黒川千秋「二つのアキ」池袋晶葉「見つけた」 (17)


キャラが崩壊している可能性があります。
よろしくお願いします。

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プロダクション
事務室


千秋「…」ペラッ
ガチャッ
晶葉「助手いるかー?」
千秋「Pさんなら居ないわ。」ペラッ
晶葉「あぁ、千秋か。そうか、いないか…うーむ。」
千秋「どうかしたの?」
晶葉「ちょっと頼まれたものがあってな。それの試作品が出来たから確認して貰おうと思っていたのだが…。」
千秋「そうね。」

晶葉「仕方ない。またいる頃にするか。雑誌を読んでいるところ邪魔したな。」
千秋「ねぇ。」パタン
晶葉「なんだ?」
千秋「…どういう物作ったの?」
晶葉「ほう、興味があるのか。」
千秋「あまりそういうことに触れる機会がなくて。色々知ることも必要かしらって思ったのよ。」
晶葉「なるほど、いい心がけだ。天才の天才たる凄さを感じられるのだからな。」バーン
千秋「え、えぇ。」

晶葉「隣、失礼してもいいか。」
千秋「いいわよ。」
晶葉「すまないな。」ポフッ
千秋「それで何を頼まれたのかしら?」
晶葉「これだ。」
千秋「? 随分小さいわね。手のひらサイズって感じ。」
晶葉「そういう要望だったからな。」
千秋「そう。で、どういう機能があるの?」
晶葉「名前を『可愛く撮ってくれるくん』という。」
千秋「だいたい察したわ。」
晶葉「かなりストレートな名前だからな、当たり前か。」

千秋「…そもそもなんで作るように頼んだのかしらね、Pさん。」
晶葉「詳しくは聞いていないが、助手のことだ。私達に関係しているのだろう。」
千秋「結局そこよね…。」
晶葉「それにわざわざ撮ってくれるという自動機能で注文してきたんだ。なるべく負担もかからない物にしたかったんだろう。私の負担はあったがな!」
千秋「お疲れ様。」
晶葉「ありがとう。彼はなんでも作れるし、なんでもやってくれると思っている節があってな。困る以外の言葉が出ない。やれやれだ。」

千秋「その割には嬉しそうみたいだけど?」
晶葉「頼られるのが嫌いなわけではないからな。それに私の力が役に立つのは嬉しい限りだ。」
千秋「素敵だと思うわ。」
晶葉「そうか?」
千秋「えぇ、素直になれる相手がいるのはとても素敵なことだと思うの。」
晶葉「間違いなくそうだな。」
千秋「少し失礼かもしれないけど、今まで持ってた印象と変わったわ。」
晶葉「いや構わない。どういうことか教えてくれ。」

千秋「もっと…なんというか、こんなに話をしてくれる人だとは思わなかったの。機械と戦って、出来たらまた次にって感じなのかと思っていて。」
晶葉「それも仕方がない、ほとんど共演の機会もないのだから。今、千秋は舞台であったり、グラビアであったりが中心だろう?私はライブはライブでもライブイベントやバラエティ番組が多い。そうなれば、どうしても第一印象に寄る。それに私も千秋の印象はかなり変わったからな。」
千秋「じゃあ…池袋さんには私はどう写ってたの?」
晶葉「ん?そうだな、高翌嶺の花だな。気高く、ストイックで、他を寄せ付けない、そんな強さを持った女性だと思っていたよ。」
千秋「今は?」
晶葉「話しやすい、高翌嶺の花だな。」

千秋「フフッ、高翌嶺の花なのは変わらないのね。」
晶葉「気品という物を表現する言葉としてはこの言葉が適切だろう?」
千秋「さすがに自分で言うのはちょっと?」
晶葉「そうだな、すまない。」
千秋「いいの、気にしないで。」
晶葉「ありがとう。私もこれだけ変わることが出来たのは、Pや他のアイドル達に出会ってからは少し明るくなったというか、色々と自分を伝えることが怖くなくなったのは確かだ。」
千秋「私も同じようなものね。Pさんや翠さんや洋子、色々な人と関わることが出来たからこそ、自分のやりたい事のためには自分だけじゃなくて、色々と吸収することが必要なんだって気づけたわ。」

晶葉「似た者同士だったんだな、私達は。」
千秋「みたいね、名前以外にも似ているところがあったのね。アキ同士。」
晶葉「アキ…なるほど、名前も似てると似るのかもしれないな。ただもう1人のアキは…違う気がするが…。」
千秋「…ノーコメントでお願いするわ。」
晶葉「分かった。」
千秋「フフフフフフ」
晶葉「ハハハハハハ」

千秋「はー…可笑しかった。ところでさっきのー…えっとその機械…」
晶葉「『可愛く撮ってくれるくん』か?」
千秋「そうそう、それはどうやって使うの?」
晶葉「使い方としては、この真ん中のボタンを押す。すると縦に伸びて、音が鳴ったら、フラッシュが焚かれて撮影され、すぐに現像してくれるというものだ。」
千秋「えっと…」
晶葉「?」
千秋「試しに使ってみない?」
晶葉「! もちろんだ。」

晶葉「いくぞ」ポチッ

キュイーン
ガシャン
ピピ
カワイクトールヨッ!
パシャッ
キーン
デキタヨー!

晶葉「うむ、上手く撮れてるな、素晴らしい。」
千秋「本当ね。」
晶葉「だが、足りない。」
千秋「?」
晶葉「もう1枚撮っておこう。」
千秋「! もちろん!」

晶葉「2枚目もバッチリだな。」
千秋「えぇ、バッチリね。」
晶葉「1枚目を渡しておく、せっかくだからな。」
千秋「ありがとう。それにしても、少し不安になるけど…何撮るつもりなのよ…。」
晶葉「…まぁ信じようじゃないか。ただ助かった。」
千秋「え?」
晶葉「システムに入れておく、早苗さん呼び出しボタンを。」
千秋「さすが天才ね。」
晶葉「天才だからな。」

千秋「何にしてもアイドルバカと言うか、仕事バカと言うか…なんて表現しても結局Pさんだからに収まるところが怖いわ。」
晶葉「P以外の表現しようがない。残念なことに。」
千秋「本当ね。あ、そろそろ行かないと。」
晶葉「時間を使わせて済まなかったな。」
千秋「いいの、とても楽しかったから。」
晶葉「ありがとう。」
千秋「アキの会、またしたいわ、もう1人のアキも入れて。」
晶葉「あぁ、またしたいものだ。」もう1人のアキも入れて。」
千秋「それじゃあ、また。」

晶葉「そうだ、千秋。」
千秋「何?」
晶葉「『晶葉』でいい。」
千秋「分かったわ。」
晶葉「じゃあ。」
千秋「それじゃあ。」

ガタン
バタン

以上です。

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