舞園「苗木君の補習授業」 (23)
ダンガンロンパのSSスレです。
・性描写あり
・ダンガンロンパ1(アニメ版)の世界観で、本編のような事件が何も起こらなかった世界線
以上の設定がありますので、苦手な方はご注意ください。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420224189
私――朝日奈葵は走り、走り、走ってた。
ああもう、私のドジーっ! なんて叫びたいくらいだったよ。
このままじゃ! 駅前のドーナツ屋さん! 閉まっちゃうっ!
うん、これもたぶん叫んではいないはず。
「今月まだ三十回しか行ってないのにっ!」
これは言っちゃったかも?
まあ、仕方ないよね。ドーナッツが食べられるか食べられないかの瀬戸際だったし、犯罪以外なら許されるはずだし!
いつもなら怒られる廊下のランニングも、今は誰にも邪魔されない。
怒られる心配がないっていうのもあるけど、何より軌道に生徒がいないからね。
下校時刻を過ぎ、秘密の窓からコッソリ入り込んだ教室棟の中は、それはもう寂しいくらいにがらんとしていたんだ。
だから飛び跳ねるような私の上履きは、本当に飛んでるみたいに宙を走っていたかもしれない。
でも正しいことは分からない。
だってあの時、私の頭の中は忘れ物のことでいっぱいで、もっと悪いことにお腹の方はからっぽだったんだから。
走るのが先か足音が先か、分かんなくなるくらいの勢いで階段を駆け上がった。
そして、自分のクラスのある階の踊り場に『着地』する。
と、
そこは本当に静かで、思わず足が止まった。
月面にひとりで降り立ったような寂しさだった。
自分で言うのもなんだけど、私が止まるくらいだから、これはもう相当なものだよ。
時間が止まってしまっている、とも言えたかも。
すたっ! っていう、ゴム底が床を叩く音が廊下を先駆けて、静けさだけが残った空間。
その冷たい停滞を壊すのがなんだか怖くて――私は廊下を、歩いて進んだんだ。
普段の廊下なら、普段の私なら、初志貫徹! って感じで自分の机まで突っ走っていたと思う。
だけど、邪魔する人は誰もいないのに――あまりにも誰もいないから、歩いて教室まで向かった。
それは結局――よかったのかな、よくなかったのかな。
教室まで辿り着いたら、ドアは閉まっていた。
私は後方のドアの傍に居て、そこからラス越しに、薄闇の教室を貫いて、真っ赤な夕日が見えたんだ。
その赤い光は私を縫い付けた。
私は眩さを堪えて、夕陽に魅入っていた。
陽が室内の人影を浮かび上がらせて、その存在を、私に気付かせるまで。
「っ?!」
驚いて声も出なかった。
二、三歩後ずさったような気はするけど。
こんな時間に誰?
電気も点けないで。
泥棒? それとも幽霊?
何をしているの?
いろんなコトが頭の中でぐるぐる廻っている間も、夕陽は変わらず教室に射し、でも隅には薄闇がわだかまっていて――次第に私の目は、その眩しさと暗さに慣れていって。
唐突に、答えのひとつが示された。
(な、苗木……?)
そうだ。
あれは苗木だ。後姿だけど、見間違えるはずもない。
苗木が、教室の中に立っていた。
正体が分かって、一気に体中の緊張が解けて、そうするとなんだか腹が立ってきた。
幽霊の正体見たり枯れオバマってやつだ!
苗木のクセに、私をびっくりさせるなんて生意気だっ!
今すぐあの背中に駆け寄って、耳元でそう叫んだら――苗木、どんな反応するかな。
苗木のことだから、慌てた顔して、困った素振りで――苗木は全然悪くないのに――ゴメンって言ってくるのかな。
おわびにドーナツつきあえー! って難癖つけたら、イエスウィーキャンって言ってつきあって、くれるのかな。
いっしょにドーナツ、食べて、くれるかな。
――トクン、
ひとつの胸の高鳴りを、確かに私は聞いて――その意味を自覚して、顔が耳までまっかになるのを感じた。
自覚じゃない、再確認だ。
もう何度目か分からない、想いの、再確認。
『まともに恋をしたことがないから女らしくないんだ』――苗木にそんなことを言って、シミュレーションに付き合ってもらったことがある。
それがどんな意味か――それを苗木にお願いしたことが、一体何を意味するのか――鈍感なアイツは、最後まで気付かなかったけど。
でも私も、そんな風に搦め手を使ったことが、まったく私らしくないとは思った。
思って、おもって――イヤになった。
それ以上ダメだと、私の何かが叫んだ。
私も鈍感でいなきゃ、私だけ傷付くと叫んだ。
だから、私はもう、何も思わないんだ。
そう決めたから、そう決めたはずだから。
苗木がいたって関係ない。
一歩進んで、二歩進んで。
三歩進んで、ドアに手を掛けて――――ふと、思ったんだ。
なんでこんな時間に、教室なんかに。
当然の疑問。
誰だってそー思う。だから私もそー思ったよ。
思ったから、またしても私は少しの間、動きを止めて。
だから、ドアを開くのが――音が立つのが、少し遅れた。
それは苗木が私に気付くのを少し遅らせて、苗木の『動き』が止まるのが遅れて――
「ぁ……ん!」
ほんのちょっとだけ開いたドアの隙間から、『声』が飛び出してきて、私を凍り付かせた。
瞬間的に手を引っ込めた私の目は、真ん丸になっていただろう。
今度こそ、今度こそ死ぬほど驚いて、息も止まるかと思った。
突然聞こえたそれが何か、はじめは全く分からなかった。
でも、それがどこから聞こえたか、どうして聞こえたか、なんなのか――疑問が奔り始めるより速く、次が来たんだ。
「なえぎく――んふあぁ、はうっ、ううっ、うあっ、やぁぁ」
教室の中から、突っ立っている苗木の辺りから、立て続けに聞こえた声。
言葉というより、呼吸。
ううん、そんなものよりも切羽詰まった――喘ぎ?
溺れているような?
誰の?
苗木の地声は高いけど、でももちろん、苗木の声じゃない。
じゃあ誰、と悩む時間はほとんどいらなかった。
ドアを隔てて多少くぐもっていたって、その美声の主はハッキリと分かったんだ。
「ああ――っ、なえぎくんっ、なえぎ、くん……っ!!」
舞園さやか――超高校級のアイドル、舞園ちゃんの声。
放課後の薄暗い教室。
そこにいるのは、苗木と、舞園ちゃん。
普通って基準で偏差値をつけたなら90だか100くらいつきそうに普通な苗木と、逆に1とか2くらいになりそうな舞園ちゃん。
ハタから見れば正反対。
そんな二人は、一緒にいるところがよくよく見かけられていた。
桑田なんかがしょっちゅう呻いていたし、山田も爆発しろだのなんだの言っていた。
クラスの人間だって意外に思うくらいだし、それが事情をよく知らない生徒からだと、希望ヶ峰の七不思議なんていう扱いですらあったってハナシなんだ。
でも、苗木のコトをよく知ってる人間にとってみれば、それは不思議でもなんでもない。
苗木の傍に居る時がいちばん心地良いって――分かってる人間にとってみれば、ね。
そして改めて――なんでふたりが? ってコトになる。
舞園ちゃんは、苗木の背中に隠れているから見えないんだろうか。
でも舞園ちゃんは苗木より身長高いよね?
だから苗木の後ろに立ってるワケじゃないんだと思う。
そこまで考えてよくよく覗いて見れば、後ろを向いた苗木の腰の辺りに、ソックスを履いた脚。
苗木の腰に巻き付いているのは、きっと舞園ちゃんの、きれいな脚。
ピリ……ッ、カラダの芯を、電気みたいに何かが駆けていった。
教室の中から舞園ちゃんの声は、もうほとんど聞こえなかった。
でも教室の中からは、ねばついた熱気が這い出してきていているというのを物語っていた。
そして代わりに聞こえてきたものがある。
がたん、がたん――
机が揺れているような音。
何を、しているんだろう。
私には分からなかった。
でもその物音は、明らかに普通じゃなくて――私は、私のナカの何かが、じゅくり、と蠢き始めるのを感じた。
頭はあんまり良くないけど、直感には自信があったから。
カラダだけが先走って、気付いてしまったのかもしれない。
いま、教室の中で何が行われているのか。
苗木と舞園ちゃんが、何をしているのかってことに。
離れなきゃ。コレは私が、とても苦手なヤツだ。
そう叫ぶ理性を無視して、私は再び扉に張り付いていた。
心臓バクバク、教室の中までそれが聞こえはしないか、怯えたりなんかしながら。
見てはいけないものを、見ようとしている私が居た。
後から思い出したんだ。
私が、下ネタ苦手だったってコト。
そんなことも忘れるくらい――私は熱中してしまってた。
―――――――――――――――――――――――
「生命の始め」
・排卵
・受精
・着床
―――――――――――――――――――――――
(苗木君、また、出してる……っ)
今日二回目に苗木君が果てた時、私は波のように度重なる絶頂の波の、ちょうど谷間というところでした。
高熱のような快楽に魘されつつも、辛うじて理性が働いている――そんな状態。
でも理性を保っているからこそ――腰の奥でとろりと滴った温度が意識のナカに込み上げてきて、昂ぶりで、胸までも焦がされてしまいます。
私の体内に、苗木君がいるコト。
とうに境界なんて蕩けてしまった、私と苗木君の粘膜同士のぬめり。
気持ちよさでうめくように、苗木君が私のナカでうち震えている触感。
こってりとねばついた精液が、私のひだひだの中に染みて、じわじわ子宮に溜まってくるまでの、優しくもいやらしい微熱の伝播。
それらの実感――快楽に乱されきらず、達していないからこそ――カラダが征服されていく過程を、私は妄想することが出来ました。
全て、苗木君にささげている。
その想像で、また、じゅくりと濡らす、どうしようもない自分がいました。
そうして分泌された愛液が苗木君のに絡みついて、また、滑りやすくなって――膣内のもっと奥深くまで、沈んでくるのが分かりました。
「ん……っ、ま、舞園、さん……」
「あん……っ、苗木く、ん……んぁっ、んっ、ん……っ」
苗木君が伸ばしてきた舌に縋り付きます。
じゅとじゅとと舌が縺れて、熱っぽい吐息が混ざり合いました。
私は――西日の射す教室で、ふたつくっつけた机の上で、標本みたいに、苗木君に貫かれていました。
膣奥まで届かせる様な射精が収まりました。
覆い被さるような姿勢から一旦、苗木君は上体を起こしました。
図らずも重なる、深い溜息。
それからさほど間をおかず、離れかけていた腰と腰は再び、机のガタガタなる音と一緒に擦れ始めます。
「はぁ……っ、ふぅあっ!」
射精したばかりにもかかわらずカチカチのまま、私はナカをずりゅずりゅほじくられ、湿った咳の様な喘ぎが出ました。
さっき出された精液が、愛液と一緒に掻き出されて、おしりから机まで伝い落ちるのが分かりました。
苗木君は形の良い眉をひそめ、その横を、ねばついた汗が垂れ落ちています。
私も何とか身体をおこし、机上に腰掛けるようにして、手と足と舌で、苗木君に纏わりつきました。
「ひゃく……んあっ。んちゅ……な、んにゃっ、ちゅ……ぅ」
抱き締めた血肉の暖かさより先に、快感が神経を焼きました。
膣内で、刺激の角度が変わって、突き上げてくるような淫らな痺れが子宮を疼かせたのです。その変調に、私は軽くトばされそうになります。
突然の快楽で、私の舌はきっと、なめくじみたいにはみ出ていたのでしょう。
だって、ソレめがけて、苗木君がキスをくれたからです。
グロテスクにまろび出た私の赤い赤い舌を、しゃぶり、啜り、ふたりの唾を混ぜ合わせてくれました。
同時に、苗木君は私をこれ以上ないくらい強く抱き締めて来て、しなやかながらも硬い胸板に、こちらの胸が歪まされてしまいます。
乳首が、苗木君の皮膚に擦れて、苺を押し潰したように赤くなり、熱を持ちました。
「あっ、ちゅっ、ふっ、えろっ、んれろ……ぉ、んふっ、んっ、ずぽっ、じゅぽ……はぁむ、ん……っ」
しぼるように舌を吸い、しごくように舌を吸われ、ごほうびのようにつばを舐めとり、おしおきのようにつばを飲まされ、
「ぷは……ふぁ……うぁ」
顔が離れると、つつつ――っ、と、よだれが、糸を引いて、曝け出したお互いの胸の上に垂れ落ちました。
苗木君のぼおっとした顔が、夕闇に射した落日で、この上なく淫らに映りました。
私の顔もきっと、同じくらい淫らに歪みきっていたのでしょうが、それを彼は、どう思ったのでしょう。
超高校級のアイドルの、他の誰にも見せることのない痴態と――重要な意味を持つものと――受け取ってくれたのでしょうか。
束の間の静止に息を荒くしていると、そんな私の不意を突いて腰が奥までねじ込まれ――
「はーっ、はぁ、ふ……ああっ?! ああああ~~~!」
――溜まらず快感が噴出し、だらしなく開いた口から振り絞るように、嬌声が漏れました。
美声の自負など、とうに捨て去っていました。
放課後、スリルを求めて忍び込んだ教室。
声を我慢しようと、きっと努力はしていました。
「ふふぁぅ、あんっ……んぁっ、はっ、あ……ぁ」
お腹の内側を擦って、膣奥まで擦れながら入り込んでくる硬いお肉。
「まいぞのさ……んっ、ふぅ……! んっ、まい、ぞのさんっ、くぁ……っ!」
苗木君は強すぎる悦楽に辛しむような表情で、腰を送り続けてきます。
ふと、苗木君が私の乳首を咥え込み、ちぅちぅと吸い始めました。
今日は、苗木君の手によって曝け出された、私のカラダの先端。
ぶくりとした突起の、甘噛みした跡が赤く腫れ、唾でてらてらと光りました。
痛みすら快感に調教されたこの身への悦びと恥じらいもさることながら――苗木君の赤ちゃんのようなしぐさに、蹂躙されながら、場違いな安堵を覚えました。
さらによく見れば、苗木君は爪先立ちで、机の上の私を責めたてているようでした。
じゅと……ぉ、
――愛おしさで、背筋に鳥肌が立ったようでした。
そんな健気な男の子に嬲られているという、その倒錯感もまた、私の興奮を掻き立てました。
「ひんっ、んん………ぅ!! んあっ、んふぅ………っ!」
抱く力を込めた私にまるで反発するように、ずろろろろんっ、と、苗木君は私のナカから自身を引き抜いて、
「んんっ、かふっ、んくっ、ぅぅぅぅ、んっふぁ――」
――また、ずぷずぷずぷずぷって、杭打ちの様に戻ってくる。
「――あはあぁ、んはっ、あ……っ! はっ、はっ、あ」
その、くりかえし、くりかえし。
じゅぷじゅぷっ、ぐちゅぐちゅっ、じゅ……ぷぅ、ぐちょっ、
いやらしい音で、ゆっくりと、ねちっこく。
私の声が、施錠後の教室棟中に響き渡るのを恐れてもいるのでしょう。
が――私をゆっくり弄びたいというイジワルさも感じずにはいられません。
だって、苗木君はとっくに知っているんです。
私がどれだけ淫らな女の子なのか。
私はどこを責められたら、あっけなく果ててしまうのか。
実験のように数え切れない絶頂を刻まれたこのカラダの見取り図を、苗木君は持っているんです。
そう、私の気持ちいいトコロを知っておきながら、わざと少しだけハズして――
「んふっ、んっ、あうっ、ん、あ、ふ…………くぅっ!」
ギリギリ声を我慢できるくらいに調節して――刺激に慣れ始める頃、突然――ぶちゅっ! って、
「ひん……あんっ!! はんっ、あっ、ん……んふぁっ!」
偶然みたいに芯を揺さぶって、快楽に揺さぶられる女の子を見る。
私のカラダが跳ねると、いたずらが露見した子供のような後ろめたさを見せながらも、達成感を抑えきれないという風に唇を歪めて。
また、泣きだしたくなるようにじれったい責めを、はじめるのです。
「あ……あーっ、あっ、んあっ、はぁんっ!」
なかされ、弄ばれて、ひどいと思う瞬間もあります。
いいようにされて悔しいという感情も、きっと嘘じゃない。
その弱々しい反抗心が、あっけなく捩じ伏せられてしまう現実。
征服されることを悦ぶメスの習性。
苗木君の都合のいい女に仕立て上げられている実感が、一突きごとに、子宮の奥まで深く染みこんで行きます。
日頃、控えめな苗木君をリードしているのは私。
近寄って、笑い掛けて、お話をして、とぼけて、時に、少しだけからかって。
――私の方が、苗木君を振り回しているように見えるはずですし、そう言われることもあります。
でも、私が苗木君との学校生活で握っているように見える主導権は、所詮、互いの立場に基いたもの。
ふたりの本性が曝け出された瞬間。
もっと言えば、苗木君が肩書きへの負い目を忘れた瞬間――余りにも自然に、攻守が入れ替わってしまいます。
私は、愛する男の子に蹂躙されるのを喜ぶ、男性の受容器となってしまいます。
きっと――そうした方が種を残せると、動物のメスの本能が、そうさせるのでしょう。
その方が、他のメスよりも多く、このオスに種付けしてもらえるのだと。カラダで知ってしまったのでしょう。
今日も、交わり始めた直後は、極限まで昂ぶった性欲を満たすためだけの、荒々しい責めでした。
下着は局部をずらしただけ、制服すら全ては脱がされず、乱暴な挿入。
道具のように使われた私は、それでも幾度となく達しました。
教室ごと揺るがされているような激しいピストンは、さながら、出会い頭に殴り付けられて、訳も分からないまま与えられる快楽。
一度精を放ち、落ち着いた後、ようやくスカートと下着を放り投げ、セーラー服をたくし上げて。
今度はひたすら、舌を絡めるキスと、擦り上げるような出し入れと、痺れを肉体に馴染ませるような愛撫。
私の内側にひりつくような快楽を染み込ませ、それなしではいられない淫乱な女の子に仕立て上げるための、優しくも狂おしい教育。
気をやってしまえば、その後の快感がショートしてしまうから、決壊する水準の一歩手前。
楽器の調律の様に、絶頂寸前を延々と刻みつけられる、補習。
今もそう、教育の真っ最中。
この姿勢では。
座ったまま、正面で抱き合う姿勢では、下からの突き上げでは――あと少し、届かないのです。
お互いの満足のいく位置まで、ほんの少しだけ。
でも、きっと苗木君も、もうすぐ果ててしまう。
それでは、ダメ。
犬の服従のように組み敷かれたい。
動物の様に種付けられたい。
奥のオク……子宮の入り口で、苗木君を受け入れたい。
苗木君は、私が音を上げるのを分かっていて、それを待っているのです。
だから結局、私は苗木君に、教えられた通りに、おねだりするのです。
「――――――――、――――――――!!」
泣きながら、私は懇願しました。
私に――舞園さやかに、超高校級のアイドルに、あるまじき肉欲を告白させた男の子は――ごくりと唾を呑み込みました。
普段の温厚さはなりを潜めた、追い詰める者の視線。
それを見て私は、点滅する意識の中、欲望が達せられる予感に打ち震えました。
最後に、子宮口に密着する距離で、私は苗木君に種付けされました。
苗木君は爪先立ちから思い切りジャンプし、ナカを抉りながら圧し掛かったのです。
逃げ場をなくした子宮口ごと押し潰され、赤ちゃんの部屋にどぷどぷと粘土のような射精を受けて、私は痙攣しました。
全身が引き攣り、腕も足も苗木君の身体に巻き付けて、一滴残らず、放出を受け止めました。
私の拠り所は、『超高校級のアイドル』から、『苗木誠』という男の子に変わっていました。
苗木君が私の名前を呼んでくれたような気がして、私も彼の名前を呼びました。
それは舌が絡み合っていたので、お互い言葉になりませんでした。
こうして、私の補習の時間は終わりました。
でも――この補習、参加者は、何も私と苗木君だけではありませんでした。
私は息も絶え絶えになり、もうこれ以上何も入りきらない程膨らんだお腹をさすりながら、顔を横へ向けます。
「んふっ、ん……くっ、う………ぅ、っは……ぁ」
椅子に座り、息を荒くする少女が、私と苗木君の交わりをじっと見つめていました。
その恨めし気な視線を寄越してくる少女――霧切さんの顔から、ぽたぽたと汗が滴って、机に落ちました。
革手袋をはめた手は、お行儀よくそろえた膝の上に置かれていますが――表面に奔る亀裂の様な皺が、耐え難い屈辱と辛苦を物語っていました。
彼女は、ちょっとした私とのゲームに負けて――傍観者に徹する『生徒役』となっているのでした。
私より綺麗で、クールで、意地っ張りな女の子が、想い人による与えられない快感を切望し絶望している――その様子を眺めることにより感じる、優越感。
それを、否定することはできませんでした。
ただ、それも順番が先というだけのコト。
深いまどろみの中、苗木君のが引き抜かれてゆくのを感じ――いつまでココで続けるのだろう――そんなことを、私は朦朧としながら、思いました。
何かの気配が近くにあったような気もしましたが――高鳴り始めた霧切さんの喘ぎ声に、全て掻き消されていました。
彼女もまた、心の拠り所が私と同じ、この男の子になってしまったのです。
普段からは想像もつかないような甘えた声で、苗木君にすがりつく霧切さん。
放置していたことを詫びつつ、あやしながら、愛欲を満たしていく苗木君。
今度は私が『生徒役』です。
まだ、補習は終わりそうにありません。
今回はここでおしまいです。お読みくださった方、ありがとうございました。
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