櫻子「ねーちゃん一緒に寝よ?」 (62)

櫻子「ねーちゃん寒い~……」ガチャ

撫子「ちょっ、ノックしてよ」

櫻子「寒い~寒すぎ! 今日も一緒に寝ていい?」

撫子「もう……まあいいけどさ」


花子「撫子ねーちゃん……」ガチャ

撫子「あれ、花子も?」

花子「昨日よりももっと寒くなった気がするし……一緒に寝て欲しいし」

撫子「いいよいいよ。三人で寝よっか」

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櫻子「ふぁーあったけー……///」

撫子「電気消していいよ。私ちょっとメールしてるけど」

花子「了解だし」ぱちっ


櫻子「明日土曜日だー。お休み嬉しい……」

花子「撫子おねえちゃん、明日なにかあるの?」

撫子「うん、その件で今メールしてて……もしかしたら明日私の友達がうちに遊びに来るかもしれないんだ」

櫻子「ほんとに!? やったー!」

撫子「いやアンタに会いに来るわけじゃないから」

櫻子「いいじゃんかー。ねーちゃんの友達みんな面白いんだもん」

花子「撫子おねえちゃんの友達は、みんな撫子おねえちゃんのことを大事にしてくれてると思う。見てるだけでよくわかるし」

櫻子「そうそう。みんないい人たちだよねー」

撫子「ん……まあ、そうだね」


花子「言ってなかったけど、明日は花子の友達たちも遊びに来るし」

撫子「あ、そうなんだ? 私明日用にたくさんお菓子買ったから、花子たちの分も用意するね」

花子「ん、ありがとう」

櫻子「いいなーお菓子ずるい!」

撫子「お客さんが来るんだから仕方ないでしょ」


櫻子「そうだ!」がばっ


撫子「なに、どしたの?」

櫻子「~♪」てちてち

花子「櫻子もメール?」

櫻子「……よし、おっけー!」

撫子「急にどしたのさ」

櫻子「私も明日お客さん呼んだ! だから私の分もお菓子わけてね!」


撫子「もう……そんなにたくさん買ったわけじゃないんだからさ。まあ友達たちも持ってきてくれるから結果いっぱいになっちゃうか」


花子「撫子おねえちゃんの友達は何人来るの?」

撫子「四人かな。花子は?」

花子「花子は二人……ほんとは来て欲しい子いたけど、一人来れなくなっちゃったし」

撫子「櫻子は?」

櫻子「一人!」


撫子「……ひとり?」

櫻子「向日葵呼んどいた!」

花子「……そんなことだろうと思ったし」

撫子「アンタどんだけお菓子欲しいの」

櫻子「お客さんはお客さんでしょー」

撫子「まあいっか。ひま子にはいつもお菓子作ってもらったりするしね」


花子「ん……そろそろ眠くなってきたし」

撫子「あ、ごめんね。もううるさくしないから」

櫻子「花子おもらししないでね?」

花子「するわけないし……ばか」

撫子「ほら櫻子、もう寝かせてやんな」

櫻子「ぶー、つまらん」


撫子「あ、花子。明日お友達何時くらいに来るの?」

花子「んー……10時くらい……」

撫子「じゃあ私の友達と一緒ぐらいかな。ちゃんと起こしてあげるからね」

花子「ありがと……」

撫子「ひま子は何時くらいに来るって?」

櫻子「起きたらすぐに来るように言っておいた」

撫子「なにそれ……緊急の用事と勘違いしちゃったら可哀想でしょ」

櫻子「大丈夫だよ。どうせ向日葵土曜の朝はたっぷり寝てるもん」

撫子「ひま子って朝弱いんだっけ」

櫻子「超弱いよ。今だと寒いのもあるから、朝は少し機嫌悪いときもあるの」

撫子「それアンタがどっかで怒らせたりしてるんじゃないの?」

櫻子「そんなことは……無いと思うけど」

撫子「櫻子……悪いんだけどさ、アンタの部屋の毛布と花子の毛布も持ってきて」

櫻子「えーなんで」

撫子「三人で寝るといつも取り合いになるじゃん……いっぱいあれば大丈夫でしょ」

櫻子「まあいいけど……よいしょ」



撫子「花子はあったかいな……」

撫子(そういえば花子が生まれてすぐくらいのときもこうしてよく三人で寝たっけな)

撫子(いつまでこうしていられるのかな……)なでなで



櫻子「持ってきたよー」もさっ

撫子「ん。適当にかけといて」

櫻子「うーさむさむ……」もそもそ



花子「……すぅ……」

撫子「…………」


櫻子「……ねーちゃん」

撫子「……ん?」

櫻子「昔はよくこうやって三人で寝たよね」

撫子「……ふふ、ついさっき私も同じこと思ってたよ」

櫻子「花子を真ん中にして、三人で……」


櫻子「でもさ、割と最近わかったんだけど」

撫子「?」




櫻子「姉妹で一緒に寝るのってちょっとおかしいよね」

撫子「…………」

櫻子「この前友達と話してて知ったの。私の周りの人たちみんなに言われた。ちょっとおかしいって」

撫子「お、おかしいのかな……」

櫻子「私もびっくりしたよ。姉妹で一緒に寝るなんて当たり前のことだと思ってたから」

撫子「…………」

櫻子「ねーちゃん知ってたんでしょ?」


撫子「…………」



撫子「いいでしょ……一緒に寝たって……///」

櫻子「あ、照れてる」

撫子「誰が見てるわけでもないんだしさ……私寒がりだし、姉妹間のスキンシップ大事でしょ」

櫻子「いや、別に私も一緒に寝たいから来たんだけどさ……」

撫子「アンタがちっちゃい時なんて、私が隣にいなかったら眠らなかったくらいなんだから」

櫻子「ほんとに……?」

撫子「本当だよ。ずっと一緒だったでしょ」

櫻子「ふうん……」



撫子「……おかしいことなんか無いよ。他所の家のことは気にしないでさ」


撫子「……寒かったら、いつでも来ていいからね……?///」

櫻子「…………」


撫子「……寝ちゃった?」


櫻子「…………」



撫子「……おやすみ、櫻子……」


櫻子(おやすみ、ねーちゃん……///)

ーーーーーー
ーーーー
ーー



〈翌朝〉


向日葵「な、なにかしら……『起きたらすぐうちに来い!』ですって。急用かしら……」

楓「おねえちゃん、どうしたの?」

向日葵「い、いえ……朝から櫻子に呼ばれてしまいましたわ。ちょっとすぐに準備して行ってみますわね」

向日葵(どうせ大した用じゃないんだろうけど……)




向日葵「それじゃ楓、ちょっと行ってきますわ」がららっ


向日葵「ん……?」

めぐみ「あっ、向日葵ちゃん!」

未来「向日葵おねえちゃんだー!」

美穂「向日葵ちゃ~ん♪」ふりふり

藍「丁度いいところに」

こころ「…………」

向日葵「えっ、どうなされたんですの? 皆さんお揃いで……」

藍「私たちは撫子にお呼ばれされたのよ」

めぐみ「そうそう。美穂が早めに到着して驚かせようって言うから、ちょっと早いんだけどね」

未来「未来たちも花子様にお呼ばれされたの!」

こころ「びっくりさせたいから早く来たのー」

向日葵「あらあら……今日はお客さんが大勢ですわね」

めぐみ「向日葵ちゃんも、櫻子ちゃんに呼ばれたの?」

向日葵「ええまあ。呼び出されることはしょっちゅうですけど……」


美穂「さて向日葵ちゃん、グッドタイミングよ。大室家にこっそり潜入しちゃいましょ♪」

向日葵「せ、潜入?」

美穂「なんのために早めに来たと思ってるの。撫子に寝起きドッキリを仕掛けるためでしょう?」

向日葵「そ、それは知らないですけど……」

こころ「こころも花子様に寝起きドッキリしたいの。向日葵おねえちゃん、こっそり入る方法おしえてー?」

向日葵「いたずら好きなお客さんが多いですわね……まあそういうことなら協力しますわ。私が裏口からこっそり入って、ここの鍵を開けてきますわね」


めぐみ「よっ!幼馴染み!」

藍「潜入はお手の物ね♪」

向日葵「い、いつもはちゃんと玄関から入りますので、あしからず……///」

ガチャッ


向日葵「皆さん、どうぞ……」こそこそ

美穂「わ~い……♪」

藍「お邪魔しまーす……」

未来「わ、わくわくする……///」

めぐみ「私も……///」

こころ「二人とも、しーっ……」



向日葵「まだ三人とも起きてないみたいですわ……ちょっと寝坊してるみたいですわね」

美穂「よかった。ギリギリセーフってわけね」

めぐみ「撫子の寝顔……///」

向日葵(私も撫子さんの寝顔は気になる……///)



向日葵「あ、開けますわよ……」ひそひそ

一同「……」コクリ

ガチャリ


向日葵「えっ」

めぐみ「えっ……」

藍「え……」

美穂「……!!」



未来「ひ、向日葵おねえちゃん、花子様がお部屋にいな……むぐ」

めぐみ「し、しーっ!///」



撫子「…………すぅ……」

櫻子「…………zzz」

花子「…………」



向日葵(こっ、こここここここれは……///)

向日葵(皆さん、ここは落ち着いて一旦リビングに引き返しましょう)ヒソヒソ

藍(賛成……!)

めぐみ(美穂! 写メはまだ待って!!)

美穂(そ、そうね……激写チャンスはもっと準備してから迎えたいわ)

こころ(未来ちゃん、静かに……)

未来(わ、わかってるよ……)




めぐみ「ね、ねえ何あれ!? 撫子っていつも妹ちゃんたちと一緒に寝てるの!?///」

向日葵「私もさすがに驚きましたわ……でも以前櫻子がそんなようなことを言ってた気が……」

藍「なんか、すごい、こう……絵になってたわね」

美穂「ふう、新しいカメラ持ってきておいてよかったわ」

未来「花子様が真ん中だったね……///」

こころ「櫻子おねえちゃんに抱きついて寝てたよ……」

めぐみ「そしてその二人を包むように撫子の腕が覆ってた……」

向日葵「こんな可愛い三姉妹見たことありませんわ……」



めぐみ「も、もう一回行こうよ!///」

藍「そうね。一人でも起きる前に……」

美穂「激写の準備はオーケーよ!」

未来「こ、今度は起こしていいの?」

こころ「写真の音で起きちゃうと思う……」


向日葵「よし、皆さん行きますわよ……」

そろーり


向日葵(まだ起きてないみたいですわ……)

藍(さ、櫻子ちゃんと花子ちゃんも可愛い……!)

めぐみ(世界一寝顔の可愛い三姉妹なんじゃないの……///)



美穂(みんな、準備はいい?)

向日葵(わ、私もついでに撮っておきましょう……!)ぱたぱた


めぐみ「いくよ? 3……2……1……それっ!」


パシャパシャパシャパシャ!


撫子「っ!?」びくっ

藍「あ、起きた」

美穂「おはよう! おはよう撫子!」カシャカシャ

未来「花子様ー起きて~!」


撫子「えっ、なっ、ええっ!?///」

撫子「ちょっ、なにやってるのあんたら!!///」わたわた

めぐみ「撫子! 撫子おはよー!!」

藍「撫子、いつも櫻子ちゃんたちと一緒に寝てるの!?」

美穂「こっち向いて撫子! はいポーズ!」

花子「み、未来……こころ……!?」

こころ「やっほー」

未来「花子様可愛かったよ!」


櫻子「んにゅ……」ごろん

向日葵(さ、櫻子の寝顔もついでに撮っておきましょう……///)カシャカシャ

撫子「え……なに、なんでいるの?」

美穂「なんでじゃないわよ。お寝坊さんはどこの誰かしら?」

撫子「え……うわ、もうとっくに九時過ぎてる!」

藍「妹ちゃんと一緒に寝てたら気持ちよくて起きれなかったんだよね?」

めぐみ「気持ちよくなっちゃったの撫子!?///」

撫子「あんたうるさい!」ぺしっ


こころ「んー、あったかい……」もそもそ

花子「こ、こら! 花子が寝てた所に入るな!」

未来「私も入りたい!櫻子おねえちゃんと寝たい!」

向日葵「…………」カシャカシャ



撫子「……どうやって入ったの」

美穂「あら、普通に玄関から入ったのよ?」

藍「向日葵ちゃんが開けてくれたの……」

向日葵「ごめんなさい撫子さん。家の前に大勢のお客さんを立たせておくわけにもいかなかったので、裏口から入らせて貰いました……」

撫子「なるほど……」

櫻子「ふわ~あ…………まだちょっと眠い……」


花子「にしても早く来すぎだし!」

未来「花子様の寝顔が見たかったから早く来たの!」

こころ「ばっちり見れてよかったねー」

撫子(ま、まさかこんなことになるとは……///)

美穂「ほら三人とも、早く顔を洗ってきなさい」ぱんぱん

櫻子「はーい……」

花子「はーい……」

撫子「お母さんかアンタは」


藍「早く来てよかったわね」

めぐみ「後で撫子に色々聴こうね」


未来「こころ、花子様のお部屋で待ってよう?」

こころ「うんー」

向日葵「わ、私はどうしようかしら……とりあえず櫻子の部屋で待っていましょう」



櫻子「おまたせー!」ガチャ

向日葵「復活しましたわね」

櫻子「やーごめんごめん。寝坊しちった」

向日葵「いえ、いいですけど」


向日葵「今日は何の用ですの?」

櫻子「んー?」

向日葵「昨日メールよこしたじゃない。起きたらすぐ来いって。だから私来ましたのよ?」

櫻子「あー思い出した!あのね、用無い」

向日葵「は?」

櫻子「用は特に無いの。でも来て欲しかったの」

向日葵「え……?///」

櫻子「な、なに赤くなってんの!」

向日葵「だって、用はないけど来て欲しかったって……」

櫻子「違うよ! 今日はねーちゃんにも花子にもお客様が来てるでしょ? だから二人ともお菓子とか用意するでしょ? 私もお菓子欲しいから、じゃあお客様呼べばいいんだ!って思ったの」

向日葵「……つまり本当に用事は無いんですのね……」

櫻子「お菓子貰えるまではここにいてねー」

向日葵「はぁ……」



向日葵「と、ところで気になったんですけど」

向日葵「あなたっていつも撫子さんや花子ちゃんと寝てるんですの……?///」

櫻子「んー、寒い時はね」

向日葵「な、なんで?」

櫻子「あったかいから」

向日葵「……それだけ?」

櫻子「なに、おかしい?」


向日葵「……いえ、おかしいことはないですけど」

櫻子「昨日ねーちゃんとも話したよ。姉妹で一緒に寝るのは変なのかなーって。そしたら『誰も見てないんだからいいじゃん』って言ってた」

向日葵「でもこうして現に皆に見られまくって写真撮られまくってますわよ?」

櫻子「それは向日葵のせいでしょ! 私たちが起きるまで待っててよ!」

向日葵「私だって一緒に寝てるの知らなかったんですから……」

櫻子「ところで、皆なにして遊んでるのかな」

向日葵「確かに気になりますわ。特に高校生組」

櫻子「ちょっと覗いてみようよ」



櫻子(どれどれ……)そーっ


めぐみ「究極クエスチョン!」

「「きゅーきゅー!」」

めぐみ「撫子は、私たち4人か、櫻子ちゃん・花子ちゃんと寝なければいけないとしたら、どっちを選びますか!」

撫子「なにそれ……」

美穂「私たちを選ぶなら右手、妹ちゃんたちを選ぶなら左手を挙げて?」


撫子「…………」

撫子「…………」左手ぴしっ


めぐみ「わーーーー!」

藍「撫子は妹ちゃんたちをとったわ!」

美穂「いけない、いけないわ! 撫子、あなたは櫻子ちゃんたちのお姉さんなのよ!?」

撫子「いやあんたたちと四人で寝るよりは自然でしょ」



めぐみ「しっ、し……シスコンだ!」

藍「撫子……」

撫子「いやいやいや、シスコンとかじゃないでしょ? 普通のこと言ってるだけだよ」

美穂「手遅れだわ……これは生粋のシスコンよ」

めぐみ「なんとかしなきゃ……」


向日葵(ひどい会話をしてますわ……)

美穂「シスコンを治す方法はたったひとつ。私たちの方がいいと思わせるしかないわ」

めぐみ「そ、そうだね。よーし……撫子、一緒に寝よう!」

撫子「はぁ!?///」

藍「そ、そういうことなら……私も撫子のために一肌脱ぐわ」ぬぎぬぎ

撫子「藍、なんで服脱いでんの?」

美穂「大人の魅力大作戦よ。撫子をまっとうな道に戻すにはこれしか……///」ぬぎぬぎ

撫子「どう考えてもこっちの方がアウトでしょ!!///」



櫻子「こ、高校生は大人だね」

向日葵「そうですわね……」


櫻子「向日葵は? 楓と一緒に寝たりしないの?」

向日葵「昔はよくしましたけど……最近はめっきりですわ」

櫻子「楓は大人だからなあ……意外と一人で何かしたりが好きなんだよね」


向日葵「あ、楓を呼んできてもいいかしら?あの子きっと今も暇してますわ」

櫻子「ん、いいよ? 今日は楓と遊ぶか」

向日葵「じゃあちょっと呼んできますわね」

櫻子「おー」

「櫻子ちゃ~ん?」コンコン

櫻子「わっ、な、なに?」

美穂「ちょっといいかしら?」ガチャ

櫻子「み、美穂ねーちゃんか。どしたの?」

美穂「ほら、お菓子持ってきたのよ。撫子に頼まれて、おすそわけに来たの♪」

櫻子「わーいやったー! ありがとー!」



美穂「……ところで、ちょっと聞いてもいい?」

櫻子「?」


美穂「櫻子ちゃん……撫子のこと、好き?」

櫻子「えっ……///」

美穂「その、姉妹としての好きじゃなくて、撫子のことを好きかどうか」

櫻子「姉妹としての……? ど、どういうことかわからないよ」

美穂「じゃあ例えば、撫子とキスしてみたいなーとか思ったりしたことはある?」

櫻子「えっ、き、キス……?///」

美穂「そう。撫子ともっと一緒にいたいとか、撫子の身体を……」


撫子「美穂ー!!」ばぁん

美穂「わっ、やば!」

撫子「急にいなくなったと思ったらこんなところで何してるの……うちの櫻子に変なこと吹き込んだりしてないよね……?」ゴゴゴ

美穂「わお、これは本気で怒られちゃうわ……櫻子ちゃん、またね~♪」ぱたぱた

櫻子「あっ、ばいばい……」


ぱたん


櫻子「き、キス……ねーちゃんと……?」

楓「櫻子おねえちゃん、来たの!」

櫻子「おー楓。いらっしゃい」

楓「玄関にお靴がいっぱいあったの。お客さんがたくさんなの!」

櫻子「花子の友達も来てるよー。挨拶しといで」

楓「わかったの!」とてとて


向日葵「さて、今日は何をしましょうか」

櫻子「向日葵、あのさ……」


櫻子「楓とキスしたことある?」

向日葵「はっ……はあ!?///」

櫻子「な、なんかさっき美穂ねーちゃんが来て、撫子ねーちゃんとキスしたいと思ってるかって聞かれて、私そういうのよくわかんなくて……」

向日葵(櫻子が変な影響を受けてますわ……)


向日葵「あの、あまりそういうことは気にしなくていいと思いますわ。誰が誰を好きとか、好きになっちゃいけないとか、無いと思いますし」

櫻子「どういうこと?」

向日葵「もし仮にあなたが撫子さんを大好きでも、それは別に変なことじゃないってことですわ。だからってそれを周りに大っぴらにするのも違うと思いますけど……」

向日葵「私は楓とキスしたことなんて無いですけど、楓のことは大切に想っていますわ。それだけのことでいいじゃない」

櫻子「ふーん……」

未来「櫻子ねーちゃーん」ガチャ

櫻子「うおっ、どしたの?」

未来「みんなでトランプしよー? 人数多い方が楽しいよ!」

櫻子「あ、いいねー! 向日葵もやろうぜ」

向日葵「仕方ありませんわね。楓のお手伝いをしましょうか」



楓「わぁい、一番なの!」

櫻子「つ、つええ……」

未来「ぜんっぜん勝てない……」

こころ「つよいねー楓ちゃん」


「みんな~?」コンコン

花子「誰だし?」


美穂「こんにちは~♪」ガチャ

櫻子「また来た……」

美穂「いや、今回は違うわよ? さっきみたいなお話じゃなくて……」


美穂「みんな、今日はこのお家にお泊りしない?」

向日葵「えっ」

未来「えっ、いいの!?///」

美穂「明日は日曜日だし、さっき撫子に聞いてみたら、別に構わないって言われたの。ということは、未来ちゃんやこころちゃんもお泊りオッケーってことでしょ? みんなで一緒に、どう?」

こころ「さんせー」

櫻子「いいねー!」

美穂「決まりね! じゃあみんな、一旦お泊りの準備とかお家の人の許可とか貰ってきてくれる? 私たちはお泊りが楽しくなるように準備してるから♪」

未来「わかった、ちょっと行ってくるー!」だっ

花子「お泊りかぁ。久しぶりだし」

美穂「向日葵ちゃんも大丈夫よね?」

向日葵「ええまあ……撫子さんが許可してくれるなら大丈夫かと」

美穂「よかったあ。お昼とかもみんなで作るから、楽しみにしててね?」

櫻子「うーん楽しみ~」


向日葵「なんだかすごいことになりそうですわね」

花子「いちにーさんし……全部で10人?」

櫻子「パーティみたいだね」

ーーーその後も楽しい時間が過ぎ、あっという間に夜になった。





撫子「お風呂の順番決めよっか」

向日葵「今日はたくさんいますものね」

めぐみ「とりあえずグループでわけなきゃ」

美穂「ここはジャンケンね! とりあえず勝ち組と負け組で大きく分かれましょ?」

撫子「え、私と小学生が一緒になる可能性もあるの……?」

藍「撫子、せっかくだから今日は完全ランダムで行ってみない?」

櫻子「私は誰とでもいいよー」

美穂「とりあえず5:5か6:4で分かれましょう。文句無しのジャンケン大会、だっさなっきゃ負けよ、じゃーんけーんぽい!」

勝ち:撫子、櫻子、花子、楓

負け:向日葵、藍、美穂、めぐみ、未来、こころ


美穂「あー分かれたー♪」

撫子「えっ……!? こんなに綺麗に分かれる!?」

藍「こらこら、文句無しでしょ?」

めぐみ「やっぱ仲良いねー大室三姉妹」

櫻子「えーつまんないのー!めぐみちゃんとかと入りたかった……」

花子「新鮮味がないし……楓がいるから良いけど」


楓「楓はいつも花子おねえちゃんとここのお風呂に入ってるから、今回はお客様に先に入ってもらうのがいいと思うの!」

美穂「まあ楓ちゃん! 私たちに気を遣ってくれるの?」

めぐみ「よくできた子だねぇ……」

撫子「楓の言う通りかな。お客様優先でいいと思うよ」

向日葵「それじゃ、お言葉に甘えましょうか」

藍「行きましょ行きましょ♪」

櫻子「おーい、6人いっぺんには入れないと思うよ……?」



未来「ふう……」

美穂「うまくいったわね」にやり

藍「わ、わざとらしくなかったかな……」

向日葵「大丈夫だと思いますわ」

こころ「楓ちゃんのセリフも大成功だったねー」

めぐみ「ほんと凄いよね……私だったら失敗してると思う」


美穂「談合ジャンケンで私たちと大室姉妹を切り離し、楓ちゃんのセリフで私たちを優先させる……そして撫子たちがお風呂に入ってる間に、私たちがサプライズを仕掛けるのよ!」

めぐみ「よーし、頑張っちゃおう!」

向日葵「わ、ワクワクしてしましたわ」

櫻子「つまんないのー……ねーちゃんと一緒か」

花子「ジャンケン負けちゃったんだから仕方ないし」

撫子(……なんか企んでるのかな、美穂たち)


櫻子「ねーちゃん誰と入りたかったの?」

撫子「えっ……?」

花子「た、確かに気になるし!」

楓「気になるの」

撫子「だ、誰ととかは特にないよ……誰でもよかったよ?」

櫻子「ふーん?」

めぐみ「よーし、ちゃちゃっと入っちゃおっか!」

未来「わーい!」

こころ「おっぱいおっきー」もみもみ

めぐみ「ちょちょちょ! だめだって!///」

未来「あわあわにしちゃおー♪」かしょかしょ

めぐみ「うおおお! 冷たい!」



向日葵「小学生組たちは大丈夫かしら……」

藍「きっと大丈夫よ。めぐみは子供大好きだし、めぐみ自身も子供と大差ないし」

美穂「そうそう♪……で、私たちはどうする?」

向日葵「えっ」

美穂「私は向日葵ちゃんと一緒に入ってみたいわ」

藍「私も向日葵ちゃんと……」

向日葵「は、恥ずかしいですわね……///」



美穂「おっきーい!」

藍「噂は本当だったのね……!」

向日葵「あ、あの……あんまり見ないでくださいな……///」

美穂「だめよ向日葵ちゃん、そんなに素晴らしいものを隠しちゃ! 自信持って胸張っていきましょ?」

藍「まあまあ、つつましいところが向日葵ちゃんの良いところなんだから」

向日葵(うう……)


美穂「じゃあ勘弁してあげるから、その代わり今日は向日葵ちゃんが知りうる撫子の秘密を全部喋って貰いましょうか」

藍「ごめんね向日葵ちゃん、美穂はいつもこんな調子で……」

向日葵「ふふ、まあ構いませんわ」



美穂「出たわよ~」ガチャ

櫻子「よーし、いくか」

花子「楓、一緒に行くし」


撫子「美穂……私たちがお風呂入ってる間にひま子たちに変なこと教えないでよね?」

美穂「もう、そんなことしないわよ! それに撫子のことは私より向日葵ちゃんの方が詳しいでしょ、きっと」

藍「心配しないで撫子。私もついてるから」

撫子「頼むよ藍。じゃあ行ってくるね」


ぱたん


美穂「……さて、始めるわよ!」

未来「おー!!」



櫻子「……ねーちゃんねーちゃん」わしゃわしゃ

撫子「ん?」


櫻子「しすこんってなに?」

撫子「」どぼん


花子「わー!」

楓「撫子おねえちゃんが溺れちゃったの!」


撫子「さ、さっさささ櫻子……どうしたの急に」

櫻子「いや、今日ちょっとねーちゃんの部屋の前通りかかったら、聴こえたから(本当は覗いてたけど……)」

撫子「そんなこと、知らなくてもいいのに……ったく」

櫻子「いけない言葉なの?」

撫子「いけないわけじゃないけど……わ、わかったよ」

撫子「シスコンっていうのは……姉妹のことを大切にしてる人のことだよ」

櫻子「姉妹を……」

花子「大切に?」


撫子「まあ、大切にしすぎちゃうというか……だから別にそこまでおかしいとは思わないけど、ちょっとだけ、恥ずかしいことなのかな……///」

櫻子「なーんだ、そんなことか」

花子「恥ずかしいことなんか何にもないし」

撫子「今日私たちが一緒に寝てるところを美穂たちがいっぱい撮ってたけど……別に恥ずかしいことじゃないから、花子たちは気にしなくていいからね」

櫻子「ふーん……」

花子「楓も一緒に寝る?」

楓「一緒がいいの!」



ガチャ


撫子「お待たせ…………えっ!!?///」

美穂「あ、来た来た♪」

未来「花子様ーこっちだよー♪」

向日葵「……こ、こほん///」


櫻子「うわっ、なにこれ!?」

花子「撫子ねーちゃんの部屋一面に布団が……」

撫子(これが狙いか……!!!)

美穂「驚いた? 今日はみんなでここで寝まーす♪」

藍「ごめんね撫子。でも楽しそうだったから」

撫子「ちょっと、なにこれ……え、ベッドは!?」

めぐみ「ごめーん、運び出しちゃった。みんな布団がいいでしょ?」

櫻子「すごーい! いいじゃんいいじゃん、楽しそう!」

向日葵「勝手にやってしまって申し訳ありません……」



撫子「やられた……やっぱりジャンケンの段階からの計画だったんでしょ」

美穂「ご名答~! 向日葵ちゃんたちの協力がなければできなかったもの」

楓「みんなでおねんね、楽しそうなの!」

櫻子「うんうん!」

美穂「別に恥ずかしいことなんか何もないでしょ? 妹ちゃんたちと一緒に寝てるくらいだもの」

櫻子「大丈夫大丈夫! なんてったってねーちゃんはシスコンだもん!」


撫子「なっ……!///」

めぐみ「えっ」

藍「え……?」

向日葵「え……///」



櫻子「え、なに?」

めぐみ「ちょっ、聞き捨てならないんだけど! 櫻子ちゃん、どういうこと!?」

櫻子「え? だってさっきねーちゃんが自分で言ってたよ」

撫子「言ったけど、使い方違うから! 自分から言うことじゃないから!///」

美穂「やっぱりそうだったのね……これは今日警備という意味でも皆で寝るのは正解だったわ」

藍「大丈夫よ撫子。信じてるから……」

撫子「いや信じてないよね、信じてる目じゃないんだけど」

向日葵「撫子さん……今日私と櫻子隣でお願いします」

撫子「ひま子まで!?」

こころ「未来ちゃんと私で、花子様を挟んで寝よっか」

花子「なんでだし?」

櫻子「どうしたのみんな? シスコンっていけないことじゃないんでしょ?」

向日葵「いや、まあそうかもしれませんけど……」

櫻子「でしょ? 私もシスコンだもん。向日葵もシスコンじゃん」

向日葵「は、はあ!?」

楓「楓もおねえちゃんが大好きなの。楓もしすこんなの!」

花子「花子もシスコンだし」


めぐみ「わ、わけわかんないんだけど! 撫子ちょっと妹ちゃんたちに手出しすぎなんじゃないの!?」

撫子「だから出してないってば!///」ぺしん

美穂「いいわ。そういうことも含めて、今日はみんなでガールズトーク祭りよ! さあ櫻子ちゃんたちも寝て寝て」

撫子「はぁ、なんでこんなことに……///」



~fin~

カオスでごめんなさい

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