男「最近よく蜘蛛をみる」(115)
男「ねむ…布団入ろ…」
サササッ
男「!?、なんだ蜘蛛か…布団の中から出てくるとは…」
ジー…
男「天井張り付いてこっちみてるし…」
カサッ
男「!今度はゴキブリかぁ!?ちょ、来んな!来んなし!!」
蜘蛛「…」
ガシィ!
男「おお、蜘蛛さんナイス!流石軍曹だ!!」
サササッ
男「タンスの裏に引きずり込んでった…やっぱ蜘蛛は益虫だよな!」
~朝チュンチュン~
男「ぬ…よく寝た…まだ6時半か…」ボー
蜘蛛「…」
男「おんや、昨日の蜘蛛さんじゃん。昨日は助かったよ、ありがとう」ニコッ
蜘蛛「!」ピクッ
男「?」
蜘蛛「♪」プッ
男「うわ、僕は獲物じゃねぇよ!糸吐くな!」
蜘蛛「///」サササッ
男「また隠れた…なんだったんだ?」
男「…ん、夢?いや寝てたのか…」ンー
トントントントン
男「あり?良い匂いだ。…いや、僕は一人暮らしだ…ってことはこの状況で台所に立ってるのは泥棒さん?」
ジュージュー
男「いやいや、泥棒さんならトンズラこくだろ。ちょっと待って、なにこれ怖い」
?「男さん起きましたかー?」ヒョコ
男「おお?僕の名前を知っている!?」
?「ふふふ…あなたの事ならなんでも知ってますよ?例えば机の奥に…」
男「エロ本があること?」
?「え、あ、はい。動揺とかないんですね…」チェー
男「?、うん」
?「むぅ、つまらない…」
男「ところで誰ぞ?」
?「あ、申し遅れました!私、蜘蛛娘といいます!随分前からこの家に住んでます。昨日なんかはよく顔を合わせましたよね」
男「蜘蛛娘さんねぇ…昨日…?」
蜘蛛娘「ほら、ゴキブリを速やかに排除したあのシーン!どうでした?惚れました!?」
男「あー、あの蜘蛛さんね。いや助かったよー…ん?蜘蛛…?」
蜘蛛娘「?」
男「そうだ、昨日の蜘蛛って事は…」
蜘蛛娘「ふふふ…そうです!私、人の」
男「僕の布団でなにしてたの?しかも早朝には糸吐いてくれたし」
蜘蛛娘「…え?」
男「む?」
蜘蛛娘「えっとですね…驚かないんですか?泥棒さんが家に侵入して朝ごはんつくってる説の方がまだ説得力ありますよ?」
男「あ、聞こえてたの。だって昨日の蜘蛛さん説の方が面白いじゃない?」
蜘蛛娘「お、ぉぉぅ?そうですか?とりあえず朝ごはんにしましょう…」
男「あ、うん。いただきます」
和食ー
男「おお!日本っぽい!」
蜘蛛娘「ふふ…男さんの好みも把握してますからね!」
男「蜘蛛って言うけど、具体的にどんなことが蜘蛛っぽいの?」ムグムグ
蜘蛛娘「んー、基本スパイダ(アッー!)マンみたいに糸出しーのですよ?その気になれば発狂レベルの大蜘」
男「やめて」ムグムグオカワリ
蜘蛛娘「ですよね」ハイハイ
男「んで、なんだって急に人の姿に?」
蜘蛛娘「だ、だって…もったいないじゃないですか…せっかくの二人暮らしなのに私は蜘蛛の姿なんて…///」
男「…蜘蛛の君を二人暮らしにカウントするなら昨日のゴキブリは」タクアンポリポリ
蜘蛛娘「ふぁっく!私たちの愛の巣に入り込もうなんて良い度胸ですよあのg!糸巻きにしてドブに放り込んでやりましたよ!」ドウゾ!
男「んじゃ今朝の糸吐きは」イタダキマス
蜘蛛娘「マーキングです」
男「お布団は」
蜘蛛娘「クンカクンカしてました!」
男「おい」
今日はこれでおやすみ
男「…ごちそうさまでした」
蜘蛛娘「ふふ、お粗末様でした」
男「さて今日は」
蜘蛛娘「学校お休みですよね!デートしましょうよ、デート!」
男「台所にお弁当箱があるのを見ると」
蜘蛛娘「もち、把握してました!」
男「洗濯物しなきゃ」
蜘蛛娘「やりました!」
男「庭の雑草」
蜘蛛娘「やりました!」
男「…えーっと」ダッ
蜘蛛娘「おおっと、こんなところに水族館のチケットが!安心してデートに行けますね!」ニガシマセンヨ
~電車ガタンゴトン~
男「…逃げ場が無かった件」
蜘蛛娘「もう!こんな可愛い女の子からのデートのお誘いを躊躇するなんて…」
男「だってそういう経験ないし」
蜘蛛娘「私が初めてですよね!顔真っ赤ですよ、ふふふ」
男「ぬぅ…あ、電車で思い出したけど君は糸で電車停めれたりできるの?スパイダ(アッー!)マンみたいに」
蜘蛛娘「さすがにあれは漫画ですよ~」フフッ
男「既に漫画みたいな展開なんだけど」
蜘蛛娘「私が停めようとしたら慣性で乗客が潰れます」
男「え?」
蜘蛛娘「?」
運ちゃん「スイゾクカンマエー」
蜘蛛娘「さあ着きましたよ!ここからはお手々繋ぎましょうか!」
男「うん」ギュ
蜘蛛娘「はえっ!?」
男「?」
蜘蛛娘「あの…デートに照れて手を繋ぐのは大丈夫なんですか?」
男「だってはぐれたら大変じゃないの?」
蜘蛛娘「むぅ…手は糸出すんで敏感なんで…」
男「うん?綺麗な手だね」
蜘蛛娘(ぺ、ペースが掴めない!)
水族館~
男「おー、魚が沢山」
蜘蛛娘「おいしそうですねぇ…」
男「えっ」
蜘蛛娘「あ、いや、なんでもないですよ?」
男「…わー、海老の動きが」
蜘蛛娘「じゅるり」
男「ちょっとぉ!」
蜘蛛娘「すっすいません!ついヨダレが!!」
男「とてつもない捕食者の気配を感じた魚が蜘蛛娘さんから遠ざかって行くんだけど」
蜘蛛娘「うう…お魚さんを見てはしゃいでる男さんを見たらご飯何杯でもいけそうで…」
男「僕を見てたの!?」
男「イルカショーだって」
蜘蛛娘「ほほーう?頭は良いと聞きますが、お手並み拝見といきましょうか」
イルカ「クケケケケー」
蜘蛛娘「…なんか媚び売ってません?それとも安売りしてるのはケンカですかね?」
男「芸だから!仕込まれてやってるだけだから!」
イルカ「ケケーッ」ザパァッ
蜘蛛娘「しぃっと!今のは完全に男さんを見てましたよあのイル公!糸巻きにして下水に」
男「お、お腹空いちゃったかなー!?ね、お弁当食べよ!」ズルズル
蜘蛛娘「むぅぅぅぅぅ!」ギリギリ
休憩所~
蜘蛛娘「まったく、ア○ゾンみたいな奇声で鳴くから威嚇されているのかと」モクモク
男「好戦的過ぎるよ…」ムグムグ
蜘蛛娘「男さん取られるかと思って…」
男「もくちゃん…」ジーン…
蜘蛛娘「もくちゃん!?」
男「だって言いやすいし」
蜘蛛娘「…私としては早いとこ蜘蛛娘から蜘蛛嫁になりたいんですが」チラッ
男「うん、もくちゃんならいいお嫁さんになれるよ」
蜘蛛娘「むぅ…」
\ウェーン/
男「ぬ?」
蜘蛛娘「む?」
ss初めてだからお手柔らかに
風船「じゃあの」フワフワ
子供「ぐすっ…ふうせん…」
男「あらま、風船が…30mくらいかな、取れる?」
蜘蛛娘「楽勝です」シュピッ
男「ホントにスパイダ(アッー!)マンみたいだね」
蜘蛛娘「私としてはハザマのウロボロスって言って欲しいですけどね…はい、取れましたよ」
子供「かたじけない…」
男「人目に付かない場所で良かったねぇ」
蜘蛛娘「見られたとしても風船凧揚げと思われるでしょうけどね」
ケータイ復活 スマホ慣れしてないから遅いです
男「さて、ちょっとジュース買ってくるね、なにがいい?」
蜘蛛娘「コーヒー以外でお願いします」
男「はいよー」トコトコ
ドンッ
男「おっと、失礼」
dqn「チッ」ズカズカ
蜘蛛娘「・・・ 」
男「ただいまー・・・ありゃ、いないぞ?」
蜘蛛娘「あら、おかえりなさいですー」
男「ぬ、どこいってたの?」
蜘蛛娘「ふふふ、ちょっとタコを」
男「え、さっき観なかったっけ」
蜘蛛娘「つくっただけですよ」クスクス
dqn「チクショー!誰かぁ、降ろしてくれぇ!!」ヒュウウ・・・
蜘蛛娘「む」
男「ぬ?」
海蜘蛛「・・・」クネクネ
蜘蛛娘「・・・」サッサッ
男「え、会話してんの?手話みたい」
海蜘蛛「・・・」チョイチョイ
蜘蛛娘「・・・ッ!///」カアアッ
男「!?」ビクッ
蜘蛛娘「そんなところから糸は出ません!!」///
男「・・・あえて聞くまい」
翌朝チュンチュン
男「ん、朝・・・か・・・ぬ?」
蜘蛛娘「zzz」スヤスヤ
男「え、もくちゃん?」ユサユサ
蜘蛛娘「むー、あらいけない。男さん起こそうとしたら寝てしまったようです」
男「どうやったらそんな状況に」
蜘蛛娘「朝のクンカクンカしようとしたら思いの外気持ちよくて」
男「なにそれこわ・・・あれ、8時!?やべっ、遅刻する!!」ダダッ
蜘蛛娘「ええっ、お茶碗かきこみながら走っていった!?」
ー大学ー
友「珍しいな、お前が遅刻ギリギリなんて」
男「天井に張りついてネウロみたいに寝るのは止めさせるべきだったよ・・・」ネムネム
友「は?」
ーカフェテリアー
男「今日は味噌ラーメンに・・・ぬ、財布忘れた・・・」
蜘蛛娘「そんなこともあろかと!もくちゃん登場!!」ヒョコ
男「天井かっ!?」ビクッ
蜘蛛娘「さすがに一般大衆の面前じゃ張り付きませんって」
蜘蛛娘「さぁ!お弁当つくってきましたよ!あと、お茶碗回収しますからね」
男「ん、ありがと」イタダキマス
蜘蛛娘「ふふふ、今日は山の幸弁当ですよ!」
男「うん、うん・・・うん?」ギュム
蜘蛛娘「あ、苦手なものでもありました?」
男「これは?」ハグハグ
蜘蛛娘「山菜ご飯です」
男「これは?」モシャモシャ
蜘蛛娘「ニジマスの水煮です」
男「これは?」カリカリ
蜘蛛娘「キノコの天ぷらです」
男「んじゃ、これは?」ギュムギュム
蜘蛛娘「熊肉の・・・あっ」
男「・・・」ギュムギュム
蜘蛛娘「なっ、なんですか!熊さんだって立派な山の幸ですよ!」
蜘蛛娘「違うんですよー、実は山で・・・」
蜘蛛娘「ふむぅ、あらかた採れましたかね・・・む?」
ウワァァァ!! ダキューン!ダキューン!
蜘蛛娘「マタギさんですかね、加勢するとしましょう」
熊「クマーッ!!」グマッ
蜘蛛娘「ふんす!!」テツザンコウ!
熊「クマーッ!?」ゴシャアッ!
蜘蛛娘「ふぅ、人助けもできて熊さん入手。一石二鳥ですね・・・大丈夫ですか?」
子供「また借りができたな・・・」
男「またあの子いたの!?しかもマタギって・・・」
子供「すまん・・・私のミスで・・・」パフェなう
男「居んのかよ!?」
蜘蛛娘「まあ、証人で」
男「猟銃は置いてきて欲しかったかな」
子供「さて、馳走になったな・・・また借りが」
男「いいよ、忘れて」
子供「...失礼する」ザッザッザッ...
男「...ところで もくちゃん、お財布持ってる?」
蜘蛛娘「いいえ?」
男「・・・」ハァ...
蜘蛛娘「では夕食の支度があるので失礼しますね」
男「?ずいぶん早めに支度するんだね」
蜘蛛娘「さっきの子と山にいってきます」
男「...まさか、また」
蜘蛛娘「鹿と猪どっちがいいですか?」
男「...任せるよ」
男「近いうちに辞めさせないと...山が狩り尽くされるな」
女「どうしたんだい?悩みごとかな?」
男「...まあ、軽く」
女「ん、つまり付きまとわれて大変だ。ということかな?」
男「いや、そういうドロドロな問題じゃないんですがね」
女「ほう?では先程の女性は何かな?」
男(彼女の山狩りを辞めさせたい、なんて言えるわけない)
女「一度お話してみたいなぁ、さっきの女の子と」
男「え、なにを話すのさ」
女「いやー、ただのお話だよ。はっはっは」
男「え、お目々がどす黒いんだけど」
女「はっはっは」
子供「...大丈夫か?」
蜘蛛娘「むー、大きいタンコブができてしまいました...」
子供「...あれはお前が悪い」
蜘蛛娘「ふぁっく...次にあったときはただじゃ起きませんからね...山の神め...」
子供「...山の神と喧嘩して勝てるわけがないだろう」
蜘蛛娘「フフン、男さん成分を吸収すれば私は何度だって...あら、家が開いてますね」
子供「...男か?...いや...」
蜘蛛娘「この気配は...大学で私を睨んでいた方ですかね?」
女「スーハースーハー...!誰だ!!」
子供「..この状況ではこちらのセリフなんだが...ん?」
蜘蛛娘「そっ...それは...男さんの甚平...!夏の暑さによる汗のにおいと本体の薄さによる香りの凝縮さ...それはまるで男さんを直にクンカクンカしているような」ゼェゼェ
子供「...違う、そこじゃない」
女「そんな君こそ、それは彼のマフラー!口元を優しく包み込む男の香り...さながら密着した男といざ口づけを交わすまでの焦らしといよいよなのかという高揚感が」ハァハァ...
子供「...なんだこいつら、キモいな」
男「ただいまー...えっ?」
女「担当直入に聞こう、君は男の何なんだ?」
蜘蛛娘「私は...男さんのお嫁さんです!」
男「えっえっ」
女「はっはっは、見たまえよ男の困惑した顔を 虚言に決まっている!」
蜘蛛娘「男さん、恥ずかしがらなくてもいいんですよ?私たちデートもしたし一緒に寝たじゃないですかー」
女「...それは本当かい?男...」ドスグロイマナコ
蜘蛛娘「さっきも私のお弁当を おいしいおいしいって食べてくれましたよ?」
女「はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは」
女「私だって高校のときに男とプールに入ったな 調理実習であたふたする男に料理を教えてやったこともあるぞ?手取り足取りな」はっはっは
蜘蛛娘「しゃらああっぷっ!!私たちはこれから育んでいくんですー!!」
男「ふぇぇ...」ブルブル
子供「...それも私のセリフだ」
男「二人から龍と虎の幻影が見えるよぅ...」
子供「...言ってる内容はインコとハムスターのレベルだがな」
子供「...良いのか、出てきてしまって」
男「あそこにいたら僕の身がもたないよ」
子供「...帰ったときに家があればいいがな」
男「怖いこと言わないでよ...で、子供ちゃんのパパとママは?大きいお友達は妖怪だのお座敷ちゃんとか言ってるけど」
子供「...子供じゃない、というのは少なからずショックだったな」ジャコン
男「いや、お友達にショックを与える気だよね?」
子供「...安心しろ、こいつらの業界では『ご褒美』らしいからな」
男「猟銃からご褒美は得られないよ!いいから親の所まで送るから!!」
子供「...親...か、久しいな そんな事を考えたのは」
男「え...なんか悪いこと聞いちゃったかな?」
子供「...構わん、いずれは言わなければいけないことだった もう少しこんな生活がしてみたかったな」
男「...子供ちゃん」
子供「私の親は遠い遠いところにいる 今はあの辺りなのだろう」
男「子供ちゃんのパパとママは星に」
子供「ロシア」
男「ロシア!?」
子供「...両親との去り際に言っていたな 日本に着いたら...男を...兄を頼りなさいと...」
男「なにやってんだあのクソ親はああああ!!」
男「えー!?じゃあ子供ちゃんは僕の妹!?」
子供「子供でいい、男も急に妹がいたと知ればなにかと厄介だろう」
男「いや、その点については親に問い詰めるとして...って、そうだ親!親は!?」
子供「ロシアに内戦を止めにいった」
男「そんなところだけ遺伝しなくていいんだよ!」
子供「3歳のときに猟銃を与えられたな」
男「あいつらも兵士として育てんなよ!!」
男「あーもう、いろいろ疲れた...」
子供「疲労回復の針治療なら心得ているぞ?」サッ
男「卓越しすぎだよ...お兄ちゃんこの子なら大自然の中でも安心して放り込めちゃうよ...」
子供「そうでもない」
男「え、でも僕のところに来るまではサバイバルだったんでしょ?」
子供「熊には、勝てん」
男「なにもそこまで極めろとは」
蜘蛛娘「くぉらあぁー!!人が戦ってるときに、なーにいちゃラブしてんですかー!!」
女「まったくだよ...君は女の子なら誰でもいいのかい?」
男「あー、この子ね、僕のもがっ」
子供「なんなら、ライバルになってもいいのだぞ?」
蜘蛛娘「ちょっと、聞きました?女さん この子ったら私たちに勝てると思っちゃってますよ?」
女「最近の子はませてるねぇ、まぁ頑張ってね♪」ニヤニヤ
子供「......」
女(もくさんは武装して山に行ったみたいだね、これは好機!)
女「男ー、どうだい?一緒に晩御飯でも」ガチャ
子供「私が自衛隊を訪れた際にカレーをつくってもらってな、ポイントはコーヒー牛乳を入れる事らしいぞ」グツグツ
男「どれ...あ、なんかまろやかだね」
女「んぅ...」
蜘蛛娘「ふぁっく...負けて帰るとは情けない...男さん成分補給で次こそは」ガラッ
男「zzz...」
子供「すぴーすぴー」
蜘蛛娘「むぅ...」
朝チュンチュン
蜘蛛娘「ぷんすか!」
男「なんか温いと思ったら子供ちゃんいたのね」ボー
子供「寒くてな、お邪魔させてもらったぞ」
蜘蛛娘「ちと二人ともくっつきすぎでは?」プンプン
男「いやいや、風邪引かれてもあれだしさ」
蜘蛛娘「というか何故この子が居るんです!?ここは男さんと私の愛の巣なんですよ!!」
子供「おやおや?昨日見せた余裕は何処へいったのかな」ククク
蜘蛛娘「ムキーッ!」
すまん、卒論とかイソガシス
蜘蛛娘「なんっで!新参者の小娘相手に!男さんをとられなきゃならんのですか!!」バンバン!
女「好きあらば男の側にいるって感じだね...男の家にいる以上、私には不利だし」
蜘蛛娘「家事で(男さんの)お布団に入るのが遅れる私も後手に回りますね...」
女「...こうなったら」はっはっは
蜘蛛娘「やるしかないですね」フフフフフフフ
新聞「ロシアの内戦、二人組の介入者により激化!!」
子供「...ほう、過激だな。これはそろそろ私も...お?」
ドバーン!!
蜘蛛娘「フフフ、これは好都合。男さんはいませんねぇ」
女「さて、では泥棒猫の駆除を始めようか...」
子供「...子供一人に対してよくもまぁここまでムキになれたもんだな」
蜘蛛娘「しゃらああっぷっ!!黙らっしゃいこの泥棒猫め!」ヒュッ
女「もう私たちは我慢の限界なんだよ...ごめんね?」ブンッ
子供「!」サッ
蜘蛛娘・女「!!」ピタッ
つ 家系図
女「こ、これは...!」
男「ただいまー、今日は豚肉が安くて」
蜘蛛娘「どうです、気持ちいいですか?子...妹さん」モミモミ
女「リンゴ剥いてきたよ、妹...ちゃん」
妹「苦しゅうないな。お?兄者か、おかえり」
男「 ! !?」パクパク
妹「文字、文字わすれるな」
カクカクシカジカ シカクイムーブ
男「ああ、ばらしたのね二人に」
妹「ククク、あの瞬間の顔は傑作だったな」
蜘蛛娘「人が悪いですね、男さんも。兄妹ならそう仰ってくれれば良かったのに」(せーふせーふ!殺らなくて良かった!)
女「ちゃんと紹介してくれよ、とんだサプライズだよ」(もし妹ちゃんに危害を加えるなんて事を男に知られたら...)ビクビク
蜘蛛娘・女(男(さん)に嫌われたくない!!)
男「?」
妹「気にするな、ところで兄者 私は明日発つぞ」
蜘蛛娘・女「!!」
男「えっ、あーあの馬鹿親のところにね...行かなくても良いと思うけど」
妹「一応、早期決着と兄者の現状報告をもふまえて、だ。ゆっくりするのは次に帰ったときでいい」
男「ごめんね、兄らしいことたいして出来なくてさ」
妹「ぱふぇ、というのはなかなか旨かった」
男「帰ってきたら たらふくご馳走するよ」
妹「おっと、では無事に帰ってこなくてはな」
男「...気をつけて行っておいで」
am3:00
妹「...」ムクリ
男「zzz」
妹「...」ガチャ
蜘蛛娘「おや、お早い旅立ちで」
妹「ほう、まさか起きているとはな」
蜘蛛娘「フフフ、震動には敏感なので」
妹「...兄者を頼んだぞ」
蜘蛛娘「妹さん直々に頼まれちゃ仕方がないですね、男さんは任せてください」ハァハァ
妹「ふふっ...」
蜘蛛娘「さて、私も朝食の準備があるので」
妹「随分と早い仕込みだな」
蜘蛛娘「ええ、これからは海ですよ!海!一本釣りです!!」
妹「そうか」スッ
蜘蛛娘「ちょい待ち、これを」
妹「...なんだ?この包みは」
蜘蛛娘「さぁ?私の愛し~い男さんからじゃないですか?べっっつに羨ましくもなんとも」
妹「...そうか」
蜘蛛娘「...はぁ、私は先に行かせてもらいますよ。行ってきますよー男さん!」パタン
妹「......箱と、手紙?」
妹ちゃん
生憎ですがお兄ちゃんは朝が弱いので起きれません
起きれてもボケーっとしたひどい顔なので妹ちゃんに顔向けできません
なので もくちゃんにこの包みを渡してくれるように頼みました
つくづく駄目な兄ですね
でも兄になったばっかりなので勘弁してください
正直に言ってお兄ちゃん心配です
ハンカチとちり紙は持ちましたか?お小遣い足りてますか?
でも兄よりしっかりした妹ちゃんなら大丈夫かなって思うようになりました
ロシアなんて寒いんだから早く帰って一緒に炬燵に入りましょう
お兄ちゃんのことは心配しないで大丈夫です
妹ちゃん並みに頼りになる娘がいるので(時折不安になりますが)
だから安心して行っておいで
妹「...そうか、これが家族か...」ポロポロ
妹「...0300、これより状況を開始する」
妹「行ってきます、お兄ちゃん!」ニコッ!
am6:00
蜘蛛娘「燃えるぅ~恋するぅ~八角形ぃ~と、ただいまですー」ガチャ
男「...」
蜘蛛娘「む?珍しいですね、起きてらっしゃるとは」
男「...眠れなかった...」
蜘蛛娘「...だったら尚更見送りに」
男「だめだよ...泣いちゃう」
蜘蛛娘「もう目が真っ赤ですよ」
男「朝ごはんいらない...ねる」
蜘蛛娘「あっ!私も!私も一緒に寝ます!!」
なぁ、いちいちidが変わるんだが
男「ぬ...夕方か...うわ、降ってるし」
男「...あれ、もくちゃんは」
八百屋さんに行ってきます
男「...迎えに、行くか」
ザァァアア...
蜘蛛娘「フフフ、動かないで正解でしたね。来てくれると思ってましたよ」ニコニコ
男「起こしてくれれば良かったのに」
蜘蛛娘「それもありですが、湿気読むのも得意でしてね。こういう展開も もしやと思いまして」
男「結局もくちゃんの手のひらの上、か」
蜘蛛娘「迎えに来ることを選んだのは男さんですからね。それだけ想われてると受けとりますよ」
男「なんか悔しいな...」
男「あんまり雨強くなくて良かったけど、体冷えちゃったね、なにか飲む?」
蜘蛛娘「いつもの、と言いたいところですが甘ぁいココアをお願いしますね」
男「はいよ...もくちゃんが来てから生活がガラリと変わったなぁ」
蜘蛛娘「よく物陰からみてましたけど家にいてもあんまり楽しそうじゃありませんでしたよね」
男「一人だったんだもん。寂しいよ」
蜘蛛娘「...大丈夫ですよ、私はどこにも行きませんから」ギュッ
男「...ありがと」
蜘蛛娘「えへ、エヘヘヘ///なんだか恥ずかしいですね!自分で言っておいて」コクコク
男「あ、それ僕の」
蜘蛛娘「...」
男「コー...ヒー...」
103さん、ありがとー
蜘蛛娘「......」
男「も、もくちゃん?」
蜘蛛娘「フフ、フフフ、フフフフフフフフフ」
男「え、ねえ、大丈夫?」
蜘蛛娘「えい」ヒュッ
男「ぬ!?」グルグルグル
蜘蛛娘「フフフ、男しゃんがいっぱい...これは夢ですねぇ~」ポワポワ
男「酔ってる!?...カフェインか...!」ウゴケヌ
蜘蛛娘「夢の中なら...普段できないあんなことやこんなこともクモォ...なことも!!」ハァハァ
蜘蛛娘「いふも憧れてひた、念願の初ちゅうが実現するのですれ!」ジリジリ
男「...ちょ、待って!待って!」
蜘蛛娘「むぅ!夢の中くらひ夢見しゃせろです!」ガシッ
男「だめだっ!!」
蜘蛛娘「...なんでふか、夢のくへに」
男「...僕は君とのはじめての思い出をこんな風にしたくない」
蜘蛛娘「...」
男「それに、君が念願に思っくれてるならこんな風にはじめてを失うことで一番傷つくのはもくちゃん自信だよ」
蜘蛛娘「むぅ...私は...」
男「...ごめんね、僕がいつまでたってもヘタレだから 君に寂しい思いをさせちゃったね」
蜘蛛娘「...謝らないでくだしゃいよ」
男「ヘタレだからね」
蜘蛛娘「...はぁ、夢の中へもお預えですか...女とひて自信が」クンカクンカ
男「そんなことないよ」コラコラ
蜘蛛娘「むぅ...む...ぅ...」ウツラウツラ
男「ぬ、どったの?」ナデナデ
蜘蛛娘「.....ん、んむ?むむむ?...はぅあ!私は何を!?」ガバッ
男「おかえりよー」
蜘蛛娘「え...あ、あああ...///」カアァッ
男「あ、思い出してきたね」
蜘蛛娘「すっ、すいません!私ったらはしたない!!」///
男「いや、そこはあんまり変わらなかったよ」
蜘蛛娘「あう...男さんが治してくれたんですよね ありがとうございます」
男「無意識のうちにクンカクンカして勝手に治ってたよ」
蜘蛛娘「そんなっ!勝手に酔ってカッコ悪く醒めるなんて」
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