海未「ことりのためなら私は…」 (128)
※あけましておめでとうございます
※こと(うみ)しもよろしくお願いします
※内容はことうみです
※更新速度が非常に遅いです
※ご都合主義ハッピーエンドが大好きです
※違和感はことりのおやつにしてください
以上のことを容認した上で、最後までお付き合い頂ければ幸いです
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ガラッ
ことり「海未ちゃん?」
海未「来てくれましたか、ことり」
ことり「うん…練習の後に教室に来てくださいって…なにかあったの?」
海未「……ことりに、伝えたいことがありまして」
ことり「伝えたいこと?」
海未「はい、そうです」
海未「聞いて…もらえますか?」
ことり「うん、いいよ」
ことり「えへへ、楽しみだな♪」
海未「ことり」
海未「私はあなたのことが好きです」
海未「私の…恋人になってもらえませんか?」
ーーー
ーー
ー
海未「ことり、朝ですよ。起きてください」ユサユサ
ことり「う~ん…後5分…」
海未「駄目です。夏休みだからといって緩んだ生活をしてはいけません!」
海未「ほら、早く起きてください」
ことり「むぅ……じゃあ海未ちゃんがおはようのキスしてくれたら起きる」
海未「なっ///」
海未「そ、そそそそそんな破廉恥なこと///」
海未「そ、そういうのは恋人になってからで///」
海未「べ、別にしたくないわけではないのですが///」
海未「……?」
海未「ことり?」
ことり zzz
海未「か、からかいましたね!?起きてください!ことり!」
ことり・海未「「いただきます」」
モグモグ
ことり「ん~海未ちゃんのご飯美味しい♪」
海未「ありがとうございます」
ことり「今日はこれからどうするの?」
海未「そうですね、まず午前中は夏休みにでている宿題をやります」
海未「午後からはダンスと発声練習、体力作りのために走りこみをします」
ことり「………海未ちゃん」
海未「はい、なんでしょうか?」
ことり「却下です」
海未「え!?」
ことり「せっかくの夏休みなんだから遊ぼうよ!」
海未「駄目です。いいですか、学生の本分というものはーー」
ことり「海未ちゃん……」ウルウル
海未「うっ……」
ことり「ことりは…海未ちゃんと一緒に遊びたい……な?」ウワメヅカイ
海未「う…うう……わ、わかりました//
/」
ことり「本当!?わーい、海未ちゃん大好き♪」
海未「ぅぅ///」
海未(全く…相変わらず、ことりにはかないませんね)
海未(甘い、とは思うのですが…)
海未(昔からことりのお願いを拒否することはできませんでしたが、あの日以来、もっと難しくなってしまいましたね)
海未(そう、夏休み直前の…終業式の日から)
ー
ーー
ーーー
ことり「ごめんなさい」
海未「っ……」
海未「そう……ですか」
ことり「ま、待って、違うの!」
ことり「海未ちゃんが嫌いってことじゃないの!」
海未「それなら……どういう…?」
ことり「その…ことりは、まだ恋とか、そういうのがよくわからないの」
ことり「海未ちゃんと一緒にいるのは楽しいよ?でも、他のみんなと一緒にいるのも楽しいの」
ことり「だから、ことりには、友達としての『好き』と、恋人としての『好き』の区別がつかないの」
ことり「だから…ごめんなさい」
海未「いえ…こちらこそ、急にこんなことを言って困らせてしまって…すいません」
ことり「ううん、いいの。海未ちゃんに好きって言ってもらえて嬉しかったから」
ことり「だから…ね、すぐには無理だけど、少しずつ海未ちゃんのこと、意識してみようって思うの」
海未「……!」
ことり「だからね…これからもことりと仲良くしてほしいな」
海未「………はい、わかりました」
海未「ことりが私を好きになってくれるように、私ももっと頑張りたいと思います」
海未「ですから、ことり」
ことり「うん」
海未「夏休みの間、何度かことりの家に泊めてください」
ことり「うん…………え?」
ことり「あ、あの…海未ちゃん…?」
海未「はい、なんでしょうか?」
ことり「ことりの家に…その…泊まるの?」
海未「はい。やはり、恋人として好きになってもらうには、一緒に過ごすのが一番だと思ったのです」
海未「やはり、一緒に暮らしてみないとわからないこともありますからね」
海未「それに、そうすれば、ことりと長くいられますしね」
海未「おお、我ながら名案ですね」
海未「というわけで、よろしくお願いしますね、ことり」ニッコリ
ことり「あはは…善処します」
ーーー
ーー
ー
海未(少々強引でしたが、夏休みの間に何度かことりの家に泊まれることになりました)
海未(エプロン姿のことり、お母さんにおこられてしょんぼりすることり、嬉しそうにぬいぐるみな抱きつくことり)
海未(そんな普段では見られないようなことりの姿を見て、私の恋心はますます大きくなっています)
海未(ことり…あなたはどう思っていますか?)
海未(私と一緒にいて、楽しいと思ってくれていますか?)
海未(私の気持ちは…届いていますか?)
今回はここまでとなります、ここまでお付き合いくださりありがとうございました。次はエリチのssを書くと言っていましたが、新年初ssはことうみを少し書きたいなと思って少しだけ投稿させていただきました。宣言通りエリチssの方を先に完結させようと思いますので、こちらの方は更新がとても遅くなってしまいます。とても横着だとは思いますが、ご容赦お願いいたします。
海未「それで、何をするんですか?」
ことり「うーん…どこかにおでかけ、とか?」
海未「どこか、とは?」
ことり「えーと……」
「「……………………」」
海未「と、とりあえず外にでましょうか」
ことり「う、うん、適当に歩きながら決めよっか」
海未「外は結構暑いですね」
ことり「そうだねぇ、お家に帰りたくなっちゃうね」
海未「今出たばかりでしょう…」
海未「とりあえず、その辺をぶらぶらとしますか?」
ことり「そうしよっか」
海未「はい。それでは参りましょう」
テクテクテク
ことり「…………む~」
ギュッ
海未「ひぁっ!?ど、どうしたんですかことり!?」
ことり「せっかくのデートなんだもん、手を繋がないと」
海未「で、デデデデデデデデデート!?///」カァッ
海未「結構歩きましたね」
ことり「ぅぅ…ことり、ちょっと疲れちゃったよぉ」
海未「大丈夫ですか?ちょうど公園ですし、一度休憩しましょう」
ストン
ことり「ふぅ…ベンチが空いててよかったね」
海未「そうですね、ちょうど木陰ですし、運がよかったと思います」
ことり「そうだね…………あ!あれってクレープ屋さんじゃないかな」
海未「……甘い物を食べすぎるのはよくないと思うのですが」
ことり「海未ちゃぁん……」ウルウル
海未「わ、わかりました!わかりましたからそんな目をしないでください!
」
ことり「わーい♪」
海未「まったく///」
ことり「ん~~~~おいしい♪」
海未「確かに美味しいですね…それに、こういったものはあまり食べないので新鮮です」
ことり「海未ちゃんは寄り道とかあんまりしないもんね」
ことり「……………」
ことり「じー」
海未「ど、どうしたんですか?」
ことり「海未ちゃんのも…おいしそうだなって」
海未「もう……少しだけですよ?」
ことり「わーい!海未ちゃん大好き♪」
海未「ぅぅ///」
ことり「それじゃあいただきまーす」パクッ
ことり「海未ちゃんのもおいしい~~~♪」
海未「クレープを美味しそうに食べることりもとても可愛いですね)
ことり「でも、ことりばっかりもらうのも悪いよね…」
ことり「はい海未ちゃん、あーん♪」
海未「!?」
海未「わ、私は別にいいですよ」
ことり「だーめ♪はい、あーん」
海未「……ぅぅ///」
パクッ
ことり「ふふ、おいしい?」
海未「は、はい///」
海未(よくよく考えてみたら関節キスではありませんか///)モグモグ
海未(こ、ことりは気にならないのでしょうか、流石ですね…)モグモグ
ことり「間接キス……だね///」
海未「っ!?ごほっごぼえほっ!??!!?」
海未「こ、ことり!!」
ことり「えへっ」
海未「『えへっ』じゃありません!またからかいましたね!?」
ことり「だって・・・海未ちゃんがあんまりにも可愛いから・・・」
ことり「ごめんね・・・怒っちゃった?」ウルウル
海未「お、怒っていません!」
ことり「本当・・・?」
海未「本当です!ですから、そんな悲しそうな顔をしないでください・・・」
ことり「よかったぁ・・・海未ちゃんに嫌われちゃったのかと思っちゃったよ」
海未「私がことりのことを嫌いになるなんてありえません。だって私はーー」
絵里「あら?海未にことりじゃない」
海未「!?え、絵里!?」
ことり「あ、絵里ちゃん、こんにちは」
絵里「こんなところで何してるの?」
海未「べ、別になにもしていませんよ!ただ散歩をしにですねーー」
ことり「海未ちゃんとデートしてるの♪」
海未「ことり!?」
絵里「へぇ・・・デートねぇ」ニヤニヤ
海未「ち、違います!デートじゃありません!!」
ことり「そんなぁ・・・海未ちゃん、ことりとはお遊びだったの・・・?」ウルウル
海未「そんなことはありません!私は本当にことりのことが大好きです!!!」
シーン
「こんなところで告白とは・・・青春だなぁ」
「最近の若い子は大胆ねぇ」
「キマシタワー!」
絵里「は、ハラショー・・・」
ことり「う、海未ちゃん・・・ことり、とっても恥ずかしいよ///」
海未「ああ!?ち、違うんです!いえ、違わないけど違うんです!」カァァァァァァァ
絵里「う、うん、海未の熱い気持ちは伝わってきたは。お幸せにね」ソソクサ
海未「待ってください!苦笑いしながら帰らないでください!」
ことり「海未ちゃん・・・ことりたちも帰ろう?恥ずかしすぎておかしくなっちゃいそうだよ///」
海未「ぅぅ・・・申し訳ありません///」
ーーーー南家前
海未「それではことり、また明後日に泊まりにきますのでよろしくお願いします」
ことり「うん、またね、海未ちゃん」
テクテクテク
海未「はぁ・・・・」
海未(どうして私はこうなんでしょうか)
海未(せっかくのことりとのおでかけだというのに、ことりをエスコートすることができず)
海未(あまつさえことりに恥ずかしい想いをさせてしまうなんて・・・)
海未(やはり、私ではことりとお付き合いするのにふさわしくないのでしょうか・・・?)
海未(いえ、弱気になってはいけません!)
海未(失敗を悔やんでいてもしょうがありません)
海未(どうにかして挽回しないといけません・・・何かないでしょうか)
海未「・・・・あ!」
海未「そういえば、遊園地のチケットが余っていたような・・・?」
海未「ふふふ、こんなにも早くチャンスが回ってくるとはついてますね」
海未(とは言え・・・何の用意もなしに行っては今日の二の舞になります)
海未「明日はことりに会えませんし、下見にでも行くとしましょうか」
ーーーー翌日
ガヤガヤ
海未「やはり家族連れやカップルが多いですね」
海未「そんな中一人で遊園地に来ている私は・・・」
海未「・・・・・・・・・・・」
海未「挫けてはいけません、これもことりのためです!」
海未「さて、まずはどうしましょうか」
海未「乗り物の位置と込み具合、売店やトイレの場所、イベントが起こる場所」
海未「調べるものはたくさんありますからね」
海未「一つずつ調べていくことにしましょう」
海未(それにしても、ことりと遊園地ですか・・・)
海未(ジェットコースター、お化け屋敷、夕焼けの観覧車)
海未(紅く染まる頬、潤んだ瞳、高鳴る胸の鼓動)
海未(聞こえるのはお互いの吐息だけ)
海未(その静寂を破るのは、『好きです』の一言)
海未(そして二人は誓いのキスを・・・・・・)
海未 ボンッ
海未(なななな何を考えているんですか私は!)
海未(き、きききキスだなんて破廉恥な!しかも公共の場で!)
海未(で、ですがそういうことが起きる可能性もなくはありません///)
海未(ちょっとくらいなら、期待してもバチは当たりません・・・よね?)
海未「ふふ、今から楽しみでなりませんね」
海未「さて、こうなったら気合を入れて視察をーーーー」
海未「・・・おや?あそこにいるのは・・・穂乃果・・・でしょうか?」
海未「そういえば最近連絡をとっていませんでしたね、誰かと一緒に来ているのでしょうか」
海未「邪魔をするのも悪いですし、声はかけないほうが良いですよね」
海未「・・・誰と来ているのか気になりますね、少し待ってみま・・・と思ったら来たようですね.。さて、相手はどなたーーー」
海未「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
海未「こと・・・・・・り?」
本日はここまでとなります、お付き合い頂きありがとうございました。次の更新も遅くなると思いますので、気長にお待ちいただければ幸いです。
>>18と>>19の間
ことり「うん、デート♪」
海未「そそそそそんなデートだなんて!?ことりと私はまだお付き合いしているわけではなくてですね!いえことりとお付き合いできるのであればとても光栄なことなんですけどーー」
ことり「海未ちゃん、落ち着いて。いつも通りにいこ?」
海未「は、はい、すみましぇん…」
ことり「ふふ」
ことり(こんなに慌てちゃって、海未ちゃん可愛い♪)
ことり(皆の前では凛としていてカッコいいのにね)
ことり(こんな海未ちゃんが見れるのは、ことりだけかも)
ことり(それは海未ちゃんがことりのことを『好き』だから…なんだよね)
ことり(ことりは、海未ちゃんと一緒にいるのは居心地がいいし、すぐに真っ赤になっちゃう海未ちゃんを見てるのは楽しいって思うけど…)
ことり(これが『恋』……なのかな?)
すいません、一箇所抜けていました。
ー
ーー
ーーー
ことり「えへへ、今日は楽しかった♪」
ことり「海未ちゃんに大事にされてるってのがとっても嬉しい……かな」
ことり「ま、まあ、最後はちょっと恥ずかしかったけどぉ///」
ことり「…………」
ことり「でも、なんでだろうなぁ…ちょっと物足りない気がしちゃう」
ことり「海未ちゃん、奥手さんだもんなぁ」
ことり「もしも穂乃果ちゃんだったら…」
ことり「……………」
ことり「そういえば、最近穂乃果ちゃんに会ってないなぁ」
ことり「海未ちゃんとずっと一緒だ ったもんね」
ことり「久しぶりに会いたいな…」
ことり「うーん……」
ことり「あ!そういえばお母さんから遊園地のチケットもらってたっけ」
ことり「海未ちゃんと行って来なさいって……」
ことり「…………」
カチャ
プルルルルルルルルルルルル
ことり「あ、穂乃果ちゃん?」
ことり「突然ごめんね、明日って空いてたりするかな?」
ことり「えっとね、もしよかったら一緒に遊園地に行かないかなって」
ことり「うん……本当!?」
ことり「うん、うん、それじゃあ明日の朝に遊園地の前で」
ことり「おやすみなさい」
ピッ
ことり「ふふ♪」
ーーー
ーー
ー
海未「どうしてことりが穂乃果と…?」
ことり「待たせちゃってごめんね?」
穂乃果「ううん、穂乃果も今来たところだから気にしないで!」
穂乃果「それに、ことりちゃんと遊園地行くのとっても楽しみだったんだ!」
ことり「穂乃果ちゃん///」
穂乃果「それじゃあ行こっか」ギュッ
ことり「あっ…」
穂乃果「えへへ♪」
ことり「///」
海未「そんな…どうして…?」
海未「い、いえ、これには何か理由があるはずです」
海未「きっと穂乃果がことりを遊園地に誘って」
海未「そして暇だったことりが不承不承ながら了承した…と」
海未「そういうことですよね…?」
海未「…………」
海未「後を、追ってみましょう」
穂乃果「ねぇねぇことりちゃん!ジェットコースター乗ろうよ!」
ことり「うーん…ことり、ジェットコースターはちょっと…」
穂乃果「何言ってるのことりちゃん!遊園地来てジェットコースター乗らないなんて大損だよ!」
ことり「えーと……」
穂乃果「ほら、早く行こう!」
ことり「う、うん…」
カチカチカチカチカチ
穂乃果「うわ~高いね」
ことり「ま、まだ落ちないの?」
穂乃果「ことりちゃん…そんな名前なのに高いところ苦手なの?」
ことり「そ、それは関係ないようなぁ・・・」
穂乃果「もう、心配性なんだから」
ギュッ
ことり「!?」
穂乃果「こうすれば怖くないよね?」
ことり「穂乃果ちゃん///」
ガコン
穂乃果「わーーーーーーーーーー!」
ことり「きゃぁーーーーーーーー!」
ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ
穂乃果「楽しかったね!ジェットコースター!」
ことり「ぅぅ…ちょっと目が回っちゃったよぅ」
穂乃果「えーと……大丈夫?」
ことり「多分…」
穂乃果「よし、それじゃあ次の乗り物に行こう!」
穂乃果「あの高いの乗ってみようよ!上からぷしゅーってなるやつ!」
ことり「ええ!?」
穂乃果「ほらほら早く行こうよ!」
ことり「ちょ、ちょっとまってぇ!」
穂乃果「あーっ!」
ことり「?どうしたの?」
穂乃果「ちょっと待ってて!」
ことり「え?ええ?」
穂乃 果「すぐ戻るから!」
タッタッタッ
ことり「え…えー…?」
ことり「もう、穂乃果ちゃんはいつもこうなんだから」
ことり(いつも思いつきで行動して、ことりのことを困らせちゃう)
ことり(ううん、いつも迷っていることりのことを引っ張っていってくれる)
ことり(さっきだってちょっと強引にことりのことをジェットコースターに連れて行って)
ことり(でも、そうやって振り回されるのもいやじゃないんだよね…)
ことり(それに……)
穂乃果「こーとーりーちゃん!」チョン
ことり「ひぁっ!?」
ことり「もう、驚かさないでよ」
穂乃果「ごめんごめん、はい、アイスクリーム」
ことり「え…?」
穂乃果「急に食べたくなっちゃったんだ、ことりちゃんも食べるよね?」
ことり「…ありがとう♪」
ことり(こうやってことりのことを嬉しくさせてくれる)
ことり(海未ちゃんも、もう少し積極的だったらなぁ)
穂乃果「楽しいなぁ」
穂乃果「何を食べても美味しいよッ!」
ことり(ま、まあ、もうちょっとデートっぽい雰囲気は欲しいかなって思うけど)
ことり(でも、そんな穂乃果ちゃんも大好きだよ♪)
ことり( あ……)
ことり「じー」
穂乃果「?な、何かな、ことりちゃん?」
ことり(ほっぺにクリームがついてる……)
穂乃果「えーと…どうしたの?」
ことり「………っ」
ペロッ
穂乃果「わっ!?ことりちゃん!?」
ことり「あ、その、ほっぺにクリームがついてたから…//」
穂乃果「そうだったんだ、びっくりしちゃったよ」
穂乃果「ただ、ちょっと恥ずかしいね……///」
ことり「う、うん……///」
海未「…………え」
海未「き、キス…したんですか?」
海未「嘘……ですよね?」
海未「だ、だって私はことりに告白して…」
海未「昨日のデートだっていい雰囲気で…」
海未「違う、これは…何かの間違い……」
海未「だ、だから、悲しむこと…なんて…」ポロポロ
絵里「あら、海未じゃない」
海未「え……り?」
絵里「まさか海未も遊園地に来てるなんてね」
絵里「ことりと一緒に来たのよね?どこに…」
絵里「……どうして泣いてるの?」
海未「っ……泣いてなんかいませんッ!」
絵里「そんな顔して泣いてないわけないでしょ…ことりと何かあったの?」
海未「…………」
絵里「全く、昨日はあんなに仲がよかったのに」
絵里「ほら、早くことりを見つけて仲直りしてきなさい」
絵里「私も一緒に探してあげるから」
絵里「……ていうかあそこにいるのってことりじゃないの?」
絵里「さては心配になって追いかけてたのね?」
絵里「全く、海未は心配性なんだから」
海未「…………」
絵里「はぁ…私が呼んできてあげるから、きちんと仲直りしなさいよ?」
絵里「…………ん?」
絵里「ことりと一緒にいるのって……穂乃果?」
海未「……っ!」
絵里「海未、どういうこと……?」
海未「……先に帰らせてもらいます」
絵里「ま、待ちーー」
絵里「…………」
絵里「一体、何があったのよ……」
ーーーー夕方・観覧車
穂乃果「見てよことりちゃん!町が綺麗だよ!」
ことり「うん、とっても素敵…」
穂乃果「今日はありがとね、ことりちゃん」
ことり「え?」
穂乃果「とっても楽しかったよ!」ニコッ
ことり「…っ///」
ことり 「こ、ことりも、楽しかった///」
ことり(ぅぅ…お顔真っ赤になってないかなぁ)
ことり(もう、穂乃果ちゃんはこういうことを自然に言っちゃうんだから//)
ことり(………)
ことり(やっぱり、穂乃果ちゃんと一緒にいるのは楽しいなぁ)
ことり(感情が表にでちゃうから、ことりが何をしたらいいのか悩んじゃうこともない)
ことり(それに、一緒にいても気を張らなくていいし、とってもドキドキするし///)
ことり(解かったよ、海未ちゃんの言ってたこと)
ことり(これが『恋』……なんだね?)
穂乃果「ねぇ、ことりちゃん」
ことり「!?な、なに?」
穂乃果「また一緒に来ようね!」
ことり「…………!」
ことり「うん♪」
ーーーーことりの部屋
ことり「今日は楽しかったなぁ」
ことり「また一緒に行こう……か」
ことり「えへへ、楽しみだな♪」
コンコン
ことり「……?はーい」
ガチャッ
ことり「………海未……ちゃん?」
海未「…………」
ことり「どうしたの?もう夜だよ?」
ことり「確かお泊まりにくるのは明日のーー」
海未「ことり」
ことり「……どうしたの?」
海未「私は…ことりのことが好きです」
海未「ことりは、私のことをどう思っているんですか……?」
ことり「……っ……そ、それは…」
ことり(ぅぅ……どうしよう、海未ちゃんに恋してません、なんて言えないよね)
ことり(穂乃果ちゃんが好きだなんてもっと言えないし…)
ことり「………」
海未「どうして……」
海未「どうして何も言ってくれないんですか!?」
海未「私じゃ不満なんですか!?私のどこが駄目だと言うのですか!?」
海未「そんなに穂乃果のことがいいんですか!?」
ことり「………っ」
海未「なんで……黙ってるんですか」
海未「言ってくれないと……何もわかりませんよ……」
海未「ことり……」ポロポロ
ことり「………」
海未「やはり……答えてはくれないのですね」
ことり「………?」
海未「……いえ、本当は解かっていたんですよ」
海未「ことりが私のことを好きじゃないって……」
海未「そんなこと…最初から…」
海未「それでも……どうしても諦めきれなかったんです」
海未「ことりの笑顔がずっと私を放してくれないから」
海未「だから…必死になって、アプローチして…」
海未「その結果が…ことりを困らせている」
海未「はは、最低ですね、私は」
海未「ですが……もう安心してください」
海未「もう、私はことりの前には現れませんから」
ことり「え……?」
ことり「ど、どういうーー」
海未「今まで……ありがとうございました」
ガチャ
ことり「っ!?」
ことり「ま、待って!海未ちゃん!」
ことり「お願い!話を聞いて!!」
ことり「…………っ」
ことり「…………どうして」
ガチャ
理事長「海未ちゃんが凄い勢いで帰っていったけど、何かあったの?」
ことり「……なんにもないよ」
理事長「そう?喧嘩も程々にしなさいよ」
ことり「……うん」
バタン
ことり「………海未ちゃんの馬鹿」
ことり「あんなに怒らなくたっていいのに…」
ことり「どうせ明日になったらごめんなさいって謝ってくるよね」
ことり「海未ちゃんが泊まりに来る日だし」
ことり「海未ちゃんはことりがいないと何もできないもんね?」
一日後
海未ちゃんは泊まりに来なかった。
自分から泊まるって言ったくせに…噓吐き。ことりも怒ちゃうよ…?
二日後
イライラする、眠れない、何をしても楽しくない。
全部海未ちゃんのせいだ。
絶対に許さない 。
三日後
携帯が鳴った。
海未ちゃんかと思って開いたら迷惑メールだった。死んでしまえ。
ことりが欲しいのは海未ちゃんからのメールだけ。
意地張ってないで早く連絡してよ…
四日後
なんで!?なんでメールも電話も無視するの!?ことりからかけてあげてるのに!!
海未ちゃんはことりのこと好きなんでしょ!?だったらどうして会いに来てくれないの!?
ことりがずっと待ってあげてるんだよ!?
今ならまだ許してあげるから…返事をしてよ…
五日後
お願い……ことりが悪かったから…謝るから…早く会いにきて…
ことりのことを起こしてよ…海未ちゃんの作った料理が食べたいよぅ…
海未ちゃんがいないから、最近ことりの生活リズムがおかしくなっちゃってるんだよ?
ご飯もあんまり食べられなくなってきて…
大好きだったチーズケーキも、まったく美味しくないよ…
前みたいにことりのことを叱ってよ…側にいてよ…
ねぇ…海未ちゃん…
六日後
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん
海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん
海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん
海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん
海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん
海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん
海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん
海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん
海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん
海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん
海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん
海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん
海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん海未ちゃん
七日後
なんだ…そういうことだったんだ。
なんで今まで気づかなかったんだろう?
ことりは、海未ちゃんに……
見放されたんだね?
本日はここまでとなります、お付き合い頂きありがとうございました。近いうちに最後まで更新しようと思いますので、よろしければお付き合いお願いします。
ーーーー理事長室
絵里「以上で報告を終わります」
理事長「お疲れ様、毎日ありがとうね」
絵里「いえ、このくらいは…」
絵里「それでは失礼します」
理事長「ああ、そういえば」
絵里「…?どうしました?」
理事長「最近ことりの元気がないんだけど…何か知ってたりしない?」
絵里「ことりが…ですか?」
理事長「そうなのよ、ご飯も全然食べないし…」
理事長「多分海未ちゃんと喧嘩しちゃったと思うんだけど…あんまり立ち入れなくってね」
理事長「もしよかったらことりの力になってあげてくれないかしら?」
絵里「………」
絵里(海未ならともかく、ことりの元気がない)
絵里(この間の遊園地、少なくともことりが落ち込むことは無いように見えたけど)
絵里(あの後に何かあったの…?)
絵里(………)
絵里(心配……ね)
絵里「解かりました、今日の帰りにでもお宅に伺わせていただきます」
理事長「ありがとう、お願いするわ」
ーーーー南家
絵里「……家の中が真っ暗ってどうなってるのよ」スタスタ
絵里「どこかにでかけてるわけじゃないわよね」スタスタ
ピタッ
絵里「ここがことりの部屋ね」
コンコン
絵里「ことり、いる?」
絵里「…………」
絵里「いないのかしら…?」ガチャッ
絵里「……開いてる」
絵里「入るわよ?」
キィーーー
絵里「……ことり?」
絵里「もう、いるなら返事くらいしなさいよ」
ことり「………………ああ、絵里ちゃん」
ことり「………………こんにちは」
絵里「………っ」
絵里(目に生気がない)
絵里(髪の毛もボサボサのままで…表情も完全に死んでる)
絵里「一体……何があったの?」
ことり「…………」
絵里「その様子じゃ、一日中ベットから動いてないんでしょ」
絵里「最近はご飯も全く食べてないって聞いたわよ」
ことり「…………」
絵里「海未と……何かあったの?」
ことり「………っ!」
絵里「図星のようね」
ことり「ぁ……」
絵里「この間の遊園地が原因で、海未と喧嘩してしまい」
絵里「海未が会いに来てくれなくなった」
絵里「そういうことでいいのかしら?」
ことり「……ちがう」
絵里「…何が違うの?」
ことり「海未ちゃんは……ことりのことが好きだから」
ことり「だから、会いに来てくれるもん…」
ことり「最近は体調が悪いだけなの」
ことり「海未ちゃんはおっちょこちょいだからなぁ」
絵里「…………」
絵里「海未なら、弓道部にいたわよ」
ことり「…………え?」
ことり「嘘……」
ことり「違う…そんなはずない」
ことり「だって海未ちゃんはことりと一緒にいたいって…」
ことり「だから毎日ことりに会いに来てくれて…」
ことり「ああああああああああああああああああああああああああ」
ことり「違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う」
ことり「海未ちゃんはどうしても弓道部に行かなくちゃいけなくなっただけでその後絶対ことりに会いにくる…」
ことり「そうだよ、だって海未ちゃんはことりのことが大好きなんだもん」
ことり「あはは、海未ちゃんには困っちゃうなぁ」
絵里「…………」
絵里「その腕の包帯……何?」
ことり「…………」
絵里「あなた…まさか…!」
ことり「………ふふ」
ことり「海未ちゃんはね、ことりの王子様なんだよ」
ことり「ことりがピンチの時は、いつだって助けてくれるんの」
ことり「だからね、ことりが死んじゃうかもってなったらーー」
絵里「来ないわよ」
ことり「…………え?」
絵里「あなたがいくらリストカットをしても、海未は来ないわよ」
ことり「く、来るもん、だって海未ちゃんはーー」
絵里「来てくれたの?」
ことり「………っ」
絵里「その様子じゃ、何回もやってるのよね」
絵里「それで、一度でも海未は来てくれ たの?」
ことり「…………やめて」
絵里「来てないわよね?一週間以上も」
ことり「…………やめてよ」
絵里「そして……これかも」
ことり「もうやめて!!!」
絵里「やめないわよ」
絵里「自分ばっかり悲しいって思ってるみたいだけど、海未だって悲しいのよ?」
絵里「どうして海未が会いに来てくれないか……本当はわかってるんでしょ?」
絵里「逃げるのはやめにして…きちんと現実と向き合いなさい」
ことり「…………ない」
絵里「……?」
ことり「海未ちゃんは会いにきてくれない……」
ことり「もう…ことりのことなんてどうでもよくなったから…」
絵里「ことり…?」
ことり「あはは、そうだよね」
ことり「海未ちゃんに見放されたことりなんて、もうなんにもないもんね」
ことり「そうだよ、海未ちゃんに忘れられたまま生きるくらいなら」
ことり「ずっとことりのことを忘れられないように……」
絵里「あなた…何を言って…?」
ことり「ふふ、海未ちゃん責任感強いもんね」
ことり「だから、ことりが死んだら、ずっとことりのことを考えてくれるよね」
ことり「もしかしたら追いかけて来てくれるかも」
絵里「……まさか!?」
ことり「さようなら、海未ちゃん」スッ
絵里「………っ!」
ガシッ
絵里「自殺なんてしても何も解決しないわよ!?」
ことり「離して!離して!!」
絵里「全く…こんな鋏なんかでッ!」
バシッ
カランカラン
絵里「落ち着きなさい、ことり!」
ことり「いや…いやっ!助けて海未ちゃん!!」
絵里「海未は来ないって言ったでしょ!!」
ことり「なんで!?なんで来てくれないの!?」
ことり「ことりがこんなに困ってるんだよ!?助けて欲しいんだよ!?」
ことり「それなのに……なんで……!」
絵里「いい加減目を覚ましなさい!いつまで海未に甘えてる気なの!?」
ことり「……っ!」
絵里「そうやって甘え続けた結果がこの状況だってどうして理解できないの!」
ことり「………ぁ」
ことり「ぅ……ぐすっ……」ポロポロ
ことり「ことりだって…本当は解かってるよ…」
ことり「ことりが全部悪いことくらい…!」
ことり「でも、どうすればいいの!?」
ことり「何度電話をしてもでてくれない!」
ことり「何度メールしても全部無視される!」
ことり「それなのにどうやって仲直りするの!?」
ことり「こんなの無理にきまってるじゃん!」
絵里「それなら直接会って話しなさい!」
ことり「!?」
絵里「もう、逃げるのは終わりにしましょう」
ことり「………無理、だよ」
絵里「どうして?」
ことり「海未ちゃんは、もうことりに愛想を尽かしちゃってるもん…」
ことり「だから、もうことりなんかと会ってくれないよ」
ことり「それに、もし会ってくれたとしても…そこで海未ちゃんに拒絶されちゃったら…」
ことり「………っ」
絵里「…………」
絵里「それなら、このままでいいの?」
ことり「それは……」
絵里「ねぇ、ことり、私はあなたの先輩なのよ?」
絵里「私だって、あなたの力になりたいの」
絵里「こうみえても、後輩の頼みの一つくらい、簡単に叶えちゃうんだから」
絵里「だから、ほら、言っちゃいなさい」
絵里「ことりは、本当は何がしたいの?」
ことり「………ことりは」
ことり「海未ちゃんと、もう一度会いたい!」
ことり「会って、きちんとお話がしたい!!」
ことり「だからお願い、海未ちゃんを連れてきて!」
絵里「まかせない」ニコッ
ーーーー学校
海未「…………」
絵里「海未、ちょっといいかしら?」
海未「絵里?どうしたんですか?」
絵里「海未に話があるの、ちょっと生徒会室まで来てもらえる?」
海未「はぁ、別に構いませんが……どうして生徒会室に?」
絵里「あまり人に聞かれたくないからよ」
海未「……わかりました、行きましょう」
スタスタ
ガチャ バタン
海未「それで、話とはなんでしょうか?」
絵里(海未は外に感情を見せない)
絵里(今だっていつも通りの自然体…そのせいで誰も海未の異変には気づかない)
絵里(でも…)
絵里(私はごまかせないわよ?)
絵里「いえ、最近どうかなって思って」
絵里「ことりのこととか」
海未「…………」
海未「ことりが……どうかしたんですか?」
絵里「最近海とことりが一緒にいないから気になっただけよ」
海未「……別に、特になにもありませんよ」
海未「夏休みなのですから、会わなくても仕方のないことだと思いますが?」
絵里「あんな大胆な告白までしておいて全然会ってないの?」
海未「何事にも事情がありますので」
絵里「…………」
海未「…………」
絵里「…………」
海未「…………」
絵里「遊園地の後、何があったの?」
海未「…………」
海未「……何も、ありませんよ」
海未「穂乃果とことりが遊園地で遊んでいたところで、私には関係ありませんので」
海未「まぁ、幼馴染ですから、私も誘ってくだされば…とも考えてしまいますがね」
絵里「……………」
絵里「そうそう、ことりと言えば」
海未「…なんでしょうか?」
絵里「私、ことりと付き合うことになったから」
海未「なっ!?」
絵里「あら、どうかした?」
海未「………っ」
海未「い、いえ…その…おめでとう……ございます……」
絵里「ふふ、ありがとう」
絵里「ことりったら、ずっと落ち込んでてね、ちょっと慰めてあげたら私にべったり依存しちゃったのよ」
海未「…………っ」
絵里「まぁ面倒だけど、ことり可愛いじゃない?」
絵里「それに私のために手料理まで作ってくれるのよ」
絵里「それなら付き合ってあげてもいいかなって」
海未「…………」ギリッ
絵里「昨日なんか頼まれてことりと一緒のベッドで寝ちゃった」
絵里「あの子ったら、全然寝かせてくれなくってね」
絵里「最後になんて言ったと思う?『寝る前にお休みのキスーー」
海未「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」ガタッ
ガシッ
絵里「いきなりなんのつもり?」
絵里「海未とことりは何も関係ないんでしょう?」
海未「うるさい!ことりを返せ!!!」
絵里「何が気に入らないのよ」
海未「ことりのことが好きじゃないくせに!!」
絵里「ことりのことは好きよ?付き合ってあげてもいいくらいにはね」
海未「そんないい加減な態度で私からこ とりを奪うな!!!!」
海未「私のほうがことりのことを好きなのに!!!!」
絵里「へぇ……それじゃあ」
グイッ バタンッ
海未「ぐっ!?」
絵里「どうしてあの子の側にいてあげないの?」
海未「…………え?」
絵里「海未はことりのことが好きなんでしょ?」
絵里「それならどうしてことりと一緒にいてあげないの?」
海未「…………」
絵里「メールも電話も全部無視して」
絵里「どうしてそんなことするの?」
海未「…………っ」
海未「私は……」
海未「私は……ことりの側にいてはいけないんです」
海未「私がいるとことりに迷惑がかかってしまう」
海未「ことりを傷つけてしまう」
海未「この間も、それでことりを困らせてしまった」
海未「だから、私はことりの側にいれません」
海未「それが……ことりにとって一番いいことなんです」
絵里「…………はぁ」
絵里「いつまでそうやって逃げてるつもり?」
海未「……え?」
絵里「ことりに迷惑をかけたくない?笑わせないで」
絵里「本当は拒絶されて傷つきたくないだけでしょ」
海未「………っ!」
絵里「そうやって自分に嘘をついてばかりじゃ、本当に後悔するわよ」
海未「うるさい!!」
海未「絵里になにがわかるというのですか!?」
海未「ずっと好きだった人が、他の人に靡いているという辛さはあなたにはわからないでしょう!?」
海未「いくら頑張っても自分を見てもらえない苦しみが!」
海未「私だってこれが逃げだってことくらい解かっていますよ!」
海未「でも……それでも……」
海未「こうでもしないと……耐えられないんですよ」
海未「もしもまた拒絶されてしまったら…もう…生きてなんていられません…」ポロポロ
絵里「…………はぁ」
絵里「海未」
海未「……はい」
絵里「ことりは今、とっても危険な状態よ」
海未「………え?」
絵里「もしこのままいけば、下手したら死ぬわよ」
海未「そんな…どうして…?」
絵里「海未が会いに来てくれなくなったせいで、かなり落ち込んでるみたいなのよ」
絵里「そのせいでご飯が喉を通らないそうよ」
海未「で、でもことりは私のことを…」
絵里「あーもう、いつまでうじうじしてるつもりなの!?」
絵里「さっさと行って助けてあげなさい!」
絵里「例え自分が傷つくことになってもやりとげなさい!」
絵里「ことりのこと、好きなんでしょ?」
海未「…………はい!」
絵里「ああ、それと」
海未「?」
絵里「ことりと付き合ってるっていうの、嘘だから」
海未「え!?」
絵里「ほら、早く行きなさい」
絵里「わがままお姫様が待ってるわよ」
海未「……ありがとうございます、絵里」
ガチャッ バタン
絵里「ふぅ…」
希「お疲れさんやで、えりち」
絵里「希!?いつからそこに!?」
希「ふふ、ついさっきや」
絵里「全く…見てたんなら少しは手伝ってくれてもいいじゃない」
希「まあまあ」
希「それにしてもえりちはえげつないことするなぁ」
希「わざと挑発して後輩怒らすなんて…なんてドSな先輩や」
絵里「しょうがないでしょ、二人とも自分の中に溜め込んじゃうタイプなんだから」
絵里「自分に嘘を付いてるせいで、自分が本当は何をしたいかも解ってないんだもの」
絵里「一度怒らせて、本音を出させてあげないとね」
希「なるほどなぁ、全部計算どおりやったんか」
希「海未ちゃんに襲い掛かられた時はうちもヒヤッとしたで?」
絵里「ああ…あれには焦ったわ」
絵里「もし海未の体調が良かったらと思うと、ゾッっとするわ」
希「なんや、海未ちゃんどっか悪かったん?」
絵里「ええ、おそらく海未もまともにご飯を食べていなかったんだと思うわ」
絵里「平気な振りしてたけど、かなりきてたはずよ」
絵里「全く…変な所で似たもの同士なんだから……」
絵里「さぁ、後はあなた達次第よ」
絵里「頑張りなさい」
ーーーー南家
バァン
海未「ことり!!!」
ことり「…………海未、ちゃん」
海未「はぁ……はぁ……」
海未「もうことりの前には姿を見せないっていいましたけど…」
海未「約束……破ってしまいましたね」ニコッ
ことり「………っ」
ことり「嘘つき……」
ことり「海未ちゃんの嘘つき!」
ことり「ことりの前にはもう現れないって言ったのに会いに来て!」
ことり「ことりの家に泊まりに来るって言ってたのに泊まりに来なくって!」
ことり「ことりのこと……好きって言ってくれたのに……ほったらかしにして…」
ことり「海未ちゃんの…嘘つき…」ポロポロ
ギュッ
ことり「……っ」
海未「ごめんなさい、ことり。嘘をついてしまって」
ことり「なんで、謝るの…」
ことり「海未ちゃんは何も悪くないのに…」
ことり「ことりは海未ちゃんの気持ちを弄んだんだよ…?」
ことり「海未ちゃんが好きって言ってくれるのに安心して、たくさんわがまま言ったんだよ?」
ことり「海未ちゃんをのけ者にして、穂乃果ちゃんと遊びに行ったんだよ?」
ことり「それなのにどうして?」
ことり「どうして海未ちゃんはそんなに優しくできるの…?」
ことり「お願いだから…ことりにそんなに優しくしないでよ」
ことり「もっとことりのことを非難してよ!」
ことり「これじゃあ…海未ちゃんが可哀想だよ…」
海未「……ことりは勘違いしているようですね」
ことり「え……?」
海未「私は、優しくなんてありません」
海未「本当の私は、自分が傷つくのが怖い卑怯者なんです」
海未「だから、ことりが一人で悩んでいる時だって、自分にはもう関係ないと、そうやって自分に言い聞かせて……忘れようとしていたんです」
海未「ことりが、こんなにも傷ついていたというのに」
海未「その腕…痛かったですよね」
海未「申し訳ありません」
ことり「違う!海未ちゃんは悪くないの!」
ことり「リストカットすれば海未ちゃんが助けに来てくれるって」
ことり「そんな勝手な思い込みをして……」
ことり「ことりが海未ちゃんを拒絶したのに……!」
ことり「ごめんなさい……ごめんなさい……!」
海未「いいんですよ、ことり」
ことり「よくない!どうして海未ちゃんはーー」
海未「私は…」
海未「私は…ことりが笑ってくれるなら、それで幸せなんです」
ことり「……え?」
海未「いつも笑顔で、皆を暖かい気持ちにしてくれる」
海未「私の心を癒してくれる」
海未「そんな陽だまりのようなことりのことを……私は好きになったんです」
海未「だからお願いです、そんな悲しい顔をしないでください」
海未「笑顔になってください」
海未「ですが、私はどうすればことりが喜んでくれるのかわかりません」
海未「私が邪魔だというのなら、ことりの前から消えましょう」
海未「私が気に入らないというのなら、好きなだけ殴ってください」
海未「ことりのためなら私は…」
海未「なんだってできるんです」
海未「だから教えてください」
海未「私にお願いしてください!」
海未「もっとわがままを言ってください!!」
海未「ことりは……一体どうして欲しいんですか?」
ことり「………ことりはっ」
ことり「ことりは………海未ちゃんと一緒にいたいっ!」
ことり「卑怯だよ海未ちゃんは!」
ことり「ことりをこんな風にしておいて、今更消えるなんて……」
ことり「そんなこと言わないでよ!」
ことり「ことりはもう、海未ちゃんがいないと生きられないのに!」
ことり「朝になったら起こしてよ! 」
ことり「ことりのことを叱ってよ!」
ことり「困った顔でことりのわがままを聞いてよ!」
ことり「ことりのことを一人にしないでよ!!」
ことり「ことりと……ずっと一緒にいてよ」
海未「ことり……」
ことり「駄目なの……耐えられないの……」
ことり「海未ちゃんがいない生活なんて…」
ことり「だって……ことりはもう、どうしようもないくらいに」
ことり「海未ちゃんのことが好きになっちゃったの」
海未「私も……ことりのことが大好きです」
海未「私でよければ、ずっと側にいますよ、ことり」
ことり「……本当にいいの?ことり、たくさんわがまま言っちゃうよ?」
海未「望むところですよ」
ことり「海未ちゃんが他の子と喋ってるだけで嫉妬しちゃうよ?」
海未「ことりにそんなに想ってもらえるなんて幸せですね」
ことり「絶対に……ことりから離してあげないよ?」
海未「……ふふっ」
海未「私も絶対に離れてあげませんよ、ことり」
ーーーー夜
海未「ことり……そろそろ離れてもらえませんか?」
ことり「いや!絶対に離れないもん!」ギュゥ
海未「ですが、このままだと晩御飯が食べられませんよ?」
ことり「海未ちゃんはことりと離れたいの……?」
海未「離れたくないに決まっているじゃないですか!」
海未「……ですが、ことりの弱っている姿は見たくないんです」
ことり「………」
海未「寂しい想いをさせてしまったことは謝りますから……そろそろ許してもらえませんか?」
ことり「………そんなこと言ったって、許さないもん」プクー
海未「それなら…どうしたら許してくれるんですか?」
ことり「…………」
海未「お願いします、教えてください、ことり」
ことり「…………っ」
ことり「き、キス………」
海未「え?」
ことり「海未ちゃんがキスしてくれたら……許してあげる///」カアッ
海未「ふふっ」
ことり「な、なんで笑うの…?」
海未「いえ、ことりは可愛いなぁと」
ことり「……からかってるの?」
海未「本心ですよ。ことりはとても可愛いんです」
ことり「そ、そんなこと言っても誤魔化されないんだからね///」
海未「解っていますよ、ほら、こっちを向いてください、ことり」
ことり「………ん」
チュッ
海未「これで…許してもらえましたか?」
ことり「……今日のところは、許してあげる//」
海未「ありがとうございます」
海未「ですが……ことりの部屋に行ったら、もう一度しましょうね?」
ことり「……海未ちゃんのえっち///」
海未「ことりが可愛いのが悪いんですよ」
ことり「もぅ///」
海未「…………」
海未「ことり」
ことり「どうしたの?」
海未「ずっと……私の側にいてくださいね」
ことり「…………うん♪」
End
以上で終了となります。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。間に合いましたら海未ちゃんの誕生日にも何か書きたいと思いますので、見かけたら読んでやってください。
それと、宣伝になってしまいますが
【コラボ企画】ことり「一人咲く花の涙」
【コラボ企画】ことり「一人咲く花の涙」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1394112335/)
こちらの方で、エリチ推しにわか勢さんと一緒に書かせて頂きました。ご拝読頂ければ幸いです。
このSSまとめへのコメント
感動しました(*´ω`*)絵里ちゃんが海未ちゃんを説得するとこが個人的に一番感動しまし…。
た。が抜けてました…
ハノケチェン
えりちはKKE