戦刃「苗木君…!!」苗木「勘違いだよ…」 (82)
コロシアイ生活――二日目
大神「良いか苗木?戦いとは悲しきことであると共に良き友を見つける機会でも――」
苗木「大神さんにとって戦いは出会いの場でもあるんだね!」
ワイワイ
江ノ島「ん?」
江ノ島「やっほー!二人とも何の話してんの?」ズイッ
苗木「あっ!江ノ島さん!今、大神さんと戦場(いくさば)の話を――」
江ノ島「!!!」シュ!
ガシッ!
苗木「え?あれ?」
江ノ島「…」シュタタタタタタ
大神「…」
大神「何が何だかよくわからぬ…」
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って感じのSSってまだないよね?
無いことを祈って書く
ガチャ…バン!!!
ドサッ!
苗木「いてて…。どうしたの?江ノ島さん?」
江ノ島「もう…いいよ…」
苗木「?」
江ノ島「もう意味ないから…」
苗木「えっと…」
江ノ島「知ってるんでしょ…?」
苗木「(どうしよう…江ノ島さん怒ってるみたいだ。ここは――)」
江ノ島「知ってるんでしょ!!?苗木君!!!」ガシッ
苗木「ひっ…。し、知らないよ!何も知らないよ!」
江ノ島「嘘だッ!!!」スッ
苗木「(拳を振り上げた!どうしよう、殴られる!)」
江ノ島「知ってるくせに…」
苗木「…」
江ノ島「私が『戦刃骸』だってこと知ってるくせにッ!!!!!」バサッ
苗木「!!!江ノ島さん…髪がッ!?…ヅラ?」
戦刃「知ってたくせに!私が本当は黒髪だってこと!」
苗木「(し、しらないよ!)」フルフル
戦刃「私が『江ノ島盾子』を演じることで、本物の『江ノ島順子』が裏で行動しやすくなることも…」
苗木「(え!?)」
戦刃「世界に絶望が蔓延していることも…」
苗木「(ええ!?)」
戦刃「みんなの高校生活の記憶を消していることも…」
苗木「(ええぇ!?)」
戦刃「私が…私が苗木君のことを好きなのも///」
苗木「(ええええぇぇぇぇぇ!!!?)」
戦刃「知ってたくせにーーーーー!!!」
苗木「しらないよーーーーーー!!!!!!」
戦刃「ふーん、意地でも知らない振りをするんだね。でも、ごめんね。盾子ちゃんのためにここで苗木君を始末しないといけないんだ」スッ
苗木「(ナイフ!?)」
戦刃「ごめんね、苗木君。ごめんね」
シュ!!!
苗木「(ナイフが振りかざされた瞬間――)」
苗木「(ボクは思った――)」
苗木「(ああ、本当に幸運ならよかったのに――)」ギュ
戦刃「…」ピタッ
苗木「…」
戦刃「…」
苗木「…(あれ?)」チラ
戦刃「苗木君、私考えたんだ。もし、大切な駒を一つ消したら盾子ちゃん怒るんじゃないかなって」
苗木「…」
戦刃「だから、盾子ちゃんに聞いてから殺すね。ちょっと待っててね」
苗木「(た、助かった…)」
戦刃「えーと、盾子ちゃーん!」
モノクマ「はいはーい」ストン
苗木「(!――モノクマだ!江ノ島盾子が裏で動いているって話は本当みたいだ!)」
モノクマ「あれれー?おかしいなー?」
戦刃「?」
モノクマ「どうして、苗木君がここにいるのかなー?」ギロ
戦刃「お、怒らないで盾子ちゃん!」ワタワタ
モノクマ「べつに怒ってないよー?それより説明してよ?」
戦刃「実はカクカクシカジカなのー」
モノクマ「(…こいつまた勘違いしてるな)」
モノクマ「はぁ…」
戦刃「盾子ちゃん?」
モノクマ「死ね」ボソ
戦刃「わかった!苗木君を殺す!」クル
苗木「あわわ…」
モノクマ「ちげーよ!てめーだよ!残姉死ね!!!まじ死ね!!!」
戦刃「えっ…盾子ちゃん?」
モノクマ「やっぱり、てめーなんか頼るんじゃなかったぜ!死ね!FuckOff!」
戦刃「…」
モノクマ「しばらく、反省してろ!!!」
苗木「…」
戦刃「…」
モノクマ「…」ガチャ、バタン
苗木「…」
戦刃「…」
苗木「…」
戦刃「…どうしよう苗木くぅん」グス
おわり。
またいつか書く
苗木「うーん、どうしたらいいかな…」
戦刃「うぅぅ…」
苗木「(戦刃さんのために何か良い案を考えないと…)」
閃きアナグラム
う こ お な
苗木「(うーん、これは難しい…)」
苗木君「(『おこなう』?何を?もっと具体的なものじゃないと…)」チラッ
戦刃「わくわく」ジー
苗木「(うっ…。期待のまなざしがつらい…。早く考えないと!)」
苗木「(4P4=24。全部で24パターンか)」
しばらく経ち
戦刃「なーえーぎーくーん、ま~だぁ~?」
苗木「(ダメだ、まったくわからない。標準語じゃないとか?もしくは、暗号…)」
苗木「(はっ!?まさか…)」
苗木「(『こ』を90度回転させると…『い』に似ている!これだ!)」
苗木「わかったぞ!『内応』だ!」
戦刃「え!?どうしたの?」ビクッ
苗木「(戦刃さんをこっち側に引き込むんだ!)」
苗木「戦刃さん、君を救うには味方が必要なんだ」
戦刃「私の味方は今のところ、苗木君と優しかった頃の盾子ちゃんだけだよ」
苗木「なら、もっと増やすべきだと思うんだ」
戦刃「? でも、今この学校にいるのは希望峰学園の生徒15人だけだよ?」
苗木「そうだね。つまり、江ノ島さんとボクを除く最大13人を味方につけることができるんだ」
戦刃「…」
苗木「だから、戦刃さんは他の人たちともっと仲良く――」
戦刃「私に…私に盾子ちゃんを裏切れって言うの!?」
苗木「(――!なるべく、遠回りに言ってみたつもりだけど、無駄か…)」
苗木「…うん、そうだね。その通りだよ」
戦刃「そんなこと…」
苗木「戦刃さん、このままじゃいけないんだ!」
戦刃「…」
苗木「このままだと君は江ノ島さんの捨て駒になってしまう!」
戦刃「私は…別に…それでも…」
苗木「それじゃあダメなんだ!!!」
戦刃「…なんで?」
苗木「っ…(しまった!具体的な理由を述べることができない!)」
戦刃「なんで?」ジー
苗木「(落ち着くんだ…。とりあえず、戦刃さんのこれまでの行動を遡ってみよう)」
苗木「(戦刃さんは『江ノ島盾子』の振りをして、ボク達と共にコロシアイ生活を過ごしていた。でも、戦刃さんの『勘違い』からボクはとんでもない秘密を知った)」
苗木「(実はコロシアイ生活の裏で『江ノ島盾子』『戦刃骸』が暗躍していた。黒幕かどうかはわからない。でも、『戦刃骸』『江ノ島盾子』は重要人物であることは間違いない)」
苗木「(戦刃さんにとって『江ノ島盾子』はどうやら大切な人らしい。捨て駒にされても、裏切れない存在)」
苗木「(そんな『江ノ島盾子』を戦刃さんは怒らせてしまった。戦刃さんは何とかしたいらしい。頼れるのは実質ボクだけ。それに戦刃さんはボクのことが好きだって言った…)」
苗木「(なら、答えは一つだ…!!!)」
苗木「戦刃さん!ボクを信じて!」
戦刃「!」
苗木「(どのみち彼女は、ボクしか頼れないんだ!それなら――)」
戦刃「でも、でも…」
苗木「戦刃さん、ボクが必ず君を救って見せる!どんなことをしても絶対に!!」
苗木「絶対にだ!!!」
戦刃「苗木くん…」
戦刃「…」
苗木「…」
戦刃「…まだ…まだ信用できない」
苗木「戦刃さん…」
戦刃「だから、苗木君を信用するための約束をして欲しい」
苗木「約束?」
戦刃「うん。それは――」ジッ
苗木「そ、それは?」ゴクッ
戦刃「な、なえぎくんが…わ、わたしの恋人になってくれること……///」
今日はここまで。
またいつか書く
苗木「えっ!?///そ、そんな急に言われても!」アタフタ
戦刃「苗木君好き」
苗木「えーと、そのー、うーん…///」テレテレ
戦刃「! 今、苗木君『うん』って言った!」
苗木「え!?ち、違うよ!ボクは『うーん』って――」
戦刃「苗木君が私の恋人…。うれしい!苗木君大好き!!!」ダキッ
苗木「っ!(い、戦刃さんに抱きしめられてる!?///)」
戦刃「(苗木君の体…柔らかくて、温かい…)」ギュー
苗木「(うー、違うのにー違うのにー…)」
戦刃「(ずっとこのまま抱いていたい)」ギュー
苗木「い、戦刃さんちょ、ちょっと…くるしい…」
戦刃「(苗木君、いい匂い…)」ギュー
苗木「いぐさばさん!いぐざばざん!」ジタバタ
戦刃「あっ、ごめん」パッ
苗木「はぁ…はぁ…」
戦刃「大丈夫?」
苗木「もう…大丈夫だよ…」
戦刃「私苗木君を信じるよ!」
苗木「(…誤解はあとで解けばいいよね?今は前に進むことが大事なんだし)」
苗木「ありがとう戦刃さん」
戦刃「これからどうしたらいいかな?苗木君」
苗木「うーん、ここは一旦解散して、また明日にしようと思うんだ」
戦刃「明日?」
苗木「うん。今までのことを整理したいし、これからのことも一旦一人で考えたいんだ」
戦刃「…」
苗木「(それに、戦刃さんのことをボクは完全に信用したわけじゃない。それも含めていろいろと考えないと)」
戦刃「…」ジー
苗木「えっ、な、なに?(もしかして…信用してないことがばれてる…?)」
戦刃「…苗木君」ジー
苗木「…」ゴクン
戦刃「…またね」フリフリ
苗木「…ま、またね」
苗木「(はぁ…疲れた…)」
苗木の部屋
苗木「さて、これからどうしよう?」
苗木「(戦刃さんについていろいろ考える必要があるけど、とりあえず戦刃さんとみんなの仲を取りも持とう)」
苗木「(そのためにも――)」
ピーンポーン
苗木「あれ?誰だろう?」ガチャ
舞園「苗木君!こんばんは!」
苗木「舞園さん、どうしたの?」
舞園「これから夕食をとろうと思って…。一緒にどうですか?」
苗木「うん!いくいく!」
江ノ島の部屋
戦刃「(苗木君が私の恋人…///)」ボー
戦刃「…///」ボー
戦刃「…///」ボー
戦刃「…ん?」チラッ
戦刃「(もうこんな時間かぁ…夕食を食べよ)」
戦刃「(――と、その前に変装してっと…)」
江ノ島「よし!完璧!」
食堂
舞園「苗木君は今日のお昼何をしていたんですか?苗木君が話しかけてくれなかったから、私寂しかったんですよ?」
苗木「ごめん、お昼は大神さんと…」
舞園「…大神さんと?」
苗木「ええと…」
舞園「…」ジー
苗木「(しまった!大神さんと話している途中で戦刃さんに拉致されたんだっけ…)」
舞園「…」ジー
苗木「…ずっと話してたんだ」
舞園「どこでですか?」
苗木「食堂でだよ…」
舞園「それは違いますよ!」
苗木「えっ!?」
舞園「だって、私お昼に何回も食堂を訪れたんですよ?」
苗木「うっ…(やられた…、どうしよう…)」
舞園「…苗木君?」ジー
苗木「ごめん、本当はその…桑田君と…話してたんだ…」
舞園「なんで隠したんですか?」ムー
苗木「えーと、そのー…実は…この中で一番かわいい娘は誰かって話をしてたんだ。だから、言いづらくて…」
舞園「ふーん、それで苗木君は誰が一番かわいいと思うんですか?」
苗木「えっ!?///うーん、その…」
舞園「…」ジー
苗木「その話はまた今度…」
舞園「ダ・メ・で・す」
苗木「(うー…どうしよう…)」
江ノ島「おっす!苗木に舞園!一緒に食べようぜ!」ヒョイ
苗木「あっ!江ノ島さん!一緒に食べよう食べよう!」
舞園「な・え・ぎくーん?」
苗木「江ノ島さんの夕食はなに?」
江ノ島「カロリーメイト」
苗木「それ夕食なの?」
舞園「はぁ…、わかりました。でも、埋め合わせはしてもらいますよ?」
苗木「うん(助かった…)」
江ノ島「?」
江ノ島「それじゃあ、二人ともまた明日な!」
舞園「はい!また明日」
苗木「おやすみ、二人とも」
舞園「…」
舞園「あの…苗木君!」
苗木「え?」クルッ
舞園「私と約束をしませんか?」
苗木「約束?」
舞園「はい、私は苗木君にこれから何も隠し事はしません。だから、苗木君も――」
苗木「…」
舞園「苗木君も私に隠し事はしないでください…」
苗木「…」
舞園「…」
苗木「…急にどうしたのさ?舞園さん何か焦ってるんじゃない?大丈夫だよ。ボクは舞園さんに隠し事なんかしていないよ」
舞園「…嘘…ですね」
苗木「!」ドクン
舞園「苗木君、私に嘘をついてますね。わかりますよ。エスパーですから」
苗木「うそなんかじゃないよ」ドクンドクン
舞園「いいえ嘘です」
苗木「違うったら…」ドクンドクンドクン
舞園「じゃあ、約束をしてください」
苗木「…」
舞園「『私と苗木君の間に隠し事をつくらない』約束を」
苗木「…」
苗木「(どうもボクはあまり信用されない人間みたいだ…)」
苗木「(今日だけで二回も約束させられた…)」
苗木「(どうして…ボクは…こう…)」
苗木「(ダメなんだろう…)」
夜
苗木の部屋
苗木「zzz」スヤスヤ
???「…」ソー
苗木「zzz」スヤスヤ
???「大丈夫…あなたは私が守るから…」ナデナデ
苗木「zzz」スヤスヤ
コロシアイ生活――二日目 終
投降時間に差があって申し訳ない。
ちょっと、用事ができたから済ませてた
またいつか~
風邪も治りかけてきたし、今度はふんどしで待つことにする。
俺もインフルの予防接種してきたから安心して全裸ネクタイで待機するわ
コロシアイ生活――三日目
モノクマ『おはようございます、オマエラ』
苗木「ふわぁ~…。うーん、良く眠れた」
苗木「今日はどう過ごそう…」
苗木「(戦刃さんとみんなの仲を進展させないと。それに戦刃さんに外の世界のことをもっと聞かないとなぁ)」
苗木「(そういえば、モノクマは怒った後、特に何もしてこなかったな…なんでだろう?)」
苗木「う~ん…」
ピーンポーン
苗木「! 誰だろう?」ガチャ
江ノ島「苗木君!おはよう!」
苗木「…」
苗木「(みんなにバれるのも時間の問題だなぁ…)」
苗木「『江ノ島』さんどうしたの?」
江ノ島「えっ?私戦刃だよ。苗木君忘れちゃったの?」
苗木「…」
苗木「(柔軟に対応しよう)」
苗木「戦刃さんどうしたの?」
江ノ島「苗木君と一緒に朝食を食べようと思って」
苗木「うん!じゃあ、一緒に食堂にいこっ!」
江ノ島「わーい」
食堂
石丸「おっ、おはよう!二人とも早いではないか!関心関心!」
苗木「石丸君おはよう!」
江ノ島「石丸君おはよう」
石丸「うむ?何か違和感が…。ま、まあ良いか…。二人とも今日も一日頑張ろうではないか!」
朝比奈「みんなおはよー!」
石丸「朝比奈君おはよう!良い朝だ!実にすがすがしいなっハッハッハ!」
苗木「やっぱり朝は和食かな?戦刃さんは?」
江ノ島「んーと、レーション」
苗木「なにそれ?」
江ノ島「食べる?おいしいよ」
苗木「んー、気になる。一口だけ欲しいなぁ」
江ノ島「! じゃ、じゃあさっ!た、食べあいっこしない?」ドキドキ
苗木「うん、いいよ!」
江ノ島「♪」ワクワク
石丸「二人とも食事前の挨拶を怠ってはいけないぞ!」
苗木「はーい」
江ノ島「はーい」
石丸「それでは、二人とも手を合わせて…」
苗木「いただきます!」
江ノ島「いただきます」
石丸「遅刻者を待ってはいられないからな。来た者からどんどん食べてくれ!」
石丸「高校生の中には朝食を食べないという輩もいるが、僕はその考えに断固として反対していく!!!朝食をしっかり食べることで…」ペラペラ
苗木「さすがは超高校級の風紀委員だね…」モグモグ
江ノ島「…(石丸君うるさい)」パカッ
苗木「へぇー、これがレーションなんだ。お弁当みたい」
江ノ島「うん、だいたいそんな感じだよ。中身は一つ一つ違うみたいだから、毎日違うモノが食べられるんだ」
苗木「おいしそうだね!じゃあ、さっそくだけど一口ちょうだい!」
江ノ島「う、うん///じゃ、はい。あーん」
苗木「え!?」ビクッ
江ノ島「どうしたの?苗木君」キョトン
苗木「だ、だって…」モジモジ
江ノ島「食べあいっこするんでしょ?」
苗木「(それは『食べあいっこ』じゃなくて、『食べさせあいっこ』だよ!)」
江ノ島「早く、早く」ワクワク
苗木「(とは、言えない)」
江ノ島「…」ジー
苗木「うぅ…あ、あーん」パクッ
江ノ島「おいしい?」
苗木「うん、結構おいしい(恥ずかしい///)」
江ノ島「じゃあ、次私にその卵焼きを食べさせて」
苗木「う、うん。あーん」
江ノ島「あーん」パクッ
苗木「どう?おいしい?」
江ノ島「うん。おいしいよ」モグモグ
苗木「よかった(なんだかんだで戦刃さんと馴染んできたなぁ)」
「な…」
苗木「うん?」クルッ
舞園「苗木君・・・?」
またいつか~
葉っぱ一枚あれば待てるってことを、僕は知ったんだ!
まだ?
まだか?
苗木「舞園さん…?」
舞園「わ、わたし…」
苗木「(なんだろう…この感じ…)」
舞園「知らなかったんです…」
苗木「(怖い―)」
舞園「苗木君と江ノ島さんがその…」
苗木「(怖い―)」
舞園「迷惑でしたよね?すみません…」
苗木「(怖い――)」
舞園「また今度…苗木君」クルッタッタッタッ
苗木「(追いかけないといけない――?)」ガタッ
苗木「…」
江ノ島「♪」モグモグ
苗木「戦刃さんその――」
江ノ島「トイレ?」
苗木「…うん。…ちょっと待っててね」タッタッタッ
江ノ島「♪」モグモグ
石丸「…」
石丸「江ノ島君…その…僕が言うのも何だが…」
江ノ島「?」モグモグ
石丸「苗木君を追いかけたほうがいいのでは――?」
江ノ島「大丈夫だよ。苗木君なら」モグモグ
石丸「…。」
石丸「そうか、まあ部外者は介入しない方がいいな」ウン
江ノ島「…」モグモグ
江ノ島「…」ゴクン
江ノ島「…」
江ノ島「それに私が行ったところで…」
江ノ島「何もできない…」
舞園「…」
コンコン
舞園「…はい」ガチャ
苗木「舞園さん!」
舞園「…苗木君」
苗木「あ、あの!その…」オドオド
舞園「…とりあえず、中に入ってください」
舞園の部屋
舞園「ベッドの上にでも座ってください…」
苗木「うん…」スッ
苗木「…」
舞園「…」
苗木「(空気が重い…)」
舞園「…何の用ですか?」
苗木「何って――」
苗木「舞園さん何か勘違いを――」
舞園「勘違い?」
苗木「うん、ボクと江ノ島さんは――」
舞園「勘違いなんて…してませんッ!!!」ガシッ
苗木「!?(腕を…掴まれた…?)」
舞園「苗木君!!!」ズイッ
苗木「(舞園さんが…!ボクの上に…!)」
舞園「勘違いなんかじゃありませんよ。わかりますよ?エスパーですから」
舞園「苗木君覚えてますか?」
苗木「…覚えている?」
舞園「昨日食堂で埋め合わせをしてくれるって言いましたよね?」
苗木「…」
舞園「今ここで、その埋め合わせをしてもらいます」
舞園「…」
苗木「ま、舞園…さん…」
苗木「(舞園さんの顔が、きれいな顔がボクに近づいてくる)」
苗木「(近づくにつれはっきりとしてくる。舞園さんの美しいさが…)」
苗木「(目、口、鼻…一つ一つが整っていて、その一つ一つで形成される舞園さんの顔はとってもきれいで…)」
舞園「苗木くん…」
苗木「(舞園さんの唇がもうすぐ目の前まできている。舞園さんの吐息が、甘い香りが、ボクの顔にかかる)」
苗木「ボクと舞園さんじゃあ…釣り合わないよ…」
舞園「構いません…」
苗木「舞園さんにはもっと素敵な人が…」
舞園「苗木君、これは埋め合わせなんですよ?――だから」
舞園「ただ受け入れてください――」
苗木「(…受け入れる)」
苗木「(…ウケイレル)」
苗木「(…)」
苗木「(…)」
苗木「(…!!!)」
「苗木君、好きです」
苗木「(なんだろう――)」
「どうしてですか…こんなにも…好きなのに…」
苗木「(前にもこんなことが―)」
「苗木君が悪いんですよ…」
苗木「(ダメだ―)」
「私を受け入れてくれないからっ!!」
苗木「(同じだ―)」
「苗木!二度と舞園ちゃんに近づくんじゃねーぞ!!!」
苗木「(繰り返す―)」
「苗木君は私のモノなんですから」
苗木「(受け入れなくちゃ―)」
「ちょっと、痛い目見なきゃわからねーみてーだな」
苗木「(受け入れないと―)」
「苗木君――」
「苗木――」
苗木「(イジメラレル――!)」
苗木「舞園さん!」ズイッ
舞園「!」ビクッ
苗木「舞園さん、好きだよ」
今日は終わり
また再来週書く
舞園「…嘘…ですよね?」
苗木「本当だよ」
舞園「その場しのぎの嘘ですよね?」
苗木「ううん、本当だよ」
舞園「私を動揺させる作戦ですか?それとも――」
苗木「舞園さん、ボクを…信じて…」
舞園「…」
舞園「…信じたいです。でも、苗木君は…江ノ島さんのことが…」
苗木「ボクが舞園さんを好きだってことに江ノ島さんは関係ないよ」
舞園「…」
苗木「舞園さん、好きだよ」
舞園「やめてください…」
苗木「舞園さん、大好きだよ」
舞園「やめてください」
苗木「舞園さん――」
舞園「止めてください!!!」
苗木「…」
舞園「…そんなに言われると」
今さらだけど、乗っ取り防止に酉付けた方がいいんじゃね?
>>70
こんな過疎スレを、わざわざ乗っ取る人なんていないし、へーきへーき!
舞園「信じたくなるじゃないですか…」
苗木「舞園さん…」
舞園「わかるんです。苗木君が言っているのは嘘だって」
苗木「…」
舞園「…でも、」
苗木「…」
舞園「それは、勘違いだって…そう思いたいです。苗木君は本当に私のことが好きなんだって…」
苗木「…」
舞園「私の勘違いですよね?」
苗木「…」
苗木「…うん、そうだよ」ギュ
舞園「!」
舞園「苗木君…!!」
苗木「勘違いだよ…」ギュウ
舞園「そう…ですよね…」
舞園「勘違い…ですよね…」
舞園「だったら…」
舞園「こうやって、素直に抱き返しても…いいですよね」ギュ
苗木「…舞園さん」
舞園「私苗木君のことが大好きです」
苗木「うん」
舞園「ずっとずっと大好きだったんです」
苗木「うん」
舞園「ごめんなさい、苗木君。あんなことをして…。本当にごめんなさい」グスッ
苗木「舞園さんは何も謝らなくていいよ。ボクは…」
苗木「舞園さんの全てを受け入れるから」
食堂
江ノ島「…」
苗木「…戦刃さん」
江ノ島「! 苗木君おかえり」
苗木「ごめんね。長い間待たせちゃって」
江ノ島「ううん、大丈夫だよ」
苗木「ありがとう。…ちょっと、ボクの部屋まで来てくれる?」
江ノ島「だめ」
苗木「えっ!?」
苗木「…あっ、べ、別にやましい気持ちとかは――」
江ノ島「私の部屋に来て」
戦刃の部屋
江ノ島「入って」ガチャ
苗木「お、お邪魔しまーす」
江ノ島「そこのベッドに腰掛けて」カツラパサッ
苗木「うん(あれ?この展開ってさっきと同じ――)」ギシ
ドン!バッ
苗木「!」ドサッ
戦刃「…」ガシッ
苗木「戦刃さん!?(戦刃さんが上に乗って…?腕をつかまれた!?)」
戦刃「…」スー
苗木「い、いくさばさん?(戦刃さんの顔が近づいてくる!)」
戦刃「…」クンクン
戦刃「(苗木君の匂い。苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君舞園さん苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君苗木君)」
戦刃「だめだよ苗木君。嫉妬しちゃうよ…」
苗木「し、嫉妬?」
戦刃「うん。わかるよ、匂いで」
苗木「におい?」
戦刃「舞園さんがこうやって苗木君を押し倒したのも」
苗木「…」
戦刃「こうやって腕を強く掴んだのも」ギリリ
苗木「い、いたいよ!」
戦刃「こうやって」スッ
苗木「(戦刃さんの顔が、目の前に!)」ドキッ
戦刃「キスするくらい近くまで顔が近づいたのも」
苗木「…」ドキッドキッ
ぎゅー
戦刃「こうやって苗木君をきつく…きつく抱きしめたのも…」
戦刃「全部わかっちゃうんだから」
苗木「ボクは、その――」ドキッドキッドキッ
戦刃「いいよ、舞園さんとどんなことをしても」プイ
戦刃「ただ――」チラッ
苗木「ただ?」ドキッドキッ
戦刃「今は舞園さんと同じくらい抱きしめてくれなきゃいやだ」ギュ
苗木「…そんなことでいいのなら」ギュ
戦刃「…」
苗木「…」
戦刃「…」
苗木「…」
苗木「…戦刃さん」
戦刃「うん?」
苗木「ボクは…」
苗木「ボクは幸せだったのかな?」
今日は終わり―。
また再来々週かくー。
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