洋榎「あれは、10年前のことやったかなー」 (34)

ID:88ZnPn4T0

―――――愛宕家リビング―――――

絹恵(6)「ほいじゃあウチが『しもかわせいご』やるから、ひろこは『うぇずれい』な!」

浩子(6)「えー、いややわあんなブサイク……」

絹恵「『しもかわせいご』はセレッソふどうのしゅごしんなんやで~」

※下川誠吾選手は2003年を最後に残念ながらJ2に飛ばされます

浩子「聞いてへんし……ほんで何したらええねん?」

絹恵「PKやでPK!ウチが止めるから!」

浩子「えー……家ん中でボールけったら、おばちゃんにしかられるやん」

絹恵「ええて!ぜったいとめるから!」

浩子「は~ぁ……お姉ちゃんはよかえってこんかな……三麻もでけへんから」

絹恵「キーパーグローブ買ってもろてん!」

浩子「はぁ、それでか、きぬえはアホやなー」

絹恵「このベランダのとこの戸ーがゴールな!」

浩子「はいはい、ほんならいくでー」

絹恵「さぁこぉ!」

浩子「てやっ!」

ボコッ!

バチッ!

絹恵「ふぐっ!」

浩子「あ!顔に当たってまった!」

絹恵「いたぁ……」

浩子「あー、メガネ割れたで……」

絹恵「ふぅぅ……

   うあああああああああああああーーーーー!!!」

浩子「ちょー、何で泣くねん、あんたがけれ言うたんやろ?」

絹恵「ああああーーーーーーーーん!!」

浩子「ちょー……おばちゃ

洋榎(7)「ああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

浩子「!!

   びっくりした!お姉ちゃんか」

洋榎「コラー!!何で絹を泣かせとんねん!!!」

ガツン!!!

浩子「いっ!!いっったー……」

洋榎「こらー!ひろこー」

浩子「何やのん……グス……はなしきいてくれてもええやん……うぅ……

   うわああああああああああああああーーーーーーー!!」

洋榎「なんやあー!泣いたかってゆるさへんぞ!この

ガ ツ ン !!

洋榎「いったぁーーーい!!」

雅枝「コラー!あんたは何浩子を泣かしとんや!」

洋榎「お、おかあちゃん!」

雅枝「洋榎!あんたはお姉ちゃんやろ!」

洋榎「ちゃうもん!こいつはいとこやもん!」

雅枝「そうやないやろ!船久保のおばちゃんが忙しうてウチに来たときは、浩子も妹や言うてたやないの!」

洋榎「せやかて!浩子が絹を泣かしたんやで!」

雅枝「ホンマか!ちゃんと聞いたんか?」

浩子「うあああああああああーーーーーー!!」

絹恵「あーーーーーーーん!」

雅枝「いやもう……聞けへんけども、ちゃんと理由聞いたんか?」

洋榎「そんなんしらんし!なんやぁ!お母ちゃんは浩子の味方ばっかして……」

雅枝「誰の味方とかやないの!」

洋榎「なんや!すぐにウチが悪なんねん!」

雅枝「あんたがよう考えんと叩くからやろ!」

洋榎「お母ちゃんも叩いたやん!やっぱアレやな……ウチはお母ちゃんの子供ちゃうんやな!」

雅枝「あー、そうやそうや、そんな子は阿倍野の橋の下で拾うてきたんや」

洋榎「なんやて!」

雅枝「なんやぁ!」

洋榎「アカンもう!こんな家出てったる!!!!」

雅枝「はいはい、好きにせぇ」

洋榎「ホンマやで!!」

ドタドタ ガチャ

バターーーン!!

絹恵「ふぇ……あ!おねえちゃーーん!!」

雅枝「ええからほっとき!!」


雅枝「どうせ、お腹すいたら帰ってくるわ」


――――――
――――――――
――――――――――

洋榎「なぁ恭子、ウチってお母ちゃんと似てへんよな」

恭子(7)「いきなり来てなに言うとん?」

―――――末原家きょうこのへや―――――

洋榎「まえまえからおかしいと思てたんや!ウチは可愛がられてないもん」

恭子「私は宿題やってんねんけど……」

洋榎「やりたかったらやったらええやん、ウチはラノベ読むわ」

恭子(家出するたびにウチに来るのやめてほしいわホンマ)

恭子「ほんなら宿題やっとるで」

洋榎「恭子はまじめやなーお、あったあったこれが前の続きやな」(前の家出のときに読んでた続きの意)

恭子(おんなじ宿題あるはずやねんけど……まぁええわしらんし)

カリカリ……(宿題の音)

ペラ(漫画めくる音)

カリカリ……

ペラ(ラノベめくる音)

カリカリ……

ペラ

洋榎「ふぅー、これの続きは?」

恭子「読むのはやいな!!」

洋榎「ウチ速読できるねん、ほんでこの『レイニーブルー』の続きは?」

恭子「あー、そこまで読んだんか」

洋榎「『マリア様がみてる』もおもろいねんけど、番号ついてへんから順番がわからんわ」

恭子「それの続きは……ないで」

洋榎「は?ど、どういうことや?」

恭子「それが最新刊やねん。『レイニーブルー』の続きはまだないで」

洋榎「そんな……お姉さまがむなくそ悪いドリル頭につれられて……祐巳はどないなんねん!!」

恭子(ホンマは続き出てるけど、おもろいから黙っとこ)

洋榎「なんてことや……あんなになかよしやったのに……」グゥーーー

恭子「なんや?」

洋榎「先は気になりつつも、腹はへるんやで」

恭子(ホンマデリカシーないわ)

洋榎「もう6時か……お母ちゃんのことや、腹へったら帰ってくる思てるやろな」

恭子「せやな、ホンマ帰って」

洋榎「そうはとんやがおろさんのや!とつげき末原家のばんごはんや!」

恭子「なんやてーー!!」

―――――愛宕家ダイニング―――――

雅枝「帰ってこんアホはほっといて、ご飯にしよか!今日はから揚げやで」

浩子「おばちゃんのから揚げおいしいわー」

絹恵「…………」

浩子「なんや?しんぱいせんでもきぬえの分までとらへんよ」

絹恵(おねえちゃん……どこいってまったんや)


―――――末原家台所―――――

洋榎「なんや?ばんごはん『やきそばUFO』かいな!?」

恭子「なんや!文句あるなら食うな!」

洋榎「いや、いただくけども……さびしいなー」

コポポポ……(お湯入れる音)


洋榎「…………」

恭子「…………」

洋榎「おばちゃんは?」

恭子「今日はジャパン(※ディスカウントストア)でレジやっとる」

洋榎「仕事なん?」

恭子「せやで、忙しいんや」

洋榎「ほんなら、出前とったらええやん」

恭子「あのなぁ……」

洋榎「なに?」

恭子「はぁ……あんなぁ、みんなの家が、洋榎ん家みたいに金持ちやないんやで」

洋榎「え?ウチ金持ちなん?」

恭子「せやで、私ん家なんか、外でご飯食べるのも、そうあらへんねやで」

洋榎「そうなんか……」

恭子「私のお父ちゃんも毎日遅うまで働いとるけど、それでも足らへんから、お母ちゃんもパートしてんねん」

洋榎「ほんでおばちゃんおらへんのか」

恭子「お母ちゃんは毎日やないんやで、でも、週に何日かはじぶんでご飯やねん」

洋榎「恭子はまじめやなー……」

恭子「5分経ったで」

洋榎「あ!せやな」

ジャジャジャー(湯きりの音)

ベコン!

洋榎「!」ビビクン!

バシャ!

洋榎「あ!」

恭子「まだや!洗えばいける!!」

―――――愛宕家リビング―――――

雅枝「さてと」

浩子「んー?」

雅枝「そろそろ迎えにいったるかな?」

浩子「こんかいはなかなか長かったな!」

雅枝「せやな!」

絹恵「ウチもいくー!」

―――――末原家―――――

ガチャ

末原母「ただいまー」

恭子「あ!お母ちゃーんおかえりー」

洋榎「お、おじゃましてますー」

末原母「あら洋榎ちゃん!来てたの?」

洋榎「すんません……」

恭子「あんなーお母ちゃん、私ちゃんと宿題終わっとるよ!」

末原母「おー恭子はおりこうさんやなー」

恭子「えへへ」

洋榎(お母ちゃん……)

Prrrr(電話の音)

末原母「あーはいはい」ガチャ

末原母「もしもし?」

『すんません、真瀬ですけどー』

末原母「あー、由子ちゃんのお母さん?」

真瀬母『何やら、ウチの娘が恭子ちゃんと話したいことある言うてて、今みえます?』

末原母「おりますよー、ちょっと待ってな」

恭子「なんなん?」

末原母「由子ちゃんが恭子と話したいんやて」

恭子「もしもし?」

由子『もしもし、由子なのよー』

恭子「わかってるて、ほんでなに?」

由子『さっき、愛宕のおばちゃんがウチきたのよー』

恭子「あ!そうなん?」

由子『洋榎を探してるって、次はそっち行くのよー』

恭子「わかったで、ありがとー」

由子『明日学校で会うのよー』

恭子「ほななー」

洋榎「なんやて?」

恭子「おばちゃん迎えにくるで」

洋榎「はあ?アカン!!アカンで!!」


ピーーンポーーン


末原母「はーーい」

雅枝『夜分すんません、愛宕ですけどー』

洋榎「アカンて!」

ドタドタドタ!!

恭子「どこいくねん!!」

末原母「はいはい、どうぞどうぞ」

雅枝「えろうすんません、今回は恭子ちゃん家やったかー」

恭子「今、私の部屋に行きましたよ」

雅枝「恭子ちゃんごめんなー」

―――――末原家きょうこのへや―――――

雅枝「ほら!帰るで!」

洋榎「何で入ってくんねん!!」

恭子「私が入れたったんや。ってか私の部屋や!」

洋榎「なんや!恭子までお母ちゃんの味方するんか!」

絹恵「おねえちゃん!!」

洋榎「絹までなんや!」

絹恵「おねえちゃん!あれはウチがいうたんや!ひろこのせいやないんや」

浩子「せやで、ほんでもぶつけたんはホンマやから、さっき両方ごめんなさいしたんや」

洋榎「そんなん、いまさら言われても……」

雅枝「ほら見てみ、ちゃんと聞かへんからやろ?」

洋榎「うぐぐ……」

雅枝「浩子にごめんなさいしなさい!ほんで、ウチにから揚げあるから」

洋榎「ホンマ!!浩子ごめんなさい!!」

浩子「ええー……なんやそれ……まあええわ」

洋榎「お母ちゃんのから揚げは日本一なんやで!」

恭子(え?さっきやきそばUFO食ったのに)

洋榎「やっぱりお母ちゃんがええわ!勝ち組やもん!!」




カン!!

以上です

短くてすんません

洋榎ちゃんと末原さんが幼馴染やったらええなぁーという思いだけで考えました。

えろうすんませんでした。

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