郁乃「というわけで始まるでー、第1回
『マジギレツアー in 姫松麻雀部』!」
絹恵「何なんですそれ」
郁乃「名前の通りやでー。
マジギレツアーをうちでもやってみようてことやー」
漫「やから『マジギレツアー』て何です?
聞いたことないですよ」
郁乃「えー、そう?
ちょっと前にガキ使でやっててんけどなー」
恭子「うちは見てないから知らんなあ」
洋榎「『マジギレツアー』……? あー、見た見た!
あのしょーもないイタズラにマジギレせなあかんやつ!
ダ○ンタウンとか出てた!」
郁乃「そうそう、それ!
あれをうちでもやってみたらおもろいて思うてなー」
絹恵「あー、あれか!
お姉ちゃんと一緒に見てたわ私」
漫「イタズラにマジギレ?
どういうことです?」
郁乃「あーまあ、とりあえずルール説明していこうかー」
恭子「はい」
郁乃「今からいつも通りに部活やってもらうねんけど、
途中にいろんなイタズラが入るねん。
イタズラ言うてもしょーもないのばっかりやけどなー」
漫「はあなるほど」
郁乃「でな、そのイタズラをされた人はマジギレせなあかんねん。
私がこのゴングが鳴らすまでなー」カンカンカン
恭子「マジギレの演技力コンテストみたいなもんですか」
郁乃「そうそう、そういうこと」
由子「なるほどなー」
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郁乃「まあルールはこんなもんやけど、だいたい分かったー?」
恭子「まあ分かりましたけど……
それで何のためにそんなことせなあかんのです」
郁乃「えー、だっておもろいやん?
今日土曜日やし、せっかくやからなんかしたいて思うてなー」
恭子「はあ、貴重な練習時間を潰してまで」
郁乃「潰しはしてへんでー?
一応いつも通り打ってもらうんやから」
洋榎「なんやノリ悪いな恭子、おもろそうやん。
うちはやる気満々やで」
絹恵「お姉ちゃんだけやてそんなん」
郁乃「あ、じゃあ優勝した人は……
1週間デザート食べ放題でどうかなー?」
「「「「!」」」」
恭子(1週間デザート食べ放題……!?)
漫(普段は休憩時間に1個だけて決まってるデザートが……)
由子(食べ放題……)
絹恵(悪くないかもしれんな……)
洋榎「景品はどうでもええわ、それより早よやろうや」
絹恵「ちなみに優勝ってどうやって決めるんです?」
郁乃「そこは私の主観でー。
一番うまく怒れてる人の勝ちやね」
漫「ええっそんなテキトーでええんです?」
洋榎「まあでもそれぐらいしか審査基準ないやろ」
絹恵「皆で投票するっていうのは?」
恭子「それやと皆自分に投票するんとちゃうか」
絹恵「ああ、そうか」
郁乃「ちなみにこの企画は録画しとくからー、
皆頑張ってなー」
漫「えええホンマですか!
もともとテレビの企画やからてそこまでせんでも……」
洋榎「いやええんとちゃう?
後で皆で見たらおもろそうやん」
恭子「黒歴史にならんかったらええけどな」
郁乃「質問はないー?
じゃあ始めていこかー」
郁乃「とゆーわけで、
まずは皆卓に着いてー」
洋榎「普通に部活始めるいうことやな?
よし、まず誰か抜けなアカンな」
恭子「じゃあまずうちが抜けましょうか」
洋榎「ええのん?」
恭子「とりあえずは見に回りたいんで」
洋榎「見? まあええけど。
よーしじゃ残りの4人でやるでー! 皆座れー」
絹恵「はーい」
由子「イタズラてどんなんが来るんかなー」
漫「さあ、コチョコチョ攻撃とかそんなんやないですか」
絹恵「あはは、そんなんでキレるの難しいわ」ブッ
「「「「「!」」」」」
漫(えっ今のブーブークッション?
絹恵ちゃんの椅子から鳴った……)
洋榎(いきなり来たか……)
恭子(やっぱり何か仕掛けられとったわ)
由子(えーと、これは絹恵ちゃんがキレなアカンってことやんな?)
絹恵「……」
絹恵「……あのなぁ」
絹恵「なあこれどういうこと?
ねえなんでこんなんが仕込まれとるん?」
恭子「なんやどうしたん」
絹恵「いやどうしたやないですよ、
なんでこんなんが仕込まれとるんかって聞いてるんです」
漫(あれ、マジでキレてる?)
洋榎(演技入るの早いな)
絹恵「なあな、今から部活をやろうって時にやで?
こういうふざけたことやるんっておかしくない?」
恭子「ええやん別にそんぐらい」
絹恵「いや良くないですよ、
こんなしょうもないことして、部活をやる気削がれるでしょ?
部活やるって態度とちゃいますよこれ」
漫(マジギレ? いや演技?
どっちかわからんなあ……)
由子(演技とわかってても怖いのよー)
洋榎「なんや絹、たかがブーブークッション仕込まれたくらいでそんな
腹立てんでもええやん」
絹恵「いや良くないよ!
お姉ちゃんまでそういうこと言うの?
言うとくけど私マジメやで!」
恭子「かてそないキレることないやん」
絹恵「いや、でも……
いや、アカンでしょ、部活やる人間の態度とちゃいます」
漫(普通にキレてるようにしか見えへん)
絹恵「大体ブーブークッションてな、
私誰なんかわかってる?
女子やで?
人を恥ずかしい目遭わせて楽しいん?
私そういうの承知できひん」
洋榎(家で説教食らってる時の気分になってきたな)
絹恵「こういうことされてな、私ホンマ不愉快やねん、
二度とこういうことせんといて」
カンカンカン!
郁乃「お疲れー」
絹恵「うわーきっつこれ……」
由子「お疲れなのよー」
洋榎「なんや結構うまいやん絹」
絹恵「え、そう? 上手い下手の基準がわからんわ」
漫「いやめっちゃ上手いよ!
うちなんかマジでキレてるように見えたもん」
絹恵「あはは。
まあでも半分くらいマジやったかも」
恭子「え、そうなん!?
無理矢理演技してるだけかと思うてたけど」
絹恵「いや最初はこんなんでキレるの無理て思いながらやってましたけど、
なんか演技してるうちにマジになってきて」
漫「すごいなあ絹恵ちゃん」
由子「役者さんやねー」
洋榎「ホンマに演技かあ?
意外とブーブークッションマジで腹立ってたんちゃう?」
絹恵「立たんよーこんくらいで。
こんなんでキレるのお姉ちゃんだけやで」
洋榎「アホ! うちやってそんなんでキレんわ!
馬鹿にせんといて!」
絹恵「キレてるキレてる」
恭子「はあ、それにしてもこんな感じなんやなー」
洋榎「イタズラが手温すぎる分マジギレするの難しそうや」
絹恵「大変やでー? 実際」
由子「難しそうなのよー」
漫「でも主将、結構自信ありげですね」
洋榎「お? まあな、うちは何でもできるからな。
絹よりうまくキレてみせるで」
絹恵「ホンマに?」
洋榎「ホンマやでホンマ。
うちに不可能はない」ドヤッ
絹恵「後で恥ずかしくなっても知らんでー」
恭子「まあ、なんでもええからとりあえず麻雀打ちましょうや」
洋榎「あ、せやな。
とりあえず打つかー」
漫(麻雀打ってる最中にイタズラはないよな、多分)
洋榎「よーし1位もろたで!」
絹恵「んーアカンかったかあ、もうちょっとで真瀬先輩まくれたんやけどなー」
由子「お疲れなのよー」
漫「うわー最下位」
恭子「最近爆発来んなあ、漫ちゃん」
漫「まあこんな時に来てもしゃあないですけどね……
でも悔しいわー」
郁乃「みんなお疲れー、
なんか食べたいやろ、アイス買うてきたでー」
洋榎「え、ホンマ!?
代行ありがとうございます!」
絹恵「ありがとうございますー」
漫「ナイスです代行!」
郁乃「もー、そろそろ代行呼びやめてくれへんー?」
絹恵「でも赤阪監督て違和感あるしなあ」
漫「しばらくは代行でええんとちゃいます?」
郁乃「そんなー」
恭子(怪しい……
このタイミングで来るんは絶対なんか仕込まれてるわ)
郁乃「はい洋榎ちゃん、絹恵ちゃん、上重ちゃん、真瀬ちゃん、
それから末原ちゃん」
洋榎「ありがとうございます」バリッ
絹恵「おーミルクバーかー」バリッ
漫「シンプルですけどたまーに食べるとおいしいですよね」バリッ
由子「やねー」バリッ
恭子「やなあ」バリッ
恭子「あ」
洋榎「ん?」
絹恵「どうしました?」
恭子(これ……アイスとちゃうくないか?
冷たくないし……
何やこれ?)ガサッ
恭子「!!」
漫「どうしたんです、末原先輩。
そんな一生懸命袋に手ぇ突っ込んで」
恭子「……」
洋榎(! なるほど、なんか仕込まれとったんか)
絹恵(今度は末原先輩か……)
恭子「……なあ」
漫「ん?」
恭子「どういうことや、これ」
洋榎「どしたん」
恭子「これ食べ物とちゃうよな?
なんで石鹸入ってんねん!」
絹恵(せ、石鹸!?)
漫(えええ……ひど……
ってか間違うて食べたら危ないわ)
恭子「あのなあ、
半荘打ち終わって休憩ってときにやで?
これはあんまりとちゃうか!」
由子(また始まったのよー……)
洋榎(いや、恭子さっき打ってへんやん)
恭子「もうな、怒ったで!
こんな部活やめさせてもらう」
漫「まあまあ落ち着いてくださいよ」
恭子「アホ!
なんやうち一人だけ、休憩もさせてもらえんのか!
どんな罰ゲームやねん!」
洋榎「そんなアイスくらいで、ええやん」
恭子「良くないわ!
ってかなんで石鹸!?
これで麻雀部から足洗えてことか?
そんなんこっちからやめさせてもらうわ!」
絹恵(微妙にギャグ入れてきたし)
洋榎(はよアイス食いたい)
漫「いやーでも末原先輩抜けたらうちら厳しいし」
恭子「そんなん知らん!
勝手に苦しんどき……
あーもう知らん!」
カンカンカン!
郁乃「はいお疲れー」
洋榎「どやった恭子、手応えの方は」
恭子「……メゲるわ」
郁乃「ごめんなー末原ちゃん、
こっちが本物のアイスやから」
恭子「あ、ども……
ありがとうございます」
漫「ていうか代行、石鹸てけっこう危ないですよ。
ホンマに食べたらどうするんです」
洋榎「いやさすがにわかるやろ、食べる前に」
恭子「冷たくなかったし、食べ物らしからぬ匂いがしましたからね」
絹恵「まあ大体分かりますよね。
何、漫ちゃん間違えるん?」
漫「ええっいやうちも……
いや、間違えないとは言い切れんな……」
洋榎「はは、
漫に仕掛けんでよかったですね代行」
郁乃「ホンマやなー」
絹恵「それよりやっとアイスバー食べれますね」
洋榎「ああ、せやな。
恭子がキレとる間ずっと我慢してたわ」
由子「いただきますのよー」
恭子「ああ、うまい。
やっぱり食べ物が食べられるっていうのはええですね」パクパク
洋榎「貧乏人みたいなこと言うとるで恭子」
絹恵「ついさっき物が食べられない悲しみを味わいましたからね」
洋榎「さーて、じゃあもう一半荘いくかー」
絹恵「今度は誰が抜けます?」
漫「最下位やしうち抜けようかなー」
恭子「いや、漫ちゃんは2年やしもっと打たなあかん。
3年の誰かが抜けようや」
由子「じゃあ私抜けようかなー」
洋榎「お、由子ええのん?
じゃあ残りの4人で打つでー」
絹恵「はーい」
恭子(さっきの半荘は何も来んかったけど……
今度はどうやろか)
洋榎「そういえば恭子、さっきキレてる時
ボケ入れてたな」
恭子「ああ、いや、あれは……
その場のノリていうか」
漫「普段主将にツッコむ時のノリでしたね」
洋榎「良かったで恭子。
ナイス浪速根性や」
恭子「はいはいどうも」
絹恵「あれちょっと心の中で笑ってましたよ私」
恭子「笑かすつもりはなかったんやけどな……」
漫「いやさすが末原先輩です、ナイスボケでした」
恭子「はいはい」
洋榎「はは。お、張ったわ。
行くでリーチ!」ビシッ
漫「おおう、5巡目……」
恭子「今日調子ええなー主将」
絹恵「通る牌少な……どないしよかなー」
洋榎「さてリー棒を……」カラン
洋榎「ぼふっ!!」
漫「?」
絹恵「え、どしたん」
恭子(何か入ってたんか?)
由子(次は洋榎ちゃんかー……)
洋榎(え!?
代行、これですか!?
これフリですか!?)チラッ
郁乃「」ニコニコ
洋榎(マジか……
いや無理やろこれ!)
絹恵「え、えーとどうしたん? お姉ちゃん」
洋榎「……」
洋榎「おい……おい!」
漫「どうしたんです」
洋榎「何やねんこれ!
なんでうまい棒入ってんねん!」
絹恵(う、うまい棒!)
漫(え、あれがフリ?)
恭子(完全にお笑いやん)
洋榎「お前な!
ここ点棒入れるとこやで!
なんでこんな……ふっ、
なんでうまい棒やねん!」プルプル
絹恵「い、いやお姉ちゃん、
落ち着いてな?」
洋榎「落ち着いてるわ!
でもこんなん……ふふっ、
こんなんアカンやろ!」
漫(いや無理やろこれでキレるの)
恭子(完全に笑ってもうてるし)
洋榎「おま…… なんやこれ!
何に使うねん!
チョンボしたときにこれ
『すみません、つまらん物ですけどこれで勘弁してください』
とか言うて渡すんか!
おかしいやろ!」
漫「や、まあまあ、ちょっとした遊び心やないですか」
洋榎「何がやねん!
こんな……うまい棒て……
あ? これでリーチしてみよか?
リーチ!」クシャッ
絹恵「ぶふっ!」
洋榎「ほら何やこれ!
自動音声の『リーチ!』っていうやつも言わんし!
大体アレや、リー棒は1000点やで?
うまい棒10円やろ!
テンイチてか! やかましいわ!」
恭子「……」プルプル
洋榎「それになんでサラダ味やねん、
うちはたこ焼き……」
カンカンカン!
郁乃「いやーお疲れー」
洋榎「ちょっ代行!
何ですかこのフリは!」
郁乃「いやーおもろいかなー思うて」
洋榎「これマジギレするの無理ですやん!
絶対に笑ってはいけない麻雀ですよこれやと!」
絹恵「いやーおもろかったおもろかった、
さすがお姉ちゃん」パチパチ
洋榎「いや……もう……
趣旨違ごーてるやん……」
恭子「ネタぶっこむどころか
100%お笑いでしたね」
由子「流れるようなボケだったのよー」
漫「いやーさすが主将です」
洋榎「あーもう……
やかましいわ! とりあえず続き打つで!」
絹恵(今の方がよっぽどキレてるわ)
洋榎「よーしまたトップや」
恭子「今日はホンマ調子ええですね主将」
漫「ふう、なんとか2位になれた」
絹恵「爆発来るときついなあ、
久々にラス引いたわ」
郁乃「終わったー?
よーし、じゃあちょっと休憩してからもう一回打とうかー」
洋榎「はーい」
恭子(休憩中に何か仕込む気満々や)
郁乃「よしじゃあ次行こうかー」
絹恵「今度はお姉ちゃんが抜ける?」
洋榎「せやな、恭子、ゆーこと来てるし。
うちが抜けるわ」
恭子「よしじゃあ残りの4人で座りましょうか」
絹恵「まだフリが来てないのって漫ちゃんと真瀬先輩?」
漫「ですね」
由子「のよー」
洋榎「また点棒入れるとこに変なもん入ってたりしてなあ」
恭子「まあ同じ手2回ってのはないでしょう多分」
漫「あんなんやったらキレられへんですからねー」
由子「そうやねー、洋榎ちゃん吹き出してたし」ブッ
「「「「「!」」」」」
洋榎(またかい!)
漫(真瀬先輩の椅子にブーブークッション……)
絹恵(まさかの天丼や)
恭子(また同じネタ……
しかもゆーこ、ちゃんとキレられる気せえへんな……)
由子「え、えーと……」
由子「これは、恥ずかしいのよー……」
洋榎「おー、また仕掛けられてたな」
由子「えーと……
こ、こういうのはダメなのよー!」
漫(迫力無っ!)
恭子(めっちゃ恥じらってるわ)
由子「そ、その……
こういうふざけたイタズラは、その……
ぶ、部活でやることとちゃうのよー!」
絹恵(私がキレたときと同じこと言いよる)
洋榎(かわええなおい)
漫「ま、まあ、
軽いおふざけやないですか」
由子「そ、そやけど……その……
こ、こういうのは良うないと思うし……」
由子「こういう恥ずかしい……
ええと……
と、とにかくダメなのよー!」
カンカンカン!
郁乃「お疲れー」
洋榎「はははは、ゆーこキレるの下手くそすぎや」
漫「真瀬先輩が怒ってるのって見たことないもんなあ」
由子「や、やっぱ無理やったなあ」アセアセ
恭子「まあこれはしゃあないですね。
ゆーこでこの仕掛けでマジギレするんはまず無理です」
郁乃「真瀬ちゃんが怒りそうなの思いつかんかってん、
結局これにしてしもたわー」
由子「あはは……」
洋榎「ゆーこ怒らせるのて相当難しいですよ、
水ぶっかけるぐらいせんとな」
恭子「そんなことしたら怒る前に泣きますよゆーこは」
洋榎「それもそうか」
漫(真瀬先輩かわええ)
恭子「ふう、やっと1着やわ」
由子「最後なんとか3位脱出したのよー」
漫「またラスかー……
最後振り込むし」
絹恵「ぐあーやっぱり先輩達から直撃が取れへん、
狙ってるんやけどなあ」
恭子「あんま狙いすぎても手が遅うなるで」
絹恵「それもそうですけど」
郁乃「終わった?
よし、じゃあ今日はこれでおしまいやなー」
洋榎「ほえ? まだ漫がやってないんちゃいます?」
漫「そうですよ、うちまだやってないんですけど」
郁乃「あら、そうやっけー?
まあええやん、漫ちゃんはナシってことでー。
皆企画に付き合うてくれてありがとなー」
絹恵「えー、ええんですかそれ……」
洋榎「えー漫の見たいな」
漫「そ、そうですよ。
景品も懸かってるし、うちにもチャンス……」
郁乃「まあまあええやん。
ほら、あそこにカバンあるし、今日は帰りー」
漫「えーそんな理不尽な……」
洋榎(ん? 代行まだカメラ構えてんな。
まさかここからあるんか?)
恭子(これは……終わったと見せかけて
何かあるパターンか?)
漫「はーうちだけチャンスないなんてなあ……
メゲるわー」トボトボ
洋榎「メゲるわー」
恭子「なんでこっち見ながら言うんです」
漫「えーと……うちのカバンこれか。
……は?」
絹恵(お)
洋榎(来たな)
漫「……」
漫「ちょっと……何ですかこれ」
洋榎「え? どうしたんや」
漫「なんかうちのカバンに変なストラップ付いてるんですけど!
しかも落書きで『デコ』て書いてあるし!」
恭子(そう来たか)
由子(あ、あれ?
今からまた始まるのー?)
漫「えっと……
な、何ですかコイツ! 名前わからん……あ! く○モンや!
熊やないですか熊! なんで熊なんですか!」
絹恵(なんでて言われても)
洋榎(知らんわそんなん)フッ
漫「それにデコてなんですか!
いやうちデコはありますけど! 人間やし!
なんでよりによってデコですか!」
恭子(人間やし、て)
絹恵「デコ広いからとちゃうん?
まあ軽いいじりやん」
漫「いやうちはデコ……
いや広いかもしれへんけど! でもデコ以外にも色々あるやないですか!
例えば……えと……
いやわからんけど!
とにかくデコて書いてあるんが殊更許せません!」
洋榎(デコやなかったらええんかい)ププッ
漫「大体この熊?
どこのゆるキャラか知らんけど、こんなんうち集めてへんですし!
ゆるキャラのストラップて!
ゆるキャラやからて許されると思わんでください!」
絹恵(何その微妙なギャグは)プルプル
漫「その……誰ですかこんなことしたの!
うち許しませんよ!
こんなんしたら……しょっぴきますよ! バシーンて!」
カンカンカン!
郁乃「はーいお疲れー」
漫「ダメやうち……ホンマダメや」
洋榎「はーおもろかった、ずーっと笑いこらえてたわ」
恭子「バシーンて」
漫「いやもう言わんといてください……」
恭子「これで全員終わったな」
洋榎「代行! 誰が優勝ですか?」
郁乃「んー……」
郁乃「絹恵ちゃんかなあ」
絹恵「え、ホンマですか!?
ありがとうございますー」
洋榎「まあ順当やろなー」
由子「おめでとー」
漫「絹恵ちゃんかー、末原先輩もなかなか良かったと思いますけど」
郁乃「んー、末原ちゃんも良かったけど、
絹恵ちゃんの方がキレ方がリアルやったからなー」
洋榎「ていうか恭子、途中ネタぶっこんだしな」
恭子「あれはもうホンマあの場のノリで……
まあアレがなくても絹ちゃんの方が上手かったと思いますけど」
郁乃「じゃあ絹恵ちゃん、一週間デザート食べ放題なー」
絹恵「うーしやったで!
すみません皆さん、好き放題食べさせていただきます」
洋榎「ええでええで、遠慮せんと食べえや」
恭子「その結果太っても知らんけどな」
絹恵「う……」
漫「それ考えたら景品としてはまた微妙な気もしますね」
絹恵「うわー確かに……
なんやもう、ぬか喜びやん」
洋榎「まあええやろ。
食べた分麻雀で頭働かしてカロリー消費すればええねん」
絹恵「そうか! 私頑張るわ!」
恭子「なんか本末転倒な気しますけど」
郁乃「というわけで今度こそホンマに終了やでー、
皆お疲れ様ー」
洋榎「はー終わった終わった!
よっしゃ、皆でなんか食べに行くか?」
恭子「お、ええですね」
漫「うち今めっちゃミスドに行きたいです」
絹恵「ミスドか、ええなー」
由子「わー! 久しぶりに食べたいのよー!」
洋榎「よしじゃあそうしよか。
というわけで代行、お疲れ様ですー」
郁乃「お疲れさんー」
バタン
郁乃「さーて、私はこれから千里山の愛宕監督達と飲みやなー。
もう駅まで行かんと。
これは後で家帰ってからじっくり見よー♪」
翌月曜日
郁乃「ちょっとみんなー!
大変や大変!」
洋榎「あ、代行や」
恭子「なんですそんな慌てふためいて」
郁乃「あのな、この前の土曜日にやったやつあるやろ?」
洋榎「マジギレツアーですか?
どないしたんです」
郁乃「あれ撮ってたビデオカメラ……
なくしてしもてん!」
絹恵「ええっ!?」
洋榎「代行、そのドッキリは丸わかりですよ」
郁乃「い、いやいやドッキリとちゃうねん!
ホンマになくしてしもたんや!」
漫「え、マジモンで……?」
恭子「え、じゃあまさか……
誰かに盗られてる可能性とかもあるんです?」
郁乃「そうなんよー……
一応JRに忘れ物の連絡したんやけど、まだ返事ないし……」
漫「ちょ、それ……
もし盗られてたらまずくないですか」
洋榎「中身のビデオがネットに晒されるかもしれんな」
絹恵「うわ! えええ!?
そんななったら大変やん!」
恭子「ちょ、ちょっとうちそういう動画がネットに上がってないか調べてみます」
郁乃「うう……
どこでなくしてしもたんやろー……」
由子「あ、上がってたら大変なのよー……」
洋榎「まあ言うてもうちらが悪ふざけしてるだけの動画やけどな」
漫「いやいやそんな形で大衆に顔晒したくないですよ」
絹恵「ど、どうですか末原先輩。
何か見つかりました?」
恭子「んー…… ん?」
恭子「なあ、これ……」
郁乃「え? どれ? どれ?」
洋榎「『JKの麻雀練習風景』……」
絹恵「ちょ、ちょっと見てみて」
|>
郁乃『というわけで始まるでー、第1回
『マジギレツアー in 姫松麻雀部』!』
絹恵『何なんですそれ』
郁乃『名前の通りやでー。
マジギレツアーをうちでもやってみようて……』
恭子「……」
漫「最悪や……」
郁乃「あ、ああー……」
絹恵「……代行」
郁乃「な、何?」
絹恵「ちょっとこれシャレになってへんですよ。
どうしてくれるんです」
郁乃「え、えーと……ごめん……」
恭子「『ごめん』で通りますか!
自分のやったことわかってます!?
大会出場停止モンですこれは!
責任重大やで!」
郁乃「はい……」
由子「さすがにひどすぎるのよー……
なんでもうちょっと気をつけられへんかったん?」
郁乃「不注意でした……」
漫「不注意で片付きませんよ!
それでうちらがどんだけ不利益被るんか」
郁乃「うう……
ごめん、ホンマに謝るからもう許し……」
四人「「「「許されるか!!」」」」
郁乃「ひぃっ!!」
洋榎「ホンマに怒られるまでがマジギレツアーですってか……
オチたな、きれいに」
カン!
以上です。お粗末さまでした。
九州民なので関西弁はおかしいかもしれません。
おつ!面白かった
九州民なら新道寺とか永水女子編書けるんじゃね?
>>25
九州民ですがバリバリ標準語なので新道寺は方言の壁がきついという
何か思いついたら書きたいと思います
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