春香「道端に落ちてたうん◯が」 (7)
道行く人が私を見ながら通り過ぎていく
きゃっきゃと騒ぎながら歩く人達も、私の横を通り過ぎるとき、物凄い顔をして通り過ぎていく
私に視線が向けられる度に、私は顔を俯けて足を動かした
周りに鼻を刺すような臭いが広がる
私に視線を向ける人達が考えていることや、私が顔を俯けないといけない理由は分かってるから余計に気が重い
私の履く靴の裏には、あのうん◯がついている
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朝起きてから、
いつも通り事務所に向かおうとしたところ、門を出たところでうっかり踏んでしまった
何であんなところにあるのか不思議で不思議で、踏んでしまった後悔は何故かしなかったけれど、人通りの多い道に出ると、じろじろと見られてやっぱり踏まなければよかったかなーなんて思ってしまう
恐ろしいものを見るような目で見られるのはやっぱり嫌だから
でも、事務所に着くまで我慢しないといけない
踏んでしまった自分が悪いんだからね
事務所に着けば気も楽になるかなぁ、なんて思ってできるだけ速く歩いていたのだけれど、そう簡単にはいかないもの
ある横を通り過ぎた人に、私は話しかけられてしまった
シャツをボロボロにし、ズボンのポケットに手を入れ、煙草を咥えた柄の悪そうな人だ
よりにもよって、面倒な人に話しかけられてしまったかな
その人はニヤニヤしながら私に言った
「おぉ、姉ちゃん。なんか、この辺り妙な臭いがすると思わないかい?」
「妙な臭い…ですか?」
私はわざと分からないフリをした
頷けば、何処から臭ってるのか聞かれるはずだから
流石に私です、なんて言えないからね
でも、その人はガッハッハと声を上げた
口から煙草が落ちそうになるほど口を開け、うっかり煙草を落としそうになる
とても愉快な笑い方だった
「こいつぁ傑作だなぁおい。姉ちゃんの足元からだよ、自分で何か臭わないのかい?」
飽きた
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