ことり「好きです♪」
海未「……またですか」
告白された。今年に入ってもう七度目
いい加減諦めてくれないだろうか、と対面していることりに気付かれないよう浅く溜め息を吐いた
ことり「ねぇ、聞いてる? 海未」
海未「何度言われようと無理なものは無理です。私は貴女とお付き合いするつもりはありません」
ことり「えぇ~! どうしてどうして~! ことり、言われた通りにしたよ?」
海未「いや、だからそれは……」
ことり「海未が女の子は恋人にしないって言ったから……、こと…僕は」
同性を恋人にする、というのは世間一般から見ても極少数に値するだろう
当然の如く、私もそれに溢れる大多数の内の一人だ
が、何を勘違いしたのかこの南ことり──上半身こそ他生徒と同様にシャツとブレザーを纏っているが、少し目線を下ろしてみれば、
チェック柄のスラックス
そう、他の学校に通う男子生徒が着用しているモノとうりふたつ
所謂、男装というものであろう
かなり無理しているだろうが、御丁寧に口調まで変えて
海未「ことり、貴女は女の子なのですよ? いくらその様な格好をしたとしても」
ことり「違うもんっ! 僕は男の子だもん!」
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海未「……私の認識では貴女は間違いなく女性なのですが、いつから男性に?」
ことり「そ、それは……ずっと、前から! 生まれた時からに決まってるでしょ…だろ!」
海未「子供ですか……、はいはい」
ことり「えへへ、やっと海未もわかってくれた! じゃあ結婚しよ?」
海未「無理です。ことりは私と同じ女性ですので結婚は出来ません」
ことり「むぅ~、なら恋人から」
海未「それも先程お断りした筈ですが?」
ことり「つれないなぁ…、海未は」
海未「……」
ことり「でもいいもんっ、きっと海未は僕のこと好きになってくれるから! それまで辛抱辛抱♪」
海未「……用件は終わりましたよね。では私はこれで」
ことり「待って、一緒に帰ろ♪ えいっ」
海未「こ、ことりっ…!」
勢いよく肩にしがみついてくることり。じゃれあってくる彼女を見て、可愛らしいとは思うが恋人とは全く別の話だ
身体を引かれた際にバランスを崩し、お互いの顔が近付けばドキドキもするし、必要以上に触れられれば意識してしまう時もある
だからと言って、女性であることりを恋人にするなんて──有り得ない
ことり「えへへ~、海未~」
海未「引っ張らないでください。…というかそんなくっつかないでください」
ことり「やぁだ~! ここは僕の指定席だもん♪」
海未「許可した覚えはありませんが……。それより、ことり」
ことり「うん?」
海未「いつまでついてくるのですか? ことりの家はそこの角を曲がった所に…」
ことり「あぁそっかそっか、海未はそういうのに疎そうだもんね」
海未「……?」
ことり「レディーファースト。僕は紳士だからね、か弱い女の子を一人で帰すわけにはいかないのだよ♪」
海未「結構です」
ことり「僕、知ってるよ? 女の子のノーは大体イエスだって」
海未「ノーです! ノー! そもそもそんなに男性を演じたいのならば今の状況がおかしいことに気付かないのですか?」
ことり「今の、状況……? う~ん……あ、鞄持つよ! ていうか、あー…コホンッ……貸してみろよ」
海未「それは平気です、お気遣いなさらず」
ことり「えぇ~! だったら何なの~? わかんないよ~!」
海未「わからないなら教えて差し上げます……それはですね、……この腕! 女性にしがみついている男性が何処にいるんですか!」
ことり「あっ、そっか! でも離れるのはちょっと寂しいなぁ…」
海未「そうですか、ならばお好きに。一応言っておきますが、私は女々しい殿方は好みではありませんので」
ことり「海未……」
ことり「……」
海未「あ…、ことり……」
少々言い過ぎてしまったか
慕ってくれている相手に対し、横柄な態度にでるのは言わずもなが論外なのだが、甘やかしすぎるのも違う気がする
以前のように丁度良い距離感でことりと接したいが、向こうが強引を極めて近付いてくるものだからハッキリ言ってどうしていいのかわからない
恋人どうこう以前にことりは私の大切な親友なので、それを蔑ろにするなんてとてもできるわけがないのだ
とりあえず謝ろう。それでこの場は滞りなく済むことだろう
海未「ことり、その…」
ことり「…嬉しい」
海未「はい?」
ことり「やっと…、やっとことりのこと男の子って認めてくれたんだね! そうだよね、男の子は強くなきゃだもん! 僕、海未の為にガンバる!」
海未「……」
一瞬でも心配した自分が馬鹿だった
海未「……」
ことり「あれ? 海未、待ってよ! 歩くの速いって! 鞄持つからっ、ことりにしがみついていいからっ!」
海未「……」
ことり「待ってよ~!」
海未「……はぁ」
ことり「はぁっ…はぁっ…、そんな早歩きしなくたっていいじゃん。海未のイジワル…」
海未「……」
ことり「ねぇ、海未ってば~!」
海未「……送っていただきありがとうございました。ことりも気を付けて帰るのですよ?」
ことり「うん」
海未「ではまた明日学校で」
ことり「何言ってるの? 明日の朝も家まで迎えにいくよ♪」
海未「…そう、でしたね」
ことり「じゃあ家着いたら電話するね!」
海未「せめてメールにしてください」
ことり「もう冷たいなぁ~! そんな海未にはいっぱい電話しちゃおっと♪」
海未「とりませんよ?」
ことり「そんなこと言っても海未は優しいから絶対とってくれるもん! えへへ、じゃあバイバ~イ♪」
海未「……えぇ」
ことり「…………」
いつも通り夕食を済ませ、いつも通り鍛練に励み、いつも通り机に向かい授業の課題を終わらせ、いつも通り熱いお湯に浸かり、自室の布団へ──。
その間、ちょくちょくと携帯を気にしていたが結局私が眠るまでことりからの連絡はなかった
さっきはあんなに人のことからかっておきながら……
やっぱり言い過ぎたのだろうか……
傷付けるつもりなんかこれっぽっちもありはしないのに
ただ単にこれをことりの気まぐれと言ってしまえばそれだけなのだが、物事を楽観視できない性格故、つい心配になってしまうのだ
お人好しですね、私も
枕元の携帯を手に取り、メールを一通送信した
送信先は勿論、南ことり
ただ短い一文だけ、『おやすみなさい』と。
今思えば──、
ことり「う、海未ちゃん……っ」
海未「…ことり? どうしました?」
ことり「あ、あの……その……、えっとね……」
海未「……?」
ことり「好き……、なの……」
一度目の告白。冗談でこんなこと言うわけがない。恋愛の類いとしての好きを意味しているのはすぐに理解できた
頬を赤らめ、瞳に重みが乗ったことりの表情。自惚れではないがこういった同性間の告白を私は過去にも何度か受けたことがあったから
それらと、同じ顔──。
ことり「好きだよ……、海未ちゃん」
海未「……」
私が今まで慕ってくれている方たちの想いに応えてこなかったのは、同性同士の恋愛など有り得ないと思っていたから
だから、相手がことりであってもそれは変わらない
これまでの関係が歪んでしまうのは怖かったが、容易に首を縦に振るわけにもいかないのだ
どうしたらことりを傷付けずに済むだろう、と頭を廻らせてみても器用な言葉など思い付かず、
「ことりの想いはとても嬉しいです。しかし私たちは同じ女性。ですので私は貴女の気持ちに応えることはできません」
そうありのままに伝えることしか出来なかった。でも後悔はしていない、これで良かったのだ、と
嘘をつくよりも、本心そのままに答えた方が向こうも納得してくれる筈だ
ことり「……そっか」
ことうみ好きがまーたやらかす
【ラブライブ!】海未「私は二人のサンタクロースですから」
【ラブライブ!】海未「私は二人のサンタクロースですから」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418212728/)
海未→穂乃果
当人の顔を確認して「ああ、やっぱりな」なんて心で呟き、溜息を吐かずにはいられませんでした。
トラブルメーカーの幼馴染が他愛のない話に意固地になっている。
そんなシチュエーションが頭に浮かびながらもしかたなく声を掛ける私。
troublemaker
【名詞】
1. わざとトラブルを起こす人(someone who deliberately stirs up trouble)
海未→ことり
もう一人の幼馴染のことり──。
普段の明るく優しい様子とは打って変わって。
今は、不安そうにしながら大きな瞳に少し涙を浮かべている。
212 名無しさん@秘密の花園 sage 2014/12/12(金) 09:02:37.67 ID:2Wl8l3iN
http://i.imgur.com/foHKjxH.jpg
216 名無しさん@秘密の花園 sage 2014/12/12(金) 12:44:56.10 ID:G56w1SuA
>>212
イチャイチャ
221 名無しさん@秘密の花園 sage 2014/12/12(金) 14:17:35.30 ID:7FWkJ6tD
海未ちゃんがこんなにナチュラルスキンシップしてるのがちょっと新鮮
あ、ナチュラルだからできるのか
意識したら厳しいだろうな
222 名無しさん@秘密の花園 sage 2014/12/12(金) 14:37:12.24 ID:G56w1SuA
ことりちゃんだから海未も安心してスキンシップ出来るんやで
223 名無しさん@秘密の花園 sage 2014/12/12(金) 14:50:28.58 ID:/7ghtZTQ
意外と海未ちゃんが誰かの肩に手を置く描写あるよね
ことりが作詞してるとき穂乃果へとか、絵里が加入するときとか
224 名無しさん@秘密の花園 sage 2014/12/12(金) 14:58:07.61 ID:QL1k9d96
僕「大して親しくなかった絵里にも肩ポンしてたから、親しさ関係ないんでは?」
ことうみ儲「……」
ほのうみ「穂乃果にもポンしてたし、それ以上に海未ちゃんはナチュラルにほっぺにキスしてたぞw」
ことうみ儲「うわあああああああああああくぁwせdrftgyふじこlp」ブクブクブク
このSSまとめへのコメント
早く続き書け
自演乙です