ことほのうみ。
海未ちゃん一人称。
下手くそな地の文。
極度に破廉恥なことにはなりません。
それでもいいよ、という方。
クリスマス当日に完結を目指します。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418212728
──アイドル研究部部室──
「サンタさんはいるんだよっ!」
突然、部室に響く大きな声。
振り返らずとも興奮したその声で誰かはわかっていますが。
声を上げた当人の顔を確認して「ああ、やっぱりな」なんて心で呟き、溜息を吐かずにはいられませんでした。
トラブルメーカーの幼馴染が他愛のない話に意固地になっている。
そんなシチュエーションが頭に浮かびながらもしかたなく声を掛ける私。
「穂乃果、どうしたのです?」
そう声を掛けた時になんだか予想していた事態と違うことに狼狽えてしまいました。
その理由は、もう一人の幼馴染のことり──。
「そうだよにこちゃんっ! 今のは良くないよ……」
普段の明るく優しい様子とは打って変わって。
今は、不安そうにしながら大きな瞳に少し涙を浮かべている。
「ちょっと、落ち着きなさいよっ! 誰もいないとは言ってないでしょ!」
と、一際焦りを見せているのは部長のにこ。
その隣で、
「なに? サンタさん、いないの?」
いつもの凛とした声からは想像しがたい、素っ頓狂な声を上げている真姫。
どうやら、四人の議題は今が旬の『クリスマス』について。
絵里と希が部室に来るまで、2グループに分かれて今度の『新曲』についての話し合いをしていたはずなのですが……。
「なになに? 面白そう! 凛も混ぜてっ♪」
「ダメだよ凛ちゃん! そういう雰囲気じゃないよぉ」
私という手綱がなくなってしまった凛の興味は穂乃果達へと。
結局、私のグループも穂乃果達の話に混ざってしまうことになりました。
「はぁ……穂乃果もにこも一度落ち着いて下さい。何の話です?」
「にこちゃんがサンタさんがいないっていうんだよっ!」
「だから、いないとは言ってないでしょ!」
「言ったようなもんだよぉっ!」
……そんな、2人して睨み合わないで下さい。
キッとにこを睨む顔も可愛いのですが、いつも私が損な役回りなことを穂乃果はわかってくれているのでしょうか。
はぁっ。
もう一つ溜息を吐いた私の肩をちょんちょんとつつくことり。
「海未ちゃん、あのね……」
にこと穂乃果の言い争いをBGMにしながら、おずおずと私に事の顛末を語り始めようとするのですが──。
「もーっ! にこちゃんのばかぁ! 穂乃果もう帰るっ!」
なんて、穂乃果の声で静まり返ってしまっては、ことりだってタイミングを失ってしまいますよね。
乱暴にカバンを担いで部室を後にする穂乃果。
なんだか今日はご機嫌ナナメなようですね。
穂乃果が出て行った方とにこの顔を交互に見ることりにそっと耳打ちをします。
「行ってください」
にこっと笑った私の顔を見てことりは少し安心したようです。
ふふっ、そんな風に見つめないでください。照れてしまうではないですか。
海未ちゃんありがとう。
いいんですよ、穂乃果を頼みます。
そう目と目で会話出来るのは長年に渡って穂乃果の幼馴染をしているから、なのかもしれませんね。
さて、と残ったメンバーと話をしようとすると──。
「一体なんの騒ぎ?」
「なにかあったん?」
──遅いですよ、二人共。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「なるほど……にこ、それはすみませんでした」
「な、なんであんたが謝るのよ」
今の教室には私と三年生三人。
一年生には明日改める、ということで帰宅して頂きました。
事の顛末を伺った私は謝らずにはいられませんでした。
大まかな流れとしては、『新曲』に関して。
クリスマスソングはどうかという話になったそうです。
しかし、話はちょっと違う方向に転がってしまい、お互いのクリスマスの思い出を話し始めたのですが……。
『ま、真姫? ぷっ! くくっ! 真姫がサンタ?』
と。
別に真姫がサンタクロースを信じていたことに問題は無いのです。
問題は──。
「穂乃果とことりもサンタクロースを信じてるの?」
キョトンとした絵里の視線に耐えられず俯く私。
「そこは穂乃果ちゃんが、にこちゃんダメだよ! それ以上は! とかっていう場面やん?」
ええ、その通りなのですよ、希。
「それにことりまで……にこ、ちょっとびっくりしちゃった」
「すみません、私のせいなのです」
「だから、なんで海未ちゃんが謝るん?」
「そうよ海未。いくらあなたが穂乃果の保護者的存在だとしても、今回のは筋が違うと思うわ」
──違うのです。
違うのですよ、絵里。
私は大きく息を吸い、気持ちを落ち着かせました。
まさかメンバーにこんな話をする事になるとは。
「──あれは、私達がまだ、小学生のころでした」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「サンタさんはいるんだよっ!」
当時小学生だった私達。
穂乃果はいつも天真爛漫な笑顔を振りまく私の太陽。
そんな穂乃果の後ろをふわふわついていくことりは、まるで私の天使のようでした。
二人はそれはもう可愛くて可愛くて。
そして、最後に。
泣き虫で、言いたいことも言えない私──園田海未。
いつも三人で一緒にいました。
まあ、私は二人について行くような格好が多かったですが。
そんな中起きた、なんてことはない言い争い。
よくある話です。
同じクラスの男の子達に、二人はバカにされてしまったのです。
「まだ、サンタなんて信じてるの?」
「高坂も南も子供だね」
なんて言われてしまった二人。
私はただ、何も言えず穂乃果の後ろに隠れているだけでした。
「違うよ! お父さんはサンタさんじゃないもん」
「こ、ことりもそう思うよ!」
だって私、知っていたんですもの。
毎年のクリスマスに枕元にプレゼントを置いていってくれるのは、両親のどちらかだってこと。
だから、何も言えずおどおどしているだけ。
本当は悔しかったですよ。
愛する二人が馬鹿にされて、腹が立たない訳がありません。
──ですが。
当時の私は内気な性格で……。
その場ではどうすることも出来なかったのです。
その日の下校中は三人共少し暗くなってしまいました。
「ねえ、穂乃果ちゃん。サンタさんって本当にいないのかな?」
「そんなこと、ないもん。サンタさんは……いるもん」
そうやって落ち込む二人。
「……穂乃果、サンタさんにお願いがあるんだもん」
私はなんとか二人を元気付けたいと考えました。
「ことりもだよぉ」
なんとか……愛する二人を笑顔にしたい。
ただただ、そう思うだけでした。
だけど。
思うだけで、結局なにも出来ない私。
穂乃果とことりの幼馴染で。
親友で。
婚約者で。
けど、当時の私はあまり二人と仲良くなれていない気がして。
……自分の思った通り、素直に行動出来なくて。
二人とは違う意味で暗くなってしまいました。
そんな時。
買い物から帰ってきた母のカバン……そこからある物を見つけたのです。
『ケーキ無料チケット』
『マカロン無料チケット』
その二つを見た瞬間に電撃が走りましたっ!
これを二人にあげたら喜ぶんじゃないか?
暗い顔をいつものニッコリ笑顔に変えられるのではないかと!
海未ちゃん大好きっ! ぎゅーっ♪
穂乃果ちゃんずるいよぉ! ことりもぎゅーっ♪
なんて展開になるのではないかと!
興奮で高鳴る胸。
母からチケットを頂き、私はダッシュで部屋に戻りました。
嬉しさのあまりそのままベッドへダイブッ!
──その時だったのです。
『ちょっと待つのです、海未』
私は閃いてしまったのです。
『このチケットはクリスマスに渡した方がいいのでは?』
そう、ですよ。
二人に気付かれることなく、親から以外のプレゼントを枕元に。
即ちそれは──。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「そう、私が二人のサンタクロースになるということです」
気が付かないうちにぐっ、と拳を握っていました。
幼い頃の思い出を意気揚々と語る私とは対照的にポカンと口を開けている三年生。
「──ってことは。あんたまさか、それからずっと!?」
ずっとサンタクロースの真似事をしているのか。
きっとにこはそう言いたいのでしょう。
「にこにだってあるでしょう? 大切な人の夢を護りたい、という気持ちが」
「そ、それは……」
にこにだって幼い妹達がいる。
誰より家族想いなにこ。
私の気持ちを理解するのに時間はかからないようでした。
「──ちょっと待って」
次に声を上げたのは絵里。
先ほどの口をポカンと開けただらしなくも可愛い表情とは正反対にキリッとした表情を浮かべて一言。
「海未って穂乃果とことり、どっちと婚約してるの!?」
「そこぉぉぉ!?」
「え、変かしら?」
「本筋と関係ない海未お得意の冗談じゃない! スルーしてよ!」
「む、にこ? 冗談ではありませんよ」
にこと絵里の言い合いを見ていたら、私もヒートアップしてきました。
「そうよにこ。どちらかハッキリさせないと」
「待って待ってっ! 女の子同士よ!?」
「なにか?」
「にこらしくないわね」
「のぞみぃ! 二人がおかしいよぉ!」
「そやね、ここはうちがガツンと言ったるわ」
「おぉ! さっすがのぞみん!」
「海未ちゃん?」
「はい」
「人の質問にはちゃんと答えてあげなあかんよ?」
「はい……すみません」
「穂乃果ちゃんとことりちゃん、どっちと婚約してるの?」
「だからそこじゃないって言ってるでしょぉ!?」
「え? 気になるやん?」
「どっちもです」
「真面目に答えてんじゃないわよっ!」
「海未、それはダメよ! 二人の姉としては見過ごせないわ」
「なにさらっとおかしな設定ぶっこんでんのよ!」
「そうよえりち、穂乃果ちゃんはうちの妹やん。穂乃果ちゃんに希お姉ちゃんって呼ばれるのがうちの夢やん」
「のぞみぃぃぃぃぃいい!?」
「聞き捨てなりませんね。希は私のお姉ちゃんです。穂乃果には渡せません」
「ウェルカムやん」
「もう、いや……」
とまあそんなこんなで、楽しく会話して、この日は解散となりました。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
──都内某所コンビニ──
「ありがとうございましたっ!」
店員さんの元気な声が聞こえるお店。
いいですよね。
そう考えて勤しむアルバイト。
「いらっしゃいませっ♪」
毎年のプレゼント費用はお小遣いから捻出していましたが……今年は助かりました。
コンビニエンスストアのイメージガールにμ'sの代表として選ばれた私は、アイドル活動の一環としてアルバイトをすることになったのです。
ファンの皆様のお陰です。
本当にありがとうございます。
「うーみちゃんっ♪ 遊びに来たよっ!」
少し弱まった客足に時間を持て余していると、慣れ親しんだ声が聞こえて来ました。
まったく、凛ったら。
ここは遊び場ではないのですよ。
口ではそう言いたくても来てくれたことがうれしくて……口元が緩んでしまう私は、まだまだ子供なのでしょうか?
そして、なぜあなたはソワソワしながら私の仕事を見ているのです。
見られているのにただでさえ緊張してしまうのに、
「妹さん? 可愛いね」
そうやって他のアルバイトの方に言われると恥ずかしくて仕方がないのですが……。
ソワソワしている凛と真っ赤になりながら接客をしている私。
そんな二人を見兼ねた優しい店長から嬉しい申し出を頂くことになろうとは。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
──二人の帰り道──
「凛、どうしたのですか?」
「あははっ♪ 海未ちゃんのお仕事、どんなのかなって」
気になっただけだよ。
少し不安そうな表情をする凛。
なぜ仕事に興味が?
と思いましたが、愚問でした。
凛は今月中旬からゲームセンターでのお仕事ですもんね。
アイドル活動とはいえ、不安……ですよね。
「まったくもう、店長さんに変な気を使わせてしまいましたよ」
はい、これ。
と、凛の気持ちに気付かない振りをして色紙を差し出す私。
だって、凛だったら難しい仕事だってきっと出来る。
つらいことにだって立ち向かっていける。
そう、信じていますから。
私の妹が仕事くらいでへこたれるわけがありません。
「これ、色紙? 海未ちゃんのサインが入ってるにゃ」
「希がサインする場所、空けといて下さいね」
なんと店長さんはμ'sの大ファンでlily white推し。
凛が来ていることを知った店長さんは私が早く帰れようにしてくれました。
しかし、生真面目な私は時間までしっかり働くと駄々を捏ねてしまい……。
だったら、早く上がる代わりに私達のサインを貰ってきて欲しいと、別の仕事を与えてくれたのでした。
「し、仕方ないにゃー」
そういいつつも嬉しそうにサインを描く私の妹。
きゅきゅきゅのきゅっ♪
なんて可愛く呟きながらも、時折見せる少し大人びた表情。
こういうところ、穂乃果にそっくりですね。
「これでいいかにゃ?」
今度は照れ臭そうな笑顔ですか。
……いつも一緒にいるからですかね。
凛は段々と穂乃果に似てきました。
似てきたような、気がします。
「店長さんへのいいクリスマスプレゼントになりそうです」
「あっ、そう言えば聞いたよ」
「何をですか?」
「サンタクロースのことっ」
凛の口から『サンタクロース』、と聞いて思わずはっとしました。
「まさか凛! 真姫には……っ!」
「大丈夫、大丈夫っ! 凛もかよちんも真姫ちゃんがサンタさんを信じてるって知ってたから」
「あ、そうだったのですね」
「だからあの時……なんとなく話の流れがわかったからね。上手く間に入って真姫ちゃんの夢を壊さないようにしたかったんだにゃっ♪」
なるほど……凛も中々考えているのですね。
お姉ちゃんは嬉しいです。
「海未ちゃん、なんだか嬉しそうだね」
当然です。妹の成長がうれしくない姉などいないのですから。
でも、そんな気持ちを知られるのも気恥ずかしいので、適当に誤魔化しましょう。
「──凛も昔は信じてたよ、サンタさん」
突然の呟き。
ふと、凛の顔を見るとどこか寂しげで。
先ほどの大人びた表情の中に子供っぽさを感じる。
彼女のアンバランスな心が顔に出ているようでした。
「凛ね。サンタさんがお父さんだって気付くの……少し早かったんだ」
「早かった?」
「うん。毎年、クリスマスが近づくと『サンタさん来てくれるかな』とか、『プレゼントどうしよう』とか、みんな楽しそうで」
「凛……」
「でもね、凛はサンタさんの正体を知ってたから」
……どうしてそんな、悲しそうな顔をしているのですか?
「知らなかったら……もっと、ドキドキ、ワクワク出来たのかな。そう考えたらなんだかもったいないなって」
その時、冬の空気のようにクリアになった脳内に閃きがありました。
わかりました。
わかりましたよ凛。
過去に何があったかはわかりませんし、過去を変えることは出来ません。
ですが、未来を変えることは出来ます。
愛しい婚約者達と大切な妹を笑顔にすることは出来ます。
──私には、きっと出来るはずです。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
──理事長室──
次の日。
私は理事長室を訪れていました。
ことりが今年のクリスマスに欲しい物を聞くために。
毎年恒例のことで、お義母様から情報を頂き当日に備える。
ちなみに去年はぬいぐるみをプレゼントしました。
二人の素敵な笑顔は今でも覚えています。
「それでお義母様、今年のプレゼントは──」
「──ないのよ」
「は?」
今、お義母様はなんと言ったのだろう。
いや、聞こえたことは聞こえたのですがきっと聞き間違えでしょう。
しかし、お義母様のこの雰囲気。
よくない感じが漂っています。
「わからないのよっ!」
ばんっ! とお義母様が机を叩いた音が私の頭を揺らした気がしました。
「わからないって……はっ!」
この表情。
お義母様のこの疲れ切った表情から察しました。
毎年サンタさんにプレゼントをお願いするピュアな笑顔に癒されていたのに、今年はなぜ? どうして? そっか、よく考えたら私の娘も高校生。もう、サンタさんにプレゼントをお願いするような年齢でもないわね。でも、お母さん寂しいわ。毎年見てたあなたの笑顔が見れないなんて……。あなたの考えてることがわからないなんて……。親、失格かしらね。いいわ。お母さん、今日は飲んじゃう。ウイスキーをロックでグイッと行かせて頂くわ。ねぇ、今日はあなた (酒) に全てを委ねていいかしら? (頭痛で頭を) めちゃくちゃにして欲しいの。
ということがあったことを。
「なんという破廉恥」
しかし、大丈夫ですよお義母様。
「安心して下さい。私が必ずことりの笑顔を取り戻します」
「無理よ、いくら海未ちゃんでも今年は……」
「泣かないで下さい。あなたの泣き顔はことりの泣き顔を見ているようで私も辛いです。」
「海未、ちゃん」
つーっとお義母様の頬を伝う涙。
それを私はハンカチで拭う。
「それに、私を誰だと思っているのですか? ──サンタクロースです」
そう言ってお酒臭い理事長室を後にしました。
背中越しに聞こえた、
「海未ちゃん、私をめちゃくちゃにしてっ!」
という声には、お断りをして……。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
──海未の部屋──
まさか……。
まさかこんなことになるとは思いませんでした。
ことりだけではなく、穂乃果もお母様に情報を開示していないなんて……。
今日は練習を先に上がらせて頂き、高坂のお母様にへの用事を済まそうとしたのですが。
「誤算ですね」
しかも高坂のお母様も南のお母様と同じように──。
いや、過ぎたことどうこう考えても仕方ありませんよ海未。
大切なのはこれから。
そう、大切なのはこれからです。
μ'sのメンバーに聞いて──。
いや、二人のことは私が一番よく知っています。
大丈夫です。
プレゼントくらい一人で買えます。
でも、何を渡したら?
何をプレゼントしたらよいのでしょうか?
頭の中を二人が好む物がぐるぐる、ぐるぐる巡っていて。
でも、その中に最適な答えが存在しない気がして。
いったい私は何を買ってくれば良いのか。
「──わかりません」
結局、頭でっかちなってしまった私は、穂乃果とことりが『喜ぶであろう物』を調達し、当日に臨むことになるのでした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【ラブライブ!】海未「私は二人のサンタクロースですから」
後半に続きます。
500 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします sage 2014/12/10(水) 21:56:14.26 ID:GhNAnGH5O
それ以前に「トラブルメーカー 意味」でググってもこの定義は出てこないんですが
一般的でない定義を「わざと」持ち出して誤用扱いしたかったのかな?
自己紹介乙
503 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします sage 2014/12/10(水) 22:01:00.62 ID:lQgAnk+pO
>>500
Googleの一番上のページに出てくるんですがw
検索もできない類人猿か何かかな?
http://ejje.weblio.jp/content/troublemaker
研究社 新英和中辞典
troublemaker
tr?uble・m?ker
【名詞】【可算名詞】
もんちゃく[騒ぎ]を起こす人.
日本語WordNet(英和)
troublemaker
【名詞】
1. わざとトラブルを起こす人(someone who deliberately stirs up trouble)
本日はここまで。
見てくださった方、コメントくださった方、ありがとうございます。
海未「9月12日……ですか」
1?:? ◆aAGpgHyonkae saga 2014年08月23日 (土) 22:55:34 ID:?vGtxKfwmO
ラブライブ!のことうみSSです。
ことり「雨が降ってるね」
1?:? ◆aAGpgHyonkae saga 2014年09月10日 (水) 19:27:13 ID:?3p7ZKUspO
ものすごい雨にうたれたので立てました。
ほんわかことうみ
海未「私は二人のサンタクロースですから」
1?:? ◆aAGpgHyonkae saga 2014年12月10日 (水) 20:58:48 ID:?V2d2T5+lO
ことうみ前提の人間の書くほのうみはどうしてこう胡散臭いのか
コメントありがとうございます。
再開します。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
──二年生教室──
クリスマスも近くなり、すっかりと準備を済ませた私。
もう、この頃になると穂乃果達とにことのわだかまりも解消され一安心していました。
やっぱりみんな仲睦まじいのが一番です。
「ねぇ、海未ちゃん」
帰り支度をする手を止めて顔を挙げるとそこには、
「穂乃果、ことり……もう、支度は済んだのですか?」
遅くてごめんなさい。
一言謝って、慌てて帰り支度を再開する手を「そうじゃなくて」という穂乃果の言葉が止めました。
「クリスマスパーティなんだけど……」
とことり。
──これも毎年の事です。
コンビニでのアイドル活動があるからと、私は二人の誘いを断ります。
だってそうでしょう?
私は二人に知られることなく、プレゼントを渡しに行かなくてはならないのですから。
だから、穂乃果。
捨てられそうな子犬のような瞳で私を見るのはやめて下さい。
穂乃果が時折見せる悲しそうな表情にいつも私はドキりとしてしまいます。
何故でしょうか?
そんな表情をもっと見たいような気持ちが加速してしまうのです。
……いや、婚約者の色々な顔を見たい、そう思うのは当たり前なこと。
「穂乃果ちゃん……よしよし」
そんな穂乃果を慰めることり。
眼福です。
神様、毎年毎年、素敵なプレゼントをありがとうございます。
本当に二人の幼馴染みで良かったと思う瞬間です。
私の婚約者である二人が私以外の人間と心を通わせて、互いに互いの寂しさを……。
──やめましょう、おかしくなりそうです。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
──当日の夜──
こっそりと家をでる。
誰にも見つからないように。
そっと玄関の扉を開けると、ツンとした冷気が私の肌を刺激します。
……雪、降りますかね。
急がねばと、忍者のように家の敷地を出ます。
去年と同じルートを使用し園田家の敷地からはすんなりと脱出。
ここまでは予定通り。
今年はプレゼントを配る家が多い……ここから先は急がねばなりませんね。
そうして自分にカツを入れた時でした。
「──どこに行くつもりよ」
「──っ! に、にこ!? どうしてここに……」
「どうだっていいじゃない。ていうか寒い! 何分待ったと思ってるの!?」
「ご、ごめんなさい」
寒さで震えるにこに凄まれて思わず謝ってしまいました。
キョトンとする私を余所に、にこは電話を掛け出します。
「──もしもし? 寒いなんてもんじゃないわよ! そう、こっちだった。うん、すぐに合流しましょ」
どうしてにこがここにいるんでしょうか。
それにどうして──、
「どうして、サンタさんの格好をしてるんです?」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「にこっちー! おまたせー!」
「海未! ハラショー!」
しばらく待っているとやってきたのは絵里と希。
やっぱり二人ともサンタさんの格好をしていて……。
「よし、行くわよ。希は凛。絵里は花陽。私は真姫ね」
なんて話を進めるにこ。
「ちょ、ちょっと待ってください。一体どういうことですか?」
「どうもこうもないやん?」
「海未、今年は一年生のところにも行くつもりだったのでしょう? だから手伝おうって……にこが」
「ちょっ! 絵里!? なんでそういうこと言うの!?」
「にこっち言ってたやん? さすがの海未も夜中に複数軒回るのはきついでしょ? いつも頑張ってる海未のためにも私たちが──」
「ちょっとぉぉぉぉっ! それダメなやつ! バラされたらにこにーが1番恥ずかしいやつ!」
「こうも言っていたわ! μ'sのメンバーはにこにはじめて出来た本当の仲間だから……それに、みんなにこの可愛い妹分にこっ! だからにこは──」
「やめて、もうやめてよ絵里。それ以上やられたら恥ずかしくてオトノキにいられなくなっちゃう……」
「ぷっ、ふふっ。うふふっ」
「海未?」
──こんな、寒空の下で。
今にも雪が降り出しそうなのに。
毎年、走って体を暖めていたのに。
どうして今年は、こんなにも暖かく感じるのでしょうか。
──クリスマス、だからですかね。
来てくれたのですね、私のところにも。
「──お任せして、よろしいのですか?」
「当然でしょ?」
「ウェルカムやん」
「ハラショー!」
いつも、なんですよね。
いつもメンバーの力強い笑顔に励まされる私。
今年一年、みんなと走ってきて本当に良かった。
だから、感謝の気持ちを込めて。
「あの、これを──」
ガサゴソと、私が袋から取り出したのは、三人の枕元に置くはずであったプレゼント。
「え、これ……」
「海未ちゃん……」
「妹たちの分まで……」
「みんなのことを思って選びました。良かったら使って下さい」
こんなに沢山プレゼントを用意したことなんてなんかったので、マフラーとか手袋とか……無難な物になってしまいましたが。
みんなが、プレゼントを開けた時に、今よりもっと笑顔になることを願って。
その時、私からプレゼントを受け取ったにこが、ガサゴソと何かを取り出して……。
「海未、これ……私達から。後でじっくり読んでね」
「みんなから!? あ、ありがとうございますっ!」
「──メリークリスマス、海未」
笑顔のにこから渡されたのは一枚の封筒。
まさかにこ達からプレゼントを貰えるなんて!
アイドルライブのチケットか何かでしょうか。家に戻ったらじっくり拝見させていただきます。
「──では、そろそろ行きますね」
袋を担ぎ直して向かう先は、婚約者二人がいる高坂家。
みんなと出逢って、私は変わったのかもしれない。
急にそんなことを思って振りかえると……そこには笑顔で手を振る三人のサンタクロース。
私が抱え込んでいた色々な物。
それを今はみんなが持ってくれているのではないか。
そんな気がして、凄く嬉しくて。
一人じゃない、ということを感じたら、
「ふふっ、その格好三人ともよく似合っていますよ」
そう、言わずにはいられませんでした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
──穂乃果の部屋──
音を立てないように穂乃果の部屋の戸を開く。
すーっと静かな音を立てて現れた世界は静寂包まれています。
食べ物の匂いが微かに残る部屋……音を立てずに忍び込み、二人のいる場所を確認します。
穂乃果とことりは一緒の布団に寝ていました。
明かりを点けて二人の寝顔を激写したい衝動に駆られますが……。
ここは我慢ですよ、海未。
二人の枕元にプレゼントを置いて、さっさと家に戻りましょう。
……プレゼント、喜んでくれるでしょうか?
結局、あの時と同じ物になってしまいました。
──メリークリスマス。
心の中でそう呟いて、踵を返す。
これで……今年のクリスマスも終わり。
──そのはずでした。
「──サンタさん、待って!」
いつもだったら、きっとそうだったでしょう。
だけど、今年は違ったのです。
パチンッと付いた電気。
待って、と言った幼馴染み。
私の手を握る陽だまりのような暖かい手。
明るくなった部屋に広がるのは手付かずの食べ物……。
なにが起きたか分からない私はその場に立ち尽くすことしか出来ませんでした。
「やっと見つけたよっ!」
「ことりと穂乃果ちゃんのサンタクロース……」
「──っ!」
幼かったあの日から続けてきた私のサンタクロースとしての仕事が、まさか今日で終わりになってしまうとは。
「バレてしまいましたね」
振り向いた瞬間──、
「海未ぢゃーんっ! うわーんっ!」
「うーみちゃーんーっ!」
「わっ!」
愛する二人が私を抱き締めてくれました。
泣きながら私の名前を呼ぶ穂乃果。
やっと三人揃ったと、嬉しそうに呟くことり。
そして、状況を把握出来ない私。
まずは落ち着いて話をしなくては、そう思ったのですが。
「ふ、二人とも落ち着いて下さいっ!」
二人にぎゅーっと抱き締められて。
穂乃果もことりもとても柔らかくて、とても暖かくて。
サンタクロースである正体が発覚してしまったことも相まって、混乱状態な私。
このまま、三人で……いや、ダメです。破廉恥です。破廉恥すぎます。
「お願いです、一度離して下さいっ! 私……私、おかしくなってしまいそうです!」
「うわぁ、やり過ぎちゃった!?」
「ご、ごめんね、海未ちゃんっ!」
と、名残惜しそうに私から離れる二人。
……私だって同じ気持ちです。
ですが、結婚するまではあまりこのようなことはしてはいけないのです。
我慢なのです!
「──サンタさんにお願いしたんだ」
そう切り出したのは穂乃果でした。
お願いって……私はお母様達からはそんなことは伺ってはいませんが。
「海未ちゃんのところに、サンタさんがきたでしょ?」
ことりがそう言ったのは私の困惑した表情を察したからでしょう。
「サンタさんから、何か貰わなかった?」
………………まさか。
先程みんなから、ということで頂いた封筒。
ガサゴソと袋から取り出します。
チラリと二人を見ると、少し不安そうな表情。
可愛いハートのシールを剥がした先に待っていたのは、手書きのメッセージカードでした。
……こんなことがあって良いのでしょうか。
この一枚のメッセージカードの意味に気付いた私。
メンバーの優しさに気付いた私。
──穂乃果とことりの本当の気持ちがようやくわかった私。
『海未ちゃんと一緒にクリスマスを過ごしたいです
──穂乃果 ことり』
「ほのかぁっ! ことりぃ!」
思わず二人に抱きついてしまいました。
──二人にはずっと前からわかっていたのですね。
私が、サンタクロースの真似事をしていることが。
「ごめんなさいっ、わたし……ぐすっ! わたしぃっ!」
「ううん、穂乃果もごめん! ごめんね海未ちゃんっ」
「ことりも、言い出せなくて……っ! 海未ちゃんの優しさに甘えてっ! ぐすっ」
しまいには、三人でわんわん泣いてしまいました。
私はクリスマスパーティーを断わり続けたことを深く後悔しました。
でも、それ以上に感謝しました。
頼りになる先輩達に。
愛する二人と、クリスマスパーティーが出来ることに。
ひとしきり泣いて。
三人で顔を合わせて笑って……。
三人揃ったはじめてのクリスマス。
──パーティがはじまります。
いつも通り、穂乃果が音頭をとってくれて。
それに合わせてことりが『特製クッキー』を出してくれて。
きっと私達はこうやって過ごしていくんだと思います。
──大人になって、一緒になっても。
嬉しそうな二人の顔を見て、私は今まで伝えられなかった言葉を伝えます。
「穂乃果、ことり……メリークリスマス!」
そう言うと一層幸せそうな表情を浮かべてくれる二人。
私にとってはそれがなにより幸せです。
だって……。
私は二人のサンタクロースですから。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
海未「……ほ、のかぁ、こと……あいして……」zzz
ことり「寝ちゃったね」クスクスッ
穂乃果「うん」
ことり「にこちゃんに全部話して本当によかったっ♪」
穂乃果「うんっ! やっぱり頼れる先輩達、だねっ♪」
ことり「明日、御礼も兼ねてプレゼントを渡そうね」
穂乃果「穂乃果、妹さんの分も用意してあるよ!」
ことり「さっすが穂乃果ちゃんっ♪」ナデナデ
穂乃果「えへへーっ♪」
穂乃果「──そういえば」
ガサゴソ。
ことり「……なに、してるの?」
穂乃果「いやー、海未ちゃんのプレゼントの中身が気になっちゃって」アハハッ
ことり「ことりもきになるぅー♪」
ガサガサッ。
ことり「──これ!?」
穂乃果「そっか、今年のプレゼントは、あの時の……」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
──二人の思い出──
穂乃果(幼)「あーあ、なんで男の子達はあんなこと言うんだろう」
穂乃果(幼)「サンタさんは絶対いるのに!」
ことり(幼)「ことりも……サンタさんがお父さんだなんて信じられないよ」
穂乃果(幼)「穂乃果、今年は絶対にお願いを叶えてもらうんだ!」
ことり(幼)「ことりも!」
ほのこと『海未ちゃんともっと仲良くなりたいっ!』
穂乃果(幼)「えへへっ♪」
ことり(幼)「うふふっ♪」
穂乃果(幼)「──サンタさん、来てくれるかな?」
ことり(幼)「来てくれるよ、きっと!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
──待ち合わせ場所──
穂乃果(幼)「──ことりちゃん!」
ことり(幼)「穂乃果ちゃん!」
ことほの『これっ!』
ことほの『……あっ! えへへっ♪』
ことり(幼)「ことりはマカロン無料チケットを貰ったよっ♪」
穂乃果(幼)「穂乃果はケーキ! これを使って……海未ちゃんと!」
ことり(幼)「うんっ♪」
穂乃果(幼)「はやく学校終わらないかなぁ!」ニコニコ
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ことり「──懐かしいね」ニコッ
穂乃果「一個のケーキを三人で分けて食べたよねっ♪」
ことり「マカロンは一個ずつだったよね!」
穂乃果「ことりちゃん、ほら! メッセージカードも入ってるよ!」
ことり「相変わらず綺麗な字だよねっ♪」
穂乃果「『ケーキバイキングのチケットを三枚送ります。大切な人と行ってみてはいかがでしょうか?』だってっ♪」ニコッ
ことり「じゃあ、ことりはマカロンバイキングに海未ちゃんを誘っちゃおうかなっ♪」
穂乃果「あー! ずるーい! 穂乃果はー!?」プンプン
ことり「もちろん一緒ですっ♪」ニコッ
穂乃果「ふふっ♪ 三人で、行こうねっ!」
ことり「うんっ♪」
海未「……ほのかぁ、だめれす……よぉ」zzz
穂乃果「海未ちゃん?」キョトン
海未「こと……り、はれんちですよぉ……」zzz
ことり「……寝言?」キョトン
穂乃果「……可愛いね///」クスクスッ
ことり「可愛い///」クスクスッ
穂乃果「──やっぱり海未ちゃんは」
ことり「うんっ♪」
ことほの『私達のサンタクロースだねっ♪』
海未「ふたりと、も……だい、すき……です」zzz
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【ラブライブ!】海未「私は二人のサンタクロースですから」
おしまい
終わりです。
見てくださった方、コメントくださった方ありがとうございました。
また、問題になってしまうような文言があり、申し訳ございませんでした。
次回もよろしくお願いします。
このSSまとめへのコメント
ローソンとSEGAのことね
なんか二年生のSSはキチガイが湧くね… ことうみ ほのうみ ことほの
ことほのうみ 全部が違和感ないんだからイチャモンつけないでほしい
違和感はないけどことうみSSの大半がほのかを雑に扱ってたからこういう流れになったんだろ?
まぁことうみくっつけて上手くまとめるのは難しいとは思うけど
ことうみとかほのうみはにこまきと一緒でとりあえずくっつけとけばいいみたいな風潮が嫌いだわ
1人余るのが問題なんだろ?9人にしたスタッフが全部悪い
9人の女神が根本にあるのに人数どうこうって言うのはちょっと…
ほのかちゃん好きだけど推しの人は結構我儘だね。ほのうみではことりちゃんを邪魔者扱いしてるし、やってることは結局同じだよね
ほのか雑って要はほのかは公式で主人公だからいつでも中心じゃなきゃいやなんだいっていうただのわがままだろ
ことりは公式で一歩引いた立ち位置だから雑だろうが存在感薄くしようがあまり文句出ないだけで扱い自体はひどいだろ
対立煽りの原因はラブライブ板の庭だろ
あらゆるキャラ推しカプ推しに成りすましてdisりまくるキチガイ共として有名だわ
あいつらSSまで乗り込んでくるからマジ害悪、そのうえケチまでつけるからな~…
暇ならここ見た人も調べてみるといい、所詮対立煽りのほとんどは奴らの自演が占めてるのがよく分かる
>>6
申し訳ないがことうみ好きのほうがエグいよ
同人誌で糞みたいな扱いにしたりわざわざ当て馬にするために出したり
やってる事が同じwwwふざけんなよ糞が
この、SSじたいはいいんだから争うなよ。