後輩「おじゃましまーす!」(12)
男「俺の部屋二階だからあがっててくれ。飲み物持ってくから」
後輩「はーい、エッチな本でも探しておきますね!」
男「それはやめろ!」
後輩「止めるって事はあるんですね!腕がなります!」
男「変な腕を誇るな!いいから大人しくしてろって!」
後輩「はいはーい」スタスタ
男「ほら、持ってきたぞ……」ガチャ
後輩「うわあ……」パラパラ
男「なにしてんだよ!」バッ!
後輩「先輩の趣味、正直引きます……」
男「ああいうのは普通言っただけで本当にはしないのが定番だろ!」
後輩「ドン引きます……」
後輩「付き合い始めたばかりの私にも、あんな変態チックな事をするつもりなんですね……だから自分の部屋に私を呼んだんですね……」
男「いや、今日お前がここにいるのは偶然だろ!?急に雨降ってきたから雨宿りしてるだけだろ!?」
後輩「まあそれは冗談ですけど」
男「はぁ……」
後輩「でも先輩の趣味がドン引きなのは本当です」
男「うう……」
男「そんなに変かなぁ俺の趣味……」
後輩「とりあえず女の子の9割は好きな人からあんな事をしてほしいとは思わないです」
男「マジか……」
後輩「ちなみに私は逆に先輩にしたいと思っています。ああいう事を」
男「ひっ、ひぃ……」ズザザザ
後輩「自分がやられて嫌な事を人にやっちゃいけませんよ?」
男「……それならお前が俺をからかうのもやめて欲しいんだけど」
後輩「私は先輩をいじるのと同時にいじられる覚悟もしていますよ?なんだったら先輩も私をいじったりからかったりしてみればいいんです」
男「……そ、それなら……」オソルオソル
後輩「」ニコニコ
男「……いえ、止めときます。笑顔がすごく怖いです」ガタガタ
後輩「もう、情けないですね」ニコニコ
男「くそう……なんでだ、どうしてこいつの事を好きになったんだ……」シクシク
後輩「む、さすがにそれはちょっと傷つきます……」
男「あ、ああ悪い。さすがに無神経だったかな」
後輩「先輩が告白してくれた時、本当に嬉しかったのに……」
男「ご、ごめん……」
後輩「『毎日のように年下の女の子からいじられてるのにそのコの事を好きになるなんてこの人マゾなのかな?マゾなら好きなだけいじめてもいいよね!』って思ってすごく嬉しかったのに……」
男「……うん、いい話を期待した俺がバカだったよ」
後輩「そうガッカリしないでください、冗談ですよ冗談。本当の本当に嬉しかったです」
男「はぁ……まあそうか。お前涙流して喜んでたもんな」
後輩「っ///な、泣いてなんかなかったです」
男「いや、あれは間違いなく」
後輩「えい」グキ
男「ぎゃあ!!」
後輩「間違いなく、なんですか?」ニコニコ
男「な、なんでもないです……俺の勘違いでした……」ズキズキ
後輩「ですよね。もう先輩ったら」ニコニコ
男(ゆ、指がぁ……)
男「お前と話してると、本当に年下なのか疑わしくなるな」
後輩「え?私ってそんなに大人っぽいですか?」スッ
男「妙なポーズをとるな。あとお前は実年齢より幼く見えるよ」
後輩「確かに私、背は低いほうですけど……でも胸はけっこうありますよ?」
男「女の子が自分からそういう事言うんじゃありません!」
後輩「そう言いつつ視線を私の胸から外さないところ、ちょっと可愛いと同時にちょっと引きます」
男「う、うるせー!男ってのはみんなそういう生き物なんだよ!」
後輩「それで、何の話でしたっけ?」
男「だからお前が年下だと思えない……いや、もうハッキリ言う。傍若無人すぎて敬意が全く感じられないって話だ」
後輩「いいじゃないですか、小悪魔系ってことで。ほら、私八重歯ありますし」アーン
男「いや、それと敬意とは全然違うし、何より俺にとってお前は小悪魔どころかルシファーとかベルゼブブとかも真っ青な大悪魔……」
後輩「……先輩、さっきは右利きの先輩を気づかって左手の指にしたんですけど、その気づかいは無用でしたか?」ニコォ
男「い、いや、勘弁してください……まだご飯は自分の手で食べたいです……」ガタガタ
後輩「大丈夫です、私があーんして食べさせてあげますから」
男「すごい献身的に見えるけど、その場合指折ったのもお前だからな!」
後輩「付き合いたての彼女から『あーん』なんて全ての男性の夢でしょう?」ニコニコ
男「それは間違いないけどその為に指折りたくないよ!」
後輩「まあともかく私が傍若無人なんて言いがかりです。小悪魔系なんです。八重歯ありますし」
男「なんでそこまで八重歯を協調するんだ……まあいたずらっ子っぽくて可愛いと思うけど」
後輩「う……そ、そうですか///それはどうも……///」
男「お、なんだ?照れたのか?」ニヤニヤ
後輩「さ、さっき私がアーンした時に八重歯じゃなくて唇を見てドキドキしていた先輩に言われたくないです」
男「な、なんでわかった///!」
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