貴音「俺らさ東京行ぐだ」 (23)
東北 どこかの田舎
貴音「じっちゃ!おらは東京へ行ぎたいんだ!」
爺「なにを言ってるだ!東京は危ないところだがら行ってはダメだ!」
貴音「おらこんな村嫌だ!東京に出るだ!東京に出でベコ買って、東京で馬車引いて銀座で山買うだ!」
爺「そんなこどでぎるわけねぇ!女のお前がなにいうだ!」
婆「まぁまぁお前さん落ち着くだ。貴音、お前本当に東京出るのが?」
貴音「そうだ!おらは東京へ出たいんだ!ばっちゃ!じっちゃに言ってやってくれ!」
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婆「……そこまで言うなら仕方がねぇ。お前さん認めたらどうだ?貴音はそこまで東京に出たいんだろう?」
貴音「ばっちゃは認めてくれるのか!?」
婆「但し条件としてその言葉遣いを治したらの話だ」
貴音「どういうごとだ?」
婆「貴音のその言葉遣いさ。お前はかなりなべっぴんなんだ。東京に出てその言葉遣いなら誰もよってこないし田舎っぺとバカにされで終わる。だからそのお前の言葉遣いを治したら東京に出るのを許ず」
貴音「そこまで言うならやってやらぁ!おらは言葉遣いを治して東京に出でやるんだ!」ダッ!
爺「おい貴音!…おい婆さんいいのか、あんなこと認めて…」
婆「なに、どうせ無理に決まってらぁ。貴音があの言葉遣いを治せるとはとうてぇ思えねぇがらな」
貴音「とは言うでもおらのこの言葉遣い治せなんてどうやっで治すんだ?」
オバチャン「お、貴音ちゃんじゃねぇが。どうじたんだ?」
貴音「お、オバチャンじゃねぇが!実はカクカクジガジガ…」
オバチャン「ほぉー貴音ちゃん東京に出るのが?」
貴音「そうなんだ。でもおらの言葉遣いを治さねぇと認めねぇとばっちゃがいうがどうしたらいいだと思って…」
オバチャン「オバチャン貴音ちゃんが東京行ぐとなると寂しいが貴音ちゃんがどうじでも行きてぇというならオバチャン応援するさ!そうだ!貴音ちゃんはとっても上品な感じするし上品な言葉を使えばいいんじゃねぇが?」
貴音「でもおらそんな言葉生まれてこのがた使ったことねぇ…どうやっで使うんだ?」
オバチャン「任せるだ!オバチャンは昔お嬢様学校通ってたからオバチャンが教えるべ!」
貴音「ほんとか!?オバチャン助かるべ!」
オバチャン「お安いごようざ!さぁオバチャンの家行くさ!」
数時間後…
貴音「爺や、婆や、私はちゃんと言葉遣いを治しましたよ」
爺「…お前本当に貴音か?」
貴音「そうですが…爺やはとっても驚いてるようですね」
婆「まさか本当に治すとは驚ぎだ…わがった…東京行くの認めるべ…」
貴音「ほんとかばっちゃ!?」ガタッ!
婆「治っとらんじゃないが!」
貴音「い、いえ…婆や認めてくれるのですね?」
婆「まぁ…治ってるとしてよしとするが……まぁ認めるべ」
貴音「ばっ…婆や…ありがとうございます」
爺「…貴音本当に行くのが?」
貴音「はい。爺や…婆や…今までお世話になりました…」
爺「そうなら仕方がねぇ…婆さん、今日はご馳走にするさ!貴音の送別会だ!」
次の日…駅
爺「いいか?いやになったら帰ってくるんだ、体に気をつけるんだ、それから…」
婆「ともかく頑張るんだべ。おらたちは貴音を応援しでるさ!」
貴音「はい。ではそろそろ電車が出発するので…正月には帰ります」
婆「貴音、東京のもんは田舎もんとわかればバカにしてくるから気をつけるんだ、田舎もんとバレないように頑張るんだべ」
貴音「そのようなことがないように頑張りますよ…では」
車掌「ハッシャシマース!」
プシューガダン!
ガタンゴトン…ガタンゴトン…
貴音「………じゃあな、ばっちゃ、じっちゃ…」
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