風「磯風!」

ロボ磯風「ふっ、何か勘違いをしていないか?」

浜風「勘違い、ですって?」

ロボ磯風「私は、犯罪をしていない!」

浜風「!?」

提督「いや、それは無理があるだろ」

ロボ磯風「ぐっ、ハッタリは通用しないか」

浜風「磯風!どうしてこんなことを……」

ロボ磯風「若気の至りってやつ?かもしれない……」

浜風「ねえ、自首しましょう、私も行きますから」

ロボ磯風「……」

浜風「磯風……!?」バッ

ロボ磯風「ふふふ……」スッ

提督「あ、あれは?」

浜風「えっ?えっ?///」

磯波「あれって……あ!提督!見ちゃダメです!」ガシッ

提督「うおっ」


ロボ磯風「“Self-motion Pants Accumlation Machine”、全自動ぱんつ回収装置だ。私はSPAMと呼んでいる」

浜風「す、SPAM?そのSPAMを使って一体何を!」

ロボ磯風「こうするのさ!あむっ」パクッ

浜風「あっ!///」

ロボ磯風「もがもが、もがもがもがもがもがもがもがもがもが」

磯波「なんて言ってるかわからない!」

ロボ磯風「もがもがもが!もーがっがっがっがっが!」

シュゴゴゴー

磯波「……行っちゃった」

提督「何があったんですか、離してくださいよ」ジタバタ

浜風「磯風……」



翌朝

七光鎮守府


七光提督「ふーむ、磯風、か。僕たちも注意しなきゃな」

如月「そうねぇ」

ドドドドドド

七光提督「な、なんだ!?」

如月「外からみたい!」


ロボ磯風「ハーッハッハッハァー!」

夕張「あんたが磯風ね!」

大和「磯風!一体どうして!」

ロボ磯風「ふっ、どうしてだって?若気の至りってやつ?かな」

翔鶴「航空機発艦!」

ロボ磯風「無駄ぁ!」

翔鶴「!?!?!?」バッ

ロボ磯風「紐、とはいい趣味してるじゃないか」スッ

夕張「い、一体、どうやって!?」


ロボ磯風「ふっ、技術屋の貴様ならわかるだろう?」

夕張「ふむ……そうか、テレポーテーションを使っているみたいね」

ロボ磯風「その通り、詳しい原理はお前たち人類の科学技術とか概念とかでは理解できない部分があるから割愛させてもらおう」

瑞鶴「適当なこと言って誤魔化してるんじゃないわよ!」

ロボ磯風「ふっ、減らず口を叩くなぁ!」スッ

瑞鶴「ふぇっ!?///」バッ

ロボ磯風「いいぱんつだ!純白とはな!」

大和「なんだかよくわからないけど、とにk」

ロボ磯風「パッドに用はない!下種がッ!」

大和「」

瑞鶴「えっ……パッド、なんですか?」

夕張「立派な自前のを持ってるのに!?」

翔鶴「なんでパッドつけてるの」

大和「パッドじゃない!パッドじゃないのよ!九一式徹甲弾なの!九一式徹甲弾なんですよ!」

翔鶴「パッドでしょ!?胸につけてたら!」

大和「うるさい!九一式徹甲弾なのぉ~~~!!!パッドじゃないのぉぉぉぉぉ~~~~~!!!!」

ギャーギャー


磯風「この鎮守府は大した事無かったな」

如月「……待ちなさい」

磯風「まだ残っていたか」

如月「よくわからないけど、私が相手になるわぁ」ジャキ

磯風「ふふふ、いいだろう」

磯風(私はカップ数を探る電探をつけている、故にぱんつをいただくのに迷いなし!)ピピピピ

如月「えい!」ドンッ

磯風「はっ!?」サッ

如月「見とれていたら、やっちゃうわよ?」

磯風「貴様……Bカップのクセにおっきめの大人ブラをつけているなっ!?」

如月「!!?///」カァー

磯風「どおりで、私の電探がジャミングされ、ぱんつを奪おうとしても奪うことができなかった……くそっ!」

如月「お、大人ブラで何が悪いのよっ!」

磯風「私の負けだ……だが!必ず、必ずまた戻ってくる、必ず来るぞ!首を洗って待っていろ!」

如月「えっ?」

シュゴゴゴゴ

如月「なんか一人で勝手に盛り上がって、行っちゃったわ……」

翔鶴「パッドでしょ!?」

大和「パッドじゃないぃ!!」

翔鶴「絶対パッドでしょそれ!!」

大和「九一式徹甲弾なのぉ!!!九一式徹甲弾って、言ってるのにぃぃ……ううぅぅ」ジワッ

翔鶴「あっ……」

大和「九一式徹甲弾なのよぉおぉ……おぉぉ、うわああああああああん!!」ビエー

如月「……」ガビーン

あっ!『ロボ』抜けてるじゃん!脳内補完しといて!



事務所


ゴゴゴゴゴ

浜風「きゃっ!」バシャッ

磯波「な、何!?あ、大丈夫!?」

提督「向こうからお出ましのようです」

浜風「あの、先に着替えてきても……」

提督「そうね、ゆっくりでいいですよ。私もこのコーヒーが飲み終わってから行きます」

磯波「じゃあ、私も」

五分後

浜風「……」モジモジ

磯波「ごめんね、子供っぽいよね……」

浜風「いえ、ぱんつの替えを買ってなかった私が悪いんです……」

提督「んじゃ、そろそろ出ますか」

スタスタ



ロボ磯風「遅い!すぐ出ろ!」

提督「すみません、取り込み中でしたから」

ロボ磯風「何?一体何をしてたというのだ!くだらない用なら許さんぞ!」

提督「コーヒー飲んでました」

ロボ磯風「……なら仕方がない」

磯波(えっ、いいんだ……)

ロボ磯風「ふふふ、ここでお前たちは終わりだ。ぱんつを剥ぎ取った後、ゆっくり料理してくれる」

浜風「磯風!悪いけど磯風、料理だけはやめて」

磯波「下手なんでしょうか」

提督「下手なんでしょうね」

浜風「それより!どうして人々のぱんつを!」

ロボ磯風「それは、若気の至りってやつ?だ」

提督「ボキャブラリー少ないですね」

磯波「若気の至りって言いたいだけなんでしょうね」

浜風「変わってしまったんですね……磯風!」


提督「そういえば、ちょっとよろしいですか浜風さん」

浜風「なんですか?」

提督「どう考えても、本物の磯風がジェットで空を飛ぶとは思えないんですが」

浜風「……言われてみれば、確かに。磯風はジェットで空を飛び回ったりはしません」

磯波(普通の艦娘はみんなしねーよ)

ロボ磯風「バレてはしょうがない。私はロボ磯風、深海棲艦に作られた殺戮ロボットだ」

提督「深海棲艦、またあのバカ四人組ですね」

ヲ級『その通り!あっ違う!バカじゃない!』

磯波(バカじゃん)

浜風(バカだ)

提督「バカですね」

ヲ級『またバカって言った!ちくしょー!天才科学者であるこのペガサス様の威力を見ろ!ロボ磯風!ぱんつを奪ってしまえ!』

ロボ磯風「了解!」

浜風「くっ、またっ!」

磯波「ぱんつだけは奪わせないっ!」

提督「私もやっぱ奪われるんでしょうか」


ロボ磯風「いや、Cカップ以上限定だ」

磯波「……くっ!奪われてしまうっ!」

ロボ磯風「Cカップ以上限定だって」

磯波「………………きゃあ!奪われたっ!」バッ

ロボ磯風「いや、奪ってない」

浜風「磯波ちゃん……」ガビーン

磯波「ぶえぇぇーーーへへーーーー!!」ビエー

提督「よしよし、私はちっちゃくても好きですよ」ナデナデ

ロボ磯風「隙有り!」スッ

浜風「しまった!///」バッ

ロボ磯風「ふふふ……頂くとしよう……あむっ」パクッ

浜風「えぇっ!?」

磯波「あー!私のくまさんぱんつ!」

ロボ磯風「むぐっ!?」

ロボ磯風(こ、この感触は!まさか!綿ぱんつだとぉ!?の、喉に詰まって息が……)グググ

提督「なんだかもがき苦しんでいるようですが」


磯波「私のくまさんぱんつ……」

浜風「なんか、ごめんなさい……」

ロボ磯風「」バタッ

ヲ級『おい!ロボが呼吸困難で死ぬなんて!リアルに作りすぎたか!覚えてろー!』プツン

提督「どうやら、くまさんぱんつにまた救われたようですね」

磯波「私のくまさんぱんつが……」

浜風「はぁ……磯風が本物じゃなくってよかったぁ」



浜風ちゃんの初仕事は、無事に解決しました。
しかし、侮れないのは深海棲艦の科学力です。
恐るべき相手でした……綿ぱんつでよかった。









磯風「この街に、浜風がいるのか」

あきつ丸「あ!貴様!逮捕であります!」

磯風「えっ、ちょっと待っ」

あきつ丸「問答無用!強制わいせつその他もろもろで逮捕であります!」

カシャン

磯風「なんでだ……なんでだ……」


次回に続きます...

今日はここまで
くまさんぱんつの参考資料を探していたら、くまさんぱんつの虜になっていた。よくあることだ

翔鶴...Cないだろ

>>796
マジで!?と思って調べたら瑞鶴が微妙だった。しかし体が反ってるからひょっとすると……
翔鶴は胸当てでよくわからない、つまり観測されていないため、巨乳である可能性もあるはず。シュレーディンガーの乳だと思います
勢いで書いたために申し訳ありません



深海棲艦泊地


離島棲鬼「桜よ」

レ級「はあ?」

離島棲鬼「桜。わかる?花見の季節なのよ」

レ級「へー」

離島棲鬼「……ほっぽちゃんと花見行く約束したの。でも、綺麗な桜って日本にしかないじゃない?」

レ級「そんなことはないと思いますけど」

離島棲鬼「ほっぽちゃんも日本の桜がいいって言うのよ」

レ級「それじゃあ行ったらいいじゃないですか。花見に」

離島棲鬼「そんなん、敵の本拠地でしょうが!」

レ級「じゃあ、諦めたらいいのでは」

離島棲鬼「ほっぽちゃんに嫌われちゃうでしょうがああああああああああ!?そんなこともわからないの!?」クワッ

レ級「……」

離島棲鬼「だから!なんとかしてちょうだい!いいわね!?」

レ級「どうすればよろしいのですか」

離島棲鬼「そこはあなたたちで考えなさい、とにかく今月中にどうにかしなさい?いいわね?」

レ級「へーい……ハァ、ドイツモコイツモワガママデカナワン」ボソッ

離島棲鬼「何か!?」

レ級「いえ、別に、何も」



事務所


提督「すー……」zzz

浜風「あらら、いつの間にか眠ってらっしゃる」

磯波「だって、暇なんだもん」

浜風「いつもこんなに暇なんですか?」

磯波「うん。平和が一番というのはよく提督も言うんだけど」

浜風「確かに、私たち軍人が退屈なのは世の中が平和な証拠です」

磯波「そうだ、二人で買い出しに行こう。色々買わなきゃいけないものあるし」

浜風「ああ、確かにそうですね。……ぱんつとか」

磯波「ふふ、ぱんつとかね!」

浜風「でも、提督には」

磯波「書き置きすればいいよ、行こ!」

浜風「そうですね、行きましょう!」

スタスタ



ジリリリリリ!

提督「ふわ~あ、磯波……」

ジリリリリリ!

提督「うぅ……浜風さん……」

ジリリリリリ!

提督「なんだもう!うるさいっつの!もしもし!」ガチャッ

『あ、あの!依頼、なんだけど……』

提督「あ、失礼。ゴホン。それで、何か事件ですか?」

『深海棲艦が陸に現れたの!』

提督「ほう、まさか花見にでも来たってわけじゃありませんよね」

『わからないわ、一体何を企んでいるのか……』

提督「失礼ですがご婦人。お名前を伺っても?」

愛宕『私は愛宕。重巡洋艦のね』

提督「なんと、艦娘でしたか。わかりました、すぐ向かいましょう」

愛宕『お願いよ』プツン

提督「さて、仕事だ。……二人は留守ですか」

短いけどここまで
磯波ちゃんのおしりは近いうちにまた

おっぱい!!



ブロロロロ…

提督「……やれやれ。まっ、たまには一人で気ままに仕事をするのもいいかもしれません」

キキィ

ガチャッ

提督「確かこの公園に……」キョロキョロ

ギャーギャー

提督「あ、あれは……」


ボコスカ

摩耶「ふざけんな!お前ら出てけこのっ!」

レ級「借りるだけだから!借りるだけだから!」

ネ級「すぐ返すからぁ!すぐ返すからぁ!」

愛宕「麻耶ちゃん、ちょっとやりすぎじゃない?」



提督「……みなさん、何事ですか」

摩耶「ああ!?やっと来たのかよ!」

愛宕「この子達ったら、桜の木を持っていこうとしたのよぉ」

提督「あらー、そりゃ重罪ですね」

レ級「広川!お前からもなんとか言ってくれ!」

ネ級「そうですぅ!」

摩耶「なんだぁ?知り合いなのか?」

提督「知り合いってほどでもないですが、ちょっと因縁ふっかけられてましてね」

愛宕「へぇ、そうなの」

提督「……で?どうして桜の木なんかを」

レ級「絶対に喋らん!」

ネ級「離島棲鬼様がとって来いって……」

提督「へぇー、あんたがたも苦労してるんですね。全然同情しませんけど」

レ級「ほれみろ、バカにされた」

提督「花見がしたいんなら、変装でもしてこっそりやればこんなことにはならなかったのに」


摩耶「んだよ!深海棲艦をこの国に入れるのか!?」

提督「もう結構入っとるんだよなこれが」

愛宕「ええ、そうなの?」

提督「まあ、それはともかくとして。今回ばかりは無理に争う必要もなさそうですな」

摩耶「でも敵じゃねーか」

提督「敵ですね。そんなら奉仕活動でもさせましょうか」

愛宕「ほ、奉仕活動……♥」

レ級「奉仕だと?」

ネ級「な、何をさせられるんですかぁ?」

提督「いや、お前らには興味ないから」

摩耶「みんな何の話をしてるんだよ。ゴミ拾いとかじゃないのか」

提督「ええ、そのつもりでしたよもちろん。お花見なら勝手にすればいい、でも条件としてゴミ拾いをやっていきなさい」

レ級「……えっ?それだけ?」

愛宕「そうねぇ、それじゃ私たちも混ぜてもらおうかしらぁ♪ねえ摩耶ちゃん?」

摩耶「そうだな、監視の目も必要だし。そもそも花見しに来たんだしな」

愛宕「高雄たちも呼ぶわぁ~」

レ級「か、かなりうまい話だと思うぞこれ」

ネ級「ですねぇ。これを機にアジトでもゴミ拾いしてください」

レ級「……そんなに汚いかなぁ」



提督「これにて一件落着。武器は使わないのが一番ですね。トラブルのなきようお願いします」

愛宕「はぁ~い♪」ダキッ

提督「……」シラー

愛宕「あ、あれ?」パッ

提督「いくら相手が提督といえどそーいうことはやめた方がよろしいですよ。それにうちのは結構気にするので」

愛宕「あら、もう想い人がいらっしゃったのね。それは失礼しました」

提督「それにしても、姉妹二人で花見ですか」

愛宕「そうなのよー♪麻耶ちゃんがねー♪」

摩耶「なんか呼んだか?」

愛宕「いや、なーんにも?」

摩耶「?まあいいけど」

提督「なるほど、仲良きことは良いことだ。花見、ですか……」

愛宕「何か思い出でも?」

提督「ちょいとね。くだらない話ですよ」

愛宕「酔っ払って粗相したとか、ですか?」

提督「まっ、そんな感じです。それでは私はこれで」

愛宕「どうもありがとうございますー♪」



ブロロロロ…

提督「……」


「おねえちゃんは?」

「私はちょっと花見に来ちまっただけの艦娘です」

「へー!かんむすさん!ちっちゃいのにすごい!」

「すごいでしょう?私はなんとかの有名な神風型駆逐艦なんですよ。あ、先日竣工日です。祝ってください」

「かみかぜって、とっこうたいのやつ?」

「無視ですか。神風は今の人はそういう認識でしたね。ですが違いますよ」

「へー!かっけー!」

「え、ちょ、何が……まっ、それはいいでしょう。お父さんかお母さんは?」

「いないよ」

「失礼、不束な事を聞いてしまいました」

「しごとでね」

「なんなのそりゃ」

「おねえちゃんは?」

「艦娘の家族は司令官と姉妹だけです、親はいませんよ」


「ふーん……かわいそうに」

「いやそうでもないよ」

「おーい、ここにいたのか」

「ほらね。こうやって誰かが探しに来てくれるんです」

「ん?なんだ、男前を引っ掛けて」

「そこでちょっとナンパされっちまいましてね」

「ふぅん。私の妹に手を出すなよ?」

「だしてないよ」

「子供相手に何言ってるんですか」

「そろそろだ、行くぞ」

「と、いうことなので。そいじゃ失礼」

「ねぇ、おねえちゃんなまえは?」

「私の名前は――」


提督「……いけませんね、一人になるとどうもノスタルジックに浸っちまいます」

ブロロロロ…



事務所


ギィ

提督「ただいまです」

磯波「おかえりな……」クンクン

浜風「おかえりなさい提督。磯波ちゃんどうしたの?」

提督「……まさか」

磯波「提督?なんですかその匂い」

浜風「んー、確かに香水っぽい香りはしますけど……提督」

提督「はっきり言って、誤解です」

磯波「どういうことですか?」

提督「一から十まで説明しますから、とりあえず腹減ってます」

浜風「いえ、納得のいく説明を受けるまで夕食はお預けです」

提督「参ったな、こりゃ。帰るまでに落ちなかったか」

磯波「提督……?」

提督「わかりました、わかりましたからそんな怖い目しないでください……」


提督は知らないところで事件を解決してきたみたいです。
私たちも行きたかったなぁ、桜見たかった……。
しかし、愛宕さんはそういう風紀とか貞操観念とか、そんなんどうかと思います!

あなたたちに言われたくないわぁ♪

なんですって!?

地の文で喧嘩しないでくださいよ……。


次回に続きます...

花見&愛宕回にしようと思ったんだ、だが気がついたら誰得な提督回になってしまった……
これも深海棲艦の仕業だ!

新築したんならまだ部屋に空きはあるんだよね、増やしてあげたいな

>>823
まだまだ浜風が来たばかりなのでしばらく事務所組に追加は無しのつもりです
もちろんノリと勢いでどうにかなるかもしれません



小ネタ19


愛宕「うーん……」

摩耶「どうしたんだよ」

愛宕「あの提督にね、抱きついたのよ」

摩耶「ええ?そういうのやめたがいいっていつも言ってるじゃんか」

愛宕「うん、問題はそこじゃないのよ」

摩耶「その行動そのものが問題だと思うけど」

愛宕「普通の男の人なら、恥ずかしがったり、振り払おうとしたりするのよ」

摩耶「まあ……デカイからな」

愛宕「なのにあの人、しらけた顔で振り払おうともせずまるでなんの興味もないみたいに……いくら恋人がいたとしてもちょっと」

摩耶「ふーん。別にどうでもよくないか」

愛宕「……もしかして、同性愛者?」

摩耶「そうやって人を詮索するのは良くないと思うぜ」

愛宕「プライドを、傷つけられたのよ?」

摩耶(そんなプライドいらねーだろ……)

愛宕「ロリコン?それとも熟女の方が……ひょっとしてズーフィリアなのかしら……」

摩耶「……よくわからん」ハァ




提督「くちゅん!……風邪でしょうか」

磯波(くしゃみかわいい)




事務所


磯波「ふわ~~あ……」

提督「大あくびしちゃってまた」

浜風「最近は事件がなくて暇です……」

提督「そうですね……」

浜風「だいたいこの事務所って、テレビもラジオもない、事件がない日は暇で暇で」

提督「そうですね、適当に買ってくれば」

浜風「はーあ……」

ジリリリリ!

提督「はい」

『ぐすっ……ひぐっ……』

提督「うわぉっ!?」ビクッ

磯波「!?」

浜風「え!?」

提督「もしもし、おばけじゃないですよね?」

『おばけじゃないわよ……ぐすっ……妹を……潮を助けてっ!』



舞鶴行き列車


ガタンゴトン

提督「……」

磯波「ねぇ、一体何だろうね」ヒソヒソ

浜風「う、うん。いつになくシリアスな雰囲気です」ヒソヒソ

提督「……舞鶴、私の古い友人がいるんです。悪友とも言うべきですが」

磯波「そうなんですか」

提督「それでそいつの部下、駆逐艦曙からの依頼です」

浜風「曙さん、ですか」

提督「妹を助けてくれ、とね」

磯波「……」

提督「友人だからこそ、必要とあらば私の手で始末しなくてはならない」

磯波「提督……」

浜風「……」



舞鶴鎮守府付近のホテル


ガチャ

曙「……」

提督「いらっしゃい、お嬢さん」

曙「……」

磯波「……」

浜風「……」

提督「そちらのソファにどうぞ」

曙「……」ポフッ

提督「それで?詳しくお聞かせください」

曙「……昨日の事よ」


―――

曙(ちぇっ、またクソ提督の顔見なきゃならないなんて……ん?)

潮「きゃあああああ!!離してえええ!!」

クソ提督「うるさい!早くこっちに来るんだ!」

潮「嫌ああああああ!!」

バタンッ

曙「!?ど、どういう……」

「おら!暴れるな!」

「嫌っ!やめてぇ!!」

「入れるぞ!」

「ひっ!」

曙「な、なによ、これ、なによっ!」ダッ

―――



提督「……それで、私に」

曙「呉での、話を聞いたことがあるから」

浜風「私の件ですね」

曙「あいつは潮を秘書艦にして、それでずっと一緒にいた、大事に扱っていたのに、大丈夫って信じてたのに……」

提督「……」

曙「あいつがみんなに優しくしてたのもきっと全部嘘だったのよ、体が目的で……」

提督「浜風さん、あなたは彼女を見てあげてください」

浜風「わかりました」

提督「磯波、行きましょう」

磯波「……殺すんですか」

提督「やつの言い分を聞いてからね」



舞鶴鎮守府、執務室


クソ提督「ぼのたんがいなくなった。なんでだ」

漣「それはご主人様の日頃の行いが悪いせいですよ。またどっかで拗ねてるんでしょう」

クソ提督「ええー……」

ガチャ

朧「提督、古い友人が会いたいそうです」

クソ提督「ええ?友人?誰だろう」

朧「広川って人です」

クソ提督「一郎か!通せ通せ!」

朧「わかりました」

バタン

クソ提督「あいつも確か提督だったんだよな」

漣「ご主人様に友達なんていたんですね!驚きです!」

クソ提督「なんか今日ひどくない!?」

ガチャ

提督「やあ、どうも」


クソ提督「久しぶりだな!元気してたか?」

提督「ええ、あなたも随分と元気そうで」

クソ提督「なんか、雰囲気変わったな」

提督「そうですか?別にそうでもないと思いますが」

クソ提督「ふーん。それで、なんか用事か?」

提督「いくつか話したいことがあります、二人っきりでね」

クソ提督「いいぞ、漣」

漣「ごゆっくりぃ~」

ガチャ、バタン

クソ提督「それで?話って?」

提督「とぼけるなよ、クソ野郎」

クソ提督「?確かに俺はクソ提督だが、そんな言い方無いだろう」

提督「……」

クソ提督「何だ?なぜ怒ってる……いつもそうだな、お前は訳も分からず怒る、いつだってそうだった」

提督「今回ばかりは心当たりがあるはずだ、お前みたいな愚図でも気がつくはずだ」

クソ提督「愚図だぁ?いくらお前でも愚図と言われる筋合いはない」

提督「……」


クソ提督「なぜなら、なんだって俺の方が上手だったからだ。授業の成績も、運動でも、家柄もな」

提督「家柄は関係ない」

クソ提督「いや、あるね。女だってそうだ、お前が連れてくるのはいつも地味女ばかりだった、しかも結局長続きはしない」

提督「それがどうした」

クソ提督「ハッ、口だけは達者だな。それじゃ教えてもらおうか、心当たりとやらを」

提督「……駆逐艦潮の事だ」

クソ提督「潮?なぜだ?お前には関係のない話だ」

提督「依頼を受けてここに来た」

クソ提督「依頼?ははーん、羨ましいんだな?潮が。確かにお前の好みそうな女だ。それにいい匂いがする」

提督「知ったことか」

クソ提督「俺は知っている、俺はな」

提督「もういい、十分だ」スッ

チャキッ

クソ提督「!?な、ちょ、ちょっと待て!なぜそんなものを!?」

提督「言っただろう、依頼を受けてここに来たと」

クソ提督「や、やめてくれ、何か、俺が悪いことしたなら謝るよ!」

提督「お前は艦娘たちの気持ちを裏切った」

クソ提督「な、何を!?馬鹿な!そんな馬鹿な、俺が何したって言うんだ!?」

提督「あの世で仏様にでも聞くんだな」


バンッ

磯波「提督ストーーーップ!!!」

提督「!?」

ズドン!

パリーン!

クソ提督「ひえっ」ガクッ

磯波「……セーフ、ですね?」

提督「何か用ですか?」

磯波「なんと、ですね、曙ちゃんの勘違いなんです……」

提督「は?」

潮「あ、あの……」

提督「ああ、潮さん」

潮「あの時、何が起こったかお話します……」


―――

潮「うう……嫌です……耳掃除だなんて……」

クソ提督「耳垢溜めると汚いから!」ガシッ

潮「きゃあああああ!!離してえええ!!」

クソ提督「うるさい!早くこっちに来るんだ!」

潮「嫌ああああああ!!」

バタンッ

クソ提督「おら!暴れるな!」

潮「嫌っ!やめてぇ!!」

クソ提督「入れるぞ!」

潮「ひっ!」

クソ提督「ほら、こんなに詰まってるじゃないか」カリカリ

潮「うひぃ~~……」ムズムズ

クソ提督「いくら鎮守府から出る機会がないといっても限度があるだろ、身だしなみにも気をつけろよ」

潮「うぅ……はぁい……」

―――



潮「と、いうことなんです……」

提督「そうですか……耳掃除……うーむ……」

磯波「提督?」

提督「いや、振り上げた拳を、どこに下ろしましょうかね」

漣「さあさあ、誤解も解けた事ですから!深呼吸です!吸ってー」

スゥー

漣「吐いてー」

フゥー

漣「気絶しましょ」バタッ

潮「きゅー」バタッ

提督「……ホテルに戻って、曙さんを連れてきましょうか」

磯波「ですね……」

漣「あー!ちょっと!無視!?」



何事もなく解決して良かったです。曙ちゃんは大激怒でしたけど。
提督たちも、色々あったみたいですが仲直りしていました。
……みなさん、耳掃除はきちんとしましょうね。




磯波「提督?耳掃除してあげましょうか?」

提督「えぇ?いえ、その……」

磯波「見せてください」ガシッ

提督「ああ!やめてっ、やめてください!そんなモノ突っ込まれたらっ!」

次回に続きます...

僕は耳掃除大嫌いです
今更だけど、もちっと水増しして二回に分けたらよかったかもしれない

うぅっ、違う!俺が書きたいのはこんなんじゃない!
もっと磯波がかわいいやつが書きたいんだ!



小ネタ20


クソ提督「なあ、聞きたいか?あいつがすぐ彼女に振られてた理由」

磯波「なんですかなんですか?」ワクワク

クソ提督「あいつ、不能なんだよ。ククッ……勃たないっつって振られてんの毎回、ククク……だからきっと童貞だぜ?」クスクス

磯波「……あー、なるほど」

クソ提督「ん?気にならないか?」

磯波「そーですね、気にしません」

クソ提督「……まあいいけど、あいつをよろしくな」

磯波「はいっ」



提督「あんにゃろに何か吹き込まれたんですね?」

磯波「えっ?」

提督「……残念ながら、実際、その……ど、童貞です」

磯波「ふーん……そう……そうですか……」

提督「そういうことですから、放っておいてください」ハァ



小ネタ21


磯波「動かないでくださいね」ホジホジ

提督「あうぅ~~」ムズムズ

磯波「ほら、こんなに」

提督「見せなくていい~~」

磯波「それじゃ、反対です」

提督「……」クルリ

磯波「きゃっ、そのまま回るんですか?」

提督「……」ギュー

磯波「もう……」ホジホジ

提督「いやぁ~~~~」

浜風「あー、忙しい忙しい」シラー

あともう一つ書いてるところだけどそいつは夜にでも
昼間っからはアレなもんなので(意味深)

いや、意味深って書き方はないな……
普通にエロって書けばよかった


小ネタ22

※エロっぽい!嫌いな人は飛ばしてっぽい!


夜...


モゾモゾ

磯波「あっ、提督、ダメですよぉ、浜風ちゃんがいるのに」

提督「大丈夫、浜風さんならお風呂の排水管に詰まってますから」

磯波「でもぉ、んむっ」チュッ

提督「んんっ、ちゅぅ……」

磯波「ぷはっ……もう、えっち♥」

磯波(あの日以来、提督は随分と積極的になりました)


提督「ちょいと失礼」

磯波「きゃっ、もうおっきくしてる///」

磯波(すっかり、そそり立って、立派です)

提督「そりゃもちろん」

磯波「ああ、ダメですぅ、ていとくぅ、ここ触って」フリフリ

磯波(提督に向かってお尻を突き出しちゃいます、だって我慢できないんだもん)

提督「お尻なんか突き出しちゃって、いけませんね」ツンツン

磯波「ひゃっ、そこじゃないですぅ」ヒクヒク

提督「……ちょっとした好奇心がありましてね」クンクン

磯波「あ、あの……恥ずかしい、です……///」

提督「……」レロッ

磯波「ひゃぁ!?汚いですよぉ!」


提督「でもお風呂にはちゃんと入りましたよね」ペロペロ

磯波「んんっ、そう、ですけどぉ、ひっ」ピクピク

提督「実は、こういったものも用意してあるんです」ヌチャッ

磯波「冷たっ!?ああ、何塗ってるんですかぁ」

提督「ちょいとね」

磯波「あひっ!?ゆびが、入ってぇ」

磯波(でも、なんだかヘンです、気持ちいいような)

提督「私のも、気持ちさせてもらいますよ」ヌルッ

磯波「あっ///」

磯波(提督のをお尻で挟んじゃいました、硬くって熱いです)

提督「……」ヌチャヌチャ

磯波「おしり、気持ちいいですか?」

提督「はぁ……はぁ……」

磯波(全然聞いてない、一生懸命擦り付けてきます、なんだか愛おしく思えます)


提督「磯波っ、例えばですが」

磯波「……わかってますよ、入れたいんでしょう?おしりに」

提督「お見通しか」

磯波「ふふ、どうぞ」グイッ

磯波(お尻の穴を手で広げて、恥ずかしいはずなのに……///)

提督「ええ、入れますよ」

ズニュル

磯波「ひぐっ!あっ、がっ……」

磯波(す、すごい……お尻に入っちゃってる……♥)

提督「お、奥まで、入れます」ズズズ

磯波「あ、ちょっと、まっ!」

磯波(すごい、言い表せないけど、目の前で何かがバチバチはじけてるみたい)

提督「ふぅっ、全部、入りましたね」

磯波「おおおお……♥」

磯波(おかしいっ♥初めてのお尻なのにっ♥感じちゃってるっ♥)


提督「動きます」ズンッ

磯波「おっ、うっ」

磯波(すごいぃ、お腹の中が掻き回されてるぅ)

提督「はぁ……ふぅ……」パンパン

磯波「いっ、いひっ、いいっ♥」

磯波(おしりからでたりはいったり、おかしくなりそうっ♥)

提督「こっちの方も、触って欲しいんじゃないですか」クチュッ

磯波「~~~~♥」プシャァ

磯波(いっちゃった♥おしりでっ♥おしりなのにっ♥)ビクンビクン

提督「うぅ、私も」ビュルルッ

磯波「あはっ♥ていとくのえっちなのが入ってきますぅ♥」

提督「はぁ……」ヌポン

タラタラ

磯波(ああ、私のお尻から溢れて……♥)



磯波(ん?お尻から……)





チュンチュン

磯波「痛いっ!」ガバッ

提督「ぎょっ!?」ビクッ

浜風「な、なにが」

磯波「痛い痛い痛ーい!お腹が痛ーーい!」ダッ

タッタッタッタ…

提督「……なんか、変な物でも食べたんでしょうか」

浜風「昨夜、アイスクリームいっぱい食べてましたね」

提督「そうですか……」ハァ

磯波ちゃんの夢シリーズ第二弾
しかし、エロに関しては色々鍛えなければならない。いやエロ以外もだけど

深海棲艦から亡命とかあってもよくね、見た目エロい割りに純情なタ級とか
深海のブラ鎮からレ級頼って逃げてきて、同情したレ級にいっそ亡命進められて
提督も本部送ると生きたまま標本にされそうだから、保護名目で置いてあげるみたいな



事務所


提督「帰るのは明日になります。そいじゃ、お留守番よろしく」

磯波「行ってくるね」

浜風「はい、いってらっしゃい」

バタン

シーン…

この事務所に来て結構経ちますが、完全に一人になるのは初めてになります。

こんなふうに置いていかれると、やっぱり無能感を感じてしまいます。別に二人に不満があるわけじゃないけど。

浜風「……さて、掃除でもしようかな」


浜風「……」サッサッ

一度考えだすと何をやっても気が晴れない。私は考えすぎなのでしょうか?

浜風「……お邪魔します、提督」

ギィ

誰もいないけど。意外にも結構お洒落で洋風な部屋です。割合綺麗なのであまりすることはないのです。

しかし、提督の部屋か。今は誰もいない、よからぬ事を考えてしまいます。

浜風「……ちょっとだけなら」

ガサゴソ

こういう、特殊な職に就いてるからにはなにか裏があるはず、いやなくてはならない。

どっかの提督たちも親が艦娘だったり、実際艦娘だったり、元艦娘だったり、超人だったりするんです。

うちの提督だって何か秘密があるはず。そうでなくちゃ面白くない。

~数時間後~

バタン

浜風「……こんだけ調べて、何もなかった」

書類関係にも、それらしきものは書いてありませんでした。ごく普通の一般家庭で育った人間のようです。

つまりただのロリコンです……ただの……ロリコン……。

さて、次は磯波ちゃんの部屋だ。


ギィ

浜風「……」

同僚なので、遠慮は要りません。先輩ではあるけど。ファンシーな部屋で目がチカチカします。

……そして、汚いんです。

浜風「脱ぎ散らかして……」

あまり行儀がよくありません。提督曰く“そこも悪くない”らしいですけど、男の人の考えはさっぱりわかりません。

箪笥からは何かしらいつもはみ出しています。きちんと畳んで渡してるはずなんですけどね。

そして……

浜風「またか……」

プライベートなことなのでオブラートに包んで言いますが、アレのしすぎです。

その残り香にも慣れてしまった自分になんか嫌気が差します。

ていうかそんなしょっちゅうやるもんですか?あてつけですか?私なんかここに来てからは……。

とにかく、下世話な話ですが回数を控えて欲しいものです。

提督曰く“以前はトイレでやってましたよ”だそうです。なんで知ってんだ。

浜風「……」

して、みようかな……二人もいないし……。


ジリリリリ!

浜風「!」

電話です、いつもは暇なのに。こんな日に限って……。

タッタッタッタ

ガチャッ

浜風「もしもし」

『あのっ!ちょっと、いいですか!?』

浜風「はい、ご用件を」

『えーっと……すぐ来てくれます?』

浜風「もちろん、緊急事態ですか?」

『いや、そういうわけじゃ……』

なんともはっきりしない、向こうから聞こえるのは女の子の声だ。

浜風「それじゃあ、場所だけ教えてください」

『えーっと、公園です……』

浜風「わかりました、すぐ向かいます」

とりあえず、行ってみないことには!


公園


キコキコ

キキィ

浜風「……依頼者は」キョロキョロ

「あ、あの!」

浜風「あ、こんにちは。あなたですか」

少女「どうも……」

浜風「そうですね……あそこのベンチにでも座りましょうか」



浜風「それで、聞かせてください。何があったんですか?」

少女「それは……あそこの宝石店です」

浜風「はあ……あそこね」

今時宝石店なんか儲かるのかな?

少女「いつも私は宝石を眺めるのが日課なんですけど、泥棒を見たんです!」

浜風「泥棒?それで店の人には?」

少女「ええ、言ったんですけど、そんなものは初めからなかったって」

浜風「ふぅむ……おかしな話ですね」

少女「はい、それで不思議に思って電話を……」

浜風「どんな人が盗んだんですか?」

少女「なんというか、真っ白な肌で、黒い服装の……」

……深海棲艦、だろうか。まだ決めるのは早計だけど。

少女「これは、どういうことなんでしょうか……?」

浜風「そうですね……よし、私に任せてください」

少女「お願いします……」

二人の不在な以上、私がやる他ありません。なんとか解決してみせます!

今日はここまでDAAAAAAAAAAAAAA!!

>>860
そのネタいいかもしらぬい
亡命か、思いつかなかった

亡命がありならいっそ、深海側にも国(派閥?)があって、その内の一派が講和の為艦娘側に接触してきた、その相手をして深海側が本気かどうか調べる役を磯波たちがするみたいな。

防諜ってCIAみたいなものでもあるし、そのくらい大きな仕事もいいんじゃないかな



宝石店


少女「……」

浜風「こんにちは」

店主「ま、また来たのか!なんにもないんだ!」

浜風「いえ、私は軍事探偵の者です」

店主「探偵……広川さんのとこかい?」

浜風「ええ、そうですけど」

店主「今から連絡しようと思ってたんだよ!」

浜風「ええ?はあ……」

少女「??」

どうやら、以前にあの二人が訪ねたことがあるみたいです。



浜風「つまり、実際に盗まれた。しかし盗まれたものが大きすぎる……」

店主「そうなんだ、かなりの逸品で借り物なんだよ……」

少女「大騒ぎしたくなかった?」

店主「ああ……嬢ちゃんには悪いことしたね」

浜風「借り物、ですか?」

店主「そうだ。宝石を担保にして知人に金を貸したんだ。相当な額をね」

浜風「その知人とは?」

店主「事件に関係があるのか?」

浜風「それは……わかりません」

これを聞いてもしょうがない、だろうか……?

浜風「……いえ、一応聞いておきましょう」

店主「ああ。一週間ほど前に飲み屋で意気投合してな」

浜風「……はぁ?」

何やってんだこいつ。


店主「い、いや!信用できない人物じゃないぞ!貸した分のいくらかは戻ってきてるしな」

浜風「返す意思がある人物って事は確かなんですね」

店主「まあ……確かに知り合って間もないかもしれんが、関係ないだろ事件には!」

浜風「ふーむ……」

一週間、信頼関係を築くのには不十分な時間だ。一体どういう訳で……。

浜風「ところで、どうやって盗んだんですか?」

少女「あの金庫に入ってたんですよね?」

店主「ああ、そうだ」

少女「その金庫に何か機械をつけて鍵を開けたみたいで、中から宝石を」

浜風「どんな人でしたか?」

少女「うーんと見たらすぐ思い出せるんだけど……真っ白い人で……」

「入るわよ!」

店主「あ、ああ!」

浜風「!」

少女「?」

「あら……!?」


店主「い、いえ!この子達はちょっと遊びに来た子で!あははは……さあ、帰った帰った」

浜風「え?ええ」

この店主の反応、この女に貸したのか……スケベ親父め。

女性[ネ級](なんで、浜風が……!?だ、大丈夫!バレてない!)

女性[ネ級]「ゴホン!さて、また儲けがあったから返しに来たわ」

店主「は、はい……そのぉ……」

女性[ネ級]「なにか?問題でもあったかしら?」

店主「それがですね……」

浜風「担保にしていた宝石が盗まれたんです。何者かによってね」

店主「あ、ああああ!!」

女性[ネ級]「それは本当なの?」

店主「そんな、滅相もございません!」

女性[ネ級]「宝石を見せなさい」

店主「え!?」

女性[ネ級]「見せなさい」

アーーーー!アノヒトーーーー!!

浜風「!?」


少女「この人だ!この車の運転手が宝石を!!」

ヲ級「これはな、ちゃうねん」

浜風「なんですって!?」

店主「それは本当かね!?」

女性[ネ級](み、見られてたなんてぇ~~!ペガサスの馬鹿ぁ~~!)

ヲ級(すまんな)

浜風「さて、どういうことか説明してもらいます!」

女性[ネ級]「うぐぐ……」

店主「ど、どういうことですか!」

女性[ネ級]「逃げろっ!」ダッ

浜風「あ!待ちなさい!」ダッ

ヲ級「君も来な!」ガバッ

少女「きゃっ!?」

浜風「あ!お嬢さん!」

ブロロロ…

浜風「くそっ!」

キコキコキコ

店主「じ、自転車で!?」



シャー

どうしよう!追いかけたって、あの子がいるんじゃ攻撃はできない!

浜風「ど、どうすれば……」キコキコ



ヲ級「ゲェー……自転車で車に……結構飛ばしてるんだけどな」

ネ級「この子どうしよう……」

少女「……」キッ

ネ級「怖い!」

少女「宝石は!?」

ネ級「こ、これですよぉ」スッ

ヲ級「なんで出すの」

ガシッ

少女「……」

ネ級「は、離してくださいぃ」

少女「嫌!」

ヲ級「なんで出したの!」

ネ級「ああ!前!前!」

ヲ級「え?」

キキィーー!

ヲ級「セーフ……」



浜風「スピードを緩めた!よしっ!」キコキコ

このまま車に突入です!

ドガシャーン!

ネ級「な、なに!?うわっ!」

ヲ級「じ、自転車で突っ込んでくんな!」

少女「!」

浜風「その子を返しなさいっ!」

ヲ級「お前そりゃないだろ!」

ネ級「くそ!向こう行けぇ!」ゲシゲシ

浜風「その子を返したらね!車を止めなさい!」グヌヌ

ネ級「艦娘なら、大丈夫だよね……えいっ!」ドカッ

浜風「ああっ!」

少女「お姉ちゃーーーん!!」

ゴロゴロ

ウボァーーーー!

ネ級「……ほっ、生きてる」

ヲ級「やっと追い払ったか。全く、一時はどうなるk」

ガシャーン!!

ドボーン!



浜風「いてて……あぁっ!!あの子は……っ!!」

まさか、海に落ちるなんて!無事だろうか!

タッタッタッタ…

浜風「無事でいて!」タッ

バシャーン

車が沈んでいく、急がなくては!

水の中はあまり好きではないけど、そんなことを考えてる余裕はない。

ガードレールを突き破ったために車の前方はひしゃげてしまっている……。

ガシッ

少女「~~~~!!」

なんとか車にしがみつき、中を覗く。あの子は無事のようだ。

浜風「……!」

ガシャッ!

後ろのドアを拳で突き破り、なんとかこの子を引きずり出した……。



浜風「ぷはぁ!!」

少女「はぁっ!」

浜風「大丈夫?怪我は?」

少女「……」フリフリ

浜風「そう……よかったぁ……あれ?それは……」

少女「宝石」

浜風「取り返したんですか……?」

少女「ふふん」ドヤッ

浜風「……」ニコッ

ザバァ

浜風「はぁ……なんとか、なってよかった……」

少女「お姉ちゃん!それ!」

浜風「ええ?」

ああ、全身が傷だらけで血が流れている。車から転がり落ちた時についたのだろう。艦娘にとっては大した傷ではない。

浜風「ああ、大丈夫ですよ。艦娘はこんなものじゃ」

少女「早く、病院行かないと!」

浜風「だ、大丈夫ですって」

少女「う~……あ!それじゃあ、ここからは私の家近いし!洗うだけでも!」

浜風「は、はあ……」

断れない……。



ネ級「よかったぁ……あの子も無事に助かったみたい」

ヲ級「な~んでいっつもこんな目に遭うんだろう……」

ネ級「悪いことするからバチが当たるんですよぉ」

ヲ級「そんなもんかなぁ……」



少女宅、風呂場


シャー

少女「大丈夫?痛くない?」

浜風「はい。大丈夫です」

艦娘は多少の傷じゃビクともしない。痛覚はあるけど慣れてしまえばいい。

少女「……」パシャパシャ

それでも彼女は、できるだけ刺激の少ないようにお湯をかけてくれる。

少女「それじゃあ、前ね」

浜風「えっ?」

答える間もなく前に回られる、流石に前は恥ずかしい、かな。

少女「……大きいねぇ」

浜風「ま、まあ……なぜか大きくなっちゃって……」

大きくても邪魔なだけ、なんて言ったら怒られるんでしょうね。

少女「触っていい?」

浜風「ええ?……ちょっとだけなら」

少女「うん……」ゴクリ

モミッ

浜風「っ……///」


少女「すごい……」

って!これじゃまるで同性愛です!でも、なんか悪くないような……いや!そんな!

浜風「あっ……やめっ……///」

少女「あ、ごめん。痛かった?」パッ

浜風「い、いや……その……」

少女「……」

浜風「……」

……なんだこの空気は!おかしい!いくら私が男の裸に嫌な思い出があるからって、ソッチに振れちゃうのも変です!

ゴシゴシ

少女「……」ジー

なんですか、その熱のこもった視線は!



宝石店


店主「ああ、どうもありがとう。またしてもあなたたちに助けられました」

少女「はいこれ」

店主「……思ったんだが、これは元々私のものではないんだよ」

少女「ええ!?」

浜風「……お嬢さん、いつも眺めてるっていうのはどれ?」

少女「あの、ペンダントですけど」

浜風「店主さん、これとそのペンダント、交換ってわけにはいきませんか?」

少女「!」

店主「も、もちろんだよ!というかおつりが出るぐらいだけど、いいのかい?」

少女「いや、ペンダントだけでいい」

店主「そうか……ありがとう」

浜風「これで一件落着でしょうか」ホッ



この子に怪我もなく無事に解決してよかった……。

にしても、深海棲艦はこんな詐欺師まがいのこともするんですね。

結構みみっちい連中、とは提督から聞いていましたが。

ともかく、私にだってできることはある、と自信が出てきました。

次なる任務もきっとやってのけてみせます!


次回に続きます!

今日はここまで


>>874
一応設定上、人類、深海ともに派閥争いはあるっぽい。全然話に組み込めてないけど
スケールのでかい話は今考え中、あと俺はCIAよりもMI6を推したい

忘れてた、次回の発明品アイデアを募りたかったんだった。次回といっても小ネタを挟んでだけど
↓いくつかからコンマの高いやつで

好みのタイプがわかる装置

重ね重ね申し訳ない
いくつか、じゃダメだったね
期限としてあと下1ぐらいにしときます
大変申し訳ない

この場合は>>897案となるよね
了解


小ネタ23


磯波「……」モゾモゾ

ガチャッ

磯波「!?」ビクッ

浜風「また!毎日毎日喘ぎ声聞かせて!」

磯波「え?は?あ、喘ぎ声とか聞かせてませんけど?」

浜風「聞こえてるんですよ!」

磯波「は?なんで?」

浜風「なんでじゃない!」

磯波「!」ビクッ

浜風「はぁ……もう」

磯波「してないよ!オナニーなんか!」

浜風「誰もオナニーなんて言ってないし……」

磯波「き、聞き耳立ててる方が!」


浜風「もう一度言います。聞こえてるんですよ!」

磯波「……ほんとう?」

浜風「本当です……オナニー覚えたての中学生ですかあなたは」

磯波「うぅ……」

浜風「あと、臭いもあるんですから換気してくださいね」

磯波「きゃー!!もうやめてーー!!///」

浜風「だいたいよくもそんな毎日クチュクチュクチュクチュ飽きもせずしますね、バカなんですか!?」

磯波「そんな言い方しなくてもいいじゃん!!」

ギャーギャードタバタ


提督「……なんかうるさいですね」



小ネタ24


浜風「ところで、二人はどんな事件だったんですか?」

提督「ええ、連中の二人、レ級とソ級が現れましてね」

磯波「見せてやりたかったなぁ、私の活躍」

提督「磯波が襲い来る敵をバッタバッタとなぎ倒して、ついに追い詰めた!かと思えば血沸き肉踊るカーチェイスですよ」

磯波「そりゃあもう、ハリウッド映画ばりの大アクション!」

浜風「は、はあ……」

提督「いや、ほんと、最後のスカイダイビングもすごかったですよ。連中を仕留め損ねましたがね」

磯波「あれは、肝を冷やしましたよ」

ハハハ…

浜風(一体、何をしてきたって言うんですか!?)ガビーン

今日はここまで
よく見ると>>900超えちゃってるじゃないの!



深海アジト


ウィーン

レ級「ほう、こんな開発室を作っていたのか」

ヲ級「まあね。こないだの件は失敗はしたけど、金は手に入ったからね」

レ級「ふーん。それで?こんなもの作ったからには素晴らしく役に立つ発明品を作ってくれるんだろうな」

ヲ級「もちろんさ、まずこれ見てよ。物体増減光線銃」

レ級「……何?」

ヲ級「えーっと、ビッグライトとスモールライトが組み合わさったやつ?」

レ級「ああ、なるほどね。こいつは使えそうだ」

ヲ級「なんと、目標物を上は100.000000000023%、下は99.99999999997%の大きさにできるんだよ!」

レ級「……いや、科学とかそういうのの進歩的にはすごいんだろうけど、悪いが役に立たないな」


ヲ級「それじゃあこいつ。くまさんぱんつ透過装置」

レ級「……一応聞いてやる。なんだそいつは」

ヲ級「この装置を使えばくまさんぱんつを透明にできるのさ」

レ級「ふーん……」

ヲ級「ただし、弱点があって、3秒しか効果が続かないという点だ」

レ級「もっと他に弱点あると思うがね……他は」

ヲ級「じゃあ好きな夢を見られる枕」

レ級「比較的マシだな」

ヲ級「でも予約でいっぱいなんだよね。ほらあそこ」


ソ級「ふみゅ~~……♪」zzz


ヲ級「ね?」

レ級「我が輩も予約しとく。それで、他には?」


ヲ級「こいつはすごいよ、ポータルガン!」

レ級「ポータルガン?あのポータルガンか!?」

ヲ級「そう!」

レ級「すごい!早速試してみてくれ!」

ヲ級「……」

レ級「どうした?」

ヲ級「これは全部理論上のお話でね。例の特殊な塗料が無いから使えないのさ」

レ級「……なんで作ったんだ?」

ヲ級「それじゃあこいつ。海洋生物コントロール装置」

レ級「聞けよ」

ヲ級「こいつは海洋生物の思考をハッキングして自在に操ることができる。もちろん複数可能だ!」

レ級「ほう!いいじゃないか!」

ヲ級「まだ開発途中だが、先日ついに裸鰓類のコントロールに成功した!」

レ級「裸鰓類(らさいるい)?」

ヲ級「ウミウシだよ」

レ級「……次」

ヲ級「わがままだなぁ、じゃあこれは?睡眠誘導デンパ放射装置」

レ級「ほう!いいじゃないか!」

ヲ級「でもこれなぁ……無差別に効くんだよ。無効化する手段なし。試してみる?」

レ級「いや、やめておこう……範囲は?」

ヲ級「直径2m」

レ級「じゃ捨てとけ」


ヲ級「それじゃ、これはどう?好みのタイプがわかる装置」

レ級「……」

ヲ級「目標の深層意識に呼びかけ、好みのタイプを聞き出す装置さ」

レ級「苦手なものとかは?」

ヲ級「深層意識に、だからね。嫌なものは言いたがらない」

レ級「ふーん……」

ヲ級「銃型にしてあるから、ほらこれ」

レ級「これで、好みのタイプを聞けと?聞いてどうする」

ヲ級「さあ?」

レ級「おい!」

ウィーン

ネ級「あ、ここにいたぁ」

レ級「ネ級……そうだ!思いついたぞ!」

ヲ級「ええ?よく思いついたねそんなので」

レ級「ちょっと回りくどいが、こいつで好みのタイプを聞き出し、ネ級がそれに変身する!」

ネ級「ええ?」

ヲ級「ほうほう、それで」

レ級「そして誘惑し、人間関係を破綻させてやるのだ!」

ヲ級「なるほど」

レ級「我ながら、天才的だと思うな」

ネ級「よくわかんないですけど、ごはんですよぉ」

「「はーい」」



後日、七光鎮守府


ヲ級「まず最初の標的……あの男だ」


七光提督「ふんふふ~ん♪」


レ級「よし、発射!」バシュン


七光提督「……ん?」ビリッ


レ級「当たったぞ」

ヲ級「そして、ここのモニターに映し出される!」

『ザザザザザザザ』ピピーガガー

レ級「どれどれ……」

『僕の好みのタイプは……ズバリ……』

レ級「なんかムカつくな」

ヲ級「本人の脳に直接聞いてるからね、どうしてもこうなる」

『おっぱいが大きい子がいい!あ、違う!優しくて可愛い子がいい、です!はい!』

レ級「……」


ヲ級「残念、君は対象外だったみたいだね」

レ級「殴るぞ」

ヲ級「まだ続きがあるみたい」

『だって!瑞鶴も、大和も、如月も、翔鶴も、夕張も、誰か選べって、そんなん無理だし!』

ヲ級「らしいよ」

レ級「……こいつ女だったら誰でもいいんじゃないか?」

ネ級「どうしますかぁ?」

レ級「適当な美人に変身して、引っ掻き回してやれ」



七光提督「さて、散歩もほどほどに仕事に戻るか……」

「こんにちは~♪」

七光提督「ん?ここは関係者以外は……」

美人[ネ級]「あの、神谷提督ですよね?」

七光提督「ええ、私があの神谷です」キリッ

美人[ネ級]「ファンなんです!だからついここに忍び込んじゃって……」

七光提督「ははは、いいんですよ。美人ならいつでも大歓迎だ」

美人[ネ級]「やだ、美人だなんて……///」

七光提督「さ、中へどうぞ」

美人[ネ級]「そうだ、ここ、案内してもらっていいですか?」

七光提督「ええ、もちろん」

美人[ネ級]「やった!」ガバッ

七光提督「おっと」(うひょ~~~おっぱいでっけぇ~~~~!)

美人[ネ級]「じゃ、早速!手繋ぎましょう!」ギュッ

七光提督「はい、喜んで」


ヲ級「上手くいったね」

レ級「思うんだが、あいつもかなりの演技派だよな」

ヲ級「うん、ビックリ」



工廠


七光提督「さぁ、こちらが工廠」

美人[ネ級]「へぇ~~」

夕張「あ、ていと……く……」

七光提督「あ、夕張、邪魔して悪いね、続けて」

夕張「……誰ですかその人」

七光提督「ああ、この人は」

美人[ネ級]「次、行きましょ!ね?」チラッ

夕張「……」ムスー

七光提督「ああ、わかったからそんな引っ付かないで、アハハ」デレデレ

夕張(な、なんなのあいつ!!な、馴れ馴れしいんじゃボケ!!)グヌヌ



入渠ドック


七光提督「ここが入渠ドック」

美人[ネ級]「へぇ~お風呂なんだぁ」スルッ

七光提督「お、おい君」

美人[ネ級]「え?入らないの?」

七光提督「は、入らないのって……いいの?」

美人[ネ級]「一緒に入りましょうよぉ!」

七光提督「そ、それじゃあ……」

如月「司令官?」

七光提督「あ、如月……」

如月「その女の人は……?」

七光提督「い、いや、そのー」

美人[ネ級]「なに?妬いてるの?」

七光提督「あぅ、ハハハ……」

如月「……部屋に戻ります」スタスタ

七光提督「き、如月……」

美人[ネ級]「さ、入りましょう?」

七光提督「いや……やめとく」

美人[ネ級]「あら、残念」


ヲ級「な、なんか気の毒になってきた」

レ級「もうやめだ!やめやめ!見ていられん!」



ヲ級『そんぐらいでいいだろ!戻ってきて!』

美人[ネ級]「……?了解」

七光提督「はぁ……」

美人[ネ級]「それじゃ、私用事があるから帰りますね~。さよなら~」

七光提督「う、うん……」




ヲ級「だ、誰があそこまでやれって言った!」

レ級「そうだ!可哀想じゃないか!」

ネ級「ええ?やれって言ったのは二人ですよぉ」

ヲ級「Shut up!やれとは言ったけどね~~!」

レ級「お前はほどほど~っていうのがわからんのか!」

ヲ級「そうそう!」

ネ級「え、ええ~~?」ガーン

今日はここまで
自分で書いといてなんだけど、七光提督の事どうしよう、もう鎮守府帰れないだろこれ……



事務所


ジリリリリ

提督「もしもし。ああ、神谷中将。え?はあ、ええ、別にいいですけど」

ガチャン

浜風「中将から?」

提督「なんでも、鎮守府にいられなくなっちまったそうです」

磯波「へー、何したんですか?」

提督「さあね、ロクでもないことじゃないですかまた」


レ級「さて、今度こそあいつだ。やりすぎるなよ?」

ネ級「は、はい」

ヲ級「よし、発射」バシュン


提督「あ、落ちましたよ」ヒョイ

浜風「すいま……せん?」ビリッ


レ級「あ、外した」

ヲ級「まあいい、浜風のも見とくよ」

『違う!私はレズじゃない!ましてやここで私がロリコンだなどと……』

レ級「……レズでロリコン!?」

『いや、でも、男も嫌だし、そうなったら女の子しかないわけで……』

ヲ級「どうやら、葛藤があるらしいね」

『ぐうう……これじゃ、提督と同じ穴の狢じゃないか……!』

ネ級「あ、広川もやっぱロリコンって事で通ってるんですね」

レ級「知ってた」


ヲ級「それじゃ、今度こそ当ててやる!」バシュン


磯波「あ、コーヒーいります?」スタスタ

提督「牛乳と砂糖多めで」

浜風「私は砂糖だけで」

磯波「はい……ん?」ビリッ


レ級「下手くそ!」

ヲ級「今のは前横切られたんだから!」

レ級「……まあ、見とくか、磯波も」

『私の好みはもちろん……♥』

レ級「うざっ」

『それはね、気になる?それはね~~☆』

レ級「どうせアイツだろ」プチッ

ヲ級「ああ、切っちゃった」

レ級「だってお前これ……なんだこれ」

ネ級「あ艦これ」


レ級「今度は我が輩が撃つ……それ!」バシュン


提督「……おや?」ビリッ

磯波「提督?」

提督「いえ、気のせいです」


レ級「よし!当たった!」

ヲ級「まあ、ロリコンだろうけど」

『黒髪、派手すぎない、胸は小さい、背は低い、それが絶対』

レ級「ええ……」ヒキッ

ヲ級「見た目の割にオタクみたいな奴だな、ちょっと引くわ」

レ級「ああ、なんかイメージ変わったな……」

ヲ級「しかし、“絶対”とはおかしな話だ、そこまで厳しい条件の人はそうはいないはず……」

レ級「何か理由でもあるのかね」

ネ級「それじゃあ、行ってきますぅ」



「やあ、覚えていますか?」

「艦娘のねーちゃんじゃん!」

「そうです、ここ数年寂しかったでしょう」

「別に」

「あら、そう」

「なにしてんの?」

「何しに来たわけじゃありませんがね」



「へー、じゃあ女の子はそういう人がいいんだ」

「そうです……ふふふ……こんな黒髪でね、派手じゃない子がね……私みたいに……」ニヤニヤ

「じゃあねーちゃんはモテるんだね?」

「……そ、それはもちろん、ええ。モテモテですよ」

「ふーん」

「だから、ふふ、ちょっと……遊びに行きませんか……二人きりで……」ニヤニヤ


「おい!」

「げっ、お姉さん」

「何やってんだお前!」

「違うんですよこれは、ね、ねえ!」

「うちの妹が悪かったな男前くん」

「俺は別にいいけど」

「ほら!いいって言ってますし!」

「はぁ、お前のショタコンも入渠ドックで治ればいいんだがな」

「ショタコンって?」

「ああ、君は知らなくていい」

「ま、また明日会ってくれますね!?」

「懲りん奴だな!お前は!」

「別にいいよ、俺は」

「やった!」

「絶対鎮守府から出さんぞ!!」

しかし彼女は何度も鎮守府を抜け出し、私に英才教育を施した。彼女は私を自分の虜にしたかったんでしょうね。

ですが、その人もその人でついに私を手篭めにし損ねた。


「ねーちゃん、俺は提督になるよ」

「……はぁ?」

「提督。だから中学はどこか遠くに行く」

「そ、そんな、提督にだなんて、いいことなんか一つもないですよ?」

「それでもだよ」

「決意は、固い、ようですね……うぐぅ」

まっ、当時の私としてはなんのことかわからず、ただ遊びに連れて行ってくれる姉ちゃんって認識でしたけどね。

そうして彼女の想いなんざ知らなかった私は遠くの中学へ行き、提督になりました。まあ、後方勤務ですが。



提督「結果、これが生まれたわけです」

磯波「その艦娘ってかなりロクでもないですね」

提督「今思えばそうですね」

浜風(……もしも、磯波ちゃんに振られたらどうすんだろこのおっさん。いや悪いのはその艦娘だけど)

磯波「でもどうして、そんなことを急に?」

提督「さあね、気まぐれでしょう」


ピンポーン

浜風「私が出ます」スタスタ

ガチャ

「こんにちはー!」

浜風「あら……いらっしゃい」

ロリ[ネ級]「上がっていーい!?」

浜風「ええ、どうぞ」

ロリ[ネ級]「わーい!」

トテテー

提督「おや、これは小さなお客様だ」

磯波「こんにちは、どうしたの?」

ロリ[ネ級]「遊びに来ました!」ガバッ

提督「はは、こりゃ元気だね」

磯波「……そう、ふーん」ジー

ロリ[ネ級]「えへへー」ギュー

提督「お嬢ちゃん、おじさんたちに何か用かな?」


ロリ[ネ級]「んーとねー……」スリスリ

磯波「……」ジー

提督「ああ、ちょっと離れてもらえるかな。そんなに引っつかれちゃ、落ち着いて話もできないよ」

ロリ[ネ級]「いやー♪」

浜風「ぐぅ……」

提督「どうしました浜風さん」

浜風「いや……別に……」(ダメだ!ここで私がロリコンだなどと……!耐えろ!)

提督「あ、そう。それじゃあ、そのままでいいから用事を聞かせてもらえないかな」

ロリ[ネ級]「んーとねー、お兄さんに一目惚れしたの!」

磯波「は?」

提督「おや、そいつは困っちゃったな。残念だけど、おじさん好きな人がいてね」

ロリ[ネ級]「いや!お兄さんじゃなきゃ!」

提督「いやいや、おじさんよりいい人は世の中たくさんいるよ」

磯波「そうそう!そうです!こんなやつよりいい人いっぱいいるよ!」

ロリ[ネ級]「むー」

提督「それに君はまだまだ若いじゃないか。出会いも沢山あるだろうし、そこでいい人と巡り会えるかもしれない」

ロリ[ネ級]「……」

提督「だから、ね?」


ロリ[ネ級]「うん……」

磯波「……ホッ」

ロリ[ネ級](し、しまったぁ!普通に言いくるめられた感じになってしまったぁ!)

浜風「……」ジー

ロリ[ネ級]「ひっ!か、帰ります!」スタター

浜風「あっ……」シュン

提督「……彼女どうしたの」ヒソヒソ

磯波「この間からちょっとヘンで」ヒソヒソ




ネ級「ロリコンには勝てなかったですよぉ……」

レ級「……しょーがない、今日のところは出直すとするか。元はと言えば発明品が悪い」

ヲ級「ちょっと!そんなこと言う!?そりゃないでしょーー!」


次回に続きます...

色々詰め込んだ結果、何とも言えない感じの話になってしまった
まいっか!次行こう次!

地味の判断は置いといて、意外と該当者はいた
三日月、吹雪、初雪、深雪、磯波、暁、初霜、朝潮、霰、時津風、谷風、早霜
でも磯波は言うほど小柄でもないし
背が低い=駆逐艦、って感じにしとこう!そうしよう!

そういえばまるゆもいた

スレの残りも少ないのに明日まで待つのはムズムズするので投下

小ネタ25


事務所


ピンポーン

提督「はいはい」

ガチャ

七光提督「……広川くん!」

提督「さて、何をやらかしちゃったんですかね」

七光提督「実は……」

カクカクシカジカ

七光提督「というわけなんだ」

提督「よくもまあ……いえ、来た人を追い返すような真似はしたくありませんから」

七光提督「うぅ……情けない……」

提督「一つ言っておきます。私の磯波と浜風さんによからぬことをしたらぶっ飛ばしますから、ね!」ゲシッ

七光提督「いてっ!わ、わかってるよ」



七光鎮守府


瑞鶴「はぁ……提督さん、またかぁ」

大和「よく持った方だとは思うけど……」

瑞鶴「でもねぇ……」

翔鶴「いつものことじゃない、ねえ」

瑞鶴「いつものことだからって!そりゃあ、男の人だから女性にデレデレするのはしょうがないのかもしれないけど……」

夕張「たったの三ヶ月!大人しいかと思ったらまた女の人に、お風呂入ろうとしたんですって!」

如月「……その女の人、胸もかなり大きかったわぁ」

翔鶴「みんな思い出して、提督との思い出を……」


『いいじゃないかお尻ぐらい、減るもんじゃないし』

『あーっ、手が滑った!ごめんな、服濡れちゃっただろう?着替えなら用意してあるよ……メイド服!』

『あら入ってる?ごっめーん!お風呂の時間勘違いしてたー!』

『今日は激しい雷雨だから心配でね、一緒に寝てあげるよ』

『帰投したらまず怪我がないかくまなくボディチェック、提督の勤めさ』


瑞鶴「ぶっ、くくく……ろ、ロクな思い出がなかった……」クスクス

翔鶴「攻撃隊発艦、目標は提督、探し出してぶちのめして」バシュッ

ブゥゥゥゥゥン…


数日後の事務所


ピンポーン

磯波「はいはい」

ガチャ

彩雲「すみません、神谷中将は」

磯波「ああ、こちらにいらしてますよ」

彩雲「わかりました。おーい!見つけたぞー!」

ブゥゥゥゥゥゥン!!

アッ!ショウカクノコウゲキタイ!?ヤメテ!

ズドドドドドン!

アアアアァァァァァ…

ブルルルルルン…

七光提督「」チーン

ズリズリ

磯波「……帰っちゃった」

浜風「何ですか一体!?」

提督「困るなぁ新築なのに」

磯波(あの人中将なのに全然敬われてないよーな……)



小ネタ26


憲兵隊詰所


あきつ丸「はぁー忙しいであります」カキカキ


「ねえ、聞いた?あの話」

「今あきつ丸さんいるしよそうよ……」


あきつ丸「むむ?」


「やっぱりさ、あの広川提督、ロリコンだって!」

「う、うん。なんとなく知ってたわ」

「そうだろうと思ってたのよ、最初から」

あきつ丸「……」


「あ、あきつ丸さん!?」

「お勤めご苦労様です!」

あきつ丸「そ、そんな……広川殿……ロリコンだったなんて……」

「ほ、ほら!ショック受けたじゃない!」

「ていうか逆に今まで知らなかったのかよ……」

あきつ丸「自分のスタイルを見て全然靡かないどころか無反応だったし、薄々は感づいていたであります……」

「あー……」

あきつ丸「ちくしょー……であります……」ショボーン

「だ、大丈夫ですよ!いい人いますよ!少なくともあいつよりは!」

「そうそう!幸せになって見返してやってくださいあんなロリコン!」

「ロリコンなんかくっせえやつばっかりなんすよ、ほんとあいつくっせえっすから多分、知らんすけど」


あきつ丸「そ、そうでありますね……自分、恋に恋してたであります!」

「その意気ですよ!」

あきつ丸「よし!もっといいイケメンを見つけるであります!」

「おー!」

あきつ丸「そうと決まれば……?」ビリッ

「ん?どうしました?」

あきつ丸「いえ、別に……」



『ズバリ、イケメンであります!自分面食いでありますから!』

レ級「潔くてよろしい」

一旦停止



小ネタ27


店長ツ級「今月の売上も上々のようね!」

ト級「この調子で第二店舗を出してみるのも良いかもしれません」

店長ツ級「そうね……いや。慎重にやらなければならないわ」

リ級「その点ならばご安心を。品質、衛生管理は万全です。なんせ一度踏み込まれれば全ておしまいですから」

カ級「地域住民の評価も良好ですが、一つ重大な問題があります」

店長ツ級「何?言ってみなさい」

カ級「実は……現在就職難の時代でして、市から是非とも店員やバイトを雇って欲しいとのことでして……」

店長ツ級「なんですって?」

カ級「そうなれば、人件費も上がって売上が落ちてしまいますし、管理の手間も増えます」

ト級「しかし“地域と密着”、がモットーですからね我々は」

店長ツ級「そうね……よし、受け入れましょう」

カ級「本当ですか!しかし……」

店長ツ級「言ったでしょう?私たちは“地域と密着”をモットーとしているわ。裏切ることはできない」

ト級「それでは会議後に早速システム構築に取り掛かります!」


リ級「それからもう一つ私からも、惣菜の味です。これがかなり不評でして……」

店長ツ級「……先月も、同じ事を言ってたわよね」

リ級「は、はあ……しかし」

バンッ!!

店長ツ級「あなた、ふざけているの?すぐに料理人でもなんでも連れてきて味を研究なさい!!」

リ級「それにはコストが……」

店長ツ級「ひと月ぐらい赤字でも潰れたりはしないわっ!!会議が終わったらすぐに行動に移りなさい!!」

リ級「も、申し訳ありません……」

店長ツ級「……それじゃあ私からも。先週来た中学校の職場体験の話、あれ受けることにしたから」

カ級「従業員の負担が……」

店長ツ級「あなた?もう一度言うけど、私たちのモットーは“地域と密着”。職場体験ぐらい当然でしょ?」

カ級「はあ、ごもっともです」

店長ツ級「他に何かある?……無いみたいね。それじゃあみんな、仕事に戻りなさい」

「「「はい!」」」


深海商店の早朝会議。幹部たちの朝は早い。

よく見たらあと50もあったでござる。なんか、980ぐらいと勘違いしてた……
とりあえず今回の投下はここまで



小ネタ28


磯波「…………」

『おや、そいつは困っちゃったな。残念だけど、おじさん好きな人がいてね』

磯波「ど、どういうことなの」

浜風「どうしました?」

磯波「提督の言う好きな人って誰だろうって……」

浜風「……。さぁ?近くの黒髪で派手すぎず胸が小さい駆逐艦を探してみればいいんじゃないでしょうか」ハァ

磯波「…………は、初霜ちゃん」

浜風「そうきたか」

磯波「初霜ちゃんが好きだったなんて……」

浜風「どういう人なんですか?」

磯波「隣の鎮守府の駆逐艦で……まああんまり会うことはないんだけど……」

浜風「じゃあ、違うでしょ」

磯波「でも!万が一!万が一もしかすると!?」

ピンポーン

ワタシガデマスヨー

磯波「!」ダッ


提督「おや、初霜さん」

初霜「こんにちは、ちょっと提督からお届けものでして」

提督「それはどうも。お礼にお茶を一杯ご馳走しますよ、中へどうぞ」

初霜「それじゃ遠慮なく……」

磯波「っしゃおらーーーー!!」グワッ

初霜「えっ!?」サッ

磯波「ぶべっ!」ドテッ

提督「磯波、やけに今日は元気ですね」

初霜「ど、どうしたの?」

磯波「こ、この子が!この子がいけないのよ!」

初霜「ええ!?」

提督「どういうことですか?」

磯波「だってこの……ぐぅ……!」


浜風「ああ、提督」

提督「浜風さん」

浜風「……」ゴニョゴニョ

提督「ふんふん……なるほどね。初霜さん、申し訳ありませんが今日のところはお引き取りお願いできますかね」

初霜「え、ええ」

提督「こんがり焼けたお餅のいい香りがしてきたと思いませんか?」

初霜「ええ?……あ~~!それなら邪魔しちゃ悪いわね♪頑張ってね磯波ちゃん♪」

磯波「う、うん……?」

ガチャ、バタン

提督「磯波、いきなり飛びかかるのは良くないと思いますよ」

磯波「だって……提督は……そのぅ……」

提督「はぁ……何やら思い違いをしているようですが、初霜さんとはなんでもありませんよ」

磯波「え……」

提督「そもそも、今回話したのが初めてだったかな、彼女のこと何も知らないのに」

磯波「……そっか!そうですよねー!あははー!」

浜風(普通に考えたらわかるでしょーが……ていうかその初霜ちゃんに自慢げに提督の話してたの自分じゃないですか!?)

残りが中途半端なので小ネタを投下していくっぽい
今日中にまた投下するかも

浜風の男性不振を直してレズの道から愛人候補に修正してあげたいな



小ネタ29


ブラック司令「ふーむ……」

天龍「おいおい、どうしたんだよ。珍しく資料とにらめっこか?」

ブラック司令「……」

天龍「出た、お得意の無視。せっかく部下が戻ってきてくれたんだから、なんか一言ないのかよ」

ブラック司令「……無駄口を叩きおって」

天龍「へいへい、艦娘は兵器でございましたねー、オレはそれでもいいけどよ」

ブラック司令「……」

天龍「艦娘を死ぬ寸前まで出撃させてたあの中将殿が、考え事ってんだから似合わないなぁ」

ブラック司令「おい」

天龍「なんだよ」

ブラック司令「貴様は、深海棲艦が豹変するところを見たか?」

天龍「豹変?……見たことはない、だが話によると一度沈めた棲姫が再び姿を変えて現れた、ってのなら聞いたことがある」

ブラック司令「誰が言っていた?」

天龍「さぁ?空母だか戦艦だかの連中だよ、だがそれがどうした?」

ブラック司令「出かけるぞ、菊月と若葉を連れてくるんだ」

天龍「お、おい……なんだよ、珍しいな」

ブラック司令(……深海棲艦と艦娘が対の存在ならば、艦娘にも豹変、覚醒のギミックは存在するはずだ。あのネ級のように!)

天龍「なんか変なもんでも食ったのかよぉ」

ブラック司令「黙れ、早く連れてくるんだ」


ブラック司令はあくまで社畜的なブラックであった!というかこのスレ的にはそれ以上ブラックにしようがないのだ。



小ネタ30



磯風「やっと、出られた……全く、疑いが晴れたのに忘れられてるとは……」

……

磯風「そうだ!浜風のところへ行かなくては!心配だったんだ、変な提督に引っかかったとかで!タクシー!」

アイヨー

磯風「広川ってやつの鎮守府に」

ブルルルル…



事務所


ピンポーン

浜風「はい」

ガチャ

「どーも!こんにちはーです!」

浜風「……はあ」

「浜風ちゃんですかー!磯風来てないですか?」

浜風「いえ、来てないですけど」

「あれ。おっかしーですね……これは事件ですよきっと!」

浜風「ええ!?」

提督「何の騒ぎですか」

「やっほー!こんにちは!」

浜風「なんでも磯風を探しているらしくって」

提督「磯風?ロボ磯風なら知ってますけどね」

「ろ、ロボ磯風!?なんですかそれめっちゃ気になります!」

提督「それはともかく、誰です貴女は」


「あ、私は磯風の提督、少佐です!こう見えて私立探偵をやっているんです!」

提督「へー……なんだかシンパシーを感じちゃいます」

浜風「変わり者は二人いたってことですか?」

提督「そうとも言う」

探偵提督「つまり、あなたも?」

提督「まあ、私は軍事探偵、防諜が専門ですがね」

探偵提督「なるほど……」

磯波「どうしたんですか?」

提督「珍妙な客人です」

探偵提督「どーも!少佐です!」

磯波「はあ、どうも」

探偵提督「そんなことより!新しい友達ができたらパーティーですよ!」

提督「いや、御免こうむります」

探偵提督「……なんで?」

提督「なんでって、あんたいっつもそやってパーティーしてるの?」

探偵提督「そうだよー!」

提督「楽しそうなお誘いですが、残念、仕事が入っちまって」

磯波「ありませんよ?」

提督「入ってるんですよ」


探偵提督「そりゃ残念!じゃ、また今度ねー!バイバーイ!」

バタン

提督「……はぁ」

ガチャッ

探偵提督「あ、そうそう、磯風ちゃん見つけたら知らせてね!はいこれ連絡先!見つけてくれたらパーティーだよ!」

バタン

提督「……」

浜風「……」

磯波「……」

提督「こうやってまた、新キャラ増やしても持て余すだけだと思うんですがねぇ」

ピンポーン

提督「また誰か来た……」

ガチャ

磯風「浜風はどこだ!?」

浜風「……」

磯風「おお!浜風!」

磯波「……電話、しなきゃですね」

提督「でもパーティーって……私嫌ですよ」

浜風「じゃあ、見なかったことにしましょう」

バタン

磯風「え!?なんでだ!?ちょっと!開けてくれよ!浜風!」ドンドン

「パーティーならどっか他所でやれと伝えてくださーい」

磯風「パーティー?まさか司令か!その事なら私が謝るから!ねえちょっと!」

磯風は完全に忘れていたのだった……
次スレどうしようかな

【艦これ】提督「磯波、事件です!」磯波「はいっ!」
【艦これ】提督「磯波、事件です!」磯波「はいっ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429453375/)

とりあえず次スレです。みんなで見ようね!

ちょっと早かったかもしれん……
ま、いいか!立ててしまったものはしょうがないし!

>>965
それもいい考えだけど、提督のロリコンを直さなければならないから
多分険しい道のりになりそう

本格的にちょっと立てるの早かったかも……



小ネタ31


叢雲「磯波ったら、元気にしてるかしら」

白雪「無沙汰は無事の便り、と言いますから」

叢雲「そう?だといいんだけど」

吹雪「もう結構経つよね、向こうに行ってから」

初雪「信じて送り出した妹が」

深雪「だからそれやめろっての!」

初雪「でも、あながち間違ってない、かも」

叢雲「こないだ行った時で、あんだけ懐いてるんなら」

吹雪「今頃は……」

白雪「ひょっとしたら……」

深雪「そ、そこは!大人だからきっと守ってくれるだろ!最後の一線は!」

叢雲「やっぱり心配!」


初雪「また行くの?今度は一人で行ってね」

叢雲「え、ええ!?誰かついてきてくれないの!?」

吹雪「遠征があるし」

深雪「大体さぁ、一人で電車乗れるようになれよ」

叢雲「無理よ!無理無理!だってどっち乗ったらいいかわかんないし!」

深雪「バカかお前はー!?こないだも説明したじゃん!三回ぐらい!」

叢雲「いや、あんなん……無理でしょ!?」

白雪「まあ、今のところは諦めるしかありませんね」

吹雪「だね。またみんなが暇な時に」

初雪「私は、別にいいや」

叢雲「……そうよ!来てもらえばいいのよ!」

吹雪「ええー?それこそ、司令官の許可もいるし」

叢雲「あたしたちみたいに近くのホテル取ればいいじゃん!」

初雪「……ラブホみたいなとことかあったよね」

叢雲「やっぱダメよ!」






提督「……おや?」

磯波「どうかしましたか?」

提督「いえ、もうそんな時期なのかな、と」

磯波「ええ?」

提督「いえいえ、こっちのお話です」

ジリリリリリ

浜風「はい……あ、提督、電話です」

提督「代わりましょう。もしもし……なるほど、すぐ向かいましょう」

ガチャン

提督「磯波、浜風さん、どうやら事件のようです」

磯波「防諜ですか?」

提督「防諜です。さて、行きましょうか。連中が首を洗って待ってることでしょう」

「「はいっ!」」









磯波「ところで、帰りにアイス買ってもいいですか?」

提督「お腹壊すからダメ」

というわけでこっちの投下はこれで最後です
2スレ目もよろしくね!みんなで見ようねぇ!

【艦これ】提督「磯波、事件です!」磯波「はいっ!」
【艦これ】提督「磯波、事件です!」磯波「はいっ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429453375/)

一応もう一回貼っとくっぽい!

>>1000なら磯波ちゃんのおしりぷりんぷりん!!!!!!!

千なら何とかしてくれる。

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