ちょっとまずいメシ(236)
友「おごふ」
男「どうした?」
友「俺・・・今日のこの煮ものちょっとダメだわ」オエ
男「あ、じゃあ俺食べるよ」
友「どーぞ」
男「・・・」モグモグ
友「そ、それ絶対マズイだろ・・・周りの連中も結構残してるし」
男「まぁ、確かにちょっと個性的な味というか、煮すぎというか・・・」
友「お前も無理して食わなくても・・・」
男「別に無理してないよ。これはこれで味があるから」
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・地名とは一切関係ありません。
-学食編-
うちの大学にはいくつかの飲食店が入っている。
人気があるのは某ハンバーガーチェーン店や、牛丼チェーン店。街中でよく目にするカフェなど。
他にも厚生棟にはそれらとは別に大学が運営する、いわゆる一般的な学食としての食堂も存在する。
味はそれなりだが価格が安く量も多いため、特に男子学生はこちらの方を良く利用している。
男「あ、昼飯食べいかない?」
友「いいよ。どこ行く?」
男「学食4F」
友「4F・・・」
男「2限の講義が伸びてちょっと出遅れたからな。多分もうあそこしか空いてないだろ」
友「あそこさぁ・・・いいんだけど、焼き魚はパサパサだし、味噌汁はしょっぱいし、ごはんもベチャベチャじゃん」
男「それがいいんだろ」
友「えぇ・・・」(困惑)
男「それとも、午後の講義サボって他のとこ並ぶか?」
友「いや、次必修だから無理だ・・・」
男「じゃ、決まりだな」
・・・
友「・・・親子丼セットで」
男「A定食で」
友「お前、ここに来るといつも定食頼むよな」
男「なんていうか、丼ものも悪くないんだけど、味噌汁とご飯とおかずが別々になってたほうが食った気がするんだよね」
友「そう・・・」
男「今日のA定食は白身魚のフライだ。さーて、今日の地雷はどれかなー」ワクワク
友「お前その食事の楽しみ方おかしいよ」
男「いやぁ、上手くいえないんだけど、なんか不味いからこそ味があるっていうか、いいんだよこれが」
友「なるほど分からん」
男「たまの失敗はスパイスかもね」
友「なるほど、地雷とかけてるのか・・・」
男「いただきまーす」
友「いただきます」
男「ん、あれ・・・今日のは思ったより美味いな・・・」モグモグ
友「なんでちょっとがっかりしてるんだよ」
男「あっ付け合せのキャベツが油まみれでふにゃふにゃだ!うわー味噌汁のワカメもドロドロになってる!」キャッキャッ
友「そんなこと嬉しそうにいう奴みたときない・・・ていうか俺の食欲までなくなるからやめてよ」
男「うーん、この萎れたキャベツを乗せて醤油をかけて食べるご飯はスペシャルにおいしい」
友「昔祖父ちゃんがそんな食い方してたなぁ・・・」
男「あれ、まだ食べないの?」
友「俺猫舌だから・・・」
男「じゃあなんで親子丼にしたのか」
友「これなら失敗も少ないだろうと思って」
男「あんまのんびり食ってると午後の講義間に合わなくなるぞ」
友「うん、そうだな・・・うぐっ」
男「どうした」
友「肉めっちゃ固ぇ・・・卵とか火が通り過ぎてスポンジみたいになってる・・・」
男「当たりじゃん」
友「外れだろ・・・おしんこも味しねぇし」
男「それに醤油かけて食べるのがいいんじゃん」
友「わたしもう貴方にはついていけないの」
男「ていうか、塩と醤油があったら大体のモノって美味くならねぇ?」
友「お前究極の貧乏舌だな」
男「あ、お茶持ってこようか?うっすら色がついただけの味のしないお湯だけど」
友「あ、いいです・・・」
-学食編 おわり-
-弁当編-
友「ていうか、なんでお前はそんなマズイものばっか好き好んで食べてんの?」
男「別に好き好んではいないよ。俺だって基本的には美味いもの食いたいし」
友「でも、嬉々として地雷飯探してるじゃん」
男「俺はどんなものを食べる時も豊かな気持ちでありたいんだよ」
友「食に対してドMだよなお前」
男「失礼な」
友「そういやお前、今月寮の飯カットしてただろ。夕飯どうする?」
男「いつもの店で弁当買ってくー」
友「またあそこの唐揚げ弁当?」
男「あの唐揚げ美味いんだよ。量も多いし。それに最近ご無沙汰だからな」
友「お前弁当買うときいつもあそこじゃん。しかも毎回唐揚げ弁当」
男「俺、自分が好きなものだったら毎日食ってても苦にならないんだよ」
<アリガトウゴザイマシター
友「なんかレジにかわいい子いたな。あんな子いたっけ?」
男「・・・」
友「どうした?」
男「これ・・・前の弁当と変わってる・・・」
友「えっ」
男「唐揚げが小さくなってる・・・」
友「不況の煽りが弁当屋の唐揚げに直撃した事例」
男「しかも唐揚げの下に敷いてあるのが千切りキャベツからナポリタンになってる!!」ガクガク
友「肉を減らした分そこはグレードアップしたのか」
男「馬鹿か!なんで揚げ物にケチャップまみれのスパゲティを組み合わせるんだよ!油っこいし、から揚げに味が移っちゃうだろ!!」ソワソワ
友「セリフだけ聞くとキレてんのに、表情見ると明らかにテンション上がってるのが見て取れますね」
男「こないだまではさぁ、付け合せもポテトサラダとかウィンナーじゃなくて、もっとこう、山菜うどんの上にのってるような山菜と漬物が申し訳程度にちょこっと入ってるくらいだったんだけど」
友「その分唐揚げにステータス振ってたんじゃない?」
男「多分ね。今日のは全体的にバランス型のステ振りになってるわ、これ」
友「ていうか、自分で言っといてなんだけど弁当のステータスってなに」
男「あぁー残念だなぁ、前のほうがよかったなぁ」ワクワク
友「お前言動と態度が一致してないよ」
翌日・・・。
友「今日の夕飯はどうする?」
男「あ、たまにはどっか店で食おうか」
友「今日はあそこの弁当じゃないんだ?」
男「うん・・・あそこの弁当、美味くなっちゃって・・・俺好みじゃなくなっちゃったから」
友「お前やっぱり本当はまずいメシ好きなんだろ」
-弁当編 おわり-
-スープバー編-
男「なんていうか、好みだよ・・・今の人ってご飯少な目でオカズを一杯食べるじゃん?」
友「今の人ってお前はいつの人だよ」
男「俺どっちかって言うと、しょっぱいおかずでたくさんご飯食べるのが好きなんだよね」
友「まぁ確かにしょっぱいのは食も進むし分からんでもないが・・・高血圧になりそう」
男「きっと俺の理想の飯って、江戸時代から昭和初期ぐらいの飯だと思うんだ。一汁一菜の」
友「産まれてくるのが100年ほど遅かったようだな」
店員「ご注文はお決まりですか?」
友「海鮮五目ラーメン」
男「油淋鶏・・・に、ライスセットつけてください」
店員「海鮮五目ラーメンと、油淋鶏ライスセット・・・以上でよろしかったでしょうか?」
友「はい」
店員「ライスセットのごはんとスープのほうおかわり自由となっておりますのでご利用ください」
男「よし、行ってくる」
友「まだメインディッシュきてないけど」
男「ごはんとスープは前菜だ。油淋鶏が来る前に3杯は食ってやる」
友「えぇ・・・」
男「じゃあ行ってきます」
友「何のスープ?」
男「玉子スープだった」
友「ちょっと味みせて」
男「いいよ」
友「ん、ありがと・・・薄いな」ズズー
男「じゃあお先にいただきます」モグモグ
友「本当にスープだけで飯食ってる・・・ていうかそのスープ、あんまり味しないね。出汁がきいてないというか」
男「大丈夫だ。俺には醤油がある」
友「そうだったね。君はそういう奴だったよ」
男「よしおかわりだ」
友「早ぇよ!!」
男「ごはんうめぇ」モグモグ
友「味の薄い玉子スープってすぐ飽きが来ない?それで原価安くする&お代わりできないようにしてんのかもしれないけど」
男「そんな小手先の技術で俺の食欲はごまかせない」ズズー
友「お前は一体何と戦っているんだ」
男「よし、そろそろ醤油かけるか」チョロー
友「ごはんの方にかけるのか・・・」(困惑)
店員「お待たせしました、海鮮五目ラーメンです」
友「あ、こっちです」
店員「油淋鶏のほうもう少々お待ちください」
男「あ、はーい」モグモグ
友(もうメシ2杯お代わりしてるんだよなぁ・・・)
男「あ、友ちょっと酢とラー油とって」
友「え?はいよ」
男「サンキュー」
友「何に使うの?餃子とか頼んでないだろ」
男「スープに入れて酸辣湯風にする」
友「地味な創意工夫ですね・・・」
男「うーん、すっぱ辛苦い」
友「そりゃそうd・・・ちょっと待って苦いってどういうこと」
男「さまざまな味が織りなすハーモニーが口の中で痴話喧嘩して生み出されている苦みですかね・・・」
友「ハーモニー織りなしてないじゃん」
男「でもこれはこれで」モグモグ
・・・
友「ふう、ごちそうさま」
男「あれ?スープ残すの?」
友「しょっぱいし」
男「・・・それであとご飯2杯はいけるな」
友「えぇ・・・」
男「俺の事をあさましいととるか、食べ物を無駄にしない奴ととるかは君次第だよ!!」
友「すごい目力・・・いいよ、飲めば?」
男「すき」
友「おう唐突な告白やめーや」
男「やっぱ出汁って偉大だわ」ズズー
-スープバー編 おわり-
-天ぷら編-
友「ファミチキうめぇ」モグモグ
男「いかの天ぷらうめぇ」モグモグ
友「なんでだよ!!」
男「な、何が?」ビクッ
友「そんなファーストフード感覚でいか天食ってる奴見たことねえよ!!」
男「おいおい、江戸時代を代表するファーストフードだぜ天ぷらは」
友「なにお前の中じゃ大政奉還まだ終わってないの?」
男「あ、もう一本あるけど食う?」
友「いらんわ」
男「いやーこうやって歩きながら天ぷら食ってると高校時代思い出すわー」モグモグ
友「いか天好きなの?」
男「好きだよ」
友「そう・・・」
男「だって安いし。ファミチキ1個の値段で2本買えるってすごくない?」
友「主婦か」
男「高校の頃金持ってなくてさぁ・・・いつも学校前のコンビニじゃなくて、ちょっと離れたスーパーの総菜コーナーでなけなしの金を使って天ぷら買い食いしてたんだよね」
友「バイトしろよ・・・」
男「してたよ。それでも通学に使ってた原付の維持費が高くて、結局手元に残るのは雀の涙よ」
友「原油高のあおりはいち高校生のサイフまで直撃していたのか・・・」
男「ガソリン代だけじゃなくて定期的にオイルとかタイヤも交換しないといけなかったしね」
友「でもスーパーの天ぷらって、冷めててあんまり美味くないだろ?ああ、お前はそういうのがいいんだっけ・・・」
男「いやそんなことはないけど。揚げたての天ぷら美味いし。あれはもうセレブの食い物と言っても過言ではない」
友「よくテレビとかで出るカウンターで目の前で揚げてくれるスタイルの天ぷら屋とかいつか行ってみたいですね」
男「それに引き替え冷めた天ぷらの下民の食い物感ハンパない」
友「冷たい天ぷら食うと胃がもたれるんだよなぁ・・・」
男「太田胃散飲もう!」 ※ステマではありません
友「やっぱ天ぷらは揚げたてのサクサクしたやつが一番だね」
男「でも、天ぷらうどんとかに入ってるちょっと衣がつゆ吸ってふやけた奴も美味くない?」
友「あー分かる」
男「だからスーパーの冷え切った野菜天なんかも、あれはあれでああいう食べ物だと思ってめんつゆつけて食う分には・・・悪くないよ」
友「せやろか」
男「なんていうか、冷えたかき揚は俺の中じゃお好み焼きとかと同じジャンル」
友「どういうことなの・・・」
男「天ぷらは粉もの」
友「えぇ・・・」
男「かき揚にソースと紅ショウガと鰹節かけて食ってみ?80%くらいお好み焼きになるから」
友「だってそれお好み焼きの味の80%くらいを構成してるものだし・・・」
男「寮生活だとなかなか揚げたての天ぷらって食えないんだよなー・・・寮の飯ってすでに調理されたものを各自が持っていくスタイルだし」
友「そうね」
男「揚げ物が出たとしても、から揚げかフライくらいだもの」
友「天ぷらにくらべて時間が経っても味が変わらないからね」
男「だからこうしていか天食ってるの」モグモグ
友「何故そこに帰結するんですか」
-天ぷら編 おわり-
-道草編-
友「でも、俺も今スクーター持ってるけど原付ってそんなに金かかるか?保険だって自賠責1万ちょいだし。まぁ任意入ってれば分からんが」
男「保険もさることながら、俺が乗ってたのRS50っていう輸入バイクだったんだよ」
友「ふーん」
男「見た目かっこいいって理由だけで知り合いから譲り受けちゃってさ。まぁー燃費悪いわ街乗りし辛いわ部品も高いわで、ありゃ高校生が持つもんじゃないね」
友「三重苦じゃねえか。やっぱりマゾだな」
男「ただそれなりに力はあったから、山登るのは楽だったよ」
友「そんないつもいつも山登んねーだろ」
男「いやそれが通学路に一箇所峠があって、割と毎日登ってた」
友「頭文字Dかよ」
男「あとは仲のいい友達が山の中に住んでたから、そいつんち行くときとか」
友「野人かな?」
男「いや、彼のご両親がいわゆる田舎にあこがれて都会から移住しちゃった人でさ」
友「あーなるほど」
男「ちょくちょくがけ崩れとか大雪で学校来れなくなるレベルの山奥に住んでたんだよ」
友「日本にもそんなところがあるのか・・・」
男「高校の頃はよくそいつと遊んだんだよ。一緒に道草くったりしてさ」
友「へー」
男「ある日、二人でなけなしの金を出し合って鶏ガラ買ってな」
友「高校生が小遣い出し合って買うもんじゃねえだろそれ」
男「そいつんちで雑草摘んで鶏ガラ鍋をすることになったんだよ」
友「道草を食うを地で行くのか・・・」(困惑)
男「確かその頃は、ちょうど時期的にタンポポとか菜の花が咲き始めたころでさ」
友「菜の花はスーパーでもよく辛子和えとか見かけるよな・・・タンポポは刺身の上に乗ってるのしか知らんけど」
男「あれタンポポじゃなくて食用菊の花だよ」
友「そう・・・」
男「あとはたしかフキとか入れたかなぁ」
友「なんていうか野生児だなお前」
男「で、そいつんちの庭で火熾して早速鍋を始めたわけ」
友「ていうかそれ高校の帰り道にすることじゃないよね」
男「菜の花とフキはもう育ちきって皮が固くなっててまるでプラスチック食ってるみたいだった。タンポポはちょっと苦いけど、柔らかくて美味かったな」
友「雑草の味語られてもなぁ・・・雑草食うことなんて多分ないし」
男「七草粥だって半分以上雑草だけどな・・・で、あらかた食い終えたところにそいつの父さんがやってきてさ」
友「ていうか、よく庭でそんなことやるの許してくれたな」
男「そりゃ、そういうのが好きで移住してきた人だもん。嬉々として眺めてたぞ」
友「えぇ・・・」
男「で、道草食ってる俺達に余ってるからってアスパラガスくれたのよ」
友「高校生にアスパラガス渡してるってシュールな光景だなぁ」
男「そしたらアスパラガス超うめぇの。食用野菜の偉大さを思い知ったね」
友「そう・・・」
-道草編 おわり-
軍飯の人かな
目の付け所が面白い
タンポポは美味いほうだよな、ドクダミに比べれば(農学科)
>>48
パクチー好きすぎて大量に炒め物にしたらドクダミの味になり無事死亡
-節分の豆編-
友「おー、もう節分の豆売ってるな。今年もでん六が本気出すシーズンかぁ」
男「こんど皆で実験棟で豆まきしよっか」
友「学生課が発狂しそう」
男「大丈夫だよ。まいた後拾って食えば」
友「嫌だよ」
男「でも、最近は本当にまいた後に拾って食えるように落花生を投げるところも増えてるみたいだよ」
友「あー、そういや小学校の頃教室でやった豆まきも落花生だった気がする」
男「落花生でもいいけどさ・・・やっぱり節分の豆っていったら炒り大豆だよなぁ」
友「まぁ確かに鬼にピーナッツ投げて効果あるのか?っていうのは子供ながらに疑問を感じてはいた」
男「億泰も言ってたけど節分の豆って大して美味くもないのに歳の数以上食っちゃうよな」
友「手元にあるとついね・・・ただ、食いすぎると気持ち悪くなるんだよなぁ、アレ」
男「かといって、大量に残して捨てるのもなんだかもったいないし」
友「でもあれ味付いてないからなおさら飽きるよな」
男「塩くらいなら自分で添加すればいいじゃん」
友「それはそうだけどさ」
男「中学の頃のALTの先生はこの時期になるとあの豆大量に買い込んでたらしい」
友「まじで」
男「ナッツ感覚で酒のツマミにするんだとか」
友「んー、たしかに海外の人からしてみるとナッツ感覚・・・なのか?」
男「ところで柿の種にはピーナッツより大豆入ってた方が嬉しくない?」
友「激論になりそうなのでその話題はスルーさせていただきます」
男「で、うちじゃ余った豆は昆布と一緒に煮つけてたな」
友「へー」
男「だから節分後数日は弁当の中に煮豆が入ってた」
友「有効活用してますなぁ」
男「昔は砕いてご飯と一緒に炊いてたらしいけど」
友「なんかうまくなさそうだなそれ」
男「うん、うまくないよ」
友「やったのか・・・」
男「戦時中は配給米に油絞った後の大豆カスとか入ってたらしいけど。当時の味を彷彿とさせるっていうんで、戦中派トラウマの味らしい」
友「悲しいなぁ・・・」
-節分の豆編 おわり-
-お通し編-
店員「いらっしゃーせェー!!」
友「二人なんですけど」
店員「カウンターでよろしェーッサァーイ!!」
友「カウンターだって。いい?」
男「いいよ」
店員「まずはじめお飲物お伺いしゃっせェー!!」
友「ビールでいいだろ」
男「うん」
友「生2つ」
店員「はいよろこんでェー!!」
友「あ、お通しカットし・・・」
男「しないでください」
友「あ、食う?」
男「もちろん」
店員「ご新規2名様生2丁ォー!!」
<ァイヨロコンデェアァ!!
友(この店やかましいな・・・)
店員「はいビールすでェ!!こちらお通しになりまァ!!」
友「あ、どうも」
店員「他ご注文ありましたらァー!!」
男「あ、じゃあとりあえずたこわさと串盛り塩でください」
店員「ぇろこんでィー!!」
友(もはや何を言っているのか分からない・・・)
男「ふーん・・・お通しはマカロニサラダ&イカとオクラの和え物か」
友「なんかなぁ・・・頼むのは良いんだけど、お通しって金取られるじゃん。しかも自分の食いたいもの選べないし」
男「まぁね・・・ただ、これはこれで味があっていいもんだよ」
友「また出たよ謎の味がある理論」
男「それにすぐ出てくるから、他のもの来るまでのつなぎになるし」
友「元々お通しってそう言うもんだろ?・・・ま、たこわさぐらいならすぐ出てくるけど」
男「まぁね・・・昔はお客様をお通しして、厨房が注文受ける準備できたっていう合図に簡単な料理を出してたことから、お通しっていわれるようになったらしいよ」
友「ふーん」
男「関西じゃ付き出しっていうみたいだけど」
友「こういうとこじゃ大抵たいした物出てこないけどなぁ。酷いとこだと生キャベツだけとか、揚げたスパゲティだけなんてのもあるし」
男「実際こういうチェーンの居酒屋のお通しって、前日の残りや余った在庫の食料で作ったようなものが多いからなぁ」
友「それを分かってて頼むのか・・・」
男「でもチェーンの居酒屋ってレシピが決まってるから、ある意味お通しって厨房の創意工夫がみられて面白いじゃない」
友「あ、お通しはレシピ決まってないんだ」
男「店にも寄るだろうけど、結構厨房の人がその日の気分とか食材の状況で作ってるとこも多いよ。まかないと一緒だね」
友「詳しいな」
男「こう見えても前に飲食店でバイトしてた時はチャップ(まかない)の鬼と言われてましたから」
友(まずいものばっか作ってたのかなぁ・・・)
友「でもさぁ、こんなマカロニとマヨネーズあえたのと、イカ刺しにオクラ混ぜただけのやつで300円も取られるって、なんか納得いかなくない?」
男「たしかに最近お通し自体がほとんど席料みたいな扱いになっちゃってるよな。昔はお通しはサービスでお金をとらないってとこも結構あったけど。まぁ、その分席料とか他の料理の代金に転嫁されてんだけどさ」
友「それならいっそのこと、席料って堂々と書けばいいのにって思うわ・・・」
店員「たこわさお待たせいたしましェー!!」
男「あ、どうもー」
友(この店員ひょっとして飲んでるんじゃねぇだろうな・・・?)
男「お通しっていえば、阿刀田高って人が書いた本にさ。阿佐ヶ谷のとある飲み屋の話が出てくるんだけどね」
友「はぁ」
男「その店じゃお通しに砂肝の煮付けを小鉢で出してたんだって。店からのサービスってことでお金もとらないし、その店のどんな料理より美味いってんで、著者のお気に入りだったそうで」
友「へー」
男「そんなある日、阿刀田氏はあることに気が付いたそうな」
友「はぁ、あることですか」
男「例えばさ、一杯だけ飲んで帰る客にも当然そのお通しは出てくるわけ」
友「うん」
男「でも、何杯も飲む客も一杯だけ飲む客も、お通しは一回しか出てこない」
友「そりゃそうでしょ」
男「でも店からしてみれば、一杯だけ飲んで帰る客よりも何杯も飲む客のほうがありがたいはずだろ?」
友「まぁ、その分お金を落としてくれるわけだしな」
男「だったら店にとってありがたい客のほうがより多くのサービスを受けられて然るべきじゃないか?つまり、何杯も飲む客には何回もお通しが出てもいいんじゃないか、ということに彼は気付いたわけ」
友「まぁ言ってることは分からんでもないがなぁ・・・」
男「で、ある日その事をその店の主人に言ってみたんだって」
友「そんなにその砂肝煮が好きだったのか」
男「多分ね。で、その時店の主人から返ってきたのが『お通しは人につくもの』っていう言葉だったらしい」
友「人を食ったような答えだな」
男「ああ。だから阿刀田氏は自分なりにその言葉の意味を考えて、お通しはその店から客に対する挨拶のようなものだと理解したそうだ。挨拶である以上、あの客この客と差があったら客の方もつまらなかろう。それを店の主人は人に付くと表現したんだろうな、と」
友「ふむ・・・」
男「だからさぁ、それを考えると最近のお通しってのはそっけなくなったよなぁ」
友「最近のって・・・お前俺と同世代だろうが」
男「個人的には今のお通しカットが流行ってる現状はやっぱり寂しいな。まぁそれは客だけじゃなくて店側にも問題があるとおもうんだけど俺としてはやっぱり・・・」ヒック
友「お前実はもう結構酔っ払ってるだろ」
店員「串盛りお待たせいたやしゃしゃァー!!」
<ハラシェー!!
男「お、やっと来たか!肉だ肉だー」
友(ていうかこの店本当に大丈夫か・・・?)
-お通し編 おわり-
乾燥大豆を砕かずにそのまま混ぜ炊きしたのは食べたことあるんだが
そこそこ香ばしくて美味だったような…塩入ってたのかな
>>71
うんうん、味があるよね(ニッコリ)
まあ好みじゃないですかね・・・
-ステーキ編-
男「今日は何食べようかなぁ・・・」
友「お前食う事ばっか考えてるな」
男「俺、三大欲求には常に忠実に生きていたいの」
友「ダメ人間の在るべき姿」
男「不満足な人間であるより、満足した豚でありたい」
友「ソクラテスに喧嘩を売って行くスタイル」
男「お・・・学食のオープン記念セールやって・・・えぇっ!?」
友「どうした?」
男「ステーキセット500円だって!!}
友「おー、ほんとだ」
男「これは穏やかじゃない!!」
友「学食のステーキっていうと、あの1200円の奴か・・・そういやアレ食ってる奴見たこと無いな」
男「まぁ1200円あったらわざわざ学食のステーキなんて食べなくても他に食べるもんいっぱいあるしな」
友「誰も買わなそうな絶妙な値段設定だよな」
男「それが今500円だっていうんだから!乗るしかない、このビッグウェーブに!!」
友「・・・でもこれ、限定30食だぞ」
男「並ぼう」
友「えっ」
男「今から学食に並ぼう」
友「並ぶって・・・まだ学食開くまで30分くらいあるけど」
男「30分なんて大したことねぇよ!たかだかカップヌードル10個分だ!!」
友「それ結構大したことあるんじゃないですかね・・・」
・・・
店員「ぼちぼち券売機動かすかー、今日は忙しくなるぞー・・・ん?」
男「・・・」(迫真)
店員「」
友「お、お前殺気出すの止めろよ・・・店員の人引いてるだろ」
男「これは殺気ではない・・・食い気だ」
友「いいから・・・ほら、食券買おう」
男「成し遂げたぜ」ピッ
友「どれ、せっかく並んだんだし俺も食ってみるか」ピッ
男「どんな感じだろうね?」ワクワク
友「さぁ・・・学食とはいえ一応ステーキで有名なところだし、適当なものは出てこないと思うけど」
男「ハヤシライス食い損なったゴローちゃんもここのステーキ食ってたしな」
店員「はーいステーキセットお待ちどうさまー」
男「来たッ!」
友「おー、ちゃんと鉄板ジュージューいってるな」
男「よーし、早速頂きましょう!」
友「ああ」
男「うん、おいしい!」
友「そ、そうか?結構固いぞこれ・・・」モニュモニュ
男「まるでゴムみたいだぁ・・・」(直喩)
友「ゴムって言っちゃってるし」
男「でも大丈夫だ。熱い鉄板に乗ってるだけで味わい3割増しだ!」
友「せやろか」
男「なんていうかまぁ、期待通りだよね!」
友「お前の期待って必ずしも美味い物食う方向に向いてないじゃん。むしろ不味いものの方に向いてるじゃん」
男「これはこれで味があるじゃない」
友「でも、これを普段1200円で出してるのか?だったら買わないな・・・」
男「うーん、まぁ確かにこの肉はちょっと想像を上回る安っぽさだったけど・・・あっ」
友「どうした?」
男「こ、これ・・・よくみたらステーキセットだ!!」
友「お前は何を言っているんだ」
男「じゃなくて!ほら、券売機よく見て!!」
友「券売機・・・?あっ」
←ステーキセット(30食限定)¥500
←サーロインステーキセット¥1200
友「別メニューみたいですね・・・」
男「よくもだましたアアアア!!だましてくれたなアアアアア!!」
友「だまされるほうがわるいんじゃないですかね」エウメネース
-ステーキ編 おわり-
-自販機ハンバーガー編-
男「いやー、たまに郊外に出ると気持ちいいですなー」
友「のんびりしてる暇ないぞー。先輩たちが来る前に準備済ませとかなきゃ」
男「そうはいったって、食材や薪とかはある程度キャンプ場で用意されてるんだろ?酒だって後から来る連中が買ってくるって言ってたし」
友「そっちはいいんだけど、それとは別に釣りとか花火やるからそっちの準備しとかないと」
男「へーい」
友「うーん、この辺かな」
男「あ、友みてあれ」
友「ん?」
男「ほら、ハンバーガーの自販機」
友「錆びついてんじゃん・・・いつのだそれ」
男「懐かしいなー・・・子供のころ、地元のドライブインにあったやつだ」
友「ハンバーガーの写真が貼ってある・・・けど、絶対こんな美味そうな奴出てこないんだろうな」
男「そこがまたそそるじゃないか」
友「そうだね君はそういう奴だったよ」
男「まー俺が小さい頃から既にこの手のタイプの自販機は撤去されはじめてたし、俺も1回しか実物食ったことないんだけど」
友「食ったことはあるのか」
男「ああ。どうしても自販機のハンバーガーというものが食べてみたくて、親にせがんで買ってもらったんだ確か」
友「そんな幼い頃からまずいメシ好きだったのか・・・」
男「失礼な・・・いや、ジュースじゃなくて食べ物の自販機ってのが珍しくて、単純に興味があったんだよ」
友「なるほどね。そもそもこれ、中はどうなってんだ?」
男「多分、冷凍状態になったハンバーガーが入ってて、ボタンを押すと内蔵されたレンジでチンしてるんだと思う」
友「へー。ゲーセンとかネカフェにあるおにぎりやたこやきなんかの自販機と仕組みは同じだな」
男「うっすら覚えてるのは、ハンバーガーというよりぐじゃぐじゃにふやけたバンズに味のしないパティと申し訳程度に塗られたケチャップで構成された物体Xが怪しげな湯気を上げながら出てきたことぐらいだな。確か俺それ見て泣いたもん」
友「ハンバーガーに泣かされるとか壮絶な少年時代ですね」
男「これで300円だもの・・・そりゃ普通ならモスとかマック行くよね」
友「だなぁ」
男「コイツもそのあおりをくって廃棄されたって訳か・・・」
友「そりゃなぁ・・・話を聞くにどう考えても単なる生ゴミ製造機だもん」
男「それでも80年代とかは流行ったのかなぁ、コイツも」
友「さぁどうだろうな・・・それよりも、お前も準備手伝えって」
男「あ、悪い悪い・・・ん?」
友「どした?」
男「これ、鍵のところが壊れてる・・・引っ張ったら開きそうだぞ」
友「開けなくていいから」(良心)
男「見たいもの見たい!見たいもの見たい!!」ギギギ
友「ちょ、バカやめろ!!」
<パカッ...
男「う・・・」
友「お・・・」
二人「ほぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
-自販機ハンバーガー編 おわり-
-雑炊編-
先輩A「男くーん、これ飯盒ってこのままでいいのー?」
男「フォースの力を信じるのじゃ」
友「そんなアドバイスあるか」
先輩B「これカレーにスピリタスぶち込んだら皆ハッピーじゃね?」ヒック
友「おう酔っ払った勢いでテロしようとすんのやめてくださいよ」
男「じゃ、ぼちぼちみんな蓋あけてー」
友「おー皆上手にできて・・・ってお前の班だけ豚汁作ってんじゃねえよ!!」
男「手元が暗くてカレールウと味噌間違えた」
友「絶対確信犯だろ!!」
先輩B「これスピリタスぶち込・・・」ウィー
友「いいからアンタは座ってろこの酔っ払い!!」
先輩A「男くーん、これご飯めっちゃ硬い!」
男「フォースと共にあらんことを・・・」
友「答えになってねぇよ」
先輩A「これじゃ食べられないよぉ・・・」
友「あーホントだ・・・生煮えになってますね・・・」
男「あ、じゃあ俺のやつ上手く炊けてるから食べていいすよ」
先輩A「ホント!?素敵抱いて!!」
友「お前はどうすんの?」
男「俺は大丈夫だ。豚汁があれば5年は戦える」
友「お前はさっきから何と戦っているんだ」
<イタダキマース!!
友「ふぅー、一息ついたな・・・さて、俺達も飲もうぜ」
男「んー」
友「何やってんの?」
男「ああ。さっきの生煮えの米使って雑炊作ろうと思って」
友「なるほど、雑炊か・・・」
男「この飯盒に豚汁ぶち込んで煮込むだけだし」
友「考えたな」
男「俺、雑炊って好きなんだよねー。エルガイムMK-Iの次くらいに好き」
友「比較対象がおかしいだろ。ていうか、雑炊っていうよりおじやじゃないのかそれ」
男「雑炊って言った方が美味そうじゃない?」
友「知らねえよ」
男「待って、wikipediaでおじやと雑炊の違い調べてるから・・・」
友「調べなくていいから」
男「おじやと雑炊は同じ意味で用いられる例が多いが、地域や家庭によっては、別種のものとして認識されることもある。ただし、その区別は広く共通のものとはいい難い。以下はその例。①『調理にあたり、米飯をいったん水で洗い、表面の粘りをとってから用いることで、さらっと仕上げたものが雑炊。そうでないのがおじや』、②『汁とともに温めるだけ、または水分が飛ぶほどには煮込まず、米飯の粒の形を残すものが雑炊。煮込んで水分を飛ばし、米飯の粒の形をさほど残さないのがおじや』、③『味噌や醤油で味付けをしたものがおじやと呼び、雑炊は塩味または煮汁が白いものと認識している地域がある。その一方で塩味に限らず醤油味のものも雑炊と呼ぶ地域もある』。だってさ」
友「まーたどうでもいい知識が増えてしまった」
男「http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E9%9B%91%E7%82%8A&oldid=53703907」
友「出典まで・・・」
男「雑炊と言えばさ、なんかメシ食う時全ての物をとりあえず混ぜて食う奴いない?」
友「えぇ・・・行儀悪いなぁ」
男「知り合いのじいさんがそんな感じだったんだけど、味噌汁からオカズまで丼に入れて全部ごちゃまぜにしちゃうの」
友「なんでそんなことするんだろう・・・」
男「そうするとより味わい深くなって、食った気がするんだって」
友「理解できない」
男「元々は貴重な米を節約する為に色々混ぜ込んで水で増量させるのが雑炊のルーツだし、ひょっとして米を節約してたとか?」
友「確かに戦争中は雑炊ばっか食ってたってエピソードを日本史の授業で聞いたことがあるけど・・・」
男「そーそー、それがまたたまらん雑炊の魅力なわけ」
友「お前もちょっとおかしいけどな」
男「それにこうやって焚き火で雑炊つくってるとさ、なんかジコ坊っぽくない?」
友「キャンプにきてその名前を聞くことになるとは思わなかったわ」
男「椀を出しなさい。まず食わねば・・・雅な椀だな」
友「セリフまで再現しなくていいから・・・それにそれ紙皿だし・・・ん?」
先輩B「うひょひょー」(白目)
友「またきたよこの酔っ払いめんどくせえな」
先輩B「おー、なんか美味そうなもん食ってるじゃねーかー」
男「先輩も食います?」
先輩B「え、マジ?食う食う!いやー酒飲んでるからこういうのありがたいわー、フヒヒ!」
男「たくさんあるから、明日の朝も食えますよー」
友「確かに明日の朝は皆二日酔いになってそうだなぁ・・・ひょっとしてお前、ここまで計算して豚汁を?」
男「いや、単純にカレーだけだと飽きると思って」
友「やっぱり確信犯じゃないか」
先輩B「うーし、最後の仕上げにスピリタスを・・・」
友「アンタそこの川に流すぞ」
-雑炊編 おわり-
-焼き魚編-
友「はーい、みんな竿持った?」
<モッター!!
<モロロロ…
友「じゃあ、これから1時間勝負で!一番多く釣れた人には商品が出まーす」
<ウオオオオオオオ!!
<ウオロロロロロロ…
男「若干一名吐いてる方がいらっしゃいますね・・・」
男「・・・よしきた」ピチピチ
友「おー」
男「ほいっ」ピチピチピチ
友「すげぇな」
男「あらよっと」ピチピチピチピチ
友「な、なんでお前ばっかそんな釣れんの?」
男「なんだろう・・・俺、前世じゃ釣りばっかりしてたような気がする」ウーム
友「太公望かな?」
男「いや分からんけど・・・なんか、お前と釣りしてると物凄いデジャヴ感に陥る」
友「そんなこと言われましても・・・」
先輩A「エサの虫が気持ち悪いよぉ・・・」ビクビク
・・・
友「はい、しゅーりょー!!」
男「なんだ、皆ボウズばっかりじゃない」
友「お前が釣りすぎなんだよ」
男「釣った魚、調理するんだろ?」
友「あ、ああ。あとで焚き火して焼くつもりだけど・・・」
男「じゃ、俺先に上がって下拵えすませとくよ」
友「あ、悪いな。俺も後片付け終わったらすぐ行くわ」
男「うい」
先輩A「友くーん、Bちゃんが川でタイタニックしてるよー」
先輩B「おぼぼぼ」ブクブク
友「そのまま沈めといていいんじゃないすか?」
・・・
友「よー手伝うよ・・・って、すげぇ!もう串まで刺してあるじゃーん!!」
男「一応見よう見まねで踊り串打ってみたけど、どうかな?」
友「イイネ・」
男「・・・なんか、前にもこんなこと無かった?」ウーン
友「ないと思うけど・・・?よし、じゃあ皆のところ持っていこう!!」
先輩A「すごーい!テレビでよく見る焼き魚だー!!」
友「焚き火の縁で焼くって画になるよなぁ」
先輩A「そこで釣った魚だし、これ絶対おいしいよねぇ」
友「ええ、絶対美味いと思いますよ」
男「・・・」
友「ん?どうしたんだ」
男「いや別に」
友「?」
先輩B「火ってあったけぇ・・・火考えた奴天才だわ・・・」
友「うわぁ服が乾いてきたらすげー苔臭い」
男「そりゃあんだけどっぷり川に浸かればねぇ・・・」
<イタダキマース!!
<…
友「な、なんか皆魚を口にした瞬間無言になったね・・・」
男「これさぁ、焚き火で魚を焼くって画にはなるけど・・・ちょっとお前も食ってみ?」
友「うん・・・うぐ、こ、これは・・・」
男「生臭いだろ?」
友「見た目はこんなに焦げてんのに、中の方まるで火が通ってねぇ・・・」
男「焚き火だと火加減が難しいからね・・・」
友「みんな押し付けあってる・・・これもう軽い罰ゲームだな」
男「とりあえず少な目に焼いといて正解だったよ」
友「うーん・・・」
・・・
友「はぁー、色々あったけど我がサークルのキャンプも無事終了したな」
男「お疲れさん。はいこれ」
友「ん?なんだそれ」
男「さっきあの焚き火の下で焼いてたんだ」
友「ホイル焼き?いつの間に・・・」
男「焚き火で調理するならホイル焼き安定よ。焼くっていうか半分蒸す感じだからまんべんなく火が通るし」
友「なるほどね・・・あ、美味い!!」
男「それに、ホイルで包むから魚以外にも色々入れられるし」
友「これなら最初からホイル焼きにすればよかったな」
男「なので、あとは俺達で頂きましょう」
友「あ、そういや残ってた魚はどうしたんだ?」
男「塩刷り込んでロッジの冷蔵庫に入れてあります」
友「やりますねぇ!」
男「やっぱり焼き魚はコンロで焼くに限る」
友「野趣は無いけどね」
-焼き魚編 おわり-
-カニカマ編-
男「こんなん買ってみました」
友「なにこれ、香り箱・・・?カニカマか」
男「うん、高級カニカマだって」
友「カニカマなのに高級とかこれもうわかんねぇな」
男「なんでも、一般の人が食べたらカニと見分けが付かないくらい良くできてるらしいよ」
友「へー、そりゃすごい」
男「ずっと気になってたんだけど、今まで品薄で手に入らなかったんだ」
友「そうなんだ」
男「本当にカニなのか、ちょっと食べてみようぜ」
友「え?いいのか」
男「おう」
友「サンキュー、じゃ、頂きます」パク
男「いただきまーす」パク
二人「・・・」モグモグ
友「カニじゃねーか!!」(歓喜)
男「カニカマじゃねーか!!」(憤怒)
友「えぇ・・・」(困惑)
男「えぇ・・・」(困惑)
友「え、だってこれ・・・本当にカニカマか?」
男「いやどっからどう味わっても360度まんべんなくカニカマだろ、これ・・・」
友「カ、カニカマって先入観があるからでなく?」
男「正直目を瞑っても当てられる自信あるわ」
友「マジかよ」
男「なんていうか、上手くいえないけどカニの身ってもっとギッシリしてて臭ぇよ!!」
友「おう高級食材ディスるのやめーや」
男「ディスってないし!ただちょっと味覚を表現するための語彙が少ないだけだし!!」
友「それにしても臭いはないだろ・・・」
男「いや、実際エビ・カニの身って結構臭いでしょ。それが美味いんだけど」
友「でも、いつも食ってるカニカマとは全然ちがうぞ、これ」
男「たしかに、カニカマ風味のカニカマからカニ風味のカニカマにはなってるけど・・・」
友「カニカマ風味のカニカマって何だよ」(哲学)
男「やっぱりカニカマは、カニカマっていうカニとは別ジャンルの食い物だな」
友「カニカマって単語がゲシュタルト崩壊しそう」
男「ただ既存のカニカマより全然美味いね。いいつまみになりそう」
友「下げてから上げる。ツンデレかな?」
男「あれは飽くまでもカニではないことに声を荒げたのであって・・・カニカマとしては大したもんだよしゅごい」
友「俺にとってはもうこれ本物のカニといっても過言ではないんだけどな・・・」
男「地元にいるときに結構知り合いから売り物にならないカニ送られてきたからさ。やっぱ、本物と比べちゃうんだよね」
友「そんなにいい物食ってる癖してまずいメシ好きなんだもんなぁ・・・」
男「失礼な」
友「でも、それ食ったらちょっと酒飲みたくなってきたなぁ。今夜俺の部屋で飲むか?」
男「イイネ・」
友「じゃ、講義が終わったら正門のとこで落ち合おう」
男「かしこま!」
-カニカマ編 おわり-
詳しい人多いなwww
取り敢えずアルミホイル持ってけってことだな
>>127
生焼けも味があっていいよね
-缶詰編-
男「今日は久しぶりに宅飲みだ~」
友「酒はこれくらいでいいか・・・つまみはどうする?」
男「台所貸してくれれば俺なんか作るよ」
友「じゃ、何か食材買ってくか」
男「あ、ちょっと待って」
友「ん?」
男「俺の部屋からいくつか缶詰もってきた」
友「缶詰て・・・」
男「非常食の」
友「寮暮らしなのにちゃんと自分で非常食用意してんのか」
男「うん、非常用の保存食とか集めるの好きだし」(快活な笑顔)
友「だろうね・・・」
・・・
男「おじゃましまーす、うおぉ重てぇ!!」ドサッ
友「おーう、飲み物冷蔵庫しまっといてー」
男「人使い荒いですう」サッサッ
友「もうやってらっしゃる」
男「醤油はあるな・・・あとほんだしとふえるワカメか・・・アンタ、ちゃんとご飯食べてんの?」
友「お前は俺のお袋か」
男「じゃ、早速台所借りるぞ」
友「おぉ」
男「えーと・・・」ガサゴソ
友「そういや、何の缶詰持ってきたんだ?」
男「えーとね、サバの水煮だろ?あとタケノコの水煮と鶏肉の水煮。それからうずらの卵の水煮・・・」
友「尋常でない水煮推しやめーや」
男「水煮が一番いいんだって・・・飽きないし」
友「非常食なんだから飽きるも飽きないもないだろ」
男「いや、意外とスルーしがちだけど、非常食の味って重要だぞ。被災地での体験を聞くと、同じような味の非常食続きで辟易することも多いみたいだし」
友「はぁ」
男「だから、非常食を用意するときは醤油とか塩コショウも一緒に用意しておくとイイネ・」
友「さすがはマズメシのプロだなぁ」
男「失礼な」
友「で、何作んの?」
男「サバ缶はそのまま葱とワカメのせてポン酢かけて食べよ。あとは醤油で軽く煮込むわ」
友「すでに煮てあるものをさらに煮ていくのか・・・」
男「昔海軍の潜水艦でもこういう調理してたらしいよ」
友「知らねーよ」
・・・
男「できたー」
友「早いな」
男「缶詰だからね。既に火が通ってるし、味も染み込みやすいから」
友「なるほど」
男「じゃあカンパーイ」
友「うーん、おいしいけど、やっぱり缶詰は食感に欠けるよな」モグモグ
男「昔の潜水艦海乗りはこんなの何週間も食ってたんだぞぉ」
友「別に俺潜水艦乗らないし・・・」
男「冬はさぁ、缶詰を石油ストーブの上に乗せて温めて食うよな」
友「そんなんしたことねえよ」
男「!!?!?!?!??!!!?!?!??」
友「驚きすぎだろ」
男「マ、マジで・・・えっこれもしかして北国特有の文化なの・・・?」ガクガク
友「北国でもごく一部の話なんじゃないですかね・・・そもそも石油ストーブっていったら、現代人は普通ファンヒーターを思い浮かべると思うんですけど」
男「ファンヒーターじゃ上にヤカン乗せて加湿できないだろ!!」
友「そう・・・」
男「それでお湯割り作って一緒に温めた缶詰で一杯やるのが冬の醍醐味じゃないのか・・・」
友「その話を聞いて俺の脳裏によぎるのは限りなく渡哲也なんだけど」
男「まー冬になるといつも親父がやってたんだけどね」
友「なるほど」
男「で、それやってる横で餅とかスルメとか炙るの。俺はまだ酒飲めなかったから、専ら缶詰とかスルメを貰うだけだったけどさ」
友「一つ申し上げたいことがあるのですが」
男「ん?」
友「こんな真夏にそんな汗かくような話しなくてもいいんじゃないですかね・・・」
-缶詰編 おわり-
-ハム編-
男「全然関係ないけどホモソーセージっていやらしい要素全部入ってるよな」
友「馬鹿じゃねえの」
男「すき?」
友「な、何が?」
男「ソーセージ」
友「もうこの流れじゃ卑猥な意味にしか聞こえねーよ」
男「あれ食ってるとすぐ飽きるよね」
友「そういや俺もたしか小さい頃、戦隊モノかなんかのカードが欲しくて毎週買ってもらってた記憶があるなぁ」
男「俺アレ苦手なんだよー、深爪だからケース開けられないし」
友「ああ、あの赤いのひっぱるやつな」
男「給食のチーズとかもああいうタイプのやつ無かった?」
友「あったあった」
男「俺、どうしても開けられなくて毎回歯で端っこの方咥えてねじ切ってたもん」
友「やるやる」
男「ソーセージ咥えながら歯ぁ立ててさー」(ゲス顔)
友「死ねよ」(真顔)
男「なんて冷たい視線だぁ・・・」
友「あ、そういやさっき一緒にハムカツも買ってたよな?」
男「あ、そうだった。食べよ食べよ」
友「ほいよー」
男「サンキュー。ソースは?」
友「ほい」
男「中農かぁ・・・ウスターないの?」
友「ないよ」
男「じゃあしょうがない、酢で薄めるか」
友「げー何それ」
男「揚げ物さっぱり食えるってんで、巣鴨のおばあちゃんの間で流行ってるんだって。こないだ出没ック天国でやってた」
友「なんだその略し方」
男「うーん、ハムカツなんて久しぶりにくったなぁ」モグモグ
友「ハムカツのハムってなんかたまに固いところにブチ当たるよな」
男「安いのは大体プレスハム使ってるだろうしねぇ」
友「それ普通のハムとちがうの?」
男「普通のハムってロースハムのこと?」
友「そうそれ」
男「ロースハムは本当にロース使ってるけど・・・プレスハムはいろんな部位を混ぜ込んで圧縮成形したハムだよ」
友「へー」
男「肉の切れっ端とか使ってるから、普通のハムより安いわけ。たまに給食とかで脂肪の混じった赤いハムが出てこなかった?」
友「あーそういえば出てきたかも」
男「それそれ」
友「たまにスーパーで超安売りしてるのもああいうのだなぁ」
男「さっき話してた魚肉ソーセージなんかも、ルーツをたどればプレスハムと一緒だそうで」
友「そうなの?」
男「肉が高かった頃、魚肉とか混ぜ込んでハムっぽくしてたんだって」
友「へー」
男「むかーし祖母ちゃんちで食ったプレスハムがさぁ・・・硬くて臭くて粉っぽいまずーいハムでね」
友「また出たマズメシ話」
男「昔は豚肉や魚肉の他にもマトンとか使ってたみたいだから、味が悪かったんだって」
友「なるほど」
男「そういやロースハムも、元々は日本固有の食品らしいぜ」
友「ウッソ」
男「だって元々ハムってもも肉の事だし・・・第一次大戦で日本の捕虜になってたローマイヤさんが開発したんだよ確か」
友「ローマイヤ先輩とか超懐かしい」
男「何会ったことあんの・・・?」
友「いや、ハチクロの話」
男「なにそれ」
友「知らないの?10年くらい前に流行った少女漫画だよ」
男「しらない」
友「お前、どうでもいいことはよく知ってる割に、こういうのは知らないんだな」
男「だって、少女漫画って女子が読むもんだろ?別に女の事とか興味ないし」
友「そう・・・」
友「・・・」
友「えっ」
-ハム編 おわり-
乙
ところどころメタ挟んでくるね
本当に缶詰かー?
米軍レーションじゃないのかー?
ポールウインナー食いたくなった
-フードコートのチャーハン編-
男「あ、おい。こっちだこっちだ」
友「おーう」
男「思ったより混んでるな」
友「まあちょうど飯時だしな」
男「じゃ、俺行ってくるわ」
友「おう、先食ってるぞ」
男「ああ」
友「あ、ついでに水持ってきてくれ」
男「はいよ」
・・・
友(・・・うーん、早く水持ってきてくんねぇかなぁ)
友(アイツどこいった?・・・あ、ラーメン屋か・・・)
友(随分行列ができてるな・・・って)
友(アイツまだ並んでねえじゃねえか!!)
友「おぉい!!」
男「お、どうした」
友「どうした、じゃねえよ!はやく並べよ!!」
男「待って、今考えてるから」
友「何をだよ!!」
男「ラーメンかチャーハンかで5年悩む」
友「悩みすぎィ!!」
男「お前の顔みたらそういや昨夜カップ麺食ったこと思い出したわ」
友「どういうことなの・・・」
男「よし、チャーハンに決まりだ」
友「まったく・・・結局俺が自分で水を取りに行かにゃならんのか」
男「すまんな」
友「だいたい、サッと食うからここ入ったのにあそこで悩んでちゃ意味ないだろ」
男「いや俺も直前まではラーメンで気持ちを固めてたんだけどね。メニューにチャーハンがあるのを見た瞬間、米食いたくなって」
友「開幕早々気持ち揺らいでんじゃねえよ」
男「でもフードコートのチャーハンってさあ、あんまり美味しくないじゃん」
友「まぁな・・・やっぱこういうとこはファーストフード店が安牌よ」
男「なんていうか、パラパラだけを再現しようとして味も香ばしさないパサパサの焼き飯が出てくるだけ、みたいな」
友「そんな詳細なディティールまで気にしてチャーハン食ってない」
男「チャーハンっていうより焼き飯って言った方がうまそうじゃない?」
友「知らんし」
<ピピーッ、ピピーッ
男「あ、鳴った。ちょっととってくるわ」
友「へい。ていうか俺もう食い終わったし」
男「大丈夫だ。40秒で完食してみせる」
友「ごはんはよく噛んで食べましょう」
男「うーん・・・」モグモグ
友「どうすか」
男「まさにさっき言ってたようなフードコートのチャーハンそのものだなぁ」
友「そりゃ正真正銘フードコートのチャーハンですがな」
男「レンゲで食ってるお蔭でギリギリ美味く感じる」モグモグ
友「なにそれ」
男「バッカお前・・・カトラリーは、重要だろフゴッ、刺身とか、フォークで食っゲフッ、食ってたら、絶対美味くないだろエッフエッフ!!」
友「変なとこ入ったんなら無理して喋らず水飲めよ」
男「だからチャーハンは皿の上に丸く盛ってあって、レンゲで食ってれば大体美味いんだよ!!」
友「バカ舌だなぁ」
男「なんてことオゴフッカフッ!!」
友「米粒ショットガンやめーや」ビシビシ
男「ごめん。このチャーハン気管にダイレクトアタック仕掛けてくる」
友「別にもっとゆっくり食っても構わんよ・・・どうせそんなに急いでも1分や2分くらいしか変わらないし」
男「悪いな・・・やったースープも超まずい」(白目)
友「満身創痍じゃねえか」
男「スープなのに粉吹き芋の味がする」
友「えぇ・・・」
男「なるほど、これは通常廃棄されるキャベツの芯の部分が具材に使用されているらしいぞ」
友「解析しなくていいから・・・」(良心)
男「多分、前の日に余った野菜類をぶち込んで中華スープの素で煮込んだだけなんだろうな」
友「普通チャーハンっていうとネギしか入ってないラーメンのスープついてくるよな」
男「あれラーメンスープとはまた微妙に違うけどな・・・とりあえず、久しぶりに純粋に心から不味いと思えるメシだったぜ、ごちそうさま」
友「不味いって言っちゃってる」
-フードコートのチャーハン編 おわり-
サバゲー行ってたんじゃないんですかね…
>>176
初日で脚ボロして帰宅よ帰宅!!
風呂が痛すぎて泣いた。
http://i.imgur.com/kYeRTJk.jpg
でも、最近のフードコートってチェーン店の集合体だよな
>>178
たまによく知らないカレー屋とかラーメン屋が出店してる
そもそもフードコート内の厨房って狭いし調理器具も限られてるよね
前の店の居抜きとかで入ることも多いから特に
-スパゲティ編-
友「そういや今度うちの学食にパスタ屋が入るんだってさ」
男「へー」
友「一応チェーン店みたいだから、厚生棟の学食みたいなフニャフニャパスタは出てこないだろ」
男「かもなぁ」
友「そもそもあそこ、作り置きのナポリタンかミートソースしか出てこないし」
男「ナポリタンは元々そういうもんじゃないの?」
友「そうなの?」
男「よくわからんけど、上野かどっかの喫茶店じゃわざわざスパゲティ茹で置きしといて、注文が入ったらフライパンに茹で汁入れてこれでもかって乳化するまで炒めてから出すって聞いたよ」
友「えぇ・・・」
男「まあナポリタンはパスタっていうよりイタリア風ケチャップ焼きそばとでもいうべき日本食だから」
友「はぁ」
男「それに世界的に見ても、スパゲティをアルデンテに茹でるのはイタリアと日本くらいだそうで」
友「あ、そうなの」
男「アメリカなんかじゃフニャフニャブチブチになるまで茹でたのがデフォルトよ。どんな店でも」
友「まるで見てきたかのように言うね」
男「むしろ日本とかイタリアのスパゲティは固すぎるって文句言われるくらいだからな」
友「本家大元に喧嘩を売っていくスタイル」
男「でもスパゲティって、金がないときに重宝するよな」
友「安いし保存が効くからねェ」
男「味も好きな感じに変えられるし。塩とか醤油とか・・・」
友「悲しいなぁ・・・」
男「ていうか店で食うと意外と高いよなスパゲティ」
友「まー1000円くらい・・・安くても700円くらいからのとこが多いよな」
男「汁も入ってないくせにラーメンより高いとか、調子に乗りすぎじゃねぇ?」
友「ラーメンと比較するのか・・・」
男「だってイタリアじゃパスタってスープとかと同じ位置づけでしょアレ」プリモピアット
友「あ、主食じゃないんだ」
男「まー向こうの人って主食=副食みたいなところがあるから・・・それでもあえて主食は何かって言ったら、やっぱパンになるんじゃない?」
友「そういやコピペで見たけどイタリア軍って戦場でスパゲティ茹でてたんだろ・・・なんつーか、食に命かけてるよな」
男「ジャングルで米を炊いてた日本軍も大概だと思いますけど」
友「ダメみたいですね・・・」
男「で、話は戻るけどスパゲティって高すぎじゃないですかね!?」
友「は、はぁ・・・」
男「そりゃ生パスタとか自家製ミートソースとか使ってるならわかるよ?でもペペロンチーノやボンゴレまで1000円に迫るっていうのはこれもうおかしいでしょう!!」
ペペロンチーノやトマトソースで1000円とか800円くらい儲けてるよなぁアレ
拘っても一人頭200円~300円で作れると思う
友「分かんないじゃん。その分いい具材使ってるのかもしれないし」
男「アサリとニンニクと唐辛子くらいしかねーじゃん!!」
友「お、俺に言われても・・・」
男「今夜、台所を使わせてください。俺が本物のスパゲティをご馳走します」
友「そう持っていくか」
男「あとお金も出してください」
友「調子に乗るな」
-スパゲティ編 おわり-
>>186
福地ホワイト六片とか徳谷トマトでもつかってるんですかねぇ?(邪推)
-味とエピソード編-
友「それにしても、お前ってホント好き嫌いないよな」
男「いや好き嫌いは多いよ?食えないものが少ないだけで」
友「よくわからんけど・・・マズそうなもんでも、大抵美味そうに食うじゃん」
男「まあ自分である程度食べる物選択できるから嫌いなもの避けてるだけかもしれんけど、身の周りの食べ物で致命的にマズイものってそんなないし」
友(てことは、やっぱりマズイもの選んで食ってるんじゃ・・・)
男「それがどうかしたのか?」
友「ん、いや・・・例えばお前ですら『できればもう食いたくねぇなぁこれ』なんて料理あるの?」
男「そりゃーあるよ」
友「マジか。どんなの?」
男「実家の料理」
友「えぇ・・・」(困惑)
男「正直今の俺がどんなものでも美味く食えるのは、実家の料理があってこそかもしれない」
友「なに、お前の母ちゃんメシマズだったの?」
男「いや普通だとは思うけど・・・全部が全部嫌いなわけじゃないし。ただなんていうか、飽きてるんだろうな」
友「はぁ」
男「脳みその補正を超えてリアルの味がぶつかってくるから、食ってるうちに辟易してくる」
友「そんなスペクタクルな表現が必要とされる料理なのか」
男「あと実家の料理もさることながら、学校給食なんかもたまにどうしようもなくマズくて食えないものがあったなぁ」
友「それはちょっと分かる」
男「うちの学校小さかったから、自分のとこの調理室で給食つくってたんだけどさ」
友「うちは給食センターでつくってたなぁ・・・冷めてて不味かったけど」
男「栄養士とかかーちゃんってさあ・・・たまに猟奇的なメニュー繰り出してくる時あるじゃん」
友「猟奇的なメニューとか草生えるわ」
男「ウチで出てきたものだと・・・そうだな、メロンの味噌汁とか」
友「ダメみたいですね・・・」
男「給食だとレバーの和え物と納豆汁だな」
友「あれ?そっちはまともそうじゃない?」
男「お前薄い本表紙買いして後悔すること多いタイプだろ」
友「なんで唐突にディスられてんの俺」
男「レバーの和え物はなぁ・・・何かの半生レバーに、豆とレタスときゅうりかなんかが混ぜてあって、レバーの血生臭さが際立ってて、口の中レイプされてるみたいだった」
友「うわぁ」
男「あんまりにも凄すぎて、口に含んだ瞬間吐いたことしか覚えてないんだよ・・・人間って、辛い記憶は忘れるようにできてるから」
友「そんなに辛かったのか」
男「もートラウマだよトラウマ。そのおかげで俺高校入るまでレバー食えなかったもん」
友「へー、意外だな」
男「あと納豆汁は・・・ひきわり納豆使っててな」
友「普通じゃん?」
男「ウチの給食、味噌汁の出汁は大体煮干し使ってたんだけど、出汁とった後の出がらしも汁の中に入ったまんまでさ」
友「うん」
男「その日は特に煮干しを多く使ってたみたいで。まず味噌と混じり合った納豆の臭気がジャブのように顔面を襲うだろ?それに負けじと汁を啜ると、今度は魚臭い煮干しのかけらが口いっぱいに広がってもうTKOよ」
友「誰がタオル投げてるんですかね・・・」
男「あれは俺だけでなく他の生徒はおろか担任の先生まで残してたからな。我が校の給食史上初となる廃棄率110%を記録した伝説のメニューだ」
友「なんか10%増量してるんですがそれは」
男「ネギとかの薬味でも使えればまだマシだったんだろうけど、学校給食にそんなオプションないし」
友「まぁ給食って基本出された物に対して選択の余地ないしな・・・先生によってはお残しは許しまへんみたいな人もいるし」
男「今になって考えると、俺は自分で選択の余地がないメシが嫌いなんだと思う」
友「それでわざわざちょっとマズめのメシを選択してるわけ?」
男「そんな人をゲテモノ食いみたいに」
友「これまでの経緯からいったらそうなるじゃん」
男「んー、まぁ確かにたまにはそういう味のあるものが食いたくなることもあるけどさ」
友「お前が良く言っている『味がある』ってのは、味の濃い薄いとは違うのか?」
男「うん、雰囲気というかなんというか・・・上手くいえないけどそのメシ全体が醸し出すオーラ的な」
友「飯のオーラってなんだよ」(哲学)
男「例えば料理漫画とか映画の食事シーンなんかを見ると、無性にその食べ物が食いたくなったりすることない?」
友「それはある」
男「あれの拡張版っていうか・・・だから、いつも食ってる厚生棟の学食なんかも、学食はあまり美味くないものっていうジャンルがまず前提にあって、その雰囲気を楽しみつつ食うみたいな?」
友「なるほど分からん」
男「でも実際、嗜好の変化って雰囲気とかそれにまつわるエピソードとかが重要だと思うんだ」
友「語るねぇ」
男「俺がレバー食えるようになったのも、漫画の影響だしな」
友「そうなの?」
男「高校生の時、マンガで房州さんが食ってた生レバーとか見て、ああ美味そうだなって思って」
スパゲティのゆで汁を湯のみ1杯分とっておいて
お茶漬けのもとをスパゲティにふりかけたらゆで汁だばぁ
給料日前の生命線だわ
友「でも、トラウマになるくらい苦手だったんだろ?」
男「うん。実は今でも、心からレバーが好きかって言われると、やっぱりあの臭いが苦手だったりするわけよ」
友「まあ確かに。レバーって血生臭いし俺もあんまり得意ではないが」
男「でも、他人が美味そうに食ってるエピソードをみて『あぁ俺も今これと同じことしてるんだな』っていうシチュエーションが、たまらないわけ」
友「なるほど分からん」
>>200
夏場は茹で汁に一気呵成にカビが生えるから(アカン)
男「なんていうか、人が食ってるのを見て羨ましいっていうのをもっと拗らせた感じ?それが例え自分の嫌いなものだとしても、どうしても食べてみたくなるわけ」
友「やっぱり食に対してドMじゃねえか」
男「さあ、なんとも言えないわね。だけど私は情報の並列化の果てに、食の嗜好を変える為の一つの可能性を見つけたわ」
友「少佐とかネタが古すぎるだろ・・・因みにその答えは?」
男「好奇心、多分ね」
友「何これ僕の脳味噌は既に硬化し始めてるとかいうレベルを超えて理解できないんだけど」
男「ちなみに攻殻は2ndの粗食の晩餐とかもうセリフ完コピするくらい見たよ」
友「そう・・・」
男「そこで出てきた台湾素食ってのも、興味あってさ」
友「なんだっけ。たしか台湾の精進料理か何かだったっけ?」
男「まあな。だが日本の精進料理と違う所は、素材をそのまま調理せず、豆やキノコの類を細工して肉や魚を再現している所にある。お前さんが食い残したそのサンドイッチと同じようなもんだ」
友「バトーさん・・・って今俺サンドイッチ食ってねえし」
男「なんだろう、精進料理とか食に対して強い制限がある中で生み出された料理っていうところがまた、俺のリビドーを掻き立てるんだよ」
友「いよいよ変態じゃねえか」
男「たとえば日本の精進料理なんて、基本野菜しか使えないだろ?だからこそ椎茸や昆布を使った出汁や油を使った調理法が発達したなんてエピソードが裏にあると思うとこれもうたまんねぇな」
友「これもうわかんねぇな」
男「同じ理由で刑務所の食事とか戦時中の食事や軍隊、特に補給の途切れた前線や長期航海中の野菜が不足した艦上の食事の話とかもう大好き」
友「そう・・・」
男「つまり抑圧下にある食事に魅力を感じるわけ。それを追体験したいがために、わざと材料の質を落としたり味付けを抑えたりして、再現して食べてみるのほんとすき」
友「自分から不味くしていくのか・・・」(困惑)
男「だから、受け身で食わされる不味い物は苦手だけど、こっちから攻めていく分には不味いものでも勝てるわけ」
友「お前は一体何と戦っているんだ」
男「多分俺の中の美味いって感情は、単純に味が良いっていうのと、雰囲気が良いっていうのの二種類があるんだ」
友「もういっそ料理研究家にでもなればいいんじゃないですかね・・・」
男「仮になったとして、こんな内容で本を出版したところで売れると思うか?ていうか出版すらできないだろう常識的に考えて」
友「一応常識から外れてる認識はあったのか」
男「現在広く人口に膾炙している料理の数々に、今まで俺が述べてきたような料理が存在しないという事実をみれば明らかよ」
友「・・・要するにお前はちょっとまずいメシが好きってことだろ?」
男「そうやって要約されると困るんだがなぁ・・・」
-味とエピソード編 おわり-
おしまい
ご愛読ありがとうございました
http://i.imgur.com/blVCXhW.jpg
http://i.imgur.com/b5kE5ND.jpg
乙乙、このスレを読んで自分の飯マズエピソードを思い返して見て
美味い飯以上にマズイ飯って印象に残るんじゃないかとか思ったわ
>>209
ほんこれ
特に地味飯の描写に定評のある久住昌之の生野菜定食の話とか最高にすき
漫画にしてよぉ!!
>>211
じゃあ誰か色塗ってよぉ!!
乙
夏場に作ったカレーっていつのまにかヨーグルトの隠し味がきいてるよね
>>213
ヨーグルト(ヨーグルトとは言っていない)
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