ヴェント「あのさぁ…」 (164)


ローマ市内:


ヴェント「あのさぁ……」


上条「ん?」


ヴェント「やっぱり、帰らない?」


上条「ここまで来て、もうそんな選択肢はありませんっての」ギュッ


ヴェント「そ、そんな強く握らなくても逃げないっての!」アセアセ


上条「ならよし」ニコッ


ヴェント「!」キュン


上条「顔赤いぞ?」


ヴェント「……うるせっ」バキッ


上条「がふっ!」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418745096

ヴェント「ちょぉ〜っとダケ、おねーさんを匿ってくれるカナ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1352132293/)
ヴェント「ちょぉ~っとダケ、おねーさんを匿ってくれるカナ?」


2年前に書いていて、エタってしまったヴェントSSの続きを描きます。
続き物なので、興味もって頂けましたら上記URLから読みに行って頂けると嬉しいです。



上条「ここがローマかあ……。 なんか、こう……日本みたいだな」


ヴェント「そうかなぁ? 日本よりぜんっぜんきたねえけど」


上条「まあ、確かに落ちてるゴミが多いな……。 街なみがキレイな分、異質な感じがするっていうか」


ヴェント「私はこっちの方が落ち着くケド……」


上条「え?何でだ? ごちゃごちゃしてるの嫌いなんじゃなかったっけか」


ヴェント「こんくらいの雰囲気の方が、荒れてそうで良いじゃん。 喧嘩とかすぐ起きるしこの街」ニコッ


上条「満面の笑みでそんなこと言われましても……」


ヴェント「こんな私も好きでしょ?」


上条「まぁ……好き、だけど」カァァ


ヴェント「」ボンッ


上条「な、なんで自分で言って赤くなってるんだよ!」


ヴェント「う、うるせえ! まだ慣れてねえんだよ! こういうガチな恋愛話は!」


上条「(しなければいいのに……)」



「アー、アー、アナタ、ジュードー?」


上条「お、お? え?」


「ワタシ、ジュードーワカル、アナタ、ジュードー、コウ」ガシッ


上条「え、ちょ、ちょっと! 何だよいきな——」


ヴェント「ヘイ」バキッ


「!?」


ヴェント「do you wanna go to dirty one?」ニコッ


「……」ギリッ


「……」タタッ


ヴェント「……バーカ」


上条「え……。 い、今のは何だったんだ……?」


ヴェント「ほら」スッ


上条「え? ……あ! 俺の携帯!」


ヴェント「あーやって外国人からモノ盗むのが上等手段なんだよ、ここいらの奴らは」


上条「全く気付かなかった……」


ヴェント「お前の後ろ足に足を当てて注意をそらしてから、触れないようにポケットから盗んでた」


上条「あれがスリのプロか……」


ヴェント「はぁ……。 お前なぁ、プロも何も、ここいらの奴らは日本なんかより全然生活水準が低いんだぞ。
     生活のためにこうやって窃盗してたら嫌でも上手くなるんだよ」


上条「ありがとうヴェント……。 これからは気をつけるよ」


ヴェント「うぃ。 ジーンズでも履いといた方が良いと思うよ、ここにいる間は」ヒラヒラ

え?マジで?マジであの作者?ひゃっほーい!


上条「やっぱり、俺にはヴェントがいないとダメだな」


ヴェント「……。 まーた、そんな恥ずかしいこと言う……」カァァ


上条「いや、本当に思ったんだよ。 もしヴェントがいなかったら、今頃『不幸だー!』って言って、警察に駆け込んでただろうし」


ヴェント「地元警察はイタリア語しか通じねえけどな」


上条「そこでも、また叫ぶだろうな……」ゲッソリ


ヴェント「……くくっ、次は無視しよっと」


上条「助けて下さいね!?」

>>6

覚えて下さっている方がいらっしゃるなんて、感無量です……。
ありがとうございます。
これからゆっくりですが、更新していきます!


ヴェント「それじゃ、そろそろお昼にするかぁ」


上条「待ってました!」


ヴェント「……一応聞くけど、何がいい?」


上条「パスタ!ピザ!」


ヴェント「はぁ……。 アジア人はこれだから……」


上条「え……それ以外に何かあるのか?」


ヴェント「腐るほどあるわ! ……って言っても、美味いもんピックアップしてったらやっぱりそれらになるんだけどね」


ヴェント「そうだなぁ……。 ちょっとゆっくりしたいし、適当なレストランにでも……」


上条「……」ニヤニヤ


ヴェント「死にたい?」ニッコリ


上条「何も言ってませんけど!?」ガビーン


ヴェント「顔が死ぬ程むかついた」


上条「いや、だってほら、私服、慣れて来てるから」


ヴェント「! あ……」


上条「やっぱり女の子なんだなあと思って」


ヴェント「……」


ヴェント「……やべえ……。 お前が思い出させるから、一気に何もかもが嫌になった」


上条「そんなに!?」ガビーン

レストラン:


ヴェント「はあー……寒かった。 この服のせいで」


上条「いや、コートも着てたじゃん……」


ヴェント「あぁ?」ギロッ


上条「いや、なんでもないです……」


ヴェント「さーて、何たべっかなー。 何食べたいの、お前」ペラッ


上条「それ、メニューか? よかったら俺にも見せてくれよ」


ヴェント「え……。 まあいいけど」スッ


上条「……?」チラッ


上条「」ピシッ


ヴェント「全部イタリア語だけど」







上条「ふ、普通英語とかで書くんじゃないのか……」


ヴェント「はぁ? 日本だって全部日本語じゃん」


上条「え、あ、確かに……」


ヴェント「海外が全部インターナショナルに対応してるって思ってるのは日本人ぐらいだぞーっと」パシッ


上条「しかも、写真もないのな。 文字だけとは……」


ヴェント「日本はサービスが異常な程親切だかなぁ。 あれに慣れたら、中々海外じゃ暮らして行けねーぞ」


上条「なるほどなー……。 文化の違いって凄い」


ヴェント「はいはい、それはそーと。 何食べるよ」


ヴェント「これ、ミートパスタ。 んで、これは……ドリアみたいなもんだな、海鮮の」


ヴェント「んであとはピザ類。 英語に似てるし、文字でなんとなく何のピザかわかるだろ」


上条「……あ、ほんとだ。 よく見たら英語に似てる」


ヴェント「私はどれにしよっかなー……」


上条「……そーだなー」チラッ


ヴェント「……んー」


上条「……」ポーッ


ヴェント「……海鮮もいいし、肉もいいなぁ……」


ヴェント「……ん?」


上条「……」


ヴェント「……何見てんの」ゴクッ ←ミネラルウォーター(先に頼んだ)


上条「いや……。 頬杖着いてる姿、すげー可愛いなって」


ヴェント「ぶーっ!!!!!」


上条「!? だ、大丈夫か!?」アセアセ


ヴェント「げほっ、けほっ。 バカかオメーは! ポエマーかよ!!」


食事中:


ヴェント「……けほっ。 ……たくよぉ、お前さぁ、突拍子もないの、やめろよ」モグモグ


上条「突拍子もないのって?」モグ


ヴェント「だから、その……『可愛い』とか,言うの……」カァァ


上条「す、すまん。 嫌だったか?」


ヴェント「嫌じゃないけど、どんな顔したらいいかわかんねえし、どう返事したらいいかもわかんねえの!」


上条「き、気をつけるよ」


ヴェント「……」モグモグ


ヴェント「……ま、まぁ、別に2人きりのときなら、いい、かも……」ボソッ


上条「……え? 何か言ったか?」


ヴェント「な、なんでもねぇ!」バクバク


上条「……?」



トレビの泉付近:


上条「あー! 食べた食べた!」


ヴェント「腹は膨れたか?」


上条「丁度いい感じだな。 あそこのパスタ、見た目は凄く濃いけど味はそこまでしつこくなかったし」


ヴェント「ほんなら良かった。 じゃ、帰るか」


上条「いやいや」ギュ


ヴェント「い、いちいち手掴むなよ!」


上条「今日1日は俺に付き合ってくれよ、再会した記念日だし」ニコッ


ヴェント「うぐっ……」


上条「な?」


ヴェント「……」


ヴェント「……やっぱり、お前。 ズルいな……」



地下鉄:


上条「これは、切符を買えばいいのか?」


ヴェント「うん。 日本と同じ」


上条「どのボタンを押せば……」


ヴェント「あ、そこ。 一律料金だからどのボタン押しても1ユーロ50セント」


ヴェント「それと、そこにいるガキにボタン押させるなよ」


上条「え?」チラッ


「……」ニコッ


ヴェント「そいつら、ボタン押しただけで『切符の買い方教えてやったんだからチップ寄越せ』って言ってくる」


上条「何だそれ……」


ヴェント「なんとかこじつけて金取ろうと必死なんだよ。 無視してもいいんだケド、追いまとわれても面倒だし」


上条「(色々と、日本とは違う所ばかりだなあ……)」



今日はこのくらいで終わりにしておきます。いつの間にかしりとりスレに!ww

覚えて下さっている方々が多くて嬉し過ぎます。ありがとうございます。

今度は、エタらず書き切ってみせますね。
他にもエタってしまったSSがあるので、それらもいつか完結させたいです。。。


上条「就活をぶっ壊せない」
上条「就活をぶっ壊せない」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365761928/)


朋也「ワグナリアって……」
朋也「ワグナリアって……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1318254940/)


どれもいつか書き切ります……。

それでは、また。


車内:


ヴェント「……」ソワソワ


上条「……」


ヴェント「……」ソワソワ


上条「……」


ヴェント「……な、なぁ……」


上条「ん?」


ヴェント「……電車ぐらい、手放してもらえませんかね……」


上条「え、あ、ご、ごめん!」パッ



ヴェント「ったく……。 さっきから周りの視線がいてぇんだよ……」


上条「あ、あはは……」


ヴェント「何人かマジで●そうかと思っちまった……」


上条「やめてください」


ヴェント「チッ」


上条「舌打ちしない」


ヴェント「あーうるせーうるせー」


「……」クスクス


「……」ボソボソ


ヴェント「……」


ヴェント「……」カァァ


上条「……?」



プシュー


ヴェント「も、もうココで降りるぞ」ギュ


上条「え!?」


ヴェント「いいから!」


上条「だってここ、目的地じゃな——」


プシュー


バタン


ガタン…ガタン…




ローマ市内:


ヴェント「……」ツカツカ


上条「ヴェ、ヴェント、どうしたんだよ急に!」


ヴェント「……」ピタッ


ヴェント「……」クルッ


上条「……え!? お、怒ってます?」


ヴェント「……はぁぁあああああああああああ……」


上条「え、ヴェントさん……? どうしたんでせう……?」


ヴェント「……」


上条「こんな所で座り込んで……って、 だ、大丈夫か!?どっか痛いのか!? それならすぐに病院に——」


ヴェント「……た」


上条「え?」


ヴェント「……見られた」


上条「……何が?」


ヴェント「カップルに見られた……」カァァ


上条「……」


上条「……はい?」





ヴェント「はぁ〜〜〜〜〜……」


ヴェント「ダメだ……恥ずかし過ぎる……」


上条「え、まてまて。 俺たちって、恋人どうsーー」


ヴェント「わぁーーーーー!!! それを今言うなー!!!!」


ヴェント「その通りだけどむず痒いんだよ!! しかもあんなに微笑ましく見られたらそりゃ顔上げらんないくらい恥ずかしいわ!!」


上条「えー……」


上条「手繋いでたら、そりゃ今までだってみられてたと思うけど……」


ヴェント「不特定多数と、視認出来る距離にいる奴らじゃ全くちげぇんだよ……」


ヴェント「しかもこの服装だし、絶対変に見られたー……最悪だ……」ガックリ



ヴェント「なーにが『お似合いのカップルねえ。 女の子の方、モデルさんかしら』だよ……」


ヴェント「バカにしやがって……」


上条「(それ、褒めてるんだと思うんですけど……)」


ヴェント「あーーーダメ。 やっぱり今日帰る。 帰る」


ヴェント「もうお前がなんと言おうとも帰るぞ。 いいな。 帰るからな」


上条「まあ俺はそれでもいいけど」


ヴェント「あー無駄無駄。 何言っても帰る。 周り隊ならお前1人でピヨピヨ——って」


ヴェント「いいんかい!!」ガスッ


上条「いっ!?」




ヴェント宅:


ガチャ


バタン


ヴェント「……はぁ……」


ヴェント「なんか、ドッと疲れた……」ゲッソリ


上条「あー楽しかった」キラキラ


ヴェント「お前だけハツラツとした顔やがって……」ギロッ


上条「そりゃあ楽しいよ。 見たこと無い街、見たこと無い文化、それに——」


上条「……ヴェントと一緒だし」ポンッ


ヴェント「!」


上条「……な?」


ヴェント「…………」


ヴェント「……」コクッ



居間:


TV<ワーワー


ヴェント「……」


上条「……」


ヴェント「……」


上条「……」


ヴェント「……」


上条「(……テレビ、何言ってるか全く分かりません)」ズーン




ヴェント「(……フーン。 今、日本では選挙やってんのかー)」


ヴェント「(……コロコロ変わるってことで有名だけど、今回は割かし長く持ったんだなー)」


ヴェント「(政治なんてやるだけ無駄だよなあ、ぶっちゃけ力でねじ伏せた方が早いと思うんだけど)」


ヴェント「(……)」チラッ


上条「(あ、これ日本じゃん。 安●さんだ……)」ボーッ


ヴェント「(……コイツみたいな奴がいなければ)」



ヴェント「(何でコイツに惚れてるんだろ、私)」ジーッ


上条「……」


ヴェント「(風呂場で寝てる時も思ったけど、こう見るとただのガキだもんなー……)」


ヴェント「(うーん……)」


上条「……」チラッ


ヴェント「……」ジーッ


上条「……ヴェントさん、何でございましょう?」


ヴェント「……」


ヴェント「……べっつにぃ〜」ヒュ〜


上条「あ、あぁ……(何か悪巧みしてたときの顔だなあ……)」






ヴェント「……あれ」


上条「ん?」


ヴェント「そういや、お前。 いつまでここ居れるの?」


上条「……あー……」


ヴェント「ビザ取ってても、数ヶ月が限度じゃなかったっけ?」


ヴェント「私は気にしたことないから知らないけどさ」


上条「あー……」


上条「その話なんだけど……」


ヴェント「?」


上条「実は、3日後までなんですよね—……」


ヴェント「はぁ!? 3日!?」ガタッ


上条「いやー、ヴェント探しに行くっていきりたって来て、しばらく探しまわってたから」


上条「もう3日間しか残ってないんだ。 今日含めて」


ヴェント「……あ」


ヴェント「(探すって、どうやったんだよ……)」


上条「だから、ここにいる間は、極力ヴェントと一緒に過ごしたいんだ」


ヴェント「……」


ヴェント「……んとに、バカだなテメェは。 普通に考えて、何のヒントもなしに海外へ人探しにくるって無謀以外の何ものでもねえぞ」


上条「あはは……」


ヴェント「……」


ヴェント「………ほんっとに」


ヴェント「私なんかのために、そこまでしないでもよかったのに……」


ヴェント「……でも」ポテッ


上条「……!」


ヴェント「………………あり、がと」


上条「……」


上条「……どう、いたしまして」ギュッ


(あ、ここ居間のソファです)



1時間後:



上条「……ん」


上条「……んぁ」パチッ


上条「……」ムクッ


上条「(…………あれ、俺、いつの間にか寝ちゃって……)」


上条「……」キョロキョロ


上条「(毛布……。 ヴェントがかけてくれたのかな)」


上条「(……ん〜っ……)」ノビッ


上条「(……とりあえず、起きるか)」ムクッ



上条「ヴェントー?」


上条「……」


上条「……いないか」


上条「掃除でもして待ってるか……」


上条「(って、何故俺はすぐに主夫的な発想を……)」ガーン


上条「(まぁ、悪いことじゃないし……。 いいか)」


ガチャッ


上条「……ん?」


パチッ


ヴェント「ふぅー……ん?」ガサガサ


ヴェント「ありゃ? 起きたんだ」


上条「ああ。 おかげさまで。 毛布、ありがとな。 いきなり寝ちゃってごめん……」アセ


ヴェント「別に……。 遠くからきて疲れてただろうし。 むしろ何で今まであんな元気だったんだよ」


上条「あはは……」


上条「ん……? その、でっかい荷物はなんです?」


ヴェント「そりゃ、夕食の準備だよ」


上条「あ、そっか。 ……って、まだ15時だぞ?」


ヴェント「日本と違って、わりかしこっちは早いからな。 そんかわり夜食の文化もあるけど」


上条「へえー」


ヴェント「だから肥えるやつはスゲー肥えてるんだよな。 欧米って」


ヴェント「[ピザ]は見てると●したくなる。 見ててキモいしくせーし邪魔だし」


上条「(言い過ぎでは……)」




ヴェント「よっし。 そろそろ作るかなー」


上条「あ、俺も手伝うよ」


ヴェント「え? いいって。 別に1人でもできるし、休んでろ」


上条「いや、少し寝たら元気出たし、動きたいんだ。 手伝わせてくれよ」


ヴェント「……変わった奴」


上条「よく言われます」タハハ


ヴェント「……ほんじゃ、このトマト全部潰して」ドサッ


上条「あいよ……って、多過ぎやしませんか!? 小さい段ボール1箱分くらいはあるぞ!?」


ヴェント「トマトうまいし」


上条「そんなに好きだったのか……?」


ヴェント「こっちではトマトが常食なの。 何にでも合うし。 ペーストにもサラダにもなる。 万能」


上条「へえ……。 日本で言う、醤油的な奴なのかな」


ヴェント「ちょっと違うけど、近いかも」



上条「う、うまい!!」ガツガツ


ヴェント「そりゃどーも」モグモグ


上条「俺が同じやり方をしてもこうはならないぞ!!」ガツガツ


ヴェント「はいはい、わかったから。 落ち着いて食え。 ……じゃないと」


上条「——んぐッッ!?」


ヴェント「喉につっかえるから」



ゴクゴク…


上条「あー……死ぬかと思った……」トンッ


ヴェント「いつもしてるだろ? 慣れっこじゃん」


上条「いつまで経っても慣れることじゃないぞ!?」


ヴェント「ははは。 面白い」


上条「冗談じゃないからな!?」ガビーン


ヴェント「それなりに大きく切ってあるんだから、そんくらい見てわかれよ」


上条「いやー、あまりにも美味しくて。 それに」


ヴェント「?」


上条「久々と付き合って初めて作ってもらう料理だからかな……。 すげーうまかった」


ヴェント「……」カァァ


ヴェント「よくもまぁ、そんな恥ずかしいことをそしらぬ顔で言えたもんだな」


上条「本当のことだしな」ガツガツ


ヴェント「……悪い気はしないけどね」ニコッ


上条「んぐッッ!?!!!」バンバン


ヴェント「……」

>>79

【×】上条「久々と付き合って初めて作ってもらう料理だからかな……。 すげーうまかった」

【○】上条「ヴェントと付き合って、初めて作ってもらう料理だからな……。 すげーうまかった」



ヴェント「ったく……。 飯なら昼間だって食べただろーが……」


上条「いやいや……。 お昼のは総菜がメインだったし、やっぱり手作りは違うなあって感動しちまったんだよ」


ヴェント「……こんなのでよければ、いつでも作ってやるから」
だから、飯時にキャンキャンほざくのはやめろよ」


上条「え!? 本当か!?」ガバッ


ヴェント「何を大げさな……」


上条「こんな美味い料理をいつでも……」ゴクリ


ヴェント「そんな大層なものじゃねえってば」


上条「俺にとってはそうなんだよ! おー!!これからが楽しみだー!!」


ヴェント「……」


ヴェント「……」クスッ



キュ……キュ……


カチャン


ヴェント「さて、後片付けはこんなもんかな」


上条「これはここに置いておけばいいのか?」


ヴェント「んー? おう。 そこでいいよー」


上条「あいよー」


ヴェント「さて、と。 これからどうする?」


上条「えっと……散歩?」


ヴェント「いってらっしゃい」ヒラヒラ


上条「ええ!?」ガビーン


ヴェント「もうあんなに恥ずかしい思いはしたくないんだよ!」


上条「じゃあヴェントと一緒に家にいようかな」


ヴェント「はあ?」


上条「少しでも一緒にいたいからな」


ヴェント「……」


ヴェント「勝手にしろっての」プイッ



ヴェント「(あー……。 何でそこで素直に言えないんだ、私は)」


ヴェント「(……『ありがとう』とか、そんな一言すら上手く言えない)」


ヴェント「(何か嫌になるな、こういうの……)」


ヴェント「……はぁ」


上条「……あ、ヴェント!」


ヴェント「……ん?」フッ


上条「……ん」チュッ


ヴェント「……!!」


上条「……うん、トマト味」グッ


ヴェント「……な、何すんだよ急に!!」カァァ


上条「えっ、何か、その……。 したくなったというか」


ヴェント「何だよそれ……犬かよテメェは……」


上条「……嫌だったか?」


ヴェント「……」


ヴェント「…………」フリフリ


ヴェント「……もう一回」


上条「……」クスッ


上条「……あぁ」チュッ

新年明けましておめでとうございます。

中々更新出来ず申し訳ございません……。

なかなか自宅でゆっくりする時間がなく、書くことが出来ませんでした。
もう少しペースを上げて書かないと、またエタりそうなので気をつけますね。

宜しくお願いいたします。

ヴェント「んっ、ぁ、う……」


上条「……」



ヴェント「ふ、ぁ……」



上条「……」



ヴェント「っぁ、う、ん」



上条「……」



ヴェント「ぷはっ……はぁ、はぁ」



ヴェント「な、なぁ? そ、そろそろやめ……」



上条「……いやです」スッ


ちゅっ


ヴェント「んんっ!?」



ヴェント「ひゃめ……んっ」


上条「……」


ヴェント「ろっひぇ……」


上条「……」


ヴェント「ぁっ、ちゅ、も、もいいって、ばぁ」


上条「……」


ヴェント「……」ブチッ


ヴェント「やめろっつってんだろゴラァァァ!!!」バゴンッ


上条「へぶっ!?!!!」



上条「いっつ~……」ジンジン


ヴェント「はぁ……はぁ……いつまでやってんだよ!!」


上条「つ、つい……」


ヴェント「発情したサルかよ!?」


上条「いやー、キスって気持ちよくてさ、なんか」


ヴェント「いっ!?」カァァ


上条「なんというか、こう頭がぼーっとするというか」


ヴェント「(……そりゃ、ちょっとは……)」


上条「あ、わかる?」


ヴェント「……!」ハッ


ヴェント「わかるか!! エロガキ!」バシィッ



上条「あっ。 もうこんな時間か」


ヴェント「……? ほんとだ。 もう10時前か」


上条「そろそろシャワー浴びるか。 風呂借りていい?」


ヴェント「別にいーってか、当たり前じゃん」


上条「え?」


ヴェント「え、いや、だって、恋人だし」


上条「」カァァ


ヴェント「……」カァァ


ヴェント「なんで赤くなるんだよ!!」バシッ


上条「いや、なんかヴェントから言われるとむず痒いんだよ!」


ヴェント「んだとこらー!!!」




ヴェント「と、とにかく! 風呂前にあるカゴにタオル入ってるから!」


上条「お、おう! じゃ、じゃあ風呂借りるわ!」アセアセ


ヴェント「早く行けタコ!」ビュッ


上条「うぉ!? なんだよ!?」ヒュッ パシッ


ヴェント「石鹸だよ! ちょうど切れてたから!」


上条「そんな速度で投げないでもらえます!?」


ヴェント「いいから行けっての!」ガシガシッ


上条「じゃ、じゃあ借りてくるわ!」タタタッ

洗面台:


上条「ふぅー……」


上条「(なんであんなに慌ててるんだ?)」


上条「(……ま、いっか)」


上条「……えっと、確か白いカゴにタオルが」チラッ


上条「!?」


バンッ!!!!


上条「!?!?!?」ビクッ


ヴェント「」シュッ


バンッ!!!!!!


上条「……」ドキドキ


上条「(……白のブラ……)」


上条「(……)」


上条「(……良い)」


風呂:



上条「……」ゴシゴシ


上条「(……ふぁー……)」ゴシゴシ


上条「(……めっちゃ気持ちいい……)」


上条「(そういやこんなゆっくりシャワー浴びるのひっさびさだなあ)」


上条「(ゆっくりしている暇もなかったし)」


上条「(これからこんな生活が続くといいなあ……)」シンミリ


上条「(……でも、少ししかここにはいられないし……)」


上条「(…………ヴェントといる時間、大切にしよう)」キュッ


シャァァアアァァ…


上条「(うーあー……さいっこー……)」



浴槽:


ちゃぽん……


上条「風呂でっかいなー」


上条「いやー……癒やされる」


上条「眠くなって来た……」


上条「……」クンクン


上条「(あれ、この匂い……)」


上条「ヴェントの匂い、だ」


上条「……」


上条「変態か、俺は……」ブクブク


居間:


ヴェント「……」コクコク


ヴェント「……ふー」


ヴェント「一息ついたなー」


〜♪


ヴェント「……」


ヴェント「……鼻歌なんて歌って、バカみてえ」クスッ


ヴェント「んーっ……。 私も風呂入る準備すっかなー」ノビーッ


ヴェント「……あっ、そういえば」



上条「……」ウトウト


上条「…………」カクッ


上条「……」ズルル


上条「」ブクブク


上条「」ブクブクブク


上条「っ!? もごっ! んご!?」ガバッ


上条「はぁ、はぁ……! 死にかけた……! ついつい寝てしまった……!」


ヴェント「おーい」


上条「!? ヴェント!?」ザバァッ


ヴェント「何慌ててるんだよ」


上条「え、い、いや、何でもない、あはは」


ヴェント「変な奴……」


上条「どうしたんだー?」


ヴェント「あ、そうそう。 忘れてた」


ヴェント「ドライヤーなんだけど、洗面台の上においておくから。 使ったらそのまま置いといてー」


上条「はいよー。 分かったー」


ヴェント「で、どーよ湯加減は」


上条「さいこーっ! 日々の疲れが全て抜けて行く気がする」


ヴェント「それは良かった。 好きなだけ入ってもらって構わないけど、ノボせない内に出ろよー」


上条「はいよー。 あ、でも俺が入ってたらヴェントが入れないし、そろそろ出るよ」


ヴェント「は? 別に私のことは気にしないでいいよ。 ゆっくり入んな」


上条「んー……。 それは悪い気が……」


ヴェント「なんだなんだー? それは一緒に入ろうって誘ってるのかなー?」


上条「ぶっ!!!」


ヴェント「くくっ、何妄想してんだエロジャップ」


上条「原因作ったのはヴェントだろ!」アセアセ


 



ヴェント「私は……別にいいけど」


上条「……?!」


ヴェント「……」


上条「って、また冗談かよ! やめろってほんと!」アセアセ


ヴェント「冗談じゃないよ」


上条「えっ……」


ヴェント「……お前がそうしたいなら、私はその、別に……」


ヴェント「……いいよ」


上条「……」


上条「……」フラッ


ドタッ


ヴェント「!? お、おい!? 何か鈍い音したぞ!? おい!!!」ビクッ



寝室:


ガチャッ


ヴェント「……ちょーしはどうだー」


上条「なんとかー」


ヴェント「ったく。 『なんとかー』じゃねえっての」


上条「面目ない……」


ヴェント「一瞬で頭に血が上ってぶっ倒れるとか、ファンタジーの世界だけにしておけっての」


上条「俺もびっくりだ……(色んな意味で)」



ヴェント「あの……さ」


上条「ん?」


ヴェント「いや……だった?」


上条「へ?」


ヴェント「その、えと」


ヴェント「私と……お風呂入るの」


上条「」ブンブンブンブン


ヴェント「うわっ」ビクッ


上条「そんなわけないだろ! 何なら今すぐにでも——」パシッ


ヴェント「ふぇっ」カァァ


上条「今のは冗談! 冗談じゃないけど、まぁ、そのアレだけど!」


上条「いやなわけはない! 絶対に!!」


ヴェント「……」


ヴェント「……そっかぁ」ニコッ


上条「……」


上条「(めちゃくちゃ可愛いんですけど……)」




上条「……」


ヴェント「……」


上条「……」


ヴェント「……何か話せし」


上条「そっちこそ」


ヴェント「う、うるさいっ」


上条「ぷっ」


ヴェント「何で笑うんだよ。 ……むかつく」


上条「いやー、可愛いなと思って」


ヴェント「う〜……」カァァ


上条「……」


ヴェント「……」


上条「……」


ヴェント「ふぁ……」


ヴェント「あ、ご、ごめん」パシッ


上条「はは、別にいいよ。 こんな時間だしな。 ……そろそろ寝るか?」


ヴェント「……うん」コクッ


上条「それじゃ、俺は居間のソファで寝るから」


ヴェント「……え」


上条「風呂上がりだし、ちゃんと布団掛けて寝るんだぞー」


ヴェント「……」


上条「それじゃーー」


ヴェント「」グイッ


上条「!」

ヴェント「……お前だって風邪ひくだろーが」


上条「え?俺は大丈夫ですよ。 慣れてますし」


ヴェント「そういう問題じゃないだろ」


上条「ノンノンノン! シスター様にいつも寝床を奪われて来た上条さんをナメちゃいけません」


ヴェント「……あー、もう!」


上条「!?」


ヴェント「全部言わなきゃわかんねえのかお前は!」ゲシッ


上条「いたっ!? な、なんのことだよ!?」


ヴェント「だああああ!!!!」


ヴェント「……だからぁ……! ……一緒に寝ろって言ってるんだよ、ボケ!!」


上条「!?!」



上条「ヴェ、ヴェントさん? 私も一応男ですことよ?」


ヴェント「だから……なんだよ」プイッ


上条「いやー、その、ほら。 け、健全な男女が同じ布団で寝るとか、ねえ?」アセアセ


ヴェント「……だって、恋人、じゃん」ボソッ


上条「っ!」


ヴェント「……」


ヴェント「……お前が嫌なら、いいけどさ」


上条「……ヴェント?」


ヴェント「……私は、お前と一緒にいたいんだもん」


ヴェント「…………嫌なの?」


上条「……」



ヴェント「……」


上条「……ヴェント」


ヴェント「……ん」


上条「……」チュッ


ヴェント「!」カァ


上条「俺も一緒にいたい。 ヴェントと。 1秒でも長く」


ヴェント「……その場の雰囲気で言ってない?」


上条「本当だ」


ヴェント「……私に合わせて、とかだったら、怒る」


上条「信用できないなら、もっとキスしてやろうか?」


ヴェント「……」


ヴェント「…………恥ずかしいからやだ」カァァ


上条「正真正銘、本当だよ。 そんくらい好きじゃなきゃ、いくら俺でも世界中探しまわらないっての……」


ヴェント「……うん、そだね」ギュッ


上条「……」ギュッ


ヴェント「じゃあ……。 ……一緒に、寝る?」


上条「……ヴェントがいいなら」


ヴェント「……うん」カァァ


上条「……それじゃあ、一緒に寝よう」


ヴェント「……」


ヴェント「……」コクッ


上条「(……ここが天国か)」

ヴェント「じゃ、じゃあ、電気、消すから」


上条「あ、あぁ」


ぱちっ


ヴェント「……」ドキドキ


上条「……」ドキドキ


ヴェント「……早く布団、は、入れよ」


上条「え? あ、ああ、わ、わるい」


ヴェント「別に悪くないけど……」


上条「それじゃあ先に失礼して……」ゴソ


ヴェント「私も……」ゴソ


5分後:


上条「……」


ヴェント「……」


上条「(……会話がねえ!)」


上条「(良い匂いがする! 心臓の音がやばい!)」


ヴェント「……ねえ」


上条「んぁ?! あ、な、なんだ!?」


ヴェント「……何でそんなに驚くんだよ」クスッ


上条「ご、ごめん。 な、なんか緊張しちまって」


ヴェント「……ふーん。 緊張、してくれてるんだ」


上条「あ、当たり前だろ!」


ヴェント「……もちっと、近く寄っていい?」


上条「……!?」


ヴェント「……いいよね」ギュッ


上条「(うおおおおお!!!!??)」


ヴェント「あったか……。 ってか、熱い」


上条「す、すみません……」


ヴェント「謝ることじゃない」


上条「つい条件反射で……」


ヴェント「何それ。 私がいつも謝らせてるみたいじゃん」


上条「ソンナコトハゴザイマセン」


ヴェント「何等分に分けてほしい……?」


上条「分けないでください!」


ヴェント「……ふん」


上条「……」


ヴェント「心臓の音が聞こえる」


上条「俺の人生史上最大速で動いてますからね……」


ヴェント「今心臓抜き取ったらいっぱい血が出そうだね♪」


上条「『だね♪』じゃないでしょ!?」


ヴェント「冗談だっての」


上条「冗談にしてはグロ過ぎますがね?!!」


ヴェント「……」


ヴェント「……こうしてると、落ち着く」


上条「……俺も、なんか、安心する気がする」


ヴェント「……あのさ」


上条「ん?」


ヴェント「……今からすごい自己中なこと言うけど」


ヴェント「夜だしさっきちょっとお酒飲んだし」


ヴェント「自分でも何言ってるかわからないから、……許して」


上条「……ああ」


ヴェント「……」


ヴェント「私……、 ……ずっと、会いたかった」ギュ


ヴェント「こうしたかった」ギュゥゥ


上条「……ヴェント」


ヴェント「自分から遠ざかったのに」


ヴェント「いつもお前のこと考えてた。 バカみたいに」


上条「……俺も一緒だよ」


ヴェント「……だから、会えて嬉しかった。 死ぬ程」


ヴェント「『あ、私ってまだこんなに喜べるんだ』って驚くくらい」


上条「……」


ヴェント「……私なんか、世界中に敵がいて」


ヴェント「いつどこで襲われるかもわからなくて」


ヴェント「……だから、お前に危険が及ぶかもしれないのに」


ヴェント「だから、離れなきゃいけないのに」


ヴェント「…………こうしてることが、凄い嬉しいんだ……」


ヴェント「……ずっと、一緒に、いたいって、思っちゃう……」ギュ


ヴェント「……」ポロッ


ヴェント「……あ、はは、ご、ごめん。 意味分かんないね、私。 ワガママだし、自分の事しか考えてないし」ポロポロ


ヴェント「な、何で泣いてるんだろ……。 と、止まらないや……」


ヴェント「支離滅裂だ、あは、あははは……」グスッ


上条「ヴェント……!」ガバッ


ヴェント「ふっ……ぇ……!?」



上条「……そんなこと言うなよ」ギュ


上条「ヴェントがいない世界で生きるくらいなら」


上条「それこそ『死んだ方がマシ』だ」


上条「俺は、絶対にお前から離れない」


上条「どんなに危険でも、どんなにお前が遠い存在でも」


上条「ずっと一緒にいる。 ……だから」


上条「そんな悲しいこと言うなよ……」ギュ


ヴェント「……ひっ、う、ううぇえ」


ヴェント「何で、そ、んなに、優しい言葉、かけてくれるの」


ヴェント「これ以上、お前に、依存したく、ないのに」


ヴェント「もっ、と離れ、たく、なくなっちゃ、う、じゃん……」


上条「おう、大いに依存してくれ」


ヴェント「……へっ。 ……ばか」


ヴェント「…………やっぱり、お前は、『ずるい』」


上条「ヴェントが好きでいてくれるなら、それでもいいかな」


ヴェント「……セリフが、いちいち、臭いんだよ。 ばか」ポスッ


ヴェント「……」スーッ


ヴェント「……ぷはぁ」


ヴェント「…………」スーッ


ヴェント「…………ぷはぁ」


上条「……ゔぇ、ヴェントさん、匂いとか、嗅がれると流石に俺も恥ずかしいのですが……」アセ


ヴェント「……いいじゃん。 減るもんじゃないし」


上条「い、いやぁほら、俺汗っかきですし、臭いからですね」


ヴェント「そんなことない。 ……私は好き。 この匂い」


上条「(あああああああああああああああああああああああああ)」


ヴェント「……」


ヴェント「……あの、さ」


上条「……あ、な、なんだ!?」


ヴェント「その、えっと……」


ヴェント「……いいよ?」


上条「えっ!?」ビクッ


ヴェント「お、お前が望むなら、その……」


ヴェント「私は……、いいよ」ボンッ



上条「え、ええええええと、え!?」カァァ


ヴェント「……ば、ばか。 そんなに焦るなよ」


上条「い、いやいやいや! そ、その、えっと」


ヴェント「……私何言ってんだろ……。 めちゃくちゃ恥ずかしい」


ヴェント「で、でも、その……さっきから、固いのが、当たってる、し……」


上条「(oh...my son...)」


ヴェント「え、えっと、その……。


ヴェント「が、我慢させたら可哀相、かな、とか……」カァァ


上条「……お、男にそんなこと言ってると、もう、止まりませんことよ?」


ヴェント「……うん。 口が裂けても、お前以外に、こんなこと言わないし」


ヴェント「…………私は、お前としか、こんなこと……したくない」


上条「」ピシッ

今日はここまでです。
更新が本当に遅くて申し訳ございません。

時が経つのが早過ぎる!!
エタったSS復活宣言をしてからもう半年近く経ってしまった!!

……これはやばい。
早くSS書いて投稿できるよう、頑張ります。


ただ、ここに投稿するの、最近凄く時間がかかるんですよね。。。
1レスごとに15秒近くロードに時間がかかる……
読んでくださってる方々は、別の環境(ブログ、他サイト等)とかでも読んでくれたりするのでしょうか。。。


それでは、失礼致しました。


上条「ヴェント……」


ヴェント「……んっ」


鼻孔をくすぐるのは、やや強い花の香り。
欧州の洗面具は一般的にこの香りなのだろうか。


上条「(……柔らかい)」


ほのかに湿り気があり、柔らかな唇。
押し返されそうなほどの弾力を、啄むように楽しむ。


ヴェント「ん、ん。 ……はっ、はぁ」


上条「ゔぇ、ヴェント、大丈夫か……?」


ヴェント「う、うん……。 いきなりするから、驚いたけど……大丈夫」


上条「ご、ごめん……。 可愛過ぎてつい……がっつき過ぎた」


ヴェント「っっ! ……ば、ばか。 そういうこと、言うなよ、もう……」カァァ


上条「……」


上条「…………そういうのが、可愛いんですってば」スッ


ヴェント「え!? ちょ、ちょっと、そこ……ひゃんっ!」ビクッ


はだけて対称になっていない肌着。
そこから見えるしなやかな凹凸を誇る鎖骨。
全てが、一際妖艶に見えた。


ヴェント「ちょっと、まっ、そんなとこ、あっ」


普段は聞くことができない、愛しい人の嬌声が部屋に響く。
意図してかしないでか、鎖骨に沿ってキスをする度に、
彼女の身体がびくびくと跳ね上がる。



上条「(すっげえ可愛い……)」


上条「(……それに)」


ヴェント「も、もう、だめだって、ば、ぁっ」ビクビク


上条「……」


上条「……何がダメなんだ?」パッ


ヴェント「ふぇっ!?」


上条「本当に、やめた方がいいのか?」


ヴェント「……そ、そんな」


上条「……?」


ヴェント「う〜っ!! あ、後で、覚えてろよ……」


上条「もちろん。 こんな可愛いヴェント、忘れたくても忘れられないし」


上条「……それで、どうなんだ? やめた方がいいなら、今すぐに――」


ヴェント「……う、うぅぅぅ…………!!」カァァ


ヴェント「……や、やめて、……ほしく、ない……」プイッ


ヴェント「……は、恥ずかしいこと言わせるなぁ……!!」カァァァ


上条「りょうかい。 ……あむ」


ヴェント「ひゃあっ!?」ビクン


もとより、『やめてほしい』と言われてもやめるつもりはない。
恥じらいにより、紅潮する彼女の顔がたまらなく情欲をそそる。


上条「(俺って、割とSなのか……?)」


上条「(なんていうかこう……もっと恥ずかしがってほしい、みたいに考えちまってる)」


ヴェント「ひっ、くぅっ、ん!!」ピクッ


徐々に高度を下げていくと、腹部に辿り着く。
蜂のように、しなやかに腰がくびれがとても美しい。
とくん、とくんという彼女の脈動も、より一層強く感じられた。


上条「……もしかしてさ」


ヴェント「ふ、ふぁ……?」ビクビク


上条「もっと下を触ってもらうこと、期待してたりする……?」


ヴェント「なっ!?」カァァァ


もっともっと、羞恥に染まる彼女が見たい。
そんな思いが彼の発言を次第に過激なものにしていく。


ヴェント「そ、そそそ、そんなワケ……! ひっ」ビクッ


上条「ごめん……。 もう、脱がす」


脇腹は敏感だ。
撫でるように触れられただけで、むず痒い感覚が身体全体に伝わってくる。


ヴェント「(な、なんか、コイツに触られると、変……っ!)」


優しく上着を脱がされながら、彼女は自身で感覚を制御しきれないことに動揺していた。


ヴェント「やっ……はずかし……」バッ


上条「……」ガバッ


ヴェント「え?!」


胸を隠そうとする華奢な両腕を、上条は笑顔で静止させる。


ヴェント「え、ちょ、ま、待って……。 心の準備っつーもんが――」


上条「『止まらない』って、言ったよな?」チュッ


ヴェント「ひぅっっ!?」ビクッ


不思議な感覚が、彼女の身体を襲った。
無防備に晒された両胸。乳頭に近づくように、伸びてくる上条の舌。
彼女の知らない感覚が、少しずつ脳内を支配して行くのがわかる。


ヴェント「(や、やっぱり、な、なんか、変……! ぞわって……)」


ヴェント「ひっ!」ビクッ


外気に晒されている部分とは違う、生温かさを感じた。
薄い桃色の楕円形に沿って、先端をチロチロと舐め回される。


ヴェント「ん、あっ! んんっっ!!」


上条「気持ちいい、か……?」


ヴェント「ひっ、ひゃ、わ、わかんない、わかんないよぉっ……!」


ヴェント「……でもっ、んっ、何か、頭が、真っ白に、なる……!」ビクン


上条「それなら良かった」ニコッ


ヴェント「な、何がいいんだよぉ……っっ」


彼女の左胸の頂部が、温かさに包まれた。上条が口に含んだのだ。
むず痒いのか、性的に快感を得ているのか、彼女にはわからないが、
通常では考えられない感覚が彼女の脳内を支配していた。


ヴェント「ひぅ、ん……あ、あぁ」


ヴェント「(こ、腰が勝手に浮くみたい、な……。 ふわふわ、する……)」


ヴェント「(これ、き、気持ち良い、ってこと、なの、かな……ぁっ)」


上条「(……うん。 ……気持ち良くなってくれてそう、だな)」


上条自身も手探りの愛撫だった。
女性経験がない彼だが、現代科学の発達や人並みに存在する性欲から、
知識を仕入れることは怠ってはいなかった。
『アダルトビデオのようにがっつき過ぎない。 ゆっくりと丁寧に愛撫すること』
以前書籍で学んだ知識が、ようやく日の目を浴びる日が来た。


ヴェント「む、むねばかり、恥ずかしいから、やめろよぉ……」ビクビク


上条「何でだ?」


ヴェント「なん、でって……。 あ、たりまえだろ、あんっ!」


上条「恥ずかしいから?」


ヴェント「それも、ひぅっ! あ、あるけど……」


上条「?」


ヴェント「ん、わ、私、そんな大きく、ないから……」


ヴェント「失望、させたく、ん、ないっから……」


上条「」ピシッ


上条「……」


上条「(……ヴェント可愛い過ぎっ!!)」ガバッ


ヴェント「ふぇっ!? な、何で急に激しく!? いゃっ、あんっ!」


上条「胸も、顔も、身体も、全部……。 俺はヴェントの全部が好きだ!!」


ヴェント「ふえええええ!?」ビクッ


急な叫びに、喜びよりも驚きが先に来た。


上条「もっと、ヴェントを気持ちよくしたい」


ヴェント「も、もっと……?」ビクッ


ヴェントの胸は、確かに平均程度である。
しかし、それは男性が両手で感触を愉しむには、十分過ぎる程の大きさだった。


上条「(形も綺麗だし、すごい柔らかいし……)」


上条「(正直、めちゃくちゃ興奮します!)」


ヴェント「そ、そんな強く揉むなぁ……!」


全体的に揉んでいる分、快楽が分散しているからだろうか。
先ほどのような強い快感は襲って来ない。
だが。それにも増して襲ってくるのは、『男性に自分の胸を弄められている』という事実から来る精神的興奮だった。


ヴェント「(わ、私の胸、形変わっちゃって、る……)」


ヴェント「んっ、くっ……!」ビクビクッ


上条「う、うわ、なんだこれ。 ……やわらかすぎ……」モミモミ


ヴェント「お、お前……あ、遊んでんじゃねえぞ……! ひ、人の胸でぇ……!」


上条「……遊ぶなんてとんでもない。 満喫しているのでございます」


ヴェント「ふ、ふざけ……っ、あっ!」


背中から腕にかけて、徐々に鳥肌が広がって行く、淡い感覚。
それが突如として、鋭く突き刺さるような快感に変わった。


上条「ヴェントのここも、固くなってる」


ヴェント「つ、つまむなぁ……っ」ビクビクッ


思わず、身体が震えてくる。
口が弛緩し、唾液が滝の様に湧いてくる。


上条「すっげえ……。 ヴェントの顔、めっちゃエロいです、はい」


ヴェント「う、ううぅ……」ビクビク


ヴェント「(こ、コイツ……調子にのりやがってぇええええ……)」カァァ


上条「それじゃ、そろそ――」スッ


ヴェント「……もらったぁ!」ギュッ


上条「っ!?」


熱い。
握った瞬間、激しく脈動しているのが伝わって来た。
『びくん、びくん』と力強く波打っているのが、布越しでもわかる。


ヴェント「……」


上条「う、ぁ……」ビクビクッ


ヴェント「(や、やっぱり、熱いし、固い……。 石みたい……)」


上条「ちょ、ゔぇ、ヴェントさん……?」


ヴェント「……!」ハッ


ヴェント「……ふ、ふふふ……」


ヴェント「お、お前ばっかり、私のことばっかり……! 散々いじくりやがって……」


上条「あ、あはは……。 お、怒ってませう……?」


ヴェント「いや……? 怒ってないよ……? ぜんぜんね……!」


上条「お、怒ってらっしゃいますね!?」ブルブル


彼女には、1つのポリシーがあった。
上条当麻にだって、右方のフィアンマにだって、曲げたことの無い絶対の信条。
元・神の右席として、いや、個性を持つ1人の人間として、持っているそれは――



―――――『やられっぱなしは、性に合わない』。




上条「そ、そうだよな! あんだけ気持ち良さそうにーー」


ぎゅっ


上条「へぅっ!?!?!?!」


ヴェント「……握りつぶすぞ」ニギニギ


上条「ご、ごめんなさい……」ビクビク…


ヴェント「よろしい♪」ニコッ


上条「(め、目がマジだった……。 マジだったぞ……!)」ブルブル


ヴェント「さーて、と……」ジッ


ヴェント「(握ったのはいいんだけど……)」


ヴェント「(…………こっから、どうしたらいいんだろ)」ニギニギ


彼女に、男性経験はない。
それどころか、特定の人間とここまで親密な関係にすら、なったことがない。
そんな初心の塊とも言える女性が、性知識を蓄えているはずがなかった。


ヴェント「(困ったな……。 本当に握りつぶすわけにもいかないし……ん?)」チラッ


上条「……っ」ビクビクッ


ヴェント「……」サスサス


上条「くっ……」ビクッ


ヴェント「…………」コシコシ


上条「うっぁ!?」ガクッ


ヴェント「……」


ヴェント「(……面白い)」ニヤッ


上条「あ、あのー……」


ヴェント「あん?」


上条「そ、そろそろ手放してくださいますでしょうか……」


ヴェント「ん〜? なんで?」


上条「い、いやぁ、えっと……」


ヴェント「ハッキリ言えないなら、きゃーっか」カチャカチャ


上条「お、おい!?」


ヴェント「なーに焦ってんの?」


上条「そ、そりゃそうだろ! って、や、やめろって!」アセアセ


ヴェント「はぁ……? 私はこんなには、恥ずかしい格好してるのに」ジーッ


上条「(あーーー!! もうダメだー!!)」


ヴェント「お前だけ服きてるとか、……ありえないっつーの!!」バッ


べちんっ


ヴェント「……きゃっ」


上条「だ、大丈夫か!?」


ヴェント「う、うん……。 か、顔にちょっと当たったから、驚いただけ、だけど……」


びくっ、びくっ


ヴェント「…………」


ヴェント「……」


ヴェント「(…………な、何この大きさ……)」


想定は、していなかった。
大きく怒長したソレは、彼女の手のひらを裕に越す大きさを持ち、
今にもはち切れんばかりに青筋を立てて震えている。
濃い桃色の先端からは、じくじくと半透明な液体が漏れているのが中々にグロテスクな光景だ。


上条「ヴェントさん……? そんなにまじまじと見つめられますと……」アセ


ヴェント「……」


ヴェント「……で」


上条「え?」


ヴェント「で、デカ過ぎるだろ!!」


上条「!?」ビクッ


ヴェント「わ、私の両手くらいあるじゃん! 何なのこの長さ!! も、もっと小さくしろよ!」アセアセ


上条「無茶言うなよ!?」


ヴェント「小さくしないなら私が半分に切るぞ!!」バッ


上条「やめて! それは冗談抜きで本当に生きて行けなくなる!!」


ヴェント「う〜〜っ……!」カァァ


上条「あ、あのさ……。 俺のは別にその、触らないでも……」


ヴェント「……!」


ヴェント「……う、うるさい!! 黙れ!」


ヴェント「わ、私ばっかり、されて、変な気分にさせられてるんじゃ不公平だろ!」


ヴェント「お前は変態エロジャップだから、してもらいたくてしょうがないだろ!」


上条「ま、まぁ……それは……」


上条「(……ちょっと触られてるだけで、相当気持ちがいいし……、本当のことでは、あるな……)」


ヴェント「……私だってお前を気持ちよくすることくらい、できるし……」ボソボソ


上条「ゔぇ、ヴェント……」ジーン…


上条「って、そ、そうは言いましてもですね、そ、そこは汚いですし――」


ヴェント「あーあー! うるさい!」


ヴェント「いいから黙って寝とけっての!」ガバッ


上条「う、うわっ!?」


面と向かっているのが、気恥ずかしくなって、思わず彼を押し倒す。
幸い、仰向けになった彼の腹に乗り、顔を合わせなくてもよいポジションを獲得できた。


上条「え、えっと、ヴェントさん? この何とも言えない体勢は……」


ヴェント「……2度も言わせんな。 ……なすがままにされてろ、ボケ」


ヴェント「……」ギュッ


上条「っ!!」

やはり、熱い。
布越しで触るよりも、頬を掠めたときよりも。
手のひらで握ると、直接熱が伝わってくる。
不定期に跳ね上がっていて、まるで別の生き物の様に見えてくる。


ヴェント「(……え、えと。 確か……これを、上下に、擦るんだっけ……?)」


ヴェント「(なんか、色々剥き出しに見えるんだケド。 ……痛くないのかな)」


ヴェント「……」チラッ


上条「……っ」ビクビク


握った手で撫でるように触りながら後ろを一瞥すると、
頭を上げて気持ち良さそうに悶える彼の顔が見えた。


ヴェント「(……うん、だいじょうぶ、みたい)」


今日の更新はここまでです。
何か突如エロ展開になってます。
が、実は2年前に書いていたSSでも、ここまで書こうと思っていたので
求められてなくても書き切りたいと思いますっw

お目汚し失礼致します。


あと、次もカプ物のSSを書きたいなと思っているのですが、
オルソラさんとか需要あるのでしょうか。。。

最近ここの禁書需要はどこに集まっているのでしょうか。
教えて頂けますと幸いです。

それでは、長々と失礼致しました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月25日 (月) 01:00:54   ID: JSUyVs33

頑張ってください

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