モバP「ロボティックスマイル」 (60)
―事務所にて・21:00PM―
P「ふわぁ~、なんとか終わった……」カタカタカタ…タンッ
P「まだ12月半分も過ぎてないのにもう1ヶ月分働いた気がする…… この時期は
正月までイベント盛り沢山でキツいな」コキコキ
P「少しでも体を休めておかないとクリスマスまで体がもたない。さっさと帰って
1分でも多く寝ないと……」
晶葉「助手―――――っっっ!! !! !! 」バーン!!
P「うおっ!? どうした晶葉こんな夜に!? 」ビクッ!!
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418399198
池袋晶葉(14)
http://i.imgur.com/rXCZWVC.jpg
晶葉「もう我慢ならん!! 今日という今日は言わせてもらうぞ!! 」ズカズカ
P「な、何の話だ?」
晶葉「いい加減に私と志希のラボを分けろ―――――っっっ!! !! !! 」グワッ!!
P「ああ、その話か。志希がまた何かやらかしたのか?」ハア
~回想・事務所研究室にて~
晶葉「よし、ウサミンロボのA.I.プログラムはこれでいいな。あとは動作テストを
何度かしてから仕上げにバグの修正を……」カタカタ…
志希「あれー?ココ文字列おかしくなーい?これだと止まっちゃうかもー」ヒョコ
晶葉「……」イラッ
晶葉「お前は化学が専門だろう。余計な口を挟まないでもらいたいな」
一ノ瀬志希(18)
http://i.imgur.com/uFzFaaH.jpg
志希「『オモチャ』のプログラミングなんてカンタンじゃーん♪ あたしも匂いの成分
データ化する時にPC使うし、これくらい寝てても出来るよ~♪」ケラケラ
晶葉「……」イライラ
晶葉「……とにかくこのロボの製作者で機械工学専門の私がこれでいいと言ってる。
口を出すのはテストが終わってからにしてもらおうか」ギロリ
志希「まぁあきえもんがそうゆうならベツにいいけどねー。さ・て・と、アタシも
フレちゃんに頼まれた香水ちゃちゃっと作っちゃおーと♪」
―――
晶葉「志希の言う通りウサミンロボのテストは失敗した。それどころかA.I.に深刻な
エラーが発生し、修復に多大な時間を費やす羽目になってしまった……」
P「最初から志希の言う通りに修正すれば良かったんじゃないのか?」
晶葉「私にも科学者としてプライドがある!あんなクレイジーケミカリストに横から
言われてホイホイと自作のプログラムを書き換えられるか!」ダァンッ!!
P「まぁ気持ちはわからなくないが。俺も他人にアイドルのプロデュースをダメ出し
されると腹が立つし」
晶葉「そうだろう!誰にだって譲れないものはあるだろう!志希は万事この調子で
私のロボ製作に口出ししてくるから腸が煮えくり返るんだ!」
P「でも志希の言ったことは当たっていたんだよな?」サラリ
晶葉「それがまた腹立つんだよ!悔しいがアイツは超がつく天才だし、このままでは
私の胃に穴が空く!助手として何とかしろ!」グワッ!!
P「だが急にラボの増設なんて言われても無理だぞ。ただの部屋と違って研究設備や
機材も運び込まないといけないし、規模や扱う薬品の関係もあって役所に申請を
しないといけないから時間もかかるし」
晶葉「金ならいくらでもあるだろう。アニメ化が決定してウチの事務所は学園かと
見間違えるくらいバカでかいことが判明したのだからな」フン
P「メタな話をするな。第一あのラボは元々アイドル達が誰でも自由に使える共用の
スペースだったはずなのに、寮から荷物を持ち込んで私物化してるのは誰だ?
お前しか使わないから大目に見ているが、本当はルール違反なんだぞ?」ジロリ
晶葉「う、それは……」タジタジ
P「代わりに自分の寮の部屋はロボットやら機械やらの物置にして足の踏み場もない
くらい散らかしているし、再三言ってるがいつ片付けるんだ?」ジロリ
晶葉「い、今はクリスマスの大舞台に向けてロボ達の調整が……」アセアセ
P「お前いっつも何だかんだ言い訳して逃げるよな。とにかく新しいラボを作る事は
出来ないしそのつもりもない。1人占めしないで志希と仲良く使え」
晶葉「助手のくせに……」ブツブツ
P「助手でもあるがお前のプロデューサーでもある。そしてお前はここでは科学者でも
あるがアイドルだ。ほら、俺ももう帰るからお前もさっさと帰れ」スクッ
晶葉「そうだ思い出した!私はラボに帰れなくなってしまったから来たんだよ!」
P「ん?どういうことだ?」
~再び回想・事務所研究室にて~
志希「あっ」
晶葉「ん?どうした?」
シュウウウウウウ…ブクブクブク… ボンッ!!
~回想終わり~
晶葉「志希が実験に失敗して強烈な甘ったるいにおいがラボに充満して、しばらく
換気しないとラボに入れなくなったんだよ!」
P「事故が起きればすぐ報告しろと言ったよな?ケガはなかったのか?」
晶葉「ビーカーやフラスコが割れたとかそういう類の事故ではないから、私も志希も
無傷だ。志希もとっくに適切な後処理を済ませて自室に帰ってるが、においは
どうしようもないらしくてな」ハア
P「明日業者さんに頼んで清掃してもらおう。それでお前は宿無しというわけか」
晶葉「そういうことだ。もうこんな時間だし、今から誰かの部屋に泊めてもらうのも
迷惑だしな!」
P「なんでそんなに偉そうなんだよ。都内だがお前の実家は事務所から結構遠いし、
未成年だからホテルもとれないな」フム
晶葉「プロデューサーならアイドルの体調管理も仕事のうちだろ。何とかしろ」
P「じゃあ俺のマンションに泊めるか」サラリ
晶葉「へ?」キョトン
P「ちひろさんも帰ったし、緊急事態だからやむをえないな」
晶葉「あ、いや、ちょっと待て、私は一応アイドルなんだが……」オロオロ
P「ん?それがどうかしたか?」キョトン
晶葉「す、すまない言い方が悪かったな、私は14歳の女子なんだが……」アタフタ
P「ああ、そういう事か」ポン
晶葉「わ、わかってくれたか。決してPが嫌いというわけじゃなくてだな……」ホッ
P「晶葉なら大丈夫だろ。蘭子やナターリアならちょっとまずいけどな」
晶葉「」ブチッ
晶葉「どういう意味だ―――――っっっ !! !! !! 」ドッカーン!!
***
P「だから冗談だって、いい加減に機嫌を直してくれよ」ブロロン
晶葉「言っていい冗談と悪い冗談がある。よくそれでプロデューサーが務まるな」ムス
P「はは、もちろん普段はこんな事言わないさ。だがお前にこの手の冗談を言うのは
今日が初めてじゃないんだぞ」
晶葉「記憶にないが、当時の私もさぞかし怒っただろうな」フン
P「いや、鼻で笑われたよ。スカウトしたばかりの頃だが『私は科学者として研究に
全てを捧げている。それ以外のことに興味はない』ってな」
晶葉「言われてみればそんな事を言ったような……」
P「昔はあんな事を言ってたお前が、すっかり気を遣うようになって俺も嬉しいよ。
天才科学者池袋晶葉博士も14歳の女の子だったんだな」ニヤニヤ
晶葉「う、うるさいっ!余計なことを話してないで運転に集中しろっ!」カアア
P「はいはい。もう10分くらいで着くからな」ブロロン
晶葉(ううぅ、どうしてこんなことになったんだ…… )ドキドキ
―Pのマンション―
P「さぁ、遠慮せずにあがってくれ」ガチャ
晶葉「お、おじゃまします……」オソルオソル
P「狭いがゆっくりしてくれ。夕食は食べたんだな?」
晶葉「あ、ああ、寮の食堂で済ませた……」
P「じゃあ作るのは明日の朝食だけだな。ご飯とパンどっちがいい?」
晶葉(一般的なワンルームに見えるが、何かが足りない気がする。生活出来るだけの
最低限の設備が整っているだけで生活感がないというか……)キョロキョロ
P「おーい晶葉、聞いてるか?」
晶葉「え?あ、ああ、どちらでも構わない。というか作ってくれるのか?」
P「ん?そのつもりだが?俺も朝くらい自分の部屋でゆっくり食べたいしな。お前が
作ってくれてもいいんだぞ」
晶葉「すまないが私は料理をした経験がほとんどないんだ。やろうと思えば出来なく
ないとは思うが、Pが作った方が失敗するリスクも少ないだろう」
P「わかってるよ。だが料理は覚えておいて損はないぞ。泉はプログラミングも料理も
得意らしいぞ」
晶葉「みんな多芸だな。アイドルになって時々感じるのだが、今までロボット製作しか
してこなかった私は女として間違っていたのかと時々不安になるよ」ハア
P「まだ14歳だしこれからだろ。悩みがあるなら後でいくらでも聞いてやるから、
先に風呂に入って来い。着替えは持ってきたな?」
晶葉「また子供扱いして…… まあいい、では先に入らせてもらうぞ」
P「シャンプーと石鹸は廊下の戸棚に入ってるから好きに使ってくれ」
晶葉「ん?どうしてそんな所にあるんだ?風呂場に置いてないのか?」
P「俺は1回使い切りのパックを使っているんだよ。ホテルのアメニティグッズで
小分けにされたやつを見たことないか?」
晶葉(アメニティ?どうしてそんなものを使ってるんだ―――――?)
―――
晶葉「お先に」スタスタ
P「ほう、髪をおろした晶葉もなかなか可愛いな」
晶葉「こ、心にもないことを言うな!」カアア
P「いや、本心だぞ。ピンクのパジャマもよく似合ってる」クス
晶葉「ふんだ、どうせ私は蘭子やナターリアみたいな魅力がないのだろう」プイ
P「まだ怒っているのか。頼むから許してくれよ」
晶葉「怒ってなどいない。だがPが自室なのにも関わらず、事務所にいる時のように
変わらないのは癪に障るな。私だけ動揺して馬鹿みたいじゃないか……」
P「まあここは厳密に言えば俺の部屋じゃないしな。だからお前には俺がいつもと
変わらないように見えるのかもしれないな」サラリ
晶葉「え?それならここは誰の部屋なんだ?」
P「事務所が保有してる物件のひとつだ。ウチのアイドルは18歳までは基本的に寮に
住んでもらっているが、それ以上は事務所が保有している物件に住んでもらうか
自分で部屋を探してもらってるのは知ってるか?」
晶葉「契約の時にもらった案内に書いてあったな」
P「この部屋は学校を卒業したアイドルや、大人組のアイドルの為に保有している
部屋のひとつだ。たまに俺がこうして実際に寝泊まりして住み心地を確かめて、
安全快適な暮らしが確認出来た後にアイドルに紹介してるんだよ」
晶葉「道理で生活感がないわけだ。さっきからホテルみたいだと思っていたんだよ」
P「ほう?ホテルとな?」ニヤニヤ
晶葉「ち、ちちちちち違う!私が言ったのはそういうホテルじゃなくてだな!」カアア
P「わかってるよ。事務所保有のマンションは都内に沢山あるし、アイドルに引き渡す
まではどこに住んでもいいから俺もこの生活を楽しんでいるんだ」
晶葉「だが自分のマンションも放っておけないだろ。家賃も支払わないといけないし、
そう頻繁に事務所の物件をチェックも出来ないのではないか?」
P「ああ、それについては問題ない。俺は自分の部屋を持ってないからな」サラリ
晶葉「え?」キョトン
P「昔は部屋を借りていたが、基本的に寝に帰るだけだし必要ないかと思ってな。
それに事務所が持っているマンションを全部回って住み心地を調べていれば
1年なんてあっと言う間だし、いちいち契約を更新するのも面倒だろ」
晶葉「だから皆がいくら調べても、Pのマンションを突きとめる事が出来ないのか。
生活に必要な荷物や私物はどうしているんだ?」
P「手ぶらでそのまま住めるくらいの最低限の設備はどの部屋にも置いてあるから、
それを使わせてもらってる。仕事に必要な資料や書類は事務所に置いてあるし、
年中スーツだから服もシャツと下着くらいしかないしな」
晶葉「趣味の道具とか好きな本とか、そういう物はないのか?私も詳しくないが、
男ならラジコンとか……」
P「それはプロデュースに必要なのか?仕事に必要な資料として買うことはあるが、
私物としてそういう類の物は持ってないな」ケロリ
晶葉(趣味もプライベートも住居も捨て、ここまでプロデューサーに徹してるとは
恐ろしい男だ。だんだん助手が宇宙人に見えてきたぞ……)ゾクッ
P「さてと、俺も風呂に入ってくるか。先に寝ててもいいぞ」スクッ
スタスタ…バタン
晶葉「……ん?ということはPは住所不定になるのか?将来家庭を持ったり、仕事を
引退した後のことは考えていないのだろうか……?」
晶葉「はっ!? どうして私が助手の将来を心配しなくちゃいけないんだ!! 」ブンブン!!
P「晶葉ー?どうかしたかー?」ガチャ ← 上半身裸
晶葉「んな!? そんな格好で女の前に出て来るな!! 」ギョッ!!
P「ああすまん、事務所じゃないから油断した。何かあったらすぐに呼べよ」バタン
晶葉「はぁ、はぁ…… 何を意識してるんだ私は……」ドキドキ
P『昔はあんな事を言ってたお前が、すっかり気を遣うようになって俺も嬉しいよ』
晶葉「私だって女子だという事を忘れるんじゃないぞ……」ポツリ
***
P「ふぅ、さっぱりした。あれ?まだ起きていたのか?」ガチャ
晶葉「どこで寝ていいか聞いてなかったからな。ベッドはひとつしかないし、布団も
押入れにはなかったしどうするつもりだ?」
P「そういえばこの部屋はソファもなかったな。さてどうしようか」
晶葉「私は床で寝たくないぞ。夏ならともかく今の季節は冷えるしな」
P「じゃあベッドで一緒に寝るか」サラリ
晶葉「なっ!? 」ガタタッ!!
P「緊急事態だしやむをえないだろ。お前は小柄だし、並んで寝ても十分スペースに
余裕はあるから大丈夫だ」
晶葉「じょ、冗談だよな?いくら私が女として魅力が乏しいといえ『男女7歳にして
席を同じうせず』という言葉もあってだな……」アタフタ
P「何を照れているんだ?前に2人でラボに泊まり込んでロボの製作をした時は、同じ
毛布にくるまって寝たじゃないか。俺は遠慮したのに『1人だと寒いからこっちに
来い!私が風邪を引いたらどうするんだ!』って怒っただろ」ニヤニヤ
晶葉「あ、あの時はまだ助手の事を異性として意識してなかったし、そもそも研究が
第一でそれ以外の事には疎くて、暖房も持ち込んでなかったし熱力学の観点で
見て効率が良かったからで……あ、異性として意識というのは一般論であって、
恋愛感情とかそういう話ではないぞ?Pは助手で、プロデューサーでもあって、
パ…パートナー?的な存在で、私にとってかけがえのない大切な人間であって、
だが好感は持っているが一緒に寝るのは心の準備がだな……」モジモジ
シーン
晶葉「……あれ?助手?どこに行った?」キョロキョロ
P「車に寝袋を積んでいたのを思い出したよ。我ながら準備が良い」ガチャ
晶葉「……」プルプル…
P「ん?どうした晶葉?俺は寝袋で寝るからベッドはお前が使って……」
晶葉「ばか――――――――――っっっ!! !! !! 」バチーン!!
P「ひでぶ!? 」
―――
P「なあ、どうしたんだよ?さっきは怒ってないっていったじゃないか」ヒリヒリ
晶葉『うるさい!話しかけるな!』← 布団の中
P「そういうわけにもいかないだろ。このままだと俺も気になって眠れないよ」
晶葉『知らないもんっ!ばかっ!』
P「お、幼児退行した」
晶葉『~~~~~っ!! 』バタバタ!!
P「暴れるな暴れるな。じゃあ今日はもう遅いし続きは明日な。電気消すぞ」パチン
シーン…
晶葉「……」ヒョコ
P「すぅ……」
晶葉「ばか……」ボソッ
P「悪かったな馬鹿で。俺はお前ほど頭の出来が良くないんだよ」グルン
晶葉「お、起きてたのか!? 」ビクッ!!
P「元々眠りは浅い方なんだ。それに今日は晶葉もいるし、プロデューサーとして
アイドルをしっかり守らないとな」
晶葉「プロデューサーとして、か……」
P「ピンと来なかったら『助手として博士を守る』でもいいぞ」
晶葉「大差ないだろ。今日改めて思ったが、Pは私以上の変人だな。Pの目には私が
どう映っているのか、一度頭を切り開いて見てみたいよ」
P「さらっと恐ろしい事を言うな。今俺の目に映っているのは、しっかり者で可愛くて、
ロボット製作が大好きな賢い女の子の晶葉だぞ」
晶葉「Pの言う『可愛い』や『美しい』という言葉は、私が理解してるそれとは
著しく乖離してる気がする。男と女だから多少認識にズレはあると思うが、
Pの場合は私達を人間として見てるのかすら怪しい。例えるとするならば
基盤や歯車を美しいと感じるような……」
P「そんなにか?確かにアイドルとして見る『可愛い』や『美しい』という感想は、
1人の女の子として見る感想とは少し違うが……」
晶葉「では私をアイドルではなく、1人の女の子として…………」
晶葉「…………」
P「晶葉?」
晶葉「……今の言葉は忘れてくれ。おやすみ」ゴロン
P「晶葉ー?おーい?寝たのかー?」
晶葉「……」
P「寝たか。じゃあ俺の独り言になってしまうが仕方ないな」ゴロン
晶葉「……」ピク
P「俺は自分が惚れ込んだ人間しかスカウトしない。アイドルとプロデューサーは
二人三脚だから、嫌いな人間相手だと一緒に仕事は出来ない。晶葉を科学の
雑誌で初めて見た時から可愛い子だと思っていたよ」
晶葉「……」モジモジ
P「だがいざアイドルにすると大変だったな。お前はアイドルになる前からロボットの
世界で有名だったから、あちこちの研究機関から『日本の将来を担う貴重な頭脳を
潰す気か!』って怒鳴り込まれたよ。お偉い科学者センセイ達は人間を脳の出来
だけでしか見てないのかねえ」
晶葉「……」
P「俺も日本の将来が気にならないこともないが、それは今のお前じゃなくて現役で
バリバリ働いている科学者センセイ達が考えればいい話だ。お前の人生はお前
だけのものだし、一番大事なのは自分がどうしたいかだろ?」
晶葉「……」グス
P「俺はプロデューサーとして、お前が昔雑誌で言ってた『自分が作ったロボで
沢山の人達を笑顔にしたい』という夢を叶えてやりたい。そしてアイドルや
科学者にこだわらず、1人の女の子としてお前がロボに向ける最高に可愛い
笑顔を沢山の人達に見せてやりたいんだ」
グイッ グイッ
P(ん……?寝袋が後ろから引っ張られたような……)クルッ
晶葉「こ、今夜は冷えるから眠れないな…… 寝袋に2人入るのは窮屈だが、私は
小柄だし問題ない。熱力学的にもこれが正解だ……」モゾモゾ…
P「お、おい晶葉!? それはさすがに……」ギョッ!!
晶葉「だめ……?」ウルウル
P(あ、これはホ○じゃないと断れませんわ)
P「さ、寒いなら仕方ないな!明日寝癖がひどくなっても文句言うなよ?」
晶葉「うん……」ピッタリ
P(いつもの尊大な物言いはどうしたんだよ!? 晶葉の反応が可愛くて面白かったから
ついからかってしまったが、返り討ちに遭うとは……)ダラダラ
晶葉「えへへ♪ あったかい……」ギュッ
―2日後・事務所研究室にて―
晶葉(Pの部屋に泊まった翌日ラボに業者の清掃が入り、2日後に使えるように
なった。昨日は事務所から比較的近い卯月の家に世話になり、Pの匂いも
完全に消えて志希に気付かれることもなかった。我ながら完璧だな!)
志希「うあ~ん!手がシビれるよ~!」キュッ、キュッ
晶葉「お前のせいでロボの開発が遅れたんだからしっかり手伝え」カチャカチャ
志希「だからゴメンって何回も言ってるじゃ~ん!志希ちゃんはロボットの専門じゃ
ないんだから許してよあきえも~ん!」
晶葉「怒ってないがそれとこれとは別問題だ。ドライバーでネジ回すくらい専門じゃ
なくても出来るだろう。今日完成させて明日は動作確認をするぞ」
志希「うう~、鉄とグリスの匂いじゃやる気でないよ~……」グスン
晶葉(志希とは相変わらず気が合いそうにないが、数少ない科学者仲間だし専門は
違うが仲良くしようと思う。自分が作ったロボで沢山の人達を笑顔にすると
いう夢を叶える為にも間違いは素直に認めて、私も科学者やアイドルの前に
1人の女として成長して、私を子供扱いしたPを見返してやらないとな!)
晶葉「ロボが完成したら、お前の香水作りも手伝ってやろう。専門外ではあるが
化学の知識が皆無でもないし、私でも少しは役に……」
志希「いらない。あきえもんに手伝ってもらったら、香水が機械油みたいな匂いに
なっちゃいそうだし」ピシャリ
晶葉「……」イラッ
晶葉「やっぱりラボを分けてもらう必要がありそうだな……」
おわり
ここまで。SS界隈では青いタヌキもびっくりも万能博士の晶葉ですが、個人的な
イメージはロボット甲子園に出て来そうなロボを作る高専生です。ユニット組んだ
泉の話では晶葉のロボはOSを積んでないそうですがそれってすごいの?ちなみに
志希は頭いいけど化学以外は集中力が続かなくて逃亡するイメージで。では
乙
OS積んでないならそれこそ趣味の電子工作ぐらいのもんしか作れない気がするんですがそれは……
>>47
頑張ればすごいのも出来る・・・らしいです
今の主流ではないようなので、やる人は少ないそうですが
雑談スレから誘導されてきたが特に批評とかはできないんだすまん乙乙!
>>52
本スレで言ってくれてもいいのよ?
面白かった、つまんなかっただけでもいいので率直な感想をくれると嬉しいです。
話としてなんか繋がってない気がするな。
晶葉と志希がぶつかって、そこでPとの交流の果てに晶葉が志希(または周りのアイドル達)との付き合い方を見直すって流れなら、Pの説教や振る舞いに晶葉の反省を促すものがあった方がいいのでは。
Pが単に晶葉に可愛いって言うためだけの存在になっちゃってる感じがする。
「私はみんなのために自分の時間を使っているんだぞ!」っていう意識が晶葉に最初あって、
それからPの自分の生活を省みなさを目の当たりにして、「私はPに比べれば全然大したことなかった」って考えを改める話なら主旨が一貫するからいいんだけどね。
ここからは個人的な感想。
Pの振る舞いが少し鼻についた。「サラリ」とかいう擬音でセリフを強調するのは多分クセなんだろうけど、Pはすごいんですよと言いたいのが透けて見える。
そして「お偉い科学者センセイ達は人間を脳の出来だけでしか見てないのかねえ」という脈絡もない科学者批判
これ晶葉がアイドルとして輝きたいと思っていて、「私は頭脳だけしか価値が無いのか」と悩んだりしてたなら、このPのセリフも意味と重みを持つんだろうけど、
ここじゃPが「俺は晶葉が可愛いからスカウトしたんだ。文句なんか知るか」って言ってるだけだからね
晶葉は一人の女の子としてかわいいと主張したいなら、それを際立たせるためのストーリーをもっと練っていいんじゃないかな。
俺はお泊りパートで、晶葉の自分の容姿にそこまで自信が無いという内面の悩みに踏み込んでくるのかなと期待したから
でも読み終わった後はロボティックスマイルしてる晶葉の年相応な部分もっと見たくなった。
長文失礼
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません