妹は末恐ろしい??【2】 (19)
兄 「結局何も対策を立てず週末になってしまった…」
兄友 「別に対策を練ったところで何か変わるとは思わんがな」
兄 「でもよ~。あれから妹の様子も何か変わった訳でもないし、あれから妙に大人しいんだ」
兄友 「いいことじゃん。妹として兄の恋愛を邪魔したくないんじゃないの?」
兄 「逆に不気味だがな。明日は何もしないで居てくれればいいんだが」
兄友 「明日出掛ける事は話してるんだろ?」
兄 「今日言う。とりあえず明日は妹と出掛ける約束もしてないし大丈夫だと思う」
兄友 「だといいな。だが妹ちゃんの行動も予測不能だからなぁ(笑)」
兄 「笑って言える内はまだ安心出来るんだけどな…」
七海 「ちゃお~兄くん。明日は楽しいデートだね。凄く楽しみだなぁ~」
兄 「凄く嬉しそうだが明日は周りに気を付けながらのデートになるかもしれないぞ」
七海 「なんで?護衛なら邪魔はして来ないよ?」
兄 「七海の護衛隊以外にもしかしたら護衛…いや、邪魔をする悪い猫が現れるかも」
七海 「へ?猫…何それ?」
兄 「…妹だよ。とりあえず嘘ついて明日は出掛けるつもりだが、正直信用できないからな…」
七海 (妹ちゃんが邪魔をする?)
兄 「とにかく明日は駅前11時で待ち合わせな。それで大丈夫か?」
七海 「妹ちゃんか…え?あ、うん。大丈夫だよ。それじゃ明日楽しみにしてるね」
兄 「あ…ちょっと。他に聞きたい事あったんだが、まぁ明日でも大丈夫か」
七海 (明日は妹ちゃんが現れようと私は…)
ーーーーーーーーーー
妹 「…………。」
兄 「どうした妹?今日はやけにゆっくりご飯食べてるな」
妹 「え。そ、そうかなぁ…いつも通りだよ~」
兄 「そうか。食欲ないなら無理して食べなくていいからな」
妹 「ありがとう。大丈夫だよ」
兄 「それでなんだが…俺明日ちょっと出掛けるから留守番お願いしたいんだ…」
妹 「お出かけ?どこに?」
兄 「駅前だ…友達と待ち合わせして夕方までは帰って来るよ」
妹 「……そう。分かった。なら私はお家で留守番してるからゆっくりして来て」
兄 「そうか。ありがとう。お礼にお前の好きなシュークリーム買ってきてやるから」
妹 「うわ~い。ありがとうお兄ちゃん!」(これは何か隠してる)
兄 「それだけだ。俺はもう寝るけどリビングの電気よろしくな」
妹 「うん。おやすみ~」
妹 「…………ふ。」(お兄ちゃん嘘バレバレだよ~)
妹 「明日…この目で確かめなきゃね」(ドロボウ猫ちゃんを…)
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兄 「ちょっと早いけど俺は出掛けるから後はよろしくな」
妹 「うん。分かった。気を付けて行ってらっしゃ〜い」(私も支度しなきゃ)
兄 「さて、とりあえず駅に向かうか」
七海 「大丈夫。私ならきっと兄くんに認めてもらえる。今日一日で惚れさせてアゲルんだから」
兄 「なに一人でブツブツ言ってんだ?」
七海 「はぅあ!?い、いつの間に来たの!?」
兄 「今だが。人混みで見つけられるかわかんなかったが以外に目立ってるぞ」
七海「あ。コレね。どう可愛いでしょ?兄くんミニスカートの女の子とか…好き?」
兄 「好きか嫌いかと言うか、嫌いではないな。可愛いさはアピールできるしね」
七海 「そっか〜。可愛いか〜…良かった」(つかみは成功)
兄 「ところで護衛は近くにいるの?」
七海 「居ないよ」
兄 「え?大丈夫なの?」
七海 「私が予め言ってんだ。
護衛必要なしって。万が一の場合は携帯で呼ぶ事になってる」
兄 「へぇ〜…七海がそれでいいなら大丈夫だろ」
七海 「うん。それじゃあどこ行こうか?ホテル?それともホテル??」
兄 「喫茶店に行くか」
七海 「まったく触れて来ないね。そしてクールに喫茶店とは…なかなか」
兄 「とりあえず俺はブレンドコーヒー」
七海 「私はカフェモカのアイスで」
兄 「それでなんだが…」
七海 「何かな?」
兄 「今思ったんだが、七海は会話をしたくて俺をデートに誘ったんだよな?」
七海 「そだよ」
兄 「ここ数日でだいぶ口調が一般的な女子みたいになったな?まるでお嬢様口調が演技の様に感じる」
七海 (ギクリ…)
兄 「俺との会話も苦なくこなしてるし」
七海 「そ、そ、そうかな。家でも練習してたしね。以外に飲み込み早い方かも」
兄 「まぁその件は解決できたみたいだな。それでもう一つ」
七海 「何でも聞いて。私に答えられる範囲で」
兄 「いつまでニセカップルを続ければいいんだ?」
七海 「それは私達が結…こ。あ。違う。私の両親が認めてもらう…違う!?私のお見合い話が解決するまでだよ。うん」
兄 「俺らが彼氏彼女でいる以上は七海へのお見合い話はまずないんだな?」
七海 「そう」(そしてそのままゴールインするのよ)
兄 「それまでニセを演じるのか」
七海 「私はニセじゃなくても…」
兄 「え。なに?」
七海 「何でもないよ!うん」
兄 (それより妹はちゃんと留守番してるのかな?)
妹 「お兄ちゃん私が今助けてあげるからね…」
兄 「それで、他に行きたい所とかないのか?」
七海 「服が買いたい!」
兄 「服か。なら駅前のデパートなら何かと揃ってるだろうから行くか」
七海 「うん」(ふふふ…)
兄 「………なぁ」
七海 「兄くん何してるの早く入りなよ?」
兄 「いやいや…ここは…ランジェリーショップだよな」
七海 「うん。服は服でも下着だよ☆」
兄 「おかしいだろ!?男が普通踏み入れる場所じゃないだろ?」
七海 「何言ってるの?ダーリンが選んでくれた下着は大切にするよ!毎日着用するよ!!」
兄 「お前こそ何言ってるんだ?いくら彼氏(ニセ)でも一緒に入るのは…っておい!?」
七海 「まぁそう言わずに〜一緒に選びましょ」
妹 「あれ?お兄ちゃんどこ行ったんだろ?見失っちゃった」
兄 「おい…」
七海 「兄くんはどれが好き?水色?赤?…それとも黒…とか?」
兄 「色とかじゃねぇ!…あ。とにかく早やく好きなの選べ」
七海 「うーん。それじゃ試着してみようかなぁ」
兄 「ぶっ」
七海 「やっぱり直接見てもらった方が…」
兄 「何でもいいから早く!」
七海 「つれないな〜…あ。コレがいいかも〜」
兄 (E…E!?以外に…なに考えてんだ俺は!)
七海 「あ。ちょっと…キツイかな。うん。でも寄せられて大きく見えるし…」
兄 (わだとだな。聞こえてるの知ってるクセに…待ってる身になってくれ)
七海 「じゃーん」
兄 「ちょ…ちょ!?まった!見せなくていい!凄く似合ってるからまず服着て!」
七海 「にひひ〜」
兄 「………つ、疲れた」
七海 (兄くんは以外に照れ屋さんだね)
妹 「ん〜…いた!あれ?やけに元気無いみたいだけど…七海さんお兄ちゃんに何かしたのかな?許せない!」
七海 「さて、次はどこ行こうか?」
兄 「少し休もうぜ。公園とか」
七海 「あ。そだね。公園ならゆっくり出来そう」
兄 (さて、できる限り時間稼ぎしないとまた何されるか分からん)
兄 「何だかんだで七海は普通に会話できるんじゃん。最初はどう接していけばいいか分からなかったけどね」
七海 「兄くんだからだよ…他の人じゃ無理だった」
兄 「そんな事ないと思うけどな」
七海 「ニセのカップルだけど、私の事をしっかり考えてくれた。兄友だってホントは申し訳ないと思ってるよ」
兄 「あいつとは付き合いが長い。悪い奴じゃないのは知ってる。だからこそ引き受けたんだ」
七海 「ありがとう。何だか気が楽になったよ…あ。ちょっとお手洗いに行ってくるね」
兄 「ああ」
妹 「…………。」
七海 「ふぅ…ダメだ。凄く緊張してなかなか言えない。勇気を持って言わないと…」
妹 「………」(七海さんは私の事は知らないはず)
七海 「………ん?」(妹ちゃん…いや人違いよね。兄くんは留守番してるって言ってたし)
妹 「……… 」
七海 「お待たせ〜」
兄 「お、来たか。まだ休憩するか。他に行きたい場所とかある?」
七海 「………兄くん。ちょっと場所変えようか」(確信は出来ないけどあれは妹ちゃんよね…多分)
兄 「お、おう…でどこ行く?」
七海 「ついて来て…」
兄 「大丈夫か…何だか繁華街から抜けて来てるけど」
七海 「ここ…」
兄 「ここって…俺たちの高校だよな」
七海 「裏口から入れるよ。兄友から聞いてたんだ」
兄 「また変な情報よく知ってるな兄友は」
七海 「…兄くんは今までずっと妹ちゃんと二人で生活してたの?」
兄 「俺が高校入学してからだな」
七海 「妹ちゃんには私の事何も話してないんだよね?」
兄 「ああ」
七海 「…さっき公園で妹ちゃんか分からないけど、見かけたんだ。ハッキリとは見てないけど」
兄 「何だって!?ホントか。まさかとは思ってたけどずっと見られてたとか…」
七海 「うん。確信は出来ないよ。人違いかも知れないし」
兄 「それはそれで確認しないと分からないけど。今日はもう解散した方が良いかもな」
七海 「そうだね…あまり遅くなると妹ちゃんに怪しまれるかもだし」
兄 「だな。ごめんな。今度またゆっくりお茶しよう」
七海 「そうだね。今度は兄くんの家に招待してね…」
兄 「バカ言うな(笑)」
七海 「冗談だよ。気をつけて帰ってね。また明日」
兄 「あぁ」
七海 「………」
兄 「…ただいま〜」
妹 「おかえりなさいお兄ちゃん」
兄 「お…おう。留守番ありがとう。大丈夫だった?」
妹 「うん。ちょっと寂しかったけど何もなかったよ」(全部見てたけどね)
兄 「…そっか。あ…お土産買って来たから食べていいぞ」(やっぱり人違いか?)
妹 「わーい!ありがとう。それよりお腹すいたよ〜。お兄ちゃん早く晩ご飯にしよ」
兄 「ああ。ちょっと待ってろ。すぐ作るから」
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妹 「今日はカレーだ。久しぶりだな〜お兄ちゃんの手作りカレー」
兄 「そうだね。いつも魚か野菜メインだからな」
妹 「………で。今日はどこ行ったの?いろいろ聞きたいなぁ〜」(さぁお兄ちゃん。全て話してもらおうか)
兄 「!?…いや。駅前に買い物だよ…大して報告する事でもないな」
妹 「そ、そうなんだ…」(嘘ついた…お兄ちゃんが私に秘密をするなんて)
兄 (すまん妹よ。今は答えられない)
妹 「うん。でもたまには他のお友達と遊びたくなるよね。私はお兄ちゃんと生活してるから何時でも遊びに行けるかいいや〜」
兄 「ゴメンな。その内また遊びに連れてってあげるから」
妹 「うん。楽しみにしてるよ」
兄 「ん〜…さてと。ちょっと早いが俺は休むよ。先にお風呂入ってくれ」
妹 「分かった」
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妹 「お兄ちゃん…なんで…私に言えない事あるの…」
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兄 「あー!もう馬鹿か俺は!妹だぞ!何であんな嘘つかないといけないいんだ…」
兄 「七海だって好きでニセカップル演じてる訳でもないのに…妹にまで巻き込んで。最低だよ!」
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妹 「明日こそ…七海さんに直接聞くんだ。きっとお兄ちゃんを束縛してるに違いない?いや、お兄ちゃんは七海さんに脅迫されてるんだ」
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兄 「明日七海に言わないとな…正直に妹に事情を話さないと今後余計話が拗れる。分かってくれたらいいけど…」
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七海 「兄くん大丈夫かな〜。妹ちゃんに何か言われたりしてなければいいけど…明日兄くんに聞いてみよ」
兄 「でもやっぱり兄くんは優しいなぁ〜。私もあんなお兄ちゃん欲しかった…いやいや。でも今はカップルなんだから大丈夫。…大丈夫だよ…きっと」
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妹 「あ!でも、もし七海さんがお兄ちゃんね告白して彼氏彼女だったとしたら…いや、そんなハズはない。お兄ちゃんは私と結ばれる予定(確定)なんだから!」
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兄 「妹も余計に首突っ込まないでくれたら助かるんだが、疑われる様な事はなるべく避けたい」
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七海 「妹ちゃんには悪いけど兄くんは私が頂いちゃうんだから。妹は妹。彼女は彼女。どんな理屈があろうと妹は兄と結ばれる事は絶対ないんだからね…ふふふ」
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妹 「兄と妹の絆は一生モノ!同じ血を分けた二人に割って入れるものですか。お兄ちゃんを一番分かっている妹に敵はないんだから!」
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兄 「とりあえず明日学校で兄友と相談だな。今のまま続けて行ける自信がない…大人しく二人とも事を理解してくれたら助かるんだが…妹が一番面倒だな」
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七海 「…明日が楽しみだな〜妹ちゃんには申し訳ないけどね」
妹 「七海さんにはふさわしくない事をしっかり教えてあげないとね。妹として(ドヤぁ)」
兄 「頭が痛い…明日学校行きたくないな〜…」
兄 「……………。」
七海 「………………。」
妹 「……………。」
兄 (なぜこうなった?俺は悪い事何一つしてないぞ…多分)
妹 「………つまりお兄ちゃんは七海さんとは正式にお付き合いをしてないんだよね?」
七海 「ええ…正確には仮の彼氏彼女。ニセのカップルですよ…」
妹 「おかしいと思ってたんだよね〜。最近お兄ちゃんの様子が変だったから」
七海 「流石妹ちゃん。察しがいいね☆」
兄 (褒め称えてどうする。余計図に乗るぞ)
妹 「当たり前だよ。お兄ちゃんと私は血の繋がった兄妹なんだから何でもわかるよ」
七海 「それでね。しばらく落ち着くまでニセカップルを続けないといけないんだ」(いずれ私が頂きますけどね)
妹 「あー。でも良かった。お兄ちゃんにホントの彼女が出来たかと思ってビックリしたよ〜。七海さんも嫌だろうけど、お兄ちゃんを宜しくね」
七海 「…いや〜別に嫌ではないよ。むしろ兄くんがパートナーだったら私は全然OK。逆に妹ちゃんには申し訳ないと思うよ」(なかなか素直に認めないつもりね)
兄 (またいやらしい言い方するな〜)
妹 「もし何か相談事ある時はお兄ちゃんだけじゃなく、私にも頼ってね」(隠し事があるなら全て聞かないとね)
七海 「あ、うん。大丈夫だよ。妹ちゃんには迷惑掛けないようにするから」(むしろ首を突っ込まないと助かるんだよね)
妹 「そっか。分かった。それじゃあ私はクラスに戻るね。七海さん、お兄ちゃんまたね〜」
七海 「はい」(もう来なくて大丈夫ですよ)
兄 「ああ。またな」
兄友 「良かったのか…話して」
兄 「いいよ。いずれ話さないといけなかったんだ。それに兄妹で隠し事とかよくねーじゃん」
兄友 「ほー。こりゃ良いお兄さんを持った妹ちゃんは幸せもんだな」
七海 「あー!酷いなー。彼女(ニセ)を挟んで兄妹のラブラブぶりを見せられると妬いちゃうなぁ」
兄 「七海にも悪い事したな。でも話せて良かった。まだまだ問題はあるけど、なるべく早く解決させないとね」
七海 「う、うん。そうだね…」(兄くんは妹ちゃんの事どう思ってるんだろ?)
兄友 「とりあえず今は流れに任せて、普通にカップルを続ければ七海の両親も気持ちが変わるんじゃないか?」
七海 「そうだよね。落ち着いた頃に正式に付き合…いや。何でもない」
兄 「妹には俺から改めて説明して事情を理解してもらうよ」
七海 「うん。よろしくね」
兄友 「大変だな…兄も楽じゃねーな」
兄 「ウチの妹が特別違うタイプなだけだろ」
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兄 「ただいま〜」
兄 「…………。」(まだ帰って来てないのかな)
兄 「16時30分…最近この時間に帰って来ないからな。まだ晩ご飯まで早いな…ちょっと寝るか」
妹(お兄ちゃん…これからもずっと一緒にだよね?どこにも行かないでね)
兄(当たり前だよ。どこにも行かない。妹がピンチの時は何時でも駆けつけるよ)
妹 (絶対だよ!嘘ついたら許さないんだからね。)
兄 (ああ。約束する…)
ーーーーー
兄 「……ん。すっかり寝てしまった。今何時…っ!?!?」
妹 (スー…スー…)
兄 「いつの間に帰って来たんだ?そして何故俺の隣で寝てるんだ?」
妹 (スー…スー…)
兄 「………ふぅ。こうして寝てる姿見ると、極普通の女の子なんだけどな。はぁ…」
妹 「ん〜…お兄ちゃん…側にいてね…どこにも行かないで…グス」
兄 「えっ!?ちょっ…あ。寝言か。ビックリした。ホント…子供みたいだな」(苦笑)
妹 「…ん。」
兄 「お。起きたか」
妹 「あれ?少し寝るつもりが、お兄ちゃん見てたら私も寝ちゃったんだ」
兄 「うん。そうみたいだね。俺も起きたら隣で寝てたから驚いたよ」
妹 「あわわ…もしかしてずっと見てた…」
兄 「気持ちよく寝てとからな。起こすのも可哀想だからそっとしてたよ」
妹 「う…」(お兄ちゃんに寝顔みられた。どうしよう恥ずかしぃ)
兄 「それよりお腹空いただろ。晩ご飯食べようぜ」
妹 「あ…うん。ずっと寝てたからすごく空いたよ〜」
兄 「……あのさ」
妹 「何お兄ちゃん?」
あに 「今日学校で話した事なんだけど…」
妹 「え。ああ…七海さんの事だよね」
兄 「うん。ずっと隠しててゴメン…すぐ言えなくて」
妹 「ううん大丈夫。私も何となくそんな気がしてけど、お兄ちゃんも何か理由があるんだと思ってたしね」
兄 「うん。七海とは今ニセのカップルと言う事で付き合ってるんだ」
妹 「そのニセってのはどういう事なの?」
兄 「話せば長くなるんだが、まず七海の家庭事情でね…財閥の一人娘でもある七海は高校生で既にお見合いの話が出てるみたいなんだ」
妹 「え?お、おぉ…お見合いっ!?それって男と女が結婚を前提にするアレだよね」
兄 「まぁアレだな」
妹 「まだ高校生から将来の旦那さんを決めなきゃいけないんだね」
兄 「それを嫌がった七海が両親に今学校で付き合ってる彼氏が居る。と言ってしまった訳だ」
妹 「おー。それはまた思いきった嘘ついたね」
兄 「それで急遽彼氏を作らないといけない事になったが、七海は異性の友達が居ない…それで俺の友人が候補に上がったんだが」
妹 「兄友くんだよね。確か七海さんとも昔からの幼なじみじゃなかった?」
兄 「そう。友人と七海が付き合って居れば問題はなかったが今度はその友人の両親が七海とは釣り合わないと言い出したんだ」
妹 「何だか複雑になってきたね…釣り合わないってのも引っかかるよね」
兄 「ん〜…親友は確かに良い奴だが性格がバサバサしてる感じある。方や七海は超ド級のお嬢様の家庭で育った。…もう分かるよな」
妹 「何となく…私が親なら婿に出すのはちょっと気が引けるかな…」
兄 「それで親友は代わりに俺を指名してきた訳だ。俺は七海が女学院に居る間は全く知らなかっし今回の事情も後々知らされたからな」
妹 「なるほどね…妹としては見過ごせないよね。仮にニセと言えど」(七海さんは確実にお兄ちゃんを落としにきてる)
兄 「でも、七海の両親が諦めるまでの期間だから長期的にはならないぞ。そんな心配する事でもない」
妹 「甘いねお兄ちゃん!女の子はフとした男性の油断に突き込んで来るよ」
兄 「ほんと信用ねぇなお前は(苦笑)」
妹 「と〜に〜か〜く〜。もし七海さんに変なことされたりしたら許さないからね!」
兄 「へいへい。気をつけますよ」
妹 「それと…お兄ちゃんは…私と…け、けけけ…っ…」
兄 「け?」
妹 「ななな…何でもない!おやすみお兄ちゃん!」
兄 「どうしたんだ急に…」
七海 「兄くん…大丈夫かな」
七海 「妹ちゃんに私達の事話したときあまりいい顔してなかったし…やっぱり心配なのかな」
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妹 「はぁ…なんだろ…いつもならこんなにドキドキしないのに、冗談でも恥ずかしくて言えなかった」
妹 「お兄ちゃんは七海さんの方が大切なのかな。何だか寂しよ…お兄ちゃんが離れていくみたいで」
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七海 「でもキチンと話せたし妹ちゃんも理解してくれたみたいだった。後は兄くんともっと仲良くならないとね。そして告白…え、告白!?」
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妹 「う〜ん。でも今日みた限りまた彼氏彼女って感じには見えなかったよね。大丈夫。私はまだ諦めないよ」
妹 「…………」(ぼー)
兄 「?」
七海 「…………」(ぼー)
兄 「?」
妹 「はぁ…」
七海 「はぁ…」
兄 「あの…さぁ。なに二人してため息なんかついて…何か悩み事でもあるのか?」
妹 (お兄ちゃんの事だよ!)
七海 (兄くんの事なんだけど)
兄 「あ〜…とりあえずだ。七海の事情は妹にもしっかり話したよ」
七海 「そう。なら私も安心して兄くんと『お付き合い』出来るんですね」(これでまた一歩リードよ)
妹 「む…ま、まぁ事情が事情だし『ニセ』のお付き合いならしょうがないですよねぇ…」(ホントの彼氏なら認めないよ)
兄 「…………。」
七海 「分かってくれて本当にありがとう。これからも末永く…いや。もう少しだけ時間を下さいね」
兄 「そ、そんな訳だ…妹よ分かってくれたか?」
妹 「お兄ちゃんの頼みならしょうがないよ…でも、これからは何処に行く時もしっかり連絡してね。じゃないと心配するから」
兄 「ああ、分かった。約束する」
妹 「なら大丈夫」
七海 「妹ちゃんはホント兄くんが大好きなんだね。羨ましいよ」
妹 「当たり前です。お兄ちゃんを世界で一番愛しているのは私なんですから。もちろんこれからもずっと一緒だもんね?…お兄ちゃん」(七海さんには渡さないよ)
兄 「お前…よく平然とそんな恥ずかしい事言えるな。あ〜…そうだな。大切な妹だから兄としては守ってあげるよ」
妹 「うふふ…ありがとうお兄ちゃん!」
七海 「…あらまぁお熱い兄妹ですね」(見せつけてくれるわね…)
妹 「お兄ちゃんお昼ご飯一緒に食べよ」
兄 「昼飯かぁ…う〜ん。七海は一緒にでもいいか?」
妹 「え?」(先を越された)
七海 「あ、はい。大丈夫だよ。妹ちゃんもこっちに来なよ」
妹 「あ。はい…ん?」
兄 「どうした?早く座りなよ」
妹 「あ…うん」(何で七海さんの前にお兄ちゃんぬの?そこは私の席でしょ?)
七海 「あ。やっぱりお弁当の中身は一緒なんですね」
兄 「一緒に作る方が節約になるからな」
妹 (お兄ちゃん。そこはお世辞でも妹の為に愛を込めて毎日…とか言うとこだよ!)
七海 「あ〜…なるほどね〜。やっぱり二人で生活してくのは大変だよね」
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